JP2018135564A - 錫コート銅粉とその製造方法、および導電性ペースト - Google Patents

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Abstract

【課題】湿式製造方法を用いて、微細化による低温焼結性と高結晶性かつ錫被覆による耐酸化性を兼ね備えた錫コート銅粉を提供する。【解決手段】走査型電子顕微鏡(SEM)により擬八面体構造を有することが観察され、対角線長さ(L)が0.1μm〜2μmであり、対角線長さ(L)とScherrer法により求められる銅の結晶子径(R)との比(R/L)が0.2〜0.5の範囲のものを全体の60%以上含む錫コート銅粉である。この錫コート銅粉は、銅塩をアルカリでpH12〜14の範囲として、さらに錯化剤を添加して水酸化銅と銅錯イオンを共存したスラリーとする工程(A)と、このスラリーに還元剤を1〜2当量添加して亜酸化銅(Cu2O)を析出させる工程(B)と、さらに1当量以上の還元剤を追加して亜酸化銅を銅粉に還元させる工程(C)と、銅粉に錫を被覆する工程(D)とを含む湿式法により製造される。【選択図】図2

Description

本発明は、表面に錫(Sn)や錫合金を被覆した銅粉(錫コート銅粉)とその製造方法、および導電性ペーストに関し、より詳しくは、導電性ペースト等の材料として好適に用いることができる、焼結性と耐酸化性とを兼ね備えた微細で高結晶な錫コート銅粉とその製造方法、および導電性ペーストに関する。
電子機器における配線層や電極等を形成するために、樹脂型ペーストや焼成型ペーストのような、銀粉や銅粉等の金属フィラーを使用した導電性ペーストが多用されている。銀粉や銅粉の金属フィラーを使用したペーストは、各種基材上に塗布又は印刷され、加熱硬化あるいは加熱焼成の処理を受けて、配線層や電極等となる導電膜を形成する。
また、電子材料分野で高集積化、高密度化が進む中で、多層化の方法として、プリント配線板の表面と裏面の導通を得るために貫通孔(スルーホール)を設けてその壁面部分にスルーホールめっきを施し、さらにその貫通孔に導電性ペーストを充填する方法がある。
樹脂型導電性ペーストは、金属フィラーと、樹脂、硬化剤、溶剤等からなり、導電体回路パターン又は端子の上に印刷され、100℃〜200℃で加熱硬化されて導電膜となり、配線や電極を形成する。樹脂型導電性ペーストでは、熱によって熱硬化型樹脂が硬化収縮するために金属フィラーが圧着され相互に接触することで金属フィラー同士が重なり、その結果、電気的に接続した電流パスが形成される。さらに、金属粉は一般的に粒径が微細になるほど焼結性が向上するので、粒径がより小さい金属フィラーを用いると、焼結の効果も加わり低抵抗となる。この樹脂型導電性ペーストは、200℃以下の硬化温度で処理されることから、プリント配線板等の熱に弱い材料を用いる基板に使用されている。この樹脂型導電性ペーストには、金属フィラーとして、銀粉、銅粉、銀コート銅粉等が用いられる。
また、焼成型導電性ペーストは、金属フィラーと、ガラス、溶剤等からなり、導電体回路パターン又は端子の上に印刷され、600℃〜800℃の高温に加熱焼成されて導電膜となり、配線や電極を形成する。焼成型導電性ペーストでは、高温で処理され、金属フィラーが焼結して導通性が確保される。焼成型導電性ペーストは、このように高い焼成温度で処理されるため、金属粒子が拡散アロイ化することで導通が図られるものであり、高接続信頼性を期待することができる。この焼成型導電性ペーストに使用される金属フィラーとしては、共晶半田(Sn‐Pb合金)、Pbフリー半田粉(例えば、Sn−Ag−Cu合金)、錫(Sn)めっき銅粉、Snめっき銀粉などが挙げられる。
しかしながら、鉛含有半田の場合は、それを使用した配線基板等を廃棄した際に、鉛が溶出して環境汚染のおそれがあることから、電子部品のPbフリー化の観点で使用が制限される。
Sn−Pb合金の代替であるPbフリー半田粉としては、銀、ビスマス、銅、インジウム、アンチモン、亜鉛等を含む二元あるいは多元のSn合金が候補として挙げられる。このPbフリー半田粉では、より高性能な配線基板を作製するという観点から、多層基板として層間の導通を得るためにビアホールを形成し、そのビアホールに導電性ペーストやめっきで充填することが行われる。導電性ペーストを充填する場合には、ビア中の導電性ペースト組成物を高度に金属拡散接合させ、ビアの抵抗値を低くすることが要求される。ところが、積層温度より低融点のSn合金が積層時にその温度によって融解してしまい、充填した形状が変形収縮挙動を起こすことによって変形して、ビアホール内の接続信頼性が低下するという問題がある。
これらの問題を解決するためには、溶融による形状変形を最小化する必要があり、積層温度によって溶融するSn合金の領域を可能な限り減少させる必要がある。そのためには、使用する金属フィラー粒子をPbフリー半田粉とするのではなく、銅や銀を核としたSn合金が被覆された金属フィラー粒子とすることが考えられる。
ここで、核となる銅粉末の製造方法としては、銅イオンを含有する電解液を電気分解して陰極上に銅粉を析出させる電解法や、銅原料を熔解しその熔湯を液滴化して急冷、凝固させることで銅粉を生成するアトマイズ法、溶液中で還元剤を添加して銅粉を生成する湿式法等が知られている。これらの製造方法は、生産性が高く製造コストも安価であるため、工業的生産法として採用されている。
電解法で得られる銅粉は、高純度なものになるという特長があるが、その電解銅粉の多くは樹枝状の形状で析出し、しかも粒径が10μm以上と粗大なものになりやすく、さらに粒度分布が広く導電性ペーストで特に低抵抗が求められる配線用途には適していない。
また、アトマイズ法は、例えば特許文献1に示されるように、金属を高温で熔解した熔湯の流れにジェット流体を吹き付けて微粉末化する方法であるが、金属を熔解するときに不純物を含有しやすく、また噴霧するときに酸化されやすいこと、さらに1μm以下の銅微粒子を作製できないといった問題がある。上述したように、アトマイズ法、電解法で得られた銅粉は、粒径が2μm以上で焼結性が劣るので低抵抗になりにくいこと、多結晶で粒界を持つため耐酸化性に劣ることなどの欠点があり、導通性が要求される導電性ペーストとして使用分野が限定されている。
これに対して、湿式法は、溶液中の銅イオン等を還元剤により還元析出させる方法である。具体的には、例えば特許文献2に示されるように、銅塩を含む溶液中にアルカリ剤を添加し反応させて水酸化銅を析出させ、次いでブドウ糖のような還元剤を添加して亜酸化銅まで還元させ、さらにヒドラジンのような二次還元剤を添加して金属銅にまで還元させて銅粉を得る。このような湿式法では、サブミクロンの非常に微細な球状の銅微粉を作製できるという特長があるが、特許文献1と同じく多結晶で粒界を持つため耐酸化性が劣り、同じく導電性ペーストとして使用分野が限定されている。
一方で、特許文献3、4には、一定の結晶方位を持つ単結晶銅粉末を得る方法が提案されているが、主な粒径は2〜5μm程度と硬化温度100〜200℃の樹脂型導電性ペーストでは低抵抗化を満足できていない。また低抵抗とするために硬化温度を200℃以上とすると、耐酸化性が不十分となる。
この特許文献3には、正八角錐型の単結晶となった銅粉末を製造するために、銅塩と銅に対して1〜5倍のモル比の酒石酸と水酸化アルカリとを含む溶液に還元剤としてホルムアルデヒドを1分間以内に加えることが記載されている。
また、特許文献4の製造方法は、酒石酸塩などキレート剤が銅に対して1〜5倍のモル比で必要とされるため薬液コストが高くなり、同時に廃液処理のコストも高くなるため、製造コストが高くなるという問題もある。さらに還元剤であるホルムアルデヒドを1分以内に加えて還元するとの条件もあり、工業的に大量生産するには不向きである。一方、特許文献4により得られる銅粉は高結晶ではあるが板状であり、比表面積が高くなって酸化しやすく、また配線エッジが凸凹となることから導電膜の用途には不向きである。
一般に、導電性ペーストをIC基板やプリント基板等に利用する際には、微細なパターンを形成するために、例えば、熱重量(TG)分析で大気中200℃の酸化増量1質量%以下という耐酸化性に優れ、微細で分散性の良い金属フィラーが要求される。また基板耐熱性などから、低温で樹脂硬化させて収縮させた際の接触抵抗が低くなり、またフィラーを大気中で焼成すると、例えば、大気中で焼成した圧粉抵抗率500μΩ・cm以下という低抵抗になることが求められる。しかしながら、金属の粉末、特に銅粉末の場合には顕著に、粒径が微細になるほど酸化が進みやすくなる傾向があるため、微細であり、しかも耐酸化性に優れた銅粉末を得る方法が求められている。
