JP2018141123A - 油性インクジェットインク - Google Patents

油性インクジェットインク Download PDF

Info

Publication number
JP2018141123A
JP2018141123A JP2017188367A JP2017188367A JP2018141123A JP 2018141123 A JP2018141123 A JP 2018141123A JP 2017188367 A JP2017188367 A JP 2017188367A JP 2017188367 A JP2017188367 A JP 2017188367A JP 2018141123 A JP2018141123 A JP 2018141123A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon atoms
oxygen
oil
ink
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017188367A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6865143B2 (ja
Inventor
光 杉浦
Hikari Sugiura
光 杉浦
信介 大澤
Shinsuke Osawa
信介 大澤
真一郎 志村
Shinichiro Shimura
真一郎 志村
一行 安藤
Kazuyuki Ando
一行 安藤
真利絵 守永
Marie Morinaga
真利絵 守永
大川 輝昭
Teruaki Okawa
輝昭 大川
徳朗 菅原
Tokuaki Sugawara
徳朗 菅原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Riso Kagaku Corp
Original Assignee
Riso Kagaku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Riso Kagaku Corp filed Critical Riso Kagaku Corp
Priority to EP18158577.9A priority Critical patent/EP3366739B1/en
Priority to US15/904,478 priority patent/US10793734B2/en
Priority to CN201810159427.4A priority patent/CN108504183B/zh
Publication of JP2018141123A publication Critical patent/JP2018141123A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6865143B2 publication Critical patent/JP6865143B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

【課題】印刷物によるクリアファイルの変形を防止するとともに、ノズルプレートに対するインクの濡れ性を改善し、インクジェットノズルからのインクの吐出性能を改善する。【解決手段】色材及び非水系溶剤を含み、非水系溶剤は、1分子中のケイ素数が2〜6であり、ケイ素原子に炭素原子が直接結合し、炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基を有し、1分子中の炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基に含まれる炭素数及び酸素数の合計が4〜20である有機ケイ素化合物を非水系溶剤全量に対し15質量%以上100質量%以下で含む、油性インクジェットインクである。【選択図】なし

