JP2018135697A - スラブ支持装置及び建物の解体方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】各階に設置する仮設支柱の数を減らすことができ、しかも、最上階より下の各階全てに設置する必要がなく、解体作業の省力化を実現できるスラブ支持装置及び建物の解体方法の提供。
【解決手段】既存の建物1を解体重機2により上の階から下の階へ順次解体する際、前記建物1を補強するスラブ支持装置であって、伸縮機構を有し床梁40及び天井スラブ4の間に斜設状態で設けられる斜設支持体5を有し、この斜設支持体5の一端部には前記床梁40に当接する下部当接体7を、また、他端部には前記天井スラブ4に当接する上部当接体8を設け、前記下部当接体7及び前記上部当接体8は、前記斜設支持体5に回動自在に連結する。
【選択図】図3

Description

本発明は、スラブ支持装置及び建物の解体方法に関するものである。
従来から、コンクリート造や鉄骨造の多数階の建物で、周囲に十分な作業場所を確保できない場合、最上階に解体重機を設置して上の階から下の階へと順次解体する解体方法が用いられている。
この従来の解体方法では、解体重機を設置するにあたり建物を補強するため、建物の各階の天井スラブを特許文献1に開示されるような仮設支柱により支持している。
ところで、このような仮設支柱による補強は、仮設支柱の上端が天井スラブを点で受け、下端が床スラブに点で支持される。従って、図1,2に図示したように、建物Aの各階の天井スラブD全体を均等に受けるためには仮設支柱Cを多数並設しなければならず、また、床スラブが変形しないように、下の階にも、仮設支柱Cを上の階の仮設支柱Cと平面視における位置が一致するように設置する必要がある。そのため、例えば、最上階より下の各階全てに仮設支柱Cを設置しなければならない場合が少なからずあり、この場合、多数の仮設支柱を同時に長期間に渡って調達する必要がある。図中、符号Bは解体重機である。
従って、多数の仮設支柱を最上階より下の各階全てに平面視における位置を合わせて設置するのは、仮設支柱が60kg程度の重量物であることもあり、極めて費用及び手間がかかる。
実用新案登録第3162829号公報
本発明は、上述のような現状に鑑みなされたもので、各階に設置する仮設支柱の数を減らすことができ、しかも、最上階より下の各階全てに設置する必要がなく、解体作業の省力化を実現できるスラブ支持装置及び建物の解体方法を提供するものである。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
既存の建物1を解体重機2により上の階から下の階へ順次解体する際、前記建物1を補強するスラブ支持装置であって、伸縮機構を有し床梁40及び天井スラブ4の間に斜設状態で設けられる斜設支持体5を有し、この斜設支持体5の一端部には前記床梁40に当接する下部当接体7が、また、他端部には前記天井スラブ4に当接する上部当接体8が設けられ、前記下部当接体7及び前記上部当接体8は、前記斜設支持体5に回動自在に連結されていることを特徴とするスラブ支持装置に係るものである。
また、請求項1記載のスラブ支持装置において、前記下部当接体7は前記床梁40と壁41とが成す隅部3に当接するものであることを特徴とするスラブ支持装置に係るものである。
また、請求項1,2いずれか1項に記載のスラブ支持装置において、前記斜設支持体5には前記天井スラブ4に当接する補助支持体9が設けられ、この補助支持体9は前記斜設支持体5に回動自在に連結されていることを特徴とするスラブ支持装置に係るものである。
また、請求項1〜3いずれか1項に記載のスラブ支持装置において、前記斜設支持体5には該斜設支持体5を前記床梁40及び前記天井スラブ4に押し付けるためのジャッキ10が設けられていることを特徴とするスラブ支持装置に係るものである。
