JP2018130874A - 凹版版面の作製方法 - Google Patents

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和彦 ▲島▼田
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Abstract

【課題】 凹版印刷において、ワイピングローラ等により凹版版面の凹部内の凹版インキが拭き取られた場合であっても、画線切れ等の印刷不良の発生を防ぐ凹版版面の作製方法を提供する。【解決手段】 凹版版面に形成する凹部の側面において、凹版版面の表面近傍に、側面が有する角度と異なる角度を有する傾斜部を設定する傾斜部設定工程と、傾斜部設定工程で設定した加工データを基に、傾斜部を形成する傾斜部加工工程を、少なくとも有することを特徴とする。【選択図】 図6

Description

本発明は、銀行券、有価証券等のセキュリティ印刷物の印刷に利用される凹版印刷に用いる凹版版面の作製方法に関するものである。
凹版印刷は、凹版版面(1)に凹版インキ(5)を塗布し、版面の凹部(2)以外の余剰な凹版インキ(5)を拭き取ることで、凹版画線を形成する凹部(2)のみに凹版インキ(5)を残留させた後、凹版版面上に用紙(6)を配し、圧力を与えることで凹版版面(1)の凹部(2)に残留した凹版インキ(5)が用紙(6)に転移し、用紙(6)の表面に盛り上がった凹版画線が印刷される。
図1に、従来の凹版版面(1)の断面図を示す。凹版版面(1)については、銅板、鋼板などの金属板面に、化学腐食や彫刻によって印刷画線となる凹部(2)を形成することで作製している。凹版版面の凹部(2)形状については、化学腐食による方法では図1(a)に示すとおりU状となり、彫刻による方法では図1(b)及び図1(c)に示すとおりV状となる。
しかし、一般的に凹版印刷においては、凹部(2)以外の余剰な凹版インキ(5)をワイピングローラやドクター等で拭き取る際に、凹部(2)内の凹版インキ(5)も拭き取られてしまう。その結果、印刷時には用紙(6)に十分な凹版インキ(5)を転移できず、画線切れ等の印刷不良が発生してしまうことから、凹版印刷の特徴となる盛り上がりのある画線を十分には再現できない、という問題があった。
このような問題を解決する手段として、凹版版面(1)の凹部(2)の底面にインキ止めを設け、凹部(2)内の凹版インキ(5)を拭き取り難くなるような工夫をしている。例えば、特許文献1には、凹版インキ(5)が拭き取られやすい凹版版面(1)の凹部の幅(A)が広い部分に、パーティション(3)と呼ばれるインキ止めを付与する方法が開示されている。凹部の幅(A)が広い部分について、凹部(2)内を分割するパーティション(3)が残存するように、金属板面を加工する方法である。また、インキ止めの形状については、前述したパーティション(3)のように、凹部(2)の底面全体に付与するものだけでなく、底面の一部分にのみ凸形状を形成する場合もあり、これらは肉止めやストッパーとも呼ばれている。
特許第5229964号
図2(a)に、凹部(2)の底面にパーティション(3)を付与した凹版版面(1)の断面図を示す。前述したとおり、特許文献1は凹部(2)の底面にパーティション(3)を付与することで、ワイピングローラ等による拭き取りの際に、凹部(2)内に充填された凹版インキ(5)も拭き取られてしまうことを防止することを目的としている。
しかし、凹部(2)の底面にパーティション(3)を設けたとしても、凹版インキ(5)は粘度が高く、拭き圧力も高いことから、凹部(2)内の凹版インキ(5)の拭き取りを完全に防ぐことはできない。特に、凹部(2)内中央のインキ表面は拭き取られやすく、凹部(2)の側面と凹版版面(1)の表面との交点である凹部(2)の角の部分、つまり凹部のエッジ(4)には凹版インキ(5)は残留しやすいため、図2(b)に示すとおり、拭き取り後の凹部(2)内の凹版インキ(5)は、窪んだ状態となる。
