JP2019039983A - 表示装置形成用中間体、表示装置および表示装置の製造方法 - Google Patents

表示装置形成用中間体、表示装置および表示装置の製造方法 Download PDF

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Kenichi Sakamoto
本 憲 一 坂
川 文 裕 荒
Fumihiro Arakawa
川 文 裕 荒
川 口 修 司
Shuji Kawaguchi
口 修 司 川
野 美 生 牧
Miu Makino
野 美 生 牧
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Abstract

【課題】ガラス基材の厚みにムラがあったとしても、樹脂基材からガラス基材を確実に剥離するとともに、樹脂基材が透明であっても、樹脂基材からガラス基材を確実に剥離することが可能な、表示装置形成用中間体、表示装置および表示装置の製造方法を提供する。【解決手段】表示装置形成用中間体20Aは、表示装置を形成するためのものである。この表示装置形成用基板10は、ガラス基材11と、ガラス基材11上に積層され、レーザー光を吸収することにより分解される剥離層12と、剥離層12上に積層され、剥離層12を透過したレーザー光を反射可能な金属層13と、金属層13上に配置された樹脂基材22とを備えている。樹脂基材22は、透明である。【選択図】図2

Description

本発明は、表示装置形成用中間体、表示装置および表示装置の製造方法に関する。
従来から、有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を発光素子として、発光素子から放射される光を表示光として利用する表示装置(有機EL表示装置)や、液晶層を利用する表示装置(液晶表示装置)が開発されている。このような表示装置は、その用途を、テレビやデスクトップモニターのみならず、携帯用ノートパソコン、携帯電話、携帯用ゲーム機、電子リーダー、電子ブックなどの携帯型電子機器にまで広く拡大していることから、さらなる軽量化、小型化、及び薄型化が求められている。また、近年、このような表示装置、とりわけ、いわゆるボトムエミッション型の表示装置(有機EL表示装置)に対して、光取り出し効率を向上させるために透明性が求められている。さらに、表示装置を透明なディスプレイに用いることも提案されており、この場合においても透明性が求められている。
このような状況において、表示装置を構成する表示装置部材としては、これまで主として用いられてきたガラス製の支持基板に代わり、可撓性を有するフィルムよりなるフレキシブル基板を用いた表示装置部材が提案されている。表示装置部材において、ガラス製の支持基板の代わりに、樹脂基材等のフレキシブル基板を用いることにより、表示装置をフレキシブルにすることも可能となる。
このようなフレキシブルな表示装置を作製する場合、ガラス基材上に剥離層(光熱交換膜)と樹脂基材(PI層)とをこの順に形成し、樹脂基材上に薄膜トランジスタ(TFT)等を形成した後に、剥離層にレーザー光を照射して樹脂基材からガラス基材を剥離させている(例えば特許文献1)。
特開2015−138895号公報
しかしながら、ガラス基材の厚みが、面内で不均一であったり、ガラス基材毎にばらついていたりする場合がある。このようなガラス基材に厚みムラが存在すると、レーザー光の焦点が剥離層からずれる場合があり、剥離層に照射されるレーザー光の照射量が変化する場合がある。この場合、レーザー光の照射量が少なくなると、ガラス基材を剥離する際に、樹脂基材や有機EL素子等が破れるという問題点が有り、またレーザー光の照射量が大きくなると、樹脂基材が焼け焦げることにより樹脂基材に煤が発生するという問題点があった。
また、表示装置の透明性を向上させるために樹脂基材を透明にした場合、レーザー光が樹脂基材に吸収されることなく、樹脂基材を透過する。この場合、レーザー光による樹脂基材の一部分の分解が困難となり、樹脂基材からガラス基材を剥離することが困難である。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、ガラス基材の厚みにムラがあったとしても、樹脂基材からガラス基材を確実に剥離するとともに、樹脂基材が透明であっても、樹脂基材からガラス基材を確実に剥離することが可能な、表示装置形成用中間体、表示装置および表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、表示装置を形成するための表示装置形成用中間体であって、ガラス基材と、前記ガラス基材上に積層され、レーザー光を吸収することにより分解される剥離層と、前記剥離層上に積層され、前記剥離層を透過した前記レーザー光を反射可能な金属層と、前記金属層上に配置された樹脂基材とを備え、前記樹脂基材は、透明であることを特徴とする表示装置形成用中間体である。
本発明は、前記樹脂基材の前記レーザー光の主波長に対する透過率が1%以上であることを特徴とする表示装置形成用中間体である。
本発明は、前記金属層は、モリブデン合金を含むことを特徴とする表示装置形成用中間体である。
本発明は、前記金属層の厚みは、10nm以上1000nm以下であることを特徴とする表示装置形成用中間体である。
本発明は、前記剥離層は、ポリイミドを含むことを特徴とする表示装置形成用中間体である。
本発明は、前記剥離層の厚みは、50nm以上150nm以下であることを特徴とする表示装置形成用中間体である。
本発明は、支持基材と、前記支持基材上に配置された樹脂基材と、前記樹脂基材上に配置された薄膜トランジスタと、前記樹脂基材上に配置され、前記薄膜トランジスタに電気的に接続された有機EL素子と、前記有機EL素子上に配置され、前記有機EL素子を封止する封止樹脂とを備え、前記樹脂基材は、透明であることを特徴とする表示装置である。
本発明は、前記樹脂基材の、前記表示装置を作製する際に用いられるレーザー光の主波長に対する透過率が1%以上であることを特徴とする表示装置である。
本発明は、第1偏光板と、前記第1偏光板上に配置された第1樹脂基材と、前記第1樹脂基材上に積層されたカラーフィルタ層と、前記カラーフィルタ層上に積層された第1配向層と、前記第1配向層上に配置された液晶層と、前記液晶層上に積層された第2配向層と、前記第2配向層上に配置された薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタ上に配置された第2樹脂基材と、前記第2樹脂基材上に配置された第2偏光板と、前記第2偏光板上に配置された光源とを備え、前記第1樹脂基材及び前記第2樹脂基材は、透明であることを特徴とする表示装置である。
本発明は、前記第1樹脂基材及び前記第2樹脂基材の前記表示装置を作製する際に用いられるレーザー光の主波長に対する透過率が1%以上であることを特徴とする表示装置である。
本発明は、表示装置の製造方法であって、ガラス基材と、前記ガラス基材上に積層され、レーザー光を吸収することにより分解される剥離層と、前記剥離層上に積層され、前記剥離層を透過した前記レーザー光を反射可能な金属層とを有する表示装置形成用基板を準備する工程と、前記表示装置形成用基板の前記金属層上に樹脂基材を配置する工程と、前記樹脂基材上に薄膜トランジスタを配置する工程と、前記樹脂基材上に、前記薄膜トランジスタに電気的に接続される有機EL素子を配置する工程と、前記有機EL素子を封止樹脂によって封止する工程と、前記封止樹脂上に、前記表示装置を仮支持する仮支持基材を配置する工程と、前記ガラス基材側から前記剥離層に向けてレーザー光を照射することにより前記ガラス基材を前記金属層から剥離する工程と、前記樹脂基材から前記金属層を除去する工程と、前記金属層が除去された前記樹脂基材上に、前記表示装置を支持する支持基材を配置する工程と、前記仮支持基材を前記封止樹脂から剥離する工程とを備え、前記樹脂基材は、透明であることを特徴とする表示装置の製造方法である。
本発明は、前記樹脂基材の前記レーザー光の主波長に対する透過率が1%以上であることを特徴とする表示装置の製造方法である。
