本発明は、請求項1、10、11あるいは13の上位概念部に記載のセキュリティ要素(セキュリティエレメント)、セキュリティ要素を備えるセキュリティドキュメント、ならびにセキュリティ要素を製造する装置および方法に関する。
米国特許第4604951号明細書には、3色のインタリオ印刷画像を有する銀行券が開示されており、この銀行券は、例示的に縁部側の第1の、例えば暗緑色のパターンと、右側のプロフィール画像および中央のナンバリングのための第2の、例えばセピア色のパターンと、マークを左下に表す第3の、例えば暗青色のパターンとを有している。3つの画像領域は、別々の印刷面に由来し、3つの異なるインキ装置により着肉されている。着肉は、呼び出しローラから実施され、呼び出しローラは、呼び出しローラの外套面に空所を有している。空所の、画像領域に相関される領域が設けられており、空所は、例えばその大きさに関して版シリンダにおける線幅に相関されている。空所の領域は、対応する画像領域より大きく選択されている。空所を有する呼び出しローラから、インキ膜が、空所に応じて隆起したインキ隆起部を伴って、シャブロンローラを介して版シリンダへ搬送される。シャブロンローラは、シャブロンローラの外套面に周方向で、周方向での割り付け面の数に相当する数の隆起した領域を有しており、隆起した領域は、該当する色で着肉すべき画像領域の面にわたって繋がって延在している。
印刷インキは、インキつぼにより、構造化された呼び出しローラ上に塗工される。印刷時、呼び出しローラとインキブレードとの間には、0.03~0.05mmの間隔が調整される。さらに、構造化された呼び出しローラをプレートシリンダに対して周方向および軸方向でポジショニングすべく、調整機構が設けられている。
国際公開第2005/077656号により、インタリオ印刷機械の着肉システムであって、一構成では、凹版印刷プレートの着肉が、選択型のインキシリンダからシャブロンローラを介して直接実施され、別の構成では、付加的にインキザンメルシリンダを介して実施される着肉システムが公知である。選択型のインキシリンダの周面には、スプレー装置により、またはインキつぼと協働する呼び出しローラにより印刷インキが着けられる。
中国特許第101544098号明細書は、凹版印刷機械の呼び出しローラ、インキ転移装置およびインキ転移システムに関する。インキは、インキだめから、凹版印刷シリンダに設けられたグラビアに対応するグラビアを周面に有する呼び出しローラを介して、弾性的なインキローラに、そしてインキローラから凹版印刷シリンダに転移される。インキを呼び出しローラ上に塗工する際、呼び出しローラの外套面は、彫刻されていない箇所におけるインキを拭き取るべく、鉤形のスクレーパと接触している。これにより、弾性的なインキローラ上には、一様なインキ層が塗工されるのではなく、凹版印刷シリンダに設けられたグラビアのパターンに対応する、それぞれ異なる厚さを有するインキパターンが、レリーフの形状に類似して塗工される。外套面への接触の圧力は、調整装置を介して調整可能であってもよい。
独国特許出願公開第102007035161号明細書は、第1の凸起加工構造に第2の凸起加工構造が重畳されることによって、光学的な傾倒効果を改善することを提案している。このことは、第1の構成では、第2の凸起加工要素が「切れ端」状に第1の凸起加工要素に付設されていること、つまり、凸起加工要素が別の形態でかつ別の方向に続くことにより達成され、または第2の構成では、第1の凸起加工要素の幾何学形状の部分的な変更により達成され得る。
独国特許出願公開第102006050290号明細書では、基材にそれぞれ異なる色の線を漸次印刷することで不可避的に生じる見当不正確性をなくすことが所望される。このために、第1の情報を担持するこのような多色のラスタ構造に凸起加工構造が重畳され、ラスタ構造の部分領域内に位置し、第1の情報と重なる情報を担持している。第1の情報は、好ましくは、漸次または場合によっては同時に印刷される線の変調により形成されており、凸起加工構造は、印刷される基材の凸起加工により、それぞれの凸起加工部の異なるフランクにそれぞれ異なる色が割り当てられるように形成されている。
西独国特許出願公開第2334702号明細書において、画像形成すべく、同じ配向および高さの線を有する一様な背景の前に、相違した高さ、配向または形状を有する領域が挿入されることにより、凹版印刷により生成される印刷画像の潜像のまたは暫定のイメージが生成される。複製は、通常のように、凹版印刷インキを着けて印刷版に着肉し、面を平滑に摺り、そして紙面に押し付けることにより製造され得る。
米国特許出願公開第2010/0236432号明細書により、印刷製品を保護すべく、透明なコーティングを付与することが提案されており、コーティングは、プレートシリンダの拭き取り前または拭き取り後に実施可能である。印刷装置は、この場合、インプレッションシリンダと協働する凹版印刷シリンダと、インキザンメルシリンダと、相応の装置により着肉すべき複数のシャブロンシリンダとを有している。それぞれのシャブロンシリンダ上では、レリーフ状に隆起した領域が、着肉すべき絵柄または文字もしくは数字のインタリオモチーフの線パターン全体にわたって延在している。
国際公開第03/052702号は、彫刻凹版印刷画像を有する有価文書に関する。この場合、異なるインキ層厚さによって、異なる色調の部分面を有するハーフトーン画像が製作可能である。異なる色調は、印刷プレート上の異なるグラビア深さによって実現される。グラビア内の分離エッジまたはインキ捕集要素は、異なる深さの隣接するゾーンへの印刷インキの移動を阻止する。
米国特許第4033059号明細書では、より低い印刷画像要素の群が、より大きな高さの、マトリックス状に配置された画像要素の間に配置されることにより、有価文書に可変の凹版印刷画像が形成される。これに対して代替的に、規則的な構造の特定の配向の画像要素の群が、同じ高さではあるものの別の配向の画像要素によって重畳される。
国際公開第01/72525号には、インタリオ印刷画像の構成が開示されている。これによれば、彫刻凹版印刷における面領域に、異なる厚さのインキ層を印刷することができ、この面領域に対する背景が、同じくインキを担持することができ、形状および輪郭により、別の情報を表すことができる。
独国特許出願公開第10126264号明細書は、セラミックコーティングを有する凹版印刷シリンダに関し、セラミックコーティングには、マイクロ印刷のために、200μm未満の相応の幅のグラビアが、レーザによって加工される。
のちに公開された国際公開第2020/161058号は、版シリンダの個々のグラビアに対応するグラビアを有するインキ装置シリンダと、このインキ装置シリンダと下流側で協働し、版シリンダの個々のグラビアに対応する隆起部を有するインキ装置シリンダとを備えるインタリオ印刷装置を開示している。
セキュリティ上重要なオブジェクト、特にドキュメントを、できる限り偽造に強く構成すべく、または少なくとも簡単にはコピーさせないために、オブジェクト、特にドキュメントには、1つまたは複数のセキュリティ手段を有するセキュリティ要素が設けられる。セキュリティ要素は、通常、セキュリティを保つべきオブジェクト、特にドキュメントにより直接その一部として含まれているか、または場合によっては担体基材上に設けられていて、担体基材は、セキュリティ上重要なオブジェクトあるいはドキュメント上に、例えば破壊せずにはオブジェクトから取り除かれ得ないように取着、例えば素材結合式にオブジェクトあるいはドキュメントに結合される。
この種のセキュリティ上重要なオブジェクトは、例えばセキュリティ上重要なドキュメント、例えば身分証、証明書、または好ましくは有価証券、特に銀行券である。特に有利な構成において、このようなオブジェクトのセキュリティ要素は、凹版印刷法、特に鋼凹版印刷法あるいはインタリオ印刷法を使用して製造されるあるいは製造されているセキュリティ手段を有している。これにより、視覚的印象に加え、同時に触覚的印象も実現することができる。
本発明の根底にある課題は、新規のセキュリティ要素、セキュリティ要素を備えるセキュリティドキュメント、ならびにこのようなセキュリティ要素を製造する装置および方法を提供することである。
上記課題は、本発明において請求項1、10、11あるいは13の特徴により解決される。
本発明により達成可能な利点は、特に、凹版印刷ベースあるいはインタリオベースのセキュリティ手段の、偽造に対する安全性が、公知の構成に対して大幅に向上され得る点にある。特にこのことは、最初に、印刷される基材の空浮き出しとして製造されるのではなく、構造の少なくとも一部、好ましくは構造全体に、隆起部の領域で同時にインタリオ印刷インキが施されているあるいは施されるインタリオ構造についていえる。このことは、一方では、インキと凸起加工パターンとの間の正確な見当を保証し、かつ/または別の色の面上での、インタリオ印刷要素にとって典型的なインキの擦れによる真正性の証明を可能にする。
本発明に係るセキュリティ要素は、凹版印刷法、特に鋼凹版印刷法あるいはインタリオ印刷法を使用して製造されるセキュリティ要素であり、別のやり方で製造されるさらに別のセキュリティ要素が設けられていてもよい。
偽造に対する安全性の向上は、画像またはパターンを描く1つまたは複数の3次元のインタリオ構造(インタリオパターンとも称呼)を高い分解能の陰影および/または彩色を伴って1つの同じ画像領域内に有するインタリオベースのセキュリティ手段から得られる。この場合、3次元のインタリオ構造あるいは3次元のインタリオパターンとは、印刷された純粋に平坦な画像またはパターンに対して、ここでの意味としては、感じ取ることができる程かつ/または顕著に、すなわち例えば少なくとも5μm、特に少なくとも10μmの分だけベースから隆起した、特にインタリオ印刷インキが着肉された少なくとも複数の画像要素を有する印刷された構造あるいは印刷されたパターンと解すべきである。
特に有利な構成において、画像を生成する画像要素の分解能および/または配置は、画像要素が、観察角度あるいは視角とともに変化する画像またはパターンを提供するようになっている。
セキュリティ要素は、基材を備え、基材は、基材の面の1つに、第1の領域にわたって延在する少なくとも1つのセキュリティ手段を有し、セキュリティ手段は、3次元の凹版印刷パターン、特にインタリオパターン、あるいは3次元のインタリオ構造の形態で形成されている、または少なくとも1つのこのような3次元の凹版印刷パターン、インタリオパターンあるいは3次元のインタリオ構造を有し、隆起した、特に少なくとも上面でかつ/または上側の領域で好ましくは第1の色の凹版印刷インキ、特にインタリオ印刷インキが着肉された第1の色および/または第1の高さの第1の画像要素を有している。第1の画像要素の少なくとも1つ、特に複数のこの種の第1の画像要素は、その際、好ましくは最高1,000μmの間隔を置いて、それぞれ、インタリオ構造に含まれる少なくとも1つの別の画像要素、特に、インタリオ構造に含まれる少なくとも2つの別の画像要素に隣接して配置されており、別の画像要素は、それぞれ、第1の色とは異なる色を有し、かつ/またはここで自体請求されない変化態様では、特に少なくとも20%および/または少なくとも1μmの分だけ異なる高さおよび/またはインキ層厚さを有している。
有利な一構成において、別の色の複数の第1のかつ別の画像要素により、多色の凹版印刷パターン、特にインタリオパターンが形成されており、凹版印刷パターン、特にインタリオパターン内では、個々の第1の画像要素が、多方面で、別の色の画像要素により包囲されており、その配置により、少なくとも部分的に1,000μm(文字にすれば:千マイクロメートル)以下の色分解能、すなわち、それぞれ異なる色の画像要素間の間隔を有する多色の凹版印刷画像、特にインタリオ印刷画像が存在するようになっている。
1つまたは複数の上述の実施の変化態様に加えて、またはそれに代えて、別の有利な一構成において、第1のかつ別の画像要素は、特に少なくともその上面の領域において、第1の色の凹版印刷インキ、特にインタリオ印刷インキにより着肉されており、かつ/または上側の領域に第1の色の凹版印刷インキ、特にインタリオ印刷インキを有している。
1つまたは複数の上述の実施に変化態様に加えて、またはそれに代えて、別の有利な一構成において、第1の画像要素に対して隣接した2つの別の画像要素は、1つの同じ、第1の色とは異なる第2の色か、またはそれぞれ別々の、第1の色とは異なる第2および第3の色を有している。
1つまたは複数の上述の実施の変化態様に加えて、またはそれに代えて、別の有利な一構成において、別の色の第2の画像要素は、第2の色の凹版印刷インキ、特にインタリオ印刷インキにより着肉されており、かつ/または上側の領域に第2の色の凹版印刷インキ、特にインタリオ印刷インキを有している。
1つまたは複数の上述の実施の変化態様に加えて、またはそれに代えて、別の有利な一構成において、第2の色は、印刷されない基材の色により、または凹版印刷インキ、特にインタリオ印刷インキとは異なる、まだ3次元の凹版印刷パターン、特にインタリオパターンを付与する前に基材上に被着されたコーティング、特に印刷インキにより与えられている。
1つまたは複数の上述の実施の変化態様に加えて、またはそれに代えて、別の有利な一構成において、第1のかつそれぞれ隣接した隆起した画像要素は、くぼみにより互いに離隔されており、最高1,000μmの間隔を互いに、かつ/または互いに隣接した両隆起した画像要素の高い方の画像要素の最も高い隆起部の最高10倍に相当する間隔を有する。
1つまたは複数の上述の実施の変化態様に加えて、またはそれに代えて、別の有利な一構成において、第1の色の凹版印刷インキ、特にインタリオ印刷インキを有する複数の第1の隆起した画像要素を有する、セキュリティ手段に含まれる第1の群と、第1の色とは異なる第2の色、特に第2の色のインタリオ印刷インキを有する複数の画像要素を有する、セキュリティ手段に含まれる少なくとも1つの第2の群とが設けられており、互いにずらされて配置され、かつ間隔を置いており、光学可変構造を形成するように、かつ/または互いに隣接した異なる色の画像要素の少なくとも一部が相互に、観察角度の変化につれてその程度が変化するように隠れ、かつ/または露わになるようになっている。
1つまたは複数の上述の実施の変化態様に加えて、またはそれに代えて、別の有利な一構成において、色、例えばインタリオ印刷インキの色に関して相違した画像要素の複数の群が設けられており、互いに配置されており、かつそれぞれ異なるかつ/または変化する高さを有して構成されており、より低くかつより高く位置するピクセル状の画像成分の形態で有効であるようになっており、画像成分は、セキュリティ要素の表面に対する観察角度の変化に応じて、かつ/またはセキュリティ手段上に観察場所で垂直に立つ一軸線回りの視線方向の変化に応じて、変化する画像情報および/またはそれぞれ異なる視覚的印象あるいは視覚を媒介する。
1つまたは複数の上述の実施の変化態様に加えて、またはそれに代えて、別の有利な一構成において、色、例えばインタリオ印刷インキの色に関して相違した画像要素の2つ以上の群の画像要素が設けられており、群ごとに異なるかつ/または1つの群内でかつ/または画像要素の延在にわたって変化する高さを有して構成されており、かつ機能方向に沿って見て1つのパターン内に1つの順序で互いに間隔を置いて配置されており、機能方向と、セキュリティ手段上に観察場所で垂直に立つ一軸線とにより画定される一平面内での観察角度の変化時、観察角度とともに変化する色印象および/またはグラデーションを媒介するようになっている。
1つまたは複数の上述の実施の変化態様に加えて、またはそれに代えて、別の有利な一構成において、それぞれ異なる色、例えばインタリオ印刷インキの、それぞれ隣接した隆起した第1および第2の画像要素の高さ間の比は、交番する第1および第2の隆起した画像要素の群にわたって、機能方向に延びる少なくとも一列内で見て変化する。
1つまたは複数の上述の実施の変化態様に加えて、またはそれに代えて、別の有利な一構成において、前述の群の1つの群の画像要素の高さは、この群にわたって変化する一方、別の群の画像要素の高さは、これに対して逆向きに変化するか、または一定に延びる。
1つまたは複数の上述の実施の変化態様に加えて、またはそれに代えて、別の有利な一構成において、第1の色の例えば上述の第1の群の第1の線状の画像要素は、その長手方向延在にわたって、段状にまたは連続的に変化するインキ層厚さおよび/または高さを有する。
その際、有利な発展形において、インキ層厚さおよび/または高さが変化する第1の隆起した画像要素間に、それぞれ、別の色を有する第2の群の第2の隆起した線状の画像要素が設けられていてもよく、第2の隆起した線状の画像要素は、すべて同じ高さを有しているか、または第2の群にわたって変化するが、それぞれの画像要素にわたっては一定の高さ、または同じくその長手方向延在にわたって段状にまたは連続的に変化するインキ層厚さおよび/または高さを有する。
1つまたは複数の上述の実施の変化態様に加えて、またはそれに代えて、別の有利な一構成において、その延在にわたって変化する画像要素の高さの最大値は、この群にわたって変化する。
ここで請求されない変化態様において、第1の画像要素に隣接して最高1,000μmの間隔を置いて別の第2の画像要素が設けられており、別の第2の画像要素は、少なくとも1μmの分だけかつ/または少なくとも第1の画像要素のインキ層厚さの半分だけ大きいインキ層厚さを有し、かつ第2の画像要素に隣接して最高1,000μmの間隔を置いてさらに1つの別の第3の画像要素が設けられており、別の第3の画像要素は、少なくとも1μm、特に少なくとも20μmの分だけ大きいかつ/または少なくとも第2の画像要素のインキ層厚さの半分だけ大きいインキ層厚さを有する。
好ましくは、セキュリティ要素は、セキュリティドキュメント、特に銀行券に含まれており、セキュリティ要素は、セキュリティドキュメントのベースとなる基材上に直接印刷されているか、または担体として有効な基材上に印刷されており、担体として有効な基材は、セキュリティドキュメント上に被着されているあるいは被着される。
セキュリティ要素、特に上述のセキュリティ要素の製造時、基材を凹版印刷法、特にインタリオ印刷法によって作業する凹版印刷装置に供給し、印刷箇所において版シリンダにより印刷し、版シリンダは、その周面に画像形成する凹部のパターンを有し、凹部のうち、第1の凹部の一部にインキ装置により第1の色の凹版印刷インキ、特にインタリオ印刷インキを着肉し、凹部により、印刷箇所の通過時、基材に、上面の領域に第1の色の凹版印刷インキ、特にインタリオ印刷インキを有する隆起した第1の画像要素を施す。版シリンダにおいて、第1の凹部に着肉し、第1の凹部は、第1の凹部の最小の直径の領域に最高1,000μmの幅を有し、版シリンダに設けられたこのような第1の凹部への第1の印刷インキの着肉を間接的または直接的に、インキレリーフシリンダとして形成されるインキ装置シリンダを介して実施し、インキ装置シリンダは、インキ装置シリンダの周面に、版シリンダに設けられたこのような第1の凹部に個々に対応する隆起部、および/または最高0.5mmの分だけ版シリンダに設けられた対応する第1の凹部の幅より大きい幅を有し、かつ/または版シリンダに設けられた個々の第1の凹部を最大で10倍大きい幅をもたせて写し、かつ/または1,000μmの分だけ間隔を置いた、版シリンダに設けられた凹部を個々に写した隆起部を有し、かつ/またはインキ装置シリンダは、インキ装置シリンダの外套面に、最高10cm2の面積に少なくとも5つの繋がっていない隆起部を有する領域および/またはそれぞれ隣接した隆起部に対して例えば最高2,000μm、好ましくは最高1,000μmの間隔を有する2つ以上の繋がっていない隆起部を有する領域を有する。特に多色印刷のために、1つの同じ版シリンダ上の互いに隣接した、特に同じセキュリティ手段に属する凹部は、1,000mmより大きく互いに間隔を置いていてもよい。
有利な一構成において、第1のインキレリーフシリンダに設けられた個々の第1の隆起部に選択的に、インキグラビアシリンダとして形成されるインキ装置シリンダの周面に設けられたインキを案内する凹部により着肉し、凹部は、該当する隆起部と対応する、版シリンダに設けられた第1の凹部に、同じく対応する。
1つまたは複数の上述の実施の変化態様に加えて、別の、ここで請求されない変化態様において、版シリンダに設けられ、第1の凹部に対して最高1,000μmの分だけ間隔を置いた隣接した第2の凹部であって、第2の凹部の最小の直径の領域に最高1,000μmの幅を有する第2の凹部が、着肉なしのままであり、印刷箇所の通過時、基材に、凹版印刷インキ、特にインタリオ印刷インキを付与することなく、隆起した第2の画像要素を施す。請求される対象では、この種の第2の凹部に第2のインキレリーフシリンダを介して第2の色の凹版印刷インキ、特にインタリオ印刷インキを、第2のインキレリーフシリンダの周面に設けられた隆起部を介して着肉する。着肉は、好ましくは、第1のインキレリーフシリンダに関してその形態について既に説明したような第2のインキレリーフシリンダに設けられた隆起部を介して実施する。