従来の凹版版面(1)のように、凹部(2)の形状が単純なU状又はV状であると、凹部(2)の側面と凹版版面(1)の表面とで形成される角度は急であり、凹部のエッジ(4)は鋭利な状態となっている。この場合、印刷時に凹部(2)に押し込まれる用紙(6)については、図3(a)に示すとおり、凹部のエッジ(4)付近に残留した凹版インキ(5)とは接触できるが、窪んだ状態である凹部(2)内中央の凹版インキ(5)とは接触できず、用紙(6)と凹部(2)内の凹版インキ(5)との間に隙間が生じてしまう。このような場合、図3(b)に示すとおり、用紙(6)に転移されるのは凹部のエッジ(4)付近の凹版インキ(5)のみとなるため、印刷物の一部に画線切れ等の印刷不良が発生してしまう。
また、仮に、凹部(2)内の凹版インキ(5)の大部分を用紙(6)に転移できたとしても、凹部(2)の底面に存在するパーティション(3)周囲の凹版インキ(5)は、最も用紙(6)に転移しづらいため、パーティション(3)周囲には徐々に凹版インキ(5)が堆積し、堆積した凹版インキ(5)が徐々に乾燥することで、用紙(6)へのインキ転移量は更に減少し、印刷品質が安定しない、という問題も発生する。
また、印刷物に画線切れ等の印刷不良が発生した場合の対応としては、印圧を高く調整することが多い。標準印圧(通常の印圧)よりも印圧を高くすると、用紙(6)を凹版版面(1)の凹部(2)内により押し込むことができるため、用紙(6)と凹版インキ(5)との接触面積が増えることで用紙(6)へのインキ転移量が増加し、画線切れ等の解消につながると考えられる。しかし、印圧が高い状態での印刷は、標準印圧での製造と比較すると、凹版版面(1)の持ちが悪くなるため、凹版版面(1)の交換頻度が高くなる。さらには、版胴や圧胴の軸に負担がかかり、軸受け等の部品交換の頻度も高くなるため、生産コストが増加する、という問題も発生する。
そこで、本発明は、凹部のエッジ(4)をなくし、凹部(2)の側面から凹版版面(1)の表面への変化をなだらかにすることで、凹部(2)内の凹版インキ(5)が拭き取られた場合であっても、用紙(6)へのインキ転移を良好にし、画線切れ等の印刷不良の発生を防ぐ凹版版面(1)の作製方法を提供する。
前述の目的を達成するために、本発明は、凹版版面の表面近傍に、表面から底面に向けて凹部が形成され、凹部の側面に側面と異なる傾斜及び/又は異なる形状の傾斜部を有する凹版版面の作製方法であって、傾斜部を設定する傾斜部設定工程は、傾斜部と側面との交点を傾斜部の始点とし、傾斜部と表面との交点を傾斜部の終点として、傾斜部の始点と傾斜部の終点とを通る直線を傾斜線として、傾斜線と表面からの垂線とで形成するなす角が、側面と表面からの垂線とで形成するなす角よりも大きい角度になるように設定し、傾斜部を加工する傾斜部加工工程は、傾斜部設定工程で設定した加工データを基に、傾斜部を形成することを特徴とする凹版版面の作製方法である。
また、傾斜部設定工程は、i)傾斜部の形状を階段状にする場合は、傾斜部の少なくとも一部が傾斜線を越えないように設定し、又は、ii)傾斜部の形状を曲線状にする場合は、傾斜部の少なくとも一部が側面の延長線上を越えないように設定することを特徴とする。
また、傾斜部設定工程は、表面に対して水平方向となる傾斜部の幅を10μm以上20μm以下、表面に対して垂直方向となる傾斜部の深度を5μm以上15μm以下の範囲で設定することを特徴とする。
