JP2018133350A - 回路基板付きヒートシンク及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷却性能及び温度変化に対する耐久性に優れ、圧力損失が低い回路基板付きヒートシンク及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ヒートシンク1は、ヒートシンク本体2と、低膨張板3と、中間板4と、回路基板5とを有している。ヒートシンク本体2は、ベース板21とピンフィン22とを備え、50MPa以上の耐力及び70GPa以下のヤング率を有するアルミニウム材から構成されている。ピンフィン22は、四角柱状を呈し、平坦な側面221と、ベース板21の表側面211に平行な断面における曲率半径が0.1mm以下である角部222とを備えている。ピンフィン22の側面221とベース板21の裏側面212とは、ピンフィンの根元部223を介して接続されている。裏側面212と側面221との両方に垂直な断面における根元部223の曲率半径Rは0.1mm以下である。
【選択図】図1
【解決手段】ヒートシンク1は、ヒートシンク本体2と、低膨張板3と、中間板4と、回路基板5とを有している。ヒートシンク本体2は、ベース板21とピンフィン22とを備え、50MPa以上の耐力及び70GPa以下のヤング率を有するアルミニウム材から構成されている。ピンフィン22は、四角柱状を呈し、平坦な側面221と、ベース板21の表側面211に平行な断面における曲率半径が0.1mm以下である角部222とを備えている。ピンフィン22の側面221とベース板21の裏側面212とは、ピンフィンの根元部223を介して接続されている。裏側面212と側面221との両方に垂直な断面における根元部223の曲率半径Rは0.1mm以下である。
【選択図】図1
Description
本発明は、回路基板付きヒートシンク及びその製造方法に関する。
インバータやコンバータ等の電力変換装置には、半導体素子などが搭載される回路基板と、回路基板の冷却を促進するためのヒートシンクとを備えた回路基板付きヒートシンクが組み込まれている。ヒートシンクは、平板状を呈するベース板と、ベース板の一方の板面に立設されたフィンとを有している。また、回路基板は、ベース板の他方の板面に接合された裏面金属層と、裏面金属層上に積層されたセラミックス板と、セラミックス板上に積層された回路金属層とを有している。回路金属層上には、電力回路を構成する半導体素子などがはんだ付により搭載される。
従来、ヒートシンク及び回路基板の各金属層には、熱伝導率の高い銅材(銅及び銅合金を含む。以下同様。)が使用されてきた。また、ヒートシンクと回路基板とを接合する方法としては、ろう付が多用されている。しかし、近年では、軽量化の観点から、アルミニウム材(アルミニウム及びアルミニウム合金を含む。以下同様。)からなるヒートシンクの採用が進んでいる。銅材とアルミニウム材とをろう付により接合する場合には、銅材同士のろう付に比べて接合部の信頼性が低下しやすいという問題がある。
そこで、銅材からなる金属層を備えた回路基板と、アルミニウム材からなるヒートシンクとを接合する方法として、拡散接合を適用することが検討されている(例えば、特許文献1)。拡散接合においては、ヒートシンクと回路基板とを重ね合わせて被処理物を組み立てた後、回路基板をヒートシンク側に押圧しながら被処理物を加熱することにより、金属板とヒートシンクとを接合している。
拡散接合においては、被処理物に加える圧力をろう付よりも高くする必要がある。そのため、拡散接合後にヒートシンクのフィンが変形し、冷却性能の悪化や圧力損失の増大を招くおそれがある。
このようなフィンの変形を抑制するためには、単純には、ヒートシンク本体を構成するアルミニウム材の耐力を高くする方法が考えられる。しかし、回路基板におけるセラミックス板の熱膨張係数と、ヒートシンクを構成するアルミニウム材の熱膨張係数とは大きく異なっている。そのため、金属板とヒートシンクとの接合が完了した後に被処理物を冷却すると、セラミックス板とヒートシンクとの収縮量に差が生じる。その結果、拡散接合が完了した後の回路基板付きヒートシンクにおいて、セラミックス板に反り及び残留応力が発生する。
さらに、拡散接合後の回路基板は、拡散層を介してヒートシンクに拘束されている。そのため、例えば半導体素子のはんだ付作業の際や、半導体素子の発熱等により回路基板及びヒートシンクの温度が上昇した際に、セラミックス板の中心付近に引張応力が生じるとともに、セラミックス板に反りが生じる。そして、これらの引張応力や反りが過度に大きい場合には、セラミックス板に割れが発生するおそれがある。
上述したセラミックス板の割れは、ヒートシンク本体を構成するアルミニウム材の耐力が高くなるほど発生しやすくなる。そのため、ヒートシンク本体を構成するアルミニウム材の耐力の向上には限界があった。
一方、ヒートシンクを構成するアルミニウム材の耐力が低い場合には、ヒートシンクの温度が繰り返し変化した際に、ヒートシンクの表面にシワのような凹凸が発生し、表面粗さが粗くなることがある。ヒートシンクの表面粗さが増大すると、ヒートシンクを冷却ジャケットに取り付ける際に、冷却ジャケットとヒートシンクとの間の隙間を閉鎖することが難しくなる。その結果、冷媒漏れや冷媒流量の低下が起こりやすくなり、さらには冷却性能の低下を招くおそれがある。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、冷却性能及び温度変化に対する耐久性に優れ、圧力損失が低い回路基板付きヒートシンク及びその製造方法を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、平板状を呈するベース板と、上記ベース板の裏側面に立設された多数のピンフィンとを備え、50MPa以上の耐力及び70GPa以下のヤング率を有するアルミニウム材よりなるヒートシンク本体と、
銅材よりも低い線膨張係数を有し、上記ベース板の表側面に接合された低膨張板と、
上記低膨張板上に接合されたアルミニウム材よりなる中間板と、
上記中間板上に配置された回路基板とを有しており、
上記回路基板は、
上記中間板上に接合された銅材からなる裏面金属層と、
上記裏面金属層上に積層されたセラミックス板と、
上記セラミックス板上に積層された銅材からなる回路金属層とを有しており、
上記ピンフィンは、
四角柱状を呈し、平坦な側面と、上記表側面に平行な断面における曲率半径が0.1mm以下である角部とを備え、
上記裏側面と上記ピンフィンの側面との両方に垂直な断面における、上記裏側面と上記側面とを接続する根元部の曲率半径が0.1mm以下であり、
上記ベース板と上記低膨張板との接合部、上記低膨張板と上記中間板との接合部及び上記中間板と上記裏面金属層との接合部は、被接合部材を構成する元素を含む拡散層を有している、回路基板付きヒートシンクにある。
銅材よりも低い線膨張係数を有し、上記ベース板の表側面に接合された低膨張板と、
上記低膨張板上に接合されたアルミニウム材よりなる中間板と、
上記中間板上に配置された回路基板とを有しており、
上記回路基板は、
上記中間板上に接合された銅材からなる裏面金属層と、
上記裏面金属層上に積層されたセラミックス板と、
上記セラミックス板上に積層された銅材からなる回路金属層とを有しており、
上記ピンフィンは、
