JP2018131074A - 乗物用シート - Google Patents
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Abstract
【課題】シートバックの背面カバーに形成されてテザーアンカが挿通されるアンカ挿通部の見栄えの向上を図ることが可能となる乗物用シートを提供する。【解決手段】シートバックを備えた乗物用シートであって、前記シートバックは、背面部を覆う背面カバーと、前記背面カバーに形成されたアンカ挿通部から先端部分が背面側へ突出可能に設けられて、テザーフックを係止可能なテザーアンカと、を有し、前記背面カバーは、前記テザーアンカの先端部分を挟んで上下方向に配置される上カバーと下カバーとを有し、前記上カバーと前記下カバーは、前記テザーアンカに対向する部分の左右方向両端部から左右方向外側部分の縁部同士が、互いの縫い代を裏側に折り返す形に縫い合わされて、スリット状の前記アンカ挿通部を形成するように構成する。【選択図】図2
Description
本発明は、乗物用シートに関するものである。
テザーベルトを備えたチャイルドシートを保持可能とするためのテザーアンカをシートバックの背面に有する乗物用シートが種々提案されている。例えば、下記特許文献1に開示された乗物用シートでは、チャイルドシートのテザーベルトは、通常はシートバックの上端縁部に沿って曲がった状態で、シートバックの背面部に固定されたテザーアンカに端部が接続されている。
しかしながら、前記した特許文献1に記載された乗物用シートでは、車両が前方衝突し、過大な減速加速度が発生した場合には、チャイルドシートが前転する挙動を示す。これにより、チャイルドシートの運動エネルギーによってテザーベルトに張力が発生し、この張力によってシートバック内の上端部に配置されたパッド等が変形されると共に、それに伴ってシートバックの背面を覆う背面カバーも変形される。その結果、背面カバーのテザーアンカが挿通されるアンカ挿通部が変形され、そのアンカ挿通部の縁部や内部が目立つようになるため、アンカ挿通部における見栄えを考慮する必要がある。
かかる問題に鑑み、本発明は、シートバックの背面カバーに形成されてテザーアンカが挿通されるアンカ挿通部の見栄えの向上を図ることが可能となる乗物用シートを提供することを目的とする。
前記目的を達成するため請求項1に係る乗物用シートは、シートバックを備えた乗物用シートであって、前記シートバックは、背面部を覆う背面カバーと、前記背面カバーに形成されたアンカ挿通部から先端部分が背面側へ突出可能に設けられて、テザーフックを係止可能なテザーアンカと、を有し、前記背面カバーは、前記テザーアンカの先端部分を挟んで上下方向に配置される上カバーと下カバーとを有し、前記上カバーと前記下カバーは、前記テザーアンカに対向する部分の左右方向両端部から左右方向外側部分の縁部同士が、互いの縫い代を裏側に折り返す形に縫い合わされて、スリット状の前記アンカ挿通部を形成することを特徴とする。
また、請求項2に係る乗物用シートは、請求項1に記載の乗物用シートにおいて、前記上カバーは、前記下カバーに対向する縁部のうち、前記テザーアンカに対向する部分から延出された延出部を有し、前記延出部は、裏側へ折り返された後、再度裏側へ折り返す形に縫い合わされて、該延出部の基端縁部が前記スリット状のアンカ挿通部の上縁部分を構成することを特徴とする。
また、請求項3に係る乗物用シートは、請求項2に記載の乗物用シートにおいて、前記延出部は、前記上カバーと前記下カバーの縁部同士が互いに縫い合わされる前に、裏側へ折り返された後、再度裏側へ折り返す形に縫い合わされることを特徴とする。
また、請求項4に係る乗物用シートは、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の乗物用シートにおいて、前記背面カバーは、前記下カバーの前記テザーアンカに対向する部分の縁部の幅とほぼ等しい左右方向の幅で、該下カバーの前記テザーアンカに対向する裏側部分に配置される裏カバーを有し、前記裏カバーと前記下側カバーの前記テザーアンカに対向する縁部同士が、互いの縫い代を裏側に折り返す形に縫い合わされて、前記スリット状のアンカ挿通部の下縁部分を構成することを特徴とする。
更に、請求項5に係る乗物用シートは、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の乗物用シートにおいて、前記上カバーと前記下カバーは、前記延出部の基端縁部の左右方向両端部と前記下カバーの前記延出部に対向する縁部の左右方向両端部とが、裏側に折り返す形に縫い合わされることを特徴とする。
