JP2018137403A - 表示装置の製造方法および光照射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラス基材の厚みにムラがあったとしても、樹脂基材からガラス基材を確実に剥離することができ、かつ表示装置を高い生産性で製造することが可能な、表示装置の製造方法および光照射装置を提供する。【解決手段】ガラス基材11と、ガラス基材11上に積層され、光Lを吸収することにより分解される剥離層12と、剥離層12上に積層され、剥離層12を透過した光Lを反射可能な金属層13とを有する、表示装置20用の中間体20bを準備する。次に、中間体20bのガラス基材11側から剥離層12に向けて光Lを線状ないし面状に照射することにより剥離層12を分解する。その後、ガラス基材11を金属層13から剥離する。【選択図】図5

Description

本発明は、表示装置の製造方法および光照射装置に関する。
従来から、有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を発光素子として、発光素子から放射される光を表示光として利用する表示装置(有機EL表示装置)が開発されている。このような表示装置は、その用途を、テレビやデスクトップモニターのみならず、携帯用ノートパソコン、携帯電話、携帯用ゲーム機、電子リーダー、電子ブックなどの携帯型電子機器にまで広く拡大していることから、さらなる軽量化、小型化、及び薄型化が求められている。
このような状況において、表示装置を構成する表示装置部材としては、これまで主として用いられてきたガラス製の支持基板に代わり、可撓性を有するフィルムよりなるフレキシブル基板を用いた表示装置部材が提案されている。表示装置部材において、ガラス製の支持基板の代わりに、樹脂基材等のフレキシブル基板を用いることにより、表示装置をフレキシブルにすることも可能となる。
このようなフレキシブルな表示装置を作製する場合、ガラス基材上に剥離層(光熱交換膜)と樹脂基材(PI層)とをこの順に形成し、樹脂基材上に薄膜トランジスタ(TFT)等を形成した後に、剥離層にレーザー光を照射して樹脂基材からガラス基材を剥離させている(例えば特許文献1)。
特開2015−138895号公報
しかしながら、ガラス基材の厚みが、面内で不均一であったり、ガラス基材毎にばらついていたりする場合がある。このようなガラス基材に厚みムラが存在すると、レーザー光の焦点が剥離層からずれる場合があり、剥離層に照射されるレーザー光の照射量が変化する場合がある。この場合、レーザー光の照射量が少なくなると、ガラス基材を剥離する際に、ガラス基材が破れるという問題点が有り、またレーザー光の照射量が大きくなると、樹脂基材が焼け焦げることにより樹脂基材に煤が発生するという問題点があった。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、ガラス基材の厚みにムラがあったとしても、樹脂基材からガラス基材を確実に剥離することができるとともに、表示装置を高い生産性で製造することが可能な、表示装置の製造方法および光照射装置を提供することを目的とする。
本発明は、表示装置の製造方法であって、ガラス基材と、前記ガラス基材上に積層され、光を吸収することにより分解される剥離層と、前記剥離層上に積層され、前記剥離層を透過した前記光を反射可能な金属層とを有する、表示装置用の中間体を準備する工程と、前記中間体の前記ガラス基材側から前記剥離層に向けて前記光を線状ないし面状に照射することにより前記剥離層を分解し、前記ガラス基材を前記金属層から剥離する工程とを備えたことを特徴とする表示装置の製造方法である。
本発明は、前記光は、レーザー光であることを特徴とする表示装置の製造方法である。
本発明は、前記光は、固体レーザー光であることを特徴とする表示装置の製造方法である。
本発明は、光照射装置であって、ガラス基材と、前記ガラス基材上に積層され、光を吸収することにより分解される剥離層と、前記剥離層上に積層され、前記剥離層を透過した前記光を反射可能な金属層とを含む、表示装置用の中間体を載置するステージと、前記ステージ上に載置された前記中間体の前記ガラス基材側から前記剥離層に向けて前記光を線状ないし面状に照射することにより、前記剥離層を分解する光源ユニットとを備えたことを特徴とする光照射装置である。
本発明は、前記光は、レーザー光であることを特徴とする光照射装置である。
本発明は、前記光は、固体レーザー光であることを特徴とする光照射装置である。
本発明は、前記光源ユニットは、前記光を照射する光源と、前記光源からの前記光を線状ないし面状に整形する回折光学素子とを有することを特徴とする光照射装置である。
本発明によれば、ガラス基材の厚みにムラがあったとしても、樹脂基材からガラス基材を確実に剥離することができるとともに、表示装置を高い生産性で製造することができる。
図1は、本発明の一実施の形態による表示装置の製造方法に用いられる表示装置形成用基板を示す断面図である。 図2は、本発明の一実施の形態による表示装置の製造方法によって製造される表示装置を示す断面図である。 図3(a)−(c)は、表示装置形成用基板の製造方法を示す断面図である。 図4(a)−(e)は、本発明の一実施の形態による表示装置の製造方法を示す断面図である。 図5(a)−(c)は、本発明の一実施の形態による表示装置の製造方法を示す断面図である。 図6(a)−(d)は、本発明の一実施の形態による表示装置の製造方法を示す断面図である。 図7は、本発明の一実施の形態による光照射装置を示す概略斜視図である。 図8は、本発明の一実施の形態による光照射装置の光源ユニットを示す概略断面図である。 図9(a)−(c)は、表示装置の製造方法の変形例(変形例1)を示す断面図である。 図10(a)−(b)は、表示装置の製造方法の変形例(変形例1)を示す断面図である。 図11(a)−(c)は、表示装置形成用基板の製造方法の変形例(変形例2)を示す断面図である。 図12(a)−(b)は、表示装置形成用基板の製造方法の変形例(変形例2)を示す断面図である。 図13(a)−(c)は、表示装置形成用基板の製造方法の変形例(変形例2)を示す断面図である。
