JP2018132630A - 静電潜像現像用トナー及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(結晶性ポリエステル樹脂の結晶性指数)=(軟化点)/(吸熱曲線における最大ピーク温度)
本実施形態に係る静電潜像現像用トナー(以下、「トナー」と記載することがある)は、正帯電性を有し、複数のトナー粒子を含む。トナー粒子は、各々、トナー母粒子を備える。トナー母粒子は、各々、トナーコアと、シリカを含有する複数の第1粒子と、シェル層とを有する。トナーコアは、各々、結晶性ポリエステル樹脂と、非晶性ポリエステル樹脂とを含有する。第1粒子は、各々、トナーコアの表面に埋め込まれている埋没部分と、トナーコアの表面よりもトナー粒子の径方向外側に突出する突出部分とを含む。トナーコアの表面領域のうち第1粒子で被覆されたトナーコアの面積の割合(以下、「第1粒子の被覆率」と記載する)が、50%以上である。第1粒子の個数平均1次粒子径Rfが、200nm以上500nm以下である。シェル層は、トナーコアの表面のうち第1粒子から露出する部分(以下、「トナーコアの露出部分」と記載する)と、突出部分の表面とを被覆する。シェル層は、非晶性ポリエステル樹脂よりも強い正帯電性を有する樹脂(以下、単に「正帯電性を有する樹脂」と記載する)を含有する。シェル層の厚さTが、20nm以上50nm以下である。
第1粒子の個数平均1次粒子径Rfは、顕微鏡を用いて測定された1次粒子の円相当径(粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)rf(後述の図2参照)の個数平均値を意味する。
まず、透過電子顕微鏡(TEM、例えば株式会社日立ハイテクノロジーズ製「H−7100FA」)を用いて、トナー母粒子の断面TEM写真を撮影する。次に、トナー母粒子の断面TEM写真を、画像解析ソフトウェア(例えば三谷商事株式会社製「WinROOF」)を用いて、解析する。詳しくは、トナー母粒子の断面の略中心で直交する2本の直線を引く。その2本の直線の各々において、トナーコアとシェル層との界面(トナーコアの表面に相当)からシェル層の表面までの長さを測定する。このようにして測定された4箇所の長さの平均値を、1個のトナー母粒子が備えるシェル層の厚さt(後述の図2参照)とする。このようなシェル層の厚さtの測定を複数のトナー母粒子に対して行い、複数のトナー母粒子が備えるシェル層の厚さtの平均値を求める。このようにして求められたシェル層の厚さtの平均値を「シェル層の厚さT」とする。
詳しくは、まず、トナー母粒子のTEM写真を撮影する。次に、トナー母粒子のTEM写真を、画像解析ソフトウェア(例えば、三谷商事株式会社製「WinROOF」)を用いて、二値化処理する。このとき、トナーコアの表面領域において第1粒子が設けられている領域と第1粒子が設けられていない領域とが明確になるように、トナー母粒子のTEM写真に対して二値化処理を行う。そして、第1粒子の投影面積を用いて、表面全域に占める第1粒子の割合を算出する。この操作を複数枚のTEM写真(トナー母粒子のTEM写真)に対して行い、第1粒子の占有割合の平均値を算出する。このようにして求められた第1粒子の占有割合の平均値を「第1粒子の被覆率」とする。
まず、トナー母粒子の断面TEM写真を撮影する。次に、トナー母粒子の断面TEM写真を、画像解析ソフトウェア(例えば、三谷商事株式会社製「WinROOF」)を用いて、解析する。詳しくは、画像解析ソフトウェアにおいて、計測ツールの手動計測のライン長計測を選択する。手動計測のライン長計測を選択した状態で、トナー母粒子の断面TEM写真において、第1粒子(トナーコアの表面に埋め込まれている第1粒子)を無作為に数個、選択する。そして、選択した第1粒子の各々において、トナー粒子の径方向における第1粒子の突出部分の長さh(後述の図2参照)を計測し、その個数平均値を算出する。このようにして求められた長さhの個数平均値を「第1粒子の突出高さの個数平均値H」とする。
以下、図1及び図2を参照して、本実施形態に係るトナーの構成を具体的に説明する。図1は、第1の具体例に係るトナーに含まれるトナー粒子の構成を説明する断面図である。図2は、図1に示すトナー粒子の構成を説明する拡大断面図である。なお、図2では、トナーコア21の表面を直線で記載しているが、実際のトナー粒子では、トナーコアの表面は球面形状(断面視円形形状)を有する。また、図2では、シェル層25の表面の一部分を直線で記載しているが、実際のトナー粒子では、シェル層25の表面は曲面形状を有する。また、図2では、トナー粒子10(図1参照)の径方向を「Dr」で表し、トナー粒子10の径方向内側を「X1」で表し、トナー粒子10の径方向外側を「X2」で表す。
