本発明は、プラスチック基板上に形成される光学フィルムの作製方法に関する。
近年、絶縁表面を有する基板上に形成された半導体薄膜(厚さ数〜数百nm程度)を用
いて薄膜トランジスタ(TFT)を構成する技術が注目されている。薄膜トランジスタはICや電子装置のような電子デバイスに広く応用され、特に液晶表示パネルや発光表示パネルのスイッチング素子として開発が急がれている。
液晶表示パネルにおいては、アモルファスシリコンまたはポリシリコンを半導体としたTFTをマトリクス状に配置して、各TFTに接続された画素電極とソース線とゲート線とがそれぞれ形成された素子基板と、これに対向配置された対向電極を有する対向基板との間に液晶材料が挟持されている。また、カラー表示するためのカラーフィルターは、素子基板又は対向基板上に形成されている。そして、素子基板と対向基板にそれぞれ光シャッタとして偏光板を配置し、カラー画像を表示している。
ここで、液晶表示パネルのカラーフィルターは、R(赤)、G(緑)、B(青)の着色層と、画素の間隙を覆う遮光マスク(ブラックマトリックス)とを有し、光を透過させることによって赤色、緑色、青色の光を抽出するものである。また、カラーフィルターの遮光マスクは、一般的に金属膜または黒色顔料を含有した有機膜で構成されている。このカラーフィルターは、画素に対応する位置に形成され、これにより画素ごとに取り出す光の色を変えることができる。なお、画素に対応した位置とは、画素電極と一致する位置を指す。
また、発光表示装置においては、赤色、緑色、あるいは青色を有する光を発光する発光素子をマトリクス状に配置するカラー化方式、白色光を発光する発光素子を用いカラーフィルターによるカラー化方式等がある。この白色光を発光する発光素子を用いたカラーフィルターによるカラー化方式は、原理的にはカラーフィルターを用いた液晶表示装置のカラー化方式と同様である(特許文献1参照。)。
特開2001−217072号公報
しかしながら、従来の液晶表示装置に用いられるカラーフィルターは、ガラス基板上に形成されていた。このため、該カラーフィルター、及びそれを用いた液晶表示装置は、耐衝撃性が低く、ガラス基板を薄くするほど割れやすくなるという問題があった。この結果、薄型の液晶表示装置を作製することが困難であった。
また、ガラス基板は可とう性を有していないため、曲面を有する部位又は表示装置にカラーフィルムを設けることが困難であった。
さらに、カラーフィルターの原料としては、着色樹脂、顔料分散樹脂が一般的だが、これらを硬化するためには、一定温度の加熱工程が必要である。このため、熱可塑性の基板にカラーフィルターを形成することが困難であった。
以上のことをふまえ、本発明では、プラスチック基板上に形成される光学フィルムの作製方法を提供する。
本発明の一は、第1の基板に、剥離層と、光学フィルターを有する被剥離体とを積層した後、第1の基板と向かい合うように、被剥離層上に第2の基板を第1の接着材を用いて貼り合わせ、剥離層と被剥離体との間において剥離することを特徴とする光学フィルムの作製方法である。
また、本発明の一は、第1の基板に、剥離層と、光学フィルターを有する被剥離体とを積層した後、第1の基板と向かい合うように、被剥離層上に剥離可能な粘着媒体を用いて支持体を接着した後、剥離層と被剥離体との間において剥離し、被剥離体上に、第2の基板を接着剤を用いて張り合わせた後、第支持体及び剥離可能な粘着媒体を光学フィルターから剥がすことを特徴とする光学フィルムの作製方法である。
なお、剥離層は、チタン、アルミニウム、タンタル、タングステン、モリブデン、銅、クロム、ネオジム、鉄、ニッケル、コバルト、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムから選ばれた元素、または元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料からなる単層、またはこれらの積層である。また、被剥離体は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、又は金属酸化物を有する。
本発明の一は、第1の基板上に、金属層、酸化物層、及び光学フィルターを積層して形成した後、光学フィルター上に第2の基板を貼り合わせ、光学フィルターから第1の基板を剥離する光学フィルムの作製方法である。
また、本発明の一は、第1の基板上に、金属層、酸化物層、及び光学フィルターを積層して形成した後、第1の基板から光学フィルターを剥離し、光学フィルターに第2の基板を接着する光学フィルムの作製方法である。
なお、本発明において、金属層と絶縁層を形成すると同時に、金属層と絶縁層との間に金属酸化層を形成してもよい。
また、絶縁層を形成した後加熱して、金属層と絶縁層との間に金属酸化層を形成した後、光学フィルターを形成してもよい。
また、光学フィルターを形成した後加熱して、剥離層と絶縁層との間に金属酸化層を形成してもよい。
また、金属層表面を酸化して金属酸化膜を形成した後、絶縁物層を形成してもよい。
なお、第1の基板から光学フィルターを剥離する工程においては、金属層と絶縁物層の間、代表的には、金属層と金属酸化層との間、金属酸化層と絶縁物層との間、又は金属酸化層において物理的手段により剥離する。
光学フィルターは、カラーフィルター、色変換フィルター、又はフォログラムカラーフィルターである。
第2の基板は、プラスチック基板からなる。この時の光学フィルムは、カラーフィルター、色変換フィルター、又はフォログラムカラーフィルターを有するフィルムである。
第2の基板として、光学フィルムを用いることができる。光学フィルムとしては、カラーフィルム、偏光板、位相差板と偏光板とで形成される楕円偏光板、反射性を有するフィルムを用いることができる。この時の、光学フィルターを有する光フィルムは、複数の光学的機能を示すものである。
第1の基板は、耐熱性を有する基板であることが好ましい。基板の代表例としては、代表的にはガラス基板、石英基板、セラミックス基板、シリコン基板、金属基板またはステンレス基板が挙げられる。
金属層の代表的例としては、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ネオジム(Nd)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)から選ばれた元素、または元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料からなる単層、またはこれらの積層、或いは、これらの窒化物が挙げられる。
酸化物層は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、又は金属酸化物からなる単層、またはこれらの積層が挙げられる。
金属酸化物層は、絶縁物層を形成するとき、又は絶縁物層を形成した後の加熱処理により、金属層の一部が酸化された層である。このため、代表的には、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ネオジム(Nd)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)から選ばれた元素の酸化物である。
なお、本発明において、表示装置とは、表示素子を用いたデバイス、即ち画像表示デバイスを指す。また、発光素子にコネクター、例えばFPC:Flexible Printed Circuit)もしくはTAB(Tape Automated Bonding)テープもしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または表示素子にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)やCPUが直接実装されたモジュールも全て表示装置に含むものとす
る。