別の、ここで請求されない有利な一構成において、版シリンダにおいて、第1の深さ、例えば10~14μmの深さの1つの第1の凹部に対してまたは1つの第1の凹部毎に、最高1,000μmおよび/または少なくとも50μmの分だけ間隔を置いて、少なくとも20%および/または少なくとも3μmの分だけ第1の深さとは異なる第2の深さ、例えば13μm~17μmの深さの1つのまたは各1つの隣接した第2の凹部に、かつ場合によっては後者に対して例えば最高1,000μmおよび/または少なくとも50μmの分だけ間隔を置いて、少なくとも20%および/または少なくとも20μmの分だけ第2の深さとは異なる第3の深さ、例えば35~45μmの深さの1つのまたは各1つの第3の凹部に、間接的または直接的に同じインキレリーフシリンダを介して、第1の同じ色のインタリオ印刷インキを着肉し、第1のまたは第1および第2のまたは第2および場合によっては第3のまたは第3の凹部は、印刷箇所の通過時、基材に、1つまたは複数の第1のかつ1つまたは複数の第2のかつ場合によっては1つまたは複数の第3の隆起した画像要素を施し、画像要素は、そのそれぞれの上面の領域に、互いに異なるインキ層厚さのインタリオ印刷インキを有する。その際、第1のかつ第2のかつ場合によっては第3の凹部は、インタリオ印刷インキをそれぞれ間接的に、インキ装置内に設けられた同じインキグラビアシリンダの、それぞれのインキを案内する、版シリンダに設けられたそれぞれの第1のかつ第2のかつ場合によっては第3の凹部にそれぞれ対応する、互いに間隔を置いた凹部を介して受理する。第1の、第2のかつ場合によっては第3の凹部は、この場合、100μm、特に少なくとも150μmの少なくとも1つの幅、すなわち、外套面内における凹部の場合によっては小さい方の延在の方向での幅を有している。
セキュリティ手段、特にこの種のセキュリティ手段を備えるセキュリティ要素は、好ましくは、凹版印刷法、特にインタリオ印刷法によって作業する凹版印刷装置であって、凹版印刷装置の入力側には、まだ印刷されていないまたは既に別の印刷法によって印刷された基材が供給可能であり、印刷箇所において版シリンダにより印刷可能である、凹版印刷装置を備える装置により製造可能である。版シリンダは、その周面に画像形成する凹部のパターンを有し、凹部のうち、第1の凹部の一部には、インキ装置により第1の凹版印刷インキ、特にインタリオ印刷インキが着肉可能であり、凹部により、基材に隆起した第1の画像要素を付与し、第1の画像要素の上面に第1の色の凹版印刷インキ、特にインタリオ印刷インキを付与することができ、印刷装置は、インキレリーフシリンダとして形成されるインキ装置シリンダを有し、インキ装置シリンダを介して、版シリンダに設けられた第1の凹部に、第1の凹版印刷インキ、特にインタリオ印刷インキが間接的または直接的に着肉可能である。この場合、版シリンダに第1の凹部が設けられており、第1の凹部は、第1の凹部の最小の直径の領域に最高1,000μmの幅を有し、インキレリーフシリンダは、インキレリーフシリンダの周面に、版シリンダに設けられたこのような第1の凹部に個々に対応する隆起部、および/または最高0.5mmの分だけ版シリンダに設けられた対応する第1の凹部の幅より大きい幅を有し、かつ/または版シリンダに設けられた個々の第1の凹部を最大で10倍大きい幅をもたせて写し、かつ/または1,000μmの分だけ間隔を置いた、版シリンダに設けられた凹部を個々に写した隆起部を有し、かつ/またはインキレリーフシリンダは、インキレリーフシリンダの外套面に、最高10cm2の面積に少なくとも5つの繋がっていない隆起部を有する領域および/またはそれぞれ隣接した隆起部に対して最高2,000μm、好ましくは最高1,000μmの間隔を有する2つ以上の繋がっていない隆起部を有する領域を有する。
好ましくは、インキグラビアシリンダとして形成されるインキ装置シリンダが設けられており、インキ装置シリンダは、周面にインキを案内する凹部を有し、凹部は、該当する隆起部と対応する、版シリンダに設けられた第1の凹部に対応し、凹部により、第1のインキレリーフシリンダに設けられた個々の第1の隆起部に選択的に着肉可能である。
別の色の画像要素の隣接した印刷のために、一構成において、相応の第2のインキレリーフシリンダと、場合によっては相応の第2のインキグラビアシリンダとが設けられている。この場合、例えば第1の凹部に対して最高1,000μmの分だけ間隔を置いた隣接した第2の凹部が版シリンダに設けられており、第2の凹部は、第2の凹部の最小の直径の領域に最高1,000μmの幅を有し、インキ装置により、例えば第2のインキグラビアシリンダから、第1のインタリオ印刷インキとは異なる第2のインタリオ印刷インキが着肉可能であり、第2のインキグラビアシリンダには、インキを案内する凹部が周面に設けられており、凹部は、版シリンダに設けられた第2の凹部に対応し、凹部を介して、版シリンダに設けられた凹部に対応する、第2のインキレリーフシリンダに設けられた隆起部に着肉可能である。
別の、ここで請求されない変化態様において、第1の深さの第1の凹部に対して最高1,000μmの分だけ間隔を置いて隣接した、少なくとも20%および/または3μmの分だけ第1の深さとは異なる第2の深さの第2の凹部が、かつ場合によっては後者に対して間隔を置いた、少なくとも20%および/または少なくとも20μmの分だけ第2の深さとは異なる第3の深さの第3の凹部が、版シリンダに設けられており、凹部は、凹部の最小の直径の領域に最高1,000μmの幅を有し、インキ装置により間接的または直接的に同じインキレリーフシリンダを介して第1の同じ色のインタリオ印刷インキが着肉可能であり、インタリオ印刷インキは、版シリンダに設けられた第1のかつ第2のかつ場合によっては第3の凹部に、それぞれ間接的に、インキ装置内に設けられた1つの同じインキグラビアシリンダの、それぞれのインキを案内する、版シリンダに設けられた第1および第2の凹部にそれぞれ対応し、かつ互いに間隔を置いた凹部を介して供給可能である。
上述のインキグラビアシリンダおよび/または上述のインキレリーフシリンダを有する印刷装置の構成により、色に関して相違した画像要素の極めて微細な構造をインタリオ法で写すことが可能である。
セキュリティ要素、製造する方法または製造する装置に関するさらなる変化態様または詳細は、以下の説明から個々にまたは組み合わせとして看取可能である。
本発明の実施例を図面に示し、以下に詳しく説明する。
第1の構成の印刷機械、特に凹版印刷機械の側面図である。
第2の構成の印刷機械、特に凹版印刷機械の側面図である。
図1aに示した印刷装置の拡大図である。
図1bに示した印刷装置の拡大図である。
図2aに示した印刷装置の一部を拡大した図である。
図2bに示した印刷装置の一部を拡大した図である。
i)は、版シリンダ上に設けられた凹部のパターンの概略図であり、ii)は、隆起部を有するインキ装置シリンダ上に設けられた対応する隆起部のパターンの概略図であり、iii)は、凹部を有するインキ装置シリンダ上に設けられた対応する凹部のパターンの概略図である。
インキ装置シリンダ上での凹部の形成に関する有利な構成の要部概略図である。
a)は、銀行券を例にとってセキュリティ要素を有するセキュリティ手段が設けられたオブジェクトのための一実施例を示した図であり、b)は、セキュリティ手段を有し、凹版印刷で被着されたセキュリティ要素の一部を拡大した図である。
a)は、凹版印刷、特に鋼凹版印刷あるいはインタリオ印刷により処理された、請求項の対象に含まれないオブジェクトの一部の概略図であり、b)は、このために使用される、それぞれ異なる深さの凹部あるいはグラビアを有する印刷版の対応する一部の概略図である。
a)は、凹版印刷、特に鋼凹版印刷あるいはインタリオ印刷により処理されたオブジェクトの一部の概略図であり、b)は、このために使用される、それぞれ異なる色の凹版印刷インキ、特にインタリオ印刷インキを用いる印刷版の対応する一部の概略図である。
a)は、凹版印刷、特に鋼凹版印刷あるいはインタリオ印刷により処理された、請求項の対象に含まれないオブジェクトの一部の概略図であり、b)は、このために使用される印刷版の対応する一部の概略図であり、ここでは、凹版印刷インキ、特にインタリオ印刷インキが付与された画像要素も、凹版印刷インキあるいはインタリオ印刷インキが付与されていない画像要素も設けられている。
インキ層厚さがそれぞれ顕著に異なる密接に隣接した画像要素を有するセキュリティ手段のための第1の群の、請求項の対象に含まれない変化態様の一構成を、a)は、斜視図で、b)は、平面図で示す図である。
画像要素にわたってそれぞれ異なるかつ/または変化する高さを有するそれぞれ異なる色の密接に隣接した画像要素を有するセキュリティ手段のための、請求項の対象に含まれない群の構成の構成に関する概略図であって、a)は、斜視図で、b)は、垂直の観察角度での側面図で、c)は、鋭角の観察角度での側面図で示す図である。
画像要素にわたってかつ付加的にその延在にわたって変化する高さを有するそれぞれ異なる色の密接に隣接した画像要素を有するセキュリティ手段のための第2の群の構成の別の構成に関する概略図であって、a)は、変化における第1の相対的な配向で示し、b)は、第2の相対的な配向で示す図である。
画像要素にわたってそれぞれ異なるかつ/または変化する高さを有するそれぞれ異なる色の密接に隣接した画像要素を有するセキュリティ手段のための第2の群の、請求項の対象に含まれない構成の構成に関する概略図であって、a)は、斜視図であり、b)は、垂直の観察角度での側面図であり、ここでは、画像要素の複数ある群の1つの群の色は、基材の色により提供されている。
画像要素にわたってかつ付加的にその延在にわたって変化する高さを有するそれぞれ異なる色の密接に隣接した画像要素を有するセキュリティ手段のための第2の群の、請求項の対象に含まれない構成の別の構成に関する概略図であって、a)は、変化における第1の相対的な配向で示し、b)は、第2の相対的な配向で示す図であり、ここでは、画像要素の複数ある群の1つの群の色は、基材の色により提供されている。
本発明に係るセキュリティ(偽造防止)要素(セキュリティエレメント)001は、凹版印刷法、特に鋼凹版印刷法あるいはインタリオ印刷法を使用して製造されるセキュリティ要素001であり、オブジェクトBまたは担体B上には、別のやり方で製造されるさらに別のセキュリティ要素001が設けられていてもよい。
本発明に係るセキュリティ要素001は、好ましくは、例えば図1a)ないし図4b)の図面に示し、かつ下で詳しく説明するような印刷機械、特に有価証券印刷機械により製造可能である。
図5a)は、1つのオブジェクトB、特にセキュリティドキュメントB、好ましくは銀行券B上に設けられた複数のセキュリティ(偽造防止)手段F1;F2;F3;F4;F5;F6を有するセキュリティ要素001を例示的に示し、図5b)は、図5a)に示したセキュリティ要素001の拡大図を例示的に示しており、括弧内にあるものは、そこに示したセキュリティ要素001が、オブジェクトB、ここではセキュリティドキュメントB、特に銀行券B上に直接被着されているだけでなく、基本的には、担体として用いられる基材014、例えば担体基材014、例えば箔014上に被着されている場合もあることを暗示している。しかし、セキュリティ要素001は、好ましくは、オブジェクトB、例えばセキュリティドキュメントB、特に銀行券B上に直接被着されている、あるいは被着される。後者の場合、セキュリティ要素001あるいは少なくとも1つのセキュリティ手段F1;F2;F3;F4;F5;F6は、好ましくは、後の銀行券Bに関する割り付け面Niの基材S;S′上に被着されており、あるいは被着され、このことは、明示的に除外しなければ、以下では、「銀行券上への被着」あるいは「セキュリティドキュメント上への被着」という文言に包摂されているものとする。
ここで例示的に示したセキュリティ手段F1;F2;F3;F4;F5;F6は、例えばそのセキュリティ上重要な効果が、凹版印刷プロセス、特に鋼凹版印刷プロセスまたはインタリオ印刷プロセスの成果である、あるいは凹版印刷、特に鋼凹版印刷またはインタリオ印刷により奏せられている、あるいは奏せられる点で共通している。このように奏せられる効果あるいはセキュリティ手段F1;F2;F3;F4;F5;F6を用いた特徴は、感じ取ることが可能な、ベース平面、すなわち凸起加工されていないオブジェクト表面あるいはドキュメント表面あるいはセキュリティ要素表面から隆起した画像要素002;003;004;006;007;008;009であり、画像要素002;003;004;006;007;008;009は、その隆起部の領域に、理想的には、実質的に上述の凹版印刷プロセス時に凸起加工されたそれぞれの基材隆起部の上面にのみ、すなわち、形成された高台、背または先端の領域に、印刷インキ517、特に凹版印刷インキあるいはインタリオ印刷インキ517が施されており、あるいは印刷プロセス中、同時に凸起加工が施される。凹版印刷プロセス、特に鋼凹版印刷プロセスまたはインタリオ印刷プロセスで被着される印刷インキ517、例えば凹版印刷インキ517、特にインタリオ印刷インキ517は、例えば主に浸透する印刷インキとは異なり、そのインキ層厚さhC;hC′;hC″の一部で、基材S;S′上に乗っており、かつ/または完成された製品でさえもまだペースト状であり、かつ/または十分に乾燥されておらず、かつ/または白色紙との摩擦接触時、擦れた跡を残す。
インタリオ印刷インキ517が施された画像要素002;003;004;006;007;008;009のインキ層厚さhC;hC′;hC″は、少なくとも上面の領域において、例えば少なくとも2μm、特に少なくとも4μm、有利な構成では、画像要素002;003;004;006;007;008;009の少なくとも一部について、例えば少なくとも10μmである。インキ層厚さhC;hC′;hC″は、有利には200μmまで、特に150μmまで、例えば100μmまでである。
隆起した画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012の、ベース平面からの高さH;H′;H″、例えば全高H;H′;H″は、例えば隆起した画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012の少なくとも一部区間で、または少なくとも1つの最も高い箇所で、少なくとも5μm、特に少なくとも10μm、有利には、画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012の少なくとも一部について、少なくとも20μmであり、かつ/または例えば最高300μm、特に最高200μm、有利には最高150μmである。特に高さH;H′;H″は、隆起した画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012の少なくとも一部区間で、または最も高い箇所で、例えば5μm~200μm、好ましくは10μm~150μmの範囲にある。
本発明に係るセキュリティ要素001あるいはこのようなセキュリティ要素001を有するオブジェクトBのセキュリティ手段F1;F2;F3;F4;F5;F6は、而るに、凹版印刷、特にインタリオ印刷により形成される、隆起した画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012が設けられていて、画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012は、互いに僅かしか間隔を置いておらず、画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012の色c1;c2;c3;cSおよび/またはインキ層厚さhC;hC′;hC″に関して、すなわち、特に該当する色c1;c2;c3の知覚可能な明度もしくは強度、および/または高さH;H′;H″に関して、相違していることを特徴とする。
本発明に係るセキュリティ要素001またはセキュリティドキュメントBは、少なくとも1つの第1のセキュリティ手段F1;F2;F3;F4;F5,F6を有し、第1のセキュリティ手段F1;F2;F3;F4;F5,F6は、セキュリティ要素001またはセキュリティドキュメントBの一方の面に凹版印刷法により被着されており、あるいは被着され、かつ少なくとも1つの第1の領域にわたって延在しており、セキュリティ手段F1;F2;F3;F4;F5;F6は、少なくとも1つの第1の隆起した画像要素002;008であって、セキュリティ要素001あるいはセキュリティドキュメントBのベースレベルから隆起しているとともに、隆起した特に上側の領域に凹版印刷インキ517を有する画像要素002;008と、隣接した少なくとも1つの第2の隆起した画像要素003;004;006;007;009;011;012であって、同じくセキュリティ要素001あるいはセキュリティドキュメントBのベースレベルから隆起した画像要素003;004;006;007;009;011;012とを有している。この第2の隆起した特に隣接した画像要素003;004;006;007;009;011;012は、隆起した特に上側の領域に凹版印刷インキ517を有していてもよく、またはインキ塗工なしに凸起加工だけされている、あるいは凸起加工だけされる。少なくとも1つの第1の画像要素および少なくとも1つの第2の画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012は、インタリオ印刷で、特に同じ印刷プロセスで形成されており、色c1;c2;c3;cSに関して、かつ/またはインキ層厚さhC;hC′;hC″に関して、例えば該当する色c;c′,c″の知覚可能な明度または強度に関して、かつ/または隆起した画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012の、それらの間に位置するレベルあるいは上述のベースレベルからの高さH;H′;H″、例えば全高H;H′;H″に関して相違している。凹版印刷インキあるいはインタリオ印刷インキを同時に塗工しない凸起加工は、「層厚さ ゼロ」の提示あるいは塗工と同義であるものとする。該当する画像要素011;012は、この場合、色cSとして、例えば印刷されないまたは既にコーティングされた、特に印刷された基材S;S′の色を有している(例えば図8、図12および図13参照)。
例えば既にコーティングされたあるいは印刷された基材S;S′の色cSは、例えば、凹版印刷インキが改めて付与されることがない隆起部の領域で、かつ/または2つの画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012間に位置する領域で、基材S;S′上に被着されたコーティング013、特に印刷インキ013、例えばオフセット印刷インキ、凸版印刷インキもしくはフレキソ印刷インキまたはスクリーン印刷インキの色cSにより形成されていてもよい。この場合、例えばフレキソ印刷インキまたはスクリーン印刷インキで被着されるコーティング013あるいは印刷インキ013は、有利な一構成では、磁性の粒子を含むインキとして、またはいわゆる光学可変インキ(OVI=Optically Variable Ink)として構成されていてもよい。
第1および第2の隆起した画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012は、くぼみにより互いに離隔されており、互いに例えば最高1,000μm(文字にすれば:千マイクロメートル)、特に最高600μmの間隔d;d′を有し、かつ/または隣接した両隆起した画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012の高い方の画像要素の最も高い隆起部の最高10倍、特に最高5倍に相当する間隔d;d′を有している。最小間隔は、例えば少なくとも10μm、特に少なくとも50μmであってよい。好ましくは、間隔d;d′は、この種の隣接した隆起した画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012では、200μm~500μmである。それぞれ異なる間隔d;d′が、複数の画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012のペア間に存在していてもよい。同じく、それぞれ異なる幅b;b′の画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012が存在していてもよい。