四角柱状を呈し、平坦な側面と、上記表側面に平行な断面における曲率半径が0.1mm以下である角部とを備え、
上記裏側面と上記ピンフィンの側面との両方に垂直な断面における、上記裏側面と上記側面とを接続する根元部の曲率半径が0.1mm以下であり、
上記ベース板と上記低膨張板との接合部、上記低膨張板と上記中間板との接合部及び上記中間板と上記裏面金属層との接合部は、被接合部材を構成する元素を含む拡散層を有している、回路基板付きヒートシンクにある。
本発明の他の態様は、上記の態様の回路基板付きヒートシンクの製造方法であって、
アルミニウム板と、上記低膨張板と、上記中間板と、上記回路基板とを準備し、
上記アルミニウム板、上記低膨張板、上記中間板及び上記裏面金属層の表面に存在する自然酸化膜を除去する表面処理を行い、
上記アルミニウム板と、上記アルミニウム板上に載置された上記低膨張板と、上記低膨張板上に載置された上記中間板と、上記中間板と上記裏面金属層とが当接するように載置された上記回路基板とを有する被処理物を組み立て、
上記回路基板を上記アルミニウム板側に押圧しつつ上記被処理物を加熱して、拡散接合により一括して上記拡散層を形成し、
上記アルミニウム板に切削加工を施して上記ヒートシンク本体を形成する、回路基板付きヒートシンクの製造方法にある。
アルミニウム板と、上記低膨張板と、上記中間板と、上記回路基板とを準備し、
上記アルミニウム板、上記低膨張板、上記中間板及び上記裏面金属層の表面に存在する自然酸化膜を除去する表面処理を行い、
上記アルミニウム板と、上記アルミニウム板上に載置された上記低膨張板と、上記低膨張板上に載置された上記中間板と、上記中間板と上記裏面金属層とが当接するように載置された上記回路基板とを有する被処理物を組み立て、
上記回路基板を上記アルミニウム板側に押圧しつつ上記被処理物を加熱して、拡散接合により一括して上記拡散層を形成し、
上記アルミニウム板に切削加工を施して上記ヒートシンク本体を形成する、回路基板付きヒートシンクの製造方法にある。
上記回路基板付きヒートシンク(以下、「ヒートシンク」という。)におけるヒートシンク本体は、ベース板の裏側面に四角柱状を呈する多数のピンフィンを有している。また、ベース板の表側面に平行な断面における各ピンフィンの角部の曲率半径は0.1mm以下である。これにより、ピンフィン同士の隙間を通過する冷媒の攪拌を促進し、上記ヒートシンクの冷却性能を向上させることができる。
ベース板の裏側面とピンフィンの側面との両方に垂直な断面における、裏側面と側面とを接続する根元部の曲率半径は0.1mm以下である。これにより、冷媒の流路断面積、即ち、ピンフィン同士の隙間の断面積を広くし、冷媒を流通させた際の圧力損失の増大を抑制することができる。
ヒートシンク本体は、耐力及びヤング率がそれぞれ上記特定の範囲内にあるアルミニウム材から構成されているため、弾性域の範囲が比較的広い。そのため、上記ヒートシンクの温度が繰り返し変化した際にヒートシンク本体が塑性変形し、シワ状の凹凸が発生することを抑制することができる。その結果、ヒートシンク本体の表面粗さの増大を抑制することができる。
また、ヒートシンク本体を構成するアルミニウム材のヤング率を70GPa以下とすることにより、上記ヒートシンクの温度が変化した際に生じる応力を低減し、ひいてはセラミックス板に生じる反りを低減することができる。
このように、ヒートシンク本体を構成するアルミニウム材の耐力及びヤング率を上記特定の範囲とすることにより、ヒートシンク本体の表面粗さの増大を抑制しつつ、拡散接合後のヒートシンク本体の反りを低減することができる。さらに、拡散接合後の温度変化によって生じるヒートシンク本体の反りも低減することができる。
ベース板の表側面上には、低膨張板、中間板、裏面金属層、セラミックス板及び回路金属層が順次積層されている。即ち、上記ヒートシンクは、上述した積層構造における最も外側にアルミニウム材からなるベース板と銅材からなる回路金属層とが配置されており、その内側に銅材よりも線膨張係数が低い低膨張板とセラミックス板とが配置されている。そして、低膨張板とセラミックス板との間には、アルミニウム材からなる中間板と銅材からなる裏面金属層とが配置されている。
アルミニウム材や銅材からなる層と、これらの材料よりも低い線膨張係数を有する材料からなる層とが対称的に配置された積層構造においては、温度が変化した際にセラミックス板に生じる反りの向きが、低膨張板に生じる反りの向きとは反対方向となる。そして、両者の反りが相殺される結果、接合完了時のセラミックス板の反りを低減するとともに、その後の温度変化によって生じるセラミックス板の反りを低減することができる。
そして、上記ヒートシンクにおいては、アルミニウム材のヤング率を上記特定の範囲にすることによってヒートシンク本体自体の反りを低減した上で、上述した積層構造を採用して低膨張板の反りとセラミックス板の反りとを相殺することにより、温度変化によって生じるセラミックス板の反りをより効果的に低減することができる。
以上のように、上記ヒートシンクは、ピンフィンの形状を上記特定の形状とすることにより、冷却性能を向上させるとともに圧力損失を低減することができる。また、上記ヒートシンクは、温度変化によって生じる表面粗さの増大やセラミックス板の反りの増大を抑制することができ、温度変化に対する耐久性に優れている。
上記の態様の製造方法においては、アルミニウム板と、低膨張板と、中間板と、回路基板とを拡散接合によって一括して接合した後、アルミニウム板に切削加工を施して上記ヒートシンク本体を形成する。即ち、上記の態様の製造方法においては、拡散接合が完了した後に、切削加工によってベース板及びピンフィンを形成している。
このように、予めピンフィンを備えたヒートシンク本体を拡散接合に供するのではなく、拡散接合を行った後にピンフィンを形成することにより、所望の形状のピンフィンを確実に得ることができる。また、アルミニウム板に切削加工を施すことにより、上記特定の形状を備えたピンフィンを容易に形成することができる。それ故、上記の態様の製造方法によれば、優れた冷却性能を有するヒートシンクを容易に得ることができる。
上記ヒートシンクにおいて、ヒートシンク本体は、平板状を呈するベース板を有している。ベース板の表側面には、拡散層を介して低膨張板が接合されている。また、ベース板の裏側面には多数のピンフィンが設けられている。
ベース板の厚みは、1mm以下であることが好ましい。この場合には、ベース板の応力が低下するため、上記ヒートシンクの温度が変化した際に生じるセラミックス板の反りをより低減することができる。その結果、より長期間に亘ってセラミックス板の割れを抑制することができる。
また、ベース板の厚みは、回路金属層の厚みの0.5〜1.5倍であることが好ましい。このように、回路金属層の厚みとベース板の厚みとを同程度にすることにより、セラミックス板に生じる反りと、低膨張板に生じる反りとをより効果的に相殺することができる。その結果、セラミックス板の反りをより効果的に低減することができる。
セラミックス板の反りをより効果的に低減するためには、ベース板の厚みを回路金属層の厚みに近付けることが好ましい。かかる観点からは、ベース板の厚みを回路金属層の厚みの0.5〜1.3倍とすることがより好ましく、0.5〜1.2倍とすることがさらに好ましい。
