JP2018137317A - 電子装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱かしめ部の接続信頼性を向上できる電子装置を提供すること。
【解決手段】電子装置の筐体を構成するケース21は、金属材料を用いて形成されている。ケース21の周縁部210には、貫通孔212が形成されている。カバー22は、熱可塑性樹脂を用いて形成されている。カバー22の周縁部220には、周縁部220から延設され、貫通孔212を挿通するボス222が形成されている。また、ボス222の端部には、熱かしめ部223が形成されている。ケース21の外面21aにおける貫通孔212の開口周囲には、凸部213が形成されている。熱かしめ部223は、凸部213及び外面21aにおける凸部213の周囲部分に密着している。
【選択図】図4
【解決手段】電子装置の筐体を構成するケース21は、金属材料を用いて形成されている。ケース21の周縁部210には、貫通孔212が形成されている。カバー22は、熱可塑性樹脂を用いて形成されている。カバー22の周縁部220には、周縁部220から延設され、貫通孔212を挿通するボス222が形成されている。また、ボス222の端部には、熱かしめ部223が形成されている。ケース21の外面21aにおける貫通孔212の開口周囲には、凸部213が形成されている。熱かしめ部223は、凸部213及び外面21aにおける凸部213の周囲部分に密着している。
【選択図】図4
Description
この明細書における開示は、熱かしめ部を有する電子装置に関する。
特許文献1に開示されるように、熱かしめ部を有する電子装置が知られている。この電子装置では、金属製のハウジングベースと熱可塑性樹脂製のハウジングカバーにより、筐体が構成されている。ハウジングベースには貫通孔が形成され、この貫通孔に、コネクタハウジングのピンが挿入されている。また、ハウジングベースの別の貫通孔に、ハウジングカバーのピンが挿入されている。そして、コネクタハウジングのピン及びハウジングカバーのピンの先端が、それぞれ熱かしめされている。
上記したように、特許文献1の電子装置では、回路基板を収容する筐体が、貫通孔の形成された金属ケース部(ハウジングベース)を有している。また、熱可塑性樹脂を用いて形成された樹脂部材(コネクタハウジング及びハウジングカバー)が、ベースと、ベースから延設され、貫通孔を挿通するボス(ピン)と、ボスの端部に形成された熱かしめ部を有している。以下において、熱可塑性樹脂を単に樹脂と示す。
熱かしめ部は、溶着チップをボスの先端に押し当て、樹脂を溶融させつつ加圧することで形成される。溶融した樹脂は、溶着チップの凹面に沿って流動する。金属ケース部は熱伝導率が高いので、溶融した樹脂が金属ケース部に接触すると、樹脂の熱が金属ケース部に奪われてしまい、樹脂の温度が低下する。すなわち、樹脂の流動性が低下する。このため、貫通孔の開口周囲まで樹脂が回り込まず、開口周囲に空隙が形成される虞がある。
このように空隙が存在すると接続信頼性が低下し、車両振動などの外力が作用したときに、熱かしめ部が破損する虞がある。
本開示はこのような課題に鑑みてなされたものであり、熱かしめ部の接続信頼性を向上できる電子装置を提供することを目的とする。
本開示は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、技術的範囲を限定するものではない。
本開示のひとつである電子装置は、
貫通孔(212)の形成された金属ケース部(21)を有する筐体(20)と、
筐体に収容された回路基板(30)と、
ベース(220)と、ベースから延設され、貫通孔を挿通するボス(222)と、ボスの端部に形成され、金属ケース部とベースを固定する熱かしめ部(223)と、を有し、熱可塑性樹脂を用いて形成された樹脂部材(22)と、
を備え、
金属ケース部が、ベース側の面と反対の表面における貫通孔の開口周囲に、凸部(213)を有しており、
熱かしめ部は、凸部及び表面における凸部の周囲部分に密着している。
貫通孔(212)の形成された金属ケース部(21)を有する筐体(20)と、
筐体に収容された回路基板(30)と、
ベース(220)と、ベースから延設され、貫通孔を挿通するボス(222)と、ボスの端部に形成され、金属ケース部とベースを固定する熱かしめ部(223)と、を有し、熱可塑性樹脂を用いて形成された樹脂部材(22)と、
を備え、
金属ケース部が、ベース側の面と反対の表面における貫通孔の開口周囲に、凸部(213)を有しており、
熱かしめ部は、凸部及び表面における凸部の周囲部分に密着している。
