JP2020196222A - グラビア印刷版及び該グラビア印刷版を用いたグラビア印刷方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】グラビア印刷において、グラビア印刷版両端のR部で揺動するドクター刃の摩耗や損傷を少なくするグラビア印刷版並びに該グラビア印刷方法で、グラビア印刷物の品質向上、ドクター刃の耐久性を高め、グラビア印刷の生産性向上を図る。【解決手段】グラビア印刷版両端のR部3で揺動するドクター刃の摩耗や損傷を少なくするために、版面部1とR部の間に段差部9を設け、ドクター刃が接触する段差部の表面状態を版面部の平滑な表面状態、若しくは版面部の表面状態以上に平滑なグラビア印刷版とグラビア印刷版、及び該グラビア印刷版を使用したグラビア印刷方法を提供する。【選択図】図3

Description

グラビア印刷において、グラビア印刷版に設けられたセル(絵柄を形成する)にインキを塗布した後、不要なインキを除去するためのドクター刃において、グラビア印刷版両端のR部で揺動するドクター刃の摩耗や損傷を少なくし、グラビア印刷物の品質向上、ドクター刃の耐久性を高め、グラビア印刷の生産性向上を図ることができるグラビア印刷版並びにグラビア印刷版の製造方法及びグラビア印刷方法に関する。
デジタル印刷の出現以前には、平版印刷、凸版印刷、凹版印刷が印刷三方式と呼ばれていた。グラビア印刷は、凹版印刷の代表的な印刷方式であり多様な印刷素材に対応できる印刷として広く使用されている。
グラビア印刷の特徴は、使用するインキに用いる樹脂の種類を選択することにより、紙・アルミ・各種のフィルムなど多様な素材に印刷を施すことができる。また、フィルムなど透明な素材においては、印刷面から又は非印刷面から意匠を認識できるため、産業資材分野、包装資材分野などの印刷に多く用いられている。
どの分野においても、印刷物の品質要求は高くなっており機械面、インキ面、副資材面の検討は行われているが、これらについて多面的に検討されることは少ない。たとえば、グラビア印刷版とドクター刃に関する検討においても、意匠を形成するグラビア印刷シリンダーのセル形状や表面粗さ、ドクター刃が版面でどのように変化する(例えばセラッメキドクター刃の開発)などの検討であり、製品に関係がないと思われていたグラビア印刷版の版エッジの影響をなくす方法などは検討されていない。検討がなされたとしても、「版エッジをきれいに清掃しよう。」というような行為でしかなかった。従って、特許文献、非特許文献おいて、記載された文献を見出すことが出来なかった。
グラビア印刷版の製造工程を簡単に記載すると、1、アルミ又は鉄のシリンダーを所望の円周(版ピッチ)に旋盤で切削する。2、このときシリンダーの両端部(版面と側面の交点部分)を半径10mm程度の曲面で仕上げR部を形成するが、この時点で一般的にR部の表面凹凸は、版面部分より凹凸の激しいものである。3、さらにペーパー研磨が施されることもある。4、次いで、銅メッキが500ミクロン程度される。(グラビア印刷版の転用を容易にする為更に銀粒子を付着させた後更に銅メッキ層を80μ程度形成することもある。…バラード版)5、版面の銅メッキ面は砥石研磨2000番から3000番で仕上げられ、バフ研磨も行われることもある。これにより、版面は鏡面状態の平滑性が得られる。6、版端部のR部は(5、)の研磨の前にヤスリで銅メッキのブツなどを除去するが、ヤスリの目が細かすぎるとヤスリの目に銅が詰まる為、R部は平滑とは言えない状態で次の工程に送られる。7、次いで、砥石研磨された銅メッキ面にレーザー方式のダイレクト腐食又はダイヤ針による電子彫刻により、版深35ミクロンから5ミクロン程度のセルが形成される。8、次に、耐刷力を高めるためクロムメッキが6ミクロンから12ミクロン程度の厚みで形成され、版面はペーパー研磨が行われる。(この段階では、R部の研磨は行われない。従って、R部は銅メッキの状態より更に荒れた表面となり、また表面硬度も高いものとなる。)
