JP3163891U

JP3163891U - インキ収容量及びインキ移転性に優れたアニロックスロール

Info

Publication number: JP3163891U
Application number: JP2010005693U
Authority: JP
Inventors: 大章李
Original assignee: 大章李
Priority date: 2009-10-28
Filing date: 2010-08-25
Publication date: 2010-11-04
Anticipated expiration: 2020-08-25
Also published as: TWM378835U; KR101227668B1; KR20110046247A

Abstract

【課題】特に同じ線数であるハニカムパタンーのアニロックスロールより優れたインキ収容量及び良好なインキ移転性を有するアニロックスロールを提供する。【解決手段】軸が挿設される本体と、該本体の外周面に均一に設けられるパターン層２０とを備え、その内パターン層２０に、波状を呈する複数の壁部２１が形成されると共に、隣接する任意の２つの壁部２１の間に波状の溝２２が形成されていることを特徴とする。【選択図】図２

Description

本考案は、特にインキ収容量及びインキ移転性に優れた印刷用のアニロックスロールに関するものである。

図６に示すように、従来のドクターブレード式カラー印刷機（３０）は、インキを貯留するインキタンク（３１）と、外周面にパターン（３２１）が形成されると共に、該インキタンク（３１）内のインキをパターン（３２１）内に吸着できるようにインキタンク（３１）に隣設されるアニロックスロール（３２）と、該アニロックスロール（３２）の外周面に接触するようにアニロックスロール（３２）に隣設されるドクターブレード（３３）と、外周面に版（３４１）が形成されると共に、該アニロックスロール（３２）に接触する版胴（３４）と、該版胴（３４）に接触して版胴（３４）をアニロックスロール（３２）に押し付ける圧胴（３５）とを備え、それら版胴（３４）と圧胴（３５）との間に被印刷物（６０）が通過するよう構成されている。

また、前記ドクターブレード式カラー印刷機（３０）が稼動する時は、前記インキタンク（３１）内のインキが、回転するアニロックスロール（３２）のパターン（３２１）内に吸着され、該パターン（３２１）に接触する版胴（３４）の版（３４１）に付着し、更に該版胴（３４）が回転して版（３４１）が被印刷物（６０）に押し付けられることによって被印刷物（６０）に転写される。なお、この構成によれば、前記アニロックスロール（３２）の表面に付着した余分なインキは、前記ドクターブレード（３３）により取り除かれ、パターンには常に安定した量のインキが吸着されるので、インキを印刷物に均一に移転（転写）させることができる。

しかしながら、前記従来のような、ドクターブレード（３３）によってアニロックスロール（３２）におけるパターン（３２１）のインキ吸着量を調整する方法では、該ドクターブレード（３２）と高速に回転し続けるアニロックスロール（３２）と間の摩擦により、両者に磨耗が生じてしまうと共に、図７及び図８に示すように、パターン（３２１）がレーザー彫刻により形成される複数のＶ字型溝（３２２）から構成される斜線型パターンの場合には、任意の２つのＶ字型溝（３２２）の間の壁部（３２４）が溝の開口(３２３)から底部へ向かうにつれて幅が狭くなるので、磨耗が生じると、Ｖ字型溝（３２２）の容積が小さくなってインキの吸着量が少なくなるだけでなく、Ｖ字型溝（３２２）の開口(３２３)のサイズも変わってしまうので、所望の印刷精度を保つことができなくなる。

上記の問題に鑑み、その後、図９Ａに示すような、ハニカムパターンを有するアニロックスロール（４１a）が開発され、図４Ｂに示すように、該アニロックスロールのセラミック表面には、レーザー加工により底部の幅が前記Ｖ字型溝より広い六角形溝（４１１）が彫刻され、これら２つの六角形溝（４１１）の間における壁部の厚みの変化は小さいことから、ハニカムパターンが磨耗しても開口（４１２）のサイズの変化が小さいので、寿命が伸びるという利点がある。

