JP2018145607A - 作業装置及び張出架設工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】張出部の無い柱頭部上に設置した作業車を用いて作業架台を懸下しても、その作業架台が橋脚又は橋台に当たらないようにする。【解決手段】作業装置10は、柱頭部3上に支持され、柱頭部3から橋軸方向前側へ張り出した作業車30と、作業車3に設けられた第一横梁32と、第一横梁32上に据え付けられた延長治具40と、延長治具40から懸下された作業架台50と、を備える。延長治具40が、橋軸方向に延在して第一横梁32に設けられ、第一横梁32よりも橋軸方向前側に張り出した縦梁41と、縦梁41によって橋軸方向にガイドされ、橋幅方向に延在し、作業架台50を懸下した状態に支持した第二横梁42と、第二横梁42を第一横梁42よりも橋軸方向前側の位置と第一横梁32に揃う位置との間に移動させる油圧ジャッキ45と、を有する。【選択図】図5

Description

本発明は、橋桁の張出架設工法に用いる作業装置に関するとともに、前記作業装置を用いた張出架設工法に関する。
張出架設工法とは、橋桁の既設部分の先端から新設ブロックを橋軸方向前側に張り出すように構築することによって、橋桁を延伸する工法である(例えば、特許文献1の図15〜図17参照)。以下、特許文献1で用いられた符号を括弧書きで表記し、特許文献1に記載の技術について簡単に説明する。
特許文献1に記載されているように、張出架設工法の実施にあたっては、まず橋脚(100,120)を構築する。続いて、橋脚(100)の両横にブラケット支保工(110)を設置し、ブラケット支保工(110)上に型枠(111)を組み、型枠(111)内にコンクリートを打設することによって柱頭部(121)を橋脚(100,120)の上に構築する。柱頭部(121)は橋脚(100,120)の上から橋軸方向に張り出したものであり、このような柱頭部(121)を構築するために、大規模なブラケット支保工(110)を設置する必要がある。
柱頭部(121)の構築後、型枠(111)及びブラケット支保工(110)を撤去する。また、柱頭部(121)の張出部(121a)上に作業車(10a)を設置することによって、作業車(10a)の一部を柱頭部(121)の張出部(121a)から張り出す。そして、作業車(10a)から作業架台(122)及び型枠台(123)を吊り下げて、作業架台(122)及び型枠台(123)の一部を柱頭部(121)の張出部(121a)の下に入り込ませる。その後、型枠台(123)上に型枠を設置した後、その型枠内にコンクリートを打設する。これにより、柱頭部(121)の張出部(121a)の先端からブロック(131)を橋軸方向前側に張り出すように構築する。以後、ブロックの施工の度に作業車(10a)を前進させて、ブロックを順次施工することによって、橋桁を延長する。
特開2004−218316号公報
ところで、特許文献1に記載の技術では、大規模なブラケット支保工(110)の設置及び撤去に時間を要するので、工期が長期化してしまう。
工期の短縮化を図るべく、ブラケット支保工(110)を小規模なものとして、張出部(121a)の無い柱頭部(121)を構築することも考えられる。ところが、作業車(10a)のバランスの都合上、作業車(10a)の車輪を柱頭部(121)よりも橋軸方向前側に配置することができない。それゆえ、張出部(121a)の無い柱頭部(121)を構築した場合、吊り下げた作業架台(122)が橋脚(100,120)に当たってしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、張出部の無い柱頭部上に設置した作業車を用いて作業架台を懸下しても、その作業架台が橋脚又は橋台に当たらないようにすることである。
