JP2002200716A - ポリオレフィン系多層フィルム - Google Patents

ポリオレフィン系多層フィルム

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JP2002200716A
JP2002200716A JP2000400809A JP2000400809A JP2002200716A JP 2002200716 A JP2002200716 A JP 2002200716A JP 2000400809 A JP2000400809 A JP 2000400809A JP 2000400809 A JP2000400809 A JP 2000400809A JP 2002200716 A JP2002200716 A JP 2002200716A
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propylene
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polyolefin
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Shuji Tanaka
修司 田中
Yoshimasa Kawamura
好正 河村
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Tokuyama Corp
Sun Tox Co Ltd
Original Assignee
Tokuyama Corp
Sun Tox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シール面を有するポリプロピレン製の容器に対
してイージーピール性を有し、開封した際に剥離面にフ
ィルムの破壊物が残留せず、かつ凸形状のシール面に対
して良好なヒートシール強度を有するポリオレフィン系
多層フィルムを提供すること。 【解決手段】下記の(A)層、(B)層、(C)層の3
層からなり、かつ、(A)層/(B)層/(C)層の順
に積層され、(A)層が少なくとも一方の表面層を構成
していることを特徴とするポリオレフィン系多層フィル
ム。 (A)密度が0.84〜0.90g/cm3の低結晶性
又は非晶性のエチレン−α−オレフィン共重合体よりな
る層。 (B)直鎖状低密度ポリエチレン50〜100重量%、
プロピレン系樹脂50〜0重量%よりなる層。 (C)プロピレン系樹脂よりなる層。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒートシール面を
有するポリプロピレン製の容器に対してイージーピール
性を有するポリオレフィン系多層フィルムに関するもの
であり、詳しくは、ヒートシール部を剥離した際に、容
器側の剥離面にフィルムの破壊物が残留せず、かつ、凸
形状のシール面に対しても良好なシール強度を有するポ
リオレフィン系多層フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、容器の蓋用として種々のポリ
オレフィンからなるフィルムが提案されている。これら
のポリオレフィン系フイルムは、流通時や陳列時などに
内容物を塵、埃などから保護する為に用いられ、また、
密封性を必要とする分野では、通常、ヒートシールして
使用されている。この場合、ヒートシール部分を剥離す
る際に、大きな力をかけずに剥離できれば、ナイフやは
さみなどを用いる必要がなく、また力の弱い子供や高齢
者でも容易に開封できる。このため、上記包装用のポリ
オレフィン系フイルムには、ヒートシールした場合のシ
ール強度が、開封しやすい適度な強度であること、すな
わちイージーピール性を有していることが要求される。
【0003】このような性状を有するフィルムを提供す
るため、プロピレン系樹脂とエチレン系樹脂などの異樹
脂との混合樹脂を積層した多層フィルムが種々提案され
ている。しかし、従来から提案されているこれらフィル
ムでは、ヒートシール部を剥離した際、容器側に剥離し
たフィルムの破壊物が残り、特に該フィルムを食品包装
に使用したときに食品にこの残留物が混入するという衛
生上の問題があった。
【0004】この問題を解決するために、エチレン系樹
脂からなる単層フィルムやヒートシール層がエチレン系
樹脂からなる多層フィルムが考案されている。しかしな
がら、エチレン系樹脂単層フィルムの場合、フィルムの
剛性が低く、加工時や包装時にしわが発生しやすいとい
う問題点があった。また、特開昭57−64550号公
報には、プロピレン系樹脂とエチレン−α−オレフィン
共重合体からなる多層フィルムが開示されているが、こ
のフィルムをポリプロピレン製容器とヒートシールした
場合、温度によっては容器側にフィルムの破壊物が残留
するという問題点があった。特開平10−16155号
公報には、プロピレン系樹脂層、低密度ポリエチレンと
プロピレン系樹脂とのブレンド層、およびエチレン系樹
