JP2018139524A - 培地およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本実施形態に係る培地は、例えば、生物組織や微生物を保持した状態で、これらの電位を測定するための電位測定装置に好適に利用される。
培地の一例を図1に示す。図1は、培地100を模式的に示す斜視図である。
培地100は、基板110と、基板110に搭載される枠体120と、基板110と枠体120との間に介在する繊維集合体130と、を備える。ただし、繊維集合体130は、基板110の枠体120が搭載されている搭載面110Xの全面ではなく、枠体120の一方の主面(第1の面120X)に対向する範囲内に配置されている。繊維集合体130が必要な部分にのみ配置されているため、生産性が高い。培地100は、必要に応じてホルダーなどに収容されて、電位測定装置に配置されてもよい。
繊維集合体130は、複数の繊維131の集合体である。繊維集合体130において、複数の繊維131は一方向に配列している。複数の繊維131が一方向に配列しているとは、繊維集合体130において、繊維131同士が交差していないか、繊維131同士が交わる平均的な角度が、0°を超え60°以下であることをいう。このように、複数の繊維131が配列した状態である場合、その繊維131の配列方向に沿って繊維131が伸び易いため、生物組織や微生物へのストレスが低減される。よって、繊維131の配列方向に沿って生物組織や微生物が成長し易くなる。
繊維131の平均繊維径は、例えば、0.5〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましく、1.5〜4μmが特に好ましい。
枠体120は、第1の面120Xと、その反対側の第2の面120Yと、第1の面120Xから第2の面120Yに貫通する1つ以上の貫通孔121と、を備える。第1の面120Xの表面には、貫通孔121の少なくとも一部を覆うように、繊維集合体130が配置される。すなわち、貫通孔121の第1の面120X側の開口(第1開口121a。図2A等参照。)からは、繊維集合体130(繊維131)が露出する。
基板110は絶縁性であって、例えば、図示しない複数の電極(第1電極)と、第1電極と電気的に接続する複数のマイクロ電極(第2電極)とを備えている。複数の第1電極は、互いに絶縁されている。複数の第2電極203は、行列方式にて所定の間隔で形成されており、互いに絶縁されている。
基板110と枠体120と繊維集合体130とは、接着部140を介して接着されている。繊維集合体130は、一方向に配列する繊維131の集合体であるため、例えば、枠体120に接着剤を付与すると、繊維131の間に入り込んで基板110側にまで浸透し、枠体120と基板110とを接着する接着部140を形成する。同様に、基板110に接着剤を付与すると、枠体120側にまで浸透し、枠体120と基板110とを接着する接着部140を形成する。いずれの場合も、繊維集合体130の一部は、接着部140に埋め込まれるように保持される。なお、第1開口121aに対応する領域には、接着部140は形成されていない。
感圧接着剤は、基板110あるいは枠体120に塗布され、その粘着性により、枠体120と繊維集合体130と基板110とを接着する。感圧接着剤の材質は特に限定されず、例えば、シリコーン樹脂等が挙げられる。シリコーン樹脂としては、例えば、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン等が挙げられる。
直線状の接着領域120Xaは、露出繊維の伸縮性を維持しながら、複数の繊維131を効率よく固定できる点で、繊維131と交差させることが好ましい。つまり、接着領域120Xaの長手方向が繊維131の配列方向DFと交差するように、接着領域120Xaを配置することが好ましい。接着領域120Xaの長手方向と繊維131の配列方向DFとのなす角度(ただし、≦90°)は、例えば、60°以上、90°以下であることが好ましい。このとき、さらに繊維131の配向方向にもライン状の接着領域120Xaを配置して、格子状にしてもよい。
接着部140が感圧接着剤を含む場合、培地100は、繊維131を非接着領域120Xbに固定する繊維固定部180を備えることが好ましい。これにより、露出繊維の伸縮性を維持しながら、その弛みを抑制することができる。繊維固定部180は、例えば、繊維131の一部を非接着領域120Xbに融着することにより形成される。
本実施形態に係る培地100は、例えば、第1の面120Xと、その反対側の第2の面120Yと、第1の面120Xから第2の面120Yに貫通する1つ以上の貫通孔121と、を備える枠体120、および、枠体120を搭載する搭載面110Xを備える基板110であって、枠体120の第1の面120Xの一部および基板110の搭載面110Xの一部の少なくとも一方に、接着部140を有する枠体120および基板110を準備する準備工程と、繊維131の原料液をノズル51から吐出して、繊維131を生成させるとともに、繊維131を巻取回転体の周面に周回するように堆積させて、繊維集合体130を形成する堆積工程と、巻取回転体を回転させながら、繊維集合体130を枠体120の第1の面120Xに転写する転写工程と、繊維集合体130が転写された枠体120を、第1の面120Xが対向するように、基板110に搭載する搭載工程と、を具備する方法により製造される。ただし、搭載工程の後、第1の面120Xには、接着部140に対向する接着領域120Xaと接着領域120Xa以外の非接着領域120Xbとが形成されており、非接着領域120Xbは、貫通孔121によって第1の面120Xに形成された第1開口121aに対応する領域を含み、かつ、第1開口121aよりも広い領域である。
第1の面120Xと、その反対側の第2の面120Yと、第1の面120Xから第2の面120Yに貫通する1つ以上の貫通孔121と、を備える枠体120、および、枠体120を搭載するための搭載面110Xを備える基板110を準備する。
原料液132から繊維131を生成させるとともに、繊維131を巻取回転体10の周面を1周以上、周回させながら堆積させる。これにより、巻取回転体10の周面には、繊維131が一方向に配向した繊維集合体130が形成される。