以下、本発明の一実施の形態について、図1乃至図6を参照して説明する。なお、以下の各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。
(表示装置形成用基板の構成)
まず、図1により、本実施の形態による表示装置の製造方法に用いられる表示装置形成用基板の概略について説明する。図1は、表示装置形成用基板を示す断面図である。
図1に示す表示装置形成用基板10は、後述する表示装置20(図2参照)を作製するためのものである。この表示装置形成用基板10は、ガラス基材11と、ガラス基材11上に積層された剥離層12と、剥離層12上に積層され、剥離層12を透過したレーザー光を反射可能な金属層13とを備えている。
このうちガラス基材11は、表示装置形成用基板10の全体を支持するものであり、平坦な板状の部材からなる。ガラス基材11としては、レーザー光が透過可能な材料を用い、例えば、無アルカリガラス、石英ガラス、パイレックス(登録商標)等の透明なガラス類を用いることができる。ガラス基材11の厚みtは、材質の強度、取り扱い適性等を考慮して設定することができ、例えば、150μm以上900μm以下程度の範囲で適宜設定することができる。なお、ガラス基材11のガラスサイズは任意であり、例えば、G6サイズ(1800mm×1500mm)のガラス基材11を用いることができる。
剥離層12は、ガラス基材11上に直接形成された平坦な層(接着層)からなる。剥離層12は、後述する表示装置形成用基板10の製造工程において、ガラス基材11と金属層13とを接着させるとともに、その後の表示装置20の製造工程において、ガラス基材11を金属層13から剥離させるものである。
剥離層12には、レーザー光を吸収することにより発熱し、分解され、密着力が低下又は消失するものが用いられる。また、剥離層12には、ガラス基材11の材料との密着性が良好なものが用いられる。剥離層12としては、例えば、例えば355nmの固体レーザー等、特定波長のレーザー光等からなる光を吸収する特性を有するアモルファスシリコンやポリイミド等の剥離材料(例えばBrewer Science, Inc.社製BREWER BONDシリーズ、宇部興産(株)製UPIAシリーズ(製品名)、ユニチカ(株)製Uイミドシリーズ(製品名)、JSR(株)製オプトマーALシリーズ(製品名)、東京応化工業(株)製TZNR−Aシリーズ(製品名))を用いることができる。とりわけ、剥離層12は、ポリイミドを含んでいることが好ましい。これにより、剥離層12がレーザー光を効率良く吸収することができる。また、剥離層12の厚みtは、例えば、50nm以上150nm以下程度の範囲で適宜設定することができる。剥離層12の厚みtを50nm以上とすることにより、表示装置形成用基板10を製造する際に、ガラス基材11と金属層13との密着性を高めることができる。また、剥離層12の厚みtを150nm以下とすることより、剥離層12のコストを低減させることができる。
この剥離層12は、後述するように、ガラス基材11上にダイコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プラズマCVD法または熱CVD法、キャピラリーコート法、スリット及びスピン法、又は、中央滴下法等の手法により塗布形成されたものを乾燥させたものである。このような塗布層からなる剥離層12は、全体として平坦性を高めることが可能となり、寸法精度の高い剥離層12を形成することが可能となる。なお、本実施の形態においては、剥離層12は、スピン法によりガラス基材11上にポリイミドの前駆体を塗布し、乾燥させることにより形成されている。
金属層13は、表示装置形成用基板10上に形成される、後述する樹脂基材22を保護するためのものである。具体的には、金属層13は、後述する表示装置20の製造工程において、樹脂基材22と剥離層12とを分離すると共に、剥離層12をレーザー光によって改質する際、剥離層12で吸収されずに剥離層12を透過したレーザー光を反射させることにより、レーザー光から樹脂基材22を保護する役割を果たす。すなわち金属層13は、レーザー光を反射させることにより、樹脂基材22にダメージを与えず剥離層12を改質させる。
剥離層12の改質に用いられるレーザーとしては、エキシマレーザー(波長248nm、308nm)、YAGレーザー等の固体レーザー(波長355nm、532nm、1064nm)、またはCOレーザー(波長10640nm)が挙げられる。このため金属層13は、剥離層12の改質に用いられるレーザーに対する反射性を有することが好ましい。特に、金属層13は、エキシマレーザー、固体レーザー、COレーザーに対する反射性を有することが好ましい。なお、本実施の形態においては、後述するように、剥離層12を改質するレーザーとして固体レーザーを好適に用いることができる。固体レーザーとしては、YAGレーザーのほか、チタンサファイアレーザーおよびその第2高波長や第3高波長を挙げることができる。以下において、レーザーとして固体レーザーを用いる場合を例にとって説明する。
また、金属層13は、表示装置20の製造工程において、剥離層12を改質する際、剥離層12側からのガスを遮蔽し、樹脂基材22内に熱拡散が生じたりすることを防止する役割を果たす。このため、金属層13は、上述したレーザー光の反射性や、剥離層12側からのガスの遮蔽性、剥離層12との密着性が良好なもの、または耐酸化性、耐湿性若しくは耐酸性が良好なものが用いられる。
