JP2018147594A - 非水電解質電池 - Google Patents

非水電解質電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2018147594A
JP2018147594A JP2017038540A JP2017038540A JP2018147594A JP 2018147594 A JP2018147594 A JP 2018147594A JP 2017038540 A JP2017038540 A JP 2017038540A JP 2017038540 A JP2017038540 A JP 2017038540A JP 2018147594 A JP2018147594 A JP 2018147594A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nonaqueous electrolyte
electrolyte battery
negative electrode
volume
container
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017038540A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6892285B2 (ja
Inventor
尚己 西尾
Naomi Nishio
尚己 西尾
矢嶋 亨
Toru Yajima
亨 矢嶋
友希 宇留野
Yuki Uruno
友希 宇留野
泰章 村司
Yasuaki Murashi
泰章 村司
輝 吉川
Teru Yoshikawa
輝 吉川
小林 誠
Makoto Kobayashi
誠 小林
和博 灘波
Kazuhiro Namba
和博 灘波
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Toshiba Infrastructure Systems and Solutions Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Infrastructure Systems and Solutions Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba Infrastructure Systems and Solutions Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2017038540A priority Critical patent/JP6892285B2/ja
Publication of JP2018147594A publication Critical patent/JP2018147594A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6892285B2 publication Critical patent/JP6892285B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)
  • Gas Exhaust Devices For Batteries (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

