JP2018125076A - 異方導電性シートおよび異方導電性シートの製造方法、ならびに異方導電性シートを用いた電気的接続方法 - Google Patents

異方導電性シートおよび異方導電性シートの製造方法、ならびに異方導電性シートを用いた電気的接続方法 Download PDF

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【課題】繰り返し使用による耐久性を向上させ、電気的な接続の際における手間やコストを抑えることのできる異方導電性シートおよび異方導電性シートの製造方法、ならびに異方導電性シートを用いた電気的接続方法を提供すること。【解決手段】厚み方向に加圧することで、厚み方向に導電性を発現する異方導電性シートであって、弾性高分子物質中に導電性物質が含有され、厚み方向への加圧により厚み方向に導電路が形成されるシート状の異方導電層と、前記異方導電層の少なくとも一方側面に形成され、弾性高分子物質中に導電性物質が含有され、前記異方導電層の導電路と導通されるシート状の導電層と、を少なくとも有する。【選択図】図1

Description

本発明は異方導電性シートおよび異方導電性シートの製造方法、ならびに異方導電性シートを用いた電気的接続方法に関する。さらに詳しくは、繰返し耐久性に優れ、面状スイッチあるいは感圧デバイスに好適な異方導電性シートおよび異方導電性シートの製造方法、ならびに異方導電性シートを用いた簡易な電気的接続方法に関する。
異方導電性シートは、厚み方向にのみ導電性を示すもの、または厚み方向に荷重がかかったときに厚み方向にのみ導電性を示すものである。異方導電性シートは、ハンダ付または機械的嵌合などの手段を用いることなく、コンパクトに電気的接続を行うことが可能であること、および物理的な衝撃やひずみを吸収してソフトに電気的接続を行うことが可能であることなどの利点を有する。
従来より、このような異方導電性シートとしては、高分子物質中に導電性物質を均一に配合した組成物を成形して得られる異方導電性シートや、配合された導電性物質が厚さ方向に配向した状態で成形された異方導電性シートが広く知られており、接点として一般的に用いられている。
使用例としては、パソコン,ビデオカメラ,電子カメラ,携帯電話などの電子機器の分野において、複数の電子部材の間にこの異方導電性シートを介在させることにより、各部材間を電気的に接続する用途などに用いられている。
さらに、弾性高分子物質を用いた異方導電性シートは柔軟で軽いため、「曲がる」,「伸縮する」,「巻ける」,「折り畳める」といった機能を有し、実装上の自由度も高いため、義手や義足用の人工皮膚やロボット用の感圧デバイスなど、単なる接点ではなく、センサーのような機能部品としての適用も期待されている。
例えば特許文献1には、異方導電性シートを用いた圧力センサーが開示されている。この特許文献1では、大面積圧力センサーの加圧導電部材(伸縮性導体)として、無配向の導電ゴムシートが使用されている。
しかしながら、このように無配向の導電ゴムシートを使用した場合、等方的導電性を完全に排除することは困難であり、隣接する電極間のピッチが小さくなるとリーク電流が発生して圧力センサーとして誤作動することがある。このため、高分解能が求められるような用途には、無配向の導電ゴムシートの適用は困難であった。
このような導電ゴムシートの分解能を改善する方法として、特許文献2〜4には導電性物質を磁場配向させる方法が開示されている。
さらに特許文献5には、導電性物質を磁場配向させて得られる、分解能の優れた異方導電性シートにおいて、異方導電層の少なくとも一方の表面に、異方導電層と一体化するように金属箔から成る導電層が形成された異方導電性シートが開示されている。
特開2006−090983号公報 特開2009−259415号公報 特開2009−245745号公報 特開2007−225534号公報 特開2013−195331号公報
しかしながら、特許文献5に開示された異方導電性シートは、異方導電層の材質である高分子物質と、導電層の材質である金属箔とが、互いに異種の材質であるため、それぞれ弾性率や膨張率などの機械的特性が大きく異なり、例えば、繰返し伸縮による変形に対する追従性の差により、金属箔にクラックが発生しやすい。また、密着性にも限界があるので、金属箔に剥離が発生しやすいなど耐久性に問題がある。
さらに金属箔から成る導電層は、電源ケーブルや信号ケーブルと電気的に接続させる際、機械的嵌合あるいは半田や導電ペーストなどで接続がなされるため、接続用冶具もしくは接続用部材が必要であり、手間やコストを要する。
本発明はこのような実情に鑑み、繰り返し使用による耐久性を向上させ、電気的な接続の際における手間やコストを抑えることのできる異方導電性シートおよび異方導電性シートの製造方法、ならびに異方導電性シートを用いた電気的接続方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、異方導電性シートにおいて、異方導電層と、この異方導電層と結ぶ導電層の両層を、導電性物質を含有する高分子物質により形成することで、上記した課題を解決することができることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明の異方導電性シートは、
