JP2018141127A - 油性インクジェットインク - Google Patents

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Abstract

【課題】ノズルプレートへのインクの付着を防止し、ノズルからのインクの吐出性能を改善し、印刷物によるクリアファイルの変形を防止する油性インクジェットインクを提供する。【解決手段】色材及び非水系溶剤を含み、非水系溶剤は、1分子内にエステル結合を2個以上有するカルボン酸エステル系溶剤と、シリコーンオイルとを含み、シリコーンオイルは、非水系溶剤全量に対し15質量%〜90質量%で含まれる、油性インクジェットインクである。【選択図】なし

Description

本発明は、油性インクジェットインクに関する。
インクジェット記録方式は、流動性の高いインクジェットインクを微細なノズルから液滴として噴射し、ノズルに対向して置かれた記録媒体に画像を記録するものであり、低騒音で高速印字が可能であることから、近年急速に普及している。このようなインクジェット記録方式に用いられるインクとして、水を主溶媒として含有する水性インク、重合性モノマーを主成分として高い含有量で含有する紫外線硬化型インク(UVインク)、ワックスを主成分として高い含有量で含有するホットメルトインク(固体インク)とともに、非水系溶剤を主溶媒として含有する、いわゆる非水系インクが知られている。非水系インクは、主溶媒が揮発性有機溶剤であるソルベントインク(溶剤系インク)と、主溶媒が低揮発性あるいは不揮発性の有機溶剤である油性インク(オイル系インク)に分類できる。ソルベントインクは主に有機溶剤の蒸発によって記録媒体上で乾燥するのに対して、油性インクは記録媒体への浸透が主となって乾燥する。
油性インクジェットインクによって画像形成された印刷物を、ポリプロピレン(PP)製等のクリアファイルに挟み込み保管すると、クリアファイルが変形する問題がある。この一因としては、クリアファイルが印刷面と接すると、インク成分によってクリアファイルの片面が膨潤するためである。
特許文献1では、透明ファイルを膨潤させたり、大きく変形させることなく、高い吐出安定性を有するインクジェット用非水系インク組成物として、顔料と分散剤と非水系溶媒とを含有し、非水系溶媒の全重量の50%以上は、炭素数24以上36以下のエステル系溶媒であるインクを提案している。
特許文献2では、シリコーン系溶媒と顔料を含有し、さらに分散剤として特定の変性シリコーンオイルを含んでいるインクジェット用非水系顔料インクによって、インクの安定性、ノズル目詰まり及びクリアファイル変形を改善することを提案している。
特許文献3では、少なくとも沸点が100℃〜250℃のシリコーン系溶媒を2〜95wt(%)と、該溶媒に不溶な着色材を含有するインクジェット記録用インクによって、紙質によらず良好な印字品質が得られ、また印字後数秒で十分な耐刷性が得られ、カラー画像において混色の無い鮮明な画像が得られることを提案している。
特許文献4では、顔料と、非水系溶剤と、界面活性剤とを含有し、界面活性剤として、HLB値が1.0以上7.0以下のシロキサン系界面活性剤を含む非水系インクジェットインク組成物によって、画像の光学濃度、吐出安定性及び保存安定性を改善することを提案している。
特許文献5では、分子骨格中にシロキサン結合を持つ絶縁性溶剤を用いたインクジェットプリンタ用インクによって、高濃度で鮮明な印字を可能にし、耐擦過性を有し、かつ安定吐出が可能になることを提案している。
特開2007−154149号公報 特開2004−217703号公報 特開平4−248879号公報 特開2016−196564号公報 特開平4−161467号公報
高炭素数のエステル系溶剤は、比較的に高粘度であるため、このエステル系溶剤を用いるだけでは、インクジェットノズルからのインクの吐出性能が十分に得られない問題がある。
また、シリコーン系溶剤はインクジェットのノズルプレートに対して親和性が高く、シリコーン系溶剤を用いたインクは、ノズルプレートに付着しやすく、ノズルヘッドプレートに付着したインクが印刷物に液だれしたり、ノズルヘッド付近でインクが固化してノズル不吐出の原因となったりすることがある。
特許文献1〜5では、いずれもノズルプレートにインクが付着する問題については検討されていない。また、特許文献3〜5では、いずれもクリアファイルの変形について検討されていない。
本発明の一目的としては、ノズルプレートへのインクの付着を防止し、ノズルからのインクの吐出性能を改善し、印刷物によるクリアファイルの変形を防止することができる。
一実施形態としては、色材及び非水系溶剤を含み、前記非水系溶剤は、1分子内にエステル結合を2個以上有するカルボン酸エステル系溶剤と、シリコーンオイルとを含み、前記シリコーンオイルは、非水系溶剤全量に対し15質量%〜90質量%で含まれる、油性インクジェットインクである。
一実施形態によれば、ノズルプレートへのインクの付着を防止し、ノズルからのインクの吐出性能を改善し、印刷物によるクリアファイルの変形を防止することができる。
以下、本発明を一実施形態を用いて説明する。以下の実施形態における例示が本発明を限定することはない。
一実施形態による油性インクジェットインク(以下、単にインクと称することがある。)としては、色材及び非水系溶剤を含み、非水系溶剤は、1分子内にエステル結合を2個以上有するカルボン酸エステル系溶剤と、シリコーンオイルとを含み、シリコーンオイルは、非水系溶剤全量に対し15〜90質量%で含まれる、ことを特徴とする。
これによれば、ノズルプレートへのインクの付着を防止し、ノズルからのインクの吐出性能を改善することができる。また、印刷物によるクリアファイルの変形を防止することができる。
クリアファイル、特にポリプロピレン(PP)製のクリアファイルを用いて、油性インクによる印刷物を挟み込む場合、印刷物のインク成分、特に非水系溶剤成分が揮発して、クリアファイルに接触すると、クリアファイルの内側の面が大きく変性し、クリアファイルの外側の面に対して膨潤ないし収縮して、クリアファイルが変形することがある。これは、油性インクに用いられる非水系溶剤の構造がクリアファイルのポリプロピレンと似ていると、起こりやすくなる。
インクに高沸点溶剤を用いることで、印刷物から非水系溶剤成分が揮発しないようにして、クリアファイルの変形を防ぐことができる。しかし、高沸点溶剤は、一般的に高粘度となって、インクジェットインクとしては、インクジェットノズルからのインクの吐出性が低下する問題がある。
シリコーンオイルは、シロキサン構造等のケイ素骨格を有する溶剤であり、比較的に低粘度でありながら、クリアファイルの変形を防止することができる。しかし、シリコーンオイルは、シロキサン構造等のケイ素骨格部分がノズルプレートの材質と構造が似ていたり、インクの表面張力を低下させることなどから、ノズルプレートにインクが付着しやすくなって、吐出不良につながる問題がある。
シリコーンオイルとともに、上記した1分子内にエステル結合を2個以上有するカルボン酸エステル系溶剤を用いることで、クリアファイルの変形を防止し、吐出性能を改善するとともに、ノズルプレートへのインクの付着を防止することができる。
このカルボン酸エステル系溶剤は、高極性でありながら、反応性が低いため、溶剤として低粘度である。また、このカルボン酸エステル系溶剤をインクに配合することで、インクの表面張力を調整でき、ノズルプレートに対するインクの濡れ性を低下させて、ノズルプレートへのインクの付着を防止することができる。
インクは、色材として顔料、染料、またはこれらの組み合わせを含むことができる。