以上の課題を解決するべく、橋桁を橋軸方向に延伸する張出架設工法に用いられる作業装置は、前記橋桁の既設部分上に支持され、前記既設部分から前記橋軸方向の延伸側へ張り出した作業車と、前記橋幅方向に延在するとともに、前記作業車のうち前記既設部分から張り出した部分に設けられた第一横梁と、前記第一横梁上に据え付けられた延長治具と、前記延長治具から懸下された作業架台と、を備え、前記延長治具が、前記橋軸方向に延在して前記第一横梁に設けられ、前記第一横梁よりも前記橋軸方向の延伸側に張り出した縦梁と、前記縦梁によって前記橋軸方向にガイドされ、前記橋幅方向に延在し、前記作業架台を懸下した状態に支持した第二横梁と、前記第二横梁を前記第一横梁よりも前記橋軸方向の延伸側の位置と前記第一横梁に揃う位置との間に移動させる駆動部と、を有する。
前記作業装置を用いて橋桁を延伸する張出架設工法は、前記橋桁の一部としての柱頭部を橋脚又は橋台の上に構築する柱頭部構築工程と、前記作業車を前記柱頭部上に支持するとともに、前記作業車を前記柱頭部から前記橋軸方向の延伸側へ張り出し、前記第一横梁を前記橋幅方向に延在させるように前記第一横梁を前記作業車のうち前記既設部分から張り出した部分に設け、前記縦梁を橋軸方向に延在させるよう前記第一横梁に設け、前記縦梁を前記第一横梁よりも前記橋軸方向の延伸側に張り出し、前記第二横梁を前記橋幅方向に延在させるように且つ前記第二横梁を前記縦梁によって前記橋軸方向にガイドするように前記第二横梁を前記第一横梁よりも前記橋軸方向の延伸側の位置に設け、前記第二横梁から前記作業架台を懸下する組立工程と、前記柱頭部の前記橋軸方向の延伸側且つ前記作業架台の上方に前記橋桁の一部としての第一ブロックを構築する第一ブロック構築工程と、前記作業車を前記柱頭部上から前記第一ブロック上に移動させることによって、前記作業車を前記第一ブロックから前記橋軸方向の延伸側へ張り出す移設工程と、前記駆動部により前記第二横梁を前記第一横梁に揃う位置に移動させる後退工程と、前記第一ブロックの前記橋軸方向の延伸側且つ前記作業架台の上方に前記橋桁の一部としての第二ブロックを構築する第二ブロック構築工程と、を含む。
以上によれば、駆動部により延長治具の第二横梁が第一横梁よりも橋軸方向延伸側に位置していると、延長治具の第二横梁から懸下された作業架台が橋脚に当接しない。よって、作業架台が傾かず、作業架台上で作業して、柱頭部の橋軸方向延伸側に第一ブロックを構築することができる。
一方、駆動部により延長治具の第二横梁が第一横梁に揃う位置に後退すると、懸下された作業架台が第一ブロックの下に入り込む。よって、作業架台上で作業して、第一ブロックの橋軸方向延伸側に第二ブロックを構築することができる。
前記張出架設工法が、前記柱頭部の前記橋軸方向延伸側の反対面にブラケットを設置する工程を更に含み、前記組立工程において前記作業車をアンカーにより前記ブラケットに支持する。
以上によれば、作業車及び作業架台の荷重によって作業車が橋軸方向延伸側に倒れるような回転力はアンカーを介してブラケットに受けられる。それゆえ、作業車が柱頭部上で安定して支持される。
好ましくは、前記作業架台が前記第二横梁から前記第一横梁に懸下し替え可能である。更に好ましくは、前記延長治具が前記第一横梁に対して着脱可能である。
以上によれば、延長治具を前記作業車とは別の作業車に取り付けることができる。つまり、延長治具を複数の作業車に兼用することができる。
本発明によれば、張出部の無い柱頭部上に設置した作業車を用いて作業架台を懸下しても、その作業架台が橋脚又は橋台に当たらないようにすることができる。
図1は、作業装置の側面図である。 図2は、橋脚及び柱頭部を構築する工程を示した側面図である。 図3は、柱頭部にブラケットを取り付ける工程を示した側面図である。 図4は、柱頭部上にレールを設置する工程を示した側面図である。 図5は、作業車及び延長治具を組み立てる工程を示した側面図である。 図6は、橋桁のブロックを構築する工程を示した側面図である。 図7は、レールを前進させる工程を示した側面図である。 図8は、作業車を前進させる工程を示した側面図である。 図9は、延長治具の横梁を後退させ、作業架台及び型枠受け架台を延長治具の横梁から作業車の横梁に懸下し替える工程を示した側面図である。 図10は、延長治具を取り外す工程を示した側面図である。 図11は、橋桁のブロックを構築する工程を示した側面図である。 図12は、レールを前進させる工程を示した側面図である。 図13は、作業車を前進させる工程を示した側面図である。 図14は、反対側に延長治具及び別の作業車を組み立てる工程を示した側面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