請求項1に記載の乗物用シートでは、シートバックに設けられたテザーアンカの先端部は、背面カバーのスリット状に形成されたアンカ挿通部に挿入される。これにより、テザーベルトに張力が発生し、背面カバーが変形しても、アンカ挿通部の変形が抑止され、アンカ挿通部の縁部や内部が目立つことがなく、アンカ挿通部の見栄えの向上を図ることが可能となる。また、背面カバーを構成する上カバーと下カバーは、テザーアンカに対向する部分の左右方向両端部から左右方向外側部分の縁部同士が、互いの縫い代を裏側に折り返す形に縫い合わされる。これにより、上カバーと下カバーの縫製ラインが表側に出ないため、背面カバーの見栄えの向上を図ることが可能となる。
請求項2に記載の乗物用シートでは、上カバーの下カバーに対向する縁部のうち、テザーアンカに対向する部分から延出された延出部は、裏側へ折り返された後、再度裏側へ折り返す形に縫い合わされて、該延出部の基端縁部がスリット状のアンカ挿通部の上縁部分を構成する。これにより、アンカ挿通部の上縁部分を構成する上カバーの端末は、表側面が裏側まで連続して見えると共に、延出部の縫製ラインが表側に出ないため、このアンカ挿通部の見栄えの向上を図ることが可能となる。
請求項3に記載の乗物用シートでは、上カバーの延出部は、上カバーと下カバーの縁部同士が互いに縫い合わされる前に、裏側へ折り返された後、再度裏側へ折り返す形に縫い合わされるため、延出部の縫製を容易に行うことができ、作業性の向上を図ることが可能となる。
請求項4に記載の乗物用シートでは、下カバーのテザーアンカに対向する部分の縁部の幅とほぼ等しい左右方向の幅を有する裏カバーと、当該下カバーのテザーアンカに対向する縁部同士が、互いの縫い代を裏側に折り返す形に縫い合わされて、スリット状のアンカ挿通部の下縁部分を構成する。これにより、アンカ挿通部の下縁部分を構成する下カバーと裏カバーのテザーアンカに対向する縁部の表側面が裏側まで連続して見えると共に、下カバーと裏カバーとの縫製ラインが表側に出ないため、リクライニング時等において、このアンカ挿通部の見栄えの向上を図ることが可能となる。
請求項5に記載の乗物用シートでは、延出部の基端縁部の左右方向両端部と、下カバーの延出部に対向する縁部の左右方向両端部とが、裏側に折り返す形に縫い合わされる。これにより、延出部を裏側に折り返された状態に保持することが可能となると共に、延出部の基端縁部の左右方向両端部と下カバーの延出部に対向する縁部の左右方向両端部との縫製ラインが表側に出ないため、アンカ挿通部の見栄えの向上を図ることが可能となる。
以下、本発明に係わる乗物用シートを具体化した第1実施形態及び第2実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、第1実施形態に係る乗物用シート1の概略構成について図1及び図2に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1及び図2に示すように、第1実施形態に係る乗物用シート1は、助手席であり、着座乗員の臀部を支持するシートクッション2と、着座乗員の背部を支持するシートバック3と、シートバック3の上部に設けられて着座乗員の頭部を支持するヘッドレスト4とによって構成されている。シートバック3は、その左右両サイドの下端部が、シートクッション2の骨格をなす図示しない各サイドフレームの後端部間に架け渡されたロアパイプ5の両端部に設けられた不図示のリクライニング装置に連結されて、前後に揺動可能に支持されている。
図1及び図2に示すように、第1実施形態に係る乗物用シート1は、助手席であり、着座乗員の臀部を支持するシートクッション2と、着座乗員の背部を支持するシートバック3と、シートバック3の上部に設けられて着座乗員の頭部を支持するヘッドレスト4とによって構成されている。シートバック3は、その左右両サイドの下端部が、シートクッション2の骨格をなす図示しない各サイドフレームの後端部間に架け渡されたロアパイプ5の両端部に設けられた不図示のリクライニング装置に連結されて、前後に揺動可能に支持されている。
シートバック3は、シートバック3の骨格となるバックフレーム6と、そのバックフレーム6の前方側に配設される発泡ウレタン製のバックパッド7と、バックパッド7の表面を覆う表側カバー8と、バックフレーム6の後方側を覆う背面カバー11と、背面カバー11の下端縁部に縫製により取り付けられた下帯カバー12等を備えている。
