JP2018147973A - 実装構造体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い信頼性を有する実装構造体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】実装構造体1は、表面SF1及びその反対面である裏面SF2を有する基板11と、基板11の表面SF1側に搭載される部品12と、基板11と部品12との間に設けられて部品12を基板11の表面SF1側に固定する熱硬化性樹脂13と、を備え、基板11の表面SF1及び裏面SF2の少なくとも一方には、平面視で少なくとも一部が部品12と重なる凹部C1が形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】実装構造体1は、表面SF1及びその反対面である裏面SF2を有する基板11と、基板11の表面SF1側に搭載される部品12と、基板11と部品12との間に設けられて部品12を基板11の表面SF1側に固定する熱硬化性樹脂13と、を備え、基板11の表面SF1及び裏面SF2の少なくとも一方には、平面視で少なくとも一部が部品12と重なる凹部C1が形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、実装構造体及びその製造方法に関する。
実装構造体は、基板上に各種部品(実装体)が搭載された構造のものをいい、これまで多種多様のものが実用化されている。このような実装構造体において、基板上に各種部品を固定するためには、一般的に樹脂やハンダが用いられる。例えば、基板上に搭載される部品が金属等の不透明な部品である場合には熱硬化性樹脂が用いられ、基板上に搭載される部品がガラス等の透明な部品である場合には紫外線硬化性樹脂が用いられる。
以下の特許文献1〜3には、従来の実装構造体の製造方法の一例が開示されている。具体的に、以下の特許文献1には、金属製の基体の上面に設けた溝部に発熱手段を収容した後に、熱硬化性樹脂を溝部に沿って発熱手段を覆うように塗布し、熱硬化性樹脂上に載置した部材を押圧して基体に密着させた後に、発熱手段を発熱させて熱硬化性樹脂を硬化させることで、基体を部材に固定する方法が開示されている。
以下の特許文献2には、接着剤が塗布された金属フレーム上にフレキシブル基板を配置し、接着剤の塗布部をヒートブロックの加熱部で局所的に加熱することでフレキシブル基板を金属フレームに接着する方法が開示されている。以下の特許文献3には、底面が平面状のベースプレートを、凸状の加熱面を有するヒーター上に底面が加熱面に沿うように固定し、光学部品を搭載するサブマウントをベースプレート上にはんだ付けし、サブマウントがはんだ付けされたベースプレートのヒーターへの固定を解放する方法が開示されている。
ところで、上述した特許文献1に開示された方法では、硬化した熱硬化性樹脂の内部に発熱手段が残存する実装構造体が製造されるこことなる。このような実装構造体に外力が加わると、発熱手段が残存している部分に応力が集中し、その部分が剥離の起点になる可能性があるという問題がある。また、上述した特許文献2に開示された方法では、接着剤の塗布部の全体が同時に加熱されることから、真空ボイドやヒケの発生を抑制することは困難であるという問題がある。この問題は、上述した特許文献3でも生じ得る。
ここで、真空ボイドは、樹脂が収縮する際に樹脂の内部に形成される空洞(気泡)をいい、ヒケは、樹脂が収縮する際に樹脂の表面に形成される凹みをいう。このような真空ボイド及びヒケは、熱硬化性樹脂の場合には、樹脂を硬化させる際の温度ムラに起因して生ずる。例えば、真空ボイドは、基板と部品との間に配された熱硬化性樹脂の外表面温度が高く、中心温度が低い場合に生じ、ヒケは、基板と部品との間に配された熱硬化性樹脂の一側面の外表面温度が高く、他面側の外表面温度が低い場合に生ずる。真空ボイドは、応力集中が生じて剥離の起点になる可能性があり、ヒケは、熱硬化性樹脂の平面視形状が非対称になって部品の位置ずれが生ずる可能性がある。このため、実装構造体の信頼性を高めるためには、真空ボイドやヒケの発生を防止する必要がある。
また、実装構造体の部品に外力が加わった場合に、部品の特定部分(部品の固定に用いられている熱硬化性樹脂の特定部分)に応力が集中すると、その特定部分において熱硬化性樹脂が剥離しやすくなり、信頼性の低下を招いてしまうことも考えられる。このため、実装構造体の信頼性を高めるためには、部品に外力が加わった際の応力集中を低減する必要がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、高い信頼性を有する実装構造体及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の実装構造体は、第1面(SF1)及びその反対面である第2面(SF2)を有する基板(11、21、31、41)と、該基板の前記第1面側に搭載される実装体(12)と、前記基板と前記実装体との間に設けられて前記実装体を前記基板の前記第1面側に固定する熱硬化性樹脂(13)と、を備える実装構造体(1〜4)であって、前記基板の前記第1面及び第2面の少なくとも一方には、平面視で少なくとも一部が前記実装体と重なる凹部(C1、C2、C11)が形成されている。
また、本発明の実装構造体は、前記凹部が、平面視で前記実装体の中央部に位置する。
また、本発明の実装構造体は、前記凹部が、少なくとも前記基板の前記第1面に形成されており、前記熱硬化性樹脂が、前記基板の前記第1面に形成された前記凹部を埋めるように前記基板と前記実装体との間に設けられる。
