JP6600876B2 - 凹版版面及びその使用 - Google Patents

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Description

本発明は、銀行券、旅券、有価証券等の貴重印刷物を作製する凹版ザンメル印刷の色彩変化を安定させるための凹版版面及びその印刷物に関するものである。
銀行券、旅券、有価証券等の貴重印刷物は、その性質上、偽造や複製がされにくいことが要求されるため、様々な印刷方式、複雑な製造工程、機能性材料、画線及び網点の配置や形状を組み合わせることによって、階調の表現を形成する必要がある。
その一例として、階調を表現することで偽造防止を図る印刷方式としては、ベタ模様を有する複数の部分版(パターンローラ)から、彩色又は機能性の異なるインキをある程度のオーバーラップ部分を持たせた部分版を用いて凹版版面の凹部にインキを充填させ、余剰インキをワイピングローラ等で拭きとった後、強圧により被印刷体に転移させる機構となっているザンメル印刷方式がある。
前述の印刷機構に使用する凹版版面の一例として、凹版版面の凹部にパーテーション(仕切り)を設けることで、ワイピングローラによる中央部のかき取りを防止することで、凹版による広範囲の印刷を可能とした凹版版面が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第5229964号公報
しかし、特許文献1記載の凹版版面は、パーテーションの形状が堰面部を有さず、ワイピングローラによる中央部のかき取りを防止した形状であるため、凹部内に充填された複数種類の凹版インキの移動を抑制することができず、インキの粘度や供給量が異なる場合に、製品設計上の画線の境界部よりも、いずれかのインキが境界部を超え流れ込み、品質が安定しないという課題があった。
そこで、本発明の目的は、凹版ザンメル印刷における複数種類のインキの境界部におけるインキの移動を抑制し、品質を安定させることが可能な凹版版面を提供することにある。
本発明は、第一の深度を有する線状の第一の凹部を複数備えた凹版版面であって、第一の凹部の少なくとも一つは、第一の凹部の長さ方向を仕切る第二の凹部を有し、第二の凹部は、第一の深度より浅い第二の深度を備えた第二の底部及び第二の凹部の長さ方向の両側に堰面部を有することを特徴とする凹版版面である。
また、本発明は、第一の凹部が、第一の底部を有することを特徴とする凹版版面である。
また、本発明は、前述の凹版版面の印刷物への使用である。
本発明の凹版版面は、境界部におけるインキの移動を抑制し、凹版ザンメル印刷物の品質を安定させることができる。
本発明の凹版版面(A1)の平面図と一部拡大図。 本発明の第一の凹部(2)の斜視図。 本発明の第一の凹部(2)の断面形状例。 本発明の第一の凹部(2)の斜視図。 本発明の第二の凹部(3)の堰面部(3b)の形状例。 本発明の凹版版面(A1)を作製する工程図。 本発明の凹版版面(A1)の仕様。 第二の凹部(3)の境界部を示す拡大図。 堰面部(3b)を形成しない場合の凹版インキの移動模式図。 堰面部(3b)を形成した場合の凹版インキの移動模式図。 本発明の凹版版面(A1)における印刷物の模式図。
本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。しかしながら、本発明は、以下に述べる実施するための形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他様々な形態が実施可能である。
(凹版版面)
図1は、本発明における凹版版面(A1)の一例を示す平面図と、一部拡大図である。本発明における凹版版面(A1)は、図1(a)に示すように、「商品券」の画線部を形成する集合凹部群(1)は、「商」を形成する凹部群(a1)、「品」を形成する凹部群(a2)、「券」を形成する凹部群(a3)から成る。本発明における凹部群とは、第一の凹部(2)を万線状に配列したものをいい、万線状とは、凹部が重ならないように複数配列されている状態をいうが、後述する凹版印刷物の作製上、所定の規則性をもって凹部が複数配列されていることが、最も好ましい。
本実施形態では、集合凹部群(1)を凹部群(a1)、凹部群(a2)、凹部群(a3)の三つの凹部群により形成しているが、凹部群は、二つでもよい。凹部群が、二つ以上であれば、後述する印刷時に階調を形成することができる。なお、本発明における第一の凹部(2)とは、凹版版面の凹版画線であり、凹版印刷により形成された画線は、凹版印刷画線として説明する。
