JP2017110299A - 銀コート銅粉の製造方法および導電性ペーストの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】配線材料用の金属粉として好適な銀コート銅粉を、工業的に大量生産し得る製造方法を提供する。また、その銀コート銅粉を用い、配線の細線化に対応し得る導電性ペーストを製造する方法を提供する。【解決手段】硫酸銅水溶液とpH調整剤と分散剤とを混合して銅塩液を作製し、銅塩液へ還元剤水溶液を添加して反応液として銅粒子を生成させ、得られた銅粒子を銀塩水溶液中に分散させ銀コート処理を行い、濾過、洗浄、乾燥して銀コート銅粉とする製造方法において、銅塩液に、銅に対して0.005モル%以上2モル%未満の核生成のための金属塩を溶解させるとともに、反応液中には、少なくとも水酸化銅が存在しているようにする。この方法により、球状であり、一次粒子の平均粒径が0.1〜3.0μmであり且つその粒径分布も狭い銀コート銅粉を得る。【選択図】図1
Description
本発明は、銀コート銅粉の製造方法および導電性ペーストの製造方法に関し、より詳しくは、電子材料の配線形成用として有用な銀コート銅粉の製造方法および導電性ペーストの製造方法に関するものである。
従来から、金属粉末は、導電性ペーストのような電子部品の配線形成材料として、プリント配線、半導体の内部配線、プリント配線板と電子部品との接続等に利用されている。近年では、太陽電池用電極やLED等の分野で、配線の細線化に対する需要が高まってきている。そのため、細線化に対応できる導電性ペースト向けの金属粉末が求められている。
一方、このような導電性ペースト向けの金属粉末としては、従来は銀粉が用いられてきた。しかし、銀の地金価格が高価であることから、銀コート銅粉への代替が活発に検討されている。
細線用の配線形成材料に用いられる導電性ペースト用銅粉に求められる特性は、用途及び使用条件によって様々であるが、球状であり、走査型電子顕微鏡(SEM)の観察像より求めた平均粒径(以降、単に平均粒径とすることもある)が3.0μm以下であることが重要である。球状ではないか、粒径が3.0μmを超えると、配線を細線化できない。また配線形成材料に用いられる導電性ペーストは、はんだリフロー温度や基板の材質による制限を受けて、少なくとも260℃以下、通常は200℃以下でペーストが硬化し、その硬化膜が十分な導電性を有している必要がある。
細線用の配線形成材料に用いられる導電性ペースト用銅粉に求められる特性は、用途及び使用条件によって様々であるが、球状であり、走査型電子顕微鏡(SEM)の観察像より求めた平均粒径(以降、単に平均粒径とすることもある)が3.0μm以下であることが重要である。球状ではないか、粒径が3.0μmを超えると、配線を細線化できない。また配線形成材料に用いられる導電性ペーストは、はんだリフロー温度や基板の材質による制限を受けて、少なくとも260℃以下、通常は200℃以下でペーストが硬化し、その硬化膜が十分な導電性を有している必要がある。
本出願人は、銅の酸化物、水酸化物又は塩を、ポリエチレングリコール又はエチレングリコール溶液中で加熱還元して銅微粒子を得る製造方法において、核生成のための銀塩を添加すると共に、還元制御剤及び分散剤としてアミン系高分子化合物を添加し、銀を核とする粒径が20nm以上100nm以下の銅微粒子を得ることを提案した(例えば、特許文献1)。
このように、グリコール(ポリオール)を還元剤として生成した銅粉は、耐酸化性が高いという長所があるが、反面、この耐酸化性の高さが焼結温度(粒子同士が結合する温度)を高くさせることに繋がるため、200℃以下で硬化させる配線形成用の導電性ペーストでは硬化後の導電性が低くなる。
このように、グリコール(ポリオール)を還元剤として生成した銅粉は、耐酸化性が高いという長所があるが、反面、この耐酸化性の高さが焼結温度(粒子同士が結合する温度)を高くさせることに繋がるため、200℃以下で硬化させる配線形成用の導電性ペーストでは硬化後の導電性が低くなる。
また、例えば、特許文献2には、1〜50質量%のニッケルおよび亜鉛の少なくとも一種を含み、残部が銅および不可避不純物からなる組成を有する銅合金粉末を7〜50質量%の銀含有層により被覆した後、銀含有層で被覆した銅合金粉末を熱処理することを特徴とする銀被覆銅合金粉末の製造方法が開示されている。この方法により、0.1〜15μmの銀被覆銅合金粉末を作成可能である。しかしながら、この方法では、銀被覆銅合金粉末の粒度分布がブロードになるという問題がある。
このように、従来の方法では、球状で、一次粒子の平均粒径が0.1〜3.0μmであり、且つその粒径分布も狭い銀コート銅粉を、工業的な大量生産に適した製造方法で製造することができなかった。そのため、上記の特性を有し、配線の細線化に適した導電性ペースト向けの銀コート銅粉を製造でき、工業的な大量生産に適した製造方法の提供が望まれている。
本発明の目的は、このような従来技術の課題に鑑み、一次粒子の平均粒径が0.1〜3.0μmの球状で、且つその粒径分布も狭い、細線化用途の電子材料の配線形成用として好適な銀コート銅粉の製造方法および導電性ペーストの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術の問題を解決するため、大量生産に優れる湿式還元法に着目して鋭意研究を重ね、銅塩溶液に対して銅よりも酸化還元電位の高い金属塩を核生成のために添加・混合して還元反応を行って銅粉を合成した後、この銅粉の表面に銀を被覆することで、従来の製造方法では得られなかった高結晶性で粒径が小さく、かつタップ密度を高くしうる銀コート銅粉が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、硫酸銅水溶液に、核生成のための金属塩を、銅に対して0.005モル%以上2モル%未満となるように溶解させ、さらにpH調整剤と分散剤とを混合して銅塩液を作製した後、該銅塩液へ還元剤水溶液を添加し、反応液中で少なくとも水酸化銅が存在している状態で銅粒子を生成させ、次に、得られた銅粒子を分離するか、分離せず反応液のまま銀塩水溶液中に分散させ銀コート処理を行い、濾過、洗浄、乾燥して銀コート銅粉とすることを特徴とする銀コート銅粉の製造方法が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、得られた銅粒子を分離して銀塩水溶液に添加し分散させることを特徴とする銀コート銅粉の製造方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、得られた銅粒子を含む反応液に、銀塩水溶液を添加し分散させることを特徴とする銀コート銅粉の製造方法が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、前記核生成のための金属塩が、銀またはパラジウムの化合物であることを特徴とする銀コート銅粉の製造方法が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、前記還元剤は、アスコルビン酸、ヒドラジン一水和物、又はホルマリンから選択される少なくとも1種であることを特徴とする銀コート銅粉の製造方法が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明において、前記分散剤が、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、変性シリコーンオイル系界面活性剤、又はポリエーテル系界面活性剤から選択される少なくとも1種であることを特徴とする銀コート銅粉の製造方法が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第1〜6のいずれかの発明において、前記分散剤の添加量が、銅質量に対して0.1質量%〜10質量%であることを特徴とする銀コート銅粉の製造方法が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第1〜7のいずれかの発明において、前記銀コート処理における前記銀塩は、硝酸銀、酸化銀、炭酸銀、硫酸銀、又は酢酸銀から選択される少なくとも1種であることを特徴とする銀コート銅粉の製造方法が提供される。
また、本発明の第9の発明によれば、第1〜8のいずれかの発明において、反応液のpHが、3以上であることを特徴とする銀コート銅粉の製造方法が提供される。
また、本発明の第10の発明によれば、第1〜9のいずれかの発明において、銀コート銅粉は、走査型電子顕微鏡観察による一次粒子の平均粒径が0.1〜3.0μmであり、かつ一次粒子の粒径の標準偏差値を平均粒径で除した粒径の相対標準偏差値が0.3以下であることを特徴とする銀コート銅粉の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第11の発明によれば、第10の発明において、銀コート量が、銅質量に対して1質量%〜50質量%であることを特徴とする銀コート銅粉の製造方法が提供される。
一方、本発明の第12の発明によれば、第1〜11の発明のいずれかの製造方法により得られた銀コート銅粉を、バインダ樹脂と混練してペースト化させることを特徴とする導電性ペーストの製造方法が提供される。
本発明に係る銀コート銅粉の製造方法によれば、球状で、一次粒子の平均粒径が0.1〜3.0μmであり、且つその分布も狭い銀コート銅粉を安定して製造することができる。
また、本発明による銀コート銅粉の製造方法は、取り扱いが容易であり工業的な大量生産に適した水溶液系において、原料として安価な硫酸銅を用いるので、製造コストを低減できる。従って、本発明の銀コート銅粉を用いた導電性ペーストの製造方法は、銀コート銅粉が微細な球状なので細線化に対応可能である。電子材料の配線形成用として好適な銀コート銅粉、ペーストを得ることができるため、工業的価値が極めて大きい。
また、本発明による銀コート銅粉の製造方法は、取り扱いが容易であり工業的な大量生産に適した水溶液系において、原料として安価な硫酸銅を用いるので、製造コストを低減できる。従って、本発明の銀コート銅粉を用いた導電性ペーストの製造方法は、銀コート銅粉が微細な球状なので細線化に対応可能である。電子材料の配線形成用として好適な銀コート銅粉、ペーストを得ることができるため、工業的価値が極めて大きい。
以下、本発明に係る銀コート銅粉の製造方法、及び導電性ペーストの具体的な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて適宜変更することができる。
1.銀コート銅粉の製造方法
本発明は、硫酸銅水溶液に、核生成のための金属塩を、銅に対して0.005モル%以上2モル%未満となるように溶解させ、さらにpH調整剤と分散剤とを混合して銅塩液を作製した後、該銅塩液へ還元剤水溶液を添加し、反応液中で少なくとも水酸化銅が存在している状態で銅粒子を生成させ、次に、得られた銅粒子を分離するか、分離せず反応液のまま銀塩水溶液中に分散させ銀コート処理を行い、濾過、洗浄、乾燥して銀コート銅粉とすることを特徴とする。
本発明は、硫酸銅水溶液に、核生成のための金属塩を、銅に対して0.005モル%以上2モル%未満となるように溶解させ、さらにpH調整剤と分散剤とを混合して銅塩液を作製した後、該銅塩液へ還元剤水溶液を添加し、反応液中で少なくとも水酸化銅が存在している状態で銅粒子を生成させ、次に、得られた銅粒子を分離するか、分離せず反応液のまま銀塩水溶液中に分散させ銀コート処理を行い、濾過、洗浄、乾燥して銀コート銅粉とすることを特徴とする。
すなわち、本発明では、図1に示す通り、まず硫酸銅水溶液に、核生成のための金属塩とpH調整剤と分散剤とを混合して銅塩液を作製し、この銅塩液へ還元剤水溶液を添加して反応液とし、反応液中で銅粒子を生成させ、得られた銅粒子を銀塩水溶液中に分散させ銀コート処理を行い、濾過、洗浄、乾燥して銀コート銅粉とする。この銅粒子を生成させる工程で、銅塩液に銅よりも酸化還元電位が高い金属の化合物(以下、核生成のための金属塩ともいう)を溶解させることによって、球状で、所望の平均粒径で且つその分布も狭い銀コート銅粉を得ることができる。
従来の製造方法では、球状で、一次粒子の平均粒径が0.1〜3.0μmである銀コート銅粉を工業的な大量生産に適した方法で製造できなかった。しかしながら、本出願人は、球状で、所望の平均粒径で且つその分布も狭い銀コート銅粉を得るために、銅よりも酸化還元電位が高い金属化合物を添加し、該金属化合物の添加量等を調整することにより銀コート銅粉の粒径や形状を制御することができた。
具体的には、硫酸銅水溶液とpH調整剤と分散剤とを混合して銅塩液を作製し、この銅塩液へ還元剤水溶液を添加して銅粒子を生成させ、得られた銅粒子を銀塩水溶液中に分散させ銀コート処理を行い、濾過、洗浄、乾燥して銅粉とする製造方法において、上記銅塩溶液に、銅よりも酸化還元電位が高い金属の添加量を銅に対して0.005モル%以上2モル%未満となるように溶解させることで、球状で、一次粒子の平均粒径が0.1〜3.0μmでその分布も狭い銀コート銅粉を得ることができる。
以下、本実施の形態に係る銀コート銅粉の製造方法について、より詳細に説明する。
以下、本実施の形態に係る銀コート銅粉の製造方法について、より詳細に説明する。
(銅化合物)
出発原料である銅化合物としては、硫酸銅、特に硫酸銅・5水和物を用いることが好ましい。硫酸銅・5水和物は、他の銅化合物よりも安価で、高純度のものが入手しやすい。
出発原料である銅化合物としては、硫酸銅、特に硫酸銅・5水和物を用いることが好ましい。硫酸銅・5水和物は、他の銅化合物よりも安価で、高純度のものが入手しやすい。
銅塩液中の硫酸銅・5水和物濃度は、100〜2000g/Lとすることが好ましい。銅濃度が低濃度であっても粒子の成長が生じて銅粒子を得ることはできるが、100g/L未満では、生産量に対する反応液等の排水量が増大して高コストになるとともに、高い生産性でもって銀コート銅粉を製造することができない。一方で、硫酸銅・5水和物の濃度が2000g/Lを越えると、水に対する硫酸銅・5水和物の溶解度に近くなり、十分に溶解しない可能性があるため、好ましくない。
(核生成のための金属塩)
