JP2018125219A - リチウムイオン二次電池用の電解液 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用の電解液 Download PDF

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浩 長瀬
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Abstract

【課題】高電位電池における容量維持率の向上【解決手段】ここで提案されるリチウムイオン二次電池用の電解液は、フッ素化カルボン酸エステルとフッ素化環状カーボネートとが混合された溶媒に、ヘキサフルオロリン酸リチウムとリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドとが混合されている。ここで、ヘキサフルオロリン酸リチウムに対するリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドのモル比は0.1以上1以下である。【選択図】 なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用の電解液に関する。
特開2012−094432号公報には、環状ホスファゼン化合物と、イオン液体、フッ素化溶媒およびリン酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種の難燃溶媒とを含む非水電解液に関する発明が開示されている。
特開2016−518680号公報には、リチウムイオン二次電池用の電解液の電解質塩としてLiPF、LiFSIなどが挙げられ、溶媒としてフッ素化カルボン酸エステル、フッ素化環状カーボネートなどが挙げられている。
国際公開第2011/021644号には、リチウムイオン二次電池のセパレータに関する発明が開示されている。ここで提案されるセパレータにフッ素化カーボネートを含有する電解液を組み合せることで、耐過充電性を大幅に改善できることが開示されている。ここで、フッ素化カーボネートとしては、環状カーボネート類および鎖状カーボネート類のいずれも用いることができるとされている。また、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートを混合した溶媒が用いられているが、電解質塩としてLiPFとLiFSIとを含有する電解液が実施例22として例示されている。
特開2015−195195号公報には、エチレンカーボネートと鎖状カーボネートの混合溶媒などに、LiPFおよびリチウムイミド塩を所定の割合で溶解させた非水電解質が開示されている。同公報には、リチウムイミド塩として、LiFSIが例示されている。
ここで、LiPFは、ヘキサフルオロリン酸リチウム(lithium hexafluorophosphate)である。LiFSIは、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(lithium bis(fluorosulfonyl)imide)である。
特開2012−094432号公報 特開2016−518680号公報 国際公開2011/021644号 特開2015−195195号公報
ところで、本発明者は、作動電位が4.3V(vsLi/Li)以上の正極活物質を有する正極を備えたリチウムイオン二次電池用の電解液として、フッ素化溶媒を用いることを検討している。本発明者の知見によれば、フッ素化溶媒は、粘度が高く、非フッ素化溶媒と比較して導電率が低い傾向がある。フッ素化溶媒として、フッ素化鎖状カーボネートとフッ素化環状カーボネートとを混合した溶媒を用いた場合に比べて、フッ素化エステルとフッ素化環状カーボネートとを混合した溶媒を用いた場合に、導電率が向上するが見出された。しかし、フッ素化エステルとフッ素化環状カーボネートとを混合した溶媒を用いた場合に、充放電サイクル中に負極にて還元分解反応が生じて容量維持率が低下する場合があった。
