JP2018146790A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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翠 下村
前田 裕之
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裕之 前田
泰造 大西
Taizo Onishi
泰造 大西
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【課題】ウォームアップ時間をより短縮することが可能な定着装置および画像形成装置を提供すること。【解決手段】定着装置は、定着ベルトと、前記定着ベルトを加熱する加熱部材と、前記定着ベルトを加圧して前記定着ベルトの外面との間で定着ニップを形成する第1の加圧部材と、前記定着ベルトを介して前記定着ニップを形成する第2の加圧部材と、前記第2の加圧部材を前記定着ベルトから離間させる制御を行う制御部と、を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、定着装置および画像形成装置に関する。
従来、トナー像を用紙上に形成する電子写真方式の画像形成装置(複写機、プリンター、ファクシミリ、これらの複合機)には、用紙に形成されたトナー像を加熱して定着させるための定着装置が備えられている。かかる定着装置では、例えばローラー等の上側定着部材および下側定着部材による定着ニップで用紙を加圧および加熱しながら搬送することで、用紙に形成されたトナー像を定着させる。
近年、定着装置に対しては、トナー像の定着性の向上のみならず、印刷の生産性(いわゆるファーストタイム短縮)の向上や省エネルギーの要請が高まっており、これと関連して、定着装置の昇温性能を高めてウォームアップ時間を短縮することが重要な課題となっている。定着装置におけるウォームアップ時間の短縮を図るために、定着ニップを構成する部材の熱容量を低く抑えることが効果的である。このため、定着装置では、上側定着部材において加熱源を定着ニップ構成部材から独立させ、二つ(二軸)以上の部材に懸架させた定着ベルトによって用紙の加熱および加圧を行う上ベルト定着方式が広く用いられている(例えば特許文献1参照)。
特開2014−74879号公報
上ベルト定着方式の定着装置では、さらなるウォームアップ時間の短縮を図るために、定着装置の構成部材、特に、定着ニップ構成部材の熱容量をさらに低くすることが要求されている。かかる部材の熱容量をさらに低くするために、例えば、部材の薄肉化や小型化の方策も考えられるが、印刷の生産性や画質を確保するには、この方策では限界がある。すなわち、部材の薄肉化や小型化を行うと、かかる部材の熱容量が小さくなって定着性が下がり、また、通紙速度を落とす必要が生じるため生産性が低くなる等の問題がある。
本発明の目的は、ウォームアップ時間をより短縮することが可能な定着装置および画像形成装置を提供することである。
本発明に係る定着装置は、
定着ベルトと、
前記定着ベルトを加熱する加熱部材と、
前記定着ベルトを加圧して前記定着ベルトの外面との間で定着ニップを形成する第1の加圧部材と、
前記定着ベルトを介して前記定着ニップを形成する第2の加圧部材と、
前記第2の加圧部材を前記定着ベルトから離間させる制御を行う制御部と、
を備える。
本発明に係る画像形成装置は、
記録材にトナー像を形成する画像形成部と、
上記した定着装置と、
を備える。
本発明によれば、ウォームアップ時間をより短縮することができる。
本実施の形態に係る画像形成装置の全体構成を概略的に示す図である。 本実施の形態に係る画像形成装置の制御系の主要部を示す図である。 本実施の形態における定着装置の初期状態および通常の印刷時の状態を示す側面図である。 本実施の形態における定着装置を図3の左側から示す一部切欠き図である。 本実施の形態における定着装置のウォームアップ時の状態を説明する図であり、図5Aは要部側面図、図5Bは図5Aの左側から示す一部切欠き図である。 定着装置の構成例を説明する図であり、図6Aは初期状態および通常の印刷時の状態を示す側面図、図6Bはウォームアップ時の状態を図6Aの左側から示す一部切欠き図である。
以下、本実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態における画像形成装置1の全体構成を概略的に示す図である。図2は、本実施の形態における画像形成装置1の制御系の主要部を示す。図1、2に示す画像形成装置1は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置である。すなわち、画像形成装置1は、感光体ドラム413上に形成されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナー像を中間転写ベルト421に一次転写し、中間転写ベルト421上で4色のトナー像を重ね合わせた後、用紙Sに二次転写することにより、トナー像を形成する。
また、画像形成装置1には、YMCKの4色に対応する感光体ドラム413を中間転写ベルト421の走行方向に直列配置し、中間転写ベルト421に一回の手順で各色トナー像を順次転写させるタンデム方式が採用されている。
図2に示すように、画像形成装置1は、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60、および制御部100等を備える。
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103等を備える。CPU101は、ROM102から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM103に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置1の各ブロックの動作を集中制御する。このとき、記憶部72に格納されている各種データが参照される。記憶部72は、例えば不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)やハードディスクドライブで構成される。
制御部100は、通信部71を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えばパーソナルコンピューター)との間で各種データの送受信を行う。制御部100は、例えば、外部の装置から送信された画像データを受信し、この画像データ(入力画像データ)に基づいて用紙Sにトナー像を形成させる。通信部71は、例えばLANカード等の通信制御カードで構成される。