核生成のための金属塩(以下、単に金属塩ともいう)は、銅よりも酸化還元電位が高い金属であり、その種類は特に限定されないが、銀またはパラジウムの化合物を用いると、得られる一次粒子の粒径の制御が容易で、かつその粒径のバラツキが抑えられ分布も狭くなる。また、具体的には、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、塩化物から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
核生成のための金属塩(以下、単に金属塩ともいう)は、銅よりも酸化還元電位が高い金属であり、その種類は特に限定されないが、銀またはパラジウムの化合物を用いると、得られる一次粒子の粒径の制御が容易で、かつその粒径のバラツキが抑えられ分布も狭くなる。また、具体的には、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、塩化物から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
金属塩の添加量は、銅に対して0.005モル%以上2モル%未満となるように、金属塩の化合物を銅塩液に溶解させることが好ましい。
銅塩液中の銅に対して、添加量を増加させるほど平均粒径は小さくなる傾向にあるが、添加量が銅に対して0.005モル%未満では、銅粉の平均粒径が制御できないだけでなく、銅粉の成長起点である銀などの核の発生数が少ないことから、銅の二次核が発生して凝集粒子が発生しやすくなることがある。
金属塩の添加量の上限は特に限定されないが、本発明の硫酸銅水溶液とpH調整剤と分散剤とを混合させた銅塩液に、還元剤水溶液を添加して反応液とする形態では、金属塩の添加量を増加させても得られる銀コート銅粉の平均粒径は0.1μm程度が限界であることと、銀などの金属は、銅より高価であるため、その添加量を過剰にするほどコストが高くなることもあり、上限を2モル%未満とするのが好ましい。より好ましい金属塩の添加量は、銅に対して0.01〜1.5モル%であり、特に好ましい金属塩の添加量は、銅に対して0.1〜1.5モル%である。
金属塩の添加量の上限は特に限定されないが、本発明の硫酸銅水溶液とpH調整剤と分散剤とを混合させた銅塩液に、還元剤水溶液を添加して反応液とする形態では、金属塩の添加量を増加させても得られる銀コート銅粉の平均粒径は0.1μm程度が限界であることと、銀などの金属は、銅より高価であるため、その添加量を過剰にするほどコストが高くなることもあり、上限を2モル%未満とするのが好ましい。より好ましい金属塩の添加量は、銅に対して0.01〜1.5モル%であり、特に好ましい金属塩の添加量は、銅に対して0.1〜1.5モル%である。
(pH調整剤)
pH調整剤は、還元反応による銅粉の成長速度を調整するために用いられ、反応液のpHが3.0以上となるような添加量とすることが好ましい。反応液のpHが3.0未満の場合、還元剤として弱還元剤であるアスコルビン酸を用いる場合に還元反応が進行しにくい。
pH調整剤は、還元反応による銅粉の成長速度を調整するために用いられ、反応液のpHが3.0以上となるような添加量とすることが好ましい。反応液のpHが3.0未満の場合、還元剤として弱還元剤であるアスコルビン酸を用いる場合に還元反応が進行しにくい。
さらにpH調整剤により、反応液においても、銅塩液中の銅の少なくとも一部を中和させて水酸化銅もしくは酸化銅の状態としてもよい。上述の通り、銅塩液中には100g/L以上の硫酸銅・5水和物が溶解することになるが、銅塩液中の銅イオン全量が直接還元されると銅粒子の成長速度が速くなり、得られた銅粒子の形状が球状とならないか、二次核が発生して凝集粒子となりやすくなることがある。この現象を抑制するために、反応液中に少なくとも水酸化銅を生成させて銅イオン濃度を低下させるとともに、還元の進行に応じて水酸化銅から銅イオンを供給することで銅粒子の成長速度を制御することもできる。少なくとも反応液中に水酸化銅を存在させる場合のpH調整剤の添加量は、反応液のpHが3.0以上となるようにした上で、所望の平均粒径、核生成のための金属塩の添加量、銅塩液中の銅イオン濃度、反応液の液温等の条件により適宜設定すればよい。
pH調整剤としては、アルカリ金属の水酸化物の水溶液が好ましく、入手のしやすさから、水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウム水溶液を用いるのがより好ましい。
pH調整剤としては、アルカリ金属の水酸化物の水溶液が好ましく、入手のしやすさから、水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウム水溶液を用いるのがより好ましい。
(分散剤)
分散剤としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、変性シリコーンオイル系界面活性剤、ポリエーテル系界面活性剤から選択される少なくとも1種であることが好ましい。分散剤を使用しないと、還元反応により生成した銅粒子が凝集を起こし、分散性が悪いものとなってしまう。
分散剤としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、変性シリコーンオイル系界面活性剤、ポリエーテル系界面活性剤から選択される少なくとも1種であることが好ましい。分散剤を使用しないと、還元反応により生成した銅粒子が凝集を起こし、分散性が悪いものとなってしまう。
また、分散剤の添加量としては、銅質量に対して0.01〜10質量%とすることが好ましく、0.03〜5質量%とすることがより好ましく、0.05〜3質量%とすることが特に好ましい。添加量が0.01質量%未満であると、凝集抑制効果が十分に得られず、一方で、添加量が10質量%を超えても、それ以上の凝集抑制効果の向上がなく、排水処理等の負荷が増加するのみとなる。
分散剤は、図1に示す通り、還元剤水溶液を添加して反応液とする前の銅塩液に含有させるのが好ましい。分散剤を銅塩液に混合させず、還元剤水溶液に添加するか、還元剤と同時に添加して反応液とする、あるいは還元剤添加後の反応液にさらに分散剤を添加した場合には、一次粒子の粒径分布が広くなることがある。
(還元剤)
銅塩液に添加する還元剤としては、アスコルビン酸、ヒドラジン一水和物、ホルマリンから選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
銅塩液に添加する還元剤としては、アスコルビン酸、ヒドラジン一水和物、ホルマリンから選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
還元剤の添加量は、銅量に対して1当量〜7当量とすることが好ましい。添加量が銅塩溶液中の銅量に対して1当量未満の場合、未還元の銅が反応液に残留し、それが析出した銅粒子表面に付着して一次粒子が結合した凝集粒子の発生を助長するため好ましくない。一方、7当量より多い場合には、コストが高くなるため好ましくない。