ここで提案されるリチウムイオン二次電池用の電解液は、フッ素化カルボン酸エステルとフッ素化環状カーボネートとが混合された溶媒に、ヘキサフルオロリン酸リチウムとリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドとが混合されている。ここで、ヘキサフルオロリン酸リチウムに対するリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドのモル比は0.1以上1以下である。この場合、電解液の導電率が高くなり、かつ、作成されるリチウムイオン二次電池において容量維持率が高く維持されうる。
以下、ここで提案されるリチウムイオン二次電池用の電解液の一実施形態を説明する。ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。本発明は、特に言及されない限りにおいて、ここで説明される実施形態に限定されない。
本発明者は、作動電位が4.3V(vsLi/Li)以上の正極活物質を有する正極を備えた非水電解液二次電池では、高電位電池に耐酸化性を得るため、種々のフッ素化溶媒を混合し、さらに、種々の電解質塩を混合して用いることを検討している。
かかる検討の中で、フッ素化溶媒として、耐酸化性と導電率を両立させるべく、フッ素化鎖状溶媒と、フッ素化環状溶媒とを混合して用いることを検討している。この中で、フッ素化鎖状溶媒として、フッ素化鎖状カーボネートあるいはフッ素化カルボン酸エステルを用いることを考えている。フッ素化環状溶媒として、フッ素化環状カーボネートを用いることを考えている。フッ素化鎖状カーボネートとフッ素化環状カーボネートを混合して用いた場合には、耐酸化性の点で高い効果が得られやすいが、導電率を向上させる効果が得られにくい。
このため、高誘電率溶媒としてのフッ素化環状カーボネートと、低粘度溶媒としてのフッ素化カルボン酸エステルとの混合溶媒を用いることを検討している。かかる混合溶媒を用いた場合、導電率が高くなる傾向があるが、容量維持率が高く維持されない傾向があった。フッ素化カルボン酸エステルが混合されていることによって、耐還元性が大きく低下する。この際、電池を組立てた後の最初の充電工程において、負極とフッ素化カルボン酸エステルとの副反応が増大する。そして、リチウムイオン二次電池の入出力特性が低下することや、サイクル耐久性が悪化することが生じる。フッ素化カルボン酸エステルが混合された混合溶媒が用いられた場合に、容量維持率が高く維持されない傾向について、本発明者はこのように推察している。
本発明者は、さらにかかる混合溶媒に混合するのに適した電解質塩を検討した。その中で、LiPFとLiFSIとを混合した電解質塩を用い、さらに、LiPFに対してLiFSIのモル比を0.1以上1以下の割合とした場合に、導電率が高く、かつ、容量維持率が高く維持されうることが特異的に見出された。フッ素化カルボン酸エステルとフッ素化環状カーボネートとが混合された混合溶媒に、LiPFとLiFSIとを混合した電解質塩を混合する。この条件で、さらにLiPFに対してLiFSIのモル比を0.1以上1以下の割合とした場合に、特異的に負極活物質の表面に良質の被膜が生成され、かかる被膜によって、負極の耐還元性が向上し、容量維持率が高く維持されると、本発明者は推察している。
ここで、4.3V(vsLi/Li)以上の作動電位を有する正極活物質には、例えば、スピネル構造を有するLiNi0.5Mn1.5が挙げられる。なお、4.3V(vsLi/Li)以上の作動電位を有する正極活物質は、上記に限定されない。リチウム複合金属酸化物のうち、4.3V(vsLi/Li)以上の作動電位を有するものが、正極活物質として採用されうる。
ここで、フッ素化カルボン酸エステルは、化学式(I)で示されたエステル構造(RCOOR)を含んでいる。Rは、水素、フッ素、炭素数が1から3までの非フッ素アルキル基、または、炭素数が1から3までのフッ素を含むアルキル基であるとよい。Rは、炭素数が1から3までの非フッ素アルキル基または炭素数が1から3までのフッ素を含むアルキル基であるとよい。さらに、RとRの少なくとも一方がフッ素またはフッ素を含むアルキル基であるとよい。
Figure 2018125219
フッ素化カルボン酸エステルには、メチルジフルオロアセタート(ここでは、適宜に「MDFA」という。)や、メチルテトラフルオロプロピオナート(ここでは、適宜に「MTFP」という。)や、エチル−2−フルオロプロピオナート(ここでは、適宜に「E2FP」という。)が挙げられる。
MDFAは、エステル構造(RCOOR)のうちRがCFHであり、RがCHである。
