JP2018131706A - 印刷用塗工紙 - Google Patents
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Abstract
【課題】インクジェット印刷機において、印刷中のコックリングやシワの発生を抑制し、印刷後に平判へ裁断してもカールの発生を抑制できる印刷用塗工紙を提供することである。【解決手段】課題は、原紙と、原紙の少なくとも一方の面に顔料、バインダー、塩化カルシウムおよびポリエチレングリコールを少なくとも含有する塗工層とを有する坪量35g/m2以上70g/m2以下の印刷用塗工紙であり、塗工層における片面あたりの、塩化カルシウムの含有量が0.19g/m2以上1.0g/m2以下、かつ、ポリエチレングリコールの含有量が0.16g/m2以上0.80g/m2以下である印刷用塗工紙によって解決される。【選択図】なし
Description
本発明は、インクジェット印刷機に用いる印刷用塗工紙であり、特に、輪転方式のインクジェット印刷機に好適な印刷用塗工紙に関する。
無版印刷やオンデマンド印刷に対応することができるインクジェット印刷機が公知である(例えば、特許文献1参照)。さらに、輪転方式のインクジェット印刷機も公知である(例えば、特許文献2参照)。
インクジェット記録におけるコックリングの発生が抑制されたインクジェット記録媒体として、平均細孔径が0.8nm〜20nmである六方構造の細孔を有し、平均粒子径が50nm〜100μmである多孔質シリカを填料として含む原紙と、前記原紙の少なくとも一方の面上に配置された無機微粒子およびバインダーを含むインク受容層とを備えるインクジェット記録媒体が公知である(例えば、特許文献3参照)。
輪転方式のインクジェット印刷機では、印刷するために印刷用塗工紙に対して、紙の巻き出しから巻き取りまでの間で張力がかけられている。印刷用塗工紙は、巻き出しから巻き取りまでの間で、インクジェット印刷工程および乾燥工程を経る。張力がかかっている状態でインクジェット印刷されると、印刷用塗工紙は、紙の搬送方向と並行する形で波打ち現象やシワを発生する場合がある。通常、CD方向に比べてMD方向が紙の強度において強いことから、紙の巻き取りはMD方向で行われる。従って、紙の搬送方向と並行する形で波打ち現象(コックリング)やシワを発生し易い。これは、インクジェットの特徴であるインクの液滴を吐出する原理のために、インクジェット印刷機に用いられるインクは、水などの溶媒やグリセリンなどの乾燥防止剤をオフセット印刷機などのインキに比べて比較的多く含有するからである。また印刷後、巻き取り状態から解放され平判に断裁したときに、印刷用塗工紙はカールを発生する場合がある。
特許文献3に記載されたインクジェット記録媒体は、特に、輪転方式のインクジェット印刷機において、印刷中のコックリングやシワの発生および印刷後に平判へ裁断したときのカールの発生を十分に抑制できない。
特許文献3に記載されたインクジェット記録媒体は、特に、輪転方式のインクジェット印刷機において、印刷中のコックリングやシワの発生および印刷後に平判へ裁断したときのカールの発生を十分に抑制できない。
本発明の目的は、インクジェット印刷機、特に、輪転方式のインクジェット印刷機において、印刷中のコックリングやシワの発生を抑制し、印刷後に平判へ裁断してもカールの発生を抑制できる印刷用塗工紙を提供することである。
本発明の目的は、以下により達成される。
[1]原紙と、原紙の少なくとも一方の面に顔料、バインダー、塩化カルシウムおよびポリエチレングリコールを少なくとも含有する塗工層とを有する坪量35g/m2以上70g/m2以下の印刷用塗工紙であり、塗工層における片面あたりの、塩化カルシウムの含有量が0.19g/m2以上1.0g/m2以下、かつ、ポリエチレングリコールの含有量が0.16g/m2以上0.80g/m2以下である印刷用塗工紙。
[1]原紙と、原紙の少なくとも一方の面に顔料、バインダー、塩化カルシウムおよびポリエチレングリコールを少なくとも含有する塗工層とを有する坪量35g/m2以上70g/m2以下の印刷用塗工紙であり、塗工層における片面あたりの、塩化カルシウムの含有量が0.19g/m2以上1.0g/m2以下、かつ、ポリエチレングリコールの含有量が0.16g/m2以上0.80g/m2以下である印刷用塗工紙。
[2]前記ポリエチレングリコールの重量平均分子量が600以下である前記[1]に記載の印刷用塗工紙。
本発明により、インクジェット印刷機、特に、輪転方式のインクジェット印刷機において、印刷中のコックリングやシワの発生を抑制し、印刷後に平判へ裁断してもカールの発生を抑制できる印刷用塗工紙を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