このような、表面状態であるグラビア印刷版両端のR部にドクター刃が加圧され揺動することで刃先は激しい摩耗、カケ、損傷が生じ、ドクター刃の交換頻度が多くなるだけでなく、ドクター刃の摩耗、カケ、損傷による異物がインキ中に混入し筋汚れや、ドクター筋、筋汚れと呼ばれる印刷不良の原因となっている。また、カケや損傷によりインキ飛びの原因にもなっている。
グラビア印刷版の両端に10mm程度のR部を設ける理由は、印刷版は立てて保管され移動の方法として、立てた状態で傾け回転することで移動する為でありR部が無ければ版面を傷つけるためである。
現状グラビア印刷に使用されているグラビア印刷版の状態について、図を持って説明を加える。図1はグラビア印刷においてグラビア印刷版(5)にドクター刃(6)を圧着した端部を示す図であり、更にグラビア印刷版(5)の部位に付いて、版面部(1)、版側面部(2)、R部(3)、チャッキング穴(4)を示す。また、図1に示した破線イ−イの断面部は、図5を除く図2から図10の断面図は該部分の断面を示したものである。
図2は、ドクター刃が版面部(1)及び版エッジのR部(3)により、激しい摩耗、カケ、損傷が生じる状態を示した図である。グラビア印刷版(5)は図1のイ−イの断面図で、ドクター刃(6)はグラビア印刷版(5)に圧接された刃先の状態を版面部(1)から離せて図に示している。ドクター刃(5)は版面部(1)に圧接され、版面上では湾曲しているがR部(3)においては湾曲がなくなるまでR部(3)に沿うこととなる。ドクター刃(6)の加圧力にもよるが版面より芯部に向かい2mm程度、版面方向には5mm程度(R部が10mm程度の場合)、ドクター刃(6)はR部(3)に接触する。また、両矢印で示したドクター刃(6)の揺動幅(7)はプラスマイナス5mmが一般的であり、ドクター刃(6)は、おおよそ15mm幅で激しく摩耗することとなる。ドクター刃の摩耗部位(8)を斜線で示した。
グラビア印刷版を用いるグラビア印刷において、インキを掻き落とすために使用するドクター刃とグラビア印刷版の両端のR部(具体的には、グラビア印刷版の版面と呼ばれる2次曲面とグラビア印刷版の円状側面の間に存在するR部と呼ばれる3次曲面部分)が接触することで発生するドクター刃の摩耗や損傷を少なくし、グラビア印刷物の品質向上、生産性向上が図れるグラビア印刷版並びにグラビア印刷版の製造方法及びグラビア印刷方法を提供することを課題とする。
本発明のグラビア印刷版は、グラビア印刷に供するグラビア印刷版であって、前記グラビア印刷版の版面部と、前記版面部の両サイドの側面部が交差するエッジ部に、前記版面部より一段低い位置から前記側面部に連なるR部が設けられ、前記版面部と前記R部の端部との間に段差部が設けられていることを特徴とする。
本発明は、グラビア印刷版のエッジ部の版面部とR部との間に段差部を設け、ドクター刃がR部に接触しないようにしたグラビア印刷版である。段差は3mmから1mmの範囲が好ましい。更に大きな段差にしてもよいが、グラビア印刷版を立てた時に転倒し易くなるため好ましくはない。ドクター刃の加圧により、グラビア印刷版エッジ部でのドクター刃のタワミは異なるが段差は2mm程度でドクター刃がR部に接触しないのが好ましい。また、版面部と段差部との境は、グラビア印刷版の円周方向に直線であればよい。