Description

本発明は、油性インクジェットインクに関する。
インクジェット記録方式は、流動性の高いインクジェットインクを微細なノズルから液滴として噴射し、ノズルに対向して置かれた記録媒体に画像を記録するものであり、低騒音で高速印字が可能であることから、近年急速に普及している。このようなインクジェット記録方式に用いられるインクとして、水を主溶媒として含有する水性インク、重合性モノマーを主成分として高い含有量で含有する紫外線硬化型インク(UVインク)、ワックスを主成分として高い含有量で含有するホットメルトインク(固体インク)とともに、非水系溶剤を主溶媒として含有する、いわゆる非水系インクが知られている。非水系インクは、主溶媒が揮発性有機溶剤であるソルベントインク(溶剤系インク)と、主溶媒が低揮発性あるいは不揮発性の有機溶剤である油性インク(オイル系インク)に分類できる。ソルベントインクは主に有機溶剤の蒸発によって記録媒体上で乾燥するのに対して、油性インクは記録媒体への浸透が主となって乾燥する。
油性インクジェットインクによって画像形成された印刷物を、ポリプロピレン(PP)製等のクリアファイルに挟み込み保管すると、クリアファイルが変形する問題がある。この一因としては、クリアファイルが印刷面と接すると、インク成分によってクリアファイルの片面が膨潤するためである。
特許文献1では、透明ファイルを膨潤させたり、大きく変形させることなく、高い吐出安定性を有するインクジェット用非水系インク組成物として、顔料と分散剤と非水系溶媒とを含有し、非水系溶媒の全重量の50%以上は、炭素数24以上36以下のエステル系溶媒であるインクを提案している。
しかし、高炭素数のエステル系溶媒は、比較的に高粘度であるため、このエステル系溶媒を用いたインクではインクジェットノズルからの吐出性能が十分に得られない問題がある。
特許文献2では、シリコーン系溶媒と顔料を含有し、さらに分散剤として特定の変性シリコーンオイルを含んでいるインクジェット用非水系顔料インクによって、インクの安定性、ノズル目詰まり及びクリアファイル変形を改善することを提案している。
特許文献3では、少なくとも沸点が100℃〜250℃のシリコーン系溶媒を2〜95wt(%)と、該溶媒に不溶な着色材を含有するインクジェット記録用インクによって、紙質によらず良好な印字品質が得られ、また印字後数秒で十分な耐刷性が得られ、カラー画像において混色の無い鮮明な画像が得られることを提案している。
特許文献4では、顔料と、非水系溶剤と、界面活性剤とを含有し、界面活性剤として、HLB値が1.0以上7.0以下のシロキサン系界面活性剤を含む非水系インクジェットインク組成物によって、画像の光学濃度、吐出安定性及び保存安定性を改善することを提案している。
特許文献5では、分子骨格中にシロキサン結合を持つ絶縁性溶剤を用いたインクジェットプリンタ用インクによって、高濃度で鮮明な印字を可能にし、耐擦過性を有し、かつ安定吐出が可能になることを提案している。
特開2007−154149号公報 特開2004−217703号公報 特開平4−248879号公報 特開2016−196564号公報 特開平4−161467号公報
特許文献2及び3で提案するシリコーン系溶媒は主にジメチルシリコーンである。ジメチルシリコーンは、インクジェットノズルヘッドに対して親和性が高い。このジメチルシリコーンを用いたインクは、ノズルヘッドに付着しやすく、ノズルヘッドに付着したインクが印刷物に液だれしたり、ノズルヘッド付近でインクが固化してノズル不吐出の原因となったりすることがある。
特許文献4では、シロキサン系界面活性剤は顔料分散安定性のために配合され、十分に親水基部分を有して顔料の表面に吸着しやすくする必要があるため、溶剤には適さない。また、特許文献4で提案するポリエーテル変性シロキサン系界面活性剤は、極性が高いため、溶剤には適さない。
さらに、特許文献3及び4では、いずれもクリアファイルの変形について検討されていない。
特許文献5では、分子骨格中にシロキサン結合を持つ絶縁性溶剤を用いているが、この溶剤のシロキサン結合にどのような官能基が結合するか、また、シロキサン結合の個数について詳細に開示されていない。また、特許文献5には、クリアファイルの変形については検討されていない。
本発明の一目的としては、印刷物によるクリアファイルの変形を防止するとともに、ノズルプレートに対するインクの濡れ性を改善し、インクジェットノズルからのインクの吐出性能を改善することである。
一実施形態によれば、色材及び非水系溶剤を含み、前記非水系溶剤は、1分子中のケイ素数が2〜6であり、ケイ素原子に炭素原子が直接結合し、炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基を有し、1分子中の前記炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基に含まれる炭素数及び酸素数の合計が4〜20である有機ケイ素化合物を非水系溶剤全量に対し15質量%以上100質量%以下で含む、油性インクジェットインクを提供することができる。
本発明によれば、印刷物によるクリアファイルの変形を防止するとともに、ノズルプレートに対するインクの濡れ性を改善し、インクジェットノズルからのインクの吐出性能を改善することができる。
以下、本発明を一実施形態を用いて説明する。以下の実施形態における例示が本発明を限定することはない。
「油性インクジェットインク」
一実施形態による油性インクジェットインク(以下、単にインクと称することがある。)としては、色材及び非水系溶剤を含み、非水系溶剤は、1分子中のケイ素数が2〜6であり、ケイ素原子に炭素原子が直接結合し、炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基を有し、1分子中の前記炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基に含まれる炭素数及び酸素数の合計が4〜20である有機ケイ素化合物を非水系溶剤全量に対し15質量%以上100質量%以下で含む、ことを特徴とする。以下、この有機ケイ素化合物を単に有機ケイ素化合物Sとも記す。
これによれば、印刷物によるクリアファイルの変形を防止するとともに、ノズルプレートに対するインクの濡れ性を改善し、インクジェットノズルからのインクの吐出性能を改善することができる。
クリアファイル、特にポリプロピレン(PP)製のクリアファイルを用いて、油性インクによる印刷物を挟み込む場合、印刷物のインク成分、特に非水系溶剤成分が揮発して、クリアファイルに接触すると、クリアファイルの内側の面が大きく変性し、クリアファイルの外側の面に対して膨潤ないし収縮して、クリアファイルが変形することがある。
これは、油性インクに用いられる非水系溶剤のうち、石油系炭化水素溶剤の構造がクリアファイルのポリプロピレンと似ていると、起こりやすくなる。石油系炭化水素溶剤と同様に、脂肪酸エステル系溶剤、高級脂肪酸系溶剤、高級アルコール系溶剤等においても、ポリプロピレンと構造が似ていると、同様にクリアファイルの変形が発生することがある。
インクに高沸点溶剤を用いることで、印刷物から非水系溶剤成分が揮発しないようにして、クリアファイルの変形を防ぐことができる。しかし、高沸点溶剤は、一般的に高粘度となって、インクジェットインクとしては、インクジェットノズルからのインクの吐出性が低下する問題がある。
シロキサン構造等のケイ素骨格を有する液体状の化合物は比較的に低粘度でありながら、クリアファイルの変形を防止することができる。しかし、この化合物は、シロキサン構造等のケイ素骨格部分がノズルプレートの材質と構造が似ていたり、インクの表面張力を低下させることなどから、ノズルプレートにインクが付着しやすくなって、吐出不良につながる問題がある。
ケイ素骨格を有する化合物のうち、上記した有機ケイ素化合物Sをインク溶剤全量に対して15質量%以上で用いることで、特にこの化合物に炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基が含まれ、1分子中の炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基に含まれる炭素数及び酸素数の合計が4〜20であることで、クリアファイルの変形を防止することができ、また、ノズルプレートに対するインクの濡れ性及び吐出性能を改善することができる。
インクは、色材として顔料、染料、またはこれらの組み合わせを含むことができる。
顔料としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、多環式顔料、染付レーキ顔料等の有機顔料;及び、カーボンブラック、金属酸化物等の無機顔料を用いることができる。アゾ顔料としては、溶性アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料及び縮合アゾ顔料等が挙げられる。フタロシアニン顔料としては、金属フタロシアニン顔料及び無金属フタロシアニン顔料等が挙げられる。多環式顔料としては、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、チオインジゴ系顔料、アンスラキノン系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料及びジケトピロロピロール(DPP)等が挙げられる。カーボンブラックとしては、ファーネスカーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。金属酸化物としては、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられる。これらの顔料は単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
顔料の分散形態は、顔料を非油溶性樹脂で被覆したいわゆるカプセル顔料や着色樹脂粒子、及びそれらを顔料分散剤で分散させた分散体であってもよいが、顔料表面に官能基を化学結合させたいわゆる自己分散顔料の分散体や、顔料分散剤を顔料表面に直接吸着させて分散させた分散体であることが好ましい。
顔料の平均粒子径としては、吐出安定性と保存安定性の観点から、300nm以下であることが好ましく、より好ましくは200nm以下であり、さらに好ましくは150nm以下である。
顔料は、インク全量に対し、通常0.01〜20質量%であり、印刷濃度とインク粘度の観点から、1〜15質量%であることが好ましく、5〜10質量%であることが一層好ましい。
インク中で顔料を安定して分散させるために、顔料とともに顔料分散剤を用いることができる。
顔料分散剤としては、例えば、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、ビニルピロリドンと長鎖アルケンとの共重合体、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリエステルポリアミン等が好ましく用いられる。
顔料分散剤の市販品例としては、例えば、アイ・エス・ピー・ジャパン株式会社製「アンタロンV216(ビニルピロリドン・ヘキサデセン共重合体)、V220(ビニルピロリドン・エイコセン共重合体)」(いずれも商品名);日本ルーブリゾール株式会社製「ソルスパース13940(ポリエステルアミン系)、16000、17000、18000(脂肪酸アミン系)、11200、24000、28000」(いずれも商品名);BASFジャパン株式会社製「エフカ400、401、402、403、450、451、453(変性ポリアクリレート)、46、47、48、49、4010、4055(変性ポリウレタン)」(いずれも商品名);楠本化成株式会社製「ディスパロンKS−860、KS−873N4(ポリエステルのアミン塩)」(いずれも商品名);第一工業製薬株式会社製「ディスコール202、206、OA−202、OA−600(多鎖型高分子非イオン系)」(いずれも商品名);ビックケミー・ジャパン株式会社製「DISPERBYK2155、9077」(いずれも商品名);クローダジャパン株式会社製「HypermerKD2、KD3、KD11、KD12」(いずれも商品名)等が挙げられる。
顔料分散剤は、上記顔料を十分にインク中に分散可能な量であれば足り、適宜設定できる。例えば、質量比で、顔料1に対し顔料分散剤を0.1〜5で配合することができ、好ましくは0.1〜1である。また、顔料分散剤は、インク全量に対し、0.01〜10質量%で配合することができ、好ましくは0.01〜5質量%である。
油性インクには、顔料分散剤を含む樹脂成分は、インク全量に対し10質量%以下で配合することができ、より好ましくは7質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下である。これによって、インク粘度の上昇を防止し、吐出性能をより改善することができる。
染料としては、当該技術分野で一般に用いられているものを任意に使用することができる。油性インクでは、染料は、インクの非水系溶剤に親和性を示すことで、貯蔵安定性がより良好となるため、油溶性染料を用いることが好ましい。
油溶性染料としては、アゾ染料、金属錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染料、シアニン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロシアニン染料、金属フタロシアニン染料等を挙げることができる。これらは単独で、または複数種を組み合わせて使用してもよい。
染料は、インク全量に対し、通常0.01〜20質量%であり、印刷濃度とインク粘度の観点から、1〜15質量%であることが好ましく、5〜10質量%であることが一層好ましい。
インクは、非水系溶剤として、1分子中のケイ素数が2〜6であり、ケイ素原子に炭素原子が直接結合し、炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基を有し、1分子中の炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基に含まれる炭素数及び酸素数の合計が4〜20である有機ケイ素化合物Sを含む。有機ケイ素化合物Sとしては、すべてのケイ素原子が炭素原子またはシロキサン結合の酸素原子のいずれかとのみ結合していることが好ましい。有機ケイ素化合物Sとしては、非反応性であることが好ましい。有機ケイ素化合物Sとしては、その構成原子がケイ素原子、炭素原子、酸素原子、水素原子のみからなることが好ましい。この化合物をインクの溶剤として用いることで、印刷物をクリアファイルで保管する際に、クリアファイルの変形を防止することができる。
有機ケイ素化合物Sは、炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基として、下記の(A)〜(D)からなる群から選択される1種以上を有することができる。
(A)炭素数4以上のアルキル基。
(B)炭素数及び酸素数の合計が4以上であるカルボン酸エステル結合含有基。
(C)炭素数6以上の芳香環含有基。
(D)炭素数4以上のアルキレン基。
例えば、有機ケイ素化合物Sとして、下記の(A)〜(D)からなる群から選択される1種以上を用いることができる。
(A)主鎖のシロキサン結合と、炭素数4以上のアルキル基とを有する化合物。以下、アルキル変性シリコーンとも記す。
(B)主鎖のシロキサン結合と、炭素数及び酸素数の合計が4以上であるカルボン酸エステル結合含有基とを有する化合物。以下、エステル変性シリコーンオイルとも記す。
(C)主鎖のシロキサン結合と、炭素数が6以上である芳香環含有基とを有する化合物。以下、アリール変性シリコーンオイルとも記す。
(D)炭素数が4以上であるアルキレン基の両端にそれぞれシリル基又は少なくとも1個のシロキサン結合が結合する化合物。以下、アルキレン変性シリコーンオイルとも記す。
有機ケイ素化合物Sは、1分子中の炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基に含まれる炭素数及び酸素数の合計が4以上であることが好ましく、より好ましくは8以上であり、さらに好ましくは10以上である。これによって、ノズルプレート面へのインクの濡れ性を低下することができる。
有機ケイ素化合物Sは、1分子中の炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基に含まれる炭素数及び酸素数の合計が20以下であることが好ましく、より好ましくは16以下であり、さらに好ましくは12以下である。これによって、インクを低粘度として吐出性能を改善することができる。
有機ケイ素化合物Sの1分子中に炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基が2個以上含まれる場合は、1分子中の炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基の炭素数及び酸素数の合計は、2個以上の炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基の炭素数及び酸素数の合計である。
有機ケイ素化合物Sは、ノズルプレートへのインクの付着を防止する観点から、1分子中の炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基に含まれる炭素数及び酸素数の合計が4〜12であることが好ましい。
また、有機ケイ素化合物Sは、インクを低粘度化して吐出性能を改善する観点から、1分子中の炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基に含まれる炭素数及び酸素数の合計が8〜20であることが好ましい。
有機ケイ素化合物Sは、非水系溶剤全量に対し、100質量%以下で含まれる。より好ましくは、有機ケイ素化合物Sは、非水系溶剤全量に対し、80質量%以下、特に55質量%以下で含まれる。有機ケイ素化合物Sは、ノズルプレートの材質によってはノズルプレートに親和性があるため、その配合量をある程度制限することで、ノズルプレートに対するインクの濡れ性を改善することができる。
有機ケイ素化合物Sは、非水系溶剤全量に対し、15質量%以上で含まれる。これによって、非水系溶剤全体の粘度上昇を抑制して、吐出性能を改善することができる。より好ましくは、有機ケイ素化合物Sは、非水系溶剤全量に対し、20質量%以上、特に25質量%以上で含まれる。
有機ケイ素化合物Sは、ノズルプレートへのインクの付着を防止する観点から、非水系溶剤全量に対し15〜80質量%であることが好ましい。
また、有機ケイ素化合物Sは、インクを低粘度化して吐出性能を改善する観点から、非水系溶剤全量に対し25〜55質量%であることが好ましい。
インク全量に対する有機ケイ素化合物Sの配合量は、非水系溶剤全体の使用量に応じて異なるが、12〜98質量%で含まれてよく、15〜90質量%で含まれてもよい。
有機ケイ素化合物Sの一例には、下記一般式(X)で表される化合物であるシリコーンオイルが含まれる。
Figure 2018141123
一般式(X)において、Rは、酸素原子、又はケイ素原子に炭素結合が直接結合する2価の有機基であり、Rは、それぞれ独立的に、ケイ素原子に炭素結合が直接結合する1価の有機基であり、m及びnは、それぞれ独立的に、0〜4の整数であり、pは、それぞれ独立的に、0〜2の整数であり、1分子中のケイ素数が2〜6であり、R及びRのうち少なくとも1個は、炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基であり、1分子中の炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基に含まれる酸素数及び炭素数の合計が4〜20である。
一般式(X)において、Rは、酸素原子、又は炭素数及び酸素数の合計が4以上である2価の有機基であり、Rは、それぞれ独立的に、メチル基、又は炭素数及び酸素数の合計が4以上である1価の有機基であることが好ましい。
好ましくは、一般式(X)において、Rは、酸素原子、又は炭素数4以上のアルキレン基であり、Rは、それぞれ独立的に、メチル基、炭素数4以上のアルキル基、炭素数及び酸素数の合計が4以上であるカルボン酸エステル結合含有基、又は炭素数6以上の芳香環含有基であり、R及びRのうち少なくとも1個は、炭素数4以上のアルキレン基、炭素数4以上のアルキル基、炭素数及び酸素数の合計が4以上であるカルボン酸エステル結合含有基、及び炭素数6以上の芳香環含有基からなる群から選択され、1分子中の炭素数4以上のアルキレン基、炭素数4以上のアルキル基、炭素数及び酸素数の合計が4以上であるカルボン酸エステル結合含有基、及び炭素数6以上の芳香環含有基に含まれる酸素数及び炭素数の合計が4〜20である。
有機ケイ素化合物Sの他の例には、下記一般式(X−1)で表される化合物であるシリコーンオイルが含まれる。
Figure 2018141123
一般式(X−1)において、Rは、それぞれ独立的に、ケイ素原子に炭素原子が直接結合する1価の有機基であり、nは、0〜4の整数であり、pは、それぞれ独立的に、0又は1であり、1分子中のケイ素数が2〜6であり、Rのうち少なくとも1個は、炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基であり、1分子中の炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基に含まれる酸素数及び炭素数の合計が4〜20である。
一般式(X−1)において、Rは、それぞれ独立的に、メチル基、又は炭素数及び酸素数の合計が4以上である1価の有機基であることが好ましい。
(A)アルキル変性シリコーンオイル
有機ケイ素化合物Sの一実施形態としては、2〜6個のケイ素原子と、炭素数4以上のアルキル基とを有する化合物であり、好ましくは、主鎖のシロキサン結合と、主鎖のケイ素原子に炭素原子が直接結合し、炭素数4以上のアルキル基とを有する化合物(アルキル変性シリコーンオイル)である。
この化合物をインクの溶剤として用いることで、印刷物をクリアファイルで保管する際に、クリアファイルの変形を防止することができる。
アルキル変性シリコーンオイルの主鎖のシロキサン結合は、ケイ素数が2〜6であることが好ましく、3〜5であることがより好ましく、3であることがさらに好ましい。例えば、主鎖のシロキサン結合がトリシロキサン(ケイ素数が3)であることが好ましい。
主鎖のシロキサン結合からトリメチルシリルオキシ基等の分岐鎖が側鎖として分岐していてもよい。
炭素数4以上のアルキル基は、主鎖のシロキサン結合の一方端又は両端のケイ素原子に結合してもよく、側鎖として結合していてもよく、一方端又は両端とともに側鎖に導入されていてもよい。
アルキル変性シリコーンオイルの一例は、以下の(1)〜(4)の通りである。
(1)主鎖のシロキサン結合の一方端に炭素数4以上のアルキル基を有する。
(2)主鎖のシロキサン結合の両端にそれぞれ炭素数4以上のアルキル基を有する。
(3)主鎖のシロキサン結合に側鎖として1個の炭素数4以上のアルキル基を有する。
(4)主鎖のシロキサン結合に側鎖として2個以上の炭素数4以上のアルキル基を有する。
炭素数4以上のアルキル基は、直鎖または分岐鎖を有してもよく、鎖状または脂環式であってもよい。炭素数4以上のアルキル基は、炭素数4〜20であることが好ましい。
アルキル基の炭素数が4以上、より好ましくは8以上、さらに好ましくは10以上であることで、ノズルプレートに対するインクの濡れ性を改善することができる。
アルキル基の炭素数が20以下、より好ましくは16以下、さらに好ましくは12以下であることで、クリアファイル変形を防止するとともに、インクの高粘度化を抑えて、吐出性能を改善することができる。
炭素数4以上のアルキル基は、例えば、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、エイコシル基等を挙げることができる。
好ましくは、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基であり、より好ましくはデシル基、ドデシル基である。
アルキル変性シリコーンオイルで、1分子中の炭素数4以上のアルキル基の炭素数の合計は4以上であることが好ましく、より好ましくは8以上であり、さらに好ましくは10以上である。これによって、ノズルプレート面へのインクの濡れ性を低下することができる。
アルキル変性シリコーンオイルで、1分子中の炭素数4以上のアルキル基の炭素数の合計は20以下であることが好ましく、より好ましくは16以下であり、さらに好ましくは12以下である。これによって、インクを低粘度として吐出性能を改善することができる。
アルキル変性シリコーンオイル1分子中に炭素数4以上のアルキル基が2個以上含まれる場合は、1分子中の炭素数4以上のアルキル基の炭素数の合計は、2個以上の炭素数4以上のアルキル基の炭素数の合計である。
アルキル変性シリコーンオイルの一例には、下記一般式(A1)で表される化合物が含まれる。
Figure 2018141123
一般式(A1)において、Rは、それぞれ独立的に、メチル基、又は炭素数4以上のアルキル基であり、nは、0〜4の整数であり、pは、それぞれ独立的に、0又は1であり、1分子中のケイ素数が2〜6であり、Rのうち少なくとも1個は、炭素数4以上のアルキル基であり、1分子中の炭素数4以上のアルキル基に含まれる炭素数の合計が4〜20である。
アルキル変性シリコーンオイルは、主鎖のケイ素数が3であることが好ましく、例えば、下記一般式(A2)で表されるトリシロキサン化合物を用いることができる。
Figure 2018141123
一般式(A2)において、RA1は、メチル基、又は炭素数4以上のアルキル基であり、RA2は、メチル基、炭素数4以上のアルキル基、又はトリメチルシリルオキシ基であり、RA1及びRA2の少なくとも1個は炭素数4以上のアルキル基であり、RA1及びRA2はそれぞれ互いに同一であってもよく、一部又は全部が異なっていてもよく、1分子中のケイ素数が2〜6である。
アルキル変性シリコーンオイルには、例えば、下記一般式(1)で表される化合物を用いることができる。
Figure 2018141123
一般式(1)中、Rは、炭素数4〜20の直鎖または分岐鎖を有するアルキル基であり、m及びnは、それぞれ独立的に0〜2の整数であり、m+n≦2である。
一般式(1)において、Rは、炭素数4〜20の直鎖または分岐鎖を有するアルキル基である。Rで表されるアルキル基の炭素数が4以上、より好ましくは8以上、さらに好ましくは10以上であることで、ノズルプレートに対するインクの濡れ性を改善することができる。特に、10以上とすることで表面張力が上がり、濡れ性が改善する。
また、Rで表されるアルキル基の炭素数が20以下、より好ましくは16以下、さらに好ましくは12以下であることで、クリアファイル変形を防止するとともに、インクの高粘度化を抑えて、吐出性能を改善することができる。
一般式(1)において、Rで表されるアルキル基は、例えば、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、エイコシル基等を挙げることができる。
好ましくは、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基であり、より好ましくはデシル基、ドデシル基である。
一般式(1)で表される化合物は、m及びnがそれぞれ0である下記化合物であることが好ましい。Rは上記した通りである。
Figure 2018141123
上記したアルキル変性シリコーンオイルは、これに限定されないが、以下の方法によって製造することができる。
例えば、シロキサン原料と、炭素数4以上のアルケンとを、有機溶媒中で反応させることで、アルキル変性シリコーンオイルを得ることができる。シロキサン原料とアルケンとは、モル比で1:1〜1:1.5で反応させることが好ましい。シロキサン骨格に2箇所以上のアルキル基を導入する場合は、シロキサン原料の反応性基とアルケンとがモル比で1:1〜1:1.5となるように反応させることが好ましい。また、反応に際し、0価白金のオレフィン錯体、0価白金のビニルシロキサン錯体、2価白金のオレフィン錯体ハロゲン化物、塩化白金酸等の白金触媒等の触媒を好ましく用いることができる。
例えば、一般式(1)においてRが水素原子であるシロキサン原料と、炭素数4〜20の直鎖または分岐鎖を有するアルケンとを、有機溶媒中で反応させることで、一般式(1)で表される化合物を得ることができる。
シロキサン原料としては、例えば、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,1,3,3,5,7,7,7−ノナメチルテトラシロキサン、1,1,1,3,3,5,7,7,9,9,9−ウンデカメチルペンタシロキサン、ペンタメチルジシロキサン、1,1,3,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9−デカメチルペンタシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−3−(トリメチルシリルオキシ)トリシロキサン、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、1,1,3,5,5−ペンタメチル−3−(ジメチルシリルオキシ)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9,11,11−ドデカメチルヘキサシロキサン、トリメチルシラン、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−3−(トリメチルシリルオキシ)トリシロキサン等を用いることができる。
アルケンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、2−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−ヘキサデセン、1−エイコセン等を用いることができる。
また、アルケンの他にも、ビニルシクロヘキサン等のエチレン性不飽和2重結合を有する脂環式炭化水素基を用いることができる。
(B)エステル変性シリコーンオイル
有機ケイ素化合物Sの一実施形態としては、2〜6個のケイ素原子と、炭素数及び酸素数の合計が4以上であるカルボン酸エステル結合含有基とを有する化合物であり、好ましくは、主鎖のシロキサン結合と、主鎖のケイ素原子に炭素原子が直接結合し、炭素数及び酸素数の合計が4以上であるカルボン酸エステル結合含有基(エステル変性シリコーンオイル)である。
この化合物をインクの溶剤として用いることで、印刷物をクリアファイルで保管する際に、クリアファイルの変形を防止することができる。
エステル変性シリコーンオイルの主鎖のシロキサン結合は、ケイ素数が2〜6であることが好ましく、2〜5であることがより好ましく、3〜5であることがさらに好ましい。例えば、主鎖のシロキサン結合がトリシロキサン(ケイ素数が3)であることが好ましい。
主鎖のシロキサン結合からトリメチルシリルオキシ基等の分岐鎖が側鎖として分岐していてもよい。
カルボン酸エステル結合含有基は、主鎖のシロキサン結合の一方端又は両端のケイ素原子に結合してもよく、側鎖として結合していてもよく、一方端又は両端とともに側鎖に導入されていてもよい。
カルボン酸エステル結合含有基は、主鎖のシロキサン結合のケイ素原子にアルキレン基を介してカルボン酸エステル結合が結合する−RBb−O−(CO)−RBaで表される基、または、−RBb−(CO)−O−RBaで表される基を好ましく用いることができる。
ここで、RBaは、炭素数1以上の直鎖または分岐鎖を有してもよく、鎖状または脂環式のアルキル基であることが好ましい。また、RBbは、炭素数1以上の直鎖又は分岐鎖を有してもよく、鎖状または脂環式のアルキレン基であることが好ましい。主鎖のシロキサン結合のケイ素原子とカルボン酸エステル結合を結ぶアルキレン基は、炭素数2以上であることがより好ましい。
カルボン酸エステル結合含有基の炭素数及び酸素数の合計は、エステル結合(−O−(CO)−)の1個の炭素原子と2個の酸素原子と、アルキル基(RBa)の炭素数と、アルキレン基(RBb)の炭素数との合計になる。
カルボン酸エステル結合含有基の炭素数及び酸素数の合計は、4〜20であることが好ましい。
カルボン酸エステル結合含有基の炭素数及び酸素数の合計が4以上、より好ましくは8以上、さらに好ましくは10以上であることで、ノズルプレートに対するインクの濡れ性を改善することができる。
