JP2018130917A - 印刷装置及び媒体端検出方法 - Google Patents

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曹 横田
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Abstract

【課題】一方の面に画像が印刷された媒体の他方の面に画像を印刷する場合に、媒体の端部の誤検出を抑制できる印刷装置及び印刷装置の媒体端検出方法を提供する。【解決手段】印刷装置は、媒体Mを幅方向Xに亘って支持する支持部30と、媒体Mに印刷を行う印刷部と、支持部30に向けて照射した光の反射光の強度を検出する検出部53と、支持部30の第1端X1に応じた第1の位置P1から支持部30の第2端X2に応じた第2の位置P2に検出部53を移動させるときに、最初に受光強度が変化する位置P11と最後に受光強度が変化する位置P14とに基づいて、媒体Mの端部を検出する検出処理を実行する制御部と、を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、印刷装置及び媒体端検出方法に関する。
従来から、印刷装置の一例として、インクを吐出する記録ヘッド(吐出部)と、記録ヘ
ッドを搭載した状態で移動するキャリッジと、を備え、キャリッジを移動させながら記録
ヘッドからインクを吐出することにより、媒体に画像を形成する画像形成装置が知られて
いる。また、こうした印刷装置の中には、キャリッジに搭載され、記録ヘッドのインクの
吐出方向に照射した光の反射光の強度に応じた信号を出力する光学センサー(検出部)を
備えるものがある(例えば、特許文献1)。
そして、この印刷装置は、キャリッジの移動に応じて、光学センサーの出力信号に応じ
た値を取得する。続いて、印刷装置は、光学センサーの出力信号に応じた値が所定の閾値
を上回っているときに、光学センサーの光の照射範囲に媒体が存在していると判断する。
また、印刷装置は、光学センサーの出力信号に応じた値が閾値以下となる区間が所定期間
継続した場合に、光学センサーの光の照射範囲に媒体が存在していないと判断する。
特開2016−93993号公報
ところで、上記のような印刷装置を用いて、薄紙などの透光性を有する媒体に両面印刷
を行う場合には、媒体の一方の面に印刷した画像が媒体の他方の面に透けて見える場合が
ある。このため、上記のような印刷装置を用いて、透光性を有する媒体の一方の面の印刷
後に他方の面の印刷を行うと、他方の面の画像が透ける領域において、光学センサーの出
力信号に応じた値が閾値以下となる区間が継続する場合がある。したがって、上記のよう
な印刷装置では、透光性を有する媒体に両面印刷を行う場合に、実際には媒体が存在して
いるにも関わらず媒体が存在していないと判断するおそれがある。その結果、上記のよう
な印刷装置は、媒体の端部を正確に検出できないおそれがある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものである。その目的は、一方の面に画像が印刷
された媒体の他方の面に画像を印刷する場合に、媒体の端部の誤検出を抑制できる印刷装
置及び媒体端検出方法を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する印刷装置は、媒体を幅方向に亘って支持する支持部と、前記支持部
に支持された前記媒体に印刷を行う印刷部と、前記支持部に向けて照射した光の反射光の
強度を検出する検出部と、前記幅方向における前記支持部の第1端に応じた第1の位置か
ら前記支持部の第2端に応じた第2の位置に前記検出部を移動させるときに、最初に前記
強度が変化する位置と最後に前記強度が変化する位置とに基づいて、前記媒体の端部を検
出する検出処理を実行する制御部と、を備える。
上記構成によれば、第1の位置から第2の位置に検出部を移動させた場合の反射光の強
度が最初に変化する位置及び最後に変化する位置に基づいて、媒体の端部が検出される。
このため、裏面に印刷された画像が媒体の表面に透けている場合など、媒体の幅方向にお
ける端部でない位置で強度が変化していたとしても、当該位置を媒体の端部と検出するこ
とを抑制できる。したがって、一方の面に画像が印刷された媒体の他方の面に画像を印刷
する場合に、媒体の端部の誤検出を抑制できる。
また、上記印刷装置において、前記検出処理を第1の検出処理としたとき、前記制御部
は、前記第1の位置から前記第2の位置に向けて前記検出部を移動させるときに、最初に