<1.作業装置>
図1は、橋桁を構築するための張出架設工法に利用される作業装置10の側面図である。張出架設工法は、作業装置10を用いて橋桁の既設部分から橋軸方向に新設ブロックを張り出すようにその新設ブロックを施工することによって、橋桁を橋軸方向に延伸する工法である。ここで、以下では、「橋軸方向」を「前後方向」と、「橋幅方向」を「左右方向」ということもある。また、「前後方向」のうち、橋脚又は橋台から橋桁の既設部分の先端に向かう方向を「前方」とし、橋桁の既設部分の先端から橋脚又は橋台に向かう方向を「後方」とする。「前方」は橋桁を延伸する方向であるので、「橋軸方向の前側」とは「橋軸方向の延伸側」のことをいう。
まず、作業装置10について説明する。
作業装置10は、一対のレール20、複数のアンカー21、作業車30、複数のアンカー36、延長治具40、作業架台(足場)50及び型枠受け台60等を備える。
一対のレール20は、橋幅方向(図2の紙面に垂直な方向)に間隔を置いて橋軸方向に延在しているとともに、アンカー21によって設置面9上に複数の枕木22を介して据え付けられている。設置面9とは、橋桁の既設部分の上面である。
作業車30は、左右一対の主構31と、第一の前側横梁32と、第一の後ろ側横梁33と、左右一対の前側滑走体34と、左右一対の後ろ側滑走体35と、を有する。
一対の主構31は、橋幅方向に間隔を置いて互いに平行に配置されている。主構31は、側面から見て略平行四辺形に成したトラス構造体であり、主構31のトラス構面は橋幅方向に向けられている。
一対の主構31同士は、それらの上部間に架け渡された前側横梁32及び後ろ側横梁33によって連結されている。横梁32,33は橋桁の幅よりも長く、横梁32,33の両端が橋桁よりも橋幅方向外側に張り出している。前側横梁32の両端部には吊り材(例えば、鋼棒、形鋼)38の上端が固定されており、吊り材38が前側横梁32から設置面9よりも更に下方へ垂下している。同様に、吊り材39が後ろ側横梁33の両端から垂下している。
主構31の下部の前端と後端には、ローラー等を有する滑走体34,35がジャッキを介して取り付けられている。滑走体34,35がレール20に係合するとともにレール20に対して滑走可能であり、滑走体34,35によって作業車30がレール20上を橋軸方向に移動可能となっている。
また、作業車30の主構31はアンカー36によって橋桁の既設部分に固定される。ここで、アンカー21によってレール20を橋桁に固定し、アンカー36による主構31の固定を解除した状態では、レール20及び滑走体34,35によって作業車30を橋軸方向に移動させることができる。一方、アンカー36によって作業車30を固定し、アンカー21によるレール20の固定を解除した状態では、レール20を橋軸方向に移動させることができる。
横梁32,33上には、延長治具40が据え付けられている。延長治具40は横梁32,33に対して着脱可能である。
延長治具40は、左右一対の縦梁41と、第二の前側横梁42と、第二の後ろ側横梁43と、左右一対の前側走行体44と、左右一対の後ろ側走行体45と、油圧ジャッキ46と、を備える。
縦梁41は、作業車30の前側横梁32と後ろ側横梁33との間に架設されていて、ボルト等の締結具によってこれら横梁32,33に固定されている。締結具による締結を解除すれば、縦梁41を横梁32,33から取り外すことができる。
縦梁41は横梁32と横梁33との間の間隔よりも長く、縦梁41の前端が前側横梁32よりも前方に張り出し、縦梁41の後端が後ろ側横梁33よりも後方に張り出している。更に、縦梁41の前端は、作業車30の前端よりも、つまり主構31の前端よりも、前方に張り出している。
横梁42,43は、左右の縦梁41間に架け渡されていて、縦梁41によって橋軸方向に案内される。横梁42,43同士は、それらの間に架設されたステー47によって連結されている。横梁42,43間の間隔は、作業車30の横梁32,33間の間隔に等しい。
