JP2018150604A - 鋼材およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】石炭やコークスを積載するばら積み貨物船のホールド内およびバラストタンク内の2つの異なる腐食環境において、ともに優れた耐食性を示す鋼材を提供する。【解決手段】質量%で、C:0.040%以上0.200%以下、Si:0.01%以上0.50%以下、Mn:0.10%以上2.00%以下、P:0.035%以下、S:0.010%以下、Al:0.003%以上0.100%以下、W:0.010%以上0.500%以下、Sb:0.010%以上0.300%以下、Sn:0.010以上0.300%以下およびNb:0.003%以上0.025%以下、N:0.0010%以上0.0080%以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の成分組成を有する鋼材であって、前記Wにおける固溶W量が0.005%以上であり、前記Nbにおける固溶Nb量が0.002%以上である鋼材を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、主としてばら積み貨物船のホールド(船倉)に用いる鋼材およびその製造方法に関し、特に、石炭やコークスを積載するばら積み貨物船のホールドおよびバラストタンクに好適な鋼材およびその製造方法に関する。本発明に係る鋼材は、厚鋼板をはじめとして、薄鋼板、形鋼および棒鋼等を含む。
エネルギー資源の運搬には、多くの場合に商船が用いられている。商船の中でもばら積み貨物船は、その約30%の船腹量を占めている。このばら積み貨物船において、1990年代初頭に海難事故が相次いで発生し、国際問題となった。特に、石炭運搬船での事故が数多く報告されており、その原因の大部分はホールド内での損傷であった。
ばら積み貨物船では、積荷を直接ホールドに積載するため、積荷が腐食性である場合には、その影響を受け易く、ホールド内の腐食、特に石炭運搬船のホールド内の側壁部、肋骨部での孔食による、局所的な強度の減少が問題と考えられる。実際に、この孔食が著しく進行した事例や、船の強度を確保する肋骨部分の板厚が孔食により極端に減少している事例が報告されている。
孔食の発生するばら積み貨物船ホールドの側壁部、肋骨部では、結露水が生じ易い。こうした結露水が生じた場所に石炭の硫黄成分が溶け出し、結露水と反応して硫酸を生成する。そのため、石炭運搬船のホールド内は硫酸腐食が生じ易い低pH環境となっている。
また、コークス運搬船のホールドにおいても激しい硫酸腐食が観察されている。これは、石炭と同様、コークスに含有する硫黄分が激しい腐食の原因となっている。
このようなホールド内の腐食対策として、ホールド内には変性エポキシ系塗装が被覆厚さ約150〜200μmで施されている。しかし、積荷によるメカニカルダメージや積荷搬出の際の重機による傷、磨耗により、塗装が剥がれる場合が多いため、塗装により十分な防食効果を得ることは難しい。
さらなる腐食対策として、定期的に再塗装したり、一部補修するなどの方法が採られている。しかしながら、このような方法は、非常に大きなコストがかかることから、船舶のメンテナンス費用を含め、ライフサイクルコストを低減させるために、新たな耐食鋼の開発が課題となっている。
一方で、船舶には、航行時の船舶の安定性を保つためのバラストタンクがあり、積荷を降ろした際にはバラストタンクに海水が入れられる。これは、ばら積み貨物船についても例外ではない。バラストタンクでは、積荷を降ろした際は海水が浸漬された状態になり、積荷を積んだ際は海水が排水されるが、日中の温度差によって,乾燥と湿潤が繰り返される環境であり,これは苛酷な腐食環境である。そのため、腐食を防ぐ手段として、電気防食や塗装が従来から施されている。
しかしながら、塗装を施しても、作業時における塗膜の損傷や、塗膜に存在するわずかな欠陥を起点とした局部的な腐食が進行することがある。また、電気防食は没水時には防食効果を発揮するものの、積荷を積んでバラストタンク内の海水が空の状態では十分に機能せず、著しく腐食が進行することがある。このような腐食環境におかれている部位では、船舶寿命まで補修塗装を施し、耐食性を維持しているのが実状である。そのため、補修塗装までの期間をできる限り延長することのできる、耐食性に優れた鋼材の開発が望まれている。