輪転方式のインクジェット印刷機は、ヒューレットパッカード社の輪転機能を備えた大型インクジェット印刷機「HP PageWide Web Pressシリーズ」、ミヤコシ社のインクジェット印刷機「MJPシリーズ」、コダック社の高速カラーインクジェットデジタル輪転印刷機「Kodak PROSPER Platformシリーズ」などとして、既に市販されている。
印刷用塗工紙は、坪量が70g/m2以下であり、60g/m2以下がより好ましい。この範囲であると、本発明の効果が顕著に現れるからである。なお、印刷用塗工紙の坪量の下限は、印刷用塗工紙で使用でき得る範囲の坪量であればよく、本発明において坪量の下限は35g/m2以上である。
印刷用塗工紙は、厚さが70μm以下であることが好ましい。厚さがこの範囲であると、本発明の効果が顕著に現れるからである。厚さの下限は特に限定しないが、通常、印刷用塗工紙で使用でき得る範囲の厚さである。本発明において厚さの下限は40μm以上が好ましい。
原紙は、LBKP、NBKPなどの化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGPなどの機械パルプ、およびDIPなどの古紙パルプに、炭酸カルシウムなどの填料を加え、サイズ剤、歩留まり剤、カチオン性化合物、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤など必要に応じて各種添加剤を配合した紙料から、酸性、中性、アルカリ性の条件で抄造した紙である。前記紙は、抄造後に、後述のカレンダー装置を用いてカレンダー処理を施してもよい。原紙の坪量は60g/m2以下が好ましい。この範囲であると、本発明の効果が顕著に現れるからである。なお、原紙の坪量の下限は、安定に生産できる坪量以上であればよく、特に限定されない。本発明において原紙の坪量の下限は28g/m2以上が好ましい。
本発明において、原紙のサイズ度は、本発明の所望の効果を損なわない限りいずれのサイズ度でもよい。サイズ度は、紙料に配合する内添サイズ剤の量、原紙に塗布する表面サイズ剤の塗工量によって調整することができる。内添サイズ剤は、例えば、ロジン系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸、アルキルケテンダイマー、中性ロジン系サイズ剤およびカチオン性スチレン−アクリル系サイズ剤などを挙げることができる。表面サイズ剤は、例えば、スチレン−アクリル系サイズ剤、オレフィン系サイズ剤、スチレン−マレイン酸系サイズ剤などを挙げることができる。
塗工層は、顔料を含有する。
顔料は、製紙分野で従来公知の顔料から選ばれる少なくとも1種である。顔料の例としては、カオリン、炭酸カルシウム、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、スチレン−アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂などの有機顔料を挙げることができる。
顔料は、製紙分野で従来公知の顔料から選ばれる少なくとも1種である。顔料の例としては、カオリン、炭酸カルシウム、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、スチレン−アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂などの有機顔料を挙げることができる。
塗工層は、バインダーを含有する。
バインダーは、製紙分野で従来公知の水分散性バインダーおよび水溶性バインダーから選ばれる少なくとも1種である。水分散性バインダーの例としては、スチレン−ブタジエン共重合体またはアクリロニトリル−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの重合体あるいはメチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などのアクリル系共重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス、ポリウレタン樹脂ラテックス、アルキド樹脂ラテックス、不飽和ポリエステル樹脂ラテックス、またはこれらの各種共重合体のカルボキシル基などの官能基含有単量体による官能基変性共重合体ラテックス、あるいはメラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化合成樹脂を挙げることができる。水溶性バインダーの例としては、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルアルコールまたはシラノール変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール誘導体、カゼインやゼラチンまたはそれらの変性物、大豆蛋白、プルラン、アラビアゴム、カラヤゴム、アルブミンなどの天然高分子樹脂またはこれらの誘導体、ポリアクリル酸ソーダなどのビニルポリマー、アルギン酸ソーダ、無水マレイン酸またはその共重合体などを挙げることができる。