本発明のグラビア印刷版のエッジ部の形状及び名称を図3に示し説明する。図1にイーイで示す断面部分を、本発明の段差部(8)を設けたグラビア印刷版(5)の1例として図3に示す。版面部(1)に段差部(8)が設けられ段差面(9)が形成され、版面部(1)と段差部(8)の境に角部(14)があるが角部(14)は段差部(8)の一部とする。次いで段差部(8)はR部(3)につながり、更にR部(3)は版側面部(2)につながっている。尚、図3に一点破線の円で示した部分を拡大して、図4で本発明の段差部について詳細に説明する。
本発明のグラビア印刷版は、前記版面部と前記R部との間に設けられた前記段差部が、前記版面部に対し垂直平面又は傾斜面又は傾斜曲面で形成され、前記版面部と前記段差部とが交差する角部が円弧に形成され、前記角部及び前記段差部の一部が平滑に仕上げられ、前記グラビア印刷を行なうに際には、ドクター刃が前記段差部のうち少なくとも前記角部と接触することを特徴とする請求項1記載のグラビア印刷版。
本発明において、段差部を形成する段差面は、任意の形状で設けることができ、段差面の一部が、ドクター刃と接触するものである。段差部とは、版面部とR部との間に設けられる範囲を指し、段差部の一部として角部は含まれ、版面部と段差部との境の段差部を角部と呼ぶものである。
図4のAは、前記版面部(1)と前記R部(3)との間に垂直な段差面(10)である前記段差部(9)を設けたものである。尚、前記版面部(1)と段差部(9)との交点は、直角に図示しているが、グラビア印刷版の製造過程の銅メッキやエッジのペーパー研磨などにより微細な円弧が形成され角部となる。図4のBは、版面部(1)とR部(3)との間に直線の傾斜を有する段差面(10)を設けたものである。図4のCは、版面部(1)とR部(3)との間の段差部(9)に円弧を描く傾斜する曲線である段差面(10)を設けたもので前記版面部(1)と前記段差部(9)の交点は直角に交わっている。尚、本断面においても前記版面部(1)と段差部(9)との交点は、直角に図示しているが、グラビア印刷版の製造過程の銅メッキやエッジのペーパー研磨などにより微細な円弧が形成され角部(14)となる。図4のDは、版面部(1)とR部(3)との間の段差部(9)に円弧を描く傾斜する曲線である前記段差面(10)を設けたもので前記版面部と前記段差部の交点は直線状に交わっている。図4のEは、版面部(1)とR部(3)との間の段差部(9)にS字を描く曲線の傾斜を有する段差面(10)を設けたもので、前記段差面(10)は前記版面部(1)及びR部(3)と直線状に連なっている。図4のFは、図4のAの版面部(1)と段差部(9)とが交差する角部(14)及びR部(3)と前記段差部(9)とが交差する角部(14)が円弧に形成された図である。図4のGは、図4のAの版面部(1)と段差部(9)とが交差する角部(14)が円弧に形成された図である。図4のHは、図4のDの段差部(9)形状を、段差の高低長さに対し版面方向に長くした図である。図4のAから図4のHに示したが、段差部の形状は任意に選択することができる。角部は段差部の一部であるが、図4のHのように版面部(直線)と段差部(比較的大きな円弧)が接線で連なる場合は角部がないと考えて良い。図4のDについても、角部がないと言うこともできる。また、図の示すR部を破線で示したが、R部の表面が平滑でない状態を表すものである。段差部においては、版面部と同様に実線で示したが、段差部はドクター刃が圧接される部分だけが平滑で有ればよい。
図4のAからHにおいて、グラビア印刷版の芯材に第1銅メッキ層を設け、次いで第2銅メッキ層を設け、グラビア印刷版上部の第2銅メッキ層を剥離しできるようにしたバラード方式のグラビア印刷版の場合は、第2銅メッキ層の剥離を容易にするためには、段差部が版面部及びR部に滑らか連なっているB、E、Hの段差部形状が好ましい。