或いは、本発明の実装構造体は、前記凹部が、少なくとも前記基板の前記第2面に形成されている。
また、本発明の実装構造体は、前記凹部が、平面視で重なるように、或いは平面視で何れか一方が何れか他方に含まれるように、前記基板の前記第1面及び第2面の双方に形成されている。
或いは、本発明の実装構造体は、前記基板の第1面側には、前記実装体が搭載される凸状の搭載部(E1)が形成されており、前記凹部が、平面視で前記搭載部と重なるように、前記基板の前記第2面に形成されている。
また、本発明の実装構造体は、前記凹部の平面視での面積が、前記実装体の平面視での面積よりも小さい。
本発明の実装構造体の製造方法は、第1面(SF1)及びその反対面である第2面(SF2)を有し、前記第1面及び第2面の少なくとも一方に凹部(C1、C2、C11)が形成されている基板(11、21、31,41)の前記第1面側に、平面視で前記凹部を中心として熱硬化性樹脂(13)を塗布する第1工程と、前記熱硬化性樹脂上に実装体(12)を配置する第2工程と、ヒーター(HT)上に配された熱伝導治具(Z1〜Z5)に形成された凸部が、平面視で前記凹部内に配置されるように位置決めする第3工程と、前記熱伝導治具に形成された前記凸部を前記基板の前記第2面側に接触させ、前記熱硬化性樹脂を加熱して硬化させる第4工程と、を有する。
本発明の実装構造体の製造方法は、前記凸部が、先端に行くにつれて外径が小さくなるテーパー形状である。
或いは、本発明の実装構造体の製造方法は、前記凸部が、先端に行くにつれて外径が小さくなる複数の段部を有する形状である。
また、本発明の実装構造体の製造方法は、前記熱伝導治具には、前記凸部の周囲に前記基板を支持する複数の突起(P)が形成されている。
また、本発明の実装構造体の製造方法は、前記突起が、前記凸部が前記基板の前記第2面側に接触した状態において、前記凸部と前記熱硬化性樹脂との間の距離のうちの最も長い距離よりも長い距離だけ前記凸部から離間した位置に形成されている。
また、本発明の実装構造体は、前記凹部が、平面視で前記実装体の中央部に位置する。
また、本発明の実装構造体は、前記凹部が、少なくとも前記基板の前記第1面に形成されており、前記熱硬化性樹脂が、前記基板の前記第1面に形成された前記凹部を埋めるように前記基板と前記実装体との間に設けられる。
或いは、本発明の実装構造体は、前記凹部が、少なくとも前記基板の前記第2面に形成されている。
また、本発明の実装構造体は、前記凹部が、平面視で重なるように、或いは平面視で何れか一方が何れか他方に含まれるように、前記基板の前記第1面及び第2面の双方に形成されている。
或いは、本発明の実装構造体は、前記基板の第1面側には、前記実装体が搭載される凸状の搭載部(E1)が形成されており、前記凹部が、平面視で前記搭載部と重なるように、前記基板の前記第2面に形成されている。
また、本発明の実装構造体は、前記凹部の平面視での面積が、前記実装体の平面視での面積よりも小さい。
本発明の実装構造体の製造方法は、第1面(SF1)及びその反対面である第2面(SF2)を有し、前記第1面及び第2面の少なくとも一方に凹部(C1、C2、C11)が形成されている基板(11、21、31,41)の前記第1面側に、平面視で前記凹部を中心として熱硬化性樹脂(13)を塗布する第1工程と、前記熱硬化性樹脂上に実装体(12)を配置する第2工程と、ヒーター(HT)上に配された熱伝導治具(Z1〜Z5)に形成された凸部が、平面視で前記凹部内に配置されるように位置決めする第3工程と、前記熱伝導治具に形成された前記凸部を前記基板の前記第2面側に接触させ、前記熱硬化性樹脂を加熱して硬化させる第4工程と、を有する。
本発明の実装構造体の製造方法は、前記凸部が、先端に行くにつれて外径が小さくなるテーパー形状である。
或いは、本発明の実装構造体の製造方法は、前記凸部が、先端に行くにつれて外径が小さくなる複数の段部を有する形状である。
また、本発明の実装構造体の製造方法は、前記熱伝導治具には、前記凸部の周囲に前記基板を支持する複数の突起(P)が形成されている。
また、本発明の実装構造体の製造方法は、前記突起が、前記凸部が前記基板の前記第2面側に接触した状態において、前記凸部と前記熱硬化性樹脂との間の距離のうちの最も長い距離よりも長い距離だけ前記凸部から離間した位置に形成されている。
本発明によれば、第1面及び第2面の少なくとも一方に、平面視で実装体の中央部に位置する凹部が形成された基板を用い、熱硬化性樹脂の中央部が先に加熱されるようにすることで、熱硬化性樹脂13を中央部から外側に向かって順に硬化するようにしているため、高い信頼性を有する実装構造体を得ることができる、という効果がある。
以下、図面を参照して本発明の実施形態による実装構造体及びその製造方法について詳細に説明する。尚、以下で参照する図面では、理解を容易にするために、必要に応じて各部材の寸法を適宜変えて図示している。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態による実装構造体を示す図であって、(a)は平面透視図であり、(b)は(a)中のA−A線断面矢視図である。図1に示す通り、本実施形態の実装構造体1は、基板11と、基板11上に搭載された部品12(実装体)と、基板11と部品12との間に設けられて部品12を基板11に固定する熱硬化性樹脂13と、を備える。
図1は、本発明の第1実施形態による実装構造体を示す図であって、(a)は平面透視図であり、(b)は(a)中のA−A線断面矢視図である。図1に示す通り、本実施形態の実装構造体1は、基板11と、基板11上に搭載された部品12(実装体)と、基板11と部品12との間に設けられて部品12を基板11に固定する熱硬化性樹脂13と、を備える。