脂層との3層からなる多層フィルムが開示されている
が、また低密度ポリエチレンとポリプロピレンのブレン
ド層が破壊層となるため、このフィルムにおいてもヒー
トシール面にフィルムの破壊物が残留するという問題点
があった。
【0005】一方、ヒートシールに用いられる相手側の
容器として、容器の受け台の傾きやシールバーの摩耗が
生じてもヒートシールムラが起きない様に、容器のフラ
ンジ部分が凸型の形状であるものが多く用いられている
が、この場合、剛性の高いフィルムを使用すると凸型形
状へのフィルムの追従性が低くなり、結果的にシール面
積が小さくなりヒートシール強度が低くなるという問題
があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】こうした背景にあって
本発明は、シール面を有するポリプロピレン製の容器に
対してイージーピール性を有し、開封した際に剥離面に
フィルムの破壊物が残留せず、かつ凸形状のシール面に
対して良好なヒートシール強度を有するポリオレフィン
系多層フィルムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を重ねてきた。その結果、特定
の樹脂を特定の層構成で積層したフィルムを用いること
で、上記の課題が解決できることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、下記の(A)層、
(B)層、(C)層の3層からなり、かつ、(A)層/
(B)層/(C)層の順に積層され、(A)層が少なく
とも一方の表面層を構成していることを特徴とするポリ
オレフィン系多層フィルムである。 (A)密度が0.84〜0.90g/cm3の低結晶性
又は非晶性のエチレン−α−オレフィン共重合体よりな
る層。 (B)直鎖状低密度ポリエチレン50〜100重量%、
プロピレン系樹脂50〜0重量%よりなる層。 (C)プロピレン系樹脂よりなる層。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、(A)層に使用
される密度が0.84〜0.90g/cm3の低結晶性
または非晶性のエチレン−α−オレフィン共重合体は、
特に限定されないが、エチレンと炭素数3〜10のα−
オレフィンとの共重合体又はそれらの混合物が好適であ
る。上記α−オレフィンとしてはプロピレン、1−ブテ
ン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、4−メチ
ル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−
オクテン、1−ノネン、1−デセン等が挙げられ、この
中でもヒートシール強度の点から1−ブテンが好適であ
る。
【0010】上記低結晶性または非晶性のエチレン−α
−オレフィン共重合体中の密度は、0.84〜0.90
g/cm3の範囲であり、好ましくは0.85〜0.8
9g/cm3の範囲である。密度が0.84g/cm3
満では、ヒートシール強度が低くなり、0.90g/c
3を超えると、ヒートシール強度が高くイージーピー
ル性を示さなくなる。
【0011】上記低結晶性または非晶性のエチレン−α
−オレフィン共重合体中のα−オレフィン単位の量は、
ヒートシール強度の点から、好ましくは5〜30mol
%であり、10〜20mol%がより好適である。α−
オレフィン単位の量を5mol%以上、および30mo
l%以下とすることにより、好適なヒートシール強度に
することができる。
【0012】上記低結晶性または非晶性のエチレン−α
−オレフィン共重合体のマスメルトフローレート(以
下、MFRという)は、フィルムへの成形性を考慮する
と、1〜50g/10分(温度230℃、荷重2.16
kg)であることが好ましく、2〜20g/10分であ
ることがより好ましい。
【0013】本発明において、(B)層および(C)層
に使用されるプロピレン系樹脂は、特に限定されず、プ
ロピレンの単独重合体、プロピレン70重量%以上、好
適には90重量%以上とプロピレン以外の炭素数2〜1
0のα−オレフィン30重量%以下、好適には10重量
%以下との共重合体、又はそれらの混合物が挙げられ
る。また、プロピレン以外の炭素数2〜10のα−オレ
フィンは、2種以上を併用してもよい。プロピレン以外
の炭素数2〜10のα−オレフィンとしては、エチレ
ン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘ
プテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等を挙
げることができる。これらプロピレンとプロピレン以外
の炭素数2〜10のα−オレフィンとの共重合体は、ラ
ンダム共重合体及びブロック共重合体のいずれも用いる
ことができる。本発明で好適に使用されるプロピレン系
樹脂を具体的に例示すれば、プロピレン単独重合体、プ
ロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エ