厚み方向に加圧することで、厚み方向に導電性を発現する異方導電性シートであって、
弾性高分子物質中に導電性物質が含有され、厚み方向への加圧により厚み方向に導電路が形成されるシート状の異方導電層と、
前記異方導電層の少なくとも一方側面に形成され、弾性高分子物質中に導電性物質が含有され、前記異方導電層の導電路と導通されるシート状の導電層と、
を少なくとも有することを特徴とする。
このように異方導電層と導電層の両層を、導電性物質を含有する高分子物質で形成すれば、両層が同じ材質であるため、それぞれ弾性率や膨張率などの機械的特性が同等であり、繰返し伸縮による変形に対する追従性も良く、両層間での密着性が良好であり、耐久性に優れる。
また、本発明の異方導電性シートは、
前記異方導電層における弾性高分子物質中の導電性物質の含有量が、体積分率で3〜45%の範囲内であることを特徴とする。
このような範囲内であれば、異方導電層において、確実に厚み方向への加圧が有った際のみに、厚み方向に導電路が形成されるようにすることができる。
また、本発明の異方導電性シートは、
前記導電層における弾性高分子物質中の導電性物質の含有量が、体積分率で50〜85%の範囲内であることを特徴とする。
このような範囲内であれば、導電層において、常に厚み方向のみならず水平方向にも導通可能な等方導電性状態とすることができる。
また、本発明の異方導電性シートは、
前記異方導電層および前記導電層に含有される弾性高分子物質が、
シリコーンゴムであることを特徴とする。
このようにシリコーンゴムであれば、耐熱性や耐久性に優れ、また加熱して固化するだけでシート状に成形することができるため、製造コストを抑えることができ、異方導電性シートの材質として好適である。
また、本発明の異方導電性シートを用いた電気的接続方法は、
上記のいずれかに記載の異方導電性シートの導電層上に、突起が配設された導通体を、前記突起側が前記導通層に対向するように重ね、積層体を形成する工程と、
前記積層体を厚さ方向に加圧し、前記導通体の突起を導電層と接触させることで前記導電層と導通体とを電気的に接続する工程と、
を少なくとも有することを特徴とする。
このような電気的接続方法であれば、導電層に直接的に導通体を接触させるだけで、導電層と導通体との電気的な接続を可能とすることができる。
したがって、従来において電源ケーブルや信号ケーブルと接続する際に用いていた接続用冶具もしくは接続用部材などが不要であり、製造コストを抑えることができる。
また、本発明の異方導電性シートを用いた電気的接続方法は、
前記導電層と導通体とを電気的に接続する工程において、
前記導通体の突起を導電層内に刺し入れることを特徴とする。
特に導通体の突起を導電層内に刺し入れるようにすれば、導電層と導通体との間を強固に接続することができ、また接続状態を確実に維持させることができる。
また、本発明の異方導電性シートの製造方法は、
厚み方向に加圧することで、厚み方向に導電性を発現する異方導電性シートの製造方法であって、
導電性物質が含有された弾性高分子物質をシート状に塗布して前硬化させ、異方導電層を形成する工程と、
前記異方導電層の表面に、導電性物質が含有された弾性高分子物質をシート状に塗布して加熱硬化させ、導電層を形成する工程と、
を少なくとも有することを特徴とする。
さらに、本発明の異方導電性シートの製造方法は、
厚み方向に加圧することで、厚み方向に導電性を発現する異方導電性シートの製造方法であって、
導電性物質が含有された弾性高分子物質をシート状に塗布して前硬化させ、導電層を形成する工程と、
前記導電層の表面に、導電性物質が含有された弾性高分子物質をシート状に塗布して加熱硬化させ、異方導電層を形成する工程と、
を少なくとも有することを特徴とする。
このような製造方法であれば、非常に簡易的に異方導電性シートを製造することができ、製造コストを抑えることができる。なお、異方導電層を形成してから導電層を形成するか、その逆に導電層を形成してから異方導電層を形成するか、その順序は特に限定されるものではなく、どちらでも構わないものである。
また、本発明の異方導電性シートの製造方法は、
前記異方導電層における弾性高分子物質中の導電性物質の含有量が、体積分率で3〜45%の範囲内であることを特徴とする。
このような範囲内であれば、異方導電層において、確実に厚み方向への加圧が有った際のみに、厚み方向に導電路が形成されるようにすることができる。
また、本発明の異方導電性シートの製造方法は、
前記導電層における弾性高分子物質中の導電性物質の含有量が、体積分率で50〜85%の範囲内であることを特徴とする。
このような範囲内であれば、導電層において、常に厚み方向のみならず水平方向にも導通可能な等方導電性状態とすることができる。
また、本発明の異方導電性シートの製造方法は、
異方導電層を形成する工程において、
前記前硬化の際に、シート状に塗布された導電性物質が含有された弾性高分子物質の厚み方向に磁場を印加することを特徴とする。
さらに、本発明の異方導電性シートの製造方法は、
異方導電層を形成する工程において、
前記加熱硬化の際に、シート状に塗布された導電性物質が含有された弾性高分子物質の厚み方向に磁場を印加することを特徴とする。