ところで、船舶用の耐食鋼としては、カーゴオイルタンク用やバラストタンク用として開発された鋼が知られている。石炭運搬船に言及した従来技術としては、特許文献1〜3が知られている。特許文献1には、耐食性改善元素として、質量%でCu:0.05〜1%、Ni:0.01〜0.5%、Sn:0.005〜0.2%を含有することで、石炭・鉱石運搬船ホールド内での腐食を抑制する鋼材が開示されている。特許文献2には、耐食性改善元素として、質量%でSn:0.01〜0.3%を含有することで、石炭・鉱石運搬船ホールド内での腐食を抑制する鋼材が開示されている。特許文献3では、耐食性改善元素として、質量%でCu:0.05〜0.35%、Ni:0.02〜0.40%、Sb:0.01〜0.2%、W:0.005〜0.5%、Nb:0.003〜0.025%を含有することで、石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド内での腐食を抑制する鋼材が開示されている。
バラストタンクに言及した従来技術としては、特許文献4〜6が知られている。特許文献4には、耐食性改善元素として、質量%でCu:0.05〜0.50%、W:0.01〜0.05を添加し、さらに、Ge、Sn、Pb、As、Sb、Bi、Te、Beのうちの1種または2種以上を0.01〜0.2%添加した耐食性低合金鋼が開示されている。特許文献5には、耐食性改善元素として、質量%でP:0.03〜0.10%、Cu:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜1.0%を添加した低合金耐食鋼材に、防食塗料を塗布し、樹脂被覆したバラストタンクが開示されている。
特許文献6には、耐食性改善元素として、質量%でW:0.01〜0.5%およびMo:0.02〜0.5%のうちから選んだ1種または2種を含有し、かつ、Sn:0.001〜0.2%およびSb:0.01〜0.2%のうちから選んだ1種または2種を含有し、かつ、Cu:0.05%未満、Ni:0.05%未満、Cr:0.05%未満、Co:0.05%未満とすることで、塗膜膨れを抑制する船舶用耐食鋼材が開示されている。
特許文献7には、耐食性改善元素として、質量%でCu:0.01〜2.00%、Mg:0.0002〜0.0150%を必須元素として、その他Ni、Cr、Mo、W、Ca、Sb、Snを選択的に含有することができる、船舶外板、バラストタンク、カーゴオイルタンク、鉱炭船カーゴホールド等の使用環境で優れた耐食性を示す船舶用耐食鋼材が開示されている。
特開2007-262555号公報 特開2008-174768号公報 特開2015-157969号公報 特開昭48-050921号公報 特開平07-034197号公報 特開2009-46750号公報 特開2000-17381号公報
しかしながら、特許文献1、2では、石炭・鉱石運搬船のホールド内での腐食環境を想定して設計された鋼材であり、バラストタンク側の腐食が考慮されてない。さらに、石炭運搬船の使用環境を模擬した塗膜下における耐食性を評価しているものの、ホールド使用環境下では不可避といえる、石炭、コークスなどによるメカニカルダメージに起因した塗膜剥離が生じやすい状況を想定した評価試験は行われていない。特許文献3も、バラストタンク側の腐食が考慮されていない。
特許文献4では、石炭やコークスなどが積まれた際のホールド内側での腐食が考慮されていない。また、バラストタンクで一般的に塗布されているエポキシ系塗料等の塗膜存在下での耐食性については、検討がされておらず、このような塗膜の存在下での耐食性向上については、別途検討の必要がある。特許文献5の鋼材は、下地金属の耐食性を向上させるために、Pを0.03〜0.10%と比較的多量に添加しており、溶接性および溶接部靭性の面から問題がある。特許文献6の鋼材は、石炭やコークスなどが積まれた際のホールド内側での腐食が考慮されていない。特許文献7の鋼材は、Mgの添加を必須としているが、製鋼歩留りが安定しないため、鋼材の機械的特性が安定しない問題がある。
船舶において、1枚の鋼板で,片側がばら積み貨物船ホールド側になり、その反対側がバラストタンク側の構造となる箇所は多い。一方で、ばら積み貨物船の側壁部はシングルハル(一重船殻)となっていることがあり、ホールド内側と海水とは鋼材一枚隔てているだけである。また、バラストタンク上甲板裏はホールドとは接触していない。しかしながら、小型船(一部大型船においても)では、船舶建造時の煩雑さを避けるために、同一鋼板で建造したい要望がある。
しかしながら、以上で述べたとおり、ばら積み貨物船ホールド内、特に石炭やコークスなどの腐食を抑制し、同時に、バラストタンクでの腐食を抑制する、つまり、異なる2つの腐食環境において,同時に耐食性を発揮する解決方法はわかっていなかった。その解決方法を検討するためには、石炭運搬船やコークス運搬船のホールド特有の腐食環境を考慮すると同時に、塗膜が剥離して塗膜がない状態での鋼材の腐食の評価が重要である。また、バラストタンクでは、塗膜存在下での、塗膜欠陥部からの腐食が重要である。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、石炭やコークスを積載するばら積み貨物船のホールド内およびバラストタンク内の2つの異なる腐食環境において、優れた耐食性を同時に示す船舶用耐食鋼材を提供することを目的とする。