バックフレーム6の下端縁部には、上方に開放された側面視略コの字形に折り曲げられた鋼板製のブラケット15が図示しない両サイドフレーム間に架け渡されている。このブラケット15の後方側の外側壁面には、左右方向略中央部において、鋼製の線状ワイヤを折り曲げて形成されたテザーワイヤ16が溶接等によって固定されている。このテザーワイヤ16は、ブラケット15の後方側の外側壁面の上下方向略中央部から上端部まで延びた後、斜め後側上方へ向かって延びるように形成され、その先端部が平面視コの字状に折り曲げられたテザーアンカ16Aとして構成されている。
テザーワイヤ16の先端部、つまり、平面視コの字状に折り曲げられたテザーアンカ16Aは、背面カバー11に形成された左右方向に細長いスリット状のアンカ挿通部18に挿入されて、後方側へ突出した状態となるように設けられている。このテザーアンカ16Aには、図示しないチャイルドシートを固定するためのテザーベルト19の先端部に設けられたテザーフック19Aが取り付けられる。また、背面カバー11のアンカ挿通部18の上方には、テザーアンカ16Aの存在を知らせる情報表示21が設けられている。情報表示21は、背面カバー11に接着されたラベルや、背面カバー11に縫合したタグ等によって構成されている。
バックパッド7は、発泡ウレタンにより形成されており、バックフレーム6の前面側からセットされ、バックフレーム6の上下左右の周縁部を外側から後方側に回り込んで覆うようにセットされる。そして、バックパッド7がバックフレーム6に組み付けられた後、更にその表面全体を覆うように表側カバー8と背面カバー11と下帯カバー12等から構成される下部が開口した袋状のカバー体22が被せ付けられる。
表側カバー8は、シートバック3の前面側に被せ付けられて、その前面部、上側の側面部、左右の両側面部を覆う。また、表側カバー8の下方側の側縁部は、後方側へと回し込まれて、その先端縁部に縫合された樹脂製のフック部材23が、背面カバー11の下端縁部と下帯カバー12の上端縁部と一緒に縫合された樹脂製の被係止部材25に形成された孔部25Aに引っ掛けられて、シートバック3の下側の側面部を覆う。
背面カバー11は、シートバック3の背面側に被せ付けられて、スリット状のアンカ挿通部18にテザーアンカ16Aが挿入され、その背面部を覆う。この背面カバー11の下端縁部に縫製により取り付けられた下帯カバー12は、シートクッション2の下方側に引っ張り込まれる。そして、下帯カバー12の先端側に取り付けられたゴム製のリング状に形成されたリング部材26が、図示しないシートクッション2のフレーム構造に引っ掛けられて固定された状態となり、シートバック3の下端部及びシートクッション2の後方側が覆われる。
次に、背面カバー11の構成について図1乃至図3に基づいて説明する。図1及び図2に示すように、背面カバー11は、テザーアンカ16Aを挟んで上下方向に配置されて、シートバック3の背面部を覆う上カバー31と下カバー32と、この下カバー32のテザーアンカ16Aに対向する部分の裏側に配置される裏カバー33とから構成されている。上カバー31の下端縁部の左右方向の幅と、下カバー32の上端縁部の左右方向の幅は、ほぼ同じ長さに形成されている。
図3に示すように、上方側に配置される略矩形状の上カバー31は、下端縁部の中央部分から、テザーアンカ16Aの左右方向の幅よりも少し広い幅(例えば、約3mm〜5mmだけ広い幅である。)で、外側方向へ所定長さ(例えば、長さ約30mm〜60mmである。)延出された平面視矩形状の延出部35が形成されている。従って、延出部35は、上カバー31の下カバー32に対向する縁部のうち、テザーアンカ16Aに対向する部分から外側方向に延出されている。
また、図3に示すように、下カバー32のテザーアンカ16Aに対向する部分の裏側に配置される裏カバー33は、上記延出部35の左右方向の幅とほぼ等しい左右方向の幅で、図2に示すように、テザーアンカ16Aからブラケット15の下端部に達する長さを有する平面視矩形状に形成されている。従って、裏カバー33の左右方向の幅は、下カバー32のテザーアンカ16Aに対向する部分の上端縁部の幅とほぼ等しい幅に形成されている。
次に、上カバー31、下カバー32、及び、裏カバー33によってスリット状のアンカ挿通部18を形成する背面カバー11の縫製過程について図3〜図6に基づいて説明する。図3〜図5に示すように、先ず、上カバー31の延出部35を、裏側へ折り返した後、再度裏側へ折り返す形に、縫い合わせる(所謂、先縫いである。)。これにより、図4及び図5に示すように、延出部35の基端部の表側面が裏側へ連続して巻き込まれた状態となり、延出部35の裏側面を合わせた状態で縫い合わせた縫い目(縫製ライン)37は、上カバー31の表面には露出しない。