このように厚み方向に磁場が印加されれば、弾性高分子物質中の導電性物質が、磁場配向により厚み方向に配向するため、荷重時の電気抵抗の低減や隣接導電路間のショートを防止することができる。
また、本発明の異方導電性シートの製造方法は、
磁場を印加する際に、シート状に塗布された導電性物質が含有された弾性高分子物質の上下に平行磁極を設け、平行磁場を印加することを特徴とする。
このように平行磁場を印加すれば、導電路が水平方向にランダムに分布した異方導電性シート(分散型異方導電性シート)を得ることができる。
また、本発明の異方導電性シートの製造方法は、
磁場を印加する際に、シート状に塗布された導電性物質が含有された弾性高分子物質の上下に相対する特定の位置に磁極を設け、特定の位置に磁場を印加することを特徴とする。
このように特定の位置に磁場を印加すれば、磁極に対応した位置に導電路が形成された異方導電性シート(偏在型異方導電性シート)を得ることができる。
本発明によれば、異方導電性シートにおいて、異方導電層と、この異方導電層と結ぶ導電層との両層を、導電性物質が含有された高分子物質で形成することで、繰り返し使用による耐久性を向上させ、電気的な接続の際における手間やコストを抑えることのできる異方導電性シートおよび異方導電性シートの製造方法、ならびに異方導電性シートを用いた電気的接続方法を提供することができる。
図1は、本発明の異方導電性シートの実施形態を示した斜視図である。 図2は、図1に示した異方導電性シートの断面図である。 図3は、本発明の異方導電性シートの他の実施形態を示した断面図である。 図4は、本発明の異方導電性シートの他の実施形態を示した断面図である。 図5は、本発明の異方導電性シートの他の実施形態を示した斜視図である。 図6は、図5に示した異方導電性シートの断面図である。 図7は、本発明の異方導電性シートの製造工程を示した工程図である。 図8は、本発明の異方導電性シートと導通体の電気的接続状態を示した概略図である。 図9は、本発明の異方導電性シートの製造時に用いられるスペーサーの形状を示した説明図である。 図10は、異方導電性シートの導通検査用の電極基板を示した説明図である。 図11は、異方導電性シートの導通検査用のケーブルを示した説明図である。 図12は、異方導電性シートの導通検査用のケーブルの接続位置を示した説明図である。 図13は、異方導電性シートの導通検査用のケーブルの接続位置を示した説明図である。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の異方導電性シートは、繰返し耐久性に優れ、面状スイッチあるいは感圧デバイスに好適に用いることができるものである。
<異方導電性シート10>
本発明の異方導電性シート10は、厚み方向に加圧することで、厚み方向に導電性を発現するものである。その構造としては、図1および図2に示したように、弾性高分子物質14中に導電性物質16が含有され、厚み方向への加圧により厚み方向に導電路18が形成されるシート状の異方導電層12と、この異方導電層12の少なくとも一方側面(図1では下方側面)に形成され、弾性高分子物質24中に導電性物質26が含有され、異方導電層12の導電路18と導通されるシート状の導電層22と、を有している。
本発明の異方導電性シート10においては、異方導電層12と導電層22を形成する素材として、導電性物質16,26を含有する弾性高分子物質14,24を使用しており、異方導電層12と導電層22の両層が、同様な材質からなる点において、特に特徴的な構成となっている。
このような異方導電層12と導電層22は、異方導電層12と導電層22の、弾性率や膨張率などの機械的特性の差が小さく、両層間の密着性を向上さることができるため、得られる異方導電性シート10の耐久性を向上させることができる。
また本発明においては、異方導電層12を形成する弾性高分子物質14と、導電層22を形成する弾性高分子物質24とは、同種の材質を選択することが好ましい。
同種の材質を使用することで、異種の材質を使用した場合に比べ、導電性物質16によって形成された導電路18と、導電層22との密着性がより向上する。さらに弾性率や膨張率などの機械的特性の差を極力小さくすることができ、得られる異方導電性シート10の耐久性を大幅に向上することができる。
なお本発明の異方導電性シート10においては、図3に示したように、導電層22がさらに弾性高分子物質30から成る保護層32で被覆されていてもよい。このような保護層32を有することで、水分や汚れによる導電層22の劣化を抑制することができ、得られる異方導電性シート10の各種耐久性を向上させることができる。
<<弾性高分子物質>>
ここで、本発明の異方導電性シート10に用いられる弾性高分子物質14,24,30としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限されるものではなく、例えば、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、天然ゴムなど公知のものを挙げることができる。
これらの中で、常温で液状であり、加熱により硬化して固形ゴムとなる熱硬化型シリコーンゴムや熱硬化性ウレタンゴムは、異方導電性シート10の製造時における温度下で、良好な流動性を有し、加熱するだけで固化してシート状とすることができるため、異方導電性シート10の製造工程が簡略化でき好適である。