このような金属層13は、後述するように、剥離層12上にスパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法等の手法により形成されたものである。金属層13は、例えば、レーザー光の反射率が60%以上の層とすることができる。金属層13の材質としては、例えば、クロム、ニッケル、モリブデン、チタン、アルミニウム、銀、パラジウム、銅、タングステン又はこれらのうち少なくとも1つを含む合金等の金属材料を挙げることができる。とりわけ、金属層13は、モリブデン合金を含んでいることが好ましく、これにより、剥離層12を透過したレーザー光を効率良く反射することができる。具体的には、金属層13は、モリブデン、ニッケル及びチタンを含む合金、あるいはモリブデン及びニオブを含む合金からなることが好ましい。また、金属層13の厚みtは、レーザー光の反射率が60%以上となるように適宜設定することができ、例えば、30nm以上150nm以下程度が好ましい。金属層13の厚みtを30nm以上とすることにより、レーザー光を確実に反射させることができる。また、金属層13の厚みtを150nm以下とすることより、金属層13のコストを低減させることができる。なお、モリブデン合金はレーザー光の反射率が高いとともに、厚みによる反射率の差が小さい。これにより、金属層13がモリブデン合金からなっている場合、金属層13の厚みにかかわらずレーザー光の反射率を高めることができ、金属層13の厚みを薄くすることができる。このため、金属層13のコストを低減させることができる。また、モリブデン合金はポリイミドとの密着性が良好であるため、金属層13がモリブデン合金からなっており、剥離層12がポリイミドからなっている場合、表示装置形成用基板10を製造する際に、剥離層12と金属層13との密着性を高めることができる。
なお、本実施の形態において、図1に示すように、剥離層12および金属層13は、ガラス基材11の全域を覆っているが、これに限られるものではなく、金属層13が後述する樹脂基材22の全域を覆うことができれば、剥離層12の周縁部12eおよび金属層13の周縁部13eは、ガラス基材11の周縁部11eよりも内側に引っ込んでいても良い。すなわち、剥離層12の平面形状は、全周にわたってガラス基材11の平面形状よりも小さくなっていても良い。
(表示装置の構成)
次に、図2により、本実施の形態による表示装置の製造方法によって作製される表示装置の概略について説明する。図2は、本実施の形態による表示装置を示す断面図である。この表示装置は、上述した表示装置形成用基板10上に、後述する有機EL素子24等を複数配置し、ガラス基材11および剥離層12を除去した後、個々の有機EL素子24毎に切断して個片化することにより形成されたものである。
図2に示す表示装置20は、支持基材21と、支持基材21上に積層された、上述した表示装置形成用基板10を構成する金属層13と、金属層13上に配置された樹脂基材22と、樹脂基材22上に配置された薄膜トランジスタ(TFT)23と、樹脂基材22上に配置された有機EL素子(素子)24と、有機EL素子24上に配置された封止樹脂(TFE)25とを備えている。
このうち支持基材21は、表示装置20の全体を支持するものであり、可撓性を有するフィルムからなる。この支持基材21は、後述するように、接着剤により金属層13に貼り付けられている。支持基材21としては、例えばポリエチレンテレフタレートを用いることができる。支持基材21の厚みは、材質の強度、取り扱い適性等を考慮して設定することができ、例えば、50μm以上250μm以下程度の範囲で適宜設定することができる。
金属層13は、上述した表示装置形成用基板10を構成するものであり、支持基材21と樹脂基材22との間に介在されている。金属層13の構成は、上述した表示装置形成用基板10の金属層13と同様であり、ここでは、詳細な説明を省略する。
樹脂基材22は、後述する表示装置20の製造工程において、薄膜トランジスタ23、有機EL素子24等を支持するものであり、金属層13上に直接形成された可撓性を有する平坦な層からなる。樹脂基材22は、後述するように、金属層13上にダイコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プラズマCVD法または熱CVD法、キャピラリーコート法、スリット及びスピン法、又は、中央滴下法等の手法により塗布形成されたものである。樹脂基材22には、上述したガラス基材11よりも可撓性を有し、耐熱性に優れた材質が用いられることが好ましい。樹脂基材22としては、例えば、有色不透明又は透明なポリイミド(例えば宇部興産(株)製UPIA−ST(製品名))を用いることができる。樹脂基材22の厚みは、材質の強度、取り扱い適性等を考慮して設定することができ、例えば、5μm以上20μm以下程度の範囲で適宜設定することができる。
薄膜トランジスタ23は、有機EL素子24を駆動するためのものであり、有機EL素子24の後述する第1電極26および第2電極28に印加される電圧を制御するようになっている。
有機EL素子24は、薄膜トランジスタ23に電気的に接続されている。図2に示すように、有機EL素子24は、樹脂基材22上に配置された第1電極(反射電極)26と、第1電極26上に配置された有機発光層27と、有機発光層27上に配置された第2電極(透明電極)28とを有している。ここでは、第1電極26が陽極を構成し、第2電極28が陰極を構成する例について説明する。しかしながら、第1電極26および第2電極28の極性が特に限られることはない。
第1電極26は、後述するように、樹脂基材22上にスパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法等の手法により形成されたものである。第1電極26の材質としては、効率良く正孔を注入できる材質を用いることが好ましい。第1電極26の材質としては、例えば、アルミニウム、クロム、モリブデン、タングステン、銅、銀または金およびそれらの合金等の金属材料を挙げることができる。
有機発光層27は、後述するように、第1電極26上に蒸着法、ノズルから塗布液を塗布するノズル塗布法、インクジェット等の印刷法により形成されたものである。有機発光層27としては、所定の電圧を印加することにより白色光を発光するよう構成された蛍光性有機物質を含有するものが好ましく、例えば、キノリノール錯体、オキサゾール錯体、各種レーザー色素、ポリパラフェニレンビニレン等が挙げられる。
第2電極28は、後述するように、有機発光層27上にスパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法等の手法により形成されたものである。第2電極28の材質としては、電子を注入しやすく、かつ光透過性の良好な材質を用いることが好ましい。第2電極28の材質としては、例えば酸化リチウム、炭酸セシウム等が挙げられる。