本発明は、第1ガラス基材と、前記第1ガラス基材上に積層され、レーザー光を吸収することにより分解される第1剥離層と、前記第1剥離層上に積層され、前記第1剥離層を透過した前記レーザー光を反射可能な第1金属層と、前記第1金属層上に配置された第1樹脂基材と、前記第1樹脂基材上に配置されたカラーフィルタ層と、前記カラーフィルタ層上に配置された第1配向層とを有する第1中間製品を準備する工程と、第2ガラス基材と、前記第2ガラス基材上に積層され、前記レーザー光を吸収することにより分解される第2剥離層と、前記第2剥離層上に積層され、前記第2剥離層を透過した前記レーザー光を反射可能な第2金属層と、前記第2金属層上に設けられた第2樹脂基材と、前記第2樹脂基材上に配置された薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタ上に配置された第2配向層とを有する第2中間製品を準備する工程と、前記第1中間製品の前記第1配向層と前記第2中間製品の前記第2配向層との間に液晶層を設ける工程と、前記第1ガラス基材側から前記第1剥離層に向けて前記レーザー光を照射することにより、前記第1ガラス基材を前記第1金属層から剥離する工程と、前記第1樹脂基材から前記第1金属層を除去する工程と、前記第1金属層が除去された前記第1樹脂基材上に、前記第1偏光板を配置する工程と、前記第2ガラス基材側から前記第2剥離層に向けて前記レーザー光を照射することにより、前記第2ガラス基材を前記第2金属層から剥離する工程と、前記第2樹脂基材から前記第2金属層を除去する工程と、前記第2金属層が除去された前記第2樹脂基材上に、第2偏光板を配置する工程と、前記第2偏光板上に光源を配置する工程とを備え、前記第1樹脂基材及び前記第2樹脂基材は、透明であることを特徴とする表示装置の製造方法である。
本発明は、前記第1樹脂基材及び前記第2樹脂基材の前記レーザー光の主波長に対する透過率が1%以上であることを特徴とする表示装置の製造方法である。
本発明によれば、ガラス基材の厚みにムラがあったとしても、樹脂基材からガラス基材を確実に剥離するとともに、樹脂基材が透明であっても、樹脂基材からガラス基材を確実に剥離することができる。
図1は、本発明の一実施の形態による表示装置を作製するための表示装置形成用基板を示す断面図である。 図2は、本発明の一実施の形態による表示装置形成用中間体を示す断面図である。 図3は、本発明の一実施の形態による表示装置を示す断面図である。 図4(a)−(c)は、本発明の一実施の形態による表示装置形成用基板の製造方法を示す断面図である。 図5(a)−(e)は、本発明の一実施の形態による表示装置の製造方法を示す断面図である。 図6(a)−(c)は、本発明の一実施の形態による表示装置の製造方法を示す断面図である。 図7(a)−(c)は、表示装置の製造方法を示す断面図である。 図8(a)−(b)は、表示装置の製造方法を示す断面図である。 図9(a)は、変形例による表示装置を作製するためのカラーフィルタ層側中間製品を示す断面図であり、図9(b)は、変形例による表示装置を作製するための薄膜トランジスタ側中間製品を示す断面図である。 図10は、表示装置形成用基板の変形例を示す断面図である。 図11は、表示装置の変形例を示す断面図である。 図12(a)−(c)は、表示装置の製造方法の変形例を示す断面図である。 図13(a)−(c)は、表示装置の製造方法の変形例を示す断面図である。 図14は、実施例において、樹脂基材の黄色度の違いによるレーザー光の透過率を説明する図である。
以下、本発明の一実施の形態について、図1乃至図8を参照して説明する。なお、以下の各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。
(表示装置形成用基板の構成)
まず、図1により、本実施の形態による表示装置を作製するための表示装置形成用基板の概略について説明する。図1は、本実施の形態による表示装置を作製するための表示装置形成用基板を示す断面図である。
図1に示す表示装置形成用基板10は、後述する表示装置20(図3参照)を作製するためのものである。この表示装置形成用基板10は、ガラス基材11と、ガラス基材11上に積層された剥離層12と、剥離層12上に積層され、剥離層12を透過したレーザー光を反射可能な金属層13とを備えている。
このうちガラス基材11は、表示装置形成用基板10の全体を支持するものであり、平坦な板状の部材からなる。ガラス基材11としては、レーザー光が透過可能な材料を用い、例えば、無アルカリガラス、石英ガラス、パイレックス(登録商標)等の透明なガラス類を用いることができる。ガラス基材11の厚みtは、材質の強度、取り扱い適性等を考慮して設定することができ、例えば、150μm以上900μm以下程度の範囲で適宜設定することができる。なお、ガラス基材11のガラスサイズは任意であり、例えば、G6サイズ(1800mm×1500mm)のガラス基材11を用いることができる。
剥離層12は、ガラス基材11上に直接形成された平坦な層(接着層)からなる。剥離層12は、後述する表示装置形成用基板10の製造工程において、ガラス基材11と金属層13とを接着させるとともに、その後の表示装置20の製造工程において、ガラス基材11を金属層13から剥離させるものである。
剥離層12には、レーザー光を吸収することにより発熱し、分解され、密着力が低下又は消失するものが用いられる。また、剥離層12には、ガラス基材11の材料との密着性が良好なものが用いられる。剥離層12としては、例えば、エキシマレーザーなどの特定波長(例えば248nmまたは308nm)のレーザー光を吸収するような特性を有するアモルファスシリコンやポリイミド等の剥離材料(例えばBrewer Science, Inc.社製BREWER BONDシリーズ、宇部興産(株)製UPIAシリーズ(製品名)、ユニチカ(株)製Uイミドシリーズ(製品名)、JSR(株)製オプトマーALシリーズ(製品名)、東京応化工業(株)製TZNR−Aシリーズ(製品名))を用いることができる。とりわけ、剥離層12は、ポリイミドを含んでいることが好ましい。これにより、剥離層12がレーザー光を効率良く吸収することができる。また、剥離層12の厚みtは、例えば、50nm以上150nm以下程度の範囲で適宜設定することができる。剥離層12の厚みtを50nm以上とすることにより、表示装置形成用基板10を製造する際に、ガラス基材11と金属層13との密着性を高めることができる。また、剥離層12の厚みtを150nm以下とすることより、剥離層12のコストを低減させることができる。
この剥離層12は、後述するように、ガラス基材11上にダイコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プラズマCVD法または熱CVD法、キャピラリーコート法、スリット及びスピン法、又は、中央滴下法等の手法により塗布形成されたものを乾燥させたものである。このような塗布層からなる剥離層12は、全体として平坦性を高めることが可能となり、寸法精度の高い剥離層12を形成することが可能となる。なお、本実施の形態においては、剥離層12は、スピン法によりガラス基材11上にポリイミドの前駆体を塗布し、乾燥させることにより形成されている。
金属層13は、表示装置形成用基板10上に形成される、後述する樹脂基材22を保護するためのものである。具体的には、金属層13は、後述する表示装置20の製造工程において、樹脂基材22と剥離層12とを分離すると共に、剥離層12をレーザー光によって改質する際、剥離層12で吸収されずに剥離層12を透過したレーザー光を反射させることにより、レーザー光から樹脂基材22を保護する役割を果たす。すなわち金属層13は、レーザー光を反射させることにより、樹脂基材22にダメージを与えず剥離層12を改質させる。剥離層12の改質に用いられるレーザーとしては、エキシマレーザー(波長248nm、308nm)やYAGレーザー(波長343nm、355nm、532nm、1064nm)、COレーザー(波長10640nm)が挙げられる。このため金属層13は、剥離層12の改質に用いられるレーザーに対する反射性を有することが好ましい。特に、エキシマレーザーまたはYAGレーザー、COレーザーに対する反射性を有することが好ましい。また、金属層13は、表示装置20の製造工程において、剥離層12を改質する際、剥離層12側からのガスを遮蔽し、樹脂基材22内に熱拡散が生じたりすることを防止する役割を果たす。このため、金属層13は、上述したレーザー光の反射性や、剥離層12側からのガスの遮蔽性、剥離層12との密着性が良好なもの、または耐酸化性、耐湿性若しくは耐酸性が良好なものが用いられる。
このような金属層13は、後述するように、剥離層12上にスパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法等の手法により形成されたものである。金属層13は、例えば、レーザー光の反射率が60%以上の層とすることができる。金属層13の材質としては、例えば、クロム、ニッケル、モリブデン、チタン、アルミニウム、銀、パラジウム、銅、タングステン又はこれらのうち少なくとも1つを含む合金等の金属材料を挙げることができる。とりわけ、金属層13は、モリブデン合金を含んでいることが好ましく、これにより、剥離層12を透過したレーザー光を効率良く反射することができる。具体的には、金属層13は、モリブデン、ニッケル及びチタンを含む合金、あるいはモリブデン及びニオブを含む合金からなることが好ましい。また、金属層13の厚みtは、レーザー光の反射率が60%以上となるように適宜設定することができ、例えば、30nm以上150nm以下程度が好ましい。金属層13の厚みtを30nm以上とすることにより、レーザー光を確実に反射させることができる。また、金属層13の厚みtを150nm以下とすることより、金属層13のコストを低減させることができる。なお、モリブデン合金はレーザー光の反射率が高いとともに、厚みによる反射率の差が小さい。これにより、金属層13がモリブデン合金からなっている場合、金属層13の厚みにかかわらずレーザー光の反射率を高めることができ、金属層13の厚みを薄くすることができる。このため、金属層13のコストを低減させることができる。また、モリブデン合金はポリイミドとの密着性が良好であるため、金属層13がモリブデン合金からなっており、剥離層12がポリイミドからなっている場合、表示装置形成用基板10を製造する際に、剥離層12と金属層13との密着性を高めることができる。