そのため特許文献5には、気相反応によって単結晶の銅微粉を得る方法が提案されているが、得られる銅粉は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察すると、面取りされた多面体の単結晶で、しかも粉末粒子は単結晶であるために、表面が滑らかで欠陥がなく耐酸化性に優れている。しかしながら、気相反応による銅粉の製造では、塩化第一銅を還元性ガスと700℃以上の高温で反応させて単結晶銅粉を得るため、装置の機構が複雑となって製造コストがかかり、さらに得られた銅粉末が再溶融して連結するなど収率が悪いという問題がある。
前記したとおり、焼成型導電性ペーストに使用される金属フィラーとして、銅粉に錫(Sn)めっきしたものが知られているが、核となる銅粉として、特許文献3〜5のようなものを用いたのでは、その表面を錫で被覆しても焼結性と耐酸化性を兼ね備えたものとはならず、耐候性も不十分である。これらの特性を有する錫コート銅粉を工業的に安価に製造できる方法が求められている。
特許第4342746号公報 特許第4406738号公報 特公平7−115992号公報 特開2014−58713号公報 特公平6−76609号公報
本発明の目的は、上述した従来技術の問題点に鑑み、導電性ペースト等の材料として好適に用いることができる、焼結性と耐酸化性を兼ね備え、さらに微細で高結晶な銅粉に錫被覆され耐候性が高い錫コート銅粉とその製造方法、および導電性ペーストを提供することにある。
本発明者は、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定のpH領域で、銅イオンと水酸化銅の共存下で1段目の還元を行い亜酸化銅とし、次いで2段目の還元で特定量の還元剤により亜酸化銅を銅に還元することより、得られた微細、かつ結晶性の高い銅粉は、その表面に錫または錫合金を被覆することで、より耐候性の高い錫コート銅粉となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、銅粉表面に錫または錫合金が被覆されており、走査型電子顕微鏡(SEM)により擬八面体構造を有することが観察され、対角線長さ(L)が0.1μm〜2μmであり、対角線長さ(L)とScherrer法により求められる銅の結晶子径(R)との比(R/L)が0.2〜0.5の範囲のものを全体の60%以上含むことを特徴とする錫コート銅粉が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記擬八面体構造を構成する銅の結晶粒数が、5〜130個であることを特徴とする錫コート銅粉が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1または2の発明において、錫または錫合金の被覆量が、錫コート銅粉全体の1〜33質量%であることを特徴とする錫コート銅粉が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第3の発明において、前記錫合金は、銀、ビスマス、及び亜鉛から選ばれる少なくとも1種以上の金属元素を含有し、該金属元素含有量は、錫合金に対して0.1〜50質量%であることを特徴とする錫コート銅粉が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、銅塩の水溶液をアルカリでpH12〜14の範囲として、さらに錯化剤を添加して水酸化銅と銅錯イオンを共存したスラリーとする工程(A)と、前記スラリーに還元剤を1〜2当量添加して、亜酸化銅(CuO)を析出させる工程(B)と、前記亜酸化銅(CuO)が析出したスラリーに1当量以上の還元剤を追加して、亜酸化銅を銅粉に還元させる工程(C)と、さらに、得られた銅粉に錫または錫合金を被覆する工程(D)と、を含むことを特徴とする錫コート銅粉の製造方法が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第5の発明において、前記錯化剤が、PEI、PVA、PVPから選ばれる平均分子量500〜50,000の合成樹脂であることを特徴とする錫コート銅粉の製造方法が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第5の発明において、前記錯化剤は、銅塩中の銅に対して0.5質量%〜50質量%添加されることを特徴とする錫コート銅粉の製造方法が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第5の発明において、前記還元剤の量は、工程(B)と工程(C)の合計量として、3当量以上であることを特徴とする錫コート銅粉の製造方法が提供される。
また、本発明の第9の発明によれば、第5〜8のいずれかの発明において、前記還元剤は、銅と錯体を形成することを特徴とする錫コート銅粉の製造方法が提供される。
また、本発明の第10の発明によれば、第5〜9のいずれかの発明において、前記工程(C)で得られた銅粉は、洗浄後に無電解めっき法で錫または錫合金が被覆されることを特徴とする錫コート銅粉の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第11の発明によれば、第5〜10のいずれかの発明において、前記錫コート銅粉は、擬八面体構造を有し、対角線長さ(L)が0.1μm〜2μmであり、かつ対角線長さ(L)と銅の結晶子径(R)との比(R/L)が0.2〜0.5の範囲であることを特徴とする錫コート銅粉の製造方法が提供される。
一方、本発明の第12の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明の錫コート銅粉と、樹脂と溶媒とを含む導電性ペーストが提供される。
本発明に係る錫コート銅粉は、銅粉が擬八面体構造を有し、微細で焼結性が良く、結晶性が高く耐酸化性が良好であり、表面に錫または錫合金が被覆されており耐候性も高いため、配線材料など導電性ペースト等の金属フィラーとして好適に用いることができる。また本発明に係る錫コート銅粉は、銅粉製造において、製造コストが高くなる気相反応によらず、湿式法によるために比較的安価な原料、簡易な工程が採用されるため、工業的に低コストで製造することができる。
本発明に係る擬八面体構造の錫コート銅粉の模式図である。(a)は、八面体の形状で、(b)はその頂点の一部が面取りされた形状の錫コート銅粉を示し、また(c)は、(a)の擬八面体の形状をした錫コート銅粉の断面を示している。 本発明により錫コート銅粉を製造する工程を示すフロー図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を損なわない範囲で種々の変更が可能である。
1.錫コート銅粉
本発明に係る錫コート銅粉は、特定な構造を有する銅粉の表面に錫が被覆されたものである。
(銅粉)
本発明において、錫で表面被覆される銅粉は、擬八面体構造を有し、その対角線長さ(L)が0.1μm〜2μmであり、その銅の結晶子径(R)と対角線長さ(L)との比(R/L)が0.2〜0.5の範囲である。
擬八面体構造とは、図1に示す通り、八面体の形状もしくは、その頂点の一部が面取りされた形状を称するものである。これらの形状を有した銅粉は、その表面は滑らかな面である。本発明に係る銅粉は、走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察した時に、視野中にこの擬八面体構造を有する銅粉が全銅粉個数の60%以上の数を占めているのが好ましい。この個数は、70%以上を占めるのがより好ましく、80%以上がさらに好ましい。全銅粉個数の60%以上が擬八面体構造を有した銅粉であれば、後述するように高い焼結性と高い耐酸化性を十分に発揮することができる。全銅粉個数の上限値は、限定されないものの、例えば95%以下が好ましい。
本発明に係る銅粉の粒径は、図1に示すように四角錐の頂点間の長さとなる対角線長さ(L)を指標とする。なお、図1(b)のように四角錐の頂点が面取りされている場合には、面取りにより形成された面までの長さをもって対角線長さ(L)とする。
この対角線長さ(L)は、0.1μm〜2μmであり、0.2μm〜1.5μmが好ましく、0.2μm〜1μmがより好ましい。対角線長さ(L)が0.1μm未満では比表面積が急激に増加して、錫または錫合金を被覆し結晶性を高めても酸化を防ぐことが難しい。一方、2μmより大きい場合は、焼結性が悪化して低抵抗になりにくく、狭い配線幅で高精度の配線を形成することが困難になることがある。なお対角線長さ(L)は、SEMで観察し、その観察像を画像処理して求めることができる。
本発明に係る銅粉は、単結晶ではなく、数個〜数十個の結晶粒からなる多結晶体である。ただ結晶粒数が少ないため粒界酸化・腐食が起こりにくく、さらに擬八面体構造でその表面が滑らかであるため銅粉自体の耐酸化性が高く、さらに表面に錫または錫合金が被覆されることで耐候性にも優れたものとなる。
(錫コートされた銅粉)
本実施に係る錫コート銅粉は、上記銅粉に錫または錫合金の被膜が薄く形成されている。錫合金は、成分によって限定されないが、銀、ビスマス、及び亜鉛から選ばれる少なくとも1種以上の金属元素を含有するものが好ましい。被膜の厚さ(被覆厚み)は、例えば対角線長さ(L)が1μmの場合では、0.05μm以下、好ましくは0.03μm以下という極薄い被膜である。このことから、錫コート銅粉は、錫または錫合金を被覆する前の銅粉の形状である擬八面体構造がそのまま保持される。
