JP2018132740A - 粒子及び液晶表示素子 - Google Patents

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恭幸 山田
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稔 中嶋
沙織 上田
Saori Ueda
沙織 上田
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Abstract

【課題】光抜け、凝集及び変色の発生を効果的に防止することができる粒子を提供する。【解決手段】本発明に係る粒子は、基材粒子と、前記基材粒子の表面上に配置された被覆部とを備え、前記基材粒子が、着色剤を含み、前記被覆部の材料が、炭素数24〜30のアルキル基を有する化合物、イソボルニル基又はノルボルニル基を有する化合物、又は、下記式(1)で表される基を有する化合物である。【化1】前記式(1)中、R1及びR2はそれぞれ水素原子又はメチル基を表し、mは1〜1000の整数を表す。mが2以上である場合に、複数のR2は同一であってもよく、異なっていてもよい。【選択図】図1

Description

本発明は、着色剤を含む粒子に関する。また、本発明は、上記粒子を用いた液晶表示素子に関する。
液晶表示素子は、2枚のガラス基板間に液晶が配置されて構成されている。該液晶表示素子では、2枚のガラス基板の間隔を制御し、適切な液晶層の厚み(セルギャップ)を維持するために、ギャップ制御材としてスペーサが用いられている。該スペーサとしては、樹脂粒子が一般的に用いられている。
液晶表示素子においてスペーサ部分から光が透過する光抜けを防止し、画像のコントラストの低下を防止するために、上記スペーサは、濃色に着色されることがある。
上記スペーサに用いられる粒子の一例として、下記の特許文献1には、重合体中にカーボンブラックが均一に分散されている液晶表示素子用スペーサが開示されている。上記カーボンブラックの表面は、熱可塑性樹脂により被覆されている。
WO1997/030374
液晶表示素子において、従来のスペーサを用いると、液晶とスペーサとの界面で液晶分子がスペーサの表面に沿って配向する結果、スペーサの周辺で、配向膜によって規制された液晶分子の配向が変則的になることがある。このようなスペーサの周辺での液晶分子の異常な配向が起こると、スペーサの周囲にバックライトからの光が透過する現象(「光抜け」と呼ばれる)が生じる。このため、液晶表示素子のコントラストが低下したり、ホワイトスポットと呼ばれる表示品質の低下が生じたりすることがある。このような異常配向による光抜け現象は、基板間に電圧を印加する際等に生じる。電圧の印加後に、液晶表示素子の電源を落としても、一旦生じた光抜け現象は解消しない。
また、液晶表示素子は通常、スペーサを基板上に均一に散布し、該基板を用いて作製される。液晶表示素子の作製に、従来のスペーサを用いると、基板上に湿式散布法等によってスペーサを散布する際に、スペーサの凝集が生じることがある。このため、凝集したスペーサが基板上に配置されることがあり、液晶表示素子の表示品質が大きく低下することがある。
また、黒色染料等で着色されたスペーサを用いた場合には、遮光性が十分でなく光漏れが生じたり、染料の液晶中への漏出が発生したりすることがある。また、カーボンブラック等で着色されたスペーサの変色が発生することがある。変色したスペーサが液晶表示素子中に存在すると、液晶表示素子のコントラストが低下したり、液晶表示素子に色むらが発生したりすることがある。結果として、液晶表示素子の表示品質が大きく低下することがある。
本発明の目的は、光抜け、凝集及び変色の発生を効果的に防止することができる粒子を提供することである。また、本発明の目的は、上記粒子を用いた液晶表示素子を提供することである。
本発明の広い局面によれば、基材粒子と、前記基材粒子の表面上に配置された被覆部被覆部とを備え、前記基材粒子が、着色剤を含み、前記被覆部の材料が、炭素数24〜30のアルキル基を有する化合物、イソボルニル基又はノルボルニル基を有する化合物、又は、下記式(1)で表される基を有する化合物である、粒子が提供される。
Figure 2018132740
前記式(1)中、R1及びR2はそれぞれ水素原子又はメチル基を表し、mは1〜1000の整数を表す。mが2以上である場合に、複数のR2は同一であってもよく、異なっていてもよい。
本発明に係る粒子のある特定の局面では、前記着色剤が、顔料又は染料である。
本発明に係る粒子のある特定の局面では、前記基材粒子の表面積全体100%中、前記基材粒子の表面の前記被覆部により覆われている表面積が、90%以上である。
本発明に係る粒子のある特定の局面では、前記被覆部の厚みが、0.01μm以上、0.2μm以下である。
本発明に係る粒子のある特定の局面では、前記粒子の粒子径が、1μm以上、100μm以下である。
本発明に係る粒子のある特定の局面では、前記被覆部の厚みの前記粒子の粒子径に対する比が、0.0001以上、0.2以下である。
本発明に係る粒子のある特定の局面では、前記粒子の粒子径のCV値が、10%以下である。
本発明に係る粒子のある特定の局面では、前記粒子の10%K値が、4000N/mm以上、10000N/mm以下である。
本発明に係る粒子のある特定の局面では、前記粒子は、液晶表示素子用スペーサとして用いられる。
本発明の広い局面によれば、第1の液晶表示素子用部材と、第2の液晶表示素子用部材と、前記第1の液晶表示素子用部材と前記第2の液晶表示素子用部材との間に配置されたスペーサとを備え、前記スペーサが、上述した粒子である、液晶表示素子が提供される。
本発明に係る粒子は、基材粒子と、上記基材粒子の表面上に配置された被覆部とを備え、上記基材粒子が、着色剤を含み、上記被覆部の材料が、炭素数24〜30のアルキル基を有する化合物、イソボルニル基又はノルボルニル基を有する化合物、又は、式(1)で表される基を有する化合物であるので、光抜け、凝集及び変色の発生を効果的に防止することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る粒子を示す断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る粒子を液晶表示素子用スペーサとして用いた液晶表示素子を模式的に示す断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
(粒子)
本発明に係る粒子は、基材粒子と、被覆部とを備える。上記被覆部は、上記基材粒子の表面上に配置されている。上記基材粒子は、着色剤を含む。上記被覆部の材料は、炭素数24〜30のアルキル基を有する化合物(以下、化合物Aと記載することがある)、イソボルニル基又はノルボルニル基を有する化合物(以下、化合物Bと記載することがある)、又は、下記式(1)で表される基を有する化合物(以下、化合物Cと記載することがある)である。本発明に係る粒子では、上記被覆部の材料が、上記化合物A〜Cの内の少なくとも1種であればよく、上記化合物A〜Cの内の2種以上を用いてもよく、3種を用いてもよい。本発明に係る粒子では、上記被覆部の材料は、上記化合物Aであってもよく、上記化合物Bであってもよく、上記化合物Cであってもよい。
Figure 2018132740
上記式(1)中、R1及びR2はそれぞれ水素原子又はメチル基を表し、mは1〜1000の整数を表す。mが2以上である場合に、複数のR2は同一であってもよく、異なっていてもよい。なお、上記式(1)において、右端部は、他の構造部位との結合部位を表す。
本発明では、上記の構成が備えられているので、光抜け、凝集及び変色の発生を効果的に防止することができる。さらに、本発明では、上記の構成が備えられているので、粒子をスペーサとして液晶表示素子に用いた場合に、液晶表示素子の表示品質を効果的に高めることができる。例えば、本発明では、液晶表示素子において、スペーサの周辺で、配向膜によって規制された液晶分子の配向が変則的になり難く、光抜けを防ぐことができる。また、本発明では、粒子の凝集を抑制できるので、液晶表示素子において、凝集したスペーサが基板上に配置され難く、液晶表示素子の表示品質を高めることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る粒子を示す断面図である。
図1に示す粒子1は、基材粒子2と、基材粒子2の表面2a上に配置された被覆部3とを備える。被覆部3は、基材粒子2の表面2aに接しており、基材粒子2の表面2aを被覆している。粒子1は、基材粒子2の表面2aが被覆部3によって被覆された被覆粒子である。上記被覆部は、上記基材粒子の表面を完全に被覆していてもよく、上記基材粒子の表面を完全に被覆していなくてもよい。上記基材粒子は、上記被覆部によって被覆されていない部分を有していてもよい。
基材粒子2は、着色剤を含む。被覆部3の材料は、化合物A、化合物B、又は、化合物Cである。被覆部3は、化合物A、化合物B、又は、化合物Cにより形成されている。
光抜け、凝集及び変色の発生をより一層効果的に防止する観点、並びに、液晶表示素子の表示品質をより一層効果的に高める観点からは、上記基材粒子の表面積全体100%中、上記基材粒子の表面の上記被覆部により覆われている表面積(被覆率)は、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、更に好ましくは99%以上である。上記被覆率の上限は特に限定されない。上記被覆率は、100%以下であってもよい。
上記被覆率は、被覆粒子の断面を走査型電子顕微鏡等で観察し、断面円周の被覆部と基材粒子の円周を測定し、その比により算出することができる。