さらに、熱硬化型シリコーンゴムは、得られる異方導電性シート10が耐熱性に優れ、また、導電路18や導電層22あるいは保護層32の劣化を抑制し、耐久性にも優れるのでさらに好適である。
<<導電性物質>>
また本発明の異方導電性シート10において使用される導電性物質16,26としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限されるものではないが、例えば、単体もしくは2種以上混合された金属粒子あるいは金属フィラー、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンフィラー、無機あるいは有機材質を導電性物質で被覆してなる被覆粒子あるいは被覆フィラー、またこれら導電性物質16,26を複数種混合したものなどを挙げることができる。
これらの導電性物質16,26の中で、異方導電性シート10の製造時に、磁場を印加することでシートの厚み方向に配向させることができ、強磁性を示す導電性物質16,26が好ましい。
また、配向した導電性物質16,26同士が、互いに接触して導電性を発現する際、粒子形状の方が、安定的に接触するので好ましい。なお粒子の形状は特に限定されるものではなく、球状、塊状、フレーク状、棒状などが使用できる。
係る強磁性を示す粒子形状の導電性物質16,26(以下、「強磁性導電性粒子」とも称する。)は、粒子全体が導電性物質16,26や強磁性物質で形成されている必要はなく、少なくとも粒子表面が導電性物質16,26で形成されていればよい。
粒子表面を導電性物質16,26で被覆する手段としては、特に限定されるものではなく、電気メッキ、無電解メッキ、スパッタ、蒸着などが挙げられる。
このような強磁性導電性粒子としては、たとえば下記の1),2)が挙げられる。
1)ニッケル、鉄、コバルトなどの強磁性物質もしくはこれらを含む強磁性の合金であって導電性を有する物質の粒子。
2)強磁性物質を含む無機または有機材質の粒子(芯粒子)の表面の少なくとも一部を導電性物質で被覆した粒子。
上記2)で用いられる導電性物質としては、例えば、金、銀、銅、白金、錫、パラジウム、ロジウムなど強磁性を示さない金属、もしくはこれらの合金の他、上記1)で用いられる導電性を有する強磁性物質も用いることができる。
これらのうち、上記1)に示した粒子の表面を、電気抵抗の低い導電性物質で被覆した強磁性導電性粒子を用いると、磁場配向しやすいので、異方導電性シート10の製造が容易であり、かつ導電路18の電気抵抗を低く抑えることができ、適用できる用途が広がり好ましい。
さらに、上記1)に示した粒子の表面を金で被覆した強磁性導電性粒子を用いると、異方導電性シート10中の強磁性導電性粒子の酸化劣化などが抑制され、耐久性が向上するので好ましい。
また、ニッケル、鉄またはこれらの合金を芯粒子として用い、金で被覆した粒子は、製造コストと導電路18の特性および耐久性のバランスの面で優位である。
金の被覆量は、被覆される粒子の材質や比重によって異なるが、例えば、ニッケル、鉄またはこれらの合金が芯粒子である上記2)に示した粒子の場合、芯粒子の重量に対して金の被覆量は1〜50重量%、好ましくは1.5〜35重量%、より好ましくは2〜25重量%である。
金の被覆量が1重量%未満の場合、被覆欠陥が生じて得られる異方導電性シート10の導通性能が低下することがある。対して、芯粒子の重量に対して金の被覆量が50重量%以上の場合には、コスト的に不利となる。
強磁性導電性粒子の大きさとしては、適用する用途やサイズに応じて適宜選択されるが、レーザー回折・散乱法により測定されるメジアン径(d50)が、通常5〜100μm、好ましくは8〜70μm、さらに好ましくは10〜50μmである。
メジアン径(d50)がこのような範囲であれば、得られる異方導電性シート10は電気的安定性に優れたものとなる。
本発明においては、図4に示したように、導電性物質16を弾性高分子物質14中に磁場配向する際、シート状にされた、導電性物質16を含有した弾性高分子物質14(以下、第1組成物とも称する。)の上下に平面磁極を設け、平行磁場を印加すると、導電路18が水平方向にランダムに分布した異方導電性シート10(以下、「分散型異方導電性シート」という。)が得られる。
一方、図1または図2に示したように、シート状にされた第1組成物の上下相対する特定の位置に磁極を設け、磁場を印加すると、今度は磁極に対応した位置に導電路18が形成された異方導電性シート10(以下、「偏在型異方導電性シート」という。)が得られる。
分散型異方導電性シートの場合には、対応する電極基板の接点位置に拘わらず平板状の磁極金型のみで製造することができ、また電極基板をセットする際に電極基板の電極との位置合わせが不要であるため、コスト的に有利ある。
しかしながら分散型異方導電性シートは、電極間ピッチが小さくなったり、シート厚が厚くなったりすると、隣接する電極間でショートが発生したり、電極基板の電極面積や荷重点が小さくなると、シートの厚み方向に加圧しても、導通しなくなるなどの問題が生じることがある。
