JP2017083712A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】用紙の定着性や光沢度に差が発生してしまうことを防止しつつ、用紙の搬送状態を安定化させることが可能な定着装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】定着装置は、第1加圧部材と、第1加圧部材を含む複数の支持部材に巻き掛けられ、回転可能な定着ベルトと、定着ベルトを介して第1加圧部材を加圧することによって、第1加圧部材と定着ベルトとが接触する部分との間において定着ニップ部を形成すると共に、第1加圧部材と定着ベルトとが接触しない部分との間において疑似ニップ部を形成する第2加圧部材と、第2加圧部材の軸方向で疑似ニップ部の面積を変更するニップ面積変更部と、定着ニップ部に搬送される用紙の搬送状態を検出する搬送状態検出部と、ニップ面積変更部を制御し、搬送状態検出部により検出された搬送状態に基づいて、用紙の搬送状態について第2加圧部材の軸方向で差が生じないように面積を変更させる制御部とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、定着装置および画像形成装置に関する。
一般に、電子写真プロセス技術を利用した画像形成装置(プリンター、複写機、ファクシミリ等)は、帯電した感光体に対して、画像データに基づくレーザー光を照射(露光)することにより静電潜像を形成する。そして、静電潜像が形成された感光体(像担持体)へ現像装置よりトナーを供給することにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。さらに、このトナー像を転写ニップにおいて直接又は間接的に用紙に転写させた後、定着装置において加熱、加圧して定着させることにより用紙に画像を形成する。
例えば、トナー像を定着させる定着装置としては、定着ベルトと、定着ベルトに圧接される加圧ローラーとによって形成された定着ニップで、トナー像が転写された用紙を通紙しながら、加熱および加圧する熱定着方式の定着装置がある。
このような定着装置を備える画像形成装置では、組み立て時の取付け誤差や経年変化によって、用紙の搬送経路上の転写ニップと定着ニップとの間で位置ずれ(アラインメントずれ)が発生したり、あるいは加圧ローラーの軸方向の手前と奥とで定着ニップの量に差が発生したりする場合がある。アラインメントずれや定着ニップの量の差が発生した場合、加圧ローラーの軸方向の手前と奥との間で用紙の搬送状態に差ができ、用紙の先端部分が定着ニップに突入した際に用紙の先端部より用紙搬送方向上流側の部分で軸方向に対して斜めの弛みが発生してしまう。定着ニップに突入する前、つまり、トナー像が定着される前に、用紙に斜めの弛みが発生すると、定着ニップに向けて用紙を案内するために転写ニップと定着ニップとの間に設けられたガイド部材、または、定着ベルトのうち用紙搬送方向における定着ニップの上流側に位置する部分に未定着のトナー像が接触してしまう。未定着のトナー像がガイド部材や定着ベルトに接触すると、画像不良が起きてしまう。
定着ニップを調整することができる定着装置として、例えば、特許文献1には、定着ニップの位置を全体として高さ方向や水平方向などの任意の方向に変位させるアラインメントの調整、定着ニップ全体における定着速度の調整、または定着ニップを形成する定着部材の軸方向における定着ニップ量の調整を行い、用紙の搬送を安定化させ画像不良を抑制する定着装置が開示されている。
特開2002−40865号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、定着ニップの位置を全体として変位させてしまうと、転写ニップと定着ニップとの間での用紙の搬送状態は安定する一方で、用紙搬送方向における定着ニップの下流側で用紙が斜行してしまうおそれがあるという問題があった。また、定着ニップ全体における定着速度を調整しても、軸方向の手前と奥との間で定着速度が変わらないため、用紙の斜めの弛みを解消することができないという問題があった。また、軸方向における定着ニップ量を調整してしまうと、軸方向において用紙の定着性や光沢度に差が発生してしまうという問題があった。
本発明は、用紙の定着性や光沢度に差が発生してしまうことを防止しつつ、用紙の搬送状態を安定化させることが可能な定着装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明に係る定着装置は、
第1加圧部材と、
前記第1加圧部材を含む複数の支持部材に巻き掛けられ、回転可能な定着ベルトと、
前記定着ベルトを介して前記第1加圧部材を加圧することによって、前記定着ベルトのうち前記第1加圧部材と前記定着ベルトとが接触する部分との間において定着ニップ部を形成すると共に、前記定着ベルトのうち前記第1加圧部材と前記定着ベルトとが接触しない部分との間において疑似ニップ部を形成する第2加圧部材と、
前記第2加圧部材の軸方向で前記疑似ニップ部のニップ面積を変更するニップ面積変更部と、
前記定着ニップ部に搬送される用紙の搬送状態を検出する搬送状態検出部と、
前記ニップ面積変更部を制御し、前記搬送状態検出部により検出された前記搬送状態に基づいて、前記定着ニップ部に搬送される用紙の搬送状態について前記第2加圧部材の軸方向で差が生じないように前記ニップ面積を変更させる制御部と、
を備える。
本発明に係る画像形成装置は、
第1加圧部材と、
前記第1加圧部材を含む複数の支持部材に巻き掛けられ、回転可能な定着ベルトと、
前記定着ベルトを介して前記第1加圧部材を加圧することによって、前記定着ベルトのうち前記第1加圧部材と前記定着ベルトとが接触する部分との間において定着ニップ部を形成すると共に、前記定着ベルトのうち前記第1加圧部材と前記定着ベルトとが接触しない部分との間において疑似ニップ部を形成する第2加圧部材と、
前記第2加圧部材の軸方向で前記疑似ニップ部のニップ面積を変更するニップ面積変更部と、
前記定着ニップ部に搬送される用紙の搬送状態を検出する搬送状態検出部と、
前記ニップ面積変更部を制御し、前記搬送状態検出部により検出された前記搬送状態に基づいて、前記定着ニップ部に搬送される用紙の搬送状態について前記第2加圧部材の軸方向で差が生じないように前記ニップ面積を変更させる制御部と、
を備える。
本発明によれば、加圧されている定着ニップのニップ面積を変更せずに、加圧されていない疑似ニップのニップ面積のみを軸方向で変更して軸方向の手前側と奥側で用紙搬送速度に差を発生させるため、用紙の定着性や光沢度に差が発生してしまうことを防止しつつ、用紙の搬送状態を安定化させることができる。
本実施の形態に係る画像形成装置の全体構成を概略的に示す図である。 本実施の形態に係る画像形成装置の制御系の主要部を示す図である。 転写ニップと定着ニップとの間の用紙の搬送状態の一例を示す図である。 本実施の形態における定着部の構成を概略的に示す図である。 本実施の形態における張架部材の位置を変更する機構を示す図である。 本実施の形態における搬送状態検出部の検出の一例を示す図である。 搬送状態と定着ベルトの張力の調整量との関係を示す図である。 搬送状態と張架部材の位置の調整量との関係を示す図である。 本実施の形態における定着部の変形例の構成を概略的に示す図である。 本実施の形態におけるガイド部材の位置を変更する機構を示す図である。 本実施の形態における定着部の別の変形例の構成を概略的に示す図である。 定着ベルトの張力の調整量と加熱ローラーの位置の調整量との関係を示す図である。 張架部材の位置の調整量と加熱ローラーの位置の調整量との関係を示す図である。
以下、本実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
[画像形成装置1の構成]
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1の全体構成を概略的に示す図である。図2は、本実施の形態に係る画像形成装置1の制御系の主要部を示す。図1、2に示す画像形成装置1は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置である。すなわち、画像形成装置1は、感光体ドラム413上に形成されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナー像を中間転写ベルト421に転写(一次転写)し、中間転写ベルト421上で4色のトナー像を重ね合わせた後、用紙Sに転写(二次転写)することにより、画像を形成する。