しかしながら、前記ドクターブレード式カラー印刷機によって印刷を行うときには、異なる解像度の需要に合わせて、パターンの解像度が異なるアニロックスロールを使用しなければならなく、例えば図９Ａないし図９Ｃに示すように、スクリーン印刷においては、所望の画像解像度におけるドット（５０a），（５０b），（５０c）サイズの大きさに合わせて線数の異なるアニロックスロール（４１a），（４１b），（４１c）を用いて印刷を行わなければならない。また、図９Ｃに示すようなドット（５０c）サイズが求められる場合には、図９Ａ若しくは図９Ｂに示すパターンを有するアニロックスロール（４１a），（４１b）を用いて印刷すると、アニロックスロールにおける各六角形溝（４１１）の開口（４１２）がドット（５０c）のサイズより大きいので、所望の画像解像度により印刷することができなかった。一方、図９Ａに示すようなドット（５０a）のサイズが求められた場合、図９Ｂ若しくは図９Ｃに示すようなパターンを有するアニロックスロール（４１b），（４１c）を用いて印刷すると、アニロックスロールにおける各六角形溝（４１１）の開口（４１２）がドット（５０a）のサイズより小さいことから、インキを十分に提供することができないので、被印刷物に転写されるインキの膜厚や色の濃度が不足してしまうといった問題があった。

従って、凸版印刷機であっても、凹版印刷機であっても、異なる解像度の画像を印刷するために、常時アニロックスロールを交換して使用しなければならないので、非常に面倒であると共に、ＴＦＴ液晶ディスプレイにおける配向膜の印刷に応用する際には作業が複雑になるという問題があった。

そこで、案出されたのが本考案であって、同じ線数であるハニカムパターンのアニロックスロールより優れたインキ収容量及び良好なインキ移転性を有するアニロックスロールを提供することを目的としている。

本考案は上記の目的を達成するために、軸が挿設される本体と、該本体の外周面に均一に設けられるパターン層とを備え、その内該パターン層に、波状を呈する複数の壁部が形成されると共に、隣接する任意の２つの壁部の間に波状の溝が形成されるインキ収容量及びインキ移転性に優れたアニロックスロールを提供するものである。

尚、前記溝の断面はＵ字形であることが好ましい。

また、前記パターン層の解像度によって溝と壁部の寸法が変わり、例えば、パターン層の解像度が３９２線／インチ（３９２線／２５．４ｍｍ）である場合は、各溝の幅が３６．６７μm、深さが２２μm、壁部の幅が２８．１７μmであると共に、該各溝は、経線方向の幅が６４．８５μmであって緯線方向の幅が６７．０８μmである連続する複数の波ユニットから構成され、該各波ユニットのインキ収容量は８bcm/in²（１２．４cm³/m²）である。

また、前記パターン層の解像度が２６６×２６６線／ピクセルである場合は、各溝の幅が６１．７２μm、深さが２５μm、壁部の幅が３３．５４μmであると共に、該各溝は、経線方向の幅が９５．２６μmであって緯線方向の幅が８６．５３μmである連続する複数の波ユニットから構成され、該各波ユニットのインキ収容量は１０bcm/in²（１５．５cm³/m²）である。

また、前記パターン層の解像度が４６０×４６０線／ピクセルである場合は、各溝の幅が３８．９８μm、深さが１５μm、壁部の幅が１７．２７μmであると共に、該各溝は、経線方向の幅が５６．２２μmであって緯線方向の幅が５７．６３μmである連続する複数の波ユニットから構成され、該各波ユニットのインキ収容量は４．５bcm/in²（６．９８cm³/m²）である。

尚、前記本体は鉄からなる円柱体であり、前記パターン層はセラミックからなることが好ましい。

本考案は上記の課題を解決するものであり、アニロックスロールの外周面に環設される各溝が、従来のハニカムパターンのアニロックスロールにおける、開口が互いに連通しない凹溝とは異なり、開口が連続しているので、被印刷物と接触する時、溝内のインキが被印刷物に移転しやすい。また、各溝がＵ字形を呈しており、壁部の幅の変化が小さいことから、ドクターブレード式の印刷機に使用する場合には、長期間使用しても開口の大きさの変化が少なく、解像度を確保できるので、アニロックスロールの使用寿命を延長させることができる。

本考案に係るインキ収容量及びインキ移転性に優れたアニロックスロールの斜視図である。図１に示すインキ収容量及びインキ移転性に優れたアニロックスロールにおけるパターン層の部分拡大斜視図である。図２に示すパターン層の平面図である。図２に示すパターン層の側面視断面図である。従来のハニカムパターンのアニロックスロールにおけるパターン層の部分側面視断面図である（図２に示すものと解像度が同じ）。図２と図４Bに示すパターン層の開口の大きさの比較図である。従来のドクターブレード式印刷機図の構造図である。従来の斜線型パターンのアニロックスロールにおけるパターン層の部分拡大平面図である。図７に示すパターン層の側面視断面図である。解像度が異なる３つのうちの１つのハニカムパターンのアニロックスロールにおけるパターン層の部分平面図である。解像度が異なる３つのうちの１つの図９Ａのものとは異なるハニカムパターンのアニロックスロールにおけるパターン層の部分平面図である。解像度が異なる３つのうちの１つの図９Ａ，図９Ｂのものとは異なるハニカムパターンのアニロックスロールにおけるパターン層の部分平面図である。

