JP2000011766A - 異方導電性シート - Google Patents

異方導電性シート

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JP2000011766A
JP2000011766A JP17509398A JP17509398A JP2000011766A JP 2000011766 A JP2000011766 A JP 2000011766A JP 17509398 A JP17509398 A JP 17509398A JP 17509398 A JP17509398 A JP 17509398A JP 2000011766 A JP2000011766 A JP 2000011766A
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particles
conductive
electric circuit
insulating
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JP17509398A
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Masaya Naoi
雅也 直井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 絶縁部分の機械的強度を向上し、導通部分の
導電粒子の集合体のゆがみの発生を抑え、安定した接触
導通性が得られ、さらに異方導電性シート全体の線膨張
係数を低く抑え、電子部品や電気回路基板の接続用電極
に対して、熱間に於けるテストで電極間同士のズレがな
く、使用温度範囲が広域にわたる試験においても、温度
変化による両者の電極相互間の位置ずれの影響を少なく
し、安定な電気的接触が得られる異方導電性シートを提
供する。 【解決手段】 絶縁体中に導電性粒子を厚み方向に連鎖
させて導通部を形成し、該導通部分以外の絶縁体部分
は、弾性を有する絶縁体で構成される異方導電性シート
であって、該異方導電性シートの内部に絶縁性の粒子が
混入していることを特徴とする異方導電性シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気回路部品、電気
回路基板等において、電気特性の検査、計測、または電
気的な相互の接続等のために有用な異方導電性シート、
およびそれを用いた治具等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電気製品の小型化、あるいは高密
度配線化に伴い、電気回路部品、電気回路基板等の検
査、計測あるいは相互間の電気的な接続は、微細な電極
間ピッチを介して行われるようになり、困難になりつつ
ある。このような状況の中において、電気回路部品、特
にIC,LSI等のパッケージに於いて、電気的な接続
を行う電極の配置が、従来の四角形の4辺の位置に電極
部を配置するペリフェラル配置から、四角形の辺の内部
にまで電極を配置したマトリクス配置の形状のものが多
数開発されてきている。それに伴い実装される側の電気
回路基板の電極部のデザインも、同様にマトリクス配置
のものが出来てきている。このようなマトリクス配置の
電極部を持つ電気回路部品、電気回路基板等の電気検
査、あるいは実装の一手段として、弾性を有する異方導
電性シートを用いる方法があげられている。弾性を有す
る異方導電性シートは、電気回路部品、電気回路基板の
表面の凹凸を吸収し、安定な電気的接触を得るのに有利
である。ただし、電気回路部品、特に半田ボールの付い
たBGAパッケージなど、凹凸があまりに大きい場合、
弾性を有する異方導電性シートのうち、導通部分の金属
粒子の集合体に比較して、絶縁部分の弾性体の機械強度
が弱く、加圧して電気的接続を得ようとする場合、導通
