JP6056112B1 - グラビア印刷方法及び印刷装置並びにそれに使用するドクター刃とドクターホルダーと厚刃の当て板 - Google Patents

グラビア印刷方法及び印刷装置並びにそれに使用するドクター刃とドクターホルダーと厚刃の当て板 Download PDF

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Abstract

【課題】グラビア印刷において、ドクター刃の摩耗や損傷を少なくすることでグラビア印刷物の品質向上、生産性向上を図るための方法、及びこの方法を実施するための、グラビア印刷方法及び印刷装置並びにそれに使用するドクター刃とドクターホルダーと厚刃の当て板を提供する。【解決手段】ドクターホルダー、及び該ドクターホルダーに挟まれる厚刃の当て板3とドクター刃4からなる揺動機構を備えたドクター装置を用い絵柄を被印刷物にニップ圧胴との圧接でグラビア印刷する方法において、グラビア印刷版の両エッジ部におけるドクター刃の加圧力を、それ以外の部分に対する加圧力よりも弱めた状態で印刷することを特徴するグラビア印刷方法及び印刷装置並びにそれに使用するドクター刃とドクターホルダーと厚刃の当て板。【選択図】図13

Description

グラビア印刷において、版に設けられたセル(絵柄を形成する)にインキを塗布した後、不要なインキを除去するドクター刃の使用において、使用による摩耗や損傷を少なくすることでグラビア印刷物の品質向上、ドクター刃の取り換え頻度を少なくし、グラビア印刷の生産性向上を図るための方法、及び方法を実施するためのドクター装置を構成するドクター刃とドクターホルダーと厚刃の当て板に関する。
デジタル印刷の出現以前には、平版印刷、凸版印刷、凹版印刷が印刷三方式と呼ばれていた。グラビア印刷は、凹版印刷の代表的な印刷方式であり多様な印刷素材に対応できる印刷として広く使用されている。
グラビア印刷の特徴は、使用するインキに用いる樹脂の種類を選択することにより、紙・アルミ・各種のフィルムなど多様な素材に印刷を施すことができる。また、フィルムなど透明な素材においては、印刷面から又は非印刷面から意匠を認識できるため、産業資材分野、包装資材分野などの印刷に多く用いられている。
どの分野においても、印刷物の品質要求は高くなっており機械面、インキ面、副資材面の検討は行われているが、これらについて多面的に検討されることは少ない。たとえば、グラビア印刷シリンダー(以下「グラビア印刷版」と言う)とドクター刃に関する検討においても、意匠を形成するグラビア印刷シリンダーのセル形状や表面粗さ、ドクター刃が版面でどのように変化するなどの検討であり、製品に関係がないと思われていたグラビア印刷版の版エッジの影響をなくす方法などは検討されていない。検討がなされたとしても、「版エッジをきれいにしよう。」というような単独の行為でしかなかった。従って、特許文献、非特許文献おいて、記載された文献を見出すことが出来なかった。
グラビア印刷版を用いるグラビア印刷において、インキを掻き落とすために使用するドクター刃とグラビア印刷版の両エッジ部での接触による、ドクター刃の摩耗や損傷を少なくすることでグラビア印刷物の品質向上、生産性向上を図るための方法、及びこの方法を実施するための、グラビア印刷方法及び印刷装置並びにそれに使用するドクター刃とドクターホルダーと厚刃の当て板を提供することを課題とする。
グラビア版に設けられた印刷絵柄部にインキを塗布し余分なインキを掻き落とすためにドクター刃が使用され、印刷絵柄部にドクター刃を版面に対して40度から60度程度の角度で、加圧し塗布された余分なインキを掻き落とすことで印刷絵柄の再現が行われる。印刷絵柄の再現性を高めるため、ドクター刃に関する提案、ドクターホルダーに関する提案(ワンタッチドクタホルダー、コンコルドドクターホルダーなど)が行われている。
しかし、グラビア印刷版の両エッジ部とドクター刃との接触による、ドクター刃の摩耗や損傷を改善する提案はなく、本発明は、該部分に関するものである。
本発明は、グラビア印刷版の版面に塗布されたインキをドクター刃で掻き落とした後、グラビア印刷版とニップ圧胴との間に被印刷物を供給してグラビア印刷する方法において、前記グラビア印刷版の両エッジ部におけるドクター刃の加圧力を、ドクター刃を版面に接触させた状態で、前記版面に対する加圧力よりも弱めたことを特徴するグラビア印刷方法である。
0008,9の追記は必要か?
