JP2017087523A - 光学積層体、画像表示装置及び硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】b*及び全光線透過率に優れる光学積層体及びこれを有する画像表示装置、並びにb*及び全光線透過率に優れる硬化性組成物を提供する。【解決手段】少なくとも基材と、有機無機複合層とを有する光学積層体であって、該有機無機複合層が、有機ケイ素化合物の縮合物(a)、紫外線硬化性化合物(b)、光重合開始剤(c)、及び金属化合物(d)を含有する硬化性組成物を硬化することにより形成されてなる層であり、該積層体を構成するいずれかの層が青色着色材料を含有し、JIS Z8781−4に規定されるb*が−0.8〜0.8である光学積層体。【選択図】なし

Description

本発明は、液晶ディスプレイ等の画像表示装置に好適に用いられる光学積層体及びこれを有する画像表示装置、並びに硬化性組成物に関する。
画像表示装置において、液晶ディスプレイ(LCD)、タッチパネルを搭載したLCD、エレクトロルミネッセンス(EL)、電子ペーパー等は、省電力、軽量、薄型等といった特徴を有していることから、従来のブラウン管(CRT)ディスプレイに替わり、近年急速に普及している。
このような画像表示装置の表面や内部に用いる光学積層体は、取扱い時に傷が付かないためのハードコート性、静電気の影響をなくすための帯電防止性、指紋の付着による外観不良をなくすための防汚性、写り込み防止のための防眩性、外光の反射を防ぐための反射防止性等の機能が要求されることから、基材上にハードコート層、帯電防止層、防汚層、防眩層、反射防止層等を、単独あるいは組み合わせて設けることにより、機能を付与することが一般になされている。
これらの機能を付与する方法として、特定の層の表面のみを無機質化する手法が検討されている。
例えば、特許文献1には、特定の有機ケイ素化合物の縮合物、及び有機高分子化合物を含有する有機無機複合薄膜であって、該膜の表面に有機ケイ素化合物の縮合物が濃縮した層が形成されており、表面から10nmの深さの炭素原子の濃度が、表面から100nmの深さの炭素原子の濃度より20%以上少なく、さらに、膜の表面から2nmの深さのO/Si元素比が1.8〜2.5である有機無機複合薄膜が開示されている。該有機無機複合薄膜は、膜内部が有機樹脂に富んでいるのに対して、膜表面がほぼ完全に無機質化しているという特徴を有するため、ハードコート層としての機能のみならず、例えば、更に外側に金属界面活性剤の加水分解縮合物からなる緻密な単分子膜を形成する等、種々の機能を付与するための改質が可能となる。
国際公開第2013/118201号
しかしながら、特許文献1に開示される有機無機複合薄膜は、効率的に膜表面を無機質化するために、特定の金属化合物を添加する必要があり、該金属化合物に起因して膜のbが高くなる問題があった。
該bは、JIS Z8781−4に規定される色味の指標となる値であり、プラス方向が黄方向を、マイナス方向が青方向を示すものである。特に、画像表示装置等の用途において、bは0に近い値が望まれており、特許文献1に開示される有機無機複合薄膜を光学フィルムとして用いる場合、bの改善が望まれていた。
本発明は、b及び全光線透過率に優れる光学積層体及びこれを有する画像表示装置、並びにb及び全光線透過率に優れる硬化性組成物を提供することを課題とする。
本発明者等は、特定の硬化性組成物を硬化することにより得られる有機無機複合層を有する光学積層体であって、該積層体を構成するいずれかの層に青色着色材料を含有させることより、前記課題を解決できることを見出した。
すなわち本発明は、下記[1]〜[3]を提供する。
[1]少なくとも基材と、有機無機複合層とを有する光学積層体であって、該有機無機複合層が、有機ケイ素化合物の縮合物(a)、紫外線硬化性化合物(b)、光重合開始剤(c)、及び金属化合物(d)を含有する硬化性組成物を硬化することにより形成されてなる層であり、該積層体を構成するいずれかの層が青色着色材料を含有し、JIS Z8781−4に規定されるbが、−0.8〜0.8である光学積層体。
[2]上記[1]に記載の光学積層体を備えた画像表示装置。
[3]有機ケイ素化合物の縮合物(a)、紫外線硬化性化合物(b)、光重合開始剤(c)、金属化合物(d)、及び青色着色材料を含有する硬化性組成物であって、JIS Z8781−4に規定されるbが、−0.8〜0.8である硬化性組成物。