チレン−1−ブテンランダム共重合体等を挙げることが
できる。
【0014】プロピレン系樹脂のMFRは、フィルムへ
の成形性を勘案すると、1.0〜50g/10分(温度
230℃、荷重2.16kg)であることが良好であ
り、より好ましくは2.0〜20g/10分である。
【0015】本発明において、(B)層および(C)層
に使用されるプロピレン系樹脂は、同じプロピレン系樹
脂を用いてもよいし、(B)層、(C)層それぞれに別
のプロピレン系樹脂を用いてもよい。
【0016】本発明において、(B)層に用いられる直
鎖状低密度ポリエチレンは、特に限定されないが、エチ
レンと炭素数が3〜10のα−オレフィンとの共重合体
であることが好適である。炭素数3〜10のα−オレフ
ィンとしては、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−
1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−
ノネン、1−デセン等を挙げることができる。
【0017】本発明の(B)層に用いられる直鎖状低密
度ポリエチレンの密度は、0.90g/cm3より大き
く、0.95g/cm3以下の範囲であることが好まし
い。
【0018】本発明においては、(B)層に上記直鎖状
低密度ポリエチレンを用いることにより、層間および層
内の強度が良好となる。一方、(B)層に高圧法で製造
されたエチレン単独重合体を用いた場合、(B)層内の
凝集破壊が起り、ポリプロピレン製の容器とヒートシー
ルした際の剥離面に、フィルムの破壊物が残るので好ま
しくない。
【0019】上記直鎖状低密度ポリエチレンのMFR
は、フィルムへの成形性の点から0.5〜50g/10
分(温度190℃、荷重2.16kg)であることがが
良好であり、より好ましくは1〜20g/10分であ
る。
【0020】本発明において、(B)層中の直鎖状低密
度ポリエチレンとプロピレン系樹脂との混合割合は、直
鎖状低密度ポリエチレンが50〜100重量%、プロピ
レン系樹脂が50〜0重量%であり、好ましくは直鎖状
低密度ポリエチレンが60〜100重量%、プロピレン
系樹脂が40〜0重量%である。直鎖状低密度ポリエチ
レンが50重量%未満ではフィルムをポリプロピレン製
の容器とヒートシールした際の剥離面にフィルムの破壊
物が残り、またこの場合フィルムの剛性が高くなり、フ
ランジが凸型形状である容器に対してヒートシール強度
が低くなりやすい。
【0021】本発明のポリオレフィン系多層フィルムの
層構成は、密度が0.84〜0.90g/cm3の低結
晶性又は非晶性のエチレン−α−オレフィン共重合体よ
りなる(A)層、直鎖状低密度ポリエチレン50〜10
0重量%、プロピレン系樹脂50〜0重量%よりなる
(B)層、及びプロピレン系樹脂よりなる(C)層が、
(A)/(B)/(C)の順に積層されており、かつ、
必ず(A)が少なくとも一方の表面層を構成している必
要がある。(A)層を表面層とすることにより、(A)
層側の表面を容器とのヒートシール面として使用するこ
とができ、本発明の目的を達成することができる。ま
た、(C)層は、本発明の効果を阻害しない限り、2層
以上であってもよい。さらに(C)層側の表面に、表面
処理を施してもよいし、その他の層を積層してもよい。
【0022】本発明において、各層の総厚みに対する割
合は、(A)層が10〜30%、(B)層が80〜40
%であり、(C)層が10〜30%とあることが、適度
な強度を付与できるので、フランジが凸型形状である容
器に対するヒートシール強度の点で好ましい。
【0023】また、本発明のポリオレフィン系多層フィ
ルムの総厚みは、好ましくは10〜100μm、より好
ましくは20〜60μmである。総厚みが10μm未満
の場合、該フィルムの強度が低すぎるため、印刷やラミ
ネート加工時にトラブルを起こしやすい。総厚みが10
0μmを超えると該フィルムの剛性が高くなり、フラン
ジが凸型形状である容器に対するヒートシール強度が低
下する傾向にある。
【0024】本発明のポリオレフィン系多層フィルムの
各層には、必要に応じて、酸化防止剤、滑剤、アンチブ
ロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤等の添加剤を、本発
明の効果を阻害することのない範囲で添加してもよい。
【0025】本発明のポリオレフィン系多層フィルム
は、該フィルムのMD方向及びTD方向の引張弾性率を
50〜500MPa、好ましくは100〜400MPa
の範囲とすることで、フランジが凸型形状である容器に
対するヒートシール強度の低下を抑えることができるの
で好適である。
【0026】本発明において、該フィルムのMD方向及
びTD方向の引張弾性率は、該フィルムの各層の厚み割
合と、(B)層に使用する直鎖状低密度ポリエチレンの
配合割合を50〜100重量%の間で増減させることで
制御することができる。たとえば、(A)層及び(B)