本実施例により、プラスチック基板に光学フィルターを形成することができる。即ち、プラスチック基板上に光学フィルターが形成された光学フィルムを作製することができる。本発明で作製された光学フィルムは、可とう性を有するため曲面を有する部位、又は表示装置に設けることができる。また、光学フィルムを高温処理することがないため、歩留まり高く信頼性の高い光学フィルムを形成することができる。さらには、耐衝撃性の高い光学フィルムを形成することができる。
本発明により作製した光学フィルムを用いる表示装置は、素子が形成される層と光学フィルムとを別々の工程により形成し、両者が完成した後に両者を貼り合わせる。このような構成により、素子が形成される層、具体的にはTFTや表示素子の歩留まりと、光学フィルムの歩留まりとを個別に管理することができ、表示装置全体としての歩留まりの低下を抑制することができる。
また、アクティブマトリクス基板を作製する製造工程と光学フィルムを作製する製造工程とを同時に流すことが可能となるため、表示装置としての製造期間を短縮することができる。
また、プラスチック基板を用いているため、軽量化を図り、かつ耐衝撃性を高めた表示装置を作製することができる。
以下、発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、各図面において共通の部分は同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
(第1実施形態)
次に、プラスチック基板上に光学フィルムを形成する方法を図1(A)〜図1(E)を用いて示す。
始めに、図1(A)に示すように、第1の基板101上に金属層102を形成する。第1の基板としては、耐熱性を有する材料、即ち光学フィルターの作製工程及び剥離工程での加熱処理に耐えうる材料、代表的にはガラス基板、石英基板、セラミックス基板、シリコン基板、金属基板またはステンレス基板を用いる。
金属層102としては、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ネオジム(Nd)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)から選ばれた元素、または元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料からなる単層、またはこれらの積層、或いは、これらの窒化物、代表的には、モリブデンまたはモリブデンを含む合金からなる単層、あるいはこれらの積層を用いればよい。なお、金属層の合金の金属組成比又は金属層に含まれる酸素、又は窒素の組成比を適宜調節することにより、後の剥離工程の条件が異なる。このため、剥離工程を様々なプロセスに適応することが可能となる。金属層102の膜厚は10nm〜200nm、好ましくは50nm〜75nmとする。
次に、金属層又は窒化物層102上に酸化物層103を形成する。このとき、金属層102と酸化物層103との間に金属酸化物層が形成される。後の工程で剥離する際、金属酸化物層中、金属酸化物層と酸化物層との界面、または金属酸化物と金属層との界面で分離が生じる。酸化物層103しては、スパッタリング法又はプラズマCVD法により、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、又は金属酸化物からなる層を形成すればよい。酸化物層103の膜厚は、窒化物層または金属層102の約1〜3、好ましくは1.5〜2倍以上であることが望ましい。ここでは、酸化シリコンターゲットを用いたスパッタリング法により、酸化シリコン膜を75nm〜200nmの膜厚とする。
次に、酸化物層103上に、光学フィルター104を形成する。光学フィルターの代表例としては、カラーフィルター、色変換フィルター、フォログラムカラーフィルター等が挙げられる。
次に、図1(B)に示すように、光学フィルター104を固定する第2の基板112を接着剤111で貼り付ける。接着剤としては、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤等の光硬化型接着剤、嫌気硬化型接着剤などの各種硬化型接着剤が挙げられる。これらの材料の代表例としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等の有機樹脂が挙げられる。
なお、第2の基板112は、プラスチック基板(高分子材料からなるフィルム、樹脂)を用いる。プラスチック基板の代表例としては、ポリカーボネイト(PC)、極性基のついたノルボルネン樹脂からなるARTON:JSR製、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリイミドなどのプラスチック基板を用いることができる。また、第2の基板112として、偏光板、位相差板、光拡散フィルム等の光学フィルムを用いることもできる。
次に、図1(C)に示すように、第2の基板112上に第1の支持体121を剥離可能な粘着媒体122で貼りつける。この際、第2の基板112と剥離可能な粘着媒体122との間に気泡が入ると、後の剥離工程の際に光学フィルターにクラックが生じやすくなる。これを防止するため、第2の基板112と剥離可能な粘着媒体122との間に気泡が入らないように接着する。なお、この工程にテープマウンター装置等を用いることにより、短時間でこれらの間に気泡が入らないように接着できる。
剥離可能な粘着媒体122としては、有機樹脂からなる粘着剤で形成されるもの、代表例としては、反応剥離型粘着剤、熱剥離型粘着剤、紫外線剥離型粘着剤等の光剥離型粘着剤、嫌気剥離型粘着剤などの各種剥離型粘着剤、又は各種剥離型粘着剤で形成される粘着層を両面に有する部材(代表的には、両面テープ、両面シート)が挙げられる。
また、第1の支持体としては、第2の基板よりも剛性の高い基板、代表的には、ガラス基板、石英基板、金属基板、セラミックス基板を用いることが好ましい。
更には、第1の支持体としては、第1の基板及び第2の基板よりも剛性の高い基板を用いることが好ましい。
さらには、光学フィルター104の表面が凹凸している場合は、緩衝層として、光学フィルター表面に平坦化層を形成してもよい。代表的には、有機樹脂、有機又は無機の塗布絶縁膜、CMP(Chemical−Mechanical Polishing:化学的・機械的ポリッシング)法などによって平坦化された絶縁膜、粘着剤、等が挙げられる。なお、絶縁膜は単層又は積層構造どちらでもよい。さらには、平坦化層は、絶縁膜と粘着剤の両方を用いて形成しても良い。
図1(C)において、第1の基板101及びそれに形成された金属層102を剥離体123と呼ぶ。また、酸化物層103から第2の基板112(即ち、金属層102と剥離可能な粘着剤122とで挟まれた層)を被剥離体124という。
なお、第1の基板101に、各基板破損の防止のために剥離可能な粘着媒体で、支持体を接着することが好ましい。この支持体を接着することにより、後に示されるような剥離工程をより少ない力で行うことができる。支持体としては、第1の基板又よりも剛性の高い基板、代表的には石英基板、金属基板、セラミックス基板を用いることが好ましい。
次いで図1(D)に示すように、剥離体123と被剥離体124とを、物理的手段により引き剥がす。物理的力とは、例えば、人間の手、ノズルから吹付けられるガスの風圧、超音波等の比較的小さな力である。
この結果、金属層内102、金属酸化物層中、金属酸化物層と酸化物層103との界面、または金属酸化物と金属層との界面で剥離が生じ、剥離体123と被剥離体124とを、比較的小さな力で引き剥がすことができる。
なお、この剥離工程の前段階として、剥離しやすいように、前処理を行うことが好ましい。代表例としては、金属層102と酸化物層103との間の密着性を部分的に低下させる処理を行う。密着性を部分的に低下させる処理は、剥離しようとする領域の周縁に沿って金属層102にレーザ光を部分的に照射する処理、或いは、剥離しようとする領域の周縁に沿って外部から局所的に圧力を加えて金属層102の層内または界面の一部分に損傷を与える処理である。具体的にはダイヤモンドペンなどの硬い針を、垂直に押しつけて荷重をかけて動かせばよい。好ましくは、スクライバー装置を用い、押し込み量を0.1mm〜2mmとし、圧力をかけて動かせばよい。このように、剥離を行う前に剥離現象が生じやすくなるような部分、即ち、きっかけをつくることが重要であり、密着性を選択的(部分的)に低下させる前処理を行うことで、剥離不良がなくなり、さらに歩留まりも向上する。