バインダーは、製紙分野で従来公知の水分散性バインダーおよび水溶性バインダーから選ばれる少なくとも1種である。水分散性バインダーの例としては、スチレン−ブタジエン共重合体またはアクリロニトリル−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの重合体あるいはメチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などのアクリル系共重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス、ポリウレタン樹脂ラテックス、アルキド樹脂ラテックス、不飽和ポリエステル樹脂ラテックス、またはこれらの各種共重合体のカルボキシル基などの官能基含有単量体による官能基変性共重合体ラテックス、あるいはメラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化合成樹脂を挙げることができる。水溶性バインダーの例としては、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルアルコールまたはシラノール変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール誘導体、カゼインやゼラチンまたはそれらの変性物、大豆蛋白、プルラン、アラビアゴム、カラヤゴム、アルブミンなどの天然高分子樹脂またはこれらの誘導体、ポリアクリル酸ソーダなどのビニルポリマー、アルギン酸ソーダ、無水マレイン酸またはその共重合体などを挙げることができる。
塗工層は、塩化カルシウムを含有する。
塩化カルシウムは、無水物、一水和物、二水和物、四水和物および六水和物が存在し、これらから選ばれる1種以上である。本明細書において塩化カルシウムの量は、無水物の値または無水物として計算した値である。
塩化カルシウムは、無水物または一水和物が好ましく、無水物がより好ましい。
塩化カルシウムは、無水物、一水和物、二水和物、四水和物および六水和物が存在し、これらから選ばれる1種以上である。本明細書において塩化カルシウムの量は、無水物の値または無水物として計算した値である。
塩化カルシウムは、無水物または一水和物が好ましく、無水物がより好ましい。
塗工層は、ポリエチレングリコールを含有する。
ポリエチレングリコールは、HO−(CH2CH2O)n−Hの一般式で示される化合物である。一般的に、分子量400以下が液状、400から600が半固体状、600から1000がワックス状、概ね1000以上からがロウ状である。
ポリエチレングリコールの重量平均分子量の下限は100以上が好ましく、200以上がより好ましい。ポリエチレングリコールの重量平均分子量の上限は600以下が好ましく、400以下がより好ましい。
ポリエチレングリコールは、HO−(CH2CH2O)n−Hの一般式で示される化合物である。一般的に、分子量400以下が液状、400から600が半固体状、600から1000がワックス状、概ね1000以上からがロウ状である。
ポリエチレングリコールの重量平均分子量の下限は100以上が好ましく、200以上がより好ましい。ポリエチレングリコールの重量平均分子量の上限は600以下が好ましく、400以下がより好ましい。
紙を構成する繊維等は水分によって伸縮するため、一般的に、紙のコックリング、シワおよびカールは紙が有する水分による部分的な伸縮に起因する。コックリングやシワは紙面における部分的な伸縮の程度差に関係し、カールは紙の表裏間における伸縮の程度差に関係する。
塩化カルシウムは吸湿性を有し、ポリエチレングリコールは保湿性を有する。塩化カルシウムの吸湿性とポリエチレングリコールの保湿性との相乗作用によって本発明の効果を得ることができる。この理由は、これら化合物を有することによって、印刷用塗工紙は、水分保持を安定化することができ、結果としてコックリング、シワおよびカールの発生を抑制できる、と考えられる。塩化カルシウムだけまたはポリエチレングリコールだけであっても幾分本発明の効果が認められるが、これら化合物を含有することによって顕著となる。