カルボン酸エステル結合含有基の炭素数及び酸素数の合計が20以下、より好ましくは16以下、さらに好ましくは12以下であることで、クリアファイル変形を防止するとともに、インクの高粘度化を抑えて、吐出性能を改善することができる。
カルボン酸エステル結合含有基において、アルキル基(RBa)は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基等を挙げることができる。
好ましくは、ペンチル基、ヘプチル基、ノニル基、トリデシル基であり、より好ましくはヘプチル基、ノニル基である。
カルボン酸エステル結合含有基において、アルキレン基(RBb)は、炭素数1〜8の直鎖アルキレン基であることが好ましく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、n−ブチレン、イソブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、イソオクチレン基等を挙げることができる。好ましくは、エチレン基である。
エステル変性シリコーンオイルで、1分子中の炭素数及び酸素数の合計が4以上のカルボン酸エステル結合含有基の炭素数及び酸素数の合計は4以上であることが好ましく、より好ましくは8以上であり、さらに好ましくは10以上である。これによって、ノズルプレート面へのインクの濡れ性を低下することができる。
エステル変性シリコーンオイルで、1分子中の炭素数及び酸素数の合計が4以上のカルボン酸エステル結合含有基の炭素数及び酸素数の合計は20以下であることが好ましく、より好ましくは16以下であり、さらに好ましくは12以下である。これによって、インクを低粘度として吐出性能を改善することができる。
エステル変性シリコーンオイル1分子中に炭素数及び酸素数の合計が4以上のカルボン酸エステル結合含有基が2個以上含まれる場合は、1分子中のカルボン酸エステル結合含有基の炭素数及び酸素数の合計は、2個以上のカルボン酸エステル結合含有基の炭素数及び酸素数の合計である。
エステル変性シリコーンには、上記一般式(X−1)において、Rは、それぞれ独立的に、メチル基、又はケイ素原子に炭素原子が直接結合し、炭素数及び酸素数の合計が4以上であるカルボン酸エステル結合含有基であり、nは、0〜4の整数であり、pは、それぞれ独立的に、0又は1であり、1分子中のケイ素数が2〜6であり、Rのうち少なくとも1個は、上記カルボン酸エステル結合含有基であり、1分子中の上記カルボン酸エステル結合含有基に含まれる酸素数及び炭素数の合計が4〜20である化合物を好ましく用いることができる。
エステル変性シリコーンの一例には、下記一般式(B1)で表される化合物が含まれる。
Figure 2018141123
一般式(B1)において、RB1は、それぞれ独立的に、メチル基、又はケイ素原子に炭素原子が直接結合し、炭素数及び酸素数の合計が4以上であるカルボン酸エステル結合含有基であり、RB2は、それぞれ独立的に、メチル基、トリメチルシリルオキシ基、又はケイ素原子に炭素原子が直接結合し、炭素数及び酸素数の合計が4以上であるカルボン酸エステル結合含有基であり、RB1及びRB2のうち少なくとも1個は、上記炭素数及び酸素数の合計が4以上であるカルボン酸エステル結合含有基であり、nは0〜4の整数であり、1分子中のケイ素数が2〜6である。
カルボン酸エステル結合含有基は、上記した通りである。
上記したエステル変性シリコーンオイルは、これに限定されないが、以下の方法によって製造することができる。
例えば、シロキサン原料と、炭素数及び酸素数の合計が4以上の脂肪酸ビニルとを、有機溶媒中で反応させることで、エステル変性シリコーンオイルを得ることができる。シロキサン原料と脂肪酸ビニルとは、シロキサン原料の反応性基と脂肪酸ビニルとがモル比で1:1〜1:1.5で反応させることが好ましい。また、反応に際し、0価白金のオレフィン錯体、0価白金のビニルシロキサン錯体、2価白金のオレフィン錯体ハロゲン化物、塩化白金酸等の白金触媒等の触媒を好ましく用いることができる。
シロキサン原料は、上記したアルキル変性シリコーンオイルと共通する化合物を用いることができる。
脂肪酸ビニルとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソブタン酸ビニル、ペンタン酸ビニル、ピバル酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、ヘプタン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、オクタン酸ビニル、イソオクタン酸ビニル、ノナン酸ビニル、デカン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、エイコサン酸ビニル等を用いることができる。
(C)アリール変性シリコーンオイル
有機ケイ素化合物Sの一実施形態としては、2〜6個のケイ素原子と、炭素数の合計が6以上である芳香環含有基とを有する化合物であり、好ましくは、主鎖のシロキサン結合と、主鎖のケイ素原子に炭素原子が直接結合し、炭素数の合計が6以上である芳香環含有基(アリール変性シリコーンオイル)である。
この化合物をインクの溶剤として用いることで、印刷物をクリアファイルで保管する際に、クリアファイルの変形を防止することができる。
芳香環は、同じ炭素数の直鎖アルカンと比べて沸点が高く、揮発しにくい特性がある。さらに、アリール変性シリコーンオイルには、アルキル基と比べて嵩高い芳香環が分子中に存在するため、記録媒体に印刷した後に、クリアファイルに保管した状態で印刷物から溶剤成分が揮発してもクリアファイルに浸透しにくくなり、クリアファイルの変形をより低減することができる。
アリール変性シリコーンオイルの主鎖のシロキサン結合は、ケイ素数が2〜6であることが好ましく、3〜5であることがより好ましく、3であることがさらに好ましい。例えば、主鎖のシロキサン結合がトリシロキサン(ケイ素数が3)であることが好ましい。
主鎖のシロキサン結合からトリメチルシリルオキシ基等の分岐鎖が側鎖として分岐していてもよい。
芳香環含有基は、主鎖のシロキサン結合の一方端又は両端のケイ素原子に結合してもよく、側鎖として結合していてもよく、一方端又は両端とともに側鎖に導入されていてもよい。
芳香環含有基は、主鎖のシロキサン結合のケイ素原子に芳香環が直接結合する−RCaで表される基、または、主鎖のシロキサン結合のケイ素原子にアルキレン基を介して芳香環が結合する−RCb−RCaで表される基を好ましく用いることができる。
ここで、RCaは、炭素数6以上の芳香環であることが好ましい。また、RCbは、炭素数1以上の直鎖又は分岐鎖を有してもよく、鎖状または脂環式のアルキレン基であることが好ましい。
芳香環含有基が、主鎖のシロキサン結合のケイ素原子に芳香環が直接結合する−RCaで表される基である場合、主鎖のシロキサン結合からトリメチルシリルオキシ基等の分岐鎖が側鎖として分岐していることが好ましい。芳香環含有基は、主鎖のシロキサン結合のケイ素原子にアルキレン基を介して芳香環が結合する−RCb−RCaで表される基であることがより好ましい。
芳香環含有基の炭素数は、芳香環(RCa)の炭素数と、任意のアルキレン基(RCb)の炭素数との合計になる。
芳香環含有基の炭素数は、6〜20であることが好ましい。
芳香環含有基の炭素数が6以上、より好ましくは8以上、さらに好ましくは10以上であることで、ノズルプレートに対するインクの濡れ性を改善することができる。
芳香環含有基の炭素数が20以下、より好ましくは16以下、さらに好ましくは12以下であることで、クリアファイル変形を防止するとともに、インクの高粘度化を抑えて、吐出性能を改善することができる。
芳香環含有基において、芳香環部分(RCa)は、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、トリメチルフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等、又はこれらの少なくとも1個の水素原子がアルキル基に置換された官能基を挙げることができる。
芳香環含有基には、1個、又は2個以上の芳香環が含まれてもよいが、1分子中の炭素数6以上の芳香環含有基の炭素数が6〜20であることが好ましい。
芳香環含有基において、任意のアルキレン基(RCb)は、炭素数1〜8の直鎖または分岐鎖を有してもよいアルキレン基であることが好ましく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、イソオクチレン基等を挙げることができる。
好ましくは、プロピレン基、メチルエチレン基、エチレン基である。
アリール変性シリコーンオイルで、1分子中の炭素数6以上の芳香環含有基の炭素数の合計は6以上であることが好ましく、より好ましくは8以上であり、さらに好ましくは10以上である。これによって、ノズルプレート面へのインクの濡れ性を低下することができる。
アリール変性シリコーンオイルで、1分子中の炭素数6以上の芳香環含有基の炭素数の合計は20以下であることが好ましく、より好ましくは16以下であり、さらに好ましくは12以下である。これによって、インクを低粘度として吐出性能を改善することができる。
アリール変性シリコーンオイル1分子中に炭素数6以上の芳香環含有基が2個以上含まれる場合は、1分子中の炭素数6以上の芳香環含有基の炭素数の合計は、2個以上の炭素数6以上の芳香環含有基の炭素数の合計である。
アリール変性シリコーンには、上記一般式(X−1)において、Rは、それぞれ独立的に、メチル基、又はケイ素原子に炭素原子が直接結合し、炭素数が6以上である芳香環結合含有基であり、nは、0〜4の整数であり、pは、それぞれ独立的に、0又は1であり、1分子中のケイ素数が2〜6であり、Rのうち少なくとも1個は、上記芳香環結合含有基であり、1分子中の上記芳香環結合含有基に含まれる炭素数の合計が6〜20である化合物を好ましく用いることができる。
アリール変性シリコーンの一例には、下記一般式(C1)で表される化合物が含まれる。
Figure 2018141123
一般式(C1)において、RC1は、それぞれ独立的に、メチル基、又はケイ素原子に炭素原子が直接結合し、炭素数が6以上である芳香環含有基であり、RC2は、それぞれ独立的に、メチル基、トリメチルシリルオキシ基、又はケイ素原子に炭素原子が直接結合し、炭素数が6以上である芳香環含有基であり、RC1及びRC2のうち少なくとも1個は、上記炭素数が6以上である芳香環含有基であり、nは0〜4の整数であり、1分子中のケイ素数が2〜6である。
芳香環含有基は、上記した通りである。
一般式(C1)において、n=1であり、トリシロキサン骨格を有する化合物であることが好ましい。
上記したアリール変性シリコーンオイルは、これに限定されないが、以下の方法によって製造することができる。
例えば、シロキサン原料と、炭素数6〜20の炭素2重結合を有するアリール化合物とを、有機溶媒中で反応させることで、アリール変性シリコーンオイルを得ることができる。シロキサン原料とアリール化合物とは、シロキサン原料の反応性基とアリール化合物の炭素2重結合とがモル比で1:1〜1:1.5で反応させることが好ましい。また、反応に際し、0価白金のオレフィン錯体、0価白金のビニルシロキサン錯体、2価白金のオレフィン錯体ハロゲン化物、塩化白金酸等の白金触媒等の触媒を好ましく用いることができる。
シロキサン原料は、上記したアルキル変性シリコーンオイルと共通する化合物を用いることができる。
炭素2重結合を有するアリール化合物としては、例えば、スチレン、4−メチルスチレン、2−メチルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、アリルベンゼン、1−アリルナフタレン、4−フェニル−1−ブテン、2,4−ジフェニル−4−メチル1−1ペンテン、1−ビニルナフタレン、α−メチルスチレン、2−メチル−1−フェニルプロペン、1,1−ジフェニルエチレン、トリフェニルエチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、シス−β−メチルスチレン、トランス−β−メチルスチレン等を用いることができる。
(D)アルキレン変性シリコーンオイル
有機ケイ素化合物Sの一実施形態としては、2〜6個のケイ素原子と、炭素数4以上のアルキレン基とを有する化合物であり、好ましくは、炭素数が4以上であるアルキレン基の両端の炭素原子にそれぞれシリル基又は少なくとも1個のシロキサン結合が結合する化合物(アルキレン変性シリコーンオイル)である。
この化合物をインクの溶剤として用いることで、印刷物をクリアファイルで保管する際に、クリアファイルの変形を防止することができる。
アルキレン変性シリコーンオイルにおいて、ケイ素数が2〜6であることが好ましく、3〜5であることがより好ましく、4であることがさらに好ましい。
アルキレン変性シリコーンオイルにおいて、アルキレン基の一方端側のシリル基又はシロキサン結合のケイ素数は1〜5であることが好ましく、1〜4であることが好ましく、2〜3であることがさらに好ましい。
アルキレン基の一方端側でケイ素数が3以上のシロキサン結合を有する場合では、主鎖のシロキサン結合からトリメチルシリルオキシ基等の分岐鎖が側鎖として分岐していてもよい。
炭素数4以上のアルキレン基は、直鎖または分岐鎖を有してもよく、鎖状または脂環式であってもよい。炭素数4以上のアルキレン基は、炭素数4〜20であることが好ましい。
アルキレン基の炭素数が4以上、より好ましくは8以上であることで、ノズルプレートに対するインクの濡れ性を改善することができる。
アルキレン基の炭素数が20以下、より好ましくは12以下、さらに好ましくは10以下であることで、クリアファイル変形を防止するとともに、インクの高粘度化を抑えて、吐出性能を改善することができる。
炭素数4以上のアルキレン基は、例えば、n−ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、イソオクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ドデシレン基、ヘキサデシレン基、エイコシレン基等を挙げることができる。好ましくは、オクチレン基、デシレン基、ドデシレン基であり、より好ましくは、オクチレン基、デシレン基である。
アルキレン変性シリコーンには、上記一般式(X)において、Rは、炭素数が4以上であるアルキレン基であり、Rは、メチル基であり、m及びnは、それぞれ独立的に、0〜4の整数であり、pは、それぞれ独立的に、0〜2の整数であり、1分子中のケイ素数が2〜6である化合物を好ましく用いることができる。
アルキレン変性シリコーンオイルには、下記一般式(D1)で表される化合物を用いることができる。
Figure 2018141123
一般式(D1)において、RD1は、炭素数4以上のアルキレン基であり、a及びfはそれぞれ独立的に0〜2の整数、b及びeはそれぞれ独立的に0〜1の整数、c及びdはそれぞれ独立的に0〜1の整数であり、a+b+c≦2、d+e+f≦2であり、1分子中のケイ素数が2〜6である。
一般式(D1)において1≦a+b+c≦2、かつ1≦d+e+f≦2であることがより好ましい。
また、一般式(D1)においてRD1が炭素数8〜10のアルキレン基であることが好ましい。
上記したアルキレン変性シリコーンオイルは、これに限定されないが、以下の方法によって製造することができる。
例えば、シロキサン原料と、炭素数4〜20のジエン化合物とを、有機溶媒中で反応させることで、アルキレン変性シリコーンオイルを得ることができる。シロキサン原料とジエン化合物とは、モル比で2:1〜3:1で反応させることが好ましい。また、反応に際し、0価白金のオレフィン錯体、0価白金のビニルシロキサン錯体、2価白金のオレフィン錯体ハロゲン化物、塩化白金酸等の白金触媒等の触媒を好ましく用いることができる。
シロキサン原料は、上記したアルキル変性シリコーンオイルと共通する化合物を用いることができる。アルキレン変性シリコーンオイルの一例には、アルキレン基を介して2個のトリメチルシランが結合し、1分子中のケイ素原子数が2個になる化合物を挙げることができる。