画像読取部10は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿給紙装置11および原稿画像走査装置12(スキャナー)等を備えて構成される。
自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された原稿Dを搬送機構により搬送して原稿画像走査装置12へ送り出す。自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された多数枚の原稿Dの画像(両面を含む)を連続して一挙に読み取ることができる。
原稿画像走査装置12は、自動原稿給紙装置11からコンタクトガラス上に搬送された原稿またはコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサー12aの受光面上に結像させ、原稿画像を読み取る。画像読取部10は、原稿画像走査装置12による読取結果に基づいて入力画像データを生成する。この入力画像データには、画像処理部30において所定の画像処理が施される。
操作表示部20は、例えばタッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成され、表示部21および操作部22として機能する。表示部21は、制御部100から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、画像の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。操作部22は、テンキー、スタートキー等の各種操作キーを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部100に出力する。
画像処理部30は、入力画像データに対して、初期設定またはユーザー設定に応じたデジタル画像処理を行う回路等を備える。例えば、画像処理部30は、制御部100の制御下で、階調補正データ(階調補正テーブル)に基づいて階調補正を行う。また、画像処理部30は、入力画像データに対して、階調補正の他、色補正、シェーディング補正等の各種補正処理や、圧縮処理等を施す。これらの処理が施された画像データに基づいて、画像形成部40が制御される。
画像形成部40は、入力画像データに基づいて、Y成分、M成分、C成分、K成分の各有色トナーによる画像を形成するための画像形成ユニット41Y、41M、41C、41K、中間転写ユニット42等を備える。
Y成分、M成分、C成分、K成分用の画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kは、同様の構成を有する。図示及び説明の便宜上、共通する構成要素は同一の符号で示し、それぞれを区別する場合には符号にY、M、C、又はKを添えて示す。図1では、Y成分用の画像形成ユニット41Yの構成要素についてのみ符号が付され、その他の画像形成ユニット41M、41C、41Kの構成要素については符号が省略されている。
画像形成ユニット41は、露光装置411、現像装置412、感光体ドラム413、帯電装置414、およびドラムクリーニング装置415等を備える。
感光体ドラム413は、例えばアルミニウム製の導電性円筒体(アルミ素管)の周面に、アンダーコート層(UCL:Under Coat Layer)、電荷発生層(CGL:Charge Generation Layer)、電荷輸送層(CTL:Charge Transport Layer)を順次積層した負帯電型の有機感光体(OPC:Organic Photo-conductor)である。電荷発生層は、電荷発生材料(例えばフタロシアニン顔料)を樹脂バインダー(例えばポリカーボネイト)に分散させた有機半導体からなり、露光装置411による露光により一対の正電荷と負電荷を発生する。電荷輸送層は、正孔輸送性材料(電子供与性含窒素化合物)を樹脂バインダー(例えばポリカーボネイト樹脂)に分散させたものからなり、電荷発生層で発生した正電荷を電荷輸送層の表面まで輸送する。
制御部100は、感光体ドラム413を回転させる駆動モーター(図示略)に供給される駆動電流を制御することにより、感光体ドラム413を一定の周速度で回転させる。
帯電装置414は、光導電性を有する感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させる。露光装置411は、例えば半導体レーザーで構成され、感光体ドラム413に対して各色成分の画像に対応するレーザー光を照射する。感光体ドラム413の電荷発生層で正電荷が発生し、電荷輸送層の表面まで輸送されることにより、感光体ドラム413の表面電荷(負電荷)が中和される。感光体ドラム413の表面には、周囲との電位差により各色成分の静電潜像が形成される。
現像装置412は、例えば二成分現像方式の現像装置であり、感光体ドラム413の表面に各色成分のトナーを付着させることにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。
ドラムクリーニング装置415は、感光体ドラム413の表面に摺接されるドラムクリーニングブレード等を有し、一次転写後に感光体ドラム413の表面に残存する転写残トナーを除去する。
中間転写ユニット42は、中間転写ベルト421、一次転写ローラー422、複数の支持ローラー423、二次転写ローラー424、及びベルトクリーニング装置426等を備える。
中間転写ベルト421は、無端状ベルトで構成され、複数の支持ローラー423にループ状に張架される。複数の支持ローラー423のうちの少なくとも1つは駆動ローラーで構成され、その他は従動ローラーで構成される。例えば、K成分用の一次転写ローラー422よりもベルト走行方向下流側に配置されるローラー423Aが駆動ローラーであることが好ましい。これにより、一次転写部におけるベルトの走行速度を一定に保持しやすくなる。駆動ローラー423Aが回転することにより、中間転写ベルト421は矢印A方向に一定速度で走行する。
一次転写ローラー422は、各色成分の感光体ドラム413に対向して、中間転写ベルト421の内周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、一次転写ローラー422が感光体ドラム413に圧接されることにより、感光体ドラム413から中間転写ベルト421へトナー像を転写するための一次転写ニップが形成される。
