JP2018127571A - 接着物の接着方法及び吸収発熱部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】接着剤を加熱することで被着物に接着物を接着する場合において、接着剤の硬化の遅れを抑制する。【解決手段】接着物26の接着方法は、電磁波で接着剤層24を加熱して被着物22に接着物26を接着させる接着方法であって、被着物22上の領域である接着剤領域Aに、接着剤層24を形成する接着剤層形成ステップと、接着剤層24上に接着物26を配置する接着物配置ステップと、被着物22上の接着剤領域Aの周囲に、電磁波を吸収して発熱する吸収発熱部30を設ける吸収発熱部配置ステップと、接着物26及び吸収発熱部30に対して電磁波を照射して、接着物26を介して接着剤層24を加熱し、吸収発熱部30を加熱する電磁波照射ステップと、を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、接着物の接着方法及び吸収発熱部材に関する。
航空機などの製品は、複数の部品同士が接合されて構成される場合がある。このような場合、一般的に、部品同士は、例えばボルトなどを用いたファスニング接合方法により接合される。さらに、製品の重量低減や接合工程の時間削減のために、接着剤を用いて接合する接着接合方法により接合する場合がある。接着接合方法では、被着物、小部品あるいはその両方に接着剤を塗布し、両者を貼り合わせる。そして、接着接合方法では、この接着剤を硬化させることで、被着物に対し接着物を接合する。
接着接合を用いる際は、接着剤が硬化するまでの時間を削減することにより、接合工程の時間削減を更に削減することができる。例えば特許文献1では、レーザ光を接着剤に照射することにより接着剤を加熱して、接着剤を早期に硬化させる技術が記載されている。
特開2010−180352号公報
しかし、接着剤は、被着物の表面に塗布されるため、被着物に接触している。そのため、接着剤の熱が被着物に伝熱され、被着物から外部に放熱されるおそれがある。この場合、接着剤の温度上昇が抑制され、接着剤を早期に硬化させることが困難となる。従って、接着剤を加熱することで被着物に接着物を接着する場合において、接着剤の硬化の遅れを抑制する技術が求められている。
本発明は、上述した課題を解決するものであり、接着剤を加熱することで被着物に接着物を接着する場合において、接着剤の硬化の遅れを抑制する接着物の接着方法及び吸収発熱部材を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る接着方法は、電磁波で接着剤を加熱して被着物に接着物を接着させる接着方法であって、前記被着物上の領域である接着剤領域に、接着剤層を形成する接着剤層形成ステップと、前記接着剤層上に前記接着物を配置する接着物配置ステップと、前記被着物上の前記接着剤領域の周囲に、前記電磁波を吸収して発熱する吸収発熱部を設ける吸収発熱部配置ステップと、前記接着物及び前記吸収発熱部に対して前記電磁波を照射して、前記接着物を介して前記接着剤層を加熱し、前記吸収発熱部を加熱する電磁波照射ステップと、を有する。
この接着方法は、吸収発熱部を介して被着物の表面を加熱することで、被着物の表面からの放熱を抑制して、接着剤の硬化の遅れを抑制することができる。
前記接着方法において、前記吸収発熱部は、前記被着物よりも前記電磁波の吸収率が高いことが好ましい。この接着方法は、電磁波により吸収発熱部を効率的に加熱することで、被着物の表面からの放熱を抑制して、接着剤の硬化の遅れを抑制することができる。
前記接着方法において、前記吸収発熱部は、樹脂又はセラミックス材料の少なくとも一方を含有することが好ましい。この吸収発熱部は、このような材料を含有するため、電磁波を適切に吸収してより好適に加熱される。従って、この接着方法は、被着物からの放熱をより好適に抑制して、接着剤の硬化の遅れを抑制することができる。
前記接着方法において、前記吸収発熱部配置ステップは、前記接着剤領域に対し、前記接着剤領域の外周に接する領域である中間領域を隔てて、前記吸収発熱部を設けることが好ましい。この接着方法は、接着剤領域から中間領域を隔てて吸収発熱部を設けているため、吸収発熱部が接着剤領域上の接着剤に接触することを抑制して、接着強度の低下を抑制することができる。
前記接着方法は、前記中間領域に、前記吸収発熱部から前記接着剤への伝熱を抑制する中間部を設ける中間部配置ステップを更に有することが好ましい。この接着方法は、中間部が吸収発熱部から接着剤への伝熱を抑制するため、接着剤の温度が高くなり過ぎることを抑制して、接着強度の低下を抑制することができる。
前記接着方法において、前記吸収発熱部は、所定の粘性を有するジェル状の材料であることが好ましい。この接着方法は、吸収発熱部を被着物上に適切に設けることが可能となる。
前記接着方法において、前記吸収発熱部は、固体状の材料であることが好ましい。この接着方法は、吸収発熱部を被着物上に容易に設けることが可能となる。