部分が、絶縁部分側に傾いて、良好な接続が得られない
場合があった。また一方これらの電気回路部品、電気回
路基板を弾性を有する異方導電性シートを介して、バー
ンインテストの様に熱間での電気的導通験を行う場合、
該異方導電性シートの絶縁部分の線膨張係数が導電部分
の線膨張係数に比較して大きく、熱間に於ける被測定物
との位置ズレが発生し、安定した電気的接続が得られな
い場合があった。以上のような背景から、電気回路部
品、電気回路基板等の検査電極に、あるいは実装用電極
に対して、安定な位置に導電シートの電極を接触させ、
微細な配線ピッチにおける導通性能に優れた導電性シー
トが必要であった。
【0003】特に、半導体等の初期不良を選別するバー
ンイン試験、ヒートサイクル試験などのテストソケット
用の接点として、位置決め板あるいは位置決めピンで位
置決めした対象物と、異方性導電シート、および搭載回
路基板を使用すると、それぞれの材質によって線膨張係
数が異なり、場合によっては相互の接点の位置ずれが生
じ、正確な測定が難しくなることがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電気
回路部品、電気回路基板の検査、計測、あるいは相互間
の電気的接続において、微細ピッチの領域で、安定して
導電シートの電極を接触させ安定な電気導通性を持つ異
方導電性シートを提供することにある。また、使用温度
範囲が広域にわたる半導体試験に於いても、安定な電気
的導通が得られる異方性導電シートを提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、絶縁体中に導
電性粒子を含有して導通部を形成し、該導通部分以外の
場所は、弾性を有する絶縁体で構成される異方導電性シ
ートであって、絶縁部の機械強度の向上ならびに、線膨
張係数の低減のために、絶縁性の粒子を含有させたこと
を特徴とする導電性シートを提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において使用される絶縁体
としては、弾性を有する絶縁体が好ましい。かかる弾性
を有する絶縁体としては、ゴム状重合体が好ましい。ゴ
ム状重合体としては、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリ
イソプレン、SBR、NBRなどの共役ジエン系ゴムお
よびこれらの水素添加物、スチレンブタジエンジエンブ
ロック共重合体、スチレンイソプレンブロック共重合体
などのブロック共重合体およびこれらの水素添加物、ク
ロロプレン、ウレタンゴム、ポリエステル系ゴム、エピ
クロルヒドリンゴム、シリコンゴム、エチレンプロピレ
ン共重合体、エチレンプロピレンジエン共重合体などが
挙げられる。耐候性の必要な場合は共役ジエン系ゴム以
外のゴム状重合体が好ましく、特に成形加工性および電
気特性の点からシリコンゴムが好ましい。
【0007】ここでシリコンゴムについてさらに詳細に
説明する。シリコンゴムとしては、液状シリコンゴムを
架橋または縮合したものが好ましい。液状シリコンゴム
はその粘度が歪速度10 1secで105ポアズ以下のものが好
ましく、縮合型、付加型、ビニル基やヒドロキシル基含
有型などのいずれであってもよい。具体的にはジメチル
シリコーン生ゴム、メチルビニルシリコーン生ゴム、メ
チルフェニルビニルシリコーン生ゴムなどを挙げること
ができる。これらのうちビニル基含有シリコンゴムとし
ては、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジ
アルコキシシランを、ジメチルビニルクロロシランまた
はジメチルビニルアルコキシシランの存在下において、
加水分解および縮合反応させ、例えば引き続き溶解−沈
澱の繰り返しによる分別を行うことにより得ることがで
きる。