前記強度が変化する位置と当該位置の次に前記強度が変化する位置とに基づいて、前記媒
体の端部を検出する第2の検出処理を実行可能であり、両面印刷を行う場合には、前記第
1の検出処理を実行し、片面印刷を行う場合には、前記第2の検出処理を実行することが
好ましい。
上記構成によれば、片面印刷を行う場合、すなわち、裏面に印刷された画像が表面に透
けていない媒体に印刷を行う場合には、第2の検出処理が実行される。このため、検出部
を第1の位置から第2の位置まで移動させることなく媒体の端部の検出が行われる点で、
媒体の端部を速やかに検出できる。一方、両面印刷を行う場合、すなわち、裏面に印刷さ
れた画像が表面に透けている可能性のある媒体に印刷を行う場合には、第1の検出処理が
実行される。このため、検出部を第1の位置から第2の位置まで移動させて媒体の端部の
検出が行われる点で、媒体の端部を精度良く検出できる。
また、上記印刷装置は、印刷が行われる前記媒体の種類を設定する設定部をさらに備え
、前記検出処理を第1の検出処理としたとき、前記制御部は、前記第1の位置から前記第
2の位置に向けて前記検出部を移動させるときに、最初に前記強度が変化する位置と当該
位置の次に前記強度が変化する位置とに基づいて、前記媒体の端部を検出する第2の検出
処理を実行可能であり、透過率の高い前記媒体が設定された場合には、前記第1の検出処
理を実行し、透過率の低い前記媒体が設定された場合には、前記第2の検出処理を実行す
ることが好ましい。
上記構成によれば、透過率が高い媒体に印刷を行う場合、すなわち、裏面に印刷された
画像が表面に透けやすい媒体に印刷を行う場合には、第1の検出処理が実行される。この
ため、検出部を第1の位置から第2の位置まで移動させて媒体の端部の検出が行われる点
で、媒体の端部を精度良く検出できる。一方、透過率が低い媒体に印刷を行う場合、すな
わち、裏面に印刷された画像が表面に透けにくい媒体に印刷を行う場合には、第2の検出
処理が実行される。このため、検出部を第1の位置から第2の位置まで移動させることな
く媒体の端部の検出が行われる点で、媒体の端部を速やかに検出できる。
また、上記印刷装置において、前記印刷部は、インクを吐出するノズルが形成された吐
出部と、前記吐出部を支持した状態で前記幅方向に移動するキャリッジと、を有するもの
であり、前記ノズルから吐出されるインクを受容する液体受容部と、前記吐出部に接触す
ることで、前記ノズルが開口する空間を閉空間とするキャップと、をさらに備え、前記幅
方向において、前記液体受容部及び前記キャップの一方は、前記支持部の前記第1端側に
配置され、前記液体受容部及び前記キャップの他方は、前記支持部の前記第2端側に配置
されることが好ましい。
上記構成によれば、印刷を行わないときに、キャップによってノズルが開口する空間を
閉空間とするキャッピングが行われることで、ノズルを介して吐出部内のインクが乾燥す
ることを抑制できる。また、印刷を開始前には、キャッピングの解除後に、ノズルからイ
ンク受容に液体を吐出させるフラッシングが行われることで、ノズルの状態を印刷に適し
た状態とすることができる。さらに、この構成によれば、キャッピングを解除してからフ
ラッシングを行うまでに、キャリッジが第1の位置から第2の位置に向かって移動するこ
ととなる。このため、この移動時に検出処理を実行することで、検出処理を効率的に実行
できる。
上記課題を解決する媒体検出方法は、媒体を幅方向に亘って支持する支持部と、前記支
持部に支持された前記媒体に印刷を行う印刷部と、前記支持部に向けて照射した光の反射
光の強度を検出する検出部と、を備える印刷装置の媒体端検出方法であって、前記幅方向
における前記支持部の第1端に応じた第1の位置から前記支持部の第2端に応じた第2の
位置に前記検出部を移動させる移動ステップと、最初に前記強度が変化する位置と最後に
前記強度が変化する位置とに基づいて、前記媒体の端部を検出する検出ステップと、を備
える。
上記構成によれば、上述した印刷装置と同等の作用効果を得ることができる。
一実施形態に係る印刷装置の側面図。 上記印刷措置の要部の正面図。 印刷時に制御部が実行する処理を示すフローチャート。 第2の検出処理時の受光強度の変化を示す模式図。 第1の検出処理時の受光強度の変化を示す模式図。
以下、印刷装置の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態の印刷装
置は、用紙などの媒体に液体の一例としてのインクを吐出することで、文字や画像を形成
するインクジェットプリンターである。