顔料としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、多環式顔料、染付レーキ顔料等の有機顔料;及び、カーボンブラック、金属酸化物等の無機顔料を用いることができる。アゾ顔料としては、溶性アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料及び縮合アゾ顔料等が挙げられる。フタロシアニン顔料としては、金属フタロシアニン顔料及び無金属フタロシアニン顔料等が挙げられる。多環式顔料としては、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、チオインジゴ系顔料、アンスラキノン系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料及びジケトピロロピロール(DPP)等が挙げられる。カーボンブラックとしては、ファーネスカーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。金属酸化物としては、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられる。これらの顔料は単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
顔料の分散形態は、顔料を非油溶性樹脂で被覆したいわゆるカプセル顔料や着色樹脂粒子、及びそれらを顔料分散剤で分散させた分散体であってもよいが、顔料表面に官能基を化学結合させたいわゆる自己分散顔料の分散体や、顔料分散剤を顔料表面に直接吸着させて分散させた分散体であることが好ましい。
顔料の平均粒子径としては、吐出安定性と保存安定性の観点から、300nm以下であることが好ましく、より好ましくは200nm以下であり、さらに好ましくは150nm以下である。
顔料は、インク全量に対し、通常0.01〜20質量%であり、印刷濃度とインク粘度の観点から、1〜15質量%であることが好ましく、5〜10質量%であることが一層好ましい。
インク中で顔料を安定して分散させるために、顔料とともに顔料分散剤を用いることができる。
顔料分散剤としては、例えば、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、ビニルピロリドンと長鎖アルケンとの共重合体、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリエステルポリアミン等が好ましく用いられる。
顔料分散剤の市販品例としては、例えば、アイ・エス・ピー・ジャパン株式会社製「アンタロンV216(ビニルピロリドン・ヘキサデセン共重合体)、V220(ビニルピロリドン・エイコセン共重合体)」(いずれも商品名);日本ルーブリゾール株式会社製「ソルスパース13940(ポリエステルアミン系)、16000、17000、18000(脂肪酸アミン系)、11200、24000、28000」(いずれも商品名);BASFジャパン株式会社製「エフカ400、401、402、403、450、451、453(変性ポリアクリレート)、46、47、48、49、4010、4055(変性ポリウレタン)」(いずれも商品名);楠本化成株式会社製「ディスパロンKS−860、KS−873N4(ポリエステルのアミン塩)」(いずれも商品名);第一工業製薬株式会社製「ディスコール202、206、OA−202、OA−600(多鎖型高分子非イオン系)」(いずれも商品名);ビックケミー・ジャパン株式会社製「DISPERBYK2155、9077」(いずれも商品名);クローダジャパン株式会社製「HypermerKD2、KD3、KD11、KD12」(いずれも商品名)等が挙げられる。
顔料分散剤は、上記顔料を十分にインク中に分散可能な量であれば足り、適宜設定できる。例えば、質量比で、顔料1に対し顔料分散剤を0.1〜5で配合することができ、好ましくは0.1〜1である。また、顔料分散剤は、インク全量に対し、0.01〜10質量%で配合することができ、好ましくは0.01〜5質量%である。
油性インクには、顔料分散剤を含む樹脂成分は、インク全量に対し10質量%以下で配合することができ、より好ましくは7質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下である。これによって、インク粘度の上昇を防止し、吐出性能をより改善することができる。
染料としては、当該技術分野で一般に用いられているものを任意に使用することができる。油性インクでは、染料は、インクの非水系溶剤に親和性を示すことで、貯蔵安定性がより良好となるため、油溶性染料を用いることが好ましい。
油溶性染料としては、アゾ染料、金属錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染料、シアニン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロシアニン染料、金属フタロシアニン染料等を挙げることができる。これらは単独で、または複数種を組み合わせて使用してもよい。
染料は、インク全量に対し、通常0.01〜20質量%であり、印刷濃度とインク粘度の観点から、1〜15質量%であることが好ましく、5〜10質量%であることが一層好ましい。
インクは、非水系溶剤として、1分子内にエステル結合を2個以上有するカルボン酸エステル系溶剤と、シリコーンオイルとを含むことができる。
シリコーンオイルは、非水系溶剤全量に対し、15質量%以上であり、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましく、50質量%以上であってもよい。この範囲で、インク全体を低粘度化して、吐出性能を改善することができる。また、シリコーンオイルの割合が大きい方が、クリアファイル変形を防止することができる。
シリコーンオイルは、非水系溶剤全量に対し、90質量%以下であり、85質量%以下がより好ましく、80質量%以下がさらに好ましく、70質量%以下であってもよい。シリコーンオイルの割合をこの範囲で制限することで、ノズルプレートに対するインクの濡れ性を低下させて、ノズルプレートへのインクの付着を防止することができる。
上記したカルボン酸エステル系溶剤は、非水系溶剤全量に対し、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましく、30質量%以上であってもよい。この範囲でカルボン酸エステル系溶剤が含まれることで、ノズルプレートへのインクの濡れ性を低下させて、ノズルプレートへのインクの付着を防止することができる。
上記したカルボン酸エステル系溶剤は、非水系溶剤全量に対し、80質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下がさらに好ましい。カルボン酸エステル系溶剤の割合をこの範囲で制限することで、インク全体を低粘度化して、吐出性能を改善することができる。
吐出性能及びノズルプレートへのインクの付着防止の観点から、上記したカルボン酸エステル系溶剤は、非水系溶剤全量に対し、10質量%〜50質量%であることが好ましい。
シリコーンオイルは、インク全量に対し、10質量%〜90質量%で含まれてよく、15質量%〜85質量%であってもよい。
上記したカルボン酸エステル系溶剤は、インク全量に対し、5質量%〜90質量%で含まれてよく、10質量%〜80質量%であってもよい。
カルボン酸エステル系溶剤は、1分子中のエステル結合が2個以上であることが好ましい。カルボン酸エステル系溶剤は、1分子中に、エステル結合が4個以下であることが好ましい。インクを低粘度化する観点から、カルボン酸エステル系溶剤のエステル結合数は2個又は3個であることが好ましい。
上記カルボン酸エステル系溶剤は、1分子中の炭素数が5以上であることが好ましく、より好ましくは炭素数8以上であり、さらに好ましくは炭素数10以上であり、炭素数18以上であってもよい。この範囲の炭素数のカルボン酸エステル系溶剤の構造では、ノズルプレートに対して親和性を低下させて、ノズルプレートへのインクの付着を防止することができる。