また、前記グラビア印刷版の両エッジ部におけるドクター刃の加圧力に加えて、さらに前記ニップ圧胴に相対することがない部分の前記ドクター刃の加圧力を、ドクター刃を版面に接触させた状態で、それ以外の前記版面に対する加圧力よりも弱めたことを特徴とするグラビア印刷方法である。
これらの方法により、ドクター刃の過度な摩耗や損傷を低減することができ、印刷製品である絵柄へ影響を与えることなく、インキ中へのドクター摩耗片の混入がなくなり、グラビア印刷版の端部摩耗を低減することができ、ドクター筋やごみ筋など品質面での向上や、ドクター刃の交換頻度削減などの生産面での改善だけでなく、更には、被印刷物の印刷品質の欠点を無くし、被印刷物の長尺を図り後工程に送ることにより、後工程(ラミネート工程・スリッター工程など)の生産効率の向上につなげることが出来る。
グラビア印刷版の芯材は、鉄又はアルミニウムの管の両端にドーナツ状の盤を付け側面を形成し回転軸に固定するように構成されている。(俗に形状の特徴から「竹輪」と呼ばれる。)このグラビア印刷版の芯材に銅メッキ層が150μから300μメッキされ、該銅メッキ層に絵柄を腐食による方法・彫刻による方法で形成された後、グラビア印刷版の耐刷性を持たすために、クロムメッキが6ミクロンから12μ形成された構成となっている。
グラビア印刷版を製造する工程において、版の絵柄を再現するために版の表面は数回の研磨が行われ鏡面状に仕上げられるが版の側面及び、絵柄を付ける版面と版側面の交点部分(以下俗称として「エッジ部」と言う。)は、版面の平滑性まで仕上げられることはない。また、エッジ部は曲面であり版面の状態まで仕上げることは困難である。版エッジ部の形状は、各社間の統一はされていないが、おおよそ5mm半径から12mm半径の円弧となっている。
また、銅メッキ、クロムメッキにおいて、メッキ槽内で版面には平行に設けられた電極によりメッキが均一に行われるが、版エッジ部には電流が集中して流れるためメッキ表面を荒らす原因にもなっている。この版エッジ部のメッキ状態の改善のため、電流の集中を防止するための遮蔽版が設けられたリ、銅メッキにおいては、メッキ槽の電極両端部には銅ボールに投入を少なくするなどの処置はなされるが、版面部のメッキ状態までには至らない。
このような、グラビア印刷版を使用しグラビア印刷を行う場合、グラビア印刷版に塗布された余分なインキを掻き落とすためにドクター刃が使用される。ドクター刃が余分なインキを掻き落としグラビア印刷版に形成された凹部(以下「セル」と言う。)にだけインキが残り被印刷物にニップ圧胴との圧接により転写されることでグラビア印刷は完了する。ここでドクター刃はインキを掻き落とすために版面に加圧されるだけでなく版面と直角の側面との境のエッジ部も加圧した状態で接する。
エッジ部は前記の半径の円弧を有する形状であるが、ドクター刃はグラビア印刷版の版面に加圧され湾曲しているがドクターホルダーの揺動により版エッジ部を離れるときは加圧による湾曲は解放され直線の状態になる。逆に揺動により版エッジ部をドクター刃が乗り上げるときは、直線のドクター刃は加圧により湾曲の状態になる。版面のように平滑でないエッジ部では、ドクター刃の摩耗や損傷は、版面上での摩耗と比較して激しいものである。
このような、グラビア印刷版の版エッジ部の状況であるが、グラビア印刷版とドクター刃とニップ圧胴と被印刷物の幅、及びドクターホルダーの揺動幅については、一般的に次のような関係で設定されている。(1100mm幅のグラビア版の場合について1例を記す。)
・グラビア印刷版の版幅:1100mm (版エッジ部のR:7mm)
・ドクター刃、厚刃の当て板及びドクターホルダーの幅:1100mmプラス100mm
・ドクターホルダーの揺動幅:5mm
・ニップ圧胴の幅:1100マイナス60mm
・被印刷物の幅:1100マイナス60mm以下
このように、版幅とニップ圧胴の幅(被印刷物の幅)とに、60mmに差はグラビア印刷機が導入された時代からだと思われるが、グラビア版のエッジ部でドクター刃が激しい摩耗や損傷を生じるためと考えられる。
グラビア印刷版に設けられた絵柄を如何に安定して再現するかが大切であり、そのためにドクターの役割は大きなものがある。ドクター装置の設定は、各社で異なるものであり各社の経験により決められていることが多い。ドクター装置の条件設定において変動要素として次のような項目を挙げることが出来る。1)使用するドクター刃の種類〈加工刃・厚み〉。2)ドクターの加圧力。3)版に対するドクター刃の角度。4)ドクターホルダーからドクター刃を出す寸法。5)ドクターホルダーから厚刃の当て板を出す寸法。6)使用する厚刃の当て板の厚みや幅。7)ドクターホルダーで挟まれるドクター刃と厚刃の当て板の寸法。8)ドクターホルダーのタイプ。などがある。
図1に一般的なドクター周辺の正面概要図を、図2に図1のドクター周辺の側面拡大概要図を示す。
図1で、グラビア印刷版(1)を基準に寸法〈グラビア印刷版の幅をXとする〉関係を説明する。グラビア印刷版(1)の幅に対してドクターホルダー(2)の幅及び厚刃の当て板(3)の幅はXプラス100mm程度となっている。ドクター刃(4)の幅はXプラス100mm程度のものが使用される。(幅が狭いグラビア印刷版(1)を使い印刷する場合は、ドクター刃の幅を狭くするだけで、ドクターホルダー(2)は、同じものを使用し印刷される。)ニップ圧胴(5)の幅は、Xマイナス60mm程度に設定されている。これは版エッジ部(6)でのドクター摩耗や損傷で版面にインキが付着してもニップ圧胴(5)に転移し汚れないようにするためである。被印刷物(7)はニップ圧胴(5)幅以下であればよい。±5mm程度の揺動幅(8)を白抜き両矢印で示す。
