JP2018063877A - 非水電解液二次電池の製造方法 - Google Patents

非水電解液二次電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】負極にLiBOB由来の被膜を十分に形成することにより容量維持率の低下を抑制し得る非水電解液二次電池の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明により提供される二次電池を製造する方法は、フッ素化溶媒に対する飽和溶解量を超える量のLiBOBを添加した電解液を電極体とともに電池ケースに収容して電池組立体を構築する工程と、電池組立体を加温しつつ充電を行うことにより、該電池組立体をLiBOBの分解電位以上かつフッ素化溶媒の分解電位未満の電圧域にて保持するエージング工程とを包含する。
【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解液二次電池を製造する方法に関する。
リチウムイオン二次電池その他の非水電解液二次電池は、既存の電池に比べ、小型、軽量かつ高エネルギー密度であって、出力密度に優れる。このため、近年、ハイブリッド車、電気自動車などの車両駆動用電源として好ましく用いられている。この種のリチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池では、充電の際に非水電解液の一部が分解され、負極活物質(例えば天然黒鉛粒子)の表面にその分解物からなる被膜、即ちSEI(Solid Electrolyte Interphase)膜が形成され得る。SEI膜は負極活物質を保護する役割を果たすが、非水電解液中の電荷担体(例えばリチウムイオン)を消費して形成されるため(即ち電荷担体がSEI膜中に固定されることによって、もはや電池容量に寄与できなくなる)、その量が多いと容量維持率を低下させる要因となる。かかる問題に対応すべく、SEI膜に代えて負極活物質の表面に予め安定的な被膜を形成するために、所定の充電電位以上で分解し負極活物質の表面に被膜を生成する添加剤を非水電解液中に含ませることが行われている。例えば特許文献1には、添加剤としてリチウムビスオキサレートボレート(LiBOB)を添加した非水電解液が開示されている。
特開2005−259592号公報
ところで、非水電解液二次電池の電解液としては、一般にエチレンカーボネート等のカーボネート系溶媒に支持塩(例えばリチウム塩)を溶解させたものが用いられているが、近年、電池の更なる性能向上のために、カーボネート系溶媒よりも酸化され難いフッ素化溶媒(例えばフルオロエチレンカーボネート)を用いることが検討されている。
しかし、フッ素化溶媒は、カーボネート系溶媒に比べてLiBOBが溶けにくい。そのため、フッ素化溶媒に可容量のLiBOBを溶解させた二次電池は、負極に形成されるLiBOB由来の被膜の量が十分でなく、フッ素化溶媒が分解して容量維持率が低下するという問題があった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、フッ素化溶媒を含む電解液を用いた非水電解液二次電池において、負極にLiBOB由来の被膜を十分に形成することで、容量維持率の低下を抑制し得る非水電解液二次電池の製造方法を提供することである。
上記目的を実現するべく、本発明により、正極および負極を備える電極体と、フッ素化溶媒を含む電解液とを備える非水電解液二次電池の製造方法が提供される。この製造方法は、前記フッ素化溶媒に対する飽和溶解量を超える量のリチウムビスオキサレートボレート(LiBOB)を添加した電解液を前記電極体とともに電池ケースに収容して電池組立体を構築する工程を包含する。また、前記電池組立体を加温しつつ充電することにより、該電池組立体を前記LiBOBの分解電位以上かつ前記フッ素化溶媒の分解電位未満の電圧域にて保持する工程(エージング工程)を包含する。かかる製造方法によれば、上記エージングの際に、負極の表面にLiBOB由来の成分を含む被膜が十分に形成される。したがって、充放電を繰り返しても容量維持率の低下がより少ない非水電解液二次電池を製造することができる。
一実施形態に係る非水電解液二次電池の製造フローを示す図である。 一実施形態に係る非水電解液二次電池の模式断面図である。