また、画像形成装置1には、YMCKの4色に対応する感光体ドラム413を中間転写ベルト421の走行方向に直列配置し、中間転写ベルト421に一回の手順で各色トナー像を順次転写させるタンデム方式が採用されている。
図2に示すように、画像形成装置1は、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60、通信部71、記憶部72、第1駆動部80、第2駆動部85、搬送状態検出部86および制御部100を備える。
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103等を備える。CPU101は、ROM102から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM103に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置1の各ブロックの動作を集中制御する。このとき、記憶部72に格納されている各種データが参照される。記憶部72は、例えば不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)やハードディスクドライブで構成される。
制御部100は、通信部71を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えばパーソナルコンピューター)との間で各種データの送受信を行う。制御部100は、例えば、外部の装置から送信された画像データを受信し、この画像データ(入力画像データ)に基づいて用紙Sに画像を形成させる。通信部71は、例えばLANカード等の通信制御カードで構成される。
画像読取部10は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿給紙装置11及び原稿画像走査装置12(スキャナー)等を備えて構成される。
自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された原稿Dを搬送機構により搬送して原稿画像走査装置12へ送り出す。自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された多数枚の原稿Dの画像(両面を含む)を連続して一挙に読み取ることができる。
原稿画像走査装置12は、自動原稿給紙装置11からコンタクトガラス上に搬送された原稿又はコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサー12aの受光面上に結像させ、原稿画像を読み取る。画像読取部10は、原稿画像走査装置12による読取結果に基づいて入力画像データを生成する。この入力画像データには、画像処理部30において所定の画像処理が施される。
操作表示部20は、例えばタッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成され、表示部21及び操作部22として機能する。表示部21は、制御部100から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、画像の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。操作部22は、テンキー、スタートキー等の各種操作キーを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部100に出力する。
画像処理部30は、入力画像データに対して、初期設定又はユーザー設定に応じたデジタル画像処理を行う回路等を備える。例えば、画像処理部30は、制御部100の制御下で、階調補正データ(階調補正テーブル)に基づいて階調補正を行う。また、画像処理部30は、入力画像データに対して、階調補正の他、色補正、シェーディング補正等の各種補正処理や、圧縮処理等を施す。これらの処理が施された画像データに基づいて、画像形成部40が制御される。
画像形成部40は、入力画像データに基づいて、Y成分、M成分、C成分、K成分の各有色トナーによる画像を形成するための画像形成ユニット41Y、41M、41C、41K、中間転写ユニット42等を備える。
Y成分、M成分、C成分、K成分用の画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kは、同様の構成を有する。図示及び説明の便宜上、共通する構成要素は同一の符号で示し、それぞれを区別する場合には符号にY、M、C、又はKを添えて示すこととする。図1では、Y成分用の画像形成ユニット41Yの構成要素についてのみ符号が付され、その他の画像形成ユニット41M、41C、41Kの構成要素については符号が省略されている。
画像形成ユニット41は、露光装置411、現像装置412、感光体ドラム413、帯電装置414、及びドラムクリーニング装置415等を備える。
感光体ドラム413は、例えばドラム径が80[mm]のアルミニウム製の導電性円筒体(アルミ素管)の周面に、アンダーコート層(UCL:Under Coat Layer)、電荷発生層(CGL:Charge Generation Layer)、電荷輸送層(CTL:Charge Transport Layer)を順次積層した負帯電型の有機感光体(OPC:Organic Photo-conductor)である。電荷発生層は、電荷発生材料(例えばフタロシアニン顔料)を樹脂バインダー(例えばポリカーボネイト)に分散させた有機半導体からなり、露光装置411による露光により一対の正電荷と負電荷を発生する。電荷輸送層は、正孔輸送性材料(電子供与性含窒素化合物)を樹脂バインダー(例えばポリカーボネイト樹脂)に分散させたものからなり、電荷発生層で発生した正電荷を電荷輸送層の表面まで輸送する。
制御部100は、感光体ドラム413を回転させる駆動モーター(図示略)に供給される駆動電流を制御することにより、感光体ドラム413を一定の周速度で回転させる。
帯電装置414は、光導電性を有する感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させる。露光装置411は、例えば半導体レーザーで構成され、感光体ドラム413に対して各色成分の画像に対応するレーザー光を照射する。感光体ドラム413の電荷発生層で正電荷が発生し、電荷輸送層の表面まで輸送されることにより、感光体ドラム413の表面電荷(負電荷)が中和される。感光体ドラム413の表面には、周囲との電位差により各色成分の静電潜像が形成されることとなる。
現像装置412は、例えば二成分現像方式の現像装置であり、感光体ドラム413の表面に各色成分のトナーを付着させることにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。
ドラムクリーニング装置415は、感光体ドラム413の表面に摺接されるドラムクリーニングブレード等を有し、一次転写後に感光体ドラム413の表面に残存する転写残トナーを除去する。
中間転写ユニット42は、中間転写ベルト421、一次転写ローラー422、複数の支持ローラー423、二次転写ローラー424、及びベルトクリーニング装置426等を備える。
中間転写ベルト421は無端状ベルトで構成され、複数の支持ローラー423にループ状に張架される。複数の支持ローラー423のうちの少なくとも一つは駆動ローラーで構成され、その他は従動ローラーで構成される。例えば、K成分用の一次転写ローラー422よりもベルト走行方向下流側に配置されるローラー423Aが駆動ローラーであることが好ましい。これにより、一次転写部におけるベルトの走行速度を一定に保持しやすくなる。駆動ローラー423Aが回転することにより、中間転写ベルト421は矢印A方向に一定速度で走行する。
一次転写ローラー422は、各色成分の感光体ドラム413に対向して、中間転写ベルト421の内周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、一次転写ローラー422が感光体ドラム413に圧接されることにより、感光体ドラム413から中間転写ベルト421へトナー像を転写するための一次転写ニップが形成される。