本発明によれば、b及び全光線透過率に優れる光学積層体及びこれを有する画像表示装置、並びにb及び全光線透過率に優れる硬化性組成物を提供することができる。
[光学積層体]
本発明の光学積層体は、少なくとも基材と、有機無機複合層とを有する光学積層体であって、該有機無機複合層が、有機ケイ素化合物の縮合物(a)、紫外線硬化性化合物(b)、光重合開始剤(c)、及び金属化合物(d)を含有する硬化性組成物を硬化することにより形成されてなる層であり、該積層体を構成するいずれかの層が青色着色材料を含有し、JIS Z8781−4に規定されるbが、−0.8〜0.8であることを特徴とする。
本発明の光学積層体は有機無機複合層を有し、例えば、シラン系の防汚剤等、無機材料と親和性が高い材料を用いる表面改質を効率的に行うことができる。更に、該積層体を構成するいずれかの層が青色着色材料を含有し、bを−0.8〜0.8とすることにより、優れた全光線透過率とbとを両立させることができる。
<基材>
本発明の光学積層体に用いる基材としては、光透過性、平滑性、耐熱性を備え、機械的強度に優れたものであることが好ましい。このような基材としては、樹脂フィルム又はガラス板が好ましい。
基材として用いられる樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル、トリアセチルセルロース(TAC)、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリウレタン、非晶質オレフィン(Cyclo−Olefin−Polymer:COP)等のプラスチックフィルムが挙げられる。樹脂フィルムは、2枚以上のプラスチックフィルムを貼り合わせたものであってもよい。
上記の中でも、トリアセチルセルロースフィルム、ポリエステルフィルム、及びアクリルフィルムから選ばれる樹脂フィルムが好ましい。
基材として用いられるガラス板の厚みは、特に制限はないが、画像表示装置の前面板に用いる観点から、好ましくは0.01〜100mm、より好ましくは0.02〜10mmである。また基材として用いられる樹脂フィルムの厚みは、強度及び光学特性の観点から、好ましくは1〜500μm、より好ましくは3〜300μmである。
基材の表面には、接着性向上のために、コロナ放電処理、酸化処理、プラズマ処理等の物理的な処理の他、アンカー剤又はプライマーと呼ばれる塗料の塗布を予め行ってもよい。
本発明に用いられる基材の全光線透過率は85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。基材の透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法)に準拠する方法により測定することができる。
<有機無機複合層>
有機無機複合層は、有機ケイ素化合物の縮合物(a)、紫外線硬化性化合物(b)、光重合開始剤(c)、及び金属化合物(d)を含有する硬化性組成物を硬化することにより形成されてなる層である。
有機無機複合層の全光線透過率は、視認性の観点から、85%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。有機無機複合層の厚みは、特に制限されず、用途に応じて適宜決定することができるが、通常、1〜50μmであり、光学特性及びハードコート性の観点からは、1〜30μmが好ましい。
有機無機複合層は、基材とは反対側の表面に無機層を有することが好ましい。有機無機複合層が無機層を有することにより、無機材料と親和性が高い材料を用いる表面改質を、より効率的に行うことができる。
(無機層)
無機層は、主に硬化性組成物に含まれる有機ケイ素化合物の縮合物(a)から構成される層である。
無機層中の炭素原子の濃度は、好ましくは5〜70%、より好ましくは20〜60%である。
無機層中のケイ素原子の濃度は、好ましくは5〜40%、より好ましくは10〜30%である。
無機層中の酸素原子とケイ素原子の濃度比〔O/Si〕は、好ましくは1.8〜2.5、より好ましくは1.8〜2.4である。
なお、前記無機層中の炭素原子の濃度、ケイ素原子の濃度、及び元素濃度比〔O/Si〕を前記範囲内とすることにより、有機無機複合層の表面の無機成分含有量を高めることができ、その後の機能付与を効率的に行うことができる。