一方、偏在型異方導電性シートの場合には、上記した分散型異方導電性シートでの問題が生じ難くなる他、導電路18の導電性物質16の密度が高く電流パスが増えるので、分散型異方導電性シートの場合よりも、高電流を流すことができる。
しかしながら偏在型異方導電性シートは、対応する電極基板の接点位置に応じた磁極を備えた金型が必要となる他、電極基板の電極と導電路18との位置合わせが必須となり、製造や組立に手間やコストがかかる場合がある。
このため、上記した分散型異方導電性シートと偏在型異方導電性シートの特徴と、適用する用途に求められる性能や特性とを鑑み、分散型異方導電性シートまたは偏在型異方導電性シートを適宜選択することが好ましい。
本発明における異方導電層12と導電層22とは、導電性物質16,26の含有量によって区別することができる。
係る含有量は、使用する導電性物質16,26の形状やサイズなどに依存するため、一概に決定することはできないが、異方導電層12では、シート形成後、荷重をかけることによって初めて弾性高分子物質14中に分散された導電性物質16が相互に接触して厚み方向に導通する含有量である。
対して導電層22では、荷重無しでも導電性物質26が相互に接触して厚み方向のみならず水平方向にも導通する含有量であることが求められる。
例えば、導電性物質16,26の形状が粒子であり、メジアン径(d50)が10〜50μmの場合、導電性物質16,26の含有量は、体積分率で、異方導電層12の場合には、通常3〜45%、好ましくは5〜30%、より好ましくは7〜25%である。
含有量がこのような範囲以下である場合、異方導電性シート10を厚み方向に加圧しても、電気抵抗が十分に低下せず、スイッチ機能やセンサー機能といった所望の電気特性を得られないことがある。
一方、含有量がこのような範囲以上の場合、加圧しなくとも導通してしまい、スイッチ機能やセンサー機能といった所望の特性を得られないことがある他、水平方向への導通が発生してしまい、複数の導電路18間でショートし、異方導電性シート10としての機能を失することがある。
また、導電層22の場合、例えば、上記した異方導電層12と同様、メジアン径(d50)が8〜50μmの粒子を使用するのであれば、導電性物質26の含有量は体積分率で、通常50〜85%、好ましくは55〜80%、より好ましくは55〜75%である。
含有量がこのような範囲以下である場合、導電層22に厚さ方向の荷重が加えられないと、導電性物質26が相互に接触できず、全方向での導通が確保できない場合がある。
一方、含有量がこのような範囲以上の場合、得られる導電層22に含有される弾性高分子物質24の量が減るため、導電層22の弾性率が高くなり、柔軟性や感圧感度が低下してスイッチ機能やセンサー機能といった所望の特性が得られなくなることがある。
さらに、弾性高分子物質24に求められている機能の一つである、導電性物質26に対するバインダーとしての機能が十分に発揮できず、異方導電性シート10の耐久性に問題が生じることがある。
なお異方導電層12と導電層22とで、使用する導電性物質の種類、形状、大きさなどは目的に応じて最適なものを選択すれば良く、同一のものを使用しても良く、また異なるものを使用しても良い。
上記した異方導電性シート10では、異方導電層12の下方面にのみ導電層22を有しているが、これに限らず、図5および図6に示したように、異方導電層12の上方面および下方面のいずれにも導電層22,22を設けるようにしても良いものである。
この場合には、例えば異方導電層12の上方面に設けられた導電層22を、縦方向に並べて設け、下方面に設けられた導電層22を、横方向に並べて設けるなどすることが好ましい。
さらには、異方導電層12の上方面に設けられた導電層22および下方面に設けられた導電層22を、縦方向および横方向を混在させて並べても良いなど、適宜配設の仕方を選択することが好ましい。
次いで、本発明の異方導電性シート10の製造方法について説明する。
<異方導電性シート10の製造方法>
本発明の異方導電性シート10の製造方法は、図7(a)に示したように、まず弾性高分子物質14中に導電性物質16を含有させた第1組成物を用意し、これをシート状に塗工して前硬化させる。
さらに、図7(b)に示したように、この前硬化した第1組成物の表面に、弾性高分子物質24中に導電性物質26が含有された第2組成物を塗工し、再度加熱硬化する。
これを上下反転させることにより、図1に示したような異方導電性シート10が得られる。
このような製造方法を採用することで、第1組成物により形成される異方導電層12と組第2組成物で形成される導電層22との密着性が確保され、得られる異方導電性シート10の耐久性を大幅に向上させることができる。
通常の熱硬化型シリコーンゴムは、熱により架橋が進行して主成分である低分子量のシロキサンの分子量が増大し、流動性のある「液状」から徐々に流動性が低下して「固体状」に変化する。このことを一般には硬化と称する。
しかしながら、硬化が完了するまでは「固体状」ではあっても、弾性率などの機械的特性が硬化後に比べて低く、また、その表面にべたつき、いわゆるタックが残る。
本発明の製造方法における「前硬化」とは、第1組成物もしくは第2組成物を加熱して架橋を一部進行させ、流動性のない「固体状」ではあるがシロキサンの高分子量化が不十分で表面にタックが残り、機械的特性も硬化時に比べて低い状態にすることを意味する。係る状態は、加熱温度および加熱時間を適宜選択することにより達成することができる。