基板11は、平面視形状が矩形形状であり、表面SF1(第1面)及びその反対面である裏面SF2(第2面)を有する平板状の部材である。この基板11の構成材料としては、特に限定されるものではないが、銅(Cu)やアルミニウム(Al)等の金属、ソーダガラスや石英ガラス等のガラス基材、ポリイミド樹脂やガラスエポキシ樹脂等の樹脂等を用いることができる。尚、基板11が金属である場合には、例えば窒化アルミニウム(AlN)等の線膨張係数の小さな材料を用いるのが好ましい。基板11の大きさは、特に限定されるものではないが、例えば長辺の長さが10[cm]程度であり、短辺の長さが5[cm]程度であり、厚みが5[mm]程度のものを用いることができる。
この基板11の裏面SF2には、例えば平面視形状が円形の凹部C1が形成されている。具体的に、凹部C1は、基板11の裏面SF2であって、平面視で部品12の中央部の位置に形成されている。尚、凹部C1は、部品12が搭載される前から基板11に形成されていることから、凹部C1は、平面視で部品12が搭載されるべき領域(以下、「部品搭載領域」という)の中央部に形成されている、或いは平面視で熱硬化性樹脂13が塗布されるべき領域(以下、「樹脂塗布領域」という)の中央部に形成されている、と言うこともできる。詳細は後述するが、この凹部C1は、熱硬化性樹脂13における真空ボイドやヒケの発生を防止して、高い信頼性を有する実装構造体1を得るために基板11に形成されるものである。
凹部C1は、平面視での中心位置が、部品搭載領域(或いは、樹脂塗布領域)の平面視での中心位置に一致するように形成されていることが好ましい。但し、凹部C1の平面視での中心位置は、真空ボイドやヒケの発生を防止することが可能であれば、部品搭載領域(或いは、樹脂塗布領域)の平面視での中心位置から多少ずれていても良い。例えば、樹脂塗布領域が半径rの円形形状である場合には、凹部C1の平面視での中心位置は、樹脂塗布領域の平面視での中心位置を中心とした半径r/2の領域に含まれていれば良い。この場合において、上記半径r/2の領域が上記の中央部に該当する。
凹部C1の平面視での面積は、部品12の平面視での面積よりも小さく、且つ、後述する熱伝導治具Z1に形成される凸部T1(図3(d)参照)の平面視での面積よりも大きい。凹部C1の平面視での面積を、部品12の平面視での面積よりも小さくするのは、主に熱伝導治具Z1に形成される凸部T1の位置合わせを容易にするためである。また、凹部C1の平面視での面積を、熱伝導治具Z1に形成される凸部T1の平面視での面積よりも大きくするのは、熱硬化性樹脂13を硬化させるために、熱伝導治具Z1に形成される凸部T1を、凹部C1内に配置する必要があるからである。
凹部C1の平面視での大きさ(面積)は、特に限定されるものではないが、熱伝導治具Z1に形成される凸部T1を、スムーズに凹部C1内に配置することができる大きさに設定される。例えば、直径5〜7[mm]程度に設定することができる。また、凹部C1の深さは、任意に設定することが可能であるが、例えば基板11の厚みの1/3〜1/5程度であることが好ましい。
尚、凹部C1の平面視形状は、円形に限定されるものではなく、四角形等の他の形状であっても良い。ここで、凹部C1の平面視形状は、樹脂塗布領域の平面視形状に応じた形状であることが好ましい。例えば、樹脂塗布領域の平面視形状が円形であれば、凹部C1の平面視形状も円形にされ、樹脂塗布領域の平面視形状が四角形であれば、凹部C1の平面視形状も四角形にされている、といった具合である。
部品12は、例えば直方体形状の部材であり、基板11の表面SF1側に搭載される。この部品12は、特に限定されるものではないが、金属部品、半導体部品、光学部品、電気部品、その他の任意の部品であって良い。例えば、部品12は、光ファイバのフェルール等を保持する金属製の部品、電源端子や信号端子を保持する絶縁性を有する部品等である。この部品12の大きさは、特に限定されるものではないが、例えば縦の長さが1[cm]程度であり、横の長さが1[cm]程度であり、高さが7〜8[mm]程度のものを用いることができる。
熱硬化性樹脂13は、基板11と部品12との間に設けられて、基板11と部品12とを接着して固定することで、基板11上への部品12の搭載を可能とするものである。この熱硬化性樹脂13としては、例えば、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂等を用いることができる。
図2は、本発明の第1実施形態による実装構造体で生ずる応力を説明するための図である。尚、図2(a)は、本実施形態の実装構造体1に係るものを示す図であり、図2(b)は、従来の実装構造体100に係るものを示す図である。図2(a)に示す実装構造体1と図2(b)に示す実装構造体100とは、基板11の裏面SF2に凹部C1が形成されているか否かにおいて相違する。
まず、図2(b)を参照すると、従来の実装構造体100では、部品12に外力EFが加わると、応力が部品12の外周部(熱硬化性樹脂13の外周部)に集中することが分かる。このため、従来の実装構造体100では、部品12の外周部における応力が大きくなって熱硬化性樹脂13が剥離しやすい。これに対し、図2(a)を参照すると、本実施形態の実装構造体1では、部品12に外力EFが加わると、部品12の外周部(熱硬化性樹脂13の外周部)のみならず、基板11が薄くなっている部分(裏面SF2に凹部C1が形成されている部分)にも応力が加わっていることが分かる。このため、本実施形態の実装構造体1では、応力が分散されて応力集中が低減されることから、従来の実装構造体100に比べると、熱硬化性樹脂13が剥離しにくい。