ジエン化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、1,11−ドデカジエン、1,10−ウンデカジエン、1,13−テトラデカジエン、ヘキサデカジエン、エイコサジエン等を用いることができる。
有機ケイ素化合物としては、市販品を用いてもよく、例えば、東レ・ダウコーニング株式会社製「FZ−3196」等のアルキル変性シリコーンオイル、東京化成工業株式会社製「1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−3−フェニル−3−(トリメチルシリルオキシ)トリシロキサン」等のアリール変性シリコーンオイル等を用いてもよい。
インクには、その他の非水系溶剤が含まれてもよい。
その他の非水系溶剤としては、非極性有機溶剤及び極性有機溶剤のいずれも使用できる。なお、本実施形態において、非水系溶剤には、1気圧20℃において同容量の水と均一に混合しない非水溶性有機溶剤を用いることが好ましい。
非極性有機溶剤としては、例えば、脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素溶剤、芳香族炭化水素溶剤等の石油系炭化水素溶剤を好ましく挙げることができる。
脂肪族炭化水素溶剤及び脂環式炭化水素溶剤としては、パラフィン系、イソパラフィン系、ナフテン系等の非水系溶剤を挙げることができる。市販品としては、0号ソルベントL、0号ソルベントM、0号ソルベントH、カクタスノルマルパラフィンN−10、カクタスノルマルパラフィンN−11、カクタスノルマルパラフィンN−12、カクタスノルマルパラフィンN−13、カクタスノルマルパラフィンN−14、カクタスノルマルパラフィンN−15H、カクタスノルマルパラフィンYHNP、カクタスノルマルパラフィンSHNP、アイソゾール300、アイソゾール400、テクリーンN−16、テクリーンN−20、テクリーンN−22、AFソルベント4号、AFソルベント5号、AFソルベント6号、AFソルベント7号、ナフテゾール160、ナフテゾール200、ナフテゾール220(いずれもJXTGエネルギー株式会社製);アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、エクソールD40、エクソールD60、エクソールD80、エクソールD95、エクソールD110、エクソールD130(いずれもエクソンモービル社製);モレスコホワイトP−40、モレスコホワイトP−60、モレスコホワイトP−70、モレスコホワイトP−80、モレスコホワイトP−100、モレスコホワイトP−120、モレスコホワイトP−150、モレスコホワイトP−200、モレスコホワイトP−260、モレスコホワイトP−350P(いずれも株式会社MORESCO製)等を好ましく挙げることができる。
芳香族炭化水素溶剤としては、グレードアルケンL、グレードアルケン200P(いずれもJXTGエネルギー株式会社製)、ソルベッソ100、ソルベッソ150、ソルベッソ200、ソルベッソ200ND(いずれもエクソンモービル社製)等を好ましく挙げることができる。
石油系炭化水素溶剤の蒸留初留点は、100℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることがいっそう好ましい。蒸留初留点はJIS K0066「化学製品の蒸留試験方法」に従って測定することができる。
極性有機溶剤としては、脂肪酸エステル系溶剤、高級アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤等を好ましく挙げることができる。
例えば、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル(炭素数22)、ラウリン酸メチル、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ヘキシル、パルミチン酸イソオクチル、パルミチン酸イソステアリル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸ヘキシル、リノール酸メチル、リノール酸エチル、リノール酸イソブチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸イソオクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ピバリン酸2−オクチルデシル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル等の1分子中の炭素数が13以上、好ましくは16〜30の脂肪酸エステル系溶剤;
イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソエイコシルアルコール、デシルテトラデカノール等の1分子中の炭素数が6以上、好ましくは12〜20の高級アルコール系溶剤;
ラウリン酸、イソミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、α−リノレン酸、リノール酸、オレイン酸、イソステアリン酸等の1分子中の炭素数が12以上、好ましくは14〜20の高級脂肪酸系溶剤等が挙げられる。
脂肪酸エステル系溶剤、高級アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤等の極性有機溶剤の沸点は、150℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましく、250℃以上であることがさらに好ましい。なお、沸点が250℃以上の非水系溶剤には、沸点を示さない非水系溶剤も含まれる。
これらの非水系溶剤は、単独で使用してもよく、単一の相を形成する限り2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本実施形態では、有機ケイ素化合物Sの他に、その他の非水系溶剤を用いる場合は、クリアファイル変形を防止するために、その他の非水系溶剤として、高沸点溶剤を用いることが好ましい。高沸点溶剤としては、蒸溜初留点が200℃以上である非極性溶剤、沸点が250℃以上の極性溶剤、またはこれらの組み合わせを用いることが好ましい。
また、その他の非水系溶剤としては、高沸点溶剤を用いることで、溶剤の揮発を抑え、クリアファイル変形をより防止することができる。このような非水系溶剤としては、例えば、モレスコホワイトP−60等のパラフィン系溶剤、イソノナン酸イソトリデシル等の1分子中の炭素数が20以上の脂肪酸エステル系溶剤等を好ましく用いることができる。
上記各成分に加えて、油性インクには、本発明の効果を損なわない限り、各種添加剤が含まれていてよい。添加剤としては、ノズルの目詰まり防止剤、酸化防止剤、導電率調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、酸素吸収剤等を適宜添加することができる。これらの種類は、特に限定されることはなく、当該分野で使用されているものを用いることができる。
インクは、色材及び非水系溶剤を含む各成分を混合することで作製することができる。好ましくは、各成分を一括ないし分割して混合及び撹拌してインクを作製することができる。具体的には、ビーズミル等の分散機に全成分を一括又は分割して投入して分散させ、所望により、メンブレンフィルター等のろ過機を通すことにより調製できる。
油性インクジェットインクとしての粘度は、インクジェット記録システムの吐出ヘッドのノズル径や吐出環境等によってその適性範囲は異なるが、一般に、23℃において5〜30mPa・sであることが好ましく、5〜15mPa・sであることがより好ましく、約10mPa・s程度であることが、一層好ましい。
インクジェットインクを用いた印刷方法としては、特に限定されず、ピエゾ方式、静電方式、サーマル方式など、いずれの方式のものであってもよいが、ピエゾ方式であることが好ましい。インクジェット記録装置を用いる場合は、デジタル信号に基づいてインクジェットヘッドから本実施形態によるインクを吐出させ、吐出されたインク液滴を記録媒体に付着させるようにすることが好ましい。
本実施形態において、記録媒体は、特に限定されるものではなく、普通紙、コート紙、特殊紙等の印刷用紙、布、無機質シート、フィルム、OHPシート等、これらを基材として裏面に粘着層を設けた粘着シート等を用いることができる。これらの中でも、インクの浸透性の観点から、普通紙、コート紙等の印刷用紙を好ましく用いることができる。
ここで、普通紙とは、通常の紙の上にインクの受容層やフィルム層等が形成されていない紙である。普通紙の一例としては、上質紙、中質紙、PPC用紙、更紙、再生紙等を挙げることができる。普通紙は、数μm〜数十μmの太さの紙繊維が数十から数百μmの空隙を形成しているため、インクが浸透しやすい紙となっている。
また、コート紙としては、マット紙、光沢紙、半光沢紙等のインクジェット用コート紙や、いわゆる塗工印刷用紙を好ましく用いることができる。ここで、塗工印刷用紙とは、従来から凸版印刷、オフセット印刷、グラビア印刷等で使用されている印刷用紙であって、上質紙や中質紙の表面にクレーや炭酸カルシウム等の無機顔料と、澱粉等のバインダーを含む塗料により塗工層を設けた印刷用紙である。塗工印刷用紙は、塗料の塗工量や塗工方法により、微塗工紙、上質軽量コート紙、中質軽量コート紙、上質コート紙、中質コート紙、アート紙、キャストコート紙等に分類される。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。本発明は以下の実施例に限定されない。実施例を通して共通する成分は、特に説明のない限り同一の成分である。
「アルキル変性シリコーンの合成」
アルキル変性シリコーンの処方を表1に示す。
一般式(1)においてm+n=0、Rの炭素数(C数)=12のアルキル変性シリコーンの合成方法について説明する。
四つ口フラスコに、ヘキサンを50質量部、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサンを10質量部、1−ドデセンを8.3質量部で仕込んだ。これに、白金触媒(シグマアルドリッチ社製「1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン白金錯体」)を0.02質量部滴下し、室温にて2〜3時間撹拌した。その後、減圧蒸留により反応溶媒(ヘキサン)、未反応原料を留去し目的物を得た。
その他のアルキル変性シリコーンは、シロキサン化合物及びアルキル鎖を有する化合物を表1に示す処方で配合した他は、上記と同様にして合成した。
各アルキル変性シリコーンの合成では、シロキサン化合物と、アルキル鎖を有する化合物とのモル比が1:1.1となるように配合した。
合成したアルキル変性シリコーンについて、一般式(1)において、m、n、m+n、Rの炭素数(C数)を表1に示す。
1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン及びアルキル鎖を有する化合物は、東京化成株式会社より入手することができる。
Figure 2018141123
「インクの作製」
インクの処方を表2、表3、表4に示す。各インクに用いた溶剤の処方を各表に示す。
各表に示す配合量にしたがって、顔料、顔料分散剤、及び各表に示す各種溶剤を混合し、ビーズミル「ダイノーミルKDL−A」(株式会社シンマルエンタープライゼス製)により滞留時間15分間の条件で、十分に顔料を分散した。続いて、メンブレンフィルターで粗大粒子を除去し、インクを得た。
以下の点を除いては、上記方法にしたがって、各実施例及び比較例のインクを作製した。
実施例3では、顔料及び顔料分散剤の種類を変更した。
比較例3及び4では、ジメチルシリコーンを用いた。
比較例6及び7では、シリコーン系溶剤を用いず、石油系炭化水素溶剤及び脂肪酸エステル系溶剤を用いた。
用いた成分は、以下の通りである。
(顔料)
カーボンブラック:三菱ケミカル株式会社製「MA77」。
銅フタロシアニンブルー:DIC株式会社製「FASTOGEN Blue LA5380」。
(顔料分散剤)
ソルスパース18000:日本ルーブリゾール株式会社製「ソルスパース18000」。
ソルスパース13940:日本ルーブリゾール株式会社製「ソルスパース13940」。
(比較溶剤)
ジメチルシリコーン:一般式(1)においてm=0、n=0、m+n=0、R=CH、信越化学工業株式会社製「KF96L−1CS」。
ジメチルシリコーン:一般式(1)においてm=0、n=7、m+n=7、R=CH、信越化学工業株式会社製「KF−96A−6CS」。
ポリエーテル変性シリコーン:信越化学工業株式会社製「KF6015」。
石油系炭化水素溶剤「モレスコホワイト P−60」:パラフィン系溶剤、株式会社MORESCO製「モレスコホワイト P−60」。
脂肪酸エステル系溶剤「イソノナン酸イソトリデシル」:イソノナン酸イソトリデシル、高級アルコール工業株式会社製「KAK139」。
「評価」
上記実施例及び比較例のインクについて、以下の方法により評価を行った。これらの評価結果を表2、表3、表4に示す。
(クリアファイルの波打ち)
クリアファイルの波打ち評価は、1枚の印刷物をPP(ポリプロピレン)製クリアファイルに挟み、室温で放置し、1週間放置後に、クリアファイルの変形量を確認して評価した。クリアファイルの1枚のシートの厚さは0.2mmであった。
印刷物は、ライン式インクジェットプリンタ「オルフィスEX9050」(理想科学工業株式会社製)にインクを装填し、普通紙「理想用紙薄口」(理想科学工業株式会社製)に、主走査方向約51mm(ノズル600本)×副走査方向260mmのベタ画像を片面印刷することにより作製した。
クリアファイルの変形量は、平らな面にクリアファイルを置き、この平面から、クリアファイルが変形し持ち上がった最大の高さを測定して求めた。評価基準を以下に示す。
S:クリアファイルの変形量が1cm未満である。
A:クリアファイルの変形量が1cm以上5cm未満である。
B:クリアファイルの変形量が5cm以上である。
(ノズルプレートに対するインクの濡れ性)
各インクを30mlのガラス容器に入れ、インクジェットプリンタ「オルフィスEX9050」(商品名:理想科学工業株式会社製)に使用されるノズルプレート(長さ5cm、幅5mm)の一辺をピンセットでつまみ、反対側の一辺から2cmを5秒間インクに浸漬させた。その後、ノズルプレートを素早く引き上げ、ノズルプレート上に残ったインク膜がインク滴になるまでの時間tを測定した。同じノズルプレートを用いて同様の操作を10回繰り返し、それぞれ時間tを測定した。その平均値を算出し、撥インク時間とした。撥インク時間から、ノズルプレートに対するインクの濡れ性を以下の基準で評価した。
S:撥インク時間が3秒未満である。
A:撥インク時間が3秒以上5秒未満である。
B:撥インク時間が5秒以上10秒未満である。
C:撥インク時間が10秒以上である。
(吐出性能)
吐出性能の評価は、ライン式インクジェットプリンタ「オルフィスEX9050」(理想科学工業株式会社製)を用いて、普通紙「理想用紙薄口」(理想科学工業株式会社製)に、100枚連続してベタ画像を片面印刷し、印刷物を観察して評価した。
印刷条件は、上記クリアファイルの波打ちの評価と同じである。
インクジェットノズルからのインクの不吐出は、印刷物に白いスジとなって非印字部分が発生することで確認することができる。100枚の印刷物の中に、この白いスジが発生するか、または発生した本数を観察した。100枚の印刷物に観察された白いスジの合計数から吐出性能を評価した。評価基準を以下に示す。
S:白いスジが0本である。
A:白いスジが1〜2本である。
B:白いスジが3〜4本である。
C:白いスジが5本以上である。
D:インクが分散不良で評価できなかった。
特に詳述しないが、各実施例のインクを用いた印刷では、十分な画像濃度の印刷物を得ることができた。
Figure 2018141123
Figure 2018141123
Figure 2018141123
各表に示す通り、各実施例のインクでは、クリアファイルの変形を防止し、ノズルプレートに対するインクの濡れ性及び吐出性能を改善することができた。
実施例1〜10を通して、アルキル変性シリコーンのアルキル鎖の炭素数が4〜20で効果を確認することができ、特に、この炭素数が8〜12でよりよい結果が得られた。