前硬化の温度条件としては、組成物に使用するシリコーンゴムの種類や配合する導電性物質の種類や量、添加剤の種類や量などに依存し一概に決定できないが、通常40〜150℃、好ましくは60〜120℃、さらに好ましくは80〜100℃である。
また、加熱時間も、組成物に使用するシリコーンゴムの種類や配合する導電性物質の種類や量、添加剤の種類や量など、さらには加熱温度に依存し一概に決定できないが、例えば、加熱温度が80〜100℃である場合、通常10分〜3時間、好ましくは15分〜2時間、さらに好ましくは20分〜1.5時間である。
加熱温度や加熱時間が不足すると、架橋が十分に進行せず、表面に流動性が残ったり表面のタックが大きくなるため、もう一方の組成物の塗工が困難となったり、2つの組成物の界面が乱れて、得られる異方導電性シート10の電気特性に問題が生じることがある。
一方、加熱温度や加熱時間が過剰であると、架橋が進行しすぎて低分子量のシロキサンの濃度が低下し、後から塗工する組成物に含まれる低分子量のシロキサンと界面で相互に架橋することが困難となるため、2つの組成物の密着性が低下して、得られる異方導電性シート10の耐久性に問題が生じることがある。
前硬化した組成物の上にもう一方の組成物を塗工して硬化させる際の条件は、組成物に使用するシリコーンゴムの種類や配合する導電性物質の種類や量、添加剤の種類や量などに依存し一概に決定できないが、通常80〜250℃、好ましくは100〜230℃、さらに好ましくは120〜200℃である。
また、加熱時間も、組成物に使用するシリコーンゴムの種類や配合する導電性物質の種類や量、添加剤の種類や量など、さらには加熱温度に依存し一概に決定できないが、例えば、加熱温度が120〜200℃である場合、通常30分〜12時間、好ましくは45分〜10時間、さらに好ましくは1〜8時間である。
通常、電気的特性に悪影響を及ぼす可能性がある低分子量のシロキサンの含有量を低減するために、前硬化の際よりも加熱温度を高く設定する、あるいは加熱時間を長く設定する、もしくは加熱温度を高くかつ加熱時間を長く設定する。
なお、前硬化を複数回実施した後に、さらに組成物を塗工して硬化することで、異方導電性シート10の両面(上面と下面)に導電層22,22を設けることができる。
前硬化の順番は特に限定されることはなく、例えば第2組成物をシート状に塗布し、これを前硬化しておき、この上に、今度は第1組成物をシート状に塗布して再度加熱硬化させても良いものである。
さらに、図5および図6に示したような異方導電層12の上面と下面の両面に導電層22を設ける場合にも、第2組成物の前硬化物に第1組成物を塗工して再度前硬化し、しかる後、第2組成物を塗工して硬化してもよく、その逆でもよいものである。
また、同様に前硬化を複数回実施した後に、シリコーンゴムを塗工して硬化させることで、導電層22にシリコーンゴムによる被覆を実施、すなわち弾性高分子物質30による保護層32を形成することもできる。
本発明の製造方法においては、上記したように強磁性導電性粒子を導電性物質16として用いる場合、液状の第1組成物を前硬化もしくは硬化する際、すなわち異方導電層12となる第1組成物に対して、厚み方向に磁場を印加することが好ましい。
このように、前硬化処理中や硬化処理中の第1組成物の厚み方向に磁場を印加することで、組成物中の強磁性導電性粒子(導電性物質16)が、磁場配向により厚み方向に配向するため、荷重時の電気抵抗の低減や隣接導電路間のショートの防止が図れる。
なお、本発明の効果を妨げない限り、液状の第2組成物についても、前硬化もしくは硬化する際に、厚み方向に磁場を印加してもかまわないものである。
次いで、このような異方導電性シート10を用いた電気的接続方法について説明する。
<異方導電性シート10を用いた電気的接続方法>
本発明の異方導電性シート10では、図8に示したように、導電層22が導電性物質26を含有する弾性高分子物質24により構成されているため、導電層22にピンのような鋭利な突起40を刺すことが可能である。
例えば、尖った突起40が複数配設された板状の導通体42の突起40部分を、異方導電層12の上面と下面の導電層22,22にそれぞれ圧着すれば、突起40が、導電層22,22に食い込んで電気的接続がなされる。したがって、突起40が設けられた導通体42をケーブル44の端部に有する電源ケーブル46や信号ケーブルを用いれば、電源や機器との電気的な接続を簡略化して行うことができる。
なお、突起40が設けられた導通体42は、ケーブル44の端部だけでなく、ケーブル44の途中やケーブル44の枝分かれした部分に複数個所設けられていても良く、その場合には、複数の異方導電性シート10の電気的接続を大幅に簡略化して行うことができる。
また、電源ケーブル46の突起40や導通体42の形状、さらには突起40や導通体42の配置の仕方は、図11に示したものに限定されるものではなく、例えば、熊手のような形状・配置の仕方であっても良いものである。