隆起した画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012の側方のフランクが、セキュリティ要素001あるいはセキュリティドキュメントBのベースレベルに対して垂直には延びていないことが場合によってはあり得るが、この場合、間隔d;d′とは、関与する画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012の互いに対面したフランクの半値高さをベースレベルの平面内に投影した位置の間隔と解すべきであり、かつ画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012の幅b;b′とは、該当する画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012の互いに背離したフランクの半値高さをベースレベルの平面内に投影した位置間の幅と解すべきである。
高さH;H′;H″またはインキ層厚さhC;hC′;hC″が、該当する画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012の幅b;b′にわたっては一定でないことが場合によってはあり得るが、この場合、高さH;H′;H″またはインキ層厚さhC;hC′;hC″とは、線状の画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012については、線の所定箇所でその半分の幅b;b′のところに存在する高さH;H′;H″またはインキ層厚さhC;hC′;hC″と見なされ、かつ面状の画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012については、該当する画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012の幾何学的な重心に存在する高さH;H′;H″またはインキ層厚さhC;hC′;hC″と見なされる。その際、疑わしい場合には、線状の画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012とは、略一定の幅b;b′を有し、すなわち、最大の幅b;b′を最高10%下回る、場合によっては先細りする端部区間を除き、かつ最大の幅b;b′に対して少なくとも3倍大きな長さを有する画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012と解すべきである。
隣接した、ただし、くぼみによって互いに離隔された画像要素002;003;006;007;008;009;011;012が、相違したインキ層厚さhC;hC′;hC″および/または高さH;H′;H″を有している場合、画像要素002;003;006;007;008;009;011;012は、例えば高さH;H′;H″のうちの小さい方あるいは最小の高さの例えば少なくとも20%の分だけ、かつ/または例えば少なくとも1μm、有利には少なくとも3μm、特に少なくとも5μm、例えば、互いに隣接した画像要素002;003;006;007;008;009;011;012の少なくとも一部のためには、それどころか少なくとも10μmの分だけ相違したインキ層厚さhC;hC′;hC″および/または高さH;H′;H″を有して形成されている。例えば、隣接した第1の画像要素002;008の高さHの少なくとも20%の分だけかつ/または例えば少なくとも半分だけ大きい高さH′;H″および/または第1の画像要素002;008のインキ層厚さhCの少なくとも20%の分だけかつ/または例えば少なくとも半分だけ大きいインキ層厚さhC′;hC″を有する少なくとも1つまたは複数の第2の画像要素003;004;006;007;009が設けられている。
例えば、凹版印刷インキあるいはインタリオ印刷インキ517の塗工が完全にない場合、すなわち、層厚さがゼロの場合は別とし、2つまたは3つのそれぞれ異なる、ゼロとは異なるインキ層厚さhC;hC′;hC″のうち、最も小さいインキ層厚さを有するインキ層のために、好ましくは、例えば少なくとも2μm、有利には少なくとも4μm、特に少なくとも5μmの最小厚さが与えられている。
それぞれ異なるインキ層厚さh
C;h
C′;h
C″および/または高さH;H′;H″および/または色c;c′;c″;cSを有する、僅かな間隔d;d′の上述の隆起した画像要素002,003;004;006;007;008;009;011;012によらないが、特にこれとの関連において、長手方向延在にわたって例えば連続的に、例えば単調にまたは変動的に変化するインキ層厚さ
および/または高さ
を有する画像要素008;009;012が設けられていてもよい。この場合、インキ層厚さ
は、該当する画像要素008;009内で、例えば少なくとも5μm、好ましくは少なくとも10μm、特に少なくとも20μmの分だけ変化する。凹版印刷インキ塗工ありまたはなしの高さ
は、例えば同じく少なくとも5μm、好ましくは少なくとも10μm、特に少なくとも20μmの分だけ変化する。
特に有利な構成において、それぞれ、複数の第1および第2の隆起した画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012は、少なくともセキュリティ手段F1;F2;F3;F4;F5;F6の平面内で延びる一方向LF、ここでは例えば機能方向LFとも称呼する方向LFで見て交互に、かつその全体でいわゆる潜像の画像またはパターンを形成するように少なくとも部分的に相前後して配置されているように、セキュリティ手段F1;F2;F3;F4;F5;F6の領域に設けられており、潜像の画像またはパターンは、観察角度φ、すなわち、セキュリティ手段F1;F2;F3;F4;F5;F6の一箇所に向けられた視線方向と、該当する箇所におけるセキュリティ要素001あるいはセキュリティドキュメントBの平面との間の角度が違えば、色印象および/もしくは画像内容が変化する画像情報、または光学的に変化する視覚的印象もしくは視覚を創成または提供する。第1および第2の画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012のすべてまたは少なくとも多数にわたって、変化するまたは好ましくは固定の間隔d;d′が、機能方向LFで見てそれぞれ第1および第2の画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012間、あるいはそれぞれ第2および第1の画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012間に設けられていてもよい。その代わりにまたはそれに加えて、それぞれ第1および続く第2の画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012間ならびに第2および続く第1の画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012間の間隔d;d′は、互いに異なっていてもよいし、または好ましくは同じであってもよい。
これらの上述の、相違した色c;c′;c″;cSおよび/または相違した、場合によっては変化するインキ層厚さ
および/または高さ
の、特に僅かにのみ間隔を置いた画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012をベースに、それぞれ異なるタイプの凹版印刷ベースあるいはインタリオベースのセキュリティ手段F1;F2;F3;F4;F5;F6あるいはセキュリティ要素001あるいはセキュリティドキュメントBが、このような凹版印刷ベースあるいはインタリオベースのセキュリティ手段F1;F2;F3;F4;F5;F6を有して形成されている、または形成可能である。
セキュリティ手段F1;F2のための第1の群の、請求項の対象に含まれない変化態様において、例えば2つ以上の、互いに少なくともペア状に隣接した隆起した画像要素002;003;004;006が設けられており、画像要素002;003;004;006は、上述の最大の間隔d;d′を有しており、第1の構成において、複数の互いに隣接した画像要素002;003;006は、例えば上述の意味で、それぞれ異なるインキ層厚さhC;hC′;hC″と、これに例えば付随して異なった全高H;H′;H″とを有している。而して、例えば図9a)および図9b)には、図5に既に略示したセキュリティ手段F1を例示的に示してあり、セキュリティ手段F1は、モチーフ、ここでは例えばロゼットまたはカレイドスコープの形態のモチーフとしての、複数のパーツからなるパターンのパーツまたはセグメントとしての、隆起した画像要素002;003;006を有しており、画像要素002;003;006は、互いに異なるインキ層厚さhC;hC′;hC″および例えば高さH;H′;H″、ひいては1つの同じ色c;c′;c″の、変化する、特に顕著に変化する強度、すなわち色調の、密接に相並んで位置するパーツあるいはセグメントを形成している。図9の例では、セキュリティ手段F1のために、3つのそれぞれ異なるインキ層厚さhC;hC′;hC″の画像要素002;003;006が設けられており、画像要素002;003;006は、例えば2つの互いに隣接した画像要素002;003;006のうちの小さい方の画像要素のそれぞれ例えば少なくとも20%刻みで、かつ/または例えば少なくとも1μm、有利には少なくとも3μm、好ましくは少なくとも5μmの分だけ。その際、3つの画像要素002;003;006の2つの直接隣接した画像要素は、それどころか、そのインキ層厚さhC;hC′;hC″に関して、少なくとも10μm、特に少なくとも20μmの分だけ相違していてもよい。第2の画像要素003の全体の高さH′は、例えば第1の画像要素002;008の高さより少なくとも20%および/または少なくとも3μmの分だけ大きくてもよく、かつ第3の画像要素006の高さH″は、第2の画像要素003の高さより少なくとも20%および/または少なくとも20μmの分だけ大きくてもよい。加えてまたはその代わりに、第2の画像要素003のインキ層厚さhC′は、例えば第1の画像要素002;008のインキ層厚さより少なくとも20%および/または少なくとも1μmの分だけ大きくてもよく、かつ第3の画像要素006のインキ層厚さhC″は、第2の画像要素003のインキ層厚さより少なくとも20%および/または少なくとも10μmの分だけ大きくてもよい。
請求項の対象に含まれないこの第1の群の図示の第1の変化態様において、該当する画像要素002;003;006あるいはセグメントは、1つの同じ色c1;c2;c3を有している。このことは、この色c1;c2;c3の色調の変化、すなわち、同じ色c1;c2;c3の知覚される強度あるいは明度の変化を結果として伴う。それぞれ異なる高さH;H′;H″を有する1つの同じモチーフの画像要素002;003;006の高さH;H′;H″の段階付けは、例えば、第1の例えば最小の高さHの画像要素002で、12±1μmの高さHであり、第2の例えば中間の高さH′の画像要素003で、15±1μmの高さであり、第3の例えば最大の高さH″の画像要素006で、40±5μmの高さであり得る。
インタリオ印刷インキ517を有する画像要素002;003;006;007;008;009の上述の構成のために、かつ特に断りのない限り、ここで説明するその他の構成のためにも、全高H;H′;H′における印刷インキ517が占める割合は、有利な一構成では、隆起した画像要素002;003;006;007;008;009の高さH;H′;H″の約3分の1、すなわち例えば33±3%であってよい。
このように異なる高さH;H′;H″を有する同じモチーフあるいはパターンの3つの画像要素002;003;006は、例えばそれぞれ少なくとも120μm、特に少なくとも150μmの幅を有し、かつ/または少なくとも50μm、特に少なくとも60μmの間隔を互いに有していてもよい。
請求項の対象に含まれないこの第1の群の、図9b)に括弧で囲った表現で暗示しただけの第2の変化態様において、セキュリティ手段F2は、それぞれ異なる色c1;c2;c3の印刷インキ517を有する複数の互いに隣接した画像要素002;004;007を有している。而して、例えば図9b)に暗示したセキュリティ手段F2は、それぞれ異なる色c1;c2,c3、例えば青、紫および赤を有する、ここでは例えばロゼットまたはカレイドスコープの形態の、複数のパーツからなるパターンのセグメントとしての、隆起した画像要素002;004;007を有している。
請求項の対象に含まれない第1の群の第3の混合型の変化態様では、それぞれ異なる色c1;c2;c3のセグメントと、1つの同じ色c1;c2;c3または異なる色c1;c2;c3のそれぞれ異なるインキ層厚さhC;hC′;hC″のセグメントとが設けられていてもよい。
それぞれ異なってはいるが、例えば略一定のインキ層厚さhC;hC′;hC″の複数の面状のセグメントを有する図柄状のパターンの代わりに、一群の線状の、互いに平行に延びる画像要素002;003;004;006;007;008;009が相並んで設けられていてもよく、画像要素002;003;004;006;007;008;009のインキ層厚さhC;hC′,hC″は、画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012から画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012へ、例えば群の画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012にわたって、単調にまたは変動的に、例えば波形に変化する。これにより、明度あるいは強度が該当するセキュリティ手段F1の群にわたって連続的に上昇、下降または変動する見た目の印象が提供されている、あるいは形成可能である。
例示的に図5b)には、この種の
、ここで自体請求されないセキュリティ手段F1,F2のさらに別の幾何学的な構造(ここでは、F1′あるいはF2′およびF1″あるいはF2″を付した)を図示してあり、セキュリティ手段F1′あるいはF2′およびF1″あるいはF2″のベースには、それぞれ異なる色c1;c2;c3;cSおよび/またはそれぞれ異なるインキ層厚さh
C;h
C′;h
C″もしくは強度および/またはそれぞれ異なる高さH;H′;H″の、場合によっては画像要素008;009;012内で変化するインキ層厚さ
および/または高さ
を有する、直接隣接した隆起した画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012を有する
変化態様の第1の群からなる基本構造が存在する。F1′;F1″あるいはF2′;F2″を付した変化態様は、ここでは、明示的にそれについて立ち入らないところでは、セキュリティ手段F1,F2の下位にあるものとし、別途規定することはしない。
本発明に係るセキュリティ要素001またはセキュリティドキュメントBのセキュリティ手段F3;F4;F5;F6のための第2の群の構成において、セキュリティ手段F3;F4;F5;F6には、好ましくは光学可変の画像領域が含まれており、この画像領域は、変化する、特にシステマチックに変化する色c1;c2;cSおよび/もしくはインキ層厚さh
C;h
C′および/もしくは高さH;H′あるいは全高H;H′ならびに/または画像要素008;009;012内で変化するインキ層厚さ
および/もしくは高さ
の、間隔を置いた、特に上述の形式で密接に間隔を置いた画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012を有している。画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012が、色c1;c2;cSおよび/もしくはインキ層厚さh
C;h
C′および/もしくは高さH;H′あるいは全高H;H′、ならびに/または画像要素008;009;012内で変化するインキ層厚さ
および/もしくは高さ
に関して変化することにより、既に上で言及した潜像のまたは可変の画像またはパターンが惹起または形成されており、あるいは惹起または形成され、この画像またはパターンは、上述の観察角度φに応じて、色印象および/もしくは画像内容が変化する画像情報、または光学的に変化する感覚的印象、特に色印象もしくは/もしくはグラデーションを創成または提供する。
セキュリティ手段F3;F4;F4′;F5;F6;F6′は、例えば、複数の、例えばk個の、少なくとも5個、特に少なくとも10個、好ましくは少なくとも30個の、少なくとも上面に第1の色c1の凹版印刷インキ517、特にインタリオ印刷インキ517を有する第1の隆起した画像要素002;008であって、例えば既に上で言及した、セキュリティ要素001の平面内で延びる機能方向LFに沿って相前後して配置されている画像要素002;008を有する第1の群G1;G3を有し、これらの画像要素の間に、これとは異なる色c2;cSを有する第2の群G2;G4;G5;G6の、例えばk-1個の、例えば少なくとも9個、好ましくは少なくとも29個の、隆起した画像要素004;009;011;012が設けられている。その際、第2の群G2;G4の画像要素004;009には、少なくとも上面に、第2の色c2の凹版印刷インキ517、特にインタリオ印刷インキ517が施されており、または第2の群G5;G6は、例えば凹版印刷プロセスあるいはインタリオプロセスで、特に第1の画像要素002;008の製造と同時に、基材S;S′から、隆起した画像要素011;012へと凸起加工されているが、その際、凹版印刷インキあるいはインタリオ印刷インキ517は付与されていない、あるいは付与されない、または付与されなかった画像要素011;012であり、画像要素011;012の色cSは、印刷されないか、または予め別の方法で、例えば別の印刷法によって印刷された基材S;S′の色である。実施例の第2の群のこれらの構成について、ここでは確かに、異なる色の画像要素002,004;008;009;011;012の2つだけの群G1,G2;G3,G4;G5,G6を基に具体的に説明したが、これに限定するものではなく、仮にここで明示的にそれぞれの符号を付して説明しなくても、異なる色の画像要素002;003,004;006,007;008;009;011;012の2つより多くの群に適用することも可能である。
該当するセキュリティ手段F3;F4;F4′;F5;F6;F6′は、場合によってはこれらの群G1;G2;G3;G4;G5;G6を越えてさらに別の画像要素を有していてもよい。例えば、セキュリティ手段F3;F4;F5;F6の一部領域だけが、画像要素002;004;008;009;011;012の、上述の形式で配置および/または形成される群G1;G2;G3;G4;G5;G6により構成されている一方、別の画像要素は、これらとは構成および/または配置が異なっているようになっていてもよい。例えばこのように混合された構成によって形成されるセキュリティ手段F3;F4;F5;F6または画像もしくはパターンは、而して所望の効果を、例えば画像要素002;004;008;009;011;012の、これに含まれ、相応に構成および/または配置される群G1;G2;G3;G4;G5;G6の領域においてのみ提供する。
第1および第2の群G1;G2;G3;G4;G5;G6の、セキュリティ要素001あるいはセキュリティドキュメントBを前記機能方向LFまたは一機能方向LFで見て交互の画像要素002;004;008;009;011;012は、それぞれペア状に例えば上述の小さな間隔d;d′、すなわち、特に最大1,000μmおよび/または大きい方の高さH;H′の最大10倍の間隔をそれらの間に有している。その際、セキュリティ手段F3;F4;F5;F6あるいは群G1;G2;G3;G4;G5;G6の、セキュリティ要素001あるいはセキュリティドキュメントBの平面内で延びる機能方向LFで見て、第1および第2の画像要素002;008;003;009;011;012間の間隔d;d′、すなわち、最短の間隔d;d′を置いて交互に設けられた第1および第2の画像要素002;004;008;009;011;012の方向での間隔と、第2および第1の画像要素004;009;011;012;002;008間の間隔とは、互いに異なっていてもよいし、または有利な実施の形態では同じであってもよい。基本的には、該当する群G1;G2;G3;G4;G5;G6内の第1および第2の画像要素002;008;004;009;011;012間のそれぞれの間隔d;d′および/または第2および第1の画像要素004;009;011;012;002;008間のそれぞれの間隔d;d′は、変化してもよいが、有利な実施の形態ではそれぞれ同じである。