また、請求項1〜4いずれか1項に記載のスラブ支持装置において、前記斜設支持体5と前記下部当接体7及び前記上部当接体8との連結構造は、凸面と凹面とを嵌合させた構造であることを特徴とするスラブ支持装置に係るものである。
また、請求項1〜5いずれか1項に記載のスラブ支持装置において、このスラブ支持装置は、2つを各上部当接体8同士を向い合せて対設し、両斜設支持体5を連結部材11で連結したものであることを特徴とするスラブ支持装置に係るものである。
また、既存の建物1を解体重機2により上の階から下の階へ順次解体する建物の解体方法であって、前記解体重機2が配置される階の下の階の床梁40及び天井スラブ4の間に請求項1〜6いずれか1項に記載のスラブ支持装置を配設することで該天井スラブ4を支持し、前記解体重機2により建物の解体を行うことを特徴とする建物の解体方法に係るものである。
また、請求項7記載の建物の解体方法において、前記解体重機2が配置される階の1階下及び2階下の前記床梁40及び天井スラブ4の間に請求項1〜6いずれか1項に記載のスラブ支持装置を配設することを特徴とする建物の解体方法に係るものである。
また、請求項7,8いずれか1項に記載の建物の解体方法において、請求項1〜6いずれか1項に記載のスラブ支持装置を前記解体の進行に応じて下の階に順次移動させて再使用することを特徴とする建物の解体方法に係るものである。
また、請求項7〜9いずれか1項に記載の建物の解体方法において、請求項6に記載のスラブ支持装置を用いることを特徴とする建物の解体方法に係るものである。
本発明は上述のように構成したから、各階に設置する仮設支柱の数を減らすことができ、しかも、最上階より下の各階全てに設置する必要がなく、解体作業の省力化を実現できるスラブ支持装置及び建物の解体方法となる。
従来の建物の解体方法を説明する概略説明断面図である。 図1の仮設支柱の平面視における配置状態を説明する概略説明図である。 本実施例のスラブ支持装置の概略説明斜視図である。 本実施例のスラブ支持装置を用いた建物の解体方法を説明する概略説明断面図である。 図4のスラブ支持装置の斜設支持体と補助支持体の平面視における配置状態を説明する概略説明図である。
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
斜設支持体5を、床スラブの中央よりも沈下し難く強度が大きい床梁40の上から天井スラブ4の中央部に向けて両者に押し付けるように斜設することで、床梁40に対して天井スラブ4を押し上げるように支持でき、強度が大きい床梁40が直接斜設支持体5からの荷重を支えることができるため、仮設支柱を床スラブに多数並設する構成に比し、少ない設置数で天井スラブ4を支持することが可能となる。
また、本発明は、床梁40に一端部を当接させ天井スラブ4に他端部を当接させて設置するから、床スラブ(中央部)にかかる垂直方向の力を可及的に軽減して変形量を抑制でき、仮設支柱を最上階より下の各階全てに夫々平面視における位置が一致するように設置する必要がなく、また、例えば、解体重機が設置される階の1階下若しくは2階下まで設置しておけば床スラブの変形を防止でき、建物を十分に補強することが可能な上、効率良く解体できる。
更に、斜設支持体5と下部当接体7及び上部当接体8とは回動自在に連結されているから、任意の傾斜角度で斜設することができ、種々の現場に対応することが可能となる。
本発明の具体的な実施例について図3〜5に基づいて説明する。
本実施例は、既存の建物1を解体重機2により上の階から下の階へ順次解体する際、前記建物1を補強するスラブ支持装置であって、伸縮機構を有し床梁40及び天井スラブ4の間に斜設状態で設けられる斜設支持体5を有し、この斜設支持体5の一端部には前記床梁40に当接する下部当接体7が、また、他端部には前記天井スラブ4(梁でない中央部分)に当接する上部当接体8が設けられ、前記下部当接体7及び前記上部当接体8は、前記斜設支持体5に回動自在に連結されているものである。