塩化カルシウムが無水物または一水和物が好ましい理由は、より吸湿性に富むからである。また、ポリエチレングリコールの重量平均重合度600以下が好ましい理由は、より保湿性が富むからである、と推察する。
塩化カルシウムは吸湿性を有し、ポリエチレングリコールは保湿性を有する。塩化カルシウムの吸湿性とポリエチレングリコールの保湿性との相乗作用によって本発明の効果を得ることができる。この理由は、これら化合物を有することによって、印刷用塗工紙は、水分保持を安定化することができ、結果としてコックリング、シワおよびカールの発生を抑制できる、と考えられる。塩化カルシウムだけまたはポリエチレングリコールだけであっても幾分本発明の効果が認められるが、これら化合物を含有することによって顕著となる。
塩化カルシウムが無水物または一水和物が好ましい理由は、より吸湿性に富むからである。また、ポリエチレングリコールの重量平均重合度600以下が好ましい理由は、より保湿性が富むからである、と推察する。
塗工層中における片面あたりの塩化カルシウムの含有量は、0.19g/m2以上1.0g/m2以下である。塩化カルシウムの含有量が上記下限未満であると、本発明の効果を得ることができない。吸湿性を得る目的では塩化カルシウムの含有量に上限は無い。しかしながら、塩化カルシウムの含有量が上記上限を超えると、塗工層の強度が低下するという問題を有する。
塗工層中における片面あたりのポリエチレングリコールの含有量は、0.16g/m2以上0.80g/m2以下である。ポリエチレングリコールの含有量が上記下限未満であると、本発明の効果を得ることができない。保湿性を得る目的ではポリエチレングリコールの含有量に上限は無い。しかしながら、ポリエチレングリコールの含有量が上記上限を超えると、塗工層の強度が低下するという問題を有する。
塗工層は、顔料、バインダー、塩化カルシウムおよびポリエチレングリコール以外に、染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、粘度安定剤、pH調整剤、界面活性剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤等の製紙分野で従来公知の添加剤を適宜含有することができる。
原紙上に塗工層を設ける方法は、塗工層塗工液を塗工および乾燥する方法が好ましい。塗工層塗工液の塗工は、従来公知の塗工装置を用いる方法であって、特に限定されない。塗工装置の例としては、エアーナイフコーター、カーテンコーター、スライドリップコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ビルブレードコーター、ショートドエルブレードコーター、ゲートロールコーター、フィルムトランスファーコーター、バーコーター、ロッドコーター、ロールコーター、サイズプレス等を挙げることができる。塗工装置は、高速生産性の点から、ブレードコーター、ビルブレードコーター、ショートドエルブレードコーター、またはフィルムトランスファーコーターが好ましい。塗工装置は、フィルムトランスファーコーターがさらに好ましい。
塗工層塗工液の乾燥は、従来公知の乾燥装置を用いる方法であって特に限定されない。乾燥装置の例としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアーループドライヤー、サインカーブエアーフロートドライヤー等の熱風乾燥機、赤外線加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した乾燥機等を挙げることができる。
塗工層の塗工量は、下限について、乾燥固形分で3g/m2以上が好ましく、5g/m2以上がより好ましい。塗工層の塗工量は、上限について、乾燥固形分で30g/m2以下が好ましく、20g/m2以下がより好ましく、10g/m2以下が更に好ましい。
塗工層塗工液の乾燥は、従来公知の乾燥装置を用いる方法であって特に限定されない。乾燥装置の例としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアーループドライヤー、サインカーブエアーフロートドライヤー等の熱風乾燥機、赤外線加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した乾燥機等を挙げることができる。
塗工層の塗工量は、下限について、乾燥固形分で3g/m2以上が好ましく、5g/m2以上がより好ましい。塗工層の塗工量は、上限について、乾燥固形分で30g/m2以下が好ましく、20g/m2以下がより好ましく、10g/m2以下が更に好ましい。