図1に示すように、印刷装置10は、媒体Mの搬送方向に沿って、ロール状に巻き重ね
た媒体Mを繰り出す繰出部20と、媒体Mを支持する支持部30と、媒体Mを搬送する搬
送部40と、媒体Mに印刷を行う印刷部50と、媒体Mを巻き取る巻取部60と、を備え
ている。また、図1及び図2に示すように、印刷装置10は、各種の構成部材を制御する
制御部70と、印刷部50をメンテナンスするメンテナンス部80と、ユーザー(オペレ
ーター)が操作する操作パネル等からなる設定部90と、備えている。
なお、以降の説明では、印刷装置10の幅方向を「幅方向X」とし、印刷装置10の奥
行方向を「前後方向Y」とし、印刷装置10の高さ方向を「上下方向Z」とする。本実施
形態において、幅方向X、前後方向Y及び上下方向Zは互いに交差(直交)する方向であ
る。また、図2に示すように、幅方向Xにおける一端(図2では左端)を「第1端X1」
とし、幅方向Xにおける他端(図2では右端)を「第2端X2」とする。
図1に示すように、繰出部20は、媒体Mをロール状に巻き重ねたロール体R1を着脱
自在に保持する保持部21を有している。保持部21は、両面に何も印刷されていない媒
体Mが巻き重ねられたロール体R1を保持したり、一方の面に印刷がされた媒体Mが巻き
重ねられたロール体R2を保持したりする。そして、繰出部20は、ロール体R1を一方
向(図1では反時計方向)に回転させることで、ロール体R1から巻き解いた媒体Mの繰
り出しを行う。
搬送部40は、媒体Mの搬送経路の下方に配置される駆動ローラー41と、媒体Mの搬
送経路の上方に配置される従動ローラー42と、駆動ローラー41を駆動する搬送モータ
ー43と、を備えている。駆動ローラー41及び従動ローラー42は、幅方向Xを回転軸
方向として回転するローラーである。そして、搬送部40は、駆動ローラー41及び従動
ローラー42に媒体Mを挟持させた状態で、搬送モーター43を駆動することで、繰出部
20から繰り出された媒体Mを搬送方向に搬送する。
支持部30は、幅方向Xを長手方向とし、媒体Mの搬送方向を短手方向とする板状をな
している。媒体Mの幅方向Xにおける長さは、印刷装置10が印刷可能な媒体Mのうち、
幅方向Xにおける長さが最大の媒体Mの長さよりも長くなっている。こうして、支持部3
0は、幅方向Xに亘って、媒体Mを支持することを可能としている。また、支持部30に
おいて、媒体Mを支持する支持面31は、例えば、黒色などの反射率の低い色となってい
る。
図2に示すように、印刷部50は、インクを吐出するノズル51が形成された吐出部5
2(吐出ヘッド)と、光学式の検出部53と、吐出部52及び検出部53を支持するキャ
リッジ54と、キャリッジ54を幅方向Xに往復移動可能に支持するガイド軸55と、を
備えている。また、印刷部50は、幅方向Xにおける第1端X1に設けられる従動プーリ
ー56と、幅方向Xにおける第2端X2に設けられる駆動プーリー57と、従動プーリー
56及び駆動プーリー57に巻き掛けられるタイミングベルト58と、駆動プーリー57
を駆動するキャリッジモーター59と、を備えている。
吐出部52は、キャリッジ54の下面に支持されている。吐出部52には、支持部30
に向かって種類の異なるインク(例えば、シアンインク、マゼンタインク、イエローイン
ク及びブラックインク)を吐出する複数のノズル51が形成されている。また、吐出部5
2では、種類の等しいインクを吐出する複数のノズル51が幅方向Xと交差する方向(例
えば、媒体Mの搬送方向)に整列することで、ノズル列が構成されている。
検出部53は、キャリッジ54の下面に、吐出部52と隣り合うように支持されている
。検出部53は、光を照射する投光部と光を受光する受光部とを有する反射型の光学セン
サーである。検出部53は、支持部30に向けて光を照射(投光)するとともに、その反
射光を受光する「検出」を行う。すなわち、検出部53の光を照射する方向は、吐出部5
2がインクを吐出する方向と言うこともできる。
そして、印刷部50では、ユーザーからの印刷指令又はメンテナンス指令などに基づき
、キャリッジモーター59が駆動される。すると、駆動プーリー57及び従動プーリー5
6に巻き掛けられたタイミングベルト58が回転し、当該タイミングベルト58に連結さ
れたキャリッジ54が幅方向Xに移動する。そして、キャリッジ54が幅方向Xに移動す
る際に、吐出部52が支持部30に支持された媒体Mにインクを吐出する。また、キャリ
ッジ54が幅方向Xに移動する際に、検出部53が検出を行う。
図1に示すように、巻取部60は、媒体Mを巻き重ねたロール体R2を着脱自在に保持