具体的には、斜設支持体5は、所定階の床梁40と壁41とが成す隅部3及び天井スラブ4の間に斜設状態で設けられ、この斜設支持体5は、本体6と、この本体6の一端部に設けられる前記下部当接体7と、前記本体6の他端部に設けられる前記上部当接体8とで構成されている。なお、本実施例においては梁上の(梁に直接支持される)床スラブ縁を含めて床梁40と称している。
本実施例は、床スラブを囲む床梁40と壁41とが成す隅部3に一端部(下部当接体7)が当接した2つのスラブ支持装置の各斜設支持体5の他端部(上部当接体8)同士を突き合せるように設置している。なお、上部当接体8同士を当接させて設置しても良いし、天井スラブ4に設けられた凸条部29を挟むように向い合せて対設しても良い。突き合せた一対の斜設支持体5の上部当接体8は一体構造としても良いし、後述するように左右分割構造としても良い。
従って、本実施例は、建物1の各階の壁で仕切られたフロア毎に設けられる。また、フロアの広さや天井スラブ4の強度等に応じて各フロアに設置する数を適宜設定する。また、壁41が無い床梁40部分に補助的に従来の仮設支柱32を用い、この仮設支柱32と床梁40とがなす隅部3に一端部を当接させても良い。なお、本実施例では、壁41が無い床梁40に仮設支柱32を設けた構成としているが、仮設支柱32は必須でなく、斜設支持体5の下部当接部を床梁40にのみ当接させても良い。
図3に図示したように、斜設支持体5の本体6は、外筒6a、中間筒6b及び内筒6cで構成されている。なお、図中、符号6dは後述する板部19・可動部10aが取り付けられる端板である。
中間筒6bの外周面には螺子溝12が設けられ、この螺子溝12の一部と螺合する螺子部を有する螺子環13が外筒6aの上端に回動自在に係止されている。また、内筒6cは中間筒6bに挿入され、内筒6cに多数設けられたピン孔14と中間筒6bの上部に設けられたピン孔とを一致させてピン15で固定することで、ある程度の長さ調整を行うことができる。
従って、ピン固定により内筒6cの中間筒6bからの突出量を決めた後、螺子環13を回動操作して中間筒6bを螺動させて外筒6aからの中間筒6bの突出量を微調整することで、斜設支持体5による隅部3及び天井スラブ4に密着状態で押し付けることができる。
斜設支持体5の下端部、即ち、本体6と下部当接体7との間には、ジャッキ10が設けられている。ジャッキ10としては一般的な機械式ジャッキ若しくは油圧ジャッキ等を採用でき、このジャッキ10によって天井スラブ4を押し上げる力(プレロード)を適宜設定できる。
斜設支持体5同士は、伸縮機構を有する連結部材11により連結されている。連結部材11と斜設支持体5とは回動自在に連結されている。
また、斜設支持体5には天井スラブ4に当接する補助支持体9が設けられ、この補助支持体9は斜設支持体5に回動自在に連結されている。また、補助支持体9は伸縮機構を有している。ジャッキ10によって、補助支持体9の位置でも天井スラブ4を押し上げることができる。天井スラブ4の中央部が押し上げられることで、発生する力が緩和低減される。
連結部材11及び補助支持体9は、斜設支持体5の本体6と同様の構成(外筒11a・9a、中間筒11b・9b及び内筒11c・9cから成る構成)であり、ピン固定により内筒11c・9cの中間筒11b・9bからの突出量を決めた後、螺子環30・31を回動操作して螺動により外筒11a・9aからの中間筒11b・9bの突出量を微調整することができる構成である。従って、斜設支持体5同士を互いに密着拘束し、斜設支持体5を介してジャッキ10により補助支持体9を天井スラブ4に密着させた後、押し上げることができる。
連結部材11及び補助支持体9は、斜設支持体5の本体6の内筒6cのピン孔14と連通するピン孔を有する受け部材17に回動自在に連結されている。従って、受け部材17の位置もピン16を挿通させる内筒6cのピン孔14の位置に応じて設定できる。