次に、図1(E)に示すように、第2の基板112から、剥離可能な粘着媒体122及び第1の支持体121を剥離する。
以上の工程により、光学フィルムを形成することができる。即ち、第2の基板112上に光学フィルター104を形成することができる。
なお、本実施形態によって形成される光学フィルター104は、基板112との間に接着剤である有機樹脂111が介在している。また、光学フィルターにおいて、接着剤である有機樹脂111と反対側の面には、酸化物層103が形成されている。
即ち、接着剤である有機樹脂が、光学フィルター104及び第2の基板に挟まれている。また、酸化物層103は光学フィルターの一面上に形成されている。その面は、接着剤である有機樹脂が形成されている光学フィルター104の面と反対の面である。
また、第2の基板112に偏光板、位相差板、光拡散フィルム等の光学フィルムを用いることができる。さらには、第2の基板表面、又は酸化物層表面に、公知の反射防止膜を成膜することができる。この構造により、複数の機能を有する光学フィルムを形成することができる。
本実施形態で作製された光学フィルムは、可とう性を有するため曲面を有する部位、又は表示装置に設けることができる。また、光学フィルターを高温処理することがないため、歩留まり高く信頼性の高い光学フィルターを形成することができる。さらには、耐衝撃性の高い光学フィルターを形成することができる。
(第2実施形態)
本実施形態では、光学フィルターと第2の基板との接着面が第1実施形態と異なる光学フィルムの作製方法について、図2を用いて説明する。
図2(A)に示すように、第1実施形態と同様に、第1の基板101上に、金属層102、及び酸化物層103を順次形成し、酸化物層103上に光学フィルター104を形成する。なお、金属層と酸化物層との間には、金属酸化物層が形成される。
次に、図2(B)に示すように、光学フィルター104上に第1の支持体121を剥離可能な粘着媒体122で貼りつける。ここでは、第1の基板101及びそれに形成された金属層102を剥離体211と呼ぶ。また、酸化物層103及び光学フィルター104(即ち、金属層102と剥離可能な粘着剤122とで挟まれた層)を被剥離体212という。
なお、第1の基板101に、各基板破損の防止のために剥離可能な粘着媒体で、支持体を接着することが好ましい。この支持体を接着することにより、後に示されるような剥離工程をより少ない力で行うことができる。支持体としては、第1の基板よりも剛性の高い基板、代表的には石英基板、金属基板、セラミックス基板を用いることが好ましい。
また、光学フィルター104の表面が凹凸している場合、光学フィターの表面に平坦化層を設けても良い。平坦化層を設けることにより、光学フィルターと剥離可能な接着媒体との間に空気が混入することを避けることが可能となり、剥離工程の信頼性が向上する。平坦化層としては、塗布絶縁膜、有機樹脂等の塗布法により形成することが可能な材料で形成することができる。また、平坦化層を剥離可能な材料、代表的には粘着剤で形成すると、後ほどこの層を除去することが可能である。
次いで図2(C)に示すように、剥離体211と被剥離体212とを、物理的手段により引き剥がす。この工程の前段階として、剥離がしやすいように、第1実施形態に示されるような前処理を行うことが好ましい。金属酸化物層中、金属酸化物層と酸化物層との界面、または金属酸化物と金属層との界面との間で剥離が生じ、剥離体211と被剥離体212とを、比較的小さな力で引き剥がすことができる。なお、物理的手段は、第1実施形態で示したものを採用する。
次に、図2(D)に示すように、酸化物層103と第2の基板112とを接着剤111を用いて接着する。この後、光学フィルター104から、剥離可能な粘着媒体122及び第1の支持体121を剥離する。
以上の工程により、光学フィルムを形成することができる。即ち、第2の基板112上に光学フィルター104を形成することができる。
なお、本実施形態によって形成される光学フィルター104は、第2の基板112との間に接着剤である有機樹脂111と酸化物層103とが介在している。
また、光学フィルター104表面に透光性導電膜を成膜した後、剥離工程を行っても良い。この工程により、画素電極を有する光学フィルムを形成することができる。
また、第2の基板112に偏光板、位相差板、光拡散フィルム等の光学フィルムを用いることができる。さらには、第2の基板表面、又は酸化物層表面に、公知の反射防止膜を成膜することができる。この構造により、複数の機能を有する光学フィルムを形成することができる。
本実施形態で作製された光学フィルムは、可とう性を有するため曲面を有する部位、又は表示装置に設けることができる。また、光学フィルターを高温処理することがないため、信頼性高く、歩留まり高く光学フィルムを形成することができる。さらには、耐衝撃性の高い光学フィルターを形成することができる。
(第3実施形態)
本実施形態においては、第1実施形態又は第2実施形態において、剥離体と被剥離体との界面で、さらに剥離しやすい工程について述べる。
第1の基板101上に、金属層102及び酸化物層103を成膜した後、第1の基板を加熱し、この後光学フィルター104を形成する。この工程により、金属層102と酸化物層103との間で、さらに小さな物理的力により剥離することが可能である。このとき、第1の基板が耐えうる温度範囲、代表的には100〜600度、好ましくは150〜500度の範囲で加熱することができる。
また、熱処理工程に代えて、第1の基板101側からレーザ光を照射しても良い。さらには、レーザ光照射と熱処理との複合処理を行ってもよい。
この時の、レーザは、連続発振の固体レーザ、またはパルス発振の固体レーザである。また代表的には、連続発振の固体レーザ、またはパルス発振の固体レーザとしては、YAGレーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライドレーザ、Ti:サファイアレーザから選ばれた一種または複数種がある。また、他の連続発振のレーザまたはパルス発振のレーザとしては、エキシマレーザ、Arレーザ、Krレーザーから選ばれた一種または複数種がある。
また、レーザ光の照射方向は基板側から金属層に照射しても、酸化物層側から金属層に照射しても、両方から照射しても良い。
また、レーザ光のビーム形状は真円状でも三角形状、四角形状、多角形状、楕円形状でも直線状でも良く、そのサイズもミクロンからミリ、メートルサイズとどのようなものでも良い(点状でも面状でも良い)。さらに、上記酸化工程において、レーザ光の照射領域は直前に照射された領域と重なり(オーバーラップという)を持っても良いし、オーバーラップしなくても良い。さらに、レーザ光の波長は10nm〜1mm、より好ましくは100nm〜10μmのものを用いるのが良い。
本実施形態で作製された光学フィルムは、第1の基板から剥離する場合、さらに小さな物理的力により剥離することが可能である。よって、歩留まりが向上し、信頼性が高まる。
(第4実施形態)
本実施形態においては、第1実施形態又は第2実施形態において、剥離体と被剥離体との界面で、さらに剥離しやすい工程について述べる。本実施形態では、光学フィルターを形成した後、加熱処理を行う。
第1の基板101上に、金属層102及び酸化物層103を成膜し、該酸化物層103上に光学フィルター104を形成した後、第1の基板を加熱する。この後、第1実施形態では、接着剤111を用いて第2の基板112を光学フィルター104に接着する。一方、第2実施形態においては、光学フィルター104上に剥離可能な接着媒体122を介して、第1の支持体121を接着する。
なお、上記の工程に代えて、第1の基板101上に、金属層102及び酸化物層103を成膜した後第1の基板を加熱し、その後酸化物層103上に光学フィルター104を形成してもよい。