上記粒子の粒子径は、用途に応じて適宜設定することができる。光抜け、凝集及び変色の発生をより一層効果的に防止する観点、並びに、液晶表示素子の表示品質をより一層効果的に高める観点からは、上記粒子の粒子径は、好ましくは1μm以上、より好ましくは2μm以上、更に好ましくは3μm以上であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下、更に好ましくは30μm以下である。上記粒子の粒子径が、1μm以上、100μm以下であると、粒子を液晶表示素子用スペーサの用途に好適に用いることができる。上記粒子の粒子径が、5μm以上、20μm以下であると、調光材料の用途に好適に用いることができる。上記粒子の粒子径が、3μm以上、15μm以下であると、車載材料の用途に好適に用いることができる。
上記粒子の粒子径は、真球状である場合には直径を意味し、上記粒子が真球状以外の形状である場合には、その体積相当の真球と仮定した際の直径を意味する。また、粒子の粒子径は、粒子を任意の粒子径測定装置により測定した平均粒子径を意味する。例えば、レーザー光散乱、電気抵抗値変化、撮像後の画像解析等の原理を用いた粒度分布測定機が利用できる。さらに具体的には、複数の粒子の場合には、粒子の粒子径の測定方法としては、例えば、粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製「Multisizer4」)を用いて、約100000個の粒子径を測定し、平均粒子径を測定する方法が挙げられる。
光抜け、凝集及び変色の発生をより一層効果的に防止する観点、並びに、液晶表示素子の表示品質をより一層効果的に高める観点からは、上記粒子の粒子径のCV値(変動係数)は、好ましくは10%以下、より好ましくは7%以下、更に好ましくは5%以下である。上記粒子の粒子径のCV値の下限は特に限定されない。
上記粒子の粒子径のCV値は、下記式で表される。
CV値(%)=(ρ/Dn)×100
ρ:粒子の粒子径の標準偏差
Dn:粒子の粒子径の平均値
液晶表示素子の表示品質をより一層効果的に高める観点からは、上記粒子の10%K値は、好ましくは4000N/mm以上、より好ましくは5000N/mm以上、更に好ましくは6000N/mm以上であり、好ましくは10000N/mm以下、より好ましくは9000N/mm以下、更に好ましくは8000N/mm以下である。
上記粒子における上記10%K値(粒子を10%圧縮したときの圧縮弾性率)は、以下のようにして測定することができる。
微小圧縮試験機を用いて、円柱(直径100μm、ダイヤモンド製)の平滑圧子端面で、25℃、圧縮速度0.3mN/秒、及び最大試験荷重20mNの条件下で粒子1個を圧縮する。このときの荷重値(N)及び圧縮変位(mm)を測定する。得られた測定値から、上記10%K値(10%圧縮弾性率)を下記式により求めることができる。上記微小圧縮試験機として、例えば、島津製作所社製「微小圧縮試験機MCT−W200」、フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」等が用いられる。上記粒子における上記10%K値は、任意に選択された50個の粒子の上記10%K値を算術平均することにより、算出することが好ましい。
10%K値(N/mm)=(3/21/2)・F・S−3/2・R−1/2
F:粒子が10%圧縮変形したときの荷重値(N)
S:粒子が10%圧縮変形したときの圧縮変位(mm)
R:粒子の半径(mm)
上記K値は、粒子の硬さを普遍的かつ定量的に表す。上記K値を用いることにより、粒子の硬さを定量的かつ一義的に表すことができる。
液晶表示素子の表示品質をより一層効果的に高める観点からは、上記粒子の圧縮回復率は、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上であり、好ましくは95%以下、より好ましくは90%以下である。
上記粒子の圧縮回復率は、以下のようにして測定することができる。
試料台上に粒子を散布する。散布された粒子1個について、微小圧縮試験機を用いて、円柱(直径100μm、ダイヤモンド製)の平滑圧子端面で、25℃で、粒子の中心方向に、粒子が30%圧縮変形するまで負荷(反転荷重値)を与える。その後、原点用荷重値(0.40mN)まで除荷を行う。この間の荷重−圧縮変位を測定し、下記式から圧縮回復率を求めることができる。なお、負荷速度は0.33mN/秒とする。上記微小圧縮試験機として、例えば、島津製作所社製「微小圧縮試験機MCT−W200」、フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」等が用いられる。
圧縮回復率(%)=[(L1−L2)/L1]×100
L1:負荷を与えるときの原点用荷重値から反転荷重値に至るまでの圧縮変位
L2:負荷を解放するときの反転荷重値から原点用荷重値に至るまでの除荷変位
上記粒子の用途は特に限定されない。上記粒子は、様々な用途に好適に用いられる。上記粒子は、スペーサとして用いられることが好ましい。上記粒子は、調光材料及び車載材料等の用途に用いられることが好ましく、上記粒子は、スペーサとして調光材料及び車載材料等の用途に用いられることがより好ましい。上記調光材料用スペーサは、調光ガラス用スペーサとして用いられることが好ましく、調光フィルム用スペーサとして用いられることが好ましい。上記車載材料用スペーサは、車載ディスプレイ用スペーサとして用いられることが好ましい。
上記スペーサの使用方法としては、液晶表示素子用スペーサ、ギャップ制御用スペーサ、及び応力緩和用スペーサ等が挙げられる。上記ギャップ制御用スペーサは、ガラス面の平滑性及び接着剤層の厚みを確保するための光学部品のギャップ制御等に用いることができる。上記応力緩和用スペーサは、レンズ固定接着等の応力緩和、及び2つの接着対象部材を接着している接着部の応力緩和等に用いることができる。
上記粒子は、液晶表示素子用スペーサとして用いられることが好ましく、液晶表示素子用周辺シール剤に用いられることが好ましい。上記液晶表示素子用周辺シール剤において、上記粒子は、スペーサとして機能することが好ましい。上記粒子は、良好な圧縮変形特性を有するので、上記粒子をスペーサとして用いて基板間に配置する場合に、スペーサが基板間に効率的に配置される。さらに、上記粒子では、液晶表示素子用部材等の傷付きを抑えることができるので、上記液晶表示素子用スペーサを用いた液晶表示素子において、液晶表示素子の表示品質をより一層効果的に高めることができる。
さらに、上記粒子は、無機充填材、トナーの添加材、反射防止材、模擬検体、衝撃吸収材又は振動吸収材としても好適に用いられる。例えば、ゴム又はバネ等の代替品として、上記粒子を用いることができる。
以下、粒子及び液晶表示素子の詳細を説明する。なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」と「メタクリレート」との一方又は双方を意味し、「(メタ)アクリル」は「アクリル」と「メタクリル」との一方又は双方を意味する。
(基材粒子)
上記基材粒子の材料は特に限定されない。基材粒子の材料は、有機材料であってもよく、無機材料であってもよい。
上記有機材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン樹脂;ポリメチルメタクリレート及びポリメチルアクリレート等のアクリル樹脂;ポリカーボネート、ポリアミド、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ジビニルベンゼン重合体、並びにジビニルベンゼン共重合体等が挙げられる。上記ジビニルベンゼン共重合体等としては、ジビニルベンゼン−スチレン共重合体及びジビニルベンゼン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。上記粒子及び上記基材粒子の硬度を好適な範囲に容易に制御できるので、上記基材粒子の材料は、エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を1種又は2種以上重合させた重合体であることが好ましい。
上記基材粒子を、エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を重合させて得る場合、上記エチレン性不飽和基を有する重合性単量体としては、非架橋性の単量体と架橋性の単量体とが挙げられる。
上記非架橋性の単量体としては、ビニル化合物として、スチレン、α−メチルスチレン、クロルスチレン等のスチレン単量体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル等のビニルエーテル化合物;酢酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の酸ビニルエステル化合物;塩化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン含有単量体;(メタ)アクリル化合物として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート化合物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の酸素原子含有(メタ)アクリレート化合物;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル含有単量体;トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロエチル(メタ)アクリレート等のハロゲン含有(メタ)アクリレート化合物;α−オレフィン化合物として、ジイソブチレン、イソブチレン、リニアレン、エチレン、プロピレン等のオレフィン化合物;共役ジエン化合物として、イソプレン、ブタジエン等が挙げられる。