図4のIは、段差を設けない従来技術の図2の断面図を、本発明の段差部を有する形状と比較するために同じ大きさで図示したものである。
ここまで、本発明のクロムメッキを施したグラビア印刷版の段差部形状及び版面部と段差部の平滑性について述べたが、次にグラビア印刷版を構成する芯材及び第1銅メッキ層及び第2銅メッキ層の版面部と段差部に付いて記述する。
本発明のグラビア印刷版は、グラビア印刷版を構成する鉄又はアルミニュームの芯材及び前記芯材に設けられた第1銅メッキ層、又は前記芯材に設けられた前記第1銅メッキ層の上部に設けられた第2銅メッキ層からなる前記グラビア印刷版の前記芯材及び前記第1銅メッキ層及び前記第2銅メッキ層の何れか又は複数層の下地面において、前記下地面のうち前記版面部に対応する版面部下地面及び前記下地面のうち前記角部に対応する角部下地面及び前記下地面のうち前記角部下地面に連なる前記段差部に対応する段差部下地面の一部が、前記版面部下地面と同じ、又は前記版面部下地面より平滑に仕上げられていることを特徴とする。
グラビア印刷版の最表面層となるクロムメッキ層の角部及び段差部が版面部と比較して同様に平滑、又は版面部以上に平滑で有れば本発明の効果は得られる。クロムメッキ層は硬度が有り表面研磨に時間を要することになる。従って、グラビア印刷版を構成する鉄又はアルミニュームの芯材及び前記芯材に設けられた第1銅メッキ層、又は前記芯材に設けられた前記第1銅メッキ層及び上部に設けられた第2銅メッキ層からなる前記グラビア印刷版の前記芯材及び前記第1銅メッキ層及び前記第2銅メッキ層の何れか又は複数層の下地面を平滑に仕上げておくことで、クロムメッキ層の角部及び段差部が版面部と比較し同様に平滑又は版面部以上に平滑に仕上げることになる。
図5に、グラビア印刷版の下地層の構成を示す断面図である。尚、グラビア印刷版は、最表層にクロムメッキ層が設けられるが、図5にはクロムメッキ層は図示していない。
また、厳密には版面部下地面は、「芯材の版面部下地面」「第1銅メッキ層の版面部下地面」「第2銅メッキ層の版面部下地面」となる。また、他の角部、段差部についても、「角部下地面」「段差部下地面」を総称として記述している。
図5のAは、直銅版(通称)と呼ばれ芯材に第1銅メッキ層が設けられ絵柄を形成するセルを設けた後、クロムメッキを行いグラビア印刷版となる。芯材(11)は所望の円周寸法に旋盤で版面部下地面(12)、及びエッジの段差部下地面(13)及びR部下地面(14)の切削を行い、ペーパー研磨で切削クズ等の除去を行うが、この時に本発明の段差部下地面(13)をペーパー研磨により平滑にすれば良い。次いで第1銅メッキ層(16)が設けられるが通常は、200ミクロンから400ミクロン程度であり、第1銅メッキ層(16)の版面部下地面(12)は砥石研磨で平滑にするが、更に版エッジの角部下地面(15)及び段差部下地面(13)の一部を前記砥石研磨、又はペーパー研磨、又はバフ研磨により版面部下地面(12)と同じ、又は前記版面部下地面(12)より平滑に仕上げれば良い。研磨する範囲は段差部下地面(13)の狭い一部範囲であり作業負荷は小さなものである。尚、直銅版においては、銅メッキ層は1層だけであるが、該銅メッキ層を第1銅メッキ層(16)と呼ぶ。