すなわち、錫コート銅粉も擬八面体構造を有し、その対角線長さ(L)が0.1μm〜2μmであり、その銅の結晶子径(R)と対角線長さ(L)との比(R/L)が0.2〜0.5の範囲である。
図1(c)は、図1(a)の擬八面体の形状をした本発明における錫コート銅粉の断面で、表面を被覆する錫または錫合金の被膜2と複数の銅の結晶粒1とからなる多結晶体を示している。上記対角線長さ(L)と各銅の結晶粒の大きさの指標となる結晶子径(R)との関係は図1(c)の通りとなり、1つの擬八面体粒子の中の銅の結晶粒数は、銅の結晶子径(R)と擬八面体の対角線長さ(L)の数値から以下のように計算できる。銅の結晶粒数は擬八面体粒子体積を銅の結晶子径粒子体積で割ったものであり、(L/R)の関係で決まり、すなわち(R/L)の逆数の3乗となる。
具体的には、例えば(R/L)=0.2のとき、銅の結晶粒数が125個、また(R/L)=0.5のとき、銅の結晶粒数が8個となる。したがって、本発明では、銅の結晶粒数が5〜130個のものが好ましく、5〜100個のものがより好ましい。
このように比(R/L)は、錫コート銅粉を構成する銅の結晶粒数を表す指標であり、R/Lが0.2未満、すなわち銅の結晶子径が相対的に小さくなると、銅の結晶粒数が増大して多結晶化による粒界酸化・腐食が進みやすく、耐酸化性が悪化する。また、R/Lが0.5より大きくなれば単結晶に近づくことを意味し(単結晶ではR/Lが1)、耐酸化性は良好であるが焼結性が悪化するため、電気的に接続した電流パスが形成されにくく低抵抗になりにくい。焼結による電流パスを増大させるために焼成温度を高め、例えば焼成温度を200℃以上とすると、耐酸化性が高いとはいえ酸化の影響が出始めるので、いずれにしても低抵抗になりにくい。
ここで、銅の結晶子径は、X線回折測定装置(XRD)を用い、Scherrer法等により求めることができる。本発明では、擬八面体粒子の中の銅の結晶粒数が、10〜30個となるのが好ましく、これは、R/L=0.3〜0.5となる。
錫コート銅粉は、錫または錫合金の被覆量によって限定されないが、銅粉表面に、錫コート銅粉全体に対して1質量%〜33質量%の割合で錫または錫合金が被覆されたものが好ましい。錫または錫合金の被覆量は、コストの観点からはできるだけ少ない方が好ましいが、少なすぎると銅粉表面に均一な錫または錫合金の被膜が確保できず、耐候性の向上が見込めなくなる。そのため、錫または錫合金の被覆量としては、錫コート銅粉全体に対して1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることがさらに好ましい。
一方で、錫または錫合金の被覆量が多くなるとコストがかさむことから、錫または錫合金の被覆量としては、錫コート銅粉全体に対して33質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらに好ましい。錫コート銅粉において、錫合金は、錫と銀、ビスマス、及び亜鉛から選ばれる1種以上の金属元素との合金が好ましい。
これらの錫合金を構成する錫以外の金属元素の含有割合としては、融点や濡れ性の観点から、当該錫コート銅粉に被覆されている錫合金の被膜全体に対して0.1質量%〜50質量%の含有量であることが好ましい。含有量が多くなりすぎると、融点の上昇や機械的強度が低下する等の原因となることから、50質量%以下であることが好ましい。一方で、含有量が0.1質量%未満であると、これら錫合金となる金属元素を含有させても、融点を低下させたり濡れ性を向上させる効果が十分に得られない恐れがある。このことから、1質量%〜20質量%の含有量であることがより好ましく、2質量%〜10質量%の含有量であることがさらに好ましい。
2.湿式法による錫コート銅粉の製造方法
本発明に係る錫コート銅粉は湿式法により製造される。この方法は、銅塩(銅イオン)を含む溶液にアルカリを添加してpH12〜14の範囲とし、さらに錯化剤を添加して水酸化銅と銅錯イオンを共存させてスラリーとする工程(A)、このスラリーに還元剤を1〜2当量添加して亜酸化銅(CuO)を生成させる工程(B)、さらに1当量以上の還元剤を追加して亜酸化銅を銅粉に還元させる工程(C)、得られた銅粉の表面に無電解めっき法で錫または錫合金を被覆する工程(D)を含んでいる。
以下、図2にそって、各工程(A〜D)の具体的な方法を以下に記述する。
(1)工程(A)
工程(A)では、銅塩(銅イオン)を含む溶液にアルカリを添加してpH12〜14の範囲とし、さらに錯化剤を添加することで、溶液中に水酸化銅と銅錯イオンが共存したスラリーとする。
銅塩としては、硫酸銅、塩化銅、炭酸銅、酢酸銅、リン酸銅など、水溶液として溶解すればいずれの塩でもよく、また1種類単独でも複数を用いてもよい。好ましくは銅粉に陰イオン元素が混入せず不純物が少なく、排水処理費も含めて安価であるという観点から、硫酸銅、塩化銅、炭酸銅が好適である。さらには、導電性ペーストの使われる電子部品の信頼性などを考慮すれば、硫酸銅と炭酸銅がより好ましい。これらの銅塩を溶解して溶液とするが、用いる溶媒は不純物の混入を防ぐために純水とするのがより好ましい。
溶液中の銅濃度であるが、一旦は均一な溶液となり、過飽和にならない程度に溶解している溶液をpH調整すればよく、特に限定されるものではない。ただ、工業的に生産性が高く、安定して製造できるという点で、銅濃度は5g/L〜250g/Lの範囲であることが好ましい。
本発明においては、銅塩を含む溶液にアルカリを添加してpHを12〜14に調整するが、用いるアルカリの種類は、特に制限されず、例えばLiOH、KOH、NaOH、Ca(OH)および、その弱酸の塩などが使用できる。さらに好適なものには、中和で生じる沈殿塩を還元以後に分離する必要がないKOH、NaOH、LiOHが挙げられる。
pHを12〜14の範囲とすることで、銅の大部分を水酸化銅の形態(スラリー)で存在させることができる。pHを12未満とすると、水酸化銅の存在比率が低くなり、還元後の銅粉の形状が高結晶性の擬八面体構造となりにくくなる。
本発明において、銅は、アルカリによるpH調整後のスラリーに、銅錯イオンと水酸化銅が共存した形態で存在する。イオン形態の銅濃度を調整するために、錯化剤を添加することもできる。好ましい例として、水酸基、カルボキシル基、非共有電子対を持つN、S原子を1つ以上同一分子中に持つ化合物があり、代表的なものとして、アンモニア、チオール類、カルボン酸類、酒石酸、アミノ酸、エチレンジアミン、EDTA(エチレンジアミン四酢酸塩)があり、またPVA(ポリビニルアルコール)樹脂、PEI(ポリエチレンイミン)樹脂、PVP(ポリビニルピロリドン)樹脂などの有機合成樹脂のうち水溶性のものを使用できる。
有機合成樹脂を用いる場合、その平均分子量は、500〜50,000が好ましい。PVA樹脂であれば1,000〜40,000、PEI樹脂であれば500〜20,000、またPVP樹脂であれば2,000〜50,000である。
平均分子量が小さすぎると、分散効果が得られにくい。また付着力が強すぎて擬八面体表面を被覆して電気抵抗が高くなる。さらに分解しやすく反応後のろ液は、排水処理しにくくなりコスト高となる。一方、平均分子量が高すぎると水への溶解性が低くなり、たとえ溶解しても水中で分子が凝縮した構造であるため分散効果が得られにくい。また水溶液粘度も高くなり、析出した擬八面体粒子のろ別・ろ過が困難となり生産性が低下する。
従来技術の中には、ゼラチンを用いるものがある。しかし、これは特異な還元剤、錯化剤、分散剤であって、その生体高分子としての特徴から、平均分子量が10万程度で大きな電荷をもち、可溶でもあって保護コロイドとなり、水中での分子構造が本発明の有機合成樹脂とは異なっている。PVAのような繰り返し構造をもち、電荷ではなく誘電率が大きく水に可溶となる合成樹脂とは異なる機能を有するものである。保護コロイドは、微粒子を分散させるための担体であり、分散剤としてPVAと同様に機能するが、分子量と電荷の面では、アミノ酸の重合したポリペプチド、すなわちアミノ基とカルボキシル基を同一分子にもつので、水中ではほとんどがイオン化している。銅に対してはイオン結合的で吸着力が高く洗浄しにくいため、200℃程度の焼成では電気抵抗は高くなる。
一方、本発明のPVA等は、水和し誘電体化しているだけで還元反応(速度)にはほとんど寄与していない。しかし、成長反応には影響し、成長後は水洗浄で除去出来て、電気抵抗に影響することはほとんどないという長所がある。
本発明において、高結晶性の擬八面体構造の銅粉を得るために、後述する還元剤の量とともに、工程(A)での水酸化銅と銅錯イオンの存在比率を適切な範囲内とする。