図2は、側面図でドクター刃(4)がグラビア印刷版(1)に加圧され刃先が湾曲している拡大概要図を示している。グラビア印刷版(1)に当たっていない刃先は直線の状態であり、ドクター刃(4)を破線で示す。ドクターホルダー(2)の揺動によりグラビア印刷版(1)のエッジ部(6)に当たり版面では、図に示す湾曲した状態となる。このようにドクター刃(4)が揺動によりエッジ部(6)を競り上がり競り下がりを繰り返すこと、エッジ部(6)表面が荒れていることより摩耗や欠損は激しく、絵柄部での摩耗と比較し2倍から10倍程度となる。ドクター刃の揺動が、グラビア印刷において不可欠であるのは、版面の絵柄部と非絵柄部の境目での摩耗差を少なくすためである。
ドクター刃(4)の先端の湾曲は、どのようなっているかであるが、グラビア版にドクター刃を45度の角度(10)(グラビア版の接線(9)とドクター刃の角度)で当て、加圧力により印刷に使用している刃先は30度程度になっている場合刃先は、1mm程度が湾曲によりグラビア印刷版(1)との距離を短くしていると考えてよい。
図3に、グラビア印刷版(1)のエッジ部(6)とドクター刃(4)の摩耗する位置関係が揺動によりどのように変化するかを示した。(一方のエッジ部を示す。)図3には、ドクター刃が揺動により左右に移動し、揺動幅(8)を太両矢印で示すが、エッジ部(6)のドクター刃(4)の摩耗や欠損は、この範囲には止まらず、摩耗や欠損したドクター刃(4)が揺動により研磨され平滑な版面は、荒れた版面(11)となり、該部分のドクター刃先の摩耗(12)は、図の細両矢印で示す部分まで摩耗範囲(13)を広げる。
図3のドクター刃の摩耗範囲(13)は、版エッジ部にクロムメッキブツや銅メッキ部に筋状のヤスリ跡があるものは、より広範囲に及びドクター刃の割れや大きなカケになるものもある。
グラビア印刷版の幅とニップ圧胴の幅(及び非印刷物の幅)に60mmの差があるのは、ドクター刃がグラビア印刷版の版エッジ部での摩耗及び欠損があること、ドクターの揺動によることで、版エッジ部を除く版面にインキの汚れが及ぶことを示すものである。
グラビア版は、1100mmに限らず、種々のサイズがあるが、グラビア印刷版の版エッジ部近傍の寸法関係は大きく変わらない。また、グラビア印刷版の版エッジ部の状況も大きく変わらない。
ドクター刃を使用するにあたり、必要な治具として厚刃の当て板がある。厚刃の当て板はドクター刃と共にドクターホルダーに挟まれる。また、厚刃の当て板はドクター刃の上下の使用する又は、ドクター刃の上部にだけ使用することが出来るが、ほとんどのドクター刃の上部に1枚だけ使用することが多くなっている(段付きドクター刃が販売されオペレーターによる刃先の砥石研磨作業をしなくなったためと思われる。)。一般的に、厚刃の当て板は鋼製バネ材が使用され厚みは、0、3mmから1mmのものが使用される。
厚刃の当て板は、ドクターホルダーの補助をするものでありドクターホルダーだけで、ドクター刃の加圧力を得ようとすると、グラビア印刷版に接触しないように、ドクターホルダー下部部材の先端を薄くしなければならず、ドクター刃の保持力低下ややホルダー精度の維持の困難になるためと考えられる。
本発明は、ドクター刃が版エッジ部での摩耗や損傷により、ドクター刃のカケ・摩耗カス(金属異物)をインキへの混入を防止することでグラビア印刷物の品質向上、生産性向上を図るものである。このための方法として、数種類の方法を見出した。
方法の一つは、ドクター刃を加工することによりエッジ部でドクター刃が摩耗や損傷を受けなくするドクター刃を使用することである。
グラビア印刷版とニップ圧胴との間に被印刷物を供給する前段において、前記グラビア印刷版の版面に沿って揺動しながら、該版面に塗布されたインキを掻き落とすドクター刃であって、前記グラビア印刷版の両エッジ部に対応する刃先部と、前記ニップ圧胴と相対することのない刃先部とが少なくともドクター刃が版面に接触する領域を残して削除されていることを特徴とするドクター刃を使用すればよい。
図4に、ドクター刃の刃先が、揺動によりグラビア印刷版のエッジ部での摩耗や損傷を受けないように、予め削除す部分を示した。黒く示した部分を削除する最小範囲(14)とし、グレー色で示した部分を削除する最大範囲(15)としたドクター刃とすればよい。
削除の幅は、1mmから2mm程度でドクター刃の加圧力を弱く版面に接触する状態にすることが出来き、これによりエッジ部での摩耗や損傷を無くすことが出来る。削除する幅は、グラビア印刷版の版面に対する加圧力により適切に選択すればよい。
また、グラビア印刷版とニップ圧胴との間に被印刷物を供給する前段において、前記グラビア印刷版の版面に沿って揺動しながら、該版面に塗布されたインキを掻き落とすドクター刃であって、前記グラビア印刷版の両エッジ部と対向する刃先部を含む、前記ニップ圧胴と相対することのない刃先部が、前記版面に加圧することによって該版面に接触し、浮く方向に湾曲状に塑性変形していることを特徴とするドクター刃を使用すればよい。
