JP2018144332A - 機能性発泡樹脂多層成形ボード及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 安価かつ簡便に様々な機能性の持続的な発現を可能とする機能性発泡樹脂多層成形ボードを得ることのできる新しい機能性発泡樹脂多層成形ボードの製造方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも、予備発泡粒21を面状に融着させた面融着層2と、予備発泡粒31を点状に融着させたポーラス層3とを有する発泡樹脂多層成形ボード1aにおいて、ポーラス層3の少なくとも一部には、機能剤4が充填されている。
【選択図】図1
【解決手段】 少なくとも、予備発泡粒21を面状に融着させた面融着層2と、予備発泡粒31を点状に融着させたポーラス層3とを有する発泡樹脂多層成形ボード1aにおいて、ポーラス層3の少なくとも一部には、機能剤4が充填されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、発泡樹脂多層成形ボード及びその製造方法に関するものであり、詳しくは、住宅建材用の断熱材に使用される各種機能性を備えた発泡樹脂多層成形ボード及びその製造方法に関するものである。
発泡樹脂成形ボードは、軽量でありながらも、断熱性、吸音性、耐水性などに優れた材料であるため、住宅および工場用の断熱材等として利用されている。このような用途に用いられる発泡樹脂成形ボードには、近年、難燃性、不燃性および耐火性や、抗菌性、消臭性、VOCの吸着性、防虫性等の付加的な機能性が求められている。
発泡樹脂成形ボードに、上記のとおりの種々の機能性を付与するための方法としては、従来より、様々な改善工夫が試みられている。
これら、従来の技術について、大別すると次のように区分することができる。
1)発泡樹脂ビーズの原料レベルで機能剤を添加して発泡成形する方法、
2)発泡樹脂ビーズの表面に機能剤をコーティングする方法。
2)発泡樹脂ビーズの表面に機能剤をコーティングする方法。
代表的ないくつかを例示すると、例えば、特許文献1では、有機臭素系難燃剤を含有する難燃性発泡性ポリスチレン系樹脂ビーズを発泡させて予備発泡粒を得て、さらにこの予備発泡粒を発泡成形することにより、難燃性発泡樹脂成形ボードを得ることが提案されている。
また、特許文献2では、多数の予備発泡粒の間に三次元連通気孔が形成された発泡樹脂成形ボードを母材として作成し、この母材の三次元連通気孔に難燃剤や機能性材料を充填することが提案されている。この方法によれば、発泡樹脂成形ボードの三次元連通気孔に機能剤を充填することから、運搬や設置等の作業時において他物体と接触などして表面が剥離したり、表面を切削加工した場合にも、三次元連通気孔内にある機能性材料が十分に機能を発揮するとされている。
しかしながら、従来の技術においては、いずれも問題があった。例えば、前記の樹脂原料そのものに難燃性発現のための手段を付与する特許文献1に記載された発明は、発泡樹脂の発泡率を低減させることのない難燃剤を選択する必要があり、例えば、テトラブロモビスフェノールA等の有機臭素系難燃剤が例示されている。このように、特許文献1の方法においては、適用可能な難燃剤が特殊かつ高価なものに限定され、生産コスト増につながるという問題があった。
また、特許文献2の方法においても、機能剤の一つである難燃剤として、ハロゲン化合物やアンチモン化合物を用いていることから、環境面や安全性の面において改善の余地が残されていた。このため、各種機能剤としての化合物種の選択や、三次元連通気孔に充填する際の各種機能剤の調製方法についての検討が必ずしも十分であるとは言えなかった。
本発明は、以上のとおりの従来技術の問題点を解消して、安価かつ簡便に様々な機能性の持続的な発現を可能とする機能性発泡樹脂多層成形ボードを得ることのできる新しい機能性発泡樹脂多層成形ボードの製造方法を提供することを課題としている。
本発明の発泡樹脂多層成形ボード及びその製造方法は、上記の技術的課題を解決するためになされたものであって、以下のことを特徴としている。
第1に、本発明の機能性発泡樹脂多層成形ボードは、少なくとも、予備発泡粒を面状に融着させた面融着層と、前記予備発泡粒を点状に融着させたポーラス層とを有する発泡樹脂多層成形ボードにおいて、前記ポーラス層の少なくとも一部には、機能剤が充填されていることを特徴としている。
第2に、前記第1の発明の機能性発泡樹脂多層成形ボードにおいて、前記機能剤が、難燃剤、不燃剤、消臭剤、芳香剤、抗菌剤、防虫剤、VOC吸着剤および低摩擦剤からなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましく考慮される。