この電子装置では、金属ケース部における貫通孔の開口周囲に、凸部を設けている。空隙が形成されやすい領域に、予め凸部が存在しているため、貫通孔の開口周囲に形成される空隙を低減若しくは無くすことができる。また、凸部を有することで、熱かしめ部と金属ケース部との接触面積が増加する。これにより、ボスの延設方向の外力に対して接続信頼性を高めることができる。また、凸部は、延設方向に直交する方向の外力が作用したときに、同方向に熱かしめ部が変形するのを妨げるように機能する。以上により、金属ケース部に樹脂部材が熱かしめされる構成において、熱かしめ部の接続信頼性を向上することができる。
図面を参照しながら、複数の実施形態を説明する。複数の実施形態において、機能的に及び/又は構造的に対応する部分には同一の参照符号を付与する。以下において、プリント基板の板厚方向をZ方向と示す。ボスの延設方向は、Z方向に一致している。Z方向に直交する一方向であって、コネクタ端子の配列方向をX方向と示す。また、Z方向及びX方向の両方向に直交する方向をY方向と示す。特に断りのない限り、Z方向から平面視したときの形状(XY平面に沿う形状)を平面形状とする。
(第1実施形態)
先ず、図1及び図2に基づき、本実施形態に係る電子装置の概略構成を説明する。具体的には、ケース21及びカバー22の固定構造に関する部分を除いて説明する。
先ず、図1及び図2に基づき、本実施形態に係る電子装置の概略構成を説明する。具体的には、ケース21及びカバー22の固定構造に関する部分を除いて説明する。
図1及び図2に示すように、電子装置10は、筐体20、回路基板30、コネクタ40、及びシール材50を備えている。電子装置10は、車両に搭載される防水型の電子制御装置(ECU)として構成されている。
筐体20は、回路基板30を内部に収容し、回路基板30を保護する。筐体20は、金属材料を用いて形成された金属ケース部を有している。本実施形態では、筐体20が、Z方向において2つの部材に分割可能に構成されており、2つの部材の一方がケース21、他方がカバー22となっている。筐体20は、ケース21及びカバー22を相互に組み付けて構成される。
ケース21は、アルミニウムなどの金属材料を用いて形成されている。一方、カバー22は、PBTやPPSなどの熱可塑性樹脂を用いて形成されている。筐体20において、ケース21が金属ケース部に相当する。
ケース21は、一面が開口する箱状をなしている。平面略矩形状をなすプリント基板31に対応して、ケース21の底部も平面略矩形状となっている。ケース21において、4つの側壁部のひとつに切り欠きが設けられており、側壁部の切り欠きは、上記した一面の開口につながっている。
カバー22は、略平板状となっている。ケース21とカバー22を組み付けることで、カバー22によりケース21における一面の開口が閉塞され、内部空間23が形成される。筐体20の内部空間23に、回路基板30が収容されている。また、カバー22によりケース21の開口が閉塞され、これにより側壁部の切り欠きも区画される。そして、コネクタ40を筐体20の外部に露出させる開口部が形成される。
図2に示すように、ケース21において、周縁部210の内面側には、シール溝211が形成されている。シール溝211は、周縁部210のうち、コネクタ40用の開口部をなす部分、すなわち側壁部に設けられた切り欠きの縁にも設けられている。シール溝211は、環状に形成されている。同様に、カバー22において、周縁部220の内面側には、シール突起221が形成されている。シール突起221は、周縁部220のうち、コネクタ40用の開口部をなす部分にも設けられている。シール突起221は、環状に形成されている。周縁部210,220の大部分は、互いに対向している。
回路基板30は、プリント基板31、及び、プリント基板31に実装された電子部品32を有している。プリント基板31は、樹脂などの電気絶縁材料を用いて形成された基材に、図示しない配線が配置されてなる。そして、配線と電子部品32とにより、回路が形成されている。回路基板30は、筐体20の内部空間23に収容されている。
プリント基板31は、Z方向において、一面31a及び一面31aと反対の裏面31bを有している。筐体20のうち、ケース21は一面31a側に配置され、カバー22は裏面31b側に配置されている。回路基板30は、ねじ締結、接着、嵌合など、周知の固定手段により、筐体20に固定されている。
コネクタ40は、回路基板30(プリント基板31)に実装されている。コネクタ40は、回路基板30に形成された回路と外部機器とを電気的に中継する。コネクタ40は、平面略矩形状をなすプリント基板31の一辺の中央付近に配置されている。コネクタ40の一部は筐体20の上記した開口部を介して外部に露出され、残りの部分は筐体20の内部空間23に収容されている。