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。また、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、正極および負極を備えた電極体の構成および製法、セパレータの構成および製法、電池(ケース)の形状等、電池の構築に係る一般的技術等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
≪非水電解液二次電池の製造方法≫
ここで開示される非水電解液二次電池の製造方法は、図1に示すように、(i)電池組立体構築工程と(ii)エージング工程とを包含する。なお(i)は、電池組立体の製造方法としても把握され得る。各工程について順に説明する。なお、以下では、リチウムイオン二次電池を製造する場合を説明するが、本発明の適用対象を限定する意図ではない。
≪i.電池組立体構築工程≫
電池組立体構築工程では、正極および負極を備える電極体と、フッ素化溶媒を含む非水電解液とを電池ケースに収容して電池組立体を構築する。
<正極>
正極は、正極集電体上に正極活物質を含む正極活物質層が保持された構成を有する。正極を構成する正極集電体としては、従来と同様に、導電性の良好な金属からなる導電性部材が好ましく用いられる。導電性部材としては、例えばアルミニウムを用いることができる。
正極活物質層は、正極活物質を含む。正極活物質としては、リチウムイオン二次電池の正極活物質として使用し得ることが知られている各種の材料を特に限定なく使用することができる。正極活物質の好適例としては、リチウムと少なくとも1種の遷移金属元素とを含むリチウム遷移金属化合物等が挙げられる。好ましい一態様では、正極活物質として、Liと、Ni、CoおよびMnのうちの少なくとも1種と、を含むリチウム遷移金属複合酸化物が用いられる。なかでも好ましい一態様として、LiとMnとを構成金属元素とするスピネル構造のリチウムマンガン複合酸化物が挙げられる。スピネル構造のリチウムマンガン複合酸化物を用いることで、SOC(State Of Charge)0%〜100%の範囲における正極の作動上限電位を金属リチウム基準で4.3V以上(好ましくは4.35V以上、より好ましくは4.6V、さらには4.9V以上)にすることができる。ここに開示される技術は、典型的にはSOC0%〜100%の範囲における正極の作動上限電位が金属リチウム基準で4.3V以上5.5V以下(例えば4.9V以上5.2V以下)の非水電解液二次電池に好ましく適用され得る。
正極活物質層は、正極活物質の他に、必要に応じて導電材、結着材(バインダ)等の添加材を含有し得る。導電材としては、カーボン(例えばアセチレンブラック(AB))粉末やカーボンファイバー等の導電性粉末材料が好ましく用いられる。結着材としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂;スチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム類;ポリフッ化ビニリデン(PVdF)などのハロゲン化ビニル樹脂;カルボキシメチルセルロース(CMC)等のセルロース系ポリマー;が例示される。
<負極>
負極は、負極集電体上に負極活物質を含む負極活物質層が保持された構成を有する。負極を構成する負極集電体としては、従来と同様に、導電性の良好な金属からなる導電性部材が好ましく用いられる。導電性部材としては、例えば銅を用いることができる。
負極活物質層は、負極活物質を含む。負極活物質としては、従来からリチウムイオン二次電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定なく使用することができる。負極活物質の一例としては、例えば炭素材料が挙げられる。炭素材料の代表例としては、グラファイトカーボン(黒鉛)、アモルファスカーボン等が挙げられる。
負極活物質層は、負極活物質の他に、必要に応じて結着材等の添加材を含有し得る。結着材としては各種のポリマー材料が挙げられる。例えば、水系の組成物または溶剤系の組成物に対して、正極活物質層に含有され得るものを好ましく用いることができる。そのような結着材は、結着材として用いられる他に増粘材、分散材その他の添加材として使用されることもあり得る。
<電極体>
電極体は、上記正極と上記負極とをセパレータを介して積層して形成されている。より詳細には、電極体は、正極活物質層と負極活物質層とがセパレータを介して重なり合う積層部を有している。この積層部は、正極活物質層と負極活物質層との間でセパレータを介して電荷担体(ここではリチウムイオン)の授受が行われる部分である。
<非水電解液>
