JP2018123218A - 有機無機複合体 - Google Patents
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Abstract
【課題】光感応性化合物を使用しなくても無機化膜を形成することができるようにすることにより、無機化膜の組成が安定し、目的に応じて組成の設定及び変更が容易にできる有機無機複合体組成物の提供。
【解決手段】a)式(1)で表されるチタン含有シルセスキオキサン、b)紫外線硬化性化合物、及びc)光重合開始剤を含有する有機無機複合体形成用組成物。
【選択図】図1
【解決手段】a)式(1)で表されるチタン含有シルセスキオキサン、b)紫外線硬化性化合物、及びc)光重合開始剤を含有する有機無機複合体形成用組成物。
【選択図】図1
Description
本発明は、有機成分と無機成分を1層中に含有し、かつ、表面側が無機化した有機無機複合体の薄膜を形成できる組成物に関する。
現在、市販品のシラン系コート剤の原料としては、主として3官能のシランが用いられており、かかる3官能シランにより、適度な硬さと柔軟性を持つポリシロキサンが形成される。しかしながら、3官能シランの膜では、まだハードコート性が不足しており、それを補うために、3官能シランに、4官能シランやコロイダルシリカを混合しているが、膜を硬くすれば、ヒビ割れやすくなり、密着性が悪くなるという問題がある。例えば、シラン系のコート剤としては、エポキシ基を有する3官能アルコキシシラン化合物を含有する防汚膜形成用組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明者らはこれまでに、光感応性化合物の存在下で有機ケイ素化合物に紫外線を照射することにより、表面が非常に高い硬度を有すると共に、内部及び裏面側が適当な硬度を有しつつ、かつ基材との密着性に優れた有機無機複合体を提供し(特許文献2)、さらに、ポリシロキサン系の有機無機複合体に紫外線硬化性樹脂であるアクリレート系樹脂を配合することにより、表面が非常に高い硬度を有すると共に、基材との密着性及び耐湿性に優れた有機無機複合体を提供してきた(特許文献3)。
しかしながら、従来の有機無機複合体は、複数のシラン化合物と光感応性化合物を組み合わせてシロキサンを形成させているため、無機化膜の組成が一定しないという問題があった。本発明は、光感応性化合物を使用しなくても無機化膜を形成することができるようにすることにより、無機化膜の組成が安定し、目的に応じた組成の設定及び変更が容易にできる有機無機複合体組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、チタン含有シルセスキオキサンを無機成分として用いると、チタン含有シルセスキオキサンのみを添加しても表面無機膜を形成することができ、かつ、表面平滑性の高い無機化膜を形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)
a)式(I)
(式(I)中、Rは式中のSiに炭素原子が直接結合した有機基を表す。ここで、各Rは同一でも異なっていてもよい。
R’は、水酸基、加水分解性基、又はチタンと配位可能な化合物を表す。ここで、R’がチタンと配位可能な化合物である場合、チタン原子とR’間の結合は、複数の配位結合であってもよい。)で表されるチタン含有シルセスキオキサン、
b)紫外線硬化性化合物、及び
c)光重合開始剤
を含有することを特徴とする有機無機複合体形成用組成物、
(2)紫外線硬化性化合物が、(メタ)アクリレート系化合物であることを特徴とする(1)に記載の有機無機複合体形成用組成物、
(3)a)式(I)
(式(I)中、Rは式中のSiに炭素原子が直接結合した有機基を表す。ここで、各Rは同一でも異なっていてもよい。
R’は、水酸基、加水分解性基、又はチタンと配位可能な化合物を表す。ここで、R’がチタンと配位可能な化合物である場合、チタン原子とR’間の結合は、複数の配位結合であってもよい。)で表されるチタン含有シルセスキオキサンの縮合物、及び
b)紫外線硬化性化合物の硬化物
を含有することを特徴とする有機無機複合体、
(4)a)式(I)
(式(I)中、Rは式中のSiに炭素原子が直接結合した有機基を表す。ここで、各Rは同一でも異なっていてもよい。
R’は、水酸基、加水分解性基、又はチタンと配位可能な化合物を表す。ここで、R’がチタンと配位可能な化合物である場合、チタン原子とR’間の結合は、複数の配位結合であってもよい。)で表されるチタン含有シルセスキオキサンの縮合物、及び
b)紫外線硬化性化合物の硬化物
を含有することを特徴とする有機無機複合薄膜であって、薄膜表面から深さ方向0.5μmまでの間における炭素含有量の最小値が、膜裏面側における炭素含有量の80%以下である有機無機複合薄膜、及び、
(5)(1)に記載の有機無機複合体形成用組成物に、350nm以下の波長を含む光を照射することを特徴とする有機無機複合体の製造方法
に関する。
(1)
a)式(I)
(式(I)中、Rは式中のSiに炭素原子が直接結合した有機基を表す。ここで、各Rは同一でも異なっていてもよい。
R’は、水酸基、加水分解性基、又はチタンと配位可能な化合物を表す。ここで、R’がチタンと配位可能な化合物である場合、チタン原子とR’間の結合は、複数の配位結合であってもよい。)で表されるチタン含有シルセスキオキサン、
