本発明は、請求項1の上位概念部に記載の凹版印刷装置に関する。
欧州特許第2909033号明細書は、凹版印刷シリンダとして構成されるプレートシリンダが、間接的にインキザンメルシリンダを介して着肉される印刷装置を備えるインタリオ印刷機械を開示している。インキザンメルシリンダは、複数のシャブロンローラを介して印刷インキを受け取る。シャブロンローラ自体は、着肉装置により着肉される。一構成では、その際、着肉は、それぞれ2つのインキ着けローラにより実施され、インキ着けローラは、インキつぼと協働する呼び出しローラを介してインキを受け取る。別の構成では、呼び出しローラとシャブロンローラとの間に付加的に、インキ転移ローラが設けられている。
米国特許第4604951号明細書には、印刷プレートを担持するプレートシリンダと、プレートシリンダと転がり接触し、インキを転移する隆起部の構造を周面に有する塗工ローラと、呼び出しローラを有し、塗工ローラと転がり接触している着肉装置と、を備えるインタリオ印刷機械が開示されている。呼び出しローラは、塗工ローラと略同じ周長を有し、その外周上に、印刷プレート上に設けられた凹部に対応する、様々な深さの凹部を有している。印刷時、呼び出しローラとインキブレードとの間には、0.03~0.05mmの間隔が調整される。さらに、構造化された呼び出しローラをプレートシリンダに対して周方向および軸方向にポジショニングすべく、調整機構が設けられている。
国際公開第2005/077656号により、インタリオ印刷機械の着肉システムであって、一構成では、凹版印刷プレートの着肉が直接シャブロンローラにより実施され、シャブロンローラ自体は、選択型のインキシリンダにより着肉される着肉システムが公知である。インキシリンダの周面には、スプレー装置により印刷インキが着けられ、シャブロンローラとの接触前にインキ余分が拭き取りローラにより除去される。その他の構成では、凹版印刷プレートの着肉は、間接的に転移シリンダあるいはザンメルシリンダを介して実施され、転移シリンダあるいはザンメルシリンダは、1つまたは複数のシャブロンローラを介して着肉され、シャブロンローラ自体は、選択型のインキシリンダにより着肉される。インキシリンダの周面には、スプレー装置により、またはインキつぼと協働する呼び出しローラにより印刷インキが着けられ、シャブロンローラとの接触前にインキ余分は再び拭き取りローラにより除去される。
中国特許第101544098号明細書は、凹版印刷機械の呼び出しローラ、インキ転移装置およびインキ転移システムに関する。インキは、インキだめから、凹版印刷シリンダに設けられたグラビアに対応するグラビアを周面に有する呼び出しローラを介して、弾性的なインキロールに、そしてインキロールから凹版印刷シリンダに転移される。インキを呼び出しローラ上に塗工する際、呼び出しローラの外套面は、彫刻されていない箇所におけるインキを拭き取るべく、鉤形のスクレーパと接触している。これにより、弾性的なインキロール上には、一様なインキ層が塗工されるのではなく、凹版印刷シリンダに設けられたグラビアのパターンに対応する、それぞれ異なる厚さを有するインキパターンが、レリーフの形状に類似して塗工される。外套面への接触の圧力は、調整装置を介して調整可能であってもよい。
国際公開第02/20268号は、彫刻凹版印刷画像の偽造防止の更なる向上に関する。このためには、彫刻凹版印刷プレートに設けられた線パターンに微細構造が重畳させられる。このような微細構造は、グラビア線を二重線に分割する構造に加えて、シンボル、テキストまたは幾何学的な図形によっても付与されていてよい。このことは、形成すべき線構造の基礎を成す原稿の提供が、画像スクリーンにてデータ処理支援されて行われることによって可能となる。そこでは、個々の線がその形状または微細構造に関して変更されてよく、その後、こうして作成されたデジタル画像データが記憶され、精密彫刻装置に供給される。
欧州特許出願公開第0813962号明細書は、印刷機械のシリンダ、例えばアニロックスロールもしくは版シリンダの凹部をドクタ装置を使用して充填する装置に関する。ドクタ装置は、作業シリンダによって横振り可能、つまり、軸線方向に往復動可能である。
独国特許出願公開第102013217942号明細書は、オルロフ凹版印刷装置に関する。この場合、オルロフプレートシリンダは半径方向に調整可能である。
DE69705080T2は、特に貫いて延びるグラビアを有するアニロックスロール用または規定のパターンで彫刻された凹版印刷ロール用の液体転移ローラを製造するスリーブおよび方法を提案している。スリーブは、膨張可能な内側のスキンと、圧縮性の中間層と、支持用の金属製の管とを有する。
本発明の根底にある課題は、凹版印刷装置を提供することである。
上記課題は、本発明により請求項1の特徴により解決される。
本発明により達成可能な利点は、特に、この印刷装置により、安定な条件下で、印刷インキの消費を特に低い値に低減させることができ、かつ/または特に精細な画像構造を有する印刷画像を、特に彩色に関する分解能に関して、かつ/またはインキ濃度あるいはインキ強度に関して、品質が不必要に速く劣化することなく、かつ/または摩耗に起因したセットアップ運転のために不必要に高頻度の中断が必要とされることなく、実現することができることにある。
本発明に係る、凹版印刷法、特にインタリオ法によって基材に印刷する凹版印刷装置、特にインタリオ印刷装置は、版シリンダであって、版シリンダは、版シリンダの周に、画像形成に供する凹部のパターンを有する、版シリンダと、版シリンダに設けられた凹部のパターンに着肉するインキ装置と、を備え、インキ装置は、シリンダの版シリンダ上に設けられた凹部に対応する凹部を外套面の領域に、有する第1のインキ装置シリンダと、第1のインキ装置シリンダの周面に位置する塗工箇所において第1のインキ装置シリンダに着肉することが可能である着肉装置と、外套面の領域に、版シリンダに設けられた凹部に対応する、特にインキを転移する隆起部、または版シリンダに設けられた画像形成する凹部のパターンの、凹部を有する領域に対応する隆起した領域を有する、第1のインキ装置シリンダと協働する第2のインキ装置シリンダと、を有している。
特に有利な第1の実施の形態によれば、版シリンダにおいて貫いて延びる、すなわち中断なしの凹部に対応する、第1のインキ装置シリンダに設けられた凹部は、少なくとも1つの支持ウェブを有し、支持ウェブは、版シリンダにおいて貫いて延びる凹部に対応する、第1のインキ装置シリンダに設けられた、特に少なくとも1つの支持ウェブによる中断を除いてさもなくば同じく線状の凹部を中断し、支持ウェブの上面は、第1のインキ装置シリンダの荒らされていない、すなわち彫刻されていない外套面のレベルに位置する。
このことは、ドクタエッジが凹部上を擦過する際の凹部内への落ち込みをなくすか、または減らすことができるという利点を有している。落ち込みは、ドクタの損傷を引き起こす場合がある。
「線状」または「線形」なる表現は、ここでは、小さな線の太さを有する線の他に、より大きな線の太さを有する帯状の線も含むと解すべきであり、特に長さは、それぞれ幅より大きく、特に長さは、一定の線の太さの線の幅または幅が変化する線の最大の幅より顕著に大きく、すなわち少なくとも2倍、または好ましくは少なくとも4倍、またはそれどころか10倍大きい。「線状」の凹部または隆起部の好ましい構成では、長さにわたって一定の線の太さを提示しているが、より広義には、くさび状の構造または幅が変化する構造も「線状」に包摂し得る。
有利な一構成において、支持ウェブは、インキグラビアシリンダに設けられた凹部のパターンに規則的な構造にて重畳されている。好ましくは、支持ウェブは、開いた線構造に沿って、特に逆相または正相の波構造に沿って、または特に直線状かつ平行に延びる線に沿って設けられている。
直線状のかつ平行な線として重畳される支持ウェブは、有利な一構成では、300~700μmの間隔を置き、かつ/またはインキグラビアシリンダの回転軸線に対して平行に外套面上を延びる線に対して20°~40°(二十度ないし四十度)傾いて延び、かつ/またはその表面の高さに30~50μmのウェブ幅を有する。
凹版印刷装置の有利な一発展形において、少なくともせき止め手段、またはせき止め手段を支持し、着肉装置内で軸方向可動に支持されるインキ受容ユニットは、駆動手段により、凹部を有するインキ装置シリンダに対する相対的な軸方向の位置に関して軸方向可動、かつ/または運転中、横振り可能であってもよい。
余分の印刷インキの除去に際し、例えば横振りするせき止め手段は、特にドクタが運転中当接される場合、摩耗に起因して、いっそう一様にすり減ることができ、これにより、より安定した運転に役立つ。
有利な一発展形において、ドクタを、またはドクタと、少なくともインキ受容室を画定する部分とを有するインキ受容ユニットを、または着肉装置全体を、外套面に対して接近方向調整および離間方向調整可能である、かつ/または接近方向調整の強さを変更可能である、かつ/またはドクタ、インキ受容ユニットまたは着肉装置全体を、ドクタの、作用端における摩耗に起因した短縮時に移動させる、遠隔操作可能な駆動手段を有する調整駆動部が設けられている。
特にドクタとして構成されるせき止め手段を運転中、例えば自動的にかつ/または連続的に移動させる調整駆動部は、インキ取り込みの領域における条件を一定とすることに寄与している。
第1のインキ装置シリンダは、第1のインキ装置シリンダの外套面の領域に、版シリンダに設けられた第1の凹部に対応する凹部を有し、凹部は、有利な構成では、少なくとも40μmおよび/または最高400μmの分だけ、版シリンダに設けられた対応する凹部の幅より大きい幅を有する。
有利な発展形において、第1のインキ装置シリンダに設けられた凹部は、周面において閉じたインキ転移版筒状体の外周上に、かつ/またはインキ装置シリンダまたはインキ転移版筒状体のセラミックまたは金属の外層上に設けられている。
上述の態様と、場合によっては別の、例えば以下の説明において生じる態様とは、個別にまたは複数まとめて、印刷製品における十分な質を伴った選択的なインキ取り込みの実現および/または安定な生産に寄与し得る。
上述の印刷装置の特別な利点は、印刷機械の入力側に印刷されるべき基材を供給することが可能な基材供給部と、基材を少なくとも1つの印刷装置に供給することが可能な第1の搬送区間と、少なくとも片面印刷した基材をまとめて束にすることが可能な製品収容部に、基材を間接的または直接的に供給することが可能な第2の搬送区間とを備える、有価証券印刷機械としてかつ/またはシート形の基材を加工する印刷機械としてかつ/またはインタリオ法によって作業する凹版印刷機械として形成される印刷機械において発現される。