また、本明細書における「炭素原子の濃度」、「ケイ素原子の濃度」、及び「酸素原子の濃度」とは、X線光電子分光法(XPS)により測定される濃度であり、(ケイ素原子+酸素原子+炭素原子)を100%とした場合の炭素原子、ケイ素原子、酸素原子、各々のモル濃度を意味する。
ただし、後述する無機充填剤としてシリカ等のケイ素含有化合物を用いる場合、無機充填剤由来のケイ素は前記ケイ素原子の濃度に含めないものとする。無機充填剤由来のケイ素原子を除いたケイ素原子の濃度は、例えば、XPS測定において、二次電子像を確認しながら、無機充填剤以外の箇所のみを測定する方法により測定することができる。
有機無機複合層は、基材とは反対側の最表面まで無機層で構成されていることが最も好ましいが、元素分析の前処理条件等により最表面の元素濃度が変動する場合があることを考慮すると、好ましくは最表面からその深さが5〜10nm、より好ましくは最表面からその深さが2〜10nmの領域が少なくとも無機層で構成されていることが好ましい。
有機無機複合層は、さらに、基材側の面に有機層を有していてもよい。すなわち、有機無機複合層は、前記基材側から有機層と無機層とを順に有するものであってもよい。
(有機層)
有機層は、主に硬化性組成物に含まれる紫外線硬化性化合物(b)が硬化してなる有機高分子化合物から構成される層である。
有機層中の炭素原子の濃度は、好ましくは80〜98%、より好ましくは90〜95%である。
有機層中のケイ素原子の濃度は、好ましくは0〜10%、より好ましくは0〜5%である。
有機層中の炭素原子の濃度、及びケイ素原子の濃度を前記範囲内とすることにより、表面無機層が十分に形成されるため好ましい。
なお、有機無機複合層が、有機層及び無機層を有する場合、有機層と無機層との間に、段階的に組成が変化する中間層を有していてもよい。
(硬化性組成物)
硬化性組成物は、有機ケイ素化合物の縮合物(a)、紫外線硬化性化合物(b)、光重合開始剤(c)、及び金属化合物(d)を含有するものであり、更に、その他の任意成分を含有していてもよい。
このような硬化性組成物としては、例えば、国際公開第2013/118201号で開示される有機無機複合薄膜の原料として用いられる各成分を用いることができ、商業的には日本曹達(株)製「NH−1000G」が入手可能である。
以下、本発明に用いる硬化性組成物の代表的な態様を説明する。
〔有機ケイ素化合物の縮合物(a)〕
有機ケイ素化合物の縮合物(a)の原料として用いられる有機ケイ素化合物としては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
SiX4−n (1)
(一般式(1)中、RはSiに炭素原子が直接結合する有機基を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表す。nは1又は2を表し、nが2のとき各Rは同一でも異なっていてもよく、(4−n)が2以上のとき各Xは同一でも異なっていてもよい。)
ここで、Rで表されるSiに炭素原子が直接結合する有機基としては、例えば、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい炭化水素のポリマーからなる基等を挙げることができる。
前記置換されていてもよい炭化水素基の炭化水素基は、通常、炭素数1〜30の炭化水素基であり、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜10の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基、炭素数3〜8のシクロアルケニル基である。
また、前記炭化水素基又は炭化水素のポリマーからなる基は、酸素原子、窒素原子、又はケイ素原子を含んでいてもよい。
炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基等が挙げられる。また、炭素数10を超える長鎖のアルキル基としては、例えば、ラウリル基、トリデシル基、ミリスチル基、ペンタデシル基、パルミチル基、ヘプタデシル基、ステアリル基等が挙げられる。
炭素数3〜8のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