b)紫外線硬化性化合物、及び
c)光重合開始剤
を含有することを特徴とする有機無機複合体形成用組成物、
(2)紫外線硬化性化合物が、(メタ)アクリレート系化合物であることを特徴とする(1)に記載の有機無機複合体形成用組成物、
(3)a)式(I)
(式(I)中、Rは式中のSiに炭素原子が直接結合した有機基を表す。ここで、各Rは同一でも異なっていてもよい。
R’は、水酸基、加水分解性基、又はチタンと配位可能な化合物を表す。ここで、R’がチタンと配位可能な化合物である場合、チタン原子とR’間の結合は、複数の配位結合であってもよい。)で表されるチタン含有シルセスキオキサンの縮合物、及び
b)紫外線硬化性化合物の硬化物
を含有することを特徴とする有機無機複合体、
(4)a)式(I)
(式(I)中、Rは式中のSiに炭素原子が直接結合した有機基を表す。ここで、各Rは同一でも異なっていてもよい。
R’は、水酸基、加水分解性基、又はチタンと配位可能な化合物を表す。ここで、R’がチタンと配位可能な化合物である場合、チタン原子とR’間の結合は、複数の配位結合であってもよい。)で表されるチタン含有シルセスキオキサンの縮合物、及び
b)紫外線硬化性化合物の硬化物
を含有することを特徴とする有機無機複合薄膜であって、薄膜表面から深さ方向0.5μmまでの間における炭素含有量の最小値が、膜裏面側における炭素含有量の80%以下である有機無機複合薄膜、及び、
(5)(1)に記載の有機無機複合体形成用組成物に、350nm以下の波長を含む光を照射することを特徴とする有機無機複合体の製造方法
に関する。
本発明によれば、光感応性化合物を用いなくても表面無機膜を形成することができ、かつ表面平滑性の高い無機化膜を形成できる。光感応性化合物を使用しなくても良いため、無機膜の組成を目的に応じて容易に設定、変更できるとの特徴を有する有機無機複合体を提供することができる。
(1)チタン含有シルセスキオキサン
チタン含有シルセスキオキサンは、本発明の有機無機複合体における無機成分に相当する。本発明に用いるチタン含有シルセスキオキサンは、以下の式(I)で表されるチタン含有シルセスキオキサンである。
チタン含有シルセスキオキサンは、本発明の有機無機複合体における無機成分に相当する。本発明に用いるチタン含有シルセスキオキサンは、以下の式(I)で表されるチタン含有シルセスキオキサンである。
式(I)中、Rは式中のSiに炭素原子が直接結合した有機基を表す。ここで、各Rは同一でも異なっていてもよい。
R’は、水酸基、加水分解性基、又はチタンと配位可能な化合物を表す。ここで、R’がチタンと配位可能な化合物である場合、チタン原子とR’間の結合は、複数の配位結合であってもよい。
R’は、水酸基、加水分解性基、又はチタンと配位可能な化合物を表す。ここで、R’がチタンと配位可能な化合物である場合、チタン原子とR’間の結合は、複数の配位結合であってもよい。
ここで、Rで表される「Siに炭素原子が直接結合した有機基」としては、置換されていてもよい炭化水素基等を挙げることができる。
上記「置換されていてもよい炭化水素基」の炭化水素基としては、通常、炭素数1〜30の炭化水素基であり、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基等が挙げられる。
これらのうち、好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数3〜8のシクロアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基である。
また、上記「炭化水素基」は、酸素原子、窒素原子、又はケイ素原子を含んでいてもよい。
上記「置換されていてもよい炭化水素基」の炭化水素基としては、通常、炭素数1〜30の炭化水素基であり、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基等が挙げられる。
これらのうち、好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数3〜8のシクロアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基である。
また、上記「炭化水素基」は、酸素原子、窒素原子、又はケイ素原子を含んでいてもよい。
「炭素数1〜10のアルキル基」としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
「炭素数3〜8のシクロアルキル基」としては、具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
「炭素数2〜10のアルケニル基」としては、具体的には、ビニル基、1−プロペン−1−イル基、2−プロぺン−1−イル基、1−プロペン−2−イル基、1−ブテン−1−イル基、2−ブテン−1−イル基、3−ブテン−1−イル基、1−ブテン−2−イル基、3−ブテン−2−イル基、1−ペンテン−1−イル基、4−ペンテン−1−イル基、1−ペンテン−2−イル基、4−ペンテン−2−イル基、3−メチル−1−ブテン−1−イル基、1−ヘキセン−1−イル基、5−ヘキセン−1−イル基、1−ヘプテン−1−イル基、6−ヘプテン−1−イル基、1−オクテン−1−イル基、7−オクテン−1−イル基等が挙げられる。