【課題】高い体積エネルギー密度及び優れた安全性を示すことができる非水電解質電池を提供すること【解決手段】1つの実施形態に係る非水電解質電池100は、容器1及び2と、容器1に収容された電極群5と、容器1に収容された非水電解液とを具備する。容器1は、ガス開放機構13, 1aを備えている。非水電解液は、沸点が85℃以上130℃以下の範囲内にある溶媒を含んでいる。比A/B及び比B/Cが以下の範囲内にある:0.55≦A/B≦0.7:(1);1.2≦B/C≦1.35:(2)。ここで、Aは、電極群5の空隙を除いた容器1内の空隙の体積[cm3]であり、Bは非水電解液の体積[cm3]であり、Cは電極群5の空隙の体積[cm3]である。【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、非水電解質電池に関する。
非水電解質電池の作製において、非水電解液の費用は、電池の材料費の大きな割合を占める。そのため、非水電解液の体積の低減が望まれている。しかしながら、非水電解液の体積を低減し過ぎると、入出力特性の悪化を招き得る。また、非水電解液の体積を低減し過ぎると、非水電解質電池の放熱性が悪化し、過充電時の温度上昇が大きくなり、熱暴走に至りやすいという問題があった。この問題は、特にエネルギー密度の高い電池においては、危険性を高めるため、改善の必要があった。
特開2012−38702号公報 特開2007−220455号公報 特開2005−183116号公報 特開2000−173662号公報
高い体積エネルギー密度及び優れた安全性を示すことができる非水電解質電池を提供することを目的とする。
実施形態によると、非水電解質電池が提供される。非水電解質電池は、容器と、容器に収容された電極群と、容器に収容された非水電解液とを具備する。容器は、ガス開放機構を備えている。電極群は、チタン酸リチウムを含んだ負極と、正極とを具備する。非水電解液は、沸点が85℃以上130℃以下の範囲内にある溶媒を含んでいる。実施形態に係る非水電解質電池は、比A/B及び比B/Cが以下の範囲内にある:
0.55≦A/B≦0.7 :(1);
1.2≦B/C≦1.35 :(2)。
ここで、
Aは、電極群の空隙を除いた容器内の空隙の体積[cm3]であり、
Bは、非水電解液の体積[cm3]であり、
Cは、電極群の空隙の体積[cm3]である。
図1は、実施形態に係る一例の非水電解質電池の概略分解斜視図である。 図2は、図1のII部の拡大断面図である。
以下に、実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態を通して共通の構成には同一の符号を付すものとし、重複する説明は省略する。また、各図は実施の形態の説明とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置と異なる個所があるが、これらは以下の説明と公知の技術とを参酌して、適宜設計変更することができる。
(実施形態)
実施形態によると、非水電解質電池が提供される。非水電解質電池は、容器と、容器に収容された電極群と、容器に収容された非水電解液とを具備する。容器は、ガス開放機構を備えている。電極群は、チタン酸リチウムを含んだ負極と、正極とを具備する。非水電解液は、沸点が85℃以上130℃以下の範囲内にある溶媒を含んでいる。実施形態に係る非水電解質電池は、比A/B及び比B/Cが以下の範囲内にある:
0.55≦A/B≦0.7 :(1);
1.2≦B/C≦1.35 :(2)。
ここで、
Aは、電極群の空隙を除いた容器内の空隙の体積[cm3]であり、
Bは、非水電解液の体積[cm3]であり、
Cは、電極群の空隙の体積[cm3]である。
実施形態に係る非水電解質電池は、以下に説明する理由により、高い体積エネルギー密度を示すことができる量の非水電解液を含みながらも、熱暴走に至る前又は電池膨れが生じる前にガス開放機構を介して容器内からガスを排出することができる。その結果、実施形態に係る非水電解質電池は、高い体積エネルギー密度及び優れた安全性を示すことができる。
まず、実施形態に係る非水電解質電池が具備する非水電解液は、沸点が85℃以上130℃以下の範囲内にある溶媒を含む。実施形態に係る非水電解質電池は、このような非水電解液を含むことにより、熱暴走が起こる温度に達する前又は電池膨れが生じる前に、非水電解液に含まれる溶媒が気化し、その際の気化熱によって、非水電解質電池の温度上昇を抑えることができる。
また、実施形態に係る非水電解質電池では、比A/Bが0.55以上0.7以下の範囲内にあり且つ比B/Cが1.2以上1.35以下の範囲内にある。
ここで、比B/Cは、非水電解液の体積Bの、電極群の空隙の体積Cに対する比である。言い換えると、比B/Cは、非水電解液を含浸することができる電極群の空隙の体積に対する、非水電解質電池に含まれる非水電解液の量の割合である。比B/Cが1.2以上1.35以下の範囲内にある実施形態に係る非水電解質電池では、非水電解液の体積が、チタン酸リチウムを含む負極を具備する電極群の空隙の体積に対して過剰ではない。非水電解液を過剰に含む非水電解質電池は、低い体積エネルギー密度を示す。一方、実施形態に係る非水電解質電池は、非水電解液の体積が過剰でないため、高い体積エネルギー密度を示すことができる。また、比B/Cが1.2以上1.35以下の範囲内にある実施形態に係る非水電解質電池は、優れた入出力特性を示すことができるのに十分な量の非水電解液を含む。更に、比B/Cが1.2以上1.35以下の範囲内にある実施形態に係る非水電解質電池は、優れた放熱性を示すこともできる。
また、比A/Bは、電極群の空隙を除いた容器内の空隙の体積Aの、非水電解液の体積Bに対する比である。体積Aは、別の側面では、容器の内容積から、電極群、非水電解液及びその他の部材が占める体積を引いた体積である。体積Aは、更に別の側面では、容器内の隙間の体積である。すなわち、比A/Bは、非水電解質電池が含む非水電解液の量に対する、非水電解液の揮発し得る成分、例えば非水溶媒が気化して拡散できる空間の大きさの割合である。
実施形態に係る非水電解質電池は、比A/Bが0.55以上0.7以下の範囲内にあり且つ比B/Cが1.2以上1.35以下の範囲内にあることにより、熱暴走が起こる温度に達する前又は電池膨れが生じる前に、比B/Cで示される量の非水電解液の気化によってガス開放機構を作動できる圧力まで容器内部の圧力を高めるのに十分な体積Aを有することができる。
これらの結果、実施形態に係る非水電解質電池は、高いエネルギー密度を示すことができる量の非水電解液を含みながらも、熱暴走が起こる温度に達する前又は電池膨れが生じる前に、ガス開放機構を介して容器内からガスを排出することができる。その結果、実施形態に係る非水電解質電池は、高い体積エネルギー密度及び優れた安全性を示すことができる。また、実施形態に係る非水電解質電池は、電池膨れを抑制することもできる。
一方、非水電解液の非水溶媒が沸点が80℃未満の溶媒からなる非水電解質電池では、仮に比A/B及び比B/Cが上記範囲内にあっても、熱暴走が起こる温度よりも低い温度又は電池膨れがまったく生じ得ない温度であっても容器内部の圧力が高まり、ガス開放機構を介して容器内からガスが排出される。このような非水電解質電池は、使用可能な充電状態の範囲が狭いため、低い体積エネルギー密度を示す。また、このような非水電解質電池は、通常使用条件においてもガスを排出し得るため、実用に供することができない場合がある。
また、非水電解液の非水溶媒が沸点が130℃よりも高い溶媒からなる非水電解質電池では、非水溶媒の気化によって温度上昇を抑制することができない。また、このような非水電解質電池は、仮に比A/B及び比B/Cが上記範囲内にあっても、電池の温度が上昇した際に、ガス開放機構を作動できる圧力まで容器内部の圧力を高めることができない。
非水電解液に占める、沸点が80℃以上130℃以下の範囲内にある溶媒の体積割合は、10%以上90%以下であることが好ましく、50%以上80%以下であることがより好ましい。
また、負極にチタン酸リチウムを含まない非水電解質電池、例えば炭素材料を負極活物質として負極において用いた非水電解質電池では、Liの挿入及び脱離に伴い、炭素材料は体積変化、すなわち膨張及び収縮を起こす。そのため、このような非水電解質電池では、例えば負極の体積膨張の際の電極群の液枯れを防ぐために、非水電解液の体積を電極群の空隙の体積に対して多めに含ませる必要がある。
一方、チタン酸リチウムは、非水電解質電池の充電の際のLiの挿入、及び放電の際のLiの脱離の何れに際しても、小さい体積変化を示すことができる、又は体積変化がない。そのため、実施形態に係る非水電解質電池は、電極群の空隙の体積Cに対する非水電解液の体積Bの比B/Cが1.2以上1.35以下としても、液枯れを防ぐことができる。
比A/Bが0.55未満である場合は、容器内部において非水電解液の溶媒が気化して拡散できる空間が、非水電解質電池内の電解液の量に対して小さ過ぎる場合を指す。このような非水電解質電池は、非水電解液の溶媒が気化した際の容器内部の圧力の上昇速度が大き過ぎる。そのため、このような非水電解質電池では、熱暴走が起こる温度よりも低い温度又は電池膨れがまったく生じ得ない温度でも容器内部の圧力が高まり、ガス開放機構を介して容器内からガスが排出される。このような非水電解質電池は、使用可能な充電状態の範囲が狭いため、低い体積エネルギー密度を示す。また、このような非水電解質電池は、通常使用条件においてもガスを排出し得るため、実用に供することができない場合がある。或いは、このような非水電解質電池では、非水電解液の溶媒が気化した際、ガス開放機構からガスが排出される前に、容器が膨れるおそれがある。
一方、比A/Bが0.7より大きい場合は、容器内部において非水電解液の溶媒が気化して拡散できる空間が、非水電解質電池内の電解液の量に対して大き過ぎる場合を指す。このような非水電解質電池は、非水電解液の溶媒が気化した際の容器内部の圧力の上昇速度が小さ過ぎる。このような非水電解質電池は、電池の温度が上昇した際に、ガス開放機構を作動できる圧力まで容器内部の圧力を高めることができない。そのため、このような非水電解質電池は、温度が上がり過ぎるおそれがあり、破裂の可能性など、安全面での問題がある。
比A/Bは、0.55以上0.7以下の範囲内にあることが好ましく、0.6以上0.7以下の範囲内にあることがより好ましい。
また、比B/Cが1.2未満である非水電解質電池は、非水電解液の体積が小さ過ぎ、非水電解液の溶媒の気化による温度上昇の抑制を十分に達成することができない。また、非水電解液の量が少な過ぎると、電極群において電解液の分布の偏りが生じる。電解液の分布の偏りは、電極群における使用率の偏りをもたらし、ひいては電極群の局所的な劣化が生じる。そのため、このような非水電解質電池は、寿命特性に劣る。一方、比B/Cが1.35よりも大きく且つ比A/Bが0.55以上である場合は、非水電解液の体積に対し、電極群の空隙の体積が小さ過ぎる場合を含む。この場合は、高い体積エネルギー密度を示すことができない。或いは、比B/Cが1.35よりも大きく且つ比A/Bが0.55未満である場合は、電極群の空隙の体積に対して非水電解液の体積が大き過ぎる場合を含む。このような非水電解質電池では、非水電解液の気化により電池が膨れるおそれがある。
比B/Cは、1.2以上1.35以下の範囲内にあることが好ましく、1.2以上1.3以下の範囲内にあることがより好ましい。
次に、実施形態に係る非水電解質電池をより詳細に説明する。
実施形態に係る非水電解質電池は、容器と、電極群と、非水電解液とを具備する。容器は、電極群と、非水電解液とを収容している。
容器は、ガス開放機構を備えている。ガス開放機構は、容器内部の圧力が所定の設計値に達するまで高まった際に開口を形成し、容器内部のガスを排出することができる。そして、ガス開放機構は、容器内部のガスを排出することにより、容器内部の圧力を低減することができる。ガス開放機構については後述する。
電極群は、負極及び正極を具備する。電極群は、負極と正極との間に位置したセパレータを具備することもできる。電極群の空隙は、例えば、負極の空隙、正極の空隙及びセパレータの空隙を含むことができる。
負極は、負極集電体と、負極集電体上に形成された負極活物質含有層とを具備することができる。
負極集電体は、例えば帯状の形態を有することができる。帯状の形態を有する負極集電体は、その主面として、2つの表面を有することができる。負極活物質含有層は、負極集電体の一方の表面上に形成されていてもよいし、又は両方の表面上に形成されていてもよい。負極集電体は、負極活物質含有層を担持しない部分を含むこともできる。この部分は、負極集電タブとして働くことができる。