以上のような本発明の凹版版面(1)の作製方法では、凹部のエッジ(4)に傾斜を持たせ角度をなだらかにすることで、ワイピングローラ等により凹部(2)内の凹版インキ(5)が拭き取られた場合にも、印刷時には凹部(2)内に押し込まれる用紙(6)の形状が凹部(2)内のインキ形状に追従できる。つまり、用紙(6)が凹部(2)内の凹版インキ(5)と隙間なく接触することで、凹版インキ(5)が用紙(6)に転移しやすくなるため、印刷物には画線切れ等の印刷不良が発生せず、適切な印刷品質の印刷物を得ることができる。
また、凹部(2)の底面にパーティション(3)を付与する必要がなくなるため、用紙(6)へのインキ転移量は変化することなく、印刷中は継続して安定した印刷品質の印刷物を得ることができる。
また、用紙(6)へのインキ転移が安定するため、印圧を標準印圧の状態に保ったままで印刷を継続でき、版面交換や部品交換の頻度が無駄に増えることがなく、生産コストを抑えられる。
従来の凹版版面の断面図 パーティションを付与した凹版版面の断面図 パーティションを付与した凹版版面における印刷状態 従来の凹版版面の作製方法 本発明の凹版版面の作製方法 本発明の方法で作製する凹版版面の断面図と印刷状態 本発明の方法で作製するその他の形状の凹版版面の断面図 本発明の方法で作製する傾斜部の拡大図(1) 本発明の方法で作製する傾斜部の拡大図(2) 本発明の方法で作製する凹版版面の加工方法
本発明の実施形態について図面を用いて説明する。しかしながら、本発明は、以下に述べる実施するための形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他様々な形態が実施可能である。
図6(a)に、本発明の方法により作製される凹版版面(1)の凹部(2)の一例を示す。図6(a)は、凹部(2)の側面の末端と凹版版面(1)の表面とをつなぐ傾斜を設ける。つまり凹版版面(1)の表面近傍に、凹部(2)の側面とは異なる傾斜角度の凹部(2)の側面の末端と凹版版面(1)の表面とをつなぐ直線的な傾斜を付与した状態である。ここでいう凹版版面(1)の表面とは、凹版版面(1)と用紙(6)とが接する位置の高さのことである。このように、本発明では、従来よりも凹部(2)内の凹版インキ(5)を用紙(6)に転移させやすくするため、凹部(2)の側面と凹版版面(1)の表面との交点である凹部のエッジ(4)をなくし、この周辺の領域に始点及び終点を有する傾斜を持たせるものである。この領域については、具体的には、凹部(2)の側面の末端と凹版版面(1)の表面との交点を中心とすると、この中心からの半径が20μm以内の範囲とする。なお、本発明では、凹部(2)の側面の末端と凹版版面(1)の表面との交点をつなぐ傾斜を傾斜部(7)とし、前述した領域の始点及び終点は、傾斜部(7)の始点及び終点と同一である。また、傾斜部(7)の始点及び終点を通る直線を傾斜線(10)とする。
前述したとおり、従来、凹版版面(1)については化学腐食や彫刻によって、金属板面に凹版画線となる凹部(2)を形成することで作製してきた。しかし、化学腐食による方法では、腐食液の温度、腐食液の濃度等により腐食量が変化するため、凹部のエッジ(4)をなだらかにするような細かい加工は難しい。彫刻については手工的又は機械的な方法により実施することが可能であるが、手工的な方法での加工には時間を要してしまう。そのため、手工的な方法での傾斜部(7)の形成は、作業性が悪く、大量製造には向いていない方法であるため好ましくない。そこで、本発明では機械彫刻による手段を用いることで、傾斜部(7)を形成することとする。