「炭素数3〜8のシクロアルケニル基」としては、具体的には、1−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロペンテン−1−イル基、1−シクロヘキセン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基、3−シクロヘキセン−1−イル基等が挙げられる。
「炭素数2〜10のアルキニル基」としては、具体的には、エチニル基、1−プロピン−1−イル基、2−プロピン−1−イル基、1−ブチン−1−イル基、3−ブチン−1−イル基、1−ペンチン−1−イル基、4−ペンチン−1−イル基、1−ヘキシン−1−イル基、5−ヘキシン−1−イル基、1−ヘプチン−1−イル基、1−オクチン−1−イル基、7−オクチン−1−イル基等が挙げられる。
「シクロアルキルアルキル基」としては、炭素数3〜10のシクロアルキル基と炭素数1〜10のアルキル基の結合した基が挙げられる。
「アリール基」は、単環又は多環のアリール基を意味し、多環アリール基の場合は、完全不飽和環に加え、部分飽和環を有する基も包含する。具体的には、フェニル基、ナフチル基、アズレニル基、インデニル基、インダニル基、テトラリニル基等が挙げられ、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。
「アリールアルキル基」としては、炭素数6〜10のアリール基と炭素数1〜10のアルキル基が結合した基が挙げられる。
「アリールアルケニル基」としては、炭素数6〜10のアリール基と炭素数2〜10のアルケニル基が結合した基が挙げられる。
「アリール基」は、単環又は多環のアリール基を意味し、多環アリール基の場合は、完全不飽和環に加え、部分飽和環を有する基も包含する。具体的には、フェニル基、ナフチル基、アズレニル基、インデニル基、インダニル基、テトラリニル基等が挙げられ、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。
「アリールアルキル基」としては、炭素数6〜10のアリール基と炭素数1〜10のアルキル基が結合した基が挙げられる。
「アリールアルケニル基」としては、炭素数6〜10のアリール基と炭素数2〜10のアルケニル基が結合した基が挙げられる。
「酸素原子を有する炭化水素基」としては、アルコキシアルキル基;エポキシ基、エポキシアルキル基、グリシドキシアルキル基等のオキシラン環(エポキシ基)を有する基;アクリロキシメチル基、メタクリロキシメチル基等が挙げられる。
ここで、「アルコキシアルキル基」としては、炭素数1〜6のアルコキシ基と炭素数1〜6のアルキル基が結合した基が挙げられる。
「エポキシアルキル基」としては、炭素数3〜10のエポキシアルキル基が好ましく、具体的には、グリシジル基、グリシジルメチル基、2−グリシジルエチル基、3−グリシジルプロピル基、4−グリシジルブチル基、3,4−エポキシブチル基、4,5−エポキシペンチル基、5,6−エポキシヘキシル基等のエポキシ基を含む直鎖状のアルキル基;β−メチルグリシジル基、β−エチルグリシジル基、β−プロピルグリシジル基、2−グリシジルプロピル基、2−グリシジルブチル基、3−グリシジルブチル基、2−メチル−3−グリシジルプロピル基、3−メチル−2−グリシジルプロピル基、3−メチル−3,4−エポキシブチル基、3−エチル−3,4−エポキシブチル基、4−メチル−4,5−エポキシペンチル基、5−メチル−5,6−エポキシヘキシル基等のエポキシ基を含む分岐鎖状のアルキル基等が挙げられる。
グリシドキシアルキル基としては、具体的には、グリシドキシメチル基、グリシドキシプロピル基等が挙げられる。
「エポキシアルキル基」としては、炭素数3〜10のエポキシアルキル基が好ましく、具体的には、グリシジル基、グリシジルメチル基、2−グリシジルエチル基、3−グリシジルプロピル基、4−グリシジルブチル基、3,4−エポキシブチル基、4,5−エポキシペンチル基、5,6−エポキシヘキシル基等のエポキシ基を含む直鎖状のアルキル基;β−メチルグリシジル基、β−エチルグリシジル基、β−プロピルグリシジル基、2−グリシジルプロピル基、2−グリシジルブチル基、3−グリシジルブチル基、2−メチル−3−グリシジルプロピル基、3−メチル−2−グリシジルプロピル基、3−メチル−3,4−エポキシブチル基、3−エチル−3,4−エポキシブチル基、4−メチル−4,5−エポキシペンチル基、5−メチル−5,6−エポキシヘキシル基等のエポキシ基を含む分岐鎖状のアルキル基等が挙げられる。
グリシドキシアルキル基としては、具体的には、グリシドキシメチル基、グリシドキシプロピル基等が挙げられる。
「窒素原子を有する炭化水素基」としては、−NR’2(式中、R’は水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、各R’は互いに同一でも相異なっていてもよい。)を有する炭化水素基、又は−N=CR’’2(式中、R’’は水素原子、アルキル基、又はアリール基を表し、各R’’は互いに同一でも相異なっていてもよい。)を有する炭化水素基が挙げられる。