上記カルボン酸エステル系溶剤は、1分子中の炭素数が50以下であることが好ましく、より好ましくは炭素数40以下であり、さらに好ましくは炭素数30以下であり、炭素数24以下であってもよい。この範囲の炭素数では、カルボン酸エステル系溶剤自体が低粘性であり、インク全体を低粘度化して、吐出性能を改善することができる。
上記カルボン酸エステル系溶剤は、1分子中の炭素数が10〜24、特に10〜23であることで、低粘性かつ高極性となって、インク全体を低粘度化するとともに、ノズルプレートへのインクの付着を防止することができる。
カルボン酸エステル系溶剤には、カルボキシ基を2個以上有する多価カルボン酸と一価アルコールとのエステル化物、モノカルボン酸と水酸基を2個以上有する多価アルコールとのエステル化物等を用いることができる。
モノカルボン酸、多価カルボン酸、一価アルコール、多価アルコールは、それぞれ飽和又は不飽和であってよく、脂肪族又は芳香族であってもよく、直鎖又は分岐鎖を有していてもよい。好ましくは、飽和の脂肪族多価カルボン酸と飽和の脂肪族一価アルコールの組み合わせ、飽和の脂肪族モノカルボン酸と飽和の脂肪族多価アルコールの組み合わせである。
多価カルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、グルタコン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、ムコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、エタントリカルボン酸、1−プロペン−1,2,3トリカルボン酸等の脂肪族トリカルボン酸;トリメリット酸等の芳香族トリカルボン酸等が挙げられる。
一価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチルブタノール、ヘプタノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、ノニルアルコール、イソノニルアルコール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、デカノール、ドデカノール、テトラデカノール、パルミチルアルコール、イソパルミチルアルコール、ヘキシルデシルアルコール、オクタデカノール(ステアリルアルコール)、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、オレイルアルコール等が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール(ネオペンチルグリコール)、1,5−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール(メチルペンタンジオール)、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,9−ノナンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール(ジエチルペンタンジオール)、1,10−デカンジオール等の2価アルコール;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,1,1−エタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−シクロヘキサンとトリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,8−オクタントリオール、1,2,9−ノナントリオール等の3価アルコール;ペンタエリスリトール等の4価アルコール等が挙げられる。
また、多価アルコールとしては、1,2−エテンジオール、1,4−ブテンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、7−オクテン−1,2−ジオール等の不飽和二価アルコール;1,2,3−プロペントリオール、2−メチル−3−ブテン−1,2,3−トリオール、1−デセン−3,4,6−トリオール等の不飽和三価アルコール等が挙げられる。
モノカルボン酸としては、例えば、酢酸、プロパン酸、ブタン酸、2−メチルプロピオン酸、ペンタン酸、2−メチルブタン酸、3−メチルブタン酸(イソ吉草酸)、ピバル酸(ネオペンタン酸)、ヘキサン酸、2−エチルブタン酸、イソへプタン酸、n−オクタン酸(カプリル酸)、イソオクタン酸、2-エチルヘキサン酸、ノナン酸、イソノナン酸、n−デカン酸(カプリル酸)、イソデカン酸、ジメチルオクタン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、イソミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、イソステアリン酸、イソアラキン酸、オレイン酸、リノール酸、大豆油、トール油等の脂肪族モノカルボン酸;安息香酸、2−メチル安息香酸、3−メチル安息香酸、4−メチル安息香酸、3,4ジメチル安息香酸、4−tertブチル安息香酸、1−ナフタレンカルボン酸、ケイ皮酸、2−メチル桂皮酸等の芳香族モノカルボン酸等が挙げられる。
多価カルボン酸と一価アルコール、及び多価アルコールとモノカルボン酸は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよく、それぞれの組み合わせも限定されない。
上記カルボン酸エステル系溶剤は、例えば、ジネオペンタン酸メチルペンタンジオール、ジネオペンタン酸ジエチルペンタンジオール、ジイソノナン酸ネオペンチルグリコール、ジ2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ジイソオクタン酸プロピレングリコール、ジイソオクタン酸1,3−ブチレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリル酸プロパンジオール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸プロパンジオール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオール、エチレングリコールジオレート、プロピレングリコールジオレート等の二塩基酸のエステル;トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリラウリン、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、等の三塩基酸又は四塩基酸のエステル;マロン酸ジプロピル、コハク酸ジエチルヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、フマル酸ジオクチル、マレイン酸ジオクチル、イタコン酸ジオクチル、シュウ酸ジプレニル、マロン酸ジプレニル、コハク酸ジプレニル、フタル酸ジプレニル、マレイン酸ジプレニル、トリメリット酸トリプレニル、1−プロペン−1,2,3トリカルボン酸トリオクチル等のジカルボン酸又はトリカルボン酸のエステル等が挙げられる。
これらは、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
シリコーンオイルは、1分子内にケイ素原子及び炭素原子を有し、23℃において液体状の化合物を用いることができる。
シリコーンオイルとしては、シリル基を有する化合物、シリルオキシ基を有する化合物、シロキサン結合を有する化合物等を用いることができ、特にポリシロキサン化合物を好ましく用いることができる。
シリコーンオイルとしては、例えば、鎖状シリコーンオイル、環状シリコーンオイル、変性シリコーンオイル等を用いることができる。