ここで、前側横梁42の下端には、縦梁41に係合するとともに縦梁41に対して滑走可能な左右一対の前側走行体(例えば両ローラガイド付きチルタンク)44が取り付けられており、前側走行体44及び縦梁41によって前側横梁42が縦梁41上を橋軸方向にガイドされる。同様にして、後ろ側横梁43が縦梁41上を橋軸方向にガイドされるように、後ろ側横梁43の下端に左右一対の後ろ側走行体45が設けられている。
後ろ側横梁43と縦梁41の後端との間には、油圧により伸縮する油圧ジャッキ(駆動部)46が設けられている。油圧ジャッキ46の伸縮によって横梁42,43が橋軸方向に移動する。油圧ジャッキ46が伸長した状態では、延長治具40の横梁42,43が作業車30の横梁32,33よりも橋軸方向前側に位置する。一方、油圧ジャッキ46が収縮した状態では、横梁42,43は作業車30の横梁32,33にそれぞれ位置が揃う。
なお、油圧ジャッキ46の代わりに油圧シリンダが後ろ側横梁43と縦梁41の後端との間に設けられ、油圧シリンダの伸縮によって横梁42,43が橋軸方向に移動してもよい。また、油圧ジャッキ46の代わりに油圧モーター又は電動モーターと直動伝動機構とによって、横梁42,43が橋軸方向に移動してもよい。
横梁42,43は橋桁の幅よりも長く、横梁42,43の両端が橋桁よりも橋幅方向外側に張り出している。前側横梁42の両端部には吊り材(例えば、鋼棒、H形鋼)48の上端が固定されており、吊り材48が前側横梁42から設置面9よりも更に下方へ垂下している。同様に、吊り材49が後ろ側横梁43から垂下している。
吊り材48,49の下端には作業架台50が取り付けられている。作業架台50は、吊り材48,49によって横梁42,43から懸下されて、水平な姿勢に維持されている。作業架台50上の前部には、枠組足場70が設置されている。
作業架台50は、延長治具40の横梁42,43から作業車30の横梁32,33に付け替えることができる。つまり、作業架台50を吊り材48,49によって延長治具40の横梁42,43から懸下した状態から、作業架台50を吊り材38,39によって作業車30の横梁32,33から懸下した状態に変更することができる。
また、横梁42,43からチェーンブロックが垂下して、型枠受け台60がチェーンブロックによって作業架台50よりもやや高い位置において作業架台50から独立して昇降し得るよう懸下されている。型枠受け台60は、形鋼を格子状に組んだものである。型枠受け台60上に橋桁のブロック用の型枠を設置することができる。
型枠受け台60も、延長治具40の横梁42,43から作業車30の横梁32,33に懸下し替えることができる。
<2.作業装置を用いた張出架設工法>
(1)橋脚及び柱頭部の構築
まず、図2に示すように、橋脚2を構築した後、橋脚2の上に柱頭部3を構築する。柱頭部3は、橋桁の構成要素であって、最初に構築するブロックである。柱頭部3は橋脚2から橋軸方向に張り出しておらず、橋軸方向に沿う柱頭部3の長さは橋軸方向に沿う橋脚2の長さに等しい。
(2)ブラケットの設置
次に、図3に示すように、柱頭部3の橋軸方向後ろ側の面にブラケット80を固定する。なお、作業車30の滑走体34,35間の間隔が柱頭部3の長さLよりも狭ければ、ブラケット80を設置しなくてもよい。
(3)作業装置の組み立て
次に、図4に示すように、左右のレール20の前端を柱頭部3の橋軸方向前側の面に位置を揃えて、レール20の後部を柱頭部3の上面から後方へ延び出た状態にして、柱頭部3の上面の上に枕木22を介してレール20を敷設する。そして、これらレール20をアンカー21によって柱頭部3及びブラケット80に固定する。柱頭部3から後方へ張り出したレール20の後部をアンカー21によってブラケット80に固定したので、レール20が安定する。
次に、図5に示すように、レール20上に作業車30を組み立てるとともに、作業車30をアンカー36によって柱頭部3及びブラケット80に固定する。ここで、作業車30の固定に際しては、前側の滑走体34をレール20の前端に位置させて、主構31の上部前側の節点及び前側横梁32を柱頭部3よりも前方に位置させる。前側滑走体34が柱頭部3上に位置するので、作業車30が安定して柱頭部3上に設置される。