図4は、従来の凹版版面(1)の作製工程の流れを示すフローチャートであり、このフローチャートに準じて、従来の作製方法について、ステップ(以下「S」とする。)ごとに説明する。最初に、S1は、データ編集工程であり、金属板面上に付与する模様の原画像データを入力又は作成する。次に、加工データ設定工程(S2)では、各凹版画線について凹部の幅(A)及び凹部の深度(B)等の詳細な設定を行い、加工時に必要となる彫刻装置に適応したフォーマットの加工データへ変換及び加工軌跡の設定を行う。最後に、加工工程(S3)では、S2で作成した加工データを使用して金属板面への加工を実施する。
傾斜部(7)についても、従来の凹版版面(1)の作製と同様の流れで説明する。図5は、本発明の特徴である、傾斜部(7)を形成する工程を有する、本発明の凹版版面(1)の作製方法を示したフローチャートである。なお、S1、S2及びS3は、前述した図4に示す従来の作製方法と同じ、データ編集工程、加工データ設定工程及び加工工程である。本発明の特徴としては、まずは、傾斜部設定工程(SX)において、傾斜部の幅(C)及び傾斜部の深度(D)を設定し、加工用データへの変換等を行う。次に、傾斜部加工工程(SY)において、SXで作成した加工用データを使用して凹版版面(1)への加工を行うことで、傾斜部(7)を形成する。また、SX及びSYについては、図4で示した従来の凹版版面(1)の作製工程のステップ間で任意に付与できる。図5に示すとおり、例えば、従来のS2の後にSXを実施し、その後のS3と同時にSYを実施することができる。つまり、主模様と傾斜部(7)を同時に加工することができる。もしくは、S3の前、又は、S3が終了した後に、SYを実施してもよい。このように、SX及びSYの実施については、任意のタイミングを選択できる。
本発明の方法により作製される図6(a)の凹版版面(1)を使用した場合の、凹版インキ(5)拭き取り後の状態を図6(b)に、用紙(6)を配した状態を図6(c)に示す。図6(b)に示すとおり、ワイピングローラ等により凹部(2)内の凹版インキ(5)が拭き取られたとしても、傾斜部(7)が存在することで、図6(c)に示すとおり、凹部(2)内に押し込まれる用紙(6)が傾斜部(7)の形状に沿って変形し、凹部(2)内のインキ表面全体に接触できる。つまり、凹部(2)内の凹版インキ(5)と用紙(6)とが隙間なく接触できるため、用紙(6)に凹版インキ(5)を効率的に転移でき、適切な印刷品質の印刷物を得ることができる。
図7に、傾斜部(7)のその他の例を示す。図7(a)は階段状、図7(b)は多段の階段状、図7(c)は滑らかな曲線状である。このように、傾斜部(7)には様々な形状が考えられるが、凹版版面(1)の作製時間を短縮するためには、図6(a)の形状が最も好ましい。なお、図6(a)に示すとおり、凹部の側面の角度(E)については、凹部(2)内での凹版インキ(5)の残留を低減し、凹部(2)内で凹版インキ(5)が固化することによる画線深度の変化を避けるため、20度以上60度以下にすることが好ましい。この範囲の角度にすることで、大量生産では必須である凹版版面(1)を複製する電鋳方式による工程において、剥離作業での版面の傷みを軽減させる効果もある。なお、本発明における「凹部の側面の角度」とは、凹版版面(1)の表面からの垂線と、凹部(2)の側面により形成される角度、いわゆる「なす角」のことを指す。
ここで、傾斜部(7)の大きさを詳細に説明する。傾斜部の幅(C)が、10μm未満の場合は、従来のように、凹部(2)の側面と凹版版面(1)の表面とで形成される交点あたりの領域が鋭利な状態であり、押し込まれた用紙(6)が、凹部(2)内のインキ形状に追従できないため、用紙との接触面積を増やすことで用紙(6)へのインキ転移量を安定させる、という効果が発揮できない。また、傾斜部の幅(C)が、20μmより大きい場合は、傾斜部(7)に存在する凹版インキ(5)の拭き取りが安定しないため、傾斜部(7)に凹版インキ(5)が残留し、その残留した凹版インキ(5)が用紙(6)に転移することで、印刷物で再現される凹版画線の画線幅の変動や、印刷物の汚れにつながる可能性があり好ましくない。