鎖状シリコーンオイルは、ケイ素数が2〜30の鎖状ポリシロキサンであることが好ましく、2〜20がより好ましく、3〜10が一層好ましい。鎖状シリコーンオイルとしては、例えば、テトラデカメチルヘキサシロキサン、ヘキサデカメチルヘプタシロキサン、ドコサメチルデカシロキサン等の直鎖ジメチルシリコーンオイル、メチルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、テトラキス(トリメチルシロキシ)シラン等の分岐ジメチルシリコーンオイルが挙げられる。
環状シリコーンオイルとしては、ケイ素数が5〜9の環状ポリシロキサンであることが好ましく、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘキサデカメチルシクロオクタシロキサン、オクタデカメチルシクロノナシロキサン等の環状ジメチルシリコーンオイルを好ましく用いることができる。
変性シリコーンオイルとしては、鎖状又は環状のジメチルシリコーンオイルの一部のケイ素原子に各種有機基を導入したシリコーンオイルを用いることができる。変性シリコーンオイルとしては、すべてのケイ素原子が炭素原子またはシロキサン結合の酸素原子のいずれかとのみ結合していることが好ましい。変性シリコーンオイルとしては、非反応性シリコーンオイルであることが好ましい。変性シリコーンオイルとしては、その構成原子がケイ素原子、炭素原子、酸素原子、水素原子のみからなることが好ましい。
変性シリコーンオイルとしては、例えば、鎖状又は環状のジメチルシリコーンオイルに含まれる少なくとも1つのメチル基が、アルキル基、カルボン酸エステル結合含有基、芳香環含有基、及びエーテル結合含有基からなる群から選択される1種以上によって置換された化合物を用いることができる。
また、変性シリコーンオイルとしては、例えば、鎖状又は環状のジメチルシリコーンオイルに含まれる少なくとも1つのケイ素原子に、アルキレン基を介してさらに別の鎖状又は環状のジメチルシリコーンオイルのケイ素原子が結合する化合物を用いることができる。この場合、アルキレン基を介して結合する鎖状又は環状のジメチルシリコーンオイルに含まれる少なくとも1つのメチル基は、アルキル基、カルボン酸エステル結合含有基、芳香環含有基、及びエーテル結合含有基からなる群から選択される1種以上によって置換されていてもよい。
変性シリコーンオイルとしては、例えば、アルキル変性シリコーンオイル、フェニル変性シリコーンオイルやアラルキル変性シリコーンオイル等のアリール変性シリコーンオイル、カルボン酸エステル変性シリコーンオイル、アルキレン変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル等が挙げられる。好ましくは、アルキル変性シリコーンオイル、カルボン酸エステル変性シリコーンオイルであり、より好ましくはアルキル変性シリコーンオイルである。
変性シリコーンオイルとしては、ケイ素数が2〜20であることが好ましく、2〜10がより好ましく、2〜6がさらに好ましく、3〜6が一層好ましい。
変性シリコーンオイルの一例には、1分子中のケイ素数が2〜6であり、ケイ素原子に炭素原子が直接結合し、炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基を有し、1分子中の炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基に含まれる炭素数及び酸素数の合計が4〜20であるシリコーンオイルが含まれる。以下、このシリコーンオイルを変性シリコーンオイルSとも記す。
変性シリコーンオイルSは、炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基として、下記の(A)〜(D)からなる群から選択される1種以上を有することができる。
(A)炭素数4以上のアルキル基。
(B)炭素数及び酸素数の合計が4以上であるカルボン酸エステル結合含有基。
(C)炭素数6以上の芳香環含有基。
(D)炭素数4以上のアルキレン基。
変性シリコーンオイルSは、ノズルプレートへのインクの付着を防止する観点から、1分子中の炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基に含まれる炭素数及び酸素数の合計が4〜12であることが好ましい。
また、変性シリコーンオイルSは、インクを低粘度化して吐出性能を改善する観点から、1分子中の炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基に含まれる炭素数及び酸素数の合計が6〜20であることが好ましい。
変性シリコーンオイルSの1分子中に炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基が2個以上含まれる場合は、1分子中の炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基の炭素数及び酸素数の合計は、2個以上の炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基の炭素数及び酸素数の合計である。
変性シリコーンオイルSの一例には、下記一般式(X)で表される化合物であるシリコーンオイルが含まれる。
Figure 2018141127
一般式(X)において、Rは、酸素原子、又はケイ素原子に炭素結合が直接結合する2価の有機基であり、Rは、それぞれ独立的に、ケイ素原子に炭素結合が直接結合する1価の有機基であり、m及びnは、それぞれ独立的に、0〜4の整数であり、pは、それぞれ独立的に、0〜2の整数であり、1分子中のケイ素数が2〜6であり、R及びRのうち少なくとも1個は、炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基であり、1分子中の炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基に含まれる酸素数及び炭素数の合計が4〜20である。
一般式(X)において、Rは、酸素原子、又は炭素数及び酸素数の合計が4以上である2価の有機基であり、Rは、それぞれ独立的に、メチル基、又は炭素数及び酸素数の合計が4以上である1価の有機基であることが好ましい。
好ましくは、一般式(X)において、Rは、酸素原子、又は炭素数4以上のアルキレン基であり、Rは、それぞれ独立的に、メチル基、炭素数4以上のアルキル基、炭素数及び酸素数の合計が4以上であるカルボン酸エステル結合含有基、又は炭素数6以上の芳香環含有基であり、R及びRのうち少なくとも1個は、炭素数4以上のアルキレン基、炭素数4以上のアルキル基、炭素数及び酸素数の合計が4以上であるカルボン酸エステル結合含有基、及び炭素数6以上の芳香環含有基からなる群から選択され、1分子中の炭素数4以上のアルキレン基、炭素数4以上のアルキル基、炭素数及び酸素数の合計が4以上であるカルボン酸エステル結合含有基、及び炭素数6以上の芳香環含有基に含まれる酸素数及び炭素数の合計が4〜20である。
変性シリコーンオイルSの他の例には、下記一般式(X−1)で表される化合物であるシリコーンオイルが含まれる。
Figure 2018141127
一般式(X−1)において、Rは、それぞれ独立的に、ケイ素原子に炭素原子が直接結合する1価の有機基であり、nは、0〜4の整数であり、pは、それぞれ独立的に、0又は1であり、1分子中のケイ素数が2〜6であり、Rのうち少なくとも1個は、炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基であり、1分子中の炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基に含まれる酸素数及び炭素数の合計が4〜20である。
一般式(X−1)において、Rは、それぞれ独立的に、メチル基、又は炭素数及び酸素数の合計が4以上である1価の有機基であることが好ましい。