別の実施変化の態様、発展形および詳細は、それぞれ、それ自体としてまたは組み合わされた形で、後続の説明および従属請求項に看取可能である。
本発明の実施例を図面に示し、以下に詳しく説明する。
第1の構成の印刷機械、特に凹版印刷機械の側面図である。
第2の構成の印刷機械、特に凹版印刷機械の側面図である。
図1aに示した印刷装置の拡大図である。
図1bに示した印刷装置の拡大図である。
図2aに示した印刷装置の一部を拡大した図である。
図2bに示した印刷装置の一部を拡大した図である。
i)は、版シリンダ上に設けられた凹部のパターンの概略図であり、ii)は、隆起部を有するインキ装置シリンダ上に設けられた対応する隆起部のパターンの概略図であり、iii)は、凹部を有するインキ装置シリンダ上に設けられた対応する凹部のパターンの概略図である。
インキ装置シリンダ上での凹部の形成に関する有利な構成の要部概略図である。
印刷機械、特に有価証券印刷機械は、基材Sに少なくとも凹版印刷法によって印刷することが可能な少なくとも1つの印刷装置500と、印刷機械の入力側に印刷されるべき基材Sを供給することが可能な例えば1つの基材供給部100と、基材Sを少なくとも1つの印刷装置500に供給することが可能な第1の搬送区間200と、少なくとも片面印刷した基材S′をまとめて束にすることが可能な製品収容部400と、基材S′を場合によっては別の加工モジュールを介して製品収容部400に供給することが可能な第2の搬送区間300とを備えている。
印刷機械は、例えばシート印刷機械、特にシート凹版印刷機械、好ましくはインタリオ印刷法で印刷するシート印刷機械として形成されている。インタリオ印刷法は、好ましくは、銀行券、セキュリティドキュメントまたはセキュリティエレメントを業として製造するために使用される凹版印刷法である。
好ましくは凹版印刷法によって、特にインタリオ印刷法で印刷する印刷機械は、好ましい構成では、シート印刷機械として、凹版印刷法、特にインタリオ印刷法によって作業する少なくとも1つの印刷装置500の他に、好ましくは、シートフィーダ100として構成される少なくとも1つの基材供給部100を備え、基材供給部100により、印刷されるべき基材Sは、特に積み重ねられた基材シートS、例えば被印刷物シートS、特に有価証券シートSの形態で印刷機械の入力側に提供されるか、または少なくとも提供可能である。長方形の基材シートSは、例えば475×450mm~700×820mmの範囲のエッジ寸法を有し、基材シートSの坪量は、例えば70g/m2~120g/m2の範囲にある。さらに印刷機械は、第1の搬送区間200に含まれるシート見当部201を備え、シート見当部201により、シートフィーダ100において提供された基材シートSは、例えばリニアの搬送手段202および/または1つまたは複数のトランスファドラム203を介して印刷機械の上述のまたは第1の印刷装置200にシーケンスに、すなわち1枚1枚順番に供給されるか、または少なくとも供給可能である。好ましくは、基材シートSを第1のトランスファドラム203に引き渡すべく、スインググリッパシステムが設けられている。上述のまたは最後の印刷装置500の下流に、印刷機械はさらに、例えば第2の搬送区間300に含まれ、例えば循環する運搬ベルトまたは循環するチェーンシステム、特にチェーングリッパシステムとして形成される運搬装置301を備え、運搬装置301には、少なくとも印刷装置500により印刷された基材シートS′が直接、または少なくとも1つまたは複数の、例えば第2の搬送区間300に含まれる中間シリンダを介して引き渡され、運搬装置301に引き渡された基材シートS′は、運搬装置301により後続の加工モジュールまたはデリバリ400、ここではパイルデリバリ400、例えばマルチプルパイルデリバリとして形成される製品収容部400へ運搬されるか、または少なくとも運搬可能であり、そこに排出されるか、または少なくとも排出可能である。図1aおよび図1bに示す構成において、パイルデリバリ400は、基材シートS;S′の運搬方向Tに見て、相前後して配置される例えば4つのパイルあるいはパイル室401を有している。運搬装置301の領域には、符号を付して示してはいないが、例えば光電子式の、好ましくはカメラをベースとする検査システムが配置されていてもよく、検査システムにより、印刷された基材シートS′の品質が検査されるか、または少なくとも検査可能である。基材シートS′は、特にエラーがないか、予め与えられた原稿と比較して検査される。この検査結果に応じて、基材シートS′は、その後、マルチプルパイルデリバリの所定のパイルに排出される。
印刷機械がウェブを処理する機械として形成されている場合は、所定の印刷長さの印刷画像が、基材シートS;S′により形成される裁断基材S;S′の代わりに、並び連なった反復長さによって形成される裁断基材S;S′として形成されているか、あるいは形成され、並び連なった反復長さによって形成される裁断基材S;S′は、続いて製品ロールに巻成されるか、あるいは巻成可能であり、または基材シートS;S′に裁断されて積み重ねられるか、あるいは積み重ね可能である。
基本的には、凹版印刷法によって作業する少なくとも1つの印刷装置500に対して、第1および/または第2の搬送区間200;300内に、これと同じ印刷法またはこれとは異なる印刷法によって作業する1つまたは複数の別の印刷装置が設けられていてもよい。
凹版印刷法、特にインタリオ印刷法によって作業する印刷装置500(以下では、凹版印刷装置500、特に彫刻凹版印刷装置500またはインタリオ印刷装置500とも称呼する)は、インプレッションシリンダ501としても機能するかつ/またはインプレッションシリンダ501とも称呼する少なくとも1つの印刷装置シリンダ501と、インプレッションシリンダ501とともに印刷箇所502を形成し、凹版印刷用の版シリンダ503として構成される印刷装置シリンダ503、特にインタリオ印刷シリンダ503とを備え、インプレッションシリンダ501と版シリンダ503とは、好ましくは、高圧下で互いに当接(胴入れ)されているか、または少なくとも当接可能である。シート形の基材S;S′を加工する印刷機械としての構成では、インプレッションシリンダ501は、好ましくは、周に、軸方向に延びる1つまたは複数のシリンダチャネルを有し、シリンダチャネルは、それぞれ1つの保持手段、例えばグリッパバーを有し、保持手段により、シート形の基材Sは、インプレッションシリンダ501上に置かれた状態で印刷箇所502を通して搬送可能である。版シリンダ503は、版シリンダ503の周上に1つまたは複数の印刷版504を担持し、印刷版504は、印刷すべき印刷画像、例えばイメージのベースをなした凹部514のパターンを有し、凹部514は、以下では、明示的に具体化しなければ、その製造によらず、同義に「グラビア」514とも称呼する。その際、明示的に区別しなければ、印刷版504、特に凹版印刷版504とは、凹部514あるいはグラビア514を有するシリンダ外周面自体とも、またはしかし、優先すべき一構成では、版シリンダ503に着脱自在に配置されるまたは配置可能な、凹部514あるいはグラビア514を有する印刷版504、例えば印刷プレート504または場合によっては印刷版筒状体とも解すべきである。好ましくは、版シリンダ503は、「複数倍のサイズ」、例えばm倍のサイズ(ここでm∈N≦5、特にm≦3)、例えば3倍のサイズに構成されていて、m枚(例えばm=3)の印刷版504を相前後して受け入れるために、かつ/またはm個(例えばm=3)の印刷長さを印刷する、特に、1回転につき複数枚(例えばm=3)の基材シートSを受け入れるかつ/または基材シートSに印刷するために構成されている。グラビア514は、好ましくは、印刷版504の外側の金属層内に設けられており、外側の金属層は、グラビア514を設けた後、硬質の金属の材料、特にクロムによりコーティングされているか、あるいはコーティングされる。
好ましくは、印刷装置500あるいは印刷機械は、基材S、特に基材シートSに多面付けで印刷するために構成されている。1印刷長さあるいは1反復長さで被着されるかつ/または1枚の基材シートS;S′あるいは裁断基材S;S′に割り当てられた全体画像は、好ましくは、複数の列をなして相並んで、かつ複数の行をなして相前後して基材S上に印刷すべき多数の割り付け面Ni、例えば銀行券Niの印刷画像により形成されている。これに応じて、印刷長さに割り当てられた印刷版504のグラビアパターンは、相応に多数の、列および行をなしてマトリクス状に配置される(特に同じモチーフの)凹部のパターン、例えばモチーフグラビアにより形成されている。基本的には、第1の割り付け面Ni、例えば第1の通貨および/または第1の額面の銀行券の凹部514の多数の第1のパターンを有する複数の第1の行または列と、第2の割り付け面Ni、例えば第2の通貨の銀行券の凹部514の多数の第2のパターンを有する複数の第2の行または列が、一印刷長さ上あるいは一印刷版504上に含まれていてもよい。
印刷装置500により印刷すべき印刷画像は、基本的には、単一の、例えば印刷幅および印刷長さ全体にわたる、すなわち1つの裁断基材S;S′にわたる画像モチーフを有していてもよい。しかし、ここで好ましくは、裁断基材S;S′毎に印刷されるべき割り付け面Niが複数ある場合、少なくとも複数の割り付け面Ni、好ましくはすべての割り付け面Niにおいて、それぞれ同じ画像モチーフが印刷される。その際、このような画像モチーフは、空間的に隔絶された、それ自体完全な画像情報を有する印刷画像領域であることができ、その例は、肖像、文化的場所、実用品、風景画等である。代替的には、画像モチーフは、文字情報もしくは数字情報により提供されていても、規則的パターンもしくは不規則的パターン、例えば実体のある意味内容を有しないパターンにより提供されていてもよい。また、画像モチーフは、上述の特徴の組み合わせであってもよい。特に有利な一構成において、凹版印刷あるいはインタリオ印刷で印刷すべき画像モチーフは、偽造防止手段であるか、またはその一部であることができ、偽造防止手段は、例えば凹版印刷あるいはインタリオ印刷で被着された、特に隆起した線あるいは印刷要素の彩色および/またはインキ濃度に関する特に高い分解能を特徴とする。
割り付け面Ni毎に複数の、空間的に互いに分けられたこの種の画像モチーフが設けられていてもよい。
余分なインキを除去するために、除去装置506、例えば拭き取りシリンダ507を有する拭き取り装置506が、版シリンダ503に対して当接されているか、または少なくとも当接可能である。拭き取りシリンダ507の外套面は、例えばプラスチックによりコーティングされている。