上記架橋性の単量体としては、ビニル化合物として、ジビニルベンゼン、1,4−ジビニロキシブタン、ジビニルスルホン等のビニル単量体;(メタ)アクリル化合物として、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート化合物;アリル化合物として、トリアリル(イソ)シアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリルフタレート、ジアリルアクリルアミド、ジアリルエーテル;シラン化合物として、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、トリメトキシシリルスチレン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等のシランアルコキシド化合物;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジメトキシメチルビニルシシラン、ジメトキシエチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、ジエトキシエチルビニルシラン、エチルメチルジビニルシラン、メチルビニルジメトキシシラン、エチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、エチルビニルジエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の重合性二重結合含有シランアルコキシド;デカメチルシクロペンタシロキサン等の環状シロキサン;片末端変性シリコーンオイル、両末端シリコーンオイル、側鎖型シリコーンオイル等の変性(反応性)シリコーンオイル;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基含有単量体等が挙げられる。
上記基材粒子は、上記エチレン性不飽和基を有する重合性単量体に、上記着色剤を均一に混合及び分散させて、重合させることによって得ることができる。上記の重合方法としては特に限定されず、ラジカル重合、イオン重合、重縮合(縮合重合、縮重合)、付加縮合、リビング重合、及びリビングラジカル重合等の公知の方法が挙げられる。また、他の重合方法としては、ラジカル重合開始剤の存在下での懸濁重合が挙げられる。
上記無機材料としては、ケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス、ソーダ石灰ガラス、アルミナ及びアルミナシリケートガラス等が挙げられる。
上記基材粒子は、上記有機材料のみにより形成されていてもよく、上記無機材料のみにより形成されていてもよく、上記有機材料と上記無機材料との双方により形成されていてもよい。上記基材粒子は、有機材料のみにより形成されていることが好ましい。この場合には、上記粒子が適度な硬度を有することができ、スペーサとしての機能をより一層効果的に発揮することができる。
上記基材粒子は、有機無機ハイブリッド粒子であってもよい。上記基材粒子は、コアシェル粒子であってもよい。上記基材粒子が有機無機ハイブリッド粒子である場合に、上記基材粒子の材料である無機物としては、シリカ、アルミナ、チタン酸バリウム、ジルコニア及びカーボンブラック等が挙げられる。上記無機物は金属ではないことが好ましい。上記シリカにより形成された基材粒子としては特に限定されないが、加水分解性のアルコキシシリル基を2つ以上持つケイ素化合物を加水分解して架橋重合体粒子を形成した後に、必要に応じて焼成を行うことにより得られる基材粒子が挙げられる。上記有機無機ハイブリッド粒子としては、架橋したアルコキシシリルポリマーとアクリル樹脂とにより形成された有機無機ハイブリッド粒子等が挙げられる。
上記有機無機ハイブリッド粒子は、コアと、該コアの表面上に配置されたシェルとを有するコアシェル型の有機無機ハイブリッド粒子であることが好ましい。上記コアが有機コアであることが好ましい。上記シェルが無機シェルであることが好ましい。上記粒子がスペーサとしての機能をより一層効果的に発揮する観点からは、上記基材粒子は、有機コアと上記有機コアの表面上に配置された無機シェルとを有する有機無機ハイブリッド粒子であることが好ましい。
上記有機コアの材料としては、上述した有機材料等が挙げられる。
上記無機シェルの材料としては、上述した基材粒子の材料として挙げた無機物が挙げられる。上記無機シェルの材料は、シリカであることが好ましい。上記無機シェルは、上記コアの表面上で、金属アルコキシドをゾルゲル法によりシェル状物とした後、該シェル状物を焼成させることにより形成されていることが好ましい。上記金属アルコキシドはシランアルコキシドであることが好ましい。上記無機シェルはシランアルコキシドにより形成されていることが好ましい。
光抜け、凝集及び変色の発生をより一層効果的に防止する観点、並びに、液晶表示素子の表示品質をより一層効果的に高める観点からは、上記基材粒子の粒子径は、好ましくは0.8μm以上、より好ましくは0.9μm以上、更に好ましくは2μm以上であり、好ましくは99.99μm以下、より好ましくは10μm以下、更に好ましくは5μm以下である。
上記基材粒子の粒子径は、任意に選択された50個の基材粒子をレーザー回折式粒度分布計を用いて測定し、各基材粒子の粒子径を算術平均することにより、算出することが好ましい。上記レーザー回折式粒度分布計としては、マルバルーン社製「マスターサイザー2000」等が挙げられる。
光抜け、凝集及び変色の発生をより一層効果的に防止する観点、並びに、液晶表示素子の表示品質をより一層効果的に高める観点からは、上記基材粒子の粒子径のCV値(変動係数)は、好ましくは10%以下、より好ましくは7%以下、更に好ましくは5%以下である。上記基材粒子の粒子径のCV値の下限は特に限定されない。上記基材粒子の粒子径のCV値は、2%以上であってもよい。
上記基材粒子の粒子径のCV値は、下記式で表される。
CV値(%)=(ρ/Dn)×100
ρ:基材粒子の粒子径の標準偏差
Dn:基材粒子の粒子径の平均値
(被覆部)
上記被覆部は、上記基材粒子の表面上に配置されている。上記被覆部の材料は、炭素数24〜30のアルキル基を有する化合物(化合物A)、イソボルニル基又はノルボルニル基を有する化合物(化合物B)、又は、上記式(1)で表される置換基を有する化合物(化合物C)である。上記被覆部は、上記化合物A、上記化合物B、又は、上記化合物Cにより形成されている。上記被覆部の材料が上記化合物Aである場合に、上記被覆部は、炭素数24〜30のアルキル基を有する。上記被覆部の材料が上記化合物Bである場合に、上記被覆部は、イソボルニル基又はノルボルニル基を有する、上記被覆部の材料が上記化合物Cである場合に、上記被覆部は、上記式(1)で表される基を有する。
上記被覆部は、上記化合物A、上記化合物B、又は、上記化合物Cに由来する成分を含むことが好ましい。上記成分は、上記化合物A、上記化合物B、又は、上記化合物Cの反応物である。上記被覆部は、上記基材粒子の表面上で、上記化合物A、上記化合物B、又は、上記化合物Cを反応させることにより形成されていることが好ましい。この場合には、基材粒子の表面上に、上記化合物A、上記化合物B、又は、上記化合物Cに由来する成分が導入された粒子を得ることができる。上記化合物A、上記化合物B、又は、上記化合物Cを用いることで、光抜け、凝集及び変色の発生をより一層効果的に防止し、さらに、液晶表示素子の表示品質をより一層効果的に高めることができる粒子を得ることができる。
上記化合物A、上記化合物B、又は、上記化合物Cは、上記基材粒子の表面の官能基と結合していてもよい。上記化合物A、上記化合物B、又は、上記化合物Cは、上記基材粒子の表面の官能基と直接結合していてもよく、他の化合物を介して結合していてもよい。
(被覆部の詳細)
炭素数24〜30のアルキル基を有する化合物(化合物A):
上記化合物Aのアルキル基の炭素数は、24〜30である。上記化合物Aのアルキル基の炭素数は、好ましくは24以上、より好ましくは28以上である。上記化合物Aのアルキル基の炭素数が、上記下限以上であると、光抜け、凝集及び変色の発生をより一層効果的に防止することができる。炭素数が30以下であるアルキル基を有する化合物は容易に入手することができる。上記化合物Aは、モノマーであることが好ましく、(メタ)アクリレートモノマーであることがより好ましい。すなわち、上記化合物Aは、炭素数24〜30のアルキル基を有するモノマーであることが好ましく、炭素数24〜30のアルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマーであることがより好ましい。炭素数が30以下であるアルキル基を有するモノマーは容易に入手することができる。上記化合物Aは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記炭素数24〜30のアルキル基を有するモノマーとしては、アルキル基の炭素数が24であるテトラコシル(メタ)アクリレート、炭素数が25であるペンタコシル(メタ)アクリレート、炭素数が26であるヘキサコシル(メタ)アクリレート、炭素数が27であるヘプタコシル(メタ)アクリレート、炭素数が28であるオクタコシル(メタ)アクリレート、炭素数が29であるノナコシル(メタ)アクリレート、及び炭素数が30であるトリアコンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記炭素数24〜30のアルキル基を有するモノマーは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記被覆部における上記化合物Aに由来する成分の含有量は、好ましくは0.5mol%以上、より好ましくは1mol%以上であり、好ましくは30mol%以下、より好ましくは10mol%以下である。上記被覆部における上記化合物Aに由来する成分の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、光抜け、凝集及び変色の発生をより一層効果的に防止することができる。
なお、本明細書において上記化合物Aに由来する成分の含有量は、上記被覆部を形成する際の仕込み量を表す。すなわち、上記被覆部を形成するために、上記化合物Aの仕込み量は、好ましくは0.5mol%以上、より好ましくは1mol%以上であり、好ましくは30mol%以下、より好ましくは10mol%以下である。