前記接着方法において、前記電磁波照射ステップは、前記電磁波として近赤外線を照射することが好ましい。この接着方法は、被着物からの放熱をより好適に抑制して、接着剤の硬化の遅れを抑制することができる。
前記接着方法において、前記吸収発熱部は、前記近赤外線を吸収して遠赤外線を放射する放射剤を含有することが好ましい。この接着方法は、吸収発熱部が、遠赤外線により自身をより好適に加熱することで、接着剤の硬化の遅れを抑制することができる。
前記接着方法において、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る吸収発熱部材は、電磁波で接着剤を加熱して被着物に接着物を接着させる際に、前記被着物上の前記接着剤を設けた領域の周囲に配置される吸収発熱部材であって、前記電磁波を吸収して発熱する固体状の部材であり、前記被着物に対して着脱可能である。この吸収発熱部材を用いると、被着物からの放熱をより好適に抑制して、接着剤の硬化の遅れを抑制することができる。
本発明によれば、接着剤を加熱することで被着物に接着物を接着する場合において、接着剤の硬化の遅れを抑制することができる。
図1は、第1実施形態に係る接着システムの構成を示す模式的なブロック図である。 図2は、第1実施形態に係る対象物の構成を示す模式図である。 図3は、第1実施形態に係る対象物の構成を示す模式図である。 図4は、第1実施形態に係る接着剤の模式的な断面図である。 図5は、第1実施形態に係る吸収発熱部の模式的な断面図の一例である。 図6は、第1実施形態に係る吸収発熱部の模式的な断面図の他の例である。 図7は、第1実施形態に係る電磁波照射装置の模式図である。 図8は、対象物への電磁波の照射を説明するための模式図である。 図9は、第1実施形態に係る接着物の接着方法を示すフローチャートである。 図10は、第2実施形態に係る対象物の構成を示す模式図である。 図11は、第2実施形態に係る接着物の接着方法を示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る接着システムの構成を示す模式的なブロック図である。第1実施形態に係る接着システム1は、対象物20の部品同士を接着させるためのシステムである。図1に示すように、接着システム1は、対象物積層装置10と、電磁波照射装置12とを有する。対象物積層装置10は、対象物20の各部品を積層する装置である。詳しくは後述するが、対象物積層装置10は、母材である被着物22上に、接着剤層24、接着物26、及び吸収発熱部30を積層する。電磁波照射装置12は、対象物20に電磁波Wを照射することで接着剤層24を加熱して熱硬化させ、硬化した接着剤層24を介して被着物22に接着物26を接着する。なお、以下の説明において、接着とは、部材同士が互いに接合された状態で固定されることを指す。
電磁波照射装置12は、所定の波長域を有する電磁波Wを照射する。この波長域は任意であるが、本実施形態において、電磁波照射装置12は、電磁波Wとして、赤外線を照射する。ここでの赤外線は、波長が0.7μm以上1000μm以下であるが、一般的に赤外線とされる波長域であれば、この波長域に限られない。さらに詳しくは、電磁波照射装置12は、電磁波Wとして、近赤外線を照射する。ここでの近赤外線は、波長が0.7μm以上2.5μm以下であるが、一般的に近赤外線とされる波長域であれば、この波長域に限られない。ただし、電磁波照射装置12は、赤外線とは波長域が異なる赤外線以外の電磁波Wを照射してもよい。電磁波照射装置12の構成は後述する。
図2及び図3は、第1実施形態に係る対象物の構成を示す模式図である。図2は、対象物20の正面図であり、図3は、対象物20の上面図である。対象物積層装置10は、対象物20の各部品を積層する装置である。対象物20は、母材である被着物22に、接着剤層24を介して接着物26が接着される製品である。対象物20は、航空機用の部品であるが、被着物22及び接着物26を有するものであれば、航空機の部品に限られない。接着物26は、例えば、配線を固定するための部品である。つまり、親部品である被着物22において、配線を固定するための部位がない場合、子部品としての接着物26を接着固定することで、配線を固定するための部位を形成している。なお、被着物22及び接着物26は、他の機能を有する部品であってもよく、特に限定されない。
対象物積層装置10は、被着物22上に、接着剤層24を形成する。対象物積層装置10は、被着物22の表面22Aの接着剤領域Aに、接着剤層24を形成する。接着剤領域Aは、被着物22の表面22Aの一部の領域であり、接着剤層24が形成されてその上に接着物26が接着される領域である。接着剤領域Aの位置は、接着物26をどの位置に設けるかにより、予め決定される。また、対象物積層装置10は、接着剤層24の厚みX1が0.2mm以上0.5mm以下となるように、接着剤層24を形成する。厚みX1は、表面22Aに直交する方向の接着剤層24の長さである。ただし、厚みX1の数値範囲はこれに限られず任意である。