なお後述するように、還元型無電解めっき法を用いて銀コート処理を行い、かつ生成させた銅粒子を含む銅粒子スラリーを濾過しないで、この反応液に銀塩水溶液を添加して、銅粒子の生成に用いた還元剤を用いて連続的に銀コート処理を行う場合には、還元剤は銅量に対して1.5当量以上、より好ましくは2当量以上とするのがよい。
なお後述するように、還元型無電解めっき法を用いて銀コート処理を行い、かつ生成させた銅粒子を含む銅粒子スラリーを濾過しないで、この反応液に銀塩水溶液を添加して、銅粒子の生成に用いた還元剤を用いて連続的に銀コート処理を行う場合には、還元剤は銅量に対して1.5当量以上、より好ましくは2当量以上とするのがよい。
還元剤を添加後の保持時間は、1時間以上とすることが好ましい。保持時間が1時間未満の場合、還元反応が終わっておらず、未還元の銅塩が残留するため、好ましくない。保持時間の上限は、特に限定されないが、生産性の面から6時間以内に還元反応が終了するようにするのが好ましい。好ましいのは1〜4時間であり、より好ましいのは1.5〜3時間である。
反応液中で銅粒子を生成させる反応温度は、20℃〜80℃とするのが好ましい。より好ましくは、30℃〜70℃である。室温で上記銅粒子の生成は可能であるが、反応液を加温することにより銅粒子の成長速度が速くなり、生産性が向上する。しかし反応温度が80℃を超えると、二次核が発生したりして凝集粒子となりやすくなり好ましくない。もちろん反応温度は20℃未満でも銅粒子の生成は起きるが、生産性が低下してしまう。
反応液には、必要に応じて錯化剤、消泡剤等を適宜添加することもできる。これらの添加量も、その目的に応じて適宜調整すればよい。
(銀コート処理)
以上のようにして生成させた銅粒子は、例えば還元型無電解めっき法や置換型無電解めっき法を用いて銀コート処理を行う。
以上のようにして生成させた銅粒子は、例えば還元型無電解めっき法や置換型無電解めっき法を用いて銀コート処理を行う。
しかし、銀コート処理は、無電解めっき法に限定されることはなく、公知の他の方法で銅粉の表面に銀コート処理を行ってもよい。ただ無電解めっき法で銅粉の表面を銀でコートすれば、比較的低コストで生産性よく粉末表面の酸化が抑えられるとともに、この粉末を用いて導電膜を形成した時に、導電性を高めることができる。
置換型無電解めっき法を用いる場合や、銅粒子の生成に用いた消泡剤や錯化剤等が銀コート処理を阻害する場合には、生成した銅粒子を含む銅粒子スラリーを濾過した後、洗浄して銅粒子の水スラリーとして銀塩水溶液等を添加するか、濾過した後、固液分離して、分離された銅粒子を銀コート処理に用いる銀塩水溶液等に添加するのが好ましい。濾過、洗浄、および固液分離の方法は特に限定されることはなく、公知の手法を用いることができる。
また、還元化が無電解めっき法で、銅粒子の生成に用いた還元剤を銀コート処理の還元剤としても用いる場合には、上記方法で反応液の濾過以降の処理は行わず、生成した銅粒子を含む銅粒子スラリーに直接銀塩水溶液等を添加してもよい。
銀塩水溶液には、銀コート処理を進めるために、還元型の場合は必要に応じて還元剤を添加し、さらに還元型、置換型ともに、錯化剤、pH調整剤、伝導塩、界面活性剤等の分散剤、光沢剤、結晶調整剤、沈殿防止剤、安定剤等を添加することができる。もちろん還元型の場合に、還元剤を銀塩水溶液に添加せず、反応液に残留した還元剤を利用してもよい。
銀塩水溶液に追加する場合の還元剤としては、前記のとおり、銀の錯イオンは還元できても銅の錯イオンは還元できない還元力の弱いものが好ましく、炭水化物類、多価カルボン酸及びその塩、アルデヒド類等が挙げられる。より具体的には、アスコルビン酸、ぶどう糖(グルコース)、乳酸、シュウ酸、酒石酸、リンゴ酸、マロン酸、グリコール酸、酒石酸ナトリウムカリウム、ホルマリン等を用いることができる。
錯化剤は、銀イオンと錯体を形成させるものであり、上記アンモニアの他には、クエン酸、酒石酸、エチレンジアミン4酢酸、ニトリロ3酢酸等や、エチレンジアミン、グリシン、ヒダントイン、ピロリドン、コハク酸イミド等のN含有化合物、ヒドロキシエチリデン2ホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸、メルカプトプロピオン酸、チオグリコール、チオセミカルバジド等を用いることができる。
伝導塩としては、硝酸、ホウ酸、リン酸等の無機酸、クエン酸、マレイン酸、酒石酸、フタル酸等の有機酸、またはそれらのナトリウム、カリウム、アンモニウム塩等を用いることができる。
銀塩としては、硝酸銀、酸化銀、炭酸銀、硫酸銀、酢酸銀から選択される少なくとも1種であることが好ましい。特に硝酸銀を用いることが好ましい。硝酸銀を用いる場合は、アンモニアによる錯形成が容易であることから、アンモニア性溶液として銀コート処理するのが好ましい。
銀塩としては、硝酸銀、酸化銀、炭酸銀、硫酸銀、酢酸銀から選択される少なくとも1種であることが好ましい。特に硝酸銀を用いることが好ましい。硝酸銀を用いる場合は、アンモニアによる錯形成が容易であることから、アンモニア性溶液として銀コート処理するのが好ましい。
銀コート量としては、特に限定されないが、銅質量に対して1〜50質量%とすることが好ましい。1質量%未満では、銀による被覆が不十分であり、酸化しやすく、配線材料とした時に電気抵抗が高くなる。一方で、50質量%を超える場合は、銀コート量を増やしても電気抵抗の低下効果が見込めないだけでなくコストが高くなるため、好ましくない。銀コート量は、5〜40質量%がより好ましく、5〜20質量%がさらに好ましい。
(濾過、洗浄、乾燥)
以上のようにして銅粒子スラリーを用いて、銅粒子に銀コート処理すると銀コート銅粒子スラリーが生成する。その後、銀コート銅粒子スラリーを濾過した後、洗浄し、乾燥することによって銀コート銅粉が得られる。
以上のようにして銅粒子スラリーを用いて、銅粒子に銀コート処理すると銀コート銅粒子スラリーが生成する。その後、銀コート銅粒子スラリーを濾過した後、洗浄し、乾燥することによって銀コート銅粉が得られる。
洗浄方法としては、特に限定されるものではないが、例えば銀コート銅粒子を水に投入し、撹拌機又は超音波洗浄器を使用して撹拌した後、吸引濾過機やフィルタープレス等で濾過して回収する方法が用いられる。この洗浄方法において、水への投入、撹拌洗浄及び濾過からなる操作を、数回繰り返して行うことが好ましい。また、洗浄に用いる水は、銀コート銅粉に対して有害な不純物元素を含有していない水を使用し、特に純水を使用することが好ましい。
また銀コート銅粉の凝集等を防止するために、洗浄液等に表面処理剤を添加して、洗浄中に銀コート銅粉を表面処理してもよい。例えば、洗浄中にステアリン酸やオレイン酸などのカルボン酸水溶液による処理を追加することができる。表面処理を行った場合は、その後洗浄、濾過を行い、余剰な表面処理剤を十分に除去するのが好ましい。
次に、洗浄後の銀コート銅粉を乾燥させて、水分を蒸発させる。乾燥方法としては、特に限定されるものではないが、例えば洗浄後の銅粒子をステンレスバット上に置き、大気オーブン又は真空乾燥機等の市販の乾燥装置を用いて、40℃〜80℃程度の温度で加熱することにより行うことができる。