二次転写ローラー424は、駆動ローラー423Aのベルト走行方向下流側に配置されるバックアップローラー423Bに対向して、中間転写ベルト421の外周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、二次転写ローラー424がバックアップローラー423Bに圧接されることにより、中間転写ベルト421から用紙Sへトナー像を転写するための二次転写ニップが形成される。
一次転写ニップを中間転写ベルト421が通過する際、感光体ドラム413上のトナー像が中間転写ベルト421に順次重ねて一次転写される。具体的には、一次転写ローラー422に一次転写バイアスを印加し、中間転写ベルト421の裏面側(一次転写ローラー422と当接する側)にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は中間転写ベルト421に静電的に転写される。
その後、用紙Sが二次転写ニップを通過する際、中間転写ベルト421上のトナー像が用紙Sに二次転写される。具体的には、二次転写ローラー424に二次転写バイアスを印加し、用紙Sの裏面側(二次転写ローラー424と当接する側)にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は用紙Sに静電的に転写される。トナー像が転写された用紙Sは定着部60に向けて搬送される。
ベルトクリーニング装置426は、中間転写ベルト421の表面に摺接するベルトクリーニングブレード等を有し、二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残留する転写残トナーを除去する。なお、二次転写ローラー424に代えて、二次転写ローラーを含む複数の支持ローラーに、二次転写ベルトがループ状に張架された構成(いわゆるベルト式の二次転写ユニット)を採用してもよい。
定着部60は、用紙Sの定着面(トナー像が形成されている面)側に配置される定着面側部材を有する上側定着部60A、用紙Sの裏面(定着面の反対の面)側に配置される裏面側支持部材を有する下側定着部60B、及び加熱源60C等を備える。定着面側部材に裏面側支持部材が圧接されることにより、用紙Sを狭持して搬送する定着ニップが形成される。
定着部60は、トナー像が二次転写され、搬送されてきた用紙Sを定着ニップで加熱、加圧することにより、用紙Sにトナー像を定着させる。定着部60は、定着器F内にユニットとして配置される。また、定着器Fには、エアを吹き付けることにより、定着面側部材から用紙Sを分離させるエア分離ユニット60Dが配置されている。
用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52および搬送経路部53等を備える。給紙部51を構成する3つの給紙トレイユニット51a〜51cには、坪量やサイズ等に基づいて識別された用紙S(規格用紙、特殊用紙)が予め設定された種類ごとに収容される。搬送経路部53は、レジストローラー対53a等の複数の搬送ローラー対を有する。
給紙トレイユニット51a〜51cに収容されている用紙Sは、最上部から一枚ずつ送出され、搬送経路部53により画像形成部40に搬送される。このとき、レジストローラー対53aが配設されたレジストローラー部により、給紙された用紙Sの傾きが補正されるとともに搬送タイミングが調整される。そして、画像形成部40において、中間転写ベルト421のトナー像が用紙Sの一方の面に一括して二次転写され、定着部60において定着工程が施される。画像形成された用紙Sは、排紙ローラー52aを備えた排紙部52により機外に排紙される。
次に、主に図3を参照して、定着装置としての定着部60の構成について説明する。以下の説明において、「軸部材」とは、定着ベルト61の走行方向と直交する方向(軸方向)のベルト幅と略同一またはそれ以上の長さを有し、定着ベルト61の内面または外面に当接する部材(ローラー、パッド、ウェブなど)をいう。
図3に示すように、上側定着部60Aは、定着面側部材である無端状の定着ベルト61、加熱ローラー62、上加圧ローラー63(「第2の加圧部材」に相当する。)、およびテンションローラー64を有する(上ベルト定着方式)。定着ベルト61は、3つの軸部材、すなわち、加熱ローラー62、上加圧ローラー63、およびテンションローラー64によって、所定のベルト張力(例えば、400N)で張架されている。
定着ベルト61は、例えばPI(ポリイミド)からなる基体の外周面を弾性層として耐熱性のシリコンゴムで被覆し、さらに、表層に耐熱性樹脂であるPFA(パーフルオロアルコキシ)のチューブを被覆またはコーティングをしてなる。
定着ベルト61は、トナー像が形成された用紙Sに接触して、当該トナー像を用紙Sに定着許容温度範囲で加熱定着する。ここで、定着許容温度範囲とは、用紙S上のトナーを溶融するのに必要な熱量を供給しうる温度であり、画像形成される用紙Sの紙種等によって異なる。
加熱ローラー62は、定着ベルト61を加熱する。加熱ローラー62は、定着ベルト61を加熱する加熱源60Cを内蔵している。加熱ローラー62は、例えば、ハロゲンヒーターであり、アルミニウム等から形成された円筒状の芯金における外周面をPTFEでコーティングした樹脂層で被覆された構成である。
加熱源60Cの温度は、制御部100によって制御される。加熱源60Cによって加熱ローラー62が加熱され、その結果、定着ベルト61が加熱される。
なお、加熱ローラー62は、IH(電磁誘導加熱)方式などの他の方式のものであってもよい。
上加圧ローラー63は、例えば鉄等の金属から形成された中実の芯金を、弾性層で被覆したものである。弾性層の材質として、例えば、耐熱性のシリコンゴムを用いることができる。また、弾性層として、耐熱性のシリコンゴムを、低摩擦で耐熱性樹脂であるPTFEでコーティングした樹脂層で被覆した構成とすることができる。上加圧ローラー63は、定着ベルト61を介して下加圧ローラー65(「第1の加圧部材」に相当する。)に圧接される。また、上加圧ローラー63は、定着ベルト61を介して下加圧ローラー65を加圧して、定着ベルト61における定着ニップNPの主たる形状を画定する。