その際、機能方向LFなる概念は、方向LFであって、この方向LFに沿って、間隔を置いた画像要素002;004;008;009;011;012の相応の配置および構成が存在し、例えば傾倒により上述の形式で可変に知覚可能である方向LFを指すものとする。例えば線状のかつ平行に延びる画像要素002;004;008;009;011;012のために、画像要素002;004;008;009;011;012の延在に対して様々に傾いた多数の機能方向LFが存在していることがあり、これらの機能方向LFのうち、例えば最短の間隔d;d′を置いて交互に設けられた第1および第2の画像要素002;004;008;009;011;012を含むものが、主機能方向LFHと称呼されている、あるいは称呼される。観察角度φの、セキュリティ要素001上への投影が、このような主機能方向LFHと合致しているような、観察角度φを有する視線方向は、例えば傾倒時、特に明瞭な効果および/または最高のコントラストを提供する。
第1および第2の群G1;G2;G3;G4;G5;G6の交番する画像要素002;008;004;009;011;012の少なくとも一部のために、または群G1;G2;G3;G4;G5;G6を有するセキュリティ手段001の少なくとも一部区間上に、互いにそれぞれ隣接した第1および第2の画像要素002;008;004;009;011;012は、特に、機能方向LFに対して横方向で延びる例えば面状または線状のその延在の全体で、または少なくとも、機能方向LFで一列に延びる一部で、高さH;H′あるいは全高H;H′の差を有しており、例えば、少なくとも10μm、好ましくは少なくとも20μm、または例えば観察角度を変化させた際の見た目の印象の切り換えのためのより大きな限界角度のために、それどころか少なくとも30μmの高さH;H′の差を有している。
例えば、このように交互に設けられた第1および第2の画像要素002;008;004;009;011;012の群G1;G2;G3;G4;G5;G6により提供される長さの全体、または機能方向LFに延びる少なくとも一部区間に、第1の画像要素002;008間に位置する第2の画像要素004;009;011;012は、第1の群G1;G3のそれぞれ直接隣接した第1の隆起した画像要素002;008の高さあるいは全高より、例えば少なくとも10μm、好ましくは少なくとも20μm、場合によってはそれどころか少なくとも30μmの分だけ小さい高さH′あるいは全高H′を有しており、その逆もまた然りであり、その結果、小さい方の高さH′;Hの画像要素002;008;004;009;011;012は、例えばセキュリティ要素001あるいはオブジェクトBの表面に対する観察角度φ;φ⊥が急勾配、例えば垂直であるときは、すべてかつ完全に可視である一方、観察角度φがこれに対してより緩勾配、例えば45°未満、特に25°未満であるときは、別の群G1;G3の隣接した隆起した画像要素002;008によって少なくとも一部が隠され、ひいては観察者にとって不可視であるか、または少なくとももはや完全には可視でない。セキュリティ要素001あるいはオブジェクトB、特に銀行券Bを傾倒させることで、または観察角度φを別の方法で変化させることで、これにより、少なくとも異なる高さH;H′の画像要素002;004;008;009;011;012を有する区間で、関与する色c1;c2;cSの変更される重畳により知覚される色印象は、変化し、かつ/または低めの画像要素004;009により運ばれる画像情報のフェードインおよびフェードアウトにより、画像またはパターンは、変化する。
基本的には、例えば色組み合わせおよび/または機能方向LFの方向付けおよび/または協働する画像要素002,003;004;006;007;008;009;011;012の相対的な配置に関して相違した、上述の形式で色c1;c2;cSおよび/または高さH;H′が変化する群G1;G2;G3;G4;G5;G6の複数のペア、またはそれどころか3つ組が設けられていてもよく、ペアまたは3つ組は、全体として、例えば2次元の、観察角度φの変化時に、かつ/または観察箇所を通り、かつセキュリティ要素001あるいはセキュリティドキュメントBの平面に対して垂直に延びる一軸線回りの観察方向の回転時に、色印象および/または画像内容が変化する2次元の画像情報または光学的に変化する感覚的印象を創成または提供する。関与する画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012は、より低くかつより高く位置するピクセル状の画像成分の形態で有効であり、画像成分は、セキュリティ要素平面あるいはセキュリティ要素001の表面に対する観察角度φの変化に応じて、かつ/またはセキュリティ手段F1;F2;F3,F4;F5;F6上に垂直に立っている一軸線回りの視線方向の変化に応じて変化する画像情報および/または感覚的印象を媒介する。その際、第1の色c1の画像要素002;003;004;006;007;008;009は、例えば機能方向LFで両側に、別の色の画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012に対して上述の最大の間隔d;d′を置いて離間している。このように2次元の図柄状の可変のセキュリティ手段F3;F4;F5;F6は、例えば図5b)の上3分の1に例示的に略示し、セキュリティ手段F3;F4;F5;F6の可能な構成に対する変化態様の1つとして、F3″;F4″;F5″;F6″を付してあり、異なる色の画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012からなるこのような2次元の多色のインタリオパターンあるいはこのようなインタリオ構造は、セキュリティ要素001あるいはセキュリティドキュメントBの傾倒時、上述の意味で、内容および/または感覚的印象が変化する画像を媒介する、あるいは媒介し得る。図5b)の図面にF3″,F4″,F5″およびF6″を付した変化態様は、ここでは、明示的に区別せず、特段それに焦点を当てないところでは、変化態様の1つとしてセキュリティ手段F3;F4;F5,F6の下位にあるものとし、別途規定することはしない。
例えば良好に形成可能なかつ/または知覚可能な有利な一構成において、第1および第2の群G1;G2;G3;G4;G5;G6の第1および第2の画像要素002;004;008;009;011;012は、線状に構成されており、互いに平行に延びている。例えば第1および第2の画像要素002;004;008;009;011;012は、幅b;b′より少なくとも10倍、好ましくは少なくとも50倍大きな長さを有している。第1および第2の画像要素002;004;008;009;011;012は、好ましくは線状かつ平行に、好ましくは直線状に延びているか、または場合によっては、達成したい効果に応じて、例えば平行波またはジグザグ線またはその他の長く延びた不規則的または好ましくは規則的な形態で延びている。このような線状に延びる画像要素002;004;008;009;011;012の幅b;b′は、例えば最高1,000μm、有利には最高500μm、特に最高300μmおよび/または少なくとも10μm、有利には少なくとも100μm、特に少なくとも200μmである。効果は、ここでは例えば一方向LFでのみ、すなわち主機能方向LHFでのみ交互に設けられた画像要素002;004;008;009;011;012により惹起され、例えば1次元と見なされ得る。
該当するセキュリティ要素001により、またはそれどころか同じセキュリティ手段F3;F4;F5;F6により、第1および第2の群G1;G2;G3;G4;G5;G6の、それぞれ異なるかつ/または群G1;G2;G3;G4;G5;G6内でかつ/または画像要素008;009;012に沿って変化する高さ
および/または色c1;c2;c3;cSの、面内で2次元的にかつ/または主機能方向L
HFに沿って1次元的に変化するように配置された画像要素002;004;008;009;011;012の複数の領域あるいはフィールドが設けられていてもよい。
線状の画像要素002;004;008;009;011;012の直線状のかつ平行な構成において、上述の主機能方向LHFは、線状の画像要素002;004;008;009;011;012の長手方向延在に対して垂直に延びており、それにもかかわらず例えば可変の画像またはパターンの効果は、視線方向であるいは視線方向から、場合によってはコントラストを減らしながら、知覚可能であることができ、セキュリティ要素001の平面上へのその投影は、セキュリティ手段F1;F2;F3,F4;F4′;F5;F6;F6′上に垂直に立っている軸線回りに主機能方向LHFに対して鋭角に旋回されている。
この第2の群の構成の図示しない第1の実施の形態において、第1の群G1の、セキュリティ手段F3に分類すべき画像要素002のために、固定の高さHが設けられており、第2の群G2;G5の、まさにその画像要素004;011のために、それとは異なる、例えば少なくとも10μm、好ましくは少なくとも20μm、場合によってはそれどころか少なくとも30μmの分だけ小さいまたは大きい高さH′が設けられている。観察角度φ⊥が垂直であるとき、第1および第2の画像要素002;004;011の色c1;c2;cSと、それらの間に位置するくぼみの色とからなる全体画像が知覚される一方、より小さい所定の観察角度φから、くぼみ内に存在し、より小さい高さH;H′の画像要素002;004;011により担持される画像情報あるいは色c1;c2;cSは、ますますなくなっていく。画像要素002;004;011は、この場合、基本的には任意の形態で形成されていてよいが、好ましくは、上述の意味で線状、特に直線状に形成されている。
第1および第2の群G1;G2;G5の異なる色の隆起した画像要素002;004;11は、第1の構成において、それぞれの群G1;G2;G5にわたって一定の高さH;H′を有しており、かつ少なくとも前記機能方向LFまたは一機能方向LFに関して同じ間隔d;d′を互いに有していてもよく、その結果、傾倒時あるいは観察角度φの切り換え時、色印象および/または画像は、該当する領域全体で同時に均等に変化する。
第2の群の構成の有利な第2の実施の形態において、しかし、それぞれ隣接した隆起した第1および第2の、好ましくは、線状かつ例えば直線状に形成される画像要素002;004;011の高さH;H′間の比は、交番する第1および第2の隆起した画像要素002;004;011の群G1;G2;G5にわたって、前記機能方向LFまたは一機能方向LFで見て変化してもよい(例えば図10参照)。この場合、第2の実施の形態の第1の構成において、群G1;G2;G5のうちの1つの群の隆起した画像要素002;004;011の高さH;H′は、該当する群G1;G2;G5にわたって一定の高さH;H′を有していてもよい一方、別の群G2;G5;G1からの、これに対してずらされた画像要素004;011;002の高さH′;Hは、機能方向LFで該当する群G2;G5;G1の延在にわたって変化する。この変化は、単調に、特にリニアに増加あるいは減少するようになっていてもよいし、または、しかし、変動し、例えば群G2;G5;G1にわたって波形に延びていてもよい。
第2の実施の形態の、ここで例えば図10a)および図12に示した有利な第2の構成において、異なる色の画像要素002;004;011の高さH;H′は、両群G1;G2;G5にわたってそれぞれ逆向きに変化し、すなわち、画像要素002の一方の群G1の高さHは、機能方向LFで群G1にわたって増加する一方、他方の群G2;G5の、それらの間に位置する画像要素004;011の高さH′は、減少する。垂直の観察角度φ=90°=φ⊥において、これにより観察者には、隆起した画像要素002;004;011上の少なくとも2つの色c1;c2;cSと、例えば付加的に、2つの隆起した、例えば一変化態様において2つの色c1;c2;cSの凹版印刷インキ517、特にインタリオ印刷インキ517が施された画像要素002;004;011間に位置する印刷されたまたは印刷されない基材S;S′との重畳により媒介される色印象cv、特にグラデーションcvが生じる(例えば概略的に図10bに示した)。より小さな観察角度φの下では、それぞれ異なるかつ/または変化する相対的な高さH;H′により、すべての関与する色c1;c2;cSによって決定される色印象cvから、色c1;c2;cSの1つによって決定されるか、または少なくとも支配される少なくとも一部区間aC1と、場合によっては、別の色c2;cS;c1によって決定または支配される少なくとも一部区間aC2とを有するグラデーションcvへの、変化の経過次第で程度の差こそあれ速いかつ/または強い移行が生じる。その際、観察角度φ次第で、隆起した画像要素002;004;011間の基材S;S′の色cSにより与えられる背景の影響は、観察角度φが減少するにつれ、ますます背景の中に表れ得る。2つの色c1;c2の凹版印刷インキ517、特にインタリオ印刷インキ517を有する隆起した画像要素002;004を有する構成では、基材S;S′により与えられる色cSの割合は、例えば観察角度φが減少するにつれてなくなっていき、基材S;S′により与えられる第2の色cSだけを有する、つまり、特に被着される凹版印刷インキあるいはインタリオ印刷インキなしの、1つの群G5の画像要素011を有する、ここで請求されない変化態様(例えば図12に示すセキュリティ手段F5の構成参照)では、例えば、基材S;S′により与えられる色cSの割合は、観察角度φが減少するにつれ、これに対して比較的ゆっくり減少する。
構成の第2の群からなる第3の実施の形態(例えば例示的に図11および図13参照)において、セキュリティ手段F4;F6は、第1の色c1の凹版印刷インキ517、特にインタリオ印刷インキ517を担持し、かつその長手方向延在にわたって、段状に、または好ましくは連続的に、例えば単調にまたは変動的に変化するインキ層厚さ
および/または高さ
を有する、第1の線状の画像要素008の第1の群G3を有している。好ましくは、インキ層厚さ
および/または高さ
は、単調にかつ/または特にリニアに変化する。インキ層厚さ
は、該当する画像要素008内で例えば少なくとも5μmの分だけ、好ましくは少なくとも10μmの分だけ、特に少なくとも20μmの分だけ変化する。凹版印刷インキ塗工ありまたはなしの高さ
は、例えば同じく少なくとも5μmの分だけ、好ましくは少なくとも10μmの分だけ、特に少なくとも20μmの分だけ変化する。
この第3の実施の形態の第1の構成において、インキ層厚さ
および/または高さ
が例えば単調にかつ/またはリニアに変化する特に線状の第1の隆起した画像要素08間には、それぞれ、別の色c2;cSを有する第2の群G2;G5の隆起した画像要素004;011が設けられており、画像要素004;011は、第1の変化態様では、すべて同じ高さH′を有していることができ、第2の変化態様では、群G2にわたって変化するが、それぞれの画像要素04にわたっては一定の高さH′を有していることができ、これは、例えば、図10a)に示した構成では、異なる色c1;c2の2種類の凹版印刷インキ517、特にインタリオ印刷インキ517について示し、図12では、第1の色c1の凹版印刷インキ517、特にインタリオ印刷インキ517を有する第1の画像要素002と、基材S;S′の色cSの、凸起加工だけされた2つの画像要素011と
を有する、請求項の対象に含まれない変化態様について示してある。
この第3の実施の形態の第2の構成において、第1の群G3の、インキ層厚さ
および/または高さ
が変化する特に線状の第1の画像要素008間には、それぞれ、別の色c2;cSを有する第2の群G4;G6の、同じくインキ層厚さ
および/または高さ
が変化する特に線状の画像要素009;012が設けられている。これらの画像要素009;012は、その高さ
が基本的には任意の形態で、しかし、第1の画像要素008の変化とは異なる形態で変化することができ、その結果、第1の画像要素008と、隣接した区間上の隣接した第2の画像要素09との間には、互いに異なる高さプロフィールが結果として生じる。好ましくは、第2の画像要素009;012の高さ
の変化は、第1の画像要素008における高さ
の変化とは逆向きに、特に同じく単調にかつ/または特に逆向きにリニアに延びている。
この第3の実施の形態の第3の特別な構成において、別の色の第1および第2の群G3;G4;G6の画像要素008;009;012は、先行の第2の構成において説明したように、そのインキ層厚さ
および/または高さ
が、好ましくは、単調にかつ/または特に逆向きにリニアに変化するが、付加的に、それぞれの変化する高さ
の最大値は、該当する群G3;G4;G6にわたって変化する(例えば図11あるいは図13参照)。その際、第1の変化態様において、第1および第2の隆起した画像要素008;009;012のインキ層厚さ
および/または高さ
に関する最大値は、線状の画像要素008;009の同じ端部側に設けられていてもよいし(例えば図11a)あるいは図13a)に示したセキュリティ手段F4あるいはF6参照)、または第2の変化態様において、互いに反対側に位置する側に設けられていてもよい(例えば図11b)あるいは図13b)に示したセキュリティ手段F4あるいはF6の、そこではセキュリティ手段F4′あるいはF6′で示した変化態様参照)。
変化するインキ層厚さ
および/または高さ
を有する隆起した画像要素008;009;011を有する上述の実施例、実施の形態および構成のための特に有利な一形態において、画像要素008;009;011は、好ましくは線状、特に直線状に構成されており、その長さにわたってくさび状に延びる形状を有しており、上面は、長さにわたって凸、凹または有利には平坦に延びていてもよい。
基本的には、相違したかつ/または変化する高さH;H′;H″を有する2つの群G1;G2;G3;G4;G5;G6を有する上述の構成の思想は、それぞれ異なる色c1;c2;c3;cSおよび相違したかつ/または変化する高さH;H′;H″の、ペア状に隣接した、特に上述の僅かな間隔d;d′を置いて離間した画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012の3つ以上の群G1;G2;G3;G4;G5;G6に転用可能であり、画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012は、傾倒時、例えば知覚すべき色情報および/または画像情報が上述の形式で、しかし、1つまたは複数の付加的な色をベースとして変化するように構成され、かつ機能方向LFで配置されている。
異なる色の画像要素002;003;008;009;011;012の特に2つのまたは場合によってはそれよりも多くの群G1;G2;G3;G4;G5;G6を有する構成のために、同じ色c1;c2;c3の凹版印刷インキ517、特にインタリオ印刷インキ517が付与された少なくとも2つの画像要素002;007;008;009であって、それらの間には、別の色c2;c3;cSの特に1つのまたは場合によっては少なくとも1つの画像要素004;006;002;009;008;011;012が設けられている、画像要素002;007;008;009間の最大の間隔d;d′は、例えば最大2,000μm、特に最高1,200μm、例えば最高1,000μmであり、かつ/または同じ第1の色c1;c2;c3の画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012の、または場合によっては間隔を置いた両画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012の高い方の画像要素の、最も高い隆起部の例えば最高20倍、特に最高10倍である。