ピンフィンは、四角柱状を呈しおり、平坦な側面と、ベース板の表側面に平行な断面における曲率半径が0.1mm以下である角部とを備えている。また、ピンフィンの根元部、即ち、ベース板の裏側面とピンフィンの側面とを接続する部分は、ベース板の裏側面とピンフィンの側面との両方に垂直な断面において、0.1mm以下の曲率半径を有している。ピンフィンを上記特定の形状とすることにより、上述したように、冷却性能を向上させるとともに、圧力損失を低減することができる。
ベース板の表側面に平行な断面におけるピンフィンの断面形状は、例えば、正方形状、長方形状、ひし形状、平行四辺形状等の四角形と認められる形状を採り得る。また、各ピンフィンの寸法や配置は、特に限定されることはない。
ピンフィン同士の間隔は、0.5〜2.0mmであることが好ましい。ピンフィン同士の間隔を0.5mm以上とすることにより、ピンフィンの切削加工をより効率的に行うことができる。また、ピンフィン同士の間隔を2.0mm以下とすることにより、ヒートシンクの冷却性能をより向上させることができる。
ベース板の裏側面とピンフィンの側面との両方に垂直な断面における、裏側面の垂線とベース板の側面とのなす角度は、1°以下であることが好ましい。この場合には、ピンフィンの根元同士の隙間と、ピンフィンの先端同士の隙間との差を十分に小さくし、ピンフィンの根元同士の隙間に冷媒をより流れやすくすることができる。その結果、ピンフィンから冷媒への熱伝達をより促進し、冷却性能をより向上させることができる。かかる形状は、アルミニウム板に切削加工を施すことによって容易に実現することができる。
また、ヒートシンク本体は、さらに、ベース板の外周端縁に設けられ、低膨張板、中間板及び回路基板の周囲に配置された外枠部を有していてもよい。外枠部は、上記ヒートシンクの製造過程において、外枠部の内側に配置した低膨張板、中間板及び回路基板の位置ずれを容易に抑制することができる。
外枠部の高さは、回路金属層の高さに対して0.9〜1.1倍であることが好ましい。外枠部の高さを上記特定の範囲とすることにより、上記ヒートシンクを作製する際に、低膨張板等の位置ずれをより抑制することができる。また、回路基板上に半導体素子等を搭載する作業における作業性をより向上させることができる。ここで、外枠部の高さ及び回路金属層の高さは、ベース板における、低膨張板が配置された板面の裏面を基準として計測した高さとする。
外枠部の高さが回路金属層の高さに対して0.9倍未満の場合には、上記ヒートシンクの製造過程において、回路基板等の位置がずれ易くなるおそれがある。外枠部の高さが回路金属層の高さに対して1.1倍を超える場合には、ヒートシンク本体の質量増大を招くおそれがある。また、この場合には、回路基板上に半導体素子等を搭載する作業において、外枠部の存在により作業性が低下するおそれがある。
ヒートシンク本体は、耐力50MPa以上、ヤング率70GPa以下のアルミニウム材から構成されている。例えば、ヒートシンク本体は、6000系アルミニウム合金から構成されていてもよい。6000系アルミニウム合金は高いクリープ強さを有している。そのため、この場合には、ヒートシンク本体のクリープ変形をより抑制することができる。その結果、温度変化に対する耐久性をより向上させることができる。
低膨張板は、拡散層を介してベース板に接合されている。低膨張板の厚みは、セラミックス板の厚みの1.0〜3.5倍であることが好ましい。このように、セラミックス板の厚みと低膨張板の厚みとを同程度にすることにより、セラミックス板に生じる反りと、上記低膨張板に生じる反りとをより効果的に相殺することができる。その結果、上記セラミックス板の反りを効果的に低減することができる。
セラミックス板の反りをより効果的に低減するためには、低膨張板の厚みをセラミックス板の厚みに近付けることが好ましい。かかる観点からは、低膨張板の厚みをセラミックス板の厚みの1.5〜3.5倍とすることがより好ましく、2.0〜3.3倍とすることがさらに好ましく、2.4〜3.2倍とすることが特に好ましい。
低膨張板及びセラミックス板の線膨張係数は、2〜10ppm/Kであることが好ましい。この場合には、回路基板のセラミックス板と同程度の線膨張係数となるため、セラミックス板に生じる反りと、低膨張板に生じる反りとを効果的に相殺することができる。その結果、セラミックス板の反りを効果的に低減し、セラミックス板の割れを長期間に亘って抑制することができる。セラミックス板の割れをより長期間に亘って抑制する観点からは、低膨張板及びセラミックス板の線膨張係数を2〜9ppm/Kとすることがより好ましく、3〜8ppm/Kとすることがさらに好ましい。
上記特定の範囲の線膨張係数を有する材料としては、例えば、タングステン(W)、タングステン合金、モリブデン(Mo)、モリブデン合金、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)36%合金等の金属;タングステンやモリブデン等の線膨張係数の低い金属層と銅層とが積層された積層材料;ダイヤモンド分散複合銅材料やセラミック分散銅材料等の複合材料を採用することができる。
低膨張板は、複数の金属層が積層された多層構造を有していることが好ましい。この場合には、ベース板または中間板に接合される板面にアルミニウム材と容易に拡散接合が可能な金属層を配置することができる。それ故、低膨張板による反りの低減効果を得つつ、ベース板及び中間板との拡散接合をより容易に行うことができる。
多層構造を有する低膨張板としては、例えば、タングステンやモリブデン等の線膨張係数の低い金属層の片面または両面に銅層が積層された積層材料を採用することができる。
また、低膨張板の線膨張係数は、セラミックス板の線膨張係数の0.85〜2.3倍であることがさらに好ましい。この場合には、接合時及び接合後にセラミックス板に生じる応力や反りをより効果的に相殺することができる。その結果、セラミックス板の割れをより長期間に亘って抑制することができる。
セラミックス板の反りをより効果的に低減するためには、低膨張板の線膨張係数をセラミックス板の線膨張係数に近付けることが好ましい。かかる観点からは、低膨張板の線膨張係数をセラミックス板の線膨張係数の1.0〜1.75倍とすることがより好ましく、1.1〜1.5倍とすることがさらに好ましく、1.2〜1.3倍とすることが特に好ましい。
低膨張板の形状は、種々の態様を採り得る。例えば、低膨張板は、正方形状あるいは長方形状を呈していてもよい。この場合、低膨張板の厚み方向から視た平面視において、低膨張板の外周端縁における角部が円弧状を呈するように、角部を丸めることもできる。この場合には、接合時及び接合後に生じるセラミックス板の角部への応力集中をより効果的に緩和することができる。その結果、セラミックス板の割れをより長期間に亘って抑制することができる。
また、低膨張板は、格子状の構造を有していてもよい。この場合には、低膨張板をより軽量化することができ、ひいては上記ヒートシンクをより軽量化することができる。
中間板は、拡散層を介して低膨張板に接合されている。中間板は、例えば、純度99.0〜99.85%のアルミニウムから構成されていてもよい。低膨張板の純度を99.0%以上とすることにより、中間板の熱伝導率をより高くすることができる。その結果、上記ヒートシンクの冷却性能をより向上させることができる。一方、低膨張板の純度が過度に高くなると、材料コストの増大を招く。低膨張板の純度を99.85%以下とすることにより、材料コストの増大を回避することができる。