コネクタ40は、樹脂材料を用いて形成されたハウジング41、及び、導電材料を用いて形成され、ハウジング41に保持された複数の端子42を有している。ハウジング41の外面のうち、カバー22の周縁部220と対向する部分には、シール溝410が形成されている。また、ケース21の周縁部210と対向する部分には、シール突起411が形成されている。
シール材50は、内部空間23がケース21とカバー22との間、ケース21とコネクタ40のハウジング41との間、及びカバー22とハウジング41との間を介して筐体20の外部の空間と連通するのを遮断するように設けられている。本実施形態では、シール材50として、硬化前の状態で液状の接着材、具体的には湿気硬化型の接着材を採用している。
シール材50は、ケース21のシール溝211及びハウジング41のシール溝410に配置されている。そして、ケース21のシール溝211に配置されたシール材50に対し、カバー22のシール突起221の一部及びハウジング41のシール突起411が挿入されている。また、ハウジング41のシール溝410に配置されたシール材50に対し、カバー22のシール突起221の残りの部分が挿入されている。このようにして、筐体20の内部空間23が水密に封止され、防水空間となっている。
次に、図3及び図4に基づき、ケース21とカバー22の固定構造について説明する。
図3及び図4に示すように、ケース21の周縁部210には、貫通孔212が形成されている。貫通孔212は、シール溝211よりも外側に形成されている。貫通孔212は、Z方向からの平面視において、略形状をなすケース21の四隅にそれぞれ形成されている。貫通孔212は、平面略円形状をなしている。
また、ケース21の周縁部210には、凸部213が形成されている。凸部213は、カバー22との対向面とは反対の表面である外面21aにおいて、貫通孔212の開口周囲にそれぞれ形成されている。本実施形態では、凸部213が、貫通孔212の壁面212aに対して略面一となっている。凸部213は、連続的に貫通孔212を取り囲むように、環状に形成されている。凸部213は、平面円環状をなしている。そして、凸部213の内周面213aが、壁面212aと略面一となっている。内周面213aにより囲まれた領域も、貫通孔212に連なっている。さらに、凸部213は、Z方向においてカバー22の周縁部220から遠ざかるほど、外径が小さくなっている。凸部213の外周面213bは、傾斜面となっている。
カバー22は、ボス222及び熱かしめ部223を有している。このため、本実施形態では、カバー22が樹脂部材に相当する。ボス222は、周縁部220からZ方向に延設されており、ケース21の貫通孔212を挿通している。ボス222は、略円柱状をなしている。ボス222は、周縁部220に連なっている。ボス222は、周縁部220において、カバー22におけるケース21との対向面22aから突出している。周縁部220が、ベースに相当する。
熱かしめ部223は、ボス222に連なっている。熱かしめ部223は、ボス222の端部に形成され、ケース21の周縁部210とカバー22の周縁部220を固定している。熱かしめ部223は、ベースとしての周縁部220との間に、ケース21の周縁部220を挟んでいる。熱かしめ部223は、貫通孔212を取り囲むように、ケース21の外面21aに密着している。熱かしめ部223は、凸部213にも密着している。本実施形態では、凸部213の外周面213bのほぼ全面に密着している。すなわち、熱かしめ部223は、凸部213の外周面213b及び外面21aにおける凸部213の周囲部分に密着している。
熱かしめ部223の外面は、円錐台の上底及び側面に相当する形状をなしている。外面のうち、上底に相当する上面223aは、XY平面に略平行となっている。上面223aと貫通孔212は同心円となっており、Z方向からの平面視において、上面223aは貫通孔212を内包している。側面223bは、傾斜面となっている。熱かしめ部223の側面223bと凸部213の外周面213bは、XY平面に対する傾斜角がほぼ一致している。すなわち、側面223bは外周面213bに対して略平行となっている。Z方向からの平面視において、側面223bと外周面213bは同心環状となっている。
このように、ケース21とカバー22は、熱かしめにより組み付けられている。
次に、図5〜図8に基づき、熱かしめ工程について説明する。