する保持部61と、搬送方向と交差する方向に媒体Mにテンション(張力)を付与するテ
ンションバー62と、を備えている。そして、巻取部60は、ロール体R2を一方向(図
1では反時計方向)に回転させることで、印刷済みの媒体Mの巻き取りを行う。なお、巻
取部60は、媒体Mに印刷された画像がロール体R2の径方向外側を向くように巻き取っ
てもよいし、媒体Mに印刷された画像がロール体R2の径方向内側を向くように巻き取っ
てもよい。
図2に示すように、メンテナンス部80は、支持部30の第1端X1側に配置されるキ
ャップ機構81と、支持部30の第2端X2側に配置される液体受容機構82と、を備え
ている。なお、以降の説明では、キャリッジ54の幅方向Xにおける移動領域のうち、キ
ャップ機構81と吐出部52とが向き合う位置を「第1のメンテナンス位置P1m」とも
言い、液体受容機構82と吐出部52とが向き合う位置を「第2のメンテナンス位置P2
m」とも言う。
キャップ機構81は、上方に開口する箱状をなすキャップ83と、キャップ83を昇降
移動させる昇降部84と、を備えている。そして、キャップ機構81は、第1のメンテナ
ンス位置P1mにキャリッジ54が配置されたときに、キャップ83を上昇させることで
当該キャップ83を吐出部52に接触させる。こうして、キャップ機構81は、吐出部5
2のノズル51が開口する空間を閉空間とする「キャッピング」を行う。キャッピングは
、ノズル51を介して吐出部52の内部のインクの溶媒成分の蒸発を抑制する目的で行わ
れる。このため、キャッピングは、例えば、印刷装置10が印刷を行わない場合に行われ
る。
液体受容機構82は、上方に開口する箱状をなす液体受容部85を備えている。そして
、液体受容機構82は、第2のメンテナンス位置P2mにキャリッジ54が配置されたと
きに、吐出部52のノズル51から印刷とは無関係に吐出されるインクを受容する。以降
の説明では、吐出部52のノズル51が印刷とは無関係にインクを吐出することを「フラ
ッシング」とも言う。フラッシングは、ノズル51内に形成される大気とインクとの気液
界面(メニスカス)をインクの吐出に適するものとするために行われる。このため、フラ
ッシングは、印刷装置10が印刷を行っていない状態から印刷を行う状態に移行する場合
に行われたり、吐出部52に形成されたノズル51のうち、長期間に亘ってインクを吐出
していないノズル51が存在する場合に行われたりする。
制御部70は、印刷装置10と接続される端末などから印刷ジョブを受け付けたときに
、上述した各種の構成の駆動を制御する。例えば、制御部70は、繰出部20、搬送部4
0及び巻取部60の駆動を制御することで、媒体Mを搬送方向に単位搬送量だけ搬送する
搬送動作を行わせる。また、制御部70は、印刷部50の駆動を制御することで、キャリ
ッジ54を幅方向Xに移動させつつ、吐出部52から媒体Mに向けてインクを吐出させる
吐出動作を行わせる。そして、制御部70は、搬送動作と吐出動作とを交互に行わせるこ
とで、媒体Mに対する印刷を行う印刷動作を行わせる。
なお、本実施形態の印刷装置10は、両面(第1面及び第2面)に印刷が行われていな
い媒体Mの一方の面に印刷を行う「片面印刷」と、一方の面に印刷が行われた媒体Mの他
方の面に印刷を行う「両面印刷」と、を行うことを可能としている。
ただし、本実施形態の印刷装置10は、媒体Mの表裏を反転する反転機構を備えていな
いため、一方の面の印刷を行われた媒体Mを巻き取ったロール体R2を繰出部20の保持
部21に再度セットして、両面印刷を行うこととなる。
また、制御部70は、印刷を開始する前に、検出部53から送信される信号に基づいて
、支持部30の支持面31上に媒体Mが存在しているか否かを判定したり、支持面31上
の何れの位置に媒体Mの端部が位置しているか判定したりする。
詳しくは、制御部70は、支持部30の幅方向Xにおける第1端X1側の端部位置であ
る第1の位置P1から支持部30の幅方向Xにおける第2端X2側の端部位置である第2
の位置P2にキャリッジ54を移動させつつ、検出部53に検出を行わせる。また、制御
部70は、検出部53が受光した反射光の強度(以下、「受光強度」とも言う。)に応じ
た信号を検出部53から受信する。こうして、制御部70は、幅方向Xにおける検出部5
3の位置に応じた受光強度の推移を取得する。
ここで、本実施形態では、支持部30の支持面31の反射率が媒体Mの表面の反射率よ
りも低く設定されている。このため、制御部70は、受光強度が大きく変化する位置に媒
体Mの端部が存在していると判定できる。例えば、支持面31に光を照射したときの反射