次に、上記構成の実装構造体1の製造方法について説明する。図3は、本発明の第1実施形態による実装構造体の製造工程を示す断面図である。まず、図3(a)に示す通り、裏面SF2に凹部C1が形成された基板11が用意され、表面SF1が上方を向くとともに裏面SF2が下方を向いた状態に基板11が配置される。尚、基板11は、不図示のステージ上に配置されても良い。
次いで、図3(b)に示す通り、基板11の表面SF1側に、平面視で凹部C1を中心として熱硬化性樹脂13を塗布する工程が行われる(第1工程)。つまり、前述した樹脂塗布領域に熱硬化性樹脂13を塗布する工程が行われる。具体的には、例えば不図示の樹脂塗布装置から液状の熱硬化性樹脂が、平面視で凹部C1を中心として基板11上にポッティング(滴下)されることで、前述した樹脂塗布領域に熱硬化性樹脂13が塗布される。尚、ポッティングによって塗布された熱硬化性樹脂13の平面視形状は、例えば円形になる。
続いて、図3(c)に示す通り、基板11上に塗布された熱硬化性樹脂13上に、部品12を配置する工程が行われる(第2工程)。つまり、前述した部品搭載領域に部品12を配置する工程が行われる。具体的には、例えば不図示の吸着コレットによって吸着された部品12が部品搭載領域の上方に搬送され、部品搭載領域に対する部品12の位置決めが行われた後に、部品12が下方に搬送されることで、熱硬化性樹脂13上に部品12が配置される。部品12の配置が完了すると、吸着コレットによる部品12の吸着は解除される。尚、部品12の配置は、吸着コレットを用いる方法以外の方法で行っても良い。
以上の工程が終了すると、図3(d)に示す通り、上述した各工程を経た基板11(表面SF1側に塗布された熱硬化性樹脂13上に部品12が配置された基板11)をヒーターHTの上方に移動させて、位置決めする工程が行われる(第3工程)。ここで、ヒーターHT上には、凸部T1が形成された略平板状の熱伝導治具Z1が配されている。この熱伝導治具Z1は、ヒーターHTの熱を、凸部T1を介して基板11に伝導させるための部材であり、例えば熱電伝導率の高い銅(Cu)やアルミニウム(Al)等の金属により形成されている。
熱伝導治具Z1に形成された凸部T1は、例えば円柱形状であり、その平面視での大きさ(面積)は、前述の通り、基板11形成された凹部C1の平面視での大きさ(面積)よりも小さくされている。また、熱伝導治具Z1に形成された凸部T1の高さは、基板11形成された凹部C1の深さよりも長くなるようにされている。これは、熱伝導治具Z1に形成された凸部T1以外の部分が、基板11に接触しないようにするためである。熱伝導治具Z1に形成された凸部T1の大きさは、特に限定されるものではないが、例えば、直径5[mm]程度であり、高さが2.5[mm]程度にすることができる。
図3(d)に示す工程では、具体的に、ヒーターHT上に配された熱伝導治具Z1に形成された凸部T1が、平面視で基板11の裏面SF2に形成された凹部C1内に配置されるように位置決めされる。尚、このような位置決めは、ヒーターHT及び熱伝導治具Z1を固定した状態で基板11を移動させて行っても良く、逆に基板11を固定した状態でヒーターHT及び熱伝導治具Z1を移動させて行っても良い。
続いて、図3(e)に示す通り、上述した位置決めが行われた基板11及び熱伝導治具Z1の上下方向への相対的な移動を行い、熱伝導治具Z1に形成された凸部T1を、基板11の裏面SF2側に接触させて、熱硬化性樹脂13を加熱して硬化させる工程が行われる(第4工程)。尚、上記の上下方向への相対的な移動は、ヒーターHT及び熱伝導治具Z1を固定した状態で基板11を下方に移動させることにより行っても良く、逆に基板11を固定した状態でヒーターHT及び熱伝導治具Z1を上方に移動さることにより行っても良い。
図3(e)に示す通り、熱伝導治具Z1に形成された凸部T1は、基板11の裏面SF2に形成された凹部C1に介挿された状態で、基板11に接触する。これにより、熱源としての凸部T1から熱硬化性樹脂13までの基板11を介した距離は、熱硬化性樹脂13の外側よりも中央部の方が短くなる。このため、ヒーターHTの熱は、熱伝導治具Z1に形成された凸部T1から基板11を介して熱硬化性樹脂13の中央部に伝わり、その後、熱硬化性樹脂13の中央部から外側に向かって拡がるように伝わる。これにより、熱硬化性樹脂13は、中央部から加熱されることになり、中央部から外側に向かって順に硬化する。以上の工程により、実装構造体1が製造される。
ここで、熱硬化性樹脂13が外周部から加熱された場合には、熱硬化性樹脂13は、外周部から中央部に向かって硬化するため、先に硬化した外周部の硬化収縮により、中央部に真空ボイドが発生しやすくなる。また、熱硬化性樹脂13が外周部から加熱された場合に、熱硬化性樹脂13の一側面の外表面温度が高く、他面側の外表面温度が低いときには、熱硬化性樹脂13は、温度の高い一側面側から温度の低い他側面側に向かって硬化するため、先に硬化した一側面側の硬化収縮により他側面側にヒケが発生しやすくなる。
これに対し、本実施形態では、裏面SF2側に凹部C1が形成された基板11を用い、ヒーターHT上に配された熱伝導治具Z1に形成された凸部T1を基板11の凹部C1に介挿させた状態で加熱することで、基板11上に塗布された熱硬化性樹脂13を中央部から加熱するようにしている。これにより、熱硬化性樹脂13を、中央部から外側に向かって順に硬化させることができるため、真空ボイドやヒケの発生を抑制することができる。