有機EL素子24において発光した光は、樹脂基材22が位置する側とは反対の側へ取り出される。すなわち、有機EL素子24からの光は、封止樹脂25の上方から取り出される。このように本実施の形態における表示装置20は、いわゆるトップエミッション型の表示装置となっている。
封止樹脂25は、有機EL素子24を封止し、有機EL素子24を保護するためのものである。封止樹脂25は、後述するように、樹脂基材22、薄膜トランジスタ23、第1電極26および第2電極28上にダイコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プラズマCVD法または熱CVD法、キャピラリーコート法、スリット及びスピン法、又は、中央滴下法等の手法により塗布形成されたものである。封止樹脂25には、上述したガラス基材11よりも可撓性を有した材質を用いることが好ましい。封止樹脂25としては、例えば、シリコーン樹脂やアクリル系樹脂を用いることができる。封止樹脂25の厚み(図2における樹脂基材22の上面から封止樹脂25の上面までの距離)は、材質の強度、取り扱い適性等を考慮して設定することができ、例えば、1μm以上50μm以下程度の範囲で適宜設定することができる。
なお、本実施の形態において、図2に示すように、表示装置20がトップエミッション型である例を示したが、これに限られるものではなく、表示装置20がいわゆるボトムエミッション型であってもよい。
(表示装置形成用基板の製造方法)
次に、図3(a)−(c)により、上述した表示装置形成用基板の製造方法について説明する。図3(a)−(c)は、表示装置形成用基板の製造方法を示す断面図である。
まず、図3(a)に示すように、平坦な板状の部材からなるガラス基材11を準備する。このとき、例えば、G6サイズ(1800mm×1500mm)のガラス基材11を準備する。このガラス基材11としては、例えば、無アルカリガラス、石英ガラス、パイレックス(登録商標)類を用いることができる。
次に、図3(b)に示すように、ガラス基材11上に剥離層12を直接積層して形成する。剥離層12としては、上述したように、レーザー光を吸収することにより発熱し、分解され、密着力が低下または消失するものが用いられる。例えば、剥離層12としては、固体レーザーなどの特定波長(例えば波長355nm)を吸収する特性を有するアモルファスシリコンやポリイミド等の剥離材料などを用いることができる。とりわけ、剥離層12は、ポリイミドを含んでいることが好ましい。
剥離層12は、例えばダイコート法、インクジェット法、スプレーコート法、キャピラリーコート法、スリット及びスピン法、又は、中央滴下法等の手法により形成される。このため、ガラス基材11上に発泡型の接着フィルム、テープ等を貼着する場合と比べて、フィルム、テープ等にうねりや接着剤等の厚みムラが生じるおそれがなく、剥離層12の平坦性を高めることができる。このようにして、ガラス基材11上に剥離層12が形成される。なお、本実施の形態においては、剥離層12は、例えば、ガラス基材11の回転速度を2500rpmに設定し、スピン法によりガラス基材11上にポリイミドの前駆体を塗布した後に、減圧乾燥装置(VCD)を用いて25Paの減圧条件で乾燥させ、300℃、5分間の条件で焼成させることにより形成される。
続いて、図3(c)に示すように、剥離層12上に金属層13を積層する。金属層13は、後工程で表示装置形成用基板10上に形成される樹脂基材22を保護するためのものである。金属層13としては、レーザー光の反射性や剥離層12側からのガスの遮蔽性が良好なものが用いられる。金属層13は、例えばクロム、モリブデン、チタン、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、パラジウム、タングステン又はこれらのうち少なくとも1つを含む合金等の金属材料からなっていても良い。とりわけ、金属層13は、モリブデン合金を含んでいることが好ましい。具体的には、金属層13は、モリブデン、ニッケル及びチタンを含む合金、あるいはモリブデン及びニオブを含む合金からなることが好ましい。金属層13は、剥離層12上にスパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法等の手法により形成される。このため、薄膜状の金属層13を均一かつ平坦に形成することができる。
このようにして、図1に示す表示装置形成用基板10が得られる。
(表示装置の製造方法)
次に、図4(a)−(e)、図5(a)−(c)及び図6(a)−(d)により、本実施の形態による表示装置の製造方法について説明する。図4(a)−(e)、図5(a)−(c)及び図6(a)−(d)は、本実施の形態による表示装置の製造方法を示す断面図である。
まず、例えば図3(a)−(c)に示す方法により、表示装置形成用基板10を作製する(図4(a))。
次に、表示装置形成用基板10の金属層13上に樹脂基材22を配置する(図4(b))。樹脂基材22には、ガラス基材11よりも可撓性を有し、耐熱性に優れたものが用いられても良い。例えば、樹脂基材22としては、有色不透明又は透明なポリイミドを用いることができる。樹脂基材22は、金属層13上にダイコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プラズマCVD法または熱CVD法、キャピラリーコート法、スリット及びスピン法、又は、中央滴下法等の手法により形成される。
次いで、樹脂基材22上に薄膜トランジスタ23を配置する(図4(c))。このとき、樹脂基材22上には、図示はしないが、各々が各表示装置20に対応する複数の薄膜トランジスタ23が配置される。このようにして表示装置20の第1中間体20aが形成される。なお、複数の薄膜トランジスタ23が樹脂基材22上に配置された後、切断装置(図示せず)によって、表示装置20の第1中間体20aは、平面視で、例えば半分の大きさに切断される。