MTFPは、RがCHCFであり、RがCHである。
E2FPは、RがCHFCHであり、RがCHCHである。
フッ素化環状カーボネートは、化学式(II)で示された環状カーボネート構造を含んでいる。化学式(II)で示された環状カーボネート構造のR、R、R、Rの構造は、それぞれ独立した、水素、フッ素またはフッ素を含むアルキル基である。このうちR、R、R、Rの少なくとも1つは、フッ素またはフッ素を含むアルキル基である。
Figure 2018125219
フッ素化環状カーボネートには、トリフルオロプロピレンカーボネート(ここでは、適宜に「TFPC」という。)が例示される。
TFPCは、化学式(II)で示された環状カーボネート構造のRがCFであり、R、RおよびRがHである。なお、フッ素化環状カーボネートは、これに限らない。上述したように、化学式(II)で示された環状カーボネート構造のR、R、R、Rの構造には、種々の構造が選択されうる。フッ素化環状カーボネートとしては、他に、フルオロエチレンカーボネート(HFEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)などが用いられうる。
電解質としてLiPFとLiFSIとが用いられている。上述の通り、LiPFは、ヘキサフルオロリン酸リチウム(六フッ化リン酸リチウム)である。LiFSIは、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドである。
以下に、ここで提案されるリチウムイオン二次電池用の電解液が用いられた場合の導電率と容量維持率を説明する。ここでは、電解液を変え、その余の条件を同じにして評価電池を作製した。そして、作成された評価電池の性能を評価した。なお、ここで提案される電解液が用いられるリチウムイオン二次電池は、特に言及されない限りにおいて、ここで挙げる評価電池によって限定されない。ここで提案されるリチウムイオン二次電池用の電解液は、高電位で作動する種々のリチウムイオン二次電池について同様の傾向を示しうる。
評価電池の正極の作製には、正極活物質としてLiNi0.5Mn1.5(LNM)、導電助剤としてアセチレンブラック(AB)、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)をそれぞれ用いた。ここでは、正極活物質と導電助剤と結着剤とを、正極活物質(LNM):導電助剤(AB):結着剤(PVDF)=87:10:3の重量比にて、分散溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に混合し、混合スラリーを得た。得られた混合スラリーを正極集電箔としてのアルミ箔(15mm厚)の上に塗布し、乾燥させた。これにより、正極集電箔の上に正極活物質層が形成される。そして、形成された正極活物質層の密度が2.3g/cmになるまで、ロールプレスによって得られたシートをプレスし、正極シートを作製した。
負極の作製には、負極活物質として、平均粒子径10μm(D50)、平均表面積4.8m/g(D50)、格子定数C=0.67nm、結晶子径Lc=27nmの天然黒鉛系材料が用いた。また、結着剤としてのスチレンブタジエン共重合体(SBR)が用いられ、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)が用いられている。負極活物質と結着剤と増粘剤との重量比は、負極活物質:結着剤(SBR):増粘剤(CMC)=98:1:1として、分散溶媒としての水に混合し、混合スラリーを得た。得られた混合スラリーを負極集電箔としての銅箔(10mm厚)の上に塗布し、乾燥させた。これにより、負極集電箔の上に負極活物質層が形成される。そして、形成された負極活物質層の密度が1.2g/cmになるまで、ロールプレスによって得られたシートをプレスし、負極シートを作製した。
ここで、正極活物質層に単位面積当たりに含まれる正極活物質と、負極活物質層に単位面積当たりに含まれる負極活物質との重量比が2:1となるように、正極集電箔と負極集電箔に塗布する混合スラリーの量をそれぞれ調整した。
電解液には、耐酸化性を得るためフッ素化鎖状溶媒とフッ素化環状溶媒の混合溶媒を用いた。フッ素化鎖状溶媒として、フッ素化カルボン酸エステルとフッ素化鎖状カーボネートとを用意した。フッ素化環状溶媒としてフッ素化環状カーボネートを用意した。フッ素化鎖状カーボネートはフッ素化カルボン酸エステルに対する比較例として用意されている。