さらに、上記したような導電層22,22に保護層32を有する場合には、従来では導電層が金属箔(膜)であると、半田付けなどのために保護層の一部を剥離する必要があったが、本発明の異方導電性シート10では、保護層32の上から電源ケーブル46や信号ケーブルの突起40部分を圧着するだけで、突起40が保護層32を貫通して導電層22,22に食い込み、電気的接続を行うことができる。
したがって、従来のように保護層32を剥離する必要がなく、電源や機器との接続を大幅に簡略化することができる。また、保護層32を剥離しなくとも良いため、耐久性に関しても利点がある。
このように本発明の異方導電性シートおよび異方導電性シートの製造方法、ならびに異方導電性シートを用いた電気的接続方法について説明したが、本発明の異方導電性シート10は、上記したようなパソコン,ビデオカメラ,電子カメラ,携帯電話などの電子機器の分野において、複数の電子部材の間に介在させて用いる以外にも、例えば、ペンや指による入力用のタッチパネルに用いたり、ロボットのアームやマニピュレーターの指部分の圧力センサーに用いたり、介護用ベットのマット内に面状スイッチとして設け、この面状スイッチが設けられたベットを使用者が使用した際に、どの位置の面状スイッチが作動されたかをモニタリングすることで、何時寝返りをうったかをそのタイミングを管理し、床ずれを防止するために用いたり、椅子やソファーの座面に設け、荷重分布を調べるために用いるなど、感圧デバイスとして機能させても良いなど、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能なものである。
<第1組成物の調整>
熱硬化性シリコーンゴムとして信越化学工業株式会社製:KE−1950−70(A/B)に、体積分率で15%の量の金メッキしたニッケル粒子を配合して均一に分散するように撹拌し、その後減圧下で脱泡して第1組成物を得た。
使用したニッケル粒子の金被覆量は、芯粒子に対して5重量%、メジアン径(d50)は20μmであった。なおメジアン径(d50)は、レーザー回折・散乱式粒度分析計(マイクロトラック・ベル株式会社製、商品名「マイクロトラックMT3300」)を用いて測定した。
<第2組成物の調整>
金メッキしたニッケル粒子の配合量を体積分率で70%とした以外は第1組成物と同様にして第2組成物を得た。
[実施例1]
厚さが6mmで表面が鏡面に研磨された鉄板の上に、図9に示した形状で厚さ2mmのテフロン製スペーサーaを設置し、スペーサーaの開口部内に第1組成物を充填した後、さらにスペーサーa上に、厚さ6mmで表面が鏡面に研磨された鉄板を重ね、これをヒーターを備えた一対の電磁石の間に配置した。
次いで、第1組成物の厚み方向に、平均で2T(テスラ)の平行磁場を2分サイクルで反転させて作用させながら、85℃で30分加熱処理して第1組成物の前硬化物を得た。(以下、スペーサーaを設置して組成物を充填する鉄板を「下板」、その上に重ねる鉄板を「上板」、ヒーターを備えた一対の電磁石を「磁場成型機」という。)
上板を外した後、スペーサーaの上に図9に示したのと同じ形状で、厚さ1mmのテフロン製スペーサーbを重ね、このスペーサーbの開口部に第2組成物を充填した。
次いで、上板を重ねて再度磁場成型機内に配置し、同様に平行磁場を作用させながら180℃で6時間加熱処理し、第1組成物および第2組成物を硬化した。上板、下板、スペーサーa,bを外した後、外周部をカットして50mm角の異方導電性シートA(異方導電層の片面に導電層が形成された異方導電性シートA)を得た。
[比較例1]
実施例1と同様にして第1組成物の前硬化物を得た。次いで、厚さ1.5μmの銅箔(導電層)を、図9に示した形状のスペーサーaおよび第1組成物の前硬化物の上に重ね、実施例1と同様の条件で硬化した。
上板、下板、スペーサーaを外した後、外周部をカットして50mm角の異方導電性シートX(異方導電層の片面に銅箔(導電層)が形成された異方導電性シートX)を得た。
[実施例2]
下板の上に図9に示した形状のスペーサーbを設置して第2組成物を充填した後、さらにスペーサーb上に上板を重ね、これを磁場成型機に配置し、実施例1と同様に平行磁場を作用させながら85℃で30分加熱処理し、第2組成物の前硬化物を得た。
次いで、上板を外してスペーサーaを重ねて第1組成物を充填した後、再び上板を重ねて磁場成型機に配置し、同様に平行磁場を作用させながら85℃で30分加熱処理して第1組成物(および第2組成物)の前硬化物を得た。
その後、再度上板を外してスペーサーbを重ねて第2組成物を充填し、上板を重ねて磁場成型機に配置して同様に平行磁場を作用させながら180℃で6時間加熱処理し、第1組成物および第2組成物を硬化した。
上板、下板、スペーサーa,bを外した後、カットして25mm角の異方導電性シートB(異方導電層の上面と下面の両面に導電層が形成された異方導電性シートB)を得た。
<異方導電性シートの耐久性評価1>
異方導電性シートAまたは異方導電性シートXを、異方導電層12側の面が、図10に示した電極基板50に接触するよう配置した。
次いで、電極基板50の接点部分に相当する位置に、直径1mm、先端が平坦な円柱状テフロン製押しピンを用いて、図10に示した1〜9の数字の順に、荷重サイクル数1〜1万回で、繰返し180gの荷重を、異方導電性シートAと異方導電性シートXのそれぞれの導電層側からかけた。
