JP6891868B2 - メタン製造装置、および、メタン製造方法 - Google Patents

メタン製造装置、および、メタン製造方法 Download PDF

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本発明は、炭化水素製造装置、および、炭化水素製造方法に関する。
従来から、例えば、メタンなどの炭化水素化合物を製造する技術が知られている。例えば、引用文献1には、二酸化炭素を含む原料ガスと水素の一部とを供給する第1反応器と、第1反応器から来る反応混合ガスに水素の残部を供給する第2反応器と、第2反応器から来る生成ガスの組成を調整する第3反応器と、を備えたメタン製造装置において、第1反応器の反応温度を第1反応器への水蒸気の供給または第1反応器に供給される水素の供給量によって調整する技術が開示されている。
特開2013−136538号公報
メタン製造装置における二酸化炭素のメタンへの転化率を向上するためには、メタネーション反応が高効率で進行するよう触媒の温度を適正な温度に制御する必要がある。引用文献1に記載のメタン製造装置のように複数の反応器を備える場合、下流に進むにつれてメタン濃度が増加するため、下流側反応器ほどメタネーション反応の反応速度が低下する。このため、メタン製造装置全体として高転化率とするためには、下流側反応器の触媒の温度の制御が重要となる。上述した複数の反応器を備えるメタン製造装置の場合、上流側反応器において上流側反応器の触媒と熱交換した熱媒体の全量が下流側反応器を流れるため、下流側反応器に流入する前に熱媒体を加熱し熱媒体の温度を比較的高くすることによって下流側反応器における熱媒体と触媒との熱交換速度を小さくしている。
一方、メタネーション反応は発熱反応であるため、メタン製造装置は、メタネーション反応によって発生する熱を別の装置に供給可能な熱源とすることが可能である。メタネーション反応による熱を効率的に回収するためには、熱媒体の外気への放熱を抑制する必要がある。しかしながら、上述したように、メタンへの転化率を向上するために下流側反応器に比較的高温の熱媒体を供給すると、当該下流側反応器からの放熱量が増加する。このため、メタンへの転化率を向上しつつ熱エネルギーの回収量を増大させることは容易ではなかった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、炭化水素製造装置において、炭化水素化合物への転化率を向上しつつ熱エネルギーの回収量を増大させる技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、炭化水素製造装置が提供される。この炭化水素製造装置は、触媒を収容し、供給源から供給された原料ガスを用いて炭化水素化合物を生成する第1反応器と、触媒を収容し、前記第1反応器で生成された炭化水素化合物を含む反応混合ガスを用いて炭化水素化合物を生成する第2反応器と、前記第2反応器の触媒と熱交換する熱媒体の流量が前記第1反応器の触媒と熱交換する熱媒体の流量より少なくなるように、前記第1反応器と前記第2反応器とに熱媒体を供給する熱媒体供給部と、を備える。
この構成によれば、第2反応器を流れる熱媒体の流量が第1反応器を流れる熱媒体の流量より少なくなるため、第2反応器における熱媒体と触媒との熱交換速度を第1反応器における熱媒体と触媒との熱交換速度に比べて小さくすることができる。また、第2反応器を流れる熱媒体の流量が比較的少なくなるため、第2反応器からの放熱量を低減することができる。これらにより、原料ガスから炭化水素化合物への転化率を向上しつつ、炭化水素化合物の生成反応により発生する熱エネルギーの回収量を増大させることができる。
(2)上記形態の炭化水素製造装置は、さらに、前記熱媒体供給部が前記第1反応器と前記第2反応器とに供給する熱媒体の流量を制御する流量制御部を備えてもよい。この構成によれば、流量制御部は、炭化水素化合物への転化率を向上しつつ熱エネルギーの回収量が増大するように、熱媒体の流量を制御することができる。
(3)上記形態の炭化水素製造装置において、前記流量制御部は、前記炭化水素製造装置における炭化水素化合物への転化率が所定の転化率より大きくなるように、前記第2反応器で生成された炭化水素化合物を含む生成ガス中の組成、または、前記触媒の温度分布を用いて、前記第2反応器の触媒と熱交換する熱媒体の流量を制御してもよい。この構成によれば、実際の生成ガス中の組成や触媒の温度分布に応じて炭化水素化合物への転化率を推定し、流量制御部は、当該推定結果にしたがって熱媒体の流量を制御する。これにより、炭化水素製造装置全体における炭化水素化合物への転化率に比較的大きな影響を及ぼす第2反応器での炭化水素化合物への転化率を向上することができるため、炭化水素化合物への転化率を所定の転化率より大きくすることができる。
(4)上記形態の炭化水素製造装置において、前記流量制御部は、前記炭化水素製造装置における熱媒体による熱の回収量が所定の回収量より大きくなるように、前記炭化水素製造装置に供給される熱媒体の温度と前記炭化水素製造装置から排出される熱媒体の温度との温度差を用いて、前記第1反応器の触媒と熱交換する熱媒体の流量を制御してもよい。この構成によれば、実際の熱媒体の温度差に応じて熱の回収量を推定し、流量制御部は、当該推定結果にしたがって熱媒体の流量を制御する。これにより、炭化水素製造装置における熱エネルギーの回収量に比較的大きな影響を及ぼす第1反応器での熱エネルギーの回収量を増大することができるため、熱エネルギーの回収量を所定の回収量より大きくすることができる。
(5)上記形態の炭化水素製造装置において、前記第1反応器では、前記原料ガスの流通方向において相対的に上流側の熱媒体の流量は、前記原料ガスの流通方向において相対的に下流側の熱媒体の流量より少なくてもよい。また、前記第2反応器では、前記反応混合ガスの流通方向において相対的に上流側の熱媒体の流量は、前記反応混合ガスの流通方向において相対的に下流側の熱媒体の流量より少なくてもよい。これらの構成によれば、反応器における熱媒体の流量は、反応器内を流れる原料ガスまたは反応混合ガスの流通方向に対して上流側の熱媒体の流量が下流側の熱媒体の流量より少ない。これにより、反応器のガスの入口では、原料ガスまたは反応混合ガスは、自身の反応熱によって十分に昇温されるため、炭化水素化合物の生成反応が促進される。したがって、炭化水素化合物への転化率をさらに向上することができる。
(6)上記形態の炭化水素製造装置において、前記熱媒体供給部は、前記第1反応器の触媒と熱交換した熱媒体を前記第2反応器に供給してもよい。この構成によれば、第1反応器における炭化水素化合物の生成反応によって発生する熱を利用して第2反応器の触媒の冷却速度を抑制することができる。これにより、第2反応器における炭化水素化合物の生成反応を確実に進行させることができる。したがって、炭化水素化合物への転化率をさらに向上することができる。また、この構成によれば、条件によっては外部からの熱投入を不要とすることができる。
(7)上記形態の炭化水素製造装置は、前記第2反応器で生成された炭化水素化合物を含む生成ガスを、前記熱媒体供給部が供給する熱媒体を用いて冷却することによって、前記生成ガスから低沸点成分を分離する生成ガス冷却部を備え、前記熱媒体供給部は、前記生成ガス冷却部で前記生成ガスを冷却したのち前記第1反応器で触媒と熱交換した熱媒体を、前記第1反応器に供給してもよい。生成ガス冷却部において生成ガスを冷却した熱媒体は、第1反応器を通って第2反応器に供給される。このとき、生成ガス冷却部において回収される熱では第2反応器における炭化水素化合物の生成反応を維持するための十分な熱量とならないおそれがある。そこで、この構成によれば、熱媒体供給部は、生成ガス冷却部と第1反応器とにおける熱交換によって加熱された熱媒体を第2反応器に供給する。これにより、熱媒体は、第1反応器でも加熱されるため、第2反応器における炭化水素化合物の生成反応を確実に維持することができる程度まで昇温される。したがって、第2反応器における炭化水素化合物の生成反応を確実に進行させることができるため、炭化水素化合物への転化率をさらに向上することができる。