負極活物質含有層は、負極活物質と、必要に応じて導電剤及び結着剤とを含むことができる。チタン酸リチウムは、負極活物質の少なくとも一部として、負極活物質含有層に含まれることができる。また、負極活物質含有層は、空隙を含むことができる。これらの空隙は、例えば、負極活物質の粒子、導電剤の粒子及び結着剤の粒子によって形成された空隙であり得る。
正極は、正極集電体と、正極集電体上に形成された正極活物質含有層とを具備することができる。
正極集電体は、例えば帯状の形態を有することができる。帯状の形態を有する正極集電体は、その主面として、2つの表面を有することができる。正極活物質含有層は、正極集電体の一方の表面上に形成されていてもよいし、又は両方の表面上に形成されていてもよい。正極集電体は、正極活物質含有層を担持しない部分を含むこともできる。この部分は、正極集電タブとして働くことができる。
正極活物質含有層は、正極活物質と、必要に応じて導電剤及び結着剤とを含むことができる。また、正極活物質含有層は、空隙を含むことができる。これらの空隙は、例えば、正極活物質の粒子、導電剤の粒子及び結着剤の粒子によって形成された空隙であり得る。
セパレータは、例えば、正極活物質含有層と負極活物質含有層との間に位置することができる。セパレータは、多孔質であってもよい。すなわち、セパレータは、空隙を含むこともできる。
負極、正極及びセパレータを含む電極群においては、負極の一部と正極の一部とが少なくとも対向していればよい。そのため、電極群は、積層型でもよいし、捲回型でもよい。積層型の電極群では、複数の正極及び複数の負極が、間にセパレータを挟んで、交互に積層されている。捲回型の電極群は、正極及び負極を間にセパレータを挟んだ状態で積層し、かくして得られた積層体を渦巻状に捲回した構造である。
また、実施形態に係る非水電解質電池は、上記電極群に電気的に接続されたリードを更に具備することができる。例えば、実施形態に係る非水電解質電池は、2つのリードを具備することもできる。一方のリードは、正極集電タブに電気的に接続することができる。他方のリードは、負極集電タブに電気的に接続することができる。
実施形態に係る非水電解質電池は、上記リードに電気的に接続され、上記容器から引き出された端子を更に具備することもできる。例えば、実施形態に係る非水電解質電池は、2つの端子を具備することができる。一方の端子は、正極集電タブに電気的に接続されたリードに接続することができる。他方の端子は、負極集電タブに電気的に接続されたリードに接続することができる。
或いは、一方の端子は正極集電タブに直接接続することもでき、他方の端子は負極集電タブに直接接続することもできる。すなわち、実施形態に係る非水電解質電池は、リードを省略することもできる。
実施形態に係る非水電解質電池は、100Wh/l以上の体積エネルギー密度を示してもよい。このように高い体積エネルギー密度を有する態様の非水電解質電池であっても、実施形態に係る非水電解質電池は、先に説明した理由により、熱暴走が起こる温度に達する前又は電池膨れが生じる前に、ガス開放機構を介して容器内からガスを排出することができ、そのおかげで、優れた安全性を示すことができる。体積エネルギー密度は、200Wh/l以下の範囲内にあることが好ましく、150Wh/l以下の範囲内にあることがより好ましい。
次に、実施形態に係る非水電解質電池が具備することができる各構成部材について、より詳細に説明する。
(1)負極
負極が含むチタン酸リチウムは、放電時に高抵抗化する性質があり、微小短絡が発生しても大きな電流が流れにくい。そのため、仮に正極と負極とが短絡しても、チタン酸リチウムは瞬時に放電状態になることができ、それにより絶縁材料として働くことができる。絶縁材料として働くチタン酸リチウムは、更なる短絡電流が流れるのを防ぐことができる。また、先に説明したように、チタン酸リチウムは、非水電解質電池の充電の際のLiの挿入、及び放電の際のLiの脱離の何れに際しても、小さい体積変化を示すことができる、又は体積変化がない。そのため、チタン酸リチウムは、充放電の繰り返しによる劣化を防ぐことができ、優れた寿命性能を実現することができる。
負極が含むチタン酸リチウムの例としては、スピネル型の結晶構造を有するチタン酸リチウムLi4+xTi512(0≦x≦3)が挙げられる。
負極活物質含有層は、チタン酸リチウム以外の負極活物質を含むことができる。チタン酸リチウム以外の負極活物質としては、例えば、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物、ルチル型二酸化チタン(TiO2)、アナターゼ型二酸化チタン(TiO2)、ブロンズ型二酸化チタン(TiO2)、及び斜方晶型Na含有ニオブチタン複合酸化物が挙げられる。負極活物質の80質量%以上100質量%以下がチタン酸リチウムであることが好ましく、90質量%以上100質量%以下であることがより好ましい。
負極活物質は、一次粒子、及び/又は一次粒子が凝集してなる二次粒子であってもより。負極活物質の一次粒子の平均粒子径は、0.001〜1μmの範囲内であることが好ましい。
負極層は、必要に応じて、導電剤及び結着剤を更に含むことができる。
導電剤は、集電性能を高め、且つ負極活物質と負極集電体との接触抵抗を抑えるために必要に応じて配合される。導電剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、黒鉛などを挙げることができる。
結着剤は、負極活物質と負極集電体とを結着させることができる。結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)などを挙げることができる。
負極活物質含有層における負極活物質、導電剤及び結着剤の配合量は、それぞれ、80質量%以上98質量%以下、1質量%以上10質量%以下及び1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
負極活物質含有層の空隙率は、負極活物質含有層の見かけ体積に対し、10%以上50%以下であることが好ましく、20%以上40%以下であることがより好ましい。負極活物質含有層の空隙率は、例えば、負極作製の際の電極に対するプレス荷重を調整すること、並びに負極活物質の粒子、導電剤の粒子及び結着剤の粒子の粒子径を調整することなどにより制御することができる。
負極活物質含有層は、例えば、負極活物質、導電剤及び結着剤を含むスラリーを上記負極集電体上に塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。
負極集電体としては、例えば、アルミニウム、銅などの金属箔を使用することができる。
(2)正極
正極活物質含有層は、負極に含まれるチタン酸リチウムとの組み合わせにより充放電が可能な正極活物質を含むことができる。また、正極活物質含有層は、正極活物質に加えて必要に応じて、導電剤及び結着剤を更に含むこともできる。
正極活物質としては、例えば、リチウム遷移金属複合酸化物を用いることができる。リチウム遷移金属複合酸化物の例としては、例えば、LiaCoO2、LiaNi1-xCox2(0<x≦0.5)、LiaMnxNiyCoz2(0<x≦0.5、0<y≦0.5、0<z≦0.5)、LiaMn2-xx4(MはLi、Mg、Co、Al及び/又はNiであり、0<x≦0.2)、LiaMPO4(MはFe、Co及び/又はNiである)などを挙げることができる。上記一般式中、添字aの値は、各複合酸化物の充放電状態に応じて、0<a<1.5の範囲で変化する。
導電剤は、集電性能を高め、且つ正極活物質と正極集電体との接触抵抗を抑えるために必要に応じて配合される。導電剤としては、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、黒鉛などを挙げることができる。
結着剤は、正極活物質と導電剤とを結着させることができる。結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)などを挙げることができる。
正極活物質含有層は、例えば、正極活物質、導電剤及び結着剤を含むスラリーを上記正極集電体上に塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。
正極集電体としては、例えば、アルミニウムなどの金属箔を使用することができる。
正極活物質含有層における正極活物質、導電剤及び結着剤の配合量は、それぞれ、80質量%以上98質量%以下、1質量%以上10質量%以下及び1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
正極活物質含有層の空隙率は、正極活物質含有層の見かけ体積に対し、10%以上50%以下であることが好ましく、20%以上40%以下であることがより好ましい。正極活物質含有層の空隙率は、例えば、正極作製の際の電極に対するプレス荷重、並びに正極活物質の粒子、導電剤の粒子及び結着剤の粒子の粒子径を調整することなどにより制御することができる。
(3)セパレータ
セパレータは、絶縁性材料からなるものであり、負極と正極との電気的な接触を防止することができる。好ましくは、セパレータは、電解質が通過できる材料からなるか、又は電解質が通過できる形状を有する。セパレータの例としては、合成樹脂製不織布、ポリエチレン多孔質フィルム、ポリプロピレン多孔質フィルム及びセルロース系のセパレータが挙げられる。
セパレータの空隙率は、セパレータの見かけ体積に対し、30%以上%95%以下であることが好ましく、50%以上90%以下であることがより好ましい。セパレータの空隙率は、例えば、圧延などにより制御することができる。
(4)非水電解質
非水電解質は、非水溶媒と、この非水溶媒中に溶解された電解質塩とを含むことができる。或いは、非水電解質は、非水溶媒中に溶解されたポリマーを含んでもよい.
非水溶媒は、沸点が80℃以上130℃以下の溶媒を含む。このような溶媒としては、例えば、ジエチルカーボネ−ト(沸点:127℃)、エチルメチルカーボネート(沸点:107℃)、ジメチルカーボネート(沸点:90℃)、プロピオン酸エチル(沸点:99℃)、酢酸プロピル(沸点:102℃)、アセトニトリル(沸点:82℃)が挙げられる。なお、上記沸点は、1気圧での沸点である。好ましくは、非水溶媒は、エチルメチルカーボネートを含む。以上の溶媒のうちの1種類を単独で用いてもよいし、又は2種類以上を混合溶媒として用いてもよい。非水溶媒は、沸点が100℃〜120℃の範囲内にある溶媒を含んでいることが好ましい。
沸点が80℃以上130℃以下の溶媒は、他の溶媒と混合してもよい。すなわち、非水電解液は、沸点が80℃以上130℃以下の溶媒と、他の溶媒との混合溶媒を含むこともできる。他の溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート(沸点:240℃)及びエチレンカーボネート(沸点:260℃)が挙げられる。
電解質塩としては、LiPF6、LiBF4、Li(CF3SO22N(ビストリフルオロメタンスルホニルアミドリチウム;通称LiTFSI)、LiCF3SO3(通称LiTFS)、Li(C25SO22N(ビスペンタフルオロエタンスルホニルアミドリチウム;通称LiBETI)、LiClO4、LiAsF6、LiSbF6、ビスオキサラトホウ酸リチウム(LiB(C242(通称LiBOB))、ジフルオロ(トリフルオロ−2−オキシド−2−トリフルオロ−メチルプロピオナト(2−)−0,0)ホウ酸リチウム(LiBF2(OCOOC(CF32)(通称LiBF2(HHIB)))などのリチウム塩が挙げられる。これらの電解質塩は1種類で使用してもよいし、又は2種類以上を混合して用いてもよい。特に、LiPF6又はLiBF4を用いることが好ましい。
電解質塩濃度は、0.5M以上3M以下の範囲内とすることが好ましい。これにより、高負荷電流を流した場合の性能を向上することができる。
また、非水電解質は、添加剤を更に含むことができる。添加剤としては、特に限定されるものではないが、ビニレンカーボネイト(VC)、ビニレンアセテート(VA)、ビニレンブチレート、ビニレンヘキサネート、ビニレンクロトネート、カテコールカーボネート、プロパンスルトンなどが挙げられる。添加剤の濃度は、非水電解質100重量%に対して0.1重量%以上3重量%以下の範囲内にあることが好ましい。更に好ましい範囲は、0.5重量%以上1重量%以下である。
(5)容器
容器は、ガス開放機構を備える。ガス開放機構は、容器の内側の圧力が所定の圧力に達した際に、ガスを電池外部に開放することができる。
容器は、例えば、容器の内側の圧力が設計値以上まで上がった際に開裂できる部分をガス開放機構として含むことができる。