上記被覆部が、上記化合物Aを用いて形成されている場合には、上記化合物Aとともに、アルキレンエーテル構造を有する化合物(以下、化合物Aaと記載することがある)を用いて被覆部が形成されていることが好ましい。上記化合物Aaは、アルキレングリコール骨格を有することが好ましい。
上記被覆部が、上記化合物Aを用いて形成されている場合には、上記被覆部は、アルキレンエーテル構造を有する化合物Aaに由来する成分を含むことが好ましい。該成分は、アルキレンエーテル構造を有する化合物Aaの反応物である。上記被覆部は、基材粒子の表面上で、アルキレンエーテル構造を有する化合物Aaを反応させることにより形成されていることが好ましい。上記化合物Aaを用いることで、上記被覆部の外表面にアルキレンエーテル構造が導入された粒子を得ることができる。さらに、上記化合物Aaを用いることにより、アルキレンエーテル構造に由来して、特に、水を含む分散媒中で、凝集をより一層効果的に防止することができる。
上記アルキレンエーテル構造は、下記式(2)で表される。
Figure 2018132740
上記式(2)中、Rは、アルキレン基を表す。該アルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐構造を有していてもよい。該アルキレン基の炭素数は、好ましくは2以上であり、好ましくは6以下、より好ましくは4以下である。なお、上記式(2)において、右端部及び左端部は、他の構造部位との結合部位を表す。
上記アルキレンエーテル構造としては特に限定されず、エチレングリコール構造、プロピレングリコール構造、テトラメチレングリコール構造、ペンタメチレングリコール構造及びヘキサメチレングリコール構造等が挙げられる。
水を含む分散媒中での凝集をより一層効果的に防止する観点からは、上記アルキレンエーテル構造は、エチレングリコール構造、プロピレングリコール構造又はテトラメチレングリコール構造であることが好ましい。水を含む分散媒中での凝集をより一層効果的に防止する観点からは、上記アルキレンエーテル構造は、エチレングリコール構造であることが好ましい。上記化合物Aaは、ポリアルキレンエーテル構造を有することが好ましく、ポリエチレングリコール構造、ポリプロピレングリコール構造又はポリテトラメチレングリコール構造を有することがより好ましく、ポリエチレングリコール構造を有することがさらに好ましい。
上記被覆部における上記化合物Aaに由来する成分の含有量は、好ましくは0.1mol%以上、より好ましくは1mol%以上であり、好ましくは20mol%以下、より好ましくは10mol%以下である。上記被覆部における上記化合物Aaに由来する成分の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、水を含む分散媒中での凝集をより一層効果的に防止することができる。
なお、本明細書において上記化合物Aaに由来する成分の含有量は、上記被覆部を形成する際の仕込み量を表す。すなわち、上記被覆部を形成するために、上記化合物Aaの仕込み量は、好ましくは0.1mol%以上、より好ましくは1mol%以上であり、好ましくは20mol%以下、より好ましくは10mol%以下である。
上記アルキレンエーテル構造を有する化合物Aaとしては、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールポリテトラメチレングリコールモノメタクリレート及びポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノオクタノールメタクリレート等が挙げられる。上記アルキレンエーテル構造を有する化合物Aaは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記被覆部が、上記化合物Aを用いて形成されている場合には、上記化合物Aa以外の他の化合物が含まれていてもよい。上記他の化合物は特に限定されない。上記被覆部に親水性を付与する場合には、水酸基を有する化合物等を用いることができる。上記水酸基を有する化合物としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記被覆部に疎水性を付与する場合には、アルキル(メタ)アクリレート、フッ素含有(メタ)アクリレート、スチレン、p−クロロスチレン等のスチレン誘導体、反応部位を有するグリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、及び(メタ)アクリルアミド等を用いることができる。上記アルキル(メタ)アクリレートとしては、(メタ)アクリル酸ブチル及び(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。上記フッ素含有(メタ)アクリレートとしては、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート及びペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記被覆部に反応性を付与したい場合には、上記水酸基を有する化合物、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有する化合物、及びカルボキシル基を有する単量体等を用いることができる。これら単量体とともに、該単量体と共重合可能な他の重合性単量体を用いてもよい。上記他の化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記化合物Aを用いて上記被覆部を形成する方法としては、上記基材粒子の表面の官能基に、硝酸第二セリウムアンモニウム等のセリウム系触媒の存在下、上記化合物Aを反応させる方法(Ce法)、並びに上記基材粒子の表面の官能基に、メタクリロキシエチルイソシアネート等の重合官能基含有のイソシアネートを反応させて重合性官能基を導入した後、これに上記化合物Aを反応させる方法(重合法)等が挙げられる。上記被覆部を形成するために、上記化合物Aとともに上記化合物Aaを反応させてもよく、上記化合物Aの反応の後に上記化合物Aaを反応させてもよく、上記化合物Aの反応の前に上記化合物Aaを反応させてもよい。上記化合物Aと上記化合物Aaとは反応していなくてもよく、上記化合物Aと上記化合物Aaとは反応していてもよい。
例えば、有機材料を用いて上記基材粒子を製造する際に分散助剤としてポリビニルアルコールを用いた場合には、上記基材粒子の表面の官能基は、ポリビニルアルコールの一部が有機材料の架橋構造に絡み合ったり、基材粒子の表面に吸着したりする。このため、基材粒子の表面にポリビニルアルコールが存在する。基材粒子の表面上のポリビニルアルコールは、基材粒子を加熱しながら十分に洗浄した後であっても除去されない。上記基材粒子の表面上のポリビニルアルコールに由来する水酸基を起点として、上記Ce法又は重合法により本発明の粒子を得ることができる。上記化合物Aを用いて上記被覆部を形成する場合には、上記基材粒子は、表面に水酸基を有する基材粒子であることが好ましい。
上記基材粒子を得る際にポリビニルアルコールを用いない場合には、基材粒子の表面に適当な反応性官能基を導入し、該反応性官能基を起点として、上記Ce法又は重合法により本発明の粒子を得ることができる。
イソボルニル基又はノルボルニル基を有する化合物(化合物B):
上記化合物Bは、イソボルニル基又はノルボルニル基を有する。上記化合物Bは、イソボルニル基を有する化合物であってもよく、ノルボルニル基を有する化合物であってもよい。上記被覆部の材料には、上記化合物Bとして、イソボルニル基を有する化合物のみが用いられてもよく、ノルボルニル基を有する化合物のみが用いられてもよく、イソボルニル基を有する化合物とノルボルニル基を有する化合物との双方の化合物が用いられてもよい。上記化合物Bは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記化合物Bとしては、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記化合物Bは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記被覆部が、上記化合物Bを用いて形成されている場合には、上記化合物Bとともに、炭素数が1〜6のアルキル基を有する化合物(以下、化合物Baと記載することがある)及び炭素数が8〜22のアルキル基を有する化合物(以下、化合物Bbと記載することがある)を用いて被覆部が形成されていることが好ましい。
上記被覆部が、上記化合物Bを用いて形成されている場合には、上記被覆部は、上記化合物Ba及びBbに由来する成分を含むことが好ましい。該成分は、上記化合物Ba及びBbの反応物である。上記被覆部は、基材粒子の表面上で、上記化合物Ba及びBbを反応させることにより形成されていることが好ましい。上記化合物Bとともに、上記化合物Ba及びBbを用いることにより、光抜け、凝集及び変色の発生をより一層効果的に防止することができ、液晶表示素子の表示品質をより一層効果的に高めることができる。
上記化合物Baとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、i−アミル(メタ)アクリレート、及びシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記化合物Baは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記化合物Bbとしては、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、i−デシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、i−ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、及びノニルフェノキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記化合物Bbは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記化合物Bを用いて上記被覆部を形成する方法としては、少なくとも一つのイソシアネート基とエチレン性不飽和基とを有する化合物を予め上記基材粒子の表面に反応させてから、上記化合物B、Ba及びBbをグラフト重合させる方法等が挙げられる。