なお、本実施の形態において、図1に示すように、剥離層12および金属層13は、ガラス基材11の全域を覆っているが、これに限られるものではなく、金属層13が後述する樹脂基材22の全域を覆うことができれば、剥離層12の周縁部12eおよび金属層13の周縁部13eは、ガラス基材11の周縁部11eよりも内側に引っ込んでいても良い。すなわち、剥離層12の平面形状は、全周にわたってガラス基材11の平面形状よりも小さくなっていても良い。
(表示装置形成用中間体の構成)
次に、図2により、本実施の形態による表示装置形成用中間体の概略について説明する。図2は、本実施の形態による表示装置形成用中間体を示す断面図である。
図2に示す表示装置形成用中間体20Aは、後述する表示装置20(図3参照)を作製するためのものである。この表示装置形成用中間体20Aは、上述した表示装置形成用基板10と、表示装置形成用基板10を構成する金属層13上に配置された樹脂基材22と、を備えている。
このうち表示装置形成用基板10は、上述した表示装置形成用基板10と同様であり、ここでは、詳細な説明を省略する。
樹脂基材22は、後述する表示装置20の製造工程において、後述する薄膜トランジスタ23、有機EL素子24等を支持するものであり、金属層13上に直接形成された可撓性を有する平坦な層からなる。樹脂基材22は、後述するように、金属層13上にダイコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プラズマCVD法または熱CVD法、キャピラリーコート法、スリット及びスピン法、又は、中央滴下法等の手法により塗布形成されたものである。樹脂基材22には、上述したガラス基材11よりも可撓性を有し、耐熱性に優れた材質が用いられることが好ましい。また、本実施の形態において、樹脂基材22は透明である。ここで、本明細書中、「透明」とは、黄色度(イエローインデックス、YI)が、YI値8以下であることをいう。このように、YI値を8以下とすることにより、樹脂基材22の透明性を向上させ、表示装置20の透明性を向上させることができる。この場合、表示装置20がいわゆるボトムエミッション型であっても表示装置20の光取り出し効率を向上させることができる。また、表示装置20の透明性を向上させることができるため、表示装置20を透明なディスプレイに用いることもできる。なお、樹脂基材22の黄色度は、JIS K7373:2006の条件に準拠した測定方法により、測定することができる。具体的には、V−7100(日本分光(株)社製)を用いて、XYZ表色系における試験片の三刺激値を測定し、以下の式により、黄色度(YI)を算出することができる。
YI=100(1.2985X−1.1335Z)/Y
(ここで、X、Y及びZは、XYZ表色系における試験片の三刺激値)
このような樹脂基材22としては、例えば、透明のポリイミド(例えば三菱ガス化学社製ネオプリム(製品名))などを用いることができる。このような樹脂基材22は、レーザー光を透過可能であり、レーザー光の主波長(例えば、308nm、343nmまたは355nm、以下、単に主波長と記す)に対する透過率が1%以上とすることができる。これにより、後述するように、可視光領域における樹脂基材22の透明性を向上させることができる。樹脂基材22の厚みは、材質の強度、取り扱い適性等を考慮して設定することができ、例えば、5μm以上20μm以下程度の範囲で適宜設定することができる。
(表示装置の構成)
次に、図3により、本実施の形態による表示装置の概略について説明する。図3は、本実施の形態による表示装置を示す断面図である。この表示装置20は、上述した表示装置形成用基板10上に樹脂基材22を形成後、樹脂基材22上に後述する有機EL素子24等を配置するとともに、後述する封止樹脂25によって封止したものである。この際、表示装置20は、後述するように、有機EL素子24等を樹脂基材22上に複数配置し、ガラス基材11、剥離層12および金属層13を除去した後、個々の有機EL素子24毎に切断して個片化することにより形成される(図5乃至図8参照)。
図3に示す表示装置20は、支持基材21と、支持基材21上に配置された樹脂基材22と、樹脂基材22上に配置された薄膜トランジスタ(TFT)23と、樹脂基材22上に配置された有機EL素子24と、有機EL素子24上に配置された封止樹脂(TFE)25とを備えている。
このうち支持基材21は、表示装置20の全体を支持するものであり、可撓性を有するフィルムからなる。この支持基材21は、後述するように、接着剤により金属層13に貼り付けられている。また、支持基材21は透明であることが好ましい。この場合、支持基材21の黄色度は、YI値が8以下とすることができる。支持基材21としては、例えばポリエチレンテレフタレートを用いることができる。支持基材21の厚みは、材質の強度、取り扱い適性等を考慮して設定することができ、例えば、50μm以上250μm以下程度の範囲で適宜設定することができる。
樹脂基材22は、上述した表示装置形成用中間体20Aを構成するものである。樹脂基材22の構成は、上述した表示装置形成用中間体20Aの樹脂基材22と同様であり、ここでは、詳細な説明を省略する。
薄膜トランジスタ23は、有機EL素子24を駆動するためのものであり、有機EL素子24の後述する第1電極26および第2電極28に印加される電圧を制御するようになっている。
有機EL素子24は、薄膜トランジスタ23に電気的に接続されている。図3に示すように、有機EL素子24は、樹脂基材22上に配置された第1電極(反射電極)26と、第1電極26上に配置された有機発光層27と、有機発光層27上に配置された第2電極(透明電極)28とを有している。ここでは、第1電極26が陽極を構成し、第2電極28が陰極を構成する例について説明する。しかしながら、第1電極26および第2電極28の極性が特に限られることはない。
第1電極26は、後述するように、樹脂基材22上にスパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法等の手法により形成されたものである。第1電極26の材質としては、効率良く正孔を注入できる材質を用いることが好ましい。第1電極26の材質としては、例えば、アルミニウム、クロム、モリブデン、タングステン、銅、銀または金およびそれらの合金等の金属材料を挙げることができる。
有機発光層27は、後述するように、第1電極26上に蒸着法、ノズルから塗布液を塗布するノズル塗布法、インクジェット等の印刷法により形成されたものである。有機発光層27としては、所定の電圧を印加することにより白色光を発光するよう構成された蛍光性有機物質を含有するものが好ましく、例えば、キノリノール錯体、オキサゾール錯体、各種レーザー色素、ポリパラフェニレンビニレン等が挙げられる。
第2電極28は、後述するように、有機発光層27上にスパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法等の手法により形成されたものである。第2電極28の材質としては、電子を注入しやすく、かつ光透過性の良好な材質を用いることが好ましい。第2電極28の材質としては、例えば酸化リチウム、炭酸セシウム等が挙げられる。
有機EL素子24において発光した光は、樹脂基材22が位置する側とは反対の側へ取り出される。すなわち、有機EL素子24からの光は、封止樹脂25の上方から取り出される。このように本実施の形態における表示装置20は、いわゆるトップエミッション型の表示装置となっている。
封止樹脂25は、有機EL素子24を封止し、有機EL素子24を保護するためのものである。封止樹脂25は、後述するように、樹脂基材22、薄膜トランジスタ23、第1電極26および第2電極28上にダイコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プラズマCVD法または熱CVD法、キャピラリーコート法、スリット及びスピン法、又は、中央滴下法等の手法により塗布形成されたものである。封止樹脂25には、上述したガラス基材11よりも可撓性を有した材質を用いることが好ましい。封止樹脂25としては、例えば、シリコーン樹脂やアクリル系樹脂を用いることができる。封止樹脂25の厚み(図3における樹脂基材22の上面から封止樹脂25の上面までの距離)は、材質の強度、取り扱い適性等を考慮して設定することができ、例えば、1μm以上50μm以下程度の範囲で適宜設定することができる。