【0008】また、ビニル基を両末端に含有するもの
は、オクタメチルシクロテトラシロキサンのような環状
シロキサンを触媒の存在下においてアニオン重合し、末
端停止剤を用いて重合を停止して重合体を得る際に、末
端停止剤として例えばジメチルジビニルシロキサンを使
用し、反応条件(例えば、環状シロキサンの量および末
端停止剤の量)を適宜選ぶことにより、得ることができ
る。ここで、触媒としては、水酸化テトラメチルアンモ
ニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムなどのアル
カリまたはこれらのシラノレート溶液などが挙げられ、
反応温度としては例えば80〜130 ℃が挙げられる。
【0009】また、ヒドロキシル基含有シリコンゴム
は、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジア
ルコキシシランを、ジメチルヒドロクロロシラン、メチ
ルジヒドロクロロシランまたはジメチルヒドロアルコキ
シシランなどのヒドロシラン化合物の存在下において、
加水分解および縮合反応させ、例えば引き続き溶解−沈
澱の繰り返しによる分別を行うことにより得ることがで
きる。また 、環状シロキサンを触媒の存在下にアニオ
ン重合し、末端停止剤を用いて重合を停止して重合体を
得る際に、反応条件(例えば、環状シロキサンの量およ
び末端停止剤の量)を選び、末端停止剤としてジメチル
ヒドロクロロシラン、メチルジヒドロクロロシランまた
はジメチルヒドロアルコキシシランを使用することによ
って得ることができる。ここで、触媒としては、水酸化
テトラメチルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホス
ホニウムなどのアルカリまたはこれらのシラノレート溶
液などが挙げられ、反応温度としては例えば80〜13
0 ℃が挙げられる。
【0010】ゴム状重合体の分子量(標準ポリスチレン
換算重量平均分子量)は10,000〜40,000で
あるものが好ましい。なお、ゴム状重合体成分の分子量
分布指数(標準ポリスチレン換算重量平均分子量と標準
ポリスチレン換算数平均分子量との比(以下「Mw /M
n 」と記す)は、得られる導電性エラストマーの耐熱性
の点から2以下が好ましい。
【0011】導電性粒子としては、例えば鉄、銅、亜
鉛、クロム、ニッケル、銀、コバルト、アルミニウムな
どの公知の単体導電性金属粒子およびこれらの金属元素
の2種以上からなる合金導電性金属粒子を挙げることが
できる。これらのうち、ニッケル、鉄、銅などの単体導
電性金属粒子が、経済性と導電特性の面から好ましく、
特に好ましくは表面が金により被覆されたニッケル粒子
である。
【0012】また、絶縁体としてシリコンゴムを用いる
場合は、導電性粒子のシランカップリング剤の被覆率が
5%以上であることが好ましく、さらに好ましくは7〜
100%、より好ましくは10〜100%、特に好まし
くは20〜100%である。また、導電性粒子の粒子径
は1〜1000μmであることが好ましく、さらに好ま
しくは2〜500μm、より好ましくは5〜300μ
m、特に好ましくは10〜200μmである。また、導
電性粒子の粒子径分布(Dw/Dn)は1〜10であること
が好ましく、さらに好ましくは1.01〜7、より好ま
しくは1.05〜5、特に好ましくは1.1〜4であ
る。また、導電性粒子の含水率は5%以下が好ましく、
さらに好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下、
特に好ましくは1%以下である。このような範囲の粒径
を有する導電性粒子によれば、得られる導電性エラスト
マーにおいて、使用時導電性粒子間に十分な電気的接触
が得られるようになる。この導電性粒子の形状は特に限
定されるものではないが、上記(a)成分および(b)