図5のBは、バラード版(通称)と呼ばれ芯材(11)に第1銅メッキ層(16)が設けられ、更に第1銅メッキ層(16)表面に銀粒子を塗布し次いで第2銅メッキ層(17)が設けられ絵柄を形成するセルを設けた後、クロムメッキを行いグラビア印刷版となる。バラード版は第2銅メッキ層(17)を剥離し、新たな第2銅メッキ層(17)を設け絵柄を形成するセルを設けた後、クロムメッキを行なえば、新たなグラビア印刷版となるためグラビア印刷版の再生転用が容易となる。この場合、第1銅メッキ層(16)迄は先に述べた直銅版版と同様の方法で作成され、第1銅メッキ層(16)の版エッジの角部下地面(15)及び段差部下地面(13)の一部が平滑に仕上げられていれば、第2銅メッキ層(17)は100ミクロン程度の銅メッキ層であり比較的平滑に形成されており、版エッジの角部下地面(15)及び段差部下地面(13)の一部を前記砥石で研磨、又はペーパー研磨、又はバフ研磨により版面部下地面(12)と同じ、又は前記版面部下地面(12)より平滑に仕上げれば良い。又は、第1銅メッキ層の(16)版エッジの角部下地面(15)及び段差部下地面(13)の一部が版面部下地面より平滑に仕上げられていると 第2銅メッキ層(18)を形成後、版エッジの角部下地面(15)及び段差部下地面(13)の一部を研磨しなくても十分に平滑に仕上げりクロムメッキを行いグラビア印刷版とすることができる。
従って、バラード版(通称)においては、第1銅メッキ層の版エッジの角部下地面及び段差部下地面の一部を版面部下地面以上に平滑に仕上げておくことで、第2銅メッキ層後の段差部研磨の作業負荷は小さなものであり、更に第2銅メッキ層後の段差部研磨を省略することもできる。
本発明のグラビア印刷方法は、特許請求の範囲に示した請求項1、又は請求項2、又は請求項3に記載のグラビア印刷版を使用しグラビア印刷することを特徴とする。
本発明のグラビア印刷方法は、先に記載した本発明のグラビア印刷版を使用さるものである。
1つ目は、グラビア印刷版の版面部と、前記版面部の両サイドの側面部が交差するエッジ部に、前記版面部より一段低い位置から前記側面部に連なるR部が設けられ、前記版面部と前記R部の端部との間に段差部が設けられていることを特徴とするグラビア印刷版を使用するグラビア印刷方法である。
2つ目は、上記の1つ目の特徴に加え前記版面部と前記R部との間に設けられた前記段差部が、前記版面部に対し垂直平面又は傾斜面又は傾斜曲面で、前記版面部と前記段差部とが交差する角部が円弧に形成され、前記角部及び前記段差部の一部が平滑に仕上げられ、前記グラビア印刷を行なうに際には、ドクター刃が前記角部、及び又は、前記段差部と接触することを特徴とするグラビア印刷版を使用するグラビア印刷方法である。
3つ目は、上記の1つ目及び2つ目の特徴に加えグラビア印刷版を構成する、鉄又はアルミニュームの芯材、及び又は、前記芯材に設けられた第1銅メッキ層、及び又は、前記第1銅メッキ層の上部に設けられた第2銅メッキ層からなる前記グラビア印刷版の下地面において、前記下地面のうち版面部に対応する版面部下地面、及び前記下地面のうち角部に対応する角部下地面、及び前記下地面のうち前記角部下地面に連なる段差部に対応する段差部下地面の一部が、前記版面部下地面と同じ、又は前記版面部下地面より平滑に仕上げられていることを特徴とするグラビア印刷版を使用するグラビア印刷方法である。
本発明のグラビア印刷方法により、図2の版エッジでのドクター刃の摩耗はなくなり摩耗部位(8)で発生するドクター刃が起因の異物はなくなり、該異物による品質不良がなくなるだけでなく、ドクター刃の交換頻度は激減し、従来のドクター刃の印刷使用m数は、2倍から3倍にすることができる。
また、版エッジでのドクター刃の損傷によりドクター刃の破片がインキ中の混入することで発生するドクター筋、筋汚れ、ゴミ筋の等の印刷不良、またドクター刃の欠け等で発生するインキ飛びによる印刷不良を無くすことができる。