被着物22は、電磁波Wの反射率が高い部材である。すなわち、被着物22は、電磁波Wが有する所定の波長域における反射率が高い部材である。本実施形態において、被着物22は、赤外線の反射率が85%以上90%以下である。被着物22は、アルミニウム合金などの金属であるが、電磁波Wの吸収率が低く反射率が高い部材であれば、金属に限られない。
図4は、第1実施形態に係る接着剤の模式的な断面図である。接着剤層24は、加熱により硬化する加熱硬化型の接着剤によって形成される層である。本実施形態では、接着剤層を形成する接着剤は、エポキシ樹脂系接着剤であり、常温でも硬化するが、加熱することで硬化を促進させることが可能である。図4に示すように、接着剤層24を構成する接着剤は、本剤24Aと、硬化剤24Bと、放射剤24Cとを含有する。本剤24Aは、ジェル状(液状)のエポキシ樹脂である。硬化剤24Bは、アミン類などの液体である。放射剤24Cは、遠赤外線を放射する固体状の粒子であり、近赤外線を受けることで、放射する遠赤外線の強度が増幅される。すなわち、放射剤24Cは、近赤外線を吸収して遠赤外線を放射する粒子である。放射剤24Cとしては、例えばアルミナなどが用いられる。対象物積層装置10は、この接着剤を接着剤領域Aに塗布することで、接着剤層24を形成する。
接着剤層24は、硬化する前は、ジェル状の本剤24Aに複数の粒子状の硬化剤24B及び放射剤24Cが含有されており、全体としては、所定の粘度を有したジェル状(液状)となっている。接着剤層24は、このジェル状の状態において加熱されることにより、硬化剤24Bと本剤24Aとが結合して、固体状に硬化する。本実施形態では、接着剤層24は、電磁波Wにより加熱されて硬化する。さらに、放射剤24Cは、近赤外線である電磁波Wを受けることで、遠赤外線を放射する。この遠赤外線は、周囲の本剤24A及び硬化剤24Bをさらに加熱して、接着剤層24の硬化を促進する。ただし、接着剤層24は、電磁波Wを受けることにより硬化するものであれば、以上説明した構成に限られない。例えば、接着剤層24は、加熱硬化型のシリコーン接着剤などであってもよいし、シート状に形成された接着シートであってもよい。また、接着剤層24には、必ずしも放射剤24Cが含まれていなくてもよい。
また、対象物積層装置10は、図2及び図3に示すように、形成された接着剤層24上に、接着物26を配置する。対象物積層装置10は、接着剤層24の被着物22とは反対側の表面に、接着物26の表面を接触させる。接着物26は、電磁波W(ここでは近赤外線)を透過可能な部材である。例えば、接着物26は、赤外線の透過率が15%以上である。接着物26は、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP; Glass Fiber Reinforced Plastics)など、透明性を有する部材であることが好ましいが、電磁波Wを透過可能な部材であれば、これに限られない。接着物26の厚さX2は、3mm以上5mm以下であるが、厚さX2はこれに限られず任意である。厚さX2は、表面22Aに直交する方向の接着物26の長さである。図2及び図3では、接着物26は、接着剤層24が形成される領域、すなわち接着剤領域Aの全域を占めているが、接着剤領域Aの一部の領域のみを占めていてもよく、また、接着剤領域Aから外側にはみ出して配置されていてもよい。
このように、対象物20は、被着物22上に接着剤層24が形成され、その接着剤層24上に接着物26が配置される。この状態では、接着剤層24は硬化していない。従って、この状態において、接着物26は、被着物22に接着(接合)されていない。
また、対象物積層装置10は、図2及び図3に示すように、被着物22上の接着剤領域Aの周囲に、吸収発熱部30を設ける。具体的には、対象物積層装置10は、被着物22上の吸収発熱部領域Bに、吸収発熱部30を設ける。吸収発熱部領域Bは、被着物22の表面22Aの一部の領域であり、接着剤領域Aを囲うように設けられた接着剤領域Aの周囲の領域である。従って、吸収発熱部30は、表面30Aが、被着物22の表面22Aと接触する。吸収発熱部30は、接着剤を含有していないため、被着物22に接着しない。
第1実施形態においては、吸収発熱部領域Bは、中間領域Cを介して、接着剤領域Aよりも外側に設けられる。中間領域Cは、被着物22上の接着剤領域Aを囲うように設けられた接着剤領域Aの周囲の領域であり、内周が接着剤領域Aの外周と接している。また、中間領域Cは、吸収発熱部領域Bの内側の領域であり、外周が吸収発熱部領域Bの内周と接している。すなわち、吸収発熱部30は、接着剤領域Aに対し、中間領域Cを隔てて設けられている。第1実施形態において、中間領域Cには部材が設けられていない。従って、吸収発熱部30は、接着剤領域A上の接着剤層24との間に、スペースが設けられており、接着剤層24に直接接触しない。ただし、中間領域Cは必ずしも設けられていなくてもよく、吸収発熱部領域Bの内周が接着剤領域Aの外周と接しており、吸収発熱部30は接着剤層24に接触してもよい。また、本実施形態では、吸収発熱部領域B(吸収発熱部30)は、接着剤領域Aの外周の全てを囲うように設けられているが、接着剤領域Aの外周の一部のみを囲うものであってもよい。言い換えれば、吸収発熱部30は、接着剤層24の周囲を、一周分途切れることなく囲っているが、一部が途切れていてもよい。