ドクター刃は、鋼材のバネ性能を生かしグラビア版に塗布されたインキを安定的に掻き落とすために使用するものであるが、グラビア印刷版のエッジ部においては、欠点となっている。ドクター刃の該部分のバネ性能を低下させ、塑性変形できるようにすることでドクター刃が揺動によりグラビア印刷版のエッジ部での摩耗や損傷を受けないようにしたものである。
図5に、ドクター刃(4)の刃先が、ドクターホルダー(2)の揺動において、前記ニップ圧胴(5)に相対することがない、前記ドクター刃(4)の部位を加熱、焼鈍することで、エッジ部(6)で浮く方向に湾曲状に塑性変形し、揺動によりグラビア印刷版(1)のエッジ部(6)での摩耗や損傷を受けないように、焼鈍する部分を示した。黒く示した部分を焼鈍する最小範囲(16)とし、グレー色で示した部分を焼鈍する最大範囲(17)としたドクター刃とすればよい。
グラビア版のエッジ部での摩耗や損傷を受けないように、グラビア印刷版のエッジ部から浮く方向に湾曲状に塑性変形させるのは、予め所望の形状にしておいてもよく、またドクターホルダーに固定した後、所望の形状にしてもよい。 焼鈍するには、所望の位置を1000℃から1300℃程度に加熱し、徐冷すれば容易に塑性変形するドクター刃を作ることが出来る。また、ドクター刃の鋼材の種類においては、焼鈍を行わなくても、プレス機などの設備を用いれば所望の部分を塑性変形させることが出来る。
先に記した、ドクター刃の刃先部を、予め削除したドクター刃、又はドクター刃の部位を塑性変形したドクター刃を用いることで、グラビア印刷版のエッジ部からのドクター刃の摩耗や損傷による異物の発生を無くし印刷品質の安定が図れ、また印刷の効率向上が図れるグラビア印刷装置とすることができた。
別な方法の一つは、ドクターホルダーにドクター刃を湾曲させる部材を取り付けることで、エッジ部でドクター刃が摩耗や損傷を受けなくするドクターホルダー使用することである。
ドクター刃をグラビア印刷版に加圧状態で保持するドクターホルダーであって、前記ドクター刃の前記グラビア印刷版の両エッジ部と対向する部位を、前記グラビア印刷版の両エッジ部から浮き上がった状態に保持する引っ張り部材の一端が、ドクターホルダーに取り付けられ、該エッジ部におけるドクター刃の摩耗や損傷を少なくできることを特徴とするドクターホルダーを使用すればよい。
ドクター刃をグラビア印刷版に加圧状態で保持するドクターホルダーであって、前記ドクター刃の前記グラビア印刷版の両エッジ部と対向する部位を前記グラビア印刷版の両エッジ部から浮き上がった状態に保持する押し上げ部材の一端が、ドクターホルダーに取り付けられ、該エッジ部におけるドクター刃の摩耗や損傷を少なくできることを特徴とするドクターホルダーを使用すればよい。
ドクターホルダーに取り付ける部材で、ドクター刃を湾曲させる場合は、部材がグラビア印刷版に接触しないようにしなければならない。ドクター刃を、引っ張り上げる部材においても、押し上げる部材においても、ドクター刃が揺動によってグラビア印刷版に接触しない部分で行うこととなる。図6に部材を付けることが出来る範囲(18)を破線で示すが、効果を高めるには両エッジ部と対向するグラビア印刷版に近い位置に設ければよい。
図7に、ドクターホルダー(2)に厚刃の当て板(3)、ドクター刃(4)をセットした断面図を示す。この状態にセットされた、ドクター刃(4)は、グラビア印刷版(1)に加圧され湾曲する。
図8に、ドクター刃(4)をグラビア印刷版(1)に加圧され湾曲した状態で保持するためにドクターホルダー上部部材(19)との間に渡されたドクターホルダー上部部材(19)に取り付けられた引っ張り部材(22)によってドクター刃(4)の刃先が湾曲した図を示す。これにより、ドクター刃(4)は揺動運動によってグラビア印刷版(1)のエッジ部(6)を、競る上がり競る下がりの繰り返しにおいても摩耗や損傷を少なくすることが出来る。また、グラビア印刷版(1)のエッジ部(6)から浮き上がった状態に保持することも引っ張りを強くすれば出来る。図9に、図8の平面図を示す。近年多用されるようになった、ドクターホルダー上部部材を厚み1mmから2mm程度のバネ板で代用するドクターホルダー(通称:ワンタッチドクターホルダー)においては、上部に露出したドクターホルダー本体板に引っ張り部材を固定できるようにすればよい。
図10に、ドクター刃(4)をグラビア印刷版(1)に加圧された状態で保持するためにドクターホルダー下部部材(20)との間に渡されたドクターホルダー下部部材(20)に取り付けられた押し上げ部材(24)によってドクター刃(4)の刃先が湾曲した図を示す。これにより、ドクター刃(4)は揺動運動によってグラビア印刷版(1)のエッジ部(6)を、競る上がり競る下がりの繰り返しにおいても摩耗や損傷を少なくすることが出来る。また、グラビア印刷版(1)のエッジ部(6)から浮き上がった状態に保持することも押し上げを強くすればよい。平面図については、図9に対し図10の押し上げ部材とネジがドクターホルダー下部部材に取り付けられる違いであり図示を省略する。