版シリンダ503、あるいは版シリンダ503に設けられた印刷版504は、インキ装置508により単色、または好ましくは多色に着肉可能である。このインキ装置508全体またはその一部は、好ましくは空間固定に配置されていて、印刷箇所502を形成する印刷装置シリンダ501;503を有する印刷装置部分509から、離間移動可能に支持され、かつ/またはそれどころか分割可能に形成されていてもよい。
インキ装置508は、インキ装置508内でのインキ運搬方向に見て上流端に、例えばインキ供給システムによって印刷インキ517が供給されるか、または供給可能な着肉装置511を有し、着肉装置511により、インキ装置シリンダ512、例えば第1のインキ装置シリンダ512に着肉することが可能である。このインキ装置シリンダ512は、このインキ装置シリンダ512の外套面518の領域に凹部513を有し、凹部513は、以下に明示的に具体化しなければ、その製造によらず、同義に「グラビア」513とも称呼し、グラビア513は、版シリンダ503の印刷版504上に設けられたグラビア514またはその一部に対応している。このことは、グラビア513が、対応するグラビア514と同じ寸法および同じ深さzを有していなければならないことを意味するものではなく、その形状および/または深さzが、例えば定められたまたは定め得る法則性を基に獲得されるか、あるいは獲得されている互いに規定された関係にあること、あるいはインキグラビアシリンダ512に設けられた凹部513あるいはグラビア513が、版シリンダ503に設けられたそれぞれ対応する凹部514あるいはグラビア514に対して、規定された法則性を介してスケーリングされた大きさおよび/または形状付与を有していることを意味している。好ましくは、インキ装置シリンダ512に設けられたグラビア513のために、版シリンダ503、あるいは版シリンダ503に含まれるまたは担持される印刷版504上に設けられた対応するグラビア514より大きい幅b513が、例えば線の太さb513として設けられ、かつ/またはより大きな深さzが設けられている。
例えば、版シリンダ503に設けられた凹部514の少なくとも幾つかのために、インキグラビアシリンダ512に設けられた対応する凹部513は、凹部513のすべての側で、例えば少なくとも20μmおよび/または最高200μm、有利には少なくとも50μmおよび/または最高150μm、特に80~120μm、好ましくは100±5μmの分だけ、版シリンダ503に設けられた対応する凹部514より大きい。これに伴い、版シリンダ503に設けられた凹部514の少なくとも幾つかのために、インキグラビアシリンダ512における幅b513あるいは線の太さb513は、例えば少なくとも40μmおよび/または最高400μm、有利には少なくとも100μmおよび/または最高300μm、特に160~240μm、好ましくは200±10μmの分だけ、版シリンダ503に設けられた対応する凹部514のそれよりも大きい。印刷版504上に設けられた狭い線構造は、グラビア513を有するインキ装置シリンダ512では、例えば部分的に融合して、より大きな彫刻された領域を形成することがある。グラビア513の部分的な融合時、例えばこのように部分的に繋がった2つ以上の凹部513は、版シリンダ503に設けられた凹部514および例えば僅かにすぎない間隔と比較して上述の拡大がなされた結果、繋がっており、このとき、例えば少なくとも融合されていない長さ区間上の凹部513は認識可能である。また、上述の拡大の結果、そして版シリンダ503における高い線の密度のために、例えばその領域内に存在する個々の凹部513がもはや独立的には認識できないように融合された凹部513の領域が存在していてもよい。それにもかかわらず、例えば以下では、このような凹部513、つまり、版シリンダ503に設けられた個々の凹部514をある法則性をもって個々に転写した結果、この場合はオーバラップすることになる、インキグラビアシリンダ512に設けられた凹部513も、同じく、版シリンダ503に設けられた凹部514に対応していると見なされる。
簡明性のために、グラビア513として形成される凹部513を有するインキ装置シリンダ512は、明示的に具体化しなければ、凹部513の製造によらず、同義に「インキグラビアシリンダ」512とも称呼する。
インキグラビアシリンダ512の外径は、好ましくは、版シリンダ503の外径に対して1:nの比にある。ここでn∈N<10、特にn=1,2または3である。
着肉装置511により、第1のインキ装置シリンダ512であって、第1のインキ装置シリンダ512の外套面518の領域に、版シリンダ503上に設けられた凹部514に対応する凹部513を有する第1のインキ装置シリンダ512に、第1のインキ装置シリンダ512の周面に位置する塗工箇所で着肉することが可能である。その際、「塗工箇所」とは、着肉装置511による第1のインキ装置シリンダ512へのインキ塗工(インキ着け)および/または蓄えられた印刷インキ517との接触が行われる、周方向に延在する周区間と解すべきである。塗工箇所における塗工は、基本的には任意に形成されていてよい。
好ましい構成において、インキグラビアシリンダ512に着肉する着肉装置511は、インキ受容室516を有し、インキ受容室516は、インキグラビアシリンダ512に面した側で少なくとも一部インキグラビアシリンダ512の外套面518により画定されている(例えば図3aおよび図3b参照)。例えばインキ受容室516内には、例えばインキ受容室516の軸方向の位置で中央に、定置のまたは軸方向に動かされる少なくとも1つのインキ供給管路の開口が、開口または突入しており、インキ供給管路により、インキ受容室516内の、消費された印刷インキ517の部分は、補充される、あるいは補充され得る。インキ受容室516とは、ここでは、例えば一般に、塗工すべき、外套面518と接触する印刷インキ517が内部に存在している室と解すべきである。インキ受容室516は、構成次第で、上向きに開いた、下向きに開いた、または上向きおよび下向きに閉じたインキ受容室516であってよい。
インキ装置シリンダ512のグラビア513あるいは凹部513は、例えば、彫刻されていない外套面領域に対して、例えば最大0.3mmまで、特に最大0.2mmまでの深さz(513)を有する凹部である。
インキグラビアシリンダ512の下流には、インキ装置508内に、インキ装置508により着肉すべきインキ装置シリンダ519、例えば第2のインキ装置シリンダ519が設けられており、このインキ装置シリンダ519は、このインキ装置シリンダ519の外套面521、好ましくは弾性および/または圧縮性の外套面521の領域に、より低位に位置する箇所または領域により互いに分けられた隆起部522;524;524′を有し、これにより、これらの隆起部522;524;524′の領域において、下流の次なるインキ装置シリンダまたは印刷装置シリンダ531;503の外套面と協働することが可能である。インキ転移は、この場合、例えばこれらの隆起部522;524;524′の領域でのみ実施される。インキ転移は、この場合、例えばこれらの隆起部522;524;524′の領域でのみ実施される。インキ運搬のために設けられた隆起部522;524;524′の表面は、インキ装置シリンダ519の印刷実効シリンダ直径をなすシリンダ外套面内に位置している。
隆起部522;524;524′は、第1の構成では、着肉すべき印刷版504の彫刻された領域523に相当する隆起した領域522であってもよい。これらの彫刻された領域523は、例えば個々の画像モチーフに割り当てられていて、例えば第1の実施の形態では、例えば単色の画像モチーフのために、この画像モチーフの全面、あるいはこの画像モチーフに関する、版シリンダ503に設けられた複数のグラビア514の全面をカバーしている。この種の隆起部522は、例えば、版シリンダ503に設けられた多数の、例えば100個より多くのグラビア514からなる1つの画像モチーフ上を延在する面を有する領域522であり、かつ/または空間的に分けられた、特に互いに絡み合っていない複数の画像モチーフ上を延在する、互いに空間的に間隔を置いた隆起部522であり、これは、例えば従来技術において公知である。
基本的には独立して有利な実施の形態であるが、特に有利には、インキグラビアシリンダ512および/または多色印刷との関連において有利な実施の形態において、版シリンダ503に設けられた同じ画像モチーフのグラビア514には、インキ装置シリンダ519において、この画像モチーフの面に対して面積的により小さな隆起した領域522、あるいは同じ画像モチーフに関するすべてのグラビア514にはわたっていない隆起部522が割り当てられ、インキ装置シリンダ519に設けられている。この種の領域522は、例えば、同じインキグラビアシリンダ512を介して着肉すべきあるいは1つの画像モチーフの同じインキで着肉すべき部分に属する、版シリンダ503に設けられた凹部514の中断なしの面あるいは閉じた区域にわたって、特にそこに存在する線の密度に関わらず延在している。インキグラビアシリンダ512には、このような一構成では、例えば1つまたは複数の領域522が設けられており、その広がりは、50mm未満の最大の直径を有している。
有利な構成では、1つの同じ画像モチーフの複数のグラビア514の全体に関するあるいはその全体をカバーする隆起部522;524;524′が、例えば多色印刷装置500として形成される印刷装置500の複数の異なるインキ装置シリンダ519上に設けられていて、特に全体で、版シリンダ503に設けられたこの画像モチーフのグラビア514をカバーするようになっている。その際、同じ画像モチーフに割り当てられた1つの、または複数の繋がっていない隆起部522;524;524′が、同じインキ装置シリンダ519上に設けられていて、例えば同じ色の画像部分のグラビア514に着肉してもよい。
隆起部522の上述の領域は、例えば、それぞれ、1つの画像モチーフの一部のみあるいはこの画像モチーフに関する複数の凹部514の一部のみにわたって延在する領域522であり、同じ画像モチーフの別の一部あるいはこの画像モチーフに関する複数の凹部514の別の一部は、印刷装置500の他のインキグラビアシリンダ512上に設けられた1つまたは複数のそれぞれの隆起部522によりカバーされているか、あるいはカバーされる。版シリンダ503において転動したとき、同じ画像モチーフの、異なるインキ装置シリンダ519上に設けられたこれらの隆起部522は、同じ画像モチーフあるいはこれに属するグラビア514の、互いに隣接した、例えば少なくとも部分的に互いに絡み合ったかつ/または互いに入り込んだ部分に該当する。その際、1つの割り付け面Ni、または1つの割り付け面Niの面上に設けられた1つの画像モチーフに、複数の、例えば2つ、3つ、4つまたはそれどころか5つのインキ装置シリンダ519の領域522が割り当てられていてもよい。