二次転写ローラー424は、駆動ローラー423Aのベルト走行方向下流側に配置されるバックアップローラー423Bに対向して、中間転写ベルト421の外周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、二次転写ローラー424がバックアップローラー423Bに圧接されることにより、中間転写ベルト421から用紙Sへトナー像を転写するための二次転写ニップが形成される。
一次転写ニップを中間転写ベルト421が通過する際、感光体ドラム413上のトナー像が中間転写ベルト421に順次重ねて一次転写される。具体的には、一次転写ローラー422に一次転写バイアスを印加し、中間転写ベルト421の裏面側(一次転写ローラー422と当接する側)にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は中間転写ベルト421に静電的に転写される。
その後、用紙Sが二次転写ニップを通過する際、中間転写ベルト421上のトナー像が用紙Sに二次転写される。具体的には、二次転写ローラー424に二次転写バイアスを印加し、用紙Sの裏面側(二次転写ローラー424と当接する側)にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は用紙Sに静電的に転写される。トナー像が転写された用紙Sは定着部60に向けて搬送される。
ベルトクリーニング装置426は、中間転写ベルト421の表面に摺接するベルトクリーニングブレード等を有し、二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残留する転写残トナーを除去する。なお、二次転写ローラー424に代えて、二次転写ローラーを含む複数の支持ローラーに、二次転写ベルトがループ状に張架された構成(いわゆるベルト式の二次転写ユニット)を採用しても良い。
定着部60は、用紙Sの定着面(トナー像が形成されている面)側に配置される定着面側部材を有する上側定着部60A、用紙Sの裏面(定着面の反対の面)側に配置される裏面側支持部材を有する下側定着部60B、及び加熱源60C等を備える。定着ベルト230を介して定着面側部材である定着ローラー220に裏面側支持部材である加圧ローラー240が圧接されることにより、用紙Sを狭持して搬送する定着ニップが形成される。
定着部60は、トナー像が二次転写され、搬送されてきた用紙Sを定着ニップ部で加熱、加圧することにより、用紙Sにトナー像を定着させる。定着部60は、定着器F内にユニットとして配置される。また、定着器Fには、エアを吹き付けることにより、定着面側部材又は裏面側支持部材から用紙Sを分離させるエア分離ユニットが配置されていても良い。定着部60の詳細については後述する。
用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52、及び搬送経路部53等を備える。給紙部51を構成する3つの給紙トレイユニット51a〜51cには、坪量やサイズ等に基づいて識別された用紙S(規格用紙、特殊用紙)が予め設定された種類ごとに収容される。搬送経路部53は、レジストローラー対53a等の複数の搬送ローラー対を有する。
給紙トレイユニット51a〜51cに収容されている用紙Sは、最上部から一枚ずつ送出され、搬送経路部53により画像形成部40に搬送される。このとき、レジストローラー対53aが配設されたレジストローラー部により、給紙された用紙Sの傾きが補正されるとともに搬送タイミングが調整される。そして、画像形成部40において、中間転写ベルト421のトナー像が用紙Sの一方の面に一括して二次転写され、定着部60において定着工程が施される。画像形成された用紙Sは、排紙ローラー52aを備えた排紙部52により機外に排紙される。
第1駆動部80は、制御部100からの制御命令を受けて、後述するピン340、350を回転させる。第1駆動部80は、例えば、モーターおよびギア等の組み合わせにより構成される。
第2駆動部85は、制御部100からの制御命令を受けて、後述するカム400を回転させる。第2駆動部85は、例えば、モーターおよびギア等の組み合わせにより構成される。
搬送状態検出部86は、画像形成部40と定着部60との間に設けられ、定着部60に搬送される用紙の搬送状態を検出し、検出した搬送状態を制御部100へ出力する。
搬送状態検出部86は、定着ニップ部の用紙搬送方向上流側で、用紙の搬送経路よりも下方側に設けられる距離センサー86a(図4参照)を備える。距離センサー86aは、手前側および奥側の少なくとも2カ所に用紙幅方向に平行に、かつ、用紙搬送方向において画像形成部40よりも定着部60に近い側に配置される。
距離センサー86aは、例えば、反射型の光学式センサーである。距離センサー86aは、定着部60に搬送される用紙Sの下面に検出光を出射し、下面からの反射光を受光する。距離センサー86aは、検出光を出射してから反射光を受光するまでの時間から、距離センサー86aと用紙Sの下面との距離を検出する。手前側および奥側の少なくとも2カ所に設けられる距離センサー86aは、それぞれ用紙Sの下面との距離を検出し、検出した距離の差を搬送状態として、制御部100へ出力する。
ところで、従来の定着部60では、組み立て時の取付け誤差や経年変化によって、用紙の搬送経路上の転写ニップと定着ニップとの間でアラインメントずれが発生したり、あるいは加圧ローラー240の軸方向の手前と奥とで定着ニップの量に差が発生したりする場合がある。この場合、用紙に斜めの弛みが発生してしまう。アラインメントずれや定着ニップの量の差が発生した場合、加圧ローラー240の軸方向の手前と奥との間で用紙の搬送状態に差ができ、用紙の先端部分が定着ニップに突入した際に用紙の先端部より用紙搬送方向の上流側の部分で軸方向に対して斜めの弛みが発生してしまう。
図3を参照して、用紙に発生する斜めの弛みについて説明する。図3には、定着部60の構成のうち、定着ニップを形成する定着ローラー220および加圧ローラー240のみが示されている。また、図3には、画像形成部40の構成のうち、二次転写ニップを形成する二次転写ローラー424およびバックアップローラー423Bのみが示されている。
用紙の搬送経路上の二次転写ニップと定着ニップとの間でアラインメントずれが発生した場合、あるいは定着ニップの量が加圧ローラー240の軸方向(矢印Y方向)の手前と奥とで差が発生した場合、用紙Sが用紙搬送方向(矢印X方向)に搬送されると、図3の例の場合、矢印Pに示すような斜めの弛みが発生してしまう。矢印Pに示す斜めの弛みは、手前側における用紙搬送方向下流側から奥側における用紙搬送方向上流側にかけての弛みである。
定着ニップに突入する前、つまり、トナー像が定着される前に、用紙Sに図3に示したような斜めの弛みが発生すると、定着ニップに向けて用紙を案内するために転写ニップと定着ニップとの間に設けられたガイド部材380(図4参照)、または、定着ベルト230のうち用紙搬送方向における定着ニップの上流側に位置する部分に未定着のトナー像が接触してしまう。未定着のトナー像がガイド部材380や定着ベルト230に接触すると、画像不良が起きてしまう。
そこで本実施の形態では、定着部60は、定着ベルト230を介して定着ローラー220に加圧ローラー240が圧接されることにより形成される定着ニップに加えて、定着ベルト230と加圧ローラー240との間で定着ローラー220が当接しない範囲で定着ニップを形成する。定着ベルト230と加圧ローラー240との間で定着ローラー220が当接しない範囲で形成される定着ニップを疑似ニップと言う。疑似ニップは、定着ローラー220に当接しないため、定着ローラー220に加圧ローラー240が圧接されている状態においても、ほとんど加圧されていない。
そして、本実施の形態における定着部60は、加圧ローラー240の回転軸方向における手前側と奥側とで形成する疑似ニップの量(ニップ面積)を変更するように構成されている。以下の説明において、「手前側」とは、加圧ローラー240の回転軸方向における手前側を指し、「奥側」とは、加圧ローラー240の回転軸方向における奥側を指す。
[定着ニップ部200を形成する構成]