また、中間板は、6000系アルミニウム合金から構成されていてもよい。6000系アルミニウム合金は、高いクリープ強さを有している。そのため、この場合には、セラミックス基板から受ける応力による中間板のクリープ変形をより効果的に抑制することができる。その結果、上記ヒートシンクの形状の変化をより効果的に抑制することができ、ひいては上記ヒートシンクの信頼性をより向上させることができる。
中間板上には回路基板が配置されている。回路基板は、回路金属層、セラミックス板及び裏面金属層が順次積層された3層構造を有している。裏面金属層は、拡散層を介して中間板に接合されている。回路金属層及び裏面金属層としては、公知の銅または銅合金から構成された板材を採用することができる。
回路金属層の厚みと裏面金属層の厚みとは、同一であってもよく、異なっていてもよい。回路金属層の厚み及び裏面金属層の厚みは、0.1〜1.0mmの範囲内であることが好ましい。これらの厚みを0.1mm以上とすることにより、回路基板に搭載された発熱体の熱を効率よく拡散することができる。その結果、ヒートシンクの冷却性能をより向上させることができる。一方、これらの厚みが過度に厚い場合には、寸法精度の低下を招くおそれがある。寸法精度の低下を回避する観点から、回路金属層の厚み及び裏面金属層の厚みは1.0mm以下であることが好ましい。
セラミックス板は、2〜10ppm/Kの線膨張係数を有するセラミックス材料から構成されている。セラミックス板の材質としては、具体的には、アルミナ等の酸化物系セラミックスや、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の窒化物系セラミックスを採用することができる。
中間板の外周端縁は裏面金属層の外周端縁よりも外方に延出しており、低膨張板の外周端縁は中間板の外周端縁よりも外方に延出しており、中間板の外周端縁及び低膨張板の外周端縁は、それぞれ、回路基板側に突出した突出部を有していてもよい。この場合には、上記ヒートシンクの製造過程において、低膨張板上に中間板及び回路基板を重ね合わせる際の位置決めをより容易に行うことができる。その結果、上記ヒートシンクをより容易に製造することができる。また、低膨張板と中間板との隙間及び中間板と裏面金属層との隙間を小さくすることができるため、冷却性能の更なる向上という効果も期待することができる。
上記突出部は、中間板及び低膨張板の製造工程中に突出部を形成するための工程を追加することにより、中間板及び低膨張板の外周端縁に積極的に形成されたものであってもよい。また、例えば中間板及び低膨張板の製造過程において生じるバリ等を上記突出部とすることもできる。
即ち、上記ヒートシンクを製造するに当たっては、まず、上述した各構成部品を常法により準備する。ここで、低膨張板及び中間板の準備においては、これらの元板に、所定の寸法となるようにプレス打ち抜き加工を行う、あるいは、シャー切断加工を行うことがある。これらの加工は、生産性が高く、加工コストも低いという利点がある一方、加工後に低膨張板や中間板の外周端縁にバリが発生する。このようなバリは、その後の工程において製造上あるいは品質上のトラブルの原因となるおそれがある。しかし、バリを除去するための加工を追加すると、生産性や加工コストの面での利点が損なわれるおそれがある。
そこで、中間板の外周端縁が裏面金属層の外周端縁よりも外方に延出し、かつ、低膨張板の外周端縁が中間板の外周端縁よりも外方に延出するように、低膨張板及び中間板を作製することにより、これらの問題を回避することができる。この場合には、低膨張板及び中間板のバリを上記突出部として構成し、低膨張板及び中間板のバリと、これらの部品上に積層される部品との接触を回避することができる。その結果、バリによる製造上あるいは品質上のトラブルを回避しつつ、プレス打ち抜き加工等による利点を得ることができる。さらに、この場合には、上述した突出部による作用効果を奏することもできる。
上記の作用効果を十分に得るためには、低膨張板の外周端縁の突出量、即ち、中間板の外周端縁から低膨張板の外周端縁までの距離は、0.1mm以上であればよい。同様に、中間板の外周端縁の突出量、即ち、裏面金属層の外周端縁から中間板の外周端縁までの距離は、0.1mm以上であればよい。
これらの突出量の上限は特に限定されるものではないが、ヒートシンクの小型化の観点からは、突出量を4.0mm以下とすることが好ましい。
上記製造方法においては、常法により、アルミニウム板と、低膨張板と、中間板と、回路基板とを準備する。アルミニウム板は、平板状であってもよいし、切削加工等によって、予め上述した外枠部が設けられていてもよい。
アルミニウム板は、7mm以上の厚みを有していることが好ましい。この場合には、アルミニウム板が十分に高い曲げ剛性を有しているため、拡散接合が完了した後にアルミニウム板や回路基板に生じる反りをより低減することができる。その結果、拡散接合後におけるセラミックス板の割れの発生をより効果的に抑制することができる。
上述した各部品を準備した後、アルミニウム板、低膨張板、中間板及び裏面金属層の表面に存在する自然酸化膜を除去する表面処理を行う。表面処理としては、例えば、これらの表面を酸により洗浄する方法を適用することができる。自然酸化膜を除去することにより、後の拡散接合の工程において、上記拡散層を容易に形成することができる。
上述の表面処理を行った後、各部品を順次重ね合わせて被処理物を組み立てる。その後、回路基板をアルミニウム板側に押圧しつつ被処理物を加熱して拡散接合を行う。上記被処理物を真空中において加熱すると、被接合部材同士が当接している部分において、各部材を構成する原子が相互に拡散する。
この相互拡散により、アルミニウム板と低膨張板との間に、被接合部材を構成する元素、即ち、アルミニウム板を構成する元素と低膨張板を構成する元素との両方を含む拡散層が形成される。また、低膨張板と中間板との間及び中間板と裏面金属層との間にも、上記と同様に、被接合部材を構成する元素を含む拡散層が形成される。以上の結果、拡散接合が完了した状態においては、拡散層を介して隣り合う被接合部材が接合される。
拡散接合における加熱条件は、被接合部材の材質等に応じて公知の条件から適宜選択することができる。例えば、銅材とアルミニウム材との拡散接合を行う場合には、加熱時の真空度を10-1Pa以下、加熱温度を400〜545℃、保持時間を0.5〜6時間とすることができる。
また、上記ヒートシンクの製造に当たっては、アルミニウム板と低膨張板との間、低膨張板と中間板との間または中間板と裏面金属層との間に、必要に応じてインサート金属を介在させ、インサート金属を介して各部品の拡散接合を行ってもよい。この場合には、拡散接合の際に、被接合部材とインサート金属との当接部において、両者を構成する原子が相互に拡散する。
そのため、拡散接合後にインサート金属が残存している場合には、被接合部材とインサート金属との間に、被接合部材を構成する元素とインサート金属を構成する元素との両方を含む拡散層が形成される。また、拡散接合後にインサート金属が消失している場合には、隣り合う被接合部材の間に、被接合部材を構成する元素とインサート金属を構成する元素との両方を含む拡散層が形成される。以上の結果、拡散接合が完了した状態において、拡散層を介して上記各部品が接合される。