特に有利な一構成では、しかし、外套面521上に、版シリンダ503あるいは印刷版504のグラビア514、特に個々のグラビア514(つまり、例えば個々の点状、面状または好ましくは線状のグラビア514)に対応する隆起部524;524′が、例えば点状、面状または好ましくは線状の土手524;524′を有するレリーフの形態で設けられており、土手524;524′は、例えば平面図で見てかつ/または転動させたとき、それぞれの凹部514の形状および/または面積に相関する形状および面積を有している。最後に述べたことは、ここでも、隆起部524;524′が、面積の点で、対応するグラビア514と同じ寸法を有していなければならないことを意味するものではなく、その形状が印刷版504の対応するグラビア514の形状に対して規定された関係にあることを意味し、この関係は、例えばここでも定められたまたは定め得る法則性に基づいて獲得されるか、あるいは獲得されている。その際、複数の隣接したグラビア513に対応する土手524;524′は、下で説明するように融合して隆起部524′のより大きな構造を形成することがあるが、縁部領域は、ベースにある法則性に基づいて、例えばベースにあるグラビア513に対応する。簡明性のために、隆起した領域522および/または隆起部524;524′を有するインキ装置シリンダ519は、明示的に具体化しなければ、隆起部524;524′の形態および構成によらず、同義に「インキレリーフシリンダ」519とも称呼する。好ましくは、版シリンダ503に設けられたグラビア514に対応する、インキレリーフシリンダ519に設けられた隆起部524;524′のために、版シリンダ503あるいは印刷版504に設けられた対応するグラビア514の幅b514あるいは線の太さb514より大きい幅b524が設けられている。
既に言及したように、版シリンダ503にあるいは印刷版504上に設けられた狭い線構造のために、インキレリーフシリンダ519上に設けられた例えば個々の、例えば対応する隆起部524は、部分的にまたは全体的に融合されてより大きな隆起部524′を形成することがある。隆起部524;524′の部分的にすぎない融合時、例えば2つ以上の部分的に繋がった隆起部524;524′は、インキグラビアシリンダ512あるいは版シリンダ503に設けられた凹部513;514および例えば僅かにすぎない間隔と比較して上述の拡大がなされた結果、互いに繋がっており、このとき、例えば少なくとも融合されていない長さ区間上の隆起部524;524′は、なおも個別に認識可能である。融合された隆起部524;524′の領域全体が、上述の拡大の結果、そして版シリンダ503および/またはインキグラビアシリンダ512における高い線の密度のために、例えばこのような領域内に存在する個々の凹部513が融合され、それどころかもはや独立的には分解不能あるいは認識不能であるように、存在していてもよい。それにもかかわらず、以下では、このようなインキグラビアシリンダ512に設けられた隆起部524;524′、つまり、版シリンダ503に設けられた個々の凹部514を個々に転写した結果、この場合はオーバラップすることになる隆起部524;524′も、同じく(例えば上述の大まかな領域522とは異なり)、版シリンダ503に設けられた凹部514に対応していると見なされる。それというのも、隆起部524;524′は、例えば定められた規則を介して、版シリンダ503および/またはインキグラビアシリンダ512に設けられた個々のグラビア513から生じており、かつ/または少なくとも部分的に縁部に、版シリンダ503に設けられた凹部514の、ベースにある構造が看取されるからである。これにより、融合が生じる場合も、版シリンダ503に設けられた個々のグラビア514は、対応する隆起部524;524′のパターンのためのベースであり、隆起部524;524′は、個々のグラビア514に対して適用される法則性の結果、この意味において、版シリンダ503に設けられた個々の凹部514に対応しているとも解すべきである。さらに、好ましくは、インキレリーフシリンダ519の外套面521に設けられた実際には個々に分解される少なくとも幾つかの隆起部524、すなわち、正確に1つのグラビア513に対応する隆起部524も包括されている。
特に、個々の隆起部524と比較して大きな広がりを有する上述の隆起した領域522の場合、この第2のインキ装置シリンダ519は、シャブロンシリンダ519とも称呼する。
基本的にはすべての、版シリンダ503に設けられた凹部514あるいは版シリンダ503に設けられた1つの同じ画像モチーフの複数の凹部514に割り当てられた、インキレリーフシリンダ519に設けられた隆起部524;524′が、このような個々の、または上述の意味で融合されて相関された、対応する隆起部524;524′として形成されているか、または場合によってはインキレリーフシリンダ519上に設けられた隆起部522;524;524′の一部としてのみ形成されていることができ、後者の場合、付加的に1つまたは複数のより大きな隆起した領域522が設けられていてもよい。
隆起部522;524;524′は、例えば、印刷の用に供されない底から例えば0.03~2.0mm、特に0.5~1.2mmの高さを有する隆起部522;524;524′である。その際、例えば、印刷の用に供されない底は、同じ深さで設けられているので、隆起部が同じ円柱状の包絡面で転動することに伴って、底からの隆起部の高さは同じである。より大きな隆起した領域522のみを有する構成のために、底からの隆起した領域522の高さは、個々のグラビア514に相関される隆起部524;524′の高さより高くてもよい。
特に優先すべき一構成において、印刷版504のグラビア514に対応する、インキレリーフシリンダ519上に設けられた隆起部524の幅b524は、インキグラビアシリンダ512においてこれに対応するグラビア513の幅b513より大きく、インキグラビアシリンダ512に設けられたこのグラビア513の幅は、他方、版シリンダ503あるいは印刷版504上に設けられたこれに対応するグラビア514の幅b514より大きい(例えば図4a参照)。
例えば、インキレリーフシリンダ519に設けられた複数の個々の隆起部524;524′は、該当する隆起部524;524′のすべての側で、例えば少なくとも20μmおよび/または最高200μm、有利には少なくとも50μmおよび/または最高150μm、特に80~120μm、好ましくは100±5μmの分だけ、インキグラビアシリンダ512に設けられたそれぞれ対応する凹部513より大きく、かつ/または例えば少なくとも40μmおよび/または最高400μm、有利には少なくとも100μmおよび/または最高300μm、特に160~240μm、好ましくは200±10μmの分だけ、版シリンダ503に設けられた対応する凹部514より大きい。これに伴い、例えば、版シリンダ503に設けられた凹部514の少なくとも幾つかのために、インキレリーフシリンダ519に設けられた対応する凹部524;524′の線の太さb524あるいは幅b524は、例えば少なくとも40μmおよび/または最高400μm、有利には少なくとも100μmおよび/または最高300μm、特に160~240μm、好ましくは200±10μmの分だけ、インキグラビアシリンダ512に設けられた対応する凹部513より大きく、かつ/または例えば少なくとも80μmおよび/または最高800μm、有利には少なくとも200μmおよび/または最高600μm、特に320~480μm、好ましくは400±20μmの分だけ、版シリンダ503に設けられた対応する凹部514より大きい。
対応する隆起部524;524′を有する構成において、インキレリーフシリンダ519の外套面521上には、場合によってはとりわけ、版シリンダ503に設けられた個々のグラビア514に対応する例えば複数の隆起部524が設けられており、隆起部524は、例えばすべての側で最高400μm、特に最高300μm、好ましくは最高200μmの分だけ、版シリンダ503に設けられた対応する凹部514より大きく、かつ/またはそれぞれ、版シリンダ503に設けられた複数の凹部514の一群に対応する隆起部524の面状の融合により生じる繋がった複数の隆起部524′が設けられており、繋がった隆起部524′は、好ましくは、それぞれ1つの繋がった面を占めており、この繋がった面は、版シリンダ503の該当し対応する、それぞれすべての側で最高400μm、特に最高300μm、好ましくは最高200μmの分だけ拡大された凹部514の重畳から生じ、かつ/または該当する凹部514を取り巻く最短の包絡線によって生じる面から、すべての側で最高400μm、特に最高300μm、好ましくは最高200μmの分だけ張り出している。インキレリーフシリンダ519上には、例えば印刷されるべき割り付け面Ni毎に複数の、例えば少なくとも5つのこの種の個々の、または融合により繋がった隆起部524;524′が設けられている。
隆起した領域522が、例えば版シリンダ503に設けられた凹部514の密度に関わらず、版シリンダ503に設けられた多数の、例えば50個より多くの隣接したグラビア514の面にわたって延在していて、その縁部に、版シリンダ503に設けられた個々の凹部514に対応する隆起部524の構造が認識できない上述の隆起した領域522とは異なり、印刷版504のグラビア514に個々に対応する隆起部524として、好ましくは、隆起部524であって、隆起部524の最小の直径の領域、すなわち、互いに反対側に位置する縁部あるいはエッジ間の最短距離の領域に例えば1mm、特に最高0.8mmの最大の幅b524および/または最高0.8mm、好ましくは最高0.6mmの分だけ版シリンダ503に設けられた対応するグラビア514の幅より大きい幅b524を有し、かつ/または例えば版シリンダ503に設けられた個々のグラビア514を最大で10倍、好ましくは最大で3倍大きい幅b524をもたせて写し、かつ/または例えば1,000μm以下、好ましくは最高600μm、特に最高500μmの分だけ互いに間隔を置いた、版シリンダ503に設けられたグラビア514を個々に写した、すなわち、互いに間隔を置いた隆起部524により着肉するか、あるいは着肉し得る、隆起部524が設けられている。個々の対応する隆起部524から融合された隆起部524′として、上述の隆起した領域522とは異なり、例えば、対応する凹部514から個々に法則的な拡大を介して得られる複数の隆起部524の重畳および/または例えば20mm未満、特に10mm未満の最大の直径を有する隆起部524′が設けられている。例えば少なくとも幾つかの、特に複数の、この種の個々に分解されるかつ/または融合された隆起部524;524′が、インキレリーフシリンダ519に、特に1つの割り付け面Niに相当する面毎に、形成されているか、あるいは設けられている。