具体的に、図4を参照し、定着ニップ部200を形成する構成について説明する。定着ニップ部200は、ベルト加熱方式により構成される。定着ニップ部200は、定着ベルト230を介して定着ローラー220に加圧ローラー240が圧接されることにより形成される第1定着ニップ部200A、および定着ベルト230と加圧ローラー240との間で定着ローラー220が当接しない範囲で形成される第2定着ニップ部200Bを含む。定着ニップ部200のうち、第1定着ニップ部200Aは、加圧ローラー240と定着ローラー220との間で加圧されているニップであり、第2定着ニップ部200Bは、定着ローラー220が当接していないため、ほとんど加圧されていない疑似ニップである。例えば、第2定着ニップ部200Bの圧力は、第1定着ニップ部200Aの圧力の100分の1から10分の1程度である。定着部60は、定着ニップ部200を形成する上側定着部60Aと下側定着部60Bとを有する。
上側定着部60Aは、加熱ローラー210と、第1加圧部材としての定着ローラー220とを有する。加熱ローラー210と定着ローラー220との間には、無端状の定着ベルト230(定着面側部材)が巻き掛けられている。つまり、加熱ローラー210および定着ローラー220は、本発明の「支持部材」として機能する。
下側定着部60Bは、第2加圧部材としての加圧ローラー240(裏面側支持部材)を有する。加圧ローラー240は、定着ベルト230を介して定着ローラー220を所定の定着荷重(例えば、2200[N])で加圧する。このようにして、定着ローラー220と加圧ローラー240との間(点N2と点N3との間)には、所定の定着荷重で加圧されて、用紙Sを狭持して搬送する上凸形状の第1定着ニップ部200Aが形成される。
また、制御部100が後述するニップ面積変更部を制御することにより第2定着ニップ部200Bが形成される場合には、加圧ローラー240が定着ローラー220を所定の定着加重で加圧した際に、定着ベルト230と加圧ローラー240との間で定着ローラー220が当接しない範囲(点N1と点N2との間、および点N3と点N4との間)で、第2定着ニップ部200Bが形成される。図4に示す例の場合、第2定着ニップ部200Bは、第1定着ニップ部200Aに対して、用紙搬送方向の上流側(点N3と点N4との間)と下流側(点N1と点N2との間)にそれぞれ形成される。
定着ベルト230は、トナー像が形成された用紙Sに接触して、この用紙Sを定着温度(例えば、160〜200[℃])で加熱する。ここで、定着温度とは、用紙S上のトナーを溶融するのに必要な熱量を供給しうる温度であり、画像形成される用紙Sの紙種、坪量によって異なる。
定着ベルト230は、例えば、基体として厚さ70[μm]のPI(ポリイミド)を用い、基体の外周面を弾性層として厚さ200[μm]の耐熱性のシリコンゴム(硬度JIS−A15[°])で被覆し、更に、表層に厚さ30[μm]の耐熱性樹脂であるPFA(パーフルオロアルコキシ)のコーティングをしている。定着ベルト230の外径寸法は、例えば120[mm]である。なお、PIの厚さについては50〜150[μm]程度が好ましい。PIが薄いと熱伝達には有利であるが、強度的には不利となってしまう一方、PIが厚いと強度的には有利となるが、熱伝達は不利となってしまうからである。
定着ベルト230は、加圧ローラー240(主駆動源)および定着ローラー220(補助駆動源)がそれぞれ矢印A方向および矢印C方向に主動回転することによって、矢印B方向に従動回転する。定着ベルト230の線速度は、例えば500[mm/s]である。なお、定着ベルト230は、加圧ローラー240および加熱ローラー210(補助駆動源)が主動回転することによって、矢印B方向に従動回転しても良い。
加熱ローラー210は、定着ベルト230を加熱する加熱源60Cとしてハロゲンヒーター250を内蔵している。加熱ローラー210は、例えば、アルミニウム等から形成された肉厚4[mm]の円筒状の芯金の外周面を、厚さ30[μm]のPTFEでコーティングした樹脂層で被覆されている。加熱ローラー210の外径寸法は、例えば58[mm]である。なお、ハロゲンヒーター250は、異なった用紙Sの幅に対応するために、例えば1200[W]のものを2本、750[W]のものを2本、500[W]のものを1本用いて構成され、用紙Sの異なる紙幅に対応させて軸方向に異なる発熱分布になるように配置されている。
加熱ローラー210の回転軸方向における手前側および奥側の両端部には、断面形状が半円形状であり、加熱ローラー210を回転可能に支持する支持部材310が取り付けられている。支持部材310の一端側には、テンションばね320が取り付けられている。支持部材310の他端側には、テンションばね330が取り付けられている。テンションばね320の一端側(支持部材310とは反対側)には、ピン340が取り付けられている。テンションばね330の一端側(支持部材310とは反対側)には、ピン350が取り付けられている。
定着器F内には、天板360が固定されている。ピン340の外周部に設けられた雄ねじ部材が、天板360に形成された穴の内周面に螺刻された雌ねじに螺合している。また、ピン350の外周部に設けられた雄ねじ部材が、天板360に形成された穴の内周面に螺刻された雌ねじに螺合している。
第1駆動部80は、制御部100からの制御命令を受けて、手前側および奥側のピン340、350を回転させる。ピン340、350が回転することにより、テンションばね320、330を介してピン340、350に接続されている手前側および奥側の支持部材310は、それぞれ、矢印D方向(図4中の上下方向)に移動する。制御部100は、手前側および奥側のピン340、350の回転方向、回転量をそれぞれ制御することによって、矢印D方向における支持部材310、ひいては加熱ローラー210の手前側の端部の位置と奥側の端部の位置とをそれぞれ任意に制御することができる。
加熱ローラー210の手前側の端部と奥側の端部とが矢印D方向においてそれぞれ異なる量で移動することにより、加熱ローラー210によって定着ベルト230に付与される張力は、手前側と奥側とで変化する。具体的には、加熱ローラー210の手前側の端部が矢印D方向のうち図4中の上方向に移動すればするほど、定着ベルト230の手前側の張力は、定着ベルト230の奥側の張力に比べて増大する。一方、加熱ローラー210の手前側の端部が矢印D方向のうち図4中の下方向に移動すればするほど、定着ベルト230の手前側の張力は、定着ベルト230の奥側の張力に比べて減少する。
本実施の形態では、定着ベルト230の手前側および奥側の張力のデフォルト値は200[N]に設定されている。なお、手前側および奥側にそれぞれ設けられるピン340、350、テンションばね320、330および支持部材310、ならびに第1駆動部80は、加熱ローラー210の手前側の端部と奥側の端部の位置を変更する、より具体的には加熱ローラー210の手前側の端部と奥側の端部とをそれぞれ持ち上げる又は持ち下げることによって、定着ベルト230の手前側および奥側の張力をそれぞれ変更する張力変更部として機能する。
制御部100は、張力変更部を制御することにより、定着ベルト230の手前側および奥側の張力をそれぞれ変更することができる。例えば、定着ベルト230の奥側の張力をデフォルト値より減少させた場合、奥側では、定着ベルト230が定着ローラー220、加熱ローラー210、および張架部材260に密接して巻回せずに、定着ベルト230に緩みが生じる。そのため、奥側における加圧ローラー240と定着ベルト230との接触領域は、手前側に比べて増大する。これにより、奥側において、用紙搬送方向の上流側(点N3と点N4との間)と下流側(点N1と点N2との間)の第2定着ニップ部200Bのニップの面積は、手前側に比べて増大する。本実施の形態において、第2定着ニップ部200Bは、定着ベルト230の張力がデフォルト値を下回った場合に形成される。
ハロゲンヒーター250の温度は、制御部100によって制御される。ハロゲンヒーター250によって加熱ローラー210が加熱され、その結果、定着ベルト230が加熱される。
定着ローラー220は、加圧ローラー240とともに、定着ニップ部200を形成する。定着ローラー220の駆動制御(例えば、回転のオン/オフ、回転数等)は、制御部100によって行われる。