この水酸化銅と銅錯イオンの存在比率は、錯化剤の添加量を銅塩中の銅に対して0.5質量%〜50質量%とするのが好ましい。0.5質量%〜30質量%とするのがより好ましく、1質量%〜10質量%とするのがさらに好ましい。錯化剤の添加量が銅塩中の銅に対して0.5質量%未満であるか、50質量%を超えると、高結晶性の擬八面体構造の銅粉が生成されにくくなり、球状の銅粉が主として生成されることがある。錯化剤の必要量は、銅塩中の銅に対して0.5質量%〜50質量%であり、製造コストに与える影響は小さい。
(2)工程(B)
工程(B)は、工程(A)にて作製されたスラリーに、還元剤を1〜2当量添加して亜酸化銅(CuO)を生成させる工程である。
工程(B)で用いる還元剤は、ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、リン酸ヒドラジン等ヒドラジン及びその誘導体、アスコルビン酸及びその酸誘導体、ホルマリン、ブドウ糖、多糖類から選ばれる1種類以上とすればよい。これら還元剤は、pH12〜14の範囲で銅の錯イオンおよび水酸化物を亜酸化銅まで還元する還元力を有し、かつ微粉で結晶性の擬八面体構造を有する亜酸化銅を得ることができる。
また、還元剤の添加量は、1〜2当量とするのが好ましい。1当量未満では還元が極めて遅いので実用的でなく、2当量より多くの還元剤を添加すると、急激に亜酸化銅や銅粉まで還元されるため、酸化されやすい0.1μm以下の超微粉が生成する。さらに工程(C)で還元剤を追加しても、目的の粒度まで成長させることができない。なお1当量は、化学量論的に銅塩中の銅を全量還元するのに必要な量を意味する。
工程(B)の還元条件として、温度、撹拌速度、発泡の抑制を適宜決定することができるが、液温20〜80℃、撹拌速度100rpm〜500rpmとするのが好ましい。さらに発泡抑制剤など、必要に応じて界面活性剤を添加することで、生産性、再現安定性ともに優れた還元が行われる。
前述した工程(A)の中和反応で、銅は水酸化物となる。この段階では非晶質(微細)であったものが、工程(B)で還元されて酸化物となる段階で擬八面体構造を形成する。酸化銅が結晶性の擬八面体構造を形成する理由として、PVAなどの有機合成樹脂が分散剤として存在し、かつ水酸化物が、ゆっくりと還元されて酸化銅となることが重要と考えられる。錯化作用のある還元剤でCuイオンを安定化させ、水酸化物と共存させることで、存在量が減った水酸化物からは酸化物への還元速度が低下すると考えられる。還元速度が遅くなれば酸化銅は結晶性となり、八面体構造に近づく。
(3)工程(C)
工程(C)は、工程(B)で亜酸化銅まで還元されたスラリーに還元剤を添加して銅を生成させる工程である。工程(C)で使用できる還元剤は、工程(B)と同一で、ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、リン酸ヒドラジン等ヒドラジン及びその誘導体、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、ホルマリン、ブドウ糖、多糖類から選ばれる1種類以上とすればよい。
その添加量は1当量以上とするのが好ましい。また工程(B)と工程(C)の還元剤の合計添加量は、3当量以上、より好ましくは4当量以上とすれば、還元時間の短縮、還元率(亜酸化銅から銅粉の回収率)を向上させることができる。工程(B)と工程(C)の還元剤の合計添加量の上限は、特に限定されないが、7当量を超えても還元時間をさらに短縮する効果はなく、薬液コストが増大するので好ましくない。
工程(B)で水酸化銅が擬八面体構造の亜酸化銅となり、工程(C)で高結晶化する理由は明確ではないが、これら還元剤が錯化剤としても働くことから、錯化剤および還元剤と銅とが、何らかの錯形成により、その錯体の有する八面体構造由来の銅粉となるものと考えられる。工程(C)では一旦擬八面体構造の酸化銅が、還元剤の錯化作用で溶解して錯イオンとなり、還元されてCuとなると考えた場合、局所的に溶解と還元の速度を制御するためには、還元剤の構造や還元力が重要であり、選ばれた還元剤であれば元の構造を引き継ぐことが可能となるであろう。
また、工程(C)の還元条件として、温度、撹拌速度、発泡の抑制を適宜変更することができ、工程(B)と同様、液温20〜80℃、撹拌速度100rpm〜500rpmとするのが好ましい。さらに、発泡抑制剤など、必要に応じて界面活性剤を添加することで、生産性、再現安定性ともに優れた還元が行われる。
工程(C)により生成された銅粉は、ろ過、洗浄、および乾燥の処理を行い、表面に付着した水分が除去される。洗浄は公知の方法を用いればよく、例えば洗浄液には純水、エタノール等のアルコール類、またはそれらの混合物等を用いることができる。また洗浄温度も特に限定されないが、5〜50℃が好ましく、10〜40℃がより好ましい。洗浄は例えば不純物濃度が所望の範囲内になるまで繰り返し、最終的にろ過して銅粉とする。乾燥方法も特に限定されることはなく、オーブン、スプレードライヤー、真空乾燥など公知の方法を用いればよい。
このようにして得られる湿式銅粉では、微細で比較的粒度分布が狭い一方で、高結晶性の粒子であるために外観が滑らかで欠陥が無く、結晶性が良好で安定性(表面安定性)が高いものとなり、優れた耐酸化性を有しているが、焼成型導電性ペースト用の金属フィラーとするには、まだ必ずしも十分な特性であるとはいえない。
(4)工程(D)
そのため以上の工程(A)〜(C)の操作により作製された銅粉は、例えば、還元型無電解めっき法や置換型無電解めっき法などを用いて錫または錫合金が被覆される。
銅粉は、そのまま錫めっきしてもよいが、その前に洗浄を行うのが好ましい。銅粉を洗浄液中に分散させ、攪拌しながら洗浄を行うことで均一な被覆が行える。この洗浄処理としては、酸性溶液中で行うのが好ましく、洗浄後には、銅粉のろ過、分離と、水洗とを適宜繰り返して、水中に銅粉が分散した水スラリーとする。なお、ろ過、分離と、水洗については、公知の方法を用いればよい。
具体的に、無電解めっき法で錫または錫合金を被覆する場合には、銅粉を洗浄した後に得られた銅スラリーに無電解錫めっき液を加えるか、無電解錫めっき液中に銅スラリーを加え、均一に撹拌することで銅粉の表面に錫または錫合金をより均一に被覆させることができる。
無電解めっき法には、下地である銅粉の溶出に伴ってめっき液中の錫イオンが還元析出する置換型錫めっきと、めっき液中の錫イオンを還元剤によって還元して錫被覆を行う還元型錫めっきと、錫イオンの不均化反応によって金属錫となることを利用して錫被覆を行う不均化反応型錫めっきが挙げられ、いずれの方法を用いてもよい。
具体的に、置換型錫めっき液としては、錫化合物と、錫化合物を水溶液中に安定に保つための錯化剤とを必須成分とし、必要に応じて界面活性剤、pH調整剤等を添加してなるものを用いることができる。また、還元型錫めっき液としては、上述した置換型錫めっき液の組成に還元剤を添加したものを用いることができる。
また、不均化反応型錫めっきでは、アルカリ水溶液中において錫イオンがHSnO2−イオンとして存在し、そのHSnO2−イオンが、下記式で示される不均化反応によって金属錫となる。不均化反応型錫めっきでは、反応により生成する金属錫によって錫めっきを行うもので、強アルカリ浴の置換型錫めっき液と同様の組成のめっき液を用いることができる。
2HSnO2− + 2HO ⇔ Sn(OH) 2− + Sn
錫化合物としては、2価の錫化合物と4価の錫化合物があり、2価の錫化合物と4価の錫化合物をそれぞれ単独で、またはそれぞれ併用してもよい。
具体的に、錫化合物としては、例えば、ホウフッ化第一錫、スルホコハク酸第一錫、塩化第一錫、塩化第二錫、硫酸第一錫、硫酸第二錫、酸化第一錫、酸化第二錫、メタンスルホン酸第一錫、エタンスルホン酸第一錫、2−ヒドロキシプロパン−1−スルホン酸第一錫、p−フェノールスルホン酸第一錫、ホウフッ化錫、ケイフッ化錫、スルファミン酸錫、シュウ酸錫、酒石酸錫、グルコン酸錫、スルホコハク酸錫、ピロリン酸錫、1−ヒドロキシエタン−1,1−ビスホスホン酸錫、トリポリリン酸錫等が挙げられる。
錯化剤としては、チオ尿素誘導体、カルボン酸又はアミン系化合物、塩化チタン等を用いることができる。