例えば、−NR’2を有する基としては、具体的には、アミノメチル基、1−アミノエチル基、N−メチルアミノメチル基等が挙げられる。−N=CR’’2を有する基としては、具体的には、−CH2N=CHCH3基、−CH2N=C(CH3)2基、−CH2CH2N=CHCH3基、−CH2N=CHPh基、−CH2N=C(Ph)CH3基等が挙げられる。
上記「置換されていてもよい」の置換基としては、ハロゲノ基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、メタクリロキシ基等を挙げることができる。アルキル基、アルケニル基、アリール基としては、Rにおけるものと同じ炭化水素基が挙げられる。
上記のうち、ビニル基、オキシラン環を有する基は、有機無機複合体の表面の無機化の観点からは、好ましい基である。
式(I)中、R’は、水酸基、加水分解性基、又はチタンと配位可能な化合物を表す。
加水分解性基とは、例えば、無触媒、過剰の水の共存下、25℃〜100℃で加熱することにより、加水分解されてシラノール基を生成することができる基や、シロキサン縮合物を形成することができる基を意味し、アルコキシ基、アシルオキシ基、ハロゲノ基、イソシアネート基、アミノ基若しくは置換アミノ基等を挙げることができ、炭素数1〜4のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアシルオキシ基が好ましい。
加水分解性基とは、例えば、無触媒、過剰の水の共存下、25℃〜100℃で加熱することにより、加水分解されてシラノール基を生成することができる基や、シロキサン縮合物を形成することができる基を意味し、アルコキシ基、アシルオキシ基、ハロゲノ基、イソシアネート基、アミノ基若しくは置換アミノ基等を挙げることができ、炭素数1〜4のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアシルオキシ基が好ましい。
「炭素数1〜4のアルコキシ基」としては、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基等が挙げられる。
「炭素数1〜6のアシルオキシ基」(ただし、炭素数にはカルボニル基の炭素を含まない)としては、具体的には、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
「ハロゲノ基」としては、具体的には、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基等が挙げられる。
「炭素数1〜6のアシルオキシ基」(ただし、炭素数にはカルボニル基の炭素を含まない)としては、具体的には、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
「ハロゲノ基」としては、具体的には、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基等が挙げられる。
「チタンに配位可能な化合物」としては、シクロペンタジエン化合物、β−ケトカルボニル化合物、β−ケトエステル化合物、及びα−ヒドロキシエステル化合物が好ましく、具体的には、シクロペンタジエン、ペンタメチルシクロペンタジエン等のシクロペンタジエン化合物;アセト酢酸メチル、アセト酢酸n−プロピル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸n−ブチル、アセト酢酸sec−ブチル、アセト酢酸t−ブチル等のβ−ケトエステル類;アセチルアセトン、へキサン−2,4−ジオン、ヘプタン−2,4−ジオン、ヘプタン−3,5−ジオン、オクタン−2,4−ジオン、ノナン−2,4−ジオン、5−メチル−へキサン−2,4−ジオン等のβ−ジケトン類;グリコール酸、乳酸等のヒドロキシカルボン酸:等が配位した化合物が挙げられる。
本発明のチタン含有シルセスキオキサンは2種以上を混合して用いることもできる。
(2)チタン含有シルセスキオキサンの製造方法
本発明に用いるチタン含有シルセキスオキサンの製造方法は、以下の文献及び特許文献を参考に製造することができる。
非特許文献1: J.Am.Chem.Soc.,114,3859(1992)
非特許文献2: J.Mol.Catal.,86, 309 (1994)
非特許文献3:Chem.Lett.,659(1998)
特許文献4:WO2014/163028
本発明に用いるチタン含有シルセキスオキサンの製造方法は、以下の文献及び特許文献を参考に製造することができる。
非特許文献1: J.Am.Chem.Soc.,114,3859(1992)
非特許文献2: J.Mol.Catal.,86, 309 (1994)
非特許文献3:Chem.Lett.,659(1998)
特許文献4:WO2014/163028
(3)紫外線硬化性化合物
紫外線硬化性化合物は、本発明の有機無機複合体における有機成分に相当する。本発明に用いる紫外線硬化性化合物は、紫外線の照射により重合反応を起こす官能基を有する化合物又は樹脂である。照射する紫外線としては、350nm以下の波長を含む光線が好ましい。
紫外線の照射には、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーランプ、カーボンアークランプ、キセノンアークランプ等の公知の装置を用いて行うことができ、照射する光源としては、150〜350nmの範囲のいずれかの波長の光線を含む光源であることが好ましく、250〜310nmの範囲のいずれかの波長の光線を含む光源であることがより好ましい。