一般式(X−1)において、Rのうち少なくとも1個は、炭素数が4以上であるアルキル基、炭素数及び酸素数の合計が4以上であるカルボン酸エステル結合含有基、及び炭素数が6以上である芳香環含有基からなる群から選択される1種以上であることが好ましい。
変性シリコーンオイルSにおいて、炭素数4以上のアルキル基は、直鎖または分岐鎖を有してもよく、鎖状または脂環式であってもよい。
このアルキル基の炭素数は、4以上が好ましく、より好ましくは6以上、さらに好ましくは10以上である。
このアルキル基の炭素数は、20以下が好ましく、より好ましくは16以下、さらに好ましくは12以下である。
炭素数4以上のアルキル基は、例えば、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、エイコシル基等を挙げることができる。
好ましくは、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基であり、より好ましくはデシル基、ドデシル基である。
アルキル基を有する変性シリコーンオイルSには、上記一般式(X−1)において、Rは、それぞれ独立的に、メチル基、又はケイ素原子に炭素原子が直接結合し、炭素数の合計が4以上でアルキル基であり、nは、0〜4の整数であり、pは、それぞれ独立的に、0又は1であり、1分子中のケイ素数が2〜6であり、Rのうち少なくとも1個は、上記アルキル基であり、1分子中の上記アルキル基に含まれる炭素数の合計が4〜20である化合物を好ましく用いることができる。
アルキル基を有する変性シリコーンオイルSには、例えば、下記一般式(1)で表される化合物を用いることができる。
Figure 2018141127
一般式(1)中、Rは、炭素数4〜20の直鎖または分岐鎖を有するアルキル基であり、m及びnは、それぞれ独立的に0〜2の整数であり、m+n≦2である。
一般式(1)において、Rは、炭素数4〜20の直鎖または分岐鎖を有するアルキル基である。Rで表されるアルキル基の炭素数が4以上、より好ましくは6以上、さらに好ましくは10以上であることで、ノズルプレートに対するインクの濡れ性を改善することができる。
また、Rで表されるアルキル基の炭素数が20以下、より好ましくは16以下、さらに好ましくは12以下であることで、クリアファイル変形を防止するとともに、インクの高粘度化を抑えて、吐出性能を改善することができる。
変性シリコーンオイルSにおいて、カルボン酸エステル結合含有基は、主鎖のシロキサン結合のケイ素原子にアルキレン基を介してカルボン酸エステル結合が結合する−RBb−O−(CO)−RBaで表される基、または、−RBb−(CO)−O−RBaで表される基を好ましく用いることができる。
ここで、RBaは、炭素数1以上の直鎖または分岐鎖を有してもよく、鎖状または脂環式のアルキル基であることが好ましい。また、RBbは、炭素数1以上の直鎖又は分岐鎖を有してもよく、鎖状または脂環式のアルキレン基であることが好ましい。主鎖のシロキサン結合のケイ素原子とカルボン酸エステル結合を結ぶアルキレン基は、炭素数2以上であることがより好ましい。
カルボン酸エステル結合含有基の炭素数及び酸素数の合計は、エステル結合(−O−(CO)−)の1個の炭素原子と2個の酸素原子と、アルキル基(RBa)の炭素数と、アルキレン基(RBb)の炭素数との合計になる。
カルボン酸エステル結合含有基において、アルキル基(RBa)は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基等を挙げることができる。
好ましくは、プロピル基、ペンチル基、ヘプチル基、ノニル基、トリデシル基であり、より好ましくはヘプチル基、ノニル基である。
カルボン酸エステル結合含有基において、アルキレン基(RBb)は、炭素数1〜8の直鎖アルキレン基であることが好ましく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、n−ブチレン、イソブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、イソオクチレン基等を挙げることができる。好ましくは、エチレン基である。
カルボン酸エステル結合含有基を有する変性シリコーンオイルSには、上記一般式(X−1)において、Rは、それぞれ独立的に、メチル基、又はケイ素原子に炭素原子が直接結合し、炭素数及び酸素数の合計が4以上であるカルボン酸エステル結合含有基であり、nは、0〜4の整数であり、pは、それぞれ独立的に、0又は1であり、1分子中のケイ素数が2〜6であり、Rのうち少なくとも1個は、上記カルボン酸エステル結合含有基であり、1分子中の上記カルボン酸エステル結合含有基に含まれる酸素数及び炭素数の合計が4〜20である化合物を好ましく用いることができる。
カルボン酸エステル結合含有基を有する変性シリコーンオイルSの一例には、下記一般式(B1)で表される化合物が含まれる。
Figure 2018141127
一般式(B1)において、RB1は、それぞれ独立的に、メチル基、又はケイ素原子に炭素原子が直接結合し、炭素数及び酸素数の合計が4以上であるカルボン酸エステル結合含有基であり、RB2は、それぞれ独立的に、メチル基、トリメチルシリルオキシ基、又はケイ素原子に炭素原子が直接結合し、炭素数及び酸素数の合計が4以上であるカルボン酸エステル結合含有基であり、RB1及びRB2のうち少なくとも1個は、上記炭素数及び酸素数の合計が4以上であるカルボン酸エステル結合含有基であり、nは0〜4の整数であり、1分子中のケイ素数が2〜6である。
カルボン酸エステル結合含有基は、上記した通りである。
変性シリコーンオイルSにおいて、芳香環含有基は、主鎖のシロキサン結合のケイ素原子に芳香環が直接結合する−RCaで表される基、または、主鎖のシロキサン結合のケイ素原子にアルキレン基を介して芳香環が結合する−RCb−RCaで表される基を好ましく用いることができる。
ここで、RCaは、炭素数6以上の芳香環であることが好ましい。また、RCbは、炭素数1以上の直鎖又は分岐鎖を有してもよく、鎖状または脂環式のアルキレン基であることが好ましい。
芳香環含有基が、主鎖のシロキサン結合のケイ素原子に芳香環が直接結合する−RCaで表される基である場合、主鎖のシロキサン結合からトリメチルシリルオキシ基等の分岐鎖が側鎖として分岐していていることが好ましい。芳香環含有基は、主鎖のシロキサン結合のケイ素原子にアルキレン基を介して芳香環が結合する−RCb−RCaで表される基であることがより好ましい。
芳香環含有基の炭素数は、芳香環(RCa)の炭素数と、任意のアルキレン基(RCb)の炭素数との合計になる。
芳香環含有基において、芳香環部分(RCa)は、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、トリメチルフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等、又はこれらの少なくとも1個の水素原子がアルキル基に置換された官能基を挙げることができる。
芳香環含有基において、任意のアルキレン基(RCb)は、炭素数1〜8の直鎖または分岐鎖を有してもよいアルキレン基であることが好ましく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、イソオクチレン基等を挙げることができる。
好ましくは、プロピレン基、メチルエチレン基、エチレン基である。
また、芳香環含有基を有する変性シリコーンオイルSとしては、例えば、ジフェニルジメチコン、トリメチルシロキシフェニルジメチコン、フェニルトリメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、トリメチルペンタフェニルトリシロキサン、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−3−フェニル−3−(トリメチルシリルオキシ)トリシロキサン等のメチルフェニルシリコーン等を用いることができる。
