JP2018135283A - メタン製造方法及びメタン製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】再生可能エネルギーからの水電解で生成したH2とCO2からメタンを生成させる際、再生可能エネルギーの出力変動によりメタネーション工程流入ガス量が変動し、制御性が困難となる。【解決手段】メタネーション反応工程を多段構成とし、第一反応工程と後段反応工程の入口を繋ぐバイパス工程を設置し、各反応工程が平衡状態となるように反応工程及びバイパス工程の流量を制御する。【選択図】図1
Description
本発明は、メタン製造方法及びメタン製造装置に係り、特に、CO2とH2共存下で触媒を用いてメタン(CH4)を製造するのに好適なメタン製造方法及びメタン製造装置に関する。
近年、地球温暖化防止の観点から、石炭ガス化、製鉄、または火力発電プラント等からのメタン排出量を削減するためにCO2を回収する技術が開発されている。また、回収したCO2を有効に利用するために、回収したCO2をより有価性の高い二次エネルギーに変換する技術の開発が推進されている。代表的な二次エネルギーとしてはメタンが挙げられる。メタンは、回収されたCO2を反応物質としてメタネーション反応器を用いて、水素H2を加えて反応により得ることができる。メタネーション反応工程では、CO2は安定な化合物であるため、反応を進行させるために触媒が必要となる。
ここで、CO2とH2を反応物質として化学反応によりメタンを生成したとき、十分に反応できずに、未反応物質が残る。そのため、メタネーション反応器を複数段用意して、一方のメタネーション反応器で未反応として残った物質を他のメタネーション反応器に取り込んで再度の化学反応によりメタンを生成する技術が知られている。このような技術は、例えば、特表2015−516490号公報(特許文献1)に記載されている。
排出削減が望まれているCO2にH2を加えて貯蔵性に優れるメタンを製造するプロセスは地球温暖化抑制、エネルギー貯蔵の観点で有用であるが、そのプロセス成立のためには制御面での工夫を要する。特にH2調達に対する制御に工夫を要する。
例えば、水素を製造する方法として、近年、風力発電や太陽光発電に代表される再生可能エネルギーにより得られた電気を用いて水の電気分解によりH2を製造する方法が注目されている。特に、再生可能エネルギーの導入が急激に増加している欧州では国によって電力が供給過多となり、余剰電力が発生している。その余剰電力を使用して水の電気分解によってH2を製造する。
また、H2製造方法として、再生可能エネルギーにより得られた電気を用いて水の電気分解によりH2を製造する方法と比較して効率が劣るものの、化石燃料から製造する方法が知られている。例えば、石炭ガス化ガス中のCOと水蒸気を反応させてCOシフト反応からH2を製造する方法がある。また、天然ガスから水蒸気改質反応によりH2を製造することも可能である。
ここで、メタネーション反応工程に流入するガス量(特にH2)が変動した場合、メタネーション反応工程は固定層の触媒反応工程であるため、仮に設計値以上のガス量が流入すると、特に多段構成の反応器のうち、高濃度のH2及びCO2が流入する第一メタネーション反応器にて反応平衡が保てなくなり、出口温度の高温化、及びばらつきが大きくなる。その結果、反応器及び触媒の耐熱温度を超えて材料及び触媒の劣化を引き起こすだけでなく、反応器後段の冷却工程等の制御不能を引き起こすことが問題であった。
特に、再生可能エネルギーにより得られた電気を用いて水の電気分解によりH2を製造する方法では、メタネーション反応工程に流入するガス量が変動する一因として、再生可能エネルギー量は環境によって大きく変動することが挙げられる。
本発明の目的は、メタネーション反応器を平衡状態に保つことで反応器及び触媒の劣化を抑制し、且つ、制御性の向上が可能なメタン製造方法及びメタン製造装置を提供することにある。
本発明では、上記の目的を達成するために、CO2とH2を含むガスからメタネーション触媒を用いてメタンを製造する第一メタネーション反応工程と、前記第一メタネーション反応工程で残留した反応物質からメタンを製造する第二メタネーション反応工程と、前記第一反応工程に流入する反応ガスの変動に応じて第一反応工程が化学平衡状態に近づくように前記第一反応工程に流入する反応ガスをバイパスして前記第二工程に流入させるバイパス工程を有するように構成した。
具体的には、第一メタネーション反応器の前段にガス流量計を設置し、更に、第一メタネーション反応器と後段反応器の入口を繋ぐバイパス管を敷設し、前記ガス流量計の流量値に従ってバイパス管に設置した流量調節弁の開度を制御し、第一メタネーション反応器と後段反応器に供給するガス流量を調節する。その結果、特に高濃度のH2及びCO2ガスが流入し、ガス流量が多量化することで反応器出口温度の高温化が予想される第一メタネーション反応器の温度上昇抑制及び反応平衡状態での運用が可能となる。