また、有機無機複合体形成用組成物を十分に硬化させるために照射する光線の照射光量は、0.1〜100J/cm2程度であり、組成物の硬化効率(照射エネルギーと組成物の硬化程度の関係)を考慮すると、0.4〜10J/cm2程度であることが好ましく、0.4〜5J/cm2程度であることがより好ましい。
紫外線硬化性化合物は、本発明の有機無機複合体における有機成分に相当する。本発明に用いる紫外線硬化性化合物は、紫外線の照射により重合反応を起こす官能基を有する化合物又は樹脂である。照射する紫外線としては、350nm以下の波長を含む光線が好ましい。
紫外線の照射には、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーランプ、カーボンアークランプ、キセノンアークランプ等の公知の装置を用いて行うことができ、照射する光源としては、150〜350nmの範囲のいずれかの波長の光線を含む光源であることが好ましく、250〜310nmの範囲のいずれかの波長の光線を含む光源であることがより好ましい。
また、有機無機複合体形成用組成物を十分に硬化させるために照射する光線の照射光量は、0.1〜100J/cm2程度であり、組成物の硬化効率(照射エネルギーと組成物の硬化程度の関係)を考慮すると、0.4〜10J/cm2程度であることが好ましく、0.4〜5J/cm2程度であることがより好ましい。
紫外線硬化性化合物としては、具体的には、(メタ)アクリレート系化合物を含むビニル化合物、エポキシ樹脂等が挙げられる。紫外線の照射により重合反応を起こす官能基の数は、1個以上であれば特に限定はない。
(メタ)アクリレート系化合物としては、具体的には、ポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート 、エポキシ(メタ)アクリレート 、ポリアミド(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート 、ポリスチリル(メタ)アクリレート 、ポリカーボネートジアクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート 、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート 、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシロキサンポリマー等が挙げられるが、好ましくはポリエステル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、エポキシポリ(メタ)アクリレートであり、より好ましくは、ポリウレタン(メタ)アクリレートである。
エポキシ(メタ)アクリレートは、低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラックエポキシ樹脂のオキシラン環とアクリル酸とのエステル化反応により得ることができる。
ポリエステル(メタ)アクリレートは、多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる、両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基をアクリル酸でエステル化することにより得られる。また、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基をアクリル酸でエステル化することにより得られる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、ポリオールとジイソシアネートとを反応させて得られるイソシアネート化合物と、水酸基を有するアクリレートモノマーとの反応生成物であり、ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートジオール等が挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレートは、多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる、両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基をアクリル酸でエステル化することにより得られる。また、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基をアクリル酸でエステル化することにより得られる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、ポリオールとジイソシアネートとを反応させて得られるイソシアネート化合物と、水酸基を有するアクリレートモノマーとの反応生成物であり、ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートジオール等が挙げられる。
また、アクリレート系化合物以外のビニル化合物としては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、酢酸ビニル、スチレン、不飽和ポリエステル等が挙げられ、エポキシ樹脂としては、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート等が挙げられる。