具体的に、チオ尿素誘導体としては、チオ尿素、1,3−ジメチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、ジエチルチオ尿素(例えば、1,3−ジエチル−2−チオ尿素)、N,N’−ジイソプロピルチオ尿素、アリルチオ尿素、アセチルチオ尿素、エチレンチオ尿素、1,3−ジフェニルチオ尿素、二酸化チオ尿素、チオセミカルバジド等が挙げられる。また、カルボン酸又はアミン系化合物としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グルコン酸、ゴルコヘプトン酸、グリコール酸、乳酸、トリオキシ酪酸、アスコルビン酸、イソクエン酸、タルトロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、ロイシン酸、シトラマル酸、コハク酸、メルカプトコハク酸、スルホコハク酸、グルタル酸、マロン酸、アジピン酸、シュウ酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、メサコン酸、グリコール酸、クエン酸ナトリウム、グリシン、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩、エチレンジアミン四プロピオン酸、ニトリロ三酢酸、イミノジ酢酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、イミノジプロピオン酸、アミノトリメチレンリン酸、アミノトリメチレンリン酸五ナトリウム塩、ベンジルアミン、2 − ナフチルアミン、イソブチルアミン、イソアミルアミン、1,3−プロパンジアミン四酢酸、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、メタフェニレンジアミン四酢酸、1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’−四酢酸、ジアミノプロピオン酸、エチレンジアミンテトラメチレンリン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンリン酸、グルタミン酸、ジカルボキシメチルグルタミン酸、オルニチン、システイン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、(S、S)−エチレンジアミンコハク酸、メチレンジアミン、エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、シンナミルアミン、p−メトキシシンナミルアミン等が挙げられる。
還元剤としては、リン酸系化合物、水素化ホウ素化合物、ヒドラジン誘導体等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を併せて用いることができる。
具体的に、リン酸系化合物としては、次亜リン酸、亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸等が挙げられる。また、水素化ホウ素化合物としては、メチルヘキサボラン、ジメチルアミンボラン、ジエチルアミンボラン、モルホリンボラン、ピリジンアミンボラン、ピペリジンボラン、エチレンジアミンボラン、エチレンジアミンビスボラン、t−ブチルアミンボラン、イミダゾールボラン、メトキシエチルアミンボラン、水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられる。また、ヒドラジン誘導体としては、硫酸ヒドラジン、塩酸ヒドラジン等のヒドラジン塩や、ピラゾール類、トリアゾール類、ヒドラジド類等のヒドラジン誘導体等を用いることができる。これらの中で、ピラゾール類としては、ピラゾールの他に、3,5−ジメチルピラゾール、3−メチル−5−ピラゾロン等のピラゾール誘導体を用いることができる。また、トリアゾール類としては、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、1,2,3−トリアゾール等を用いることができる。また、ヒドラジド類としては、アジピン酸ヒドラジド、マレイン酸ヒドラジド、カルボヒドラジド等を用いることができる。
なお、そのほか、必要に応じて、pH緩衝剤、pH調整剤、界面活性剤等の添加剤を含有させることができる。さらに必要に応じて、消泡剤や分散剤を使用してもよい。
pH緩衝剤としては、公知の錯化剤を使用することができる。例えば、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、ホウ酸、酢酸ナトリウム等が挙げられる。
pH調整剤としては、公知の錯化剤を使用することができる。例えば、酸やアルカリの化合物を使用することができ、例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物,炭酸ニッケル、硫酸、塩酸等が挙げられる。なお、アンモニアを用いる場合、アンモニア水として供給することができる。
界面活性剤は、めっき液の浸透性を向上させるために用いることができ、具体的に、界面活性剤としては、ノニオン性、カチオン性、アニオン性、両性等の界面活性剤のいずれを用いることができ、1種単独又は2種以上併せて用いることができる。
さらに、形成される錫被膜中に、錫以外の他の元素が含有させるようにすることで、すなわち、銅粉表面に錫合金の被膜を形成させることで、融点や濡れ性等の性質を変更することができる。例えば、Pbフリー半田の仕様としては、使用する用途や材料によって、使用温度や濡れ性、機械的強度が問題となる。この点において、錫合金の被膜を形成させることで、使用用途や材料に合った性質に変更することができる。
具体的に、錫被膜中に含有させる元素としては、つまり錫合金を構成する錫以外の元素としては、銀、ビスマス、銅、インジウム、アンチモン、及び亜鉛等が挙げられる。錫合金としては、これらの元素を含む二元あるいは多元の合金とすることができる。その中でも、無電解めっき法で錫を被覆するときに合金化できる元素としては、銀、ビスマス、亜鉛があり、上述した無電解錫めっき液に、これら元素を含む化合物を1種以上添加することによって、容易に錫合金被膜を被覆することができる。
具体的に、銀を含む錫合金とする場合、無電解錫めっき液中に添加する銀化合物としては、例えば、酸化銀、硝酸銀、硫酸銀、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、安息香酸銀、スルファミン酸銀、クエン酸銀、乳酸銀、メルカプトコハク酸銀、リン酸銀、トリフルオロ酢酸銀、ピロリン酸銀、1−ヒドロキシエタン−1,1−ビスホスホン酸銀、ホウフッ化銀、酒石酸銀、グルコン酸銀、シュウ酸銀、メタンスルホン酸銀、p−フェノールスルホン酸銀、安息香酸銀等が挙げられる。
また、ビスマスを含む錫合金とする場合、無電解錫めっき液中に添加するビスマス化合物としては、例えば、硝酸ビスマス、塩化ビスマス、メタンスルホン酸ビスマス、エタンスルホン酸ビスマス、p−フェノールスルホン酸ビスマス等が挙げられる。
また、亜鉛を含む錫合金とする場合、無電解錫めっき液中に添加する亜鉛化合物としては、例えば、酸化亜鉛、塩化亜鉛、硫酸亜鉛等が挙げられる。
これらの錫合金を構成する錫以外の金属元素の含有割合としては、融点や濡れ性の観点から、当該錫コート銅粉に被覆されている錫合金の被膜全体に対して0.1質量%〜50質量%の含有量であることが好ましい。含有量が多くなりすぎると、融点の上昇や機械的強度が低下する等の原因となることから、50質量%以下であることが好ましい。一方で、含有量が0.1質量%未満であると、これら錫合金となる金属元素を含有させても、融点を低下させたり濡れ性を向上させる効果が十分に得られない可能性がある。このことから、錫合金被膜全体に対して0.1質量%〜50質量%の含有量であることが好ましく、1質量%〜20質量%の含有量であることがより好ましく、2質量%〜10質量%の含有量であることがさらに好ましい。
なお、錫合金を構成する金属元素の含有量は、例えば高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法により、錫コート銅粉を構成する各元素の含有量を換算することによって測定できる。また、エネルギー分散型X線分光(EDX)法やオージェ電子分光(AES)法によって、錫コート銅粉の断面等から錫合金被膜中の各元素の定量分析することもできる。
さらに、錫合金被膜を形成する方法としては、上述した無電解めっき法による方法に限定されない。例えば、錫を被覆する前の樹枝状銅粉中に錫合金を構成する錫以外の元素を含有させておき、錫のみからなる被膜(錫被膜)を形成させた後に、あらかじめ銅粉に含有させておいた元素をその錫被膜に拡散させることによって、錫合金被膜を形成させることもできる。
このようにして得られる湿式銅粉では、微細で比較的粒度分布が狭い一方で、高結晶性の粒子であるために外観が滑らかで欠陥が無く、結晶性が良好で安定性(表面安定性)が高いものとなり、優れた耐酸化性を有しており、しかも銅粉には表面に錫または錫合金で被覆されている。
3.導電性ペースト
このことから、本発明に係る錫コート銅粉を導電性ペーストの材料(金属フィラー)として用いた場合、樹脂中において凝集せずに均一に分散する優れた分散性を示す。また、耐酸化性を有することにより、この電解銅粉を金属フィラーとして用いた導電性ペーストは、例えば酸化性雰囲気下であっても高温焼成等の焼成処理を適切に施すことができる。
本発明に係る導電性ペーストは、少なくとも上記錫コート銅粉と樹脂(バインダ樹脂)と溶剤とを混合し、それらを混錬することで得ることができる。
導電性ペーストには、構成成分として錫コート銅粉、樹脂、溶剤のほかに、さらに必要に応じて、硬化後の導電性を改善するために酸化防止剤やカップリング剤等の添加剤を配合することができる。