変性シリコーンオイルSの一実施形態としては、2〜6個のケイ素原子と、炭素数4以上のアルキレン基とを有する化合物であり、好ましくは、炭素数が4以上であるアルキレン基の両端の炭素原子にそれぞれシリル基又は少なくとも1個のシロキサン結合が結合する化合物である。
炭素数4以上のアルキレン基は、例えば、n−ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、イソオクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ドデシレン基、ヘキサデシレン基、エイコシレン基等を挙げることができる。
好ましくは、オクチレン基、デシレン基、ドデシレン基であり、より好ましくは、オクチレン基、デシレン基である。
上記した変性シリコーンオイルSは、これに限定されないが、以下の方法によって製造することができる。
例えば、シロキサン原料と、炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基とともに反応性基を有する反応性化合物とを、有機溶媒中で反応させることで、変性シリコーンオイルSを得ることができる。シロキサン原料と反応性化合物とは、シロキサン原料の反応性基と反応性化合物の反応性基とがモル比で1:1〜1:1.5で反応させることが好ましい。また、反応に際し、0価白金のオレフィン錯体、0価白金のビニルシロキサン錯体、2価白金のオレフィン錯体ハロゲン化物、塩化白金酸等の白金触媒等の触媒を好ましく用いることができる。
シロキサン原料としては、例えば、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,1,3,3,5,7,7,7−ノナメチルテトラシロキサン、1,1,1,3,3,5,7,7,9,9,9−ウンデカメチルペンタシロキサン、ペンタメチルジシロキサン、1,1,3,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9−デカメチルペンタシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−3−(トリメチルシリルオキシ)トリシロキサン、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、1,1,3,5,5−ペンタメチル−3−(ジメチルシリルオキシ)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9,11,11−ドデカメチルヘキサシロキサン、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−3−(トリメチルシリルオキシ)トリシロキサン等を用いることができる。
反応性化合物は反応性基として炭素二重結合を有することが好ましい。
変性シリコーンオイルSにアルキル基を導入するためには、反応性化合物として、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、2−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−ヘキサデセン、1−エイコセン等の炭素数が4以上であるアルケン等を用いることができる。
また、アルケンの他にも、ビニルシクロヘキサン等のエチレン性不飽和2重結合を有する脂環式炭化水素基を用いることができる。
変性シリコーンオイルSにエステル結合含有基を導入するためには、反応性化合物として、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソブタン酸ビニル、ペンタン酸ビニル、ピバル酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、ヘプタン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、オクタン酸ビニル、イソオクタン酸ビニル、ノナン酸ビニル、デカン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、エイコ酸ビニル、ヘキサン酸アリル等の炭素数及び酸素数の合計が6以上である脂肪酸ビニル又は脂肪酸アリル化合物等を用いることができる。
変性シリコーンオイルSに芳香環含有基を導入するためには、反応性化合物として、スチレン、4−メチルスチレン、2−メチルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、アリルベンゼン、1−アリルナフタレン、4−フェニル−1−ブテン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、1−ビニルナフタレン、α−メチルスチレン、2−メチル−1−フェニルプロペン、1,1−ジフェニルエチレン、トリフェニルエチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、シス−β−メチルスチレン、トランス−β−メチルスチレン、3−フェニル−1−プロペン等のビニル結合と炭素数6以上の芳香環とを有するアリール化合物等を用いることができる。
変性シリコーンオイルSにアルキレン基を導入するためには、反応性化合物として、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、1,11−ドデカジエン、1,10−ウンデカジエン、1,13−テトラデカジエン、ヘキサデカジエン、エイコサジエン等の炭素数が4以上であるジエン化合物等を用いることができる。
シリコーンオイルとしては、例えば、信越化学工業株式会社製「KF−96A−6CS」、「KF−56A」;東レ・ダウコーニング株式会社製「DC246Fluid」、「FZ−3196」;東京化成工業株式会社製「1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−3−フェニル−3−(トリメチルシリルオキシ)トリシロキサン」、「ヘキサメチルシクロトリシロキサン」、「オクタメチルシクロテトラシロキサン」、「デカメチルシクロペンタシロキサン」、「ドデカメチルシクロヘキサシロキサン」等の市販品を用いてもよい。
インクには、その他の非水系溶剤が含まれてもよい。
その他の非水系溶剤としては、非極性有機溶剤及び極性有機溶剤のいずれも使用できる。なお、本実施形態において、非水系溶剤には、1気圧20℃において同容量の水と均一に混合しない非水溶性有機溶剤を用いることが好ましい。
非極性有機溶剤としては、例えば、脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素溶剤、芳香族炭化水素溶剤等の石油系炭化水素溶剤を好ましく挙げることができる。
脂肪族炭化水素溶剤及び脂環式炭化水素溶剤としては、パラフィン系、イソパラフィン系、ナフテン系等の非水系溶剤を挙げることができる。市販品としては、0号ソルベントL、0号ソルベントM、0号ソルベントH、カクタスノルマルパラフィンN−10、カクタスノルマルパラフィンN−11、カクタスノルマルパラフィンN−12、カクタスノルマルパラフィンN−13、カクタスノルマルパラフィンN−14、カクタスノルマルパラフィンN−15H、カクタスノルマルパラフィンYHNP、カクタスノルマルパラフィンSHNP、アイソゾール300、アイソゾール400、テクリーンN−16、テクリーンN−20、テクリーンN−22、AFソルベント4号、AFソルベント5号、AFソルベント6号、AFソルベント7号、ナフテゾール160、ナフテゾール200、ナフテゾール220(いずれもJXTGエネルギー株式会社製);アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、エクソールD40、エクソールD60、エクソールD80、エクソールD95、エクソールD110、エクソールD130(いずれもエクソンモービル社製);モレスコホワイトP−40、モレスコホワイトP−60、モレスコホワイトP−70、モレスコホワイトP−80、モレスコホワイトP−100、モレスコホワイトP−120、モレスコホワイトP−150、モレスコホワイトP−200、モレスコホワイトP−260、モレスコホワイトP−350P(いずれも株式会社MORESCO製)等を好ましく挙げることができる。