層の厚み比を上げること、また、(B)層に配合する直
鎖状低密度ポリエチレンの割合を多くすることで該フィ
ルムの引張弾性率は低下させることができる。
【0027】本発明のポリオレフィン系多層フィルムの
製造法としては、公知の方法が適用できる。例えばTダ
イ法により樹脂を溶融押出し、温調可能なロールにより
冷却し連続的に巻き取る方法や、インフレーション法に
より溶融押出し温調可能なエアチャンバーによる空冷
法、または温調可能な水槽による水冷法により冷却し連
続的に巻き取る方法等がある。各層の樹脂の溶融混練
は、200〜250℃の温度で行うのが良好である。樹
脂を積層する方法としては例えばフィードブロック法や
マルチマニホールド法による共押出成形法、押出ラミネ
ート法等が挙げられ、共押出成形法が好適に用いられ
る。
【0028】また、本発明のポリオレフィン系多層フィ
ルムは、無延伸でもよく、また、延伸を施されていても
よい。
【0029】本発明のポリオレフィン系多層フィルム
は、そのまま用いてもよいし、本発明の効果を損なわな
い範囲で、さらに、耐熱性、耐ガス透過性等の機能を付
与するため、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネ
ート、ポリ塩化ビニル等の延伸または未延伸フィルム、
または二軸延伸ポリプロピレンフィルム、または紙、ア
ルミニウム箔、セロハン等の単層または積層の各種フィ
ルムを積層した複合フィルムとして用いてもよい。
【0030】上記した、さらに積層する各種フィルム
は、用途に応じて適宜選定すればよい。また、上記各種
フィルムの積層は、本発明のポリオレフィン系多層フィ
ルムの(C)層側に上記各種フィルムを積層すればよ
い。積層方法としては、ドライラミネート法、ポリエチ
レンサンド法などの公知の方法が制限なく用いられる。
【0031】本発明のポリオレフィン系多層フィルムの
用途は、特に限定されないが、蓋用フィルムとして有用
に使用することができる。対象容器も特に制限されない
が、ポリプロピレン製容器を対象とすることが、本発明
の効果が十分に発揮されるため好適である。
【0032】
【実施例】本発明を更に具体的に説明するために、以下
に実施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明はこれ
らの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実
施例及び比較例で得られたフィルムの評価方法は次の方
法にて行った。
【0033】1.測定条件 MFR JIS K7210に準じて測定した。
【0034】ヒートシール強度 (1)複合フィルムの作成 ポリオレフィン系多層フィルムのプロピレン系樹脂から
なる層側の表面にコロナ放電処理を施し、該表面に2軸
延伸ポリプロピレンフィルム(厚み30μm)を、ウレ
タン系接着剤を介して貼り合わせた。
【0035】(2)平坦面に対するヒートシール方法お
よびヒートシール強度測定 上記方法で作成した複合フィルムのポリオレフィン系多
層フィルムの低結晶性又は非晶性のエチレン−α−オレ
フィン共重合体よりなる層側を、ポリプロピレンシート
(プロピレン単独重合体、厚み300μm)と向かい合
うようにして重ね、表2に示す各温度に加熱されたヒー
トシールバー(幅5mm)にて、圧力2kg/cm2
1秒間押しつけた。次いで、この試料から幅15mmの
試験片を切り取り(n=10)、引張試験機を用い引張
速度500mm/分にて剥離角度180度でヒートシー
ル部分を剥離し、そのときの最高強度の平均値をその温
度でのヒートシール強度とした。なお、ヒートシール部
分を剥離する際、ヒートシール強度が7〜20N/15
mmの範囲である場合、イージーピール性が良好である
とした。
【0036】(3)凸型面に対するヒートシール方法及
びヒートシール強度 シートの幅方向に平行に、幅1mm、高さ0.5mmの
凸部を有するホモポリプロピレン製シートと、上記の方
法で作成した複合フィルムのポリオレフィン系多層フィ
ルムの(A)層側の面とを向かい合う様にして重ね、1
60℃に加熱されたヒートシールバー(幅5mm)に
て、圧力2kg/cm2で1秒間、凸部の頂上部分にシ
ールバーの中央部が当たるように押しつける。次いで、
この試料から幅15mmの試験片を切り取り(n=1
0)、引張試験機を用い引張速度500mm/分にて剥
離角度180度でヒートシール部分を剥離し、そのとき
の最高強度の平均値を凸型面に対するヒートシール強度
とした。なお、ヒートシール部分を剥離する際、ヒート
シール強度が7〜20N/15mmの範囲である場合、
イージーピール性が良好であるとした。
【0037】(4)ヒートシール剥離面の状態 上記(2)、(3)の方法でヒートシール強度を測った
際に、試験片の容器側の剥離面を目視により観察し、フ
ィルムの破壊物の残存状態を評価した。 引張弾性率 試料を10mm幅の短冊状に切断し、測定長を20mm
として引張試験機によって引張速度20mm/分、チャ