紫外線硬化性化合物の分子量は、有機無機複合体形成用組成物中に溶解する限り限度はないが、通常は質量平均分子量として500〜50,000、好ましくは1,000〜10,000である。
(4)光重合開始剤
本発明に用いる光重合開始剤は、350nm以下の波長を含む光線を照射することで、活性ラジカル種を発生させる化合物等である。
光照射により活性ラジカル種を発生させる化合物としては、具体的には、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2’−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1,4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)等を挙げることができる。
本発明に用いる光重合開始剤は、350nm以下の波長を含む光線を照射することで、活性ラジカル種を発生させる化合物等である。
光照射により活性ラジカル種を発生させる化合物としては、具体的には、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2’−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1,4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)等を挙げることができる。
(5)有機無機複合体形成用組成物の調製方法
本発明の有機無機複合体形成用組成物は、チタン含有シルセスキオキサンに、光重合開始剤及び紫外線硬化性化合物を混合して調製できる。その際、必要に応じて、水、有機溶媒等の溶媒を添加できる。
本発明の有機無機複合体形成用組成物は、チタン含有シルセスキオキサンに、光重合開始剤及び紫外線硬化性化合物を混合して調製できる。その際、必要に応じて、水、有機溶媒等の溶媒を添加できる。
用いる有機溶媒は、特に制限されるものではなく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;メタノール、エタノール等のアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の多価アルコール誘導体類;等が挙げられる。これらの溶媒は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の有機無機複合体組成物は、チタン含有シルセスキオキサン、光重合開始剤、及び紫外線硬化性化合物が、その組成物中の固形分に該当する。
有機無機複合体組成物中の固形分は、組成物の全量に対して、10〜80質量%、好ましくは20〜60質量%である。
チタン含有シルセスキオキサンの配合量は、紫外線硬化性化合物の固形分に対して、0.5〜10質量%配合することが好ましく、1〜5質量%配合することがさらに好ましい。
光重合開始剤の配合量は、紫外線硬化性化合物の固形分に対して、0.01〜20質量%配合することが好ましく、0.1〜10質量%配合することがさらに好ましい。
有機無機複合体組成物中の固形分は、組成物の全量に対して、10〜80質量%、好ましくは20〜60質量%である。
チタン含有シルセスキオキサンの配合量は、紫外線硬化性化合物の固形分に対して、0.5〜10質量%配合することが好ましく、1〜5質量%配合することがさらに好ましい。
光重合開始剤の配合量は、紫外線硬化性化合物の固形分に対して、0.01〜20質量%配合することが好ましく、0.1〜10質量%配合することがさらに好ましい。
(6)有機無機複合体及びその製造方法
本発明の有機無機複合体は、前記の有機無機複合体形成用組成物を硬化させて得られるものである。好ましくは、前記の有機無機複合体形成用組成物を所定の基材上で形成した有機無機複合薄膜である。
本発明の有機無機複合体が形成可能な基材としては、金属、セラミックス、ガラス、プラスチック等が挙げられる。これらのうちでは、プラスチックが好適に挙げられ、具体的には、タッチパネル用のプラスチック基板等が挙げられる。従来、薄膜のプラスチック基材への形成は困難であり、ガラス等の無機基材に限定されていたが、本発明の薄膜は形成の難しいプラスチック基材であっても、容易に形成でき、プラスチック製光学部品に対しても適している。かかるプラスチック基材としては、例えば、ポリカーボネート樹脂基材、アクリル樹脂基材、ポリイミド樹脂基材、ポリエステル樹脂基材、エポキシ樹脂基材、液晶ポリマー樹脂基材、ポリエーテルスルホン基材が挙げられる。
本発明の有機無機複合体は、前記の有機無機複合体形成用組成物を硬化させて得られるものである。好ましくは、前記の有機無機複合体形成用組成物を所定の基材上で形成した有機無機複合薄膜である。
本発明の有機無機複合体が形成可能な基材としては、金属、セラミックス、ガラス、プラスチック等が挙げられる。これらのうちでは、プラスチックが好適に挙げられ、具体的には、タッチパネル用のプラスチック基板等が挙げられる。従来、薄膜のプラスチック基材への形成は困難であり、ガラス等の無機基材に限定されていたが、本発明の薄膜は形成の難しいプラスチック基材であっても、容易に形成でき、プラスチック製光学部品に対しても適している。かかるプラスチック基材としては、例えば、ポリカーボネート樹脂基材、アクリル樹脂基材、ポリイミド樹脂基材、ポリエステル樹脂基材、エポキシ樹脂基材、液晶ポリマー樹脂基材、ポリエーテルスルホン基材が挙げられる。