芳香族炭化水素溶剤としては、グレードアルケンL、グレードアルケン200P(いずれもJXTGエネルギー株式会社製)、ソルベッソ100、ソルベッソ150、ソルベッソ200、ソルベッソ200ND(いずれもエクソンモービル社製)等を好ましく挙げることができる。
石油系炭化水素溶剤の蒸留初留点は、100℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることが一層好ましい。蒸留初留点はJIS K0066「化学製品の蒸留試験方法」に従って測定することができる。
極性有機溶剤としては、脂肪酸エステル系溶剤、高級アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤等を好ましく挙げることができる。
例えば、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル(炭素数22)、ラウリン酸メチル、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ヘキシル、パルミチン酸イソオクチル、パルミチン酸イソステアリル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸ヘキシル、リノール酸メチル、リノール酸エチル、リノール酸イソブチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸イソオクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ピバリン酸2−オクチルデシル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル等の1分子中の炭素数が13以上、好ましくは16〜30の脂肪酸エステル系溶剤;
イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソエイコシルアルコール、デシルテトラデカノール等の1分子中の炭素数が6以上、好ましくは12〜20の高級アルコール系溶剤;ラウリン酸、イソミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、α−リノレン酸、リノール酸、オレイン酸、イソステアリン酸等の1分子中の炭素数が12以上、好ましくは14〜20の高級脂肪酸系溶剤等が挙げられる。
脂肪酸エステル系溶剤、高級アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤等の極性有機溶剤の沸点は、150℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましく、250℃以上であることがさらに好ましい。なお、沸点が250℃以上の非水系溶剤には、沸点を示さない非水系溶剤も含まれる。
これらの非水系溶剤は、単独で使用してもよく、単一の相を形成する限り2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本実施形態では、上記したカルボン酸エステル系溶剤及びシリコーンオイルの他に、その他の非水系溶剤を用いる場合は、クリアファイル変形を防止するために、その他の非水系溶剤として、高沸点溶剤を用いることが好ましい。高沸点溶剤としては、蒸留初留点が200℃以上である非極性溶剤、沸点が250℃以上の極性溶剤、またはこれらの組み合わせを用いることが好ましい。このような非水系溶剤としては、例えば、モレスコホワイトP−60等のパラフィン系溶剤、イソノナン酸イソトリデシル等の1分子中の炭素数が20以上の脂肪酸エステル系溶剤等を好ましく用いることができる。
上記各成分に加えて、インクには、本発明の効果を損なわない限り、各種添加剤が含まれていてよい。添加剤としては、ノズルの目詰まり防止剤、酸化防止剤、導電率調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、酸素吸収剤等を適宜添加することができる。これらの種類は、特に限定されることはなく、当該分野で使用されているものを用いることができる。
インクは、顔料及び非水系溶剤を含む各成分を混合することで作製することができる。好ましくは、各成分を一括ないし分割して混合及び撹拌してインクを作製することができる。具体的には、ビーズミル等の分散機に全成分を一括又は分割して投入して分散させ、所望により、メンブレンフィルター等のろ過機を通すことにより調製できる。
油性インクジェットインクとしての粘度は、インクジェット記録システムの吐出ヘッドのノズル径や吐出環境等によってその適性範囲は異なるが、一般に、23℃において5〜30mPa・sであることが好ましく、5〜15mPa・sであることがより好ましく、10mPa・s程度であることが、一層好ましい。
インクジェットインクを用いた印刷方法としては、特に限定されず、ピエゾ方式、静電方式、サーマル方式など、いずれの方式のものであってもよいが、ピエゾ方式であることが好ましい。インクジェット記録装置を用いる場合は、デジタル信号に基づいてインクジェットヘッドから本実施形態によるインクを吐出させ、吐出されたインク液滴を記録媒体に付着させるようにすることが好ましい。
本実施形態において、記録媒体は、特に限定されるものではなく、普通紙、コート紙、特殊紙等の印刷用紙、布、無機質シート、フィルム、OHPシート等、これらを基材として裏面に粘着層を設けた粘着シート等を用いることができる。これらの中でも、インクの浸透性の観点から、普通紙、コート紙等の印刷用紙を好ましく用いることができる。
ここで、普通紙とは、通常の紙の上にインクの受容層やフィルム層等が形成されていない紙である。普通紙の一例としては、上質紙、中質紙、PPC用紙、更紙、再生紙等を挙げることができる。普通紙は、数μm〜数十μmの太さの紙繊維が数十から数百μmの空隙を形成しているため、インクが浸透しやすい紙となっている。
また、コート紙としては、マット紙、光沢紙、半光沢紙等のインクジェット用コート紙や、いわゆる塗工印刷用紙を好ましく用いることができる。ここで、塗工印刷用紙とは、従来から凸版印刷、オフセット印刷、グラビア印刷等で使用されている印刷用紙であって、上質紙や中質紙の表面にクレーや炭酸カルシウム等の無機顔料と、澱粉等のバインダーを含む塗料により塗工層を設けた印刷用紙である。塗工印刷用紙は、塗料の塗工量や塗工方法により、微塗工紙、上質軽量コート紙、中質軽量コート紙、上質コート紙、中質コート紙、アート紙、キャストコート紙等に分類される。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。本発明は以下の実施例に限定されない。
「インクの作製」
表1から表3にインク処方を示し、各表の下段に溶剤構成を示す。
各表に示す配合量にしたがって、顔料、顔料分散剤、及び各表に示す各種溶剤を混合し、ビーズミル「ダイノーミルKDL−A」(株式会社シンマルエンタープライゼス製)により滞留時間15分間の条件で、十分に顔料を分散した。続いて、メンブレンフィルターで粗大粒子を除去し、インクを得た。
各表に示す非水系溶剤の詳細を表4に示す。
その他の原材料の詳細は以下の通りである。
カーボンブラック:三菱ケミカル株式会社製「MA77」。
銅フタロシアニンブルー:DIC株式会社製「FASTGEN Blue LA5380」。
ソルスパース18000:日本ルーブリゾール社製「ソルスパース18000」、有効成分100質量%。