以上の製造方法によれば、球状で、所望の平均粒径で且つその分布も狭い銀コート銅粉を製造することができる。具体的に、この方法により製造された銀コート銅粉は、走査型電子顕微鏡(SEM)観察による一次粒子の平均粒径が0.1〜3.0μmとなる。ここで、一次粒子とは、本発明の銅粉のSEMの観察像から判断して、単位粒子と考えられるものを意味し、平均粒径はSEMの観察像から一次粒子の粒径を測定し、その平均値を意味する。SEMの観察像から一次粒子の粒径を測定する方法としては、特に限定されないが、例えばSEMの観察像を画像処理し、一次粒子の全様が確認できる粒子の面積を求め、その面積値から換算した直径を粒径とみなして求めることができる。好ましい一次粒子の平均粒径は0.1〜2.5μmで、より好ましいのは0.1〜2.0μmである。
また、上述した銀コート銅粉の製造方法によれば、一次粒子の粒径分布の狭い銅粉が得られ、具体的には、一次粒子の粒径の標準偏差値を、その粒径の平均値(平均粒径)で除した粒径の相対標準偏差値が0.3以下となる。一次粒子の粒径の相対標準偏差値が0.3を超えると、二次粒子の粒度分布が広くなるだけでなく、大きな二次粒子が発生しやすくもなり、細線化された配線材料には適さなくなることがある。一次粒子の粒径の相対標準偏差値の下限は特に限定されないが、本発明の製造方法では、実質的に0.1が好ましい。
2.導電性ペーストの製造方法
上記の銀コート銅粉には、バインダ樹脂と溶剤などを混合し混錬して、導電性ペーストを得ることができる。
上記の銀コート銅粉には、バインダ樹脂と溶剤などを混合し混錬して、導電性ペーストを得ることができる。
導電性ペーストには、構成成分として本発明により得られた銀コート銅粉、バインダ樹脂、溶剤のほかに、さらに必要に応じて、硬化後の導電性を改善するために酸化防止剤やカップリング剤等の添加剤を配合することができる。
バインダ樹脂の種類は、特に限定されないが、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、エチルセルロース樹脂等を用いることができる。
また、溶剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ターピネオール等の有機溶剤を用いることができる。また、その有機溶剤の量は、特に限定されないが、スクリーン印刷やディスペンサー等の導電膜形成方法に適した粘度となるように、銀コート銅粉の平均粒径を考慮して添加量を調整することができる。
また、溶剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ターピネオール等の有機溶剤を用いることができる。また、その有機溶剤の量は、特に限定されないが、スクリーン印刷やディスペンサー等の導電膜形成方法に適した粘度となるように、銀コート銅粉の平均粒径を考慮して添加量を調整することができる。
また、酸化防止剤の種類は、特に限定されないが、例えばヒドロキシカルボン酸等を挙げることができる。より具体的には、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸等のヒドロキシカルボン酸が好ましく、銅への吸着力が高いクエン酸又はリンゴ酸が特に好ましい。その他にカップリング剤、粘度調整剤、分散剤、難燃剤、沈降防止剤などを使用することがで
きる。
きる。
この導電性ペーストは、上述した構成成分を均一に分散させることができる限り、従来技術と同様の方法により製造することができる。たとえば、上述した各構成成分を、3本ロールミルなどにより均一に混練することにより製造することができる。
なお、上述した添加剤を添加するタイミングも特に制限されることはなく、銀コート銅粉、バインダ樹脂と同時に溶剤に添加して混練してもよく、あるいは、銀コート銅粉とバインダ樹脂を溶剤と混練させた後、自公転ミキサ等などを用いて添加してもよい。
なお、上述した添加剤を添加するタイミングも特に制限されることはなく、銀コート銅粉、バインダ樹脂と同時に溶剤に添加して混練してもよく、あるいは、銀コート銅粉とバインダ樹脂を溶剤と混練させた後、自公転ミキサ等などを用いて添加してもよい。
以下に、本発明の実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
[実施例1]
硫酸銅・5水和物(住友金属鉱山(株)製)25.0gを純水150mLに溶解させた。そこへ、核生成のための金属塩としての硫酸銀0.31gと、pH調整剤である25%水酸化ナトリウム水溶液(関東化学(株)製)30mLと、分散剤であるポリビニルアルコール((株)クラレ製、PVA205)0.06gを純水50mLに溶解させた分散剤水溶液を添加した。このときの硫酸銀の添加量は、銅に対して、1モル%である。さらに、消泡剤((株)アデカ製、アデカノールLG−126)を体積比で100倍に希釈し、この消泡剤希釈液5mLを添加して銅塩液とした。銅塩液中には、水酸化銅が生成していた。
上記銅塩溶液を撹拌しながら、40℃で保持した。そこへ、アスコルビン酸(和光純薬工業(株)製)44gを純水100mLに溶解させた還元剤水溶液を投入し、40℃で3時間撹拌しながら保持した。アスコルビン酸投入後の反応液でも、水酸化銅が存在した状態でアスコルビン酸により還元されて銅粒子が生成された。このとき反応液のpHは、3.5であった。
撹拌保持が終了した後の反応液を、吸引濾過機を使用して濾過し、銅粒子を固液分離した。続いて、回収した銅粒子を、硝酸銀(和光純薬工業(株)製)1.0gを溶解させた純水200mL中に投入し、40℃で1時間撹拌しながら保持した。
撹拌終了後の銀コート銅粒子(銀コート量:銅に対して10%)を含むスラリーを、吸引濾過機を使用して濾過し、銀コート銅粒子を固液分離した。続いて、回収した銀コート銅粒子を純水200mL中に投入し、そこへ、ステアリン酸エマルジョン(中京油脂(株)製、セロゾール920)0.13gを添加し、15分間撹拌した後、吸引濾過機で濾過して回収した。回収した銀コート銅粒子を純水200mL中に投入し、15分間の撹拌による洗浄と、吸引濾過機による濾過操作を行った。その後、銀コート銅粒子をステンレスバットに移し、真空乾燥機にて60℃で10時間乾燥して銀コート銅粉を得た。
この銀コート銅粉のSEM写真を図2に示す。この銀コート銅粉は、球状であることがわかる。また、銀コート量は、銅質量に対して、10質量%であった。平均粒径は、SEM像より300個以上の一次粒子の粒径を測長して粒子数で平均することで求めたところ、0.15μmであり、一次粒子の粒径の標準偏差値を平均粒径で除した粒径の相対標準偏差値は0.27であった。
硫酸銅・5水和物(住友金属鉱山(株)製)25.0gを純水150mLに溶解させた。そこへ、核生成のための金属塩としての硫酸銀0.31gと、pH調整剤である25%水酸化ナトリウム水溶液(関東化学(株)製)30mLと、分散剤であるポリビニルアルコール((株)クラレ製、PVA205)0.06gを純水50mLに溶解させた分散剤水溶液を添加した。このときの硫酸銀の添加量は、銅に対して、1モル%である。さらに、消泡剤((株)アデカ製、アデカノールLG−126)を体積比で100倍に希釈し、この消泡剤希釈液5mLを添加して銅塩液とした。銅塩液中には、水酸化銅が生成していた。