フッ素化カルボン酸エステルには、それぞれ上述したMDFA,MTEP,E2FPを用意した。フッ素化鎖状カーボネートには、上述したMTFECを用意した。フッ素化環状カーボネートには、上述したTFPCを用意した。フッ素化鎖状カーボネートには、メチルトリフルオロエチルカーボネート(ここでは、適宜に「MTFEC」という。)を用いた。MTFECは、化学式(III)で示された鎖状カーボネート構造のRがCHであり、RがCHCFである。
Figure 2018125219
ここで用意される電解液では、フッ素化環状溶媒とフッ素化鎖状溶媒との混合割合(体積比)を、30:70に調整した溶媒に対して、電解質としてのLi塩を1種または2種溶解させた。ここで、評価電池に電解質には、上述したLiPFとLiFSIとを用意した。さらに他のLi塩として、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(以下、「LiTFSI」という。)、過塩素酸リチウム(LiClO)、テトラフルオロほう酸リチウム(LiBF)を用意した。なお、ここでは、フッ素化環状溶媒とフッ素化鎖状溶媒との混合割合を30:70としているが、フッ素化環状溶媒とフッ素化鎖状溶媒との混合割合はこれに限定されない。例えば、フッ素化環状溶媒とフッ素化鎖状溶媒との混合割合において、フッ素化環状溶媒の混合割合は10以上50以下としてもよい。つまり、フッ素化環状溶媒とフッ素化鎖状溶媒との混合割合を10:90から50:50の範囲で適切に調整するとよい。
ここでは、混合溶媒および混合溶媒に混合する電解質を変えて種々の電解液を用意し、電解液が異なる評価電池を用意した。評価電池は、電解液が異なり、その余の条件を同じにして作製される。具体的には、上述のように作製された正極シートの正極活物質層と負極シートの負極活物質層を、セパレータを介して対向させて電極体を作製した。作製された電極体は、電解液とともに収容し、ラミネートで封止したラミネート型の評価電池を作製した。ここで用意されたサンプル1〜18の評価電池について、混合溶媒、混合溶媒に混合する電解質、電解質濃度、導電率、容量維持率は、表1に示された通りである。
Figure 2018125219
ここで導電率は、評価電池に用いられた各電解液に対し、導電率計を用いて25℃の温度環境下で、導電率を測定した。ここでは、導電率計としてメトラー・トレド株式会社製のセブンマルチS70を用いた。
評価電池に対してCCCV方式によって初回充電を行なった。具体的には、初回充電において1/5Cの電流値で4.9Vまで定電流で充電を行い、その後、4.9Vに維持しつつ電流値が1/50Cになるまで定電圧充電を行ない満充電とした。その後、1/5Cの電流値で3.5Vまで定電流で放電し、その時の放電容量を初期容量とした。初期容量の測定は25℃の温度環境で行なった。
また、各評価電池のサンプルについて、60℃の温度環境下で、3.5Vから4.9Vまで充電と放電を繰り返すサイクル試験を実施した。充電と放電はそれぞれ定電流方式とし、電流レートは2Cとした。かかる充電と放電を200サイクルした後で、上記の初期容量と同様の方法でCCCV充電によって4.9Vの満充電とし、その後、CCCV放電によって3.5Vまで放電し、サイクル後の容量を測定した。そして、各サンプルについて、得られたサイクル後の容量を初期容量で除することによって、表1の容量維持率を得た。
サンプル1では、鎖状溶媒としてMDFAが用いられ、環状溶媒としてTFPCが用いられている。そして、かかる溶媒に対して、LiPFが1mol/Lとなり、かつ、LiFSIが0.1mol/LとなるようにLi塩が溶解されている。この場合、導電率は8.4(mS/cm)であり、容量維持率は71%であった。
サンプル2は、LiFSIの溶解量が0.3mol/Lである点でサンプル1と異なる。導電率は8.1(mS/cm)であり、容量維持率は77%であった。
サンプル3は、LiFSIの溶解量が0.5mol/Lである点でサンプル1と異なる。導電率は8.0(mS/cm)であり、容量維持率は74%であった。
サンプル4は、LiFSIの溶解量が1.0mol/Lである点でサンプル1と異なる。導電率は7.5(mS/cm)であり、容量維持率は65%であった。