一般に、船舶は防食塗膜が施されて使用される。しかし、石炭運搬船やコークス運搬船のホールド使用環境は、石炭やコークスのメカニカルダメージで塗装は剥がれやすい状況にあり、鋼材は乾湿繰り返しかつ石炭やコークスから滲出するSO4 2-イオンのために低pH環境下に曝される。そこで、発明者らは、ホールド内側の鋼材の表面の防食塗膜が剥離した後も耐食性を発揮できる鋼材の開発を試みた。
すなわち、発明者らは、石炭運搬船およびコークス運搬船のホールド内の環境を模擬した試験法を開発し、その試験法を用いて各合金元素の影響を検討した。また、同時に、発明者らは、バラストタンク側の塗膜欠陥部からの腐食の進行を抑制する各合金元素の影響を、バラストタンク内の環境を模擬した試験法を開発したうえで、その試験で検討した。その結果、石炭やコークス運搬船のホールド内の環境とバラストタンク内の環境の両方で鋼材の耐食性の向上に有効に寄与する元素を見出した。すなわち、本発明は、上記の新規な知見に基づき、さらに検討を重ねた末に完成されたもので、その要旨構成は、以下の通りである。
1. 質量%で、
C:0.040%以上0.200%以下、
Si:0.01%以上0.50%以下、
Mn:0.10%以上2.00%以下、
P:0.035%以下、
S:0.010%以下、
Al:0.003%以上0.100%以下、
W:0.010%以上0.500%以下、
Sb:0.010%以上0.300%以下、
Sn:0.010以上0.300%以下および
Nb:0.003%以上0.025%以下、
N:0.0010%以上0.0080%以下
を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の成分組成を有する鋼材であって、
前記Wにおける固溶W量が0.005%以上であり、
前記Nbにおける固溶Nb量が0.002%以上である鋼材。
2.前記成分組成は、さらに、
質量%で、
Ti:0.001%以上0.030%以下、
Zr:0.001%以上0.030%以下および
V:0.002%以上0.200%以下
のうちから選ばれる1種または2種以上を含有する、上記1に記載の鋼材。
3.前記成分組成は、さらに、
質量%で、
Ca:0.0002%以上0.0050%以下
を含有する、上記1または2に記載の鋼材。
4.前記成分組成は、さらに、
質量%で、
B:0.0002%以上0.0050%以下
を含有する、上記1から3のいずれかに記載の鋼材。
5.前記成分組成は、さらに、
質量%で、
Cu:0.04%未満および
Ni:0.04%未満
のうちから選ばれる1種または2種以上を含有する、上記1から4のいずれかに記載の鋼材。
6.前記成分組成は、さらに、
質量%で、
Co:0.010%以上0.500%以下、
Mo:0.010%以上0.500%以下および
Cr:0.010%以上0.200%以下
のうちから選ばれる1種または2種以上を含有する、上記1から5のいずれかに記載の鋼材。
7.前記成分組成は、さらに、
質量%で、
REM:0.0002%以上0.015%以下、
Y:0.0001%以上0.1%以下および
Mg:0.0002%以上0.015%以下
のうちから選ばれる1種または2種以上を含有する、上記1から6のいずれかに記載の鋼材。
8.表面にジンクプライマー塗膜を有する、上記1から7のいずれかに記載の鋼材。
9.表面にエポキシ系塗膜を有する、上記1から7のいずれかに記載の鋼材。
10.表面にジンクプライマー塗膜およびエポキシ系塗膜を有する、上記1から7のいずれかに記載の鋼材。
11.上記1から7のいずれかに記載の成分組成を有する鋼素材を加熱し、その後熱間圧延を施す鋼材の製造方法であって、
前記鋼素材の加熱温度が1050℃以上であり、
前記熱間圧延における仕上圧延後の冷却速度が10℃/s以上である鋼材の製造方法。
本発明によれば、石炭やコークスを積載するばら積み貨物船のホールド内およびバラストタンク内の2つの異なる腐食環境において、ともに優れた耐食性を示す船舶用の鋼材を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態による鋼材について説明する。まず、鋼材の成分組成の限定理由について述べる。なお、本明細書において、各成分元素の含有量を表す「%」は、特に断らない限り「質量%」を意味する。
C:0.040%以上0.200%以下