なお、電極基板50と異方導電性シートA,Xのそれぞれの導電層には、電源ケーブルを介して電源をつなぎ、荷重をかけた際の導通が確認できるようにした。
異方導電性シートAの導電層22と電源との接続は、図11に示した、複数の突起40が面状に配設された導通体42と連結された電源ケーブル46を用い、ケーブル44端部の導通体42上に面状に形成された突起40を、導電層22の表面に重ね、突起40の反対側から手で押さえることで圧着した。
一方、異方導電性シートXの導電層と電源との接続は、先端に複数の突起40がなく、単なる平板であること以外は、図11と同様の電源ケーブルを用い、導電層に平板を低温半田で半田付けして行った。
また、異方導電性シートAの場合には図12(a)に示した位置で、異方導電性シートXの場合には図12(b)に示した位置で、それぞれ同じように接続した。
異方導電性シートAの場合と異方導電性シートXの場合における荷重回数と導通状況を表1に示した。
Figure 2018125076
表1より明らかなように、異方導電性シートAの場合は、荷重1万サイクル後でも荷重ポイント1〜9のいずれの接点でも安定して導通し、耐久性に問題がなかった。
これに対して、異方導電性シートXの場合には、荷重1万サイクル後、荷重ポイント1〜9のうち約半分の接点で導通不良が発生し、また、導通したりしなかったりする不安定な接点も認められ、耐久性に問題があることが明らかとなった。
さらに、異方導電性シートXの銅箔(導電層)側の接点(荷重)部分を、30倍の拡大鏡を用いて目視検査したところ、導通不良の接点部分では、銅箔に「割れ」や「剥離」が発生して周囲の銅箔と明らかに接触していなかった。
さらに導通したりしなかったりした、導通が不安定な接点部分では、「割れ」や「剥離」が部分的に発生して周囲の銅箔との接触が微妙な状況であり、導通していた接点部分においても「割れ」や「剥離」のため、周囲の銅箔と辛うじて繋がっている状況であった。
<異方導電性シートの耐久性評価2>
異方導電性シートBの両面の導電層22,22に電源ケーブル46を介して電源をつなぎ、荷重をかけた際に導通が確認できるようにしたうえで、直径1mm、先端が平坦な円柱状押しピンを用いて、異方導電性シートBの中心付近に繰返し180gの荷重をかけた。
10枚の試験片(異方導電性シートB)について評価したところ、1万回の荷重後でも全ての試験片(異方導電性シートB)で安定した導通が確認された。
なお、異方導電性シートBの両面の導電層22,22と電源ケーブルとの接続は、上記した「異方導電性シートの耐久性評価1」で用いた電源ケーブル46を用い同様の方法で行い、図13に示した位置で行った。
10 異方導電性シート
12 異方導電層
14 弾性高分子物質
16 導電性物質
18 導電路
22 導電層
24 弾性高分子物質
26 導電性物質
30 弾性高分子物質
32 保護層
40 突起
42 導通体
44 ケーブル
46 電源ケーブル
50 電極基板

Claims (6)

  1. 厚み方向に加圧することで、厚み方向に導電性を発現する異方導電性シートであって、
    弾性高分子物質中に導電性物質が含有され、厚み方向への加圧により厚み方向に導電路が形成されるシート状の異方導電層と、
    前記異方導電層の少なくとも一方側面に形成され、弾性高分子物質中に導電性物質が含有され、前記異方導電層の導電路と導通されるシート状の導電層と、
    を少なくとも有することを特徴とする異方導電性シート。
  2. 前記異方導電層における弾性高分子物質中の導電性物質の含有量が、体積分率で3〜45%の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の異方導電性シート。
  3. 前記導電層における弾性高分子物質中の導電性物質の含有量が、体積分率で50〜85%の範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載の異方導電性シート。
  4. 前記異方導電層および前記導電層に含有される弾性高分子物質が、
    シリコーンゴムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の異方導電性シート。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の異方導電性シートの導電層上に、突起が配設された導通体を、前記突起側が前記導通層に対向するように重ね、積層体を形成する工程と、
    前記積層体を厚さ方向に加圧し、前記導通体の突起を導電層と接触させることで前記導電層と導通体とを電気的に接続する工程と、
    を少なくとも有することを特徴とする異方導電性シートを用いた電気的接続方法。
  6. 厚み方向に加圧することで、厚み方向に導電性を発現する異方導電性シートの製造方法であって、
    導電性物質が含有された弾性高分子物質をシート状に塗布して前硬化させ、異方導電層を形成する工程と、
    前記異方導電層の表面に、導電性物質が含有された弾性高分子物質をシート状に塗布して加熱硬化させ、導電層を形成する工程と、
    を少なくとも有することを特徴とする異方導電性シートの製造方法。
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