先ず、図5に示すように、ケース21、カバー22、及び熱かしめに用いるヒートツールをそれぞれ準備する。図5では、ヒートツールのうち、溶着チップ60を図示している。具体的には、上記した貫通孔212及び凸部213を有するケース21を準備する。また、周縁部220にボス222が設けられた樹脂成形体であるカバー22を準備する。また、略円錐台状の凹部61を有する溶着チップ60を準備する。
そして、ケース21の貫通孔212にボス222を挿入し、カバー22の対向面22aにケース21を接触させる。この位置決め状態で、ボス222の先端の上方に、溶着チップ60を配置する。このとき、凹部61がケース21側となり、且つ、Z方向からの平面視において、凹部61の底面61aの中心が、貫通孔212の中心、換言すればボス222の中心と略一致するように、溶着チップ60を位置決めする。底面61aは、貫通孔212よりも大きい径を有している。位置決め状態で、凹部61の側面61bと凸部213の外周面213bが略平行となるように、凹部61が設けられている。
次いで、通電により溶着チップ60を発熱させた状態で、溶着チップ60をボス222の先端に押し付け、ボス222を溶融させる。ボス222の先端は凹部61の底面61aに接触し、溶融する。図6では、流動の初期段階を示している。溶融した樹脂は、底面61a上を流動する。図6では、溶融した樹脂の端部が側面61bに接触している。
溶着チップ60をさらにケース21に近づけると、図7に示すように、溶融した樹脂は、底面61aから側面61b側に拡がる。図7では、溶融した樹脂が、溶着チップ60における凹部61の開口縁部付近まで拡がっている。このように、溶融した樹脂は、凹部61の壁面に沿って流動する。したがって、溶融した樹脂部分(流動部分)とボス222の間に凹部224が形成される。凹部224は、凸部213に近似した形状となる。
そして、溶着チップ60をさらにケース21に近づけ、図8に示すように、溶着チップ60をケース21の外面21aに接触させる。この状態で、上記した凹部224に凸部213が挿入され、凹部224の大半が凸部213によって占められる。また、溶融した樹脂が凸部213のたとえば外周面213bに接触して凸部213の形状に馴染む。溶融した樹脂は、凸部213の少なくとも外周面213b及びケース21における凸部213の周囲部分に密着する。以上により、熱かしめ部223が形成される。
次いで、溶着チップ60を熱かしめ部223に対して離反させることで、図4に示したケース21及びカバー22の固定構造を得ることができる。
次に、図9に示す参考例と対比しつつ、上記した電子装置10の効果を説明する。なお、参考例では、各要素の符号を、本実施形態の関連する要素の符号の末尾にrを付加したものとしている。図9は、図8に対応する断面図である。
図9に示す参考例において、金属製のケース21rの周縁部210rには、貫通孔212rが形成されている。また、樹脂部材であるカバー22rの周縁部220rにはボス222rが形成されている。
参考例においても、溶着チップ60rに形成された凹部61rの壁面に沿って、溶融した樹脂が流動する。図示を省略するが、溶着チップ60rをケース21rに接触させる前の状態で、溶融した樹脂部分(流動部分)とボス222rの間には、上記した凹部224同様の凹部が形成される。
参考例では、ケース21rにおける貫通孔212rの開口周囲に凸部が設けられていない。また、溶着チップ60rがケース21rの外面に接触し、さらに溶着した樹脂がケース21rに接触すると、樹脂の熱がケース21rに奪われてしまい、樹脂の温度が低下する。すなわち、樹脂の流動性が低下する。図9に示す破線矢印は、樹脂からケース21rへの伝熱を示している。このため、貫通孔212rの開口周囲まで樹脂が回り込まず、熱かしめ部223rが形成された時点で、上記凹部由来の空隙225rが貫通孔212rの開口周囲に形成されてしまう。
これに対し、本実施形態の電子装置10では、ケース21における貫通孔212の開口周囲に、凸部213を設けている。このように、空隙が形成されやすい領域に、予め凸部213が存在しているため、貫通孔212の開口周囲に形成される空隙を低減若しくは無くすことができる。
また、凸部213を有することで、熱かしめ部223とケース21との接触面積が増加する。これにより、ボス222の延設方向であるZ方向の外力に対して接続信頼性を高めることができる。具体的には、引き抜く力に対する耐力を向上することができる。
また、凸部213は、Z方向に直交する方向の外力が作用したときに、同方向に熱かしめ部223が変形するのを妨げるように機能する。凸部213は熱かしめ部223に対してアンカーとして機能する。
以上により、本実施形態の電子装置10によれば、金属製のケース21に樹脂部材としてのカバー22が熱かしめされる構成において、熱かしめ部223の接続信頼性を向上することができる。