ドクターホルダー上部部材又はドクターホルダー下部部材を用い、ドクター刃を湾曲した一例を図で示したが、引っ張り部材又は押し上げ部材はこの形状に限定されるものではない。ドクターホルダー上部部材又は下部部材に固定された部材が、ドクター刃をグラビア印刷版に加圧された形状に保持できるものであれば、形状は任意である。ドクターホルダー上部部材又はドクターホルダー下部部材に、予め引っ張り部材又は押し上げ部材を一体にしたものであってもよい。
また、グラビア印刷版の側面に付着したインキの飛散を防止するため、ドクターから、200μ程度のポリエステルフィルムや300グラム平米程度の板紙を短冊状にして、ドクターフルダーなどに張り付け、一部をグラビア印刷版の版面に沿わすことが一般的に行われるが、該短冊を引っ張り部材又は押し上げ部材のドクター刃を湾曲する部位の近傍に固定、又は固定できる部位を更に設けて固定してもよい。
グラビア印刷装置にあっては、ドクター刃をグラビア印刷版に加圧状態で保持するドクターホルダーであって、前記ドクター刃の前記グラビア印刷版の両エッジ部と対向する部位を、前記グラビア印刷版の両エッジ部から浮き上がった状態に保持する引っ張り部材の一端が、ドクターホルダーに取り付けられていること、又は前記グラビア印刷版の両エッジ部から浮き上がった状態に保持する押し上げ部材の一端が、ドクターホルダーに取り付けられていることにより、該部分でのドクター刃の摩耗、損傷による異物の発生を無くし印刷品質安定が図れ、また印刷の効率向上が図れるグラビア印刷装置とすることができた。
更に、別な方法の一つは、ドクター刃に重ねられて加圧力を高める厚刃の当て板の形状を変えることで可能となる。
グラビア印刷版とニップ圧胴との間に被印刷物を供給する前段において、前記グラビア印刷版の版面に沿って揺動しながら、該版面に塗布されたインキを掻き落とすドクター刃に重ねられ、その状態でドクターホルダーに保持されて前記ドクター刃の前記版面に対する加圧力を高める厚刃の当て板であって、前記ドクター刃が版面に接触して前記被印刷物に前記インキを供給する前記版面への加圧力に影響しない範囲で、前記ニップ圧胴のエッジ部分に相対する領域まで削除されていることを特徴とする厚刃の当て板を使用すればよい。
これにより、ニップ圧胴とグラビア印刷版の圧接で被印刷物に印刷される版面部分以外の版面及び両エッジ部において、ドクター刃の加圧力を大きく低減することができ、ドクター刃の摩耗、損傷を少なくすることができる。
図11に、厚刃の当て板(3)を削除する好ましい範囲を示す。これは一例を示したものであり、狭く、又は広くした任意に範囲を選択することが出来る。更に狭い範囲や広い範囲を厚刃の当て板(3)の幅方向にあっては、ニップ圧胴(5)に相対することがない部分が最大の削除範囲となる。厚刃の当て板(3)がドクターホルダー(2)に挟まれる部分にあっては、削除しないのが好ましいが、部分的に削除することもできる。厚刃の当て板(3)がドクターホルダー(2)に挟まれる部分を削除する場合は、ドクターホルダー(2)の間にインキが侵入する場合や、またドクター刃(4)に振動が発生する場合があり、適切な範囲での削除が必要である。
図12に、厚刃の当て板(3)を削除した場合のドクター刃(4)の刃先状態を示している。厚刃の当て板(3)がある場合に比べ、ドクター刃(4)だけの部分の幅は3から6倍(図12では5倍)にすることが出来るため、グラビア印刷版(1)のエッジ部(6)においてもドクター刃(4)が加圧する力は、2割程度の加圧力まで弱くなり、ドクター刃(4)の刃先は、摩耗や損傷を大幅に低減することが出来る。この方法によれば、グラビア印刷版(1)の版幅に合わせた厚刃の当て板(3)を準備しておけばよく、安価な方法と言える。
グラビア印刷装置にあって、グラビア印刷版とニップ圧胴との間に被印刷物を供給する前段において、前記グラビア印刷版の版面に沿って揺動しながら、該版面に塗布されたインキを掻き落とすドクター刃に重ねられ、その状態でドクターホルダーに保持されて前記ドクター刃の前記版面に対する加圧力を高める厚刃の当て板を、前記被印刷物に前記インキを供給する前記版面への加圧力に影響しない範囲で、前記ニップ圧胴のエッジ部分に相対する領域まで削除することで、該部分からのドクター刃の摩耗異物の発生を無くし印刷品質の向上が図れ、また印刷の効率向上が図れるグラビア印刷装置とすることができた。
先に記載した、グラビア印刷版とニップ圧胴との間に被印刷物を供給する前段において、前記グラビア印刷版の版面に沿って揺動しながら、該版面に塗布されたインキを掻き落とすドクター刃であって、前記グラビア印刷版の両エッジ部に対応する刃先部と、前記ニップ圧胴と相対することのない刃先部とが少なくとも削除されていること、又は前記グラビア印刷版の両エッジ部と対向する刃先部を含む、前記ニップ圧胴と相対することのない刃先部が、前記版面から浮く方向に湾曲状に塑性変形していることを特徴とするドクター刃を使用することに加え、先に記載したドクター刃をグラビア版に加圧力を高める厚刃の当て板が、ドクターホルダーの揺動において、前記ニップ圧胴に相対することがない一部分又は全部分を削除した該厚刃の当て板を併用することで、グラビア印刷版のエッジ部をグラビア印刷版の両エッジ部から浮き上がった状態に保持し、該部分でのドクター刃の摩耗、損傷による異物の発生を無くし印刷品質の改善が図れ、また印刷の効率向上が図れるグラビア印刷装置とすることができた。