或いは、容器は、容器内部の圧力が上昇して設計値に達したら開いて容器内部のガスを開放でき、且つ、その後、容器内部の圧力が低下して設計値に達したら閉じて容器を封止することができる機構をガス開放機構として含むこともできる。
ガス開放機構は、例えば、ガス開放弁、安全弁、減圧弁、又はガス逃し弁であり得る。
ガス開放機構の作動圧力は、例えば、0.5MPa以上1MPa以下とすることができる。
容器は、例えば、開口を有する容器本体と、容器本体の開口を塞ぐ蓋体とを含むこともできる。この場合、ガス開放機構は、容器本体に備えられていてもよいし、又は蓋体に備えられていてもよい。或いは、容器は、蓋体を含まないものでもよい。
容器としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、ステンレスなどから形成された金属製容器を使用することができる。容器が金属製容器である場合、容器が一方の端子として働くこともできる。
金属製容器は、例えば、開口部を含む容器本体と、容器本体の開口部を塞ぐ蓋体とを含むことができる。容器本体と蓋体とは、例えば溶接により接合することができる。
金属製容器は、壁厚が他の部分のそれよりも小さな部分を含むことができる。この部分は、電池内部のガス圧力が高くなったときに破断し、電池内部のガスを開放することができる。すなわち、金属製容器は、電池内部のガス圧力が所定の圧力よりも高くなったときにガス開放機構として作動することができる部分を含むことができる。この部分は、ガス開放弁又は安全弁と呼ぶこともできる。ガス開放弁又は安全弁は、より破断しやすいように、溝が設けられていてもよい。ガス開放弁又は安全弁は、容器本体に設けられていてもよいし、又は蓋体に設けられていてもよい。
金属製容器のガス開放機構以外の部分の壁厚は、1.0mm以下であることが好ましく、0.5mm以下であることがより好ましい。
なお、容器の形状は、角型、円筒型、薄型、コイン型など、用途に応じて様々なものを採用することができる。
(6)リード
リードの材料は、特に限定されないが、例えば、正極集電体及び負極集電体と同じ材料を用いることができる。集電体と同じ材料からなるリードを用いることにより、集電体との接触抵抗を抑えることができる。
(7)端子
端子の材料は、特に限定されないが、例えば、正極集電体及び負極集電体と同じ材料を用いることができる。
以下、図面を参照しながら、実施形態に係る非水電解質電池をより詳細に説明する。
図1は、実施形態に係る第1の例の非水電解質電池の概略分解斜視図である。図2は、図1のII部の拡大断面図である。
図1及び図2に示す電池100は、密閉型の角型非水電解質電池である。非水電解質電池100は、外装缶1と、蓋2と、正極外部端子3と、負極外部端子4と、電極群5とを具備している。外装缶1と蓋2とは、容器を構成している。
外装缶1は、有底角筒形状を有しており、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄又はステンレスなどの金属から形成される。
図2に示すように、偏平型の電極群5は、正極6と負極7とがその間にセパレータ8を介して偏平形状に捲回されたものである。正極6は、例えば金属箔からなる帯状の正極集電体6cと、正極集電体6cの長辺に平行な一端部からなる正極集電タブ6aと、正極集電体6cのうち正極集電タブ6aを除いた部分の表面上に形成された正極活物質含有層6bとを含む。一方、負極7は、例えば金属箔からなる帯状の負極集電体7cと、負極集電体7cの長辺に平行な一端部からなる負極集電タブ7aと、負極集電体7cのうち負極集電タブ7aを除いた部分の表面上に形成された負極活物質含有層7bとを含む。
このような正極6、セパレータ8及び負極7は、正極集電タブ6aが電極群5の捲回軸方向にセパレータ8から突出し、かつ負極集電タブ7aがこれとは反対方向にセパレータ8から突出するよう、正極6及び負極7の位置をずらして捲回されている。このような捲回により、電極群5は、図1に示すように、一方の端面から渦巻状に捲回された正極集電タブ6aが突出し、かつ他方の端面から渦巻状に捲回された負極集電タブ7aが突出している。非水電解液(図示しない)は、電極群5に含浸されている。
正極リード10は、支持板10aと、支持板10aに開口された貫通孔10bと、支持板10aから二股に分岐し、下方に延出した集電部10c及び10dとを有する。一方、負極リード11は、支持板11aと、支持板11aに開口された貫通孔11bと、支持板11aから二股に分岐し、下方に延出した集電部11c及び11dとを有する。
集電部10c及び10dは、正極集電タブ6aに接するように配置されている。電極群5の正極6と正極リード10とが正極集電タブ6aを介して電気的に接続されている。
集電部11c及び11dは、負極集電タブ7aに接するように配置されている。電極群5の負極7と負極リード11が負極集電タブ7aを介して電気的に接続されている。
このような正極リード10及び負極リード11は、矩形状の蓋2に取り付けられている。また、図1に示すように、正極外部端子3及び負極外部端子4も更に蓋2に取り付けられている。正極リード10と正極外部端子3とは、電気的に接続されている。そのため、正極リード10の材質は、特に指定しないが、正極外部端子3と同じ材質にすることが望ましい。同様に、負極リード11と負極外部端子4とは、電気的に接続されている。そのため、負極リード11の材質は、特に指定しないが、負極外部端子4と同じ材質にすることが望ましい。正極外部端子3には、例えば、アルミニウムあるいはアルミニウム合金が使用され、負極外部端子4には、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、ニッケル、ニッケルメッキされた鉄などが使用される。例えば、外部端子の材質がアルミニウム又はアルミニウム合金の場合は、リードの材質をアルミニウム、アルミニウム合金にすることが好ましい。また、外部端子が銅の場合は、リードの材質を銅などにすることが望ましい。
正極リード10の支持板10aと蓋2との間には、内部絶縁体15が配置されており、正極リード10と蓋2とを電気的に絶縁している。内部絶縁体15は、正極リード10の支持板10aの貫通孔10bに対応した貫通孔15aを含んでいる。また、正極外部端子3と蓋2との間には、絶縁ガスケット14が配置されており、正極外部端子3と蓋2とを電気的に絶縁している。同様に、負極リード11の支持板11aと蓋2との間には、内部絶縁体15が配置されており、負極リード11と蓋2とを電気的に絶縁している。内部絶縁体15は、負極リード11の支持板11aの貫通孔11bに対応した貫通孔15aを含んでいる。また、負極外部端子4と蓋2との間には、絶縁ガスケット14が配置されており、負極外部端子4と蓋2とを電気的に絶縁している。
絶縁ガスケット14及び内部絶縁体15は、樹脂成形品であることが望ましい。
矩形状の蓋2は、注液孔12が設けられている。注液孔12は、外装缶1内に非水電解液を注入した後、図示しない封止蓋により封止される。
安全弁13は、蓋2に設けられた矩形の凹部13aの底面に設けられた十字の溝13bからなる。蓋2の凹部13aのうち溝13bが設けられた部分は特に肉薄となっている。そのため、溝13bは、外装缶1の内部圧力が上昇して所定の圧力に達した際に、破断することによって外装缶1内のガスを外に放出することができる。すなわち、安全弁13は、ガス開放機構として働くことができる。
蓋2は、外装缶1の開口部の周縁に例えばレーザでシーム溶接されている。蓋2は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄又はステンレスなどの金属から形成される。蓋2と外装缶1とは、同じ種類の金属から形成されることが望ましい。
(容器内の空隙の体積A、及び非水電解液の体積Bの測定方法)
まず、測定対象の非水電解質電池を用意する。次に、非水電解質電池の容器を開封する。開封した非水電解質電池の重量を測定する。測定した重量を、a[g]とする。
次に、25℃環境下において、非水電解質電池の容器内に、エチルメチルカーボネート(EMC)を、液が満ちるまで流し込む。次に、この状態の非水電解質電池の重量を測定する。測定した重量を、b[g]とする。
重量bと重量aとの差(b−a)[g]が、流し込んだEMCの重量である。流し込んだEMCの量は、非水電解質電池の容器内の空隙に対応する。EMCの比重は1.01[g/cm3]なので、容器内の空隙の体積A[cm3]は、(b−a)[g]÷1.01[g/cm3]で計算される。
次に、容器から非水電解液及びEMCの混合物を注ぎ出す。注ぎ出した混合物は、保管する。次に、非水電解質電池の容器内を、電極群を収容した状態で、100℃での24時間に亘る乾燥に供する。乾燥後、非水電解質電池の重量を測定する。測定した重量をc[g]とする。
一方、先に保管しておいた非水電解液及びEMCの混合物の比重を測定する。測定は以下の手順で行う。まず、混合物の一部を採ってサンプルとする。このサンプルの重量を測定する。測定した重量をd[g]とする。次に、このサンプルの体積をメスシリンダーで測定する。測定した体積をe[cm3]とする。重量d及び体積eから、混合物の比重が(d/e)[g/cm3]として計算できる。
次に、重量bと重量cとの差を計算する。この重量の差(b−c)[g]は、非水電解液とEMCとの混合物の重量である。次に、混合物の重量(b−c)[g]を混合物の比重(d/e)[g/cm3]で割る。これにより得られた商{e(b−c)/d}[cm3]が、混合物の体積である。
混合物の体積{e(b−c)/d}[cm3]と、注ぎ込んだEMCの体積、すなわち容器内の空隙の体積A[cm3](=(b−a)/1.01)との差が、非水電解液の体積B[cm3]である。
(電極群の空隙の体積Cの測定)
電極群の空隙の体積C[cm3]は、以下の手順で測定する。
1.細孔分布サンプルの作製
まず、測定対象の非水電解質電池を準備する。次に、Ar雰囲気又は露点−60℃以下のドライ雰囲気下で、非水電解質電池を解体し、解体した非水電解質電池から電極群を取り出す。
取り出した電極群を、正極と負極とセパレータとに解体する。次に、正極の正極活物質含有層の見かけの体積、負極の負極活物質含有層の見かけの体積、及びセパレータのみかけの体積をそれぞれ測定する。具体的には、厚みをマイクロメータを用い、幅や長さは巻尺を用いて測定し、それぞれを掛け合わせることで、みかけの体積を算出することができる。
次に、正極活物質含有層から、20〜30cm2の平面形状を有する略正方形の平面形状を有する正極の試験片を切り出す。同様に、負極活物質含有層及びセパレータからも、同様の大きさの負極の試験片及びセパレータの試験片をそれぞれ切り出す。
切り出したそれぞれの試験片を、100cm3のエチルメチルカーボネートに浸し、5分放置する。放置後、試験片を取り出し、1日乾燥させる。乾燥した各試験片を細孔分布測定に供する。
細孔分布測定装置には、島津オートポア9520形を用いることができる。具体的には、試験片1枚を約25mm巾のサイズに裁断し、これを折り畳み、標準セルに採る。初期圧20kPa(約3psia、細孔直径約60μm相当)の条件で測定する。かくして、各サンプルの細孔分布が得られる。また、得られた細孔分布のデータから、各サンプルの空隙率が得られる。
(2)空隙量の導出
得られた空隙率[%]をそれぞれ先に測定した見かけ体積[cm3]にかけることにより、正極活物質含有層、負極活物質含有層及びセパレータのそれぞれの空隙量[cm3]を求める。これらの空隙量の合計が、電極群の空隙の体積C[cm3]である。
具体的には、出力された各空隙率を、正極試験片:o(%)、負極試験片:p(%)、及びセパレータ:q(%)とし、先に測定した見かけ体積を正極活物質含有層:r[cm3]、負極活物質含有層:s[cm3]、及びセパレータ:t[cm3]とすると、電極群の空隙の体積C[cm3]は以下の式で導出できる。
C = r×o/100 + s×p/100 + t×q/100
(非水電解液の同定方法)
非水電解質電池に含まれている非水電解液は、以下の手順で同定する。
まず、測定対象の非水電解質電池から、電解液を抽出する。抽出した非水電解液を、ガスクロマトグラフ質量分析法及びイオンクロマトグラフ法にて分析する。この分析により、非水電解液に含まれていた各成分(溶媒及び溶質)を同定することができる。また、この分析により得られたチャートのピーク面積から各成分を定量することができる。定量値から、各溶媒の比率を計算する。
また、この分析から得られた各成分の情報から、化学書資料館及び化学物質等安全データシート(Material Safety Data Sheet: MSDS)などのデータベースを用いて、各溶媒の沸点を知ることができる。データベースなどにない場合には、沸点測定器(例えば、DosaTherm 300)で沸点を調べることができる。