あるいは、次のような基本的特徴を有する。CO2とH2を含むガスからメタネーション触媒を用いてメタンを製造するメタン製造方法において、多段構成であるメタネーション反応工程の第一反応工程前段にガス流量検知工程を備え、更に、第一反応工程と後段反応工程の入口を繋ぐバイパス工程を備え、第一反応工程に流入する反応ガスの変動に応じて第一反応工程が化学平衡状態となるように第一及び後段反応工程の入口ガス流量を制御する。
また、各メタネーション反応工程の間にガス冷却および/又はガス加熱工程、ドレン除去工程を備える。
更に、第一メタネーション反応工程の触媒層温度と前記第一メタネーション反応工程前段のガス流量検知工程で計測したガス流量を元に前記バイパス工程に供給するガス量を調整するバイパス流量制御工程を備える。
本発明によれば、メタネーション反応器を平衡状態に保てることができ、反応器及び触媒の劣化を抑制できるだけではく、制御性を向上することができる。
以下、本発明の実施の形態について実施例を挙げて説明するが、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施例では、本発明のシステム構成ついて説明する。図1に本発明に係わるプロセスフローを示す。本実施例は、図2〜図5に示す実施例の概略的な考え方を示したものである。火力発電や製鉄プラント他の産業分野から排出・回収されたCO2と再生可能エネルギー由来の電気を用いて水の電気分解により製造したH2はまず、メタネーション工程1に供給される(水の電気分解の他、H2は化石燃料から製造等しても良い。実施例2〜実施例4でも同様である。)。メタネーション工程1(第一メタネーション反応工程とも称する)では[数1]の反応を目的反応としてメタンを生成させる。
[数1]CO2+4H2→CH4+2H2O
[数1]ではCO2 1モルに対して反応量論上は4モルのH2が反応するため、CO2:H2=1:4で供給すれば良いが、H2を量論比以上供給することで平衡上、反応が促進されると考えられるため、供給量はH2/CO2≧4とすることが望ましい。
[数1]CO2+4H2→CH4+2H2O
[数1]ではCO2 1モルに対して反応量論上は4モルのH2が反応するため、CO2:H2=1:4で供給すれば良いが、H2を量論比以上供給することで平衡上、反応が促進されると考えられるため、供給量はH2/CO2≧4とすることが望ましい。
上流の再生可能エネルギーによる発電工程で生成する電気量が大きくばらついた場合、特にH2の生成量が多く、メタネーション反応工程1の設計値以上にガスが流入すると、メタネーション反応工程では全ガスが処理しきれなくなり、触媒層上流から下流にかけて反応熱により温度が上昇し続け、非平衡のままメタネーション反応工程1から排出される。本状態を回避すべく、メタネーション反応工程1とメタネーション反応工程2(第二メタネーション反応工程とも称する)の入口を繋ぐバイパス工程を設置し、メタネーション反応工程1において流入する反応ガスの変動に応じて、メタネーション反応工程1が平衡反応状態を保てるようにバイパス流量を制御する。メタネーション反応工程2で排出されたCO2とH2は、メタネーション反応工程3(第三メタネーション反応工程とも称する)に供給される。
本実施例では本発明に係わるシステムの一例を示す。システム構成図の一例を図2に示す。
図2に示すように、本実施例でのCO2メタネーションシステムは、主に、再生可能エネルギー発電設備1、水電気分解設備2、第一〜第三メタネーション反応器3〜5、CO2貯留タンク6から構成される。
再生可能エネルギー発電設備1で生成した電気101は水電気分解設備2に送られ、そこでH2(102)とO2(103)が生成される。ここで、第一メタネーション反応器3〜第三メタネーション反応器5でのメタネーション反応は、各々メタネーション反応工程1〜メタネーション反応工程3に相当する。また、火力発電や製鉄プラント他の産業分野から排出・回収され、CO2貯留タンクに貯留されたCO2をH2(102)のラインに供給するが、その際、以下のようにCO2供給量を制御する。水電気分解設備2で生成したH2(102)のライン上にH2流量計7を設置し、水電解によって生成したH2量を測定する。H2流量計7で測定したH2流量実測値によりCO2貯留タンク6からのCO2供給ライン(104)上に設置したCO2流量調節弁9の開度を制御する。