電池組立体の電池ケースに収容される非水電解液は、常温(例えば25℃)で液状を呈する。好ましい一態様では、上記非水電解液は電池の使用環境下(例えば−20〜+60℃の温度環境下)で常に液状を呈する。かかる非水電解液は、フッ素化溶媒と支持塩とリチウムビスオキサレートボレート(LiBOB)とを含む。
支持塩としては、リチウムイオン二次電池の非水電解液に支持塩(リチウム塩)として使用し得ることが知られている各種の材料を特に限定なく使用することができる。支持塩の好適例としては、LiPF、LiBF、LiAsF、LiCFSO、LiCSO、Li(CFSON、LiC(CFSO、LiSiF、LiClO等が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
フッ素化溶媒としては、リチウムイオン二次電池の非水電解液に非水溶媒として使用し得ることが知られている各種の材料であって、かつ、一部がフッ素(F)で置換されているものを特に限定なく使用することができる。例えば、フッ素化溶媒として、フッ素化環状カーボネートやフッ素化鎖状カーボネートが好ましく用いられる。フッ素化環状カーボネートの例としては、モノフルオロエチレンカーボネート(MFEC)、ジフルオロエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロエチレンカーボネート、トリフルオロエチレンカーボネート、パーフルオロエチレンカーボネート等が例示される。フッ素化鎖状カーボネートの例としては、フルオロメチルジフルオロメチルカーボネート、フルオロメチルメチルカーボネート、ジフルオロメチルメチルカーボネート、トリフルオロメチルメチルカーボネート、ビス(フルオロメチル)カーボネート、ビス(ジフルオロメチル)カーボネート、ビス(トリフルオロメチル)カーボネート、(2−フルオロエチル)メチルカーボネート、エチルフルオロメチルカーボネート、(2,2−ジフルオロエチル)メチルカーボネート、(2−フルオロエチル)フルオロメチルカーボネート、エチルジフルオロメチルカーボネート、(2,2,2−トリフルオロエチル)メチルカーボネート等が例示される
フッ素化溶媒としては、上記フッ素化環状カーボネートと上記フッ素化鎖状カーボネートとの併用系が特に好ましい。例えば、フッ素化環状カーボネートとフッ素化鎖状カーボネートとの混合比は、体積基準で20:80〜40:60の範囲内であることが好ましい。
電池組立体に収容される非水電解液は、リチウムビスオキサレートボレート(LiBOB)を含む。LiBOBは、後述するエージングの際に負極に引き寄せられ、負極表面にLiBOB由来の成分を含んだ良質な被膜を形成する。
ここに開示される技術において、電池組立体に収容される非水電解液中のLiBOBの添加量Xは、フッ素化溶媒に対する飽和溶解量Yを超える量であることが重要である。すなわち、電解液に過剰に添加されたLiBOBは、その一部がフッ素化溶媒に溶けきらず、未溶解(固体のまま)で電解液中に存在する。なお、ここでいう「飽和溶解量」とは、添加時の温度(典型的には常温)においてフッ素化溶媒に可溶なLiBOBの最大溶解量をいう。また、LiBOBの添加量Xは、特にことわりのない限り電解液1L中に含まれるLiBOBのモル数を示すものとする。
LiBOBの添加量Xは、上記飽和溶解量Yよりも大きければよく(すなわちX>Y)特に制限されないが、飽和溶解量Yの凡そ25倍以上(すなわち25≦X/Y)にすることが適当であり、好ましくは50≦X/Y、より好ましくは100≦X/Yである。また、上記X/Yの上限は特に限定されないが、概ねX/Y≦150、好ましくはX/Y≦120であり得る。また、LiBOBの添加量Xは、飽和溶解量Yよりも0.04mol/L以上(例えば0.048mol/L以上)大きいことが好ましく、0.09mol/L以上(例えば0.098mol/L以上)大きいことがより好ましく、0.19mol/L以上(例えば0.198mol/L以上)大きいことが特に好ましい。また、LiBOBの添加量Xから飽和溶解量Yを減じた値(すなわち、X−Y)は、概ね0.4mol/L以下が適当であり、好ましくは0.3mol/L以下である。LiBOBの添加量Xは、例えば0.05mol/L以上0.5mol/L未満(好ましくは0.05mol/L以上0.3mol/L以下)であり得る。
電池組立体構築工程では、フッ素化溶媒に対する飽和溶解量を超える量のLiBOBを添加した電解液を電極体とともに電池ケースに収容して電池組立体を構築する。電池ケースの材質は、アルミニウム等の金属材料、ポリフェニレンサルファイド等の樹脂材料であり得る。電池ケースの形状は特に限定されず、直方体、円筒形等であり得る。