第3に、前記第1または第2の発明の機能性発泡樹脂多層成形ボードでは、少なくとも、前記面融着層の予備発泡粒および前記ポーラス層の予備発泡粒のいずれかが、カーボンを含有していることが好ましく考慮される。
第4に、前記第1から第3の発明の機能性発泡樹脂多層成形ボードは、前記機能性発泡樹脂多層成形ボードの表面に、微細凹凸が形成されていることが好ましく考慮される。
第5に、本発明の機能性発泡樹脂多層成形ボードの製造方法は、少なくとも以下の工程<1><2><3>を含むことを特徴としている。
<1>移動金型と固定金型を備える金型のキャビティ内に、予備発泡粒を供給して発泡させて面状に融着させる面融着層成形工程;
<2>移動金型を固定金型から離れる方向にスライドさせることによって形成されたキャビティ内の空間、又は固定金型を移動金型から離れる方向にスライドさせることによって形成されたキャビティ内の空間に、ポーラス層成形用発泡樹脂材料を供給して発泡させて点状に融着させるポーラス層成形工程;
<3>前記金型より脱型した発泡樹脂多層成形体を処理容器内に設置し、この処理容器内に機能剤含有液を供給した後、前記処理容器内を吸引、減圧して、前記ポーラス層の少なくとも一部に機能剤を充填する工程。
<2>移動金型を固定金型から離れる方向にスライドさせることによって形成されたキャビティ内の空間、又は固定金型を移動金型から離れる方向にスライドさせることによって形成されたキャビティ内の空間に、ポーラス層成形用発泡樹脂材料を供給して発泡させて点状に融着させるポーラス層成形工程;
<3>前記金型より脱型した発泡樹脂多層成形体を処理容器内に設置し、この処理容器内に機能剤含有液を供給した後、前記処理容器内を吸引、減圧して、前記ポーラス層の少なくとも一部に機能剤を充填する工程。
第6に、前記第5の発明の機能性発泡樹脂多層成形ボードの製造方法では、前記機能剤が、難燃剤、不燃剤、消臭剤、芳香剤、抗菌剤、防虫剤、VOC吸着剤および低摩擦剤からなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましく考慮される。
本発明によれば、安価かつ簡便に様々な機能性の持続的な発現を可能とする機能性発泡樹脂多層成形ボードを得ることのできる新しい機能性発泡樹脂多層成形ボードの製造方法を提供することができる。
以下、発明を実施するための形態を示し、本発明の機能性発泡樹脂多層成形ボードをさらに詳細に説明する。図1は本発明の機能性発泡樹脂多層成形ボードの構造の一実施形態を示す概略断面図であり、図2(A)は面融着層の拡大写真、図2(B)はポーラス層の拡大写真である。
本実施形態の機能性発泡樹脂多層成形ボード1は、少なくとも、予備発泡粒を面状に融着させた面融着層2と、予備発泡粒を点状に融着させたポーラス層3とを有する発泡樹脂多層成形ボード1aにおいて、ポーラス層3の少なくとも一部には、機能剤4が充填されている機能性発泡樹脂多層成形ボード1である。
通常の発泡樹脂成形体の製造方法においては、複数の予備発泡粒の表面が相互にかつ緻密に融着しており、肉眼視では、複数の予備発泡粒間に空隙33は認められない。このような予備発泡粒の融着様式を「面融着」と呼ぶ。一方、本実施形態における発泡樹脂多層成形ボード1aのポーラス層3では、予備発泡粒31を点状に融着させて空隙33を形成させ、予備発泡粒31を相互に結合させている。このような予備発泡粒31の融着様式を「点融着」と呼び、ポーラス層3における複数の予備発泡粒31間での融着の程度を制御することにより、予備発泡粒21が「面融着」している面融着層2と同程度の強度を備えながら、予備発泡粒31相互の間に空隙33を形成することができる。
「点融着」しているポーラス層において、予備発泡粒31相互の間に形成される空隙33は、ポーラス層3の容積気孔率が、例えば、10〜40%の範囲であることが例示される。
ここでいう容積気孔率とは、ポーラス層全体の容積に対する空隙33の全容積比を意味する。容積気孔率が上記範囲内であれば、予備発泡粒3aが「点融着」している発泡樹脂成形体である本実施形態のポーラス層3が、空隙33内に機能剤4を十分に保持することができるとともに、予備発泡粒21が「面融着」している従来の発泡樹脂成形体である面融着層2と同程度の強度を発揮することができる。
本実施形態の発泡樹脂多層成形ボード1aの面融着層2は、予備発泡させた熱可塑性樹脂からなる予備発泡粒を二次発泡させて面状に融着させて成形した層である。面融着層2は、図2(B)に示すように、隣り合う予備発泡粒21同士の一粒一粒がほぼ均一に亀甲型に面状に融着し、空隙33を有さず、通水することがなく、気密性、断熱性に優れた層となっている。