次に、本発明の特徴となる図1(a)における凹版版面(A1)の太線で囲まれた部分(I)である、凹部群(a2)について説明する。凹部群(a1)と凹部群(a3)は、後述する第一の凹部(2)のみで形成されているため、説明は省略する。図1(b)は、図1(a)における、凹版版面(A1)の太線で囲まれた部分(I)の拡大図である。「品」を形成する凹部群(a2)は、図1(b)に示した、第一の凹部長さ(S1)と第一の凹部幅(W)を有する第一の凹部(2)を万線状に配列して成る。
また、第一の凹部(2)は、第一の底部幅(W1)から成る第一の底部(2a)と、第一の凹部(2)内に形成された第二の凹部(3)から成る。第二の凹部(3)は、第二の底部幅(W2)、かつ、第二の凹部長さ(S2)により形成された第二の底部(3a)を有する。なお、本実施形態では、説明の便宜上、凹部群における第一の凹部(2)が全て第二の凹部(3)を有しているが、全ての第一の凹部(2)に第二の凹部(3)を形成する必要はなく、後述する境界部におけるインキの移動を抑制できる範囲で、第一の凹部(2)内に形成してあればよい。
次に、第一の凹部(2)について詳細に説明する。図2は、第一の凹部(2)の斜視図である。図2(a)の斜視図に示すように、第一の凹部(2)は、第一の底部幅(W1)から成る第一の底部(2a)と、第一の凹部(2)内に形成された、第一の凹部(2)を仕切る、第二の底部幅(W2)、かつ、第二の底部(3a)を有する第二の凹部(3)から成る。第二の凹部(3)は、第一の凹部(2)を仕切る二つの堰面部(3b)と第二の底部(3a)を第一の凹部(2)内に形成する。また、図2(b)のAA´断面図に示すように、第一の凹部(2)は、版面表面(4)から所定の深さである第一の深度(H1)を有する。さらに、第二の凹部(3)の第二の底部(3a)は、第二の深度(H2)を有する。
なお、本実施形態の説明の便宜上、第一の凹部(2)は、平面状の第一の底部(2a)を有するが、図3に示すように、第一の凹部(2)の断面形状は、台形(図3(a))に限定されず、三角形(図3(b))、半円形(図3(c))等の底部を有さない形状でもよいため、第一の底部(2a)は、必須ではない。
次に、第二の凹部(3)について、詳細に説明する。図4(a)の斜視図に示すように、第二の凹部(3)は、第一の凹部(2)を仕切る二つの堰面部(3b)と第二の底部(3a)を第一の凹部(2)内に形成することによって、凹版インキの移動を抑制して凹版ザンメル印刷の色彩変化を安定させたものである。
図4(a)の斜視図のように、第二の凹部(3)は、当然ながら、第一の凹部(2)内に形成されているため、第一の凹部長さ(S1)>第二の凹部長さ(S2)である。かかる条件を具備しない場合は、堰面部(3b)による凹版インキの移動を抑制することができず、凹版ザンメル印刷の色彩変化を安定させることが困難となる。第一の凹部長さ(S1)と第二の凹部長さ(S2)は、適宜設定の範囲内で形成される。具体的には、第二の凹部長さ(S2)は、後述する部分版と部分版の重なり合う部分である、オーバーラップ部分により設定されることとなる。
また、図4(b)のAA´断面図に示すように、第一の深度(H1)と第二の深度(H2)は、第一の深度(H1)>第二の深度(H2)である。前述した条件を具備しない場合は、インキの流動を抑制することができない。また、好ましい第一の深度(H1)は、30μm以上80μm以下である。30μm未満の場合は、第二の凹部(3)を形成することは困難となる。80μmを超えた場合は、第一の凹部(2)の内部にインキが入りきらず、凹版印刷画線の印刷不良となるおそれがある。なお、好ましい第二の深度(H2)は、15μm以上30μm未満である。15μm未満の場合は、凹版印刷画線の形成が困難となる。30μmを超えた場合は、インキの流動を抑制することができない。
図4(a)と図4(b)では、便宜上、堰面部(3b)が片面しか記載されていないが、第二の凹部(3)の堰面部(3b)は、インキの流動を抑制する堰の役割があるため、二つ必要である。なお、堰面部(3b)の形状は、前述した第一の凹部(2)の形状により適宜変わるが、第一の凹部(2)と同一の形状である必要はなく、第一の凹部(2)を仕切る、インキの移動を抑制できる形状であれば、特に限定されるものではない。例えば、本実施の形態では、第二の凹部(3)の堰面部(3b)の形状が台形であるが、図5(a)に示す五角形等の多角形、図5(b)と図5(c)に示す半円形状であってもよい。