樹脂の種類は、特に限定されないが、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、エチルセルロース樹脂等を用いることができる。
また、溶剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ターピネオール等の有機溶剤を用いることができる。また、その有機溶剤の量は、特に限定されないが、スクリーン印刷やディスペンサー等の導電膜形成方法に適した粘度となるように、銅粉の平均粒径を考慮して添加量を調整することができる。
また、酸化防止剤の種類は、特に限定されないが、例えばヒドロキシカルボン酸等を挙げることができる。より具体的には、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸等のヒドロキシカルボン酸が好ましく、銅への吸着力が高いクエン酸又はリンゴ酸が特に好ましい。その他にカップリング剤、粘度調整剤、分散剤、難燃剤、沈降防止剤などを使用することができる。
この導電性ペーストは、上述した構成成分を均一に分散させることができる限り、従来技術と同様の方法により製造することができる。たとえば、上述した各構成成分を、3本ロールミルなどにより均一に混練することができる。
なお、上述した添加剤を添加するタイミングも特に制限されることはなく、錫コート銅粉、バインダ樹脂と同時に溶剤に添加して混練してもよく、あるいは、錫コート銅粉とバインダ樹脂を溶剤と混練させた後、自公転ミキサ等などを用いて添加してもよい。
この導電性ペーストは、導電体回路パターン又は端子の上に印刷し、600℃〜800℃の高温に加熱焼成することで導電膜となり、配線や電極が形成される。焼成型導電性ペーストでは、高温で処理され、金属フィラーが焼結して導通性が確保される。
より高性能な配線基板を作製するという観点から、多層基板として層間の導通を得るためにビアホールを形成し、そのビアホールに導電性ペーストを充填することが行われる。導電性ペーストを充填する場合には、ビア中の導電性ペースト組成物を高度に金属拡散接合させ、ビアの抵抗値を低くすることが要求される。本発明では、銅を核とし表面に錫またはSn合金が被覆された金属フィラー粒子を用いることで、溶融して変形収縮するSn合金領域を最小化することができ、ビアホール内の接続信頼性を確保することができる。
以下に、本発明の実施例を比較例と共に示して具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、下記の実施例、比較例により得られた錫コート銅粉は、以下の方法により、形状の観察、銅の結晶子径、耐酸化性、焼結抵抗の測定を行った。
(形状の観察)
錫コート銅粉は、走査型電子顕微鏡(SEM)(日本電子株式会社製,JSM−7100F)により、任意の倍率(20視野)で、その視野内に含まれる錫コート銅粉の外観を観察した。また擬八面体の対角線長(L)を画像解析(解析ソフトMacViewer等)により測長した。また画像解析により観察した視野中の全銅粉個数中の擬八面体構造を有する銅粉の個数比率も測定した。
(結晶性、結晶子径の測定)
X線回折測定装置(XRD)(PAN alytical社製,商品名X’Pert PRO)により測定し、亜酸化銅、酸化銅の生成を確認し、さらに錫コート銅粉の銅の結晶子径(R)はX線回折法のScherrer法により求めた。単結晶か多結晶かの結晶性は、対角線長(L)との比、(R/L)により判断される。
(耐酸化性)
耐酸化性は、乾燥して得られた錫コート銅粉を打錠プレスにより直径約3mm、厚さ2mmの円筒状ペレットとし、熱重量法(TG;理学製)により、大気中で200℃まで温度を上げて、酸化による重量増量を測定した。
(焼結抵抗)
耐酸化性のTG評価後のペレットを用い、4端子法抵抗測定器(三菱化学アナリティカル製)により抵抗値を測定し、ペレット形状から抵抗率(μΩ・cm)を算出した。
(耐候性)
焼成抵抗を測定後のペレットを用い、恒温恒湿下に放置し、一定時間ごとの抵抗率を上記4端子法抵抗測定器により抵抗値を測定して抵抗率を算出し、恒温恒湿測定前を基準として抵抗率の変化率(%)を算出した。具体的には恒温恒湿条件の代表例として温度85℃、湿度85%R.H.で500時間後の抵抗率の変化率を算出した。この抵抗率の変化率は、20%以下であることが求められる。
[実施例1]
銅塩として硫酸銅水和物(住友金属鉱山製)を純水(イオン交換樹脂処理)に溶解し、銅濃度40g/Lの水溶液を得た。この青色のCu溶液に、1質量%/銅質量の平均分子量2000のポリエチレンイミン(PEI樹脂、日本触媒製)を添加し、さらにアルカリとして25%水酸化ナトリウム水溶液(和光純薬工業株式会社製)を滴下してpH12.5に整えた。その結果、溶液は銅錯体イオンによる濃い青色となり、白色の水酸化銅の沈殿が共存するスラリー状態となった(工程(A))。
この溶液を40℃とし、300rpmで撹拌して、単独のヒドラジン水和物(和光純薬工業株式会社製)からなる還元剤を2当量添加したところ、鮮やかな橙色の亜酸化銅(XRD解析からCuOと同定)が析出した(工程(B))。次いでさらに2当量のヒドラジン水和物還元剤を追加したところ、鮮やかな橙色が明るい茶色に変化し、XRD測定から亜酸化銅が銅粉に還元されたことが分かった(工程(C))。得られた銅粉は一旦濾別し、水洗と凝集防止のためのステアリン酸エマルション添加による表面処理後に再度濾別し、30℃の真空オーブンで6時間乾燥させた。
この銅粉100gを用いて、無電解めっき法によりその表面に錫被膜を形成させた。無電解錫めっき液として、ホウフッ化第一錫20g/L、ホウフッ酸200g/L、チオ尿素50g/L、水素化ホウ素ナトリウム40g/L、ホウ酸ナトリウム10g/Lを各濃度で添加しためっき液を用意した。この無電解錫めっき液に、上述した方法で作製した銅粉100gを入れ、25℃で10分間撹拌した後、浴温を60℃まで加熱して60分間撹拌した。反応が終了した後、粉末をろ過、水洗してエタノールを通じて乾燥させた(工程(D))。
こうして得られた錫コート銅粉の形状を、上述したSEMを用いた方法で観察した。錫コート銅粉は、擬八面体構造をなしており、この擬八面体構造を有する錫コート銅粉の個数は全個数の80%以上であった。また、多結晶の擬八面体の対角線長(L)の平均値は0.5μm、XRDによる銅の結晶子径(R)は0.15μmであって、得られた錫コート銅粉は、表1に示すように、R/L=0.3である微細で高結晶性の銅粉の表面に錫が被覆されていることが確認された。また錫被覆量を測定したところ、錫コート銅粉全体に対して錫被覆量は10.4質量%であった。さらに、200℃酸化増量(TG測定)は0.5質量%と小さく、抵抗率は115μΩ・cmと低抵抗となった。耐候性は13%と良好であった。
[実施例2]
実施例1において、PEI樹脂に代えて、1質量%/銅質量の平均分子量1000のポリビニルアルコール(PVA樹脂、関東化学株式会社製)を添加し、さらにアルカリとして25%水酸化ナトリウム水溶液(和光純薬工業株式会社製)を滴下してpH13.5に整え、さらに工程(C)では2当量のアスコルビン酸還元剤を追加したこと以外の条件は、同様に行った。実施例1と同じく、工程(A)の溶液は、銅錯体イオンによる濃い青色で白色の水酸化銅の沈殿が共存するスラリー状態となり、工程(B)では鮮やかな橙色の亜酸化銅(XRD解析からCuOと同定)が析出し、工程(C)では鮮やかな橙色が明るい茶色に変化してXRD測定から銅粉に還元されていた。
得られた錫コート銅粉を、実施例1と同じくSEMにより観察した。錫コート銅粉は、擬八面体構造をなしており、この擬八面体構造を有する錫コート銅粉の個数は、全個数の80%以上であった。また、表1に示すように、多結晶の擬八面体の対角線長(L)の平均値は0.7μm、XRDによる銅の結晶子径(R)は0.3μmとなり、得られた錫コート銅粉は、R/L=0.43の微細で高結晶性の銅粉の表面に錫が被覆されていることが確認された。また錫被覆量を測定したところ、錫コート銅粉全体に対して錫被覆量は10.3質量%であった。さらに、200℃酸化増量(TG測定)は0.4質量%と小さく、抵抗率102μΩ・cmと低抵抗となった。耐候性は10.5%と良好であった。
[実施例3]
実施例1において、工程(D)のホウフッ化第一錫を45g/Lとした以外は同様の条件にして錫コート銅粉を作製した。これは錫被覆量が多い事例である。
得られた錫コート銅粉の形状を、実施例1と同じくSEMを用いた方法で観察した。錫コート銅粉は、擬八面体構造をなしており、この擬八面体構造を有する錫コート銅粉の個数は全個数の80%以上であった。また、表1に示すように、多結晶の擬八面体の対角線長(L)の平均値は0.53μm、XRDによる銅の結晶子径(R)は0.15μmであって、得られた錫コート銅粉は、R/L=0.28である微細で高結晶性の銅粉の表面に錫が被覆されていることが確認された。また錫被覆量を測定したところ、錫コート銅粉全体に対して錫被覆量は23.8質量%であった。さらに、200℃酸化増量(TG測定)は0.4質量%と小さく、抵抗率は220μΩ・cmと低抵抗となった。耐候性は17.0%と良好であった。