(8)上記形態の炭化水素製造装置は、前記熱媒体供給部が供給する熱媒体を用いて前記反応混合ガスを冷却することによって、前記第2反応器における炭化水素化合物の生成反応を阻害する低沸点成分を前記反応混合ガスから分離する混合ガス冷却部を備え、前記熱媒体供給部は、前記生成ガス冷却部で前記生成ガスを冷却した熱媒体を、前記第1反応器に供給してもよい。この構成によれば、生成ガス冷却部において生成ガスを冷却することによって加熱された熱媒体は、混合ガス冷却部において反応混合ガスを冷却することによってさらに加熱される。この混合ガス冷却部において加熱された熱媒体は、第1反応器を通って第2反応器に供給される。これにより、第2反応器に供給される熱媒体は、混合ガス冷却部と第1反応器とでも加熱されるため、第2反応器における炭化水素化合物の生成反応を確実に維持することができる程度まで昇温される。したがって、第2反応器における炭化水素化合物の生成反応を確実に進行させることができるため、炭化水素化合物への転化率をさらに向上することができる。
(9)上記形態の炭化水素製造装置において、前記熱媒体供給部は、前記第1反応器と前記第2反応器とに別々に熱媒体を供給し、前記第1反応器の触媒と熱交換した熱媒体と、前記第2反応器の触媒と熱交換した熱媒体とは、前記炭化水素製造装置から別々に排出されてもよい。この構成によれば、熱媒体供給部は、第1反応器と第2反応器とのそれぞれに別々に熱媒体を供給するため、各反応器を流れる熱媒体の量を精度よく設定することができる。これにより、炭化水素化合物への転化率をさらに向上しつつ、炭化水素化合物の生成反応により発生する熱エネルギーの回収量をさらに増加することができる。
(10)上記形態の炭化水素製造装置は、前記熱媒体供給部が供給する熱媒体を用いて前記反応混合ガスを冷却することによって、前記第2反応器における炭化水素化合物の生成反応を阻害する低沸点成分を前記反応混合ガスから分離する混合ガス冷却部を備えてもよい。この構成によれば、第2反応器に供給される反応混合ガスに含まれる低沸点成分の量を少なくすることができる。これにより、第2反応器における炭化水素化合物の生成反応が進みやすくなるため、炭化水素化合物への転化率をさらに向上することができる。
(11)上記形態の炭化水素製造装置において、前記第2反応器の前記触媒を収容する部位の内径は、前記第1反応器の前記触媒を収容する部位の内径より大きくしてもよい。この構成によれば、第2反応器における熱媒体と触媒との伝熱面積が、第1反応器における熱媒体と触媒との伝熱面積より小さくなるため、第2反応器における熱媒体と触媒との熱交換速度が、第1反応器における熱媒体と触媒との熱交換速度より小さくなる。また、第2反応器からの放熱量を低減することができる。これにより、炭化水素化合物への転化率をさらに向上しつつ、炭化水素化合物の生成反応により発生する熱エネルギーの回収量をさらに増加することができる。
(12)上記形態の炭化水素製造装置において、前記第2反応器に収容されている前記触媒の量は、前記第1反応器に収容されている前記触媒の量より多くしてもよい。この構成によれば、触媒の量が同じ場合には反応速度が第1反応器より遅くなる第2反応器の反応速度を速くすることができる。これにより、炭化水素化合物への転化率をさらに向上することができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、炭化水素製造装置の制御方法、この制御方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム、炭化水素製造方法、炭化水素製造装置の製造方法、炭化水素化触媒システム、炭化水素を燃料とする燃料製造装置などの形態で実現することができる。
第1実施形態の炭化水素製造装置の概略構成を示した説明図である。 第2実施形態の炭化水素製造装置の概略構成を示した説明図である。 第2実施形態における制御処理を示すフローチャートである。 第3実施形態の炭化水素製造装置の概略構成を示した説明図である。 第4実施形態の炭化水素製造装置の概略構成を示した説明図である。 第4実施形態における制御処理を示すフローチャートである。 第5施形態の炭化水素製造装置の概略構成を示した説明図である。 第5実施形態における制御処理を示すフローチャートである。 第6実施形態の炭化水素製造装置の概略構成を示した説明図である。 第7実施形態の炭化水素製造装置の概略構成を示した説明図である。 第8実施形態の炭化水素製造装置の概略構成を示した説明図である。 第9実施形態の炭化水素製造装置の概略構成を示した説明図である。 第10実施形態の炭化水素製造装置の概略構成を示した説明図である。 第11実施形態の炭化水素製造装置の概略構成を示した説明図である。 第12実施形態の炭化水素製造装置の概略構成を示した説明図である。 炭化水素製造装置の変形例の概略構成を示した説明図である。 炭化水素製造装置の別の変形例の概略構成を示した説明図である。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態におけるメタン製造装置1Aの概略構成を示した説明図である。メタン製造装置1Aは、二酸化炭素(CO2)と水素(H2)とからメタンを製造する装置であって、定常運転時において、メタン化触媒を活性温度に維持するための熱エネルギーを、外部から投入せずにメタネーション反応の反応熱を利用するように構成されている。メタン製造装置1Aは、第1反応器10と、第2反応器20と、CO2供給源30と、水素供給源40と、原料ガス流路50と、反応混合ガス流路60と、生成ガス流路70と、熱媒体流路80と、調量弁82と、制御部90と、を備えている。第1実施形態では、「炭化水素製造装置」としてのメタン製造装置1Aは、「炭化水素化合物」としてのメタンを製造するとしているが、本実施形態は、メタン以外の炭化水素化合物を製造する炭化水素製造装置にも適用可能である。例えば、「炭化水素化合物」としてのエタンやプロパンなどの炭素と水素とから構成される化合物やメタノールなどの主に炭素と水素とから構成される化合物を製造する「炭化水素製造装置」にも適用可能である。
第1反応器10は、内部においてメタネーション反応によりメタンを生成するための略筒形状の容器であり、二重管によって構成されている。第1反応器10の内側の管内には、触媒11が配置され、両端には、ガス入口12と、ガス出口13とが形成されている。触媒11は、メタン化触媒性能を有する金属を含んでいる。メタン化触媒性能を有する金属としては、例えば、RuやNiを例示することができる。第1反応器10の上流側には原料ガス流路50が接続され、下流側には反応混合ガス流路60が接続されている。原料ガス流路50からCO2とH2とを含む原料ガスが第1反応器10に供給され、メタネーション反応によってメタンが生成される。生成されたメタンや未反応のCO2等を含む反応混合ガスは、反応混合ガス流路60を経由して第2反応器20に供給される。
第1反応器10の外側の管と内側の管との間には、オイル等の流体の熱媒体(熱流体)が流通する内部流路15が形成されている。内部流路15は、熱媒体流路80の一部であって、熱媒体入口16から内部流路15に流入した熱媒体は、第1反応器10内のメタネーション反応によって加熱された後、熱媒体出口17から排出される。熱媒体入口16は、第1反応器10での原料ガスの流通方向において相対的に下流側に設けられており、熱媒体出口17は、第1反応器10での原料ガスの流通方向において相対的に上流側に設けられている。これにより、熱媒体は、触媒11の下流側から上流側に向かって流通するため、より高温となる触媒11の上流側の熱を第2反応器20に供給することができる。