上記銅塩溶液を撹拌しながら、40℃で保持した。そこへ、アスコルビン酸(和光純薬工業(株)製)44gを純水100mLに溶解させた還元剤水溶液を投入し、40℃で3時間撹拌しながら保持した。アスコルビン酸投入後の反応液でも、水酸化銅が存在した状態でアスコルビン酸により還元されて銅粒子が生成された。このとき反応液のpHは、3.5であった。
撹拌保持が終了した後の反応液を、吸引濾過機を使用して濾過し、銅粒子を固液分離した。続いて、回収した銅粒子を、硝酸銀(和光純薬工業(株)製)1.0gを溶解させた純水200mL中に投入し、40℃で1時間撹拌しながら保持した。
撹拌終了後の銀コート銅粒子(銀コート量:銅に対して10%)を含むスラリーを、吸引濾過機を使用して濾過し、銀コート銅粒子を固液分離した。続いて、回収した銀コート銅粒子を純水200mL中に投入し、そこへ、ステアリン酸エマルジョン(中京油脂(株)製、セロゾール920)0.13gを添加し、15分間撹拌した後、吸引濾過機で濾過して回収した。回収した銀コート銅粒子を純水200mL中に投入し、15分間の撹拌による洗浄と、吸引濾過機による濾過操作を行った。その後、銀コート銅粒子をステンレスバットに移し、真空乾燥機にて60℃で10時間乾燥して銀コート銅粉を得た。
この銀コート銅粉のSEM写真を図2に示す。この銀コート銅粉は、球状であることがわかる。また、銀コート量は、銅質量に対して、10質量%であった。平均粒径は、SEM像より300個以上の一次粒子の粒径を測長して粒子数で平均することで求めたところ、0.15μmであり、一次粒子の粒径の標準偏差値を平均粒径で除した粒径の相対標準偏差値は0.27であった。
[実施例2]
上記実施例1において、硫酸銀などの添加量を変えたこと以外は、同様にして銀コート銅粉を作製した。
まず、硫酸銅・5水和物(住友金属鉱山(株)製)500gを純水3Lに溶解させた。そこへ、硫酸銀0.62gと、25%水酸化ナトリウム水溶液(関東化学(株)製)600mLと、分散剤であるポリビニルアルコール((株)クラレ製、PVA205)1.28gを 純水1Lに溶解させた分散剤水溶液を添加した。このときの硫酸銀の添加量は、銅に対して、0.1モル%である。さらに、消泡剤((株)アデカ製、アデカノールLG−126)を体積比で100倍に希釈し、この消泡剤希釈液10mLを添加して銅溶液とした。銅塩液中には、水酸化銅が生成していた。
上記銅塩溶液を撹拌しながら、40℃で保持した。そこへ、アスコルビン酸(和光純薬工業(株)製)881gを純水2Lに溶解させた還元剤水溶液を投入し、40℃で3時間撹拌しながら保持した。アスコルビン酸投入後の反応液でも、水酸化銅が存在した状態でアスコルビン酸により還元されて銅粒子が生成された。このとき反応液のpHは、3.5であった。
撹拌保持が終了した後の反応液を、吸引濾過機を使用して濾過し、銅粒子を固液分離した。続いて、回収した銅粒子を、硝酸銀(和光純薬工業(株)製)20.1gを溶解させた純水200mL中に投入し、40℃で1時間撹拌しながら保持した。
撹拌終了後の銀コート銅粒子(銀コート量:銅に対して10%)を含むスラリーを、吸引濾過機を使用して濾過し、銀コート銅粒子を固液分離した。続いて、回収した銀コート銅粒子を純水2L中に投入し、そこへ、ステアリン酸エマルジョン(中京油脂(株)製、セロゾール920)2.5gを添加し、15分間撹拌した後、吸引濾過機で濾過して回収した。回収した銀コート銅粒子を純水2L中に投入し、15分間の撹拌による洗浄と、吸引濾過機による濾過操作を行った。その後、銀コート銅粒子をステンレスバットに移し、真空乾燥機にて60℃で10時間乾燥して銀コート銅粉を得た。
この銀コート銅粉のSEM写真を図3に示す。この銀コート銅粉は、球状であることがわかる。また、銀コート量は、銅質量に対して10質量%であった。SEM像より300個以上の一次粒子の粒径を測長して粒子数で平均することで求めた平均粒径は、0.31μmであり、一次粒子の粒径の標準偏差値を平均粒径で除した粒径の相対標準偏差値は0.23であった。
上記実施例1において、硫酸銀などの添加量を変えたこと以外は、同様にして銀コート銅粉を作製した。
まず、硫酸銅・5水和物(住友金属鉱山(株)製)500gを純水3Lに溶解させた。そこへ、硫酸銀0.62gと、25%水酸化ナトリウム水溶液(関東化学(株)製)600mLと、分散剤であるポリビニルアルコール((株)クラレ製、PVA205)1.28gを 純水1Lに溶解させた分散剤水溶液を添加した。このときの硫酸銀の添加量は、銅に対して、0.1モル%である。さらに、消泡剤((株)アデカ製、アデカノールLG−126)を体積比で100倍に希釈し、この消泡剤希釈液10mLを添加して銅溶液とした。銅塩液中には、水酸化銅が生成していた。
上記銅塩溶液を撹拌しながら、40℃で保持した。そこへ、アスコルビン酸(和光純薬工業(株)製)881gを純水2Lに溶解させた還元剤水溶液を投入し、40℃で3時間撹拌しながら保持した。アスコルビン酸投入後の反応液でも、水酸化銅が存在した状態でアスコルビン酸により還元されて銅粒子が生成された。このとき反応液のpHは、3.5であった。
撹拌保持が終了した後の反応液を、吸引濾過機を使用して濾過し、銅粒子を固液分離した。続いて、回収した銅粒子を、硝酸銀(和光純薬工業(株)製)20.1gを溶解させた純水200mL中に投入し、40℃で1時間撹拌しながら保持した。
撹拌終了後の銀コート銅粒子(銀コート量:銅に対して10%)を含むスラリーを、吸引濾過機を使用して濾過し、銀コート銅粒子を固液分離した。続いて、回収した銀コート銅粒子を純水2L中に投入し、そこへ、ステアリン酸エマルジョン(中京油脂(株)製、セロゾール920)2.5gを添加し、15分間撹拌した後、吸引濾過機で濾過して回収した。回収した銀コート銅粒子を純水2L中に投入し、15分間の撹拌による洗浄と、吸引濾過機による濾過操作を行った。その後、銀コート銅粒子をステンレスバットに移し、真空乾燥機にて60℃で10時間乾燥して銀コート銅粉を得た。
この銀コート銅粉のSEM写真を図3に示す。この銀コート銅粉は、球状であることがわかる。また、銀コート量は、銅質量に対して10質量%であった。SEM像より300個以上の一次粒子の粒径を測長して粒子数で平均することで求めた平均粒径は、0.31μmであり、一次粒子の粒径の標準偏差値を平均粒径で除した粒径の相対標準偏差値は0.23であった。
[実施例3]
上記実施例2において、硫酸銀の添加量を0.06g(銅に対して、0.01モル%)としたこと以外は、実施例2と同様にして銀コート銅粉を作製した。この条件においても、銅塩液中に水酸化銅が生成しており、またアスコルビン酸投入後の反応液でも、水酸化銅が存在した状態でアスコルビン酸により還元されて銅粒子が生成された。このとき反応液のpHは、3以上(3.5)であった。
この銀コート銅粉のSEM写真を図4に示す。この銀コート銅粉は、球状であることがわかる。また、銀コート量は、銅質量に対して10質量%であった。SEM像より300個以上の一次粒子の粒径を測長して粒子数で平均することで求めた平均粒径は、1.92μmであり、一次粒子の粒径の標準偏差値を平均粒径で除した粒径の相対標準偏差値は0.26であった。