ソルスパース13940:日本ルーブリゾール社製「ソルスパース13940」、有効成分40質量%。有効成分量を表中にカッコ内に示す。
Figure 2018141127
Figure 2018141127
Figure 2018141127
Figure 2018141127
(製造例1)
表4に示すシリコーンオイルのうち合成品の合成方法を説明する。シリコーンオイルの合成処方を表5に示す。
四つ口フラスコに、ヘキサンを50質量部、表中に示す配合量でシロキサン化合物及び反応性化合物を仕込んだ。これに、白金触媒(シグマアルドリッチ社製「1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン白金錯体」)を0.02質量部滴下し、室温にて2〜3時間撹拌した。その後、減圧蒸留により反応溶媒(ヘキサン)、未反応原料を留去し目的物を得た。各変性シリコーンの合成では、シロキサン化合物と、反応性化合物とのモル比が1:1.1となるように配合した。
シロキサン化合物はGelest社より入手し、反応性化合物は東京化成工業株式会社より入手した。
Figure 2018141127
「評価」
実施例及び比較例のインクについて、以下の方法により評価を行った。これらの評価結果を各表に示す。
(クリアファイルの波打ち)
クリアファイルの波打ち評価は、1枚の印刷物をPP(ポリプロピレン)製クリアファイルに挟み、室温で放置し、1週間放置後に、クリアファイルの変形量を確認して評価した。クリアファイルの1枚のシートの厚さは0.2mmであった。
印刷物は、ライン式インクジェットプリンタ「オルフィスEX9050」(理想科学工業株式会社製)にインクを装填し、普通紙「理想用紙薄口」(理想科学工業株式会社製)に、主走査方向約51mm(ノズル600本)×副走査方向260mmのベタ画像を片面印刷することにより作製した。
S1:クリアファイルの変化量が0.5cm未満である。
S2:クリアファイルの変化量が0.5cm以上1cm未満である。
A:クリアファイルの変化量が1cm以上である。
(ノズルプレートに対するインクの濡れ性)
各インクを30mlのガラス容器に入れ、インクジェットプリンタ「オルフィスEX9050」(商品名:理想科学工業株式会社製)に使用されるノズルプレート(長さ5cm、幅5mm)の一辺をピンセットでつまみ、反対側の一辺から2cmを5秒間インクに浸漬させた。その後、ノズルプレートを素早く引き上げ、ノズルプレート上に残ったインク膜がインク滴になるまでの時間tを測定した。同じノズルプレートを用いて同様の操作を10回繰り返し、それぞれ時間tを測定した。その平均値を算出し、撥インク時間とした。撥インク時間から、ノズルプレートに対するインクの濡れ性を以下の基準で評価した。
S:撥インク時間が3秒未満である。
A:撥インク時間が3秒以上5秒未満である。
B:撥インク時間が5秒以上である。
(吐出性能)
吐出性能の評価は、ライン式インクジェットプリンタ「オルフィスEX9050」(理想科学工業株式会社製)を用いて、普通紙「理想用紙薄口」(理想科学工業株式会社製)に、100枚連続してベタ画像を片面印刷し、印刷物を観察して評価した。
印刷条件は、上記クリアファイルの波打ちの評価と同じである。
インクジェットノズルからのインクの不吐出は、印刷物に白いスジとなって非印字部分が発生することで確認することができる。100枚の印刷物の中に、この白いスジが発生するか、または発生した本数を観察した。100枚の印刷物に観察された白いスジの合計数から吐出性能を評価した。評価基準を以下に示す。
S:白スジが0本である。
A:白スジが1〜2本である。
B:白スジが3以上である。
各表に示す通り、各実施例のインクでは、各評価結果が良好であった。また、各実施例のインクでは、初期粘度が5〜15mPa・sの範囲で、適正な粘度であった。特に詳述しないが、各実施例のインクを用いた印刷では、十分な画像濃度の印刷物を得ることができた。
実施例1〜11では、各種シリコーンオイルと、各種エステル系溶剤を組み合わせており、各評価結果が良好であった。
実施例1〜5、11では、アルキル変性シリコーンオイル、エステル変性シリコーンオイルを用いており、ノズルプレートに対するインクの濡れ性がより改善された。
実施例1〜6、9、10を通して、エステル系溶剤の炭素数が9〜23の範囲で、クリアファイルの波打ちをより低減するとともに、吐出性能をより改善できることがわかる。
比較例1及び2では、シリコーンオイルが含まれず、また、シリコーンオイルの量が少なく、吐出性能が低下した。
比較例3では、エステル系溶剤が含まれず、ノズルプレートに対するインクの濡れ性が悪化した。
比較例4では、エステル系溶剤が含まれず、シリコーンオイルと炭化水素溶剤を組み合わせており、ノズルプレートに対するインクの濡れ性が悪化した。
比較例5では、エステル結合が1個のエステル系溶剤である比較溶剤を用いており、ノズルプレートに対するインクの濡れ性が改善されなかった。
比較例6では、リン酸エステル系溶剤を用いており、ノズルプレートに対するインクの濡れ性が改善されなかった。比較例6のリン酸エステル系溶剤は、1個のリン酸トリエステル構造を有する化合物である。

Claims (6)

  1. 色材及び非水系溶剤を含み、前記非水系溶剤は、1分子内にエステル結合を2個以上有するカルボン酸エステル系溶剤と、シリコーンオイルとを含み、前記シリコーンオイルは、非水系溶剤全量に対し15質量%〜90質量%で含まれる、油性インクジェットインク。
  2. 前記カルボン酸エステル系溶剤は、非水系溶剤全量に対し10〜50質量%で含まれる、請求項1に記載の油性インクジェットインク。
  3. 前記カルボン酸エステル系溶剤は、1分子中の炭素数が10〜24である、請求項1又は2に記載の油性インクジェットインク。
  4. 前記シリコーンオイルは、1分子中のケイ素数が2〜6であり、ケイ素原子に炭素原子が直接結合し、炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基を有し、1分子中の前記炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基に含まれる炭素数及び酸素数の合計が4〜20であるシリコーンオイルを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の油性インクジェットインク。
  5. 前記シリコーンオイルに含まれる前記炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基は、炭素数4以上のアルキル基、炭素数及び酸素数の合計が4以上であるカルボン酸エステル結合含有基、炭素数6以上の芳香環含有基、及び炭素数4以上のアルキレン基からなる群から選択される1種以上である、請求項4に記載の油性インクジェットインク。
  6. 前記シリコーンオイルは、下記一般式(X)で表される化合物を含む、請求項4又は5に記載の油性インクジェットインク。
    Figure 2018141127
    (一般式(X)において、Rは、酸素原子、又はケイ素原子に炭素原子が直接結合する2価の有機基であり、Rは、それぞれ独立的に、ケイ素原子に炭素原子が直接結合する1価の有機基であり、m及びnは、それぞれ独立的に、0〜4の整数であり、pは、それぞれ独立的に、0〜2の整数であり、1分子中のケイ素数が2〜6であり、R及びRのうち少なくとも1個は、炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基であり、1分子中の前記炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基に含まれる酸素数及び炭素数の合計が4〜20である。)
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