この炭素数が8以上であると、直鎖または分岐鎖に関わらす、ノズルプレートに対するインクの濡れ性がより改善された。
この炭素数が16以下、特に12以下であると、直鎖または分岐鎖に関わらす、クリアファイルの変形がより防止され、吐出性能がより改善された。
実施例11及び12は、アルキル変性シリコーンのm+n数がそれぞれ1及び2であり、アルキル鎖の炭素数が12である例であり、いずれも十分な効果を得ることができた。
実施例1、13〜17では、m+n=0、Rの炭素数=12であるアルキル変性シリコーンの配合割合を非水系溶剤全量に対し15.00〜100.00質量%の範囲で変化させた例であり、いずれも十分な効果を得ることができた。
このアルキル変性シリコーンの配合量が非水系溶剤全量に対し25.00質量%以上であることで、吐出性能をより改善することができた。
このアルキル変性シリコーンの配合量が非水系溶剤全量に対し55.00質量%以下であることで、ノズルプレートに対するインクの濡れ性をより改善することができた。
比較例1は、アルキル変性シリコーンのRの炭素数が22と大きく、吐出性能が低下した。
比較例2は、アルキル変性シリコーンのm+n数が4と大きく、ノズルプレートに対するインクの濡れ性が悪化した。
比較例3及び4は、ジメチルシリコーンを用いた例であり、ノズルプレートに対するインクの濡れ性が悪化した。
比較例5は、ポリエーテル変性シリコーンを用いた例であり、吐出性能が低下した。
比較例6は、溶剤に石油系炭化水素溶剤のみを用いた例であり、吐出性能が低下した。
比較例7は、溶剤に脂肪酸エステル系溶剤のみを用いた例であり、吐出性能が低下した。
比較例8は、アルキル変性シリコーンを非水系溶剤全量に対し10.00質量%で用いた例であり、吐出性能が低下した。
<製造例A>
以下、製造例Aとしてアルキル変性シリコーンオイルを用いたインクについて説明する。
「アルキル変性シリコーンオイルの合成」
アルキル変性シリコーンオイルの処方を表A1に示す。また、得られたアルキル変性シリコーンオイルの詳細を表A2に示す。
四つ口フラスコに、ヘキサンを50質量部、表A1に示す配合割合でシロキサン化合物とアルキル鎖を有する化合物(アルケン)を仕込んだ。これに、白金触媒(シグマアルドリッチ社製「1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン白金錯体」)を0.02質量部滴下し、室温にて2〜3時間撹拌した。その後、減圧蒸留により反応溶媒(ヘキサン)、未反応原料を留去し目的物を得た。
各アルキル変性シリコーンオイルの合成では、シロキサン化合物と、アルケンとのモル比が1:1.1、1:2.2、又は1:3.3となるように配合している。
合成したアルキル変性シリコーンオイルについて、Si数、アルキル基のC数、1分子中のアルキル基のC数の合計を表A2に示す。
シロキサン化合物はGelest社より入手可能であり、アルケンは東京化成株式会社より入手可能である。
「インクの作製及び評価」
インクの処方及び評価結果を表A3〜表A6に示す。各インクに用いた溶剤の処方を各表の下段に示す。
上記実施例と同様にしてインクを作製した。また、上記実施例と同様の評価方法及び評価基準で各インクを評価した。
Figure 2018141123
Figure 2018141123
Figure 2018141123
Figure 2018141123
Figure 2018141123
Figure 2018141123
各表に示す通り、各実施例のインクでは各評価が良好であった。特に詳述しないが、各実施例のインクを用いた印刷では、十分な画像濃度の印刷物を得ることができた。
実施例A1〜A7、比較例A1及びA2では、主鎖のシロキサン結合の一方端にアルキル基を有する溶剤A1〜A9を用いている。
実施例A1〜A7を通して、Si数が2よりも3の方がクリアファイルの波打ちが低減した。また、アルキル基の炭素数が8以上では撥インク性がより良好であった。また、アルキル基の炭素数が16以下、特に12以下では吐出性がより良好であった。
比較例A1では、アルキル基の炭素数が2であり、撥インク性が低下した。
比較例A2では、アルキル基の炭素数が22であり、吐出性が低下し、また、クリアファイルの波打ちも観察された。
実施例A8〜A13では、主鎖のシロキサン結合の両端にそれぞれ1個のアルキル基を有する溶剤A10〜A15を用いている。
実施例A8〜A13を通して、Si数が2よりも3以上の方がクリアファイルの波打ちが低減した。また、Si数が4以下、特に3以下で撥インク性が良好であった。また、アルキル基の炭素数が12以下、または、Si数が4以下で吐出性がより良好であった。
実施例A14〜A17では、主鎖のシロキサン結合の側鎖に1個のアルキル基を有する溶剤A16〜A19を用いている。
実施例A18〜A21では、主鎖のシロキサン結合の側鎖に2個のアルキル基を有する溶剤A20〜A23を用いている。
実施例A22では、主鎖のシロキサン結合の側鎖に3個のアルキル基を有する溶剤A24を用いている。
実施例A14〜A17を通して、Si数が3以下でクリアファイルの波打ちをより低減でき、アルキル基の炭素数が8以上、又はSi数が3以下で撥インク性がより良好であり、アルキル基の炭素数が8以下で吐出性がより良好であった。
実施例A18〜A21を通して、Si数が3以下で撥インク性がより良好であり、アルキル基の炭素数が6以下でクリアファイルの波打ちをより低減し、吐出性がより良好であった。
実施例A23〜A27では、溶剤A5を用いて、溶剤A5の配合割合を変えたところ、溶剤A5を用いることでクリアファイルの波打ちが低減することを確認できた。インクの溶剤を全て溶剤A5としても撥インク性が良好であった。また、溶剤A5を用いることで吐出性が改善することを確認できた。
実施例A28及びA29のように各種成分が異なるインクでも溶剤A5の効果を確認できた。
<製造例B>
以下、製造例Bとしてエステル変性シリコーンオイルを用いたインクについて説明する。
「エステル変性シリコーンオイルの合成」
エステル変性シリコーンオイルの処方を表B1に示す。また、得られたエステル変性シリコーンオイルの詳細を表B2に示す。
三口フラスコに、ヘキサン50質量部に、表B1に示す配合割合でシロキサン化合物とビニル化合物を仕込んだ。そこに白金(0)−2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン錯体(和光純薬工業株式会社製)を0.02質量部添加し、室温で約3時間撹拌した。その後、減圧蒸留により反応溶媒のヘキサンと未反応の原材料を除去し、目的化合物を得た。
各エステル変性シリコーンオイルの合成では、シロキサン化合物と、ビニル化合物とのモル比が1:1.1、又は1:2.2となるように配合している。
合成したエステル変性シリコーンオイルについて、Si数、カルボン酸エステル結合含有基(表中にRで示す)の数、1分子中のカルボン酸エステル結合含有基(R)のC数及びO数の合計を表B2に示す。
シロキサン化合物は和光純薬工業株式会社、東京化成工業株式会社、Gelest社から入手可能であり、ビニル化合物は東京化成株式会社より入手可能である。
「インクの作製及び評価」
インクの処方及び評価結果を表B3〜表B4に示す。各インクに用いた溶剤の処方を各表の下段に示す。
上記実施例と同様にしてインクを作製した。また、上記実施例と同様の評価方法及び評価基準で各インクを評価した。
Figure 2018141123
Figure 2018141123
Figure 2018141123
Figure 2018141123
各表に示す溶剤B1〜B18には、「−(CH−O−(CO)−R」で表されるカルボン酸エステル結合含有基を有するエステル変性シリコーンオイルを用いている。
各表に示す通り、各実施例のインクでは各評価が良好であった。特に詳述しないが、各実施例のインクを用いた印刷では、十分な画像濃度の印刷物を得ることができた。
実施例B1では、Si数が2で、カルボン酸エステル結合含有基(R)が1個であり、カルボン酸エステル結合含有基のC数とO数の合計が10個の溶剤B1を用いており、十分な結果であった。
実施例B2〜B9では、トリシロキサンの3位のSiに1個のカルボン酸エステル結合含有基が導入されている溶剤B2〜B9を用いている。
実施例B2〜B9を通して、カルボン酸エステル結合含有基のC数とO数の合計が12以下でクリアファイル変形がより低減し、カルボン酸エステル結合含有基のC数とO数の合計が7以上で撥インク性がより良好であり、カルボン酸エステル結合含有基のC数とO数の合計が12以下で吐出性がより良好であることが確認できた。
実施例B9〜B18では、溶剤B9〜B18を用いている。
実施例B9〜B18を通して、カルボン酸エステル結合含有基の数とO数の合計が16以下で吐出性がより良好である傾向がわかった。また、Si数が5以下、特に3以下で撥インク性がより良好である傾向がわかった。
実施例B19では、インクの溶剤全量に対し溶剤B6を90質量%で配合しており、クリアファイル変形及び吐出性を改善するとともに、撥インク性が十分に得られた。
比較例B1では、カルボン酸エステル結合含有基のC数とO数の合計が22である溶剤B16を用いており、吐出性が低下した。
<製造例C>
以下、製造例Cとしてアリール変性シリコーンオイルを用いたインクについて説明する。
「アリール変性シリコーンオイルの合成」
アリール変性シリコーンオイルの処方を表C1に示す。また、得られたアリール変性シリコーンオイルの詳細を表C2に示す。
溶剤C1は、市販品(東京化成工業株式会社製)である。
溶剤C2〜C6では、四つ口フラスコに、ヘキサンを50質量部、表C1に示す配合割合でシロキサン化合物とアリール基を有する化合物を仕込んだ。これに、白金触媒(シグマアルドリッチ社製「1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン白金錯体」)を0.02質量部滴下し、室温にて2〜3時間撹拌した。その後、減圧蒸留により反応溶媒(ヘキサン)、未反応原料を留去し目的物を得た。
各アリール変性シリコーンオイルの合成では、シロキサン化合物と、アリール基を有する化合物とのモル比が1:1.1、1:2.2、又は1:3.3となるように配合している。
合成したアリール変性シリコーンオイルについて、Si数、アリール基の数、1分子中のアリール基のC数の合計を表C2に示す。
シロキサン化合物及びアリール基を有する化合物は、東京化成株式会社より入手することができる。
「インクの作製及び評価」
インクの処方及び評価結果を表C3に示す。各インクに用いた溶剤の処方を各表の下段に示す。
上記実施例と同様にしてインクを作製した。また、上記実施例と同様の評価方法及び評価基準で各インクを評価した。
Figure 2018141123
Figure 2018141123
Figure 2018141123
各表に示す通り、各実施例のインクでは各評価が良好であった。特に詳述しないが、各実施例のインクを用いた印刷では、十分な画像濃度の印刷物を得ることができた。
実施例C1〜C4では、主鎖のトリシロキサン構造の側鎖に1個のアリール基を有する溶剤C1〜C4を用いている。
実施例C5では、主鎖のトリシロキサン構造の両端にそれぞれ1個のアリール基を有する溶剤C5を用いている。
実施例C6では、主鎖のトリシロキサン構造の側鎖に1個のアリール基、両端にそれぞれ1個のアリール基を有する溶剤C6を用いている。
実施例C1〜C6を通して、1分子中のアリール基のC数が6以下で吐出性がより良好であった。
比較例C1では、アリール基が3個あり、1分子中のアリール基のC数が30である溶剤C6を用いており、吐出性が低下した。
比較例C2では、インクの溶剤全量に対し溶剤C4が10質量%であり、吐出性が低下した。
<製造例D>
以下、製造例Dとしてアルキレン変性シリコーンオイルを用いたインクについて説明する。
「アルキレン変性シリコーンオイルの合成」
アルキレン変性シリコーンオイルの処方を表D1に示す。また、得られたアルキレン変性シリコーンオイルの詳細を表D2に示す。
四口フラスコに、表C1に示す配合割合でヘキサン50質量部に、シロキサン化合物とジエン化合物を仕込んだ。そこに白金触媒(シグマアルドリッチ社製「白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体」)を0.02質量部添加し、室温で約2〜3時間撹拌した。その後、減圧蒸留により反応溶媒のヘキサンと未反応の原材料を除去し、目的化合物を得た。
各アルキレン変性シリコーンオイルの合成では、シロキサン化合物と、ジエン化合物とのモル比が2.2:1となるように配合している。なお、複数種類のシロキサン化合物を反応させる場合には、ジエン化合物1モルに対して1種類目のシロキサン化合物を1モル反応させた後、2種類目のシロキサン化合物を1.1モル反応させた。
合成したアルキレン変性シリコーンオイルについて、Si数、アルキレン基のC数を表D2に示す。
シロキサン化合物は、東京化成株式会社、Gelest社より、ジエン化合物は、東京化成株式会社より入手することができる。
「インクの作製及び評価」
インクの処方及び評価結果を表D3に示す。各インクに用いた溶剤の処方を各表の下段に示す。
上記実施例と同様にしてインクを作製した。また、上記実施例と同様の評価方法及び評価基準で各インクを評価した。
Figure 2018141123
Figure 2018141123
Figure 2018141123
各表に示す通り、各実施例のインクでは各評価が良好であった。特に詳述しないが、各実施例のインクを用いた印刷では、十分な画像濃度の印刷物を得ることができた。
実施例D1〜D4では、アルキレン基を挟んでペンタメチルジシロキサンが結合している溶剤D1〜D4を用いている。
実施例D1〜D4を通して、アルキレン基の炭素数が6以上で撥インク性がより良好であり、アルキレン基の炭素数が8以下で吐出性がより良好であった。
実施例D5及びD6では、アルキレン基を挟んで、トリメチルシリルオキシテトラメチルシロキサンが結合している溶剤D5及びD6を用いている。
アルキレン基の炭素数が小さい溶剤D5では吐出性がより良好であり、アルキレン基の炭素数が大きい溶剤D6では撥インク性がより良好であった。
実施例D7では、アルキレン基を挟んでトリメチルシロキサンが結合している溶剤D7を用いている。
実施例を通して、Si数が4以上でクリアファイル変形がより低減することを確認できる。
実施例D8では、アルキレン基を挟んで、直鎖のシロキサンと1個の分岐鎖を有するシロキサンとが結合している溶剤D8を用いている。
実施例D9では、アルキレン基を挟んで、直鎖のシロキサンと2個の分岐鎖を有するシロキサンとが結合している溶剤D9を用いている。
実施例を通して、シロキサン部位に分岐鎖が増えてSi数が大きくなると、撥インク性が低下する傾向があった。
比較例D1では、アルキレン基を挟んで、2個の分岐鎖を有するシロキサンが結合している溶剤D10を用いている。
比較例D1のようにシロキサン部位に分岐鎖が増えてSi数が8になると、撥インク性が低下した。
<成分の説明>
製造例A〜Dで用いた成分は以下の通りである。また、特に説明のない限り、実施例を通して共通する成分には同じものを用いている。
(顔料)
カーボンブラックMA77:三菱ケミカル株式会社製「MA77」。
銅フタロシアニンブルー:DIC株式会社製「FASTOGEN Blue LA5380」。
カーボンブラックNEROX500:エポニックジャパン株式会社製「NEROX500」。
(顔料分散剤)
ソルスパース13940:日本ルーブリゾール株式会社製「ソルスパース13940」。
ソルスパース17000:日本ルーブリゾール株式会社製「ソルスパース17000」。
ソルスパース18000:日本ルーブリゾール株式会社製「ソルスパース18000」。
(その他溶剤)
石油系炭化水素溶剤「モレスコホワイト P−60」:パラフィン系溶剤、株式会社MORESCO製「モレスコホワイト P−60」。
石油系炭化水素溶剤「モレスコホワイト P−70」:パラフィン系溶剤、株式会社MORESCO製「モレスコホワイト P−70」。
脂肪酸エステル系溶剤「イソノナン酸イソトリデシル」:イソノナン酸イソトリデシル、高級アルコール工業株式会社製「KAK139」。
オクタデカノール:東京化成工業株式会社製。