なお、第二の凹部(3)は、堰面部(3b)を有すればよく、後述するインキの流動特性に応じて、第二の底部(3a)に傾斜角度を設け、更に、インキの流動特性を制御してもよい。
(作製方法)
次に、凹版版面(A1)の作製方法について説明する。
本発明の凹版版面(A1)は、従来から印刷分野で一般的に行われているいわゆる腐食法による作製では、第一の凹部(2)内の一部に、第二の凹部(3)を形成することは困難である。また、NC彫刻機(数値制御彫刻機あるいは数値制御工作機)による第一の凹部(2)の作製方法においても、彫刻バイトが版面材料へ直接接触し第一の凹部(2)の形状となる溝を加工するため、断面の形状がバイトの形状に大きく依存する。このため、第一の凹部(2)の断面形状を変えるごとに、バイトの形状もその都度違うものに交換して加工しなければならず、作業性が低下してしまうとともに、バイト自体を作製するコストもかかってしまう。そこで、非接触で加工の自由度が高いレーザ加工機を用いて凹版版面を作製するのが好ましい。
また、本発明の凹版版面(A1)の版材は、ニッケル、鋼、黄銅、亜鉛、クロム又はこれらの合金等の金属、あるいはこのような金属でできた外層を備えた、公知の金属版材を使用することができる。
次に、作製方法について説明する。図6は、凹版版面(A1)を作製する工程図である。本発明の凹版版面(A1)の作製方法は、少なくともデータ編集工程(ステップ1)、 三次元設定工程(ステップ2)、流れ込み防止部設定工程(ステップ3)、加工条件設定工程(ステップ4)、加工工程(ステップ5)から成る。
(データ編集工程)
データ編集工程(ステップ1)は、凹版版面(A1)の第一の凹部(2)の元となる原画像をコンピュータ上で作製、手描き又は彫刻等により作製された細密なアナログ線画画像等を、スキャナ等の読取機器又はデジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯端末等の撮像機器により取得して原画像をデジタルデータに変換し、輪郭追跡、収縮処理等の画像処理を経て、二次元線画データを生成する。
(三次元設定工程)
三次元設定工程(ステップ2)は、二次元線画データに基づき、第一の凹部(2)の断面形状、第一の凹部(2)の第一の凹部幅(W)と第一の深度(H1)、及び第一の凹部長さ(S1)、又は断面形状に応じて第一の底部幅(W1)を設定する。
(流れ込み防止部設定工程)
流れ込み防止部設定工程(ステップ3)は、三次元設定工程(ステップ2)により設定された第一の凹部(2)内に、第二の凹部(3)の第二の底部幅(W2)、第一の凹部(2)を仕切る二つの堰面部(3b)の形状と、第二の深度(H2)を設定する。
(加工条件設定工程)
加工条件設定工程(ステップ4)は、各設定工程により設定された第一の凹部(2)と第二の凹部(3)の各項目を加工用データとして設定する。さらに、加工用データを基に、レーザ彫刻により第一の凹部(2)を形成するための加工条件である、使用するレーザ光線の照射密度、出力、走査速度、彫刻軌跡等を設定する。
(加工工程)
加工工程(ステップ5)は、加工条件設定工程(ステップ4)により設定した加工用データと加工条件から、レーザ加工機が利用可能な彫刻用データを生成し、レーザ光を走査線状に移動させて金属版に彫刻を行い第一の凹部(2)と第二の凹部(3)を作製する。
(凹版版面の仕様)
次に、本発明の凹版版面(A1)の仕様について説明する。一例として、二種類のインキの境界部を有する版面で説明する。図7に示すように、本発明の凹版版面(A1)は、「商品券」を形成する集合凹部群(1)を有する。凹版版面(A1)の集合凹部群(1)は、「商品」を形成する第一の部分凹部群(B)から成る第一の部分版(B1)と、「品券」を形成する第二の部分凹部群(C)から成る第二の部分版(C1)に対応して成る。
第一の部分版(B1)を形成する第一の部分凹部群(B)は、「商」の凹部群を形成する第一の部分凹部群(b1)と、「品」の一部の凹部群を形成する第一の部分凹部群(b2)から成る。また、第二の部分版(C1)を形成する第二の部分凹部群(C)は、「品」の一部の凹部群を形成する第二の部分凹部群(c2)と「券」の凹部群を形成する第二の部分凹部群(c1)から成る。