従って、本発明のグラビア印刷方法は、従来のエッジに段差部を持たないグラビア印刷版を使用するグラビア印刷方法とは異なる、新たなグラビア印刷方法である。
本発明者は、グラビア印刷版のエッジでドクター刃が摩耗する点を改善する方法などについて、先に特許第6056112号及び特許第6202458号を取得している。本願出願特許との関連について簡単に記述する。尚、図を持って説明を行うが、図には符号を付すが本文用語には符号を省略した。
図2で、通常のグラビア印刷におけるグラビア印刷版とドクター刃の関係を説明した。
図6は、特許第6056112号によりグラビア印刷版のエッジに掛かるドクター刃の加圧を弱くする方法の1例を示した。これによりドクター刃の摩耗は大きく低減することができたが、表面に荒い凹凸があるR部に接触するとドクター摩耗を全てのグラビア印刷版で皆無にすることができなかった。原因はグラビア印刷版によりR部の凹凸状態に差があるため、更にはエッジに掛かるドクター刃の加圧を安定してゼロにすることが難しかったためである。
次いで、グラビア印刷版のエッジのR部で、ドクター刃と接触する部分を版面と同等の平滑にしてドクター刃の摩耗を無くすための方法が特許第6202458号であり、図7に示すようにドクター刃と接触するR部を版面と同等に仕上げることを試みたが、版面部から5mm程度の幅で研磨する必要があり作業負荷が大きく実用的でないと判断した。
但し先の特許第6202458号と特許第6056112号とを併用することで、R部の研磨幅を版面部から1mmから2mm程度となり、十分実用的なものとなった。本方法の概念図を図8に示す。
更に、作業負荷を低減する方法が、本発明である。図9は、版面部とR部の間に段差部を設けることで、版面部とR部の間に微細な円弧又は円弧を形成した場合の概念図である。図10は、本願発明と特許第6056112号を併用した場合の概念図である。これにより、研磨に要する作業負荷を大幅に削減若しくは研磨作業を無くしたものである。因みに、図10においては、段差部の高さ(版面部とR部の高低差)は、0,1から1,0mmの範囲であれば、ドクター刃の摩耗は、版面部のドクター刃の摩耗と差がないものであった。
グラビア印刷版の両端部分に段差部を設け該段差部の版面部と交わる角部及びそれに連なる前記段差部の一部を、前記版面部と同等に平滑、又は同等以上に平滑にすることで、ドクター刃は該部分での摩耗、カケ、損傷を防止でき、ドクター刃の使用寿命を延ばし、また、摩耗、カケ、損傷によるインキ中へのドクター刃に起因する異物の混入を無くし、印刷品質(筋汚れ、ドクター筋、ドクター刃のカケによるR部よりのインキ飛びなど)を向上することができた。
グラビア印刷版にドクター刃を圧接したエッジの概念図 ドクター刃が版エッジのR部で摩耗、カケ等で損傷した概念拡大図 段差部を設けた本発明の概念拡大図 各種形状の段差部を設けた本発明の概念拡大図(AからHの8種) グラビア印刷版(A:直銅版 B:バラード版)の下地層の構成の概念拡大図 グラビア印刷版エッジのドクター刃の加圧を弱くした1例である概念拡大図 R部大半を平滑にしてドクター刃摩耗を防止した概念拡大図 R部の一部を平滑にしてドクター刃の加圧を弱くして摩耗を防止した概念拡大図 段差部を設けドクター刃摩耗を防止した概念拡大図 段差部を設けドクター刃の加圧を弱くしドクター刃摩耗を防止した概念拡大図
本発明の異なる形状の段差部を設けたグラビア印刷版で8通りのグラビア印刷を、従来のグラビア印刷版のR部を一部研磨した版(特許第6202458号)で2通りのグラビア印刷を、合計10通りの印刷テストを行った。更に10通りの内6通りは(特許第6056112号)を併用して実施した。