この工程により、金属層102と酸化物層103との間で、さらに小さな物理的力により、金属層102から酸化物層103を剥離することが可能である。このとき、第1の基板又は光学フィルターが耐えうる温度範囲、代表的には100〜300度、好ましくは150〜250度の範囲で加熱することができる。
また、第3の実施形態と同様に、熱処理工程に代えて、第1の基板101側からレーザ光を照射しても良い。さらには、レーザ光照射と熱処理との複合処理を行ってもよい。
本実施形態で作製された光学フィルムは、第1の基板から剥離する場合、さらに小さな物理的力により剥離することが可能である。よって、歩留まりが向上し、信頼性が高まる。
(第5実施形態)
本実施形態は、第1実施形態又は第2実施形態と、金属酸化膜を形成する工程が異なる光学フィルムの形成方法について説明する。
第1実施形態または第2実施形態と同様に、第1の基板101上に、金属層102を形成する。次に、金属層102表面に金属酸化物層を形成する。金属酸化物層の形成方法としては、熱酸化処理、酸素プラズマ処理、オゾン水等の酸化力の強い溶液での処理等があげられる。いずれかの方法により、金属層102の表面を処理して1〜10nm、好ましくは2〜5nmの金属酸化物層を形成する。
この後、第1実施形態又は第2実施形態と同様に、酸化物層103及び光学フィルター104を形成した後、各実施形態に沿って光学フィルムを形成することが可能である。
本実施形態により、剥離層の一部である金属酸化物層を形成することが可能であるため、歩留まり高く光学フィルムを形成することが可能である。
本発明を用いて、ガラス基板上に形成した光学フィルターをプラスチック基板に貼り合
わせる例を、図3、及び図4を用いて説明する。なお、本実施例において、光学フィルターの代表例として、カラーフィルターを用いるが、この他にも、色変換フィルター、フォログラムカラーフィルター等を用いることができる。
図3(A)に示すように、ガラス基板(第1の基板301)上に剥離層を形成する。本実施例ではガラス基板としてAN100を用いる。このガラス基板上にスパッタリング法で金属層302、ここではモリブデン膜(膜厚10nm〜200nm、好ましくは50nm〜75nm)を形成し、次に、酸化物膜303、ここでは酸化シリコン膜(膜厚10nm〜400nm、好ましくは、75nm〜150nm)を積層形成する。なお、積層形成の際、金属層302と酸化シリコン膜303との間に金属酸化膜(酸化モリブデン膜)が形成される。後の工程で剥離する際、酸化モリブデン膜中、または酸化モリブデン膜と酸化シリコン膜との界面、または酸化モリブデン膜とモリブデン膜との界面で分離が生じる。
図3(B)に示すように酸化物層303上に、カラーフィルターを形成する。カラーフィルターの作製方法としては、着色樹脂を用いたエッチング法、カラーレジストを用いたカラーレジスト法、染色法、電着法、ミセル電解法、電着転写法、フィルム分散法、インクジェット法(液滴吐出法)、銀塩発色法など公知の手法を用いることができる。
本実施例では、顔料が分散された感光性樹脂を用いたエッチング法によって、カラーフィルターを形成する。はじめに、黒色顔料が分散された感光性アクリル樹脂を塗布法により酸化物層303上に塗布する。次に、アクリル樹脂を乾燥し、仮焼きした後、露光及び現像し、220度の加熱によりアクリルを硬化し、膜厚0.5〜1.5μmのブラックマトリックス311を形成する。次に、赤色顔料、緑色顔料、又は青色顔料が分散された感光性アクリル樹脂を塗布法によりそれぞれ塗布し、ブラックマトリックスと同様の工程によって、それぞれ膜厚1.0〜2.5μmの赤色着色層(以下、着色層(R)と示す。)312、緑色着色層(以下、着色層(G)と示す。)313、青色着色層(以下、着色層(B)と示す。)314を形成する。この後、保護膜(図示しない)を成膜して、カラーフィルター315を形成する。
なお、本明細書において、着色層(R)は赤色の光(650nm付近にピーク波長をもつ光)を透過する着色層であり、着色層(G)は緑色の光(550nm付近にピーク波長をもつ光)を透過する着色層であり、着色層(B)は青色の光(450nm付近にピーク波長をもつ光)を透過する着色層を指す。
次に、図3(C)に示すように、カラーフィルター315にプラスチック基板322を
貼り付ける。接着剤321としては、光硬化型接着剤であるエポキシ樹脂を用いる。プラスチック基板322としては、ポリカーボネイトフィルムを用いる。
次に、図3(D)に示すように、剥離処理を行いやすくするための前処理を行う。本実
施例では、スクライバー装置を用い、押し込み量を0.1mm〜2mmとし、圧力をかけて動かし、基板端面を除去する。このとき、金属層302と酸化物層303との間で、剥がれる。この工程により、密着性を選択的(部分的)に低下させることで、剥離不良がなくなり、さらに歩留まりも向上する。
次に、図3(E)に示すように、剥離可能な粘着媒体341を用いて第1の支持体342をプラスチック基板322上に貼り付ける。ここでは、剥離可能な粘着媒体341として両面テープを用い、第1の支持体342として石英基板を用いる。第1の支持体をプラスチック基板上に貼り付けることにより、カラーフィルターにクラックが発生して破損することを防ぐ。
次に、図4(A)に示すように、剥離可能な粘着媒体351を用い、第1の基板301に第2の支持体352を貼り付ける。ここでは、剥離可能な粘着媒体として、両面テープを用い、第2の支持体としては、第1の支持体と同様に、石英を用いる。
次に、図4(B)に示すように、第1の基板301とカラーフィルター315とを剥離する。ここでは、図3(B)に示したように、剥離処理を行いやすくするための前処理を行った部分、即ち金属層302と酸化物層303との密着性を部分的に低下させた領域から剥離させ、金属層302が設けられている第1の基板301及び第2の支持体352を物理的手段により引き剥がす。この工程は、比較的小さな力(例えば、部材を用いた負荷、人間の手、ノズルから吹付けられるガスの風圧、超音波等)で引き剥がすことができる。本実施例では、金属層302と酸化物層303との間に、くさび等の鋭利な端部を有する部材の一部を挿入し、これら2つの層を引き剥がす。こうして、酸化シリコン層302上に形成されたカラーフィルター315を第1の基板301及び金属層302から分離することができる。
次に、図4(C)に示すように、第1の支持体342をプラスチック基板322から分離する。なお、接着剤が残っていると不良の原因となるため、プラスチック基板322の表面をO2プラズマ照射、紫外線照射、又はオゾン洗浄等で清浄な表面とすることが好ま
しい。また、プラスチック基板全体の吸着水分を除去するための真空加熱を行ってもよい。
以上の工程により、図4(D)に示すように、プラスチック基板322上に接着剤である樹脂材料を介してカラーフィルター315が形成される。なお、カラーフィルターの表面には、酸化物層303が形成されている。ここでは、カラーフィルター315、カラーフィルター表面に形成されている酸化物層303、接着剤(樹脂層)321、及びプラスチック基板322を、カラーフィルターを有する基板361という。
図9(A)に、本実施例で作製したカラーフィルターを有する基板の写真を示す。図9(B)は、図9(A)の模式図であり、901は手、902はプラスチック基板、903はカラーフィルターである。プラスチック基板は、可とう性を有するため、湾曲している。
なお、本実施例は第1実施形態の工程の代わりに、第2実施形態を適応することができる。
本実施例により、プラスチック基板上にカラーフィルターを形成することができる。また、偏光板、位相差板、光拡散フィルム等の光学フィルム上にカラーフィルターを形成することにより、複数の機能が一体化した光学フィルムを形成することができる。
本実施例により作製するカラーフィルターを有する基板は、可とう性を有するため曲面を有する部位、又は表示装置に設けることができる。また、カラーフィルターを高温処理することがないため、歩留まり高く信頼性高いカラーフィルターを有する基板を形成することができる。さらには、耐衝撃性の高いカラーフィルターを有する基板を形成することができる。