光の受光強度と、媒体Mの表面に光を照射したときの反射光の受光強度との中間値を「閾
値Th」とする。この場合、制御部70は、受光強度が閾値Th未満の状態から閾値Th
以上の状態となったり、受光強度が閾値Th以上の状態から閾値Th未満の状態となった
りする位置に媒体Mの端部が存在していると判断できる。
そして、このようにして検出した媒体Mの端部の位置は、支持部30上に媒体Mが正し
くセットされているか否かの判定に使用されたり、その後の印刷処理においてインクを吐
出可能な領域の判定に使用されたりする。
ただし、媒体Mの一方の面に画像が印刷された媒体Mの他方の面に印刷を行う場合には
、一方の面に印刷した画像が他方の面に透けて見えることがある。この場合には、画像が
透けていない部分と透けている部分との境界で受光強度が変化することで、実際には媒体
Mの端部が存在していない位置を媒体Mの端部と誤検出するおそれがある。
そこで、本実施形態において、制御部70は、第1の位置P1から第2の位置P2に検
出部53を移動させつつ検出を行わせるときに、最初に受光強度が変化する位置と最後に
受光強度が変化する位置とに基づいて、媒体Mの両端部を検出する第1の検出処理(検出
処理)を実行する。
言い換えれば、制御部70は、最初に受光強度が閾値Th以上となる位置と最後に受光
強度が閾値Th未満となる位置とに基づいて、媒体Mの両端部を検出する第1の検出処理
を実行する。このため、第1の位置P1と第2の位置P2との間の位置において、受光強
度が閾値Thを跨いで変化する点が複数存在したとしても、制御部70が、そうした受光
強度が変化する位置を媒体Mの端部と判断することが抑制される。
その一方で、印刷を行う媒体Mの表面に画像が透けていない場合には、第1の位置P1
から第2の位置P2まで検出部53を移動させつつ検出を行わなくても、最初に受光強度
が変化する位置と当該位置の次に受光強度が変化する位置に基づいて、媒体Mの端部を検
出可能である。
そこで、本実施形態において、制御部70は、印刷を行う媒体Mの表面に画像が透けて
いないと判断できる場合には、第1の位置P1から第2の位置P2に向けて検出部53を
移動させるときに、最初に受光強度が変化する位置と当該位置の次に受光強度が変化する
位置に基づいて、媒体Mの両端部を検出する第2の検出処理を実行する。
言い換えれば、制御部70は、最初に受光強度が閾値Th以上となる位置と当該位置の
次に受光強度が閾値Th未満となる位置とに基づいて、媒体Mの両端部を検出する第2の
検出処理を実行する。
詳しくは、両面印刷を行う場合には、印刷を行う媒体Mの表面に画像が透けている可能
性が大きい一方、片面印刷を行う場合には、印刷を行う媒体Mの表面に画像が透けている
可能性が小さい。このため、制御部70は、両面印刷を行う場合には第1の検出処理を実
行し、片面印刷を行う場合には第2の検出処理を実行する。すなわち、第2の検出処理を
実行する場合には、検出部53が第1の位置P1から第2の位置P2まで検出を行うこと
が抑制される点で、検出に要する処理コストを低減できる。
次に、図3に示すフローチャートを参照して、本実施形態の制御部70が印刷ジョブの
投入時に実行する処理の流れ(媒体端検出方法)について説明する。このフローチャート
は、印刷を実行しておらず、吐出部52がキャッピングされた状況下で印刷ジョブが投入
されたときの処理の流れを示している。
図3に示すように、制御部70は、媒体Mに印刷する画像に関する情報に加え、両面印
刷及び片面印刷の何れの印刷を行うかといった印刷条件に関する情報などが含まれる印刷
ジョブを受け付ける(ステップS11)。
続いて、制御部70は、キャップ機構81によるキャッピングを解除させる(ステップ
S12)。そして、制御部70は、ステップS11で取得した印刷ジョブの内容に基づい
て、これから行う印刷が両面印刷であるか片面印刷であるかを判定する(ステップS13
)。両面印刷を行う場合(ステップS13:YES)、制御部70は、第1の検出処理を
実行する(ステップS14)。すなわち、キャリッジ54が幅方向Xにおける第1端X1
から第2端X2に移動することで、検出部53が第1の位置P1から第2の位置P2まで
移動する。また、検出部53による検出は、検出部53が第1の位置P1から第2の位置
P2まで移動する期間に亘って行われる。この点で、本実施形態では、第1の検出処理が
「移動ステップ」と「検出ステップ」との一例に相当する。
一方、片面印刷を行う場合(ステップS13:NO)、制御部70は、第2の検出処理
を実行する(ステップS15)。すなわち、キャリッジ54が幅方向Xにおける第1端X