<ii.エージング工程>
エージング工程では、上記電池組立体を加温しつつ充電を行うことにより、該電池組立体をLiBOBの分解電位以上かつフッ素化溶媒の分解電位未満の電圧域にて保持する。典型的には、電池組立体の正極(正極端子)と負極(負極端子)の間に外部電源を接続し、LiBOBの分解電位以上かつフッ素化溶媒の分解電位未満となるような電圧範囲まで定電流で充電した後、その電圧を保つように定電圧充電する。これによって、負極表面にLiBOB由来の成分を含んだ良質な被膜が形成される。その際、フッ素化溶媒に対する飽和溶解量を超える量のLiBOBが非水電解液に添加されているので、電解液のフッ素化溶媒に溶解したLiBOBが被膜の形成に使用されて消費された後、未溶解のLiBOBが電解液に新たに溶解する。そして、新たに溶解したLiBOBにより負極に更なる被膜が形成される。すなわち、電解液のフッ素化溶媒に溶解したLiBOBにより負極に被膜を形成した後も未溶解のLiBOBにより負極に被膜が形成される。このことにより負極表面に十分な量の被膜が形成され、負極と非水電解液との界面が高度に安定化される(これ以降は、充放電を繰り返しても負極表面でのフッ素化溶媒の分解が抑制される)。したがって、長期間使用し続けても容量維持率の低下がより少ない非水電解液二次電池を製造することができる。
エージング工程における充電電圧(エージング保持電位)は、LiBOBが電気的に分解され、かつ、フッ素化溶媒が分解されないように、LiBOBの分解電位以上かつフッ素化溶媒の分解電位未満の電圧範囲に設定するとよい。一例として、フッ素化溶媒がフルオロエチレンカーボネート(FEC)と(2,2,2‐トリフルオロエチル)メチルカーボネートとの併用系の場合、正負極端子間の電圧が概ね4.5V以上となるまで充電するとよい。エージング保持電位の上限は、フッ素化溶媒の分解電位以下であればよいが、LiBOBの酸化を抑制する観点からは、概ね4.7V未満(好ましくは4.6V以下)にすることが好ましい。かかる充電は、充電開始から電池電圧が所定の値に達するまで定電流充電する方式(CC充電)で行うことが好ましい。定電流充電時の充電レートは、通常1C以下、好ましくは0.1C〜0.2Cとするとよい。また、電池電圧が所定の値に達した後は、該電池電圧が保持されるように、定電圧充電することが好ましい。電池組立体を上記電圧範囲で保持する時間(エージング時間)は、負極表面に十分な量のLiBOB由来の被膜が形成されるまでの時間であればよく、例えば5時間〜240時間に設定され得る。
エージング工程における加温(エージング)温度は、室温(例えば25℃)を上回る温度域であれば特に制限されないが、例えば、電池組立体を40℃以上(例えば40〜60℃)の高温環境下で保持することが好ましい。電池組立体を昇温して保持する手段としては、例えば温度制御恒温槽や赤外線ヒーター等を用いることができる。このように高温で所定の期間電池を保存することで、未溶解のLiBOBの液中への溶解が促進されるとともに、上記充電時に負極表面に形成された被膜の成長が促進される。結果、例えば電池を室温で保存した場合に比べて、より多くの被膜を形成することができる。このため、上述の耐久性向上の効果が更に高いレベルで実現される。
上記エージング工程の後、常法によりコンディショニング工程等を行うことにより、ここで開示される非水電解液二次電池を製造することができる。
以下、本実施形態の製造方法により得られた非水電解液二次電池の概略構成として、扁平に捲回された電極体(捲回電極体)と非水電解液とを扁平な直方体形状の容器(電池ケース)に収容した形態の非水電解液二次電池を例として説明するが、本発明をかかる実施形態に限定することを意図したものではない。
図2は、非水電解液二次電池100の断面構造を模式的に示す縦断面図である。非水電解液二次電池100は、長尺状の正極シート10と長尺状の負極シート20とが長尺状のセパレータシート40を介して扁平に捲回された形態の電極体(捲回電極体)80が、図示しない非水電解液とともに扁平な箱型形状の電池ケース50内に収容された構成を有する。
電池ケース50は、上端が開放された扁平な直方体形状(箱型)の電池ケース本体52と、その開口部を塞ぐ蓋体54とを備えている。電池ケース50の上面(すなわち蓋体54)には、捲回電極体80の正極と電気的に接続する外部接続用の正極端子70、および捲回電極体80の負極と電気的に接続する負極端子72が設けられている。蓋体54にはまた、従来の非水電解液二次電池の電池ケースと同様に、電池ケース50の内部で発生したガスをケース50の外部に排出するための安全弁55が備えられている。