H2とCO2合流後の混合ガスはコンプレッサー8に供給され、昇圧される。これは後段の多段反応器を含むプロセスでの圧力損失を考慮して押しこみ圧を確保することが主目的であるが、[数1]に示したようにCO2メタネーション反応は反応物質よりも生成物質量が少ない減モル反応であるため、ルシャトリエの原理により圧力増加に伴い平衡上、反応進行が促進される。コンプレッサー8での昇圧の程度はプロセスの圧力損失、及びメタネーション反応進行性、更にメタネーション反応終了後に生成したメタンの保存、貯留方法により決めることが望ましい。
昇圧後のガスは加熱器12aで所定温度に昇温後、第一メタネーション反応器3に供給される。第一メタネーション反応器3では[数1]の反応によりメタンが生成される。メタネーション反応は発熱反応であるため、低温ほど理論転化率は高くなるが、CO2は安定な化合物であるため、入口温度を所定の温度以上に設定しないと反応が起動しない。メタネーション触媒としてはアルミナを担体としたRh/Mn系、Rh系、Ni系、Pd系、Pt系が知られているが、この中でも最も低温活性が高いのはRh/Mn系である。Rh/Mn系触媒では触媒入口温度250℃以上が好ましく、それ以外の触媒では300℃以上が必要である。反応器の耐熱温度、触媒の耐熱性、および平衡でのメタン生成収率を加味するとより低温での反応起動が望ましいため、Rh/Mn系触媒が好ましい。第一メタネーション反応器3によるメタネーション後のガスは冷却器13aに供給され、ガスを十分冷却した後、ドレントラップ14aにてメタネーション反応によって生成したドレン105aを除去する。
第一メタネーション反応器3によるメタネーション後にはまだCO2とH2が含まれており、加熱器12bで加熱され、バイパス管15を介して供給されるCO2とH2と共に、第二メタネーション反応器4に供給される。第二メタネーション反応器4では第一メタネーション反応器3と同様に高純度のメタンが含有する混合ガスを生成する。
第二メタネーション反応器4によるメタネーション後に、冷却器13bで冷却され、ドレントラップ14bにてドレン105bが除去され、加熱器12cで加熱され、第三メタネーション反応器5に供給される。第三メタネーション反応器5では第一メタネーション反応器3と同様に化学反応が進め高純度のメタンが含有する混合ガスを生成し、冷却器13cで冷却され、ドレントラップ14cにてドレン105cが除去され、メタンリッチガス(混合ガス)106として取り出される。このように、第二メタネーション反応器4、第三メタネーション反応器5でそれぞれ第一メタネーション反応器3と同様に加熱、反応、冷却、ドレン除去の工程を経て、最終的に高純度のメタンが含有するメタンリッチガス106を生成する。第二、第三メタネーション反応器へ充填する触媒としては第一メタネーション反応器3と同様にRh/Mn系触媒が好ましい。
本実施例における特徴は第一メタネーション反応器3、第二メタネーション反応器4の間を繋ぐバイパス管15を新たに設置したことにある。バイパス管15のライン中には流量調節弁11を設置し、流量調節弁11の開度調整は第一メタネーション反応器3の前段、詳しくはバイパス管15への分岐点前段に設置した混合ガス流量計10の実測指示値により制御する。すなわち、制御装置17に混合ガス流量計10の流量測定値が取り込まれ、制御装置17で流量測定値に基づき開度調整値が演算され、該演算された開度調整値である開度調整信号が流量調節弁11に与えられ、その結果、流量調節弁11が調整される。即ち、仮に再生可能エネルギー発電設備1で発生した電気を用いて水電気分解設備2で生成されるH2量が多く、CO2との混合ガスを直接第一メタネーション反応器3に供給すると反応器の平衡運転が困難となり、反応器温度の高温化を引き起こす恐れが起こった場合は、制御装置17により、混合ガス流量計10でのガス流量測定値に従って流量調節弁11の開度を調節し、第一メタネーション反応器3で受け入れられないガス量を第二メタネーション反応器4へバイパスする。
制御装置17の制御動作としては、第一メタネーション反応器3の触媒の目標温度を第一メタネーション反応器3のガス処理能力から予め決めておき(経時的に触媒の処理能力が低下した場合に低下の程度に応じた目標温度を低くするように予めプログラムしておく)、逐次的に触媒の温度を熱電対(温度計)16で測定・監視し、熱電対16の出力を取り込むことで、測定した触媒の温度が目標温度より高い場合には、流量調節弁11の開度を所定量よりも大きくし、測定した触媒の温度が目標温度より低い場合には、流量調節弁11の開度を所定量よりも小さくする制御が適用できる。