テンションローラー64は、定着ベルト61の走行(ステアリング)性を安定させるために、定着ベルト61に所定のテンション(張力)を加えるローラーであり、通常時(図1および図3参照)には、不図示のバネにより図中の右側に付勢されている。テンションローラー64は、熱伝導率の高いアルミニウムのような非磁性材料からなる回転体と、その外周面に形成されたフッ素樹脂層とを備える。テンションローラー64の熱容量は、上加圧ローラー63の熱容量よりも大幅に小さい。
上側定着部60Aにおいて、定着ベルト61の内面または外面に対しては他の種々の軸部材を設けることができる。なお、図3中に示す上側定着部60Aの他の構成部材についての説明は後述する。
下側定着部60Bは、裏面側支持部材である下加圧ローラー65を有する(ローラー加圧方式)。下加圧ローラー65は、PI(ポリイミド)からなる基材層の外周面を弾性層で被覆したものである。弾性層の材質として、例えば、耐熱性のシリコンゴムを用いることができる。また、弾性層として、耐熱性のシリコンゴムを、表面離型層としてPFAチューブの樹脂層で被覆した構成とすることができる。
下加圧ローラー65は、定着ベルト61を介して上加圧ローラー63に所定の定着荷重で圧接される。このようにして、上加圧ローラー63および定着ベルト61と下加圧ローラー65との間には、用紙Sを狭持して搬送する定着ニップNPが形成される。また、下加圧ローラー65には不図示のモーター等の駆動源が接続され、制御部100は、かかる駆動源に供給する電力を制御して、下加熱ローラー65を所定の周速度で回転駆動する。
下加圧ローラー65にはハロゲンヒーター等の加熱源が内蔵されることができ、この場合、制御部100は、かかる加熱源に供給する電力を制御して、下加圧ローラー65を所定温度に制御する。
定着部60において、上側定着部60A、下側定着部60Bおよび加熱源60Cは、定着ニップNPで用紙Sを加熱、加圧しながら搬送することにより、未定着のトナー像を用紙S上に定着させる。具体的には、用紙Sを通紙させる通常のプリント時には、制御部100によって下加圧ローラー65の回転が制御され、下加圧ローラー65の回転に伴って定着ベルト61および各ローラー62,63が従動回転する。そして、未定着のトナー像が上面に形成された用紙Sが定着ニップNPを通過することで、定着ニップNPを形成する下加圧ローラー65、定着ベルト61および上加圧ローラー63により当該用紙Sが加熱および加圧されて搬送され、用紙S上のトナー像が定着される。
エア分離ユニット60D(図1参照)は、定着ニップNPを通過した用紙Sの先端にエアを吹き付けることにより、定着ベルト61から用紙Sを分離させる。これにより、定着ニップNPを通過した用紙Sが定着ベルト61の表面に巻き付いて分離せず、巻き付きジャム等を発生させることを防止することができる。
また、この定着部60では、上側定着部60Aにおいて加熱源60Cを定着ニップNPの構成部材である定着ベルト61および上加圧ローラー63から独立させ、加熱源60Cを備えた加熱ローラー62、上加圧ローラー63、テンションローラー64の3軸による軸部材に懸架させた定着ベルト61によって用紙Sの加熱および加圧を行う。このような上ベルト定着方式の定着装置によれば、画像形成装置1の起動時等において、用紙Sを通紙せずに定着ベルト61を昇温させる際のウォームアップ時間を比較的短くすることができる。
他方、このような上ベルト定着方式の定着装置では、さらなるウォームアップ時間の短縮を図るために、定着装置の構成部材、特に、定着ニップNPを構成する軸部材(この例では定着ベルト61、上加圧ローラー63、下加圧ローラー65)の熱容量をさらに低くすることが要求されている。かかる定着ニップNPの構成部材の熱容量をさらに低くするために、例えば、定着ベルト61、上加圧ローラー63、および下加圧ローラー65の薄肉化や小型化の方策も考えられるが、印刷の生産性や画質を確保するには、この方策では限界がある。すなわち、定着ベルト61、上加圧ローラー63、および下加圧ローラー65の薄肉化や小型化を行うと、かかる部材の熱容量が小さくなって定着性が下がり、また、通紙速度を落とす必要が生じるため生産性が低くなる等の問題がある。
このような実情に鑑みて、本実施の形態の定着部60では、定着ベルト61との当接面積が大きく、種々の軸部材の中でも熱容量が最も大きな部材である上加圧ローラー63を、ウォームアップの際に定着ベルト61から離間させる構成としている。
具体的には、図3および図5に示すように、上加圧ローラー63は、上下方向すなわち下加圧ローラー65への離間および近接方向に移動可能な構成とされ、加熱源60Cを加熱して非通紙で定着ベルト61を昇温させる際に、上方に移動するように制御部100によって制御される。
また、本実施の形態では、テンションローラー64は、左右方向すなわち定着ベルト61のテンションの減少および増加方向に移動可能な構成とされ、非通紙で定着ベルト61を昇温させる際にテンションローラー64を図の左方向(テンション減少方向)に移動するように制御部100によって制御される。
このように上加圧ローラー63やテンションローラー64を往復移動できるようにする機構としては、カムなどを用いた公知の機構、例えば下加圧ローラー65を上下方向に往復移動させる機構と等価な機構を用いればよい。
このように、本実施の形態では、ウォームアップ時に、本来昇温が必要ない上加圧ローラー63やテンションローラー64を加熱ローラー62の加熱対象である定着ベルト61から離間させて、加熱源60Cの熱がこれら軸部材に奪われることを防ぎ、本来の加熱対象である定着ベルト61の加熱効率および温度性能を大幅に向上させることができる。特に、定着ベルト61との当接面積が大きく、熱容量が最も大きい軸部材(定着ニップ形成部材)である上加圧ローラー63をウォームアップ時に定着ベルト61から離間させることにより、大幅な低熱容量化が図られ、定着ベルト61を速やかに昇温させることが可能となる。
他方、上加圧ローラー63は、上述した定着ニップNPを加圧する機能の他に、定着器F内で定着ベルト61の形状を維持し、走行位置を安定させるなどの機能を担っているため、単純に部材自身を移動させて定着ベルト61から離間させるだけでは、種々の問題が発生する。そこで、本実施の形態では、上側定着部60Aに以下のような付加的な構成を設けている。
図3および図4に示すように、上側定着部60Aには、補助ローラー80(80A,80B)および81(81A,81B)、規制ローラー82(82A,82B)および83(81A,83B)が備えられている。また、図4に示すように、加熱ローラー62の両端には、定着ベルト61の軸方向の移動を規制する規制部材としての規制板621が設けられている。