(負極活物質の同定方法)
非水電解質電池に含まれている負極活物質は、X線回折(XRD)測定及び誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma:ICP)発光分光法を用いて同定することができる。
非水電解質電池に含まれている負極活物質についてのXRD測定は、以下の手順で行うことができる。
まず、測定対象の非水電解質電池を、放電状態にする。次に、アルゴンを充填したグローブボックス中で電池を分解して負極を取り出す。取り出した負極を、適切な溶媒で洗浄して減圧乾燥する。例えば、エチルメチルカーボネートなどを用いることができる。洗浄乾燥後、表面にリチウム塩などの白い析出物がないことを確認する。
粉末X線回折測定に供する場合は、洗浄した電極を、粉末X線回折装置のホルダーの面積とほぼ同じ面積に切断し、測定試料とする。
得られた測定試料を、ガラスホルダーに直接貼り付けて測定を行う。この際、金属箔などの電極基板に由来するピークの位置を予め測定しておく。また、導電剤や結着剤などの他の成分のピークも予め測定しておく。基板のピークと活物質のピークが重なる場合、基板から活物質が含まれる層(例えば、後述する活物質層)を剥離して測定に供することが望ましい。これは、ピーク強度を定量的に測定する際、重なったピークを分離するためである。例えば、溶媒中で電極基板に超音波を照射することにより活物質層を剥離することができる。活物質層をキャピラリに封入し、回転試料台に載置して測定する。このような方法により、配向性の影響を低減したうえで、活物質のXRDパターンを得ることができる。
X線回折測定の装置としては、全自動多目的X線回折装置 SmartLab(RIGAKU)を用いる。測定は、加速電圧40kV、加速電流40mA、走査速度2.0°/minの条件で、θ/2θ連続測定法に従って行う。その他の装置を使用する場合は、上記と同等の測定結果が得られるように、X線回折用標準Si粉末を用いた測定を行い、ピーク強度及びピークトップ位置が上記装置と一致する条件で行う。
電池に組み込まれている負極活物質の組成をICP発光分光法により測定するには、具体的には以下の手順により行う。まず、先に説明した手順により、非水電解質電池から、測定対象たる活物質を含んだ負極を取り出し、洗浄する。洗浄した負極を適切な溶媒中に入れて超音波を照射する。例えば、ガラスビーカー中に入れたエチルメチルカーボネートに電極体を入れ、超音波洗浄機中で振動させることで、集電体から負極活物質を含む負極活物質層を剥離することができる。次に、減圧乾燥を行い、剥離した負極活物質層を乾燥する。得られた電極層を乳鉢などで粉砕することで、対象とする負極活物質、導電剤、バインダーなどを含む粉末となる。この粉末を、酸で溶解することで、負極活物質を含む液体サンプルを作成できる。このとき、酸としては塩酸、硝酸、硫酸、フッ化水素などを使用できる。この液体サンプルをICP発光分光分析に供することで、負極活物質の組成を知ることができる。
得られたXRDパターン及び組成の情報から、データベース、例えばJCPDSに基づいて、負極活物質を同定することができる。
実施形態によると、非水電解質電池が提供される。非水電解質電池は、容器と、容器に収容された電極群と、容器に収容された非水電解液とを具備する。容器は、ガス開放機構を備えている。非水電解液は、沸点が85℃以上130℃以下の範囲内にある溶媒を含んでいる。実施形態に係る非水電解質電池は、比A/B及び比B/Cが以下の範囲内にある:0.55≦A/B≦0.7:(1);1.2≦B/C≦1.35:(2)。ここで、Aは、電極群の空隙を除いた容器内の空隙の体積[cm3]であり、Bは非水電解液の体積[cm3]であり、Cは電極群の空隙の体積[cm3]である。この非水電解質電池は、高い体積エネルギー密度を示すことができる量の非水電解液を含みながらも、熱暴走に至る前又は電池膨れが生じる前にガス開放機構を介して容器内からガスを排出することができる。その結果、この非水電解質電池は、高い体積エネルギー密度及び優れた安全性を示すことができる。
[実施例]
以下、実施例に基づいて上記実施形態を更に詳細に説明する。
(実施例1)
実施例1では、以下の手順で実施例1の非水電解質電池を作製した。
<正極の作製>
正極活物質として、スピネル型の結晶構造を有するマンガン酸リチウム(LiMn24:LMO)の粉末(平均一次粒子径:10μm)を準備した。また、導電剤としてアセチレンブラック(AB)の粉末(平均一次粒子径:0.1μm)を準備した。また、結着剤として、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)を準備した。
次に、準備した材料を、LMO:AB:PvdFの質量比が90:5:5となるように、溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に投入した。得られた混合物を攪拌し、正極スラリーを得た。
次に、厚さが15μmであるアルミニウム箔からなる帯状の集電体を準備した。この集電体の両方の表面上に、正極スラリーを塗布した。この際、集電体の一方の長辺に沿って、正極スラリーを塗布しない部分を残した。スラリーの片面目付を80g/m2とした。次いで、塗膜を乾燥させ、乾燥させた塗膜をプレスに供した。かくして、正極集電体と、正極集電体の両面に形成された正極活物質含有層とを含んだ正極が得られた。正極集電体は、一方の長辺に沿って延び、表面に正極活物質含有層を担持していない正極集電タブを含んでいた。
<負極の作製>
負極活物質として、スピネル型の結晶構造を有するチタン酸リチウム(Li4Ti512:LTO)の粉末(平均一次粒子径:1μm)を準備した。また、導電剤としてグラファイトの粉末(平均一次粒子径:5μm)を準備した。また、結着剤として、PVdFを準備した。
次に、準備した材料を、LTO:グラファイト:PvdFの質量比が90:5:5となるように、溶媒としてのNMPに投入した。得られた混合物を攪拌し、負極スラリーを得た。
次に、厚さが15μmであるアルミニウム箔からなる帯状の集電体を準備した。この集電体の両方の表面上に、負極スラリーを塗布した。この際、集電体の一方の長辺に沿って、負極スラリーを塗布しない部分を残した。スラリーの片面目付を40g/m2とした。次いで、塗膜を乾燥させ、乾燥させた塗膜をプレスに供した。かくして、負極集電体と、負極集電体の両面に形成された負極活物質含有層とを含んだ負極が得られた。負極集電体は、一方の長辺に沿って延び、表面に負極活物質含有層を担持していない負極集電タブを含んでいた。
<電極群の作製>
セパレータとして、厚さが15μmである2枚の帯状の樹脂性セパレータを用意した。
次に、先に作製した負極、一枚のセパレータ、先に作製した正極、及びセパレータをこの順で積層させ、積層体を得た。この際、正極集電タブが負極に対向しないように且つ負極集電タブが正極に対向しないように、積層の位置を調整した。
得られた積層体を、負極が外側に来るように捲回した。次いで、捲回体から巻芯を抜き取り、捲回体をプレスに供した。次に、正極集電タブ及び負極集電タブ以外の部分を、絶縁テープで被覆した。かくして、図1及び図2に示した電極群5と同様の構造を有する電極群を得た。
<非水電解質電池ユニットの作製>
次に、図1に示したのと同様の外装缶、蓋、正極リード、負極リード、正極外部端子、負極外部端子、絶縁ガスケット、及び内部絶縁体を準備した。外装缶の内容積は235cm2であった。外装缶は、図1を参照しながら説明したのと同様の安全弁を備えていた。安全弁の作動圧力は、0.7MPaであった。
準備した以上の部材と、先に作製した電極群とを用いて、先に説明したように、蓋、正極リード、負極リード、正極外部端子、負極外部端子、絶縁ガスケット、及び内部絶縁体を固定した。次に、正極リードを電極群の正極集電タブに溶接した。同様に、負極リードを電極群の負極集電タブに溶接した。次いで、電極群を外装缶内に収容した。ここで、電極群及び外装缶内の各部材の体積の合計が、外装缶の内容積の84%となるように電極長を調整した。次いで、蓋を、外装缶の開口部の周縁に溶接した。かくして、非水電解質電池ユニットを作製した。
<非水電解液の調整>
エチルメチルカーボネート(MEC;沸点107℃)とエチレンカーボネート(EC;沸点260℃)とを、体積比2:1の割合で混合し、混合溶媒を得た。この混合溶媒に、ヘキサフルオロリン酸リチウムLiPF6を1.0モル/Lの濃度で溶解させて、非水電解液を調製した。
<非水電解質電池の完成>
次に、先に作製した非水電解質電池ユニットを乾燥機に投入し、95℃で6時間にわたり真空乾燥を行った。乾燥後、露点が−50℃以下になるにように管理されたグローブボックスに運んだ。
グローブボックス内で、外装缶内に、先に調製した非水電解液を注入した。注入量Bは、67cm3であった。非水電解液を入れた外装缶を、−90kPaの減圧環境下において封止した。
かくして、実施例1の非水電解質電池が完成した。
<過充電試験>
実施例1の非水電解質電池を、1Cで満充電まで充電した。次いで、実施例1の非水電解質電池を、更に1CでSOC250%まで過充電状態にした。試験中の最大温度は140℃であり、安全弁は開弁した。
また、実施例1の非水電解質電池のハザードレベルはHL3であった。なお、このハザードレベルは、EUCAR(European Council for Automotive R & D)に基づいたものである。ハザードレベルの判断基準を以下の表1に示す。
<貯蔵試験>
実施例1の非水電解質電池を、1Cで満充電まで充電した。この状態で実施例1の非水電解質の厚みを貯蔵前の厚みとして確認した。次いで、実施例1の非水電解質電池を、65℃で50日間貯蔵した。貯蔵後、非水電解質電池の厚みを貯蔵後の厚みとして確認した。ここで、非水電解質電池の厚みは、最も大きい面の中央の厚みとした。測定の結果、貯蔵前の厚みは21.2mmであり、貯蔵後の厚みは21.5mmであることが分かった。また、外装缶内は減圧状態であった。
(実施例2)
実施例2では、非水電解液の体積Bを64cm3とした以外は実施例1と同様の手順で、実施例2の非水電解質電池を作製した。
作製した実施例2の非水電解質電池を、実施例1と同様の手順で過充電試験に供した。過充電試験中の最大温度は160℃であり、安全弁は開弁した。ハザードレベルはHL3であった。
また、実施例2の非水電解質電池を、実施例1と同様の手順で貯蔵試験に供した。また、実施例1と同様に、実施例2の非水電解質電池の貯蔵前の厚み及び貯蔵後の厚みを確認した。測定の結果、貯蔵前の厚みは21.2mmであり、貯蔵後の厚みは21.4mmであることが分かった。また、外装缶内は減圧状態であった。
(実施例3)
実施例3では、非水電解液の体積Bを61cm3とした以外は実施例1と同様の手順で、実施例3の非水電解質電池を作製した。
作製した実施例3の非水電解質電池を、実施例1と同様の手順で過充電試験に供した。過充電試験中の最大温度は160℃であり、安全弁は開弁した。ハザードレベルはHL3であった。
また、実施例3の非水電解質電池を、実施例1と同様の手順で貯蔵試験に供した。また、実施例1と同様に、実施例3の非水電解質電池の貯蔵前の厚み及び貯蔵後の厚みを確認した。測定の結果、貯蔵前の厚みは21.2mmであり、貯蔵後の厚みは21.4mmであることが分かった。また、外装缶内は減圧状態であった。
(実施例4)
実施例4では、非水電解液の混合溶媒として、ジエチルカーボネート(DEC;沸点:127℃)とエチレンカーボネート(EC;沸点260℃)とを、体積比2:1の割合で混合したものを用い、非水電解液の体積Bを64cm3としたこと以外は実施例1と同様の手順で、実施例4の非水電解質電池を作製した。
作製した実施例4の非水電解質電池を、実施例1と同様の手順で過充電試験に供した。過充電試験中の最大温度は160℃であり、安全弁は開弁した。ハザードレベルはHL3であった。
また、実施例4の非水電解質電池を、実施例1と同様の手順で貯蔵試験に供した。また、実施例1と同様に、実施例4の非水電解質電池の貯蔵前の厚み及び貯蔵後の厚みを確認した。測定の結果、貯蔵前の厚みは21.2mmであり、貯蔵後の厚みは21.3mmであることが分かった。また、外装缶内は減圧状態であった。
(実施例5)
実施例5では、正極活物質としてコバルト酸リチウム(LiCoO2:LCO)の粉末(平均一次粒子径:10μm)を用い、準備した材料をLCO:AB:PvdFの質量比が90:5:5となるように混合して正極スラリーを調製したこと以外は実施例1と同様の手順で、実施例5の非水電解質電池を作製した。アセチレンブラック(AB)の粉末は、実施例1と同様に、平均一次粒子径が0.1μmのものを用いた。