インサート金属としては、例えば、金、銀、銅またはチタンなどを用いることができる。これらのインサート金属は、コールドスプレー、イオンプレーティング、真空蒸着またはスパッタリング等により上記各部材の表面に形成してもよく、インサート金属の箔を各部材の間に挟み込んでもよい。インサート金属の厚みは、例えば、0.1〜1.0μmとすることができる。
上述したように拡散接合を行った後、アルミニウム板に切削加工を施してヒートシンク本体を形成する。これにより、ベース板及びピンフィンを形成することができる。
アルミニウム板の切削加工に当たっては、拡散接合の後に、アルミニウム板における回路基板側の面にアルミニウム板の反りを抑制する治具を取り付け、治具が取り付けられた状態で切削加工を行うことが好ましい。
切削加工の進行に伴ってアルミニウム板の厚みが薄くなると、アルミニウム板の剛性が低下する。そのため、加工開始からしばらくの間は、加工の進行に伴ってアルミニウム板の反りが大きくなる。さらに加工を進めると、アルミニウム板の応力が低下するため、反りが減少する。
これに対し、上述したように、アルミニウム板に治具を取り付けた状態で切削加工を行うことにより、切削加工を開始してから完了するまでの間、アルミニウム板の反りの増大を抑制することができる。その結果、切削加工の途中段階におけるセラミックス板の割れをより効果的に抑制することができる。
(実施例1)
上記回路基板付きヒートシンクの実施例を、以下に説明する。本例のヒートシンク1は、図1及び図3に示すように、ヒートシンク本体2と、低膨張板3と、中間板4と、回路基板5とを有している。図2及び図3に示すように、ヒートシンク本体2は、ベース板21と、ベース板21の裏側面212に立設された多数のピンフィン22とを備え、50MPa以上の耐力及び70GPa以下のヤング率を有するアルミニウム材から構成されている。低膨張板3は、銅材よりも低い線膨張係数を有し、図3に示すようにベース板21の表側面211に接合されている。中間板4は、アルミニウム材から構成されており、低膨張板3上に接合されている。
上記回路基板付きヒートシンクの実施例を、以下に説明する。本例のヒートシンク1は、図1及び図3に示すように、ヒートシンク本体2と、低膨張板3と、中間板4と、回路基板5とを有している。図2及び図3に示すように、ヒートシンク本体2は、ベース板21と、ベース板21の裏側面212に立設された多数のピンフィン22とを備え、50MPa以上の耐力及び70GPa以下のヤング率を有するアルミニウム材から構成されている。低膨張板3は、銅材よりも低い線膨張係数を有し、図3に示すようにベース板21の表側面211に接合されている。中間板4は、アルミニウム材から構成されており、低膨張板3上に接合されている。
回路基板5は、中間板4上に配置されている。また、回路基板5は、銅材からなり、中間板4上に接合された裏面金属層51と、裏面金属層51上に積層されたセラミックス板52と、銅材からなり、セラミックス板52上に積層された回路金属層53とを有している。
図4に示すように、ピンフィン22は、四角柱状を呈しており、平坦な側面221と、ベース板21の表側面211に平行な断面における曲率半径が0.1mm以下である角部222とを備えている。また、ピンフィン22の側面221とベース板21の裏側面212とは、ピンフィンの根元部223を介して接続されている。図5に示すように、ベース板21の裏側面212とピンフィン22の側面221との両方に垂直な断面における根元部223の曲率半径Rは0.1mm以下である。
図3に示すように、ベース板21と低膨張板3との接合部、低膨張板3と中間板4との接合部及び中間板4と裏面金属層51との接合部は、被接合部材を構成する元素を含む拡散層30、40、50を有している。
図1〜図3に示すように、本例のヒートシンク本体2は、ベース板21と、ピンフィン22とを有している。図1に示すように、ヒートシンク本体2は、ベース板21の表側面211側から視た平面視において長方形状を呈している。本例のヒートシンク本体2における縦方向(長辺方向)の寸法は110mmであり、横方向(短辺方向)の寸法は90mmである。また、ベース板21の厚みは0.4mmである。本例のヒートシンク本体2は、JIS A6063合金から構成されている。JIS A6063合金の典型的な耐力は50MPaであり、ヤング率は70GPaである。
図3に示すように、ベース板21における表側面211上には、拡散層30を介して低膨張板3が接合されている。また、ベース板21の裏側面212には、四角柱状を呈する多数のピンフィン22が立設されている。ピンフィン22は、ベース板21の裏側面212側から視た平面視(図2参照)において、低膨張板3の背面に配置されている。
図2及び図4に示すように、各ピンフィン22は、側面221同士が互いに間隔を開けて対面するように配置されている。本例のピンフィン22は、ベース板21の表側面211に平行な断面において、一辺3.3mmのひし形状を呈している。当該断面における、各ピンフィン22の4か所の角部222(図4参照)の曲率半径は、いずれも0.1mm以下である。
また、図5に示すように、ベース板21の裏側面212とピンフィン22の側面221との両方に垂直な断面において、ベース板21の裏側面212の垂線Lとピンフィン22の側面221とのなす角度θは1°以下である。
図3に示すように、ベース板21上には、拡散層30を介して低膨張板3が接合されている。本例の低膨張板3は、厚み0.8mmのモリブデン板の両面に厚み0.2mmの銅板が接合された3層構造を有している。なお、図3においては、便宜上、低膨張板3を簡略化して記載した。本例の低膨張板3の典型的な線膨張係数は5ppm/Kであり、銅材の典型的な線膨張係数(16〜17ppm/K)よりも低い線膨張係数を有する。また、拡散層30には、ベース板21から拡散したアルミニウムと、低膨張板3の銅板から拡散した銅とが含まれている。
低膨張板3上には、拡散層40を介して中間板4が積層されている。本例の中間板4は、JIS A1050合金からなる厚み0.5mmのアルミニウム板である。拡散層40には、低膨張板3の銅板から拡散した銅と、中間板4から拡散したアルミニウムとが含まれている。
中間板4上には、拡散層50を介して、回路基板5の裏面金属層51が積層されている。本例の回路基板5は、銅材からなる厚み0.7mmの裏面金属層51、窒化ケイ素からなる厚み0.32mmのセラミックス板52及び銅材からなる厚み0.7mmの回路金属層53が順次積層された3層構造を有している。また、拡散層50には、中間板4から拡散したアルミニウムと、裏面金属層51から拡散した銅とが含まれている。
本例のヒートシンク1は、例えば、以下の方法により製造することができる。まず、アルミニウム板200と、低膨張板3と、中間板4と、回路基板5とを準備する。本例のアルミニウム板200は、縦110mm、横90mmの長方形状を呈しており、7mm以上の厚みを有している。また、図には示さないが、アルミニウム板200の角部には、予めネジ穴が設けられている。このネジ穴は、後述する治具6の取り付けのために用いられる。
アルミニウム板200、低膨張板3、中間板4及び裏面金属層51の表面に存在する自然酸化膜を除去する表面処理を行った後、アルミニウム板200上に、低膨張板3、中間板4、回路基板5をこの順に載置して被処理物100を組み立てる。そして、回路基板5をアルミニウム板200側に押圧しつつ被処理物100を加熱して、拡散接合により一括して拡散層30、40、50を形成する。