補助ローラー80(80A,80B)および81(81A,81B)は、各々、加熱ローラー62の端部側に対向位置し、定着ベルト61の外面の端部側、具体的には定着ベルト61の通紙領域外の端部(図5B参照)に当接する。このうち、補助ローラー80(80A,80B)は従動ローラーであり、補助ローラー81(81A,81B)は、図示しない駆動源(モーターなど)により回転駆動される駆動ローラーである。これら補助ローラー80A,80B,81A,81Bは、加熱ローラー62、上加圧ローラー63等と比べて小径かつ幅が狭いローラーである。かかる構成により、加熱ローラー62によって加熱される部材の熱容量の増加を防止しつつ、加熱ローラー62から定着ベルト61に供給される熱量を確保することができる。
補助ローラー80および81は、定着ベルト61を所定の押圧力で加熱ローラー62側に押圧するように、不図示のバネによって付勢される。補助ローラー80および81は、上加圧ローラー63およびテンションローラー64の離間後も定着ベルト61を加熱ローラー62に密着させる役割を担う。言い換えると、補助ローラー80および81は、上加圧ローラー63およびテンションローラー64の離間後にも加熱ローラー62(熱源60C)からの熱を定着ベルト61に十分に伝達させるための熱供給量確保部材として機能する。
補助ローラー80および81は、これらの配置やバネの付勢力が調整されることで、加熱ローラー62と定着ベルト61との接触面積を、上加圧ローラー63およびテンションローラー64の離間動作の前と後とで同等に保持することができる。
また、補助ローラー80および81は、上加圧ローラー63等の離間後も定着ベルト61を加熱ローラー62に密着させることで、定着ベルト61の上方に配置された部材に定着ベルト61が接触して定着ベルト61に傷が付くことを防ぐ役割も担う。
さらに、駆動ローラーである補助ローラー81(81A,81B)は、上加圧ローラー63およびテンションローラー64の離間動作後にも定着ベルト61を走行させる機能を有する。すなわち、熱供給量確保部材である4つの補助ローラー80A,80B,81A,81Bのうち、定着ベルト61の走行方向下流側に配置された一対の補助ローラー81A,81Bは、定着ベルト61を回転駆動する駆動部材(駆動ローラー)としての役割をも担う。
他の例として、補助ローラー81を従動ローラーとし、定着ベルト61を回転駆動する駆動ローラーとして、定着ベルト61の走行方向における補助ローラー81の下流側に、駆動ローラー(ローラー対)を別個に設ける構成とすることもできる。他方、図3に示すこの構成例によれば、駆動ローラーを別個に設けることが難しい場合でも、簡易な構成にて定着ベルト61の駆動を実現することができ、かつ、加熱ローラー62によって加熱される部材の熱容量の増加を最小限に防ぐことができる。
また、図3の構成例によれば、例えば加熱ローラー62を駆動ローラーとする構成と比べても、簡易な構成にて定着ベルト61の駆動を実現することができる。具体的には、通常のプリント時すなわち定着ベルト61に下加圧ローラー65が圧接される際には、下加圧ローラー65の駆動力を確実に定着ベルト61に伝えるために、定着ベルト61と加熱ローラー62との間の摩擦は小さい方がよい。これに対して、ウォームアップ時において駆動力を加熱ローラー62から定着ベルト61に伝達するためには、加熱ローラー62および定着ベルト61間の摩擦を大きくする必要がある。かくして、熱供給量確保部材である補助ローラー80、81のうちの補助ローラー81A,81Bを、定着ベルト61を回転駆動する駆動ローラーとした図3の構成例によれば、このような問題も容易に解決することができる。
なお、上述の観点からは、補助ローラー80、81を定着ベルト61に対する離間方向および圧接方向に往復移動可能な構成とし、定着ベルト61に下加圧ローラー65が圧接される通常のプリント時に、補助ローラー80、81を定着ベルト61の上方に離間させるように制御部100によって制御してもよい。かかる構成により、通常のプリント時に、定着ベルト61と加熱ローラー62との間の摩擦が小さくなり、下加圧ローラー65の駆動力を確実に定着ベルト61に伝えることができる。このように補助ローラー80、81を往復移動できるようにする機構としては、カムなどを用いた公知の機構、例えば下加圧ローラー65を上下方向に往復移動させる機構と等価な機構を用いればよい。
本実施の形態では、定着ベルト61が加熱ローラー62に巻き掛かっている領域に対し、補助ローラー80(80A,80B)は定着ベルト61の上流側に、補助ローラー81(81A,81B)は定着ベルト61の下流側に配置されている。かかる配置により、定着ベルト61が加熱ローラー62に巻き掛かっている領域において、定着ベルト61における下流側の領域は駆動ローラーである補助ローラー81によって送り出す側に引っ張られ、上流側の領域は補助ローラー80の負荷によってベルトの走行を遅らせるように力を受ける。かかる構成により、定着ベルト61が加熱ローラー62に巻き掛かっている領域においてベルトテンションが生まれ、加熱ローラー62と定着ベルト61との接触面圧を、上加圧ローラー63およびテンションローラー64の離間動作の前と後とで同等に保持することができる。
上加圧ローラー63等の離間動作後に、加熱ローラー62から定着ベルト61に供給される熱量を十分に確保するために、加熱ローラー62と定着ベルト61との接触面積や接触面圧を確保することは、非常に重要となる。かかる観点から、補助ローラー80、81を定着ベルト61に対する離間方向および圧接方向に往復移動可能な構成とし、上加圧ローラー63等の離間動作後に、加熱ローラー62と定着ベルト61との接触面積や接触面圧が通常のプリント時よりも大きくなるように補助ローラー80、81を定着ベルト61に圧接するように制御部100によって制御してもよい。
補助ローラー80(80A,80B)は、定着ベルト61の走行方向(図3中の矢印参照)において、補助ローラー81(81A,81B)よりも上流側に配置されている。また、図4に示すように、補助ローラー80A,80Bは、各々の回転軸801がαの軸倒れ角を有する。すなわち、補助ローラー80A,80Bの回転軸801は、かかる軸の中央側が定着ベルト61の走行方向における下流側を向くように、加熱ローラー62および定着ベルト61の回転軸に対して、角度αで傾斜している。