傾斜部の深度(D)が5μm未満の場合は、凹部のエッジ(4)には傾斜が存在しないほぼ水平の状態となるため、従来の凹版版面(1)と同様に、押し込まれた用紙(6)が、凹部(2)内のインキ形状に追従できず、用紙(6)との接触面積を増やすことで用紙(6)へのインキ転移量を安定させる、という効果が発揮できない。また、傾斜部の深度(D)が15μmより大きい場合は、傾斜部(7)に存在する凹版インキ(5)の拭き取りが安定しないため、傾斜部(7)に凹版インキ(5)が残留し、残留した凹版インキ(5)が用紙に付着することで、印刷物で再現される凹版画線の画線幅の変動や、印刷物の汚れにつながる可能性があり好ましくない。よって、傾斜部の幅(C)は、10μm以上20μm以下の範囲で設定し、傾斜部の深度(D)は5μm以上15μm以下の範囲で設定する必要がある。
傾斜部(7)を前述の大きさにすることで、傾斜部(7)に付与された凹版インキ(5)は、ワイピング等による拭き取り時に、凹版版面(1)の表面に存在する余剰インキとともに拭き取られ、用紙に転移されるのは傾斜部(7)以外の凹部(2)内の凹版インキ(5)となるため、印刷物では求める画線幅の凹版画線を再現することができる。なお、この大きさの範囲内であれば、傾斜部(7)の形状は階段状、直線状及び曲線状など、どのような形状とすることも可能である。ただし、傾斜部(7)の形状を階段状にする場合には、図8(a)に示すように、傾斜部(7)の段を、傾斜線(10)を越えない範囲で形成することが好ましい。図8(b)に示すように、傾斜部(7)の段が傾斜線(10)を越えてしまうと、印刷時に、用紙(6)が傾斜部(7)の形状に沿って変形しづらいため、好ましくない。また、傾斜部(7)の形状を曲線状とする場合には、図8(c)に示すように、傾斜部(7)の曲線を、凹部(2)の側面の延長線(11)上を越えない範囲で形成することが好ましい。図8(d)に示すように、傾斜部(7)の曲線が、凹部(2)の側面の延長線(11)上を越えてしまうと、従来の版面と同様に、凹部のエッジ(4)が存在することとなるため好ましくない。
次に、傾斜部の角度(F)について説明する。図9に示すように、傾斜部の角度(F)とは、凹版版面(1)の表面からの垂線と、傾斜線(10)により形成される角度、いわゆる「なす角」を指す。本発明において傾斜部(7)を形成する目的は、凹部のエッジ(4)をなくすことである。そこで、凹版版面の表面側に存在する傾斜部の角度(F)は、凹部の底面側に位置する凹部の側面の角度(E)よりも大きい必要がある。
また、傾斜部(7)については、凹版版面(1)の全ての凹部(2)に付与してもよいし、一部の凹部(2)に付与してもよい。金属板面に付与する主模様の形状、凹部の幅(A)及び深度(B)の大きさ、凹版印刷機の印刷条件等によって、印刷物に画線切れが発生しやすい場所と、発生しない場所が存在するため、画線切れの発生が多い凹部(2)のみを選択してもよい。
機械彫刻の方法については、NC彫刻機(数値制御彫刻機あるいは数値制御工作機)による方法では、彫刻バイトが版面材料へ直接接触し凹版画線の形状となる凹部(2)を加工するため、凹部のエッジ(4)の形状がバイトの形状に大きく依存する。そこで、より滑らかな傾斜を付与するためには、非接触で加工の自由度が高いレーザ加工機を用いて凹版版面(1)を作製するのが好ましい。
本発明を実施例に基づいて以下に詳細に説明する。本実施例においては、レーザ加工機を用いて凹版版面(1)を作製する方法を説明する。