次に、図6に示すように、アルミニウム板200における回路基板5を有する側の面に、アルミニウム板200の反りを抑制する治具6を取り付ける。本例の治具6は、平面視において長方形状を呈する支持板61と、支持板61の角部に立設された締結部62とを有している。締結部62は筒状を呈しており、筒内にボルト63の軸部を挿通することができるように構成されている。
治具6を被処理物100に取り付けるに当たっては、各締結部62をアルミニウム板200の角部に当接させ、締結部62内にボルト63を挿入する。そして、ボルト63の先端を予めアルミニウム板200に設けられたネジ穴(図示略)内に固定する。これにより、治具6を被処理物100に取り付けることができる。
その後、アルミニウム板200に切削加工を施してヒートシンク本体2を形成し、治具6を取り外す。そして、ネジ穴の内周面に切削加工を施し、貫通穴213(図1参照)を形成する。以上により、ヒートシンク1を得ることができる。
次に、本例のヒートシンク1の作用効果を説明する。ヒートシンク1は、上記特定の形状を備えたピンフィン22を有している。これにより、冷却性能を向上させるとともに、圧力損失を低減することができる。
また、ヒートシンク本体2を構成するアルミニウム材の耐力及びヤング率は上記特定の範囲である。そのため、温度変化の繰り返しによって生じるヒートシンク本体2の表面粗さの増大を抑制しつつ、拡散接合後のヒートシンク本体2の反りを低減することができる。さらに、拡散接合後の温度変化によって生じるヒートシンク本体2の反りも低減することができる。
また、ベース板21上には、低膨張板3、中間板4、回路基板5が上記特定の順序で積層されている。これにより、温度変化によって生じる低膨張板3の反りとセラミックス板52の反りとを相殺することができる。
そして、アルミニウム材のヤング率を上記特定の範囲にすることによってヒートシンク本体2自体の反りを低減した上で、上述した積層構造を採用して低膨張板3の反りとセラミックス板52の反りとを相殺することにより、温度変化によって生じるセラミックス板52の反りをより効果的に低減することができる。
以上のように、ヒートシンク1は、冷却性能及び温度変化に対する耐久性に優れるとともに、圧力損失を低減することができる。
また、本例の製造方法においては、アルミニウム板200と、低膨張板3と、中間板4と、回路基板5とを拡散接合によって一括して接合した後、アルミニウム板200に切削加工を施すことにより、ヒートシンク本体2が形成されている。それ故、所望の形状のピンフィン22を確実に得ることができる。また、アルミニウム板200に切削加工を施すことにより、特定の形状を備えたピンフィン22を容易に形成することができる。それ故、本例の製造方法によれば、優れた冷却性能を有するヒートシンク1を容易に得ることができる。
また、アルミニウム板200は、7mm以上の厚みを有している。そのため、アルミニウム板200が備える高い曲げ剛性により、拡散接合が完了した後にアルミニウム板200や回路基板5に生じる反りをより低減することができる。その結果、拡散接合後におけるセラミックス板52の割れの発生をより効果的に抑制することができる。
また、拡散接合の後に、アルミニウム板200における回路基板5側の面にアルミニウム板200の反りを抑制する治具6を取り付け、治具6が取り付けられた状態で切削加工が実施されている。これにより、切削加工を開始してから完了するまでの間、アルミニウム板200の反りの増大を抑制することができる。その結果、切削加工の途中段階におけるセラミックス板52の割れをより効果的に抑制することができる。
(実施例2)
本例は、外枠部23を有するヒートシンク102の例である。なお、本実施例以降において用いる符号のうち、既出の実施例において用いた符号と同一のものは、特に説明のない限り、既出の実施例における構成要素等と同様の構成要素等を表す。
本例は、外枠部23を有するヒートシンク102の例である。なお、本実施例以降において用いる符号のうち、既出の実施例において用いた符号と同一のものは、特に説明のない限り、既出の実施例における構成要素等と同様の構成要素等を表す。
図7に示すように、本例のヒートシンク本体202は、ベース板21の外周縁部に外枠部23を有している。低膨張板3、中間板4及び回路基板5は、外枠部23の内側に配置されている。
本例のヒートシンク102を作製するに当たっては、予め切削加工等により外枠部23が設けられたアルミニウム板(図示略)を用い、外枠部23の内側に低膨張板3、中間板4及び回路基板5を順次積層すればよい。この状態で拡散接合を行うことにより、各構成部品を一括して接合することができる。また、拡散接合を行った後に治具6(図1参照)を取り付ける場合には、外枠部23にネジ穴を設け、当該ネジ穴にボルト63を固定すればよい。その他は実施例1と同様である。
本例のヒートシンク本体202のように、ベース板21の外周縁部に外枠部23を設けることにより、ヒートシンク102の製造過程において、外枠部23の内側に配置した低膨張板3、中間板4及び回路基板5の位置ずれを容易に抑制することができる。その他、本例のヒートシンク102は、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
(実験例1)
本例では、表1に示すようにヒートシンク本体の構成を種々変更してヒートシンク(試験体1〜8)を作製し、得られたヒートシンクの性能の評価を行った。試験体1〜8は、ヒートシンク本体2を構成するアルミニウム材の耐力及びヤング率、ピンフィン22の角部222の曲率半径、ピンフィン22の根元部223の曲率半径R、ベース板21の裏側面212とピンフィン22の側面221との角度θ、ベース板21の厚みを表1に示すように変更した以外は、実施例1のヒートシンク1と同一の構成を有している。
本例では、表1に示すようにヒートシンク本体の構成を種々変更してヒートシンク(試験体1〜8)を作製し、得られたヒートシンクの性能の評価を行った。試験体1〜8は、ヒートシンク本体2を構成するアルミニウム材の耐力及びヤング率、ピンフィン22の角部222の曲率半径、ピンフィン22の根元部223の曲率半径R、ベース板21の裏側面212とピンフィン22の側面221との角度θ、ベース板21の厚みを表1に示すように変更した以外は、実施例1のヒートシンク1と同一の構成を有している。
また、試験体1〜8を作製するに当たっては、表1に示す厚みを有するアルミニウム板200を使用した以外は、実施例1と同一の手順を採用した。
以上により得られた試験体1〜8について、以下の項目の評価を行った。
・温度サイクル試験
試験体を温度サイクル試験機内に配置し、150℃に30分間保持する加熱ステップと、−50℃に30分間保持する冷却ステップとからなるサイクルを1000サイクル繰り返して温度サイクル試験を行った。粗さ測定器を用い、温度サイクル試験後の試験体におけるベース板21の裏側面212の算術平均粗さRaを測定した。
試験体を温度サイクル試験機内に配置し、150℃に30分間保持する加熱ステップと、−50℃に30分間保持する冷却ステップとからなるサイクルを1000サイクル繰り返して温度サイクル試験を行った。粗さ測定器を用い、温度サイクル試験後の試験体におけるベース板21の裏側面212の算術平均粗さRaを測定した。