このように、補助ローラー80A,80Bの回転軸801を加熱ローラー62および定着ベルト61の回転軸に対して角度αで傾斜させることにより、定着ベルト61に中央から端部へ向かう力を加えながら回転させることができ、定着ベルト61を幅方向に拡げる(引き伸ばす)力が作用する。これにより、定着ベルト61は、常に両端部方向のテンションを受けて走行することになり、上加圧ローラー63およびテンションローラー64の離間動作後におけるベルト寄りやベルト皺が防止され、定着ベルト61の走行が安定する。
本実施の形態において、主なベルト寄り対策は、上述した補助ローラー80A,80Bの軸倒れ角(α)によって実現している。また、補助ローラー80A,80Bに軸倒れ角(α)を持たせることの機能として、定着ベルト61に軸方向のテンションを付与することができる。
本実施の形態では、さらなるベルト寄り対策のために、図5Bに示すように、加熱ローラー61の両端部に、かかるローラーの径よりも大径を有する略円盤状の規制板621が設けられている。規制板621は、加熱ローラー61の端部からフランジないしリブ状に突起し定着ベルト61の端部に対向位置する部材である。かかる規制板621は、上加圧ローラー63が定着ベルト61から離間した状態において、大部分の領域がテンションフリーで走行される定着ベルト61の軸方向の移動を規制する安全装置としての役割を担う。他の構成例として、例えば規制板を有する独立した部材を定着ベルト61の端部に対向するように設けてもよい。
補助ローラー80A,80Bの軸倒れ角αは、この例では30度に設定されているが、適宜調整することができるものであり、αの値が大きいほど定着ベルト61を幅方向に拡げる力が大きくなる。また、この例では駆動側である補助ローラー81A,81Bは軸倒れ角を設けていないが、補助ローラー80A,80Bと同様に、補助ローラー81A,81Bにも軸倒れ角を持たせてもよい。或いは、かかる補助ローラー81(81A,81B)には軸倒れ角を設けず、代わりに、上述した規制板621と等価な構成を補助ローラー81A,81Bの端部に設けてもよい。
規制ローラー82(82A,82B)および83(83A,83B)は、定着ベルト61の外面における通紙領域外の端部(図5B参照)を臨む位置に配置されている。規制ローラー82A,82Bは補助ローラー80A,80Bの下方に配置され、規制ローラー83A,83Bは補助ローラー81A,81Bの下方に配置されている。規制ローラー82A,82Bは、筐体に回転可能に支持された軸821に設けられている。同様に、規制ローラー83A,83Bは、筐体に回転可能に支持された軸に設けられている。
規制ローラー82(82A,82B)および83(83A,83B)は、通常状態、すなわち定着ベルト61が各ローラー62,63,および64の3軸により支持されてテンションが掛けられた状態では、定着ベルト61に接触しない(図3参照)。
他方、上加圧ローラー63およびテンションローラー64の離間動作後には、定着ベルト61は、その大部分の領域がテンションフリーの状態となり、元の状態に戻ろうとして膨らむように変形した状態(図5A参照)で、補助ローラー81A,81Bによって駆動走行される。規制ローラー82および83は、かかる定着ベルト61の変形時に、定着ベルト61の外面に接触することにより、定着ベルト61の変形を規制し、定着ベルト61が他の部材に接触して定着ベルト61の表面に傷が付くこと等を防止する。
このように、規制ローラー82および83は、図3に示す通常時の定着ベルト61の走行位置すなわち回転軌道の外側に位置し、離間時に膨らんだ定着ベルト61と当接して、それ以上の膨らみを防止し、定着ベルト61と周辺部材との接触を回避する。
本実施の形態では、用紙Sを通紙させる通常のプリント時には、制御部100によって下加圧ローラー65の回転が制御され、下加圧ローラー65の回転に伴って定着ベルト61および加熱ローラー62が従動回転する。
他方、加熱源60Cを加熱して非通紙で定着ベルト61を加熱ローラー62により昇温させるウォームアップ時には、制御部100は、上加圧ローラー63、テンションローラー64および下加圧ローラー65を定着ベルト61から離間する方向に移動させるとともに、駆動ローラーである補助ローラー81(81A,81B)を所定の周速度で回転させる制御を行う。かかるウォームアップの完了後に、制御部100は、離間させている上加圧ローラー63、テンションローラー64および下加圧ローラー65を定着ベルト61に近接する方向に移動させ、下加圧ローラー65を駆動制御して、用紙Sのトナー像を定着させるプリントの制御を行う。
このような本実施の形態によれば、印刷の生産性や画質を確保しつつ、熱容量の特に大きい上加圧ローラー63を定着ベルト61から退避させて定着ニップ構成部材の熱容量を低減することにより、加熱効率および昇温性能を高めてウォームアップ時間を短縮することが可能となる。
(その他の制御)
他方、上述した構成によれば、ウォームアップ後の印刷に向けて、離間していた上加圧ローラー63およびテンションローラー64を定着ベルト61に当接させる瞬間に、これらの部材に急激に熱が奪われて、定着ベルト61の温度が急激に(例えば10℃以上)低下する現象が発生する。かかる現象を考慮して、制御部100が以下のような制御を行うことが望ましい。
(定着ベルト61の目標温度)
ウォームアップ時の定着ベルト61の目標温度は、プリント時の定着ベルト61の設定温度よりも高めに設定する。かかる目標温度として、離間していた上加圧ローラー63およびテンションローラー64を定着ベルト61に当接させた直後の定着ベルト61の温度が、プリント時の設定温度を下回らない温度に設定する。
(離間制御を行うタイミング)
本実施の形態では、定着ベルト61の温度が十分低い(例えば室温)状態から急激に昇温させる場合において、特に大きい効果が得られる。他方、1つ前のプリントジョブからあまり時間が経っていない等のため、定着装置の各部がある程度温まっている状態においては、上加圧ローラー63およびテンションローラー64に奪われる熱量が小さいため効果は小さく、上加圧ローラー63等の離間および再当接のための制御の時間や温度落ち込み対策などが却ってウォームアップを遅らせる原因となり得る。よって、定着ベルト61に対する上加圧ローラー63等の離間および再当接のための制御は、ウォームアップ開始時など、上加圧ローラー63や定着ベルト61の温度がプリント温度とは別に定めた所定の温度以下の場合にのみ行うことが望ましい。
(テンションローラー64を移動させない制御)