以下、図3を参照して、本実施形態に係るトナーの好ましい構成を具体的に説明する。図3は、第2の具体例に係るトナーに含まれるトナー粒子の構成を説明する断面図である。以下では、第1の具体例に係るトナーとは異なる点を主に説明する。
本実施形態に係るトナーの製造方法は、トナー母粒子の製造工程を含み、好ましくは外添工程をさらに含む。トナー母粒子の製造工程を行えば、図1に示すトナー粒子を複数含むトナーを製造できる。トナー母粒子の製造工程と外添工程とを順に行えば、図3に示すトナー粒子を複数含むトナーを製造できる。なお、同時に製造されたトナー粒子は、互いに略同一の構成を有すると考えられる。
トナー母粒子の製造工程は、トナーコアの製造工程と、第1粒子の埋没工程と、シェル層の形成工程とを含む。
トナーコアの製造工程では、公知の凝集法又は公知の粉砕法によりトナーコアを製造することが好ましい。これにより、トナーコアを容易に製造できる。
第1粒子の埋没工程では、混合機(例えば、日本コークス工業株式会社製のFMミキサー)を用いて、トナーコアと第1粉体とを混合する。ここで、第1粉体は、複数の第1粒子で構成された粉体を意味する。トナーコアと第1粉体とを混合すると、トナーコアの表面には、第1粒子の各々の一部分が埋め込まれる。このようにして、第1粒子の各々の一部分がトナーコアの表面に埋め込まれて構成された粒子(以下、「複合トナーコア」と記載する)が得られる。
シェル層の形成工程では、例えばin−situ重合法、液中硬化被膜法、又はコアセルベーション法により、複合トナーコアの表面をシェル層で被覆する。これにより、シェル層は、トナーコアの露出部分と、第1粒子の突出部分の表面とに、形成される。このようにして、複数のトナー母粒子が得られる。より具体的には、図1に示すトナー粒子を複数含むトナーが得られる。
混合機(例えば、日本コークス工業株式会社製のFMミキサー)を用いて、トナー母粒子と外添剤とを混合する。これにより、トナー母粒子の表面には、外添剤粒子の各々が付着する。このようにして、複数のトナー粒子が得られる。より具体的には、図3に示すトナー粒子を複数含むトナーが得られる。
トナーは、複数のトナー粒子を含む。トナー粒子は、各々、トナー母粒子を備える。トナー母粒子は、トナーコアと、第1粒子と、シェル層とを有する。第1粒子については、上記[本実施形態に係る静電潜像現像用トナーの構成]で説明したとおりである。以下では、トナーコアとシェル層とを順に説明する。
トナーコアは、結着樹脂を含有する。トナーコアは、着色剤、離型剤、及び電荷制御剤のうちの少なくとも1つをさらに含有しても良い。
トナーコアでは、一般的に、成分の大部分(例えば、85質量%以上)を結着樹脂が占める。このため、結着樹脂の性質がトナーコア全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。
ポリエステル樹脂は、1種以上のアルコールと1種以上のカルボン酸との共重合体である。ポリエステル樹脂を合成するためのアルコールとしては、例えば以下に示す2価アルコール又は3価以上のアルコールを使用できる。2価アルコールとしては、例えば、ジオール類又はビスフェノール類を使用できる。ポリエステル樹脂を合成するためのカルボン酸としては、例えば以下に示す2価カルボン酸又は3価以上のカルボン酸を使用できる。
結晶性ポリエステル樹脂は、アルコール成分として、炭素数2以上8以下のα,ω−アルカンジオールを含むことが好ましい。α,ω−アルカンジオールは、例えば、2種類のα,ω−アルカンジオールであることが好ましい。より具体的には、α,ω−アルカンジオールは、炭素数4の1,4−ブタンジオールと炭素数6の1,6−ヘキサンジオールとであることが好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂は、アルコール成分として、ビスフェノール類を含むことが好ましい。ビスフェノール類は、例えば、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、及びビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物のうちの少なくとも1つであることが好ましい。