次に、樹脂基材22上に有機EL素子24を配置する(図4(d))。このとき、樹脂基材22上には、図示はしないが、各々が各表示装置20に対応する複数の有機EL素子24が配置される。各々の有機EL素子24は、樹脂基材22上に配置された第1電極26と、第1電極26上に配置された有機発光層27と、有機発光層27上に配置された第2電極28とを有している。この場合、まず、樹脂基材22上に第1電極26を形成する。第1電極26には、効率良く正孔を注入できる材料が用いられる。例えば、第1電極26としては、アルミニウム、クロム、モリブデン、タングステン、銅、銀または金およびそれらの合金等の金属材料を用いることができる。第1電極26は、樹脂基材22上にスパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法等の手法により形成される。この際、有機EL素子24の第1電極26が薄膜トランジスタ23に電気的に接続される。
次いで、第1電極26上に有機発光層27を形成する。有機発光層27には、所定の電圧を印加することにより白色光を発光するよう構成された蛍光性有機物質を含有するものが用いられる。例えば、有機発光層27としては、キノリノール錯体、オキサゾール錯体、各種レーザー色素、ポリパラフェニレンビニレン等を用いることができる。有機発光層27は、第1電極26上に蒸着法、ノズルから塗布液を塗布するノズル塗布法、インクジェット等の印刷法により形成される。
次に、有機発光層27上に第2電極28を形成する。第2電極28には、電子を注入しやすく、かつ光透過性の良好な材料が用いられる。例えば、第2電極28としては、酸化リチウム、炭酸セシウム等を用いることができる。第2電極28は、有機発光層27上にスパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法等の手法により形成される。このようにして、樹脂基材22上に有機EL素子24が配置される。
次いで、樹脂基材22上に配置された有機EL素子24を封止樹脂25によって封止する(図4(e))。封止樹脂25には、上述したガラス基材11よりも可撓性を有する材料が用いられても良い。例えば、封止樹脂25としては、シリコーン樹脂やアクリル系樹脂が用いられる。封止樹脂25は、樹脂基材22、薄膜トランジスタ23、第1電極26および第2電極28上にダイコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プラズマCVD法または熱CVD法、キャピラリーコート法、スリット及びスピン法、又は、中央滴下法等の手法により形成される。このようにして、有機EL素子24が封止樹脂25によって覆われる。
次に、封止樹脂25上に仮支持基材29を配置する(図5(a))。仮支持基材29は、表示装置20の製造工程において作製された表示装置20の第1中間体20aを仮支持するものである。仮支持基材29には、可撓性を有するフィルムが用いられる。例えば、仮支持基材29としては、ポリエチレンテレフタレートからなるフィルムを用いることができる。仮支持基材29は、接着剤により封止樹脂25上に貼り付けられても良い。仮支持基材29の厚みは、材質の強度、取り扱い適性等を考慮して設定することができ、例えば、50μm以上250μm以下程度の範囲で適宜設定することができる。このようにして、仮支持基材29が配置された表示装置20の第2中間体20bが作製される。
続いて、作製された表示装置20の第2中間体20bを反転させ、ガラス基材11を金属層13から剥離する。このとき、ガラス基材11側からYAGレーザー等のレーザー光Lを照射する(図5(b))。レーザー光Lは、例えば後述する光照射装置60から線状ないし面状に照射され、このレーザー光Lが第2中間体20bの面内に均一に走査される。このように照射されたレーザー光Lは、透明なガラス基材11を透過して剥離層12に到達する。上述したように、剥離層12は、改質ないし分解されることにより密着力が低下又は消失する。このため、レーザー光Lによって改質ないし分解されることにより、剥離層12の密着力が低下又は消失し、ガラス基材11は、金属層13から剥離する(図5(c))。
一方、剥離層12の面のうちガラス基材11の反対側の面には、金属層13が設けられている。このため、剥離層12を透過したレーザー光Lは、金属層13によって反射されて、ガラス基材11側に戻される。したがって、レーザー光Lが樹脂基材22まで達することがなく、剥離層12を透過したレーザー光Lが樹脂基材22に悪影響を及ぼすことはない。なお、金属層13は、樹脂基材22に密着した状態を維持する。
次いで、ガラス基材11が剥離された金属層13上に、表示装置20を支持する支持基材21を配置する(図6(a))。支持基材21には、上述したガラス基材11よりも可撓性を有するフィルムが用いられる。例えば、支持基材21としては、ポリエチレンテレフタレートからなるフィルムを用いることができる。支持基材21は、接着剤により金属層13に貼り付けられても良い。このようにして、表示装置20の第2中間体20bが支持基材21に支持される。
次に、表示装置20の第2中間体20bを反転させる(図6(b))。
その後、仮支持基材29を封止樹脂25から剥離する(図6(c))。なお、仮支持基材29を封止樹脂25から剥離した後、切断装置(図示せず)によって、表示装置20の第2中間体20bは個々の表示装置20毎に切断され個片化される(図6(d))。
以上の一連の工程により、図2に示す表示装置20を得ることができる(図6(d))。
次に、図7および図8を参照して、ガラス基材11を金属層13から剥離するために、ガラス基材11側からレーザー光Lを照射する工程(図5(b))について更に説明する。図7は、本発明の一実施の形態による光照射装置を示す概略斜視図であり、図8は、光照射装置の光源ユニットを示す概略断面図である。
図7に示すように、光照射装置60は、ステージ61と、ステージ61の上方に配置された光源ユニット64とを備えている。
このうちステージ61には、表示装置20用の第2中間体20bが載置される。ステージ61は、光源ユニット64側を向く平坦な表面61aを有しており、第2中間体20bは、この表面61a上に載置される。なお、第2中間体20bは、上方側から順に、ガラス基材11と、剥離層12と、金属層13と、樹脂基材22と、薄膜トランジスタ23と、有機EL素子24と、封止樹脂25と、仮支持基材29とを有している。また、ステージ61は、水平面内で移動可能となっており、これによりステージ61上に載置された第2中間体20bを水平方向に移動可能となっている。
