JP5422830B2 - リードピン付配線基板及びその製造方法 - Google Patents
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Description
図7(a)は、リードピン20をピン接合用の治具30にセットした状態である。治具30には、配線基板の接続パッドと同一の平面配列にリードピン20の軸部20aを挿通してセットするセット孔30aが形成され、セット孔30aに連通して、リードピン20のヘッド部20bを収容するセット凹部30bが形成されている。治具30にリードピン20をセットする際には、リードピン20の振込み機を使用し、治具30のセット孔30aのすべてにリードピン20を振り込む。
治具30のセット孔30a及びセット凹部30bは、振込み操作によってリードピン20をセットすること、リードピン20を接続パッド12に接合した後に治具30を上方に引き抜くために、軸部20aとヘッド部20bとの間に若干のクリアランスをもたせている。図7では、説明上、クリアランスを大きく表している。
すなわち、配線基板にリードピンが接合されたリードピン付配線基板であって、前記リードピンは、軸部と、該軸部の一端に該軸部よりも大径のヘッド部を備え、前記ヘッド部で導電材を介して前記配線基板に形成された接続パッドに接合され、前記ヘッド部が接合された前記導電材を露出する凹穴を備え、前記配線基板の面に密着し、前記ヘッド部の厚さより厚く前記配線基板の面を被覆する第1の樹脂と、前記ヘッド部全体を埋没するように前記凹穴を充填する第2の樹脂と、を備え、前記第1の樹脂の表面と前記第2の樹脂の表面は、面一であることを特徴とする。また、前記第2の樹脂と密着する前記第1の樹脂の表面は、粗化面であることを特徴とする。また、前記第2の樹脂は、硬化温度が前記導電材の融点よりも低い樹脂であることを特徴とする。また、前記接続パッドから前記ヘッド部の側面にも前記導電材が這い上がって、前記リードピンと前記接続パッドとを接合していることを特徴とする。
また、配線基板に形成された接続パッドに、軸部と、該軸部の一端に該軸部よりも大径のヘッド部を備えたリードピンが前記ヘッド部で接合されたリードピン付配線基板の製造方法であって、前記接続パッドに導電材を供給する工程と、前記導電材が供給された前記配線基板の前記接続パッドが形成された面を、前記導電材が供給された領域を覆う突部を備える封止用の治具を用いて、第1の樹脂によって前記ヘッド部の厚さよりも厚く樹脂封止し、内底面に前記導電材が露出する凹穴を前記第1の樹脂に形成する工程と、前記凹穴に前記ヘッド部を位置合わせし、前記導電材を介して前記ヘッド部を前記接続パッドに接合する工程と、前記第1の樹脂の表面と表面が面一になるように前記凹穴に第2の樹脂を充填して、前記ヘッド部全体を埋没させて封止する工程と、を備えることを特徴とする。
そして、前記封止用の治具として、封止用の金型を使用し、樹脂封止装置を用いて樹脂封止することを特徴とする。また、前記リードピンを前記接続パッドに接合する工程においては、ピン振込み用の治具を用いて、前記リードピンを前記接続パッドに位置合わせして接合することを特徴とする。
図1、2は本発明に係るリードピン付配線基板の製造方法についての第1の実施の形態を示す。以下、各工程にしたがって、リードピン付配線基板の製造方法について説明する。
図1(a)は、配線基板10に形成された接続パッド12に、リードピンを接続パッド12に接合する導電材としてはんだバンプ15を形成した状態を示す。
本実施形態の配線基板10はプリント配線基板であり、樹脂基板の一方の面にリードピン20が接合される接続パッド12が形成され、他方の面に半導体チップを搭載するパッド(不図示)が形成されている。樹脂基板の両面には、ビルドアップ法等により所要のパターンに配線パターンが形成される。
接続パッド12は銅層によって形成される配線パターンの一部を構成するものであり、銅層の表面に保護めっきとしてニッケルめっき及び金めっきがこの順に施されて形成されている。
図1(b)は、配線基板10を樹脂封止装置の上型50と下型51とによってクランプした状態である。上型50には、配線基板10をクランプした状態で配線基板10の一方の面との間にキャビティCが形成されるように、配線基板10との対向面にキャビティ凹部52が形成されている。キャビティ凹部52ははんだバンプ15の表面からキャビティ凹部52の内底面(天井面)までの深さ寸法が、リードピンのヘッド部20bの厚さよりも大きくなるように設けられる。