塗工層を設けた後には、必要に応じてマシンカレンダー、ソフトニップカレンダー、スーパーカレンダー、多段カレンダー、マルチニップカレンダー等を用いてカレンダー処理を施すことができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその主旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、実施例において示す質量部および質量%は、乾燥固形分あるいは実質成分の値を示す。また、塗工量は乾燥固形分の値を示す。
(原紙の作製)
ろ水度500mlのLBKP、100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウムを原紙の灰分量が23質量%になる質量部数、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)1.0質量部を混合した紙料を、長網抄紙機で抄造し、次にマシンカレンダー処理をして、結果として坪量が58.9g/m2、53.2g/m2、41.3g/m2になる原紙を作製した。
ろ水度500mlのLBKP、100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウムを原紙の灰分量が23質量%になる質量部数、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)1.0質量部を混合した紙料を、長網抄紙機で抄造し、次にマシンカレンダー処理をして、結果として坪量が58.9g/m2、53.2g/m2、41.3g/m2になる原紙を作製した。
<塗工層塗工液の調製>
塗工層塗工液は、下記の内容により調製した。
重質炭酸カルシウム 50質量部
軽質炭酸カルシウム 50質量部
ポリビニルアルコール 10質量部
リン酸エステル化澱粉 10質量部
塩化カルシウム 質量部数は表1に記載
ポリエチレングリコール 質量部数は表1に記載
上記の内容で配合し、水で混合分散して固形分濃度40質量%に調整した。
塗工層塗工液は、下記の内容により調製した。
重質炭酸カルシウム 50質量部
軽質炭酸カルシウム 50質量部
ポリビニルアルコール 10質量部
リン酸エステル化澱粉 10質量部
塩化カルシウム 質量部数は表1に記載
ポリエチレングリコール 質量部数は表1に記載
上記の内容で配合し、水で混合分散して固形分濃度40質量%に調整した。
実施例および比較例の印刷用塗工紙を以下の手順によって作製した。
<印刷用塗工紙の作製>
原紙両面に塗工層塗工液を、フィルムトランスファーコーターを用いて塗工および熱風乾燥機を用いて乾燥し、塗工紙を得た。次に、得られた塗工紙にカレンダー処理を施して印刷用塗工紙を得た。カレンダー処理は、弾性ロールと金属ロールからなる装置を用いて、ニップ線圧は幅方向の厚みプロファイルが適切に得られる範囲において線圧75〜85kN/mの範囲で行った。また、金属ロールの温度は40℃とした。片面あたりの塗工量を表1に記載した。
原紙両面に塗工層塗工液を、フィルムトランスファーコーターを用いて塗工および熱風乾燥機を用いて乾燥し、塗工紙を得た。次に、得られた塗工紙にカレンダー処理を施して印刷用塗工紙を得た。カレンダー処理は、弾性ロールと金属ロールからなる装置を用いて、ニップ線圧は幅方向の厚みプロファイルが適切に得られる範囲において線圧75〜85kN/mの範囲で行った。また、金属ロールの温度は40℃とした。片面あたりの塗工量を表1に記載した。
得られた印刷用塗工紙に対して、評価は、以下の方法によって行った。評価結果を表2に示す。塩化カルシウムの含有量が本発明の範囲を超える比較例5およびポリエチレングリコールの含有量が本発明の範囲を超える比較例6は、表2中に記載がないが、塗層強度が低下したために塗工層の欠落が発生した。そのため、輪転方式のインクジェット印刷機に対してコックリング、シワおよびカールについて評価しなかった。
<コックリングの評価>
ヒューレットパッカード社製輪転方式のインクジェット印刷機(HP PageWide Web Press T300 Color)で、印刷速度120m/分、CMYK4色インクで印刷を行った。印刷後に巻き取られた印刷用塗工紙から、任意に1m×1mサイズに一部切り取り、発生するコックリングを目視によって下記の4段階で評価した。本発明において、2〜4の評価であれば印刷用塗工紙はコックリングの発生が抑制されているものとする。
4:コックリングが認められず、極めて良好。
3:コックリングが僅かに認められるが、良好。
2:コックリングが認められるが、実用上問題ない程度。
1:コックリングが認められ、実用上問題になる程度。