定着ローラー220は、例えば、鉄等の金属から形成された中実の芯金220aを、表層部の弾性層として厚さ20[mm]の耐熱性のシリコンゴム220b(硬度JIS−A10[°])で被覆し、更に、厚さ30[μm]の低摩擦で耐熱性樹脂であるPTFEでコーティングした樹脂層で被覆している。定着ローラー220のローラー硬度は、ASKER−C硬度で35[°]である。定着ローラー220の外径寸法は、例えば70[mm]である。
加圧ローラー240は、定着ニップ部200を用紙Sが通過する場合(通紙時)、押圧手段(図示略)により定着ベルト230を介して定着ローラー220のシリコンゴム220bに圧接する一方、定着ニップ部200を用紙Sが通過しない場合、定着ローラー220のシリコンゴム220bから離間する。加圧ローラー240の駆動制御(例えば、回転のオン/オフ、回転数等)は、制御部100によって行われる。
加圧ローラー240は、アルミニウム等から形成された肉厚4[mm]の円筒状の芯金240aの外周面を、弾性層として厚さ3[mm]の耐熱性のシリコンゴム240b(硬度JIS−A10[°])で被覆し、更に、厚さ30[μm]のPFAチューブの樹脂層で被覆している。加圧ローラー240の外径寸法は、例えば70[mm]である。加圧ローラー240の温度は、例えば80〜120[℃]に制御されている。
定着ベルト230の内周面側、かつ、定着ベルト230の回転方向における定着ニップ部200の上流側には、定着ベルト230を回転可能に支持しながら定着ベルト230を張架する張架部材260(張架ローラー)が設けられている。張架部材260は、定着ベルト230が回転することに従動して回転する。張架部材260の外径寸法は、例えば16[mm]である。
張架部材260は、定着ローラー220の中心280と加圧ローラー240の中心290とを結んだ直線L1に平行な直線L2であって、定着ベルト230の回転方向における第1定着ニップ部200Aの上流側の点N3を通る直線L2(第1の直線)を、点N3を中心として用紙進入側に角度R傾けた直線L3上に配置されている。
本実施の形態では、張架部材260の手前側および奥側の端部の位置は、それぞれ、矢印E方向に変更可能に構成されている。張架部材260の手前側および奥側の端部の位置を、それぞれ、矢印E方向に変更すると、張架部材260の手前側と奥側とで角度Rを変更することができる。ここで、図4、5を参照し、張架部材260の手前側の端部の位置を変更する具体的な機構について説明する。
図4に示すように、定着部60の手前側には側板420が設けられている。図5に示すように、側板420には、三日月形状の開口部430が形成されている。張架部材260の軸260aは、開口部430内を移動することができる。張架部材260の軸260aは、長方形状の回転部材440の一端側に接続されている。回転部材440は、その他端側に設けられた回転軸440aを中心として矢印E方向に回転可能に構成されている。回転部材440の回転軸440a付近には、回転部材440に接するように、楕円形状のカム400が配置されている。
カム400は、第2駆動部85に接続されている。第2駆動部85は、制御部100からの制御命令を受けた場合、カム400を軸400a中心で回転させる。カム400が回転することによって、カム400に押された回転部材440は、側板420に形成された開口部430の形状に沿って矢印E方向に回転する。回転部材440が矢印E方向に回転することによって、回転部材440の一端側に接続されている張架部材260の軸260aの手前側の端部は矢印E方向に移動する。
なお、張架部材260の奥側の端部の位置を変更する具体的な機構も上述した張架部材260の奥側の端部の位置を変更する構成と同様である。制御部100は、手前側および奥側にそれぞれ設けられるカム400の回転方向、回転量を制御することによって、矢印E方向における回転部材440、ひいては張架部材260の手前側の端部の位置および奥側の端部の位置をそれぞれ任意に制御することができる。なお、手前側および奥側にそれぞれ設けられるカム400、側板420および回転部材440、ならびに第2駆動部85は、張架部材260の手前側の端部の位置および奥側の端部の位置を変更する張架部材位置変更部として機能する。
制御部100は、張架部材位置変更部を制御することにより、張架部材260の手前側の端部の位置および奥側の端部の位置をそれぞれ変更することができる。例えば、張架部材260の奥側の位置を矢印E方向で変更することにより、奥側の角度Rを所定角度(例えば、40[°])より大きくした場合、奥側における加圧ローラー240と定着ベルト230との接触領域は、手前側に比べて増大する。これにより、奥側において、用紙搬送方向の上流側(点N3と点N4との間)の第2定着ニップ部200Bのニップ幅は、手前側に比べて増大する。
張架部材位置変更部および張力変更部は、第2定着ニップ部200Bのニップ面積を変更するニップ面積変更部として機能する。
図4に示すように、用紙搬送方向Xにおける定着ニップ部200の上流側には、定着ニップ部200を通過する用紙Sを当該定着ニップ部200に案内するガイド部材380が配置されている。より具体的には、ガイド部材380は、その先端位置380aが、定着ニップ部200の点、N1、N4を通る直線L4を平行に10[mm]下方に移動させた直線L5上において、定着ベルト230の回転方向における定着ニップ部200の上流側の点N4から直線距離で30[mm]離間した位置となるように配置される。このようにガイド部材380を配置することによって、ガイド部材380が定着ベルト230と接触して定着ベルト230の回転を阻害することを防止し、定着ニップ部200に対して用紙Sをスムーズに進入させることができる。
次に、図6を参照して、搬送状態検出部86が検出する距離の差と用紙Sの弛みの関係について説明する。図6は、手前側に設けられた距離センサー86aが用紙Sとの距離Xfを検出する様子を示している。また、図6には、定着部60の構成のうち、定着ニップを形成する定着ローラー220および加圧ローラー240、ならびに、ガイド部材380および距離センサー86aが示されている。また、図3には、画像形成部40の構成のうち、二次転写ニップを形成する二次転写ローラー424およびバックアップローラー423Bのみが示されている。図6Aは、用紙Sに弛みが少ない場合を示し、図6Bは、用紙Sの弛みが多い場合を示している。以下、用紙Sの弛みの量をループ量と言う。
図6Aに示すように、用紙Sのループ量が小さい場合、手前側に設けられた距離センサー86aが検出する距離Xfは小さくなる。一方で、図6Bに示すように、用紙Sのループ量が大きい場合、手前側に設けられた距離センサー86aが検出する距離Xfは大きくなる。
距離センサー86aは、手前側および奥側の少なくとも2カ所に用紙幅方向に平行に、かつ、用紙搬送方向において画像形成部40よりも定着部60に近い側に配置される。手前側に設けられた距離センサー86aが検出する距離Xfと、奥側に設けられた距離センサー86aが検出する距離Xrとの間に差が生じている場合、用紙Sに用紙搬送方向に対して斜め方向のループが生じている。
例えば、XfとXrとが、Xf>Xrという関係を満たす場合、図3に示したように、手前側における用紙搬送方向下流側から奥側における用紙搬送方向上流側にかけて斜めの弛みが生じる。このような弛みが生じた場合、定着ニップ部200において、奥側の用紙搬送速度を手前側よりも大きくするために、奥側の第2定着ニップ部200Bのニップ面積を手前側に比べて大きくする必要がある。
一方で、XfとXrとが、Xf<Xrという関係を満たす場合、手前側における用紙搬送方向上流側から奥側における用紙搬送方向下流側にかけて斜めの弛みが生じる。このような弛みが生じた場合、定着ニップ部200において、手前側の用紙搬送速度を奥側よりも大きくするために、手前側の第2定着ニップ部200Bのニップ面積を奥側に比べて大きくする必要がある。
制御部100は、搬送状態検出部86が検出した距離Xfと距離Xrとの差に基づいて、張力変更部または張架部材位置変更部を制御することにより、第2定着ニップ部200Bのニップ面積を奥側と手前側との間で変更する。
具体的には、Xf−Xr=0の場合、用紙Sには斜めのループが生じていないため、制御部100は、張力変更部または張架部材位置変更部を制御して、第2定着ニップ部200Bを形成する必要は無い。
また、Xf−Xr>0の場合、用紙Sには図3に示したように、手前側における用紙搬送方向下流側から奥側における用紙搬送方向上流側にかけて斜めのループが生じている。この場合、制御部100は、張力変更部または張架部材位置変更部を制御し、奥側の第2定着ニップ部200Bのニップ面積を手前側よりも増加させる。