上記実施例2において、硫酸銀の添加量を0.06g(銅に対して、0.01モル%)としたこと以外は、実施例2と同様にして銀コート銅粉を作製した。この条件においても、銅塩液中に水酸化銅が生成しており、またアスコルビン酸投入後の反応液でも、水酸化銅が存在した状態でアスコルビン酸により還元されて銅粒子が生成された。このとき反応液のpHは、3以上(3.5)であった。
この銀コート銅粉のSEM写真を図4に示す。この銀コート銅粉は、球状であることがわかる。また、銀コート量は、銅質量に対して10質量%であった。SEM像より300個以上の一次粒子の粒径を測長して粒子数で平均することで求めた平均粒径は、1.92μmであり、一次粒子の粒径の標準偏差値を平均粒径で除した粒径の相対標準偏差値は0.26であった。
[実施例4]
上記実施例2において、銅粒子生成後の反応液を濾過しないで銅粒子スラリーに直接硝酸銀を添加して銀コート処理をした以外は、同様にして銀コート銅粉を作製した。
まず、硫酸銅・5水和物(住友金属鉱山(株)製)500gを純水3Lに溶解させた。そこへ、硫酸銀0.62gと、25%水酸化ナトリウム水溶液(関東化学(株)製)600mLと、分散剤であるポリビニルアルコール((株)クラレ製、PVA205)1.28gを 純水1Lに溶解させた分散剤水溶液を添加した。このときの硫酸銀の添加量は、銅に対して、0.1モル%である。さらに、消泡剤((株)アデカ製、アデカノールLG−126)を体積比で100倍に希釈し、この消泡剤希釈液10mLを添加して銅溶液とした。銅塩液中には、水酸化銅が生成していた。
上記銅塩溶液を撹拌しながら、40℃で保持した。そこへアスコルビン酸(和光純薬工業(株)製)881gを純水2Lに溶解させた還元剤水溶液を投入し、40℃で3時間撹拌しながら保持した。アスコルビン酸投入後の反応液でも、水酸化銅が存在した状態でアスコルビン酸により還元されて銅粒子が生成された。このとき反応液のpHは、3.5であった。
撹拌保持が終了した後の反応液(銅粒子スラリー)に、硝酸銀(和光純薬工業(株)製)20.1gを溶解させた純水200mLを添加し、40℃の水溶液中で1時間撹拌しながら保持した。
撹拌終了後の銀コート銅粒子(銀コート量:銅に対して10%)を含むスラリーを、吸引濾過機を使用して濾過し、銀コート銅粒子を固液分離した。続いて、回収した銀コート銅粒子を純水2L中に投入し、そこへ、ステアリン酸エマルジョン(中京油脂(株)製、セロゾール920)2.5gを添加し、15分間撹拌した後、吸引濾過機で濾過して回収した。回収した銀コート銅粒子を純水2L中に投入し、15分間の撹拌による洗浄と、吸引濾過機による濾過からなる操作を行った。その後、銀コート銅粒子をステンレスバットに移し、真空乾燥機にて60℃で10時間乾燥して銀コート銅粉を得た。
この銀コート銅粉は球状であり、銀コート量は、銅質量に対して10質量%であった。SEM像より300個以上の一次粒子の粒径を測長して粒子数で平均することで求めた平均粒径は、0.30μmであり、一次粒子の粒径の標準偏差値を平均粒径で除した粒径の相対標準偏差値は0.25であった。
上記実施例2において、銅粒子生成後の反応液を濾過しないで銅粒子スラリーに直接硝酸銀を添加して銀コート処理をした以外は、同様にして銀コート銅粉を作製した。
まず、硫酸銅・5水和物(住友金属鉱山(株)製)500gを純水3Lに溶解させた。そこへ、硫酸銀0.62gと、25%水酸化ナトリウム水溶液(関東化学(株)製)600mLと、分散剤であるポリビニルアルコール((株)クラレ製、PVA205)1.28gを 純水1Lに溶解させた分散剤水溶液を添加した。このときの硫酸銀の添加量は、銅に対して、0.1モル%である。さらに、消泡剤((株)アデカ製、アデカノールLG−126)を体積比で100倍に希釈し、この消泡剤希釈液10mLを添加して銅溶液とした。銅塩液中には、水酸化銅が生成していた。
上記銅塩溶液を撹拌しながら、40℃で保持した。そこへアスコルビン酸(和光純薬工業(株)製)881gを純水2Lに溶解させた還元剤水溶液を投入し、40℃で3時間撹拌しながら保持した。アスコルビン酸投入後の反応液でも、水酸化銅が存在した状態でアスコルビン酸により還元されて銅粒子が生成された。このとき反応液のpHは、3.5であった。
撹拌保持が終了した後の反応液(銅粒子スラリー)に、硝酸銀(和光純薬工業(株)製)20.1gを溶解させた純水200mLを添加し、40℃の水溶液中で1時間撹拌しながら保持した。
撹拌終了後の銀コート銅粒子(銀コート量:銅に対して10%)を含むスラリーを、吸引濾過機を使用して濾過し、銀コート銅粒子を固液分離した。続いて、回収した銀コート銅粒子を純水2L中に投入し、そこへ、ステアリン酸エマルジョン(中京油脂(株)製、セロゾール920)2.5gを添加し、15分間撹拌した後、吸引濾過機で濾過して回収した。回収した銀コート銅粒子を純水2L中に投入し、15分間の撹拌による洗浄と、吸引濾過機による濾過からなる操作を行った。その後、銀コート銅粒子をステンレスバットに移し、真空乾燥機にて60℃で10時間乾燥して銀コート銅粉を得た。
この銀コート銅粉は球状であり、銀コート量は、銅質量に対して10質量%であった。SEM像より300個以上の一次粒子の粒径を測長して粒子数で平均することで求めた平均粒径は、0.30μmであり、一次粒子の粒径の標準偏差値を平均粒径で除した粒径の相対標準偏差値は0.25であった。
[比較例1]
上記実施例2において、硫酸銀を添加しなかったこと以外は、実施例2と同様にして銀コート銅粉を作製した。この条件においても、銅塩液中に水酸化銅が生成しており、またアスコルビン酸を投入後の反応液でも、水酸化銅が存在した状態でアスコルビン酸により還元されて銅粒子が生成された。このとき反応液のpHは、3.5であった。
この銀コート銅粉のSEM写真を図5に示す。この銀コート銅粉は、球状であることがわかる。SEM像より300個以上の一次粒子の粒径を測長して粒子数で平均することで求めた平均粒径は、3.25μmであり、一次粒子の粒径の標準偏差値を平均粒径で除した粒径の相対標準偏差値は0.25であった。粒径が3.0μm以上であるため、細線化用途のペースト用銀コート銅粉には適さない。
上記実施例2において、硫酸銀を添加しなかったこと以外は、実施例2と同様にして銀コート銅粉を作製した。この条件においても、銅塩液中に水酸化銅が生成しており、またアスコルビン酸を投入後の反応液でも、水酸化銅が存在した状態でアスコルビン酸により還元されて銅粒子が生成された。このとき反応液のpHは、3.5であった。
この銀コート銅粉のSEM写真を図5に示す。この銀コート銅粉は、球状であることがわかる。SEM像より300個以上の一次粒子の粒径を測長して粒子数で平均することで求めた平均粒径は、3.25μmであり、一次粒子の粒径の標準偏差値を平均粒径で除した粒径の相対標準偏差値は0.25であった。粒径が3.0μm以上であるため、細線化用途のペースト用銀コート銅粉には適さない。
[比較例2]
上記実施例2において、ポリビニルアルコールを添加しなかったこと以外は、実施例2と同様にして銀コート銅粉を作製した。この条件においても、銅塩液中には、水酸化銅が生成しており、またアスコルビン酸投入後の反応液でも、水酸化銅が存在した状態でアスコルビン酸により還元されて銅粒子が生成された。このとき反応液のpHは、3.5であった。