光源ユニット64は、ガラス基材11を金属層13から剥離するために、ガラス基材11側から剥離層12に向けて光を線状ないし面状(図7では線状)に照射するものである。この光源ユニット64は、光を照射する光源62と、光源62からの光を線状ないし面状に整形する回折光学素子63とを有している。
このうち光源62は、直進光であるレーザー光Lを照射するものであり、より具体的にはYAGレーザー等の固体レーザー光L(波長355nm、532nm、1064nm)を照射するものである。
また、回折光学素子63は、直進光であるレーザー光Lを線状ないし面状に整形するものであり、図8に示すように、本体部63aと、本体部63aからそれぞれ突設された複数の突起部63bとを有している。複数の突起部63bのピッチpは、例えば0.1μm以上10μmである。このように、回折光学素子63を用いて、第2中間体20bに向けてレーザー光Lを線状ないし面状にすることにより、レーザー光Lを特定の範囲に絞りつつ広範囲に照射することができる。これにより、剥離層12を分解してガラス基材11を金属層13から剥離する作業を効率良く実施することが可能となる。
光照射装置60を用いて第2中間体20bにレーザー光Lを照射する場合、まず、光照射装置60上のステージ61に第2中間体20bを載置する。次いで、光源ユニット64の光源62からレーザー光Lを照射する。このレーザー光Lは、回折光学素子63において線状ないし面状(図7では線状)に整形され、第2中間体20b上に達する。この間、ステージ61を用いて第2中間体20bを水平方向に移動することにより、レーザー光Lは、第2中間体20bの面内において均一に走査される。第2中間体20bに照射されたレーザー光Lは、透明なガラス基材11を透過して剥離層12に到達する。続いて、剥離層12はレーザー光Lを吸収することにより分解され、密着力が低下又は消失する。このようにして、次工程(図5(c))でガラス基材11を金属層13から剥離することが可能となる。
ところで、一般にYAGレーザー等の固体レーザー(波長355nm)は、エキシマレーザー(波長308nm)と比べて、照射装置のランニングコストが安価であるという利点を有する一方、焦点深度が狭いという課題がある。例えば、エキシマレーザー光の焦点深度が100μm程度であるのに対し、固体レーザー光の焦点深度が10μm程度である。このため、とりわけレーザー光Lとして固体レーザー光を用いた場合、ガラス基材11や仮支持基材29の厚みが不均一であることに起因して、レーザー光Lの焦点が剥離層12から厚み方向にずれてしまい、剥離層12を分解することが困難になるおそれがある。これに対して本実施の形態によれば、金属層13が剥離層12を透過したレーザー光Lを反射するので、金属層13で反射した光によっても剥離層12を分解することが可能となり、レーザー光Lの照射不足で剥離層12が分解できなくなることを防ぐことができる。これにより、ガラス基材11を金属層13から確実に剥離することができる。この結果、レーザー光Lとして焦点深度が狭い固体レーザー光を用いることが可能になり、この場合においても、レーザー光Lを剥離層12内に吸収させ、剥離層12を確実に分解することができる。このようにレーザー光Lとして固体レーザー光を用いることにより、光照射装置60のランニングコストを抑えることができる。
また、回折光学素子63を用いることにより、例えば拡散板を用いる場合と比較して、第2中間体20b上におけるレーザー光Lの配光分布を制御することが容易になる。これにより、第2中間体20bにおいてレーザー光Lの焦点が厚み方向へばらつくことを低減することができる。この結果、レーザー光Lとして焦点深度が狭い固体レーザー光を用いることが可能となり、光照射装置60のランニングコストを抑えることができる。
このように、本実施の形態によれば、剥離層12はレーザー光Lを吸収することにより分解され、金属層13が剥離層12を透過したレーザー光Lを反射可能になっている。これにより、表示装置20の製造工程において、ガラス基材11を金属層13から確実に剥離することができるとともに、剥離層12をレーザー光Lによって加熱する際、レーザー光Lから樹脂基材22を保護することができる。この結果、ガラス基材11の破れまたは樹脂基材22に煤が発生することを抑制することができる。すなわち、ガラス基材11の厚みにムラがあることを考慮して、レーザー光Lの焦点が確実に剥離層12に達するように設定しておくことができる。この場合、ガラス基材11の厚みのムラにより、レーザー光Lの焦点が樹脂基材22側にずれたとしても、金属層13によってレーザー光Lが反射される。この結果、樹脂基材22が金属層13により保護され、樹脂基材22にレーザー光Lが到達する不具合が防止される。
また、レーザー光Lの焦点が剥離層12に確実に達するので、有機EL素子24等の破損しやすい素子を破損することなく剥離層12を分解し、ガラス基材11を確実に除去することができる。
とりわけ、本実施の形態によれば、ガラス基材11側から剥離層12に向けて、レーザー光Lを線状ないし面状に照射することにより、剥離層12を分解し、ガラス基材11を金属層13から剥離する。これにより、レーザー光Lを第2中間体20b上に効率良く照射することができるので、レーザー光Lを用いて剥離層12を分解する作業を短時間で効率良く実施し、この結果、表示装置20の生産性を高めることができる。
また、本実施の形態によれば、回折光学素子63が光源62からのレーザー光Lを線状ないし面状に整形するので、レーザー光Lを特定の範囲に絞って広範囲に照射することができる。これにより、剥離層12を分解してガラス基材11を金属層13から剥離する作業を効率良く実施することができる。また、第2中間体20b上におけるレーザー光Lの配光分布を制御することが容易になるので、レーザー光Lとして焦点深度が狭い固体レーザー光を用いることが可能となる。
また、本実施の形態によれば、光源ユニット64から照射される光として、レーザー光Lを用いている。レーザー光Lは、光の照射強度が強く、波長が揃っているので、剥離層12を安定して分解してガラス基材11を金属層13から確実に剥離することができる。