ヒューレットパッカード社製輪転方式のインクジェット印刷機(HP PageWide Web Press T300 Color)で、印刷速度120m/分、CMYK4色インクで印刷を行った。印刷後に巻き取られた印刷用塗工紙から、任意に1m×1mサイズに一部切り取り、発生するコックリングを目視によって下記の4段階で評価した。本発明において、2〜4の評価であれば印刷用塗工紙はコックリングの発生が抑制されているものとする。
4:コックリングが認められず、極めて良好。
3:コックリングが僅かに認められるが、良好。
2:コックリングが認められるが、実用上問題ない程度。
1:コックリングが認められ、実用上問題になる程度。
<シワの評価>
ヒューレットパッカード社製輪転方式のインクジェット印刷機(HP PageWide Web Press T300 Color)で、印刷速度120m/分、CMYK4色インクで印刷を行った。印刷中において、印刷機の乾燥工程付近で印刷用塗工紙に発生するシワを目視によって下記の4段階で評価した。本発明において、2〜4の評価であれば印刷用塗工紙はシワの発生が抑制されているものとする。
4:シワが認められず、極めて良好。
3:シワが僅かに認められるが、良好。
2:シワが認められるが、実用上問題ない程度。
1:シワが認められ、実用上問題になる程度。
ヒューレットパッカード社製輪転方式のインクジェット印刷機(HP PageWide Web Press T300 Color)で、印刷速度120m/分、CMYK4色インクで印刷を行った。印刷中において、印刷機の乾燥工程付近で印刷用塗工紙に発生するシワを目視によって下記の4段階で評価した。本発明において、2〜4の評価であれば印刷用塗工紙はシワの発生が抑制されているものとする。
4:シワが認められず、極めて良好。
3:シワが僅かに認められるが、良好。
2:シワが認められるが、実用上問題ない程度。
1:シワが認められ、実用上問題になる程度。
<カールの評価>
ヒューレットパッカード社製輪転方式のインクジェット印刷機(HP PageWide Web Press T300 Color)で、印刷速度120m/分、CMYK4色インクで印刷を行った。印刷後に巻き取られた印刷用塗工紙から任意に、長辺がMD方向としてA4サイズに一部断裁した。断裁したA4印刷用塗工紙を常温常湿状態に24時間放置した後、発生するカールを目視によって下記の4段階で評価した。本発明において、2〜4の評価であれば印刷用塗工紙はカールの発生が抑制されているものとする。
4:カールがほぼ認められず、良好。
3:カールが幾分認められるが、良好。
2:カールが認められるが、実用上問題ない程度。
1:カールが認められ、実用上問題ある程度。
ヒューレットパッカード社製輪転方式のインクジェット印刷機(HP PageWide Web Press T300 Color)で、印刷速度120m/分、CMYK4色インクで印刷を行った。印刷後に巻き取られた印刷用塗工紙から任意に、長辺がMD方向としてA4サイズに一部断裁した。断裁したA4印刷用塗工紙を常温常湿状態に24時間放置した後、発生するカールを目視によって下記の4段階で評価した。本発明において、2〜4の評価であれば印刷用塗工紙はカールの発生が抑制されているものとする。
4:カールがほぼ認められず、良好。
3:カールが幾分認められるが、良好。
2:カールが認められるが、実用上問題ない程度。
1:カールが認められ、実用上問題ある程度。
表1の結果から、本発明に相当する実施例1〜18は、輪転方式のインクジェット印刷機に対してコックリング、シワおよびカールの発生が抑制されていると分かる。本発明に相当しない比較例1〜4および7〜10は本発明の効果が得られないと分かる。
また主に、実施例5および実施例17と実施例18との対比から、ポリエチレングリコールの分子量が600以下であることがより好ましいと分かる。
また主に、実施例5および実施例17と実施例18との対比から、ポリエチレングリコールの分子量が600以下であることがより好ましいと分かる。
Claims (2)
- 原紙と、原紙の少なくとも一方の面に顔料、バインダー、塩化カルシウムおよびポリエチレングリコールを少なくとも含有する塗工層とを有する坪量35g/m2以上70g/m2以下の印刷用塗工紙であり、塗工層における片面あたりの、塩化カルシウムの含有量が0. 19g/m2以上1.0g/m2以下、かつ、ポリエチレングリコールの含有量が0.16g/m2以上0.80g/m2以下である印刷用塗工紙。
- 前記ポリエチレングリコールの重量平均分子量が600以下である請求項1記載の印刷用塗工紙。
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2017
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