吸収発熱部30は、接着剤層24の硬化を補助する部材である。吸収発熱部30は、電磁波Wを吸収して発熱する部材である。吸収発熱部30は、被着物22よりも電磁波W(ここでは近赤外線)の波長域における吸収率が高い部材である。吸収発熱部30は、赤外線の吸収率が20%以上の部材であることが好ましい。赤外線の吸収率がこの範囲にあることで、吸収発熱部30は、適切に加熱される。また、吸収発熱部30は、赤外線の吸収率が比較的高いことに加え、比熱が比較的低い部材であることが好ましい。吸収発熱部30は、比熱がこの範囲にあることで、電磁波Wによって温度が上昇する速度を高くすることができる。図5に示すように、本実施形態においては、吸収発熱部30は、樹脂又はセラミックス材料の少なくとも一方を含有することが好ましい。ここでの樹脂としては、例えばシリコーン系、ポリプロピレン、又はエポキシ系などが挙げられる。また、セラミックス材料としては、アルミナ、陶磁器、ガラスなどが挙げられる。ただし、吸収発熱部30は、電磁波Wを吸収して発熱する部材であれば、その材料は任意である。
また、吸収発熱部30は、所定の粘性を有するジェル状(液体状)となっている。対象物積層装置10は、被着物22上の吸収発熱部領域Bに、吸収発熱部30を塗布する。ただし、吸収発熱部30は、固体状であってもよい。この場合、吸収発熱部30は、吸収発熱部領域Bの形状に相当する表面を有する外枠部31を有する。そして、吸収発熱部30は、外枠部31の内側、すなわち接着剤領域A及び中間領域Cに該当する箇所が、開口した形状となる。この場合、対象物積層装置10は、吸収発熱部領域Bに外枠部31が重畳し、外枠部31の内側の開口が接着剤領域A及び中間領域Cに重畳するように、吸収発熱部30を被着物22上に配置する。固体状の吸収発熱部30は、被着物22に対して着脱可能である。
吸収発熱部30の厚さX3は、3mm以上4mm以下であることが好ましいが、これに限られず任意である。また、吸収発熱部30(吸収発熱部領域B)の幅X4は、2cm以上3cm以下であることが好ましいが、これに限られず任意である。なお、厚さX3は、表面22Aに直交する方向の吸収発熱部30の長さである。幅X4は、吸収発熱部30の接着物26側の側面(吸収発熱部領域Bの内周)から接着物26と反対側の側面(吸収発熱部領域Bの外周)までの吸収発熱部30の長さである。また、中間領域Cの幅X5は、幅X4より小さく、例えば1mm以上3mm以下であることが好ましい。幅X5は、中間領域Cの内周から外周までの長さである。
図5は、第1実施形態に係る吸収発熱部の模式的な断面図の一例である。本実施形態における吸収発熱部30は、図5に示すような構成であることがより好ましい。図5に示す吸収発熱部30は、基礎部32と、発熱剤34と、放射剤36とを有する。基礎部32は、電磁波Wを透過し、また電磁波の一部を吸収可能な部材であり、電磁波Wの吸収により発熱する。基礎部32は、樹脂であり、例えば上述のようなシリコーン、ポリプロピレン、又はエポキシなどである。基礎部32は、所定の粘性を有するジェル状(液体状)であるが、固体状であってもよい。また、基礎部32は、電磁波Wの少なくとも一部を透過可能であれば、必ずしも電磁波Wを吸収しなくてもよい。発熱剤34は、電磁波Wを吸収して発熱する粒子であり、例えばセラミックス材料の粒子である。さらに詳しくは、発熱剤34は、遠赤外線を吸収して発熱する。発熱剤34としては、例えば上述のようなアルミナ、陶磁器、ガラスなどが挙げられる。また、放射剤36は、上述の放射剤24Cと同じ材料の粒子である。この吸収発熱部30は、基礎部32中に複数の発熱剤34及び放射剤36が含有されている。吸収発熱部30は、電磁波Wを受けると、基礎部32及び発熱剤34が発熱する。そして、吸収発熱部30中の放射剤36は、近赤外線である電磁波Wを受けることで、遠赤外線を放射する。この遠赤外線は、周囲の基礎部32及び発熱剤34をさらに加熱する。ただし、図5の吸収発熱部30は、必ずしも放射剤36を含有していなくてもよい。また、吸収発熱部30は、基礎部32中に発熱剤34が含有されておらず、1種類の材料から構成されていてもよい。この場合、吸収発熱部30を構成する1種類の材料が、被着物22よりも電磁波Wの吸収率が高く、電磁波Wを吸収して発熱する部材となる。
図6は、第1実施形態に係る吸収発熱部の模式的な断面図の他の例である。また、吸収発熱部30は、図6に示すように、第1層30Sと第2層30Tとを有していてもよい。第1層30Sは、吸収発熱部30の表面30A側、すなわち被着物22側の層である。第1層30Sは、基礎部32と発熱剤34とを含有する。より詳しくは、第1層30Sは、基礎部32中に複数の発熱剤34が含有されている。第1層30Sは、放射剤36を含有しない。第2層30Tは、第1層30Sよりも表面30Aと反対側の層である。第2層30Tは、基礎部32と放射剤36とを含有し、発熱剤34を含有しない。より詳しくは、第2層30Tは、基礎部32中に複数の放射剤36が含有されている。この場合、電磁波Wは、第2層30T側から入射される。第2層30Tの放射剤36は、電磁波Wを受けて遠赤外線を放出する。この遠赤外線は、第1層30Sの基礎部32及び発熱剤34を加熱する。従って、この吸収発熱部30は、被着物22と接する表面30A側を、より好適に加熱することができる。このように、吸収発熱部30は、異なる成分を有する複数の層を厚さX3の方向に設けることで、より好適に発熱することが可能となる。