作製した実施例5の非水電解質電池を、実施例1と同様の手順で過充電試験に供した。過充電試験中の最大温度は150℃であり、安全弁は開弁した。ハザードレベルはHL3であった。
また、実施例5の非水電解質電池を、実施例1と同様の手順で貯蔵試験に供した。貯蔵後、非水電解質電池の厚みを確認した。測定の結果、貯蔵前の厚みは21.2mmであり、貯蔵後の厚みは21.4mmであることが分かった。また、外装缶内は減圧状態であった。
(実施例6)
実施例6では、正極活物質としてニッケルマンガンコバルト酸リチウム(LiMn0.3Ni0.5Co0.22:NCM)の粉末(平均一次粒子径:10μm)を用い、準備した材料をNCM:AB:PvdFの質量比が90:5:5となるように混合して正極スラリーを調製したこと以外は実施例1と同様の手順で、実施例6の非水電解質電池を作製した。アセチレンブラック(AB)の粉末は、実施例1と同様に、平均一次粒子径が0.1μmのものを用いた。
作製した実施例6の非水電解質電池を、実施例1と同様の手順で過充電試験に供した。過充電試験中の最大温度は150℃であり、安全弁は開弁した。ハザードレベルはHL3であった。
また、実施例6の非水電解質電池を、実施例1と同様の手順で貯蔵試験に供した。貯蔵後、非水電解質電池の厚みを確認した。測定の結果、貯蔵前の厚みは21.2mmであり、貯蔵後の厚みは21.3mmであった。また、外装缶内は減圧状態であった。
(実施例7)
実施例7では、正極活物質として、実施例6で用いたのと同様のNCM及び実施例7で用いたのと同様のLCOの混合粉末を用い、準備した材料をNCM:LCO:AB:PvdFの質量比が75:15:5:5となるように混合して正極スラリーを調製したこと以外は実施例1と同様の手順で、実施例6の非水電解質電池を作製した。アセチレンブラック(AB)の粉末は、実施例1と同様に、平均一次粒子径が0.1μmのものを用いた。
作製した実施例7の非水電解質電池を、実施例1と同様の手順で過充電試験に供した。過充電試験中の最大温度は150℃であり、安全弁は開弁した。ハザードレベルはHL3であった。
また、実施例7の非水電解質電池を、実施例1と同様の手順で貯蔵試験に供した。貯蔵後、非水電解質電池の厚みを確認した。測定の結果、貯蔵前の厚みは21.2mmであり、貯蔵後の厚みは21.3mmであった。また、外装缶内は減圧状態であった。
(実施例8)
実施例8では、正極活物質として、実施例1で用いたのと同様のLMO及び実施例7で用いたのと同様のLCOの混合粉末を用い、準備した材料をLMO:LCO:AB:PvdFの質量比が75:15:5:5となるように混合して正極スラリーを調製したこと以外は実施例1と同様の手順で、実施例8の非水電解質電池を作製した。アセチレンブラック(AB)の粉末は、実施例1と同様に、平均一次粒子径が0.1μmのものを用いた。
作製した実施例8の非水電解質電池を、実施例1と同様の手順で過充電試験に供した。過充電試験中の最大温度は140℃であり、安全弁は開弁した。ハザードレベルはHL3であった。
また、実施例8の非水電解質電池を、実施例1と同様の手順で貯蔵試験に供した。貯蔵後、非水電解質電池の厚みを確認した。測定の結果、貯蔵前の厚みは21.2mmであり、貯蔵後の厚みは21.4mmであった。また、外装缶内は減圧状態であった。
(比較例1)
比較例1では、非水電解液の体積Bを72cm3とした以外は実施例1と同様の手順で、比較例1の非水電解質電池を作製した。
作製した比較例1の非水電解質電池を、実施例1と同様の手順で過充電試験に供した。過充電試験中の最大温度は140℃であり、安全弁は開弁した。ハザードレベルはHL3であった。
また、比較例1の非水電解質電池を、実施例1と同様の手順で貯蔵試験に供した。貯蔵後、非水電解質電池の厚みを確認した。測定の結果、貯蔵前の厚みは21.2mmであり、貯蔵後の厚みは24mmであることが分かった。また、外装缶内は陽圧状態であった。
(比較例2)
比較例2では、非水電解液の体積Bを59cm3とした以外は実施例1と同様の手順で、比較例2の非水電解質電池を作製した。
作製した比較例2の非水電解質電池を、実施例1と同様の手順で過充電試験に供した。過充電試験中の最大温度は300℃であり、安全弁は開弁した。ハザードレベルはHL4であった。
また、比較例2の非水電解質電池を、実施例1と同様の手順で貯蔵試験に供した。貯蔵後、非水電解質電池の厚みを確認した。測定の結果、貯蔵前の厚みは21.2mmであり、貯蔵後の厚みは21.5mm以下であることが分かった。また、外装缶内は減圧状態であった。
(比較例3)
比較例3では、非水電解液の体積Bを54cm3とした以外は実施例1と同様の手順で、比較例3の非水電解質電池を作製した。
作製した比較例3の非水電解質電池を、実施例1と同様の手順で過充電試験に供した。過充電試験中の最大温度は300℃であり、安全弁は開弁したハザードレベルはHL4であった。
また、比較例3の非水電解質電池を、実施例1と同様の手順で貯蔵試験に供した。貯蔵後、非水電解質電池の厚みを確認した。測定の結果、貯蔵前の厚みは21.2mmであり、貯蔵後の厚みは21.8mmであることが分かった。また、外装缶内は減圧状態であった。
(比較例4)
比較例4では、正極、負極及びセパレータの長さをそれぞれ実施例1のそれらよりも8%短くしたこと以外は実施例1と同様の手順で、比較例4の非水電解質電池を作製した。
作製した比較例4の非水電解質電池を、実施例1と同様の手順で過充電試験に供した。過充電試験中の最大温度は140℃であり、安全弁は開弁した。ハザードレベルはHL3であった。
また、比較例4の非水電解質電池を、実施例1と同様の手順で貯蔵試験に供した。貯蔵後、非水電解質電池の厚みを確認した。測定の結果、貯蔵前の厚みは20.5mmであり、貯蔵後の厚みは20.6mmであることが分かった。また、外装缶内は減圧状態であった。
(比較例5)
比較例5では、正極、負極及びセパレータの長さをそれぞれ実施例1のそれらよりも8%長くしたこと以外は実施例1と同様の手順で、比較例5の非水電解質電池を作製した。
作製した比較例5の非水電解質電池を、実施例1と同様の手順で過充電試験に供した。過充電試験中の最大温度は300℃であり、安全弁は開弁した。ハザードレベルはHL4であった。
また、比較例5の非水電解質電池を、実施例1と同様の手順で貯蔵試験に供した。貯蔵後、非水電解質電池の厚みを確認した。測定の結果、貯蔵前の厚みは21.8mmであり、貯蔵後の厚みは23.0mmであることが分かった。また、外装缶内は陽圧状態であった。
(比較例6)
比較例6では、非水電解液の体積Bを71cm3とした以外は比較例4と同様の手順で、比較例6の非水電解質電池を作製した。
作製した比較例6の非水電解質電池を、実施例1と同様の手順で過充電試験に供した。過充電試験中の最大温度は140℃であり、安全弁は開弁した。ハザードレベルはHL3であった。
また、比較例6の非水電解質電池を、実施例1と同様の手順で貯蔵試験に供した。貯蔵後、非水電解質電池の厚みを確認した。測定の結果、貯蔵前の厚みは20.5mmであり、貯蔵後の厚みは20.6mmであることが分かった。また、外装缶内は減圧状態であった。
(比較例7)
比較例7では、非水電解液の体積Bを60cm3とした以外は比較例5と同様の手順で、比較例7の非水電解質電池を作製した。
作製した比較例7の非水電解質電池を、実施例1と同様の手順で過充電試験に供した。過充電試験中の最大温度は300℃であり、安全弁は開弁した。ハザードレベルはHL4であった。
また、比較例7の非水電解質電池を、実施例1と同様の手順で貯蔵試験に供した。貯蔵後、非水電解質電池の厚みを確認した。測定の結果、貯蔵前の厚みは21.8mmであり、貯蔵後の厚みは25.0mmであることが分かった。また、外装缶内は陽圧状態であった。
<各種測定>
(体積エネルギー密度)
各電池の体積エネルギー密度を算出した。算出には、以下の式を用いた。
体積エネルギー密度(Wh/L)=X×Y÷Z
ここで、Xは電池の公称電圧(V)であり、Yは電池の公称容量(Ah)であり、Zは外装缶の内容積(L)である。なお、公称電圧Xは、全ての非水電解質電池について2.4Vであった。また、比較例4及び6の非水電解質電池の公称容量Yは10.8Ahであり、比較例5及び7の非水電解質電池の公称容量Yは12.7Ahであり、これら以外の非水電解質電池の公称容量Yは11.7Ahであった。
(容器内の空隙の体積A及び電極群の空隙の体積Cの測定)
実施例1〜4、及び比較例1〜7のそれぞれの非水電解質電池の容器内の空隙の体積A及び電極群の空隙の体積Cを、先に説明した方法により測定した。
各種測定結果を、以下の表2に示す。なお、表2には、各非水電解質電池の非水電解液の体積B及び非水溶媒も併せて示す。
<結果>
表2に示した結果から、実施例1〜8の非水電解質電池は、高い体積エネルギー密度を示しながら、過充電試験のハザードレベルがHL3以下であり、65℃貯蔵試験での電池膨れも抑えることができたことがわかる。
一方、比較例1の非水電解質電池は、比A/Bが0.55未満であり且つ比B/Cが1.35よりも大きかったため、容器内部において非水電解液の溶媒が気化して拡散できる空間が、非水電解質電池内の電解液の量に対して小さ過ぎたと考えられる。そのため、比較例1の非水電解質電池では、65℃貯蔵試験で電池が膨れてしまった。
また、比較例2及び3の非水電解質電池は、比A/Bが0.7よりも大きく且つ比B/Cが1.2未満であったため、容器内部において非水電解液の溶媒が気化して拡散できる空間が非水電解質電池内の電解液の量に対して大き過ぎたと考えられる。そのため、比較例2及び3の非水電解質電池では、過充電試験において、開弁する前に温度が高くなり過ぎ、安全性が低下した(ハザードレベルが高かった)。
比較例4の非水電解質電池は、比A/Bが0.7よりも大きく、電池体積に対する電極群の大きさが小さかった。そのため、比較例4の非水電解質電池は、体積エネルギー密度が低かった。
比較例5の非水電解質電池は、比A/Bが0.55未満であったため、容器内部において非水電解液の溶媒が気化して拡散できる空間が、非水電解質電池内の電解液の量に対して小さ過ぎたと考えられる。そのため、比較例5の非水電解質電池では、過充電試験において、開弁する前に温度が高くなり過ぎ、安全性が低下した(ハザードレベルが高かった)。また、比較例5の非水電解質電池は、上記理由により、65℃貯蔵試験において、電池膨れが生じた。
比較例6の非水電解質電池は、比B/Cが1.35より大きく且つ比A/Bが0.55以上であったので、非水電解液の体積に対し、電極群の空隙の体積が小さ過ぎたと考えられる。そのため、比較例6の非水電解質電池は、体積エネルギー密度が低かった。
そして、比較例7の非水電解質電池は、比B/Cが1.2より小さく、電解液の量が電極群の空隙の体積に対して少な過ぎたと考えられる。そのため、比較例7の非水電解質電池では、電極群において、電解液が十分にいきわたらず、局所的に過度な劣化が発生し、その結果貯蔵特性が悪化し、過充電特性も悪化したと考えられる。
以上に説明した1つ以上の実施形態又は実施例によると、非水電解質電池が提供される。非水電解質電池は、容器と、容器に収容された電極群と、容器に収容された非水電解液とを具備する。容器は、ガス開放機構を備えている。電極群は空隙を含んでいる。非水電解液は、沸点が85℃以上130℃以下の範囲内にある溶媒を含んでいる。実施形態に係る非水電解質電池は、比A/B及び比B/Cが以下の範囲内にある:0.55≦A/B≦0.7:(1);1.2≦B/C≦1.35:(2)。ここで、Aは、電極群の空隙を除いた容器内の空隙の体積[cm3]であり、Bは非水電解液の体積[cm3]であり、Cは電極群の空隙の体積[cm3]である。この非水電解質電池は、高い体積エネルギー密度を示すことができる量の非水電解液を含みながらも、熱暴走に至る前又は電池膨れが生じる前にガス開放機構を介して容器内からガスを排出することができる。その結果、この非水電解質電池は、高い体積エネルギー密度及び優れた安全性を示すことができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…外装缶、2…蓋、3…正極外部端子、4…負極外部端子、5…電極群、6…正極、6a…正極集電タブ、6b…正極活物質含有層、7…負極、7a…負極集電タブ、7b…負極活物質含有層、8…セパレータ、10…正極リード、11…負極リード、12…注液孔、13…安全弁、13a…凹部、13b…溝、14…絶縁ガスケット、15…内部絶縁体、16…絶縁テープ、100…非水電解質電池。