Cは、鋼の強度を上昇させるのに有効な元素であり、本発明では強度を確保するために0.040%以上含有させる。一方、Cを0.200%を超えて含有させると、溶接性および溶接熱影響部靭性を低下させる。よって、C量は0.040%以上0.200%以下の範囲とする。好ましくは0.050%以上0.180%以下の範囲であり、より好ましくは、0.060%以上0.160%以下の範囲である。
Si:0.01%以上0.50%以下
Siは、脱酸剤として添加され、また鋼の強度を高める元素であるので、本発明では0.01%以上含有させる。しかしながら、Siを0.50%を超えて含有させると、鋼の靱性を劣化させるので、Si量の上限は0.50%とする。好ましくは0.05%以上0.40%以下の範囲であり、より好ましくは0.10%以上0.35%以下の範囲である。
Mn:0.10%以上2.00%以下
Mnは、鋼の強度を上げることができるため、0.10%以上含有させる。しかしながら、Mnを2.00%を超えて含有させると、鋼の靱性および溶接性を低下させるため、Mn量の上限は2.00%とする。好ましくは0.50%以上1.60%以下の範囲である。より好ましくは0.70%以上1.60%以下の範囲である。
P:0.035%以下
Pは、鋼の母材靱性を低下させる有害な元素であるが、Pの低減は製造コストの上昇を招く。そこで、母材靭性および製造コストの観点から、P量は0.035%以下とする。好ましくは0.020%以下であり、より好ましくは0.010%以下である。なお、0.001%未満とするのは工業的規模の製造では難しいため、0.001%以上の含有は許容される。
S:0.010%以下
Sは、鋼の靭性および溶接性を劣化させる有害な元素であるので、極力低減することが好ましいため、0.010%以下とする。好ましくは0.006%以下であり、より好ましくは0.003%以下である。なお、0.0005%未満とするのは工業的規模の製造では難しいため、0.0005%以上の含有は許容される。
Al:0.003%以上0.100%以下
Alは、脱酸剤として0.003%以上含有させるが、0.100%を超える含有は、溶接部靭性に悪影響を及ぼすので、Al量は0.100%以下とする。好ましくは0.010%以上0.050%以下であり、より好ましくは0.015%以上0.040%以下である。
W:0.010%以上0.500%以下
Wは、WO4 2-イオンの生成により、石炭やコークスから滲出するSO4 2-イオンと海水に由来するCl-イオンの地鉄表面への拡散を抑制すると共に、腐食生成物を緻密にして、地鉄表面への水、酸素、SO4 2-イオン、Cl-イオンの拡散を抑制する。これにより、Wはホールド側とバラストタンク側の両環境において、耐食性を向上させることができる。この効果は、0.010%以上で発現するが、0.500%を超えて含有されると効果が飽和するだけでなく、コストも上昇する。そのため、W量は0.010%以上0.500%以下の範囲とする。好ましくは0.020%以上0.200%以下の範囲である。より好ましくは0.030%以上0.150%以下の範囲である。
固溶W:0.005%以上
Wは、上記したような耐食性向上作用を有するが、Wは鋼中で固溶W、あるいは、炭化物などの析出物として存在する。このうち、耐食性の向上に寄与しているのは固溶Wである。固溶Wは0.005%以上で耐食性が発現するため、固溶W量は0.005%以上とした。好ましくは0.010%以上0.50%以下である。より好ましくは0.020%以上である。ここで、固溶Wを0.005%以上とするには、鋼のW添加量を0.007%以上にするとともに、熱間仕上圧延後の冷却速度を10℃/s以上とすることが必要である。
Sb:0.010%以上0.300%以下、Sn:0.010%以上0.300%以下
SbとSnはいずれも、鋼材に合金元素として0.010%以上を含有させると、低pH環境において地鉄近傍に濃縮する。SbとSnは大きな水素過電圧を持つため、SbとSnが析出した部分では水素発生反応が抑制され、耐食性が向上する。ホールド側では、石炭やコークスから滲出するSO4 2-イオンによって低pH環境になり、バラストタンク側では塗膜欠陥部でのアノード部で低pH環境となる。よって、SbとSnの耐食効果は、両環境で発現する。この効果は0.010%以上で発現するが、0.300%を超えて含有させると靭性を低下するので、SbとSnのいずれも0.010%以上0.300%以下の範囲とする。好ましくは0.020%以上0.250%以下の範囲である。より好ましくは0.030%以上0.120%以下の範囲である。
Nb:0.003%以上0.025%以下