上述の対応する隆起部524;524′を有するここでの好ましい構成において、例えば、印刷すべき第1のインキのあるいは第1のインキレリーフシリンダ519上の対応する隆起部524;524′の、印刷すべき同じ画像モチーフに属する領域は、すべての側で、第2のインキのあるいは例えば同じ印刷装置500の第2のインキレリーフシリンダ524;524′の、同じ画像モチーフに属する対応する隆起部524;524′により包囲されていることができ、かつ/または第1のインキのあるいは第1のインキレリーフシリンダ519に設けられた、印刷すべき同じ画像モチーフに属する対応する隆起部524;524′の領域と、印刷すべき第2のインキのあるいは第2のインキレリーフシリンダ519に設けられた、同じ画像モチーフに属する対応する隆起部524;524′の領域とは、互いに絡み合っていることができるか、あるいは転動させたとき、互いに入り込んでいることができる。
例えば上述の隆起部524;524′を有する好ましい一構成において、例えば50個より多くの、特に100個より多くの、特別に形成したときは250個より多くのこの種の互いに間隔を置いた、すなわち繋がっていない隆起部524;524′が、インキレリーフシリンダ519上に設けられており、かつ/または例えば少なくとも5つの、有利には少なくとも10個の、特に25個より多くの、特別に形成したときは50個より多くのこの種の互いに間隔を置いた、すなわち繋がっていない隆起部524;524′が、インキレリーフシリンダ519における、1つの割り付け面Niに対応する外套面領域に設けられている。
特に高い分解能の場合に有利な一構成において、インキレリーフシリンダ519は、その外套面521に、例えば、隆起部524;524′であって、隆起部524;524′の最小の直径の領域に最高0.6mmの幅b524および/または最高0.3mmの分だけ版シリンダ503に設けられた対応するグラビア514の幅b514より大きい幅b524を有し、ならびに/または版シリンダ503に設けられた個々のグラビア514を最大で3倍大きい幅b514をもたせて写し、ならびに/または例えば0.5mm以下の分だけ間隔を置いた、版シリンダ503に設けられたグラビア514を個々に写した、隆起部524;524′を有している。
例えば、10cm2の面積、好ましくは1cm2の面積に20個より多くの、または50個より多くの(個々に分解されるかつ/または融合された)繋がっていない隆起部524;524′を有する領域、および/または隣接した隆起部524;524′に対して最高1,000μm、特に最高500μm、好ましくは最高300μmの間隔を有する2つ以上の繋がっていない隆起部524;524′を有する領域が設けられている。例えば、インキレリーフシリンダ519は、インキレリーフシリンダ519の外套面521に、印刷されるべき割り付け面Niのラスタに応じて行および列をなして配置された、隆起部524;524′のこの種の面密度および/または分解能の領域を、印刷されるべき割り付け面Niの数に相当する数だけ有している。
隆起部524;524′の上述の面密度および/または分解能を有する領域は、少なくとも5つの隆起部524;524′を有していることができ、かつ/または例えば少なくとも1cm2、特に少なくとも2cm2にわたって延在していることができる。その際、隆起部524;524′は、このような領域内に等分配されている必要はなく、かつ/または例えばより低い面密度および/またはより大きい分解能で隆起部524;524′も有するより大きな領域の一部であってもよい。
基本的には、上述の数、面密度および/または分解能を有する領域の存在によらないが、好ましくは、これらとの関連において、インキレリーフシリンダ519は、外套面521上に、10cm2の面積に合計で例えば少なくとも5つの、好ましくは少なくとも10個の繋がっていない隆起部524;524′を有する領域、特に割り付け面数に相当する数の領域を有していることができる。
例えば上述の形式で対応する(個々のかつ/または融合された)隆起部524;524′を有する1つまたは複数のインキレリーフシリンダ519の構成により、さもなければ凹版印刷あるいはインタリオ印刷では実現不可能なインキ分解能および/または画像効果が実現可能である。このことは、上述のインキグラビアシリンダ512に限ったものではないが、とりわけ上述のインキグラビアシリンダ512との関連において成立する。
インキグラビアシリンダ512上に設けられたグラビア513は、例えば、インキグラビアシリンダ512の外周においてインキグラビアシリンダ512のシリンダ外套に少なくとも含まれている、インキグラビアシリンダ512の外套面518上に直接設けられているか、または印刷版として形成される一種のインキ転移版であって、周において閉じたインキ転移版筒状体、例えばいわゆるスリーブの形態で形成されていても、有端の凹版印刷版、例えばインキ転移版前端とインキ転移版後端とを有する凹版印刷版として形成されていてもよい、インキ転移版の外周上に設けられている。有利な一構成において、グラビア513は、インキ装置シリンダ512またはインキ転移版筒状体のセラミックまたは金属の外層内に設けられている。
第2のインキ装置シリンダ519の隆起した領域522または隆起部524;524′は、有利な一構成では、同じく、周において閉じたインキ転移版筒状体、例えばいわゆるスリーブの形態で、回転可能にインキ装置508内で支持されるか、または支持可能なシリンダ体上に着脱自在に配置されているか、または配置可能なインキ転移版の表面上に設けられていてもよい。
着肉装置511は、凹部513を有するインキ装置シリンダ512の運転回転方向Dにおいて上述の塗工箇所の少なくとも下流側に、せき止め手段526、例えばドクタまたはインキブレードを有し、ドクタまたはインキブレードにより、運転回転方向Dに見てインキ塗工の後、特に後続のインキ装置シリンダ519とのニップ箇所554の前で、先に外套面518上に塗工された印刷インキ517を取り除くことができる。
特に着肉装置511は、インキグラビアシリンダ512の運転回転方向Dにおいてインキ受容室516の少なくとも下流側に、この種のせき止め手段526を有し、せき止め手段526により、運転回転方向Dに見てインキ受容室516の出口側、すなわちインキ受容室516の下流端の領域において、外套面518と接触することで、外套面518上で随伴される印刷インキ517を先んじて取り除くことができる。インキ受容室516は、インキ塗工のこの構成では、周方向においてその下流側でせき止め手段526により画定されている。
着肉装置511は、好ましくは、インキゾーンなしに、すなわち、例えば個々に調整可能なインキゾーンなしに、かつ/または軸方向において印刷幅にわたって貫いて延びるせき止め手段526を有して、かつ/または個々に調整可能なインキブレード区間なしに形成されている。
好ましくは、着肉装置511は、センサ装置も有し、センサ装置により、インキ受容室516内に存在するインキ量および/または充填高さの度合いを、しかし、少なくとも、例えば充填レベルの下限値および/または上限値に関する臨界的な充填状態の到達についての情報を導き出すことができる。
例えば特に僅かなインキ取り込みに関して有利な第1の構成において、着肉装置511は、インキグラビアシリンダ512の運転回転方向Dにおいて塗工箇所あるいはインキ受容室516の少なくとも下流側に、せき止め手段526を有し、せき止め手段526は、特に少なくとも作業位置あるいは運転位置でインキグラビアシリンダ512の好ましくは硬質かつ不撓性の外套面518と接触している好ましくは当接力に関して変更可能あるいは調整可能なかき取り手段、特にドクタにより形成されており、ドクタにより、彫刻されていない領域上に被着された印刷インキ517を略完全に取り除くことができる。これにより、版シリンダ503上で印刷インキ517が必要とされない箇所で印刷インキ517が取り込まれてしまうことは、初めから特に大幅に低減することができる。その際、印刷インキ517の完全な取り除きとは、接触によるかき落としにもかかわらず、なおも印刷インキ517の跡が、彫刻されていない外套面領域に残されている場合も含まれると解すべきである。インキブレードであって、運転のために所望のインキ層厚さを例えばゾーン状にシリンダ外套とインキブレードとの間の間隙寸法によって調整可能であって、例えば停止状態では印刷インキの流出を回避すべく外套面に接するまで移動可能なインキブレードとは異なり、インキグラビアシリンダ512の好ましくは硬質かつ不撓性の外套面518と接触しているせき止め手段526とは、運転中、印刷インキ517のかき落としのために外套面518に当接されているせき止め手段526と解すべきである。このために適したドクタは、例えば、ドクタの、作業位置にあるかつ/または接触している端部の耐摩滅性および/または硬さについて、調整可能であって、運転中は間隔を置いているインキブレードに必要であるよりも高い要求を満たす。他方、ドクタは、ばね弾性的にかつ/または全幅にわたって外套面518に当たるよう、ある程度の弾性および/または可撓性があることが望ましい。ドクタとして構成されるせき止め手段526は、少なくともドクタエッジに続く区間で、例えば0.7~1.3mm、特に0.9~1.1mmの厚さを有して形成されている。これに加えてまたはこれとは関わりなく、運転中、接触が予定されている構成にあっては、例えば調整駆動部551が必要とされ、調整駆動部551は、ドクタを最初の接触に至るまで動かすだけでなく、さらには当接により少なくとも僅かな弾性変形が引き起こされるまで外套面518に対して動かす。
せき止め手段526、特にかき取り手段、例えばドクタとしてのせき止め手段526は、有利には「ポジティブ」に形成されているか、あるいは相応に「ポジティブ」に着肉装置511内に配置されており、すなわち、接線に対して傾きを有して当接されているか、あるいは当接可能であり、その結果、接触の場所に引かれた接線は、せき止め手段526、例えばかき取り手段、特にドクタとともに、インキ受容室516側で鋭角を形成している。この角度は、例えば少なくともせき止め手段526の、接触を伴ってまたは接触を伴わずに外套面518と協働する作用端の領域、すなわち、例えば少なくとも3mmの長さの端部区間において成立している。