図1(d)は、配線基板10のはんだバンプ15が形成された面の全面が第1の樹脂40によって被覆された状態である。
図2(a)、(b)は、第1の樹脂40のうちはんだバンプ15を形成する部位を除去する工程を示す(樹脂除去工程)。図2(a)は、ドライエッチングによって第1の樹脂40を除去するため、第1の樹脂40の表面を感光性のレジスト60により被覆し、レジスト60を露光及び現像して、はんだバンプ15が形成されている部位(はんだバンプ15の直上位置)において第1の樹脂40の表面が露出するようにレジスト60をパターニングした状態を示す。
レジスト60をパターン形成し、プラズマエッチング等のドライエッチングを施すことにより、レジスト60によって被覆されていない樹脂部分を除去する。
なお、ドライエッチングによらずにレーザ加工によりはんだバンプ15を被覆する部位の樹脂40を除去してもよい。
はんだバンプ15にリードピン20を接合する操作は、従来と同様に、リードピン20の振込み用の治具31を使用し、はんだリフローによって接合する操作による。治具31には、配線基板10に形成されているはんだバンプ15の平面配置、すなわち接続パッド12の平面配置に合わせてリードピン20をセットするセット孔31aが形成されている。
図2(c)に示すように、配線基板10と、リードピン20をセットした治具31とを位置合わせし、ヘッド部20bを鉛直下向きとして、はんだリフロー装置に通過させ、リードピン20を接続パッド12に接合する。
はんだリフローにより、はんだバンプ15が溶融し、接続パッド12とリードピン20のヘッド部20bとの間にはんだ15aが充填し、ヘッド部20bの側面にもはんだ15aが這い上がる。はんだリフローの際にヘッド部20bの上面(軸部20aが連結される面)にはんだ15aが這い上がってもかまわない。
図のように、第2の樹脂42は凹穴40aを充填し、第1の樹脂40の表面と第2の樹脂42の表面とが面一となる程度の分量を供給する。凹穴40aに第2の樹脂42を供給する操作は、たとえばペースト状の樹脂材をポッティングする方法によればよい。
第1の樹脂40としては、例としてエポキシ系の樹脂を使用することができる。第2の樹脂42との密着性を向上させるために、第1の樹脂40の表面に粗化処理あるいは界面活性剤による処理を施してもよい。第2の樹脂42としては、リードピン20との密着性が良い樹脂、例として、エポキシ系樹脂が使用できる。また、第2の樹脂42としては硬化温度がはんだの融点よりも低い樹脂を使用するのがよい。
本実施形態のリードピン付配線基板70は、リードピン20のヘッド部20bが第2の樹脂42によって被覆され、第1の樹脂40と第2の樹脂42とが一体化されることにより、リードピン20のヘッド部20bを支持するアンカー作用が効果的に作用し、はんだ15aによってリードピン20を接合する接合力に加えて、第1の樹脂40と第2の樹脂42によってリードピン20を支持する力が作用することによって、リードピン20の接合強度、プル強度を増大させることが可能となる。
図3は、図1、2に示したリードピン付配線基板の製造方法についての変形例を示す。本実施形態においては、樹脂封止装置を用いて配線基板10の表面を第1の樹脂40によって被覆する際に、はんだバンプ15が形成された部位については、第1の樹脂40が付着しないように、突部53aを設けた上型53を使用して樹脂封止する。
図3(a)は、上型53と下型54とによってはんだバンプ15が形成された配線基板10をクランプした状態である。上型53にははんだバンプ15が形成されている位置、すなわち、配線基板10に形成された接続パッド12の平面位置に合わせて、各々のはんだバンプ15が形成された部位を覆う配置に突部53aが形成されている。
図3(c)は、配線基板10のはんだバンプ15が形成された面が第1の樹脂40によって被覆された状態を示す。突部53aを備える上型53を用いて樹脂封止することによって、各々のはんだバンプ15が形成された部位については、はんだバンプ15が内底面に露出する凹穴40aが形成された状態に樹脂40が成形される。
図4、5は本発明に係るリードピン付配線基板の製造方法についての第2の実施の形態を示す。