通常、メタネーション反応のような発熱を伴う反応を扱うシステムを設計する際は、反応器を多段構成として反応器間に冷却工程を設ける。更に、各々の反応器のサイズは一様ではなく、後段にいくに従い、反応器が大型化することが一般的である。これは、後段にいくにしたがい、反応物質量は減少していくが、その分、ガス中の生成物質量の割合が大きくなり、平衡上反応が進行しにくくなるだけでなく、反応量が少ない為、発熱量が少なくなり、反応速度増加が抑制されるためである。したがって、第一メタネーション反応器3よりも第二メタネーション反応器4の方が初期設計で触媒充填量は多いため、バイパスした混合ガスを処理可能である。
本実施例では本発明に係わる実施例2とは別のシステムの一例を示す。システム構成図の一例を図3に示す。本実施例では主として実施例2と異なる部分を説明する。よって、説明が省略された部分は実施例2と同様である。実施例2では第一メタネーション反応器と第二メタネーション反応器の間にのみバイパス管を設置する例について記載した。例えば水の電気分解により生成されるH2量が想定量に比べてはるかに多く、第一メタネーション反応器前段の混合ガスをバイパスするのみでは第二メタネーション反応器以降の反応器の平衡が保てないケースも想定される。本課題を解消する手段について本実施例で示す。システム構成としては、実施例2に示したシステム構成に加え、第一メタネーション反応器3と第二メタネーション反応器4を繋ぐバイパス管15aを分岐し、第一メタネーション反応器3と第三メタネーション反応器5を繋ぐ新規バイパス管15bを設置する。更に、バイパス管15aのライン上、流量調節弁11aの後段に混合ガス流量計10bを設置する。仮に、第一メタネーション反応器3前段でバイパスした混合ガス量が多く、直接第二メタネーション反応器4に供給すると第二メタネーション反応器も非平衡状態となってしまう場合、混合ガス流量計10bで計測した流量実測値により制御装置17bでバイパス管15bのライン上に設置した流量調節弁11bを制御して第三メタネーション反応器5へ過剰分をバイパス供給する。また、第三メタネーション反応器5への混合ガス量も多く、第三メタネーション反応器5の平衡状態も維持されないことを想定し、バイパス管15bから分岐するバイパス管15cを設置する。バイパス管15bのライン上、流量調節弁11bの後段に混合ガス流量計10cを設置し、制御装置(図示せず)により、混合ガス流量計10cのガス流量実測値によりバイパス管15cのライン上に設置した流量調節弁11cの開度を制御し、第三メタネーション反応器5が平衡状態となるようなガス流量となるようにバイパスする。バイパス管15cからの排出ガスは大気放出、若しくは第一メタネーション反応器3の前段にリサイクルする。
本実施例のシステムとすることで想定以上に過剰の混合ガスがメタネーション反応工程に流入しても各反応器の平衡運転を維持することができる。
本実施例では、メタネーション工程の運転制御方法の一例を示す。実施例4では主として実施例2及び実施例3と異なる部分を説明する。よって、説明が省略された部分は実施例2及び実施例3と同様である。
メタネーション工程の各反応器にはCO2メタネーション触媒が充填される。触媒は適切な仕様範囲内で使用されていても、長時間使用し続けることで経時劣化が進行する。触媒が劣化した際の反応器内の温度分布の挙動を図4に示す。一般的に対象とする触媒反応器を設計する場合、経時劣化を想定し、安全率を考慮して触媒充填量は決定される。例えば図4では新品触媒を充填した直後であれば触媒層内の温度分布は曲線(A)のようにメタネーション反応進行に伴い触媒層内温度は上昇し、反応平衡に到達して以降は平衡温度を維持するという挙動となる。図4では触媒層の約半分で反応が平衡に到達するとした。一方、触媒が劣化すると曲線(B)のように徐々に平衡到達位置が触媒層下部の方にシフトし、最終的に曲線(C)のように充填した触媒量では平衡状態が維持できなくなる。このように、触媒劣化に伴い触媒層内の温度分布が変化する。仮に触媒が劣化した場合は、反応器に供給する混合ガス量を減少させる、即ち滞留時間を大きく(空間速度を小さく)することで反応進行性は向上する。本実施例では上述した触媒反応の特徴を考慮して触媒劣化を考慮したメタネーション反応工程の制御を行う一例を示す。