対象物積層装置10は、以上説明したように、対象物20の各部材(被着物22、接着剤層24、接着物26及び吸収発熱部30)を積層する。この積層した状態では、接着剤層24は硬化しておらず、被着物22と接着物26とは接着(接合)されていない。なお、本実施形態では、対象物積層装置10により対象物20の各部材を積層するが、対象物積層装置10を用いずに作業者が手作業で各部品を積層してもよい。
次に、図1に示す電磁波照射装置12について説明する。図7は、第1実施形態に係る電磁波照射装置の模式図である。図7に示すように、電磁波照射装置12は、収納室40と電磁波照射部42とを有する。収納室40は、対象物積層装置10によって各部材が積層された対象物20を、内部に収納する部屋である。電磁波照射部42は、収納室40内に設けられ、収納室40内の対象物20に対して電磁波Wを照射する。収納室40内に設けられた対象物20は、電磁波Wの照射前の段階では、接着剤層24がまだ硬化していない。電磁波照射装置12は、この未硬化の接着剤層24に対し電磁波Wを照射することにより、接着剤層24を硬化させる。接着剤層24は、硬化することにより、被着物22に対して接着物26を接合(接着)する。以下、電磁波Wの照射について詳述する。
図8は、対象物への電磁波の照射を説明するための模式図である。図8に示すように、電磁波照射部42は、対象物20に対し、上側、すなわち接着物26が配置されている側から、電磁波Wを照射する。対象物20は、接着物26及び吸収発熱部30が上側に露出している。従って、最初に、電磁波Wは、接着物26及び吸収発熱部30に(直接)照射される。接着物26は、電磁波Wの反射率及び吸収率が比較的低く、電磁波Wの少なくとも一部を透過する。接着物26を透過した電磁波Wは、接着剤層24に照射される。電磁波照射部42は、接着物26を透過した電磁波Wが接着剤層24を所定の温度まで加熱するような出力強度で、電磁波Wを照射する。この所定の温度は、接着剤層24が硬化を開始する温度であるが、例えば50℃以上120℃以下であることが好ましい。電磁波照射部42は、設定した出力強度を保ちつつ、電磁波Wを所定の時間照射し続ける。接着剤層24は、受光した電磁波Wを吸収してこの所定の温度まで加熱され、硬化する。接着剤層24の硬化により、硬化した接着剤層24を介して、被着物22と接着物26が接着される。なお、電磁波照射部42は、被着物22と接着物26が所定の接着強度で接着する程度に接着剤層24を加熱すればよく、接着剤層24を完全に硬化しなくてもよい。この場合、接着剤層24は、これよりも後の工程で徐々に硬化を続け、最終的に完全に硬化する。
ここで、吸収発熱部30が設けられていない場合を想定する。接着剤層24は、被着物22の表面22Aに接触している。被着物22は、電磁波Wの反射率が高いため、電磁波Wが照射されても、電磁波Wを反射してしまう。従って、被着物22は、電磁波Wによって加熱されにくい。従って、被着物22の温度は、接着剤層24より低くなっている。従って、図8の熱領域H1に示すように、接着剤層24の熱は、被着物22に伝わり、被着物22も加熱される。もし吸収発熱部30が設けられていない場合、被着物22は、接着剤層24と接触していない吸収発熱部領域Bにおける温度が低いままとなる。従って、被着物22の熱は、吸収発熱部領域Bから放出されて、接着剤層24に加熱されても温度が上昇しにくい。この場合、被着物22は、接着剤層24の熱を奪い続け、接着剤層24が適切に加熱されず、接着剤を早期に硬化させることが困難となる。
しかし、本実施形態においては、吸収発熱部領域Bを覆うように吸収発熱部30が設けられている。電磁波照射部42からの電磁波Wは、吸収発熱部30に照射される。吸収発熱部30は、被着物22よりも電磁波Wの吸収率が高く、受光した電磁波Wを吸収して発熱する。従って、図8の熱領域H2に示すように、吸収発熱部30の熱は、被着物22の吸収発熱部領域Bに伝わり、被着物22の吸収発熱部領域Bが加熱される。そのため、被着物22は、吸収発熱部領域Bからの放熱が抑制され、接着剤層24の温度が上がらなくなることが抑制される。このように、吸収発熱部30を設けると、接着剤の硬化の遅れを抑制することができる。
