JP2018145279A - シーラントフィルム及びパウチ - Google Patents
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Abstract
Description
[1]熱可塑性樹脂と、セルロースナノファイバーとを含有する押出フィルムからなるシーラントフィルム。
[2]前記熱可塑性樹脂の融点が200℃以下である、[1]に記載のシーラントフィルム。
[3][1]又は[2]に記載のシーラントフィルムからなるシーラント層を備えるパウチ。
本発明のシーラントフィルムは、充分なシール強度を有し、かつ直線カット性にも優れている。
本発明のシーラントフィルムは、熱可塑性樹脂と、セルロースナノファイバーとを含有する押出フィルムからなる。
熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体等のエチレン系樹脂;ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、プロピレン−αオレフィン共重合体等のプロピレン系樹脂;エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等のエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体;エチレン−アクリル酸メチル、エチレン−アクリル酸エチル、エチレン−メタクリル酸メチル、エチレン−メタクリル酸エチル等のエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体のエステル化物;カルボン酸部位をナトリウムイオン、亜鉛イオン等で架橋したエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体のイオン架橋物;エチレン−無水マレイン酸グラフト共重合体やエチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸のような三元共重合体に代表される酸無水物変性ポリオレフィン;エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体等のエポキシ化合物変性ポリオレフィン;エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
熱可塑性樹脂の融点は、200℃以下が好ましく、80〜180℃がより好ましい。
なお、セルロースナノファイバーの平均直径は、フィルム内のセルロースナノファイバーの透過型電子顕微鏡(TEM)観察により測定される。具体的には、作製したフィルムを樹脂で包埋し、ミクロトームにて切片化した後、金属酸化物により蒸気染色を施し、TEM観察を行う。1視野辺りから5個の任意のセルロースナノファイバーを観察し、合計10視野でトータル50個の直径の平均値を平均直径とする。
なお、セルロースナノファイバーの平均長さは、フィルム内のセルロースナノファイバーの透過型電子顕微鏡(TEM)観察により測定される。具体的には、作製したフィルムを樹脂で包埋し、ミクロトームにて切片化した後、金属酸化物により蒸気染色を施し、TEM観察を行う。1視野辺りから5個の任意のセルロースナノファイバーを観察し、合計10視野でトータル50個の長さの平均値を平均長さとする。
他の成分としては、例えば、スリップ剤、酸化防止剤、粘着付与剤、充填剤、フィラー等の各種添加剤が挙げられる。他の成分としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
フィルム製膜においては、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて一軸又は二軸延伸を行ってもよい。
本発明のパウチは、本発明のシーラントフィルムからなるシーラント層を備えるパウチである。本発明のパウチは、本発明のシーラントフィルムからなるシーラント層を備える以外は、公知の態様を採用することができる。
本実施例のパウチ1は、図1及び図2に示すように、積層フィルム2によって形成されたピローパウチである。パウチ1においては、積層フィルム2が筒状にされ、それらの側端部同士が最内層のシーラント層14が接した状態でヒートシールされて背貼り部3が形成されている。また、筒状にされた積層フィルム2の上部と下部がそれぞれヒートシールされて上部シール部4と下部シール部5が形成されている。
基材層10の厚さは、特に限定されず、例えば、5〜200μmとすることができる。
本実施形態においては、シーラント層14を形成するシーラントフィルムは、押出によるフィルム製膜時のTD方向がパウチ1の上下方向と一致し、MD方向が横方向と一致するようにする。これにより、例えばパウチ1の上部シール部4寄りの部分を横方向に直線的に引き裂いてパウチ1を開封することが容易になる。
例えば、本発明のパウチは、基材層、接着層及びシーラント層以外の層を備える積層フィルムを用いて製袋されたパウチであってもよい。具体的には、例えば、基材層のシーラント層側にバリア層を有する積層フィルムを用いて製袋したパウチであってもよい。バリア層としては、例えば、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔等の金属箔層や、原子層堆積法(ALD(Atomic Layer Deposition)法)で成膜された、金属酸化物、金属窒化物または金属炭化物等の透明セラミック膜からなるガスバリア層等が挙げられる。