インタリオ印刷インキ517なしで形成されるあるいは形成されている画像要素011;012を有する構成の変化態様において、基材S;S′は、例えば該当する画像要素011;012の領域において、隣接した、インタリオ印刷インキ517が付与された画像要素002;003;004;006;007;008;009とは別の色であり、かつ隣接したくぼみとも別の色である。このために、基材S;S′は、例えばくぼみの領域と、凸起加工だけされた画像要素011;012の領域とで異なって処理されており、あるいは処理され、例えば両者には、異なる色が施されており、あるいは施され、またはくぼみの領域でのみ、または凸起加工された画像要素011;012の領域でのみ、印刷されない基材色とは異なる色が施されている、あるいは施される。該当する領域は、好ましくは、インタリオ法による基材S;S′の処理前に、別の、例えば上述の印刷法によって、相応の、インタリオ印刷インキ517とは異なる、例えば上述の印刷インキにより、別の色にコーティング、特に印刷される、あるいはコーティング、特に印刷されている。凸起加工により、その後、印刷されないまたは予め別の色に印刷された画像要素011;012が形成される一方、隣接したくぼみは、境界を接する画像要素002;003;004;006;007;008;009;011,012に対して別の色に残されているか、または印刷される。
基本的には、それぞれ異なるかつ/または変化する高さH;H′が存在し、少なくとも部分的に変化するパターンまたは画像へと至る上述の構成によらないが、好ましくは、この構成との関連において、複数の第1の、かつ別の、別の色の画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012により、多色のインタリオパターンが形成されており、または形成可能であり、インタリオパターン内では、個々の第1の画像要素002;008が、多方面で、別の色の画像要素003;004;006;007;009;011;012により包囲されており、その配置により、少なくとも部分的に1,000μm以下の色分解能、すなわち、それぞれ異なる色c1;c2;c3;cSの画像要素003;004;006;007;009;011;012間の間隔を有する多色のインタリオ印刷画像が存在するようになっている。その際、異なる色の画像要素002;004;006;007;008;009;011;012は、同じ高さH;H′を有していても、それぞれ異なる高さH;H′を有していてもよい。
特にこのようなセキュリティ上重要なオブジェクトB、特にセキュリティドキュメントB、あるいはこのようなオブジェクトB、特にセキュリティドキュメントB上に存在するまたは被着すべきセキュリティ要素001を製造するために特に好適な印刷機械、特に有価証券印刷機械は、基材S;S′に少なくとも凹版印刷法によって印刷することが可能な少なくとも1つの印刷装置500、特に凹版印刷装置500または特にインタリオ印刷装置500を備えている。その際、基材S;S′は、後のセキュリティドキュメントBのベースとなる基材S、例えば繊維ベースまたはポリマーベースの被印刷物Sにより、または場合によってはセキュリティ要素001用の担体として機能する担体基材S′ことができる。印刷機械は、印刷機械の入力側に印刷されるべき基材S;S′を供給することが可能な例えば1つの基材供給部100と、基材S;S′を少なくとも1つの印刷装置500に供給することが可能な第1の搬送区間200と、少なくとも片面印刷した基材S;S′をまとめて束にすることが可能な製品収容部400と、基材S;S′を場合によっては別の加工モジュールを介して製品収容部400に供給することが可能な第2の搬送区間300とを備えている。
印刷機械は、例えばシート印刷機械、特にシート凹版印刷機械、好ましくはインタリオ印刷法によって印刷するシート印刷機械として形成されている。インタリオ印刷法あるいは鋼凹版印刷法は、好ましくは、セキュリティ上重要なオブジェクトB、例えばセキュリティドキュメントB、例えば銀行券B上の、またはセキュリティ上重要なオブジェクトB、例えばセキュリティドキュメントB、例えば銀行券Bのための、セキュリティ要素001を業として製造する際に使用される凹版印刷法である。
印刷機械は、好ましくはシート印刷機械として、特にシート凹版印刷機械として、好ましくはインタリオ印刷法で印刷するシート印刷機械として形成されている。
好ましくは凹版印刷法によって、特にインタリオ印刷法で印刷する印刷機械は、好ましい構成では、シート印刷機械として、凹版印刷法、特にインタリオ印刷法によって作業する少なくとも1つの印刷装置500、特に凹版印刷装置500または特にインタリオ印刷装置500の他に、好ましくは、シートフィーダ100として構成される少なくとも1つの基材供給部100を備え、基材供給部100により、印刷されるべき基材S;S′は、特に積み重ねられた基材シートS;S′、例えば被印刷物シートS、特に有価証券シートSの形態で印刷機械の入力側に提供されるか、または少なくとも提供可能である。長方形の基材シートS;S′は、例えば475×450mm~700×820mmの範囲のエッジ寸法を有し、基材シートS;S′の坪量は、例えば70g/m2~120g/m2の範囲にある。さらに印刷機械は、第1の搬送区間200に含まれるシート見当部201を備え、シート見当部201により、シートフィーダ100において提供された基材シートS;S′は、例えばリニアの搬送手段202および/または1つまたは複数のトランスファドラム203を介して印刷機械の上述のまたは第1の印刷装置200にシーケンスに、すなわち1枚1枚順番に供給されるか、または少なくとも供給可能である。好ましくは、基材シートS;S′を第1のトランスファドラム203に引き渡すべく、スインググリッパシステムが設けられている。上述のまたは最後の印刷装置500の下流に、印刷機械はさらに、例えば第2の搬送区間300に含まれ、例えば循環する運搬ベルトまたは循環するチェーンシステム、特にチェーングリッパシステムとして形成される運搬装置301を備え、運搬装置301には、少なくとも印刷装置500により印刷された基材シートS;S′が直接、または少なくとも1つまたは複数の、例えば第2の搬送区間300に含まれる中間シリンダを介して引き渡され、運搬装置301に引き渡された基材シートS;S′は、運搬装置301により後続の加工モジュールまたはデリバリ400、ここではパイルデリバリ400、例えばマルチプルパイルデリバリとして形成される製品収容部400へ運搬されるか、または少なくとも運搬可能であり、そこに排出されるか、または少なくとも排出可能である。図1aおよび図1bに示す構成において、パイルデリバリ400は、基材シートS;S′の運搬方向Tに見て、相前後して配置される例えば4つのパイルあるいはパイル室401を有している。運搬装置301の領域には、符号を付して示してはいないが、例えば光電子式の、好ましくはカメラをベースとする検査システムが配置されていてもよく、検査システムにより、印刷された基材シートS;S′の品質が検査されるか、または少なくとも検査可能である。基材シートS;S′は、特にエラーがないか、予め与えられた原稿と比較して検査される。この検査結果に応じて、基材シートS;S′は、その後、マルチプルパイルデリバリの所定のパイルに排出される。
印刷機械がウェブを処理する機械として形成されている場合は、所定の印刷長さの印刷画像が、基材シートS;S′により形成される裁断基材S;S′の代わりに、並び連なった反復長さによって形成される裁断基材S;S′として形成されているか、あるいは形成され、並び連なった反復長さによって形成される裁断基材S;S′は、続いて製品ロールに巻成されるか、あるいは巻成可能であり、または基材シートS;S′に裁断されて積み重ねられるか、あるいは積み重ね可能である。
基本的には、凹版印刷法によって作業する少なくとも1つの印刷装置500に対して、第1および/または第2の搬送区間200;300内に、これと同じ印刷法またはこれとは異なる印刷法によって作業する1つまたは複数の別の印刷装置が設けられていてもよい。
凹版印刷法、特にインタリオ印刷法によって作業する印刷装置500(以下では、凹版印刷装置500、特に彫刻凹版印刷装置500またはインタリオ印刷装置500とも称呼する)は、インプレッションシリンダ501としても機能するかつ/またはインプレッションシリンダ501とも称呼する少なくとも1つの印刷装置シリンダ501と、インプレッションシリンダ501とともに印刷箇所502を形成し、凹版印刷用の版シリンダ503として構成される印刷装置シリンダ503、特にインタリオ印刷シリンダ503とを備え、インプレッションシリンダ501と版シリンダ503とは、好ましくは、高圧下で互いに当接(胴入れ)されているか、または少なくとも当接可能である。シート形の基材S;S′を加工する印刷機械としての構成では、インプレッションシリンダ501は、好ましくは、周に、軸方向に延びる1つまたは複数のシリンダチャネルを有し、シリンダチャネルは、それぞれ1つの保持手段、例えばグリッパバーを有し、グリッパバーにより、シート形の基材S;S′は、インプレッションシリンダ501上に置かれた状態で印刷箇所502を通して搬送可能である。版シリンダ503は、版シリンダ503の周上に1つまたは複数の印刷版504を担持し、印刷版504は、印刷すべき印刷画像、例えばイメージのベースをなした凹部514のパターンを有し、凹部514は、以下では、明示的に具体化しなければ、その製造によらず、同義に「グラビア」514とも称呼する。その際、明示的に区別しなければ、印刷版504、特に凹版印刷版504とは、凹部514あるいはグラビア514を有するシリンダ外周面自体とも、またはしかし、優先すべき一構成では、版シリンダ503に着脱自在に配置されるまたは配置可能な、凹部514あるいはグラビア514を有する印刷版504、例えば印刷プレート504または場合によっては印刷版筒状体とも解すべきである。好ましくは、版シリンダ503は、「複数倍のサイズ」、例えばm倍のサイズ(ここでm∈N≦5、特にm≦3)、例えば3倍のサイズに構成されていて、m枚(例えばm=3)の印刷版504を相前後して受け入れるために、かつ/またはm個(例えばm=3)の印刷長さを印刷する、特に、1回転につき複数枚(例えばm=3)の基材シートS;S′を受け入れるかつ/または基材シートS;S′に印刷するために構成されている。グラビア514は、好ましくは、印刷版504の外側の金属層内に設けられており、外側の金属層は、グラビア514を設けた後、硬質の金属の材料、特にクロムによりコーティングされているか、あるいはコーティングされる。
版シリンダ503に設けられた隆起したグラビア514の深さx;x′は、例えばグラビア514の少なくとも一部区間で、または少なくとも1つの最も深い箇所で、例えば少なくとも5μm、特に少なくとも10μm、有利には少なくとも20μmであり、かつ/または例えば最高200μm、特に最高150μm、有利には最高100μmである。特に深さxは、グラビア514の少なくとも一部区間または少なくとも1箇所で、例えば10μm~150μmの範囲にある。版シリンダ503に設けられた異なる深さx;x′の凹部514に対応する、インキグラビアシリンダ519に設けられた凹部513は、例えば少なくとも5μmの分だけ異なる、特により大きな深さzを有している。
好ましくは、印刷装置500あるいは印刷機械は、基材S、特に基材シートSに多面付けで印刷するために構成されている。1印刷長さあるいは1反復長さで被着されるかつ/または1枚の基材シートS;S′あるいは裁断基材S;S′に割り当てられた全体画像は、好ましくは、複数の列をなして相並んで、かつ複数の行をなして相前後して基材S;S′上に印刷すべき多数の割り付け面Ni、例えば銀行券Niの印刷画像により形成されている。これに応じて、印刷長さに割り当てられた印刷版504のグラビアパターンは、相応に多数の、列および行をなしてマトリクス状に配置される(特に同じモチーフの)凹部のパターン、例えばモチーフグラビアにより形成されている。基本的には、第1の割り付け面Ni、例えば第1の通貨および/または第1の額面の銀行券の凹部514の多数の第1のパターンを有する複数の第1の行または列と、第2の割り付け面Ni、例えば第2の通貨の銀行券の凹部514の多数の第2のパターンを有する複数の第2の行または列が、一印刷長さ上あるいは一印刷版504上に含まれていてもよい。
印刷装置500により印刷すべき印刷画像は、基本的には、単一の、例えば印刷幅および印刷長さ全体にわたる、すなわち1つの裁断基材S;S′にわたる画像モチーフを有していてもよい。しかし、ここで好ましくは、裁断基材S;S′毎に印刷されるべき割り付け面Niが複数ある場合、少なくとも複数の割り付け面Ni、好ましくはすべての割り付け面Niにおいて、それぞれ同じ画像モチーフが印刷される。その際、このような画像モチーフは、空間的に隔絶された、それ自体完全な画像情報を有する印刷画像領域であることができ、その例は、肖像、文化的場所、実用品、風景画等である。代替的には、画像モチーフは、文字情報もしくは数字情報により提供されていても、規則的パターンもしくは不規則的パターン、例えば実体のある意味内容を有しないパターンにより提供されていてもよい。また、画像モチーフは、上述の特徴の組み合わせであってもよい。特に有利な一構成において、凹版印刷あるいはインタリオ印刷で印刷すべき画像モチーフは、セキュリティ手段であるか、またはその一部であることができ、セキュリティ手段は、例えば凹版印刷あるいはインタリオ印刷で被着された、特に隆起した線あるいは印刷要素の彩色および/またはインキ濃度に関する特に高い分解能を特徴とする。
割り付け面Ni毎に複数の、空間的に互いに分けられたこの種の画像モチーフが設けられていてもよい。
余分なインキを除去するために、除去装置506、例えば拭き取りシリンダ507を有する拭き取り装置506が、版シリンダ503に対して当接されているか、または少なくとも当接可能である。拭き取りシリンダ507の外套面は、例えばプラスチックによりコーティングされている。
版シリンダ503、あるいは版シリンダ503に設けられた印刷版504は、インキ装置508により単色、または好ましくは多色に着肉可能である。このインキ装置508全体またはその一部は、好ましくは空間固定に配置されていて、印刷箇所502を形成する印刷装置シリンダ501;503を有する印刷装置部分509から、離間移動可能に支持され、かつ/またはそれどころか分割可能に形成されていてもよい。
インキ装置508は、インキ装置508内でのインキ運搬方向に見て上流端に、例えばインキ供給システムによって印刷インキ517が供給されるか、または供給可能な着肉装置511を有し、着肉装置511により、インキ装置シリンダ512、例えば第1のインキ装置シリンダ512に着肉することが可能である。このインキ装置シリンダ512は、このインキ装置シリンダ512の外套面518の領域に凹部513を有し、凹部513は、以下に明示的に具体化しなければ、その製造によらず、同義に「グラビア」513とも称呼し、グラビア513は、版シリンダ503の印刷版504上に設けられたグラビア514またはその一部に対応している。このことは、グラビア513が、対応するグラビア514と同じ寸法および同じ深さを有していなければならないことを意味するものではなく、その形状および/または深さx;zが、例えば定められたまたは定め得る法則性を基に獲得されるか、あるいは獲得されている互いに規定された関係にあることを意味している。好ましくは、インキ装置シリンダ512に設けられたグラビア513のために、版シリンダ503、あるいは版シリンダ503に含まれるまたは担持される印刷版504上に設けられた対応するグラビア514より大きい幅b513が、例えば線の太さb513として設けられ、かつ/またはより大きな深さzが設けられている。
例えば、版シリンダ503に設けられた凹部514の少なくとも幾つかのために、インキグラビアシリンダ512に設けられた対応する凹部513は、凹部513のすべての側で、例えば少なくとも20μmおよび/または最高200μm、有利には少なくとも50μmおよび/または最高150μm、特に80~120μm、好ましくは100±5μmの分だけ、版シリンダ503に設けられた対応する凹部514より大きい。これに伴い、版シリンダ503に設けられた凹部514の少なくとも幾つかのために、インキグラビアシリンダ512における幅b513あるいは線の太さb513は、例えば少なくとも40μmおよび/または最高400μm、有利には少なくとも100μmおよび/または最高300μm、特に160~240μm、好ましくは200±10μmの分だけ、版シリンダ503に設けられた対応する凹部514のそれよりも大きい。印刷版504上に設けられた狭い線構造は、グラビア513を有するインキ装置シリンダ512では、例えば部分的に融合して、より大きな彫刻された領域を形成することがある。グラビア513の部分的な融合時、例えばこのように部分的に繋がった2つ以上の凹部513は、版シリンダ503に設けられた凹部514および例えば僅かにすぎない間隔と比較して上述の拡大がなされた結果、繋がっており、このとき、例えば少なくとも融合されていない長さ区間上の凹部513は認識可能である。また、上述の拡大の結果、そして版シリンダ503における高い線の密度のために、例えばその領域内に存在する個々の凹部513がもはや独立的には認識できないように融合された凹部513の領域が存在していてもよい。それにもかかわらず、例えば以下では、このような凹部513、つまり、版シリンダ503に設けられた個々の凹部514をある法則性をもって個々に転写した結果、この場合はオーバラップすることになる、インキグラビアシリンダ512に設けられた凹部513も、同じく、版シリンダ503に設けられた凹部514に対応していると見なされる。
簡明性のために、グラビア513として形成される凹部513を有するインキ装置シリンダ512は、明示的に具体化しなければ、凹部513の製造によらず、同義に「インキグラビアシリンダ」512とも称呼する。
インキグラビアシリンダ512の外径は、好ましくは、版シリンダ503の外径に対して1:nの比にある。ここでn∈N<10、特にn=1,2または3である。
着肉装置511により、第1のインキ装置シリンダ512であって、第1のインキ装置シリンダ512の外套面518の領域に、版シリンダ503上に設けられた凹部514に対応する凹部513を有する第1のインキ装置シリンダ512に、第1のインキ装置シリンダ512の周面に位置する塗工箇所で着肉することが可能である。その際、「塗工箇所」とは、着肉装置511による第1のインキ装置シリンダ512へのインキ塗工(インキ着け)および/または蓄えられた印刷インキ517との接触が行われる、周方向に延在する周区間と解すべきである。塗工箇所における塗工は、基本的には任意に形成されていてよい。
好ましい構成において、インキグラビアシリンダ512に着肉する着肉装置511は、インキ受容室516を有し、インキ受容室516は、インキグラビアシリンダ512に面した側で少なくとも一部インキグラビアシリンダ512の外套面518により画定されている(例えば図3aおよび図3b参照)。例えばインキ受容室516内には、例えばインキ受容室516の軸方向の位置で中央に、定置のまたは軸方向に動かされる少なくとも1つのインキ供給管路の開口が、開口または突入しており、インキ供給管路により、インキ受容室516内の、消費された印刷インキ517の部分は、補充される、あるいは補充され得る。インキ受容室516とは、ここでは、例えば一般に、塗工すべき、外套面518と接触する印刷インキ517が内部に存在している室と解すべきである。インキ受容室516は、構成次第で、上向きに開いた、下向きに開いた、または上向きおよび下向きに閉じたインキ受容室516であってよい。
インキ装置シリンダ512のグラビア513あるいは凹部513は、例えば、彫刻されていない外套面領域に対して、例えば最大0.3mmまで、特に最大0.2mmまでの深さz(513)を有する凹部である。
インキグラビアシリンダ512の下流には、インキ装置508内に、インキ装置508により着肉すべきインキ装置シリンダ519、例えば第2のインキ装置シリンダ519が設けられており、このインキ装置シリンダ519は、このインキ装置シリンダ519の外套面521、好ましくは弾性および/または圧縮性の外套面521の領域に、より低位に位置する箇所または領域により互いに分けられた隆起部522;524;524′を有し、これにより、これらの隆起部522;524;524′の領域において、下流の次なるインキ装置シリンダまたは印刷装置シリンダ531;503の外套面と協働することが可能である。インキ転移は、この場合、例えばこれらの隆起部522;524;524′の領域でのみ実施される。インキ転移は、この場合、例えばこれらの隆起部522;524;524′の領域でのみ実施される。インキ運搬のために設けられた隆起部522;524;524′の表面は、インキ装置シリンダ519の印刷実効シリンダ直径をなすシリンダ外套面内に位置している。