成分またはそれらの混合物に対する分散の容易性から球
状あるいは星形状であることが好ましい。
【0013】本発明において導電性粒子として特に好ま
しく用いられる表面が金により被覆されたニッケル粒子
は、例えば無電解メッキなどによりニッケル粒子の表面
に金メッキを施したものである。このように、表面が金
被覆を有するニッケル粒子は接触抵抗がきわめて小さい
ものとなる。メッキにより金を被覆する場合の膜厚は10
00オングストローム以上であることが好ましい。また、
メッキ量としては粒子の1重量%以上が好ましく、さら
に好ましくは2〜10重量%、特に好ましくは3〜7重
量%である。
【0014】本発明において、導電性粒子は、ゴム状重
合体100重量部に対して30〜1000重量部、好ましくは50
〜750 重量部の割合で用いられる。この割合が30重量部
未満の場合には、得られる導電性エラストマーは、使用
時にも電気抵抗値が十分に低くならず、従って良好な接
続機能を有しないものとなり、また 1,000重量部を超え
ると硬化されたエラストマーが脆弱になって導電性エラ
ストマーとして使用することが困難となる。
【0015】絶縁性粒子としては、体積抵抗率が100
Vの測定電圧で、1×106Ω・cm以上であることが
好ましく、さらに好ましくは1×108Ω・cm以上で
あり、非磁性体であることが望ましい。該粒子の具体例
としては、例えばアルミナ、酸化ジルコニウム、窒化珪
素、窒化アルミ等のセラミックス、またはガラスビー
ズ、または、ポリイミド、エポキシ、テフロン等の高耐
熱樹脂およびこれらの2種以上からなる混合粒子を挙げ
ることができる。これらのうち、セラミックス粒子、並
びにガラスビーズが、経済性と絶縁特性の面から好まし
く、特に好ましくはアルミナ粒子とガラスビーズであ
る。
【0016】また、弾性絶縁体としてシリコンゴムを用
いる場合は、絶縁性粒子のシランカップリング剤の被覆
率が5%以上であることが好ましく、さらに好ましくは
7〜100%、より好ましくは10〜100%、特に好
ましくは20〜100%である。また、絶縁性粒子の粒
子径は1〜1000μmであることが好ましく、さらに
好ましくは2〜500μm、より好ましくは5〜300
μm、特に好ましくは10〜200μmである。また、
絶縁性粒子の粒子径分布(Dw/Dn)は1〜10であるこ
とが好ましく、さらに好ましくは1.01〜7、より好
ましくは1.05〜5、特に好ましくは1.1〜4であ
る。また、絶縁性粒子の含水率は5%以下が好ましく、
さらに好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下、
特に好ましくは1%以下である。この絶縁性粒子の形状
は特に限定されるものではないが、上記(a)成分およ
び(b)成分またはそれらの混合物に対する分散の容易
性から球状あるいは星形状であることが好ましい。
【0017】本発明において、絶縁性粒子の配合量は、
ゴム状重合体100重量部に対して好ましくは30〜1
000重量部、さらに好ましくは50〜750 重量部
の割合で用いられる。この割合が30重量部以上の場合
には、得られる導電性エラストマーは、使用時に弾性絶
縁部の機械強度が向上し、従って良好な接続機能を有す
るものとなり、また 多すぎないほうが硬化されたエラ
ストマーの強度の点で好ましく、導電性エラストマーと
して有用なものが得られる。以上のゴム状重合体および
導電性粒子ならびに絶縁性粒子を含有する本発明の導電
性エラストマー用組成物には、必要に応じて、通常のシ
リカ粉、コロイダルシリカ、エアロゲルシリカ、アルミ
ナなどの無機充填材を含有させることができる。このよ
うな無機充填材を含有させることにより、未硬化時にお
けるチクソ性が確保され、粘度が高くなり、しかも導電
性粒子の分散安定性が向上すると共に、硬化後における
エラストマーの強度が向上する。
【0018】この無機充填材の使用量は特に限定される