図5のフローチャートに示すとおり、まずは、S1において、凹版版面(1)に付与する模様データを作成し、次に、S2において、凹部の幅(A)及び深度(B)を設定し、使用する加工機に適応したフォーマットの加工用データに変換した。なお、本実施例では、金属板面は真鍮板を用いて作製し、厚みは1.0mmである。表面は鏡面加工を施したものを使用した。
次に、SXにおいて、傾斜部の幅(C)及び深度(D)を設定した。本実施例は、幅(A)が40μm、深度(B)が16μmの凹部(2)に、幅(C)が10μm、深度(D)が8μmである2段状の傾斜部(7)を設定したものである。傾斜部(7)の設定が終了したら、使用する加工機に適応したフォーマットの加工用データに変換し、この加工用データを使用して、金属板面の加工を行った。本実施例では、レーザ加工機を使用した。
図10は、本実施例における金属板面の加工の順番を示す断面図である。最初に彫刻深度を4μmに調整したレーザを用いて傾斜部(7)の第1段目を彫刻する。この際、凹部の幅(A)も合わせた60μmの長さを彫刻する。次に、第1段目の幅から5μm内側の範囲について、彫刻深度を4μmに調整したレーザを用いて加工することで、傾斜部(7)の第2段目を作製する。その後、傾斜部(7)の2段目の幅から5μm内側の範囲について、彫刻深度を8μmに調整したレーザを用いて2回加工を行うことで、幅(A)が40μm、深度(B)が16μmの凹部(2)に、幅(C)が10μm、深度(D)が8μmの2段状の傾斜部(7)を形成した。なお、その他の凹部(2)についても同様の方法で傾斜部(7)を付与した。
得られた凹版版面(1)を原版として、電鋳により実製造用の実用版を作製し、作製した実用版を使用して凹版印刷機による凹版印刷を行った。印刷機の印圧は、印刷中は継続して標準印圧の設定としたが、得られた印刷物を確認すると、画線切れ等の印刷不良の発生はなく、求めていた画線幅の凹版画線が再現されていた。
1 凹版版面
2 凹部
3 パーティション
4 凹部のエッジ
5 凹版インキ
6 用紙
7 傾斜部
8 傾斜部の始点
9 傾斜部の終点
10 傾斜線
11 延長線
A 凹部の幅
B 凹部の深度
C 傾斜部の幅
D 傾斜部の深度
E 凹部の側面の角度
F 傾斜部の角度

Claims (3)

  1. 凹版版面の表面近傍に、前記表面から底面に向けて凹部が形成され、前記凹部の側面に前記側面と異なる傾斜及び/又は異なる形状の傾斜部を有する凹版版面の作製方法であって、
    前記傾斜部を設定する傾斜部設定工程は、前記傾斜部と前記側面との交点を傾斜部の始点とし、前記傾斜部と前記表面との交点を傾斜部の終点として、
    前記傾斜部の始点と前記傾斜部の終点とを通る直線を傾斜線として、
    前記傾斜線と前記表面からの垂線とで形成するなす角が、前記側面と前記表面からの垂線とで形成するなす角よりも大きい角度になるように設定し、
    前記傾斜部を加工する傾斜部加工工程は、前記傾斜部設定工程で設定した加工データを基に、前記傾斜部を形成することを特徴とする凹版版面の作製方法。
  2. 前記傾斜部設定工程は、
    i)前記傾斜部の形状を階段状にする場合は、前記傾斜部の少なくとも一部が前記傾斜線を越えないように設定し、又は、
    ii)前記傾斜部の形状を曲線状にする場合は、前記傾斜部の少なくとも一部が前記側面の延長線上を越えないように設定することを特徴とする請求項1記載の凹版版面の作製方法。
  3. 前記傾斜部設定工程は、前記表面に対して水平方向となる前記傾斜部の幅を10μm以上20μm以下、前記表面に対して垂直方向となる前記傾斜部の深度を5μm以上15μm以下の範囲で設定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の凹版版面の作製方法。
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