Nbは、腐食生成物を緻密にして、石炭やコークスから滲出するSO4 2-イオンと海水に由来するCl-イオンの地鉄表面への拡散を抑制する。これにより、鋼の耐食性が向上する。この効果を得るためにはNbを0.003%以上含有させる必要がある。一方、Nbを0.025%を超えて含有させても効果は飽和する。よって、Nb量は0.003%以上0.025%以下の範囲とする。好ましくは0.005%以上0.020%以下の範囲である。より好ましくは、0.007%以上0.020%以下の範囲である。
固溶Nb:0.002%以上
Nbの添加により耐食性を向上させるには、含有量を上記の範囲としたうえで、さらにNbの鋼中における固溶量を適正な範囲とすることが重要である。鋼中のNbが耐食性効果を発揮するためには、鋼材の腐食に伴ってNbが酸素酸あるいは酸化物の形態で錆層中に溶出することが必要である。一方、Nbの炭化物、窒化物、炭窒化物を形成すると、その周辺での固溶Nb量が減少することで、耐食性の効果は減少する。耐食性を発現するためには、固溶Nb量は0.002%以上である必要がある。好ましくは、0.003%以上0.020%以下であり、より好ましくは0.005%以上である。ここで、固溶Nbを0.002%以上とするには、スラブ等の鋼素材の加熱温度を1050℃以上とすることが必要である。
なお、石炭やコークスを積んだホールド側では、SbがCuと金属間化合物であるCu2Sbを形成することで、さらに耐食性を向上させることもできる。しかしながら、バラストタンク側では、ジンクプライマーが存在しない状態で塗装後に耐食性が劣化することから、本発明ではCuを積極的に添加していない。本発明では、両環境での耐食性を確保するために、所定量のW、Sb、Sn、およびNbを同時に含有させ、さらに所定量の固溶Wと固溶Nbを同時に含有させることが最も重要である。
N:0.0010%以上0.0080%以下
Nは、靱性を低下させる元素であるので、極力低減することが望ましい。しかしながら、工業的には0.0010%未満に低減するのは難しい。一方、0.0080%を超えて含有させると靱性の著しい劣化を招く。よって本発明では、N量は0.0010%以上0.0080%以下の範囲とする。好ましくは0.0015%以上0.0060%以下であり、より好ましくは0.0020%以上0.0050%以下である。
以上、本発明の基本成分について説明した。上記成分以外の残部はFeおよび不可避的不純物であるが、その他にも必要に応じて、以下に述べる元素を適宜含有させることができる。
Ti:0.001%以上0.030%以下、Zr:0.001%以上0.030%以下およびV:0.002%以上0.200%以下のうちから選ばれる1種または2種以上
Ti、ZrおよびVはいずれも、鋼の強度を高める元素であり、必要とする強度に応じて選択して含有させることができる。このような効果を得るためには、TiおよびZrは0.001%以上、Vは0.002%以上含有させる必要がある。しかしながら、TiおよびZrはいずれも0.030%を超えて、またVは0.200%を超えて含有させると靱性が低下するため、Ti、ZrおよびVを含有させる場合には、それぞれ、上記の範囲で含有させることとする。
Ca:0.0002%以上0.0050%以下
Caは、介在物形態制御の効果があり、鋼の延性および靱性を高めることができる。この効果はCa量が0.0002%以上で発現する。一方、Caは0.0050%を超えて含有させると、粗大な介在物を形成し、母材の靱性を劣化させる。そこで、Ca量は0.0002%以上0.0050%以下の範囲とする。好ましくは0.0005%以上0.0040%以下の範囲である。より好ましくは0.0010%以上0.0030%以下の範囲である。
B:0.0002%以上0.0050%以下
Bは鋼の強度を高める元素であり、必要とする強度に応じて選択して含有させることができる。このような効果は、0.0002%以上で発現する。しかしながら、0.0050%を超えて含有させると靱性が低下するため、B量は0.0002%以上0.0050%以下とする。好ましくは0.0003%以上0.0025%以下であり、より好ましくは0.0005%以上0.0015%以下である。
Cu:0.04%未満およびNi:0.04%未満のうちから選ばれる1種または2種以上
Cu、Niは、石炭やコークスを積荷とするホールド側においては、Fe3O4のような腐食生成物を緻密にし、耐食性を向上させる効果がある。この緻密化した腐食生成物層が保護膜として作用し、H2O、O2、SO4 2-といった腐食因子の地鉄表面への透過が抑制され、鋼の耐食性が向上する。さらに、CuはSbと複合的に含有されることで、金属間化合物であるCu2Sbを形成し、耐食性が向上する。しかしながら、CuとNiはいずれも、ジンクプライマーが存在しない状態で塗装耐食性を劣化させるため、塗装耐食性の観点からは、これらの含有量をできるだけ低減するのが好ましい。しかしながら、スクラップ等を使用した場合の不可避的不純物としての混入が避けられない元素である。そこで、発明者らは、これらの元素の許容範囲について検討したところ、Cu、Niはいずれも0.04%未満であれば、塗装耐食性に対する影響がほとんどなく、許容できることが判明した。より好ましくは、いずれも0.02%未満、さらに好ましくは0.01%未満である。