面融着層2を構成する予備発泡粒21の原料となる熱可塑性樹脂としては、通常、発泡樹脂ボードの原料に使用される熱可塑性樹脂であれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等を用いることができる。ポリオレフィン樹脂は、樹脂中のオレフィン成分が50質量%以上の樹脂を意味するものであり、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリエチレン樹脂や、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体等のポリプロピレン樹脂等を挙げることができる。
また、ポリスチレン樹脂は、樹脂中のスチレン成分が50質量%以上の樹脂を意味するものであり、例えば、ポリスチレン、ブタジエン変性ポリスチレン(耐衝撃性ポリスチレン)、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体(SAN)、ポリオレフィン樹脂中にてスチレン系単量体を含浸重合させたポリスチレン樹脂とポリオレフィン樹脂との複合樹脂(スチレン成分50質量%以上)等を挙げることができる。
また、アクリル樹脂は、樹脂中のアクリル成分が50質量%以上の樹脂を意味するものであり、例えば、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体(スチレン成分50質量%未満)、ポリメタクリル酸メチル等を挙げることができる。
これらの中でも、二次発泡性や融着性の観点からポリスチレン樹脂を好適に用いることができる。また、上記のポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等を二種以上併用して用いることもできる。
また、面融着層2を構成する予備発泡粒21は、成形する発泡樹脂多層成形ボード1aの用途や要求する物性に応じて、発泡倍率を適宜調整することができる。例えば、面融着層2を構成する予備発泡粒21の樹脂粒子として平均粒子径が0.5〜6.0mmのポリスチレン樹脂を用いる場合には、発泡倍率は5〜100倍程度、好ましくは10〜50倍程度が考慮される。
なお、面融着層2を構成する予備発泡粒21の予備発泡時における発泡倍率は、主として樹脂粒子に含浸させる発泡剤の含有量の増減、発泡時の温度や時間によって調整することができる。また、面融着層2を構成する予備発泡粒21の平均粒子径は、樹脂粒子の粒子径及びその発泡倍率を調整することにより制御することができる。
本実施形態の発泡樹脂多層成形ボード1aのポーラス層3は、ポーラス層3を構成する予備発泡粒31を二次発泡させて点状に融着させた、通気性、通水性を有する層である。
通気性、通水性を有するポーラス層3は、図1の図中図及び図2(B)に示すように、隣り合う予備発泡粒31が互いに点状に融着して形成され、空隙33を有しており、具体的な形状としては、所謂おこし状の成形体が例示できる。予備発泡粒31の内部には、セル32と呼ばれる中空構造が生じることがある。一方、ポーラス層3の空隙33の形状は、連通した三次元網目構造が例示される。
ポーラス層3を構成する予備発泡粒31の基材となる発泡樹脂材料は、面融着層2を形成するための予備発泡粒21と同様のものを用いることができる。具体的な発泡倍率は特に限定されないが、樹脂粒子の平均粒子径が0.5〜6mmのとき、通常、5〜100倍程度であり、好ましくは10〜50倍程度が考慮される。
本実施形態の発泡樹脂多層成形ボード1aでは、面融着層2とポーラス層3の間に、接着剤や両面接着テープ等の接着層を介在させていてもよいし、予備発泡粒21により成形された面融着層2と、予備発泡粒31により成形されたポーラス層3の界面が他の材料等により接着されておらず、直接2層が融着していいてもよい。
また、本実施形態の発泡樹脂多層成形ボード1aにおいては、少なくとも、面融着層2を構成する予備発泡粒21又はポーラス層3を構成する予備発泡粒31のいずれかが、カーボンを含有していることが好ましく考慮される。カーボンの含有量は、面融着層2を構成する予備発泡粒21の発泡倍率や面吸着性に悪影響を与えない範囲であれば特に限定されるものではない。
面融着層2を構成する予備発泡粒21又はポーラス層3を構成する予備発泡粒31のいずれかにカーボンを含有させることにより、面融着層2が赤外線を吸収、反射する性能を付与することができ、その結果、発泡樹脂多層成形ボード1aの熱伝導率をより低減させることができ、断熱性能を向上させることができる。
また、本実施形態の発泡樹脂多層成形ボード1aでは、ボード表面に微細凹凸5が形成されていることが好ましい。
発泡樹脂多層成形ボード1aに形成する微細凹凸5は、面融着層2とポーラス層3の表面、或いは面融着層2の表面に形成するのが望ましい。発泡樹脂多層成形ボード1aを建材として用い、その表面にモルタル塗布施工などをする場合に、面融着層2の表面に微細凹凸5を形成しておくことにより、発泡樹脂多層成形ボード1aの表面とモルタルとの接着強度を向上させることができる。