〔第2実施形態〕
図4は、本発明の第2実施形態による実装構造体及びその製造工程の一つを示す断面図である。この図4は、図3(e)と同様に、熱硬化性樹脂13を加熱して硬化させる工程を示すものとなっている。また、図4においては、図1〜3に示した部材と同じ部材については、同一の符号を付してある。尚、本実施形態においては、第1実施形態と同様の工程を経て実装構造体が製造されるため、実装構造体の製造方法の詳細な説明は省略する。
図4は、本発明の第2実施形態による実装構造体及びその製造工程の一つを示す断面図である。この図4は、図3(e)と同様に、熱硬化性樹脂13を加熱して硬化させる工程を示すものとなっている。また、図4においては、図1〜3に示した部材と同じ部材については、同一の符号を付してある。尚、本実施形態においては、第1実施形態と同様の工程を経て実装構造体が製造されるため、実装構造体の製造方法の詳細な説明は省略する。
図4に示す通り、本実施形態の実装構造体2は、図1〜3に示す基板11に代えて、基板21を備える点が異なる。基板21は、図1〜3に示す基板11とほぼ同じものであるが、表面SF1に凹部C2が形成されている点が、図1〜3に示す基板11と異なる。基板21の表面SF1に形成された凹部C2は、裏面SF2に形成された凹部C1と同様に、例えば平面視形状が円形のものであり、平面視で部品12の中央部(部品搭載領域、或いは樹脂塗布領域の中央部)の位置に形成されている。
凹部C2の平面視での大きさ(面積)は、特に限定されるものではないが、凹部C1の平面視での大きさ(面積)と同じ大きさ(ほぼ同じ大きさ)であっても、凹部C1の平面視での大きさ(面積)とは異なる大きさであっても良い。例えば、凹部C1の平面視での大きさ(面積)と同様の、直径5〜7[mm]程度に設定することができる。また、凹部C2の深さは、任意に設定することが可能であるが、凹部C1と同様に、例えば基板11の厚みの1/3〜1/5程度であることが好ましい。
基板21の表面SF1における凹部C2と、基板21の裏面SF2における凹部C1とは、例えば、平面視で重なるように、或いは平面視で何れか一方が何れか他方に含まれるように形成される。図5は、本発明の第2実施形態において基板の表面及び裏面の双方に形成される凹部の位置関係を説明するための平面図である。例えば、凹部C1,C2の内径が同じ(或いは、ほぼ同じ)である場合には、図5(a)に示す通り、凹部C1,C2は平面視で重なるように形成される。また、例えば、凹部C1の内径よりも凹部C2の内径が大きい場合には、図5(b)に示す通り、平面視で凹部C1が凹部C2に含まれるように形成される。逆に、例えば、凹部C1の内径よりも凹部C2の内径が小さい場合には、図5(c)に示す通り、平面視で凹部C2が凹部C1に含まれるように形成される。尚、凹部C1,C2は、図5に示す通り、平面視で同心円状に形成される必要は必ずしも無く、平面視で互いの中心位置をずらして形成されていても良い。
熱硬化性樹脂13は、図4に示す通り、基板21の表面SF1に形成された凹部C2を埋めるように、基板21と部品12との間に設けられている。ここで、上述の通り、凹部C1,C2は、平面視で部品12の中央部(部品搭載領域、或いは樹脂塗布領域の中央部)の位置に形成されている。このため、熱源としての凸部T1から熱硬化性樹脂13の中央部までの基板11を介した距離を、第1実施形態よりも短くすることができる。これにより、熱硬化性樹脂13を加熱して硬化させる工程においては、第1実施形態よりも確実に、熱硬化性樹脂13を中央部から硬化させることができる。
また、基板21の表面SF1及び裏面SF2に凹部C2,C1がそれぞれ形成されているため、基板21の表面SF1側における位置合わせ、及び基板21の裏面SF2側における位置合わせを容易に行うことができる。例えば、基板21の表面SF1側に熱硬化性樹脂13を塗布する工程(図3(b)に示す工程に相当する工程)では、凹部C2を中心として熱硬化性樹脂13を塗布すれば良いことから、熱硬化性樹脂13の塗布位置の位置合わせを容易に行うことができる。また、基板11を位置決めする工程(図3(d)に示す工程に相当する工程)においても、熱伝導治具Z1に対する基板21の位置決めを容易に行うことができる。
本実施形態の実装構造体2は、基板21の表面SF1に形成された凹部C2を埋めるように、基板21と部品12との間に熱硬化性樹脂13が設けられている。このため、基板21と熱硬化性樹脂13との接着面積を増やすことができ、これにより接着強度を増大させることができる。また、凹部C2の断面形状を円形にすれば、応力集中がより低減されるから、熱硬化性樹脂13の剥離が生じにくい。また、本実施形態の実装構造体2は、基板21の裏面SF2にも凹部C1が形成されていることから、第1実施形態の実装構造体1と同様に、応力集中が低減されて、熱硬化性樹脂13が剥離しにくい。
〔第3実施形態〕
図6は、本発明の第3実施形態による実装構造体及びその製造工程の一つを示す断面図である。この図6も、図4と同様に、熱硬化性樹脂13を加熱して硬化させる工程を示すものとなっている。また、図6においても、図1〜3に示した部材と同じ部材については、同一の符号を付してある。尚、本実施形態においても、第1実施形態と同様の工程を経て実装構造体が製造されるため、実装構造体の製造方法の詳細な説明は省略する。