なお、本実施の形態において、図3に示すように、表示装置20がトップエミッション型である例を示したが、これに限られるものではなく、表示装置20がいわゆるボトムエミッション型であってもよい。本実施の形態においては、上述したように、樹脂基材22が透明であるため、ボトムエミッション型の表示装置20であっても光取り出し効率を向上させることができる。
(表示装置形成用基板の製造方法)
次に、図4(a)−(c)により、本実施の形態による表示装置形成用基板の製造方法について説明する。図4(a)−(c)は、本実施の形態による表示装置形成用基板の製造方法を示す断面図である。
まず、図4(a)に示すように、平坦な板状の部材からなるガラス基材11を準備する。このとき、例えば、G6サイズ(1800mm×1500mm)のガラス基材11を準備する。このガラス基材11としては、例えば、無アルカリガラス、石英ガラス、パイレックス(登録商標)類を用いることができる。
次に、図4(b)に示すように、ガラス基材11上に剥離層12を直接積層して形成する。剥離層12としては、上述したように、レーザー光を吸収することにより発熱し、分解され、密着力が低下または消失するものが用いられる。例えば、剥離層12としては、エキシマレーザーなどの特定波長(例えば波長308nm)を吸収するような特性を有するアモルファスシリコンやポリイミド等の剥離材料などを用いることができる。とりわけ、剥離層12は、ポリイミドを含んでいることが好ましい。
剥離層12は、例えばダイコート法、インクジェット法、スプレーコート法、キャピラリーコート法、スリット及びスピン法、又は、中央滴下法等の手法により形成される。このため、ガラス基材11上に発泡型の接着フィルム、テープ等を貼着する場合と比べて、フィルム、テープ等にうねりや接着剤等の厚みムラが生じるおそれがなく、剥離層12の平坦性を高めることができる。このようにして、ガラス基材11上に剥離層12が形成される。なお、本実施の形態においては、剥離層12は、例えば、ガラス基材11の回転速度を2500rpmに設定し、スピン法によりガラス基材11上にポリイミドの前駆体を塗布した後に、減圧乾燥装置(VCD)を用いて25Paの減圧条件で乾燥させ、300℃、5分間の条件で焼成させることにより形成される。
続いて、図4(c)に示すように、剥離層12上に金属層13を積層する。金属層13は、後工程で表示装置形成用基板10上に形成される樹脂基材22を保護するためのものである。金属層13としては、レーザー光の反射性や剥離層12側からのガスの遮蔽性が良好なものが用いられる。金属層13は、例えばクロム、モリブデン、チタン、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、パラジウム、タングステン又はこれらのうち少なくとも1つを含む合金等の金属材料からなっていても良い。とりわけ、金属層13は、モリブデン合金を含んでいることが好ましい。具体的には、金属層13は、モリブデン、ニッケル及びチタンを含む合金、あるいはモリブデン及びニオブを含む合金からなることが好ましい。金属層13は、剥離層12上にスパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法等の手法により形成される。このため、薄膜状の金属層13を均一かつ平坦に形成することができる。
このようにして、図1に示す表示装置形成用基板10が得られる。
(表示装置の製造方法)
次に、図5(a)−(e)、図6(a)−(c)、図7(a)−(c)及び図8(a)−(b)により、本実施の形態による表示装置の製造方法について説明する。図5(a)−(e)、図6(a)−(c)、図7(a)−(c)及び図8(a)−(b)は、本実施の形態による表示装置の製造方法を示す断面図である。
まず、例えば図4(a)−(c)に示す方法により、表示装置形成用基板10を作製する(図5(a))。
次に、表示装置形成用基板10の金属層13上に樹脂基材22を配置する(図5(b))。樹脂基材22には、ガラス基材11よりも可撓性を有し、耐熱性に優れたものが用いられても良い。また、樹脂基材22は透明であるものが用いられる。また、樹脂基材22は、レーザー光を透過可能であり、レーザー光の主波長に対する透過率が1%以上であることが好ましい。例えば、樹脂基材22としては、透明のポリイミドを用いることができる。樹脂基材22は、金属層13上にダイコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プラズマCVD法または熱CVD法、キャピラリーコート法、スリット及びスピン法、又は、中央滴下法等の手法により形成される。このようにして、表示装置形成用中間体20Aが作製される。
次いで、樹脂基材22上に薄膜トランジスタ23を配置する(図5(c))。このとき、樹脂基材22上には、図示はしないが、各々が各表示装置20に対応する複数の薄膜トランジスタ23が配置される。このようにして表示装置20の第1中間体20aが形成される。なお、複数の薄膜トランジスタ23が樹脂基材22上に配置された後、切断装置(図示せず)によって、表示装置20の第1中間体20aは、平面視で、例えば半分の大きさに切断される。
次に、樹脂基材22上に有機EL素子24を配置する(図5(d))。このとき、樹脂基材22上には、図示はしないが、各々が各表示装置20に対応する複数の有機EL素子24が配置される。各々の有機EL素子24は、樹脂基材22上に配置された第1電極26と、第1電極26上に配置された有機発光層27と、有機発光層27上に配置された第2電極28とを有している。この場合、まず、樹脂基材22上に第1電極26を形成する。第1電極26には、効率良く正孔を注入できる材料が用いられる。例えば、第1電極26としては、アルミニウム、クロム、モリブデン、タングステン、銅、銀または金およびそれらの合金等の金属材料を用いることができる。第1電極26は、樹脂基材22上にスパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法等の手法により形成される。この際、有機EL素子24の第1電極26が薄膜トランジスタ23に電気的に接続される。
次いで、第1電極26上に有機発光層27を形成する。有機発光層27には、所定の電圧を印加することにより白色光を発光するよう構成された蛍光性有機物質を含有するものが用いられる。例えば、有機発光層27としては、キノリノール錯体、オキサゾール錯体、各種レーザー色素、ポリパラフェニレンビニレン等を用いることができる。有機発光層27は、第1電極26上に蒸着法、ノズルから塗布液を塗布するノズル塗布法、インクジェット等の印刷法により形成される。
次に、有機発光層27上に第2電極28を形成する。第2電極28には、電子を注入しやすく、かつ光透過性の良好な材料が用いられる。例えば、第2電極28としては、酸化リチウム、炭酸セシウム等を用いることができる。第2電極28は、有機発光層27上にスパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法等の手法により形成される。このようにして、樹脂基材22上に有機EL素子24が配置される。
次いで、樹脂基材22上に配置された有機EL素子24を封止樹脂25によって封止する(図5(e))。封止樹脂25には、上述したガラス基材11よりも可撓性を有する材料が用いられても良い。例えば、封止樹脂25としては、シリコーン樹脂やアクリル系樹脂が用いられる。封止樹脂25は、樹脂基材22、薄膜トランジスタ23、第1電極26および第2電極28上にダイコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プラズマCVD法または熱CVD法、キャピラリーコート法、スリット及びスピン法、又は、中央滴下法等の手法により形成される。このようにして、有機EL素子24が封止樹脂25によって覆われる。
次に、封止樹脂25上に仮支持基材29を配置する(図6(a))。仮支持基材29は、表示装置20の製造工程において作製された表示装置20の第1中間体20aを仮支持するものである。仮支持基材29には、可撓性を有するフィルムが用いられる。例えば、仮支持基材29としては、ポリエチレンテレフタレートからなるフィルムを用いることができる。仮支持基材29は、接着剤により封止樹脂25上に貼り付けられても良い。仮支持基材29の厚みは、材質の強度、取り扱い適性等を考慮して設定することができ、例えば、50μm以上250μm以下程度の範囲で適宜設定することができる。このようにして、仮支持基材29が配置された表示装置20の第2中間体20bが作製される。