[実施例1]
(シーラントフィルムの製造)
パルプを2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルラジカル(TEMPO)により処理し、平均直径10nm、平均長さ10μmのサイズにしたセルロースナノファイバー(CNF)を乾燥し、乾燥CNF試料(水分率0.5%)とした。二軸押出機を用いて、乾燥CNF試料を濃度が5質量%となるように直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、プライムポリマー社製、SP2530S)と190℃で溶融混練して樹脂組成物を得た。前記樹脂組成物を用い、Tダイ法により200℃で厚み50μmのシーラントフィルムを製膜した。
次いで、ドライラミネート用接着剤(三井化学社製、商品名「A626/A5」)を用いたドライラミネートにより、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET、厚さ12μm)とナイロンフィルム(NY、厚さ15μm)の多層フィルムのNY側にシーラントフィルムを積層し、PET(12μm)/NY(15μm)/シーラントフィルム(50μm)の積層フィルムを得た。該積層フィルム2枚を、シーラントフィルムを内側にして重ね、下部及び両側の側部の三方をヒートシールして横100mm×縦150mmサイズのパウチを作製した。ヒートシール条件は、シール温度を180℃、シール時間を3秒、シール圧力を0.3MPaとした。
低密度ポリエチレンの代わりにポリプロピレン(ランダムポリプロピレン、プライムポリマー社製、商品名「F329R」)を用いた以外は、実施例1と同様にしてシーラントフィルムを得た。また、該シーラントフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にしてパウチを作製した。
星光PMC社製「T−NC」(セルロースナノファイバーとLLDPEが混練されたマスターバッチ(セルロースナノファイバー濃度40質量%))」を直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、プライムポリマー社製、SP2530S)と190℃で溶融混練して、セルロースナノファイバー濃度5質量%濃度の樹脂組成物を得た。前記樹脂組成物を用い、Tダイ法により200℃で厚み50μmのシーラントフィルムを製膜した。また、該シーラントフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にしてパウチを作製した。
セルロースナノファイバーの濃度を10質量%に変更した以外は、実施例3と同様にして樹脂組成物を調製してシーラントフィルムを製膜した。また、該シーラントフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にしてパウチを作製した。
直鎖状低密度ポリエチレンに乾燥CNF試料を混練しなかった以外は、実施例1と同様にしてシーラントフィルムを得た。また、該シーラントフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にしてパウチを作製した。
ポリプロピレンに乾燥CNF試料を混練しなかった以外は、実施例1と同様にしてシーラントフィルムを得た。また、該シーラントフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にしてパウチを作製した。
各例のシーラントフィルムのMD方向の端部にノッチを形成し、手でMD方向に長さ100mm切り裂き、100mm切り裂く間における前記ノッチからMD方向に沿った直線からのカットラインのずれ(mm)を測定した。
JIS K7129に準拠し、各例のシーラントフィルムの直線カット性を測定した。
各例のパウチにおけるシーラントフィルムのMD方向の端部にノッチを形成し、手でMD方向に長さ100mm切り裂き、MD方向に沿った直線からのカットラインのずれ(mm)を測定した。
各例のシーラントフィルムから幅15mmの試験片を切り出し、該試験片を用いてJIS Z0238に準拠し、引張速度300mm/分の条件でシール強度(N/15mm)を測定した。
一方、セルロールナノファイバーを用いていない比較例1、2では、直線カット性が劣っていた。
2・・・積層フィルム
3・・・背貼り部
4・・・上部シール部
5・・・下部シール部
10・・・基材層
12・・・接着層
14・・・シーラント層
Claims (3)
- 熱可塑性樹脂と、セルロースナノファイバーとを含有する押出フィルムからなるシーラントフィルム。
- 前記熱可塑性樹脂の融点が200℃以下である、請求項1に記載のシーラントフィルム。
- 請求項1又は2に記載のシーラントフィルムからなるシーラント層を備えるパウチ。
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