Claims (20)

  1. 色材及び非水系溶剤を含み、前記非水系溶剤は、1分子中のケイ素数が2〜6であり、ケイ素原子に炭素原子が直接結合し、炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基を有し、1分子中の前記炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基に含まれる炭素数及び酸素数の合計が4〜20である有機ケイ素化合物を非水系溶剤全量に対し15質量%以上100質量%以下で含む、油性インクジェットインク。
  2. 前記有機ケイ素化合物に含まれる前記炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基は、炭素数4以上のアルキル基、炭素数及び酸素数の合計が4以上であるカルボン酸エステル結合含有基、炭素数6以上の芳香環含有基、及び炭素数4以上のアルキレン基からなる群から選択される1種以上である、請求項1に記載の油性インクジェットインク。
  3. 前記有機ケイ素化合物は、下記一般式(X)で表される化合物である、請求項1又は2に記載の油性インクジェットインク。
    Figure 2018141123
    (一般式(X)において、Rは、酸素原子、又はケイ素原子に炭素原子が直接結合する2価の有機基であり、Rは、それぞれ独立的に、ケイ素原子に炭素原子が直接結合する1価の有機基であり、m及びnは、それぞれ独立的に、0〜4の整数であり、pは、それぞれ独立的に、0〜2の整数であり、1分子中のケイ素数が2〜6であり、R及びRのうち少なくとも1個は、炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基であり、1分子中の前記炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基に含まれる酸素数及び炭素数の合計が4〜20である。)
  4. 一般式(X)において、Rは、酸素原子、又は炭素数4以上のアルキレン基であり、Rは、それぞれ独立的に、メチル基、炭素数4以上のアルキル基、炭素数及び酸素数の合計が4以上であるカルボン酸エステル結合含有基、又は炭素数6以上の芳香環含有基であり、R及びRのうち少なくとも1個は、炭素数4以上のアルキレン基、炭素数4以上のアルキル基、炭素数及び酸素数の合計が4以上であるカルボン酸エステル結合含有基、及び炭素数6以上の芳香環含有基からなる群から選択され、1分子中の炭素数4以上のアルキレン基、炭素数4以上のアルキル基、炭素数及び酸素数の合計が4以上であるカルボン酸エステル結合含有基、及び炭素数6以上の芳香環含有基に含まれる酸素数及び炭素数の合計が4〜20である、請求項3に記載の油性インクジェットインク。
  5. 前記有機ケイ素化合物は、1分子中の前記炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基に含まれる炭素数及び酸素数の合計が4〜12である、請求項1から4のいずれか1項に記載の油性インクジェットインク。
  6. 前記有機ケイ素化合物は、1分子中の前記炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基に含まれる炭素数及び酸素数の合計が8〜20である、請求項1から4のいずれか1項に記載の油性インクジェットインク。
  7. 前記有機ケイ素化合物は、非水系溶剤全量に対し15〜80質量%である、請求項1から6のいずれか1項に記載の油性インクジェットインク。
  8. 前記有機ケイ素化合物は、非水系溶剤全量に対し25〜55質量%である、請求項1から6のいずれか1項に記載の油性インクジェットインク。
  9. 前記有機ケイ素化合物はシリコーンオイルであり、前記シリコーンオイルは、下記一般式(X−1)で表される化合物である、請求項1から8のいずれか1項に記載の油性インクジェットインク。
    Figure 2018141123
    (一般式(X−1)において、Rは、それぞれ独立的に、ケイ素原子に炭素原子が直接結合する1価の有機基であり、nは、0〜4の整数であり、pは、それぞれ独立的に、0又は1であり、1分子中のケイ素数が2〜6であり、Rのうち少なくとも1個は、前記炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基であり、1分子中の前記炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基に含まれる酸素数及び炭素数の合計が4〜20である。)
  10. 前記有機ケイ素化合物はシリコーンオイルであり、前記シリコーンオイルは、下記一般式(A1)で表される化合物である、請求項1から9のいずれか1項に記載の油性インクジェットインク。
    Figure 2018141123
    (一般式(A1)において、Rは、それぞれ独立的に、メチル基、又は炭素数4以上のアルキル基であり、nは、0〜4の整数であり、pは、それぞれ独立的に、0又は1であり、1分子中のケイ素数が2〜6であり、Rのうち少なくとも1個は、前記炭素数4以上のアルキル基であり、1分子中の前記炭素数4以上のアルキル基に含まれる炭素数の合計が4〜20である。)
  11. 前記有機ケイ素化合物はシリコーンオイルであり、前記シリコーンオイルは、下記一般式(1)で表される化合物である、請求項1から10のいずれか1項に記載の油性インクジェットインク。
    Figure 2018141123
    (一般式(1)中、Rは、炭素数4〜20の直鎖または分岐鎖を有するアルキル基であり、m及びnは、それぞれ独立的に0〜2の整数であり、m+n≦2である。)
  12. 一般式(1)において、Rは炭素数4〜12の直鎖または分岐鎖を有するアルキル基である、請求項11に記載の油性インクジェットインク。
  13. 一般式(1)において、Rは炭素数8〜20の直鎖または分岐鎖を有するアルキル基である、請求項11に記載の油性インクジェットインク。
  14. 一般式(1)において、m及びnはそれぞれ0である、請求項11から13のいずれか1項に記載の油性インクジェットインク。
  15. 前記有機ケイ素化合物に含まれる前記炭素数及び酸素数の合計が4以上である有機基は、炭素数10以上のアルキル基である、請求項1から14のいずれか1項に記載の油性インクジェットインク。
  16. 前記有機ケイ素化合物の1分子中のケイ素数が3である、請求項15に記載の油性インクジェットインク。
  17. 一般式(X−1)において、Rは、それぞれ独立的に、メチル基、又はケイ素原子に炭素原子が直接結合し、炭素数及び酸素数の合計が4以上であるカルボン酸エステル結合含有基であり、nは、0〜4の整数であり、pは、それぞれ独立的に、0又は1であり、1分子中のケイ素数が2〜6であり、Rのうち少なくとも1個は、前記カルボン酸エステル結合含有基であり、1分子中の前記カルボン酸エステル結合含有基に含まれる酸素数及び炭素数の合計が4〜20である、請求項9に記載の油性インクジェットインク。
  18. 一般式(X−1)において、Rは、それぞれ独立的に、メチル基、又はケイ素原子に炭素原子が直接結合し、炭素数が6以上である芳香環結合含有基であり、nは、0〜4の整数であり、pは、それぞれ独立的に、0又は1であり、1分子中のケイ素数が2〜6であり、Rのうち少なくとも1個は、前記芳香環結合含有基であり、1分子中の前記芳香環結合含有基に含まれる炭素数の合計が4〜20である、請求項9に記載の油性インクジェットインク。
  19. 前記有機ケイ素化合物は、炭素数が4以上であるアルキレン基の両端の炭素原子にそれぞれシリル基又は少なくとも1個のシロキサン結合が結合する化合物である、請求項1から8のいずれか1項に記載の油性インクジェットインク。
  20. 一般式(X)において、Rは、炭素数が4以上であるアルキレン基であり、Rは、メチル基であり、m及びnは、それぞれ独立的に、0〜4の整数であり、pは、それぞれ独立的に、0〜2の整数であり、1分子中のケイ素数が2〜6である、請求項3に記載の油性インクジェットインク。
JP2017188367A 2017-02-28 2017-09-28 油性インクジェットインク Active JP6865143B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP18158577.9A EP3366739B1 (en) 2017-02-28 2018-02-26 Oil-based inkjet ink
US15/904,478 US10793734B2 (en) 2017-02-28 2018-02-26 Oil-based inkjet ink
CN201810159427.4A CN108504183B (zh) 2017-02-28 2018-02-26 油性喷墨墨