図4(a)は、配線基板10と、配線基板10に形成された接続パッド12に接合するリードピン22と、リードピン22をセットする治具32を示す。配線基板10の接続パッド12にはんだバンプ15を形成した構成は、第1の実施の形態における配線基板10と同様である。
大径部222は、配線基板10の接続パッド12に対向する端面が、はんだ等の接合用の導電材を介して接続パッド12に接合される部位であり、大径部222は接続パッド12よりも若干小径に形成されている。
治具32には、リードピン22の軸部22aを挿入するセット孔34aと、リードピン22のテーパ部221の外面が当接するテーパ孔34bが形成されたシール部34とシール部34を支持する基体部33とを備える。
図4(b)に、リードピン22をはんだ付けする状態を示す。リードピン22は大径部222を鉛直下向きとし、治具32によりリードピン22を配線基板10の接続パッド12上に正立させるようにしてはんだ付けする。リードピン22を接合する工程においては、治具32はリードピン22を接合位置にガイドする作用をなす。
図5(a)は、リードピン22を接合する工程において使用した治具32を用いて、配線基板10の表面を樹脂44によって封止する工程を示す(樹脂封止工程)。この工程においては、治具32を配線基板10に向けて押圧した状態において、治具32の配線基板10に対向する面と配線基板10の表面との間に形成されるキャビティ(隙間部分)に樹脂44を充填し、配線基板10の表面を樹脂44によって被覆する。樹脂44には、熱硬化型の樹脂材を使用する。
このリードピン付配線基板71は、配線基板10に形成された接続パッド12にリードピン22のヘッド部22bがはんだ15aを介して接合され、配線基板10の接続パッド12が形成された面がリードピン22のヘッド部22bの基部部分を含めて樹脂44によって封止されて形成されている。樹脂44は、リードピン22のヘッド部22bのテーパ部221が厚さ方向に部分的に埋没するように封止する。
リードピンを高密度配置するためにリードピンを細径とする場合にはヘッド部の径寸法も限定される。そのような場合には、リードピンのヘッド部の形状を本実施形態のようにテーパ部221を備える形状とし、配線基板の表面を樹脂によって被覆し、その際に樹脂がテーパ部221を被覆するように設けることにより、リードピンが細径となることによってリードピンの接合強度が減退する分を補完することが可能である。
また、本実施形態においては治具32に設けるシール部34のテーパ孔34bの傾斜角度をリードピン22のテーパ部221の傾斜角度と一致させることにより、シール部34による樹脂のシール性を向上させたが、シール部34はリードピン22のテーパ部221の外面に単に当接するように設けることも可能である。
図6は、本発明に係るリードピン付配線基板の製造方法についての第3の実施の形態を示す。
上述した第2の実施の形態においては、リードピン22を支持する振込み用の治具32を配線基板10の表面を樹脂44によって被覆する治具としても利用してリードピン付配線基板71を形成する例を示した。本実施形態は、リードピンの振込みに使用する治具を利用してリードピンをはんだ付けする工程と、配線基板の表面を樹脂によって封止する工程とを同一の加工ステージで行うことにより、一連の作業工程として製造可能とする方法である。
リードピン24を接続パッド12に接合する操作は、ヘッド部24bを鉛直下向きとして、ヘッド部24bを接続パッド12に対向する位置に、治具36によりリードピン24を配線基板10に対して位置決めし、たとえばホットプレート上に配線基板10をのせてはんだバンプ15を加熱することによって行う。はんだバンプ15が溶融する温度にまで加熱した後、はんだ15aが固化する温度までホットプレートを降温させることにより、リードピン24が接続パッド12に接合される。
治具36は配線基板10に向けて押圧することにより、治具36のセット凹部36bがヘッド部24bの軸部24aが連結される側の面(接続パッド12に対向する面とは反対側の面)を押圧し、樹脂46がリードピン24の軸部24aに漏出することを防止する。樹脂46が隙間部分(キャビティ)に充填された状態において、治具36により配線基板10を押圧しながら、樹脂46を加熱して樹脂46を熱硬化させる。
樹脂46を加熱する際には、ホットプレートにより配線基板10側から加熱する方法に加えて、赤外線ヒータを用いて加熱する方法等を併用してもよい。