図6は、本発明の第3実施形態による実装構造体及びその製造工程の一つを示す断面図である。この図6も、図4と同様に、熱硬化性樹脂13を加熱して硬化させる工程を示すものとなっている。また、図6においても、図1〜3に示した部材と同じ部材については、同一の符号を付してある。尚、本実施形態においても、第1実施形態と同様の工程を経て実装構造体が製造されるため、実装構造体の製造方法の詳細な説明は省略する。
図6に示す通り、本実施形態の実装構造体3は、図1〜3に示す基板11に代えて、基板31を備える点が異なる。基板31は、図1〜3に示す基板11とほぼ同じものであるが、部品12が搭載される凸状の搭載部E1が表面SF1側に形成されており、裏面SF2側に凹部C11が形成されている点が、図1〜3に示す基板11と異なる。搭載部E1の上面は、前述した部品搭載領域に該当する。また、基板31の裏面SF2の凹部C11は、平面視で搭載部E1の中央部に位置するように形成されている。
搭載部E1は、例えば四角柱形状であり、その平面視での大きさ(面積)は、搭載される部品12の平面視での大きさ(面積)と同程度である。また、搭載部E1の高さ(表面SF1からの突出量)は、部品12の高さ位置に応じて設定される。搭載部E1の大きさは、特に限定されるものではないが、例えば縦の長さが1[cm]程度であり、横の長さが1[cm]程度であり、高さが5[mm]程度にすることができる。
基板31の裏面SF2に形成される凹部C11は、図1に示す基板11の裏面に形成される凹部C1とは、例えば平面視での面積が同じであるが、深さが異なる。凹部C11の深さは、任意に設定することが可能であるが、例えば基板31の厚みよりも深く、基板31の厚みと搭載部E1の高さとを加えた分よりも浅く設定される。搭載部E1の高さが基板31の厚みと同じ場合には、凹部C11の深さは、例えば基板31の厚みの1.5倍の深さ程度であることが好ましい。
また、本実施形態では、熱硬化性樹脂13を加熱して硬化させる工程において、図3に示す熱伝導治具Z1に代えて、図6に示す熱伝導治具Z2が用いられる。この熱伝導治具Z2は、図3に示す熱伝導治具Z1とほぼ同じものであるが、熱伝導治具Z1に形成されている凸部T1よりも高さが高い凸部T2が形成されている点が相違する。この凸部T2は、熱伝導治具Z1に形成されている凸部T1と同様の理由で、基板31に形成された凹部C11の深さよりも長くなるようにされている。熱伝導治具Z2に形成された凸部T11の大きさは、特に限定されるものではないが、例えば、直径5[mm]程度であり、高さが7〜8[mm]程度にすることができる。
本実施形態では、表面SF1側に搭載部E1が形成されるとともに、裏面SF2側に凹部C11が形成された基板31を用い、ヒーターHT上に配された熱伝導治具Z2に形成された凸部T2を基板31の凹部C11に介挿させた状態で加熱することで、基板31の搭載部E1上に塗布された熱硬化性樹脂13を中央部から加熱するようにしている。これにより、熱硬化性樹脂13を、中央部から外側に向かって順に硬化させることができるため、真空ボイドやヒケの発生を抑制することができる。
また、本実施形態では、基板31の表面SF1側に、表面SF1から突出している搭載部E1が形成されているため、熱硬化性樹脂13を加熱して硬化させる工程では、熱伝導治具Z2に形成された凸部T2から基板31に伝わった熱が、搭載部E1にこもりやすくなる。これにより、搭載部E1上に塗布された熱硬化性樹脂13を、早く硬化させることができる。
また、本実施形態の実装構造体3では、第1実施形態の実装構造体1と同様に、基板31の裏面SF2に凹部C11が形成されていることから、第1実施形態の実装構造体1と同様に、応力集中が低減されて、熱硬化性樹脂13が剥離しにくい。ここで、本実施形態の実装構造体3では、図6に示す通り、凹部C11の深さが基板31の厚みよりも深く設定されており、凹部C11の底面が、基板31の表面SF1よりも部品12側に位置するようにされていることから、第1実施形態の実装構造体1よりも応力の分散効果を高くすることができる。
〔第4実施形態〕
図7は、本発明の第4実施形態による実装構造体の製造工程の一つを示す断面図である。この図7も、図4と同様に、熱硬化性樹脂13を加熱して硬化させる工程を示すものとなっている。また、図7においても、図1〜3に示した部材と同じ部材については、同一の符号を付してある。尚、本実施形態においても、第1実施形態と同様の工程を経て実装構造体が製造されるため、実装構造体の製造方法の詳細な説明は省略する。
図7は、本発明の第4実施形態による実装構造体の製造工程の一つを示す断面図である。この図7も、図4と同様に、熱硬化性樹脂13を加熱して硬化させる工程を示すものとなっている。また、図7においても、図1〜3に示した部材と同じ部材については、同一の符号を付してある。尚、本実施形態においても、第1実施形態と同様の工程を経て実装構造体が製造されるため、実装構造体の製造方法の詳細な説明は省略する。
本実施形態では、熱硬化性樹脂13を加熱して硬化させる工程において、図3に示す熱伝導治具Z1に代えて、図7(a)に示す熱伝導治具Z3、又は図7(b)に示す熱伝導治具Z4が用いられる点が、第1実施形態とは異なる。尚、図7では、第1実施形態の実装構造体1を図示しているが、第2実施形態の実装構造体2であっても良く、熱伝導治具Z3に形成されている凸部T3(詳細は後述する)或いは熱伝導治具Z4に形成されている凸部T4(詳細は後述する)の高さを適切に調整すれば、第3実施形態の実装構造体3であっても良い。