微細凹凸5の形状や深さは、発泡樹脂多層成形ボード1aの表面の表面積を大きくして、他建材との接着強度を向上させることができれば特に限定されるものではなく、例えば、図3に示すように、細かい碁盤目様のメッシュ模様等が例示される。また、微細凹凸5の形成は、金型表面に予め微細凹凸5の雌型を形成しておいたり、形成した発泡樹脂多層成形ボード1aの表面に後から形成するようにしてもよい。また、形成した発泡樹脂多層成形ボード1aの表面を薄く切除、切削して微細凹凸を形成することもできる。
このような発泡樹脂多層成形ボード1aのポーラス層3の少なくとも一部には、機能剤4が充填されている。
機能剤4としては、例えば、難燃剤、不燃剤、消臭剤、芳香剤、抗菌剤、防虫剤、VOC吸着剤および低摩擦剤からなる群より選ばれる少なくとも一種であることが例示される。
前記難燃剤又は不燃剤としては、例えば、リン酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、硫酸アンモニウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、赤リン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、シリカ、カーボン、膨張黒鉛、酸化チタン、ほう酸塩、ホスファゼン等が例示される。また、前記難燃剤又は不燃剤としては、市販の消火剤等が例示される。これらは1種単独または2種類以上を併用したものが例示される。中でも、市販の粉末消火器に充填されている消火剤を好適に用いることができ、しかも使用年限を過ぎた消火器本体から取り出した粉末状の消火剤であっても好適に用いることができる。
上記のとおりの難燃剤又は不燃剤以外の機能剤4についても、適宜選択することが可能である。
これらの機能剤4を発泡樹脂多層成形ボード1aのポーラス層のポーラスに充填する際には、水やアルコール等の親水性の溶媒に機能剤4を溶解又は分散させて調製した機能剤含有液として充填することが好ましく考慮される。また、機能剤含有液4aには、機能剤4を含有している限りにおいて、例えば、シリコン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ノボラック樹脂、中和剤、防腐剤等を添加してもよい。これらは1種単独または2種類以上を併用したものが例示される。
前記アルコール類としては、発泡樹脂多層成形ボード1aおよび予備発泡粒21、31を溶解しない限り、アルコール類の濃度や種類については特に限定されることはなく、例えば、水溶性ポリマー類などが好適に用いられる。
水溶性ポリマー類は、接着剤や、バインダーなどとして利用されている。また、水溶性ポリマー類は、洗剤、紙、繊維の原料や加工材料としても広く用いられている。このような水溶性ポリマー類は、分子中に多くのヒドロキシ基、カルボキシ基、エーテル結合等の親水基を有することから、温水に可溶であり、合成樹脂としては特異な性質を有している。
水溶性ポリマー類としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニルコポリマーなどが例示される。
このような水溶性ポリマー類を基剤として、機能剤含有液4aを調製することにより、通常、比較的親水性の高い化合物を主成分とする機能剤であっても、疎水性である発泡樹脂多層成形ボード1aおよび予備発泡粒21、31の表面に定着させることが可能となる。
機能剤含有液4aにおける水溶性ポリマー類の濃度は、機能剤4の分散性を損なわない限り特に制限されないが、例えば、0.1質量%以上70質量%の範囲の範囲が例示される。前記のとおり、水溶性ポリマー類は温水に可溶であることから、水溶性ポリマー類に任意の量の温水を混合して、希釈、濃度調整を行うことも可能である。
機能剤含有液4aには、機能剤4の分散性や機能を阻害しない限り、界面活性剤等を添加してもよい。
界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム(ドデシル硫酸ナトリウム)、ラウレス硫酸ナトリウム、リン酸モノドデシルナトリウム、3-(N,N-ジメチルオクタデシルアンモニオ)プロパンスルホナート、1−ドデシルピリジニウムクロリド、Span 85、Tween 85、アルコール類等が例示される。また、市販の食器用洗剤等のいわゆる中性洗剤も使用可能である。
機能剤含有液4aにおける界面活性剤の濃度は、機能剤4の分散性を損なわない限り特に制限されないが、例えば、0.01質量%以上20質量%の範囲が例示される。