以下、接着システム1による接着物26の接着方法をフローチャートに基づき説明する。図9は、第1実施形態に係る接着物の接着方法を示すフローチャートである。図9に示すように、最初に、接着システム1は、対象物積層装置10により、被着物22上の接着剤領域Aに、接着剤層24を形成し(ステップS10;接着剤層形成ステップ)、接着剤層24上に接着物26を配置する(ステップS12;接着物配置ステップ)。そして、接着システム1は、対象物積層装置10により、接着剤領域Aの周囲に吸収発熱部30を設ける(ステップS14;吸収発熱部配置ステップ)。具体的には、対象物積層装置10は、被着物22上の吸収発熱部領域Bに吸収発熱部30を設ける。これにより、対象物20の各部材の積層が完了する。この段階では、接着剤層24は硬化しておらず、接着物26は、被着物22に接着していない。なお、ステップS14は、ステップS10、S12よりも前に行ってもよいし、同時に行ってもよい。
対象物20の各部材の積層が完了した後、接着システム1は、電磁波照射装置12により、対象物20に電磁波Wを照射する(ステップS16;電磁波照射ステップ)。具体的には、電磁波照射装置12は、対象物20の上面から、すなわち接着物26及び吸収発熱部30に、電磁波Wを照射する。照射された電磁波Wは、接着物26を介して(透過して)接着剤層24を加熱する。そして、電磁波Wは、吸収発熱部30にも照射され、吸収発熱部30を加熱する。加熱された吸収発熱部30は、被着物22からの放熱を抑制する。接着システム1は、これらの作用により、接着剤層24の温度低下を抑制し、接着剤層24を適切に硬化させ、接着物26を被着物22に接着させる。電磁波Wを照射した後、接着システム1は、吸収発熱部30を除去する(ステップS18)。接着システム1は、例えばジェル状の吸収発熱部30を被着物22からふき取ったり、固体状の吸収発熱部30を被着物22から取り外したりすることで、吸収発熱部30を除去する。これにより、本処理は終了する。なお、ステップS10からステップS14及びステップS18は、作業者による手作業で行われてもよい。
以上説明したように、第1実施形態に係る接着物26の接着方法は、電磁波Wで接着剤層24を加熱して被着物22に接着物26を接着させる接着方法であって、接着剤層形成ステップと、接着物配置ステップと、吸収発熱部配置ステップと、電磁波照射ステップと、を有する。接着剤層形成ステップは、被着物22上の接着剤領域Aに、接着剤層24を形成する。接着物配置ステップは、接着剤層24上に接着物26を配置する。吸収発熱部配置ステップは、被着物22上の接着剤領域Aの周囲に、電磁波Wを吸収して発熱する吸収発熱部30を設ける。電磁波照射ステップは、接着物26及び吸収発熱部30に対して電磁波Wを照射して、接着物26を介して接着剤層24を加熱しつつ、吸収発熱部30を加熱する。
この接着方法は、接着剤領域Aの周囲に吸収発熱部30を設け、吸収発熱部30にも電磁波Wを照射して、吸収発熱部30を加熱する。そのため、この接着方法は、吸収発熱部30を介して被着物22の表面を加熱することで、被着物22の表面22Aからの放熱を抑制して、接着剤層24の温度が上がらなくなることを抑制する。このように、本実施形態に係る接着方法は、接着剤層24を加熱することで被着物22に接着物26を接着する場合において、被着物22からの放熱を抑制して、接着剤層24の硬化の遅れを抑制することができる。
また、吸収発熱部30は、被着物22よりも電磁波Wの吸収率が高い。この吸収発熱部30は、電磁波Wの吸収率が高いため、電磁波Wの照射によりより効率的に加熱される。従って、この接着方法は、被着物の表面からの放熱を抑制して、接着剤の硬化の遅れを抑制することができる。
また、第1実施形態に係る接着方法において、吸収発熱部30は、樹脂又はセラミックス材料の少なくとも一方を含有する。吸収発熱部30は、このような材料を含有するため、電磁波Wを適切に吸収してより好適に加熱される。従って、この接着方法は、被着物22からの放熱をより好適に抑制して、接着剤層24の硬化の遅れを抑制することができる。
また、第1実施形態に係る接着方法において、吸収発熱部配置ステップは、接着剤領域Aに対し中間領域Cを隔てて、吸収発熱部30を設ける。中間領域Cは、接着剤領域Aの外周に接する領域である。この接着方法は、接着剤領域Aから中間領域Cを隔てて吸収発熱部30を設けているため、吸収発熱部30が接着剤領域A上の接着剤層24に接触することを抑制して、接着強度の低下を抑制することができる。例えば吸収発熱部30が液状である場合、吸収発熱部30が接着剤層24に接触していると、吸収発熱部30の一部成分が接着剤層24に混ざるおそれがある。この場合、接着剤層24の接着強度が低下する可能性がある。それに対し、この接着方法は、吸収発熱部30を接着剤層24に接触させないため、吸収発熱部30の接着剤層24への混入を抑制し、接着強度の低下を抑制している。また、接着剤層24には、接着物26を透過した電磁波Wが照射されるのに対し、吸収発熱部30には、電磁波Wが直接照射される。従って、吸収発熱部30への電磁波Wの照射強度が、接着剤層24への照射強度より高くなり、吸収発熱部30の温度が、接着剤層24より高くなる場合がある。この場合、吸収発熱部30が接着剤層24に接触していると、吸収発熱部30の熱が接着剤層24に伝わり、接着剤層24の温度が高くなりすぎるおそれがある。接着剤層24の温度が高くなり過ぎると、例えば、揮発成分の気化によりボイドが生成されることや接着剤の靱性低下により、接着強度が低下するおそれがある。それに対し、この接着方法は、吸収発熱部30を接着剤層24に接触させないため、吸収発熱部30から接着剤層24への伝熱を抑制する。従って、この接着方法は、接着剤層24の温度が高くなり過ぎることを抑制して、接着強度の低下を抑制することができる。