Co:0.010%以上0.500%以下、Mo:0.010%以上0.500%以下およびCr:0.010%以上0.200%以下のうちから選ばれる1種または2種以上
Co、Mo、Crはいずれも、鋼の強度を高める元素であり、必要に応じて選択して含有させることができる。このような効果は、Co、Mo、Cr共に0.010%以上で発現するが、Co、Moでは0.500%を超えて、また、Crでは0.200%を超えて含有させるとそれぞれ靱性が低下するため、Co、Mo、Crは上記の範囲で含有させることとする。
REM:0.0002%以上0.015%以下、Y:0.0001%以上0.1%以下、およびMg:0.0002%以上0.015%以下のうちから選ばれる1種または2種以上
REM(希土類元素)、Y、Mgはいずれも溶接熱影響部の靭性向上に効果のある元素であり、必要に応じて選択して添加することができる。この効果は、REM:0.0002%以上、Y:0.0001%以上、Mg:0.0002%以上で得られる。しかし、REM:0.015%、Y:0.1%、Mg:0.015%を超えて含有させると、却って靭性の低下を招くので、REM、Y、Mgは、それぞれ上記値を上限として添加するのが好ましい。
本発明における成分組成のうち、上記以外の成分はFeおよび不可避的不純物である。ただし、本発明の効果を阻害しない範囲内であれば、上記以外の成分の含有を拒むものではない。
次に、本発明に係る鋼材の好適な製造方法について説明する。
上記した成分組成の溶鋼を転炉、電気炉等の通常公知の方法で溶製し、連続鋳造法、造塊法等の通常公知の方法でスラブやビレット等の鋼素材とするのが好ましい。なお、溶鋼に、取鍋精錬や真空脱ガス等の処理を付加しても良いことは言うまでもない。
鋼素材の加熱温度は、Nbの固溶量と相関を有する。鋼素材の加熱温度を1050℃以上とすることにより、Nbの鋼中固溶量を必要量確保することができ、その結果耐食性を向上させることができる。よって、上記鋼素材を、1050〜1250℃の温度に加熱したのち、所望の寸法形状に熱間圧延するか、あるいは鋼素材の温度が熱間圧延可能な程度に高温である場合には加熱することなく、あるいは均熱する程度で直ちに所望の寸法形状の鋼材に熱間圧延することが好ましい。
また、固溶Wを0.005%以上に制御するためには、鋼のW添加量を0.010%以上にするとともに、熱間圧延の工程で、熱間仕上圧延後の冷却速度を10℃/s以上とすることが必須である。
なお、熱間圧延では、強度を確保するために、熱間仕上圧延終了温度および熱間仕上圧延終了後の冷却速度を適正化することが好ましく、熱間仕上圧延終了温度は600℃以上、熱間仕上圧延終了後の冷却は、空冷または冷却速度10℃/s以上150℃/s以下の加速冷却を行うことが好ましい。なお、冷却後、再加熱処理を施してもよい。その他の製造条件は、鋼材の一般的な製造方法に従えばよい。
なお、耐食性に効果を発現する固溶Wは、加熱中や冷却中にW炭化物として少しずつ析出し、減少する傾向がある。ただし、圧延後の空冷では固溶W量には、ほとんど影響はない。しかしながら、圧延冷却後の再加熱処理では固溶Wが減少することから、耐食性確保のために、極力再加熱処理は避けたほうが良い。
また、本発明において、バラストタンク側の鋼材表面に生成する耐食性に優れた錆は、ジンクプライマーが鋼材表面に塗布されている場合に、速やかに形成する。ジンクプライマー存在下では、ジンクプライマー中のZnが下地の鋼材の犠牲防食剤として働き溶出したのち、塩基性塩化亜鉛や酸化亜鉛等のZn系腐食生成物を形成するが、このZn系腐食生成物がFe3O4錆成分の核として作用し、本発明の耐食性向上元素による微細な錆層の形成が促されるためである。
従って、耐食性に優れた緻密な錆層を速やかに形成するためには、バラストタンク側の鋼材表面にジンクプライマーを塗布することが好ましいが、ジンクプライマーが鋼材表面に塗布されていない場合であっても、本発明に微細な錆層の形成が否定されるものではない。
なお、バラストタンク側のこの高い耐食性を保証するためには、塩水浸漬あるいは噴霧環境と乾湿繰り返し環境を模擬した塩水浸漬あるいは塩水散布を含む繰り返し環境に曝したジンクプライマーを塗布した鋼材の耐食性で評価することが好ましい。
次に、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