続いて、図3〜図5に示すように、下カバー32の上端縁部のうち、テザーアンカ16Aに対向する左右方向中央部分の表面に、裏カバー33の上端縁部の表面を合わせた所謂中表状態とし、下カバー32の上端縁に沿って、裏カバー33の端から端まで縫い合わせた後、裏カバー33を下カバー32の裏側へ折り返す。これにより、図4及び図5に示すように、裏カバー33と下カバー32のテザーアンカ16Aに対向する縁部同士が、互いの縫い代を裏側に折り返す形に縫い合わされた状態となり、裏カバー33の上端縁部と下カバー32の上端縁部とを縫い合わせた縫い目(縫製ライン)38は、下カバー32の表面に露出しない。また、下カバー32の上端縁部の表側面と裏カバー33の上端縁部の表側面とが連続する表皮面を形成する。
その後、図4及び図6に示すように、延出部35の基端部と裏カバー33の上端部とが全幅に渡って互いに対向して重なるように、下カバー32の上端縁部の表面に、上カバー31の下端縁部の表面を合わせた所謂中表状態とする。そして、この状態で、上カバー31の下端縁に沿って、上カバー31と下カバー32の一方の端から、延出部35及び裏カバー33の手前側の端に達するまで縫って繋ぎ合わせた後、延出部35及び裏カバー33の奥側の端から、上カバー31と下カバー32の他方の端まで縫って繋ぎ合わせる。そして、上カバー31と下カバー32とを展開すると、上カバー31の下端縁部と下カバー32の上端縁部のうち、延出部35の基端部及び裏カバー33の上端部よりも外側の縁部同士が、互いの縫い代を裏側に折り返す形に縫い合わされた状態となる。
これにより、上カバー31の下端縁部と下カバー32の上端縁部とのテザーアンカ16Aに対向する部分に、延出部35及び裏カバー33の左右方向の幅を有する、つまり、テザーアンカ16Aを挿入可能なスリット状のアンカ挿通部18が形成される。従って、延出部35の基端部がアンカ挿通部18の上縁部分を構成し、裏カバー33の上端縁部と下カバー32の上端縁部の縫い合わされた継ぎ目部分がアンカ挿通部18の下縁部分を構成する。
また、上カバー31の下端縁部と下カバー32の上端縁部とを縫い合わせた各縫い目(縫製ライン)41、42は、上カバー31及び下カバー32の表面に露出しない。また、スリット状のアンカ挿通部18の左右方向両端部から左右方向外側において、上カバー31の下端縁部の表側面と下カバー32の上端縁部の表側面とが連続する表皮面を形成する。
次に、背面カバー11、下帯カバー12、及び、被係止部材25の縫製過程について図2、図5、図6に基づいて説明する。図2、図5、図6に示すように、先ず、背面カバー11を構成する下カバー32の下端縁部の表面に、下帯カバー12の上端縁部の表面を左右方向全幅に渡って互いに対向して重なるように合わせた所謂中表状態とし、更に、樹脂製の被係止部材25の上端縁部を下帯カバー12の上端縁部の裏面に重ねた状態にする。そして、この状態で、下カバー32の下端縁に沿って、下カバー32と下帯カバー12と被係止部材25を端から端まで縫い合わせる。
そして、背面カバー11と下帯カバー12を展開すると、背面カバー11の下端縁部、つまり、下カバー32の下端縁部と下帯カバー12の上端縁部の縁部同士が、互いの縫い代を裏側に折り返す形に縫い合わされた状態となる。これにより、背面カバー11の下端縁部と下帯カバー12の上端縁部とを縫い合わせた縫い目(縫製ライン)43は、背面カバー11及び下帯カバー12の表面に露出しない。また、背面カバー11の下端縁部の表側面と下帯カバー12の上端縁部の表側面とが連続する表皮面を形成する。また、被係止部材25が下帯カバー12の裏側に配設され、下帯カバー12の表面に露出しない。
以上詳細に説明した通り、第1実施形態に係る乗物用シート1では、チャイルドシートを固定するためのテザーベルト19の先端部に設けられたテザーフック19Aが取り付けられるテザーアンカ16Aは、背面カバー11のスリット状に形成されたアンカ挿通部18に裏側から挿入される。これにより、テザーベルト19に張力が発生し、背面カバー11が変形しても、アンカ挿通部18の変形が抑止され、アンカ挿通部18の縁部や内部が目立つことがなく、アンカ挿通部18の見栄えの向上を図ることが可能となる。