本実施形態においては、機能剤4の基剤として、水溶性ポリマー類に代えて、精製水や脱イオン水、純水、蒸留水などの水を用いることもできる。
ただ、これら水単独では、機能剤4の分散性が低いことから、前記界面活性剤を添加することが実用上好ましく考慮される。この場合も、機能剤含有液4aにおける界面活性剤の濃度は、機能剤の分散性を損なわない限り特に制限されないが、水溶性ポリマー類を機能剤含有液4aの基剤とする場合と同様に、例えば、0.01質量%以上20質量%の範囲が例示される。
機能剤含有液4aにおいて、難燃剤4と、水溶性ポリマー類を含有する基材との配合比率は、特に限定されないが、水溶性ポリマー類を含有する基材の全量に対して、例えば、0.1質量%以上70質量%の範囲が例示される。機能剤4と水溶性ポリマー類を含有する基材の配合比率が、上記の範囲内であれば、所期の機能性を発泡樹脂多層成形ボード1aに付与することができる。
機能剤含有液4aを調製する際には、機能剤4と水溶性ポリマー類を含有する基材とを、例えば、公知の攪拌機を用いて、攪拌・混合することが好ましく考慮される。前記攪拌機としては、例えば、公知のタンブラーミキサーやブレンダー、ヘリカルリボンやアンカー翼付き二軸攪拌機などが例示される。
機能剤含有液4aの攪拌時間としては、例えば、1分以上1時間以下の範囲が例示される。また、機能剤含有液4aは攪拌終了直後には、液中に機能剤4が均一に分散、あるいは完全に溶解している。しかしながら、未溶解の機能剤4が残存することがある。このような状態の機能剤含有液4aは、さらに一晩程度放置することにより、液中に機能剤4が均一に分散、あるいは完全に溶解している状態を呈するようになる。
このようにして調製した機能剤含有液4aを、発泡樹脂多層成形ボード1aのポーラス層3の予備発泡粒31相互の間に形成された空隙33に充填することにより、機能性発泡樹脂多層成形ボード1が得られる。
本実施形態によれば、ポーラス層3の予備発泡粒31相互の間に形成された空隙33に、均一かつ確実に機能剤4を含有する機能剤含有液4a充填して、発泡樹脂多層成形ボード1aに難燃性をはじめとする様々な機能性を付与することができる。このため、機能性発泡樹脂多層成形ボード1の運搬、輸送中に難燃剤の剥離、脱落がなく、発泡樹脂多層成形ボード1aに様々な機能性を確実に付与することができる。
次に、上記で説明した本発明の機能性発泡樹脂多層成形ボード1の製造方法について図4を用いて詳述する。図4(A)〜(E)は、本発明の発泡樹脂成形品の製造方法の各工程を示した概略説明図である。
本実施形態の機能性発泡樹脂多層成形ボードの製造方法は、移動金型62と固定金型61を備える金型のキャビティ63内に、面融着層2を構成する予備発泡粒21を供給して発泡させて面状に融着させる面融着層成形工程と、移動金型62を固定金型61から離れる方向にスライドさせることによって形成されたキャビティ63内の空間に、ポーラス層3を構成する予備発泡粒31を供給して発泡させて点状に融着させるポーラス層成形工程とを含むものである。
まず、面融着層成形工程では、図4(A)に示すように、移動金型62と固定金型61とを密着固定して、各々の金型の間に予備発泡粒21、31を供給する空間のキャビティ63を形成する。この段階のキャビティ63の厚さ方向の幅は、次工程で成形する面融着層2の厚みとなるため、製造する発泡樹脂多層成形ボード1a及び融着層2の厚みを考慮して設定する。
次に、図4(B)に示すように、面融着層用予備発泡粒供給フィーダー64を通して、キャビティ63内に予備発泡粒21を供給して加熱し、二次発泡させて面状に融着させて面融着層2を形成する。この際の加熱温度及び加熱時間は、予備発泡粒21の特性や、成形する発泡樹脂多層成形ボード1aの用途等を考慮して適宜設定することができる。
次に、ポーラス層成形工程として、図4(C)に示すように、移動金型62を固定金型61から離れる方向にスライドさせて新たなキャビティ63を形成する。この段階のキャビティ63の厚さ方向の移動幅は、成形するポーラス層3の厚みとなるため、前工程で成形した面融着層2の厚みと製造する発泡樹脂多層成形ボード1aの厚みを考慮して設定することが考慮される。
次に、図4(D)に示すように、移動金型62をスライドさせて形成させたキャビティ63内にポーラス層用予備発泡粒供給フィーダー65を通して、予備発泡粒31を供給して加熱し、二次発泡させ、点状に融着させてポーラス層3を形成する。この際の加熱温度及び加熱時間は、ポーラス層3の二次発泡の程度、即ち、ポーラスの通気性や通水性を考慮して適宜設定することができる。このポーラス層3の成形条件は、使用する予備発泡粒31の特性に応じて適宜設定される。
そして、面融着層2と一体に融着したポーラス層3を成形した状態で、図4(E)に示すように金型を開けて本実施形態の発泡樹脂多層成形ボード1aを取り出す。