本実施例では、実施例1で作製したカラーフィルターを有する発光表示装置の例を図5を用いて示す。
図5(A)において、下方に光を出射することが可能な発光表示装置について示す。図5(A)において、501は素子が形成される層であり、361は、実施例1で作製したカラーフィルターを有する基板、500は第2の基板である。
素子が形成される層には、絶縁膜520上に半導体素子としてTFT502が設けられる。TFT502の構造に限定はなく、トップゲート型TFT(代表的にはプレーナ型TFT)もしくはボトムゲート型TFT(代表的には逆スタガ型TFT)を用いれば良い。また、素子としては、TFTの代わりに、有機半導体トランジスタ、ダイオード、MIM素子を用いることができる。
TFT502には酸化物導電膜からなる第1の電極が画素電極として接続される。本実施例では、第1の電極を陽極503とする。発光物質を含む層を介して第1の電極と対向する電極は、第2の電極であり、ここでは、第2の電極を陰極505とする。ここで用いる酸化物導電膜は可視光に対して透明であり、発光層で生成された発光は陽極503を通過して外部(図面矢印側)に取り出される。TFT502および陽極503は複数の画素の各々に設けられている。
また、陽極503と接するように発光層504が設けられ、その上には陰極505が設けられる。発光層504は発光素子の発光部分にあたる層であり、単層もしくは積層構造で形成される。基本的には、発光層に対して正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層もしくは電子輸送層を組み合わせて用いるが、公知の如何なる構造を用いても良い。また、発光層の材料として有機材料を用いても無機材料を用いても良く、有機材料の場合は高分子材料でも低分子材料で良い。
また、陰極としては仕事関数の小さい材料を用いることが好ましく、周期表の1族もしくは2族に属する元素を含む金属膜を用いると良い。勿論、公知の如何なる陰極材料を用いても構わない。
なお、本明細書において、発光素子とは陽極、発光層および陰極を含む発光素子を指す。従って、陽極503、発光層504および陰極505は発光素子506を形成する。
本実施例においては、発光素子は、陽極503が透光性を有し、陰極505が遮光性または反射性を有するため、陽極側、即ちTFT側(ここでは、下方という。)に光を射出する。このため、実施例1で形成されるカラーフィルターを有する基板361は、光が射出される側、即ち素子が形成される層501のTFT側の絶縁膜520に接着剤508を用いて接着されている。
一方、発光素子506はシール材507によって覆われ、シール材507により第2の基板500が接着されている。シール材507は樹脂であり、代表的には紫外線硬化樹脂もしくはエポキシ樹脂が用いられる。
また、第2の基板500は発光素子506を水および酸素から保護すると同時に発光素子506を機械的衝撃から保護するための保護層として機能する。第2の基板500としては如何なる材料を用いても良いが、プラスチック基板を用い、発光表示装置の軽量化を図り、かつ耐衝撃性を高めることが好ましい。本実施例では、プラスチック基板としてポリカーボネイト(PC)フィルムを用いる。
以下に、図5(A)で示される発光表示装置の作製工程を示す。
第1の基板(図示しない。)上に、公知の手法により素子が形成される層501を形成する。次に、素子が形成される層501に、シール材507を用いて第2の基板500を接着する。この後、素子が形成される層501から第1の基板を除去する。第1の基板を除去する方法は、第1の基板を剥離する工程、第1の基板を研磨する工程、第1の基板を溶解する工程等、任意に適応すればよい。なお、第1の基板を薄く研磨して、第2の基板としてもよい。本実施例においては、第1実施形態又は第2実施形態と同様の手法を用い、第1の基板上に金属層、酸化物層、及び素子が形成される層を順に積層し、金属層と酸化物層の間で剥離して、素子が形成される層501から第1の基板を除去する。
次に、素子が形成される層501の絶縁膜520に接着剤580を用いて、実施例1で作製したカラーフィルターを有する基板361を貼り付ける。ここで、絶縁膜520は、発光素子が光を射出する面、即ち素子が形成される層501において、第2の基板500と接着された面と反対の面に形成されている。接着剤508の代表例としては、紫外線硬化樹脂もしくはエポキシ樹脂が挙げられる。
以上の工程により、プラスチック基板とプラスチック基板上に形成されたカラーフィルターを用いた発光表示装置(下方出射型発光表示装置)を作製することができる。
次に、図5(B)において、上方に光を出射することが可能な発光表示装置について示
す。
図5(B)においては、501は素子が形成される層であり、361は、実施例1で作製したカラーフィルターを有する基板、511は第2の基板である。
素子が形成される層501は、図5(A)で示されるものと同様にTFT502及び発光素子506が形成されている。発光素子において、陽極は遮光性又は反射性を有し、陰極は透光性を有する。このため、図5(B)の発光素子は、陰極側、即ちTFT502が形成されると反対側(ここでは、上方という。)に光を射出する素子である。発光素子506はシール材507によって覆われている。
実施例1で形成されるカラーフィルターを有する基板361は、光が射出される側、即ち素子が形成される層501のTFT側の反対側に、シール材507を用いて接着されている。シール材507は樹脂であり、代表的には紫外線硬化樹脂もしくはエポキシ樹脂が用いられる。なお、シール材507とカラーフィルターを有する基板361との間に、別途接着剤を設けても良い。
一方、素子が形成される層のTFT側、即ちカラーフィルターを有する基板361と反対側の面においては、接着剤508により絶縁膜520と第2の基板511とが接着されている。
以下に、図5(B)で示される発光表示装置の作製工程を示す。
第1の基板(図示しない。)上に、公知の手法により素子が形成される層501を形成する。次に、素子が形成される層501に、シール材507を用いて実施例1で作製したカラーフィルターを有する基板361を接着する。この後、素子が形成される層501から第1の基板を除去する。第1の基板を除去する方法は、第1の基板を剥離する工程、第1の基板を研磨する工程、第1の基板を溶解する工程等を任意に適応すればよい。なお、第1の基板を薄く研磨し残存させてもよい。本実施例においては、第1実施形態又は第2実施形態と同様の手法を用い、第1の基板上に金属層、酸化物層、及び素子が形成される層を順に積層し、金属層と酸化物層の間で剥離して、素子が形成される層501から第1の基板を除去する。
次に、素子が形成される層501において、TFTが形成されている面の絶縁膜520、即ちカラーフィルターを有する基板361と接着された面と反対の面に接着剤508を用いて、第2の基板511を貼り付ける。接着剤321の代表例としては、紫外線硬化樹脂もしくはエポキシ樹脂が挙げられる。
以上の工程により、プラスチック基板とプラスチック基板上に形成されたカラーフィルターを用いた発光表示装置(上方出射型発光表示装置)を作製することができる。
なお、発光表示装置に用いるカラーフィルターの各着色層は光量が多く確保できるように顔料の含有率が低いものを用いると良い。また、着色層の膜厚を薄くすることにより光量を多くすることも可能である。また、着色層に黒色顔料を含有させることで、発光表示装置の外部から入ってくる外光を吸収し、観測者が陰極に映り込むような不具合を抑えることが可能である。
また、カラーフィルターを有する基板361の表面に、反射防止を設けても良い。反射防止膜は屈折率と膜厚を調節することで反射光の発生しにくい条件とする単層膜もしくは積層膜であり、公知の反射防止膜を用いることができる。
また、プラスチック基板322の代わりに、偏光板、円偏光板(円偏光フィルムも含む)を用いても良い。
本実施例では、発光素子の光の射出方向が、一方向のもののみを示したが、これに限られず、2方向に光を射出することが可能な発光素子(すなわち、陽極及び陰極が透光性を有する発光素子、ここでは両面発光素子という。)に用いることもできる。この場合、2つのカラーフィルターを有する基板の間に、素子が形成される層を接着すればいよい。