隆起部522;524;524′は、第1の構成では、着肉すべき印刷版504の彫刻された領域523に相当する隆起した領域522であってもよい。これらの彫刻された領域523は、例えば個々の画像モチーフに割り当てられていて、例えば第1の実施の形態では、例えば単色の画像モチーフのために、この画像モチーフの全面、あるいはこの画像モチーフに関する、版シリンダ503に設けられた複数のグラビア514の全面をカバーしている。この種の隆起部522は、例えば、版シリンダ503に設けられた多数の、例えば100個より多くのグラビア514からなる1つの画像モチーフ上を延在する面を有する領域522であり、かつ/または空間的に分けられた、特に互いに絡み合っていない複数の画像モチーフ上を延在する、互いに空間的に間隔を置いた隆起部522であり、これは、例えば従来技術において公知である。
基本的には独立して有利な実施の形態であるが、特に有利には、インキグラビアシリンダ512および/または多色印刷との関連において有利な実施の形態において、版シリンダ503に設けられた同じ画像モチーフのグラビア514には、インキ装置シリンダ519において、この画像モチーフの面に対して面積的により小さな隆起した領域522、あるいは同じ画像モチーフに関するすべてのグラビア514にはわたっていない隆起部522が割り当てられ、インキ装置シリンダ519に設けられている。この種の領域522は、例えば、同じインキグラビアシリンダ512を介して着肉すべきあるいは1つの画像モチーフの同じインキで着肉すべき部分に属する、版シリンダ503に設けられた凹部514の中断なしの面あるいは閉じた区域にわたって、特にそこに存在する線の密度に関わらず延在している。インキグラビアシリンダ512には、このような一構成では、例えば1つまたは複数の領域522が設けられており、その広がりは、50mm未満の最大の直径を有している。
有利な構成では、1つの同じ画像モチーフの複数のグラビア514の全体に関するあるいはその全体をカバーする隆起部522;524;524′が、例えば多色印刷装置500として形成される印刷装置500の複数の異なるインキ装置シリンダ519上に設けられていて、特に全体で、版シリンダ503に設けられたこの画像モチーフのグラビア514をカバーするようになっている。その際、同じ画像モチーフに割り当てられた1つの、または複数の繋がっていない隆起部522;524;524′が、同じインキ装置シリンダ519上に設けられていて、例えば同じ色の画像部分のグラビア514に着肉してもよい。
隆起部522の上述の領域は、例えば、それぞれ、1つの画像モチーフの一部のみあるいはこの画像モチーフに関する複数の凹部514の一部のみにわたって延在する領域522であり、同じ画像モチーフの別の一部あるいはこの画像モチーフに関する複数の凹部514の別の一部は、印刷装置500の他のインキグラビアシリンダ512上に設けられた1つまたは複数のそれぞれの隆起部522によりカバーされているか、あるいはカバーされる。版シリンダ503において転動したとき、同じ画像モチーフの、異なるインキ装置シリンダ519上に設けられたこれらの隆起部522は、同じ画像モチーフあるいはこれに属するグラビア514の、互いに隣接した、例えば少なくとも部分的に互いに絡み合ったかつ/または互いに入り込んだ部分に該当する。その際、1つの割り付け面Ni、または1つの割り付け面Niの面上に設けられた1つの画像モチーフに、複数の、例えば2つ、3つ、4つまたはそれどころか5つのインキ装置シリンダ519の領域522が割り当てられていてもよい。
特に有利な一構成では、しかし、外套面521上に、版シリンダ503あるいは印刷版504のグラビア514、特に個々のグラビア514(つまり、例えば個々の点状、面状または好ましくは線状のグラビア514)に対応する隆起部524;524′が、例えば点状、面状または好ましくは線状の土手524;524′を有するレリーフの形態で設けられており、土手524;524′は、例えば平面図で見てかつ/または転動させたとき、それぞれの凹部514の形状および/または面積に相関する形状および面積を有している。最後に述べたことは、ここでも、隆起部524;524′が、面積の点で、対応するグラビア514と同じ寸法を有していなければならないことを意味するものではなく、その形状が印刷版504の対応するグラビア514の形状に対して規定された関係にあることを意味し、この関係は、例えばここでも定められたまたは定め得る法則性に基づいて獲得されるか、あるいは獲得されている。その際、複数の隣接したグラビア513に対応する土手524;524′は、下で説明するように融合して隆起部524′のより大きな構造を形成することがあるが、縁部領域は、ベースにある法則性に基づいて、例えばベースにあるグラビア513に対応する。簡明性のために、隆起した領域522および/または隆起部524;524′を有するインキ装置シリンダ519は、明示的に具体化しなければ、隆起部524;524′の形態および構成によらず、同義に「インキレリーフシリンダ」519とも称呼する。好ましくは、版シリンダ503に設けられたグラビア514に対応する、インキレリーフシリンダ519に設けられた隆起部524;524′のために、版シリンダ503あるいは印刷版504に設けられた対応するグラビア514の幅b514あるいは線の太さb514より大きい幅b524が設けられている。
既に言及したように、版シリンダ503にあるいは印刷版504上に設けられた狭い線構造のために、インキレリーフシリンダ519上に設けられた例えば個々の、例えば対応する隆起部524は、部分的にまたは全体的に融合されてより大きな隆起部524′を形成することがある。隆起部524;524′の部分的にすぎない融合時、例えば2つ以上の部分的に繋がった隆起部524;524′は、インキグラビアシリンダ512あるいは版シリンダ503に設けられた凹部513;514および例えば僅かにすぎない間隔と比較して上述の拡大がなされた結果、互いに繋がっており、このとき、例えば少なくとも融合されていない長さ区間上の隆起部524;524′は、なおも個別に認識可能である。融合された隆起部524;524′の領域全体が、上述の拡大の結果、そして版シリンダ503および/またはインキグラビアシリンダ512における高い線の密度のために、例えばこのような領域内に存在する個々の凹部513が融合され、それどころかもはや独立的には分解不能あるいは認識不能であるように、存在していてもよい。それにもかかわらず、以下では、このようなインキグラビアシリンダ512に設けられた隆起部524;524′、つまり、版シリンダ503に設けられた個々の凹部514を個々に転写した結果、この場合はオーバラップすることになる隆起部524;524′も、同じく(例えば上述の大まかな領域522とは異なり)、版シリンダ503に設けられた凹部514に対応していると見なされる。それというのも、隆起部524;524′は、例えば定められた規則を介して、版シリンダ503および/またはインキグラビアシリンダ512に設けられた個々のグラビア513から生じており、かつ/または少なくとも部分的に縁部に、版シリンダ503に設けられた凹部514の、ベースにある構造が看取されるからである。これにより、融合が生じる場合も、版シリンダ503に設けられた個々のグラビア514は、対応する隆起部524;524′のパターンのためのベースであり、隆起部524;524′は、個々のグラビア514に対して適用される法則性の結果、この意味において、版シリンダ503に設けられた個々の凹部514に対応しているとも解すべきである。さらに、好ましくは、インキレリーフシリンダ519の外套面521に設けられた実際には個々に分解される少なくとも幾つかの隆起部524、すなわち、正確に1つのグラビア513に対応する隆起部524も包括されている。
特に、個々の隆起部524と比較して大きな広がりを有する上述の隆起した領域522の場合、この第2のインキ装置シリンダ519は、シャブロンシリンダ519とも称呼する。
基本的にはすべての、版シリンダ503に設けられた凹部514あるいは版シリンダ503に設けられた1つの同じ画像モチーフの複数の凹部514に割り当てられた、インキレリーフシリンダ519に設けられた隆起部524;524′が、このような個々の、または上述の意味で融合されて相関された、対応する隆起部524;524′として形成されているか、または場合によってはインキレリーフシリンダ519上に設けられた隆起部522;524;524′の一部としてのみ形成されていることができ、後者の場合、付加的に1つまたは複数のより大きな隆起した領域522が設けられていてもよい。
隆起部522;524;524′は、例えば、印刷の用に供されない底から例えば0.03~2.0mm、特に0.5~1.2mmの高さを有する隆起部522;524;524′である。その際、例えば、印刷の用に供されない底は、同じ深さで設けられているので、隆起部が同じ円柱状の包絡面で転動することに伴って、底からの隆起部の高さは同じである。より大きな隆起した領域522のみを有する構成のために、底からの隆起した領域522の高さは、個々のグラビア514に相関される隆起部524;524′の高さより高くてもよい。
特に優先すべき一構成において、印刷版504のグラビア514に対応する、インキレリーフシリンダ519上に設けられた隆起部524の幅b524は、インキグラビアシリンダ512においてこれに対応するグラビア513の幅b513より大きく、インキグラビアシリンダ512に設けられたこのグラビア513の幅は、他方、版シリンダ503あるいは印刷版504上に設けられたこれに対応するグラビア514の幅b514より大きい(例えば図4a参照)。
例えば、インキレリーフシリンダ519に設けられた複数の個々の隆起部524;524′は、該当する隆起部524;524′のすべての側で、例えば少なくとも20μmおよび/または最高200μm、有利には少なくとも50μmおよび/または最高150μm、特に80~120μm、好ましくは100±5μmの分だけ、インキグラビアシリンダ512に設けられたそれぞれ対応する凹部513より大きく、かつ/または例えば少なくとも40μmおよび/または最高400μm、有利には少なくとも100μmおよび/または最高300μm、特に160~240μm、好ましくは200±10μmの分だけ、版シリンダ503に設けられた対応する凹部514より大きい。これに伴い、例えば、版シリンダ503に設けられた凹部514の少なくとも幾つかのために、インキレリーフシリンダ519に設けられた対応する隆起部524;524′の線の太さb524あるいは幅b524は、例えば少なくとも40μmおよび/または最高400μm、有利には少なくとも100μmおよび/または最高300μm、特に160~240μm、好ましくは200±10μmの分だけ、インキグラビアシリンダ512に設けられた対応する凹部513より大きく、かつ/または例えば少なくとも80μmおよび/または最高800μm、有利には少なくとも200μmおよび/または最高600μm、特に320~480μm、好ましくは400±20μmの分だけ、版シリンダ503に設けられた対応する凹部514より大きい。
対応する隆起部524;524′を有する構成において、インキレリーフシリンダ519の外套面521上には、場合によってはとりわけ、版シリンダ503に設けられた個々のグラビア514に対応する例えば複数の隆起部524が設けられており、隆起部524は、例えばすべての側で最高400μm、特に最高300μm、好ましくは最高200μmの分だけ、版シリンダ503に設けられた対応する凹部514より大きく、かつ/またはそれぞれ、版シリンダ503に設けられた複数の凹部514の一群に対応する隆起部524の面状の融合により生じる繋がった複数の隆起部524′が設けられており、繋がった隆起部524′は、好ましくは、それぞれ1つの繋がった面を占めており、この繋がった面は、版シリンダ503の該当し対応する、それぞれすべての側で最高400μm、特に最高300μm、好ましくは最高200μmの分だけ拡大された凹部514の重畳から生じ、かつ/または該当する凹部514を取り巻く最短の包絡線によって生じる面から、すべての側で最高400μm、特に最高300μm、好ましくは最高200μmの分だけ張り出している。インキレリーフシリンダ519上には、例えば印刷されるべき割り付け面Ni毎に複数の、例えば少なくとも5つのこの種の個々の、または融合により繋がった隆起部524;524′が設けられている。
隆起した領域522が、例えば版シリンダ503に設けられた凹部514の密度に関わらず、版シリンダ503に設けられた多数の、例えば50個より多くの隣接したグラビア514の面にわたって延在していて、その縁部に、版シリンダ503に設けられた個々の凹部514に対応する隆起部524の構造が認識できない上述の隆起した領域522とは異なり、印刷版504のグラビア514に個々に対応する隆起部524として、好ましくは、隆起部524であって、隆起部524の最小の直径の領域、すなわち、互いに反対側に位置する縁部あるいはエッジ間の最短距離の領域に例えば1,000μm、特に最高800μmの最大の幅b524および/または最高800μm、好ましくは最高600μmの分だけ版シリンダ503に設けられた対応するグラビア514の幅より大きい幅b524を有し、かつ/または例えば版シリンダ503に設けられた個々のグラビア514を最大で10倍、好ましくは最大で3倍大きい幅b524をもたせて写し、かつ/または例えば1,000μm以下、有利には1,000μm以下、好ましくは最高600μm、特に最高500μmの分だけ互いに間隔を置いた、版シリンダ503に設けられたグラビア514を個々に写した、すなわち、互いに間隔を置いた隆起部524により着肉するか、あるいは着肉し得る、隆起部524が設けられている。個々の対応する隆起部524から融合された隆起部524′として、上述の隆起した領域522とは異なり、例えば、対応する凹部514から個々に法則的な拡大を介して得られる複数の隆起部524の重畳および/または例えば20mm未満、特に10mm未満の最大の直径を有する隆起部524′が設けられている。例えば少なくとも幾つかの、特に複数の、この種の個々に分解されるかつ/または融合された隆起部524;524′が、インキレリーフシリンダ519に、特に1つの割り付け面Niに相当する面毎に、形成されているか、あるいは設けられている。
上述の対応する隆起部524;524′を有するここでの好ましい構成において、例えば、印刷すべき第1のインキのあるいは第1のインキレリーフシリンダ519上の対応する隆起部524;524′の、印刷すべき同じ画像モチーフに属する領域は、すべての側で、第2のインキのあるいは例えば同じ印刷装置500の第2のインキレリーフシリンダ524;524′の、同じ画像モチーフに属する対応する隆起部524;524′により包囲されていることができ、かつ/または第1のインキのあるいは第1のインキレリーフシリンダ519に設けられた、印刷すべき同じ画像モチーフに属する対応する隆起部524;524′の領域と、印刷すべき第2のインキのあるいは第2のインキレリーフシリンダ519に設けられた、同じ画像モチーフに属する対応する隆起部524;524′の領域とは、互いに絡み合っていることができるか、あるいは転動させたとき、互いに入り込んでいることができる。
例えば上述の隆起部524;524′を有する好ましい一構成において、例えば50個より多くの、特に100個より多くの、特別に形成したときは250個より多くのこの種の互いに間隔を置いた、すなわち繋がっていない隆起部524;524′が、インキレリーフシリンダ519上に設けられており、かつ/または例えば少なくとも5つの、有利には少なくとも10個の、特に25個より多くの、特別に形成したときは50個より多くのこの種の互いに間隔を置いた、すなわち繋がっていない隆起部524;524′が、インキレリーフシリンダ519における、1つの割り付け面Niに対応する外套面領域に設けられている。
特に高い分解能の場合に有利な一構成において、インキレリーフシリンダ519は、その外套面521に、例えば、隆起部524;524′であって、隆起部524;524′の最小の直径の領域に最高0.6mmの幅b524および/または最高0.3mmの分だけ版シリンダ503に設けられた対応するグラビア514の幅b514より大きい幅b524を有し、ならびに/または版シリンダ503に設けられた個々のグラビア514を最大で3倍大きい幅b514をもたせて写し、ならびに/または例えば1,000μm以下、またはそれどころか500μm以下の分だけ間隔を置いた、版シリンダ503に設けられたグラビア514を個々に写した、隆起部524;524′を有している。
例えば、特に最高10cm2の面積、好ましくは1cm2の面積に20個より多くの、または50個より多くの(個々に分解されるかつ/または融合された)繋がっていない隆起部524;524′を有する領域、および/または隣接した隆起部524;524′に対して最高2,000μm、有利には1,000μm、特に最高500μm、好ましくは最高300μmの間隔を有する2つ以上の繋がっていない隆起部524;524′を有する領域が設けられている。例えば、インキレリーフシリンダ519は、インキレリーフシリンダ519の外套面521に、印刷されるべき割り付け面Niのラスタに応じて行および列をなして配置された、隆起部524;524′のこの種の面密度および/または分解能の領域を、印刷されるべき割り付け面Niの数に相当する数だけ有している。
隆起部524;524′の上述の面密度および/または分解能を有する領域は、少なくとも5つの隆起部524;524′を有していることができ、かつ/または例えば少なくとも1cm2、特に少なくとも2cm2にわたって延在していることができる。その際、隆起部524;524′は、このような領域内に等分配されている必要はなく、かつ/または例えばより低い面密度および/またはより大きい分解能で隆起部524;524′も有するより大きな領域の一部であってもよい。
基本的には、上述の数、面密度および/または分解能を有する領域の存在によらないが、好ましくは、これらとの関連において、インキレリーフシリンダ519は、外套面521上に、10cm2の面積に合計で例えば少なくとも5つの、好ましくは少なくとも10個の繋がっていない隆起部524;524′を有する領域、特に割り付け面数に相当する数の領域を有していることができる。
例えば上述の形式で対応する(個々のかつ/または融合された)隆起部524;524′を有する1つまたは複数のインキレリーフシリンダ519の構成により、さもなければ凹版印刷あるいはインタリオ印刷では実現不可能な色分解能および/または画像効果が実現可能である。このことは、上述のインキグラビアシリンダ512に限ったものではないが、とりわけ上述のインキグラビアシリンダ512との関連において成立する。
インキグラビアシリンダ512上に設けられたグラビア513は、例えば、インキグラビアシリンダ512の外周においてインキグラビアシリンダ512のシリンダ外套に少なくとも含まれている、インキグラビアシリンダ512の外套面518上に直接設けられているか、または印刷版として形成される一種のインキ転移版であって、周において閉じたインキ転移版筒状体、例えばいわゆるスリーブの形態で形成されていても、有端の凹版印刷版、例えばインキ転移版前端とインキ転移版後端とを有する凹版印刷版として形成されていてもよい、インキ転移版の外周上に設けられている。有利な一構成において、グラビア513は、インキ装置シリンダ512またはインキ転移版筒状体のセラミックまたは金属の外層内に設けられている。
第2のインキ装置シリンダ519の隆起した領域522または隆起部524;524′は、有利な一構成では、同じく、周において閉じたインキ転移版筒状体、例えばいわゆるスリーブの形態で、回転可能にインキ装置508内で支持されるか、または支持可能なシリンダ体上に着脱自在に配置されているか、または配置可能なインキ転移版の表面上に設けられていてもよい。
版シリンダ503に設けられた凹部514またはインキレリーフシリンダ519に設けられた隆起部524;524′またはインキグラビアシリンダ512に設けられた凹部513の側方のフランクが、垂直のフランクを有しないことが場合によってはあり得るが、この場合、半値高さあるいは半値深さの、隆起した画像要素002;003;004;006;007;008;009;011;012について上で説明した原理が、幅または間隔を求めるために相応に適用可能である、あるいは適用されるべきである。
着肉装置511は、凹部513を有するインキ装置シリンダ512の運転回転方向Dにおいて上述の塗工箇所の少なくとも下流側に、せき止め手段526、例えばドクタまたはインキブレードを有し、ドクタまたはインキブレードにより、運転回転方向Dに見てインキ塗工の後、特に後続のインキ装置シリンダ519とのニップ箇所554の前で、先に外套面518上に塗工された印刷インキ517を取り除くことができる。