本発明の凹版版面(A1)の「商」を形成する凹部群(a1)は、第一の部分版(B1)の「商」の凹部群を形成する第一の部分凹部群(b1)と対応する。凹版版面(A1)の「品」を形成する凹部群(a2)は、第一の部分版(B1)の「品」の一部の凹部群を形成する第一の部分凹部群(b2)と、第二の部分版(C1)の「品」の一部の凹部群を形成する第二の部分凹部群(c2)に対応して成る。また、凹版版面(A1)の「券」を形成する凹部群(a3)は、第二の部分版(C1)の「券」の凹部群を形成する第二の部分凹部群(c1)と対応する。
さらに、第一の部分版(B1)の「品」の一部の凹部群を形成する第一の部分凹部群(b2)と、第二の部分版(C1)の「品」の一部の凹部群を形成する第二の部分凹部群(c2)の一部がオーバーラップ部分(D)となる。当該オーバーラップ部分(D)は、本発明の凹版版面(A1)の第二の凹部(3)の第二の凹部長さ(S2)と対応し、第二の凹部長さ(S2)は、適宜設定の範囲である。具体的には、部分版と部分版の境界部分で凹版インキが第一の凹部(2)に充填されずに生じる白空きと、部分版によりインキを版面に転写する際に部分版表面のインキが押し出されることによる、部分版の輪郭部分に若干のマージナルゾーン状の転写インキの太りの発生を考慮して設定する必要がある。
一例として、図8に示すように、オーバーラップ部分(D)を500μmから1000μm程度にしたい場合は、凹版版面(A1)の凹部群(a2)を形成する第一の凹部(2)内に形成された第二の凹部長さ(S2)を500μm以上1000μm以下に設定し、第一の凹部長さ(S1)を前述の数値以上とする。仮に、500μm未満とした場合は、凹版インキの移動量が多く、滑らかに連続した色彩変化とならない場合がある。1000μmを超えた場合は、後述する部分版と部分版の境界部(F)で凹版インキが第一の凹部(2)に充填されずに白空きとなり、印刷不良となるおそれがある。
なお、図8に示す境界部(F)とは、オーバーラップ部分(D)の中心であり、第一の部分版(B1)の「品」の凹部群を形成する第一の部分凹部群(b2)と、第二の部分版(C1)の「品」の凹部を形成する第二の部分凹部群(c1)の境界となる部分である。当該境界部(F)を境目に、凹版ザンメル印刷時にインキが混色することとなり、連続した色彩変化が生じる。
(原理)
図9は、第二の凹部(3)がない場合における凹版インキの移動を示す図である。図9(a)に示すように、部分版の凹版インキ(5、5´)を押し込まれた凹版版面の第一の凹部(2)内では、押し込まれた凹版インキ(5、5´)が圧力により第一の凹部(2)内を移動することになる。凹版インキ(5)の移動は、第一の凹部(2)の断面形状及び第一の凹部(2)の第一の底部(2a)の壁面抵抗により抑制される。
この場合において、凹版インキ(5、5´)は、第一の底部(2a)から離れた位置の移動速度(5a)は速く、壁面抵抗が大きい第一の底部(2a)の近くは移動速度(5b)が遅くなる。この場合において、凹版インキの粘度や供給量が異なる場合には、どちらか一方の凹版インキ(5、5´)が境界部(F)を超えて多く流れ込むため、図9(b)に示すように、安定した混色部(1g)を形成することが困難となる。
次に、本発明の凹版版面(A1)における凹版インキ(5、5´)の移動について、図10により説明する。図10(a)に示すように、本発明の凹版版面(A1)は、第一の凹部(2)内に二つの堰面部を有する第二の凹部(3)を形成することで、第一の底部(2a)から離れた位置の凹版インキ(5、5´)の移動速度(5a、5´a)を抑制し、どちらか一方の凹版インキ(5、5´)が、境界部(F)を超えて多く流れ込むことを防止することによって、図10(b)に示すように、安定した混色部(2g)を形成することができる。なお、図では第一の底部(2a)に対して堰面部がほぼ垂直としたが、凹版インキ(5、5´)の移動が抑制できれば傾斜していても構わない。凹版インキ(5、5´)の移動が抑制できる傾斜角度は、インキの粘度等の特性によって変わる。
(印刷物)
図11(a)に示す凹版版面(A1)において、「品」を形成する凹部群(a2)の境界となる境界部(F)で凹版インキ(5)の種類が異なるように、図11(b)に示す、第一の部分版(B1)により一種類目の凹版インキ(5)を転写し、第二の部分版(C1)により二種類目の凹版インキ(5)を転写し、凹版ザンメル印刷を行う。