具体的には、イソシアネート基とエチレン性不飽和基とを有する化合物として、メタクリロイルオキシエチレンイソシアネートを、予め、イソシアネート基を介して上記基材粒子の表面に反応させ、次に、(メタ)アクリロイル基と上記化合物B、Ba及びBbを重合させることで、本発明の粒子を得ることができる。
グラフト重合を行う際には、基材粒子が分散した分散媒を攪拌しながら、分散媒中に少なくとも一つのイソシアネート基とエチレン性不飽和基とを有する化合物、上記化合物B、上記化合物Ba、上記化合物Bb及び重合性開始剤等を添加し、所定の温度で所定時間反応させる方法等を採用することができる。少なくとも一つのイソシアネート基とエチレン性不飽和基とを有する化合物、上記化合物B、上記化合物Ba、上記化合物Bb及び重合性開始剤等のそれぞれの使用割合は、適宜変化させることができる。
上記化合物Bを用いて上記被覆部を形成する他の方法としては、反応性のシラノール基、又は、シラノール基に変換可能なトリアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、モノアルコキシシリル基、トリクロロシリル基、ジクロロシリル基、モノクロロシリル基(以下、シラノール基等という)と炭素数が1〜6のアルキル基とを有する有機シラン化合物(以下、化合物Bcと記載することがある)、上記シラノール基等と炭素数が8〜22のアルキル基とを有する有機シラン化合物(以下、化合物Bdと記載することがある)、並びに、上記シラノール基等とイソボルニル基又はノルボニル基とを有する有機シラン化合物(以下、化合物Beと記載することがある)を用い、適当な分散媒体中で上記基材粒子を処理する方法等が挙げられる。
上記化合物Bcとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、プロピルトリブトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリプロポキシシラン、ブチルトリブトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、プロピルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、ペンチルトリクロロシラン、ヘキシルトリクロロシラン、メチルトリブロモシラン、エチルトリブロモシラン、プロピルトリブロモシラン、ブチルトリブロモシラン、ペンチルトリブロモシラン、及びヘキシルトリブロモシラン等が挙げられる。上記化合物Bcは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記化合物Bdとしては、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ノニルトリメトキシシラン、ノニルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、オクチルトリクロロシラン、ノニルトリクロロシラン、デシルトリクロロシラン、ドデシルトリクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン、オクチルトリブロモシラン、ノニルトリブロモシラン、デシルトリブロモシラン、ドデシルトリブロモシラン、及びオクタデシルトリブロモシラン等が挙げられる。上記化合物Bdは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記化合物Beとしては、イソボルニルトリクロロシラン、及び2−トリクロロシリルノルボルナン等が挙げられる。上記化合物Beは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記分散媒は、上記有機シラン化合物を溶解することができ、有機シラン化合物と反応せず、かつ、上記基材粒子を容易に分散させることができる分散媒であることが好ましい。上記分散媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族系の溶剤;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の脂肪族系の溶剤;エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の溶剤;アルコールと水との混合溶剤等が好ましい。上記分散媒は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記有機シラン化合物を用いて、上記分散媒中で上記基材粒子を処理する際には、上記有機シラン化合物等を溶解させた分散媒中に基材粒子を入れ、所定温度の下、分散媒を攪拌する方法を採用することができる。
上記式(1)で表される置換基を有する化合物(化合物C):
上記化合物Cは、上記式(1)で表される置換基を有する。上記化合物Cは、上記式(1)で表される基を有していればよく、上記式(1)で表される基以外の構造部分は特に限定されない。上記化合物(C)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記被覆部が、上記化合物Cを用いて形成されている場合には、上記化合物Cとともに、炭素数が1〜6アルキル基を有する化合物(以下、化合物Caと記載することがある)及び炭素数が12〜22のアルキル基を有する化合物(以下、化合物Cbと記載することがある)を用いて被覆部が形成されていることが好ましい。
上記被覆部が、上記化合物Cを用いて形成されている場合には、上記被覆部は、上記化合物Ca及びCbに由来する成分を含むことが好ましい。該成分は、上記化合物Ca及びCbの反応物である。上記被覆部は、基材粒子の表面上で、上記化合物Ca及びCbを反応させることにより形成されていることが好ましい。上記化合物Cとともに、上記化合物Ca及びCbを用いることにより、光抜け、凝集及び変色の発生をより一層効果的に防止することができ、液晶表示素子の表示品質をより一層効果的に高めることができる。
上記炭素数が1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、及びヘキシル基等が挙げられる。上記化合物Caは、上述した炭素数が1〜6のアルキル基を有することが好ましい。
上記炭素数が12〜22のアルキル基としては、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘニコサン基、及びドコサン基等が挙げられる。上記化合物Cbは、上述した炭素数が12〜22のアルキル基を有することが好ましい。
光抜け、凝集及び変色の発生をより一層効果的に防止する観点、並びに、液晶表示素子の表示品質をより一層効果的に高める観点からは、上記化合物Caのアルキル基の炭素数と、上記化合物Cbのアルキル基の炭素数との平均値は、好ましくは4以上、より好ましくは6以上であり、好ましくは12以下、より好ましくは10以下である。なお、上記平均値とは、上記化合物Caのアルキル基及び上記化合物Cbのアルキル基がともに1種である場合には、それぞれのアルキル基の炭素数を足して2で割った値である。また、上記化合物Caのアルキル基及び上記化合物Cbのアルキル基が複数種である場合には、上記化合物Caのアルキル基と上記化合物Cbのアルキル基とのそれぞれについて、上記複数種の比率を係数として乗じてアルキル基の炭素数の算術平均値を求め、これらを足して2で割った値である。
上記化合物Cを用いて上記被覆部を形成する方法としては特に限定されず、下記式(5)で表される化合物を上記基材粒子の表面にグラフト重合させる方法等が挙げられる。上記グラフト重合では、下記式(5)で表される化合物のみを用いてもよく、下記式(5)で表される化合物に加えて、下記式(3)及び下記式(4)で表される化合物を用いてもよい。
Figure 2018132740
上記式(3)中、Rは炭素数1〜6のアルキル基を表し、Xは水素原子又はメチル基を表す。
Figure 2018132740
上記式(4)中、Rは炭素数12〜22のアルキルを表し、Xは水素原子又はメチル基を表す。
Figure 2018132740
上記式(5)中、R1及びR2はそれぞれ水素原子又はメチル基を表し、Xは水素原子又はメチル基を表し、mは1〜1000の整数を表す。mが2以上である場合に、複数のR2は同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記式(3)で表される化合物(以下、化合物Ccと記載することがある)としては、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、及びブチルメタアクリレート等が挙げられる。上記化合物Ccは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記式(4)で表される化合物(以下、化合物Cdと記載することがある)としては、ラウリルメタクリレート、セチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ベヘニルメタクリレート、ラウリルアクリレート、セチルアクリレート、及びステアリルアクリレート等が挙げられる。上記化合物Cdは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記式(5)で表される化合物(以下、化合物Ceと記載することがある)としては、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、及びポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記化合物Ceは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記化合物Cc、上記化合物Cd及び上記化合物Ceは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよく、3種が混合して用いられてもよい。光抜け、凝集及び変色の発生をより一層効果的に防止する観点、並びに、液晶表示素子の表示品質をより一層効果的に高める観点からは、上記化合物Cc、上記化合物Cd及び上記化合物Ceの3種が混合して用いられることが好ましい。