特に着肉装置511は、インキグラビアシリンダ512の運転回転方向Dにおいてインキ受容室516の少なくとも下流側に、この種のせき止め手段526を有し、せき止め手段526により、運転回転方向Dに見てインキ受容室516の出口側、すなわちインキ受容室516の下流端の領域において、外套面518と接触することで、外套面518上で随伴される印刷インキ517を先んじて取り除くことができる。インキ受容室516は、インキ塗工のこの構成では、周方向においてその下流側でせき止め手段526により画定されている。
着肉装置511は、好ましくは、インキゾーンなしに、すなわち、例えば個々に調整可能なインキゾーンなしに、かつ/または軸方向で印刷幅にわたって貫いて延びるせき止め手段526を有して、かつ/または個々に調整可能なインキブレード区間なしに形成されている。
好ましくは、着肉装置511は、センサ装置も有し、センサ装置により、インキ受容室516内に存在するインキ量および/または充填高さの度合いを、しかし、少なくとも、例えば充填レベルの下限値および/または上限値に関する臨界的な充填状態の到達についての情報を導き出すことができる。
例えば特に僅かなインキ取り込みに関して有利な第1の構成において、着肉装置511は、インキグラビアシリンダ512の運転回転方向Dにおいて塗工箇所あるいはインキ受容室516の少なくとも下流側に、せき止め手段526を有し、せき止め手段526は、特に少なくとも作業位置あるいは運転位置でインキグラビアシリンダ512の好ましくは硬質かつ不撓性の外套面518と接触している好ましくは当接力に関して変更可能あるいは調整可能なかき取り手段、特にドクタにより形成されており、ドクタにより、彫刻されていない領域上に被着された印刷インキ517を略完全に取り除くことができる。これにより、版シリンダ503上で印刷インキ517が必要とされない箇所で印刷インキ517が取り込まれてしまうことは、初めから特に大幅に低減することができる。その際、印刷インキ517の完全な取り除きとは、接触によるかき落としにもかかわらず、なおも印刷インキ517の跡が、彫刻されていない外套面領域に残されている場合も含まれると解すべきである。インキブレードであって、運転のために所望のインキ層厚さを例えばゾーン状にシリンダ外套とインキブレードとの間の間隙寸法によって調整可能であって、例えば停止状態では印刷インキの流出を回避すべく外套面に接するまで移動可能なインキブレードとは異なり、インキグラビアシリンダ512の好ましくは硬質かつ不撓性の外套面518と接触しているせき止め手段526とは、運転中、印刷インキ517のかき落としのために外套面518に当接されているせき止め手段526と解すべきである。このために適したドクタは、例えば、ドクタの、作業位置にあるかつ/または接触している端部の耐摩滅性および/または硬さについて、調整可能であって、運転中は間隔を置いているインキブレードに必要であるよりも高い要求を満たす。他方、ドクタは、ばね弾性的にかつ/または全幅にわたって外套面518に当たるよう、ある程度の弾性および/または可撓性があることが望ましい。ドクタとして構成されるせき止め手段526は、少なくともドクタエッジに続く区間で、例えば0.7~1.3mm、特に0.9~1.1mmの厚さを有して形成されている。これに加えてまたはこれとは関わりなく、運転中、接触が予定されている構成にあっては、例えば調整駆動部551が必要とされ、調整駆動部551は、ドクタを最初の接触に至るまで動かすだけでなく、さらには当接により少なくとも僅かな弾性変形が引き起こされるまで外套面518に対して動かす。
せき止め手段526、特にかき取り手段、例えばドクタとしてのせき止め手段526は、有利には「ポジティブ」に形成されているか、あるいは相応に「ポジティブ」に着肉装置511内に配置されており、すなわち、接線に対して傾きを有して当接されているか、あるいは当接可能であり、その結果、接触の場所に引かれた接線は、せき止め手段526、例えばかき取り手段、特にドクタとともに、インキ受容室516側で鋭角を形成している。この角度は、例えば少なくともせき止め手段526の、接触を伴ってまたは接触を伴わずに外套面518と協働する作用端の領域、すなわち、例えば少なくとも3mmの長さの端部区間において成立している。
特にせき止め手段526を、運転中、接触しているドクタとして構成したこととの関連において有利な、インキグラビアシリンダ512に設けられた凹部513のパターンの一構成において、版シリンダ503に設けられた凹部514に対応する、インキグラビアシリンダ512に設けられた特に線形の凹部513は、少なくとも、すべてが中断なしに形成されているのではなく、特に、大きな長さの凹部513、例えば、少なくとも500μmの長さを有する凹部513の場合、少なくとも一部が少なくとも1つの支持箇所515、特に支持ウェブ515を有し、支持箇所515あるいは支持ウェブ515は、版シリンダ503において貫いて延びる凹部514に対応する、第2のインキ装置シリンダ512に設けられた凹部513を中断し、かつ/または支持箇所515あるいは支持ウェブ515は、版シリンダ503において貫いて延びる凹部514にその形状が対応している凹部514に囲まれた範囲中に位置し、かつ支持箇所515あるいは支持ウェブ515の上面は、ドクタを支持するためにインキグラビアシリンダ512の荒らされていない、すなわち彫刻されていない外套面518のレベルに位置している(例えば図4aのiii)参照。例示的にこの図の下側領域にある2つのグラビア513に略示した)。好ましくは、この種の支持ウェブ515は、荒らされていないレベルに位置する上面によって、該当する凹部513の異なる側に位置する2つの縁部を互いに結合している。これらの支持箇所515あるいは支持ウェブ515は、長尺の凹部513のために、例えば、仮に僅かとはいえドクタエッジが落ち込むのを防止する。ドクタエッジの落ち込みは、多く繰り返されると、ドクタエッジに不規則性を生じさせてしまったり、かつ/または凹部513の縁部を削り取ってしまったりする可能性がある。
好ましくは、しかし、この種の支持箇所515あるいは支持ウェブ515は、個々の凹部513内で個々別々に配置するのではなく、インキグラビアシリンダ512に設けたい凹部513を、版シリンダ503の、画像形成する凹部514から導き出す際に、特に、版シリンダ503に存在するか、または設けたい、画像形成する凹部514を、インキグラビアシリンダ512に設けたい対応する凹部513のプリセットに変換する際に、例えば下で詳しく説明するように、同時に考慮あるいは計画に入れてしまう。
この種の支持箇所515あるいは支持ウェブ515は、基本的には、例えば相応のソフトウェアにより、「ランダム」に、すなわち偶然の不規則的な配置で設けられていることができるか、あるいは設けられることができ、このことは、例えば視認できてしまう構造の回避に関する利点を必然的に伴う。確実な支持の信頼性に関して有利な解決手段では、しかし、支持箇所515あるいは支持ウェブ515は、インキグラビアシリンダ512に設けられた凹部513のパターンに、規則的な構造525にて重畳されている(例えば図4bのii)参照)。構造525は、好ましくは、少なくとも、版シリンダ503における着肉すべき同じ画像モチーフの凹部513の領域全体、例えば描きたい画像モチーフ、例えば肖像、建築物、動物相または植物相の描像のすべての線または色分解の線に重畳されている。この重畳は、想定の構造525と、インキグラビアシリンダ512に設けられた凹部513とが重なり合うところに、荒らされていない外套面518のレベルに位置する高さを有する隆起部が設けられるか、あるいは設けられているに至る。すなわち、構造525は、凹部513の領域において、そこで凹部513のパターン525に応じて延びる支持箇所515あるいは支持ウェブ515にのみ看取可能であり、例えば、隣接した凹部513に相応に続いている。
基本的には、支持ウェブ515のこの種の規則的な構造525は、様々な形式で構成されていることができる。而して、例えば支持ウェブ515は、線構造525として形成される開いた構造525の直線状かつ平行に延びる線に沿って設けられていることができる(例えば図4bのi)およびii)参照)。その代わりに支持ウェブ515は、閉じた円形または多角形の構造525、例えばハニカム構造525(例えば図4bのiii)参照)の壁上に設けられていてもよいし、または逆向きの構造525、例えば逆相の波構造525(例えば図4bのiv)参照)または同じ向きの構造525、例えば正相の波構造525(例えば図4bのv)参照)に沿って設けられていてもよいし、またはその他の形式で開いたまたは閉じた形状で設けられた構造525に沿って設けられていてもよい。特に有利な一構成において、支持ウェブ515は、例えば直線状の線を有する線構造525として、凹部513のパターンに重畳されており、線は、直線状かつ互いに平行に延び、互いに例えば100~700μm、有利には200~600μmの間隔を置いており、かつ/またはインキグラビアシリンダ512の回転軸線に対して平行に外套面518上を延びる線あるいはドクタエッジ566に対して例えば10°~50°(十度ないし五十度)、有利には15°~40°(十五度ないし三十五度)、特に20°~30°(二十度ないし三十度)傾いて延びており、かつ/またはその表面の高さに例えば10~50μm、特に15~45μm、好ましくは20~40μmのウェブ幅を有している。特に線は、第1の、例えば粗めの構成では、互いに例えば300~700μm、有利には400~600μmの間隔を置いており、または第2の、例えば細かめの構成では、互いに例えば100~500μm、有利には200~400μm、特に300±30μmの間隔を置いており、かつ/またはインキグラビアシリンダ512の回転軸線に対して平行に外套面518上を延びる線あるいはドクタエッジ566に対して、例えば第1の、例えば強めの傾きの構成では、20°~50°(二十度ないし五十度)、有利には25°~45°(二十五度ないし四十五度)、特に40°±2°(四十度プラスマイナス二度)傾いて延びており、または第2の、例えば弱めの傾きの構成では、10°~35°(十度ないし三十五度)、有利には15°~25°(十五度ないし二十五度)、特に20°±2°(二十度プラスマイナス二度)傾いて延びており、かつ/またはその表面の高さに、第1の、太めの構成では、例えば30~50μm、特に35~45μm、好ましくは40±2μmのウェブ幅を有しており、または第2の、細めの構成では、例えば10~40μm、特に15~30μm、好ましくは20±2μmのウェブ幅を有している。場合によっては確かに手間あるいはコストのかかる細かめのかつ/または細めの構成によって、必要な場合、例えば線の密度の高い画像領域における線形成の危険は、減じられていることができ、傾き角によって、例えば一方ではドクタの損耗挙動に対して、他方では凹部の充填に対して影響を及ぼすことが可能である。
第2の、例えば摩耗に関して有利な構成において、着肉装置511は、インキグラビアシリンダ512の運転回転方向Dにおいて塗工箇所あるいはインキ受容室516の少なくとも下流側に、例えば、インキブレード、好ましくは調整可能なインキブレードとして形成されるせき止め手段526を有していることができ、せき止め手段526により、作業位置あるいは運転位置で、インキグラビアシリンダ512の外套面518に対して例えば少なくとも2μm、特に少なくとも5μmおよび/または例えば100μm未満、有利には50μm未満、特に20μm未満の僅かな、好ましくは調整可能な間隔が形成可能であるか、あるいは運転中、形成されている。これにより、彫刻されていない領域上に被着された印刷インキ517は、例えば少なくとも2μm、特に少なくとも5μmおよび/または例えば100μm未満、有利には50μm未満、特に20μm未満の僅かな層厚さに制限されているか、あるいは制限可能である。
特に、インキグラビアシリンダ512の彫刻されていない外套面領域から印刷インキ517を少なくとも大部分取り除くこと、すなわち、完全にまたは薄い層を残して取り除くこととの関連で、有意のインキ取り込みが、選択的に所望の箇所で達成される。そのため、グラビア513あるいは凹部513を有するインキ装置シリンダ512あるいはインキグラビアシリンダ512は、「セレクティブシリンダ」512とも称呼する。
インキレリーフシリンダ519は、周に例えば材料層、好ましくは弾性のかつ/または少なくとも僅かに圧縮性の材料層を有しており、材料層は、その外面において外套面521を形成し、隆起した領域522または隆起部524;524′あるいはそれらの間に位置する凹部を有している。
着肉装置511により着肉すべきインキグラビアシリンダ512と、下流のインキレリーフシリンダ519とは、ここでは、場合によってはその間に直列に配置される1つのまたはさらなるインキ装置ローラまたはインキ装置シリンダとともに、インキユニット529(以下ではインキトレイン529とも称呼する)をなし、インキユニット529あるいはインキトレイン529により、所定の色の印刷インキ517を印刷装置500に取り込むことが可能であり、版シリンダ503に向かって搬送可能であるか、あるいは搬送する。
このインキトレイン529は、基本的には、下流端の領域で、例えばシャブロンシリンダ519の外套面521、版シリンダ503あるいはその印刷版504と直接協働するように印刷装置500内に配置されていてもよい。多色印刷に関して有利な一構成では、複数の、例えば少なくとも2つのこの種のインキトレイン529が、版シリンダ503周りに配置されていてもよい。版シリンダ503には、上述の形式でインキグラビアシリンダ512を有して構成される1つまたは複数のインキトレイン529と、これとは異なって構成される、例えばインキブレードを有するインキつぼと、平坦な表面を有するインキつぼローラとを有する、例えば従来型としてインキグラビアシリンダなしに形成される1つまたは複数のインキユニット532、例えばインキトレイン532とが、割り当てられていてもよい。
複数のインキトレイン532がある場合、これらのインキトレイン532により、例えば印刷画像のそれぞれ1つのいわゆる色分解、つまり、この塗工すべき色に割り当てられた部分印刷画像が着肉される。2つのインキトレイン529の該当するインキ装置シリンダ512;519上に設けられた凹部513および/または隆起部524;524′もしくは隆起した領域522のパターンは、それゆえ、少なくとも大部分、互いに異なっている。特に、該当するインキ装置シリンダ512;519は、外套面518;521の、印刷箇所502において印刷すべき同じ画像モチーフに対応するそれぞれの領域に、互いに異なる凹部のパターンを有している。
特に多色印刷に鑑みて優先すべき一構成では、インキトレイン529は、下流端の領域、例えばインキレリーフシリンダ519において、別の、例えば転移シリンダ531として機能するインキ装置シリンダ531と協働するように配置されている。このインキ装置シリンダ531自体は、印刷装置500内に版シリンダ503と協働するように配置されており、好ましくは、弾性かつ/または圧縮性の外套面を有している。
特に印刷箇所502において同時の多色印刷が行われるようにした多色印刷装置500として印刷装置500を構成した、特に優先すべき構成では、上述の別のインキ装置シリンダ531は、インキザンメルシリンダ531として構成されるか、あるいは機能する。この場合、上述の形式でインキグラビアシリンダ512を有して構成される複数の、例えば少なくとも2つのインキトレイン529が、またはしかし、上述の形式でインキグラビアシリンダ512を有して構成される1つまたは複数のインキトレイン529と、これとは異なって構成される、例えばインキブレードを有するインキつぼと、平坦な表面を有するインキつぼローラとを有する、例えば従来型としてインキグラビアシリンダなしに形成される1つまたは複数のインキトレイン532とからなる組み合わせが、インキザンメルシリンダ531の周に配置されていてもよい。例えば、計5つのインキトレイン529;532が設けられていてもよく、5つのインキトレイン529;532のうちの例えば3つの、例えば下側にあるインキトレイン529は、選択的に印刷インキ517を取り込むインキトレイン529(略して選択型のインキトレイン529)として形成され、その他の2つの、例えば上側にあるインキトレイン532は、従来型に形成されていてもよい(例えば図2b参照)。しかし、基本的には、選択型と従来型のインキトレイン529;532の別の異種の振り分けおよび/またはポジショニングも可能であり、例えば、5つのインキトレイン529;532のうち、1つの下側のインキトレインと、1つの上側のインキトレインとは従来型のインキトレイン532とし、その間の3つのインキトレインは選択型のインキトレイン529としてもよいし、またはしかし、選択型に形成されるインキトレイン529のみを有する同種の構成としてもよい。
基本的には、着肉装置511は、周の空いたところ、すなわち、インキレリーフシリンダ519に対するニップ箇所554または場合によってはその他の構成部材によって隠れないところに任意に、外套面518と協働するように配置されていてよい。
第1の構成(とりわけ、例えば図1a、図2aおよび図3a参照)において、着肉装置511は、しかし、インキグラビアシリンダ512の、インキレリーフシリンダ519から背離した側に配置されていることができる。その際、上述の接触線あるいは最小間隔の線は、例えばインキレリーフシリンダ519から背離した側に位置している。
せき止め手段526をかき取り手段、特にドクタとして構成したときの、せき止め手段526とインキグラビアシリンダ512の外套面518との間に形成される接触線、あるいはせき止め手段526をインキブレードとして構成したときの、インキグラビアシリンダ512の周上における最小間隔の線は、これにより、着肉装置511のポジショニングについてのこの第1の構成では、インキレリーフシリンダ519に面した側、特に、運転回転方向Dに見て上述の鉛直の平面との交線の前に位置する、インキグラビアシリンダ512の周区間上に位置している。接触線の場合、周方向に見て実体のある、ゼロとは異なる幅、例えば2mmまでの幅を有する接触も含まれると解すべきことは自明である。このことは、接触が行われている場合、外套面518に対する接触によるドクタエッジの「すり合わせ」により生じることもあるし、かつ/またはより良好な封止のために意図的になされていることもある。
代替的な、そして特にインキ受容およびインキ調量に関して特に有利な第2の構成(とりわけ、例えば図1b、図2bおよび図3b参照)では、着肉装置511は、インキグラビアシリンダ512の、インキレリーフシリンダ519に面した側に配置されている。その際、インキグラビアシリンダ512の側とは、インキグラビアシリンダ512の回転軸線R512を通る鉛直の平面の片側に位置する半空間と解すべきである。
その際、例えば、第1の構成のためにも、代替的な構成のためにも、インキグラビアシリンダ512およびこれに属するインキレリーフシリンダ519の、印刷装置500内での配置は、印圧印加中、印刷装置500に含まれるインキグラビアシリンダ512のすべて、複数または少なくとも1つのインキグラビアシリンダ512に関して、例えば、5つのインキグラビアシリンダ512のうちの第3のインキグラビアシリンダ512に関して、インキグラビアシリンダ512およびこれに属するインキレリーフシリンダ519の回転軸線R512を結んだ平面が水平線とともに形成する角度が、最大で60°、好ましくは最大で45°の角度であるような配置とされている。このような配置は、インキ装置主コンポーネント、すなわちインキ供給から選択的な転移と場合によってはインキ集合とを介して版シリンダ503の着肉に至るインキ装置主コンポーネントの概ね水平方向に方向付けられた配置を表している。
上述の両構成について、機能的に同じ構成部材または構成部材群であるところでは、このための符号を区別して使用しない。
インキ装置シリンダ512;519;531と、着肉装置511とは、印刷装置シリンダ501;503とともに1つの共通の架構内に設けられていてもよいし、または固有の、例えば印刷装置シリンダ501;503を支持する架構とは異なる架構533;538、例えば部分架構533;538内に配置されていてもよい。
基本的には、着肉装置511の特別な位置および/または特別な形成によらないが、有利には、上述の位置および/または構成の1つとの関連において、インキ装置架構533,538は、分割可能に形成されている。その際、インキ装置は、例えば少なくとも着肉装置511とインキグラビアシリンダ512とを支持する架構538、例えば部分架構538を有し、架構538は、両側に設けられた架構壁を有し、1つまたは複数のインキレリーフシリンダ519と場合によっては転移シリンダ531とを支持する架構部分から分離可能であり、半径方向に、特に水平に離間移動可能あるいは押しのけ可能であり、これにより、例えば開放された状態でその間に操作員のための操作空間および/またはメンテナンス空間を形成することができる。この架構部分は、印刷装置シリンダ501;503も支持する架構部分であってもよいが、好ましくは、インキ装置508だけに割り当てられた部分架構533として構成されており、部分架構533自体は、印刷装置シリンダ501;503を支持する好ましくは空間固定の部分架構から、印刷装置部分509の半径方向に、特に水平に離間移動可能であり、これにより、例えば開放された状態でその間に操作員のための操作空間および/またはメンテナンス空間を形成することができる。