ものではないが、あまり多量に使用すると、導電性金属
粒子の磁場による配向を十分に達成できなくなるので好
ましくない。なお、本発明の導電性エラストマー用組成
物の粘度は、温度25℃において 100,000〜1,000,000 c
pの範囲内であることが好ましい。本発明の導電性エラ
ストマー用組成物は、架橋もしくは縮合反応が行われて
弾性の大きいエラストマーが形成され、しかも特定な導
電性粒子成分が含有されていることにより導電性エラス
トマーとしての機能を有するものとなる。
【0019】本発明の導電性エラストマー用組成物は、
硬化させるために硬化触媒を用いることができる。この
ような硬化触媒としては、有機過酸化物、脂肪酸アゾ化
合物、ヒドロキシル化触媒、放射線などが挙げられる。
有機過酸化物としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ビス
ジシクロベンゾイル、過酸化ジクミル、過酸化ジターシ
ャリーブチルなどが挙げられる。また、脂肪酸アゾ化合
物としてはアゾビスイソブチロニトリルなどが挙げられ
る。ヒドロシリル化反応の触媒として使用し得るものと
しては、具体的には、塩化白金酸およびその塩、白金−
不飽和基含有シロキサンコンプレックス、ビニルシロキ
サンと白金とのコンプレックス、白金と1,3−ジビニル
テトラメチルジシロキサンとのコンプレックス、トリオ
ルガノホスフィンあるいはホスファイトと白金とのコン
プレックス、アセチルアセトネート白金キレート、環状
ジエンと白金とのコンプレックスなどの公知のものを挙
げることができる。
【0020】硬化触媒の添加方法も特に限定されるもの
ではないが、保存安定性、成分混合時の触媒の偏在防止
などの観点から、主剤である(a)成分に予め混合して
おくことが好ましい。硬化触媒の使用量は、実際の硬化
速度、可使時間とのバランスなどを考慮して適量使用す
るのが好ましい。また、硬化速度、可使時間を制御する
ために通常用いられる、アミノ基含有シロキサン、ヒド
ロキシ基含有シロキサンなどのヒドロシリル化反応制御
剤を併用することもできる。
【0021】導電性シートを成型あるいは硬化する好ま
しい方法としては、印刷マスクを金型上に置いて絶縁粒
子を混入した導電ペーストを印刷し、スペーサー(S)
を挟んで金型を合わせる。 このとき、必要に応じて位
置決め用金属板を一緒に挟み込んでもよい。この状態
で、上記で組み合わせた金型を、図4に示すようにヒー
ター付着磁機の磁極間に挟んで、シートの厚み方向に磁
場をかけながら加熱する。すると磁性体の金属粒子がシ
ートの厚み方向に連鎖した状態で、磁場の力で磁力密度
の大きい磁極間に凝集するために、絶縁粒子は弾性樹脂
中に押し出され、弾性樹脂中に分散した状態で、導電性
シート全体が硬化する。そして導電性粒子である金属粒
子間どうしの接触により、電気的な導通が得られる。こ
の結果として、図1及び図2に示すような形状の導電部
を持つ異方性導電シートが得られる。
【0022】このように本発明による異方性導電シート
は、導電部分には金属粒子をシートの厚さ方向に配向
し、シートの絶縁部分は弾性絶縁体中に絶縁粒子を分散
させた形態となり、絶縁特性の向上ならびに、導通部分
の周囲を絶縁粒子で機械的にサポートすることができ
る。なおかつ絶縁粒子に線膨張係数が1×10 4/K
以下の材料を選択すれば、熱間に於ける膨張が抑制さ
れ、テストで温度変化があっても電極間同士の位置ズレ
がなく、安定した電気的接続を得ることができる。
【0023】上記の異方導電性シートは、例えば次のよ
うにして製造される。先ず、絶縁性の弾性高分子物質、
たとえばシリコンゴム中に、ニッケルなどの導電性磁性
体粒子を分散させ、さらにセラミックス等の絶縁性粒子
を分散させ、流動性の混合物よりなるエラストマー材料
(50)が調製され、図7に示すようにこれが金型のキ