図7(a)に示す熱伝導治具Z3は、図3に示す熱伝導治具Z1とほぼ同じものであるが、凸部T1に代えて凸部T3が形成されている点が相違する。この凸部T3は、先端に行くにつれて(表面SF1から遠ざかるにつれて)外径が小さくなるテーパー形状である。このような凸部T3は、基板11との接触面積を小さくして、熱硬化性樹脂13の中央部における加熱領域を小さくするためのものである。熱硬化性樹脂13の中央部における加熱領域が小さくなることで、熱硬化性樹脂13を確実に中央部から硬化させることが可能になり、真空ボイドやヒケの発生を抑制することができる。
図7(b)に示す熱伝導治具Z4は、図3に示す熱伝導治具Z1とほぼ同じものであるが、凸部T1に代えて凸部T4が形成されている点が相違する。この凸部T3は、先端に行くにつれて(表面SF1から遠ざかるにつれて)外径が小さくなる複数の段部を有する形状である。このような凸部T4は、図7(a)に示す凸部T3と同様に、基板11との接触面積を小さくして、熱硬化性樹脂13の中央部における加熱領域を小さくするためのものである。このような凸部T4が形成された熱伝導治具Z4を用いた場合にも、熱伝導治具Z3を用いた場合と同様に、熱硬化性樹脂13を確実に中央部から硬化させることが可能になり、真空ボイドやヒケの発生を抑制することができる。
〔第5実施形態〕
図8は、本発明の第5実施形態による実装構造体の製造工程の一つを示す断面図である。この図8も、図4と同様に、熱硬化性樹脂13を加熱して硬化させる工程を示すものとなっている。また、図8においても、図1〜3に示した部材と同じ部材については、同一の符号を付してある。尚、本実施形態においても、第1実施形態と同様の工程を経て実装構造体が製造されるため、製造方法の詳細な説明は省略する。
図8は、本発明の第5実施形態による実装構造体の製造工程の一つを示す断面図である。この図8も、図4と同様に、熱硬化性樹脂13を加熱して硬化させる工程を示すものとなっている。また、図8においても、図1〜3に示した部材と同じ部材については、同一の符号を付してある。尚、本実施形態においても、第1実施形態と同様の工程を経て実装構造体が製造されるため、製造方法の詳細な説明は省略する。
本実施形態では、熱硬化性樹脂13を加熱して硬化させる工程において、図3に示す熱伝導治具Z1に代えて、図8に示す熱伝導治具Z5が用いられる点が、第1実施形態とは異なる。尚、図8では、第1実施形態の実装構造体1を図示しているが、第2実施形態の実装構造体2であっても良く、或いは熱伝導治具Z5に形成されている凸部T1の高さを適切に調整すれば、第3実施形態の実装構造体3であっても良い。
図8に示す熱伝導治具Z5は、図3に示す熱伝導治具Z1とほぼ同じものであるが、凸部T1の周囲に基板11を支持する複数の突起Pが形成されている点が相違する。この突起Pは、熱硬化性樹脂13を加熱して硬化させる工程において、ヒーターHTに対して基板11が傾かないように基板11を支持するものである。この突起Pの高さは、熱伝導治具Z1の凸部T1が凹部C1に介挿された状態で基板11に接触している状態のときに、基板11と熱伝導治具Z1との間に形成される隙間と同程度(或いは、若干低く)設定される。
突起Pは、熱伝導治具Z1の凸部T1が凹部C1に介挿された状態で基板11に接触している状態のときに、凸部T1と熱硬化性樹脂13との間の距離のうちの最も長い距離よりも長い距離だけ凸部T1から離間した位置に形成されている。これは、突起Pから基板11を介して熱硬化性樹脂13に伝わる熱によって、熱硬化性樹脂13の外側が中央部よりも先に硬化してしまうことを防止するためである。尚、突起Pから基板11に伝わる熱を極力少なくするために、突起Pは、先端に行くにつれて(表面SF1から遠ざかるにつれて)外径が小さくなる形状(例えば、丸みを帯びた凸形状)であることが好ましい。
以上の通り、本実施形態では、熱硬化性樹脂13を加熱して硬化させる工程において、凸部T1の周囲に基板11を支持する複数の突起Pが形成されている熱伝導治具Z5を用いて、熱硬化性樹脂13を硬化させるようにしている。これにより、熱伝導治具Z5上において、基板11が突起Pにより安定に支持された状態で熱硬化性樹脂13の中央部を先に加熱することができるため、真空ボイドやヒケの発生が抑制された実装構造体を高い歩留まりで製造することができる。
〔第6実施形態〕
図9は、本発明の第6実施形態による実装構造体及びその製造工程の一つを示す断面図である。この図7は、図3(e)と同様に、熱硬化性樹脂13を加熱して硬化させる工程を示すものとなっている。また、図4においては、図1〜3に示した部材と同じ部材については、同一の符号を付してある。尚、本実施形態においても、第1実施形態と同様の工程を経て実装構造体が製造されるため、製造方法の詳細な説明は省略する。
図9は、本発明の第6実施形態による実装構造体及びその製造工程の一つを示す断面図である。この図7は、図3(e)と同様に、熱硬化性樹脂13を加熱して硬化させる工程を示すものとなっている。また、図4においては、図1〜3に示した部材と同じ部材については、同一の符号を付してある。尚、本実施形態においても、第1実施形態と同様の工程を経て実装構造体が製造されるため、製造方法の詳細な説明は省略する。
図9に示す通り、本実施形態の実装構造体4は、図1〜3に示す基板11に代えて、基板41を備える点が異なる。基板41は、図1〜3に示す基板11とほぼ同じものであるが、裏面SF2に凹部が形成されておらず、表面SF1のみに凹部C2が形成されている点が、図1〜3に示す基板11と異なる。尚、本実施形態の実装構造体4は、図4に示す第2実施形態の実装構造体2において、基板21の裏面SF2に形成された凹部C1が省略されたもの、と言うこともできる。