続いて、作製された表示装置20の第2中間体20bを反転させ、ガラス基材11を金属層13から剥離する。このとき、ガラス基材11側からエキシマレーザー(波長248nmまたは308nm)やYAGレーザー等のレーザー光Lを照射する(図6(b))。レーザー光Lは、図示しないレーザー光照射装置から照射され、レーザー光Lが第2中間体20bの面内に均一に走査される。このように照射されたレーザー光Lは、透明なガラス基材11を透過して剥離層12に到達する。上述したように、剥離層12は、改質されることにより密着力が低下又は消失する。このため、レーザー光Lによって改質されることにより、剥離層12の密着力が低下又は消失し、ガラス基材11は、金属層13から剥離する(図6(c))。
一方、剥離層12の面のうちガラス基材11の反対側の面には、金属層13が設けられている。このため、剥離層12を透過したレーザー光Lは、金属層13によって反射されて、ガラス基材11側に戻される。したがって、レーザー光Lが樹脂基材22まで達することがなく、剥離層12を透過したレーザー光Lが樹脂基材22に悪影響を及ぼすことはない。また、レーザー光Lが樹脂基材22まで達することがないため、樹脂基材22が透明であっても剥離層12を改質することができる。なお、金属層13は、樹脂基材22に密着した状態を維持する。
次いで、ガラス基材11を金属層13から剥離した後、樹脂基材22から金属層13を除去する(図7(a))。この場合、例えば、金属層13上に付着した剥離層12の残渣を酸化プラズマまたは酸化ソルベントストリッピング(オゾンプラズマ、ピラニア洗浄、RCA洗浄)などで除去した後、エッチング液として苛性カリ−過酸化水素水等を用いた選択エッチング法により、樹脂基材22から金属層13を除去する。なお、この際、金属層13を所望の形状にパターニングすることにより、金属層13の一部を樹脂基材22上に残していても良い。
次いで、金属層13が除去された樹脂基材22上に、表示装置20を支持する支持基材21を配置する(図7(b))。支持基材21には、上述したガラス基材11よりも可撓性を有するフィルムが用いられる。また、支持基材21は透明であるものが用いられても良い。この場合、支持基材21の黄色度は、YI値が8以下であることが好ましい。例えば、支持基材21としては、ポリエチレンテレフタレートからなるフィルムを用いることができる。支持基材21は、接着剤により樹脂基材22に貼り付けられても良い。このようにして、表示装置20の第2中間体20bが支持基材21に支持される。
次に、表示装置20の第2中間体20bを反転させる(図7(c))。
その後、仮支持基材29を封止樹脂25から剥離する(図8(a))。なお、仮支持基材29を封止樹脂25から剥離した後、切断装置(図示せず)によって、表示装置20の第2中間体20bは個々の表示装置20毎に切断され個片化される(図8(b))。
以上の一連の工程により、図3に示す表示装置20を得ることができる(図8(b))。
このように、本実施の形態によれば、剥離層12はレーザー光Lを吸収することにより分解され、金属層13が剥離層12を透過したレーザー光Lを反射可能になっている。これにより、表示装置20の製造工程において、ガラス基材11を金属層13から確実に剥離することができるとともに、剥離層12をレーザー光Lによって加熱する際、レーザー光Lから樹脂基材22を保護することができる。この結果、樹脂基材22や有機EL素子等の破れまたは樹脂基材22に煤が発生することを抑制することができる。すなわち、ガラス基材11の厚みにムラがあることを考慮して、レーザー光Lの焦点が確実に剥離層12に達するように設定しておくことができる。この場合、ガラス基材11の厚みのムラにより、レーザー光Lの焦点が樹脂基材22側にずれたとしても、金属層13によってレーザー光Lが反射される。この結果、樹脂基材22が金属層13により保護され、樹脂基材22にレーザー光Lが到達する不具合が防止される。
また、レーザー光Lの焦点が剥離層12に確実に達するので、有機EL素子24等の破損しやすい素子を破損することなく剥離層12を分解し、ガラス基材11を確実に除去することができる。
また、本実施の形態によれば、樹脂基材22が透明である。これにより、表示装置20の透明性を向上させることができる。このため、表示装置20がいわゆるボトムエミッション型の表示装置20であっても光取り出し効率を向上させることができる。また、表示装置20の透明性を向上させることができるため、表示装置20を透明なディスプレイに用いることもできる。
また、本実施の形態によれば、樹脂基材22は、レーザー光Lを透過可能であり、レーザー光Lの主波長に対する透過率が1%以上である。これにより、樹脂基材22の透明性を向上させることができる。なお、このようにレーザー光Lの主波長に対する透過率の違いにより、透明性を向上させることができることは、後述する実施例によって説明する。
また、金属層13が剥離層12を透過したレーザー光Lを確実に反射するので、樹脂基材22が透明であっても、ガラス基材11を確実に除去することができる。すなわち、仮に樹脂基材22を透明にし、金属層13を設けないとした場合、レーザー光Lが樹脂基材22を透過し、樹脂基材22がレーザー光Lを吸収することができなくなる。この場合、ガラス基材11と樹脂基材22との密着性を低下させることができなくなり、樹脂基材22からガラス基材11を剥離することが困難になる。一方、本実施の形態のように、剥離層12上に金属層13を設けた場合、樹脂基材22が透明であっても、金属層13が剥離層12を透過したレーザー光Lを確実に反射することができる。このため、樹脂基材22が透明であっても(樹脂基材22の黄色度の値に関わらず)、剥離層12を効果的に加熱することができ、レーザー光Lにより剥離層12を分解することができる。この結果、樹脂基材22からガラス基材11を容易に剥離することができる。
また、本実施の形態によれば、金属層13がモリブデン合金を含んでいることにより、剥離層12を透過したレーザー光Lを効率良く反射させることができる。また、モリブデン合金を含んでいる金属層13は、剥離層12側からのガスの遮蔽性が良好であるため、表示装置20の製造工程において、剥離層12を改質する際、剥離層12側からのガスを遮蔽し、樹脂基材22内に熱拡散が生じることを防止することができる。さらに、モリブデン合金からなる金属層13は、金属層13の耐酸化性、耐湿性および耐酸性を向上させることができる。
さらに、剥離層12がポリイミドを含んでいることにより、剥離層12がレーザー光Lを効率良く吸収することができる。このため、ガラス基材11を金属層13から効率良く剥離することができる。また、ポリイミドからなる剥離層12はレーザー光Lを効率良く吸収することができるため、剥離層12の厚みtを薄くすることができ、剥離層12のコストを低減させることができる。さらに、ポリイミドは耐熱性に優れているため、剥離層12がポリイミドからなることにより、薄膜トランジスタ23を設ける際の熱に対して、剥離層12に耐熱性を付与することができる。このため、薄膜トランジスタ23を樹脂基材22上に設ける際にガラス基材11が金属層13から剥離する等の不具合を抑制することができる。
(変形例)
次に、本実施の形態の変形例について説明する。図9乃至図11は、表示装置の変形例を示す概略図であり、図12及び図13は、表示装置の製造方法の変形例を示す概略図である。図9乃至図13に示す変形例は、主として有機EL素子24に代えて液晶層94を用いる点が異なるものである。図9乃至図13において、図1乃至図8に示す実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
すなわち図1乃至図8において、有機EL素子24を含む表示装置20を例にとって説明した。しかしながら、これに限らず、表示装置20として液晶表示装置が用いられても良い。図9(a)は、このような液晶表示装置を作製するためのカラーフィルタ層側中間製品を示しており、図9(b)は、このような液晶表示装置を作製するための薄膜トランジスタ側中間製品を示している。以下、このような中間製品について説明する。
(カラーフィルタ層側中間製品の構成)
まず、図9(a)により、本実施の形態による表示装置を作製するためのカラーフィルタ層側中間製品の概略について説明する。図9(a)は、本実施の形態による表示装置を作製するためのカラーフィルタ層側中間製品を示す断面図である。
図9(a)に示すように、カラーフィルタ層側中間製品(第1中間製品)80Aは、第1ガラス基材(ガラス基材)81と、第1ガラス基材81上に積層され、レーザー光Lを吸収することにより分解される第1剥離層(剥離層)82と、第1剥離層82上に積層され、第1剥離層82を透過したレーザー光Lを反射可能な第1金属層(金属層)83と、第1金属層83上に設けられた第1樹脂基材(樹脂基材)84とを有している。また、第1金属層83上にカラーフィルタ層85が設けられ、カラーフィルタ層85上に第1配向層86が設けられている。なお、第1ガラス基材81、第1剥離層82、第1金属層83及び第1樹脂基材84は、それぞれ上述した有機EL用の表示装置形成用基板10のガラス基材11、剥離層12及び金属層13並びに表示装置形成用中間体20Aの樹脂基材22と略同様の構成を有していても良い。