本実施例において各部材を回動自在に連結する構造としては、凸面と凹面とを嵌合させた構造を採用している。
具体的には、斜設支持体5、補助支持体9及び連結部材11の端部に、斜設支持体5、補助支持体9及び連結部材11の長手方向と夫々直交する方向に延びる半円筒部を設け、半円筒部を受ける受部に半円筒部の周面の凸円筒面と一致する凹円筒面を設け、これらを嵌合させて半円筒部を有する部材が受部に対して回動自在となるように構成されている。
更に具体的に説明すると、斜設支持体5の本体6の内筒6cの先端には、半円筒部18が設けられる板部19が設けられ、外筒6aの基端はジャッキ10の可動部10aと連結され、ジャッキ10の固定部10bの底部に半円筒部18が設けられる板部19が設けられている。また、下部当接体7及び上部当接体8は、水平板部と垂直板部とから成る断面視L字状の当接板20に半円筒部18を受ける凹円筒面が形成された受部21が設けられた構成である。下部当接体7の当接板20の水平板部は床梁40に当接し、垂直板部は壁41に当接する。また、上部当接体8の当接板20の水平板部は天井スラブ4に当接し、垂直板部は対となる斜設支持体5の上部当接体8の垂直板部に当接する。
斜設支持体5の傾斜角度は適宜設定できる。具体的には、床スラブに対して30°以上60°以下の角度で回転傾斜できるようにすれば十分に建物空間の変化に汎用的な対応ができ、支持効果を発揮できる。
また、補助支持体9の先端には天井スラブ4に当接する当接板22が設けられ、基端には半円筒部23が設けられる板部24が設けられている。受け部材17にはこの半円筒部23を受ける凹円筒面が形成された受部25が設けられている。
また、連結部材11の先端及び基端には半円筒部26が設けられる板部27が設けられている。受け部材17にはこの半円筒部26を受ける凹円筒面が形成された受部28が設けられている。
従って、簡易な構成で各部材を回動自在に連結することができる。
また、スラブ支持装置は建物の解体の進行に応じて、設置場所から取り外し、下の階に順次移動させて再使用することができる。
以上の構成のスラブ支持装置を、図4,5に図示したように、解体重機2が配置される最上階から多くとも2階下までの階の床梁40及び天井スラブ4の間に設置してこれらの階の天井スラブ4のみを支持させ、順次解体重機2による解体を行う。
解体作業は、通常は解体重機2が配置された最上階の構築物を解体した後、スラブ支持装置が予め設置された下の階の所定のフロアに移動降下して当該階の構築物の解体を行うが、解体重機2が降りた後には、稼働する階のスラブ支持装置の補強を取り外すことができ、取り外した範囲の構築物から順番に解体する。
また、解体により生じたコンクリート塊等は、建物1に適宜形成された投下口から地上へ落下せしめられ、搬出車両により順次搬出される。また、スラブ支持装置の斜設支持体5は各階層の各フロアに夫々1組若しくは2組ずつ設置するのが好ましいが、フロアの広さ等に応じて設置しないフロア、3組以上設置するフロア等、適宜設定する。
なお、図4では4階建ての建物1を図示しているが、より多層階の建物1(10階程度)でも同様に最上階から多くとも2階下までの天井スラブ4のみ(解体重機2が稼働する天井スラブ4及びその直下階の天井スラブ4のみ)を支持することとしても良好に補強できることを確認している。具体的には、解体重機2が稼働する天井スラブ4のみを支持する構成(最上階の1階下にのみスラブ支持装置を配置する構成)で十分に強度は確保できるが、工程進捗上、先行設置が必要であることから、予め最上階の1階下及び2階下の2層分に設置しておき、解体作業の進行に応じて順次転用できるようにすると効率的である。
この点、図1,2に図示したような従来の仮設支柱のみを用いる場合には、10階程度の場合、一般的には、解体重機が稼働する最上階より下の3層以上に渡って設置する必要が生じ、場合によっては各階全てに設置する必要があり、極めて厄介である。