第2反応器20は、第1反応器10と同形状、同容量の容器であり、内側の管内には、触媒21が配置され、両端には、ガス入口22と、ガス出口23と、が形成されている。触媒21は、触媒11と同様に、メタン化触媒性能を有する金属を含んでいる。第2反応器20の上流側には反応混合ガス流路60が接続され、下流側には生成ガス流路70が接続されている。第2反応器20には、第1反応器10によって生成されたメタンのほか未反応のCO2を含む反応混合ガスが反応混合ガス流路60から供給される。反応混合ガスの供給によって、第2反応器20の内部ではメタネーション反応によってメタンが生成される。第2反応器20で生成された生成物(CH4と「低沸点成分」としてのH2O)を含む生成ガスは、生成ガス流路70を経由して冷却部71に供給される。冷却部71では、生成ガスからH2Oが分離される。
第2反応器20の外側の管と内側の管との間には、熱媒体が流通する内部流路25が形成されている。内部流路25は、熱媒体流路80の一部であって、熱媒体入口26から内部流路25に流入した熱媒体は、第2反応器20に供給される反応混合ガスや触媒21を加熱した後、熱媒体出口27から排出される。本実施形態では、熱媒体入口26は、第2反応器20での反応混合ガスの流通方向において相対的に下流側に設けられており、熱媒体出口27は、第2反応器20での反応混合ガスの流通方向において相対的に上流側に設けられている。これにより、熱媒体は、触媒21の下流側から上流側に向かって流通するため、メタネーション反応が生じにくく相対的に温度が低い触媒21の下流側をより昇温させることができる。
CO2供給源30は、CO2を含有する原料ガスを供給可能な供給源であり、例えば、燃焼炉と、CO2分離器とを含んで構成される。CO2分離器は、燃焼炉の排ガスからCO2を分離して回収するための装置であり、内部にCO2吸蔵(吸着)性能を有する吸着材が収容されている。CO2供給源30から供給される原料ガスは、原料ガス流路50を経由して第1反応器10に供給される。
水素供給源40は、例えば、水電解装置や水素タンクによって構成される。水素供給源40から供給されるH2は、水素供給流路41から原料ガス流路50を経由して第1反応器10に供給される。水素供給流路41には、マスフローコントローラ(MFC)42が設けられており、原料ガス流路50から第1反応器10に供給されるH2の量が調整される。MFC42は、制御部90によって制御される。
原料ガス流路50は、CO2供給源30から供給されたCO2と、MFC42を介して水素供給源40から供給されたH2と、を含む原料ガスを第1反応器10に供給するためのガス流路であり、複数のガス配管を含んで構成されている。原料ガス流路50には、CO2供給源30から供給されるCO2を含む原料ガスの流量を測定する流量計51が設けられている。流量計51の下流側には、水素供給流路41が接続されており、MFC42からH2が供給される。流量計51を通過したCO2を含む原料ガスは、MFC42からのH2が付加された後、第1反応器10に供給される。本実施形態では、原料ガス流路50には、第1反応器10に供給される原料ガスを加熱するヒータが設けられておらず、原料ガスは常温(例えば、20℃±15℃)のまま第1反応器10に供給される。
反応混合ガス流路60は、第1反応器10から送り出された反応混合ガスを第2反応器20に供給するためのガス流路であり、複数のガス配管によって構成されている。反応混合ガス流路60には、冷却部61が設けられている。冷却部61は、第1反応器10で生成された生成物(CH4とH2O)を含む反応混合ガスからH2Oを分離する脱水装置である。冷却部61は、第1反応器10から送り出された反応混合ガス(100℃〜200℃)を常温(例えば、20℃±15℃)まで低下させてH2Oを分離する。H2Oが分離された常温の反応混合ガスは、第2反応器20に供給される。本実施形態では、反応混合ガス流路60には、第2反応器20に供給される反応混合ガスを加熱するヒータが設けられておらず、反応混合ガスは常温のまま第2反応器20に供給される。
熱媒体流路80は、熱媒体としてのオイル等の流体が流通する流路であり、第1反応器10と第2反応器20とに接続している。熱媒体流路80は、流入流路80aと、中間流路80bと、流出流路80cと、分流流路80dと、を含み、熱媒体を流通可能に形成されている。
流入流路80aは、熱媒体を圧送可能なポンプ83と、第1反応器10の熱媒体入口16と、に接続し、ポンプ83が圧送する熱媒体を第1反応器10の内部流路15に供給する。第1反応器10の内部流路15に供給される熱媒体は、第1反応器10の触媒11と熱交換を行う。
中間流路80bは、第1反応器10の熱媒体出口17と、第2反応器20の熱媒体入口26とに接続し、第1反応器10から排出される熱媒体を第2反応器20の内部流路25に供給する。第2反応器20の内部流路25に供給される熱媒体は、第2反応器20の触媒21と熱交換を行う。
流出流路80cは、第2反応器20の熱媒体出口27に接続し、第2反応器20から排出される熱媒体をメタン製造装置1Aの外部の熱活用先に供給する。
分流流路80dは、中間流路80bに接続し、中間流路80bを流れる熱媒体の一部を熱活用先に供給する。
本実施形態では、第1反応器10でのメタネーション反応で発生する熱量が第2反応器20でのメタネーション反応で発生する熱量より大きいため、熱媒体流路80を流れる熱媒体は、第1反応器10のメタネーション反応で生じた熱を第2反応器20に供給する。
調量弁82は、分流流路80dに設けられ、分流流路80dを流れる熱媒体の流量を調整する。本実施形態では、分流流路80dを流れる熱媒体の流量は、調量弁82によって、一定となるよう調整されている。これにより、第2反応器20の内部流路25を流れる熱媒体の流量は、第1反応器10の内部流路15を流れた熱媒体の流量から分流流路80dを流れる熱媒体の流量を引いた流量となる。ここでは、調量弁82は、分流流路80dを流れる熱媒体の流量を一定にするとしたが、手動によって分流流路80dを流れる熱媒体の流量を変更可能なものであってもよい。また、調量弁82は、図示しない制御部によって制御可能なものであって、当該制御部からの指令に応じて熱媒体の流量を変更するものであってもよい。
以上説明した、第1実施形態のメタン製造装置1Aによれば、中間流路80bを流れる熱媒体のうちの一定量が分流流路80dによってメタン製造装置1Aから排出されるため、第2反応器20の内部流路25を流れる熱媒体の流量は、第1反応器10の内部流路15を流れる熱媒体の流量より少なくなる。これにより、第2反応器20における熱媒体と触媒21との熱交換速度を第1反応器10における熱媒体と触媒11との熱交換速度に比べて小さくすることができるため、第2反応器20の触媒21の温度を、メタネーション反応が十分に進行する温度とすることができる。また、第2反応器20を流れる熱媒体の流量が比較的少なくなるため、第2反応器20からの放熱量が低減され、メタネーション反応で発生する熱を熱活用先に効率的に供給することができる。これらにより、原料ガスからメタンへの転化率を向上しつつ、メタネーション反応により発生する熱エネルギーの回収量を増加することができる。
なお、第1実施形態のメタン製造装置1Aは、メタンを製造するとしているが、「炭化水素製造装置」が製造する炭化水素化合物は、メタンだけでなく、例えば、エタンやプロパンなどの炭素と水素とから構成される化合物や、メタノールなどの主に炭素と水素とを含む化合物を含んでもよい。
また、第1実施形態のメタン製造装置1Aによれば、第1反応器10の触媒11と熱交換した熱媒体は、第2反応器20に供給される。これにより、第1反応器10におけるメタネーション反応によって発生する熱を利用して第2反応器20の触媒21の冷却速度を抑制することができる。したがって、第2反応器20におけるメタネーション反応を確実に進行させることができるため、メタンへの転化率をさらに向上することができる。