このような実装構造体4を製造する際に、熱硬化性樹脂13を加熱して硬化させる工程においては、図9(a)に示す通り、図3に示す熱伝導治具Z2を用いて熱硬化性樹脂13の中央部が加熱され、或いは図9(b)に示す通り、熱伝導治具を用いることなく基板41をヒーターHTに直接接触させて熱硬化性樹脂13の中央部が加熱される。ここで、基板41の表面SF1に形成された凹部C2は、平面視で部品12の中央部(部品搭載領域、或いは樹脂塗布領域の中央部)の位置に形成されている。このため、図9(a)及び図9(b)の何れの場合においても、熱源(凸部T1或いはヒーターHT)から熱硬化性樹脂13までの基板11を介した距離は、熱硬化性樹脂13の外側よりも中央部の方が短くなる。これにより、熱硬化性樹脂13の中央部を先に加熱することができるため、真空ボイドやヒケの発生が抑制された実装構造体を高い歩留まりで製造することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されることなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上記実施形態では、熱硬化性樹脂13がポッティングによって基板上に塗布される例について説明したが、熱硬化性樹脂13の塗布方法は、ポッティングに制限されることはなく、任意の方法を用いることができる。また、上記実施形態では、熱硬化性樹脂13の平面視形状が円形である場合を例に挙げたが、熱硬化性樹脂13の平面視形状は任意の形状で良い。
また、上述した実施形態では、理解を容易にするために、凹部C1,C2,C11が、平面視で部品12の中央部の位置に形成されている例について説明した。しかしながら、凹部C1,C2,C11は、必ずしも平面視で部品12の中央部の位置に形成されている必要はなく、少なくとも一部が平面視で部品12と重なるように形成されていればよい。言い換えると、凹部C1,C2,C11は、その一部が平面視で部品12からはみ出すように形成されていても良い。凹部C1,C2,C11の少なくとも一部が平面視で部品12と重なるように形成されていれば、その重なった部分において応力の分散効果が得られる。このため、凹部が形成されていない従来の実装構造体100(図2(b)参照)に比べて、よりも熱硬化性樹脂13の剥離が生じにくい。
1〜4…実装構造体、11…基板、12…部品、13…熱硬化性樹脂、21…基板、31…基板、41…基板、C1,C2,C11…凹部、E1…搭載部、HT…ヒーター、P…突起、SF1…表面、SF2…裏面、Z1〜Z5…熱伝導治具
Claims (12)
- 第1面及びその反対面である第2面を有する基板と、該基板の前記第1面側に搭載される実装体と、前記基板と前記実装体との間に設けられて前記実装体を前記基板の前記第1面側に固定する熱硬化性樹脂と、を備える実装構造体であって、
前記基板の前記第1面及び第2面の少なくとも一方には、平面視で少なくとも一部が前記実装体と重なる凹部が形成されている、実装構造体。 - 前記凹部は、平面視で前記実装体の中央部に位置する、請求項1記載の実装構造体。
- 前記凹部は、少なくとも前記基板の前記第1面に形成されており、
前記熱硬化性樹脂は、前記基板の前記第1面に形成された前記凹部を埋めるように前記基板と前記実装体との間に設けられる、
請求項1又は請求項2記載の実装構造体。 - 前記凹部は、少なくとも前記基板の前記第2面に形成されている、請求項1又は請求項2記載の実装構造体。
- 前記凹部は、平面視で重なるように、或いは平面視で何れか一方が何れか他方に含まれるように、前記基板の前記第1面及び第2面の双方に形成されている、請求項1から請求項4の何れか一項に記載の実装構造体。
- 前記基板の第1面側には、前記実装体が搭載される凸状の搭載部が形成されており、
前記凹部は、平面視で前記搭載部と重なるように、前記基板の前記第2面に形成されている、
請求項1記載の実装構造体。 - 前記凹部の平面視での面積は、前記実装体の平面視での面積よりも小さい、請求項1から請求項6の何れか一項に記載の実装構造体。
- 第1面及びその反対面である第2面を有し、前記第1面及び第2面の少なくとも一方に凹部が形成されている基板の前記第1面側に、平面視で前記凹部を中心として熱硬化性樹脂を塗布する第1工程と、
前記熱硬化性樹脂上に実装体を配置する第2工程と、
ヒーター上に配された熱伝導治具に形成された凸部が、平面視で前記凹部内に配置されるように位置決めする第3工程と、
前記熱伝導治具に形成された前記凸部を前記基板の前記第2面側に接触させ、前記熱硬化性樹脂を加熱して硬化させる第4工程と、
を有する実装構造体の製造方法。 - 前記凸部は、先端に行くにつれて外径が小さくなるテーパー形状である、請求項8記載の実装構造体の製造方法。
- 前記凸部は、先端に行くにつれて外径が小さくなる複数の段部を有する形状である、請求項8記載の実装構造体の製造方法。
- 前記熱伝導治具には、前記凸部の周囲に前記基板を支持する複数の突起が形成されている、請求項8から請求項10の何れか一項に記載の実装構造体の製造方法。
- 前記突起は、前記凸部が前記基板の前記第2面側に接触した状態において、前記凸部と前記熱硬化性樹脂との間の距離のうちの最も長い距離よりも長い距離だけ前記凸部から離間した位置に形成されている、請求項11記載の実装構造体の製造方法。
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JP2017039874A JP2018147973A (ja) | 2017-03-02 | 2017-03-02 | 実装構造体及びその製造方法 |
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