従来の仮設支柱のみによる補強では、場合によっては仮設支柱を最上階より下の各階全てに設置する必要が生じる理由について以下詳述する。
床スラブは、自重および積載荷重によって中央部ほど大きな沈下が発生するので、中央部において下面に曲げ引張り応力、上面に曲げ圧縮応力が大きくなる。現在解体の対象となっている建物の床スラブは、一般に鉄筋コンクリート造であり、使用状態で想定している荷重による曲げ引張りに対して必要な強度を確保するため、床スラブ下面側に水平方向に鉄筋を入れて補強している。曲げ圧縮応力に対しては、コンクリートだけで強度が確保できるので床スラブ上面側には部分的に鉄筋がないことが多い。床スラブが梁で区画支持される外縁付近は、上記とは反対に上面が反る曲げ引張り力となるので、上面側に水平方向に鉄筋を入れて補強している。
このような建物を解体重機を用いて上の階から下の階へ順次解体する際、上述の状態の床スラブ上に、解体重機と解体破砕物による大きな荷重が追加されるため、仮設支柱などによる補強なしでは床スラブ強度が不足してしまう。そのため、従来は、解体重機を設置するにあたり建物を補強するため、建物の各階の天井スラブを特許文献1に開示されるような仮設支柱を鉛直に設置して支持している。
このような仮設支柱による補強は、図1,2に図示したように仮設支柱の上端が天井スラブを点で受け、下端が梁で区画支持されている外縁から離れた床スラブ上に支持される。ところが、重機等の大きな荷重が載る最上面の床スラブにおいて、仮設支柱を設置した位置では、床スラブの沈下が周囲より抑えられて上面に曲げ引張り力が発生し、仮設支柱と仮設支柱の中間で沈下が極大となるため下面に曲げ引張り力が生じることとなる。その曲げ引張り力が、床スラブが保有している強度以下となるように仮設支柱の配置を決定する必要がある。使用時には上面に曲げ圧縮力が発生するとして上面に鉄筋補強がない位置に、解体作業時には上面に曲げ引張り力が発生する位置ができるため、コンクリートだけの強度を満足する曲げ引張り力に収まるよう仮設支柱の設置間隔を狭くせざるを得ず、仮設支柱の平面的な配置・必要本数が決定される。仮設支柱が床スラブを押抜く力に対しても強度があることを確認する必要がある。さらに、仮設支柱が設置された下階の床スラブは、仮設支柱に伝達される荷重によって、使用状態よりも大きなたわみが生じることとなり、一般的に強度不足となる。重機等の荷重は仮設支柱の配置や圧縮変形特性と床スラブの沈下特性との相対的な関係によって、仮設支柱が受け持つ割合が変化する。すなわち、床スラブが薄く広い場合には沈下し易く、床スラブが厚く狭い場合に比べ、仮設支柱が受け持ち下階の床スラブに作用する荷重が大きくなる。仮設支柱を沈下し易い床スラブ中央で支えることは、沈下しない位置で支える場合に比べ、上のスラブも沈下し易いため仮設支柱の効きが悪い。同時・多層に渡って仮設支柱を設置する理由は、中間の床スラブや梁が荷重の一部を負担できることで、下層の仮設支柱ほど受け持つ荷重が小さくなっていくのであるが、仮設支柱を最下面で支える床スラブに生じる力がその床スラブが保有している強度を満足するまでに、何層もの仮設支柱の設置による荷重の低減が必要なためである。また、最上階より下の各階全てに夫々平面視において重なるように仮設支柱を設置しないと、床スラブの発生する曲げ引張り力や押抜き力が大きくなって床スラブが破壊しやすいためである。
即ち、本発明は、最上階のスラブを従来の仮設支柱のみで補強する場合と同等に補強でき、且つ、仮設支柱を多数並設する場合の床スラブの変形を抑制できる構成を見出した点が画期的である。