また、背面カバー11を構成する上カバー31と下カバー32は、アンカ挿通部18の左右方向両端部から左右方向外側部分の縁部同士が、互いの縫い代を裏側に折り返す形に縫い合わされる。これにより、上カバー31と下カバー32とを縫い合わせた各縫い目(縫製ライン)41、42が表側に露出しない。また、スリット状のアンカ挿通部18の左右方向両端部から左右方向外側において、上カバー31の下端縁部の表側面と下カバー32の上端縁部の表側面とが連続する表皮面を形成するため、背面カバー11の見栄えの向上を図ることが可能となる。
また、上カバー31の下カバー32に対向する下端縁部のうち、テザーアンカ16Aに対向する部分から延出された延出部35は、裏側へ折り返された後、再度裏側へ折り返す形に縫い合わされて、該延出部35の基端縁部がスリット状のアンカ挿通部18の上縁部分を構成する。これにより、アンカ挿通部18の上縁部分を構成する上カバー31の端末は、表側面が裏側まで連続して見えると共に、延出部35の縫い目(縫製ライン)37が上カバー31の表側に出ないため、このアンカ挿通部18の見栄えの向上を図ることが可能となる。
また、上カバー31の延出部35は、上カバー31と下カバー32の縁部同士が互いに縫い合わされる前に、裏側へ折り返された後、再度裏側へ折り返す形に縫い合わされるため、延出部35の縫製を容易に行うことができ、作業性の向上を図ることが可能となる。
また、裏カバー33と下カバー32のテザーアンカ16Aに対向する縁部同士が、互いの縫い代を裏側に折り返す形に縫い合わされて、スリット状のアンカ挿通部18の下縁部分を構成する。これにより、アンカ挿通部18の下縁部分を構成する下カバー32と裏カバー33のテザーアンカ16Aに対向する縁部の表側面が裏側まで連続して見えると共に、下カバー32と裏カバー33との縫い目(縫製ライン)38が下カバー32の表側に出ないため、リクライニング時等において、このアンカ挿通部18の見栄えの向上を図ることが可能となる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る乗物用シート51について図7に基づいて説明する。尚、上記第1実施形態に係る乗物用シート1と同一符号は、上記第1実施形態に係る乗物用シート1と同一あるいは相当部分を示すものである。
次に、第2実施形態に係る乗物用シート51について図7に基づいて説明する。尚、上記第1実施形態に係る乗物用シート1と同一符号は、上記第1実施形態に係る乗物用シート1と同一あるいは相当部分を示すものである。
第2実施形態に係る乗物用シート51の全体構成は、第1実施形態に係る乗物用シート1とほぼ同じ構成である。但し、第2実施形態に係る背面カバー11を構成する上カバー31の下端縁部と下カバー32の上端縁部との縫い合わせ方が異なっている。また、上カバー31の下端縁部から延出される延出部35と、裏カバー33のそれぞれの左右方向の幅は、第1実施形態に係る延出部35と裏カバー33の左右方向の幅よりも所定長さ(例えば、長さ約6mm〜10mmである。)長くなるように形成されている。
ここで、第2実施形態に係る背面カバー11を構成する上カバー31の下端縁部と下カバー32の上端縁部との縫い合わせについて図7に基づいて説明する。先ず、裏側面を合わせた状態で縫い合わされた延出部35の基端部と、下カバー32の裏側に折り返すように縫い合わされた裏カバー33の上端縁部とが全幅に渡って互いに対向して重なるように、下カバー32の上端縁部の表面に、上カバー31の下端縁部の表面を合わせた所謂中表状態とする。
その後、図7に示すように、この状態で、上カバー31の下端縁に沿って、上カバー31と下カバー32の一方の端から、延出部35及び裏カバー33の手前側の端から少し奥側へ入った位置(例えば、手前側の端から奥側へ約3mm〜5mm入った位置である。)に達するまで縫って繋ぎ合わせた後、延出部35及び裏カバー33の奥側の端よりも少し手前側の位置(例えば、奥側の端から手前側へ約3mm〜5mm入った位置である。)から、上カバー31と下カバー32の他方の端まで縫って繋ぎ合わせる。
そして、上カバー31と下カバー32とを展開すると、上カバー31の下端縁部と下カバー32の上端縁部のうち、延出部35の基端部及び裏カバー33の上端部の左右両端からそれぞれ少し左右方向内側に入った位置(例えば、左右方向約3mm入った位置である。)から左右方向外側の縁部同士が、互いの縫い代を裏側に折り返す形に縫い合わされた状態となる。
これにより、上カバー31の下端縁部と下カバー32の上端縁部とのテザーアンカ16Aに対向する部分に、延出部35及び裏カバー33の左右方向の幅よりも少し狭い左右方向の幅を有する、つまり、テザーアンカ16Aを挿入可能なスリット状のアンカ挿通部18が形成される。