表1に、グラビア印刷版の形状、グラビア印刷版作成の作業負荷、印刷m、印刷によるドクター刃の状態等をまとめる。NO1からNO8が本発明のグラビア印刷版を使用し、NO9,10は特許第6202458号のR部を一部研磨したグラビア印刷版を使用した。
本発明において、特徴的な点は角部下地面を含む段差部下地面にペーパーを用い(バフ研磨又は砥石研磨でもよい)研磨をしたが、研磨が必要な部位が狭く限られているため、平滑にする作業負荷は少ないものであった。
また、特許第6056112号を併用し、段差部を0,5mm以下にしたNO3、5,6,7,8は、ドクター刃の損傷が全く発生せず非常に良好な結果が得られた。NO2を除く、いずれも10000mの印刷においてドクター筋、ゴミ筋などの不良は発生しなかった。
実施例1のNO4のグラビア印刷版(版エッジの段差部形状を同じにする)で、墨、藍、紅、黄、白のカラー絵柄の裏刷り用グラビア印刷版を作成し、OPPフィルムに30,000mの印刷テストを実施した。
30,000mの印刷において、一度もドクター筋、ゴミ筋などは発生しなかった。また、全ての色に使用したドクター刃の当たり位置が版エッジに該当する部分に、ドクター刃の損傷は見られなかった。
1 版面部
2 版側面部
3 R部
4 チャッキング穴
5 グラビア印刷版
6 ドクター刃
7 揺動幅
8 摩耗部位
9 段差部
10 段差面
11 芯材
12 版面部下地面
13 段差部下地面
14 角部
15 角部下地面
16 第1銅メッキ層
17 第2銅メッキ層
18 R部下地面
19 厚刃当て板
20 厚刃当て板の削除部分(細破線で示す部分)
21 ドクターホルダー
22 ニップ圧胴
23 R部にドクター刃の加圧力を弱めて接触
24 研磨して平滑にしたR部
25 研磨していないR部

Claims (4)

  1. グラビア印刷に供するグラビア印刷版であって、前記グラビア印刷版の版面部と、前記版面部の両サイドの側面部が交差するエッジ部に、前記版面部より一段低い位置から前記側面部に連なるR部が設けられ、前記版面部と前記R部の端部との間に段差部が設けられていることを特徴とするグラビア印刷版。
  2. 前記版面部と前記R部との間に設けられた前記段差部が、前記版面部に対し垂直平面又は傾斜面又は傾斜曲面で形成され、前記版面部と前記段差部とが交差する角部が円弧に形成され、前記角部及び前記段差部の一部が平滑に仕上げられ、前記グラビア印刷を行なうに際には、ドクター刃が前記段差部のうち少なくとも前記角部と接触することを特徴とする請求項1記載のグラビア印刷版。
  3. グラビア印刷版を構成する、鉄又はアルミニュームの芯材及び前記芯材に設けられた第1銅メッキ層、又は前記芯材に設けられた前記第1銅メッキ層の上部に設けられた第2銅メッキ層からなる前記グラビア印刷版の前記芯材及び前記第1銅メッキ層及び前記第2銅メッキ層の何れか又は複数層の下地面において、前記下地面のうち前記版面部に対応する版面部下地面及び前記下地面のうち前記角部に対応する角部下地面及び前記下地面のうち前記角部下地面に連なる前記段差部に対応する段差部下地面の一部が、前記版面部下地面と同じ、又は前記版面部下地面より平滑に仕上げられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のグラビア印刷版。
  4. 請求項1、又は請求項2、又は請求項3に記載のグラビア印刷版を使用しグラビア印刷することを特徴とするグラビア印刷方法。
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