ャビティ内に配置される。
【0024】この金型は、各々電磁石を構成する上型
(51)と下型(52)とよりなり、下型(52)に
は、接続対象物である電子部品や電気回路基板の接続用
電極に対応するパターンの強磁性体部分(黒にて示す)
(M)と、それ以外の非磁性体部分(N)とよりなり、
上面が平坦面である磁極板(53)に設けられている。
上型(51)は、計測基板や実装用電気回路基板の接続
用電極に対応するパターンの強磁性体部分(黒にて示
す)(M)と、それ以外の非磁性体部分(N)とを有し
ている。下型(52)と上型(51)との間に、非磁性
体スペーサー(S)を挟み、これらで構成された空間内
にエラストマー材料(50)が配置される。
【0025】この状態で上型(51)と下型(52)の
電磁石を動作させ、エラストマー材料の厚さ方向の平行
磁場を作用させる。その結果、エラストマー材料層(5
0)においては、上下の強磁性体部分(M)で挟まれた
部分において、それ以外の部分(非磁性体部分(N)で
挟まれた部分)より強い平行磁場が厚さ方向に作用され
ることとなる。この分布を有する磁場により、エラスト
マー材料層(50)内の導電性磁性体粒子が、強磁性体
部分(M)に挟まれた強磁力部分に集合して、更に厚さ
方向に配向する。
【0026】このとき、エラストマー材料層(50)
は、導電性磁性体粒子の強磁力部分への移動・集合によ
って、高分子物質用材料中の絶縁粒子は導電部が形成さ
れる位置から徐々に押し出されて、最終的には導電部の
外側の高分子物質用材料からなる絶縁部分に分散した状
態になる。そして、平行磁場を作用させたまま、あるい
は平行磁場を除いた後、加熱などにより高分子物質用材
料の硬化処理を行うことにより、導電部と絶縁部とより
なる異方導電性シートが製造され絶縁部中には絶縁粒子
が分散した状態となる。その結果、図1及び図2に示す
導電性シートが完成する。
【0027】また、シリコンゴムなどの高分子物質は、
線膨張係数が比較的大きいが、絶縁粒子として線膨張係
数が1×10 4/K以下の材料を選択して用いれば、得
られる異方導電性シートの線膨張係数を低く抑えること
ができ、接続対象物である電子部品や電気回路基板の接
続用電極に対して、熱間に於けるテストで電極間同士の
安定した電気的接続を得るために有効である。
【0028】次に本発明の異方導電性シートの使用法に
ついて述べる。本発明の異方導電性シートを電気回路部
品、或いは電気回路基板の検査、計測に用いる場合は、
たとえば図5に示されるように、計測基板(20)側の
電極配置を被検査物(21)(電気回路部品或いは、電
気回路基板)の電極配置にあわせて製造し、その電極配
置に合わせて、例えば図1、2のように異方導電性シー
トを製造する。かかる異方導電性シートを、該計測基板
(20)と該被検査物(21)の間に配置し、位置決め
穴(16)を用いて位置決めし、(20)と(21)で
挟んで加圧する。このようにすることにより、該計測基
板(20)と該被検査物(21)との間で電気的な導通
が得られ、該被検査物(21)の検査、計測が可能にな
る。
【0029】本発明による異方導電性シートは、図6に
示されるように電気回路部品(22)と電気回路基板
(24)の間の電気的な相互の接続に用いることもでき
る。かかる場合には、電気回路部品(22)と電気回路
基板(24)の間に、図1及び図2に示されるような本
発明の異方性導電シート(11)を、位置決め穴(1
6)を用いて位置決めし、筐体(23)で挟みこむこ
と、あるいは封止剤などで封止することにより、半永久
的に加圧固定できる構造で接続が可能となり、電気回路
基板(24)上で電気回路部品(22)を動作させるこ
とが可能になる。
【0030】
【実施例】本発明に於ける実施例を以下に示す。実施例
としては、電極間隔(端子ピッチ)0.5mmのマトリ
クス配置の電極構造で、導電性シートの電極径をφ0.