結着樹脂として複数種の樹脂を組み合わせて使用することで、結着樹脂の性質(具体的には、水酸基価、酸価、ガラス転移点、又は軟化点)を調整できる。例えば、結着樹脂がエステル基、水酸基、エーテル基、酸基、又はメチル基を有する場合には、トナーコアはアニオン性になる傾向が強くなる。また、結着樹脂がアミノ基又はアミド基を有する場合には、トナーコアはカチオン性になる傾向が強くなる。結着樹脂が強いアニオン性を有するためには、結着樹脂の酸価及び水酸基価の少なくとも一方が10mgKOH/g以上であることが好ましい。
着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。トナーを用いて高画質の画像を形成するためには、着色剤の量が、結着樹脂100質量部に対して、1.00質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
離型剤は、例えば、トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させる目的で使用される。トナーコアのアニオン性を強めるためには、アニオン性を有するワックスを用いてトナーコアを作製することが好ましい。トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させるためには、離型剤の量は、結着樹脂100質量部に対して、1.00質量部以上30.0質量部以下であることが好ましい。
電荷制御剤は、例えば、トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電可能か否かの指標になる。
シェル層は、正帯電性を有する樹脂を含有し、好ましくは正帯電性を有する樹脂で構成される。正帯電性を有する樹脂は、好ましくは、スチレン−アクリル酸系樹脂及び非晶性ポリエステル樹脂のうちの少なくとも1つであり、より好ましくは、スチレン−アクリル酸系樹脂である。非晶性ポリエステル樹脂は、上記(結着樹脂:非晶性ポリエステル樹脂)で説明したとおりである。以下では、スチレン−アクリル酸系樹脂を説明する。
第1粒子Aとして、シリカ粒子(株式会社日本触媒製「シーホスター(登録商標)KE−P30」)を準備した。第1粒子Bとして、シリカ粒子(株式会社日本触媒製「シーホスターKE−P20」)を準備した。第1粒子Cとして、シリカ粒子(株式会社日本触媒製「シーホスターKE−P50」)を準備した。第1粒子Dとして、シリカ粒子(株式会社日本触媒製「シーホスターKE−P10」)を準備した。第1粒子Eとして、シリカ粒子(株式会社日本触媒製「シーホスターKE−P70」)を準備した。
まず、攪拌機とコンデンサと温度計と窒素導入管とを備えるフラスコ(容量:2L)に、250質量部のイソブタノール(溶媒)と、45質量部のジエチルアミノエチルメタクリレートと、45質量部のパラトルエンスルホン酸メチルとを入れた。フラスコの温度を80℃まで上昇させた。フラスコの温度を80℃に保った状態で、窒素雰囲気下において1時間にわたってフラスコの内容物を攪拌した。この状態を維持しながら、4級化反応を進行させた。
<トナーT−1の製造方法>
まず、トナー母粒子の製造工程を行った。次に、外添工程を行った。
(1−1.トナーコアの製造工程)
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)に、2880質量部の非晶性ポリエステル樹脂(数平均分子量Mn:1882、質量平均分子量Mw:4324、酸価:25.2mgKOH/g、軟化点Tm:82.1℃、ガラス転移点Tg:55.3℃)と、720質量部の結晶性ポリエステル樹脂(数平均分子量Mn:1131、質量平均分子量Mw:34012、酸価:3.6mgKOH/g、水酸基価:17.9mgKOH/g、軟化点Tm:85.6℃、融点Mp:76.4℃、結晶性指数:1.12)と、184質量部のワックス(合成エステル型ワックス、軟化点Tm:76℃、酸価:0.1mgKOH/g)と、216質量部のシアン顔料P.B.15−3(マスターバッチ、非晶性ポリエステル樹脂:シアン顔料=1:1(質量比))とを入れた。FMミキサーの内容物を回転速度2400rpmで180秒間混合した。