以下、添付図面を参照して本考案の好適な実施の形態を詳細に説明する。尚、以下に述べる実施例は、本考案の好適な実施の形態の１つを示したものにすぎず、本考案の技術的範囲は、下記の実施例そのものに何ら限定されるものではない。

図１ないし図４Ａに示すように、本考案のアニロックスロール１０は、本体１１とパターン層２０とを備え、その内該本体１１は、鉄からなる円柱体であり、軸心に軸１１１が挿設され、該パターン層２０は、該本体１１の外周面に均一に設けられ、波状を呈する、断面がU字形である複数の壁部２１が形成されると共に、隣接する任意の２つの壁部２１の間に波状の溝２２が形成されるものである。一方、本実施例においては、前記パターン層２０は、鉄からなる円柱体である本体１１の外周面に、膜厚が均一になるようにセラミック層が設けられ、該セラミック層の表面に、レーサー彫刻により平行する複数の溝２２が形成される。

続いて、図４Ｂ及び図５に示すように、中型アニロックスロール（解像度は３９２線/インチ（３９２線／２５．４ｍｍ））のインキ収容量とインキ移転性について説明する。尚、該中型アニロックスロールにおける各溝は、連続する複数の波ユニット２２２から構成されるので、該各波ユニット２２２についてのみ説明する。前記波ユニット２２２の経線方向の幅（L）は６４．８５μmであると共に、緯線方向の幅（W）は６７．０８μmであり、また、該各波ユニット２２２における溝の幅（D１）は３６．６７μmであって深さが２２μmであると共に、該壁部（D２）の幅は２８．１７μmであるので、該各波ユニット２２２のインキ収容量は８bcm/in²（１２．４cm³/m²）である。また、図４Ａ及び図４Ｂに示すように、本実施例のアニロックスロールと、同一の解像度のハニカムパターンのアニロックスロール（線数：４００、セル角度：６０度）とのインキ収容量との比較を、次の表に示す。

┌────────────┬──────┬────┬─────────────┐
│ │ 線数 │ 深さ │ インキ収容量 │
│ │ │（μm ）│ (BCM/in²) │
│ │ │ │ │
├────────────┼──────┼────┼─────────────┤
│ 波状溝パターン │ 392 │ 22 │ 8.0 │
├────────────┼──────┼────┼─────────────┤
│ ハニカムパターン │ 400 │ 19-22 │ 4.8-5.1 │
│ │ (60°) │ │ │
└────────────┴──────┴────┴─────────────┘

上記の表からも明らかなように、本考案のアニロックスロールは、解像度及び溝の深さが同一であるハニカムパターンのアニロックスロールと比べてインキの収容量が１．５７倍であり、また、解像度が同一であって溝の深さがより浅いハニカムパターンのアニロックスロールと比べてインキの収容量が１．６７倍で、同様の解像度であるハニカムパターンのアニロックスロールより多くのインキを収容することができ、更に、異なる解像度であるハニカムパターンのアニロックスロールと比較してみると、２６０線のものと同量のインキを収容することができることから、例えば、吸収性基材または段ボール紙のニスびきや膠付け作業において使用されている２６０線ないし４００線のハニカムパターンのアニロックスロールの代わりに本考案のアニロックスロールを使用することができる。従って、印刷作業において、解像度の異なる数種類のハニカムパターンのアニロックスロールの代わりに本考案を使用することができることから、解像度の異なる印刷物に合わせてアニロックスロールを交換する必要がなく、印刷作業の簡素化を図ることができる。