捲回電極体80は、組み立てる前段階において、長尺シート状の正極(正極シート)10と、長尺シート状の負極(負極シート)20とを備えている。正極シート10は、長尺状の正極集電体と、その少なくとも一方の表面(典型的には両面)に長手方向に沿って形成された正極活物質層14とを備えている。負極シート20は、長尺状の負極集電体と、その少なくとも一方の表面(典型的には両面)に長手方向に沿って形成された負極活物質層24とを備えている。また、正極活物質層14と負極活物質層24との間には、両者の直接接触を防ぐ絶縁層が配置されている。ここでは、上記絶縁層として2枚の長尺シート状のセパレータ40を使用している。このような捲回電極体80は、例えば、正極シート10、セパレータシート40、負極シート20、セパレータシート40の順に重ね合わせた積層体を長手方向に捲回し、得られた捲回体を側面方向から押圧して拉げさせることによって扁平形状に成形することにより作製することができる。
捲回電極体80の捲回軸方向の一の端部から他の一の端部に向かう方向として規定される幅方向において、その中央部分には、正極集電体の表面に形成された正極活物質層14と負極集電体の表面に形成された負極活物質層24とが重なり合って密に積層された捲回コア部分が形成されている。また、捲回電極体80の捲回軸方向の両端部では、正極シート10の正極活物質層非形成部および負極シート20の負極活物質層非形成部が、それぞれ捲回コア部分から外方にはみ出ている。そして、正極側はみ出し部分には正極集電体が、負極側はみ出し部分には負極集電体が、それぞれ付設され、正極端子70および上記負極端子72とそれぞれ電気的に接続されている。
ここに開示される非水電解液二次電池は各種用途に利用可能であるが、上記製造方法により得られる効果により、長期にわたって電池容量が維持され得る。このような非水電解液二次電池は、例えば、ハイブリッド自動車(HV)やプラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)等の車両に搭載されるモーター用の動力源(駆動用電源)として好ましく利用され得る。したがって、本構成によると、ここに開示されるいずれかの非水電解液二次電池(複数の電池が接続された組電池の形態であり得る。)を搭載した車両が提供される。
次に、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明を実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
正極は、次のようにして作製した。まず、正極活物質としてのスピネル構造リチウムニッケルマンガン複合酸化物粉末(LiNi0.5Mn1.5、平均粒径10μm)と、導電材としてのABと、バインダとしてのPVdFとを、正極活物質:導電材:バインダの質量比が87:10:3となるようにNMP中で混合して、正極活物質層形成用組成物を調製した。この正極活物質層形成用組成物を長尺シート状のアルミニウム箔(正極集電体)の片面に塗布して乾燥することにより、正極集電体の片面に正極活物質層が設けられた正極を作製した。
負極は、次のようにして作製した。まず、負極活物質としての天然黒鉛(平均粒径20μm)と、バインダとしてのSBRと、増粘剤としてのCMCとを、負極活物質:バインダ:増粘剤の質量比が98:1:1となるように水に分散させて負極活物質層形成用組成物を調製した。この負極活物質層形成用組成物を長尺シート状の銅箔(負極集電体)の片面に塗布して乾燥することにより、負極集電体の片面に負極活物質層が設けられた負極を作製した。
セパレータとしては、ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレンの三層構造の微多孔質フィルム(PP/PE/PPフィルム)の基材からなるセパレータを用意した。
上記で用意した正極、負極およびセパレータを用いて、電池組立体を構築した。すなわち、セパレータを間に介して、上記で作製した正極と負極とを、両電極の互いの活物質層が対向するように積層して電極体を作製した。次いで、この電極体を非水電解液とともにラミネート製の袋状電池容器に収容し、封口して電池組立体を構築した。