また、吸収発熱部30は、所定の粘性を有するジェル状の材料である。この吸収発熱部30は、ジェル状であるため、被着物22上の望んだ領域に容易に塗布することが可能となる。従って、この接着方法は、吸収発熱部30を被着物22上に適切に設けることが可能となる。
また、吸収発熱部30は固体状の材料であってもよい。この吸収発熱部30は、固体状であるため、被着物22上に容易に配置することができ、作業終了後は、容易に取り外すことができる。さらに、他の対象物20にも用いることができる。このように、この接着方法は、吸収発熱部30を被着物22から着脱可能とすることができるため、被着物22上に容易に設けることが可能となる。
また、電磁波照射ステップは、電磁波Wとして近赤外線を照射することが好ましい。この接着方法は、近赤外線を照射することで、接着剤層24を適切に加熱しつつ、吸収発熱部30についても適切に加熱する。従って、この接着方法は、被着物22からの放熱をより好適に抑制して、接着剤層24の硬化の遅れを抑制することができる。また、赤外線は、高分子を透過するなどの特性を有しているため、赤外線を吸収して発熱するために用いる吸収発熱部30について、材料の種類選択を多くすることが可能となる。
また、吸収発熱部30は、近赤外線を吸収して遠赤外線を放射する放射剤36を含有することが好ましい。吸収発熱部30は、電磁波Wとしての近赤外線を受けて遠赤外線を放射する。これにより、吸収発熱部30は、自身をより好適に加熱することで、接着剤層24の硬化の遅れを抑制することができる。
また、本実施形態に係る吸収発熱部30(吸収発熱部材)は、電磁波Wで接着剤層24を加熱して被着物22に接着物26を接着させる際に、被着物22上の接着剤層24を形成した領域(接着剤領域A)の周囲に配置される吸収発熱部材である。吸収発熱部30は、電磁波Wを吸収して発熱する固体状の部材であり、被着物22に対し着脱可能であることが好ましい。この吸収発熱部30は、接着剤領域Aの周囲に配置されることで、電磁波Wの照射時に電磁波Wを吸収して加熱される。従って、この吸収発熱部30を用いると、被着物22からの放熱をより好適に抑制して、接着剤層24の硬化の遅れを抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態においては、対象物積層装置10が中間部50をさらに被着物22上に積層する点で、第1実施形態とは異なる。第2実施形態において第1実施形態と構成が共通する箇所は、説明を省略する。
図10は、第2実施形態に係る対象物の構成を示す模式図である。図10に示すように、第2実施形態に係る対象物20Aは、被着物22、接着剤層24、接着物26及び吸収発熱部30に加えて、中間部50を有する。対象物積層装置10は、中間領域Cに中間部50を設ける。すなわち、第1実施形態においては中間領域Cに部材は設けられていなかったが、第2実施形態では、中間領域Cに中間部50を設ける。
中間部50は、断熱性を有する部材であり、吸収発熱部30から接着剤層24への伝熱を抑制する。中間部50は、内周が接着剤領域A上の接着剤層24と接触し、外周が吸収発熱部領域B上の吸収発熱部30と接触する。中間部50は、断熱性を有するため、例えば吸収発熱部30が接着剤層24より高温であっても、吸収発熱部30の熱が接着剤層24に伝わることを抑制する。従って、この中間部50は、接着剤層24の温度が高くなり過ぎることを抑制して、接着強度の低下を抑制することができる。
中間部50は、例えばエポキシ樹脂やウレタンフォームのようなフォーム材などであることが好ましいが、吸収発熱部30から接着剤層24への伝熱を抑制する部材であれば、その材質は任意である。また、中間部50は、所定の粘性を有するジェル状(液状)であってもよいし、固体状であってもよい。また、吸収発熱部30及び中間部50の両方が固体状である場合、吸収発熱部30及び中間部50は、一つの部品であってもよい。この場合、この部品は、内周側に中間部50の層を有し、この中間部50の外周側に、吸収発熱部30の層を有することとなる。そして、この部品は、中間部50の層の内側、すなわち接着剤領域Aに該当する箇所が、開口した形状となる。この場合、対象物積層装置10は、吸収発熱部領域Bに吸収発熱部30の層が重畳し、中間領域Cに中間部50の層が重畳し、中間部50の層の内側の開口が接着剤領域Aに重畳するように、この部品を被着物22上に配置する。