[実施例4]
実施例1において、工程(A)〜(C)までの銅粉の作製方法は同一の条件とし、工程(D)での無電解錫めっき条件を変えて、銅粉の表面に錫被膜を形成させた。
無電解錫めっき液として、塩化第一錫10g/L、クエン酸ナトリウム40g/L、エチレンジアミン四酢酸20g/L、塩化チタン50g/Lを各濃度で添加しためっき液(錫めっき液2)を用意した。この無電解錫めっき液に、上述した方法で作製した銅粉100gを入れ、25℃で10分間撹拌した後、浴温を65℃まで加熱して60分間撹拌した。反応が終了した後、粉末をろ過、水洗してエタノールを通じて乾燥させた(工程(D))。
得られた錫コート銅粉の形状を、実施例1と同じくSEMを用いた方法で観察した。錫コート銅粉は、擬八面体構造をなしており、この擬八面体構造を有する錫コート銅粉の個数は全個数の80%以上であった。また、表1に示すように、多結晶の擬八面体の対角線長(L)の平均値は0.5μm、XRDによる銅の結晶子径(R)は0.15μmであって、得られた錫コート銅粉は、R/L=0.3である微細で高結晶性の銅粉の表面に錫が被覆されていることが確認された。また錫被覆量を測定したところ、錫コート銅粉全体に対して錫被覆量は17.6質量%であった。さらに、200℃酸化増量(TG測定)は0.8質量%と小さく、抵抗率は305μΩ・cmと低抵抗となった。耐候性は14.4%と良好であった。
[実施例5]
実施例1において、工程(A)〜(C)までの銅粉の作製方法は同一の条件とし、工程(D)での無電解錫めっき条件を変えて、銅粉の表面に錫被膜を形成させた。
無電解錫めっき液として、塩化第一錫10g/L、水酸化ナトリウム100g/L、クエン酸ナトリウム40g/Lを各濃度で添加しためっき液(錫めっき液3)を用意した。この無電解錫めっき液に、上述した方法で作製した銅粉100gを入れ、25℃で10分間撹拌した後、浴温を80℃まで加熱して60分間撹拌した。反応が終了した後、粉末をろ過、水洗してエタノールを通じて乾燥させた(工程(D))。
得られた錫コート銅粉の形状を、実施例1と同じくSEMを用いた方法で観察した。錫コート銅粉は、擬八面体構造をなしており、この擬八面体構造を有する錫コート銅粉の個数は全個数の80%以上であった。また、表1に示すように、多結晶の擬八面体の対角線長(L)の平均値は0.5μm、XRDによる銅の結晶子径(R)は0.15μmであって、得られた錫コート銅粉は、R/L=0.3である微細で高結晶性の銅粉の表面に錫が被覆されていることが確認された。また錫被覆量を測定したところ、錫コート銅粉全体に対して錫被覆量は8.4質量%であった。さらに、200℃酸化増量(TG測定)は0.5質量%と小さく、抵抗率は135μΩ・cmと低抵抗となった。耐候性は10.8%と極めて良好であった。
[実施例6]
実施例1において、工程(A)〜(C)までの銅粉の作製方法は同一の条件とし、工程(D)での無電解錫めっき条件を変えて、銅粉の表面に錫合金の被膜(Sn−Ag合金めっき)を形成させた。
合金用無電解錫めっき液として、メタンスルホン酸第一錫50g/L、クエン酸銀20g/L、チオ尿素100g/L、次亜リン酸ナトリウム30g/Lを各濃度で添加しためっき液を用意した。この無電解錫めっき液に、上述した方法で作製した状銅粉100gを入れ、25℃で10分間撹拌した後、浴温を70℃まで加熱して60分間撹拌した。反応が終了した後、粉末をろ過、水洗してエタノールを通じて乾燥させた(工程(D))。
得られた錫コート銅粉の形状を、実施例1と同じくSEMを用いた方法で観察した。錫コート銅粉は、擬八面体構造をなしており、この擬八面体構造を有する錫コート銅粉の個数は全個数の80%以上であった。また、多結晶の擬八面体の対角線長(L)の平均値は0.5μm、XRDによる銅の結晶子径(R)は0.15μmであって、得られた錫コート銅粉は、R/L=0.3である微細で高結晶性の銅粉の表面に錫合金が被覆されていることが確認された。また錫合金の被覆量を測定したところ、錫コート銅粉全体に対して錫合金の被覆量は18.2質量%であり、錫合金中に含まれる銀の含有量は錫合金に対して14.2質量%であった。さらに、200℃酸化増量(TG測定)は0.3質量%と小さく、抵抗率は95μΩ・cmと低抵抗となった。耐候性は8.0%と極めて良好であった。
[実施例7]
実施例1において、工程(A)〜(C)までの銅粉の作製方法は同一の条件とし、工程(D)での無電解錫めっき条件を変えて、銅粉の表面に錫合金の被膜(Sn−Bi合金めっき)を形成させた。
合金用無電解錫めっき液として、メタンスルホン酸第一錫40g/L、メタンスルホン酸ビスマス40g/L、チオ尿素100g/L、エチレンジアミン四酢酸20g/L、次亜リン酸ナトリウム80g/Lを各濃度で添加しためっき液を用意した。この無電解錫めっき液に、上述した方法で作製した銅粉100gを入れ、25℃で10分間撹拌した後、浴温を70℃まで加熱して60分間撹拌した。反応が終了した後、粉末をろ過、水洗してエタノールを通じて乾燥させた(工程(D))。
得られた錫コート銅粉の形状を、実施例1と同じくSEMを用いた方法で観察した。錫コート銅粉は、擬八面体構造をなしており、この擬八面体構造を有する錫コート銅粉の個数は全個数の80%以上であった。また、表1に示すように、多結晶の擬八面体の対角線長(L)の平均値は0.5μm、XRDによる銅の結晶子径(R)は0.15μmであって、得られた錫コート銅粉は、R/L=0.3である微細で高結晶性の銅粉の表面に錫合金が被覆されていることが確認された。また錫合金の被覆量を測定したところ、錫コート銅粉全体に対して錫合金の被覆量は31.6質量%であり、錫合金中に含まれるビスマスの含有量は錫合金に対して40.2質量%であった。さらに、200℃酸化増量(TG測定)は0.5質量%と小さく、抵抗率は351μΩ・cmと低抵抗となった。耐候性は16.2%と良好であった。
[実施例8]
実施例1において、工程(A)〜(C)までの銅粉の作製方法は同一の条件とし、工程(D)での無電解錫めっき条件を変えて、銅粉の表面に錫合金の被膜(Sn−Zn合金めっき)を形成させた。
合金用無電解錫めっき液として、塩化第一錫10g/L、硫酸亜鉛5g/L、チオ尿素100g/L、クエン酸ナトリウム40g/L、次亜リン酸ナトリウム70g/Lを各濃度で添加しためっき液を用意した。この無電解錫めっき液に、上述した方法で作製した銅粉100gを入れ、25℃で10分間撹拌した後、浴温を70℃まで加熱して60分間撹拌した。反応が終了した後、粉末をろ過、水洗してエタノールを通じて乾燥させた(工程(D))。
得られた錫コート銅粉の形状を、実施例1と同じくSEMを用いた方法で観察した。錫コート銅粉は、擬八面体構造をなしており、この擬八面体構造を有する錫コート銅粉の個数は全個数の80%以上であった。また、表1に示すように、多結晶の擬八面体の対角線長(L)の平均値は0.5μm、XRDによる銅の結晶子径(R)は0.15μmであって、得られた錫コート銅粉は、R/L=0.3である微細で高結晶性の銅粉の表面に錫合金が被覆されていることが確認された。また錫被覆量を測定したところ、錫コート銅粉全体に対して錫合金の被覆量は11.0質量%であり、錫合金中に含まれる亜鉛の含有量は錫合金に対して2.8質量%であった。さらに、200℃酸化増量(TG測定)は0.8質量%と小さく、抵抗率は296μΩ・cmと低抵抗となった。耐候性は15.7%と良好であった。
[実施例9]
実施例1において、工程(A)〜(C)までの銅粉の作製方法は同一の条件とし、工程(D)での無電解錫めっき条件を変えて、銅粉の表面に錫合金の被膜(Sn−Ag−Bi合金めっき)を形成させた。
合金用無電解錫めっき液としては、メタンスルホン酸第一錫50g/L、メタンスルホン酸ビスマス5g/L、クエン酸銀20g/L、チオ尿素100g/L、次亜リン酸ナトリウム30g/Lを各濃度で添加しためっき液を用意した。この無電解錫めっき液に、上述した方法で作製した銅粉100gを入れ、25℃で10分間撹拌した後、浴温を70℃まで加熱して60分間撹拌した。反応が終了した後、粉末をろ過、水洗してエタノールを通じて乾燥させた(工程(D))。
得られた錫コート銅粉の形状を、実施例1と同じくSEMを用いた方法で観察した。錫コート銅粉は、擬八面体構造をなしており、この擬八面体構造を有する錫コート銅粉の個数は全個数の80%以上であった。また、表1に示すように、多結晶の擬八面体の対角線長(L)の平均値は0.5μm、XRDによる銅の結晶子径(R)は0.15μmであって、得られた錫コート銅粉は、R/L=0.3である微細で高結晶性の銅粉の表面に錫合金が被覆されていることが確認された。また錫被覆量を測定したところ、錫コート銅粉全体に対して錫合金の被覆量は18.9質量%であり、錫合金中に含まれる銀およびビスマスの含有量は錫合金に対してそれぞれ12.4質量%と3.1質量%であった。さらに、200℃酸化増量(TG測定)は0.3質量%と小さく、抵抗率は110μΩ・cmと低抵抗となった。耐候性は10.1%と極めて良好であった。