また、本考案は更に解像度が異なる第２実施例と第３実施例のアニロックスロールを提供し、その内第２実施例のアニロックスロールは、パターン層の解像度が２６６×２６６線／ピクセル、各溝の幅が６１．７２μm、深さが２５μm、壁部の幅が３３．５４μmであると共に、該各溝は、経線方向の幅が９５．２６μmであって緯線方向の幅が８６．５３μmである連続する複数の波ユニットから構成され、該各波ユニットのインキ収容量は１０bcm/in²（１５．５cm³/m²）であり、一方、該第３実施例のアニロックスロールは、パターン層の解像度が４６０×４６０線／ピクセル、各溝の幅が３８．９８μm、深さが１５μm、前記壁部の幅が１７．２７μmであると共に、該各溝は、経線方向の幅が５６．２２μmであって緯線方向の幅が５７．６３μmであり、該各波ユニットのインキ収容量は４．５bcm/in²（６．９８cm³/m²）である。

また、本考案における前記各溝は、アニロックスロールの外周面に環設されるので、従来のハニカムパターンのアニロックスロールにおける、開口が互いに連通しない凹溝とは異なり、開口が連続しているので、被印刷物と接触する時、溝内のインキが被印刷物に移転（転写）しやすい。また、前記各溝は、Ｕ字形を呈することにより、壁部の幅の変化が小さいことから、ドクターブレード式の印刷機に使用する場合、長期間使用しても開口の大きさの変化が少なく、適当な解像度を確保できるので、アニロックスロールの使用寿命を延長させることができると共に、実用性にも優れている。

１０アニロックスロール
１１本体
１１１軸
２０パターン層
２１壁部
２２溝
２２１開口
２２２波ユニット
３０ドクターブレード式カラー印刷機
３１インキタンク
３２アニロックスロール
３２１パターン
３２２Ｖ字型溝
３２３開口
３２４壁部
３３ドクターブレード
３４版胴
３５圧胴
４０アニロックスロール
４１パターン
４１１凹溝
４１２開口
５０a、５０b、５０c ドット
６０被印刷物

Claims

軸が挿設される本体と、
前記本体の外周面に均一に設けられるパターン層とを備え、
その内前記パターン層に、波状を呈する複数の壁部が形成されると共に、隣接する任意の２つの壁部の間に波状の溝が形成されることを特徴とするインキ収容量及びインキ移転性に優れたアニロックスロール。
前記溝の断面がＵ字形であることを特徴とする請求項１に記載のインキ収容量及びインキ移転性に優れたアニロックスロール。
前記パターン層の解像度が３９２線／インチ（３９２線／２５．４ｍｍ）であり、前記各溝の幅が３６．６７μmであって深さが２２μmであると共に、前記壁部の幅が２８．１７μmであり、更に、該各溝は、経線方向の幅が６４．８５μmであって緯線方向の幅が６７．０８μmである連続する複数の波ユニットから構成されることを特徴とする請求項１または２に記載のインキ収容量及びインキ移転性に優れたアニロックスロール。
前記各波ユニットのインキ収容量が８bcm/in²（１２．４cm³/m²）であることを特徴とする請求項３に記載のインキ収容量及びインキ移転性に優れたアニロックスロール。
前記パターン層の解像度が２６６×２６６線／ピクセルであり、前記各溝の幅が６１．７２μmであって深さが２５μmであり、前記壁部の幅が３３．５４μmであると共に、該各溝は、経線方向の幅が９５．２６μmであって緯線方向の幅が８６．５３μmである連続する複数の波ユニットから構成されることを特徴とする請求項１または２に記載のインキ収容量及びインキ移転性に優れたアニロックスロール。
前記各波ユニットのインキ収容量が１０bcm/in²（１５．５cm³/m²）であることを特徴とする請求項５に記載のインキ収容量及びインキ移転性に優れたアニロックスロール。
前記パターン層の解像度が４６０×４６０線／ピクセルであり、前記各溝の幅が３８．９８μmであって深さが１５μmであり、前記壁部の幅が１７．２７μmであると共に、該各溝は、経線方向の幅が５６．２２μmであって緯線方向の幅が５７．６３μmである連続する複数の波ユニットから構成されることを特徴とする請求項１または２に記載のインキ収容量及びインキ移転性に優れたアニロックスロール。
前記各波ユニットのインキ収容量が４．５bcm/in²（６．９８cm³/m²）であることを特徴とする請求項７に記載のインキ収容量及びインキ移転性に優れたアニロックスロール。
前記本体が鉄からなる円柱体であることを特徴とする請求項１乃至８のいずれか一項に記載のインキ収容量及びインキ移転性に優れたアニロックスロール。
前記パターン層がセラミックからなることを特徴とする請求項１乃至９のいずれか一項に記載のインキ収容量及びインキ移転性に優れたアニロックスロール。