更に、作業車30の横梁32,33上に延長治具40を組み立てるとともに、延長治具40の縦梁41を作業車30の横梁32,33に固定する。ここで、縦梁41の固定の際には、縦梁41の前端を作業車30の前側横梁32よりも前方に張り出し、縦梁41の後端を作業車30の後ろ側横梁33よりも後方に張り出す。また、延長治具40の組み立てに際しては、延長治具40の前側横梁42を作業車30の前側横梁32よりも前方に位置させ、延長治具40の後ろ側横梁43を作業車30の後ろ側横梁33及び柱頭部3よりも前方に位置させ、油圧ジャッキ46を伸長させた状態にする。
以上のように延長治具40を据え付けた後、吊り材48,49によって延長治具40の横梁42,43から作業架台50を懸下して、作業架台50上に枠組足場70を設置する。また、チェーンブロックによって延長治具40の横梁42,43から型枠受け台60を懸下する。この際、作業架台50及び型枠受け台60が柱頭部3や橋脚2に当たらない。これは、油圧ジャッキ46が伸長した状態であり、延長治具40の横梁42,43が作業車30の横梁32,33よりも前に位置しているためである。
ここで、レール20及び作業車30がアンカー21,36によってブラケット80に固定されているので、作業車30、延長治具40、作業架台50、型枠受け台60及び枠組足場70の荷重によって作業車30が前側に倒れるような回転力(図5の矢印A参照)はブラケット80に受けられる。それゆえ、作業車30、延長治具40、作業架台50、型枠受け台60及び枠組足場70が安定する。
(4)ブロックの構築
次に、型枠受け台60上に型枠を組むと共に、鉄筋を配筋して、型枠内にコンクリートを打設する。これにより、図6に示すように、橋桁の一部であるブロック4を柱頭部3の前側に施工して、ブロック4と柱頭部3を一体化させる。ブロック4は橋桁の一部であり、ブロック4の施工によって橋桁をブロック4の分だけ橋軸方向前側に延伸することになる。ブロック4の施工に際しては、レール20が柱頭部3から前側に張り出していないので、ブロック4の構築の際にレール20が邪魔にならない。
(5)レールの前進
ブロック4のコンクリートの硬化後に型枠を解体し、ブロック4の上にも枕木22(図7参照)を据え付け、アンカー21を柱頭部3及びブラケット80から一旦外す。そして、図7に示すように、レール20をブロック4上にまで前方に移動して、レール20の前端をブロック4の前端に位置を揃えた後、アンカー21によってレール20を柱頭部3及びブロック4に固定する。
(6)作業車の前進
次に、図8に示すように、アンカー36を柱頭部3及びブラケット80から一旦外した後、作業車30をブロック4上にまで前方に移動して、アンカー36によって作業車30を柱頭部3及びブロック4に固定する。この際、前側の滑走体34をレール20の前端に位置させて、主構31の上部前側の節点及び前側横梁32をブロック4から前方に位置させる。
(7)延長治具の横梁の後退
次に、図9に示すように、油圧ジャッキ46を収縮させることによって、延長治具40の横梁42,43を作業車30の横梁32,33にそれぞれ位置を揃えるまで、延長治具40の横梁42,43を後退させる。そうすると、作業架台50及び型枠受け台60の一部がブロック4の下に入り込む。
(8)作業架台及び型枠受け梁の懸下し替え
次に、吊り材38,39を作業車30の横梁32,33から垂下させて、吊り材38,39の下端を作業架台50に固定する。そして、吊り材48,49を作業架台50から取り外す。これにより、作業架台50を延長治具40の横梁42,43から作業車30の横梁32,33に懸下し替える。
更に、チェーンブロックによって作業車30の横梁32,33から型枠受け台60を懸下することによって、型枠受け台60を延長治具40の横梁42,43から作業車30の横梁32,33に懸下し替える。
(9)延長治具の取り外し及びブラケットの撤去
次に、図10に示すように、延長治具40を作業車30から取り外すとともに、ブラケット80を柱頭部3から取り外す。延長治具40を作業車30から取り外すことができたのは、作業架台50及び型枠受け台60を延長治具40の横梁42,43から作業車30の横梁32,33に懸下し替えたためである。
(10)ブロックの構築
次に、型枠受け台60上に型枠を組むと共に、鉄筋を配筋して、型枠内にコンクリートを打設する。これにより、図11に示すように、ブロック5をブロック4の前側に施工して、ブロック4,5を一体化させる。これにより、橋桁をブロック5の分だけ橋軸方向前側に延伸することになる。