また、第1実施形態のメタン製造装置1Aによれば、冷却部61は、熱媒体を用いて反応混合ガスを冷却することによって、第2反応器20におけるメタネーション反応を阻害する水を反応混合ガスから分離する。これにより、第2反応器20に供給される反応混合ガスに含まれる水の量を少なくすることができるため、第2反応器20におけるメタネーション反応が進みやすくなる。したがって、炭化水素化合物への転化率をさらに向上することができる。
<第2実施形態>
図2は、第2実施形態におけるメタン製造装置1Bの概略構成を示した説明図である。第2実施形態のメタン製造装置1Bは、第1実施形態のメタン製造装置1A(図1)と比較すると、調量弁82を備えておらず、制御部90と調量弁84と分析計85とを備える点が異なる。
制御部90は、ROM、RAM、および、CPUを含んで構成されるコンピュータであり、メタン製造装置1Bの全体の制御をおこなう。制御部90は、MFC42、ポンプ83、調量弁84のほか、分析計85や図示しないセンサ(温度センサ、流量センサ、濃度センサ等)、温度調整部等と電気的に接続され、これらの制御をおこなう。
調量弁84は、流出流路80cに設けられ、第2反応器20の内部流路25を流れる熱媒体の流量を調整する。本実施形態では、調量弁84は、制御部90によって絞り量ξ1が制御可能であって、内部流路25を流れる熱媒体の流量は、調量弁84によって可変となっている。
分析計85は、生成ガス流路70に設けられ、熱媒体出口27から排出される生成ガス中のCO2濃度とメタン濃度とを計測する。
図3は、本実施形態における制御部90の制御処理を示すフローチャートである。
制御部90は、メタン製造装置1Bの始動後(t=0[sec])において、最初に、分析計85によって時刻tにおける生成ガス流路70内のCO2濃度XCO2(t)とメタン濃度XCH4(t)とを計測する(ステップS11)。計測されたCO2濃度XCO2(t)とメタン濃度XCH4(t)とは、制御部90に出力される。
次に、制御部90は、時刻tにおけるメタン製造装置1B全体でのメタンへの転化率Ctot(t)を算出する(ステップS12)。転化率Ctot(t)は、式(1)より求められる。
tot(t) = XCH4(t)/[XCH4(t)+XCO2(t)] ・・・(1)
次に、制御部90は、ステップS12において算出した転化率Ctot(t)が、「所定の転化率」としての目標転化率CTarget以下であるか否かを判定する(ステップS13)。
制御部90が転化率Ctot(t)は目標転化率CTarget以下であると判定すると、ステップS14において、制御部90は、調量弁84の絞り量ξ1が増加するよう調量弁84を制御する。これにより、調量弁84を流れる熱媒体の流量は時刻tより以前に比べ減少する一方、分流流路80dによって熱活用先に供給される熱媒体の量は時刻tより以前に比べ増加する。すなわち、第2反応器20の内部流路25を流れる熱媒体の流量は、減少する。
制御部90が転化率Ctot(t)は目標転化率CTargetより大きいと判定すると、ステップS15において、制御部90は、調量弁84の絞り量ξ1が減少するよう調量弁84を制御する。これにより、調量弁84を流れる熱媒体の流量は時刻tより以前に比べ増加する一方、分流流路80dによって熱活用先に供給される熱媒体の量は時刻tより以前に比べ減少する。すなわち、第2反応器20の内部流路25を流れる熱媒体の流量は、増加する。
制御部90は、ステップS14またはステップS15の制御が終了してから時間δtが経過したのち、ステップS11として、分析計85によって時刻(t+δt)の生成ガス流路70におけるCO2濃度とメタン濃度とを計測する。その後、制御部90は、ステップS12以降の判定と制御とを行う。以上が制御処理についての説明である。
以上説明した、第2実施形態のメタン製造装置1Bによれば、例えば、原料ガスの流量変動などによって転化率Ctotが目標転化率CTarget以下とならないように、生成ガス中のCO2濃度とメタン濃度とに応じて、第2反応器20を流れる熱媒体の流量を制御する。これにより、メタン製造装置1B全体におけるメタンへの転化率に比較的大きな影響を及ぼす第2反応器20でのメタンへの転化率を向上することができる。したがって、メタン製造装置1B全体におけるメタンへの転化率を所定の転化率より大きくすることができる。
<第3実施形態>
図4は、第3実施形態におけるメタン製造装置1Cの概略構成を示した説明図である。第3実施形態のメタン製造装置1Cは、第1実施形態のメタン製造装置1A(図1)と比較すると、調量弁82を備えておらず、調量弁84と熱電対18、28とを備える点が異なる。
熱電対18は、第1反応器10の触媒11の各部位の温度を計測するために複数設けられている。ここでは、第1反応器10での原料ガスの流通方向において上流側から下流側に並んで4つの熱電対18(第1熱電対18a、第2熱電対18b、第3熱電対18c、第4熱電対18d)が触媒11に挿入されている。各熱電対18a〜18dによって取得された温度は、制御部90に出力される。
熱電対28は、第2反応器20の触媒21の各部位の温度を計測するために複数設けられている。ここでは、第2反応器20での原料ガスの流通方向において上流側から下流側に並んで4つの熱電対28(第1熱電対28a、第2熱電対28b、第3熱電対28c、第4熱電対28d)が触媒21に挿入されている。各熱電対28a〜28dによって取得された温度は、制御部90に出力される。
制御部90は、触媒11の温度分布と第1反応器10における転化率との関係を示すマップと、触媒21の温度分布と第2反応器20における転化率との関係を示すマップと、を事前に有している。制御部90は、熱電対18、28が出力する触媒11、21の各部の温度と当該マップとを用いて、第1反応器10における転化率と第2反応器20における転化率との合計の転化率Ctotを算出する。制御部90は、算出された転化率Ctotと目標転化率CTargetとの大小を比較し、算出された転化率Ctotが目標転化率CTarget以下のとき、調量弁84の絞り量ξ1が増加するよう調量弁84を制御する。また、制御部90は、算出された転化率Ctotが目標転化率CTargetより大きいとき、調量弁84の絞り量ξ1が減少するよう調量弁84を制御する。
以上説明した、第3施形態のメタン製造装置1Cによれば、例えば、原料ガスの流量変動などによって転化率Ctotが目標転化率CTarget以下とならないように、触媒11、21の温度分布に応じて、第2反応器20を流れる熱媒体の流量を制御する。これにより、メタン製造装置1C全体におけるメタンへの転化率に比較的大きな影響を及ぼす第2反応器20でのメタンへの転化率を向上することができる。したがって、メタン製造装置1C全体におけるメタンへの転化率を所定の転化率より大きくすることができる。
また、第3実施形態のメタン製造装置1Cによれば、第2実施形態の分析計85に比べ安価な熱電対18、28を用いて転化率Ctotを算出することができる。これにより、メタン製造装置1Cの製造コストを低減することができる。
<第4実施形態>
図5は、第4実施形態におけるメタン製造装置1Dの概略構成を示した説明図である。第4実施形態のメタン製造装置1Dは、第1実施形態のメタン製造装置1A(図1)と比較すると、熱電対86a、86bを備える点が異なる。
熱電対86aは、流入流路80aに設けられ、流入流路80aを流れる熱媒体の温度を検出する。熱電対86bは、分流流路80dに接続した後の流出流路80cに設けられ、流出流路80cを流れる熱媒体の温度を検出する。熱電対86a、86bによって取得された温度は制御部90に出力される。
分流流路80dは、中間流路80bと流出流路80cとに接続している。分流流路80dは、中間流路80bを流れる熱媒体の一部を、流出流路80cを流れる熱媒体に直接合流させる。