また、発光素子として、各画素電極にTFTが設けられているアクティブマトリクス型駆動のものを示したが、これに限られず、パッシブマトリクス駆動のものを適宜用いることもできる。
さらには、各画素電極に設けられている素子を有機半導体トランジスタとし、第1の基板をプラスチック基板として発光表示装置を形成してよい。この場合、第1の基板を除去する工程を削減することができるため、スループットが向上する。
本実施例に説明した発光表示装置は、素子が形成される層とカラーフィルターとを別々の工程により形成し、両者が完成した後に両者を貼り合わせることに特徴がある。このような構成により素子が形成される層、具体的にはTFTや発光素子の歩留まりと、カラーフィルターの歩留まりとを個別に管理することができ、発光表示装置全体としての歩留まり低下を抑制することができる。
また、アクティブマトリクス基板を作製する製造工程とカラーフィルターを作製する製造工程とを同時に流すことが可能となるため、発光表示装置としての製造期間を短縮することができる。
また、プラスチック基板を用いているため、軽量化を図り、かつ耐衝撃性を高めた発光表示装置を作製することができる。
本実施例では、実施例1で作製したカラーフィルターを有する液晶表示装置の例を図6を用いて示す。
図6(A)において、601は素子が形成される層であり、361は、実施例1で作製したカラーフィルターを有する基板、500は第2の基板である。
素子が形成される層601には、実施例2と同様に半導体素子としてTFT502、及び後に液晶が充填される層が設けられる。TFT502の構造に限定はなく、トップゲート型TFT(代表的にはプレーナ型TFT)もしくはボトムゲート型TFT(代表的には逆スタガ型TFT)を用いれば良い。また、素子としては、TFTの代わりに、有機半導体トランジスタ、ダイオード、MIM素子を用いることができる。
TFT502には酸化物導電膜からなる第1の電極602が画素電極として接続される。ここで用いる酸化物導電膜は可視光に対して透明であり、外付けされているバックライトの光を第1の電極602を通過して外部に取り出される。TFT502および第1の電極602は複数の画素の各々に設けられている。
第1の電極602上には配向膜603が形成されている。本実施例としては、ポリイミドをラビング処理された配向膜を用いる。なお、配向膜としては、酸化ケイ素を用いて斜め蒸着法により形成されたもの、又は光配向膜を用いることができる。
第2の基板500には、第2の電極606及び603と同様の工程により作製された配向膜605が設けられている。
また、第2の基板500上に形成された配向膜605と素子が形成される層601とは、シール材(図示しない)によって、接着されている。
また、素子が形成される層601の絶縁膜520表面には、接着剤607によって、カラーフィルターを有する基板608が接着されている。
以下に、図6(A)で示される液晶表示装置の作製工程を示す。
第2の基板500に、酸化物導電膜からなる第2の電極606を形成する。この後、第2の電極表面に、配向膜605を形成する。
第1の基板(図示しない。)上に、公知の手法により素子が形成される層601を形成する。次に、素子が形成される層601に、第1のシール材を用いて第2の基板500を接着する。この場合、素子が形成される層601表面に形成された配向膜603と、第2の基板上に形成された配向膜605が、向かい合うように基板を張り合わせる。また、これら2つの基板の間には、スペーサが形成されている。また、第1のシール材の間には、フィラーが混入されており、スペーサ及びフィラーで、均一な間隔を持って2枚の基板が張り合わせられている。
この後、素子が形成される層601から第1の基板を除去する。この工程は、実施例2で例示した公知の手法を適応することができる。本実施例においては、第1実施形態又は第2実施形態と同様の手法を用い、第1の基板上に金属層、酸化物層、及び素子が形成される層を順に積層し、金属層と酸化物層の間で剥離して、素子が形成される層601から第1の基板を除去する。
この後、カラーフィルターを有する基板361と素子が形成される層601の絶縁膜520とを接着剤607で張り合わせる。
2枚の基板の間、即ち素子が形成される層601中に、液晶材料604を注入し、第2のシール材(図示しない)によって2枚の基板の間を完全に封止する。
以上の工程により、図6(A)に示すようなプラスチック基板とプラスチック基板上に形成されたカラーフィルターを用いた液晶表示装置を作製することができる。
次に、図6(B)において、601は素子が形成される層であり、608は、カラーフィルターを有する基板、511は第2の基板である。
第2の基板511と素子が形成される層601の絶縁膜520とは、有機樹脂からなる接着剤607で接着されている。
素子が形成される層601は、シール材(図示しない)によって、カラーフィルターを有する基板608が接着されている。
カラーフィルターを有する基板608は、第2実施形態によって形成されるカラーフィルターを有する基板である。具体的には、プラスチック基板322上には、有機樹脂からなる接着剤610、酸化物層303が積層されており、酸化物層上には、配列されたブラックマトリックス311、赤色着色層312、緑色着色層313、及び青色着色層314、並びにこれらを覆うオーバーコートでカラーフィルターが形成されている。カラーフィルター表面には、第2の電極606、その上には配向膜605が形成されている。なお、実施例1で示されるようなカラーフィルターを有する基板361の酸化物層303表面に、第2の電極606及び配向膜605が形成されているものを用いることもできる。
以下に、図6(B)で示される液晶表示装置の作製工程を示す。
第1の基板(図示しない。)上に、公知の手法により素子が形成される層601を形成する。次に、素子が形成される層601に、第1のシール材(図示しない。)を用いてカラーフィルターを有する基板608を接着する。この場合、素子が形成される層601表面に形成された配向膜603と、カラーフィルターを有する基板上に形成された配向膜605が、向かい合うように基板を張り合わせる。また、これら2つの基板の間には、スペーサが形成されている。また、第1のシール材の間には、フィラーが混入されており、スペーサ及びフィラーで、均一な間隔を持って2枚の基板が張り合わせられている。
この後、素子が形成される層601から第1の基板を除去する。この工程は、実施例2で例示した公知の手法を適応することができる。本実施例においては、第1実施形態又は第2実施形態と同様の手法を用い、第1の基板上に金属層、酸化物層、及び素子が形成される層を順に積層し、金属層と酸化物層の間で剥離して、素子が形成される層601から第1の基板を除去する。
この後、第2の基板511と素子が形成される層601の絶縁膜520とを接着剤607で張り合わせる。
2枚の基板の間、即ち素子が形成される層601中に、液晶材料604を注入し、第2のシール材(図示しない)によって2枚の基板の間を完全に封止する。
以上の工程により、図6(B)に示すようなプラスチック基板とプラスチック基板上に形成されたカラーフィルターを用いた液晶表示装置を作製することができる。
なお、液晶表示装置に用いるカラーフィルターは、鋭いピーク波長をもつことが好ましい。また、着色層に黒色顔料を含有させることで、発光表示装置の外部から入ってくる外光を吸収し、観測者が陰極に映り込むような不具合を抑えることが可能である。
また、カラーフィルターを有する基板361、608の表面に、反射防止を設けても良い。反射防止膜は屈折率と膜厚を調節することで反射光の発生しにくい条件とする単層膜もしくは積層膜であり、公知の反射防止膜を用いることができる。
また、プラスチック基板322の代わりに、偏光板、楕円偏光板(円偏光フィルムも含む)を用いても良い。
また、液晶素子として、各画素電極にTFTが設けられているアクティブマトリクス型駆動のものを示したが、これに限られず、パッシブマトリクス駆動のものを適宜用いることもできる。