先に記載した、ドクター刃の刃先部を、予め削除したドクター刃、又はドクター刃の部位を塑性変形したドクター刃を用いることに加え、先に記載したドクター刃をグラビア版に加圧力を高める厚刃の当て板を併用することで、グラビア印刷版の版面とドクター刃の刃先は安定した低い加圧力で接触するため、グラビア印刷における版面管理を容易にすることができる。
先に記載した、ドクター刃のグラビア印刷版の両エッジ部と対向する部位を、ドクター刃の刃先をグラビア版に加圧状態で保持する、ドクターホルダーの上部部材に取り付けられたドクター刃の刃先を湾曲させる引っ張り部材又はドクターホルダーの下部部材に取り付けられたドクター刃の刃先を湾曲させる押し上げ部材によって、前記部位が前記グラビア版の両エッジ部から浮き上がった状態に保持することに加え、先に記載したドクター刃をグラビア版に加圧力を高める厚刃の当て板が、ドクターホルダーの揺動において、前記ニップ圧胴に相対することがない一部分又は全部分を削除した該厚刃の当て板を併用することで、グラビア印刷版のエッジ部をグラビア印刷版の両エッジ部から浮き上がった状態に保持し、該部分でのドクター刃の摩耗、損傷による異物の発生を無くし印刷品質の改善が図れ、また印刷の効率向上が図れるグラビア印刷装置とすることが出来できた。
図13に、押し上げ部材(24)を設けること、厚刃の当て板(3)の一部削除することを併用した場合のドクター刃(4)の刃先状態を示す。厚刃の当て板(3)の一部削除を行ったことにより、ドクター刃(4)に刃先の湾曲の半径は大きくすることができ、弱い力で所望の状態を作ることが出来る。これにより、グラビア印刷版(1)のエッジ部(6)との間隔の調整も容易なものとすることができる。
図14に、引っ張り部材(24)を設けること、厚刃の当て板(3)の一部削除することを併用した場合のドクター刃(4)の刃先状態を示す。図14に示すドクターホルダー(2)は、ワンタッチドクターホルダーと呼ばれるもので、上部は板バネ(26)を溝(28)に収納した加圧丸棒(29)を用いドクター刃(4)を挟む機構のものである。ドクターホルダー本体板(30)に引っ張り部材(22)を取り付け、更に厚刃の当て板(3)をドクターホルダー(2)の咥え部まで削除した。ドクター刃(4)が、湾曲する支点が図9においては、厚刃の当て板(3)の先端であるのに対し、ドクターホルダー(2)の先端が湾曲する支点となるため刃先の湾曲の半径は大きくすることができ、弱い押し上げ力で所望の状態にドクター刃(4)を湾曲することができる。また、引っ張り部材(22)の固定ネジ(23)が、ドクターホルダー(2)の上にあるため、ドクター刃(4)の引っ張り状態を、グラビア印刷途中でも調整できる特徴がある。
図15に、図14の平面図を示す。(グラビア印刷版(1)及びニップ圧胴(5)を追記した。)また加圧用丸棒(28)は、図14と異なり、平面部を上部にして示している。加圧用丸棒(28)を回転させるため平面部に加圧用丸棒を回転するための治具を挿入する孔(31)が設けられており、加圧用丸棒を回転するときに治具が収まる溝(32)が、ワンタッチドクターホルダー本体板(30)に設けられている。加圧用丸棒(28)を回転させるための部分は板バネ(26)が一部削除されている。尚、図15において、板バネは、破線の斜線で示している。このように、ワンタッチドクターホルダーであっても、一般的なドクターホルダーと同様に本発明を実施することができる。
グラビア印刷版の両エッジ部とドクター刃の接触による、ドクター刃の摩耗や損傷を無くすことで、該部分からのドクター刃の摩耗異物の発生を無くし印刷絵柄部分で発生するドクター筋を防止し、非印刷絵柄部分で発生するゴミ筋を防止しすることができる。
また、グラビア印刷絵柄部分でのドクター刃先の摩耗と比較し、摩耗損傷が激しいグラビア印刷版の両エッジ部でのドクター刃先の摩耗や損傷を防止することでドクター刃の交換頻度を少なくすることができる。
これらの品質面の向上、効率面の向上だけでなく、グラビア印刷で良い印刷物を速く生産できることで後工程の生産性も向上し、計り知れない効果を生み出すことができる。
ドクター周辺の正面概要図 ドクター周辺の側面概要図 ドクター刃の摩耗・損傷の位置関の係概念図 ドクター刃の刃先を削除した概念図 ドクター刃の刃先を焼鈍した概念図 ドクターホルダーに部材を設ける範囲(破線部)図 ドクター装置の断面概要図 引っ張り部材でドクター刃を湾曲させた概念図 引っ張り部材でドクター刃を湾曲させた平面概念図 押し上げ部材でドクター刃を湾曲させた概念図 厚刃の当て板を削除した一例図 厚刃の当て板を一部削除したドクター刃の刃先概念図 押し上げ部材と厚刃の当て板の一部削除を併用したドクター刃の刃先概念図 ワンタッチドクターホルダーに設けた引っ張り部材と厚刃の当て板の一部削除を併用したドクター刃の刃先概念図 ワンタッチドクターホルダー図14の平面図
図4で示す構成での実施を行った。ドクター刃の刃先を削除したドクター刃を使用し、グラビア印刷を行った。ドクター刃の削除は、刃先部1mmを削除し、削除部分と削除しない部分は角度3度をもって滑らかに移行し、ニップ圧胴幅1040mmに対し削除しない部分が1060mmになるようにしドクター刃の両端の刃先をなくし、グラビア印刷版の両エッジ部での、摩耗や損傷が起きないようにした。