上記化合物Cc、上記化合物Cd及び上記化合物Ceを用いて、上記基材粒子の表面にグラフト重合させる具体的な方法としては、例えば、上記基材粒子の表面の官能基と、上記化合物Cc、上記化合物Cd及び上記化合物Ceとを酸化剤を用いて反応させる方法等が挙げられる。上記酸化剤としては、セリウム塩及び過硫酸塩等が挙げられる。上記化合物Cc、上記化合物Cd及び上記化合物Ceを用いて、上記被覆部を形成する場合には、上記基材粒子は、還元性基を表面に有する基材粒子であることが好ましい。上記還元性基としては、水酸基、チオール基、アルデヒド基、メルカプト基、及びアミノ基等が挙げられる。
上記化合物Cを用いて上記被覆部を形成する他の方法としては、例えば、下記式(8)で表される化合物と、上記基材粒子の表面の官能基とを反応させる方法が挙げられる。上記反応では、下記式(8)で表される化合物のみを用いてもよく、下記式(8)で表される化合物に加えて、下記式(6)及び下記式(7)で表される化合物を用いてもよい。
Figure 2018132740
上記式(6)中、Rxは炭素数1〜6のアルキル基を表し、Zはカルボキシル基、カルボキシル基のハロゲン化物、カルボキシル基の塩、水酸基、スルホン酸基、スルホン酸基のハロゲン化物、スルホン酸基の塩、アミノ基、モノメトキシシリル基、ジメトキシシリル基、トリメトキシシリル基、グリシジル基、又はイソシアネート基を表す。
Figure 2018132740
上記式(7)中、Ryは炭素数12〜22のアルキルを表し、Zはカルボキシル基、カルボキシル基のハロゲン化物、カルボキシル基の塩、水酸基、スルホン酸基、スルホン酸基のハロゲン化物、スルホン酸基の塩、アミノ基、モノメトキシシリル基、ジメトキシシリル基、トリメトキシシリル基、グリシジル基、又はイソシアネート基を表す。
Figure 2018132740
上記式(8)中、R1及びR2はそれぞれ水素原子又はメチル基を表し、mは1〜1000の整数を表し、Zはカルボキシル基、カルボキシル基のハロゲン化物、カルボキシル基の塩、水酸基、スルホン酸基、スルホン酸基のハロゲン化物、スルホン酸基の塩、アミノ基、モノメトキシシリル基、ジメトキシシリル基、トリメトキシシリル基、グリシジル基、又はイソシアネート基を表す。mが2以上である場合に、複数のR2は同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記式(6)で表される化合物(以下、化合物Cfと記載することがある)としては、炭素数1〜6のアルキルカルボン酸、そのハロゲン化物又はその塩;アルキルアルコール;アルキルスルホン酸、そのハロゲン化物又はその塩;アルキルアミン、アルキルメトキシシラン、アルキルクロライド、アルキルブロマイド、アルキルグリシジル、アルキルイソシアネート等が挙げられる。なお、上記のアルキル化合物のアルキル基の炭素数は1〜6である。上記化合物Cfは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記式(7)で表される化合物(以下、化合物Cgと記載することがある)としては、長鎖アルキルカルボン酸、そのハロゲン化物又はその塩;長鎖アルキルアルコール;長鎖アルキルスルホン酸、そのハロゲン化物又はその塩;長鎖アルキルアミン、長鎖アルキルメトキシシラン、長鎖アルキルクロライド、長鎖アルキルブロマイド、長鎖グリシジル、長鎖アルキルイソシアネート等が挙げられる。なお、上記の長鎖アルキル化合物のアルキル基の炭素数12〜22である。上記化合物Cgは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記式(8)で表される化合物(以下、化合物Chと記載することがある)としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はその片末端水酸基の水素原子をメチル基で置換した誘導体、並びに、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はその片末端水酸基の水素原子をメチル基で置換した誘導体の片末端水酸基の水素原子を別の還元性基で置換した誘導体等が挙げられる。上記還元性基としては、チオール基、アルデヒド基、メルカプト基、及びアミノ基等が挙げられる。上記化合物Chは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記化合物Cf、上記化合物Cg及び上記化合物Chは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよく、3種を混合して用いてもよい。光抜け、凝集及び変色の発生をより一層効果的に防止する観点、並びに、液晶表示素子の表示品質をより一層効果的に高める観点からは、上記化合物Cf、上記化合物Cg及び上記化合物Chの3種が混合されて用いられることが好ましい。
上記化合物Cf、上記化合物Cg及び上記化合物Chを用いて、上記基材粒子の表面の官能基とを反応させる具体的な方法としては、上記基材粒子を溶媒に分散させた後、上記化合物Cf、上記化合物Cg及び上記化合物Chを添加して所定温度で反応させる方法等が挙げられる。
上記溶媒は特に限定されない。上記溶媒は、上記基材粒子を容易に分散させることができる溶媒が好ましい。上記溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族溶剤;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の脂肪族溶剤;エタノール、イソプロパノール等のアルコール溶剤;アルコールと水との混合溶剤等が好ましい。上記溶媒は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
(被覆部の他の詳細)
上記被覆部の厚みは、上記基材粒子の粒子径、上記被覆部を形成する化合物の種類及び組成等を考慮して適宜決定される。
光抜け、凝集及び変色の発生をより一層効果的に防止する観点、並びに、液晶表示素子の表示品質をより一層効果的に高める観点からは、上記被覆部の厚みは、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.02μm以上、更に好ましくは0.03μm以上であり、好ましくは0.2μm以下、より好ましくは0.1μm以下、更に好ましくは0.05μm以下である。なお、被覆部の厚みは、基材粒子の表面上の被覆部がある部分のみの被覆部の厚みを示す。基材粒子の表面上の被覆部がない部分は、被覆部の厚みを求める際に考慮されない。
上記被覆部は、単層であってもよく、2層以上の層(多層)であってであってもよい。上記被覆部が多層である場合には、上記被覆部の厚みは、上記被覆部全体の厚みを意味する。
上記被覆部の厚みは、上記基材粒子の粒子径と上記粒子の粒子径との差により算出することができる。
光抜け、凝集及び変色の発生をより一層効果的に防止する観点、並びに、液晶表示素子の表示品質をより一層効果的に高める観点からは、上記被覆部の厚みの上記粒子の粒子径に対する比(被覆部の厚み/粒子の粒子径)は、好ましくは0.0001以上、より好ましくは0.001以上、更に好ましくは0.01以上、特に好ましくは0.03以上であり、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.17以下、更に好ましくは0.15以下である。
(着色剤)
本発明に係る粒子では、上記基材粒子は、上記着色剤を含む。液晶表示素子の表示品質をより一層効果的に高める観点からは、上記着色剤は、顔料又は染料であることが好ましい。上記着色剤は、顔料であってもよく、染料であってもよい。上記着色剤は、顔料と染料との双方を含んでいてもよい。液晶表示素子の表示品質をより一層効果的に高める観点からは、上記顔料は黒色顔料であることが好ましく、上記染料は黒色染料であることが好ましい。上記着色剤は、黒色顔料であってもよく、黒色染料であってもよい。上記着色剤は、黒色顔料と黒色染料との双方を含んでいてもよい。