このようにして製造した発泡樹脂多層成形ボード1aは、図1に示すように、面融着層成形用発泡樹脂材料21で形成された面融着層2と、ポーラス層成形用発泡樹脂材料31で形成されたポーラス層3が一体に形成されているため、優れた断熱性を有する発泡樹脂多層成形ボード1aとすることができる。
続いて、上記工程で得られた発泡樹脂多層成形ボード1aのポーラス層3における予備発泡粒31相互の間に形成された空隙33に、機能剤含有液4aを充填する。
機能剤含有液4aの充填は、<1>処理容器7内に、あらかじめ発泡樹脂多層成形ボード1aをセットして、発泡樹脂多層成形ボード1aに機能剤含有液4aを注いで、ポーラス層3の空隙33内に充填する方法や、<2>機能剤含有液4aを貯留した処理容器7内に、発泡樹脂多層成形ボード1aを浸漬することにより、ポーラス層3の空隙33内に充填する方法等が例示される。また上記の方法<1>、<2>において、処理容器7内に発泡樹脂多層成形ボード1aと機能剤含有液4aを併存させた後に、吸引や加圧等の方法により、空隙33内に機能剤含有液4aを充填することも好ましく考慮される。
本実施形態では、図5に示したように、底面部矩形で、この底面部の周囲四辺から壁面部が立設された、上面部を欠く箱型、すなわち桝形の処理容器7に、機能剤含有液4aが浸透することのない材料で製造された第1の樹脂製のシート8aを敷き、このシート8aの表面に発泡樹脂多層成形ボード1aを載置し、機能剤含有液4aを供給する。次いで、別途用意した第2の樹脂製のシート8bを用いて発泡樹脂多層成形ボード1aおよび機能剤含有液4aとを覆い、2枚の樹脂製のシート8a、8bの端縁部について、吸気用の開口部9を一部残して熱圧着し、この開口部9より2枚の樹脂製のシート8a、8b間の空気を吸引、減圧する。これにより、ポーラス層3の空隙33に機能剤含有液4aが充填される。
吸引や加圧は真空ポンプや気体圧送用ポンプなどの従来公知の装置を用いて行うことができる。また、単に、機能剤含有液4aに浸漬した発泡樹脂多層成形ボード1aを上方より押圧して、空隙33内に機能剤含有液4aを充填することも製造工程の簡略化およびコスト削減の観点から実用上好ましく考慮される。
このようにして、機能剤含有液4aは、発泡樹脂多層成形ボード1aのポーラス層3を構成する予備発泡粒31相互の間に形成された空隙33に充填され、予備発泡粒31の表面に機能剤4の層を形成することができる。
この機能剤4の層は、機能剤含有液4a中における機能剤4の配合量や、機能剤4の種類、攪拌混合の諸条件の選択によってその厚みを適宜に調整することができる。
なお、空隙33に充填とは、空隙33が機能剤含有液4aあるいは機能剤4によって隙間なく充填された状態のみならず、ポーラス層3の予備発泡粒31の表面が完全に被覆されており、かつ機能剤4の層に発泡樹脂多層成形ボード1aの外部と連通する貫通孔や、気泡等の空隙33が残されている状態であっても構わない。
機能剤含有液4aは水溶性ポリマー類の濃度により粘度が変化する。一般に、低粘度の機能剤含有液4aは空隙33への充填時に有利に働く一方で、充填後の空隙33中への保持が難しい。そこで、この空隙33中への機能剤4の保持を容易にするために、充填した機能剤4の表面をゲル化させて流動性を低くすることが好ましい。そこで、本実施形態では、発泡樹脂多層成形ボード1aのポーラス層3の空隙33に機能剤含有液4aを充填する工程の後に、機能性発泡樹脂多層成形ボード1をゲル化剤溶液に浸漬する工程を含むことが好ましく考慮される。
前記ゲル化剤溶液は、ホウ酸およびホウ酸塩のうち少なくともいずれか一方を含有することが好ましく考慮される。前記ゲル化剤溶液中のホウ酸濃度としては、例えば、0.1質量%以上50質量%以下であることが例示される。
前記ゲル化剤溶液に適用可能な溶媒としては、精製水、アルコール、グリセリン等が例示される。
また、前記ゲル化剤溶液は、ホウ酸およびホウ酸塩のうち少なくともいずれか一方以外に、機能剤含有液4aのゲル化を妨げない範囲において、難燃剤、中和剤、防腐剤、界面活性剤、シランカップリング剤等の両親媒性化合物等を含有していてもよい。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、ポーラス層成形工程において、移動金型62を固定金型61から離れる方向にスライドさせることにより、新たなキャビティ63を形成しているが、逆に、固定金型62を移動金型62から離れる方向にスライドさせて新たなキャビティ63を形成することもできる。
また、上記実施形態では、面融着層2とポーラス層3の2層構成としたが、この構成を基本の構成として他の機能層を積層して多層構成の機能性発泡樹脂多層成形ボード1を形成することもできる。