上述した例では、非通紙で定着ベルト61を昇温させるウォームアップ時に、上加圧ローラー63とテンションローラー64の両方を移動させる構成とした。他の例として、かかるウォームアップ時に上加圧ローラー63のみを移動させ、テンションローラー64は移動させないようにしてもよい。すなわち、テンションローラー64は定着ニップNPの構成部材である上加圧ローラー63に比べて熱容量が大幅に低いので、テンションローラー64を移動させず定着ベルト61に接触させた状態であっても、上加圧ローラー63を定着ベルト61から退避させれば十分な効果が得られる。
(下加圧ローラー65を移動させない制御)
また、上述した例では、ウォームアップ時に定着ベルト61から離間する方向に移動させる対象として下加圧ローラー65を含めていたが、ウォームアップ時に下加圧ローラー65を移動させないようにしてもよい。
(他の変形例)
上記の実施の形態では、定着ベルト61に懸架され定着ニップNPを加圧する上加圧部材が上加圧ローラー63であった。他の例として、上加圧部材は、回転不能なパッド部材であってもよい。
上述した実施の形態および変形例は、定着ベルト61における定着ニップNPの主たる形状を画定する上加圧部材の全部が下加圧ローラー65への離間および近接方向に移動する構成とした。他の例として、上加圧部材の軸方向における大部分が下加圧ローラー65への離間および近接方向に移動する構成としてもよい。以下、上加圧部材を回転不能なパッド部材とし、かかるパッド部材の軸方向における大部分が下加圧ローラー65への離間および近接方向に移動する定着装置の構成例を、図6Aおよび図6Bを参照して説明する。
図6Aは通常状態を示す側面図であり、図6Bはウォームアップ時における離間状態を示す図であり、図6Aの左側から表している。以下、上述した構成例と異なる部分を中心に説明する。
図6Aに示す定着装置は、上述したテンションローラー64を有しない2軸上ベルト方式のものであり、上加圧部材として、上加圧ローラー63の代わりに回転不能な上加圧パッド90が設けられている。
上加圧パッド90は、軸方向に3つに分割された構成であり、図6Bに示すように、定着ベルト61の通紙領域よりも広い幅を有する第1パッド部材90Bと、第1パッド部材90Bの両側の第2パッド部材90Aおよび90Cと、が軸方向に並んで配置される。ここで、第1パッド部材90Bは、長尺の保持部材91によって上部が保持されており、不図示のアクチュエーターによって保持部材91が上下方向に駆動されることによって、下加圧部材65への離間および近接方向に移動可能とされる。
また、この定着装置では、加熱ローラー62に不図示のモーター等の駆動源が接続され、ウォームアップ時に、制御部100は、かかる駆動源に供給する電力を制御して、加熱ローラー62を所定の周速度で回転駆動することで、定着ベルト61を走行させる。
すなわち、用紙Sを通紙させる通常のプリント時には、制御部100によって下加圧ローラー65の回転が制御され、下加圧ローラー65の回転に伴って定着ベルト61および加熱ローラー62が従動回転する。他方、加熱源60Cを加熱して非通紙で定着ベルト61を加熱ローラー62により昇温させるウォームアップ時には、制御部100は、第1パッド部材90Bおよび下加圧ローラー65を定着ベルト61から離間する方向に移動させるとともに、加熱ローラー62を所定の周速度で回転させる制御を行う。かかるウォームアップの完了後に、制御部100は、第1パッド部材90Bおよび下加圧ローラー65を定着ベルト61に当接する方向に移動させ、下加圧ローラー65を駆動制御して、用紙Sのトナー像を定着させる制御を行う。
かかる構成によれば、定着ベルト61は、第1パッド部材90Bが上方に移動した後も第2パッド部材90Aおよび90Cにより支持されており、テンションが維持される。このため、定着ベルト61は、第1パッド部材90Bが上方に移動した後も安定した走行を維持することができる。すなわち、この定着装置では、ウォームアップ時にも定着ベルト61を駆動部材である加熱ローラー62によって安定的に回転させることができ、上述した補助ローラー80,81や規制ローラー82,83、および加熱ローラー62の規制板621を設ける必要がない。
言い換えると、第2パッド部材90Aおよび90Cは、第1パッド部材90Bが定着ベルト61から離間した状態において、定着ベルト61に当接している部材との当接領域以外の領域における定着ベルト61の走行性を安定させる走行性安定保持部材としての機能を担う。
また、かかる構成によれば、第1パッド部材90Bが定着ベルト61から離間した状態における加熱ローラー62と定着ベルト61との接触面積および接触面圧を、第1パッド部材90Bが定着ベルト61に当接した状態における接触面積および接触面圧と等しくすることができる。
また、かかる構成によれば、第1パッド部材90Bの離間動作の前と後とで定着ベルト61の形状や走行状態を全く変化させずに低熱容量化を達成することができるため、各種センサーなどの周辺部材への影響を最小限に抑えつつ、ウォームアップ時間短縮等を達成することができる。
上述した各構成例では、定着ニップNPを下方から加圧する下加圧部材が下加圧ローラー65である場合を説明した。他方、下加圧部材および下側定着部は、例えば、下ベルト方式、下パッド方式など、他の様々な方式とすることができる。
また、上述した各構成例の上側定着部60Aにおいて、定着ベルト61の内面または外面に対しては他の種々の軸部材(ローラー、パッド、ウェブなど)を設けることができる。この場合、熱容量の大きい軸部材は、ウォームアップ時に定着ベルト61から離間させるように制御部100によって制御する。他方、熱容量の小さい軸部材は、定着ベルト61から離間させなくてもよい。
さらに、上述した各構成例の上側定着部60Aは、定着ベルト61に接触または離接する種々の補助的な機構を備えることができる。ここで、補助的な機構としては、例えば、定着ベルト61を冷却するための冷却部材、定着ベルト61の内面を押圧して定着ニップNPの面積を拡張する役割を担う、上加圧ローラー63よりも小径の補助ローラー、定着ベルト61の外面をクリーニングするためのクリーニング部材、などが含まれる。このような補助的な機構を設けた場合、熱容量の大きいものはウォームアップ時に定着ベルト61から離間させるように制御部100によって制御する。他方、熱容量の小さいもの(例えば補助ローラー)は定着ベルト61から離間させなくてもよい。
以上のように、本発明を適用した実施の形態によれば、印刷の生産性や画質を確保しつつ、定着ニップNPを構成する部材の熱容量を低減することにより加熱効率および昇温性能を高めてウォームアップ時間を短縮することができる。