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10B」)に、1000質量部のトナーコアと300質量部の第1粒子Aとを入れた。FMミキサーのジャケットにおいて温水(40℃)を循環させながら、FMミキサーの内容物を回転速度2800rpmで10分間混合した。得られた粉体を、200メッシュ(目開き75μm)の篩を用いて篩別した。このようにして、複合トナーコアを得た。
攪拌機を備えた丸底フラスコ(容量:2L、材料:ステンレス)に、50質量部のアニオン界面活性剤(花王株式会社製「エマール(登録商標) 0」)の水溶液(濃度:25質量%)と500質量部の蒸留水とを入れた後、500質量部の複合トナーコアを加えた。丸底フラスコの温度を25℃に保ちながら、丸底フラスコの内容物を10分間にわたって回転速度100rpmで攪拌した。丸底フラスコに2質量部の塩酸水溶液(濃度:2N)を加えて、丸底フラスコの内容物のpHを4.5とした。
ブフナー漏斗を用いて、丸底フラスコの内容物を吸引濾過した。得られたウェットケーキ状のトナー母粒子をイオン交換水に再度分散させた。得られた分散液を、ブフナー漏斗を用いて、吸引濾過した。このような固液分離処理を5回にわたって繰返し行った。
洗浄工程を経たウェットケーキ状のトナー母粒子を、35℃で48時間にわたって乾燥させた。このようにして、トナー母粒子を得た。得られたトナー母粒子では、体積中位径(D50)は5.53μmであり、平均円形度は0.959であった。
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10B」)に、1000質量部のトナー母粒子と、15質量部の外添剤粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)REA90」、内容:表面処理により正帯電性が付与された乾式シリカ粒子、個数平均1次粒子径:約20nm)とを、入れた。FMミキサーのジャケットにおいて温水(30℃)を循環させながら、FMミキサーの内容物を回転速度2400rpmで10分間混合した。得られた粉体を、200メッシュ(目開き75μm)の篩を用いて篩別した。このようにして、多数のトナー粒子を含むトナー(トナーT−1)を得た。
上記(1−2.第1粒子の埋没工程)では、FMミキサーに1000質量部のトナーコアと200質量部の第1粒子Bとを入れた。この点を除いてはトナーT−1の製造方法に従い、トナーT−2を製造した。
上記(1−2.第1粒子の埋没工程)では、FMミキサーに1000質量部のトナーコアと500質量部の第1粒子Cとを入れた。この点を除いてはトナーT−1の製造方法に従い、トナーT−3を製造した。
上記(1−2.第1粒子の埋没工程)における第1粒子Aの配合量を200質量部とした。この点を除いてはトナーT−1の製造方法に従い、トナーT−4を製造した。
上記(1−3.シェル層の形成工程)における分散液Qの配合量を120質量部とした。この点を除いてはトナーT−1の製造方法に従い、トナーT−5を製造した。
上記(1−2.第1粒子の埋没工程)では、FMミキサーに1000質量部のトナーコアと100質量部の第1粒子Dとを入れた。この点を除いてはトナーT−1の製造方法に従い、トナーT−6を製造した。
上記(1−2.第1粒子の埋没工程)では、FMミキサーに1000質量部のトナーコアと700質量部の第1粒子Eとを入れた。この点を除いてはトナーT−1の製造方法に従い、トナーT−7を製造した。
上記(1−2.第1粒子の埋没工程)における第1粒子Aの配合量を150質量部とした。この点を除いてはトナーT−1の製造方法に従い、トナーT−8を製造した。
上記(1−3.シェル層の形成工程)における分散液Qの配合量を40質量部とした。この点を除いてはトナーT−1の製造方法に従い、トナーT−9を製造した。
上記(1−3.シェル層の形成工程)と、上記(1−4.洗浄工程)と、上記(1−5.乾燥工程)とを行わなかった。この点を除いてはトナーT−1の製造方法に従い、トナーT−10を製造した。
上記(1−3.シェル層の形成工程)における分散液Qの配合量を140質量部とした。この点を除いてはトナーT−1の製造方法に従い、トナーT−11を製造した。
以下に示す方法で、第1粒子の突出高さの個数平均値と、第1粒子の被覆率と、シェル層の厚さとを測定した。なお、これらの物性値を測定する際には、試料として、外添剤が除去されたトナー粒子(つまり、トナー母粒子)を使用した。