温度サイクル試験後の算術平均粗さRaが5.0μm未満の場合には、表2の「温度サイクル試験」の欄に記号Aを、算術平均粗さRaが5.0μm以上の場合には、同欄に記号Cを記載した。温度サイクル試験においては、算術平均粗さRaが5.0μm未満である記号Aの場合を、凹凸の発生を十分に抑制できたため合格と判定した。また、算術平均粗さRaが5.0μm以上である記号Cの場合を、凹凸の発生の抑制が不十分であったため不合格と判定した。
・はんだ付試験
まず、各試験体における回路基板5の中央部と外周端部との高さの差を測定し、これを回路基板5の反り量とした。本例では、いずれの試験体についても、ベース板21と回路基板5との積層方向における回路基板5側が凸となるように回路基板5が湾曲していた。
まず、各試験体における回路基板5の中央部と外周端部との高さの差を測定し、これを回路基板5の反り量とした。本例では、いずれの試験体についても、ベース板21と回路基板5との積層方向における回路基板5側が凸となるように回路基板5が湾曲していた。
次に、回路基板5へのはんだ付作業を想定し、試験体を270℃に加熱した。270℃に加熱された状態においては、回路基板5の反りの向きが加熱前とは逆向きとなり、ベース板21と回路基板5との積層方向におけるベース板21側が凸となるように湾曲していた。270℃における回路基板5の反り量を測定し、加熱前の回路基板5の反り量からの変化を算出した。
はんだ付前後での反り量の変化が0.4mm以下である場合には、表2の「はんだ付試験」欄に記号Aを、反り量の変化が0.4mmを超えた場合には、同欄に記号Cを記載した。はんだ付試験においては、反り量の変化が0.4mm以下である記号Aの場合を、セラミックス板52に与える負荷が小さいため合格と判定した。また、反り量の変化が0.4mmを超えた記号Cの場合を、セラミックス板52に与える負荷が大きいため不合格と判定した。
・冷却性能
冷却性能の評価においては、試験体1〜8との比較のため、ピンフィン22の角部222の曲率半径が限りなく0に近い以外は、試験体3と同一の構成を有する試験体Rを作製した。なお、試験体Rにおいては、ピンフィン22の作製にワイヤカット加工を採用した。ワイヤカット加工は、切削加工に比べて加工速度が遅く、量産には適さない加工法である。
冷却性能の評価においては、試験体1〜8との比較のため、ピンフィン22の角部222の曲率半径が限りなく0に近い以外は、試験体3と同一の構成を有する試験体Rを作製した。なお、試験体Rにおいては、ピンフィン22の作製にワイヤカット加工を採用した。ワイヤカット加工は、切削加工に比べて加工速度が遅く、量産には適さない加工法である。
各試験体のピンフィン22側に水冷ジャケットを取り付け、この水冷ジャケット内に一定の流量で冷媒を流した。そして、回路金属層53上に発熱体を載置し、一定の出力で熱を発生させた。なお、冷媒としてLLC(Long-Life Coolant)50%を使用し、流量は12L/minとした。また、発熱体の発熱量は800Wとした。
この状態を保持し、定常状態に到達したときの発熱体の温度を計測した。そして、試験体Rにおける発熱体の温度をTr(K)、試験体1〜8における発熱体の温度をTs(K)とし、下記の式により、冷却性能の低下率R(%)を算出した。
R=(Ts−Tr)/Tr×100
R=(Ts−Tr)/Tr×100
冷却性能の低下率Rが1%以下の場合には表2の「冷却性能」欄に記号Aを、1%よりも大きい場合には記号Cを記載した。冷却性能の評価においては、冷却性能の低下率Rが1%以下である記号Aの場合を、冷却性能の低下を十分に抑制できたため合格と判定した。また、1%より大きい記号Cの場合を、冷却性能が低下したため不合格と判定した。
・圧力損失
上述した冷却性能の評価の際に、水冷ジャケットの入口における冷媒の圧力と出口における冷媒の圧力とを測定し、その差を圧力損失とした。圧力損失が9kPa未満の場合には表2の「圧力損失」欄に記号Aを、9kPa以上11kPa以下の場合には同欄に記号Bを、11kPaを超えた場合には同欄に記号Cを記載した。圧力損失の評価においては、圧力損失が11kPa以下である記号A、Bの場合を、圧力損失が十分に低いため合格と判定した。また、圧力損失が11kPaを超えた記号Cの場合を、圧力損失が高いため不合格と判定した。
上述した冷却性能の評価の際に、水冷ジャケットの入口における冷媒の圧力と出口における冷媒の圧力とを測定し、その差を圧力損失とした。圧力損失が9kPa未満の場合には表2の「圧力損失」欄に記号Aを、9kPa以上11kPa以下の場合には同欄に記号Bを、11kPaを超えた場合には同欄に記号Cを記載した。圧力損失の評価においては、圧力損失が11kPa以下である記号A、Bの場合を、圧力損失が十分に低いため合格と判定した。また、圧力損失が11kPaを超えた記号Cの場合を、圧力損失が高いため不合格と判定した。
・回路基板5の反り
各試験体について、完成した時点での回路基板5の反り量を測定した。回路基板5の反り量が0.2mm以下である場合には、表2の「回路基板5の反り」欄に記号Aを、反り量が0.2mmを超えた場合には、同欄に記号Bを記載した。
各試験体について、完成した時点での回路基板5の反り量を測定した。回路基板5の反り量が0.2mm以下である場合には、表2の「回路基板5の反り」欄に記号Aを、反り量が0.2mmを超えた場合には、同欄に記号Bを記載した。
表1に示したように、試験体1〜3は、アルミニウム材の耐力、ヤング率が上記特定の範囲内であり、上記特定の形状を呈するピンフィン22を備えたヒートシンク本体2を有している。それ故、これらの試験体は、表2に示したように、優れた冷却性能を有するとともに、圧力損失を低減することができる。さらに、これらの試験体は、温度サイクル試験後におけるヒートシンク本体22の表面粗さの悪化を抑制できるとともに、はんだ付試験における反り量の変化を低減することもできる。これらの結果から、試験体1〜3は、温度変化に対する耐久性に優れていることが理解できる。
一方、試験体4は、アルミニウム材の耐力が上記特定の範囲よりも低かったため、温度サイクル試験後にヒートシンク本体2にシワ状の凹凸が発生し、表面粗さが粗くなった。
試験体5は、アルミニウム材のヤング率が上記特定の範囲よりも高かったため、はんだ付試験による反りの変化量が大きくなった。
試験体6は、アルミニウム材の耐力及びヤング率の両方が上記特定の範囲から外れていたため、温度サイクル試験後にヒートシンク本体2の表面粗さが粗くなるとともにはんだ付試験による反りの変化量が大きくなった。
試験体5は、アルミニウム材のヤング率が上記特定の範囲よりも高かったため、はんだ付試験による反りの変化量が大きくなった。
試験体6は、アルミニウム材の耐力及びヤング率の両方が上記特定の範囲から外れていたため、温度サイクル試験後にヒートシンク本体2の表面粗さが粗くなるとともにはんだ付試験による反りの変化量が大きくなった。
試験体7は、ピンフィン22の根元部223の曲率半径が上記特定の範囲よりも大きかったため、圧力損失が大きくなった。
試験体8は、ピンフィン22の角部222の曲率半径が上記特定の範囲よりも大きかったため、冷却性能が悪化した。
試験体8は、ピンフィン22の角部222の曲率半径が上記特定の範囲よりも大きかったため、冷却性能が悪化した。
(実験例2)
本例は、切削加工の条件を種々変更してヒートシンクを作製した例である。本例においては、アルミニウム板200の板厚及び治具6の使用の有無を表3に示すように変更した以外は、実験例1における試験体3と同様の条件で試験体(試験体9〜11)を作製した。