上記黒色顔料としては、例えば、カーボンブラック、ランプブラック、グラファイト、酸化鉄、銅−クロムの複合酸化物、及び銅−クロム−亜鉛の複合酸化物等が挙げられる。上記黒色顔料は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記黒色染料としては、例えば、ピラゾールアゾ系染料、アニリノアゾ系染料、トリフェニルメタン系染料、アントラキノン系染料、アンスラピリドン系染料、ベンジリデン系染料、オキソール系染料、ピラゾロトリアゾールアゾ系染料、ピリドンアゾ系染料、シアニン系染料、フェノチアジン系染料、ピロロピラゾールアゾメチン系染料、キサテン系染料、フタロシアニン系染料、ベンゾピラン系染料、インジゴ系染料、ピロメテン系染料、トリアリールメタン系染料、アゾメチン系染料、ベリレン系染料、ペリノン系染料、クオタリレン系染料、及びキノフタロン系染料等が挙げられ、また酸性染料、直接染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料、アゾイック染料、分散染料、油溶染料、食品染料及びこれらの誘導体を2種以上混合して黒色にした染料等が挙げられる。上記黒色染料は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記着色剤が顔料である場合には、上記顔料は、カーボンブラック、チタンブラック、アニリンブラック又は酸化鉄であることが好ましい。上記顔料は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記カーボンブラックとしては、特に限定されず、チャンネルブラック、ロールブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、ケッチェンブラック、及びアセチレンブラック等が挙げられる。上記カーボンブラックは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記着色剤が染料である場合には、上記染料は、酸性染料であることが好ましい。上記染料は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
不純物の溶出及び拡散をより一層効果的に防止する観点からは、上記着色剤は、表面が被覆されている着色剤であることが好ましい。上記着色剤は、表面が被覆されている顔料であることが好ましい。表面が被覆されている着色剤を用いることによって、着色剤の配合量が多くなっても、上記粒子の電気抵抗等の特性の低下をより一層効果的に防止することができる。さらに、表面が被覆されることで着色剤の分散性が向上して、より少ない配合量で上記粒子を着色することができる。上記着色剤の表面を被覆する材料としては、熱可塑性樹脂等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、アルキド樹脂、変性アルキド樹脂、フェノール樹脂、天然樹脂変性フェノール樹脂、マレイン酸樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、フマル酸樹脂、エステルガム、ロジン、石油樹脂、クマロン樹脂、インデン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、スチレン樹脂、ビニル樹脂、アクリル樹脂、塩化ゴム、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、ポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、及びウレタン樹脂等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記熱可塑性樹脂を用いて上記着色剤の表面を被覆する方法としては、特に限定されず、上記熱可塑性樹脂を含む疎水性溶媒中で上記着色剤をボールミル等の粉砕機器を用いて微粉化する方法、並びに、上記熱可塑性樹脂を含む疎水性溶媒中に上記着色剤の水分散物を添加及び混合することで乳化した後、加熱によって水を留去する方法等が挙げられる。
液晶表示素子の表示品質をより一層効果的に高める観点からは、上記粒子100重量%中、上記着色剤の含有量は、好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上であり、好ましくは80重量%以下、より好ましくは60重量%以下である。
(液晶表示素子)
本発明に係る液晶表示素子は、液晶表示素子用部材と、上述した粒子とを備える。具体的には、本発明に係る液晶表示素子は、第1の液晶表示素子用部材と、第2の液晶表示素子用部材と、上記第1の液晶表示素子用部材と上記第2の液晶表示素子用部材との間に配置されたスペーサとを備える。このスペーサが、上述した粒子である。上記粒子は液晶表示素子用スペーサとして好適に用いることができる。上記粒子は、液晶セルを構成する一対の基板と、該一対の基板間に封入された液晶と、該一対の基板間に配置された上記液晶表示素子用スペーサとを備える液晶表示素子を得るために好適に用いられる。上記粒子は、液晶表示素子用シール剤に用いることもできる。
図2は、本発明の一実施形態に係る粒子を液晶表示素子用スペーサとして用いた液晶表示素子を模式的に示す断面図である。
図2に示す液晶表示素子81は、一対の透明ガラス基板82を有する。透明ガラス基板82は、対向する面に絶縁膜(図示せず)を有する。絶縁膜の材料としては、例えば、SiO等が挙げられる。透明ガラス基板82における絶縁膜上に透明電極83が形成されている。透明電極83の材料としては、ITO等が挙げられる。透明電極83は、例えば、フォトリソグラフィーによりパターニングして形成可能である。透明ガラス基板82の表面上の透明電極83上に、配向膜84が形成されている。配向膜84の材料としては、ポリイミド等が挙げられている。
一対の透明ガラス基板82間には、液晶85が封入されている。一対の透明ガラス基板82間には、複数の粒子1が配置されている。粒子1は、上述した粒子である。粒子1は、液晶表示素子用スペーサとして用いられている。複数の粒子1により、一対の透明ガラス基板82の間隔が規制されている。一対の透明ガラス基板82の縁部間には、シール剤86が配置されている。シール剤86によって、液晶85の外部への流出が防がれている。シール剤86には、粒子1と粒子径のみが異なる粒子1Aが含まれている。図2では、図示の便宜上、粒子1及び粒子1Aは略図的に示されている。
上記液晶表示素子において1mmあたりの上記液晶表示素子用スペーサの配置密度は、好ましくは10個/mm以上であり、好ましくは1000個/mm以下である。上記配置密度が10個/mm以上であると、セルギャップがより一層均一になる。上記配置密度が1000個/mm以下であると、液晶表示素子のコントラストがより一層良好になる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)基材粒子の作製
表面被覆されたカーボンブラック5重量部と、あらかじめビーズミルで分散しておいたジビニルベンゼン500重量部と、テトラメチロールメタントリアクリレート500重量部と、過酸化ベンゾイル20重量部とを均一になるまで混合し、混合液を得た。得られた混合液を、濃度3重量%のポリビニルアルコール水溶液8500重量部中に入れ、十分に撹拌した後、ホモジナイザーで乳化径が約3〜10μmになるように乳化した。
この乳化液を、温度計と撹拌機と還流冷却器とを備えた20リットルの反応釜に移し、窒素雰囲気中で撹拌しながら85℃に加熱し7時間重合反応を行い、さらに90℃で3時間加熱し重合反応を行った。
その後、重合反応液を冷却し、生成した粒子を水、メタノール、アセトンの順番で洗浄し、分級操作を行い55℃で一晩乾燥させることで平均粒子径4.53μmの基材粒子を得た。
(2)粒子(表面被覆粒子)の作製
セパラブルフラスコに、得られた基材粒子100重量部と、ジメチルスルホキシド200重量部と、(メタ)アクリル酸エステルモノマー混合液270重量部とを加え、撹拌した。上記(メタ)アクリル酸エステルモノマー混合液270重量部の組成は、トリアコンチルメタクリレート69.9重量部(10mol%)、イソボルニルメタクリレート138.0重量部(45mol%)、及びメチルメタクリレート62.1重量部(45mol%)であった。
セパラブルフラスコ内に窒素ガスを導入し、30℃にて3時間撹拌した。その後、1N硝酸水溶液で調製した濃度0.1mol/Lの硝酸第二セリウムアンモニウム溶液50重量部を添加し、10時間反応させた。反応終了後、得られた粒子をテトラヒドロフランにて洗浄し、真空乾燥機にて、減圧乾燥を行い、粒子(表面被覆粒子)を得た。
得られた粒子(表面被覆粒子)の粒子径を測定した。基材粒子の粒子径との差から算出された被覆部の厚みは、0.03μmであった。
(3)液晶表示素子の作製
STN型液晶表示素子の作製:
イソプロピルアルコール70重量部と水30重量部とを含む分散媒に、得られるスペーサ分散液100重量%中で得られた粒子(表面被覆粒子)を固形分濃度が2重量%となるように添加し、撹拌し、液晶表示素子用スペーサ分散液を得た。
一対の透明ガラス板(縦50mm、横50mm、厚さ0.4mm)の一面に、CVD法によりSiO膜を蒸着した後、SiO膜の表面全体にスパッタリングによりITO膜を形成した。得られたITO膜付きガラス基板に、スピンコート法によりポリイミド配向膜組成物(日産化学社製「SE3510」)を塗工し、280℃で90分間焼成することによりポリイミド配向膜を形成した。配向膜にラビング処理を施した後、一方の基板の配向膜側に、液晶表示素子用スペーサを1mm当たり100個となるように湿式散布した。他方の基板の周辺にシール剤を形成した後、この基板とスペーサを散布した基板とをラビング方向が90°になるように対向配置させ、両者を貼り合わせた。その後、160℃で90分間処理してシール剤を硬化させて、空セル(液晶の入ってない画面)を得た。得られた空セルに、カイラル剤入りのSTN型液晶(DIC社製)を注入し、次に注入口を封止剤で塞いだ後、120℃で30分間熱処理してSTN型液晶表示素子を得た。
(実施例2)
実施例1の基材粒子を用意した。セパラブルフラスコに、基材粒子100重量部と、テトラヒドロフラン380重量部とを加えて撹拌した。さらに、ジラウリン酸ジブチル錫3重量部をテトラヒドロフラン10重量部に溶解させ、セパラブルフラスコ内に添加して撹拌した。続いて、2−イソシアナトエチルメタクリレート120重量部をテトラヒドロフラン120重量部に溶解させ、セパラブルフラスコ内にゆっくりと滴下し、60℃で4時間反応させた。その後、得られた粒子をテトラヒドロフランにて洗浄し、真空乾燥機にて、減圧乾燥を行った。
セパラブルフラスコに、n−ステアリルアクリレート110重量部、メチルメタクリレート110重量部、イソボルニルメタクリレート110重量部、及びイソプロパノール290重量部を入れ、混合した。乾燥した粒子100重量部をセパラブルフラスコ内に添加し、70℃で12時間反応させた。その後、得られた粒子をテトラヒドロフランにて洗浄し、真空乾燥機にて、減圧乾燥を行い、粒子(表面被覆粒子)を得た。