[比較例1]
工程(A)で、アルカリとして25%水酸化ナトリウム水溶液(和光純薬工業株式会社製)を滴下して、pHを10.5に整えた条件以外は、実施例1と同様とした。
得られた錫コート銅粉を、実施例1と同じくSEMにより観察した。錫コート銅粉は、擬八面体構造ではなく不定形、平均粒径0.1μm以下の超微粉となった。また、表1に示すように、XRDによる銅の結晶子径(R)は0.015μmとなり、得られた錫コート銅粉は、R/L=0.15と結晶性の低い銅粉に錫が被覆されていることが確認された。そのため、200℃酸化増量(TG測定)は2.0質量%と大きく、抵抗率10000μΩ・cmと高抵抗となった。また粒状の銅粉粒子が凝集した超微粉であり、ペーストにすることが困難であった。なお、錫被覆量を測定したところ、錫コート銅粉全体に対して錫被覆量は11.5質量%であった。耐候性は33%と悪化した。
[比較例2]
工程(A)までは実施例1と同様とし、工程(B)にて、単独のヒドラジン水和物(和光純薬工業株式会社製)からなる還元剤の量を変え0.8当量添加した。これによる溶液の色の変化はわずかであり、亜酸化銅は生成しなかった。このスラリーに、さらに1当量のヒドラジン水和物を添加した。鮮やかな橙色の亜酸化銅(XRD解析からCuOと同定)が析出するのみで銅粉は得られなかった。
[比較例3]
工程(A)までは実施例1と同様とし、工程(B)にて、単独のヒドラジン水和物(和光純薬工業株式会社製)からなる還元剤を、一気に3当量添加した。還元剤を添加したところ、鮮やかな橙色ではなく明るい茶色の析出物が生成され、XRD解析から銅粉と確認された。この銅粉に実施例1と同様に工程(D)の条件で錫被覆して錫コート銅粉を作製した。
こうして得られた錫コート銅粉の形状を、実施例と同じくSEMを用いた方法で観察した。錫コート銅粉は、擬八面体構造ではなく不定形、平均粒径0.1μm以下の超微粉となった。また、表1に示すように、XRDによる銅の結晶子径(R)は0.01μmとなり、得られた錫コート銅粉は、R/L=0.1と結晶性の低い銅粉に錫が被覆されていることが確認された。そのため、200℃酸化増量(TG測定)は3質量%以上、抵抗率10,000μΩ・cm以上と高抵抗となった。また粒状の銅粉粒子が凝集した超微粉であり、ペーストにすることが困難であった。なお、錫被覆量を測定したところ、錫コート銅粉全体に対して錫被覆量は10.9質量%であった。_耐候性は42%と極めて悪くなった。
[比較例4]
工程(A)でポリエチレンイミン(PEI樹脂)を添加しなかった以外は実施例1と同様とした。その結果、溶液の色はわずかに青色となったが、白色の水酸化銅の沈殿が共存するスラリー状態となり、銅塩のほとんどは水酸化銅の形態となった。
この溶液を40℃とし、300rpmで撹拌して単独のヒドラジン水和物(和光純薬工業株式会社製)からなる還元剤を2当量添加したところ、鮮やかな橙色の亜酸化銅(XRD解析からCuOと同定)が析出した。さらに2当量のヒドラジン水和物還元剤を追加したところ、鮮やかな橙色が明るい茶色に変化し、XRD測定から亜酸化銅が銅粉に還元されたことが分かった。この銅粉に実施例1と同様に工程(D)の条件で錫被覆して錫コート銅粉を作製した。
こうして得られた錫コート銅粉の形状を、実施例1と同じくSEMを用いた方法で観察した。錫コート銅粉は、擬八面体構造ではなく球状であり、平均粒径1.5μmであった。また、表1に示すように、XRDによる銅の結晶子径(R)は0.05μmとなり、得られた錫コート銅粉は、R/L=0.033と極めて結晶性の低い銅粉に錫が被覆されていることが確認された。そのため、200℃酸化増量(TG測定)は3質量%以上、抵抗率10,000μΩ・cm以上と高抵抗となった。なお、錫被覆量を測定したところ、錫コート銅粉全体に対して錫被覆量は11.2質量%であった。耐候性は39%と極めて良好であった。
Figure 2018135564
「評価」
以上の実施例1〜9および比較例1〜4の結果をまとめた表1から、次のことがいえる。実施例1〜9では、湿式法で得られた銅粉は擬八面体構造をなしており、この擬八面体構造を有する錫コート銅粉の個数は全個数の80%以上であった。また、多結晶の擬八面体の対角線長(L)の平均値は0.1〜2μm、XRDによる銅の結晶子径(R)との比は、R/L=0.2〜0.5の範囲のものを全体の60%以上含むので、焼結性と耐酸化性を兼ね備えているが、この微細で高結晶性の銅粉の表面に錫が被覆されていることで、200℃酸化増量(TG測定)は0.3〜0.8質量%と小さく、抵抗率は102〜351μΩ・cmと低抵抗となり、抵抗変化率(耐候性)は17%以下と良好であった。このように優れた耐候性と、耐酸化性および焼結・低抵抗を両立するので、本発明の条件を満たす錫コート銅粉は、電子機器における配線層や電極等を形成するために、樹脂型ペーストや焼成型ペーストの原料の金属フィラーとして使用でき、特にビアホールへの充填用ペーストとして有用である。
これに対して、比較例1、3では、湿式法ではあるが、条件が本発明の条件を満たさなかったため、得られる銅粉は不定形で平均粒径が0.1μm以下となり、比較例2では銅粉が得られていない。また比較例4では球形で平均粒径が1.5μmと大きくなった。このため、比較例1、3、4の錫コート銅粉は、いずれも200℃酸化増量(TG測定)が2質量%以上、抵抗率が10000μΩ・cmと大きくなり、抵抗変化率(耐候性)も33%以上と大きくなった。このような錫コート銅粉は、樹脂型ペーストや焼成型ペーストへの原料フィラーとして使用しにくい。
本発明の錫コート銅粉は、電子機器における配線層や電極等を形成するために、樹脂型ペーストや焼成型ペーストの原料の金属フィラーとして使用することができる。

Claims (12)

  1. 銅粉表面に錫または錫合金が被覆されており、走査型電子顕微鏡(SEM)により擬八面体構造を有することが観察され、対角線長さ(L)が0.1μm〜2μmであり、対角線長さ(L)とScherrer法により求められる銅の結晶子径(R)との比(R/L)が0.2〜0.5の範囲のものを全体の60%以上含むことを特徴とする錫コート銅粉。
  2. 前記擬八面体構造を構成する銅の結晶粒数が、5〜130個であることを特徴とする請求項1に記載の錫コート銅粉。
  3. 錫または錫合金の被覆量が、錫コート銅粉全体の1〜33質量%であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の錫コート銅粉。
  4. 前記錫合金は、銀、ビスマス、及び亜鉛から選ばれる少なくとも1種以上の金属元素を含有し、該金属元素含有量は、錫合金に対して0.1〜50質量%であることを特徴とする請求項3に記載の錫コート銅粉。
  5. 銅塩の水溶液をアルカリでpH12〜14の範囲として、さらに錯化剤を添加して水酸化銅と銅錯イオンを共存したスラリーとする工程(A)と、
    前記スラリーに還元剤を1〜2当量添加して、亜酸化銅(CuO)を析出させる工程(B)と、前記亜酸化銅(CuO)が析出したスラリーに1当量以上の還元剤を追加して、亜酸化銅を銅粉に還元させる工程(C)と、
    さらに、得られた銅粉に錫または錫合金を被覆する工程(D)と、
    を含むことを特徴とする錫コート銅粉の製造方法。
  6. 前記錯化剤が、PEI、PVA、PVPから選ばれる平均分子量500〜50,000の合成樹脂であることを特徴とする請求項5に記載の錫コート銅粉の製造方法。
  7. 前記錯化剤は、銅塩中の銅に対して0.5質量%〜50質量%添加されることを特徴とする請求項5に記載の錫コート銅粉の製造方法。
  8. 前記還元剤の量は、工程(B)と工程(C)の合計量として、3当量以上であることを特徴とする請求項5に記載の錫コート銅粉の製造方法。
  9. 前記還元剤は、銅と錯体を形成することを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の錫コート銅粉の製造方法。
  10. 前記工程(C)で得られた銅粉は、洗浄後に無電解めっき法で錫または錫合金が被覆されることを特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載の錫コート銅粉の製造方法。
  11. 前記錫コート銅粉は、擬八面体構造を有し、対角線長さ(L)が0.1μm〜2μmであり、かつ対角線長さ(L)と銅の結晶子径(R)との比(R/L)が0.2〜0.5の範囲であることを特徴とする請求項5〜10のいずれか1項に記載の錫コート銅粉の製造方法。
  12. 少なくとも請求項1〜4のいずれかに記載の錫コート銅粉と、樹脂と溶媒とを含む導電性ペースト。
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