カラーフィルタ層85は、後述する光源からの光のうち所望の波長の光のみを取り出すため、または光源からの光の色純度を向上させるためのものである。カラーフィルタ層85の厚みは、例えば、1.0μm以上6.0μm以下程度の範囲で適宜設定することができる。
また、第1配向層86は、後述する液晶層の液晶を配向させる機能を有するものである。第1配向層86を構成する材料としては、液晶を配向させることができるものであれば特に限定されるものではない。このような第1配向層86としては、液晶を第1配向層86上において第1配向層86の表面に対して平行方向に移行させる平行配向膜や、液晶を第1配向層86上において第1配向層86の表面に対して垂直に配向させる垂直配向膜を挙げることができる。また、第1配向層86の厚みは、例えば、100nm以上1000nm以下程度の範囲で適宜設定することができる。
(薄膜トランジスタ側中間製品の構成)
次に、図9(b)により、本実施の形態による表示装置を作製するための薄膜トランジスタ側中間製品の概略について説明する。図9(b)は、本実施の形態による表示装置を作製するための薄膜トランジスタ側中間製品を示す断面図である。
図9(b)に示すように、薄膜トランジスタ側中間製品(第2中間製品)80Bは、第2ガラス基材(ガラス基材)87と、第2ガラス基材87上に積層され、レーザー光Lを吸収することにより分解される第2剥離層(剥離層)88と、第2剥離層88上に積層され、第2剥離層88を透過したレーザー光Lを反射可能な第2金属層(金属層)89と、第2金属層89上に設けられた第2樹脂基材(樹脂基材)91とを有している。また、第2樹脂基材91上に薄膜トランジスタ92が設けられ、薄膜トランジスタ92上に第2配向層93が設けられている。なお、第2ガラス基材87、第2剥離層88、第2金属層89、第2樹脂基材91及び薄膜トランジスタ92は、それぞれ上述した有機EL用の表示装置形成用基板10のガラス基材11、剥離層12及び金属層13、表示装置形成用中間体20Aの樹脂基材22並びに表示装置20の薄膜トランジスタ23と略同様の構成を有していても良い。また、第2配向層93は、上述した第1配向層86と同様であり、ここでは詳細な説明は省略する。
(表示装置形成用基板の構成)
次に、図10により、本実施の形態による表示装置を作製するための表示装置形成用基板の概略について説明する。図10は、本実施の形態による表示装置を作製するための表示装置形成用基板を示す断面図である。
図10に示すように、表示装置形成用基板(フレキシブルLCDセル)100は、第1偏光板95と、第1偏光板95上に配置された第1樹脂基材84と、第1樹脂基材84上に積層されたカラーフィルタ層85と、カラーフィルタ層85上に積層された第1配向層86と、第1配向層86上に配置された液晶層94とを備えている。また、表示装置形成用基板100は、液晶層94上に積層された第2配向層93と、第2配向層93上に配置された薄膜トランジスタ92と、薄膜トランジスタ92上に配置された第2樹脂基材91と、第2樹脂基材91上に配置された第2偏光板96とを備えている。このうち、第1樹脂基材84、カラーフィルタ層85及び第1配向層86は、上述したカラーフィルタ層側中間製品80Aを構成するものである。第1樹脂基材84、カラーフィルタ層85及び第1配向層86の構成は、上述したカラーフィルタ層側中間製品80Aの第1樹脂基材84、カラーフィルタ層85及び第1配向層86と同様であり、ここでは、詳細な説明を省略する。また、第2配向層93、薄膜トランジスタ92及び第2樹脂基材91は、上述した薄膜トランジスタ側中間製品80Bを構成するものである。第2配向層93、薄膜トランジスタ92及び第2樹脂基材91の構成は、上述した薄膜トランジスタ側中間製品80Bの第2配向層93、薄膜トランジスタ92及び第2樹脂基材91と同様であり、ここでは、詳細な説明を省略する。すなわち、第1樹脂基材84および第2樹脂基材91は、樹脂基材22と同様に、それぞれ透明な樹脂基材からなる。このような第1樹脂基材84および第2樹脂基材91は、レーザー光Lを透過可能であり、レーザー光Lの主波長に対する透過率が1%以上である。
第1偏光板95は、入射した光を直交する2つの偏光成分に分解し、一方の方向に振動する偏光成分を透過させ、当該一方の方向に直交する他方の方向に振動する偏光成分を吸収する役割を果たす。
液晶層94は、第1配向層86と第2配向層93との間に挟持されている。この液晶層94は、後述するように、カラーフィルタ層側中間製品80A及び薄膜トランジスタ側中間製品80Bのうちの、いずれか一方の中間製品80A、80B上に、UV硬化樹脂及び/又は熱硬化剤を含むシール材(図示せず)を塗布するとともに、液晶を滴下し、他方の中間製品80B、80Aを貼り合せ、紫外線及び/又は熱によりシール材を硬化させることにより、得ることができる。
第2偏光板96は、上述した第1偏光板95と同様であり、ここでは詳細な説明は省略する。
(表示装置の構成)
次に、図11により、本実施の形態による表示装置の概略について説明する。図11は、本実施の形態による表示装置を示す断面図である。
図11に示すように、表示装置110は、表示装置形成用基板100の第2偏光板96上に、光を照射する光源111を設けたものである。この光源111は公知の光源を利用することができる。
(表示装置形成用基板の製造方法)
次に、図12(a)−(c)及び図13(a)−(c)により、本実施の形態による表示装置形成用基板及び表示装置の製造方法について説明する。図12(a)−(c)及び図13(a)−(c)は、本実施の形態による表示装置形成用基板及び表示装置の製造方法を示す断面図である。
まず、図9(a)−(b)に示すカラーフィルタ層側中間製品(第1中間製品)80Aおよび薄膜トランジスタ側中間製品(第2中間製品)80Bをそれぞれ準備する。
次に、カラーフィルタ層側中間製品80Aの第1配向層86と薄膜トランジスタ側中間製品80Bの第2配向層93との間に液晶層94を設ける。この場合、減圧下において、まず、カラーフィルタ層側中間製品80A及び薄膜トランジスタ側中間製品80Bのうちの、いずれか一方の中間製品80A、80B上に、UV硬化樹脂及び/又は熱硬化剤を含むシール材(図示せず)を塗布し、さらに液晶を滴下する。その後、他方の中間製品80B、80Aを貼り合せ、紫外線及び/又は熱によりシール材を硬化させる。これにより、カラーフィルタ層側中間製品80Aと、薄膜トランジスタ側中間製品80Bと、カラーフィルタ層側中間製品80Aと薄膜トランジスタ側中間製品80Bとの間に挟持された液晶層94とを有する第1中間体90aが得られる(図12(a)参照)。
続いて、図12(b)に示すように、図示しない光照射装置を用いて、第1中間体90aの第1ガラス基材81側から第1剥離層82に向けてレーザー光Lを照射することにより、第1剥離層82を分解し、第1ガラス基材81を第1金属層83から剥離する。その後、第1樹脂基材84上に残存する第1剥離層82及び第1金属層83を除去する。
次いで、図12(c)に示すように、第1剥離層82及び第1金属層83が除去された第1樹脂基材84上に、第1偏光板95を貼り合わせることにより、第2中間体90bが得られる。
次に、図13(a)に示すように、上述した光照射装置を用いて、第2中間体90bの第2ガラス基材87側から第2剥離層88に向けてレーザー光Lを照射することにより、第2剥離層88を分解し、第2ガラス基材87を第2金属層89から剥離する。その後、第2樹脂基材91上に残存する第2剥離層88及び第2金属層89を除去する。
次いで、図13(b)に示すように、第2剥離層88及び第2金属層89が除去された第2樹脂基材91上に、第2偏光板96を貼り合わせる。これにより、第1偏光板95と、第1樹脂基材84と、カラーフィルタ層85と、第1配向層86と、液晶層94と、第2配向層93と、薄膜トランジスタ92と、第2樹脂基材91と、第2偏光板96とが順次積層された液晶表示装置用の表示装置形成用基板100(フレキシブルLCDセル)が得られる。
次に、図13(c)に示すように、表示装置形成用基板100の第2偏光板96上に、光を照射する光源111を設ける。このようにして、表示装置110が得られる。