特にせき止め手段526を、運転中、接触しているドクタとして構成したこととの関連において有利な、インキグラビアシリンダ512に設けられた凹部513のパターンの一構成において、版シリンダ503に設けられた凹部514に対応する、インキグラビアシリンダ512に設けられた特に線形の凹部513は、少なくとも、すべてが中断なしに形成されているのではなく、特に、大きな長さの、インキグラビアシリンダ512に含まれる凹部513、例えば、少なくとも500μmまたはそれどころか少なくとも1mmの長さを有する凹部513の場合、少なくとも一部が少なくとも1つの支持箇所515、特に支持ウェブ515を有し、支持箇所515あるいは支持ウェブ515は、版シリンダ503において貫いて延びる凹部514に対応する、第2のインキ装置シリンダ512に設けられた凹部513を中断し、かつ/または支持箇所515あるいは支持ウェブ515は、版シリンダ503において貫いて延びる凹部514にその形状が対応している凹部514に囲まれた範囲中に位置し、かつ支持箇所515あるいは支持ウェブ515の上面は、ドクタを支持するためにインキグラビアシリンダ512の荒らされていない、すなわち彫刻されていない外套面518のレベルに位置している(例えば図4aのiii)参照。例示的にこの図の下側領域にある2つのグラビア513に略示した)。好ましくは、この種の支持ウェブ515は、荒らされていないレベルに位置する上面によって、該当する凹部513の異なる側に位置する2つの縁部を互いに結合している。これらの支持箇所515あるいは支持ウェブ515は、長尺の凹部513のために、例えば、仮に僅かとはいえドクタエッジが落ち込むのを防止する。ドクタエッジの落ち込みは、多く繰り返されると、ドクタエッジに不規則性を生じさせてしまったり、かつ/または凹部513の縁部を削り取ってしまったりする可能性がある。
好ましくは、しかし、この種の支持箇所515あるいは支持ウェブ515は、個々の凹部513内で個々別々に配置するのではなく、インキグラビアシリンダ512に設けたい凹部513を、版シリンダ503の、画像形成する凹部514から導き出す際に、特に、版シリンダ503に存在するか、または設けたい、画像形成する凹部514を、インキグラビアシリンダ512に設けたい対応する凹部513のプリセットに変換する際に、例えば下で詳しく説明するように、同時に考慮あるいは計画に入れてしまう。
この種の支持箇所515あるいは支持ウェブ515は、基本的には、例えば相応のソフトウェアにより、「ランダム」に、すなわち偶然の不規則的な配置で設けられていることができるか、あるいは設けられることができ、このことは、例えば視認できてしまう構造の回避に関する利点を必然的に伴う。確実な支持の信頼性に関して有利な解決手段では、しかし、支持箇所515あるいは支持ウェブ515は、インキグラビアシリンダ512に設けられた凹部513のパターンに、規則的な構造525にて重畳されている(例えば図4bのii)参照)。構造525は、好ましくは、少なくとも、版シリンダ503における着肉すべき同じ画像モチーフの凹部513の領域全体、例えば描きたい画像モチーフ、例えば肖像、建築物、動物相または植物相の描像のすべての線または色分解の線に重畳されている。この重畳は、虚の構造525と、インキグラビアシリンダ512に設けられた凹部513とが重なり合うところに、荒らされていない外套面518のレベルに位置する高さを有する隆起部が設けられるか、あるいは設けられているに至る。すなわち、構造525は、凹部513の領域において、そこで凹部513のパターンに応じて延びる支持箇所515あるいは支持ウェブ515にのみ看取可能であり、例えば、隣接した凹部513に相応に続いている。
基本的には、支持ウェブ515のこの種の規則的な構造525は、様々な形式で構成されていることができる。而して、例えば支持ウェブ515は、線構造525として形成される開いた構造525の直線状かつ平行に延びる線に沿って設けられていることができる(例えば図4bのi)およびii)参照)。その代わりに支持ウェブ515は、閉じた円形または多角形の構造525、例えばハニカム構造525(例えば図4bのiii)参照)の壁上に設けられていてもよいし、または逆向きの構造525、例えば逆相の波構造525(例えば図4bのiv)参照)または同じ向きの構造525、例えば正相の波構造525(例えば図4bのv)参照)に沿って設けられていてもよいし、またはその他の形式で開いたまたは閉じた形状で設けられた構造525に沿って設けられていてもよい。特に有利な一構成において、支持ウェブ515は、例えば直線状の線を有する線構造525として、凹部513のパターンに重畳されており、線は、直線状かつ互いに平行に延び、互いに例えば100~700μm、有利には200~600μmの間隔を置いており、かつ/またはインキグラビアシリンダ512の回転軸線に対して平行に外套面518上を延びる線あるいはドクタエッジ566に対して例えば10°~40°(十度ないし四十度)、有利には15°~35°(十五度ないし三十五度)、特に20°~30°(二十度ないし三十度)傾いて延びており、かつ/またはその表面の高さに例えば10~50μm、特に15~45μm、好ましくは20~40μmのウェブ幅を有している。特に線は、第1の、例えば粗めの構成では、互いに例えば300~700μm、有利には400~600μmの間隔を置いており、または第2の、例えば細かめの構成では、互いに例えば100~500μm、有利には200~400μm、特に300±30μmの間隔を置いており、かつ/またはインキグラビアシリンダ512の回転軸線に対して平行に外套面518上を延びる線あるいはドクタエッジ566に対して、例えば第1の、例えば強めの傾きの構成では、20°~40°(二十度ないし四十度)、有利には25°~35°(二十五度ないし三十五度)、特に30°±2°(三十度プラスマイナス二度)傾いて延びており、または第2の、例えば弱めの傾きの構成では、10°~35°(十度ないし三十五度)、有利には15°~25°(十五度ないし二十五度)、特に20°±2°(二十度プラスマイナス二度)傾いて延びており、かつ/またはその表面の高さに、第1の、太めの構成では、例えば30~50μm、特に35~45μm、好ましくは40±2μmのウェブ幅を有しており、または第2の、細めの構成では、例えば10~40μm、特に15~30μm、好ましくは20±2μmのウェブ幅を有している。場合によっては確かに手間あるいはコストのかかる細かめのかつ/または細めの構成によって、必要な場合、例えば線の密度の高い画像領域における線形成の危険は、減じられていることができ、傾き角によって、例えば一方ではドクタの損耗挙動に対して、他方では凹部の充填に対して影響を及ぼすことが可能である。
上述の構造とは、特に、シリンダ周面上に設けられたパターンを平面に展開した構造、例えば、シリンダの周りにスパイラル形に延びるパターンの、傾いた線構造と解すべきである。特に、構造が延びる方向に互いに連なり、該当する構造形状と交差する凹部513の支持ウェブ515は、相応の構造形状に沿って続き、それらの間に位置する荒らされていない、すなわち凹部513を有しない表面領域は、構造を仮想的に続けた領域においても、支持ウェブ515なしのままである。
図4bには、例えば、上記した構造形状の各々について、例示的に、ベースとなる構造525の例と、相応に浮かび上がった構造525を含んだ切り取り画像とが図示されている。その際、ウェブの符号515は、括弧で囲ってある。それというのも、ウェブ515は、ここでは間接的にのみ看取可能であるからである。
別の、例えば摩耗に関して有利な構成において、着肉装置511は、インキグラビアシリンダ512の運転回転方向Dにおいて塗工箇所あるいはインキ受容室516の少なくとも下流側に、例えば、インキブレード、好ましくは調整可能なインキブレードとして形成されるせき止め手段526を有していることができ、せき止め手段526により、作業位置あるいは運転位置で、インキグラビアシリンダ512の外套面518に対して例えば少なくとも2μm、特に少なくとも5μmおよび/または例えば100μm未満、有利には50μm未満、特に20μm未満の僅かな、好ましくは調整可能な間隔が形成可能であるか、あるいは運転中、形成されている。これにより、彫刻されていない領域上に被着された印刷インキ517は、例えば少なくとも2μm、特に少なくとも5μmおよび/または例えば100μm未満、有利には50μm未満、特に20μm未満の僅かな層厚さに制限されているか、あるいは制限可能である。本構成では、上述の支持ウェブの配置は省略可能であるかもしれない。
特に、インキグラビアシリンダ512の彫刻されていない外套面領域から印刷インキ517を少なくとも大部分取り除くこと、すなわち、完全にまたは薄い層を残して取り除くこととの関連で、有意のインキ取り込みが、選択的に所望の箇所で達成される。そのため、グラビア513あるいは凹部513を有するインキ装置シリンダ512あるいはインキグラビアシリンダ512は、「セレクティブシリンダ」512とも称呼する。
インキレリーフシリンダ519は、周に例えば材料層、好ましくは弾性のかつ/または少なくとも僅かに圧縮性の材料層を有しており、材料層は、その外面において外套面521を形成し、隆起した領域522または隆起部524;524′あるいはそれらの間に位置する凹部を有している。
着肉装置511により着肉すべきインキグラビアシリンダ512と、下流のインキレリーフシリンダ519とは、ここでは、場合によってはその間に直列に配置される1つのまたはさらなるインキ装置ローラまたはインキ装置シリンダとともに、インキユニット529(以下ではインキトレイン529とも称呼する)をなし、インキユニット529あるいはインキトレイン529により、所定の色の印刷インキ517を印刷装置500に取り込むことが可能であり、版シリンダ503に向かって搬送可能であるか、あるいは搬送する。
このインキトレイン529は、基本的には、下流端の領域で、例えばシャブロンシリンダ519の外套面521、版シリンダ503あるいはその印刷版504と直接協働するように印刷装置500内に配置されていてもよい。多色印刷に関して有利な一構成では、複数の、例えば少なくとも2つのこの種のインキトレイン529が、版シリンダ503周りに配置されていてもよい。版シリンダ503には、上述の形式でインキグラビアシリンダ512を有して構成される1つまたは複数のインキトレイン529と、これとは異なって構成される、例えばインキブレードを有するインキつぼと、平坦な表面を有するインキつぼローラとを有する、例えば従来型としてインキグラビアシリンダなしに形成される1つまたは複数のインキユニット532、例えばインキトレイン532とが、割り当てられていてもよい。