1から第2端X2に移動することで、検出部53が第1の位置P1から第2の位置P2ま
で移動する。ただし、第2の検出処理では、検出部53による検出は、検出部53が第1
の位置P1から第2の位置P2まで移動する期間に亘って行われない。すなわち、第2の
検出処理では、受光強度の変化を2度検出したタイミング以降において、検出部53によ
る検出が行われなくなる。
そして、制御部70は、キャリッジ54の第2端X2への移動を継続させることで、キ
ャリッジ54が第2のメンテナンス位置P2mに位置すると、吐出部52にフラッシング
を行わせる(ステップS16)。続いて、制御部70は、印刷動作を行わせるための印刷
処理を実行し(ステップS17)、本処理を一旦終了する。
次に、図4及び図5を参照して、本実施形態の印刷装置10の作用について説明する。
図4に示すように、印刷装置10において、片面印刷を行う場合には、キャッピングを
解除したキャリッジ54を第1のメンテナンス位置P1mから第2端X2に向かって移動
させるとともに、検出部53に検出を行わせる。すると、検出部53が第1の変化位置P
11に移動したときに、支持部30の支持面31の反射率に応じた受光強度が、媒体Mの
表面の反射率に応じた受光強度に変化する。このため、受光強度が最初に変化する第1の
変化位置P11が媒体Mの第1端X1側の端部位置とされる。言い換えれば、受光強度が
閾値Th以上となる第1の変化位置P11が媒体Mの第1端X1側の端部位置とされる。
その後、キャリッジ54の第2端X2への移動が継続されると、検出部53が第2の変
化位置P12に移動したときに、媒体Mの表面の反射率に応じた受光強度が、支持部30
の支持面31の反射率に応じた受光強度に変化する。このため、受光強度が第1の変化位
置P11の次に変化する位置である第2の変化位置P12が媒体Mの第2端X2側の端部
位置とされる。言い換えれば、受光強度が閾値Th未満となる第2の変化位置P12が媒
体Mの第2端X2側の端部位置とされる。
ここで、片面印刷を行う場合には、第2の検出処理が実行されるため、検出部53が第
2の変化位置P12に移動した以降は検出部53による検出が行われなくなる。このため
、媒体Mの第2端X2側の端部位置を取得した後は、キャリッジ54が第2のメンテナン
ス位置P2mに移動するまで、検出部53の検出には不向きな移動速度までキャリッジ5
4の移動速度を速めたり、検出部53の検出結果を処理する必要がなくなる点で制御部7
0の負荷を低減したりすることが可能となる。
その後、第2のメンテナンス位置P2mにキャリッジ54が位置すると、フラッシング
が実行される。続いて、検出された媒体Mの端部位置に基づいて、片面印刷が開始される
一方、図5に示すように、印刷装置10において、両面印刷を行う場合には、キャッピ
ングを解除したキャリッジ54を、第1のメンテナンス位置P1mから第2端X2に向か
って移動させる。そして、キャリッジ54に支持される検出部53が第1の位置P1から
第2の位置P2に移動する際に、検出部53が検出を行う。すなわち、第2の検出処理と
異なり、第1の検出処理では、第1の位置P1から第2の位置P2までの範囲の受光強度
を検出した後に、媒体Mの端部がどの位置に存在しているか否かの判定がされる。
例えば、図5に示すように、検出部53による検出領域の中央部の裏面に画像Imgが
印刷され、当該画像Imgが媒体Mの表面に透けていると、検出部53が、第1の変化位
置P11、第2の変化位置P12、第3の変化位置P13及び第4の変化位置P14に移
動したときに受光強度が変化する。
この場合、本実施形態では、最初に受光強度が変化する第1の変化位置P11、すなわ
ち、受光強度が最初に閾値Th以上となる第1の変化位置P11が媒体Mの第1端X1側
の端部位置とされる。また、最後に受光強度が変化する第4の変化位置P14、すなわち
、受光強度が最後に閾値Th未満となる第4の変化位置P14が媒体Mの第2端X2側の
端部位置とされる。このため、媒体Mの裏面に印刷された画像Imgによって受光強度が
変化する第2の変化位置P12及び第3の変化位置P13を媒体Mの第2端X2側の端部
位置と誤検出しにくい。
その後、第2のメンテナンス位置P2mにキャリッジ54が位置すると、フラッシング
が実行される。続いて、検出された媒体Mの端部位置に基づいて、両面印刷が開始される
以上説明した実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)第1の位置P1から第2の位置P2に検出部53を移動させた場合の受光強度が