溶液紡糸法や電界紡糸法で利用する原料液132は、繊維131の原料と溶媒とを含む。溶融紡糸法で利用する原料液132は、溶融した繊維131の原料を含む。
巻取回転体10の一例を図6に示す。図6は、巻取回転体10の斜視図である。
巻取回転体10の構成は、回転可能である限り特に限定されず、ドラム状であってもよいし、複数のロールで張架されたベルトであってもよい。後者の場合、少なくとも1本のロールを回転駆動させて、ベルトを回転させる。巻取回転体10の材質としては、例えば、金属材料、各種樹脂、各種ゴム、セラミックスおよびこれらの組み合わせが挙げられる。巻取回転体10がベルトである場合、ベルトは、金属ベルトであってもよいし、樹脂ベルトであってもよい。電界紡糸法により繊維131が紡糸される場合、樹脂ベルトは導電性を備えることが好ましい。巻取回転体10の外形は、例えば、円柱または角柱であってもよい。
巻取回転体10を回転させながら、繊維集合体130を枠体120に転写する。
転写工程に先立って、繊維集合体130は、巻取回転体10に捲回された状態で切断予定箇所Cにおいて切断されてもよい。切断予定箇所Cは、例えば、枠体120(あるいは第1開口121a)の形状およびサイズに応じて設定される。繊維集合体130は、例えば、巻取回転体10の回転軸に沿う方向に切断される。この切断部をきっかけにして、繊維集合体130は枠体120に転写される。
繊維集合体130が転写された枠体120を、第1の面120Xが対向するように、基板110に搭載する。このとき、枠体120と基板110との間には、接着部140および繊維集合体130が介在している。転写工程が、複数の枠体120に対し、一括してあるいは連続的に実施された場合にも、1つの基板110には1つの枠体120が搭載される。
転写工程の後、搭載工程の前に、非接触領域120Xbに対向する繊維131の一部を所定の温度に加熱した金属板を当接させること等により加熱して、溶融あるいは軟化した繊維131を非接触領域120Xbに融着させることにより、繊維固定部180が形成される。
10P:凸部
10R:リブ
51:ノズル
52:XZステージ
53:ステージ
100:培地
110:基板
110X:搭載面
120:枠体
120X:第1の面
120Xa:接着領域
120Xb:非接着領域
120Y:第2の面
121:貫通孔
121a:第1開口
123:凹部
130:繊維集合体
131:繊維
132:原料液
140A:第1の接着部
140B:第2の接着部
180:繊維固定部
Claims (8)
- 基板と、
第1の面と、その反対側の第2の面と、前記第1の面から前記第2の面に貫通する1つ以上の貫通孔と、を備えるとともに、前記第1の面が対向するように前記基板に搭載される枠体と、
配列した複数の繊維を含み、前記基板と前記第1の面との間に介在する繊維集合体と、
前記基板と前記繊維集合体と前記枠体とを接着する接着部と、を備え、
前記繊維集合体の少なくとも一部が、前記貫通孔によって前記第1の面に形成された第1開口から露出しており、
前記第1の面が、前記接着部に対向する接着領域と前記接着領域以外の非接着領域とを備え、
前記非接着領域が、前記第1開口に対応する領域を含み、かつ、前記第1開口よりも広い領域である、培地。 - 前記第1の面に凹部が形成されており、
前記接着領域の少なくとも一部が、前記凹部に含まれる、請求項1に記載の培地。 - 前記接着部が、感圧接着剤を含む、請求項1または2に記載の培地。
- さらに、前記繊維を前記非接着領域に固定する繊維固定部を備えており、
前記繊維固定部が、前記繊維の一部を前記非接着領域に融着することにより形成されている、請求項3に記載の培地。 - 第1の面と、その反対側の第2の面と、前記第1の面から前記第2の面に貫通する1つ以上の貫通孔と、を備える枠体、および、前記枠体を搭載する搭載面を備える基板であって、前記枠体の前記第1の面の一部および前記基板の前記搭載面の一部の少なくとも一方に、接着部を有する前記枠体および前記基板を準備工程と、
繊維の原料液をノズルから吐出して、前記繊維を生成させるとともに、前記繊維を巻取回転体の周面に周回するように堆積させて、繊維集合体を形成する堆積工程と、
前記巻取回転体を回転させながら、前記繊維集合体を前記枠体の前記第1の面に転写する転写工程と、
前記繊維集合体が転写された前記枠体を、前記第1の面が対向するように、基板に搭載する搭載工程と、を備え、
前記搭載工程の後、前記第1の面には、前記接着部に対向する接着領域と前記接着領域以外の非接着領域とが形成されており、
前記非接着領域が、前記貫通孔によって前記第1の面に形成された第1開口に対応する領域を含み、かつ、前記第1開口よりも広い領域である、培地の製造方法。 - 前記接着部が、前記枠体の前記第1の面の一部に形成されている、請求項5に記載の培地の製造方法。
- 前記枠体の前記第1の面に凹部が形成されており、
前記接着部形成工程において、前記接着領域の少なくとも一部が前記凹部の内部に形成される、請求項6に記載の培地の製造方法。 - 前記転写工程の後、前記搭載工程の前に、前記非接着領域に前記繊維の一部を融着させる繊維固定工程を備える、請求項6または7に記載の培地の製造方法。
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JP2018139529A (ja) * | 2017-02-27 | 2018-09-13 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 培地の製造方法 |
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JP2004271396A (ja) * | 2003-03-10 | 2004-09-30 | Olympus Corp | 生体関連物質の検出に用いられる検査チップ、及び検査チップの作製方法 |
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WO2016060260A1 (ja) * | 2014-10-16 | 2016-04-21 | 国立大学法人京都大学 | 組織片 |
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