複数のインキトレイン532がある場合、これらのインキトレイン532により、例えば印刷画像のそれぞれ1つのいわゆる色分解、つまり、この塗工すべき色に割り当てられた部分印刷画像が着肉される。2つのインキトレイン529の該当するインキ装置シリンダ512;519上に設けられた凹部513および/または隆起部524;524′もしくは隆起した領域522のパターンは、それゆえ、少なくとも大部分、互いに異なっている。特に、該当するインキ装置シリンダ512;519は、外套面518;521の、印刷箇所502において印刷すべき同じ画像モチーフに対応するそれぞれの領域に、互いに異なる凹部のパターンを有している。
特に多色印刷に鑑みて優先すべき一構成では、インキトレイン529は、下流端の領域、例えばインキレリーフシリンダ519において、別の、例えば転移シリンダ531として機能するインキ装置シリンダ531と協働するように配置されている。このインキ装置シリンダ531自体は、印刷装置500内に版シリンダ503と協働するように配置されており、好ましくは、弾性かつ/または圧縮性の外套面を有している。
特に印刷箇所502において同時の多色印刷が行われるようにした多色印刷装置500として印刷装置500を構成した、特に優先すべき構成では、上述の別のインキ装置シリンダ531は、インキザンメルシリンダ531として構成されるか、あるいは機能する。この場合、上述の形式でインキグラビアシリンダ512を有して構成される複数の、例えば少なくとも2つのインキトレイン529が、またはしかし、上述の形式でインキグラビアシリンダ512を有して構成される1つまたは複数のインキトレイン529と、これとは異なって構成される、例えばインキブレードを有するインキつぼと、平坦な表面を有するインキつぼローラとを有する、例えば従来型としてインキグラビアシリンダなしに形成される1つまたは複数のインキトレイン532とからなる組み合わせが、インキザンメルシリンダ531の周に配置されていてもよい。例えば、計5つのインキトレイン529;532が設けられていてもよく、5つのインキトレイン529;532のうちの例えば3つの、例えば下側にあるインキトレイン529は、選択的に印刷インキ517を取り込むインキトレイン529(略して選択型のインキトレイン529)として形成され、その他の2つの、例えば上側にあるインキトレイン532は、従来型に形成されていてもよい(例えば図2b参照)。しかし、基本的には、選択型と従来型のインキトレイン529;532の別の異種の振り分けおよび/またはポジショニングも可能であり、例えば、5つのインキトレイン529;532のうち、1つの下側のインキトレインと、1つの上側のインキトレインとは従来型のインキトレイン532とし、その間の3つのインキトレインは選択型のインキトレイン529としてもよいし、またはしかし、選択型に形成されるインキトレイン529のみを有する同種の構成としてもよい。
基本的には、着肉装置511は、周の空いたところ、すなわち、インキレリーフシリンダ519に対するニップ箇所554または場合によってはその他の構成部材によって隠れないところに任意に、外套面518と協働するように配置されていてよい。
第1の構成(とりわけ、例えば図1a、図2aおよび図3a参照)において、着肉装置511は、しかし、インキグラビアシリンダ512の、インキレリーフシリンダ519から背離した側に配置されていることができる。その際、上述の接触線あるいは最小間隔の線は、例えばインキレリーフシリンダ519から背離した側に位置している。
せき止め手段526をかき取り手段、特にドクタとして構成したときの、せき止め手段526とインキグラビアシリンダ512の外套面518との間に形成される接触線、あるいはせき止め手段526をインキブレードとして構成したときの、インキグラビアシリンダ512の周上における最小間隔の線は、これにより、着肉装置511のポジショニングについてのこの第1の構成では、インキレリーフシリンダ519に面した側、特に、運転回転方向Dに見て上述の鉛直の平面との交線の前に位置する、インキグラビアシリンダ512の周区間上に位置している。接触線の場合、周方向に見て実体のある、ゼロとは異なる幅、例えば2mmまでの幅を有する接触も含まれると解すべきことは自明である。このことは、接触が行われている場合、外套面518に対する接触によるドクタエッジの「すり合わせ」により生じることもあるし、かつ/またはより良好な封止のために意図的になされていることもある。
代替的な、そして特にインキ受容およびインキ調量に関して特に有利な第2の構成(とりわけ、例えば図1b、図2bおよび図3b参照)では、着肉装置511は、インキグラビアシリンダ512の、インキレリーフシリンダ519に面した側に配置されている。その際、インキグラビアシリンダ512の側とは、インキグラビアシリンダ512の回転軸線R512を通る鉛直の平面の片側に位置する半空間と解すべきである。
その際、例えば、第1の構成のためにも、代替的な構成のためにも、インキグラビアシリンダ512およびこれに属するインキレリーフシリンダ519の、印刷装置500内での配置は、印圧印加中、印刷装置500に含まれるインキグラビアシリンダ512のすべて、複数または少なくとも1つのインキグラビアシリンダ512に関して、例えば、5つのインキグラビアシリンダ512のうちの第3のインキグラビアシリンダ512に関して、インキグラビアシリンダ512およびこれに属するインキレリーフシリンダ519の回転軸線R512を結んだ平面が水平線とともに形成する角度が、最大で60°、好ましくは最大で45°の角度であるような配置とされている。このような配置は、インキ装置主コンポーネント、すなわちインキ供給から選択的な転移と場合によってはインキ集合とを介して版シリンダ503の着肉に至るインキ装置主コンポーネントの概ね水平方向に方向付けられた配置を表している。
上述の両構成について、機能的に同じ構成部材または構成部材群であるところでは、このための符号を区別して使用しない。
インキ装置シリンダ512;519;531と、着肉装置511とは、印刷装置シリンダ501;503とともに1つの共通の架構内に設けられていてもよいし、または固有の、例えば印刷装置シリンダ501;503を支持する架構とは異なる架構533;538、例えば部分架構533;538内に配置されていてもよい。
基本的には、着肉装置511の特別な位置および/または特別な形成によらないが、有利には、上述の位置および/または構成の1つとの関連において、インキ装置架構533,538は、分割可能に形成されている。その際、インキ装置は、例えば少なくとも着肉装置511とインキグラビアシリンダ512とを支持する架構538、例えば部分架構538を有し、架構538は、両側に設けられた架構壁を有し、1つまたは複数のインキレリーフシリンダ519と場合によっては転移シリンダ531とを支持する架構部分から分離可能であり、半径方向において特に水平に離間移動可能あるいは押しのけ可能であり、これにより、例えば開放された状態でその間に操作員のための操作空間および/またはメンテナンス空間を形成することができる。この架構部分は、印刷装置シリンダ501;503も支持する架構部分であってもよいが、好ましくは、インキ装置508だけに割り当てられた部分架構533として構成されており、部分架構533自体は、印刷装置シリンダ501;503を支持する好ましくは空間固定の部分架構から、印刷装置部分509の半径方向に、特に水平に離間移動可能であり、これにより、例えば開放された状態でその間に操作員のための操作空間および/またはメンテナンス空間を形成することができる。
基本的には、着肉装置511の特別な位置および/または特別な形成によらないが、有利には、上述の位置および/または構成の1つとの関連において、着肉装置511は、しかし、少なくともせき止め手段526、例えばかき取り手段もしくはドクタまたはインキブレードと、場合によっては着肉装置511側のインキ受容室516の画定部とは、インキグラビアシリンダ512に対して相対的な半径方向の位置に関して調整可能、例えば外套面518により強く接するまたは近付くように、そして接触が弱まるまたは外套面518から遠ざかるように可動である(例えば概略的に双方向矢印534により略示したのでそれを参照のこと)。この調整は、調整駆動部551により、例えば調整駆動部551に含まれる伝動機構527を介して、かつ/または好ましくは、調整駆動部551に含まれる遠隔操作可能な駆動手段536により実施される。調整駆動部551は、特にせき止め手段526を、運転中当接するドクタとして構成した場合、好ましくは、摩滅に起因してドクタが短くなると、ドクタを外套面518に向かってあるいは外套面518に対して移動させていくように構成されている。このことは、基本的には、短縮を記録するセンサと、駆動手段としての駆動モータ536とを有する制御回路によって、または駆動手段536としての、かかっているトルクに関して制御される駆動モータ536によって実施可能である。特に有利な一構成において、駆動手段536は、力による駆動手段536として形成されており、好ましくは、圧力媒体により操作されるアクチュエータ536、例えば作業シリンダ536、特に空気圧シリンダ536により形成されている。これにより、特にせき止め手段526をドクタとして形成したとき、当接力は、保証され、かつ/または圧力レベルの選択により適当に変更される。せき止め手段526を例えば間隔の調整が可能なインキブレードとして構成したときは、このような力による駆動手段536は、例えばストッパ手段、好ましくは調整可能なストッパ手段に向かって作動可能であってもよい。好ましくは、この調整運動は、少なくともシリンダ近傍の領域で、すなわち、例えば外套面518に達する前の少なくとも最後の3mmのところで線形にまたは少なくとも略線形に実施される。これにより、外套面518における条件は、例えば調節時またはせき止め手段長さが変わったときも維持される。旋回軸線回りの、好ましくは、インキグラビアシリンダ直径の少なくとも2倍に相当する曲率半径での旋回運動の場合。特に有利なのは、調整範囲内では、せき止め手段526あるいは動かされるアッセンブリ全体の、例えば水平線または衝接点におけるインキグラビアシリンダ512の接線に対する傾き角を、損耗に起因する移動時ならびに/または接近方向調整および離間方向調整時に維持する運動、あるいはこれを強制する案内である。