また、上カバー31の下端縁部と下カバー32の上端縁部とを縫い合わせた各縫い目(縫製ライン)52、53は、上カバー31及び下カバー32の表面に露出しない。また、スリット状のアンカ挿通部18の左右方向両端部から左右方向外側において、上カバー31の下端縁部の表側面と下カバー32の上端縁部の表側面とが連続する表皮面を形成する。
従って、第2実施形態に係る乗物用シート51では、延出部35の基端縁部の左右方向両端部と、下カバー32の延出部35に対向する上端縁部の左右方向両端部とが、裏側に折り返す形に縫い合わされる。これにより、乗物用シート51は、上記第1実施形態に係る乗物用シート1と同様の効果を奏する。更に、乗物用シート51では、延出部35を裏側に折り返された状態に保持することが可能となると共に、延出部35の基端縁部の左右方向両端部と下カバー32の延出部35に対向する上端縁部の左右方向両端部との各縫い目(縫製ライン)52、53が表側に出ないため、アンカ挿通部18の見栄えの向上を図ることが可能となる。
尚、本発明は前記第1実施形態及び第2実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本発明に係る乗物用シートは、助手席である乗物用シート1及び乗物用シート51に適用しているが、種々の後部座席に本発明を適用してもよい。
1、51:乗物用シート
3:シートバック
11:背面カバー
18:アンカ挿通部
19A:テザーフック
16A:テザーアンカ
31:上カバー
32:下カバー
33:裏カバー
35:延出部
3:シートバック
11:背面カバー
18:アンカ挿通部
19A:テザーフック
16A:テザーアンカ
31:上カバー
32:下カバー
33:裏カバー
35:延出部
Claims (5)
- シートバックを備えた乗物用シートであって、
前記シートバックは、
背面部を覆う背面カバーと、
前記背面カバーに形成されたアンカ挿通部から先端部分が背面側へ突出可能に設けられて、テザーフックを係止可能なテザーアンカと、
を有し、
前記背面カバーは、前記テザーアンカの先端部分を挟んで上下方向に配置される上カバーと下カバーとを有し、
前記上カバーと前記下カバーは、前記テザーアンカに対向する部分の左右方向両端部から左右方向外側部分の縁部同士が、互いの縫い代を裏側に折り返す形に縫い合わされて、スリット状の前記アンカ挿通部を形成することを特徴とする乗物用シート。 - 前記上カバーは、前記下カバーに対向する縁部のうち、前記テザーアンカに対向する部分から延出された延出部を有し、
前記延出部は、裏側へ折り返された後、再度裏側へ折り返す形に縫い合わされて、該延出部の基端縁部が前記スリット状のアンカ挿通部の上縁部分を構成することを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。 - 前記延出部は、前記上カバーと前記下カバーの縁部同士が互いに縫い合わされる前に、裏側へ折り返された後、再度裏側へ折り返す形に縫い合わされることを特徴とする請求項2に記載の乗物用シート。
- 前記背面カバーは、前記下カバーの前記テザーアンカに対向する部分の縁部の幅とほぼ等しい左右方向の幅で、該下カバーの前記テザーアンカに対向する裏側部分に配置される裏カバーを有し、
前記裏カバーと前記下側カバーの前記テザーアンカに対向する縁部同士が、互いの縫い代を裏側に折り返す形に縫い合わされて、前記スリット状のアンカ挿通部の下縁部分を構成することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の乗物用シート。 - 前記上カバーと前記下カバーは、前記延出部の基端縁部の左右方向両端部と前記下カバーの前記延出部に対向する縁部の左右方向両端部とが、裏側に折り返す形に縫い合わされることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の乗物用シート。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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2017
- 2017-02-16 JP JP2017026553A patent/JP2018131074A/ja active Pending
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