電池組立体に収容される非水電解液としては、フルオロエチレンカーボネート(FEC)と(2,2,2‐トリフルオロエチル)メチルカーボネートとを3:7の体積比で含む混合溶媒(非水溶媒)に、支持塩としてのLiPFを約1mol/リットルの濃度で含有させ、さらにLiBOBを表1に示す添加量X(mol/L)で添加したものを用いた。なお、上記混合溶媒に対する室温(約25℃)でのLiBOBの飽和溶解量は0.002mol/Lである。
<エージング工程>
上記電池組立体に対し、表1に示すエージング温度下において、0.2Cの定電流にて表1に示す電圧(エージング保持電位)に到達するまで充電し、その後、そのエージング保持電位で定電圧となるように電流を暫時下げながら充電を継続し、所定時間保持した。その後、コンディショニング処理を行うことにより評価用ラミネートセルを構築した。このラミネートセルの設計容量は14mAhである。
例1〜8では、LiBOBの添加量X、エージング工程におけるエージング温度、エージング保持電位が異なる。例1〜8のラミネートセルについて、使用したLiBOBの添加量X、エージング温度およびエージング保持電位を表1に纏めて示す。
Figure 2018063877
<初期容量の測定>
各例のラミネートセルにつき、温度25℃で、以下の手順1、2にしたがって初期容量を測定した。
(手順1)1/5Cの定電流充電によって4.9Vに到達後、電流が1/50Cとなるまで定電圧充電し、満充電状態とした。
(手順2)1/5Cの定電流放電によって、3.5Vに到達するまで定電圧放電した。
そして、手順2における放電容量を初期容量とした。
<高温サイクル試験>
各例のラミネートセルのそれぞれに対し、60℃において、2Cの定電流で4.9Vに到達するまで充電した後、2Cの定電流で3.5Vに到達するまで放電を行う充放電サイクルを200回連続して繰り返す充放電サイクル試験を行った。
そして、上記充放電サイクル試験前における初期容量(ラミネートセルの初期容量)と、充放電サイクル試験後における電池容量とから容量維持率を算出した。ここで、サイクル試験後における電池容量は、前述した初期容量と同じ手順で測定した。また、上記容量維持率は、「サイクル試験後の電池容量/サイクル試験前の初期容量」×100により求めた。結果を表1に示す。
表1に示すように、LiBOBを添加しなかった例5のセルは、高温サイクル後における容量維持率が83%を下回った。また、飽和溶解量と同量のLiBOBを電池組立体の電解液に添加した例6のセルは、LiBOB由来の被膜形成が不足していたため、容量維持率向上効果が僅かであった。エージング工程で電池組立体を加温しなかった例7のセルは、LiBOBの溶解速度または被膜形成速度が上がらず、被膜が十分に形成されなかったため、容量維持率向上効果が僅かであった。エージング工程でエージング保持電位を4.3Vとした例8のセルは、LiBOBの分解が不十分であり、LiBOB由来の被膜形成が不足していたため、容量維持率向上効果が僅かであった。これに対し、例1〜4のセルは、負極表面に十分な量のLiBOB由来の被膜が形成されたため、例5〜8のセルに比べて容量維持率で良好な結果が得られた。以上の結果から、フッ素化溶媒に対する飽和溶解量を超える量のLiBOBを電池組立体の電解液に添加し、電池組立体を加温すると共に、LiBOBの分解電位以上かつフッ素化溶媒の分解電位未満の電圧域にてエージングを行うことにより、電池容量を長期にわたって維持発揮することができる(高耐久性な)非水電解液二次電池が実現されることが確認された。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。ここに開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれ得る。
10 正極シート
14 正極活物質層
20 負極シート
24 負極活物質層
40 セパレータシート
50 電池ケース
100 非水電解液二次電池

Claims (1)

  1. 正極および負極を備える電極体と、フッ素化溶媒を含む電解液とを備える非水電解液二次電池の製造方法であって、
    前記フッ素化溶媒に対する飽和溶解量を超える量のリチウムビスオキサレートボレート(LiBOB)を添加した電解液を前記電極体とともに電池ケースに収容して電池組立体を構築する工程;および、
    前記電池組立体を加温しつつ充電することにより、該電池組立体を前記LiBOBの分解電位以上かつ前記フッ素化溶媒の分解電位未満の電圧域にて保持するエージング工程;
    を包含する、非水電解液二次電池の製造方法。
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