さらに、本実施の形態によれば、光源ユニット64から照射される光として、固体レーザー光Lを用いている。これにより、光照射装置60のランニングコストを抑え、表示装置20の製造コストを低減することができる。
さらに、本実施の形態によれば、ガラス基材11を金属層13から剥離した後、ガラス基材11が剥離された金属層13上に、表示装置20を支持する支持基材21を配置する。このように金属層13を残した状態で金属層13上に支持基材21を配置することにより、金属層13を除去する工程を別途設ける必要がないので、表示装置20を効率良く生産することが可能となる。
また、金属層13がモリブデン合金を含んでいることにより、剥離層12を透過したレーザー光Lを効率良く反射させることができる。また、モリブデン合金を含んでいる金属層13は、剥離層12側からのガスの遮蔽性が良好であるため、表示装置20の製造工程において、剥離層12を改質する際、剥離層12側からのガスを遮蔽し、樹脂基材22内に熱拡散が生じることを防止することができる。さらに、モリブデン合金からなる金属層13は、金属層13の耐酸化性、耐湿性および耐酸性を向上させることができる。
さらに、剥離層12がポリイミドを含んでいることにより、剥離層12がレーザー光Lを効率良く吸収することができる。このため、ガラス基材11を金属層13から効率良く剥離することができる。また、ポリイミドからなる剥離層12はレーザー光Lを効率良く吸収することができるため、剥離層12の厚みtを薄くすることができ、剥離層12のコストを低減させることができる。さらに、ポリイミドは耐熱性に優れているため、剥離層12がポリイミドからなることにより、薄膜トランジスタ23を設ける際の熱に対して、剥離層12に耐熱性を付与することができる。このため、薄膜トランジスタ23を樹脂基材22上に設ける際にガラス基材11が金属層13から剥離する等の不具合を抑制することができる。
(変形例1)
次に、本実施の形態の変形例(変形例1)について説明する。図9(a)−(c)及び図10(a)−(b)は、表示装置の製造方法の変形例を示す断面図である。図9(a)−(c)及び図10(a)−(b)に示す表示装置20の製造方法において、金属層13を除去する工程が設けられているものであり、他の構成は、上述した図4(a)−(e)、図5(a)−(c)及び図6(a)−(d)に示す構成と略同様である。図9(a)−(c)及び図10(a)−(b)において、図1乃至図6に示す実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図9(a)−(c)及び図10(a)−(b)に示す表示装置20の製造方法において、まず、図4(a)−(e)、図5(a)−(c)と同様に、表示装置20の第2中間体20bを作製する。次に、ガラス基材11を金属層13から剥離した後(図5(c)参照)、樹脂基材22から金属層13を除去する(図9(a))。この場合、例えば、金属層13上に付着した剥離層12の残渣を酸化プラズマまたは酸化ソルベントストリッピング(オゾンプラズマ、ピラニア洗浄、RCA洗浄)などで除去した後、エッチング液として苛性カリ−過酸化水素水等を用いた選択エッチング法により、樹脂基材22から金属層13を除去する。
次いで、金属層13が除去された樹脂基材22上に、表示装置20を支持する支持基材21を配置する(図9(b))。支持基材21は、接着剤により樹脂基材22に貼り付けられても良い。このようにして、表示装置20の第2中間体20bが支持基材21に支持される。
次に、表示装置20の第2中間体20bを反転させる(図9(c))。
その後、仮支持基材29を封止樹脂25から剥離する(図10(a))。なお、仮支持基材29を封止樹脂25から剥離した後、切断装置(図示せず)によって、表示装置20の第2中間体20bは個々の表示装置20毎に切断され個片化される(図10(b))。
以上の一連の工程により、表示装置20を得ることができる(図10(b))。
この場合においても、表示装置20の製造工程において、ガラス基材11を金属層13から確実に剥離することができるとともに、剥離層12をレーザー光Lによって加熱する際、レーザー光Lから樹脂基材22を保護することができる。このため、ガラス基材11の破れまたは樹脂基材22に煤が発生することを抑制することができる。
(変形例2)
次に、本実施の形態の他の変形例(変形例2)について説明する。図11乃至図13は、表示装置の製造方法の変形例(変形例2)を示す概略図である。図11乃至図13に示す変形例は、主として有機EL素子24に代えて液晶素子94を用いる点が異なるものである。図11乃至図13において、図1乃至図10に示す実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
すなわち図1乃至図10において、有機EL素子24を含む表示装置20を製造する場合を例にとって説明した。しかしながら、これに限らず、表示装置20として液晶表示装置が用いられても良い。図11乃至図13は、このような液晶表示装置を形成する表示装置形成用基板の製造方法を示している。以下、このような表示装置形成用基板の製造方法について説明する。
まず、図11(a)および図11(b)に示すように、カラーフィルタ層側中間製品80Aおよび薄膜トランジスタ側中間製品80Bをそれぞれ準備する。
このうちカラーフィルタ層側中間製品80Aは、図11(a)に示すように、第1ガラス基材81と、第1ガラス基材81上に積層され、レーザー光Lを吸収することにより分解される第1剥離層82と、第1剥離層82上に積層され、第1剥離層82を透過したレーザー光Lを反射可能な第1金属層83と、第1金属層83上に設けられた第1樹脂基材84を有している。また、第1樹脂基材84上にカラーフィルター層85が設けられ、カラーフィルター層85上に第1配向層86が設けられている。なお、第1剥離層82及び第1金属層83は、それぞれ上述した有機EL用の表示装置形成用基板10の剥離層12及び金属層13と略同様の構成を有していても良い。