(11)レール及び作業車の前進
次に、図12に示すように、レール20全体が柱頭部3及びブロック4,5の上に載るまで、レール20を前方に移動した後、図13に示すように作業車30をブロック5上にまで前方に移動する。
(12)反対側の作業車の組み立て及び延長治具の取り付け
次に、図14に示すように、作業車30と同一の作業車30Aを作業車30と反対向きになるようにレール20上の作業車30の後ろ側に組み立てた後、作業車30A上に延長治具40を組み付ける。そして、作業架台50と同一の作業架台50Aを延長治具40の横梁42,43から懸下するとともに、型枠受け台60と同一の型枠受け台60Aを延長治具40の横梁42,43から懸下する。更に、枠組足場70と同一の枠組足場70Aを作業架台50A上に設置する。
(13)反対側のブロックの構築
その後、ブロック4とブロック5を施工したのと同様にして、ブロック4A,ブロック5Aを順次施工する。なお、作業車30Aをブロック4A,5A上に前進させるに際して、延長レールをブロック4A,5Aに設置することになる。
(14)橋桁の延伸構築
以後、ブロック5を施工したのと同様にして、ブロック5の先にブロックを順次施工するとともに、ブロック5Aの先にブロックを順次施工する。こうして、橋桁を橋軸方向に順次張り出すように延伸構築する。
<3.効果>
(a) 図5に示すように、油圧ジャッキ46が伸長した状態では、延長治具40の横梁42,43が作業車30の横梁32,33よりも橋軸方向前側に位置している。そうすると、横梁42,43から懸下された作業架台50及び型枠受け台60が橋脚2に当接しない。よって、作業架台50が傾かず、作業架台50上で作業して、柱頭部3の橋軸方向前側にブロック4(図6参照)を構築することができる。
(b) 図9に示すように、油圧ジャッキ46が収縮した状態では、延長治具40の横梁42,43は作業車30の横梁32,33にそれぞれ位置が揃っている。この際、作業架台50及び型枠受け台60の一部がブロック4の下に入り込んでいるので、作業架台50上で作業して、ブロック4の橋軸方向前側にブロック5(図11参照)を構築することができる。
(c) 図9に示すように、油圧ジャッキ46が収縮した状態では、延長治具40の横梁42,43は作業車30の横梁32,33にそれぞれ位置が揃っている。そうすると、作業架台50を横梁42,43から横梁32,33に懸下し替えることができる。また、懸下し替える前に用いた吊り材48,49は、懸下し替える後に用いた吊り材38,39にそれぞれ橋軸方向の位置が揃っているので、作業架台50を懸下し替えても、作業架台50が安定する。
(d) 図5に示すように、レール20及び作業車30がアンカー21,36によってブラケット80に固定されているので、作業車30、延長治具40、作業架台50、型枠受け台60及び枠組足場70が安定する。
(e) 延長治具40が作業車30に対して着脱式であるので、延長治具40を他の作業車(例えば作業車30A)にも兼用することができる。
<4.変形例>
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。以下に、以上の実施形態からの変更点について説明する。以下に説明する変更点は、可能な限り組み合わせて適用してもよい。
(a) 橋脚2の代わりに橋台を構築し、橋台上に柱頭部3を構築してもよい。その後、上述したように、作業装置10を用いてブロック4,5を構築する。この場合、作業車30Aを柱頭部3の上に設置しない上、ブロック4A,5Aも構築しない。
(b) 上記実施形態では、延長治具40の横梁42,43を作業車30の横梁32,33の位置にまで後退させた後、作業架台50を延長治具40の横梁42,43から作業車30の横梁32,33に懸下し替えて、その後に延長治具40を取り外した。それに対して、作業架台50を延長治具40の横梁42,43から懸下した状態を維持して、且つ延長治具40を取り外さず、ブロック5及びその後のブロックを構築してもよい。この場合、延長治具40と同一の延長治具を作業車30Aに取り付けて、ブロック4A,5Aを構築することになる。