ート速度2000mm/分で引張試験を行い、S−S曲
線をチャート紙に記録した。S−S曲線の起点よりS−
S曲線に対する接線を引き、またS−S曲線の起点より
20mm進んだ点から引いた垂線と接線との交点の強度
を読み取り、下式により弾性率を算出した。 引張弾性率(MPa)=[強度(N)×試料長(mm)
×チャート速度(mm/分)]÷[(引張速度(mm/
分)×20mm×フィルム厚み(mm)×フィルム幅
(mm)]
【0038】結晶化度 X線回折法によって求められる試料中の結晶の割合を示
す。詳しくは、日本電子社製のX線回折装置JDX−3
500を用い、X線出力16kw(管電圧:40kv、
管電流:400mA)、ターゲット:Cu、測定角度:
2θ=9ないし31度にて測定した。得られたX線回折
図形より結晶ピークを波形分離し、その面積強度比より
結晶化度を求めた。試料は予め230℃で融解後50℃
まで徐冷して成形したものを用いた。
【0039】2.使用原料 ・低結晶性又は非晶性のエチレン−α−オレフィン共重
合体 原料1:エチレン−1−ブテン共重合体 MFR(230℃、2.16kg)=7.0g/10分 密度:0.880g/cm3 1−ブテン含有量:12モル% 結晶化度:5% ・直鎖状低密度ポリエチレン 原料2:直鎖状低密度ポリエチレン MFR(190℃、2.16kg)=4.0g/10分 密度:0.915g/cm3 1−ヘキセン含有量:5.8モル% 原料3:直鎖状低密度ポリエチレン MFR(190℃、2.16kg)=2.0g/10分 密度:0.919g/cm3 1−ブテン含有量:3.9モル% ・プロピレン系樹脂 原料4:プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共
重合体 MFR(230℃、2.16kg)=7.0g/10分 エチレン単位含有量3.4モル%、1−ブテン含有量
1.0モル% 原料5:プロピレン単独重合体 MFR(230℃、2.16kg)=8.0g/10分 原料6:プロピレン−エチレンランダム共重合体 エチレン単位含有量5.3モル% MFR(230℃、2.16kg)=7.0g/10分
【0040】実施例1 表1に示すように、(A)層として原料1、(B)層と
して原料2を65重量%と原料4を35重量%の割合で
ミキサーにてブレンドした混合原料、(C)層として原
料4を、(A)層の原料及び(C)層の原料はスクリュ
ー径50mmφの押出機で、(B)層の混合原料はスク
リュー径75mmφの押出機で、各々230℃にて溶融
混練し、(A)/(B)/(C)の構成でフィードブロ
ック法によりTダイより共押出し、25℃に調節した金
属ロールで冷却し、(A)層の厚みが6μm、(B)層
の厚みが18μm、(C)層の厚みが6μmの3種3層
からなる総厚みが30μmのポリオレフィン系多層フィ
ルムを得た。得られたフィルムの物性を表2に示した。
【0041】実施例2〜4および比較例1、2 (A)層と(C)層に用いる原料の種類及び(B)層に
用いる原料の種類及び混合割合、各層の厚みを表1に示
したようにした以外は、実施例1と同様に行った。得ら
れたフィルムの物性を表2に示した。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】本発明のポリオレフィン系多層フィルム
は、特定の樹脂を特定の相構成とすることにより、ポリ
プロピレン製のシール面を有する容器に対してイージー
ピール性を有し、ヒートシールを開封した際に剥離面に
フィルムの破壊物が残留せず、かつ凸形状のシール面に
対して良好なヒートシール強度を有する。したがって、
本発明のポリオレフィン系多層フィルムは、食品などの
物品を充填した容器の蓋材用のフィルムとして好適に使
用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK07B AK07C AK62A AK63B AK64 AK65 BA10A BA10C EH20 GB18 JA07 JA12A JA13A JL14 YY00A

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の(A)層、(B)層、(C)層の3
    層からなり、かつ、(A)層/(B)層/(C)層の順
    に積層され、(A)層が少なくとも一方の表面層を構成
    していることを特徴とするポリオレフィン系多層フィル
    ム。 (A)密度が0.84〜0.90g/cm3の低結晶性
    又は非晶性のエチレン−α−オレフィン共重合体よりな
    る層。 (B)直鎖状低密度ポリエチレン50〜100重量%、
    プロピレン系樹脂50〜0重量%よりなる層。 (C)プロピレン系樹脂よりなる層。
  2. 【請求項2】MD方向及びTD方向の引張弾性率が50
    〜500MPaである請求項1記載のポリオレフィン系
    多層フィルム。
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