この銀コート銅粉をSEM像より300個以上の一次粒子の粒径を測長し、粒子数で平均することで平均粒径を求めると0.42μmであり、一次粒子の粒径の標準偏差値を平均粒径で除した粒径の相対標準偏差値は0.40であった。またSEM観察により、銀コート銅粉は球状ではあったが球状性は実施例2よりも悪化していた。また一次粒子が結合した二次粒子が多数存在していた。
上記実施例2において、ポリビニルアルコールを添加しなかったこと以外は、実施例2と同様にして銀コート銅粉を作製した。この条件においても、銅塩液中には、水酸化銅が生成しており、またアスコルビン酸投入後の反応液でも、水酸化銅が存在した状態でアスコルビン酸により還元されて銅粒子が生成された。このとき反応液のpHは、3.5であった。
この銀コート銅粉をSEM像より300個以上の一次粒子の粒径を測長し、粒子数で平均することで平均粒径を求めると0.42μmであり、一次粒子の粒径の標準偏差値を平均粒径で除した粒径の相対標準偏差値は0.40であった。またSEM観察により、銀コート銅粉は球状ではあったが球状性は実施例2よりも悪化していた。また一次粒子が結合した二次粒子が多数存在していた。
[比較例3]
上記実施例2において、ポリビニルアルコール((株)クラレ製、PVA205)を銅塩液ではなく還元剤水溶液に添加したこと以外は、実施例2と同様にして銀コート銅粉を作製した。この条件においても、銅塩液中には、水酸化銅が生成しており、またアスコルビン酸投入後の反応液でも、水酸化銅が存在した状態でアスコルビン酸により還元されて銅粒子が生成された。このとき反応液のpHは、3.5であった。
この銀コート銅粉をSEM像より300個以上の一次粒子の粒径を測長し、粒子数で平均することで平均粒径を求めると0.34μmであり、一次粒子の粒径の標準偏差値を平均粒径で除した粒径の相対標準偏差値は0.33であった。またSEM観察により、銀コート銅粉は球状ではあった。
上記実施例2において、ポリビニルアルコール((株)クラレ製、PVA205)を銅塩液ではなく還元剤水溶液に添加したこと以外は、実施例2と同様にして銀コート銅粉を作製した。この条件においても、銅塩液中には、水酸化銅が生成しており、またアスコルビン酸投入後の反応液でも、水酸化銅が存在した状態でアスコルビン酸により還元されて銅粒子が生成された。このとき反応液のpHは、3.5であった。
この銀コート銅粉をSEM像より300個以上の一次粒子の粒径を測長し、粒子数で平均することで平均粒径を求めると0.34μmであり、一次粒子の粒径の標準偏差値を平均粒径で除した粒径の相対標準偏差値は0.33であった。またSEM観察により、銀コート銅粉は球状ではあった。
「評価」
実施例1〜4より、一次粒子の平均粒径は0.1μm〜3.0μmであり、且つ一次粒子の粒径の相対標準偏差値は0.3以下の球状銅粉が得られており、細線化用途のペースト用銀コート銅粉として使用できることが分かる。
実施例1〜4より、一次粒子の平均粒径は0.1μm〜3.0μmであり、且つ一次粒子の粒径の相対標準偏差値は0.3以下の球状銅粉が得られており、細線化用途のペースト用銀コート銅粉として使用できることが分かる。
一方、銅より酸化還元電位が高い金属の化合物(ここでは硫酸銀)を銅塩液に添加していない比較例1は、一次粒子の平均粒径が3.0μmを超えていること、分散剤を添加していない比較例2、および分散剤は用いているが還元剤水溶液に添加した比較例3は、一次粒子の粒径の相対標準偏差値が0.3を超えて高いことから、細線化用途のペースト用銀コート銅粉として適さないことが分かる。
本発明で得られる銀コート銅粉は、導電性ペーストのような電子部品の配線形成材料として、プリント配線、半導体の内部配線、プリント配線板と電子部品との接続等に利用できる。特に、太陽電池用電極やLED等の分野で、配線を細線化しうる材料として有用である。
Claims (12)
- 硫酸銅水溶液に、核生成のための金属塩を、銅に対して0.005モル%以上2モル%未満となるように溶解させ、さらにpH調整剤と分散剤とを混合して銅塩液を作製した後、該銅塩液へ還元剤水溶液を添加し、反応液中で少なくとも水酸化銅が存在している状態で銅粒子を生成させ、次に、得られた銅粒子を分離するか、分離せず反応液のまま銀塩水溶液中に分散させ銀コート処理を行い、濾過、洗浄、乾燥して銀コート銅粉とすることを特徴とする銀コート銅粉の製造方法。
- 得られた銅粒子を分離して、銀塩水溶液に添加し分散させることを特徴とする請求項1に記載の銀コート銅粉の製造方法。
- 得られた銅粒子を含む反応液に、銀塩水溶液を添加し分散させることを特徴とする請求項1に記載の銀コート銅粉の製造方法。
- 前記核生成のための金属塩が、銀またはパラジウムの化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の銀コート銅粉の製造方法。
- 前記還元剤は、アスコルビン酸、ヒドラジン一水和物、又はホルマリンから選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の銀コート銅粉の製造方法。
- 前記分散剤が、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、変性シリコーンオイル系界面活性剤、又はポリエーテル系界面活性剤から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の銀コート銅粉の製造方法。
- 前記分散剤の添加量が、銅質量に対して0.1質量%〜10質量%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の銀コート銅粉の製造方法。
- 前記銀コート処理における前記銀塩は、硝酸銀、酸化銀、炭酸銀、硫酸銀、又は酢酸銀から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の銀コート銅粉の製造方法。
- 反応液のpHが、3以上であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の銀コート銅粉の製造方法。
- 銀コート銅粉は、走査型電子顕微鏡観察による一次粒子の平均粒径が0.1〜3.0μmであり、かつ一次粒子の粒径の標準偏差値を平均粒径で除した粒径の相対標準偏差値が0.3以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の銀コート銅粉の製造方法。
- 銀コート量が、銅質量に対して1質量%〜50質量%であることを特徴とする請求項10に記載の銀コート銅粉の製造方法。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の製造方法により得られた銀コート銅粉を、バインダ樹脂と混練してペースト化させることを特徴とする導電性ペーストの製造方法。
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