さらに本実施形態では、凸部213が、貫通孔212の壁面212aに対して略面一となっている。具体的には、凸部213の内周面213aが壁面212aに面一で連なっている。内周面213aと壁面212aとの間に、段差にともなう空隙が存在しない。また、溶融した樹脂は、凸部213の外周面213bに接触して馴染む。したがって、空隙をさらに低減若しくは無くすことができる。
また、凸部213が、連続的に貫通孔を取り囲んでいる。したがって、Z方向に直交する方向であって、貫通孔212周りのどの方向から外力が作用しても、凸部213は、熱かしめ部223が変形するのを妨げるように機能する。したがって、熱かしめ部223の接続信頼性をさらに高めることができる。
また、凸部213が、Z方向においてカバー22の周縁部220から遠ざかるほど外径が小さくなっている。凸部213の外周面213bは、傾斜面となっている。これにより、外周面213bとケース21の外面21aとのなす角が鈍角となっている。したがって、溶融した樹脂が外周面213bに馴染みやすい。換言すれば、外周面213bと外面21aとにわたって樹脂が流動しやすい。このため、外周面213bと外面21aとの角部に空隙が生じにくい。
また、熱かしめ部223の側面223bが傾斜面となっており、側面223bと外周面213bが略平行となっている。熱かしめ部223の外面は、溶着チップ60の凹部61の壁面に倣った形状となる。すなわち、凹部61の側面61bと外周面213bが略平行となっている。溶融した樹脂は凹部61の壁面(側面61b)に沿って流動する。したがって、上記した略平行の関係を満たすことで、空隙を生じにくくすることができる。
なお、本実施形態では、側面223bの全体が外周面213bと略平行となっている。しかしながら、Z方向において、熱かしめ部223の外面におけるケース21との端部から所定範囲の部分が、凸部213の外周面213bと略平行であればよい。たとえば、凸部213とZ方向に同じ高さの範囲において、側面223bが外周面213bと略平行とされてもよい。
(第2実施形態)
本実施形態は、先行実施形態を参照できる。このため、先行実施形態に示した電子装置10と共通する部分についての説明は省略する。
本実施形態は、先行実施形態を参照できる。このため、先行実施形態に示した電子装置10と共通する部分についての説明は省略する。
図10に示すように、本実施形態の電子装置10では、筐体20を構成するケース21が熱可塑性樹脂を用いて形成され、カバー22が金属材料を用いて形成されている。すなわち、ケース21が樹脂部材(樹脂ケース部)に相当し、カバー22が金属ケース部に相当している。
ケース21は、図示しないボス及び熱かしめ部214を有している。また、カバー22が、ボスが挿通される図示しない貫通孔を有している。なお、図10に示す例では、コネクタ40のハウジング41は、ケース21と一体的に成形されている。
このように、ケース21を樹脂部材とし、カバー22を金属ケース部とする構成においても、先行実施形態と同等の効果を奏することができる。
(第3実施形態)
本実施形態は、先行実施形態を参照できる。このため、先行実施形態に示した電子装置10と共通する部分についての説明は省略する。
本実施形態は、先行実施形態を参照できる。このため、先行実施形態に示した電子装置10と共通する部分についての説明は省略する。
図11に示すように、本実施形態の電子装置10では、凸部213の内周面213aが、貫通孔212の壁面212aに対して略面一となっておらず、内周面213aの径が貫通孔212の径よりも長くなっている。すなわち、内周面213aと壁面212aとの間に、僅かではあるが段差が存在する。そして、この段差の部分に、空隙225が存在している。それ以外の構成は、第1実施形態と同じである。
このように、本実施形態でも、貫通孔212の開口周囲に凸部213が形成されており、熱かしめ時において、樹脂の凹部224に凸部213が配置される。そして、凸部213の外周面213bに樹脂が密着する。したがって、凸部213の内側に僅かな空隙225が形成されるものの、空隙225を従来よりも小さくすることができる。図11に示す破線は、図9で示した空隙225rを示す参考線である。参考線との比較により、空隙225を低減できることが明らかである。
このように、本実施形態の電子装置10によっても、金属製のケース21に樹脂部材としてのカバー22が熱かしめされる構成において、熱かしめ部223の接続信頼性を向上することができる。
なお、本実施形態に示した構成を、第2実施形態に示した構成と組み合わせてもよい。