表1に示す成分組成を含む鋼を、真空溶解炉で溶製後、インゴットとし、または転炉で溶製後、連続鋳造によりスラブとした。ついで、インゴットまたはスラブを加熱炉に装入して1150℃に加熱後、熱間圧延により、25mm厚の鋼板とした。
Figure 2018150604
これらの鋼板について、母材の機械的特性である、引張特性および衝撃特性(シャルピー衝撃試験により、−20℃での吸収エネルギーvE-20を測定)を調査した。また、溶接部靭性として、溶接入熱が150kJ/cmのサブマージアーク溶接した時の溶接継手における溶接熱影響部1mm位置(ヒュージョンラインから母材側に1mm入った箇所)での熱履歴に相当する再現熱サイクルを付与したのち、シャルピー衝撃試験により0℃での吸収エネルギーvE0を測定した。
また、耐食性については、以下に示す3種の条件の試験で評価を行った。
評価試験1:石炭やコークスを積載するばら積み貨物船のホールド内の腐食環境模擬試験
前記鋼板から、5mmt×50mmW×75mmLの試験片を採取し、その表面をショットブラストして、表面のスケールや油分を除去した。この面を試験面として、塗膜剥離後の鋼材の耐食性を評価した。裏面と端面をシリコン系シールでコーティングした後、アクリル製の治具に嵌め込み、その上に石炭5gを敷き詰め、恒温恒湿器により、雰囲気A(温度60℃、相対湿度95%、20時間)⇔雰囲気B(温度30℃、相対湿度95%、3時間)、遷移時間0.5時間の温度湿度サイクルを84日間与えた。ここで、記号「⇔」は繰り返しを意味している。
なお、石炭は5gを秤量し、これを常温で100mlの蒸留水に2時間浸漬したのち、ろ過を行い、200mlに希釈した石炭浸出液のpHが3.0になるものを用いた。
本実施例では、上記の条件で試験を行うことにより、石炭運搬船およびコークス運搬船のホールド内の腐食に大きな影響を及ぼす温湿度環境、結露状況を模擬している。試験後、錆剥離液を用い、各試験片の錆を剥離し、鋼材の重量減少量を測定し腐食量とした。また、生じた最大孔食深さをデプスメーターを用いて測定した。W、Sb、Sn、Nb、固溶Wおよび固溶Nbの含有量がすべて本願発明の範囲から外れている比較例であるB1の腐食減少量および最大孔食深さを100とし、これとの相対比率で示した。この相対比率で示す腐食減少量および最大孔食深さが70%以下であれば、耐食性に優れるといえる。
評価試験2:バラストタンク内の比較的没水時間が長い箇所での腐食環境模擬試験
前記鋼板から、3mmt×70mmW×150mmLの試験片の試験片を採取し、その試験片の表面をショットブラストして、表面のスケールや油分を除去した。その後、ジンクリッチプライマーを約15μmのみ塗装した試験片、さらにその上に、変性エポキシ樹脂塗料(約320μm)の塗膜を塗装した試験片、変性エポキシ樹脂塗料(約320μm)のみを塗装した試験片、の3種類の試験片をそれぞれ作製した。
変性エポキシ樹脂塗料を塗布した2種類の試験片に対しては、塗膜の上からカッターナイフで地鉄表面まで達する80mm長さのスクラッチ疵を一文字状に付与しておき、以下の条件の腐食試験後に、スクラッチ傷:10mmあたりに発生した塗膜膨れ面積を算出して、耐食性を評価した。なお、塗膜膨れ面積は、比較例であるB1の塗膜膨れ面積を100%とし、これとの相対比率で示した。この相対比率で示す塗膜膨れ面積が70%以下であれば、塗装耐食性に優れるといえる。
また、ジンクリッチプライマーのみを塗装した試験片については、腐食試験後に塗膜剥離液と除錆液で塗膜と錆を剥離させた後に、腐食試験後の重量変化(腐食量)で評価を行った。比較例であるB1の腐食重量変化を100とし、これとの相対比率で示した。この相対比率で示す腐食重量変化が70%以下であれば、耐食性に優れるといえる。
評価試験2の腐食試験では、塩水浸漬(50℃人工海水浸漬)7日間→乾湿繰り返し試験(60℃、相対湿度30%、4時間⇔50℃、相対湿度95%、2時間)7日間を1サイクルとする試験を52サイクル行った。上記の条件で試験を行うことにより、バラストタンク内の比較的没水時間が長い箇所、つまり、バラストタンク側の上甲板近傍部を除いた部位での、塩水浸漬環境と乾湿繰り返し環境が組み合わさった環境を模擬している。
評価試験3:バラストタンク内の比較的没水時間が短い箇所での腐食環境模擬試験
試験片の作製および評価に関しては、評価試験2と同様である。
評価試験3の腐食試験では、塩水噴霧(35℃、5%NaCl溶液噴霧、2時間)→乾燥(60℃、相対湿度25%、4時間)→湿潤(50℃、相対湿度95%、2時間)を1サイクルとする試験を252サイクル行った。上記の条件で試験を行うことにより、バラストタンク内の比較的没水時間が短い箇所、つまり、バラストタンク側の上甲板近傍部位での、塩水噴霧環境と乾湿繰り返し環境が組み合わさった環境を模擬している。