図6は、本実施形態における制御部90の制御処理を示すフローチャートである。
制御部90は、メタン製造装置1Dの始動後(t=0[sec])において、最初に、熱電対86a、86bによって時刻tにおける流入流路80aを流れる熱媒体の温度T1(t)と流出流路80cを流れる熱媒体の温度T2(t)とを計測する(ステップS21)。計測された熱媒体の温度T1(t)、T2(t)は、制御部90に出力される。
次に、制御部90は、時刻tの「熱エネルギーの回収量」としての熱回収量Rtot(t)を算出する(ステップS22)。熱回収量Rtot(t)は、式(2)より求める。
tot(t) = Cp×ρ×Q1×[T2(t)-T1(t)] ・・・(2)
なお、Cpは、熱媒体の比熱であって、ρは、熱媒体の密度であって、Q1は、時刻tにおける流入流路80aでの熱媒体の流量である。
次に、制御部90は、ステップS22において算出した熱回収量Rtot(t)が、「所定の回収量」としての目標熱回収量RTarget以下であるか否かを判定する(ステップS23)。
制御部90が熱回収量Rtot(t)は目標熱回収量RTarget以下であると判定すると、ステップS24において、制御部90は、調量弁82の絞り量ξ2が減少するよう調量弁82を制御する。これにより、分流流路80dを流れる熱媒体の流量は増加するため、第1反応器10を流れる熱媒体の流量は時刻tより以前に比べ増加する。
制御部90が熱回収量Rtot(t)は目標熱回収量RTargetより大きいと判定すると、ステップS25において、制御部90は、調量弁82の絞り量ξ2が増加するよう調量弁82を制御する。これにより、分流流路80dを流れる熱媒体の流量は減少するため、第1反応器10を流れる熱媒体の流量は時刻tより以前に比べ減少する。
制御部90は、ステップS24またはステップS25の制御が終了してから時間δtが経過したのち、ステップS21として、熱電対86a、86bによって時刻(t+δt)における流入流路80aを流れる熱媒体の温度T1(t+δt)と流出流路80cを流れる熱媒体の温度T2(t+δt)とを計測する。その後、制御部90は、ステップS22以降の判定と制御とを行う。以上が制御処理についての説明である。
以上説明した、第4実施形態のメタン製造装置1Dによれば、例えば、原料ガスの流量変動によって熱回収量Rtot(t)が目標熱回収量RTarget以下とならないように、流入流路80aを流れる熱媒体の温度と流出流路80cを流れる熱媒体の温度とに応じて、第1反応器10を流れる熱媒体の流量を制御する。これにより、メタン製造装置1Dにおける熱回収量に比較的大きな影響を及ぼす第1反応器10での熱回収量を増大することができる。したがって、熱回収量を所定の回収量より大きくすることができる。
<第5実施形態>
図7は、第5実施形態におけるメタン製造装置1Eの概略構成を示した説明図である。第5実施形態のメタン製造装置1Eは、第1実施形態のメタン製造装置1A(図1)と比較すると、調量弁82を備えておらず、調量弁84と、分析計85と、熱電対86a、86bとを備える点が異なる。
メタン製造装置1Eは、第2実施形態のメタン製造装置1Bの構成と、第4実施形態のメタン製造装置1Dの構成とを組み合わせたものである。具体的には、分析計85によって熱媒体出口27から排出される生成ガスに含まれるCO2濃度とメタン濃度とを計測しつつ、熱電対86a、86bによって流入流路80aを流れる熱媒体の温度と流出流路80cを流れる熱媒体の温度とを計測する。CO2濃度と、メタン濃度と、流入流路80aを流れる熱媒体の温度と、流出流路80cを流れる熱媒体の温度とは、制御部90に入力される。
図8は、本実施形態における制御部90の制御処理を示すフローチャートである。
メタン製造装置1Eの始動後(t=0[sec])において、最初に、分析計85によって時刻tにおける生成ガス流路70内のCO2濃度XCO2(t)とメタン濃度XCH4(t)とを計測する(ステップS11)。次に、制御部90は、式(3)によって、時刻tのメタンへの転化率Ctot(t)を算出する(ステップS12)。
tot(t) = XCH4(t)/[XCH4(t)+XCO2(t)] ・・・(3)
次に、制御部90は、ステップS12において算出した転化率Ctot(t)が、目標転化率CTarget以下であるか否かを判定する(ステップS13)。制御部90は、転化率Ctot(t)は目標転化率CTarget以下であると判定すると、ステップS14において、調量弁84の絞り量ξ1が増加するよう調量弁84を制御する。制御部90は、転化率Ctot(t)は目標転化率CTargetより大きいと判定すると、ステップS15において、調量弁84の絞り量ξ1が減少するよう調量弁84を制御する。
ステップS14、S15の次に、熱電対86a、86bによって時刻tにおける流入流路80aを流れる熱媒体の温度T1(t)と流出流路80cを流れる熱媒体の温度T2(t)とを計測する(ステップS21)。次に、制御部90は、式(4)によって、時刻tの熱回収量Rtot(t)を算出する(ステップS22)。
tot(t) = Cp×ρ×Q1×[T2(t)-T1(t)] ・・・(4)
次に、制御部90は、ステップS22において算出した熱回収量Rtot(t)が、目標熱回収量RTarget以下であるか否かを判定する(ステップS23)。制御部90は、熱回収量Rtot(t)は目標熱回収量RTarget以下であると判定すると、調量弁82の絞り量ξ2が減少するよう調量弁82を制御する。制御部90は、熱回収量Rtot(t)は目標熱回収量RTargetより大きいと判定すると、調量弁82の絞り量ξ2が増加するよう調量弁82を制御する。
制御部90は、ステップS24またはステップS25の制御が終了してから時間δtが経過したのち、ステップS11として、時刻(t+δt)における生成ガス流路70内のCO2濃度XCO2(t+δt)とメタン濃度XCH4(t+δt)とを計測する。その後、ステップS12以降の判定と制御を行う。以上が制御処理についての説明である。
以上説明した、第5実施形態のメタン製造装置1Eによれば、転化率Ctotが目標転化率CTarget以下とならないように第2反応器20を流れる熱媒体の流量を制御し、かつ、熱回収量Rtot(t)が目標熱回収量RTarget以下とならないように第1反応器10を流れる熱媒体の流量を制御する。これにより、メタンへの転化率を所定の転化率より大きくしつつ、熱エネルギーの回収量を所定の回収量より大きくすることができる。
<第6実施形態>
図9は、第6実施形態におけるメタン製造装置1Fの概略構成を示した説明図である。第6実施形態のメタン製造装置1Fは、第1実施形態のメタン製造装置1A(図1)と比較すると、調量弁82を備えておらず、第2反応器20の熱媒体入口の数と、第2反応器20における熱媒体が流れる方向と反応混合ガスが流れる方向との関係と、が異なる。
中間流路80bは、第1反応器10の熱媒体出口17と、第2反応器20の熱媒体入口26aとに接続し、第1反応器10から排出される熱媒体を、熱媒体入口26aを経由して第2反応器20の内部流路25に供給する。
分流流路80dは、中間流路80bと、第2反応器20の熱媒体入口26aとは異なる熱媒体入口26bと、に接続している。分流流路80dは、中間流路80bを流れる熱媒体の一部を、熱媒体入口26bを経由して内部流路25に供給する。
第2反応器20では、熱媒体は、反応混合ガスが流れる方向に沿うように流れる。本実施形態では、二つの熱媒体入口26a、26bのうち、熱媒体入口26aは、第2反応器20での反応混合ガスの流通方向において熱媒体入口26bの上流側に位置している。これにより、第2反応器20では、反応混合ガスの流通方向において上流側と下流側とで熱媒体の流量が異なっている。具体的には、第2反応器20において、反応混合ガスは、第2反応器20のガス入口22側からガス出口23側に流れる。このとき、内部流路25の熱媒体は、第2反応器20のガス入口22側の触媒21と熱交換したのち第2反応器20のガス出口23側の触媒21と熱交換するように流れる。