このように、本変形例においては、第1ガラス基材81及び第2ガラス基材87を、第1金属層83及び第2金属層89からそれぞれ確実に剥離することができるとともに、第1剥離層82及び第2剥離層88をレーザー光Lによってそれぞれ加熱する際、レーザー光Lから第1樹脂基材84及び第2樹脂基材91を保護することができる。この結果、第1樹脂基材84、第2樹脂基材91または液晶層94等に破れが生じたり、第1樹脂基材84及び第2樹脂基材91に煤が発生したりする不具合を防止することができる。これにより、第1ガラス基材81及び第2ガラス基材87の厚みのムラにより、レーザー光Lの焦点が第1樹脂基材84及び第2樹脂基材91側にずれたとしても、第1金属層83及び第2金属層89によってレーザー光Lが反射される。この結果、第1樹脂基材84及び第2樹脂基材91が第1金属層83及び第2金属層89により保護され、第1樹脂基材84及び第2樹脂基材91にレーザー光Lが到達する不具合が防止される。
また、本変形例においては、第1樹脂基材84及び第2樹脂基材91が透明である。これにより、表示装置110の透明性を向上させることができる。このため、表示装置110を透明なディスプレイに用いることもできる。
また、第1金属層83及び第2金属層89が第1剥離層82及び第2剥離層88を透過したレーザー光Lを確実に反射するので、第1樹脂基材84及び第2樹脂基材91が透明であっても、第1剥離層82及び第2剥離層88を効果的に加熱することができ、第1ガラス基材81及び第2ガラス基材87を確実に除去することができる。
次に、図14を用いて、上述した本実施の形態の作用について、具体的に説明する。図14は、樹脂基材の可視光領域における黄色度の違いによるレーザー光の透過率を説明する図である。
(実施例1)
図2に示す構成からなる表示装置形成用中間体を使用して、図3に示す構成からなる、表示装置20(実施例1)を作製した。この場合、ガラス基材11は無アクリルガラスを使用した。剥離層12は、剥離材料(Brewer Science, Inc.社製BREWER BOND701(製品名))を使用した。剥離層12は、ガラス基材11の回転速度を2500rpmに設定し、スピン法により剥離材料をガラス基材11上に塗布した後に、減圧乾燥装置(VCD)を用いて25Paの減圧条件で乾燥させ、300℃、5分間の条件で焼成させることにより形成した。金属層13は、日立金属(株)製Mo合金ターゲット(MTD)(製品名)を使用し、スパッタリング法により剥離層12上に成膜した。金属層13の厚みは100nmとした。また、樹脂基材22は、三菱ガス化学社製、ネオプリム(製品名)を使用した。このとき、樹脂基材22の可視光領域における黄色度は、YI値3.7であった。また、樹脂基材22のレーザー光に対する透過率を測定した結果、波長308nmのレーザー光に対する透過率が、22.42%であり、波長343nmのレーザー光に対する透過率が、55.39%であり、波長355nmのレーザー光に対する透過率が、63.82%であった。この結果を図14の実線に示す。
表示装置20の製造工程において、ガラス基材11側から剥離層12に向けてレーザー光を照射した。このとき、レーザー光を波長308nmのエキシマレーザー、波長343nmのYAGレーザー、および波長355nmのYAGレーザーとし、それぞれのレーザー光ごとにガラス基材11を金属層13から剥離した際に、樹脂基材22や有機EL素子24等に破れが発生しているか否かを観察し、外観評価を行った。また、表示装置20の透明性についても外観評価を行った。この結果を表1に示す。
(実施例2)
樹脂基材22の可視光領域における黄色度が、YI値7.6であったこと、樹脂基材22のレーザー光に対する透過率を測定した結果、波長308nmのレーザー光に対する透過率が、0.973%であり、波長343nmのレーザー光に対する透過率が、10.70%であり、波長355nmのレーザー光に対する透過率が、16.06%であったこと、以外は、上述した実施例1と同様にして、表示装置20(実施例2)を作製した。樹脂基材22のレーザー光に対する透過率を測定した結果を図14の一点鎖線に示す。
この表示装置20の製造工程において、上述した実施例1と同様に、ガラス基材11を金属層13から剥離した際に、樹脂基材22や有機EL素子24等に破れが発生しているか否かを観察し、外観評価を行った。また、表示装置20の透明性についても外観評価を行った。この結果を表1に示す。
(比較例1)
樹脂基材の可視光領域における黄色度が、YI値17.2であったこと、樹脂基材のレーザー光に対する透過率を測定した結果、波長308nm、343nm及び355nmのレーザー光に対する透過率が、それぞれ0%であったこと、以外は、上述した実施例1と同様にして、表示装置(比較例1)を作製した。樹脂基材のレーザー光に対する透過率を測定した結果を図14の二点鎖線に示す。
この表示装置の製造工程において、上述した実施例1と同様に、ガラス基材を金属層から剥離した際に樹脂基材や有機EL素子等に破れが発生しているか否かを観察し、外観評価を行った。また、表示装置の透明性についても外観評価を行った。この結果を表1に示す。
(比較例2)
表示装置形成用中間体が剥離層12および金属層13を有していないこと、以外は、上述した実施例1と同様にして、表示装置(比較例2)を作製した。この表示装置の製造工程において、上述した実施例1と同様に、ガラス基材を金属層から剥離した際に樹脂基材や有機EL素子等に破れが発生しているか否かを観察し、外観評価を行った。また、表示装置の透明性についても外観評価を行った。この結果を表1に示す。
(比較例3)
表示装置形成用中間体が剥離層12および金属層13を有していないこと、以外は、上述した実施例2と同様にして、表示装置(比較例3)を作製した。この表示装置の製造工程において、上述した実施例2と同様に、ガラス基材を金属層から剥離した際に樹脂基材や有機EL素子等に破れが発生しているか否かを観察し、外観評価を行った。また、表示装置の透明性についても外観評価を行った。この結果を表1に示す。
(比較例4)
表示装置形成用中間体が剥離層12および金属層13を有していないこと、以外は、上述した実施例3と同様にして、表示装置(比較例4)を作製した。この表示装置の製造工程において、上述した実施例3と同様に、ガラス基材を金属層から剥離した際に樹脂基材や有機EL素子等に破れが発生しているか否かを観察し、外観評価を行った。また、表示装置の透明性についても外観評価を行った。この結果を表1に示す。
Figure 2019039983
この結果、比較例1による表示装置においては、レーザー光の波長がいずれの場合においても、樹脂基材や有機EL素子等に破れが発生していなかったが、樹脂基材の可視光領域における黄色度が、YI値17.2であり、表示装置の透明性が低かった。これに対して実施例1による表示装置20においては、レーザー光の波長がいずれの場合においても、樹脂基材や有機EL素子等に破れが発生していなく、かつ、樹脂基材22の可視光領域における黄色度が、YI値3.7であり、表示装置20の透明性が高かった。また、実施例2による表示装置20においては、レーザー光の波長がいずれの場合においても、樹脂基材や有機EL素子等に破れが発生していなく、かつ、樹脂基材22の可視光領域における黄色度が、YI値7.6であり、表示装置20の透明性が高かった。
このように、実施例1および実施例2においては、ガラス基材11を確実に剥離することができるとともに、樹脂基材22の可視光領域における黄色度を低下させることができることが分かった。このため、樹脂基材22の透明性を向上させることができ、表示装置20の透明性を向上させることができることが分かった。
また、比較例2による表示装置においては、レーザー光の波長が308nmの場合において、樹脂基材や有機EL素子等に破れが発生していた。これに対して実施例1および実施例2による表示装置20は、レーザー光の波長が308の場合において、樹脂基材や有機EL素子等に破れが発生していなかった。また、比較例2および比較例3による表示装置においては、レーザー光の波長が343nmの場合において、樹脂基材や有機EL素子等に破れが発生していた。これに対して実施例1および実施例2による表示装置20は、レーザー光の波長が308の場合において、樹脂基材や有機EL素子等に破れが発生していなかった。さらに、比較例2および比較例3による表示装置においては、レーザー光の波長が355nmの場合において、樹脂基材や有機EL素子等に破れが発生していた。これに対して実施例1および実施例2による表示装置20は、レーザー光の波長が308の場合において、樹脂基材や有機EL素子等に破れが発生していなかった。
このように、実施例1および実施例2による表示装置20は、樹脂基材22のレーザー光に対する透過率が1%以上の場合においてもガラス基材11を確実に剥離することができ、明らかに樹脂基材22への悪影響を抑制できることが分かった。