基本的には、着肉装置511の特別な位置および/または特別な形成によらないが、有利には、上述の位置および/または構成の1つとの関連において、着肉装置511は、しかし、少なくともせき止め手段526、例えばかき取り手段もしくはドクタまたはインキブレードと、場合によっては着肉装置511側のインキ受容室516の画定部とは、インキグラビアシリンダ512に対して相対的な半径方向の位置に関して調整可能、例えば外套面518により強く接するまたは近付くように、そして接触が弱まるまたは外套面518から遠ざかるように可動である(例えば概略的に双方向矢印534により略示したのでそれを参照のこと)。この調整は、調整駆動部551により、例えば調整駆動部551に含まれる伝動機構527を介して、かつ/または好ましくは、調整駆動部551に含まれる遠隔操作可能な駆動手段536により実施される。調整駆動部551は、特にせき止め手段526を、運転中当接するドクタとして構成した場合、好ましくは、摩滅に起因してドクタが短くなると、ドクタを外套面518に向かってあるいは外套面518に対して移動させていくように構成されている。このことは、基本的には、短縮を記録するセンサと、駆動手段としての駆動モータ536とを有する制御回路によって、または駆動手段536としての、かかっているトルクに関して制御される駆動モータ536によって実施可能である。特に有利な一構成において、駆動手段536は、力による駆動手段536として形成されており、好ましくは、圧力媒体により操作されるアクチュエータ536、例えば作業シリンダ536、特に空気圧シリンダ536により形成されている。これにより、特にせき止め手段526をドクタとして形成したとき、当接力は、保証され、かつ/または圧力レベルの選択により適当に変更される。せき止め手段526を例えば間隔の調整が可能なインキブレードとして構成したときは、このような力による駆動手段536は、例えばストッパ手段、好ましくは調整可能なストッパ手段に向かって作動可能であってもよい。好ましくは、この調整運動は、少なくともシリンダ近傍の領域で、すなわち、例えば外套面518に達する前の少なくとも最後の3mmのところで線形にまたは少なくとも略線形に実施される。これにより、外套面518における条件は、例えば調節時またはせき止め手段長さが変わったときも維持される。旋回軸線回りの、好ましくは、インキグラビアシリンダ直径の少なくとも2倍に相当する曲率半径での旋回運動の場合。特に有利なのは、調整範囲内では、せき止め手段526あるいは動かされるアッセンブリ全体の、例えば水平線または衝接点におけるインキグラビアシリンダ512の接線に対する傾き角を、損耗に起因する移動時ならびに/または接近方向調整および離間方向調整時に維持する運動、あるいはこれを強制する案内である。その際、運動は、好ましくは、線形にドクタブレード平面内で、すなわち、保持部からインキグラビアシリンダ512との最初の接触に至る延在の方向に延びている。その際、この運動は、運動の軌道を定めるガイドを介して定められていてもよく、ガイドは、駆動手段536と、動かしたい構成部材との間の動力伝達系統内に含まれている、またはしかし、この構成部材に作用する動力伝達系統に対してパラレルに、動かしたい構成部材を上述の運動の軌道上に強制する。せき止め手段526、あるいはインキ受容室516を着肉装置511側で画定する部材の、例えば水平線に関する傾き角を維持するガイドは、例えば特に直線状のリニアガイドまたは平行四辺形ガイドとして設けられていてよい。着肉装置511は、または少なくともせき止め手段526と、インキ受容室516を着肉装置511側で形成する部材とは、このために、例えば間接的または直接的に側方部材537、例えば側方のフレーム部材537、特に側板537に相応に可動に支持されており、側方部材537自体は、架構固定にインキ装置508の架構538に、またはしかし、好ましくは、インキグラビアシリンダ512の回転軸線R512に関して固定の保持手段539、例えばインキグラビアシリンダ512とともに連れ動かされる下位架構の端面の側方部材539に支持されている。インキグラビアシリンダ512が例えば調整目的でまたは接近方向調整および離間方向調整のために半径方向に調整可能にインキ装置508の架構538内で支持されている優先すべき場合には、着肉装置511の、あるいは着肉装置511を支持するフレーム部材537の、シリンダ固定の、すなわちインキグラビアシリンダ512に連結された支持部により、インキグラビアシリンダ512の位置を変更しても、外套面518に対するせき止め手段526の一定の相対位置が保証される。端面の側方部材539は、ラジアル軸受の回転しない、しかし、例えばそれ自体は偏心的に支持される外側の軸受レースに、例えば不動に配置されていることができ、ラジアル軸受は、端面のシリンダジャーナル、またはインキ装置シリンダ512を支持するシャフトの端面の端部を受けている。このようなシャフト端部も、以下では、明示的に区別しないときは、インキグラビアシリンダ512のジャーナルまたはシリンダジャーナルと称呼する。例えば偏心的に構成されるこの軸受レース、またはこの軸受レースを偏心的に受ける外レースは、例えば架構孔内に支持され、例えば偏心レース、特に偏心ブシュとして形成されている。
下位架構を補強するために、両側方部材539は、例えばインキグラビアシリンダ512の回転軸線R512から離れて位置する端部領域で、クロスストラット、特にクロスバーにより補強されていてもよい。
調整機構およびその駆動部は、基本的には、せき止め手段526の位置および/または当接力もしくは間隔の調節以外に、例えばメンテナンス目的またはセットアップ目的のために必要となる大きな調整行程、例えば少なくとも50mm、特に100mmを超えるような調整行程にわたっての着肉装置511の離間方向調整も実施し得るように形成されていてもよい。有利な一構成において、着肉装置511は、しかし、例えばフレーム部材537に、インキグラビアシリンダ512から離間移動可能、例えばフレーム部材537に設けられた軸線541回りに旋回可能に支持されている。往復運動は、手動で、または遠隔操作可能な駆動手段により実施可能である。
基本的には、着肉装置511の特別な位置および/または特別な形成によらないが、有利には、上述の位置および/または構成の1つとの関連において、着肉装置511は、しかし、少なくともせき止め手段526、例えばかき取り手段もしくはドクタまたはインキブレードとしてのせき止め手段526と、場合によっては着肉装置511側のインキ受容室516の画定部とは、インキグラビアシリンダ512に対して相対的な軸方向の位置に関して可動に、特に横振り可能に、例えば横振りして右側の折り返し位置と左側の折り返し位置との間で往復可動に支持されている。この運動は、例えば図3aおよび図3bにおいて紙面に対して出入りする運動に相当し、それゆえ、やや斜めに延びる双方向矢印542と、矢印元端および矢印先端を示すシンボルとにより略示してある。好ましくは、この横振り運動は、全体で少なくとも2mmのストローク、例えば3~8mm、好ましくは4~6mmのストロークにわたって実施される。着肉装置511の支持部は、または少なくともせき止め手段526、例えばかき取り手段もしくはドクタまたはインキブレードとしてのせき止め手段526と、場合によっては着肉装置511側のインキ受容室516の画定部との支持部は、少なくとも2mmのストローク、例えば3~8mm、好ましくは4~6mmのストロークにわたる軸方向の横振りを可能にするように形成されている。軸方向の運動は、軸方向駆動部552、例えば横振り駆動部552を介して、例えば横振り駆動部552に含まれる伝動機構528を介して、かつ/または好ましくは横振り駆動部552に含まれる遠隔操作可能な駆動手段543、特に電気モータ543により実施される。着肉装置511は、または少なくともせき止め手段526、特にドクタと、インキ受容室516を着肉装置511側で形成する部材とは、このために例えばフレーム部材537に、またはインキグラビアシリンダ512を支持する架構、架構部分または部分架構538に相応に軸方向可動に支持されている。軸方向の相対運動を可能にするこの支持部は、上で説明したように、間接的または直接的にインキ装置508の架構538に、または好ましくは、シリンダ固定の保持手段539に設けられていることができる。軸方向の横振りのための振動数は、例えば0.05~1.00Hzの間にあり、好ましくは、0.1~0.3Hzの範囲にある。
基本的には、着肉装置511の特別な位置および/または特別な形成によらないが、有利には、上述の位置および/または構成の1つとの関連において、インキ受容室516内のインキレベルを軸方向において一様化する装置544、例えばインキ分配装置544、特にインキ攪拌装置544が設けられている。この装置544は、例えば分配フィンガ546として機能する少なくとも1つのインキ分配器546または特にインキ攪拌器546を有し、インキ分配器546またはインキ攪拌器546の前側の端部553は、少なくとも作業位置でインキ受容室516内へ、インキ分配器546またはインキ攪拌器546が特に一方の端部553でもって、運転に関してせき止め手段526あるいはドクタの前にある充填レベルに没入するあるいは没入可能である程度に突入している。インキ分配装置544のインキ分配器546は、没入する端部553の代わりに、または好ましくは、没入する端部553に加えて、インキ出口を有していてもよく、インキ出口は、インキ分配器546においてインキ受容室516内を軸方向に往復動されるか、あるいは往復可動であり、これにより、供給すべき印刷インキ517を分配する。運転中、インキ受容室516内に蓄えられた特に粘性のある印刷インキ517は、せき止め手段526の直前に、通過する外套面518と接触することによって形作られる、いわゆる「インキロール」を形成する。少なくとも1つのインキ分配器546は、例えば軸方向可動に、着肉装置511を支持する架構533;538に、または好ましくは着肉装置511の側方部材537に間接的または直接的に支持されているか、または場合によっては設けられているクロスメンバ547、例えばクロスバー547に直接的に支持されている。例えばインキ分配器546は、スライダ548に配置されており、スライダ548は、ガイド549、特にリニアガイド549内で、またはガイド549、特にリニアガイド549に接して軸方向可動に支持されており、駆動手段、例えば電気モータにより往復可動である。而してインキ分配器546は、有利な第1の構成では、例えば回転を直線運動に変換する伝動機構を介して、電気モータとして形成される駆動手段により往復可動である。第2の有利な構成では、圧力媒体により操作可能なピストン-シリンダ-システムとして形成される駆動手段により構成されている。その際、例えば、インキ分配器546を支持するスライダ548に結合されるピストンは、軸方向に延びる圧力媒体室、例えばシリンダ内で往復動される。好ましい一実施の形態において、圧力媒体室は、クロスバー内、特にドクタホルダを支持するか、またはドクタホルダを有するスライダ548を支持する上述のクロスバー547内で延びている。その際、ピストンの両側にある両チャンバには、分けられた2つの加圧流体管路により加圧流体、特に正圧下にある圧縮空気が、供給可能であるか、またはこの種の1つの加圧流体管路により、制御される切り換え弁を介して供給可能である。
有利には、インキ分配器546は、少なくとも0.3Hz、好ましくは少なくとも0.5Hzの振動数で往復動される。
基本的には、着肉装置511の特別な位置および/または特別な形成によらないが、有利には、上述の位置および/または構成の1つとの関連において、インキグラビアシリンダ512は、「運転に関して」、すなわち、例えば交換のためにまたはメンテナンス目的および/もしくはセットアップ目的でかつ/または例えばさらなるインキ装置コンポーネントの分解なしに、インキ装置508内に、あるいはインキ装置508の架構533;538内に取り出し可能に支持されている。これは、一構成では、インキ装置シリンダ512の軸方向における取り出しであることができ、または別の一構成では、半径方向における取り出しであることができる。
基本的には、着肉装置511の特別な位置および/または特別な形成によらないが、有利には、上述の位置および/または構成の1つとの関連において、インキグラビアシリンダ512は、温度調節可能に、特に温度調節流体により貫流可能に形成されている。
基本的には、着肉装置511の特別な位置および/または特別な形成によらないが、有利には、上述の位置および/または構成の1つとの関連において、インキ受容室516に供給すべき印刷インキ517は、管路の経路内でインキ受容室516内への流出部より上流で温度調節可能である。このために、例えばインキ供給の管路の経路内に、温度調節装置、特に加熱装置が設けられている。
基本的には、着肉装置511の特別な位置および/または特別な形成によらないが、有利には、上述の位置および/または構成の1つとの関連において、インキグラビアシリンダ512は、好ましい構成では、他のインキ装置シリンダ519;531および/または印刷装置シリンダ501;503の駆動部とは機械的に独立した固有の駆動手段、例えば駆動モータにより回転駆動可能である。
2つの異なる色の隣接した画像要素002;003;004;006;007;009;011;012を有するセキュリティ要素001、特に上述のセキュリティ要素001の製造時、基材S;S′をインタリオ印刷法によって作業する凹版印刷装置500に供給し、印刷箇所502において版シリンダ503により印刷し、版シリンダ503は、その周面に画像形成する凹部514のパターンを有し、凹部514のうち、第1の構成では、第1の凹部514の一部にインキ装置508により第1の色c1のインタリオ印刷インキ517を着肉し、凹部514により、印刷箇所502の通過時、基材S;S′に、上面の領域に第1の色c1のインタリオ印刷インキ517を有する隆起した第1の画像要素002;008を施す。版シリンダ503において、第1の凹部514、例えば第1の深さxの第1の凹部514に着肉し、第1の凹部514は、例えば第1の凹部514の最小の直径の領域に最高1,000μmの幅b;b′を有する。
有利な一構成において、版シリンダ503に設けられたこのような第1の凹部514への第1の印刷インキ517の着肉を間接的または直接的に、インキレリーフシリンダ519として形成されるインキ装置シリンダ519を介して実施し、インキ装置シリンダ519は、インキ装置シリンダ519の周面に、版シリンダ503に設けられたこのような第1の凹部514に個々に対応する隆起部524;524′、および/または最高0.5mmの分だけ版シリンダ503に設けられた対応する第1の凹部514の幅b514より大きい幅b513を有し、かつ/または版シリンダ503に設けられた個々の第1の凹部514を最大で10倍大きい幅b513をもたせて写し、かつ/または1,000μmの分だけ間隔を置いた、版シリンダ503に設けられた凹部514を個々に写した隆起部524;524′を有し、かつ/またはインキ装置シリンダ519は、インキ装置シリンダ519の外套面521に、最高10cm2の面積に少なくとも5つの繋がっていない隆起部524;524′を有する領域および/またはそれぞれ隣接した隆起部524;524′に対して最高2,000μmの間隔を有する2つ以上の繋がっていない隆起部524;524′を有する領域を有する。
好ましくは、第1のインキレリーフシリンダ519に設けられた個々の第1の隆起部524;524′に選択的に、インキグラビアシリンダ512として形成されるインキ装置シリンダ512の周面に設けられたインキを案内する凹部513により着肉し、凹部513は、該当する隆起部524;524′と対応する、版シリンダ503に設けられた第1の凹部514に同じく対応する。好ましくは、第1のインキレリーフシリンダ519に設けられた対応する隆起部524;524′を介して、版シリンダ504に設けられた個々の第1の凹部514の選択的な着肉を実施する。
この第1の有利な実施の形態において、第1の凹部514に対して最高1,000μmの分だけ間隔を置いた隣接した第2の凹部514が版シリンダ503に設けられており、第2の凹部514は、第2の凹部514の最小の直径の領域に最高1,000μmの幅b;b′を有し、第2の凹部514は、請求項の対象に含まれない第1の変化態様では、着肉なしのままであり、印刷箇所502の通過時、基材S;S′に、インタリオ印刷インキを付与することなく、隆起した第2の画像要素011;012を施す。
ここで請求される変化態様では、版シリンダ503に設けられたこのような隣接した第2の凹部514に、間接的または直接的に第2のインキレリーフシリンダ519を介して第2の色c2のインタリオ印刷インキ517を、第2のインキグラビアシリンダ519の周面に設けられた隆起部524;524′を介して着肉する。第2の凹部514は、基材S;S′に、印刷箇所502の通過時、第1の隆起した画像要素002;008に対して隣接した隆起した第2の画像要素003;009を施す。
第2の凹部514の着肉も、版シリンダ503に設けられた個々の第2の凹部514に対応する隆起部524;524′を介して、かつ/または第1のインキレリーフシリンダ519に関して既に上で特徴を述べたような隆起部524;524′を介して実施される。
有利な構成において、第2のインキレリーフシリンダ519に設けられた個々の隆起部524;524′は、選択的に、第2のインキグラビアシリンダ512の周面に設けられたインキを案内する凹部513により着肉可能であり、凹部513は、該当する隆起部524;524′と対応する、版シリンダ503に設けられた第2の凹部514に、同じく対応する。
有利には、第2のインキレリーフシリンダ519に設けられた対応する隆起部524;524′を介して、版シリンダ503に設けられた個々の第2の凹部514の選択的な着肉を実施することが可能である。
請求されない別の変化態様のセキュリティ要素001の、ここで請求されない形態の製造時、基材S;S′をインタリオ印刷法によって作業する凹版印刷装置500に供給し、印刷箇所502において版シリンダ503により印刷し、版シリンダ503は、その周面に画像形成する凹部514のパターンを有し、凹部514のうち、第1の深さxの少なくとも1つの第1の凹部514および第2の深さx′の第2の凹部514にインキ装置508により第1の色c1のインタリオ印刷インキ517を着肉し、凹部514により、印刷箇所502の通過時、基材S;S′に、それぞれの上面の領域に第1の色c1のインタリオ印刷インキ517を有する第1および第2の隆起した画像要素002;003;004;006;007;008;009を施す。第1および第2の凹部514は、最高1,000μmの間隔を置いて互いに隣接し、少なくとも5μmの分だけ異なる深さx;x′を有して版シリンダ503の周面に設けられており、第1および第2の凹部514は、インタリオ印刷インキ517をそれぞれ間接的に、インキ装置508内に設けられたインキグラビアシリンダ512のそれぞれのインキを案内する、版シリンダ503に設けられた第1および第2の凹部514にそれぞれ対応するインキを案内する凹部513を介して受理する。
有利には、少なくとも1つの第1の凹部514は、版シリンダ503に、第2および第3の凹部514に対して最高1,000μmのそれぞれの間隔d;d′を置いて隣接して設けられており、すべての3つの凹部514は、インタリオ印刷インキ517を間接的に、インキグラビアシリンダ512に設けられたそれぞれの対応する凹部513を介して受理する(例えば図9に示したセキュリティ手段F1参照)。
有利には、版シリンダ503に設けられた凹部514は、それぞれのインタリオ印刷インキ517をインキグラビアシリンダ512から、その周面に版シリンダ503に設けられた該当する凹部514に対応する隆起部524;524′を有するインキレリーフシリンダ519を介して受理する。
版シリンダ503に設けられたそれぞれ異なる深さx;x′の凹部514に対応する、インキグラビアシリンダ519に設けられた凹部513は、好ましくは、少なくとも5μmの分だけ異なる、特により大きな深さzを有する。