JP2018145607A - 作業装置及び張出架設工法 - Google Patents
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工期の短縮化を図るべく、ブラケット支保工(110)を小規模なものとして、張出部(121a)の無い柱頭部(121)を構築することも考えられる。ところが、作業車(10a)のバランスの都合上、作業車(10a)の車輪を柱頭部(121)よりも橋軸方向前側に配置することができない。それゆえ、張出部(121a)の無い柱頭部(121)を構築した場合、吊り下げた作業架台(122)が橋脚(100,120)に当たってしまう。
一方、駆動部により延長治具の第二横梁が第一横梁に揃う位置に後退すると、懸下された作業架台が第一ブロックの下に入り込む。よって、作業架台上で作業して、第一ブロックの橋軸方向延伸側に第二ブロックを構築することができる。
図1は、橋桁を構築するための張出架設工法に利用される作業装置10の側面図である。張出架設工法は、作業装置10を用いて橋桁の既設部分から橋軸方向に新設ブロックを張り出すようにその新設ブロックを施工することによって、橋桁を橋軸方向に延伸する工法である。ここで、以下では、「橋軸方向」を「前後方向」と、「橋幅方向」を「左右方向」ということもある。また、「前後方向」のうち、橋脚又は橋台から橋桁の既設部分の先端に向かう方向を「前方」とし、橋桁の既設部分の先端から橋脚又は橋台に向かう方向を「後方」とする。「前方」は橋桁を延伸する方向であるので、「橋軸方向の前側」とは「橋軸方向の延伸側」のことをいう。
作業装置10は、一対のレール20、複数のアンカー21、作業車30、複数のアンカー36、延長治具40、作業架台(足場)50及び型枠受け台60等を備える。
なお、油圧ジャッキ46の代わりに油圧シリンダが後ろ側横梁43と縦梁41の後端との間に設けられ、油圧シリンダの伸縮によって横梁42,43が橋軸方向に移動してもよい。また、油圧ジャッキ46の代わりに油圧モーター又は電動モーターと直動伝動機構とによって、横梁42,43が橋軸方向に移動してもよい。
型枠受け台60も、延長治具40の横梁42,43から作業車30の横梁32,33に懸下し替えることができる。
(1)橋脚及び柱頭部の構築
まず、図2に示すように、橋脚2を構築した後、橋脚2の上に柱頭部3を構築する。柱頭部3は、橋桁の構成要素であって、最初に構築するブロックである。柱頭部3は橋脚2から橋軸方向に張り出しておらず、橋軸方向に沿う柱頭部3の長さは橋軸方向に沿う橋脚2の長さに等しい。
次に、図3に示すように、柱頭部3の橋軸方向後ろ側の面にブラケット80を固定する。なお、作業車30の滑走体34,35間の間隔が柱頭部3の長さLよりも狭ければ、ブラケット80を設置しなくてもよい。
次に、図4に示すように、左右のレール20の前端を柱頭部3の橋軸方向前側の面に位置を揃えて、レール20の後部を柱頭部3の上面から後方へ延び出た状態にして、柱頭部3の上面の上に枕木22を介してレール20を敷設する。そして、これらレール20をアンカー21によって柱頭部3及びブラケット80に固定する。柱頭部3から後方へ張り出したレール20の後部をアンカー21によってブラケット80に固定したので、レール20が安定する。
次に、型枠受け台60上に型枠を組むと共に、鉄筋を配筋して、型枠内にコンクリートを打設する。これにより、図6に示すように、橋桁の一部であるブロック4を柱頭部3の前側に施工して、ブロック4と柱頭部3を一体化させる。ブロック4は橋桁の一部であり、ブロック4の施工によって橋桁をブロック4の分だけ橋軸方向前側に延伸することになる。ブロック4の施工に際しては、レール20が柱頭部3から前側に張り出していないので、ブロック4の構築の際にレール20が邪魔にならない。
ブロック4のコンクリートの硬化後に型枠を解体し、ブロック4の上にも枕木22(図7参照)を据え付け、アンカー21を柱頭部3及びブラケット80から一旦外す。そして、図7に示すように、レール20をブロック4上にまで前方に移動して、レール20の前端をブロック4の前端に位置を揃えた後、アンカー21によってレール20を柱頭部3及びブロック4に固定する。
次に、図8に示すように、アンカー36を柱頭部3及びブラケット80から一旦外した後、作業車30をブロック4上にまで前方に移動して、アンカー36によって作業車30を柱頭部3及びブロック4に固定する。この際、前側の滑走体34をレール20の前端に位置させて、主構31の上部前側の節点及び前側横梁32をブロック4から前方に位置させる。
次に、図9に示すように、油圧ジャッキ46を収縮させることによって、延長治具40の横梁42,43を作業車30の横梁32,33にそれぞれ位置を揃えるまで、延長治具40の横梁42,43を後退させる。そうすると、作業架台50及び型枠受け台60の一部がブロック4の下に入り込む。
次に、吊り材38,39を作業車30の横梁32,33から垂下させて、吊り材38,39の下端を作業架台50に固定する。そして、吊り材48,49を作業架台50から取り外す。これにより、作業架台50を延長治具40の横梁42,43から作業車30の横梁32,33に懸下し替える。
次に、図10に示すように、延長治具40を作業車30から取り外すとともに、ブラケット80を柱頭部3から取り外す。延長治具40を作業車30から取り外すことができたのは、作業架台50及び型枠受け台60を延長治具40の横梁42,43から作業車30の横梁32,33に懸下し替えたためである。