なお、本発明における耐食性に有効な固溶W量および固溶Nb量は、鋼中に含まれる全含有量から抽出残渣分析から求めた析出量を差し引いて求めた。
表2に機械的特性調査結果を示し、表3に耐食性試験結果を示す。
表2に示されるように、発明例、比較例ともに良好な母材機械的特性および溶接部衝撃特性を示した。母材機械的特性を評価する引張特性については、降伏応力YSが315MPa以上、引張強さTSが440MPa以上、伸びElが19%以上を良好とし、衝撃特性については、シャルピー衝撃試験による−20℃での吸収エネルギーvE-20が31J以上を良好とした。溶接部衝撃特性については、シャルピー衝撃試験による0℃での吸収エネルギーvE0が34J以上を良好とした。
しかしながら、表3に示されるように、耐食性については大幅な違いがみられた。すなわち、比較例であるB1に対して、発明例の腐食試験結果は70%以下であり、良好な耐食性を示したのに対し、比較例では70%以上となっており、耐食性として不十分であった。
Figure 2018150604
Figure 2018150604
本発明に係る鋼材によれば、石炭やコークスを積載するばら積み貨物船のホールド内およびバラストタンク内の2つの異なる腐食環境において、ともに優れた耐食性を示すため、これらの再塗装や鋼材切替えの頻度を低減することができる。

Claims (11)

  1. 質量%で、
    C:0.040%以上0.200%以下、
    Si:0.01%以上0.50%以下、
    Mn:0.10%以上2.00%以下、
    P:0.035%以下、
    S:0.010%以下、
    Al:0.003%以上0.100%以下、
    W:0.010%以上0.500%以下、
    Sb:0.010%以上0.300%以下、
    Sn:0.010以上0.300%以下および
    Nb:0.003%以上0.025%以下、
    N:0.0010%以上0.0080%以下
    を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の成分組成を有する鋼材であって、
    前記Wにおける固溶W量が0.005%以上であり、
    前記Nbにおける固溶Nb量が0.002%以上である鋼材。
  2. 前記成分組成は、さらに、
    質量%で、
    Ti:0.001%以上0.030%以下、
    Zr:0.001%以上0.030%以下および
    V:0.002%以上0.200%以下
    のうちから選ばれる1種または2種以上を含有する、請求項1に記載の鋼材。
  3. 前記成分組成は、さらに、
    質量%で、
    Ca:0.0002%以上0.0050%以下
    を含有する、請求項1または2に記載の鋼材。
  4. 前記成分組成は、さらに、
    質量%で、
    B:0.0002%以上0.0050%以下
    を含有する、請求項1から3のいずれかに記載の鋼材。
  5. 前記成分組成は、さらに、
    質量%で、
    Cu:0.04%未満および
    Ni:0.04%未満
    のうちから選ばれる1種または2種以上を含有する、請求項1から4のいずれかに記載の鋼材。
  6. 前記成分組成は、さらに、
    質量%で、
    Co:0.010%以上0.500%以下、
    Mo:0.010%以上0.500%以下および
    Cr:0.010%以上0.200%以下
    のうちから選ばれる1種または2種以上を含有する、請求項1から5のいずれかに記載の鋼材。
  7. 前記成分組成は、さらに、
    質量%で、
    REM:0.0002%以上0.015%以下、
    Y:0.0001%以上0.1%以下および
    Mg:0.0002%以上0.015%以下
    のうちから選ばれる1種または2種以上を含有する、請求項1から6のいずれかに記載の鋼材。
  8. 表面にジンクプライマー塗膜を有する、請求項1から7のいずれかに記載の鋼材。
  9. 表面にエポキシ系塗膜を有する、請求項1から7のいずれかに記載の鋼材。
  10. 表面にジンクプライマー塗膜およびエポキシ系塗膜を有する、請求項1から7のいずれかに記載の鋼材。
  11. 請求項1から7のいずれかに記載の成分組成を有する鋼素材を加熱し、その後熱間圧延を施す鋼材の製造方法であって、
    前記鋼素材の加熱温度が1050℃以上であり、
    前記熱間圧延における仕上圧延後の冷却速度が10℃/s以上である鋼材の製造方法。
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