最初に変化する位置(第1の変化位置P11)及び最後に変化する位置(第4の変化位置
P14)に基づいて、媒体Mの端部を検出する。このため、裏面に印刷された画像が媒体
Mの表面に透けている場合など、媒体Mの幅方向Xにおける端部でない位置で受光強度が
変化していたとしても、当該位置を媒体Mの端部と検出することを抑制できる。したがっ
て、一方の面に画像が印刷された媒体Mの他方の面に画像を印刷する場合に、媒体Mの端
部の誤検出を抑制できる。
(2)片面印刷を行う場合、すなわち、裏面に印刷された画像が表面に透けていない媒
体Mに印刷を行う場合には、第2の検出処理が実行される。このため、印刷装置10は、
検出部53を第1の位置P1から第2の位置P2まで移動させることなく媒体Mの端部位
置を取得できる点で、媒体Mの端部を速やかに検出できる。
(3)印刷を行わないときに、キャッピングが行うことで、ノズル51を介して吐出部
52内のインクが乾燥することを抑制できる。また、印刷を開始前に、フラッシングが行
うことで、ノズル51の状態を印刷に適した状態とすることができる。さらに、本実施形
態によれば、キャッピングを解除してからフラッシングを行うまでに、キャリッジ54が
第1の位置P1から第2の位置P2に向かって移動することとなる。このため、印刷装置
10は、この移動時に検出処理を実行することで、当該検出処理を効率的に実行できる。
なお、上記実施形態は、以下に示すように変更してもよい。
・図3に示すフローチャートにおいて、ステップS13の処理を、印刷を行う対象とな
る媒体Mの透過率が高いか否かを判定するステップとしてもよい。そして、制御部70は
、媒体Mの透過率が高い場合に第1の検出処理を実行し、媒体Mの透過率が低い場合に第
2の検出処理を実行してもよい。
これによれば、透過率が高い媒体Mに印刷を行う場合、すなわち、裏面に印刷された画
像が表面に透けやすい媒体Mに印刷を行う場合には、第1の検出処理が実行される。この
ため、検出部53を第1の位置P1から第2の位置P2まで移動させて媒体Mの端部の検
出が行われる点で、媒体Mの端部を精度良く検出できる。一方、透過率が低い媒体Mに印
刷を行う場合、すなわち、裏面に印刷された画像が表面に透けにくい媒体Mに印刷を行う
場合には、第2の検出処理が実行される。このため、印刷装置10は、検出部53を第1
の位置P1から第2の位置P2まで移動させることなく媒体Mの端部位置を取得できる点
で、媒体Mの端部を速やかに検出できる。
なお、この場合、ユーザーは、設定部90を介して、媒体Mの種類に関する情報を印刷
装置10(制御部70)に入力することが好ましい。これによれば、制御部70は、設定
部90を介して入力された情報に基づいて、媒体Mの透過率に基づく判定を行うことがで
きる。一方、印刷装置10が媒体Mの表面の透過率を測定可能な測定部を備えている場合
には、制御部70は、当該測定部の測定結果に基づいて、媒体Mの透過率に基づく判定を
行ってもよい。
・印刷装置10は、支持部30に媒体Mの搬送経路を向く撮像部を備えてもよい。この
場合、制御部70は、撮像部が撮像した媒体Mの裏面の撮像結果に基づいて、当該裏面に
画像が印刷されているか否かを判定してもよい。なお、この場合の撮像部は、画像を撮像
するカメラであってもよいし、媒体Mの裏面に片面印刷が行われたことを示す文字及び記
号を読み取るスキャナーであってもよい。
・第1の位置P1は、支持部30の第1端X1側の端部位置でなくてもよいし、第2の
位置P2は、支持部30の第2端X2側の端部位置でなくてもよい。例えば、第1の位置
P1及び第2の位置P2は、支持部30の幅方向Xにおける端部位置よりも外側の位置で
あってもよいし、内側の位置であってもよい。
・支持部30は、搬送方向に沿って、上方に突出する搬送リブを有していてもよい。言
い換えれば、支持部30の支持面31は凹凸を有していてもよい。
・印刷装置10は、ロール体R1から巻き解かれた媒体Mに印刷を行うとともに、印刷
済みの媒体Mをロール体R2に巻き取る印刷装置10でなくてもよい。印刷装置10は、
例えば、単票紙に印刷を行うものであってもよい。この場合、印刷装置10は、媒体Mの
表裏を反転させる反転経路を備え、片面印刷と両面印刷とを連続的に行ってもよい。
・印刷装置10は、インクを吐出することで記録を行うプリンターに限らず、例えばレ
ーザープリンター、LEDプリンター、熱転写プリンター(昇華型プリンターを含む)な
どのノンインパクトプリンターでもよいし、ドットインパクトプリンターなどのインパク
トプリンターでもよい。