部分版(B1、C1)により凹版インキ(5)を転移した場合、第二の凹部(3)が存在しない場合は、第一の凹部(2)内で凹版インキ(5)の移動を抑制することができず、境界部(F)に流れ込む凹版インキ(5)の量が多くなり、図11(c)のように凹版印刷画線の混色部(1g)が広がり、安定した凹版ザンメル印刷物(E)を作製することはできない。
一方、第二の凹部(3)を形成した場合は、第一の凹部(2)内の凹版インキ(5)の流れ込みが抑制され、図11(d)のように凹版印刷画線の混色部(2g)の広がりを抑制することができ、安定した銀行券、旅券、有価証券等の貴重印刷物である凹版ザンメル印刷物(Q)の作製が可能となる。
本発明の実施例について、図1、図2、図4、図7、図8と図11を用いて説明する。印刷物は、印刷文字「商品券」の文字「品」の中央部分で500μmのオーバーラップ部分を持って、左側が青色で右側が緑色に同一画線上で変化する凹版ザンメル印刷物として作製した。版面は、ニッケル版面にクロムめっきを施して使用した。加工にはレーザ彫刻機を使用した。
凹版版面(A1)は、図1(a)に示すように、「商品券」の画線部を形成する集合凹部群(1)は、「商」を形成する凹部群(a1)、「品」を形成する凹部群(a2)、「券」を形成する凹部群(a3)により形成した。凹版版面(A1)の各凹部群を形成する第一の凹部(2)は、図2に示すように、第一の凹部幅(W)200μm、第一の深度(H1)が80μmで第一の底部幅(W1)が120μmの第一の底部(2a)を有する台形形状として形成した。また、第一の凹部長さ(S1)は、3000μmとした。
凹版版面(A1)の「品」の凹部群を形成する凹部群(a2)は、図8に示すように、第一の凹部(2)内に第二の凹部(3)を形成した。第二の凹部(3)は、堰面部(3b)が台形形状である第二の深度(H2)が30μmで、第二の底部幅(W2)が150μmの第二の底部(3a)として形成した。また、第二の凹部長さ(S2)は、500μmとした。
第一の部分版(B1)の「品」の一部の凹部群を形成する第一の部分凹部群(b2)と、第二の部分版(C1)の「品」の一部の凹部群を形成する第二の部分凹部群(c2)の一部が重なるオーバーラップ部分(D)は、500μmとした。
凹版印刷時には、図11(b)に示すように、文字「品」の境界部(F)で凹版インキ(5)の種類が異なるように、第一の部分版(B1)により一種類目の青色の凹版インキ(5)を転写し、第二の部分版(C1)により二種類目の緑色の凹版インキ(5)を凹版版面(A1)に転写し、凹版ザンメル印刷を行った。
得られた凹版ザンメル印刷物(Q)は、「商品券」の文字「商」が青色、「券」が緑色であり、文字「品」の境界部(F)とした同一画線上で連続した色変化を奏する混色部(2g)を有する印刷物であった。また、混色部(2g)の幅は、500μmから600μmの範囲内に抑制され、混色部(2g)の安定した凹版ザンメル印刷物(Q)が得られた。
A1 凹版版面
B1 第一の部分版
B、b1、b2 第一の部分凹部群
C1 第二の部分版
C、c1、c2 第二の部分凹部群
D オーバーラップ部分
E、Q 凹版ザンメル印刷物
F 境界部
1g、2g 混色部
H1 第一の深度
H2 第二の深度
S1 第一の凹部長さ
S2 第二の凹部長さ
W 凹部幅
W1 第一の底部幅
W2 第二の底部幅
1 集合凹部群
a1、a2、a3 凹部群
2 第一の凹部
2a 第一の底部
3 第二の凹部
3a 第二の底部
3b 堰面部
4 版面表面
5、5´ 凹版インキ
5a、5´a、5b、5´b 凹版インキの移動速度

Claims (3)

  1. 複数の部分版から凹版インキが充填される集合凹部群を有する凹版ザンメル印刷用凹版版面であって、
    前記集合凹部群は、第一の深度を有する線状の第一の凹部を複数備え
    前記第一の凹部の少なくとも一つは、前記複数の部分版が重なる境界部を中心としたオーバーラップ部分に前記第一の凹部の長さ方向を仕切る第二の凹部を有し、
    前記第二の凹部は、前記第一の深度より浅い第二の深度を備えた第二の底部及び前記第二の凹部の長さ方向の両側に堰面部を有し、
    前記第二の凹部が、前記第一の凹部内の前記凹版インキの前記オーバーラップ部分を超えた移動を抑制することを特徴とする凹版ザンメル印刷用凹版版面。
  2. 前記第一の凹部は、第一の底部を有することを特徴とする請求項1記載の凹版ザンメル印刷用凹版版面。
  3. 請求項1又は請求項2記載の凹版ザンメル印刷用凹版版面の貴重印刷物への使用。
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