また、面融着層2の予備発泡粒21とポーラス層3の予備発泡粒31の色を異なる色調の材料として、成形した面融着層2とポーラス層3の色を異なるものとすることができる。これにより、異なる機能を有する各層の面を容易に視認することが可能となる。
また、上記実施形態では、本発明の機能性発泡樹脂多層成形ボード1を建築材料として説明したが、用途はこれに限定されるものではなく、例えば、自動車床材、リチウムイオン電池ケース、航空機産業への活用、空調機器用の断熱材や食品輸送用箱、プランター等、結露やカビの発生防止を必要とする用途全般に使用が可能である。
以上のことから、本実施形態では、安全性が高く製造コストを低く抑えることができる新しい機能性発泡樹脂多層成形ボード1の製造方法を提供することができる。
以下に実施例を示すが、本発明の機能性発泡樹脂多層成形ボード1aの製造方法は、実施例に限定されるものではない。
(実施例)
<A.発泡樹脂成形体の作成>
発泡スチロール樹脂ビーズを圧送により成形機金型に供給して110℃〜120℃の加熱水蒸気を成形機の金型内に導入し、予備発泡粒相互の間に空隙33が形成された発泡樹脂成形体を得た。
<B.機能剤含有液の調製>
精製水と、界面活性剤として市販の中性洗剤とをビーカーに分注し、スターラーを用いて3分間攪拌した。攪拌後、水溶性ポリマー類としてポリ酢酸ビニル、機能剤として市販の消火器に用いられる消火剤を添加して、加熱しながら30分間攪拌した。消火剤とポリ酢酸ビニルが中性洗剤水溶液中に分散したところで加熱を停止し、その後室温に戻るまで攪拌して機能剤含有液とした。この実施例における機能剤含有液は、上記のとおり機能剤として消火剤を含有していることから、不燃性を有する。また、この機能剤含有液を充填した発泡樹脂多層成形ボードに、不燃性を付与することができる。
<C.機能性発泡樹脂多層成形ボードの製造>
A.で得られた面融着層とポーラス層とを有する発泡樹脂多層成形ボードを長さ10cm、幅10cm、厚さ5cmの試験体を作製し、この試験体をB.で得られた機能剤含有液に真空含浸し、ポーラス層の空隙33内に機能剤含有液を充填した。機能剤含有液の充填後、処理容器から発泡樹脂多層成形ボードを取り出し、デシケーター内に入れて室温下で乾燥した。
(比較例1)
ポーラス層の予備発泡粒相互の間に空隙33が形成された発泡樹脂多層成形ボードを、機能剤含有液を添加していないポリ酢酸ビニル水溶液に真空含浸したこと以外は実施例1と同様にして試験体を得た。
(比較例2)
実施例1と同様にして調製した機能剤含有液に、ポーラス層を具備していない通常の発泡樹脂成形ボードを真空含浸したこと以外は、実施例1と同様にして試験体を得た。
<A.発泡樹脂成形体の作成>
発泡スチロール樹脂ビーズを圧送により成形機金型に供給して110℃〜120℃の加熱水蒸気を成形機の金型内に導入し、予備発泡粒相互の間に空隙33が形成された発泡樹脂成形体を得た。
<B.機能剤含有液の調製>
精製水と、界面活性剤として市販の中性洗剤とをビーカーに分注し、スターラーを用いて3分間攪拌した。攪拌後、水溶性ポリマー類としてポリ酢酸ビニル、機能剤として市販の消火器に用いられる消火剤を添加して、加熱しながら30分間攪拌した。消火剤とポリ酢酸ビニルが中性洗剤水溶液中に分散したところで加熱を停止し、その後室温に戻るまで攪拌して機能剤含有液とした。この実施例における機能剤含有液は、上記のとおり機能剤として消火剤を含有していることから、不燃性を有する。また、この機能剤含有液を充填した発泡樹脂多層成形ボードに、不燃性を付与することができる。
<C.機能性発泡樹脂多層成形ボードの製造>
A.で得られた面融着層とポーラス層とを有する発泡樹脂多層成形ボードを長さ10cm、幅10cm、厚さ5cmの試験体を作製し、この試験体をB.で得られた機能剤含有液に真空含浸し、ポーラス層の空隙33内に機能剤含有液を充填した。機能剤含有液の充填後、処理容器から発泡樹脂多層成形ボードを取り出し、デシケーター内に入れて室温下で乾燥した。
(比較例1)
ポーラス層の予備発泡粒相互の間に空隙33が形成された発泡樹脂多層成形ボードを、機能剤含有液を添加していないポリ酢酸ビニル水溶液に真空含浸したこと以外は実施例1と同様にして試験体を得た。
(比較例2)
実施例1と同様にして調製した機能剤含有液に、ポーラス層を具備していない通常の発泡樹脂成形ボードを真空含浸したこと以外は、実施例1と同様にして試験体を得た。
実施例および比較例で得られた試験体について、機能性として不燃性を評価し、また機能剤である不燃剤の保持性を評価した。評価の基準は下記のとおりである。
<不燃性>
実施例および比較例で得られた試験体をロウソクの炎に5分間接触した後、試験体を炎から遠ざけて、試験体の不燃性について下記の基準で判定した。