(c) 上記実施形態では、型枠受け台60を延長治具40の横梁42,43や作業車30の横梁32,33から懸下するが、型枠受け台60を作業架台50上に設置してもよい。
2…橋脚, 3…柱頭部(橋桁の既設部分), 4,5,4A,5A…ブロック(橋桁の既設部分)、 10…作業装置, 20…レール, 30…作業車, 31…主構, 32…第一の前側横梁(第一横梁), 33…第一の後ろ側横梁, 38,39…吊り材, 40…延長治具, 41…縦梁, 42…第二の前側横梁(第二横梁), 43…第二の後ろ側横梁, 44…前側走行体, 45…後ろ側走行体, 48,49…吊り材

Claims (7)

  1. 橋桁を橋軸方向に延伸する張出架設工法に用いられる作業装置であって、
    前記橋桁の既設部分上に支持され、前記既設部分から前記橋軸方向の延伸側へ張り出した作業車と、
    前記橋幅方向に延在するとともに、前記作業車のうち前記既設部分から張り出した部分に設けられた第一横梁と、
    前記第一横梁上に据え付けられた延長治具と、
    前記延長治具から懸下された作業架台と、を備え、
    前記延長治具が、
    前記橋軸方向に延在して前記第一横梁に設けられ、前記第一横梁よりも前記橋軸方向の延伸側に張り出した縦梁と、
    前記縦梁によって前記橋軸方向にガイドされ、前記橋幅方向に延在し、前記作業架台を懸下した状態に支持した第二横梁と、
    前記第二横梁を前記第一横梁よりも前記橋軸方向の延伸側の位置と前記第一横梁に揃う位置との間に移動させる駆動部と、を有する
    ことを特徴とする作業装置。
  2. 前記作業架台が前記第二横梁から前記第一横梁に懸下し替え可能である
    ことを特徴とする請求項1に記載の作業装置。
  3. 前記延長治具が前記第一横梁に対して着脱可能である
    ことを特徴とする請求項2に記載の作業装置。
  4. 請求項1から3の何れか一項に記載の作業装置を用いて橋桁を延伸する張出架設工法であって、
    前記橋桁の一部としての柱頭部を橋脚又は橋台の上に構築する柱頭部構築工程と、
    前記作業車を前記柱頭部上に支持するとともに、前記作業車を前記柱頭部から前記橋軸方向の延伸側へ張り出し、前記第一横梁を前記橋幅方向に延在させるように前記第一横梁を前記作業車のうち前記既設部分から張り出した部分に設け、前記縦梁を橋軸方向に延在させるよう前記第一横梁に設け、前記縦梁を前記第一横梁よりも前記橋軸方向の延伸側に張り出し、前記第二横梁を前記橋幅方向に延在させるように且つ前記第二横梁を前記縦梁によって前記橋軸方向にガイドするように前記第二横梁を前記第一横梁よりも前記橋軸方向の延伸側の位置に設け、前記第二横梁から前記作業架台を懸下する組立工程と、
    前記柱頭部の前記橋軸方向の延伸側且つ前記作業架台の上方に前記橋桁の一部としての第一ブロックを構築する第一ブロック構築工程と、
    前記作業車を前記柱頭部上から前記第一ブロック上に移動させることによって、前記作業車を前記第一ブロックから前記橋軸方向の延伸側へ張り出す移設工程と、
    前記駆動部により前記第二横梁を前記第一横梁に揃う位置に移動させる後退工程と、
    前記第一ブロックの前記橋軸方向の延伸側且つ前記作業架台の上方に前記橋桁の一部としての第二ブロックを構築する第二ブロック構築工程と、を含む
    ことを特徴とする張出架設工法。
  5. 前記柱頭部の前記橋軸方向延伸側の反対面にブラケットを設置する工程を更に含み、
    前記組立工程において前記作業車をアンカーにより前記ブラケットに支持する
    ことを特徴とする請求項4に記載の張出架設工法。
  6. 前記後退工程後に、前記作業架台を前記第二横梁から前記第一横梁に懸下し替える工程を更に含む
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載の張出架設工法。
  7. 前記作業架台の懸下し替え後に、前記延長治具を前記第一横梁から取り外す工程を更に含む
    ことを特徴とする請求項6に記載の張出架設工法。
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