3mmとして導電性シートを作製した。
【0031】導電ペースト(11)は、平均粒子径50
μmのニッケルの磁性体粒子の表面に、金を8重量%コ
ーティングしたものを3.5重量部用い、絶縁粒子は平
均粒子径60μmアルミナボールを3.5重量部用い、
ペーストの樹脂材料としては液状のシリコーンゴムを3
重量部用い、これらを混合して導電ペーストとした。下
金型上に上記導電ペーストを配置し、スペーサーを挟ん
で上金型で挟み込む。この状態の金型を、図4に示すよ
うなヒーター付着磁機の磁極間に挟んで、シートの厚み
方向に約5000ガウス磁場をかけながら加熱し、導
電ペーストを硬化させた。この結果、磁性体の金属粒子
がシートの厚み方向に配向し、金属粒子が連鎖した状態
で樹脂が硬化し、金属粒子が配向した部分の電気的な導
通が得られ、また絶縁部分にはアルミナの絶縁粒子が分
散した、図1及び図2に示されるような異方導電性シー
トが得られた。
【0032】次に上記で得られた本発明の異方導電性シ
ートの使用法について述べる。本発明の異方導電性シー
トを、図5に示されるような構成で電気回路部品、或い
は電気回路基板の電気的検査、計測に用いた。計測基板
(20)側の電極配置を被検査物(21)(電気回路部
品或いは、電気回路基板)の電極配置にあわせて製造
し、その電極配置に合わせて、例えば図1、2のように
異方導電性シートを製造する。かかる異方導電性シート
を、該計測基板(20)と該被検査物(21)の間に配
置し、位置決め穴(16)を用いて位置決めし、(2
0)と(21)で挟んで加圧することにより、該計測基
板(20)と該被検査物(21)との間で電気的な導通
が得られ、該被検査物(21)の電気的検査、計測を行
った。温度を室温から125℃まで変化させて、繰り返
し試験を行ったが、位置ずれや導通不良は発生せず、長
期間に渡って安定に検査、計測ができた。
【0033】
【発明の効果】本発明による異方導電性シートは、弾性
体材料の弾性を利用して、電気回路基板の配線による厚
み方向の段差や、電気回路部品の電極部分の厚み方向に
於ける精度のばらつき等の要因による、厚み方向の段差
を吸収する。そして絶縁体粒子を絶縁部分に分散するこ
とにより、絶縁部分の機械的強度を向上し、導通部分の
導電粒子の集合体のゆがみの発生を抑え、安定した接触
導通性を得ることを可能にした。さらに絶縁体粒子とし
て線膨張係数が小さい材料を混入することにより、異方
導電性シート全体の線膨張係数を低く抑えることが可能
になり、電子部品や電気回路基板の接続用電極に対し
て、熱間に於けるテストで電極間同士のズレがなく、安
定した電気的接続を得るために有効である。特に、使用
温度範囲が広域にわたる試験においては、異方導電シー
トの線膨張係数と接続対象物の線膨張係数とを近づける
ことにより、温度変化による両者の電極相互間の位置ず
れの影響を少なくし、安定な電気的接触が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による異方導電性シートの模式的斜視
図。
【図2】 本発明による異方導電性シートの模式的断面
図。
【図3】 従来の異方導電性シートの模式的断面図。
【図4】 磁場成形機の概念図。
【図5】 電気検査用ソケットの概念図。
【図6】 電気的接続用コネクターの概念図。
【図7】 異方導電性シートの製造例を示す概念図。
【符号の説明】
(11) ・・・ 異方導電性シート (12) ・・・ 異方性導電部 (16) ・・・ 位置決め穴 (17) ・・・ ヒーター (18) ・・・ ヨーク (19) ・・・ 着磁コイル (20) ・・・ 計測基板 (21) ・・・ 被測定物 (22) ・・・ 電気回路部品 (23) ・・・ 加圧固定治具 (24) ・・・ 電気回路基板 (25) ・・・ 弾性絶縁層 (50) ・・・ エラストマー材料層 (51) ・・・ 上型 (52) ・・・ 下型 (53) ・・・ 磁極板 (G) ・・・ 間隙 (M) ・・・ 強磁性体部分 (N) ・・・ 非磁性体部分 (S) ・・・ 非磁性体スペーサー (C) ・・・ 導電性粒子 (Z) ・・・ 絶縁性粒子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁体中に導電性粒子を含有して導通部
    を形成し、該導通部分以外の絶縁体部分は、弾性を有す
    る絶縁体で構成される異方導電性シートであって、該異
    方導電性シートの内部に絶縁性の粒子を含有しているこ
    とを特徴とする異方導電性シート。
  2. 【請求項2】 絶縁性の粒子の線膨張係数が1×10
    4/K以下である請求項1記載の異方導電性シート。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の異方導電性シートを用い
    た回路基板検査用治具。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の異方導電性シートを用い
    たコネクター。
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