また、基材上には、有機無機複合体形成用組成物を公知の塗布方法を用いて塗布することができる。例えば、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン法、インクジェット法等を挙げることができる。また、形成する薄膜の膜厚としては、特に制限されるものではなく、例えば、0.05〜200μm程度である。
有機無機複合体形成用組成物を塗布して形成した薄膜の乾燥処理としては、例えば、40〜200℃で、1〜120分程度行うことが好ましく、60〜120℃で、3〜60分程度行うことがより好ましい。
本発明の有機無機複合体の硬化方法としては、上記有機無機複合体形成用組成物に、350nm以下の波長を含む光線を照射する方法を挙げることができる。
350nm以下の波長を含む光線の照射は、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーランプ等の公知の装置を用いて行うことができ、照射する光線としては、150〜350nmの範囲のいずれかの波長の光線を含有する光線であることが好ましく、250〜310nmの範囲のいずれかの波長の光線を含有する光線であることがより好ましい。かかる範囲の波長に感応し、350nm、好ましくは310nmを超える光線に反応しないものであれば、太陽光によりほとんど影響を受けることはない。また、照射する光線の照射光量としては、例えば、0.1〜100J/cm2程度が挙げられ、硬化効率(照射エネルギーと硬化程度の関係)を考慮すると、0.2〜20J/cm2程度であることが好ましく、0.4〜10J/cm2程度であることがより好ましい。
なお、350nm以下の波長の光の照射とは、350nm以下のいずれかの波長の光を成分とする光源を用いる照射、好ましくは、350nm以下のいずれかの波長の光を主成分とする光源を用いる照射をいう。
なお、350nm以下の波長の光の照射とは、350nm以下のいずれかの波長の光を成分とする光源を用いる照射、好ましくは、350nm以下のいずれかの波長の光を主成分とする光源を用いる照射をいう。
また、本発明の有機無機複合体は、形成過程において無機成分であるチタン含有シルセスキオキサンの縮合物が、表面部分に偏析する。相対的に有機成分である紫外線硬化性化合物の降下物は、表面部分で少なくなる。そのため、表面部分は、炭素濃度が内部に比して低く、ケイ素濃度は逆に高くなる。すなわち、表面側が内部よりも無機化された状態となり、表面側が高い硬度を有する。具体的には、薄膜表面から深さ方向0.5μmまでの間における炭素含有量の最小値が、膜裏面側における炭素含有量の80%以下となる。
よって、本発明の有機無機複合体形成用組成物を基材に塗布、硬化させることで、表面側が高い硬度を有する有機無機複合薄膜が得られる。
よって、本発明の有機無機複合体形成用組成物を基材に塗布、硬化させることで、表面側が高い硬度を有する有機無機複合薄膜が得られる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
[実施例1]
有機複合体薄膜の形成
紫外線硬化性化合物として、ウレタンアクリレートオリゴマー(日本合成化学工業株式会社製、UV1700B)を50質量%になるようにトルエンに溶解させた。この溶液に無機成分である下記無機成分一覧に示される式1で表される化合物(R=シクロヘキシル、R’=シクロペンタジエニル)を、ウレタンアクリレートオリゴマーに対して1質量%になるように溶解させた。光重合開始剤としてIrgacure184(BASF ジャパン(株)製)をウレタンアクリレートオリゴマーの固形分に対して4質量%になるように溶解させ、有機無機複合体形成用組成物を作製した。
得られた組成物をPET基板(コスモシャインA4300、厚み188um)にバーコートで成膜し、温風循環式乾燥器にて80℃、3分間乾燥した。続いて、集光型高圧水銀灯により、積算紫外線照射量500mJ/cm2の紫外線を照射して、本発明の有機複合体薄膜を得た。
なお、式1で表される化合物は、上記非特許文献3を参考に調製した。
有機複合体薄膜の形成
紫外線硬化性化合物として、ウレタンアクリレートオリゴマー(日本合成化学工業株式会社製、UV1700B)を50質量%になるようにトルエンに溶解させた。この溶液に無機成分である下記無機成分一覧に示される式1で表される化合物(R=シクロヘキシル、R’=シクロペンタジエニル)を、ウレタンアクリレートオリゴマーに対して1質量%になるように溶解させた。光重合開始剤としてIrgacure184(BASF ジャパン(株)製)をウレタンアクリレートオリゴマーの固形分に対して4質量%になるように溶解させ、有機無機複合体形成用組成物を作製した。
得られた組成物をPET基板(コスモシャインA4300、厚み188um)にバーコートで成膜し、温風循環式乾燥器にて80℃、3分間乾燥した。続いて、集光型高圧水銀灯により、積算紫外線照射量500mJ/cm2の紫外線を照射して、本発明の有機複合体薄膜を得た。
なお、式1で表される化合物は、上記非特許文献3を参考に調製した。