このドクター刃を使用し、グラビア印刷を10万m行ったが、グラビア印刷版の両エッジ部は、少し摩耗しただけで、印刷時にドクター筋やごみ筋は発生しなかった。また、ドクター刃を削除した部分の版面においても、インキの掻きに異常はなかった。
これにより、版エッジのドクター刃に起因する問題でドクター刃の交換や印刷を阻害することがなくなった。
ドクター刃の一部を1300℃に加熱し徐冷焼鈍することで、刃先部のバネ性を低下させ塑性変形をし易くした。加熱した部位は、図5で示す最小範囲で行った。こうして得られたドクター刃を、ドクターホルダーから厚刃当て板20mm、ドクター刃を25mm出した仕様で厚刃の当て板と共にドクターホルダーにセットした。
ドクターホルダーにセットされたドクター刃を、厚刃の当て板の先端を起点に、焼鈍した部分を曲げ湾曲させた。こうして作成したドクター刃を使用しグラビア印刷を10万m行ったが、グラビア印刷版の両エッジ部は、少し摩耗しただけで、印刷時にドクター筋やごみ筋は発生しなかった。湾曲させたドクター刃は版面部分で、インキの掻きが悪く版面のクモリや着色が観察されたが、印刷物に以上は発生しなかった。
これにより、版エッジのドクター刃に起因する問題でドクター刃の交換や印刷を阻害することがなくなった。
ドクター刃と厚刃の当て板をドクターホルダーにセットセットした後、刃先がグラビア印刷版と接触しない近傍にドクターホルダーの上盤に固定するドクター刃先の引っ張り部材を使用しドクター刃先を湾曲させた。これによりドクター刃は、ドクター装置の揺動においても、版エッジに接触しない状態にできた。ドクターホルダーに固定する引っ張り部材は、図8で示したものを使用した。
こうして作成したドクター刃を使用しグラビア印刷を10万m行ったが、グラビア印刷版の両エッジ部は、少し摩耗しただけで、印刷時にドクター筋やごみ筋は発生しなかった。湾曲させたドクター刃は版面部分で、インキの掻きが悪く版面のクモリや着色が観察されたが、印刷物に異常は発生しなかった。
これにより、版エッジのドクター刃に起因する問題でドクター刃の交換や印刷を阻害することがなくなった。
ドクター刃と厚刃の当て板をドクターホルダーにセットセットした後、刃先がグラビア印刷版と接触しない近傍にドクターホルダーの下盤に固定するドクター刃先の押し上げ部材を使用しドクター刃先を湾曲させた。これによりドクター刃は、ドクター装置の揺動においても、版エッジに接触しない状態にできた。ドクターホルダーに固定する押し上げ部材は、図10で示したものを使用した。
こうして作成したドクター刃を使用しグラビア印刷を10万m行ったが、グラビア印刷版の両エッジ部は、少し摩耗しただけで、印刷時にドクター筋やごみ筋は発生しなかった。湾曲させたドクター刃は版面部分で、インキの掻きが悪く版面のクモリや着色が観察されたが、印刷物に異常は発生しなかった。
これにより、版エッジのドクター刃に起因する問題でドクター刃の交換や印刷を阻害することがなくなった。
ドクターホルダーにドクター刃と共にセットしドクター刃の版面への加圧力を高める厚刃の当て板を、図11の示す範囲で削除しドクターホルダーにセットしグラビア印刷に使用した。
こうしてセットしたドクターホルダーを使用しグラビア印刷を10万m行ったが、厚刃の当て板を削除した部分のドクター刃の版面への加圧力は大幅に低減され版面のクモリが観察されたが、印刷物に異常は発生しなかった。
これにより、版エッジ部においては、摩耗は少しあるが損傷はなくなり、ドクター刃に起因する問題でドクター刃の交換や印刷を阻害することがなくなった。
実施例5と実施例6を併用した実施例であり、断面図を図13に示す。ドクター刃が、湾曲する支点が図10においては、厚刃の当て板の先端であるが、図13においては、ドクターホルダーの先端が、湾曲する支点となるため弱い押し上げ力でドクター刃を湾曲することが出来た。
このように、セットしたドクターホルダーを使用しグラビア印刷を10万m行ったが、ドクター刃は版エッジ部においては摩耗がなくなり、版面への加圧力は低減され版面のクモリが観察された程度で、印刷物に異常は発生しなかった。
これにより、版エッジ部においては、摩耗はなくなり、ドクター刃に起因する問題でドクター刃の交換や印刷を阻害することがなくなった。
実施例4と実施例6を併用した実施例であり、図13に示すように押し上げ部材を取り付け、更に厚刃の当て板をドクターホルダーの咥え部まで削除した。ドクター刃が、湾曲する支点が図10においては、厚刃の当て板の先端であるのに対し、ドクターホルダーの先端が湾曲する支点となるため弱い押し上げ力でドクター刃を湾曲することが出来た。
このように、セットしたドクターホルダーを使用しグラビア印刷を10万m行ったが、ドクター刃は版エッジ部においては摩耗がなくなり、版面への加圧力は低減され版面のクモリが観察された程度で、印刷物に異常は発生しなかった。
これにより、版エッジ部においては、摩耗はなくなり、ドクター刃に起因する問題でドクター刃の交換や印刷を阻害することがなくなった。
実施例3と実施例6を併用した実施例であり、図14に示すように引っ張り部材を取り付け、更に厚刃の当て板をドクターホルダーの咥え部まで削除した。ドクター刃が、湾曲する支点が図8においては、厚刃の当て板の先端であるのに対し、ドクターホルダーの先端が湾曲する支点となるため弱い押し上げ力でドクター刃を湾曲することが出来る。また、引っ張り部材の固定ネジが、ドクターホルダーの上部にあるため、グラビア印刷を中断することなくドクター刃の引っ張り状態を調整できた。