本実施形態のリードピン付配線基板72は、リードピン24のヘッド部24bがはんだ15aにより接続パッド12に接合されるとともに、配線基板10の接続パッドが形成された面が樹脂46によって封止され、リードピン24のヘッド部24bが厚さ方向に部分的に樹脂46に埋没することにより、ヘッド部24bが樹脂46によって保持され、リードピン24の支持性が向上する。
12 接続パッド
15 はんだバンプ
15a はんだ
20、22、24 リードピン
20a、22a、24a 軸部
20b、22b、24b ヘッド部
30、31、32、36 治具
34 シール部
34a、36a セット孔
34b テーパ孔
36b セット凹部
40、42、44、46 樹脂
40a 凹穴
50、53 上型
51、54 下型
53a 突部
70、71、72 リードピン付配線基板
221 テーパ部
222 大径部
Claims (8)
- 配線基板にリードピンが接合されたリードピン付配線基板であって、
前記リードピンは、軸部と、該軸部の一端に該軸部よりも大径のヘッド部を備え、前記ヘッド部で導電材を介して前記配線基板に形成された接続パッドに接合され、
前記ヘッド部が接合された前記導電材を露出する凹穴を備え、前記配線基板の面に密着し、前記ヘッド部の厚さより厚く前記配線基板の面を被覆する第1の樹脂と、
前記ヘッド部全体を埋没するように前記凹穴を充填する第2の樹脂と、
を備え、
前記第1の樹脂の表面と前記第2の樹脂の表面は、面一であることを特徴とするリードピン付配線基板。 - 前記第2の樹脂と密着する前記第1の樹脂の表面は、粗化面であることを特徴とする請求項1記載のリードピン付配線基板。
- 前記第2の樹脂は、硬化温度が前記導電材の融点よりも低い樹脂であることを特徴とする請求項1または2記載のリードピン付配線基板。
- 前記接続パッドから前記ヘッド部の側面にも前記導電材が這い上がって、前記リードピンと前記接続パッドとを接合していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載のリードピン付配線基板。
- 配線基板に形成された接続パッドに、軸部と、該軸部の一端に該軸部よりも大径のヘッド部を備えたリードピンが前記ヘッド部で接合されたリードピン付配線基板の製造方法であって、
前記接続パッドに導電材を供給する工程と、
前記導電材が供給された前記配線基板の前記接続パッドが形成された面を、封止用の治具を用いて、第1の樹脂によって前記ヘッド部の厚さよりも厚く樹脂封止する工程と、
前記接続パッドに供給された前記導電材を被覆する部位の前記第1の樹脂を除去し、内底面に前記導電材が露出する凹穴を前記第1の樹脂に形成する工程と、
前記凹穴に前記ヘッド部を位置合わせし、前記導電材を介して前記ヘッド部を前記接続パッドに接合する工程と、
前記第1の樹脂の表面と表面が面一になるように前記凹穴に第2の樹脂を充填して、前記ヘッド部全体を埋没させて封止する工程と、
を備えることを特徴とするリードピン付配線基板の製造方法。 - 配線基板に形成された接続パッドに、軸部と、該軸部の一端に該軸部よりも大径のヘッド部を備えたリードピンが前記ヘッド部で接合されたリードピン付配線基板の製造方法であって、
前記接続パッドに導電材を供給する工程と、
前記導電材が供給された前記配線基板の前記接続パッドが形成された面を、前記導電材が供給された領域を覆う突部を備える封止用の治具を用いて、第1の樹脂によって前記ヘッド部の厚さよりも厚く樹脂封止し、内底面に前記導電材が露出する凹穴を前記第1の樹脂に形成する工程と、
前記凹穴に前記ヘッド部を位置合わせし、前記導電材を介して前記ヘッド部を前記接続パッドに接合する工程と、
前記第1の樹脂の表面と表面が面一になるように前記凹穴に第2の樹脂を充填して、前記ヘッド部全体を埋没させて封止する工程と、
を備えることを特徴とするリードピン付配線基板の製造方法。 - 前記封止用の治具として、封止用の金型を使用し、樹脂封止装置を用いて樹脂封止することを特徴とする請求項5または6記載のリードピン付配線基板の製造方法。
- 前記リードピンを前記接続パッドに接合する工程においては、ピン振込み用の治具を用いて、前記リードピンを前記接続パッドに位置合わせして接合することを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項記載のリードピン付配線基板の製造方法。
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