以上説明した、第6実施形態のメタン製造装置1Fによれば、第2反応器20における熱媒体の流量は、第2反応器20内を流れる反応混合ガスの流通方向に対して上流側の熱媒体の流量が下流側の熱媒体の流量より少ない。これにより、第2反応器20のガス入口22の近傍では、反応混合ガスは、自身の反応熱によって十分に昇温されるため、メタネーション反応が促進される。したがって、メタンへの転化率をさらに向上することができる。
<第7実施形態>
図10は、第7実施形態におけるメタン製造装置1Gの概略構成を示した説明図である。第7実施形態のメタン製造装置1Gは、第1実施形態のメタン製造装置1A(図1)と比較すると、調量弁82を備えておらず、熱媒体流路80が分流流路80eを含む点と、第2反応器20の熱媒体出口の数と、が異なる。
第7実施形態の熱媒体流路80は、流入流路80aと、中間流路80bと、流出流路80cと、分流流路80eと、を含み、熱媒体を流通可能に形成されている。
流出流路80cは、第2反応器20の熱媒体出口27aに接続し、第2反応器20から熱媒体出口27aを経由して排出される熱媒体を熱活用先に供給する。
分流流路80eは、第2反応器20の熱媒体出口27aとは異なる熱媒体出口27bと、流出流路80cと、に接続している。分流流路80eは、第2反応器20から熱媒体出口27bを経由して排出される熱媒体の一部を、流出流路80cを流れる熱媒体に合流させる。
第2反応器20では、二つの熱媒体出口27a、27bのうち、熱媒体出口27bは、第2反応器20での反応混合ガスの流通方向において熱媒体出口27aの下流側に位置している。これにより、第2反応器20では、反応混合ガスの流通方向において上流側と下流側とにおいて熱媒体の流量が異なっている。具体的には、第2反応器20において、反応混合ガスは、第2反応器20のガス入口22側からガス出口23側に流れる。このとき、内部流路25の熱媒体は、第2反応器20のガス出口23側の触媒21と熱交換したのち第2反応器20のガス入口22側の触媒21と熱交換するように流れる。すなわち、第2反応器20において、第2反応器20のガス入口22側の触媒21と熱交換する熱媒体の流量は、第2反応器20のガス出口23側の触媒21と熱交換する熱媒体の流量に比べ少ない。
以上説明した、第7実施形態のメタン製造装置1Gによれば、第2反応器20における熱媒体の流量は、第2反応器20内を流れる反応混合ガスの流通方向に対して上流側の熱媒体の流量が下流側の熱媒体の流量より少ない。これにより、第2反応器20のガス入口22の近傍では、反応混合ガスは、自身の反応熱によって十分に昇温されるため、メタネーション反応が促進される。したがって、メタンへの転化率をさらに向上することができる。
<第8実施形態>
図11は、第8実施形態におけるメタン製造装置1Hの概略構成を示した説明図である。第8実施形態のメタン製造装置1Hは、第1実施形態のメタン製造装置1A(図1)と比較すると、調量弁82を備えておらず、熱媒体流路80が冷却部61、71を含む点が異なる。
第8実施形態の熱媒体流路80は、流入流路80aと、中間流路80bと、流出流路80cと、分流流路80dと、供給流路80fと、接続流路80gと、を含み、熱媒体を流通可能に形成されている。
供給流路80fは、熱媒体を圧送可能なポンプ89aと、冷却部71とに接続し、ポンプ89aが圧送する熱媒体を冷却部71に供給する。冷却部71では、ポンプ89aによって供給される熱媒体によって生成ガスが冷却され、生成ガスからH2Oを分離する。
接続流路80gは、冷却部71と、冷却部61とに接続し、冷却部71から排出される熱媒体を冷却部61に供給する。冷却部61では、冷却部71から供給される熱媒体によって反応混合ガスが冷却され、反応混合ガスからH2Oを分離する。
流入流路80aは、冷却部61と、第1反応器10の熱媒体入口16とに接続し、冷却部61から排出される熱媒体を第1反応器10に供給する。
多段反応器では、下段の反応器には熱媒体を、例えば、200℃以上で供給する必要がある。しかしながら、下段の反応器で生成された生成ガスからH2Oを分離するための冷却部のみで熱媒体を200℃以上に昇温するのは困難であり、下段の反応器に冷却部のみを通った熱媒体を供給すると下段の反応器での転化率が低くなる。
以上説明した、第8実施形態のメタン製造装置1Hによれば、冷却部71において生成ガスを冷却した熱媒体は、第2反応器20に供給される。このとき、冷却部71において回収される熱では第2反応器20におけるメタネーション反応を維持するための十分な熱量とならないおそれがある。そこで、本実施形態では、冷却部71における熱交換によって加熱された熱媒体を、冷却部61と第1反応器10とにおける熱交換によって加熱された熱媒体を第2反応器20に供給する。これにより、熱媒体は、冷却部61と第1反応器10とでも加熱されるため、第2反応器20におけるメタネーション反応を確実に維持することができる程度まで昇温される。したがって、第2反応器20におけるメタネーション反応を確実に進行させることができるため、メタンへの転化率をさらに向上することができる。
<第9実施形態>
図12は、第9実施形態におけるメタン製造装置1Iの概略構成を示した説明図である。第9実施形態のメタン製造装置1Iは、第1実施形態のメタン製造装置1A(図1)と比較すると、調量弁82を備えておらず、熱媒体流路80が冷却部61、71を含む点が異なる。
第9実施形態の熱媒体流路80は、流入流路80aと、中間流路80bと、流出流路80cと、分流流路80dと、供給流路80f、80hと、接続流路80gと、を含み、熱媒体を流通可能に形成されている。
供給流路80hは、熱媒体を圧送可能なポンプ89bと、冷却部61とに接続し、ポンプ89bが圧送する熱媒体を冷却部61に供給する。冷却部61では、ポンプ89bによって供給される熱媒体によって反応混合ガスが冷却され、反応混合ガスからH2Oを分離する。
接続流路80gは、冷却部71と、流入流路80aとに接続し、冷却部71から排出される熱媒体を、流入流路80aを流れる熱媒体に合流させる。
以上説明した、第9実施形態のメタン製造装置1Iによれば、冷却部71において生成ガスを冷却することによって加熱された熱媒体は、冷却部61において反応混合ガスを冷却することによってさらに加熱される。この冷却部61において加熱された熱媒体は、第1反応器10を通って第2反応器20に供給される。これにより、第2反応器20に供給される熱媒体は、冷却部71だけでなく冷却部61と第1反応器10とでも加熱されるため、第2反応器20におけるメタネーション反応を確実に維持することができる程度まで昇温される。したがって、第2反応器20におけるメタネーション反応を確実に進行させることができるため、メタンへの転化率をさらに向上することができる。
<第10実施形態>
図13は、第10実施形態におけるメタン製造装置1Jの概略構成を示した説明図である。第10実施形態のメタン製造装置1Jは、第1実施形態のメタン製造装置1A(図1)と比較すると、調量弁82を備えておらず、第2反応器20の形状が異なる。
第10実施形態の熱媒体流路80は、第1実施形態のメタン製造装置1Aと同様に、流入流路80aと、中間流路80bと、流出流路80cと、分流流路80dと、を含み、熱媒体を流通可能に形成されている。
第2反応器20は、図13に示すように、触媒21を収容している内側の管の内径が、第1反応器10の触媒11を収容している内側の管の内径より大きい。
以上説明した、第10実施形態のメタン製造装置1Jによれば、第2反応器20における熱媒体と触媒21との伝熱面積が、第1反応器10における熱媒体と触媒11との伝熱面積より小さくなるため、第2反応器20における熱媒体と触媒との熱交換速度が、第1反応器10における熱媒体と触媒との熱交換速度より小さくなる。また、触媒21の単位体積当たりの表面積が、触媒11の単位体積当たりの表面積より小さくなるため、第2反応器20からの放熱量を低減することができる。これにより、メタンへの転化率をさらに向上しつつ、メタネーション反応により発生する熱エネルギーの回収量をさらに増加することができる。