次に、型枠受け台60上に型枠を組むと共に、鉄筋を配筋して、型枠内にコンクリートを打設する。これにより、図11に示すように、ブロック5をブロック4の前側に施工して、ブロック4,5を一体化させる。これにより、橋桁をブロック5の分だけ橋軸方向前側に延伸することになる。
次に、図12に示すように、レール20全体が柱頭部3及びブロック4,5の上に載るまで、レール20を前方に移動した後、図13に示すように作業車30をブロック5上にまで前方に移動する。
次に、図14に示すように、作業車30と同一の作業車30Aを作業車30と反対向きになるようにレール20上の作業車30の後ろ側に組み立てた後、作業車30A上に延長治具40を組み付ける。そして、作業架台50と同一の作業架台50Aを延長治具40の横梁42,43から懸下するとともに、型枠受け台60と同一の型枠受け台60Aを延長治具40の横梁42,43から懸下する。更に、枠組足場70と同一の枠組足場70Aを作業架台50A上に設置する。
その後、ブロック4とブロック5を施工したのと同様にして、ブロック4A,ブロック5Aを順次施工する。なお、作業車30Aをブロック4A,5A上に前進させるに際して、延長レールをブロック4A,5Aに設置することになる。
以後、ブロック5を施工したのと同様にして、ブロック5の先にブロックを順次施工するとともに、ブロック5Aの先にブロックを順次施工する。こうして、橋桁を橋軸方向に順次張り出すように延伸構築する。
(a) 図5に示すように、油圧ジャッキ46が伸長した状態では、延長治具40の横梁42,43が作業車30の横梁32,33よりも橋軸方向前側に位置している。そうすると、横梁42,43から懸下された作業架台50及び型枠受け台60が橋脚2に当接しない。よって、作業架台50が傾かず、作業架台50上で作業して、柱頭部3の橋軸方向前側にブロック4(図6参照)を構築することができる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。以下に、以上の実施形態からの変更点について説明する。以下に説明する変更点は、可能な限り組み合わせて適用してもよい。
Claims (7)
- 橋桁を橋軸方向に延伸する張出架設工法に用いられる作業装置であって、
前記橋桁の既設部分上に支持され、前記既設部分から前記橋軸方向の延伸側へ張り出した作業車と、
前記橋幅方向に延在するとともに、前記作業車のうち前記既設部分から張り出した部分に設けられた第一横梁と、
前記第一横梁上に据え付けられた延長治具と、
前記延長治具から懸下された作業架台と、を備え、
前記延長治具が、
前記橋軸方向に延在して前記第一横梁に設けられ、前記第一横梁よりも前記橋軸方向の延伸側に張り出した縦梁と、
前記縦梁によって前記橋軸方向にガイドされ、前記橋幅方向に延在し、前記作業架台を懸下した状態に支持した第二横梁と、
前記第二横梁を前記第一横梁よりも前記橋軸方向の延伸側の位置と前記第一横梁に揃う位置との間に移動させる駆動部と、を有する
ことを特徴とする作業装置。 - 前記作業架台が前記第二横梁から前記第一横梁に懸下し替え可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の作業装置。 - 前記延長治具が前記第一横梁に対して着脱可能である
ことを特徴とする請求項2に記載の作業装置。 - 請求項1から3の何れか一項に記載の作業装置を用いて橋桁を延伸する張出架設工法であって、
前記橋桁の一部としての柱頭部を橋脚又は橋台の上に構築する柱頭部構築工程と、
前記作業車を前記柱頭部上に支持するとともに、前記作業車を前記柱頭部から前記橋軸方向の延伸側へ張り出し、前記第一横梁を前記橋幅方向に延在させるように前記第一横梁を前記作業車のうち前記既設部分から張り出した部分に設け、前記縦梁を橋軸方向に延在させるよう前記第一横梁に設け、前記縦梁を前記第一横梁よりも前記橋軸方向の延伸側に張り出し、前記第二横梁を前記橋幅方向に延在させるように且つ前記第二横梁を前記縦梁によって前記橋軸方向にガイドするように前記第二横梁を前記第一横梁よりも前記橋軸方向の延伸側の位置に設け、前記第二横梁から前記作業架台を懸下する組立工程と、
前記柱頭部の前記橋軸方向の延伸側且つ前記作業架台の上方に前記橋桁の一部としての第一ブロックを構築する第一ブロック構築工程と、
前記作業車を前記柱頭部上から前記第一ブロック上に移動させることによって、前記作業車を前記第一ブロックから前記橋軸方向の延伸側へ張り出す移設工程と、
前記駆動部により前記第二横梁を前記第一横梁に揃う位置に移動させる後退工程と、
前記第一ブロックの前記橋軸方向の延伸側且つ前記作業架台の上方に前記橋桁の一部としての第二ブロックを構築する第二ブロック構築工程と、を含む
ことを特徴とする張出架設工法。 - 前記柱頭部の前記橋軸方向延伸側の反対面にブラケットを設置する工程を更に含み、
前記組立工程において前記作業車をアンカーにより前記ブラケットに支持する
ことを特徴とする請求項4に記載の張出架設工法。 - 前記後退工程後に、前記作業架台を前記第二横梁から前記第一横梁に懸下し替える工程を更に含む
ことを特徴とする請求項4又は5に記載の張出架設工法。 - 前記作業架台の懸下し替え後に、前記延長治具を前記第一横梁から取り外す工程を更に含む
ことを特徴とする請求項6に記載の張出架設工法。
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