Xf−Xr<0の場合、用紙Sには軸方向手前側における用紙搬送方向上流側から軸方向奥側における用紙搬送方向下流側にかけて斜めのループが生じている。この場合、この場合、制御部100は、張力変更部または張架部材位置変更部を制御し、手前側の第2定着ニップ部200Bのニップ面積を奥側よりも増加させる。
次に、図7を参照して、制御部100が距離Xfと距離Xrとの差に基づいて、張力変更部を制御する場合について具体的に説明する。図7には、距離Xfと距離Xrとの差Xf−Xr、および定着ベルト230の手前側の張力Tfと奥側の張力Trとの差Tf−Trの関係が示されている。
図7の横軸は、距離Xfと距離Xrとの差Xf−Xrを示し、図7の縦軸は、定着ベルト230の手前側の張力Tfと奥側の張力Trとの差Tf−Trを示している。図7に示すデータは、例えば実験等により求められ、予め記憶部72に記憶されている。
Xf−Xrが大きいほど、奥側の第2定着ニップ部200Bのニップ面積を手前側よりも増加させる必要がある。奥側の第2定着ニップ部200Bのニップ面積を増加させるためには、定着ベルト230の奥側の張力Trを手前側の張力Tfよりも減少させればよい。そのため、図7に示すように、Xf−Xrが大きいほど、張力の差Tf−Trが大きくなる。
制御部100は、搬送状態検出部86から受け取るXf−Xrの大きさに応じて、記憶部72に記憶されている図7のデータを参照し、定着ベルト230の手前側の張力Tfと奥側の張力Trとの間に差を発生させるように、張力変更部を制御する。手前側の張力Tfと奥側の張力Trに差が発生すると、その差に応じて、手前側と奥側に異なるニップ面積の第2定着ニップ部200Bが形成される。
次に、図8を参照して、制御部100が距離Xfと距離Xrとの差に基づいて、張架部材位置変更部を制御する場合について説明する。図8には、距離Xfと距離Xrとの差Xf−Xr、および張架部材260の奥側の端部の位置および手前側の端部の位置との差Rr−Rfの関係が示されている。
図8の横軸は、距離Xfと距離Xrとの差Xf−Xrを示し、図8の縦軸は、張架部材260の奥側の端部の位置および手前側の端部の位置との差Rr−Rfの関係が示されている。張架部材260の奥側の端部の位置は、図4に示したように、張架部材260の奥側の端部の位置と点N3を結ぶ直線、および点N3を通る直線L2とのなす角の角度Rrで示される。張架部材260の手前側の端部の位置も、同様に、角度Rfで示される。図8に示すデータは、例えば実験等により求められ、予め記憶部72に記憶されている。
Xf−Xrが大きいほど、奥側の第2定着ニップ部200Bのニップ面積を手前側よりも増加させる必要がある。奥側の第2定着ニップ部200Bのニップ面積を増加させるためには、角度Rrを角度Rfよりも増加させて、奥側における加圧ローラー240と定着ベルト230との接触領域を手前側に比べて増大させればよい。そのため、図8に示すように、Xf−Xrが大きいほど、位置の差Rr−Rfが大きくなる。
制御部100は、搬送状態検出部86から受け取るXf−Xrの大きさに応じて、記憶部72に記憶されている図8のデータを参照し、張架部材260の奥側の端部の位置(角度Rr)および手前側の端部の位置(角度Rf)との間に差を発生させるように、張架部材位置変更部を制御する。角度Rrと角度Rfとの間に差が発生すると、その差の量に応じて、手前側と奥側に異なるニップ面積の第2定着ニップ部200Bが形成される。
なお、定着部60は、張力変更部または張架部材位置変更部の少なくともいずれか一方を備えていれば、制御部100は、当該一方を制御することにより、第2定着ニップ部200Bを軸方向で変更することができる。あるいは、定着部60が張力変更部および張架部材位置変更部の両方を備えていれば、制御部100は、両方を制御することにより、第2定着ニップ部200Bを軸方向で変更することができる。
以上詳しく説明したように、本実施の形態では、定着ローラー220(第1加圧部材)と、定着ローラー220を含む複数の支持部材(例えば、加熱ローラー210)に巻き掛けられ、回転可能な定着ベルト230と、定着ベルト230を介して定着ローラー220を加圧することによって、定着ベルト230のうち定着ローラー220と定着ベルト230とが接触する部分との間において第1定着ニップ部200A(定着ニップ部)を形成すると共に、定着ベルト230のうち定着ローラー220と定着ベルト230とが接触しない部分との間において第2定着ニップ部200B(疑似ニップ部)を形成する加圧ローラー240(第2加圧部材)と、加圧ローラー240の軸方向で第2定着ニップ部200Bのニップ面積を変更するニップ面積変更部と、第1定着ニップ部200Aに搬送される用紙の搬送状態を検出する搬送状態検出部86と、ニップ面積変更部を制御し、搬送状態検出部86により検出された搬送状態に基づいて、第1定着ニップ部200Aに搬送される用紙の搬送状態について加圧ローラー240の軸方向で差が生じないようにニップ面積を変更させる制御部と、を備える。
このように構成した本実施の形態によれば、第1定着ニップ部200Aのニップ面積を変更しないため、加圧ローラー240の軸方向における用紙の定着性や光沢度に差が発生することを防止することができる。また、ほとんど加圧されていない疑似ニップである第2定着ニップ部200Bのニップ面積を軸方向で変更することにより、軸方向の手前側と奥側で用紙搬送速度に差をもたせることができるため、用紙に生じる斜め方向の弛みを解消し、用紙の搬送状態を安定化させることができる。
また、本実施の形態では、ニップ面積変更部は、定着ベルト230の内周面側、かつ、定着ベルト230の回転方向における第1定着ニップ部200Aの上流側に設けられ、定着ベルト230を張架する張架部材260の位置を軸方向で変更することにより、第2定着ニップ部200Bのニップ面積を変更する。
このように構成した本実施の形態によれば、制御部100は、定着ベルト230の張力を制御することにより、疑似ニップ部200Bのニップ面積を軸方向で変更できるため、軸方向の手前側と奥側で用紙搬送速度に差をもたせることができる。
また、本実施の形態では、ニップ面積変更部は、加圧ローラー210の位置を軸方向で変更して定着ベルト230の張力を軸方向で変更することにより、第2定着ニップ部200Bのニップ面積を変更する。
このように構成した本実施の形態によれば、制御部100は、張架部材260の位置のすくなくともいずれか一方を制御することにより、第2定着ニップ部200Bのニップ面積を軸方向で変更できるため、軸方向の手前側と奥側で用紙搬送速度に差をもたせることができる。
また、本実施の形態では、用紙の用紙搬送方向における第1定着ニップ部200Aの上流側において、用紙搬送方向に直交する用紙幅方向の異なる位置に設けられ、用紙との間の距離を検出する複数の距離センサー86a(距離検出部)を備え、搬送状態検出部86は、複数の距離センサー86aの検出結果に基づいて、第1定着ニップ部200Aに搬送される用紙の搬送状態を検出する。
このように構成した本実施の形態によれば、複数の距離センサー86aが検出する距離の差を搬送状態として検出することができるため、用紙の斜め方向の弛みを検出できる。
なお、本実施の形態では、疑似ニップとしての第2定着ニップ部200Bのニップ面積を手前側と奥側とで調整する構成について説明した。第2定着ニップ部200Bのニップ面積を手前側と奥側とで調整した場合、定着ニップの入り口の位置が手前側と奥側とでずれてしまうため、用紙が定着ニップ部200に円滑に進入することができない可能性がある。
本実施の形態における変形例では、定着ニップ部200の入り口の位置が手前と奥とでずれてしまった場合でも用紙を定着ニップに円滑に進入させるために、ガイド部材380の位置を手前と奥とで変更することができる構成を有する。
図9を用いて、本実施の形態における変形例について説明する。なお、図9において、図4と同様の構成については同一の符番を付し、その説明を省略する。
図4において説明したように、ガイド部材380は、その先端位置380aが、定着ニップ部200の点N1、N4を通る直線L4を平行に10[mm]下方に移動させた直線L5上において、定着ベルト230の回転方向における定着ニップ部200の上流側の点N4から直線距離で30[mm]離間した位置となるように配置される。