また、中間部50は、吸収発熱部30と接着剤層24との間に設けられる。従って、吸収発熱部30がジェル状である場合、中間部50は、吸収発熱部30と接着剤層24との接触を抑制するため、吸収発熱部30の接着剤層24への混入を抑制し、接着強度の低下を抑制することができる。この場合、中間部50は、必ずしも吸収発熱部30から接着剤層24への伝熱を抑制する部材でなくてもよい。また、この場合、中間部50は、固体状であることが好ましいが、中間部50の成分の接着剤層24への混入が抑制されるものであれば、ジェル状であってもよい。
以下、第2実施形態における接着物26の接着方法をフローチャートに基づき説明する。図11は、第2実施形態に係る接着物の接着方法を示すフローチャートである。図11に示すように、最初に、接着システム1は、対象物積層装置10により、被着物22上の接着剤領域Aに、接着剤層24を形成し(ステップS20)、接着剤層24上に接着物26を配置する(ステップS22)。このステップS20、S22は、第1実施形態(図9)のステップS10、S12と同じである。そして、接着システム1は、対象物積層装置10により、中間領域Cに中間部50を設け(ステップS24;中間部配置ステップ)、中間領域Cの周囲(吸収発熱部領域B)に吸収発熱部30を設ける(ステップS26)。これにより、対象物20の各部材の積層が完了する。このステップS26は、第1実施形態のステップS14と同じである。なお、吸収発熱部30と中間部50が一体の部材である場合、ステップS24、S26は同時に行われる。
対象物20の各部材の積層が完了した後、接着システム1は、電磁波照射装置12により、対象物20に電磁波Wを照射する(ステップS28)。ステップS28は、第1実施形態のステップS16と同じである。電磁波Wを照射した後、接着システム1は、吸収発熱部30及び中間部50を除去する(ステップS30)。これにより、本処理は終了する。
以上説明したように、第2実施形態に係る接着物26の接着方法は、中間部50を設ける中間部配置ステップを更に有する。この中間部50は、吸収発熱部30から接着剤層24への伝熱を抑制する部材であることが好ましい。この接着方法は、中間部50が、吸収発熱部30から接着剤層24への伝熱を抑制するため、接着剤層24の温度が高くなり過ぎることを抑制して、劣化による接着強度の低下を抑制することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
1 接着システム
10 対象物積層装置
12 電磁波照射装置
20 対象物
22 被着物
24 接着剤層
26 接着物
30 吸収発熱部(吸収発熱部材)
50 中間部
A 接着剤領域
B 吸収発熱部領域
C 中間領域

Claims (10)

  1. 電磁波で接着剤を加熱して被着物に接着物を接着させる接着方法であって、
    前記被着物上の領域である接着剤領域に、接着剤層を形成する接着剤層形成ステップと、
    前記接着剤層上に前記接着物を配置する接着物配置ステップと、
    前記被着物上の前記接着剤領域の周囲に、前記電磁波を吸収して発熱する吸収発熱部を設ける吸収発熱部配置ステップと、
    前記接着物及び前記吸収発熱部に対して前記電磁波を照射して、前記接着物を介して前記接着剤層を加熱し、前記吸収発熱部を加熱する電磁波照射ステップと、
    を有する接着物の接着方法。
  2. 前記吸収発熱部は、前記被着物よりも前記電磁波の吸収率が高い、請求項1に記載の接着物の接着方法。
  3. 前記吸収発熱部は、樹脂又はセラミックス材料の少なくとも一方を含有する、請求項2に記載の接着物の接着方法。
  4. 前記吸収発熱部配置ステップは、前記接着剤領域に対し、前記接着剤領域の外周に接する領域である中間領域を隔てて、前記吸収発熱部を設ける、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の接着物の接着方法。
  5. 前記中間領域に、前記吸収発熱部から前記接着剤層への伝熱を抑制する中間部を設ける中間部配置ステップを更に有する、請求項4に記載の接着物の接着方法。
  6. 前記吸収発熱部は、所定の粘性を有するジェル状の材料である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の接着物の接着方法。
  7. 前記吸収発熱部は、固体状の材料である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の接着物の接着方法。
  8. 前記電磁波照射ステップは、前記電磁波として近赤外線を照射する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の接着物の接着方法。
  9. 前記吸収発熱部は、前記近赤外線を吸収して遠赤外線を放射する放射剤を含有する、請求項8に記載の接着物の接着方法。
  10. 電磁波で接着剤を加熱して被着物に接着物を接着させる際に、前記被着物上の前記接着剤を設けた領域の周囲に配置される吸収発熱部材であって、前記電磁波を吸収して発熱する固体状の部材であり、前記被着物に対して着脱可能である、吸収発熱部材。
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