一方、薄膜トランジスタ側中間製品80Bは、図11(b)に示すように、第2ガラス基材87と、第2ガラス基材87上に積層され、レーザー光Lを吸収することにより分解される第2剥離層88と、第2剥離層88上に積層され、第2剥離層88を透過したレーザー光Lを反射可能な第2金属層89と、第2金属層89上に設けられた第2樹脂基材91を有している。また、第2樹脂基材91上に薄膜トランジスタ92が設けられ、薄膜トランジスタ92上に第2配向層93が設けられている。なお、第2剥離層88及び第2金属層89は、それぞれ上述した有機EL用の表示装置形成用基板10の剥離層12及び金属層13と略同様の構成を有していても良い。
次に、カラーフィルタ層側中間製品80A及び薄膜トランジスタ側中間製品80Bのうちの、いずれか一方の中間製品80A、80B上に、UV硬化樹脂及び/又は熱硬化剤を含むシール材(図示せず)を塗布し、さらに液晶を滴下する。その後、他方の中間製品80B、80Aを貼り合せ、紫外線及び/又は熱によりシール材を硬化させる。これにより、カラーフィルタ層側中間製品80Aと、薄膜トランジスタ側中間製品80Bと、カラーフィルタ層側中間製品80Aと薄膜トランジスタ側中間製品80Bとの間に挟持された液晶素子94とを有する第1中間体90aが得られる(図11(c)参照)。
続いて、図12(a)に示すように、本実施の形態による光照射装置60を用いて、第1中間体90aの第1ガラス基材81側から第1剥離層82に向けてレーザー光Lを線状ないし面状に照射することにより、第1剥離層82を分解し、第1ガラス基材81を第1金属層83から剥離する。その後、第1樹脂基材84上に残存する第1剥離層82及び第1金属層83を除去する。
次いで、図11(b)に示すように、第1剥離層82及び第1金属層83が除去された第1樹脂基材84上に、第1偏光板95を貼り合わせることにより、第2中間体90bが得られる。
次に、図13(a)に示すように、上述した光照射装置60を用いて、第2中間体90bの第2ガラス基材87側から第2剥離層88に向けてレーザー光Lを線状ないし面状に照射することにより、第2剥離層88を分解し、第2ガラス基材87を第2金属層89から剥離する。その後、第2樹脂基材91上に残存する第2剥離層88及び第2金属層89を除去する。
その後、図13(b)に示すように、第2剥離層88及び第2金属層89が除去された第2樹脂基材91上に、第2偏光板96を貼り合わせる。これにより、第1偏光板95と、第1樹脂基材84と、カラーフィルター層85と、第1配向層86と、液晶素子94と、第2配向層93と、薄膜トランジスタ92と、第2樹脂基材91と、第2偏光板96とが順次積層された液晶表示装置用の表示装置形成用基板100(フレキシブルLCDセル)が得られる。
このように、本変形例においては、第1ガラス基材81及び第2ガラス基材87を、第1金属層83及び第2金属層89からそれぞれ確実に剥離することができるとともに、第1剥離層82及び第2剥離層88をレーザー光Lによってそれぞれ加熱する際、レーザー光Lから第1樹脂基材84及び第2樹脂基材91を保護することができる。この結果、第1ガラス基材81及び第2ガラス基材87に破れが生じたり、第1樹脂基材84及び第2樹脂基材91に煤が発生したりする不具合を防止することができる。これにより、第1ガラス基材81及び第2ガラス基材87の厚みのムラにより、レーザー光Lの焦点が第1樹脂基材84及び第2樹脂基材91側にずれたとしても、第1金属層83及び第2金属層89によってレーザー光Lが反射される。この結果、第1樹脂基材84及び第2樹脂基材91が第1金属層83及び第2金属層89により保護され、第1樹脂基材84及び第2樹脂基材91にレーザー光Lが到達する不具合が防止される。
上記実施の形態および変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記実施の形態および変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
10 表示装置形成用基板
11 ガラス基材
12 剥離層
13 金属層
20 表示装置
20b 第2中間体
21 支持基材
22 樹脂基材
23 薄膜トランジスタ
24 有機EL素子
25 封止樹脂
29 仮支持基材
60 光照射装置
61 ステージ
62 光源
63 回折光学素子
64 光源ユニット

Claims (7)

  1. 表示装置の製造方法であって、
    ガラス基材と、前記ガラス基材上に積層され、光を吸収することにより分解される剥離層と、前記剥離層上に積層され、前記剥離層を透過した前記光を反射可能な金属層とを有する、表示装置用の中間体を準備する工程と、
    前記中間体の前記ガラス基材側から前記剥離層に向けて前記光を線状ないし面状に照射することにより前記剥離層を分解し、前記ガラス基材を前記金属層から剥離する工程とを備えたことを特徴とする表示装置の製造方法。
  2. 前記光は、レーザー光であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置の製造方法。
  3. 前記光は、固体レーザー光であることを特徴とする請求項2に記載の表示装置の製造方法。
  4. 光照射装置であって、
    ガラス基材と、前記ガラス基材上に積層され、光を吸収することにより分解される剥離層と、前記剥離層上に積層され、前記剥離層を透過した前記光を反射可能な金属層とを含む、表示装置用の中間体を載置するステージと、
    前記ステージ上に載置された前記中間体の前記ガラス基材側から前記剥離層に向けて前記光を線状ないし面状に照射することにより、前記剥離層を分解する光源ユニットとを備えたことを特徴とする光照射装置。
  5. 前記光は、レーザー光であることを特徴とする請求項4に記載の光照射装置。
  6. 前記光は、固体レーザー光であることを特徴とする請求項5に記載の光照射装置。
  7. 前記光源ユニットは、前記光を照射する光源と、前記光源からの前記光を線状ないし面状に整形する回折光学素子とを有することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載の光照射装置。
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