さらには、各画素電極に設けられている素子を有機半導体トランジスタとし、第1の基板をプラスチック基板として液晶表示装置を形成してよい。この場合、第1の基板を除去する工程を削減することができるため、スループットが向上する。
本実施例に説明した液晶表示装置は、素子が形成される層とカラーフィルターとを別々の工程により形成し、両者が完成した後に両者を貼り合わせることに特徴がある。このような構成により素子が形成される層、具体的にはTFTや液晶素子の歩留まりと、カラーフィルターの歩留まりとを個別に管理することができ、液晶表示装置全体としての歩留まり低下を抑制することができる。
また、アクティブマトリクス基板を作製する製造工程とカラーフィルターを作製する製造工程とを同時に流すことが可能となるため、液晶表示装置としての製造期間を短縮することができる。
また、プラスチック基板を用いているため、軽量化を図り、かつ耐衝撃性を高めた液晶表示装置を作製することができる。
本実施例では、本発明の表示装置の一形態に相当するパネルの外観について、図7を用いて説明する。図7(A)は、素子が形成される層(具体的には、TFTと発光素子)501がカラーフィルターと第2の基板との間にシール材によって封止されたパネルの上面図であり、図7(B)は、図7(A)のA−A’における断面図に相当する。
図7(A)において、点線で示された1201は信号線駆動回路、1202は画素部、1203は走査線駆動回路である。また、1204は第2の基板、1205は密閉空間の間隔を保持するためのギャップ材が含有されている第1のシール材であり、シール材1205で囲まれた内側は、第2のシール材で密閉されている。第1のシール材としては、フィラーを含む粘性の高いエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。また、第2のシール材としては、透光性が高く、且つ、粘性の低いエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。また、シール材1205、1207はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。
なお、1208は、接続領域1210において、信号線駆動回路1201及び走査線駆動回路1203に入力される信号を伝送するための接続配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)1209からビデオ信号やクロック信号を受け取る。
次に、断面構造について図7(B)を用いて説明する。第1の基板322上には駆動回路及び画素部が形成されている。カラーフィルターを有する基板361は、第1の基板322にカラーフィルターが形成されている。ここでは、駆動回路として信号線駆動回路1201と画素部1202が示されている。なお、信号線駆動回路1201としてはnチャネル型TFT1223とpチャネル型TFT1224とを組み合わせたCMOS回路が形成される。
また、画素部1202はスイッチング用TFT1211と、電流制御用TFT1212とそのドレインに電気的に接続された透明な導電膜からなる第1の電極(陽極)1213を含む複数の画素により形成される。
また、これらのTFT1211、1212、1223、1224の層間絶縁膜1220としては、無機材料(酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコンなど)、有機材料(ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド、ベンゾシクロブテン、またはシロキサンポリマー)を主成分とする材料を用いて形成することができる。また、層間絶縁膜の原料としてシロキサンポリマーを用いると、シリコンと酸素を骨格構造に有し、側鎖に水素又は/及びアルキル基を有する構造の絶縁膜となる。
ここでは第1の電極1213が接続電極と一部重なるように接続され、第1の電極1213はTFTのドレイン領域と接続電極を介して電気的に接続している構成となっている。第1の電極1213は透明性を有し、且つ、仕事関数の大きい導電膜(ITO(酸化インジウム酸化スズ合金)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In2O3―ZnO)、酸化亜鉛(ZnO)等)を用いることが望ましい。
また、第1の電極(陽極)1213の両端には絶縁物(バンク、隔壁、障壁、土手などと呼ばれる)1214が形成される。絶縁物1214に形成する膜の被覆率(カバレッジ)を良好なものとするため、絶縁物1214の上端部または下端部に曲率を有する曲面が形成されるようにする。また、絶縁物1214を窒化アルミニウム膜、窒化酸化アルミニウム膜、炭素を主成分とする薄膜、または窒化珪素膜からなる保護膜で覆ってもよい。
また、第1の電極(陽極)1213上には、有機化合物材料の蒸着を行い、発光物質を含む層1215を選択的に形成する。
また、発光物質を含む層の材料の蒸着を行う前に、基板に含まれるガスを除去するために減圧雰囲気や不活性雰囲気で200℃〜300℃の加熱処理を行うことが望ましい。
白色に発光する発光物質を含む層1215を形成するには、例えば、Alq3、部分的
に赤色発光色素であるナイルレッドをドープしたAlq3、p−EtTAZ、TPD(芳香族ジアミン)を蒸着法により順次積層することで白色を得ることができる。また、スピンコートを用いた塗布法によりELを形成する場合には、塗布した後、真空加熱で焼成することが好ましい。例えば、正孔注入層として作用するポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)水溶液(PEDOT/PSS)を全面に塗布、焼成し、その後、発光層として作用する発光中心色素(1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエン(TPB)、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノ−スチリル)−4H−ピラン(DCM1)、ナイルレッド、クマリン6など)をドープしたポリビニルカルバゾール(PVK)溶液を全面に塗布、焼成すればよい。
発光物質を含む層1215は単層で形成することもでき、ホール輸送性のポリビニルカルバゾール(PVK)に電子輸送性の1,3,4−オキサジアゾール誘導体(PBD)を分散させてもよい。また、30wt%のPBDを電子輸送剤として分散し、4種類の色素(TPB、クマリン6、DCM1、ナイルレッド)を適当量分散することで白色発光が得られる。ここで示した白色発光が得られる発光素子の他にも、発光物質を含む層1215の材料を適宜選択することによって、赤色発光、緑色発光、または青色発光が得られる発光素子を作製することができる。
また、発光物質を含む層1215は、上記した一重項励起発光材料の他、金属錯体などを含む三重項励起材料を用いても良い。すなわち、赤色の発光性の画素、緑色の発光性の画素及び青色の発光性の画素を含み、赤色の発光性の画素が三重項励起発光材料又は一重項励起発光材料であり、緑色の発光性の画素が三重項励起発光材料であり、青色の発光性の画素が一重項励起発光材料を含むことができる。
第2の電極(陰極)1216としては、仕事関数の小さい材料(Al、Ag、Li、Ca、またはこれらの合金MgAg、MgIn、AlLi、CaF2、またはCaN)を用
いればよい。
こうして、第1の電極(陽極)1213、発光物質を含む層1215、及び第2の電極(陰極)1216からなる発光素子1218が形成される。発光素子1218は、図7(B)中に示した矢印方向に発光する。ここでは発光素子1218は白色発光が得られる発光素子の一つである。これらから発せられる光が、カラーフィルターを透過することによって、フルカラー表示することができる。