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017035942 2017-02-28
JP2017035942 2017-02-28

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018141123A true JP2018141123A (ja) 2018-09-13
JP6865143B2 JP6865143B2 (ja) 2021-04-28

Family

ID=63526496

Family Applications (9)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017188388A Active JP6871120B2 (ja) 2017-02-28 2017-09-28 油性インクジェットインク
JP2017188373A Active JP6890517B2 (ja) 2017-02-28 2017-09-28 油性インクジェットインク
JP2017188367A Active JP6865143B2 (ja) 2017-02-28 2017-09-28 油性インクジェットインク
JP2017188368A Active JP7000097B2 (ja) 2017-02-28 2017-09-28 油性インクジェットインク
JP2017188378A Pending JP2018141128A (ja) 2017-02-28 2017-09-28 油性インクジェットインク
JP2017188389A Active JP6871121B2 (ja) 2017-02-28 2017-09-28 油性インクジェットインク
JP2017188371A Active JP6863869B2 (ja) 2017-02-28 2017-09-28 油性インクジェットインク
JP2017188383A Active JP6871119B2 (ja) 2017-02-28 2017-09-28 油性インクジェットインク
JP2017188377A Active JP7014557B2 (ja) 2017-02-28 2017-09-28 油性インクジェットインク

Family Applications Before (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017188388A Active JP6871120B2 (ja) 2017-02-28 2017-09-28 油性インクジェットインク
JP2017188373A Active JP6890517B2 (ja) 2017-02-28 2017-09-28 油性インクジェットインク

Family Applications After (6)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017188368A Active JP7000097B2 (ja) 2017-02-28 2017-09-28 油性インクジェットインク
JP2017188378A Pending JP2018141128A (ja) 2017-02-28 2017-09-28 油性インクジェットインク
JP2017188389A Active JP6871121B2 (ja) 2017-02-28 2017-09-28 油性インクジェットインク
JP2017188371A Active JP6863869B2 (ja) 2017-02-28 2017-09-28 油性インクジェットインク
JP2017188383A Active JP6871119B2 (ja) 2017-02-28 2017-09-28 油性インクジェットインク
JP2017188377A Active JP7014557B2 (ja) 2017-02-28 2017-09-28 油性インクジェットインク

Country Status (1)

Country Link
JP (9) JP6871120B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019065109A (ja) * 2017-09-29 2019-04-25 理想科学工業株式会社 油性インクジェットインクセット及び印刷物の製造方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009126892A2 (en) * 2008-04-10 2009-10-15 Stander Inc Collapsible walking device

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04161467A (ja) * 1990-10-24 1992-06-04 Seiko Epson Corp インクジェットプリンタ用インク
JPH04248879A (ja) * 1991-01-08 1992-09-04 Seiko Epson Corp インクジェット記録用インク
WO1997023575A1 (en) * 1995-12-21 1997-07-03 Tonejet Corporation Pty. Ltd. Method of preparation of inks
JP2001098196A (ja) * 1999-09-30 2001-04-10 Brother Ind Ltd 熱溶融性インク
JP2004217703A (ja) * 2003-01-10 2004-08-05 Dynic Corp インクジェット用非水系顔料インク
JP2006307107A (ja) * 2005-05-02 2006-11-09 Fuji Photo Film Co Ltd 静電インクジェット用インク組成物およびインクジェット記録方法

Family Cites Families (29)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03292370A (ja) * 1990-04-10 1991-12-24 Ricoh Co Ltd 着色剤
JPH04257485A (ja) * 1991-02-12 1992-09-11 Ricoh Co Ltd インク組成物とそれを使用した画像形成方法
JP3531766B2 (ja) * 1994-06-17 2004-05-31 株式会社リコー インク組成物および新規記録方法
JPH08109345A (ja) * 1994-10-07 1996-04-30 Fujikura Kasei Co Ltd インクジェット記録用インク組成物
JP2000129181A (ja) * 1998-10-28 2000-05-09 Fuji Photo Film Co Ltd 静電誘引式インクジェット用油性インク組成物及びそれを用いた記録方法
JP4150118B2 (ja) * 1999-01-08 2008-09-17 リサーチ ラボラトリーズ オブ オーストラリアプロプライエタリイ リミテッド 電子写真現像剤及び記録材料
JP2001220527A (ja) * 2000-02-10 2001-08-14 Fuji Shikiso Kk インクジェットプリンタ用溶剤系黒色顔料インク
JP3588058B2 (ja) * 2000-03-29 2004-11-10 日立マクセル株式会社 インクジェットプリンタ用インク
JP4833438B2 (ja) * 2001-05-22 2011-12-07 日立マクセル株式会社 インクジェットプリンター用インク
JP4627122B2 (ja) * 2001-06-21 2011-02-09 株式会社リコー 静電荷像用液体現像剤、記録材料及び画像形成方法
JP2003049096A (ja) * 2001-08-03 2003-02-21 Toyo Ink Mfg Co Ltd インクジェットインキおよびインキセット
JP2004143440A (ja) * 2002-09-27 2004-05-20 Fuji Photo Film Co Ltd インクジェットプリンタ用油性インク組成物及びそれを用いた画像形成方法
JP2004217835A (ja) * 2003-01-16 2004-08-05 Ricoh Co Ltd 液体トナージェットインク及びそれを用いる記録方法
JP4051006B2 (ja) * 2003-06-19 2008-02-20 株式会社リコー 記録材料及びそれを用いた画像形成方法
JP2005036220A (ja) * 2003-06-30 2005-02-10 Fuji Photo Film Co Ltd 非水溶媒系顔料分散剤、インクジェット用インク組成物および電子写真用液体現像剤
JP4556415B2 (ja) * 2003-10-22 2010-10-06 コニカミノルタホールディングス株式会社 インクジェット用インクとインクジェット記録方法
JP4897205B2 (ja) * 2004-09-17 2012-03-14 理想科学工業株式会社 非水系インクジェットインク
JP2006188615A (ja) * 2005-01-07 2006-07-20 Fuji Shikiso Kk 顔料油性分散液組成物およびその製造方法
JP2007154149A (ja) * 2005-12-08 2007-06-21 Toshiba Tec Corp インクジェット用非水系インク組成物
ATE437926T1 (de) * 2006-05-19 2009-08-15 Agfa Graphics Nv Stabile, nicht wässrige tintenstrahldruckfarben
JP5524536B2 (ja) * 2009-03-25 2014-06-18 理想科学工業株式会社 非水系顔料インク
JP5588638B2 (ja) * 2009-08-19 2014-09-10 理想科学工業株式会社 非水系顔料インク
JP5569865B2 (ja) * 2010-07-09 2014-08-13 セイコーエプソン株式会社 インク組成物
JP2012046581A (ja) * 2010-08-25 2012-03-08 Riso Kagaku Corp 非水系インクジェットインク
JP2014019766A (ja) * 2012-07-17 2014-02-03 Riso Kagaku Corp 非水系インクジェットインクおよびインクセット
JP6235290B2 (ja) * 2013-09-30 2017-11-22 理想科学工業株式会社 非水系顔料インク
JP2015129229A (ja) * 2014-01-08 2015-07-16 株式会社ナード研究所 高温用インク
JP6381969B2 (ja) * 2014-05-29 2018-08-29 セーレン株式会社 インクジェットプリント方法
JP6493670B2 (ja) * 2015-04-03 2019-04-03 セイコーエプソン株式会社 非水系インクジェットインク組成物

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04161467A (ja) * 1990-10-24 1992-06-04 Seiko Epson Corp インクジェットプリンタ用インク
JPH04248879A (ja) * 1991-01-08 1992-09-04 Seiko Epson Corp インクジェット記録用インク
WO1997023575A1 (en) * 1995-12-21 1997-07-03 Tonejet Corporation Pty. Ltd. Method of preparation of inks
JP2000502124A (ja) * 1995-12-21 2000-02-22 トーンジェット コーポレイション プロプライエタリー リミテッド インクの製造方法
JP2001098196A (ja) * 1999-09-30 2001-04-10 Brother Ind Ltd 熱溶融性インク
JP2004217703A (ja) * 2003-01-10 2004-08-05 Dynic Corp インクジェット用非水系顔料インク
JP2006307107A (ja) * 2005-05-02 2006-11-09 Fuji Photo Film Co Ltd 静電インクジェット用インク組成物およびインクジェット記録方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019065109A (ja) * 2017-09-29 2019-04-25 理想科学工業株式会社 油性インクジェットインクセット及び印刷物の製造方法
JP7014558B2 (ja) 2017-09-29 2022-02-01 理想科学工業株式会社 油性インクジェットインクセット及び印刷物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6863869B2 (ja) 2021-04-21
JP6871121B2 (ja) 2021-05-12
JP7014557B2 (ja) 2022-02-01
JP6865143B2 (ja) 2021-04-28
JP6871120B2 (ja) 2021-05-12
JP2018141126A (ja) 2018-09-13
JP2018141127A (ja) 2018-09-13
JP6871119B2 (ja) 2021-05-12
JP2018141124A (ja) 2018-09-13
JP7000097B2 (ja) 2022-01-19
JP2018141130A (ja) 2018-09-13
JP2018141125A (ja) 2018-09-13
JP2018141131A (ja) 2018-09-13
JP2018141129A (ja) 2018-09-13
JP6890517B2 (ja) 2021-06-18
JP2018141128A (ja) 2018-09-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108504183B (zh) 油性喷墨墨
CN108504191B (zh) 油性喷墨墨
CN108504193B (zh) 油性喷墨墨
CN108504192B (zh) 油性喷墨墨
CN109575686B (zh) 印刷物的制造方法
CN110776784B (zh) 油性喷墨墨
CN108504187B (zh) 油性喷墨墨
US10894897B2 (en) Oil-based inkjet ink
JP2019065109A (ja) 油性インクジェットインクセット及び印刷物の製造方法
JP6865143B2 (ja) 油性インクジェットインク
JP2023087374A (ja) 印刷物の製造方法及び油性インクジェットインクセット
JP2022151150A (ja) 油性インクジェットインク

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200706

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210309

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210405

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6865143

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250