サンプル5は、鎖状溶媒としてE2FPが用いられている点で、サンプル3と異なる。導電率は6.5(mS/cm)であり、容量維持率は65%であった。
サンプル6は、鎖状溶媒としてMTFPが用いられている点で、サンプル3と異なる。導電率は5.1(mS/cm)であり、容量維持率は71%であった。
サンプル7では、溶媒に対してLiPFが1mol/Lとなるように溶解している。しかし、サンプル7は、LiFSIは溶解していない点で、サンプル1〜3と異なる。この場合、導電率は8.2(mS/cm)であったが、容量維持率は24%であった。
サンプル8は、溶媒に対してLiPFが1.5mol/Lとなるように溶解している点でサンプル7と異なる。また、トータル塩濃度という観点ではサンプル3,5,6と同じである。サンプル8の導電率は7.7(mS/cm)であったが、容量維持率は22%であった。
サンプル9は、溶媒に対してLiPFが2.0mol/Lとなるように溶解している点で、サンプル7およびサンプル8と異なる。また、トータル塩濃度という観点ではサンプル4と同じである。サンプル9の導電率は7.2(mS/cm)であったが、容量維持率は18%であった。
サンプル7〜9に示されているように、溶媒に対してLiPFが溶解しているが、LiFSIが溶解していない場合には、容量維持率は低くなる傾向がある。反対に、サンプル1〜4に示されているように、LiFSIが溶解している場合には、容量維持率が高くなる傾向がある。これについて本発明者は、負極に良質の耐還元性を有する混合被膜が形成されることに起因しているものと推察している。つまり、溶媒に対してLiPFが溶解しているだけでなく、フッ素化カルボン酸エステルを含む溶媒にLiFSIが溶解していることによって、負極に良質の耐還元性を有する混合被膜が形成されると推察している。
サンプル10では、溶媒に対してLiFSIが1mol/Lとなるように溶解している。しかし、サンプル10は、LiPFが溶解していない点でサンプル4と異なる。この場合、導電率は8.3(mS/cm)であったが、容量維持率は22%であった。サンプル10に示されているように、溶媒に対してLiFSIが溶解しているが、LiPFが溶解していない場合にも、容量維持率は低くなる傾向がある。
サンプル11では、LiPFが1mol/Lとなり、かつ、LiFSIが1.5mol/Lとなるように、Li塩が溶媒に対して溶解している。この場合、導電率は6.7(mS/cm)であり、容量維持率は41%であった。ここでは、特に容量維持率の点で向上が見られない。サンプル1から4などとの対比を基に、LiPFに対するLiFSIの添加量が多いことが要因と考えられる。
サンプル11で容量維持率の向上が見られない事象について、本発明者の推察では、サンプル1から4では、LiFSIを含有する非水系電解液において、オキサレート錯体が還元分解によって負極に生成される被膜中に、LiFSI由来の被膜が混在することで、より薄く、均一で良質な被膜になっていると考えられる。これに対して、LiFSIが過剰に加えられると、LiPFの正極集電体の保護効果よりも、LiFSIの持つアルミ腐食性が強くなる。このため、アルミ箔からなる正極集電体が劣化し、容量維持率が劣化すると考えられる。
サンプル12では、フッ素化鎖状溶媒として、フッ素化カルボン酸エステルに代えてフッ素化鎖状カーボネートであるMTFECが用いられている。この点で、サンプル7と異なる。つまり、サンプル12では、溶媒に対してLiPFが1mol/Lとなるように溶解している。しかし、LiFSIは溶解していない。この場合、導電率は3.1(mS/cm)であり、容量維持率は71%であった。
サンプル13では、サンプル12と同様に、フッ素化鎖状溶媒として、フッ素化カルボン酸エステルに代えてフッ素化鎖状カーボネートであるMTFECが用いられている。サンプル13では、かかる溶媒に対して、LiPFが1mol/Lとなり、かつ、LiFSIが0.5mol/LとなるようにLi塩が溶解されている。サンプル13は、溶媒の構成において、フッ素化カルボン酸エステルに代えてフッ素化鎖状カーボネートであるMTFECが用いられている点でサンプル3と異なる。また、溶媒に対してLiFSIが0.5mol/Lとなるように溶解されている点でサンプル12と異なる。サンプル13では、導電率は3.3(mS/cm)であり、容量維持率は61%であった。サンプル12およびサンプル13に示されているように、フッ素化鎖状溶媒として、フッ素化鎖状カーボネートであるMTFECが用いられている場合には、導電率が悪い傾向がある。