また、発光素子1218をR、G、或いはBの単色発光が得られる発光素子の一つとし、R、G、Bの発光が得られる有機化合物を含む層をそれぞれ選択的に形成した3つの発光素子でフルカラーとすることができる。この場合、カラーフィルターの赤色、緑色、又は青色それぞれの着色層と、各発光色の発光素子の位置を合わせることによって、色純度の高い発光表示装置となる。
また、発光素子1218を封止するために保護積層1217を形成する。保護積層は、第1の無機絶縁膜と、応力緩和膜と、第2の無機絶縁膜との積層からなっている。
なお、本実施例では、実施例2の図5(A)に示されるように、素子が形成される層501には、カラーフィルターを有する基板361が接着剤508によって張り合わせられている。なお、実施例2の図5(B)で示されるように、カラーフィルターを第2の基板に用い、第1の基板をプラスチック基板としてもよい。
また、TFTを用いて形成される走査線駆動回路を示したが、本実施例はこの構成に限定されない。走査線駆動回路、信号線駆動回路それぞれを、単結晶半導体を用いたトランジスタで形成し、貼り合わせてもよい。
本実施例に説明した発光表示装置は、素子が形成される層とカラーフィルターとを別々の工程により形成し、両者が完成した後に両者を貼り合わせることに特徴がある。このような構成により素子が形成される層、具体的にはTFTや発光素子の歩留まりと、カラーフィルターの歩留まりとを個別に管理することができ、発光表示装置全体としての歩留まり低下を抑制することができる。
また、アクティブマトリクス基板を作製する製造工程とカラーフィルターを作製する製造工程とを同時に流すことが可能となるため、発光表示装置としての製造期間を短縮することができる。
また、プラスチック基板を用いているため、軽量化を図り、かつ耐衝撃性を高めた発光表示装置を作製することができる。
本実施例では、本発明の表示装置の一形態に相当するパネルの外観について、図8を用いて説明する。図8(A)は、素子が形成される層(具体的には、TFTと液晶層)601がカラーフィルターを有する基板361と第2の基板1204との間にシール材1205によって封止されたパネルの上面図であり、図8(B)は、図8(A)のA−A’における断面図に相当する。
図8(A)において、点線で示された1201は信号線駆動回路、1202は画素部、1203は走査線駆動回路である。また、322は第1の基板、1204は第2の基板、1205及び1207はそれぞれ、密閉空間の間隔を保持するためのギャップ材が含有されている第1のシール材及び第2のシール材である。第1の基板上には、半導体素子、代表的にはTFT1223、1224、1311が形成されている層が、接着剤607によって接着されている。第1の基板322と第2の基板1204、即ち素子が形成されている層と第2の基板とはシール材1205によって封止されており、それらの間には液晶が充填されている。
次に、断面構造について図8(B)を用いて説明する。第1の基板322上には駆動回路及び画素部が形成されており、TFTを代表とする半導体素子を複数有している。カラーフィルターを有する基板361は、第1の基板322上にカラーフィルターが形成されている。ここでは、駆動回路として信号線駆動回路1201と画素部1202を示す。なお、信号線駆動回路1201はnチャネル型TFT1223とpチャネル型TFT1224とを組み合わせたCMOS回路が形成される。
また、液晶素子1315が有する第1の電極1313は、TFT1311と配線1312を介して電気的に接続されている。そして液晶素子1315の第2の電極1316は第2の基板1204上に形成される。第1の電極1313、第2の電極1316、及び液晶1314が重なっている部分が、液晶素子1315に相当する。
1318は球状のスペーサであり、第1の電極1313と第2の電極1316との間の距離(セルギャップ)を制御するために設けられている。なお絶縁膜を所望の形状にエッチングして形成されるスペーサを用いていても良い。走査線駆動回路1203または画素部1202に与えられる各種信号及び電位は、接続配線1208を介して、FPC1209から供給されている。
なお、本実施例では、実施例3の図6(A)に示されるように、素子が形成される層601には、カラーフィルターを有する基板361が接着剤607によって張り合わせられている。なお、実施例3の図6(B)で示されるように、カラーフィルターを第2の基板とし、第1の基板をプラスチック基板としてもよい。
また、TFTを用いて形成される走査線駆動回路を示したが、本実施例はこの構成に限定されない。走査線駆動回路、信号線駆動回路それぞれを、単結晶半導体を用いたトランジスタで形成し、貼り合わせてもよい。
本実施例に説明した液晶表示装置は、素子が形成される層とカラーフィルターとを別々の工程により形成し、両者が完成した後に両者を貼り合わせることに特徴がある。このような構成により素子が形成される層、具体的にはTFTや液晶素子の歩留まりと、カラーフィルターの歩留まりとを個別に管理することができ、液晶表示装置全体としての歩留まり低下を抑制することができる。
また、アクティブマトリクス基板を作製する製造工程とカラーフィルターを作製する製造工程とを同時に流すことが可能となるため、液晶表示装置としての製造期間を短縮することができる。
また、プラスチック基板を用いているため、軽量化を図り、かつ耐衝撃性を高めた液晶表示装置を作製することができる。
本発明を実施して得た表示装置を組み込むことによって様々な電子機器を作製すること
ができる。電子機器としては、テレビ受像器、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、ノート型パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。ここでは、これらの電子機器の代表例としてテレビジョン装置、ノート型パーソナルコンピュータ、記録媒体を備えた画像再生装置を図10に示す。
図10(A)はテレビジョン装置であり、筐体2001、支持台2002、表示部2003、スピーカー部2004、ビデオ入力端子2005等を含む。本発明は表示部2003に適用することができる。なお、パーソナルコンピューター用、TV放送受信用、広告表示用など全ての情報表示用のテレビが含まれる。本発明を用いることによって、薄型で、且つ軽量な表示部を有するテレビジョン装置を製造することができる。
図10(B)はノート型パーソナルコンピュータであり、本体2201、筐体2202、表示部2203、キーボード2204、外部接続ポート2205、ポインティングマウス2206等を含む。本発明は、表示部2203に適用することができる。本発明を用いることによって、薄型で、且つ軽量なノート型パーソナルコンピュータを製造することができる。
図10(C)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体2401、筐体2402、表示部A2403、表示部B2404、記録媒体(DVD等)読み込み部2405、操作キー2406、スピーカー部2407等を含む。表示部A2403は主として画像情報を表示し、表示部B2404は主として文字情報を表示するが、本発明は表示部A、B2403、2404に適用することができる。なお、記録媒体を備えた画像再生装置には家庭用ゲーム機器なども含まれる。本発明を用いることによって、薄型で、且つ軽量な記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置を製造することができる。
本発明に係る光学フィルムの作製工程を説明する断面図。
本発明に係る光学フィルムの作製工程を説明する断面図。
本発明に係るカラーフィルターを有する基板の作製工程を説明する断面図。
本発明に係るカラーフィルターを有する基板の作製工程を説明する断面図
本発明に係るカラーフィルターを有する発光表示装置を説明する断面図。
本発明に係るカラーフィルターを有する液晶表示装置を説明する断面図。
本発明に係るカラーフィルターを有する発光表示装置パネルを説明する断面図と上面図。
本発明に係るカラーフィルターを有する液晶表示装置を説明する断面図と上面図。
本発明により作製したカラーフィルタを有する基板を説明する図。
電子機器の一例を説明する図。