<第11実施形態>
図14は、第11実施形態におけるメタン製造装置1Kの概略構成を示した説明図である。第11実施形態のメタン製造装置1Kは、第1実施形態のメタン製造装置1A(図1)と比較すると、調量弁82を備えておらず、第1反応器10の触媒の量と第2反応器20の触媒の量とが異なる。
第2反応器20は、内側の管内に収容されている触媒21の量が、第1反応器10の内側の管内に収容されている触媒11の量より多い。例えば、図14に示すように、第2反応器20内に配置されている触媒21の体積が第1反応器10内の触媒11の体積に比べ大きい。
以上説明した、第8実施形態のメタン製造装置1Gによれば、触媒の量が同じ場合には反応速度が第1反応器10より遅くなる第2反応器20の反応速度を速くすることができる。これにより、メタンへの転化率をさらに向上することができる。
<第12実施形態>
図15は、第12実施形態におけるメタン製造装置1Lの概略構成を示した説明図である。第12実施形態のメタン製造装置1Lは、第1実施形態のメタン製造装置1A(図1)と比較すると、調量弁82を備えておらず、二つの熱媒体流路87、88を備える点が異なる。
熱媒体流路87は、流入流路87aと、流出流路87bと、を有する。流入流路87aは、熱媒体を圧送可能な第1ポンプ87cと、第1反応器10の熱媒体入口16とに接続している。流出流路87bは、第1反応器10の熱媒体出口17に接続し、第1反応器10から排出される熱媒体をメタン製造装置1Lの外部の熱活用先に供給する。
熱媒体流路88は、流入流路88aと、流出流路88bと、を有する。流入流路88aは、熱媒体を圧送可能な第2ポンプ88cと、第2反応器20の熱媒体入口26とに接続している。流出流路88bは、第2反応器20の熱媒体出口27に接続し、第2反応器20から排出される熱媒体をメタン製造装置1Lの外部の熱活用先に供給する。
制御部90は、第1ポンプ87cの駆動と第2ポンプ88cの駆動とを制御する。本実施形態では、制御部90は、第2ポンプ88cが圧送する熱媒体の流量を、第1ポンプ87cが圧送する熱媒体の流量に比べ少なくなるように第1ポンプ87cと第2ポンプ88cとを制御する。
以上説明した、第12実施形態のメタン製造装置1Lによれば、制御部90は、第1反応器10と第2反応器20とのそれぞれに個別に熱媒体を供給するため、各反応器を流れる熱媒体の量を精度よく設定することができる。これにより、メタンへの転化率をさらに向上しつつ、メタネーション反応により発生する熱エネルギーの回収量をさらに増加することができる。
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
[変形例1]
上述の実施形態では、「炭化水素製造装置」としてのメタン製造装置は、「炭化水素化合物」としてのメタンを製造するとした。しかしながら、炭化水素製造装置が製造する炭化水素化合物は、メタンだけでなく、例えば、エタンやプロパンなどの炭素と水素とから構成される化合物や、メタノールなどの主に炭素と水素とから構成される化合物を含んでもよい。
[変形例2]
上述の実施形態のメタン製造装置は、二つの反応器10、20を備えているものとした。しかし、メタン製造装置は、反応器を三つ以上備えていてもよい。この場合、熱媒体流路80は、いずれか一つ以上の反応器の熱を他の一つ以上の反応器に供給するように構成されていれば、反応器に供給されるガスの予熱や触媒の加熱のために投入される外部エネルギーを低減させることができる。なお、最も下流側の反応器に熱が供給されるように構成されることが好ましい。最も下流側の反応器の反応量が低下すると全体の転化率が低下するためである。
[変形例3]
第1実施形態のメタン製造装置1Aでは、調量弁82は、分流流路80dに設けられるとした。第2実施形態のメタン製造装置1Bでは、調量弁84は、流出流路80cに設けられるとした。しかし、第1実施形態では、調量弁は、流出流路80cに設けられてもよいし、第2実施形態では、調量弁は、分流流路80dに設けられてもよい。調量弁を流出流路または分流流路のいずれか一方に設けることによって、流出流路または分流流路のいずれか他方の流量が決定されるためである。また、第3実施形態のメタン製造装置1Cでは、調量弁84は、流出流路80cに設けられるとしたが、分流流路80dに設けられてもよい。また、第4実施形態のメタン製造装置1Dでは、調量弁82は、分流流路80dに設けられるとしたが、流出流路80cに設けられてもよい。
[変形例4]
第5実施形態のメタン製造装置1Eでは、分析計85が計測する生成ガス流路70内のCO2濃度とメタン濃度とを用いて転化率を向上し、熱電対86a、86bが計測する熱媒体の温度を用いて熱エネルギーの回収量を増大するとした。しかしながら、第1反応器10に設けられる熱電対18が計測する触媒11の各部位の温度と、第2反応器20に設けられる熱電対28が計測する触媒21の各部位の温度と、を用いて転化率を向上し、熱電対86a、86bが計測する熱媒体の温度を用いて熱エネルギーの回収量を増大するとしてもよい。この場合、熱電対18、28は分析計85に比べ安価であるため、炭化水素製造装置の製造コストを低減することができる。
[変形例5]
第6実施形態のメタン製造装置1Fでは、第2反応器20は、二つの熱媒体入口26a、26bを有するとした。また、第7実施形態のメタン製造装置1Gでは、第2反応器20は、二つの熱媒体入口26a、26bを有するとした。第2反応器20は、二つの熱媒体入口と二つの熱媒体出口を有してもよい。また、熱媒体入口または熱媒体出口の数は三つ以上であってもよい。
[変形例6]
第11実施形態のメタン製造装置1Kでは、第2反応器20の触媒21の量が第1反応器10の触媒11の量に比べ多いとしている。この場合、触媒の量を多くするため、触媒が有する担持体への触媒の担持量を多くしてもよい。
[変形例7]
第12実施形態のメタン製造装置1Lは、それぞれ別のポンプが接続する二つの熱媒体流路87、88を備えるとした。しかしながら、二つの熱媒体流路87、88に接続する一つのポンプを備えてもよい。この場合、二つの熱媒体流路87、88を流れる熱媒体の流量を、第2反応器20を流れる熱媒体の流量が第1反応器10を流れる熱媒体の流量に比べ少なくなるよう制御することによって、メタン装置全体の転化率の向上と熱エネルギーの回収量の増大とを両立することができる。
[変形例8]
第1実施形態のメタン製造装置1Aでは、第1反応器10を流れる熱媒体は、第2反応器20の流入する前に分流するとした。しかしながら、第1反応器10において、原料ガスの流通方向において相対的に上流側の熱媒体の流量を、前記原料ガスの流通方向において相対的に下流側の熱媒体の流量より少なくしてもよい。
図16は、メタン製造装置の変形例の概略構成を示した説明図である。この変形例では、第1反応器10の熱媒体は、原料ガスが流れる方向に沿うよう流れる。二つの熱媒体入口16a、16bのうち、熱媒体入口16aは、第1反応器10での原料ガスの流通方向において熱媒体入口16bの上流側に位置している。これにより、第1反応器10では、原料ガスの流通方向において上流側の熱媒体の流量が、下流側の熱媒体の流量より少なくなっている。
図17は、メタン製造装置の別の変形例の概略構成を示した説明図である。第1反応器10では、二つの熱媒体出口17a、17bのうち、熱媒体出口17bは、第1反応器10での原料ガスの流通方向において熱媒体出口17aの下流側に位置している。これにより、第1反応器10では、原料ガスの流通方向において上流側の熱媒体の流量が、下流側の熱媒体の流量より少なくなっている。