Claims (5)

  1. ガス開放機構を備えた容器と、
    前記容器に収容され、チタン酸リチウムを含んだ負極と、正極とを具備した電極群と、
    前記容器に収容され、沸点が85℃以上130℃以下の範囲内にある溶媒を含んだ非水電解液と
    を具備し、
    比A/B及び比B/Cが以下の範囲内にある非水電解質電池:
    0.55≦A/B≦0.7 :(1);
    1.2≦B/C≦1.35 :(2)
    ここで、
    Aは、前記電極群の空隙を除いた前記容器内の空隙の体積[cm3]であり、
    Bは、前記非水電解液の体積[cm3]であり、
    Cは、前記電極群の前記空隙の体積[cm3]である。
  2. 前記非水電解液に占める前記溶媒の体積割合は、10%以上90%以下の範囲内にある請求項1に記載の非水電解質電池。
  3. 100Wh/L以上の体積エネルギー密度を有する請求項2に記載の非水電解質電池。
  4. 前記溶媒の沸点は100℃以上120℃以下の範囲内にある請求項2に記載の非水電解質電池。
  5. 前記ガス開放機構の作動圧力は0.5MPa以上1MPa以下である請求項2に記載の非水電解質電池。
JP2017038540A 2017-03-01 2017-03-01 非水電解質電池 Active JP6892285B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017038540A JP6892285B2 (ja) 2017-03-01 2017-03-01 非水電解質電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017038540A JP6892285B2 (ja) 2017-03-01 2017-03-01 非水電解質電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018147594A true JP2018147594A (ja) 2018-09-20
JP6892285B2 JP6892285B2 (ja) 2021-06-23