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。たとえば、開示は、実施形態において示された要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものと解されるべきである。
電子装置10として、車両に搭載される防水型の電子制御装置の例を示したがこれに限定されるものではない。たとえば非防水の電子装置10にも適用することができる。
筐体20を構成するケース21及びカバー22の一方が金属ケース部、他方が樹脂部材(樹脂ケース部)とされる例を示したが、これに限定されるものではない。コネクタ40を構成するハウジング41を樹脂部材とし、ハウジング41と金属ケース部としてのケース21との固定構造に、上記した熱かしめを適用することもできる。この場合、ハウジング41がボス及び熱かしめ部を有することとなる。カバー22の構成材料については特に限定されない。
凸部213が連続的に貫通孔212を取り囲む例、すなわち環状に設けられる例を示したが、これに限定されるものではない。不連続的に貫通孔212を取り囲むように、凸部213が形成されてもよい。
Z方向においてカバー22の周縁部220(ベース)から遠ざかるほど、環状の凸部213の外径が小さくされる例を示したが、これに限定されるものではない。たとえば、周方向に直交する断面が略矩形状をなす凸部213を採用することもできる。
凸部213の外周面213bと熱かしめ部223の側面223bが略平行とされる例を示したが、これに限定されるものではない。平行ではない構成を採用することもできる。
溶融した樹脂が、凸部213の内側(内周面213a側)に流れ込まない例を示したがこれに限定されない。たとえば内周面213aの一部に樹脂が密着する構成としてもよい。
10…電子装置、20…筐体、21…ケース、21a…外面、210…周縁部、211…シール溝、212…貫通孔、212a…壁面、213…凸部、213a…内周面、213b…外周面、214…熱かしめ部、22…カバー、22a…対向面、220…周縁部、221…シール突起、222…ボス、223…熱かしめ部、223a…上面、223b…側面、224…凹部、225…空隙、23…内部空間、30…回路基板、31…プリント基板、31a…一面、31b…裏面、32…電子部品、40…コネクタ、41…ハウジング、410…シール溝、411…シール突起、42…端子、50…シール材、60…溶着チップ、61…凹部、61a…底面、61b…側面
Claims (6)
- 貫通孔(212)の形成された金属ケース部(21)を有する筐体(20)と、
前記筐体に収容された回路基板(30)と、
ベース(220)と、前記ベースから延設され、前記貫通孔を挿通するボス(222)と、前記ボスの端部に形成され、前記金属ケース部と前記ベースを固定する熱かしめ部(223)と、を有し、熱可塑性樹脂を用いて形成された樹脂部材(22)と、
を備え、
前記金属ケース部が、前記ベース側の面と反対の表面における前記貫通孔の開口周囲に、凸部(213)を有しており、
前記熱かしめ部は、前記凸部及び前記表面における前記凸部の周囲部分に密着している電子装置。 - 前記凸部は、前記貫通孔の壁面(212a)に対して面一で形成されている請求項1に記載の電子装置。
- 前記凸部は、連続的に前記貫通孔を取り囲んでいる請求項1又は請求項2に記載の電子装置。
- 前記凸部は、前記ボスの延設方向において前記ベースから遠ざかるほど外径が小さくなっている請求項3に記載の電子装置。
- 前記ボスの延設方向において、前記熱かしめ部の外面における前記金属ケース部との端部から所定範囲の部分が、前記凸部の外周面(213b)と平行となっている請求項1〜4いずれか1項に記載の電子装置。
- 前記筐体は、前記樹脂部材としての樹脂ケース部(22)を有する請求項1〜5いずれか1項に記載の電子装置。
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JP2017030200A JP2018137317A (ja) | 2017-02-21 | 2017-02-21 | 電子装置 |
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JP2020068355A (ja) * | 2018-10-26 | 2020-04-30 | 株式会社デンソー | 電子装置 |
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-
2017
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