このように、セットしたドクターホルダーを使用しグラビア印刷を10万m行ったが、ドクター刃は版エッジ部においては摩耗がなくなり、版面への加圧力は低減され版面のクモリが観察された程度で、印刷物に異常は発生しなかった。
これにより、版エッジ部においては、摩耗はなくなり、ドクター刃に起因する問題でドクター刃の交換や印刷を阻害することがなくなった。(本実施例においては、ワンタッチドクターホルダーを使用したが、ドクターホルダー上下部部材からなる一般的なドクターホルダーでも同様の結果であった。)
1 グラビア印刷版
2 ドクターホルダー
3 厚刃の当て板
4 ドクター刃
5 ニップ圧胴
6 エッジ部
7 被印刷物
8 揺動幅
9 グラビア印刷版との接線
10 45度の角度(ドクター角)
11 荒れた版面
12 ドクター刃先の摩耗
13 ドクター刃先の摩耗範囲
14 削除する最小範囲
15 削除する最大範囲
16 焼鈍する最小範囲
17 焼鈍する最大範囲
18 部材を付けることが出来る範囲
19 ドクターホルダー上部部材
20 ドクターホルダー下部部材
21 ドクターホルダー固定ネジ
22 引っ張り部材
23 部材固定ネジ
24 押し上げ部材
25 厚刃の当て板を削除する範囲の一例
26 板バネ(太破線で図示)
27 板バネの支点ネジ
28 丸棒用の溝
29 加圧用丸棒
30 ワンタッチドクターホルダー本体板
31 加圧用丸棒を回転するための治具を挿入する孔
32 加圧用丸棒を回転するときに治具が収まる溝

Claims (12)

  1. グラビア印刷版の版面に塗布されたインキをドクター刃で掻き落とした後、グラビア印刷版とニップ圧胴との間に被印刷物を供給してグラビア印刷する方法において、前記グラビア印刷版の両エッジ部におけるドクター刃の加圧力を、ドクター刃を版面に接触させた状態で、前記版面に対する加圧力よりも弱めたことを特徴するグラビア印刷方法。
  2. 前記グラビア印刷版の両エッジ部におけるドクター刃の加圧力に加えて、さらに前記ニップ圧胴に相対することがない部分の前記ドクター刃の加圧力を、ドクター刃を版面に接触させた状態で、それ以外の前記版面に対する加圧力よりも弱めたことを特徴とする請求項1に記載のグラビア印刷方法。
  3. グラビア印刷版とニップ圧胴との間に被印刷物を供給する前段において、前記グラビア印刷版の版面に沿って揺動しながら、該版面に塗布されたインキを掻き落とすドクター刃であって、前記グラビア印刷版の両エッジ部に対向する刃先部と、前記ニップ圧胴と相対することのない刃先部とが少なくともドクター刃が版面に接触する領域を残して削除されていることを特徴とするドクター刃。
  4. グラビア印刷版とニップ圧胴との間に被印刷物を供給する前段において、前記グラビア印刷版の版面に沿って揺動しながら、該版面に塗布されたインキを掻き落とすドクター刃であって、前記グラビア印刷版の両エッジ部と対向する刃先部を含む、前記ニップ圧胴と相対することのない刃先部が、前記版面に加圧することによって該版面に接触し、浮く方向に湾曲状に塑性変形していることを特徴とするドクター刃。
  5. 請求項3又は4に記載のドクター刃を備えたグラビア印刷装置。
  6. ドクター刃をグラビア印刷版に加圧状態で保持するドクターホルダーであって、前記ドクター刃の前記グラビア印刷版の両エッジ部と対向する部位を、前記グラビア印刷版の両エッジ部から浮き上がった状態に保持する引っ張り部材の一端が、ドクターホルダーに取り付けられ、該エッジ部におけるドクター刃の摩耗や損傷を少なくできることを特徴とするドクターホルダー。
  7. ドクター刃をグラビア印刷版に加圧状態で保持するドクターホルダーであって、前記ドクター刃の前記グラビア印刷版の両エッジ部と対向する部位を前記グラビア印刷版の両エッジ部から浮き上がった状態に保持する押し上げ部材の一端が、ドクターホルダーに取り付けられ、該エッジ部におけるドクター刃の摩耗や損傷を少なくできることを特徴とするドクターホルダー。
  8. 請求項6又は7に記載のドクターホルダーを備えたことを、特徴とするグラビア印刷装置。
  9. グラビア印刷版とニップ圧胴との間に被印刷物を供給する前段において、前記グラビア印刷版の版面に沿って揺動しながら、該版面に塗布されたインキを掻き落とすドクター刃に重ねられ、その状態でドクターホルダーに保持されて前記ドクター刃の前記版面に対する加圧力を高める厚刃の当て板であって、前記ドクター刃が版面に接触して前記被印刷物に前記インキを供給する前記版面への加圧力に影響しない範囲で、前記ニップ圧胴のエッジ部分に相対する領域まで削除されていることを特徴とする厚刃の当て板。
  10. 請求項9に記載の厚刃の当て板を備えたことを、特徴とするグラビア印刷装置。
  11. 請求項9に記載の厚刃の当て板が、請求項3又は請求項4に記載のドクター刃に重ねられ、ドクターホルダーに保持されていることを特徴とするグラビア印刷装置。
  12. 請求項9に記載の厚刃の当て板が、請求項6又は請求項7に記載のドクターホルダーに保持されていることを特徴とするグラビア印刷装置。
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