サンプル7とサンプル12との比較、および、サンプル3とサンプル13との比較、さらに、サンプル12とサンプル13との比較から、LiFSIとフッ素化カルボン酸エステルとが同時に使用された際の特異的な現象として、導電率および容量維持率が向上するものと考えられる。
サンプル14は、フッ素化環状カーボネートとして、LiFSIに代えてLiTFSIが用いられている点で、サンプル3と異なる。この場合、導電率は7.6(mS/cm)であり、容量維持率は21%であった。
サンプル15は、フッ素化環状カーボネートとして、LiFSIに代えてLiClOが用いられている点で、サンプル3と異なる。この場合、導電率は7.6(mS/cm)であり、容量維持率は12%であった。
サンプル16は、フッ素化環状カーボネートとして、LiFSIに代えてLiBFが用いられている点で、サンプル3と異なる。この場合、導電率は7.8(mS/cm)であり、容量維持率は18%であった。
サンプル14〜16に示されているように、LiFSIに代えてLiTFSI、LiClO、LiBFなどが用いられている場合、容量維持率を向上させる効果が見られない。反対に、サンプル1から4で見られるように、容量維持率を向上させる効果は、溶媒にLiFSIが溶解している場合の特異な効果であると考えられる。
サンプル17は、溶媒の構成がサンプル5と同じであるが、LiFSIは溶解していない点で、サンプル5と異なる。この場合、導電率は7.2(mS/cm)であったが、容量維持率は7%であった。溶媒にLiFSIが溶解しているサンプル5と比べて、容量維持率を向上させる効果が見られない。
サンプル18は、溶媒の構成がサンプル6と同じであるが、LiFSIは溶解していない点で、サンプル6と異なる。この場合、導電率は6.3(mS/cm)であったが、容量維持率は27%であった。この場合も、溶媒にLiFSIが溶解しているサンプル6と比べて、容量維持率を向上させる効果が見られない。つまり、サンプル5,6と、サンプル17,18との比較から、フッ素化カルボン酸エステルに、E2FPやMTFPが使われている場合でも、溶媒にLiFSIが溶解している場合には、容量維持率の向上が見られる。
このようにフッ素化カルボン酸エステルとフッ素化環状カーボネートとが混合された溶媒に、LiPFとLiFSIとが混合された電解質塩を含んでいるとよい。そして、電解質塩において、LiPFに対するLiFSIのモル比は0.1以上1以下であるとよい。これにより、高電位で作動するリチウムイオン二次電池において導電率および容量維持率が向上する(例えば、サンプル1から6)。
さらに、フッ素化カルボン酸エステルとしてMDFAが用いられており、LiPFに対するLiFSIのモル比は0.1以上0.5以下である場合には、導電率および容量維持率がより高いレベルで向上する(例えば、サンプル1から3)。
以上、ここで提案されるリチウムイオン二次電池用の電解液について、種々説明した。特に言及されない限りにおいて、ここで挙げられたリチウムイオン二次電池用の電解液の実施形態および実施例としての各サンプルなどは、本発明を限定しない。

Claims (1)

  1. フッ素化カルボン酸エステルとフッ素化環状カーボネートとが混合された溶媒に、
    ヘキサフルオロリン酸リチウムとリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドとが混合されており、
    前記ヘキサフルオロリン酸リチウムに対する前記リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドのモル比は0.1以上1以下である、リチウムイオン二次電池用の電解液。
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WO2020202845A1 (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 パナソニックIpマネジメント株式会社 非水電解質二次電池
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