[比較例1]
無機成分として下記無機成分一覧に示される式2で表される化合物(R=シクロヘキシル)を使用した以外は実施例1と同様に組成物を作成しこれを用いて成膜し、薄膜を得た。
なお、式2で表される化合物は、市販品(SIGMA−ALDRICH社製)を用いた。
無機成分として下記無機成分一覧に示される式2で表される化合物(R=シクロヘキシル)を使用した以外は実施例1と同様に組成物を作成しこれを用いて成膜し、薄膜を得た。
なお、式2で表される化合物は、市販品(SIGMA−ALDRICH社製)を用いた。
[比較例2]
無機機成分として下記無機成分一覧に示される式3で表される化合物(R=シクロヘキシル)を使用した以外は実施例1と同様に組成物を作成しこれを用いて成膜し、薄膜を得た。
なお、式3で表される化合物は、市販品(SIGMA−ALDRICH社製)を用いた。
無機機成分として下記無機成分一覧に示される式3で表される化合物(R=シクロヘキシル)を使用した以外は実施例1と同様に組成物を作成しこれを用いて成膜し、薄膜を得た。
なお、式3で表される化合物は、市販品(SIGMA−ALDRICH社製)を用いた。
薄膜表面の顕微鏡観察
実施例1および比較例1、2の薄膜の表面について、光学顕微鏡(倍率30倍)でその状態を観察した。その結果を図1、図2、及び図3に示す。
本発明のチタン含有シルセスキオキサンの薄膜は、かご型シルセスキオキサンに相当する化合物2、及びトリシラノールを有する化合物3にくらべて表面平滑性が良いことがわかる。
実施例1および比較例1、2の薄膜の表面について、光学顕微鏡(倍率30倍)でその状態を観察した。その結果を図1、図2、及び図3に示す。
本発明のチタン含有シルセスキオキサンの薄膜は、かご型シルセスキオキサンに相当する化合物2、及びトリシラノールを有する化合物3にくらべて表面平滑性が良いことがわかる。
塗膜成分試験
実施例1、比較例1、及び比較例2の薄膜について、ESCAで薄膜の深さ方向における元素分布を測定した。その結果を図4、図5、及び図6に示す。
無機成分であるSiの元素分布から、図4より実施例1で得られた薄膜には10nm程度の無機化膜が発現していることがわかった。
図5より、比較例1で得られた薄膜は表層より25nm程度の無機成分偏析が見られるが、図2の表面状態より、比較的大きな結晶が点在しており局所的な偏りがあると考えられる。
図6より、比較例2で得られた薄膜には表層部にSiが高濃度に検出されなかった。すなわち、トリシラノールを有する化合物3は無機成分として偏析しない。
実施例1、比較例1、及び比較例2の薄膜について、ESCAで薄膜の深さ方向における元素分布を測定した。その結果を図4、図5、及び図6に示す。
無機成分であるSiの元素分布から、図4より実施例1で得られた薄膜には10nm程度の無機化膜が発現していることがわかった。
図5より、比較例1で得られた薄膜は表層より25nm程度の無機成分偏析が見られるが、図2の表面状態より、比較的大きな結晶が点在しており局所的な偏りがあると考えられる。
図6より、比較例2で得られた薄膜には表層部にSiが高濃度に検出されなかった。すなわち、トリシラノールを有する化合物3は無機成分として偏析しない。
無機成分一覧
Claims (5)
- a)式(I)
(式(I)中、Rは式中のSiに炭素原子が直接結合した有機基を表す。ここで、各Rは同一でも異なっていてもよい。
R’は、水酸基、加水分解性基、又はチタンと配位可能な化合物を表す。ここで、R’がチタンと配位可能な化合物である場合、チタン原子とR’間の結合は、複数の配位結合であってもよい。)で表されるチタン含有シルセスキオキサン、
b)紫外線硬化性化合物、及び
c)光重合開始剤
を含有することを特徴とする有機無機複合体形成用組成物。 - 紫外線硬化性化合物が、(メタ)アクリレート系化合物であることを特徴とする請求項1に記載の有機無機複合体形成用組成物。
- a)式(I)
(式(I)中、Rは式中のSiに炭素原子が直接結合した有機基を表す。ここで、各Rは同一でも異なっていてもよい。
R’は、水酸基、加水分解性基、又はチタンと配位可能な化合物を表す。ここで、R’がチタンと配位可能な化合物である場合、チタン原子とR’間の結合は、複数の配位結合であってもよい。)で表されるチタン含有シルセスキオキサンの縮合物、及び
b)紫外線硬化性化合物の硬化物
を含有することを特徴とする有機無機複合体。 - a)式(I)
(式(I)中、Rは式中のSiに炭素原子が直接結合した有機基を表す。ここで、各Rは同一でも異なっていてもよい。
R’は、水酸基、加水分解性基、又はチタンと配位可能な化合物を表す。ここで、R’がチタンと配位可能な化合物である場合、チタン原子とR’間の結合は、複数の配位結合であってもよい。)で表されるチタン含有シルセスキオキサンの縮合物、及び
b)紫外線硬化性化合物の硬化物
を含有することを特徴とする有機無機複合薄膜であって、薄膜表面から深さ方向0.5μmまでの間における炭素含有量の最小値が、膜裏面側における炭素含有量の80%以下である有機無機複合薄膜。 - 請求項1に記載の有機無機複合体形成用組成物に、350nm以下の波長を含む光を照射することを特徴とする有機無機複合体の製造方法。
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