得られた粒子(表面被覆粒子)の粒子径を測定した。基材粒子の粒子径との差から算出された被覆部の厚みは、0.05μmであった。
得られた粒子(表面被覆粒子)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、液晶表示素子を作製した。
(実施例3)
実施例1の基材粒子を用意した。セパラブルフラスコに、基材粒子100重量部と、イオン交換水500重量部と、2−ヒドロキシエチルメタクリレート150重量部と、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(平均EO付加モル数m=100)150重量部とを加えて撹拌した。
セパラブルフラスコ内に窒素ガスを導入し、30℃にて3時間撹拌した。その後、1Nの硝酸水溶液で調製した濃度0.1mol/Lの硝酸第二セリウムアンモニウム溶液200重量部を添加し、5時間反応させた。反応終了後、反応液を取り出し、孔径3μmのメンブレンフィルターにて、粒子と反応液とを濾別した。得られた粒子をエタノール及びアセトンにて洗浄し、真空乾燥機にて、減圧乾燥した。
乾燥した粒子100重量部をテトラヒドロフラン1000重量部中に分散させ、トリエチルアミン50重量部を加えた。窒素還流下でラウリル酸クロライド50重量部、メチル酸クロライド50重量部をさらに滴下した後、60℃で3時間反応させた。反応終了後、得られた粒子をメチルアルコール1000重量部中に分散させ、孔径3μmのメンブレンフィルターでろ過した。このメチルアルコール及びテトラヒドロフランを用いた操作をさらに2回繰り返した後、真空乾燥機により減圧乾燥を行い、粒子(表面被覆粒子)を得た。
得られた粒子(表面被覆粒子)の粒子径を測定した。基材粒子の粒子径との差から算出された被覆部の厚みは、0.05μmであった。
得られた粒子(表面被覆粒子)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、液晶表示素子を作製した。
(実施例4)
実施例1の基材粒子を用意した。セパラブルフラスコに、基材粒子100重量部と0.1Nの硝酸水溶液500重量部とを入れて混合し、基材粒子を分散させた。その後、硝酸セリウム(IV)10重量部、及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート100重量部を添加し、30℃の水浴中で5時間反応させた。反応終了後、得られた粒子をろ過により取り出し、メタノールで洗浄し、真空乾燥機により減圧乾燥した。
乾燥した粒子100重量部をトルエン500重量部とトリエチルアミン100重量部との混合溶媒中に分散させて、懸濁液を得た。得られた懸濁液にステアリン酸クロライド10重量部を攪拌しながら滴下し、30℃で5時間反応させた。得られた粒子をろ過により取り出し、トルエンとメタノールで洗浄し、真空乾燥機により減圧乾燥を行い、粒子(表面被覆粒子)を得た。
得られた粒子(表面被覆粒子)の粒子径を測定した。基材粒子の粒子径との差から算出された被覆部の厚みは、0.04μmであった。
得られた粒子(表面被覆粒子)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、液晶表示素子を作製した。
(比較例1)
基材粒子の表面に被覆部を形成せず、粒子(表面被覆粒子)として被覆部を形成していない基材粒子を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、液晶表示素子を作製した。
(比較例2)
実施例1の基材粒子を用意した。セパラブルフラスコに、基材粒子100重量部と、イオン交換水900重量部と、メタノール100重量部と、アンモニア水(25%)25重量部とを加えて撹拌した。さらに、デシルトリメトキシシラン20重量部と、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン30重量部とを加えて、30℃で12時間反応させた。反応終了後、メタノール、水で洗浄し、得られた粒子をろ過により取り出した。得られた粒子100重量部と2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル0.4重量部とをイオン交換水1000重量部中に添加して、75℃で5時間反応させた。反応終了後、得られた粒子をろ過により取り出し、トルエンとメタノールで洗浄し、真空乾燥機にて減圧乾燥を行い、粒子(表面被覆粒子)を得た。
得られた粒子(表面被覆粒子)の粒子径を測定した。基材粒子の粒子径との差から算出された被覆部の厚みは、0.08μmであった。
得られた粒子(表面被覆粒子)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、液晶表示素子を作製した。
(比較例3)
基材粒子の作製の際に、表面被覆されたカーボンブラック5重量部を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、粒子(表面被覆粒子)及び液晶表示素子を作製した。
(評価)
(1)光抜け性
得られたSTN型液晶表示素子を、ノーマリーブラック表示モードになるように配置した偏光フィルムで挟み込み、50Vの電圧を印加した後、顕微鏡で200倍に拡大した写真を撮り、光抜けの状態(液晶の配向状態)を観察した。光抜け性を下記の基準で判定した。
[光抜け性の判定基準]
○○:スペーサの周囲に液晶の異常配向の発生が全く認められない
○:スペーサの周囲のごく一部に液晶の異常配向の発生が認められる
△:スペーサの周囲の大部分に液晶の異常配向の発生が認められる
×:スペーサの周囲の全周に液晶の異常配向の発生が認められる
(2)凝集性
イソプロピルアルコール70重量部と水30重量部とを含む分散媒に、得られるスペーサ分散液100重量%中で得られた粒子(表面被覆粒子)を固形分濃度が2重量%となるように添加し、撹拌し、液晶表示素子用スペーサ分散液を得た。12時間放置した後の液晶表示素子用スペーサを、面積450cmのガラス基板上に150個/mmの散布密度で湿式散布し、ガラス基板上に液晶表示素子用スペーサを付着させた。その後、6.3mm当たりにスペーサが凝集した凝集物の有無を観察した。凝集性を以下の基準で判定した。
[凝集性の判定基準]
○○:スペーサが凝集した凝集物が全く認められない
○:スペーサが凝集した凝集物がごくわずかに認められる
△:スペーサが凝集した凝集物が若干認められる
×:スペーサが凝集した凝集物が著しく認められる
(3)表示品質
得られたSTN型液晶表示素子に所定の電圧を印加して、液晶表示素子用スペーサに起因する変色や色むら等の表示不良の有無を電子顕微鏡で観察した。表示品質を下記の基準で判定した。
[表示品質の判定基準]
○○:液晶表示素子用スペーサに起因する変色や色むら等の表示不良は全く認められず、優れた表示品質である
○:液晶表示素子用スペーサに起因する変色や色むら等の表示不良がわずかに認められる
△:液晶表示素子用スペーサに起因する変色や色むら等の表示不良が若干認められる
×:液晶表示素子用スペーサに起因する変色や色むら等の表示不良が著しく認められる
結果を下記の表1に示す。
Figure 2018132740
1,1A…粒子
2…基材粒子
2a…表面
3…被覆部
81…液晶表示素子
82…透明ガラス基板
83…透明電極
84…配向膜
85…液晶
86…シール剤

Claims (10)

  1. 基材粒子と、
    前記基材粒子の表面上に配置された被覆部とを備え、
    前記基材粒子が、着色剤を含み、
    前記被覆部の材料が、炭素数24〜30のアルキル基を有する化合物、イソボルニル基又はノルボルニル基を有する化合物、又は、下記式(1)で表される基を有する化合物である、粒子。
    Figure 2018132740
    前記式(1)中、R1及びR2はそれぞれ水素原子又はメチル基を表し、mは1〜1000の整数を表す。mが2以上である場合に、複数のR2は同一であってもよく、異なっていてもよい。
  2. 前記着色剤が、顔料又は染料である、請求項1に記載の粒子。
  3. 前記基材粒子の表面積全体100%中、前記基材粒子の表面の前記被覆部により覆われている表面積が、90%以上である、請求項1又は2に記載の粒子。
  4. 前記被覆部の厚みが、0.01μm以上、0.2μm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の粒子。
  5. 前記粒子の粒子径が、1μm以上、100μm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の粒子。
  6. 前記被覆部の厚みの前記粒子の粒子径に対する比が、0.0001以上、0.2以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の粒子。
  7. 前記粒子の粒子径のCV値が、10%以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の粒子。
  8. 前記粒子の10%K値が、4000N/mm以上、10000N/mm以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の粒子。
  9. 液晶表示素子用スペーサとして用いられる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の粒子。
  10. 第1の液晶表示素子用部材と、
    第2の液晶表示素子用部材と、
    前記第1の液晶表示素子用部材と前記第2の液晶表示素子用部材との間に配置されたスペーサとを備え、
    前記スペーサが、請求項1〜9のいずれか1項に記載の粒子である、液晶表示素子。
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