これらの構成によれば、第1反応器10のガスの入口では、原料ガスは、自身の反応熱によって十分に昇温されるため、メタネーション反応が促進される。したがって、メタンへの転化率をさらに向上することができる。
[変形例9]
第1実施形態のメタン製造装置1Aは、熱媒体流路80を流通する熱媒体としてオイルを例示している。しかし、熱媒体は、オイルに限定されず、例えば、溶融塩、ガスなどであってもよい。また、第1実施形態のメタン製造装置1Aは、触媒11、21の代わりに、高級炭化水素およびアルコール生成触媒(Fe系触媒、その他、CuやCo等でも可)を反応器10、20の内部に備えていてもよい。
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H、1I、1J、1K、1L…メタン製造装置
10…第1反応器
11、21…触媒
12、22…ガス入口
13、23…ガス出口
15、25…内部流路
16、16a、16b、26、26a、26b…熱媒体入口
17、17a、17b、27、27a、27b…熱媒体出口
18、28、86a、86b…熱電対
20…第2反応器
30…CO2供給源
40…水素供給源
41…水素供給流路
42…マスフローコントローラ
50…原料ガス流路
51…流量計
60…反応混合ガス流路
61、71…冷却部
70…生成ガス流路
80、87、88…熱媒体流路
80a、87a、88a…流入流路
80b…中間流路
80c、87b、88b…流出流路
80d、80e…分流流路
80f、80h…供給流路
80g…接続流路
83、89a、89b…ポンプ
82、84…調量弁
85…分析計
87c…第1ポンプ
88c…第2ポンプ
90…制御部

Claims (14)

  1. メタン製造装置であって、
    触媒を収容し、供給源から供給された原料ガスを用いてメタンを生成する第1反応器と、
    触媒を収容し、前記第1反応器で生成されたメタンを含む反応混合ガスを用いてメタンを生成する第2反応器と、
    前記第2反応器の少なくとも一部において、前記第2反応器の触媒と熱交換する熱媒体の流量が前記第1反応器の触媒と熱交換する熱媒体の流量より少なくなるように、前記第1反応器と前記第2反応器とに熱媒体を供給する熱媒体供給部と、を備え
    前記第1反応器は、熱媒体の入口が、前記第1反応器における原料ガスの流通方向において相対的に下流側に設けられており、熱媒体の出口が、前記第1反応器における原料ガスの流通方向において相対的に上流側に設けられている、
    メタン製造装置。
  2. 請求項1に記載のメタン製造装置は、さらに、
    前記熱媒体供給部が前記第1反応器と前記第2反応器とに供給する熱媒体の流量を制御する流量制御部を備える、
    メタン製造装置。
  3. 請求項2に記載のメタン製造装置であって、
    前記流量制御部は、前記メタン製造装置におけるメタン化合物への転化率が所定の転化率より大きくなるように、前記第2反応器で生成されたメタン化合物を含む生成ガス中の組成、または、前記触媒の温度分布を用いて、前記第2反応器の触媒と熱交換する熱媒体の流量を制御する、
    メタン製造装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載のメタン製造装置であって、
    前記流量制御部は、前記メタン製造装置における熱媒体による熱の回収量が所定の回収量より大きくなるように、前記メタン製造装置に供給される熱媒体の温度と前記メタン製造装置から排出される熱媒体の温度との温度差を用いて、前記第1反応器の触媒と熱交換する熱媒体の流量を制御する、
    メタン製造装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のメタン製造装置であって、
    前記第1反応器では、前記原料ガスの流通方向において相対的に上流側の熱媒体の流量は、前記原料ガスの流通方向において相対的に下流側の熱媒体の流量より少ない、
    メタン製造装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のメタン製造装置であって、
    前記第2反応器では、前記反応混合ガスの流通方向において相対的に上流側の熱媒体の流量は、前記反応混合ガスの流通方向において相対的に下流側の熱媒体の流量より少ない、
    メタン製造装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のメタン製造装置であって、
    前記熱媒体供給部は、前記第1反応器の触媒と熱交換した熱媒体を前記第2反応器に供給する、
    メタン製造装置。
  8. 請求項7に記載のメタン製造装置は、さらに、
    前記第2反応器で生成されたメタンを含む生成ガスを、前記熱媒体供給部が供給する熱媒体を用いて冷却することによって、前記生成ガスから低沸点成分を分離する生成ガス冷却部を備え、
    前記熱媒体供給部は、前記生成ガス冷却部で前記生成ガスを冷却した熱媒体を、前記第1反応器に供給する、
    メタン製造装置。
  9. 請求項8に記載のメタン製造装置は、さらに、
    前記熱媒体供給部が供給する熱媒体を用いて前記反応混合ガスを冷却することによって、前記第2反応器におけるメタン化合物の生成反応を阻害する低沸点成分を前記反応混合ガスから分離する混合ガス冷却部を備え、
    前記熱媒体供給部は、前記生成ガス冷却部で前記生成ガスを冷却したのち前記混合ガス冷却部で前記反応混合ガスを冷却した熱媒体を、前記第1反応器に供給する、
    メタン製造装置。
  10. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のメタン製造装置であって、
    前記熱媒体供給部は、前記第1反応器と前記第2反応器とに別々に熱媒体を供給し、
    前記第1反応器の触媒と熱交換した熱媒体と、前記第2反応器の触媒と熱交換した熱媒体とは、前記メタン製造装置から別々に排出される、
    メタン製造装置。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のメタン製造装置は、さらに、
    前記熱媒体供給部が供給する熱媒体を用いて前記反応混合ガスを冷却することによって、前記第2反応器におけるメタン化合物の生成反応を阻害する低沸点成分を前記反応混合ガスから分離する混合ガス冷却部を備える、
    メタン製造装置。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のメタン製造装置であって、
    前記第2反応器の前記触媒を収容する部位の内径は、前記第1反応器の前記触媒を収容する部位の内径より大きい、
    メタン製造装置。
  13. 請求項1から請求項12のいずれか一項に記載のメタン製造装置であって、
    前記第2反応器に収容されている前記触媒の量は、前記第1反応器に収容されている前記触媒の量より多い、
    メタン製造装置。
  14. メタン製造方法であって、
    触媒が収容された第1反応器に、原料ガスを供給してメタン化合物を生成する工程と、
    前記第1反応器の下流側に配置され触媒が収容された第2反応器に、前記第1反応器で生成されたメタンを含む反応混合ガスを供給してメタンを生成する工程と、
    前記第2反応器の少なくとも一部において前記第2反応器の触媒と熱交換する熱媒体の流量が前記第1反応器の触媒と熱交換する熱媒体より少なくなるよう、前記第1反応器と前記第2反応器とに熱媒体を供給する工程と、を備え、
    前記熱媒体を供給する工程では、
    前記第1反応器に、前記第1反応器における原料ガスの流通方向とは逆方向に熱媒体が流れるように供給する、
    メタン製造方法。
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