まず、トナー母粒子(トナーT−1〜T−11の各々に含まれるトナー母粒子)の断面TEM写真を撮影した。次に、トナー母粒子の断面TEM写真を、画像解析ソフトウェア(三谷商事株式会社製「WinROOF」)を用いて、解析した。詳しくは、画像解析ソフトウェアにおいて、計測ツールの手動計測のライン長計測を選択した。手動計測のライン長計測を選択した状態で、トナー母粒子の断面TEM写真において、第1粒子(第1粒子A〜Eの各々)を無作為に数個、選択した。そして、選択した第1粒子の各々において、トナー粒子の径方向における突出部分の長さを計測し、その個数平均値を算出した。このようにして求められた長さの個数平均値を「第1粒子の突出高さの個数平均値」とした。
透過電子顕微鏡(TEM、株式会社日立ハイテクノロジーズ製「H−7100FA」)を用いて、トナー母粒子のTEM写真(倍率100000倍)を撮影した。次に、得られたトナー母粒子のTEM写真を、画像解析ソフトウェア(三谷商事株式会社製「WinROOF」)を用いて、二値化処理した。このとき、トナーコアの表面領域において第1粒子(第1粒子A〜Eの各々)が設けられている領域と第1粒子が設けられていない領域とが明確になるように、トナー母粒子のTEM写真に対して二値化処理を行った。そして、第1粒子の投影面積を用いて、表面全域に占める第1粒子の割合を算出した。この操作を、10枚のTEM写真(トナー母粒子のTEM写真)に対して行って、第1粒子の占有割合の平均値を算出した。このようにして求められた平均値を「第1粒子の被覆率」とした。
まず、透過電子顕微鏡(TEM、株式会社日立ハイテクノロジーズ製「H−7100FA」)を用いて、トナー母粒子の断面TEM写真を撮影した。次に、得られたトナー母粒子の断面TEM写真を、画像解析ソフトウェア(三谷商事株式会社製「WinROOF」)を用いて、解析した。詳しくは、トナー母粒子の断面の略中心で直交する2本の直線を引いた。その2本の直線の各々において、トナーコアとシェル層との界面(トナーコアの表面に相当)からシェル層の表面までの長さを測定した。このようにして測定された4箇所の長さの平均値を、1個のトナー母粒子が備えるシェル層の厚さとした。このようなシェル層の厚さの測定を複数のトナー母粒子に対して行い、複数のトナー母粒子(測定対象)が備えるシェル層の厚さの平均値を求めた。このようにして求められたシェル層の厚さの平均値を「シェル層の厚さ」とした。
以下に示す方法で、トナーの耐熱保存安定性と、トナーの帯電量と、トナーの飛散量と、かぶり濃度とを評価した。
まず、3gのトナー(トナーT−1〜T−11の各々)をポリエチレン製容器(容量:20mL)に入れた。ポリエチレン製容器を、恒温槽(56℃に設定)に入れ、3時間及び48時間静置した。ポリエチレン製容器を、恒温槽から取り出し、温度25℃且つ湿度65%RHの環境下で30分間静置した。トナーを、ポリエチレン製容器から取り出し、325メッシュ(目開き45μm)の篩(質量既知)の上に置いた。篩をパウダーテスター(登録商標)(ホソカワミクロン株式会社製「TYPE PT−E 84810」)に取り付けた。5メモリの条件で30秒間、トナーをふるった。篩上に残存したトナーの質量を測定し、下記式に基づいてトナーの残分(単位:%)を算出した。
トナーの残分(単位:%)=篩上に残存したトナーの質量(単位:g)×100/ポリエチレン製容器に入れたトナーの質量(3g)
良好(○):トナーの残分が10%未満
普通(△):トナーの残分が10%以上20%未満
不良(×):トナーの残分が20%以上
(評価対象の調製方法)
まず、キャリアを作製した。詳しくは、1350質量部の水に、30.00質量部のポリアミドイミド樹脂(無水トリメリット酸と4,4’−ジアミノジフェニルメタンとの共重合体)と120.0質量部のFEP(4フッ化エチレンと6フッ化プロピレンとの共重合体)とを溶解した。この水溶液に3.000質量部のシリカ粒子を分散させた。このようにして、キャリアコート液を得た。
カラー複合機(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa5550ci」)の現像部に、評価対象と、評価対象とは異なる色のトナーとを入れた。評価対象とは異なる色のトナーには、マゼンタトナーとイエロートナーとブラックトナーとが含まれていた。これらのトナーは、何れも、未使用状態であった。また、カラー複合機のトナーコンテナに、補給用トナー(未使用状態)を入れた。このようにして、評価機を準備した。
温度28℃且つ湿度65%RHの環境下で、評価機を用いて、印字率5%のサンプル画像を印刷用紙(A4サイズ)に10万枚連続で印刷する耐刷試験(以下、「5%耐刷」と記載する)を行った。