その際、運動は、好ましくは、線形にドクタブレード平面内で、すなわち、保持部からインキグラビアシリンダ512との最初の接触に至る延在の方向に延びている。その際、この運動は、運動の軌道を定めるガイドを介して定められていてもよく、ガイドは、駆動手段536と、動かしたい構成部材との間の動力伝達系統内に含まれている、またはしかし、この構成部材に作用する動力伝達系統に対してパラレルに、動かしたい構成部材を上述の運動の軌道上に強制する。せき止め手段526、あるいはインキ受容室516を着肉装置511側で画定する部材の、例えば水平線に関する傾き角を維持するガイドは、例えば特に直線状のリニアガイドまたは平行四辺形ガイドとして設けられていてよい。着肉装置511は、または少なくともせき止め手段526と、インキ受容室516を着肉装置511側で形成する部材とは、このために、例えば間接的または直接的に側方部材537、例えば側方のフレーム部材537、特に側板537に相応に可動に支持されており、側方部材537自体は、架構固定にインキ装置508の架構538に、またはしかし、好ましくは、インキグラビアシリンダ512の回転軸線R512に関して固定の保持手段539、例えばインキグラビアシリンダ512とともに連れ動かされる下位架構の端面の側方部材539に支持されている。インキグラビアシリンダ512が例えば調整目的でまたは接近方向調整および離間方向調整のために半径方向に調整可能にインキ装置508の架構538内で支持されている優先すべき場合には、着肉装置511の、あるいは着肉装置511を支持するフレーム部材537の、シリンダ固定の、すなわちインキグラビアシリンダ512に連結された支持部により、インキグラビアシリンダ512の位置を変更しても、外套面518に対するせき止め手段526の一定の相対位置が保証される。端面の側方部材539は、ラジアル軸受の回転しない、しかし、例えばそれ自体は偏心的に支持される外側の軸受レースに、例えば不動に配置されていることができ、ラジアル軸受は、端面のシリンダジャーナル、またはインキ装置シリンダ512を支持するシャフトの端面の端部を受けている。このようなシャフト端部も、以下では、明示的に区別しないときは、インキグラビアシリンダ512のジャーナルまたはシリンダジャーナルと称呼する。例えば偏心的に構成されるこの軸受レース、またはこの軸受レースを偏心的に受ける外レースは、例えば架構孔内に支持され、例えば偏心レース、特に偏心ブシュとして形成されている。
下位架構を補強するために、両側方部材539は、例えばインキグラビアシリンダ512の回転軸線R512から離れて位置する端部領域で、クロスストラット、特にクロスバーにより補強されていてもよい。
調整機構およびその駆動部は、基本的には、せき止め手段526の位置および/または当接力もしくは間隔の調節以外に、例えばメンテナンス目的またはセットアップ目的のために必要となる大きな調整行程、例えば少なくとも50mm、特に100mmを超えるような調整行程にわたっての着肉装置511の離間方向調整も実施し得るように形成されていてもよい。有利な一構成において、着肉装置511は、しかし、例えばフレーム部材537に、インキグラビアシリンダ512から離間移動可能、例えばフレーム部材537に設けられた軸線541回りに旋回可能に支持されている。往復運動は、手動で、または遠隔操作可能な駆動手段により実施可能である。
基本的には、着肉装置511の特別な位置および/または特別な形成によらないが、有利には、上述の位置および/または構成の1つとの関連において、着肉装置511は、しかし、少なくともせき止め手段526、例えばかき取り手段もしくはドクタまたはインキブレードとしてのせき止め手段526と、場合によっては着肉装置511側のインキ受容室516の画定部とは、インキグラビアシリンダ512に対して相対的な軸方向の位置に関して可動に、特に横振り可能に、例えば横振りして右側の折り返し位置と左側の折り返し位置との間で往復可動に支持されている。この運動は、例えば図3aおよび図3bにおいて紙面に対して出入りする運動に相当し、それゆえ、やや斜めに延びる双方向矢印542と、矢印元端および矢印先端を示すシンボルとにより略示してある。好ましくは、この横振り運動は、全体で少なくとも2mmのストローク、例えば3~8mm、好ましくは4~6mmのストロークにわたって実施される。着肉装置511の支持部は、または少なくともせき止め手段526、例えばかき取り手段もしくはドクタまたはインキブレードとしてのせき止め手段526と、場合によっては着肉装置511側のインキ受容室516の画定部との支持部は、少なくとも2mmのストローク、例えば3~8mm、好ましくは4~6mmのストロークにわたる軸方向の横振りを可能にするように形成されている。軸方向の運動は、軸方向駆動部552、例えば横振り駆動部552を介して、例えば横振り駆動部552に含まれる伝動機構528を介して、かつ/または好ましくは横振り駆動部552に含まれる遠隔操作可能な駆動手段543、特に電気モータ543により実施される。着肉装置511は、または少なくともせき止め手段526、特にドクタと、インキ受容室516を着肉装置511側で形成する部材とは、このために例えばフレーム部材537に、またはインキグラビアシリンダ512を支持する架構、架構部分または部分架構538に相応に軸方向可動に支持されている。軸方向の相対運動を可能にするこの支持部は、上で説明したように、間接的または直接的にインキ装置508の架構538に、または好ましくは、シリンダ固定の保持手段539に設けられていることができる。軸方向の横振りのための振動数は、例えば0.05~1.00Hzの間にあり、好ましくは、0.1~0.3Hzの範囲にある。
基本的には、着肉装置511の特別な位置および/または特別な形成によらないが、有利には、上述の位置および/または構成の1つとの関連において、インキ受容室516内のインキレベルを軸方向において一様化する装置544、例えばインキ分配装置544、特にインキ攪拌装置544が設けられている。この装置544は、例えば分配フィンガ546として機能する少なくとも1つのインキ分配器546または特にインキ攪拌器546を有し、インキ分配器546またはインキ攪拌器546の前側の端部553は、少なくとも作業位置でインキ受容室516内へ、インキ分配器546またはインキ攪拌器546が特に一方の端部553でもって、運転に関してせき止め手段526あるいはドクタの前にある充填レベルに没入するあるいは没入可能である程度に突入している。インキ分配装置544のインキ分配器546は、没入する端部553の代わりに、または好ましくは、没入する端部553に加えて、インキ出口を有していてもよく、インキ出口は、インキ分配器546においてインキ受容室516内を軸方向において往復動されるか、あるいは往復可動であり、これにより、供給すべき印刷インキ517を分配する。運転中、インキ受容室516内に蓄えられた特に粘性のある印刷インキ517は、せき止め手段526の直前に、通過する外套面518と接触することによって形作られる「インキロール」を形成する。少なくとも1つのインキ分配器546は、例えば軸方向可動に、着肉装置511を支持する架構533;538に、または好ましくは着肉装置511の側方部材537に間接的または直接的に支持されているか、または場合によっては設けられているクロスメンバ547、例えばクロスバー547に直接的に支持されている。例えばインキ分配器546は、スライダ548に配置されており、スライダ548は、ガイド549、特にリニアガイド549内で、またはガイド549、特にリニアガイド549に接して軸方向可動に支持されており、駆動手段、例えば電気モータにより往復可動である。而してインキ分配器546は、有利な第1の構成では、例えば回転を直線運動に変換する伝動機構を介して、電気モータとして形成される駆動手段により往復可動である。第2の有利な構成では、圧力媒体により操作可能なピストン-シリンダ-システムとして形成される駆動手段により構成されている。その際、例えば、インキ分配器546を支持するスライダ548に結合されるピストンは、軸方向において延びる圧力媒体室、例えばシリンダ内で往復動される。好ましい一実施の形態において、圧力媒体室は、クロスバー内、特にドクタホルダを支持するか、またはドクタホルダを有するスライダ548を支持する上述のクロスバー547内で延びている。その際、ピストンの両側にある両チャンバには、分けられた2つの加圧流体管路により加圧流体、特に正圧下にある圧縮空気が、供給可能であるか、またはこの種の1つの加圧流体管路により、制御される切り換え弁を介して供給可能である。
有利には、インキ分配器546は、少なくとも0.3Hz、好ましくは少なくとも0.5Hzの振動数で往復動される。
基本的には、着肉装置511の特別な位置および/または特別な形成によらないが、有利には、上述の位置および/または構成の1つとの関連において、インキグラビアシリンダ512は、「運転に関して」、すなわち、例えば交換のためにまたはメンテナンス目的および/もしくはセットアップ目的でかつ/または例えばさらなるインキ装置コンポーネントの分解なしに、インキ装置508内に、あるいはインキ装置508の架構533;538内に取り出し可能に支持されている。これは、一構成では、インキ装置シリンダ512の軸方向における取り出しであることができ、または別の一構成では、半径方向における取り出しであることができる。
基本的には、着肉装置511の特別な位置および/または特別な形成によらないが、有利には、上述の位置および/または構成の1つとの関連において、インキグラビアシリンダ512は、温度調節可能に、特に温度調節流体により貫流可能に形成されている。
基本的には、着肉装置511の特別な位置および/または特別な形成によらないが、有利には、上述の位置および/または構成の1つとの関連において、インキ受容室516に供給すべき印刷インキ517は、管路の経路内でインキ受容室516内への流出部より上流で温度調節可能である。このために、例えばインキ供給の管路の経路内に、温度調節装置、特に加熱装置が設けられている。
基本的には、着肉装置511の特別な位置および/または特別な形成によらないが、有利には、上述の位置および/または構成の1つとの関連において、インキグラビアシリンダ512は、好ましい構成では、他のインキ装置シリンダ519;531および/または印刷装置シリンダ501;503の駆動部とは機械的に独立した固有の駆動手段、例えば駆動モータにより回転駆動可能である。