本例は、切削加工の条件を種々変更してヒートシンクを作製した例である。本例においては、アルミニウム板200の板厚及び治具6の使用の有無を表3に示すように変更した以外は、実験例1における試験体3と同様の条件で試験体(試験体9〜11)を作製した。
本例においては、切削加工前の反り量及び切削加工中の反りの変化量を、以下の方法により測定した。まず、拡散加工が完了した後、切削加工を行う前に、予め各試験体における回路基板5の反り量を測定した。切削加工前の反り量が0.4mm以下の場合には、表3の「切削加工前の反り量」欄に記号Aを、0.4mmを超えた場合には、同欄に記号Bを記載した。
その後、切削加工と反り量の測定とを交互に繰り返し、各加工段階での回路基板5の反り量を測定した。本例で準備した試験体は、切削加工の進行に伴って反り量が次第に増大し、所望の深さの50〜80%程度の深さまで切削した段階で反り量が最大となった。そして、反り量が最大となった後は、切削加工の進行に伴って反り量が減少した。
切削加工中の反り量の最大値と切削加工前の反り量との差が0.3mm以下の場合には、表3の「切削加工中の反りの変化」欄に記号Aを、0.3mmを超えた場合には、同欄に記号Bを記載した。
表3に示したように、アルミニウム板200の板厚が7mm以上であり、切削加工時に治具6を使用した試験体10は、切削加工前の反り量及び切削加工中の反りの変化のいずれについても良好であった。
アルミニウム板200の板厚が7mm未満である試験体9は、板厚が7mmである試験体10、11に比べてアルミニウム板200の曲げ剛性が比べて低かった。そのため、試験体9は、試験体10、11に比べて切削加工前の反り量が大きくなった。
切削加工時に治具6を用いなかった試験体11は、治具を用いた試験体9、10に比べて切削加工中の反りの変化が大きくなった。
アルミニウム板200の板厚が7mm未満である試験体9は、板厚が7mmである試験体10、11に比べてアルミニウム板200の曲げ剛性が比べて低かった。そのため、試験体9は、試験体10、11に比べて切削加工前の反り量が大きくなった。
切削加工時に治具6を用いなかった試験体11は、治具を用いた試験体9、10に比べて切削加工中の反りの変化が大きくなった。
本発明に係る回路基板付きヒートシンク及びその製造方法は、上述した実施例及び比較例の態様に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜構成を変更することができる。
1、102 回路基板付きヒートシンク
2、202 ヒートシンク本体
21 ベース板
211 表側面
212 裏側面
22 ピンフィン
221 側面
222 角部
223 根元部
3 低膨張板
30 拡散層
4 中間板
40 拡散層
5 回路基板
50 拡散層
51 裏面金属層
52 セラミックス板
53 回路金属層
2、202 ヒートシンク本体
21 ベース板
211 表側面
212 裏側面
22 ピンフィン
221 側面
222 角部
223 根元部
3 低膨張板
30 拡散層
4 中間板
40 拡散層
5 回路基板
50 拡散層
51 裏面金属層
52 セラミックス板
53 回路金属層
Claims (8)
- 平板状を呈するベース板と、上記ベース板の裏側面に立設された多数のピンフィンとを備え、50MPa以上の耐力及び70GPa以下のヤング率を有するアルミニウム材よりなるヒートシンク本体と、
銅材よりも低い線膨張係数を有し、上記ベース板の表側面に接合された低膨張板と、
上記低膨張板上に接合されたアルミニウム材よりなる中間板と、
上記中間板上に配置された回路基板とを有しており、
上記回路基板は、
上記中間板上に接合された銅材からなる裏面金属層と、
上記裏面金属層上に積層されたセラミックス板と、
上記セラミックス板上に積層された銅材からなる回路金属層とを有しており、
上記ピンフィンは、
四角柱状を呈し、平坦な側面と、上記表側面に平行な断面における曲率半径が0.1mm以下である角部とを備え、
上記裏側面と上記ピンフィンの側面との両方に垂直な断面における、上記裏側面と上記側面との間を接続する根元部の曲率半径が0.1mm以下であり、
上記ベース板と上記低膨張板との接合部、上記低膨張板と上記中間板との接合部及び上記中間板と上記裏面金属層との接合部は、被接合部材を構成する元素を含む拡散層を有している、回路基板付きヒートシンク。 - 上記ピンフィンは、上記裏側面と上記ピンフィンの側面との両方に垂直な断面において、上記裏側面の垂線と上記側面とのなす角度が1°以下である、請求項1に記載の回路基板付きヒートシンク。
- 上記ベース板の厚みは1mm以下である、請求項1または2に記載の回路基板付きヒートシンク。
- 上記低膨張板は、複数の金属層が積層された多層構造を有している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の回路基板付きヒートシンク。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の回路基板付きヒートシンクの製造方法であって、
アルミニウム板と、上記低膨張板と、上記中間板と、上記回路基板とを準備し、
上記アルミニウム板、上記低膨張板、上記中間板及び上記裏面金属層の表面に存在する自然酸化膜を除去する表面処理を行い、
上記アルミニウム板と、上記アルミニウム板上に載置された上記低膨張板と、上記低膨張板上に載置された上記中間板と、上記中間板と上記裏面金属層とが当接するように載置された上記回路基板とを有する被処理物を組み立て、
上記回路基板を上記アルミニウム板側に押圧しつつ上記被処理物を加熱して、拡散接合により一括して上記拡散層を形成し、
上記アルミニウム板に切削加工を施して上記ヒートシンク本体を形成する、回路基板付きヒートシンクの製造方法。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の回路基板付きヒートシンクの製造方法であって、
アルミニウム板と、上記低膨張板と、上記中間板と、上記回路基板とを準備し、
上記アルミニウム板、上記低膨張板、上記中間板及び上記裏面金属層の表面に存在する自然酸化膜を除去する表面処理を行い、
上記アルミニウム板と、上記アルミニウム板上に配置された上記低膨張板と、該低膨張板上に配置された上記中間板と、該中間板上に配置された上記回路基板とを有するとともに、上記アルミニウム板と上記低膨張板との間、上記低膨張板と上記中間板との間及び上記中間板と上記裏面金属層との間のうち少なくとも1か所にインサート金属を介在させた被処理物を組み立て、
上記回路基板を上記アルミニウム板側に押圧しつつ上記被処理物を加熱して、拡散接合により一括して上記拡散層を形成し、
上記アルミニウム板に切削加工を施して上記ヒートシンク本体を形成する、回路基板付きヒートシンクの製造方法。 - 上記拡散接合の後に、上記アルミニウム板における上記回路基板側の面に上記アルミニウム板の反りを抑制する治具を取り付け、上記治具が取り付けられた状態で上記切削加工を行う、請求項5または6に記載の回路基板付きヒートシンクの製造方法。
- 上記アルミニウム板の厚みは7mm以上である、請求項5〜7のいずれか1項に記載の回路基板付きヒートシンクの製造方法。
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