本実施例は上述のように構成したから、斜設支持体5を、隅部3の床梁40の上から天井スラブ4の中央部に向けて両者に押し付けるように斜設することで、隅部3(梁と壁)に対して天井スラブ4を押し上げるように支持でき、強度が大きい床梁40が直接斜設支持体5からの荷重を支えることができるため、仮設支柱を床スラブに多数並設する構成に比し、少ない設置数で天井スラブ4を支持することが可能となる。
また、床スラブ(中央部)にかかる垂直方向の力を可及的に軽減して変形量を抑制でき、仮設支柱を最上階より下の各階全てに夫々平面視における位置が一致するように設置する必要がなく、解体重機が設置される階の1階下若しくは2階下まで設置しておけば床スラブの変形を防止でき、建物を十分に補強することが可能な上、効率良く解体できる。
更に、斜設支持体5と下部当接体7及び上部当接体8とは回動自在に連結されているから、任意の傾斜角度で斜設することができ、種々の現場に対応することが可能となる。
よって、本実施例は、各階に設置する仮設支柱の数を減らすことができ、しかも、最上階より下の各階全てに設置する必要がなく、解体作業の省力化を実現できるものとなる。
1 建物
2 解体重機
3 隅部
4 天井スラブ
5 斜設支持体
7 下部当接体
8 上部当接体
9 補助支持体
10 ジャッキ
11 連結部材
40 床梁
41 壁

Claims (10)

  1. 既存の建物を解体重機により上の階から下の階へ順次解体する際、前記建物を補強するスラブ支持装置であって、伸縮機構を有し床梁及び天井スラブの間に斜設状態で設けられる斜設支持体を有し、この斜設支持体の一端部には前記床梁に当接する下部当接体が、また、他端部には前記天井スラブに当接する上部当接体が設けられ、前記下部当接体及び前記上部当接体は、前記斜設支持体に回動自在に連結されていることを特徴とするスラブ支持装置。
  2. 請求項1記載のスラブ支持装置において、前記下部当接体は前記床梁と壁とが成す隅部に当接するものであることを特徴とするスラブ支持装置。
  3. 請求項1,2いずれか1項に記載のスラブ支持装置において、前記斜設支持体には前記天井スラブに当接する補助支持体が設けられ、この補助支持体は前記斜設支持体に回動自在に連結されていることを特徴とするスラブ支持装置。
  4. 請求項1〜3いずれか1項に記載のスラブ支持装置において、前記斜設支持体には該斜設支持体を前記床梁及び前記天井スラブに押し付けるためのジャッキが設けられていることを特徴とするスラブ支持装置。
  5. 請求項1〜4いずれか1項に記載のスラブ支持装置において、前記斜設支持体と前記下部当接体及び前記上部当接体との連結構造は、凸面と凹面とを嵌合させた構造であることを特徴とするスラブ支持装置。
  6. 請求項1〜5いずれか1項に記載のスラブ支持装置において、このスラブ支持装置は、2つを各上部当接体同士を向い合せて対設し、両斜設支持体を連結部材で連結したものであることを特徴とするスラブ支持装置。
  7. 既存の建物を解体重機により上の階から下の階へ順次解体する建物の解体方法であって、前記解体重機が配置される階の下の階の床梁及び天井スラブの間に請求項1〜6いずれか1項に記載のスラブ支持装置を配設することで該天井スラブを支持し、前記解体重機により建物の解体を行うことを特徴とする建物の解体方法。
  8. 請求項7記載の建物の解体方法において、前記解体重機が配置される階の1階下及び2階下の前記床梁及び天井スラブの間に請求項1〜6いずれか1項に記載のスラブ支持装置を配設することを特徴とする建物の解体方法。
  9. 請求項7,8いずれか1項に記載の建物の解体方法において、請求項1〜6いずれか1項に記載のスラブ支持装置を前記解体の進行に応じて下の階に順次移動させて再使用することを特徴とする建物の解体方法。
  10. 請求項7〜9いずれか1項に記載の建物の解体方法において、請求項6に記載のスラブ支持装置を用いることを特徴とする建物の解体方法。
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