Family

ID=63591404

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017038540A Active JP6892285B2 (ja) 2017-03-01 2017-03-01 非水電解質電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6892285B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021020212A1 (ja) * 2019-07-31 2021-02-04 株式会社村田製作所 二次電池およびその製造方法
CN115360438A (zh) * 2022-10-20 2022-11-18 中创新航科技股份有限公司 一种电池

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001196094A (ja) * 2000-01-14 2001-07-19 Japan Storage Battery Co Ltd 非水電解質二次電池
JP2002270225A (ja) * 2001-03-09 2002-09-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd リチウム二次電池
JP2007149378A (ja) * 2005-11-24 2007-06-14 Gs Yuasa Corporation:Kk 非水電解質二次電池
JP2011044332A (ja) * 2009-08-21 2011-03-03 Jm Energy Corp ラミネート外装蓄電デバイス
JP2014179195A (ja) * 2013-03-14 2014-09-25 Toshiba Corp 電池
WO2014157423A1 (ja) * 2013-03-26 2014-10-02 日産自動車株式会社 非水電解質二次電池
JP2015191721A (ja) * 2014-03-27 2015-11-02 新神戸電機株式会社 二次電池および電池モジュール
WO2016080457A1 (ja) * 2014-11-19 2016-05-26 日立化成株式会社 リチウムイオン電池

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001196094A (ja) * 2000-01-14 2001-07-19 Japan Storage Battery Co Ltd 非水電解質二次電池
JP2002270225A (ja) * 2001-03-09 2002-09-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd リチウム二次電池
JP2007149378A (ja) * 2005-11-24 2007-06-14 Gs Yuasa Corporation:Kk 非水電解質二次電池
JP2011044332A (ja) * 2009-08-21 2011-03-03 Jm Energy Corp ラミネート外装蓄電デバイス
JP2014179195A (ja) * 2013-03-14 2014-09-25 Toshiba Corp 電池
WO2014157423A1 (ja) * 2013-03-26 2014-10-02 日産自動車株式会社 非水電解質二次電池
JP2015191721A (ja) * 2014-03-27 2015-11-02 新神戸電機株式会社 二次電池および電池モジュール
WO2016080457A1 (ja) * 2014-11-19 2016-05-26 日立化成株式会社 リチウムイオン電池

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021020212A1 (ja) * 2019-07-31 2021-02-04 株式会社村田製作所 二次電池およびその製造方法
CN115360438A (zh) * 2022-10-20 2022-11-18 中创新航科技股份有限公司 一种电池
EP4358183A1 (en) * 2022-10-20 2024-04-24 CALB Group Co., Ltd. Battery and method for preparing battery

Also Published As

Publication number Publication date
JP6892285B2 (ja) 2021-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10700350B2 (en) Nonaqueous electrolyte battery and battery pack
JP5783425B2 (ja) 非水電解質二次電池の製造方法
JP6495993B2 (ja) 負極
JP6151431B1 (ja) 非水電解質電池および電池パック
JP6570843B2 (ja) 非水電解質電池及び電池パック
EP3322024A1 (en) Nonaqueous electrolyte battery and battery pack
JP6250941B2 (ja) 非水電解質二次電池
US20200403219A1 (en) Electrode group, battery, and battery pack
JP6892285B2 (ja) 非水電解質電池
JP6081604B2 (ja) 非水電解質電池、電池パック及び自動車
JP2008016316A (ja) 非水電解質二次電池
JP6184104B2 (ja) 非水電解質電池
WO2020137818A1 (ja) 非水電解質二次電池及びその製造方法
JP2016134277A (ja) 非水電解液二次電池
WO2023233520A1 (ja) 電池及び電池パック
US20210013497A1 (en) Electrode, nonaqueous electrolyte battery, and battery pack
JPH06333599A (ja) 円筒形非水電解液二次電池
CN116802881A (zh) 电极组、电池及电池组
JPWO2020054648A1 (ja) 非水電解質二次電池、その製造方法および非水電解質二次電池システム
JP2018063877A (ja) 非水電解液二次電池の製造方法
JP2018116912A (ja) 非水電解質二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20170904

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20170905

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20190612

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200110

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201005

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201104

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210427

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210527

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6892285

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151