このような構成において、第2定着ニップ部200Bのニップ面積を手前側と奥側とで調整した場合、第2定着ニップ部200Bのニップ面積、つまり、点N1と点N2の間の幅および点N3と点N4との間の幅が手前側と奥側とで変更される。そのため、点N1、N4を通る直線L4の位置がずれてしまう。直線L4の位置が第2定着ニップ部200Bのニップ面積を変更する前の位置からずれてしまった場合においても、定着ニップ部200に対して用紙Sをスムーズに進入させるためには、ガイド部材380の位置を変更する必要がある。本実施の形態における変形例では、定着部60は、ガイド部材380の位置を変更する構成を有する。
具体的に、本実施の形態における変形例では、ガイド部材380の先端側の位置は矢印F方向に変更可能に構成されている。ここで、図9、10を参照し、ガイド部材380の先端側の位置を変更する具体的な機構について説明する。
図9に示すように、定着部60の手前側には側板520が設けられている。図10に示すように、側板520には、長方形状の開口部530が形成されている。ガイド部材380の後端側に設けられた軸380bは、開口部530内を移動することができる。ガイド部材380の先端側に設けられた軸380cは、長方形状の回転部材540の一端側に接続されている。回転部材540は、その他端側に設けられた回転軸540aを中心として矢印F方向に回転可能に構成されている。回転部材540の回転軸540a付近には、回転部材540に接するように、楕円形状のカム500が配置されている。
カム500は、図示しない第3駆動部に接続されている。第3駆動部は、制御部100からの制御命令を受けた場合、カム500を軸500a中心で回転させる。カム500が回転することによって、カム500に押された回転部材540は矢印F方向に回転する。回転部材540が矢印F方向に回転することによって、回転部材540の一端側に接続されているガイド部材380の先端側の軸380cは矢印F方向に移動する。その一方、固定されていないガイド部材380の後端側の軸380bは、側板520に形成された開口部530の形状に沿って矢印H方向に移動する。
つまり、制御部100は、カム500の回転方向、回転量を制御することによって、ガイド部材380の位置、より具体的には矢印F、H方向におけるガイド部材380の先端端および後端側の位置を任意に制御することができる。なお、第3駆動部、カム500、側板520および回転部材540は、ガイド部材380の位置を変更するガイド部材位置変更部として機能する。
制御部100は、ガイド部材位置変更部を制御することにより、ガイド部材380の先端側および後端側の位置をそれぞれ変更することができる。例えば、制御部100は、手前側の定着ニップ部200と奥側の定着ニップ部200のうち、ニップ面積の大きい側を基準とし、ニップ面積の大きい側の定着ニップ部200の点N1、N4を通る直線の位置に合わせて、ガイド部材380の位置を変更する。
以上説明した本実施の形態における変形例では、第1定着ニップ部200A(定着ニップ部)に用紙を案内するガイド部材380と、ガイド部材380の位置を変更するガイド部材位置変更部と、を更に備え、制御部100は、ニップ面積変更部によるニップ面積の変更量に応じて、ガイド部材380の位置を変更するようにガイド部材位置変更部を制御する構成を採る。
この構成により、制御部100が第2定着ニップ部200Bのニップ面積を手前側と奥側とで調整したことにより、第2定着ニップ部200Bのニップ面積を変更する前の位置からずれてしまっても、制御部100は、ずれた後の直線L4の位置に合わせて、ガイド部材380の先端位置380aおよび後端側の軸380bを調整することができる。ガイド部材380の位置を調整することにより、用紙を定着ニップに円滑に進入させることができる。
なお、本実施の形態では、制御部100は、疑似ニップとしての第2定着ニップ部200Bのニップ面積を手前側と奥側とで変更するために、ニップ面積変更部を制御する構成について説明した。ニップ面積変更部を制御する場合、定着ベルト230が手前側または奥側に片寄ってしまう可能性がある。具体的には、定着ベルト230の張力を手前側と奥側とで変更することにより第2定着ニップ部200Bのニップ面積を調整した場合、定着ベルト230は、手前側と奥側とで張力が小さい方へ片寄ってしまう。また、張架部材260の端部の位置(角度R)を手前側と奥側とで変更することにより第2定着ニップ部200Bのニップ面積を調整した場合、定着ベルト230は、手前側と奥側とで角度Rの小さい方へ片寄ってしまう。定着ベルト230が手前側または奥側に片寄った状態で、定着動作を行い続けてしまうと、定着ベルト230が破損してしまう可能性がある。
本実施の形態における変形例では、定着ベルト230の片寄りを解消するために、定着ベルト230の張力の変更、または張架部材260の位置(角度R)の変更と同時に、定着ベルト230を軸方向に移動させる。以下の変形例では、定着ベルト230を軸方向に移動させる移動部の構成の例として、加熱ローラー210の位置を変更する構成について説明する。
図11を用いて、本実施の形態における変形例について説明する。なお、図11において、図4と同様の構成については同一の符番を付し、その説明を省略する。図11の構成は、図4の天板360に代わり、天板760を有する。
天板760は、定着器F内に、画像形成装置1の水平方向と略平行な矢印Z方向に移動可能に設けられる。天板760は、手前側および奥側にそれぞれ設けられる。制御部100が天板760を矢印Z方向への移動量を制御することにより、ピン340、350、テンションばね320、330を介して天板760と接続している支持部材310、ひいては加熱ローラー210を矢印Z方向に移動させる。
制御部100は、加熱ローラー210の手前側の端部を矢印Z方向へ移動させると共に、加熱ローラー210の軸方向の中央が支点となるように手前側の端部の移動に応じて奥側の端部を矢印Z方向へ移動させるように、奥側の天板760の移動量を制御する。
具体的に、図12、13を参照して、加熱ローラー210の移動量について説明する。図12、図13に示すデータは、例えば実験等により求められ、予め記憶部72に記憶されている。
図12は、定着ベルト230の張力を手前側と奥側とで変更することにより第2定着ニップ部200Bのニップ面積を調整した場合の加熱ローラー210の移動量を示している。図12の縦軸は、定着ベルト230の手前側の張力と奥側の張力との差Tf−Trを示し、横軸は、加熱ローラー210の手前側の位置を示している。なお、加熱ローラー210の手前側の位置は、デフォルト位置をゼロとし、デフォルト位置から用紙搬送方向上流側に移動させる量を正とする。
例えば、Tf−Tr>0の場合、つまり、定着ベルト210の奥側の張力Trを手前側の張力Tfに比べて減少させて、第2定着ニップ部200Bのニップ面積を変更した場合、図12に示すように、制御部100は、加熱ローラー210の手前側の端部を、軸方向の中央を支点として矢印Z方向の正方向(用紙搬送方向上流側)へ移動させる。
図13は、張架部材260の端部の位置(角度R)を手前側と奥側とで変更することにより第2定着ニップ部200Bのニップ面積を調整した場合の加熱ローラー210の移動量を示している。図13の縦軸は、張架部材260の奥側の端部の位置(角度Rr)と手前側の端部の位置(角度Rf)との差Rr−Rfを示し、横軸は、加熱ローラー210の手前側の位置を示している。なお、加熱ローラー210の手前側の位置は、デフォルト位置をゼロとし、デフォルト位置から用紙搬送方向上流側に移動させる量を正とする。
例えば、Rr−Rf>0の場合、つまり、張架部材260の奥側の端部の角度Rrを手前側の角度Rfに比べて増大させて、第2定着ニップ部200Bのニップ面積を変更した場合、図13に示すように、制御部100は、加熱ローラー210の手前側の端部を、軸方向の中央を支点として矢印Zの負方向(用紙搬送方向下流側)へ移動させる。
以上説明した本実施の形態における別の変形例では、定着ベルト230を加圧ローラー240の軸方向に移動させる移動部を備え、制御部100は、移動部を制御し、ニップ面積変更部によるニップ面積の変更量に応じて、定着ベルト230の軸方向に発生した片寄りが解消されるように定着ベルト230を軸方向に移動させる。