このように、実施例1および実施例2においては、樹脂基材22のレーザー光に対する透過率が1%以上の場合においてもガラス基材11を確実に剥離することができる。このため、上述したように樹脂基材22の透明性を向上させることができ、表示装置20の透明性を向上させることができる。具体的には、図14に示すように、樹脂基材22が、レーザー光の主波長に対する透過率が1%以上の場合、樹脂基材22の可視光領域における黄色度を低くすることができる。ここで、上述したように、図14の実線は、実施例1および比較例2に使用した樹脂基材のレーザー光に対する透過率であって、樹脂基材の可視光領域における黄色度が、YI値3.7の場合のレーザー光の透過率を示している。また、図14の一点鎖線は、実施例2および比較例3に使用した樹脂基材のレーザー光に対する透過率であって、樹脂基材の可視光領域における黄色度が、YI値7.6の場合のレーザー光に対する透過率を示している。さらに、図14の二点鎖線は、比較例1および比較例4に使用した樹脂基材のレーザー光に対する透過率であって、樹脂基材の可視光領域における黄色度が、YI値17.2の場合のレーザー光に対する透過率を示している。このように、レーザー光の主波長に対する透過率が1%以上(図14に示す実線および一点鎖線)の場合、樹脂基材22の可視光領域における黄色度を低くすることができるため、樹脂基材22の透明性を向上させ、表示装置20の透明性を向上させることができる。この場合、表示装置20がいわゆるボトムエミッション型であっても表示装置20の光取り出し効率を向上させることができる。また、表示装置20の透明性を向上させることができるため、表示装置20を透明なディスプレイに用いることもできる。
上記実施の形態および変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記実施の形態および変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
11 ガラス基材
12 剥離層
13 金属層
20 表示装置
20A 表示装置形成用中間体
21 支持基材
22 樹脂基材
23 薄膜トランジスタ
24 有機EL素子
25 封止樹脂
29 仮支持基材
80A カラーフィルタ層側中間製品
80B 薄膜トランジスタ側中間製品
81 第1ガラス基材
82 第1剥離層
83 第1金属層
84 第1樹脂基材
85 カラーフィルタ層
86 第1配向層
87 第2ガラス基材
88 第2剥離層
89 第2金属層
91 第2樹脂基材
92 薄膜トランジスタ
93 第2配向層
94 液晶層
95 第1偏光板
96 第2偏光板
110 表示装置
111 光源

Claims (14)

  1. 表示装置を形成するための表示装置形成用中間体であって、
    ガラス基材と、
    前記ガラス基材上に積層され、レーザー光を吸収することにより分解される剥離層と、
    前記剥離層上に積層され、前記剥離層を透過した前記レーザー光を反射可能な金属層と、
    前記金属層上に配置された樹脂基材とを備え、
    前記樹脂基材は、透明であることを特徴とする表示装置形成用中間体。
  2. 前記樹脂基材の前記レーザー光の主波長に対する透過率が1%以上であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置形成用中間体。
  3. 前記金属層は、モリブデン合金を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置形成用中間体。
  4. 前記金属層の厚みは、10nm以上1000nm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の表示装置形成用中間体。
  5. 前記剥離層は、ポリイミドを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の表示装置形成用中間体。
  6. 前記剥離層の厚みは、50nm以上150nm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の表示装置形成用中間体。
  7. 支持基材と、
    前記支持基材上に配置された樹脂基材と、
    前記樹脂基材上に配置された薄膜トランジスタと、
    前記樹脂基材上に配置され、前記薄膜トランジスタに電気的に接続された有機EL素子と、
    前記有機EL素子上に配置され、前記有機EL素子を封止する封止樹脂とを備え、
    前記樹脂基材は、透明であることを特徴とする表示装置。
  8. 前記樹脂基材の、前記表示装置を作製する際に用いられるレーザー光の主波長に対する透過率が1%以上であることを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
  9. 第1偏光板と、
    前記第1偏光板上に配置された第1樹脂基材と、
    前記第1樹脂基材上に積層されたカラーフィルタ層と、
    前記カラーフィルタ層上に積層された第1配向層と、
    前記第1配向層上に配置された液晶層と、
    前記液晶層上に積層された第2配向層と、
    前記第2配向層上に配置された薄膜トランジスタと、
    前記薄膜トランジスタ上に配置された第2樹脂基材と、
    前記第2樹脂基材上に配置された第2偏光板と、
    前記第2偏光板上に配置された光源とを備え、
    前記第1樹脂基材及び前記第2樹脂基材は、透明であることを特徴とする表示装置。
  10. 前記第1樹脂基材及び前記第2樹脂基材の、前記表示装置を作製する際に用いられるレーザー光の主波長に対する透過率が1%以上であることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
  11. 表示装置の製造方法であって、
    ガラス基材と、前記ガラス基材上に積層され、レーザー光を吸収することにより分解される剥離層と、前記剥離層上に積層され、前記剥離層を透過した前記レーザー光を反射可能な金属層とを有する表示装置形成用基板を準備する工程と、
    前記表示装置形成用基板の前記金属層上に樹脂基材を配置する工程と、
    前記樹脂基材上に薄膜トランジスタを配置する工程と、
    前記樹脂基材上に、前記薄膜トランジスタに電気的に接続される有機EL素子を配置する工程と、
    前記有機EL素子を封止樹脂によって封止する工程と、
    前記封止樹脂上に、前記表示装置を仮支持する仮支持基材を配置する工程と、
    前記ガラス基材側から前記剥離層に向けてレーザー光を照射することにより前記ガラス基材を前記金属層から剥離する工程と、
    前記樹脂基材から前記金属層を除去する工程と、
    前記金属層が除去された前記樹脂基材上に、前記表示装置を支持する支持基材を配置する工程と、
    前記仮支持基材を前記封止樹脂から剥離する工程とを備え、
    前記樹脂基材は、透明であることを特徴とする表示装置の製造方法。
  12. 前記樹脂基材の前記レーザー光の主波長に対する透過率が1%以上であることを特徴とする請求項11に記載の表示装置の製造方法。
  13. 第1ガラス基材と、前記第1ガラス基材上に積層され、レーザー光を吸収することにより分解される第1剥離層と、前記第1剥離層上に積層され、前記第1剥離層を透過した前記レーザー光を反射可能な第1金属層と、前記第1金属層上に配置された第1樹脂基材と、前記第1樹脂基材上に配置されたカラーフィルタ層と、前記カラーフィルタ層上に配置された第1配向層とを有する第1中間製品を準備する工程と、
    第2ガラス基材と、前記第2ガラス基材上に積層され、前記レーザー光を吸収することにより分解される第2剥離層と、前記第2剥離層上に積層され、前記第2剥離層を透過した前記レーザー光を反射可能な第2金属層と、前記第2金属層上に設けられた第2樹脂基材と、前記第2樹脂基材上に配置された薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタ上に配置された第2配向層とを有する第2中間製品を準備する工程と、
    前記第1中間製品の前記第1配向層と前記第2中間製品の前記第2配向層との間に液晶層を設ける工程と、
    前記第1ガラス基材側から前記第1剥離層に向けて前記レーザー光を照射することにより、前記第1ガラス基材を前記第1金属層から剥離する工程と、
    前記第1樹脂基材から前記第1金属層を除去する工程と、
    前記第1金属層が除去された前記第1樹脂基材上に、前記第1偏光板を配置する工程と、
    前記第2ガラス基材側から前記第2剥離層に向けて前記レーザー光を照射することにより、前記第2ガラス基材を前記第2金属層から剥離する工程と、
    前記第2樹脂基材から前記第2金属層を除去する工程と、
    前記第2金属層が除去された前記第2樹脂基材上に、第2偏光板を配置する工程と、
    前記第2偏光板上に光源を配置する工程とを備え、
    前記第1樹脂基材及び前記第2樹脂基材は、透明であることを特徴とする表示装置の製造方法。
  14. 前記第1樹脂基材及び前記第2樹脂基材の前記レーザー光の主波長に対する透過率が1%以上であることを特徴とする請求項13に記載の表示装置の製造方法。
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