上述した実施の形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
1 画像形成装置
10 画像読取部
20 操作表示部
30 画像処理部
40 画像形成部
50 用紙搬送部
60 定着部(定着装置)
60A 上側定着部
60B 下側定着部
60C 加熱源
60D エア分離ユニット
61 定着ベルト
62 加熱ローラー
621 規制板(規制部材)
63 上加圧ローラー(第2の加圧部材)
64 テンションローラー
65 下加圧ローラー(第1の加圧部材)
80(80A,80B) 補助ローラー(補助部材、熱供給量確保部材)
801 回転軸
81(81A,81B) 補助ローラー(補助部材、駆動ローラー、熱供給量確保部材)
82(82A,82B) 規制ローラー(規制部材、走行性安定保持部材)
821 軸
83(83A,83B) 規制ローラー(規制部材、走行性安定保持部材)
90(90A,90B,90C)上加圧パッド
90B 第1パッド部材
90A,90C 第2パッド部材(走行性安定保持部材)
91 保持部材
100 制御部
NP 定着ニップ
α 補助ローラー80の回転軸の傾斜

Claims (20)

  1. 定着ベルトと、
    前記定着ベルトを加熱する加熱部材と、
    前記定着ベルトを加圧して前記定着ベルトの外面との間で定着ニップを形成する第1の加圧部材と、
    前記定着ベルトを介して前記定着ニップを形成する第2の加圧部材と、
    前記第2の加圧部材を前記定着ベルトから離間させる制御を行う制御部と、
    を備える定着装置。
  2. 前記制御部は、非通紙で前記定着ベルトを前記加熱部材により昇温する際に、前記第2の加圧部材を前記定着ベルトから離間させる制御を行う、
    請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記定着ベルトを回転駆動する駆動ローラーを有し、
    前記制御部は、前記第2の加圧部材が前記定着ベルトから離間した状態で、前記駆動ローラーによって前記定着ベルトを回転させる制御を行う、
    請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記第2の加圧部材が前記定着ベルトから離間した状態において、前記加熱部材から前記定着ベルトへの熱供給量を確保するための熱供給量確保部材を備える、
    請求項1から3のいずれかに記載の定着装置。
  5. 前記加熱部材は、前記定着ベルトの内面に当接する加熱ローラーであり、
    前記熱供給量確保部材は、前記定着ベルトを前記加熱ローラー側に押圧する部材である、
    請求項4に記載の定着装置。
  6. 前記熱供給量確保部材は、前記定着ベルトの軸方向両端部に配置されている、
    請求項5に記載の定着装置。
  7. 前記熱供給量確保部材は、前記駆動ローラーを含む、
    請求項3から6のいずれかに記載の定着装置。
  8. 前記第2の加圧部材が前記定着ベルトから離間した状態において、前記加熱ローラーと前記定着ベルトとの接触面積は、前記第2の加圧部材における移動可能な部位が前記定着ベルトから離間していないときの前記加熱ローラーと前記定着ベルトとの接触面積以上である、
    請求項5から7のいずれかに記載の定着装置。
  9. 前記第2の加圧部材が前記定着ベルトから離間した状態において、前記加熱部材と前記定着ベルトとの接触面圧は、前記第2の加圧部材が前記定着ベルトから離間していないときの前記加熱ローラーと前記定着ベルトとの接触面圧以上である、
    請求項5から8のいずれかに記載の定着装置。
  10. 前記第2の加圧部材が前記定着ベルトから離間した状態において、前記定着ベルトにおける前記加熱ローラーとの接触部位のベルトテンションは、前記第2の加圧部材が前記定着ベルトから離間していないときの前記定着ベルトにおける前記加熱ローラーとの接触部位のベルトテンション以上である、
    請求項9に記載の定着装置。
  11. 前記第2の加圧部材が前記定着ベルトから離間した状態において前記定着ベルトの走行性を安定させる走行性安定保持部材を備える、
    請求項1から10のいずれかに記載の定着装置。
  12. 前記走行性安定保持部材は、前記定着ベルトの外面に対向するように配置された規制ローラーである、
    請求項11に記載の定着装置。
  13. 前記第2の加圧部材が前記定着ベルトから離間した状態において前記定着ベルトの軸方向の移動を規制する規制部材を備える、
    請求項1から12のいずれかに記載の定着装置。
  14. 前記第2の加圧部材が前記定着ベルトから離間した状態において、前記加熱部材から前記定着ベルトへの熱供給量を確保するための熱供給量確保部材を備え、
    前記規制部材は、前記熱供給量確保部材における前記定着ベルトの軸方向端部側に配置されている、
    請求項13に記載の定着装置。
  15. 前記熱供給量確保部材は、前記定着ベルトの軸方向の各々の端部側に配置された複数のローラーであり、
    前記複数のローラーのうち、前記定着ベルトの軸方向に配置された一対のローラーの回転軸の各々は、該回転軸の中央側が前記定着ベルトの走行方向における下流側を向くように傾いている、
    請求項14に記載の定着装置。
  16. 前記第2の加圧部材は上加圧ローラーである、
    請求項1から15のいずれかに記載の定着装置。
  17. 前記第2の加圧部材は回転不能なパッド部材である、
    請求項1から15のいずれかに記載の定着装置。
  18. 前記第2の加圧部材は回転不能なパッド部材であり、
    前記パッド部材は、軸方向に並んで配置された、前記定着ベルトの通紙領域に対応する幅を有する第1パッド部材と、前記第1パッド部材の両側の第2パッド部材と、を有し、
    前記第1パッド部材が前記下加圧部材への離間および近接方向に移動可能であり、
    前記制御部は、前記第1パッド部材を前記定着ベルトから離間させる制御を行う、
    請求項1または2に記載の定着装置。
  19. 前記加熱部材は、前記定着ベルトを回転駆動する駆動ローラーである、
    請求項18に記載の定着装置。
  20. 記録材にトナー像を形成する画像形成部と、
    請求項1から19のいずれかに記載の定着装置と、
    を備えた画像形成装置。
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