・媒体Mは、透過性を有する媒体Mであれば用紙でなくてもよい。例えば、プラスチッ
クフィルムであってもよいし、布帛であってもよい。
10…印刷装置、20…繰出部、21…保持部、30…支持部、31…支持面、40…
搬送部、41…駆動ローラー、42…従動ローラー、43…搬送モーター、50…印刷部
、51…ノズル、52…吐出部、53…検出部、54…キャリッジ、55…ガイド軸、5
6…従動プーリー、57…駆動プーリー、58…タイミングベルト、59…キャリッジモ
ーター、60…巻取部、61…保持部、62…テンションバー、70…制御部、80…メ
ンテナンス部、81…キャップ機構、82…液体受容機構、83…キャップ、84…昇降
部、85…液体受容部、90…設定部、Img…画像、M…媒体、P1…第1の位置、P
2…第2の位置、P11…第1の変化位置、P12…第2の変化位置、P13…第3の変
化位置、P14…第4の変化位置、P1m…第1のメンテナンス位置、P2m…第2のメ
ンテナンス位置、R1,R2…ロール体、Th…閾値、X…幅方向、X1…第1端、X2
…第2端、Y…前後方向、Z…上下方向。

Claims (5)

  1. 媒体を幅方向に亘って支持する支持部と、
    前記支持部に支持された前記媒体に印刷を行う印刷部と、
    前記支持部に向けて照射した光の反射光の強度を検出する検出部と、
    前記幅方向における前記支持部の第1端に応じた第1の位置から前記支持部の第2端に
    応じた第2の位置に前記検出部を移動させるときに、最初に前記強度が変化する位置と最
    後に前記強度が変化する位置とに基づいて、前記媒体の端部を検出する検出処理を実行す
    る制御部と、を備える
    ことを特徴とする印刷装置。
  2. 前記検出処理を第1の検出処理としたとき、
    前記制御部は、
    前記第1の位置から前記第2の位置に向けて前記検出部を移動させるときに、最初に前
    記強度が変化する位置と当該位置の次に前記強度が変化する位置とに基づいて、前記媒体
    の端部を検出する第2の検出処理を実行可能であり、
    両面印刷を行う場合には、前記第1の検出処理を実行し、片面印刷を行う場合には、前
    記第2の検出処理を実行する
    ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 印刷が行われる前記媒体の種類を設定する設定部をさらに備え、
    前記検出処理を第1の検出処理としたとき、
    前記制御部は、
    前記第1の位置から前記第2の位置に向けて前記検出部を移動させるときに、最初に前
    記強度が変化する位置と当該位置の次に前記強度が変化する位置とに基づいて、前記媒体
    の端部を検出する第2の検出処理を実行可能であり、
    透過率の高い前記媒体が設定された場合には、前記第1の検出処理を実行し、透過率の
    低い前記媒体が設定された場合には、前記第2の検出処理を実行する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印刷装置。
  4. 前記印刷部は、インクを吐出するノズルが形成された吐出部と、前記吐出部を支持した
    状態で前記幅方向に移動するキャリッジと、を有するものであり、
    前記ノズルから吐出されるインクを受容する液体受容部と、
    前記吐出部に接触することで、前記ノズルが開口する空間を閉空間とするキャップと、
    をさらに備え、
    前記幅方向において、前記液体受容部及び前記キャップの一方は、前記支持部の前記第
    1端側に配置され、前記液体受容部及び前記キャップの他方は、前記支持部の前記第2端
    側に配置される
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の印刷装置。
  5. 媒体を幅方向に亘って支持する支持部と、前記支持部に支持された前記媒体に印刷を行
    う印刷部と、前記支持部に向けて照射した光の反射光の強度を検出する検出部と、を備え
    る印刷装置の媒体端検出方法であって、
    前記幅方向における前記支持部の第1端に応じた第1の位置から前記支持部の第2端に
    応じた第2の位置に前記検出部を移動させる移動ステップと、
    最初に前記強度が変化する位置と最後に前記強度が変化する位置とに基づいて、前記媒
    体の端部を検出する検出ステップと、を備える
    ことを特徴とする媒体端検出方法。
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