システム構成の一例の要部を図5に示す。本システムの特徴は第一メタネーション反応器3の触媒層温度を計測する熱電対16にて常時計測している温度実測値と、混合ガス(107)のガス量を計測する混合ガス流量計10で計測した混合ガス流量の各数値を制御装置(バイパス流量制御装置)17に取り込み、制御装置17により、混合ガス流量と触媒層温度から推測される触媒劣化状態を考慮してバイパス流量を制御することにある。例えば、図4中に記載の熱電対位置に図5中の熱電対16を設置したとする。新品状態(A)から劣化が進行し、(B)の状態になったとする。(A)の状態では触媒の劣化を考慮せず、混合ガス流量計10の指示値のみでバイパス流量を制御するが、(B)の状態となったことで触媒劣化を考慮して第一メタネーション反応器3へ供給する混合ガス量を少なくするようにバイパス流量を増加させるように制御する。バイパス流量制御装置17には予め触媒層温度と混合ガス流量の実測値からバイパス流量を調節するようなモデル又はプログラムを入力しておく。すなわち、図4に示す触媒劣化に対応した処理可能量が供給されるような制御内容を予めプログラムとして制御装置17の記憶領域に格納しておき、実際の事象に応じて機能させるのである。本実施例は最も温度が高温化すると予想される第一メタネーション反応器を対象としたが、これに限ることなく、後段の各反応器にも適用することができる。
以上のように、本実施例によれば触媒劣化も考慮してCO2メタネーション工程の制御性を向上させることができる。
1…再生可能エネルギー発電設備、2…水電気分解設備、3…第一メタネーション反応器、4…第二メタネーション反応器、5…第三メタネーション反応器,6…CO2貯留タンク,7…H2流量計,8…コンプレッサー,9…CO2流量調節弁,10…混合ガス流量計,11…流量調節弁、12…加熱器,13…冷却器,14…ドレントラップ,15…バイパス管,16…熱電対,17…バイパス流量制御装置,101…電気,102…H2,103…O2,104…CO2,105…ドレン水,106…メタンリッチガス
Claims (12)
- CO2とH2を含むガスからメタネーション触媒を用いてメタンを製造する第一メタネーション反応工程と、前記第一メタネーション反応工程で残留した物質からメタンを製造する第二メタネーション反応工程と、前記第一反応工程に流入する反応ガスの変動に応じて前記第一メタネーション反応工程が化学平衡状態に近づくように前記第一メタネーション反応工程に流入する反応ガスの一部をバイパスして前記第二メタネーション反応工程に流入させるバイパス工程を有するメタン製造方法。
- 請求項1に記載のメタン製造方法において、前記第一メタネーション反応工程に供給するH2は再生可能エネルギーにより得られた電気を用いて水の電気分解工程により生成したH2である製造方法。
- 請求項1に記載のメタン製造方法において、各メタネーション反応工程の間にガス冷却および/又はガス加熱工程を有するメタン製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のメタン製造方法において、各メタネーション反応工程間にドレン除去工程を有するメタン製造方法。
- 請求項2に記載のメタン製造方法において、前記電気分解工程の後段にH2流量検知工程を有し、前記H2流量検知工程で計測したH2流量に応じてCO2供給量を制御するメタン製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のメタン製造方法において、前記第一メタネーション反応工程の触媒層温度と前記第一メタネーション反応工程前段のガス流量検知工程で計測したガス流量を元に前記バイパス工程に供給するガス量を調整するバイパス流量制御工程を有する鵜メタン製造方法。
- 請求項1記載のメタネーション触媒はアルミナを担体としたRh/Mn系、Rh系、Ni系、Pd系、Pt系のいずれかであるメタン製造方法。
- CO2とH2を含むガスからメタネーション触媒を用いてメタンを製造する第一メタネーション反応器と、前記第一メタネーション反応工程で残留した物質からメタンを製造する第二メタネーション反応器と、前記第一反応工程に流入する反応ガスの変動に応じて第一反応工程が化学平衡状態に近づくように前記第一反応工程に流入する反応ガスをバイパスして前記第二工程に流入させるバイパス通路を有することを特徴とするメタン製造装置。
- 請求項8に記載のメタン製造装置において、各メタネーション反応器の間にガス冷却器および/又はガス加熱器を備えることを特徴とするメタン製造装置。
- 請求項8または9に記載のメタン製造装置において、各メタネーション反応器の間にドレントラップを備えることを特徴とするメタン製造装置。
- 請求項8に記載のメタン製造装置において、前記電気分解装置の後段にH2流量計を備え、H2流量計で計測したH2流量に応じてCO2供給量を制御することを特徴とするメタン製造装置。
- 請求項8〜11のいずれかに記載のメタン製造装置において、第一メタネーション反応器に設置した触媒層の温度を計測する熱電対の指示値と第一メタネーション反応器前段のガス流量計で計測したガス流量を元に前記バイパス管に供給するガス量を調整するバイパス流量制御器を備えることを特徴とするメタン製造装置。
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