トナーの帯電量(単位:μC/g)=吸引されたトナーの総電気量(単位:μC)/吸引されたトナーの質量(単位:g)
良好(○):5%耐刷後の帯電量が20μC/g以上40μC/g未満
不良(×):5%耐刷後の帯電量が20μC/g未満又は40μC/g以上
良好(○):トナーの飛散量が0.5g未満
普通(△):トナーの飛散量が0.5g以上1.0g未満
不良(×):トナーの飛散量が1.0g以上
上記(評価機の準備方法)で示す方法で準備した評価機を用いて、かぶり濃度を評価した。詳しくは、まず、温度28℃且つ湿度65%RHの環境下で、評価機を用いて、印字率2%の文字パターンを印刷用紙(A4サイズ)に5000枚連続で印刷した。その後、印字率100%のパッチパターンを印刷用紙(A4サイズ)に1000枚連続で印刷した。
良好(○):かぶり濃度(FD)が0.004以下
普通(△):かぶり濃度(FD)が0.004超0.01未満
不良(×):かぶり濃度(FD)が0.01以上
20 トナー母粒子
21 トナーコア
23 第1粒子
25 シェル層
50 トナー粒子
52 外添剤粒子
231 埋没部分
233 突出部分
Claims (7)
- 正帯電性を有する静電潜像現像用トナーであって、
前記静電潜像現像用トナーは、複数のトナー粒子を含み、
前記トナー粒子は、各々、トナー母粒子を備え、
前記トナー母粒子は、各々、トナーコアと、シリカを含有する複数の第1粒子と、シェル層とを有し、
前記トナーコアは、各々、結晶性ポリエステル樹脂と、非晶性ポリエステル樹脂とを含有し、
前記第1粒子は、各々、前記トナーコアの表面に埋め込まれている埋没部分と、前記トナーコアの表面よりも前記トナー粒子の径方向外側に突出する突出部分とを含み、
前記トナーコアの表面領域のうち、前記第1粒子で被覆された前記トナーコアの面積の割合が、50%以上であり、
前記第1粒子の個数平均1次粒子径Rfが、200nm以上500nm以下であり、
前記シェル層は、前記トナーコアの表面のうち前記第1粒子から露出する部分と、前記突出部分の表面とを被覆し、
前記シェル層は、前記非晶性ポリエステル樹脂よりも強い正帯電性を有する樹脂を含有し、
前記シェル層の厚さTが、20nm以上50nm以下である、静電潜像現像用トナー。 - 前記トナー粒子の径方向における前記突出部分の長さの個数平均値Hが、前記第1粒子の個数平均1次粒子径Rfの0.4倍以上0.8倍以下である、請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記第1粒子は、各々、表面に疎水化処理と正帯電化処理とが施されていないシリカ粒子である、請求項1又は2に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記トナー粒子は、各々、前記シェル層の表面に付着する外添剤をさらに備え、
前記外添剤は、複数の外添剤粒子を含み、
前記外添剤粒子は、各々、シリカ粒子の表面に疎水化処理と正帯電化処理とが施されて構成された粒子を含み、
前記外添剤粒子の個数平均1次粒子径Rsが、10nm以上40nm以下である、請求項1〜3の何れか一項に記載の静電潜像現像用トナー。 - 前記非晶性ポリエステル樹脂よりも強い正帯電性を有する樹脂は、スチレン−アクリル酸系樹脂である、請求項1〜4の何れか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
- 請求項1〜5の何れか一項に記載の静電潜像現像用トナーの製造方法であって、
前記トナーコアを製造する工程と、
前記第1粒子の各々の一部分を、前記トナーコアの表面に埋め込む工程と、
前記シェル層を、前記トナーコアの表面のうち前記第1粒子から露出する部分と前記突出部分の表面とに形成する工程と、
を含む、静電潜像現像用トナーの製造方法。 - 前記トナーコアを製造する工程は、粉砕法により前記トナーコアを製造する工程を含む、請求項6に記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
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JP2017025885A JP6601435B2 (ja) | 2017-02-15 | 2017-02-15 | 静電潜像現像用トナー及びその製造方法 |
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