この構成において、加熱ローラー210の端部の位置を移動させることにより、第2定着ニップ部200Bのニップ面積を手前側と奥側とで変更するためにニップ面積変更部を制御した際に発生する定着ベルト230の片寄りを解消することができる。
なお、定着ベルト230の片寄りを解消させるために加熱ローラー210を移動させる制御は、制御部100がニップ面積変更部を制御すると同時に行ってもよいし、必ずしも同時でなくてもよい。例えば、制御部100は、搬送される用紙間で加熱ローラー210を移動させる制御を行ってもよい。この場合、用紙を定着ニップ部200に通紙させている間に加熱ローラー210を移動させずに済むため、用紙の画像不良を防止することができる。
また、本実施の形態では、制御部100は、搬送状態検出部86が搬送される用紙の搬送状態を受け取った際に、ニップ面積変更部を制御して、当該用紙が定着ニップ部200を通過する際の第2定着ニップ部200Bを変更する構成について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、制御部100は、搬送状態検出部86が検出した1枚目に搬送された用紙の搬送状態を受け取り、その1枚目の用紙の搬送状態に基づいて、2枚目以降に搬送される用紙に対して、一律にニップ面積変更部を制御して、2枚目以降に定着ニップ部200を通過する際の第2定着ニップ部200Bを変更する構成であってもよい。
また、本実施の形態では、上側定着部60Aに定着ベルト230が設けられた上ベルト定着方式の構成について説明したが、下側定着部60Bに定着ベルトが設けられる下ベルト定着方式、または上側定着部60Aおよび下側定着部60Bの両方に定着ベルトが設けられる上下ベルト定着方式の構成であってもよい。
また、本実施の形態では、張架部材260が定着ベルト230の回転方向における定着ニップ部200の上流側に設けられる構成について説明したが、張架部材260は、定着ベルト230の回転方向における定着ニップ部200の下流側に設けられていても良い。また、張架部材260の代わりに、樹脂のパッドなどを用いても良い。
また、本実施の形態では、距離センサー86aが画像形成部40よりも定着部60に近い側に設けられる構成について説明したが、距離センサー86aは定着部60よりも画像形成部40に近い側に設けられる構成であってもよい。この構成の場合、手前側に設けられた距離センサー86aが検出する距離Xfと、奥側に設けられた距離センサー86aが検出する距離Xrとの間の大小関係が実施の形態において説明した大小関係と逆になる。例えば、XfとXrとが、Xf<Xrという関係を満たす場合、図3に示したように、手前側における用紙搬送方向下流側から奥側における用紙搬送方向上流側にかけて斜めの弛みが生じている。
また、本実施の形態では、距離センサー86aが光学式センサーである構成について説明したが、距離センサーは、接触式の圧力センサーであってもよい。
1 画像形成装置
10 画像読取部
11 自動原稿給紙装置
12 原稿画像走査装置
20 操作表示部
21 表示部
22 操作部
30 画像処理部
40 画像形成部
41 画像形成ユニット
42 中間転写ユニット
50 用紙搬送部
51 給紙部
52 排紙部
53 搬送経路部
60 定着部
60A 上側定着部
60B 下側定着部
60C 加熱源
71 通信部
72 記憶部
80 第1駆動部
85 第2駆動部
86 搬送状態検出部
86a 距離センサー
100 制御部
101 CPU
102 ROM
103 RAM
200 定着ニップ部
200A 第1定着ニップ部
200B 第2定着ニップ部
210 加熱ローラー
220 定着ローラー
230 定着ベルト
240 加圧ローラー
250 ハロゲンヒーター
260 張架部材
310 支持部材
320、330 テンションばね
340、350 ピン
360、760 天板
380 ガイド部材
400、500 カム
411 露光装置
412 現像装置
413 感光体ドラム
414 帯電装置
415 ドラムクリーニング装置
420、520 側板
421 中間転写ベルト
422 一次転写ローラー
423 支持ローラー
423A 駆動ローラー
423B バックアップローラー
424 二次転写ローラー
426 ベルトクリーニング装置
430、530 開口部
440、540 回転部材

Claims (7)

  1. 第1加圧部材と、
    前記第1加圧部材を含む複数の支持部材に巻き掛けられ、回転可能な定着ベルトと、
    前記定着ベルトを介して前記第1加圧部材を加圧することによって、前記定着ベルトのうち前記第1加圧部材と前記定着ベルトとが接触する部分との間において定着ニップ部を形成すると共に、前記定着ベルトのうち前記第1加圧部材と前記定着ベルトとが接触しない部分との間において疑似ニップ部を形成する第2加圧部材と、
    前記第2加圧部材の軸方向で前記疑似ニップ部のニップ面積を変更するニップ面積変更部と、
    前記定着ニップ部に搬送される用紙の搬送状態を検出する搬送状態検出部と、
    前記ニップ面積変更部を制御し、前記搬送状態検出部により検出された前記搬送状態に基づいて、前記定着ニップ部に搬送される用紙の搬送状態について前記第2加圧部材の軸方向で差が生じないように前記ニップ面積を変更させる制御部と、
    を備える定着装置。
  2. 前記ニップ面積変更部は、前記定着ベルトの内周面側、かつ、前記定着ベルトの回転方向における前記定着ニップ部の上流側に設けられ、前記定着ベルトを張架する張架部材の位置を前記軸方向で変更することにより、前記疑似ニップ部のニップ面積を変更する、
    請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記ニップ面積変更部は、前記支持部材の位置を前記軸方向で変更して前記定着ベルトの張力を前記軸方向で変更することにより、前記疑似ニップ部のニップ面積を変更する、
    請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記用紙の用紙搬送方向における前記定着ニップ部の上流側において、前記用紙搬送方向に直交する用紙幅方向の異なる位置に設けられ、前記用紙との間の距離を検出する複数の距離検出部を備え、
    前記搬送状態検出部は、前記複数の距離検出部の検出結果に基づいて、前記定着ニップ部に搬送される用紙の搬送状態を検出する、
    請求項1〜3の何れか一項に記載の定着装置。
  5. 前記定着ニップ部に前記用紙を案内するガイド部材と、
    前記ガイド部材の位置を変更するガイド部材位置変更部と、
    を更に備え、
    前記制御部は、前記ニップ面積変更部による前記ニップ面積の変更量に応じて、前記ガイド部材の位置を変更するように前記ガイド部材位置変更部を制御する、
    請求項1〜4の何れか一項に記載の定着装置。
  6. 前記定着ベルトを前記軸方向に移動させる移動部を備え、
    前記制御部は、前記移動部を制御し、前記ニップ面積変更部による前記ニップ面積の変更量に応じて、前記定着ベルトの前記軸方向に発生した片寄りが解消されるように前記定着ベルトを前記軸方向に移動させる、
    請求項1〜5の何れか一項に記載の定着装置。
  7. 第1加圧部材と、
    前記第1加圧部材を含む複数の支持部材に巻き掛けられ、回転可能な定着ベルトと、
    前記定着ベルトを介して前記第1加圧部材を加圧することによって、前記定着ベルトのうち前記第1加圧部材と前記定着ベルトとが接触する部分との間において定着ニップ部を形成すると共に、前記定着ベルトのうち前記第1加圧部材と前記定着ベルトとが接触しない部分との間において疑似ニップ部を形成する第2加圧部材と、
    前記第2加圧部材の軸方向で前記疑似ニップ部のニップ面積を変更するニップ面積変更部と、
    前記定着ニップ部に搬送される用紙の搬送状態を検出する搬送状態検出部と、
    前記ニップ面積変更部を制御し、前記搬送状態検出部により検出された前記搬送状態に基づいて、前記定着ニップ部に搬送される用紙の搬送状態について前記第2加圧部材の軸方向で差が生じないように前記ニップ面積を変更させる制御部と、
    を備える画像形成装置。
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