<不燃性>
実施例および比較例で得られた試験体をロウソクの炎に5分間接触した後、試験体を炎から遠ざけて、試験体の不燃性について下記の基準で判定した。
○:試験体の火炎接触部は若干収縮するが、炭化層が形成され、燃焼しない。
△:試験体の火炎接触部が収縮し、炎から遠ざけても燃焼し続けるが、試験体全体には火が燃え広がらない。
×:試験体の全体に火が燃え広がる。
<不燃剤の保持性>
実施例および比較例で得られた試験体の表面モルフォロジーを電子顕微鏡を用いて観察し、下記の基準で判定した。
<不燃剤の保持性>
実施例および比較例で得られた試験体の表面モルフォロジーを電子顕微鏡を用いて観察し、下記の基準で判定した。
◎:不燃剤の保持性が極めて良好である。
○:不燃剤の保持性が良好である。
△:不燃剤の一部が脱落しており、保持性がやや良好である。
×:不燃剤の保持性が著しく悪い。(該当なし)
評価結果を表1に示す。
評価結果を表1に示す。
具体的には、試験体をロウソクの炎に5分間接近させると、試験体の表面が炭化し、試験体内部への着火は起きず、試験体の表面に生じた炭化層によって試験体の内部が保護されていることが確認された。
しかしながら、ポーラスを具備していない従来の発泡樹脂多層成形ボードを不燃液に含浸して作成した比較例2の試験体では、試験体の火炎接触部が収縮し、炎から遠ざけても燃焼し続けるが、試験体全体には火が燃え広がらない。
一方、不燃剤を含有していないポリ酢酸ビニル水溶液をポーラス層の空隙33に充填した比較例1の試験体は、試験体の全体に火が燃え広がり、全く不燃性を示さないことが確認された。
1 機能性発泡樹脂多層成形ボード
1a 発泡樹脂多層成形ボード
2 面融着層
21 予備発泡粒
3 ポーラス層
31 予備発泡粒
32 セル
33 空隙
4 機能剤
4a 機能剤含有液
5 微細凹凸
61 固定金型
62 移動金型
63 キャビティ
64 面融着層用予備発泡粒供給フィーダー
65 ポーラス層用予備発泡粒供給フィーダー
7 処理容器
8a 第1の樹脂製のシート
8b 第2の樹脂製のシート
9開口部
1a 発泡樹脂多層成形ボード
2 面融着層
21 予備発泡粒
3 ポーラス層
31 予備発泡粒
32 セル
33 空隙
4 機能剤
4a 機能剤含有液
5 微細凹凸
61 固定金型
62 移動金型
63 キャビティ
64 面融着層用予備発泡粒供給フィーダー
65 ポーラス層用予備発泡粒供給フィーダー
7 処理容器
8a 第1の樹脂製のシート
8b 第2の樹脂製のシート
9開口部
Claims (6)
- 少なくとも、予備発泡粒を面状に融着させた面融着層と、前記予備発泡粒を点状に融着させたポーラス層とを有する発泡樹脂多層成形ボードにおいて、前記ポーラス層の少なくとも一部には、機能剤が充填されていることを特徴とする機能性発泡樹脂多層成形ボード。
- 前記機能剤が、難燃剤、不燃剤、消臭剤、芳香剤、抗菌剤、防虫剤、VOC吸着剤および低摩擦剤からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の機能性発泡樹脂多層成形ボード。
- 少なくとも、前記面融着層の予備発泡粒および前記ポーラス層の予備発泡粒のいずれかが、カーボンを含有していることを特徴とする請求項1または2に記載の機能性発泡樹脂多層成形ボード。
- 前記機能性発泡樹脂多層成形ボードの表面に、微細凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の機能性発泡樹脂多層成形ボード。
- 少なくとも以下の工程<1><2><3>を含むことを特徴とする機能性発泡樹脂多層成形ボードの製造方法。
<1>移動金型と固定金型を備える金型のキャビティ内に、予備発泡粒を供給して発泡させて面状に融着させる面融着層成形工程;
<2>移動金型を固定金型から離れる方向にスライドさせることによって形成されたキャビティ内の空間、又は固定金型を移動金型から離れる方向にスライドさせることによって形成されたキャビティ内の空間に、ポーラス層成形用発泡樹脂材料を供給して発泡させて点状に融着させるポーラス層成形工程;
<3>前記金型より脱型した発泡樹脂多層成形体を処理容器内に設置し、この処理容器内に機能剤含有液を供給した後、前記処理容器内を吸引、減圧して、前記ポーラス層の少なくとも一部に機能剤を充填する工程。 - 前記機能剤が、難燃剤、不燃剤、消臭剤、芳香剤、抗菌剤、防虫剤、VOC吸着剤および低摩擦剤からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項5に記載の機能性発泡樹脂多層成形ボードの製造方法。
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