炭素数2〜10の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基は、いずれか1カ所以上に炭素−炭素二重結合を有する炭素数2〜10の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基を意味し、例えば、エテニル基、プロパ−1−エン−1−イル基、プロパ−2−エン−1−イル基、プロパ−1−エン−2−イル基、ブタ−1−エン−1−イル基、ブタ−2−エン−1−イル基、ブタ−3−エン−1−イル基、ブタ−1−エン−2−イル基、ブタ−3−エン−2−イル基、ペンタ−1−エン−1−イル基、ペンタ−4−エン−1−イル基、ペンタ−1−エン−2−イル基、ペンタ−4−エン−2−イル基、3−メチル−ブタ−1−エン−1−イル基、ヘキサ−1−エン−1−イル基、ヘキサ−5−エン−1−イル基、ヘプタ−1−エン−1−イル基、ヘプタ−6−エン−1−イル基、オクタ−1−エン−1−イル基、オクタ−7−エン−1−イル基等が挙げられる。
炭素数3〜8のシクロアルケニル基は、いずれか1カ所以上に炭素−炭素二重結合を有し、かつ環状部分を有する炭素数3〜8のアルケニル基を意味し、例えば、1−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロペンテン−1−イル基、1−シクロヘキセン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基、3−シクロヘキセン−1−イル基等が挙げられる。
シクロアルキルアルキル基としては、例えば、シクロプロピルメチル基、シクロプロピルプロピル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロへキシルエチル基、シクロヘプチルメチル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロパ−1−イン−1−イル基、プロパ−2−イン−1−イル基、ブタ−1−イン−1−イル基、ブタ−3−イン−1−イル基、ペンタ−1−イン−1−イル基、ペンタ−4−イン−1−イル基、ヘキサ−1−イン−1−イル基、ヘキサ−5−イン−1−イル基、ヘプタ−1−イン−1−イル基、オクタ−1−イン−1−イル基、オクタ−7−イン−1−イル基等が挙げられる。
アリールアルキル基としては、例えば、C6−10アリールC1−8アルキル基として、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニル−n−プロピル基、4−フェニル−n−ブチル基、5−フェニル−n−ペンチル基、8−フェニル−n−オクチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
アリールアルケニル基としては、例えば、C6−10アリールC2−8アルケニル基として、スチリル基、3−フェニル−プロパ−1−エン−1−イル基、3−フェニル−プロパ−2−エン−1−イル基、4−フェニル−ブタ−1−エン−1−イル基、4−フェニル−ブタ−3−エン−1−イル基、5−フェニル−ペンタ−1−エン−1−イル基、5−フェニル−ペンタ−4−エン−1−イル基、8−フェニル−オクタ−1−エン−1−イル基、8−フェニル−オクタ−7−エン−1−イル基、ナフチルエテニル基等が挙げられる。
酸素原子を有する炭化水素基としては、例えば、エポキシ基、エポキシアルキル基、グリシドキシプロピル基等のオキシラン環(エポキシ基)を有する基、アクリロキシメチル基、メタクリロキシメチル基等が挙げられる。
ここで、エポキシアルキル基としては、炭素数3〜10の直鎖又は分岐鎖のエポキシアルキル基が好ましく、例えば、エポキシメチル基、エポキシエチル基、エポキシ−n−プロピル基、エポキシイソプロピル基、エポキシ−n−ブチル基、エポキシイソブチル基、エポキシ−t−ブチル基、エポキシ−n−ペンチル基、エポキシイソペンチル基、エポキシネオペンチル基、エポキシ−2−メチルブチル基、エポキシ−2,2−ジメチルプロピル基、エポキシ−n−ヘキシル基等が挙げられる。
窒素原子を有する炭化水素基としては、−NR’(式中、R’は水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、各R’は互いに同一でも異なっていてもよい。)を有する基、又は−N=CR’’(式中、R’’は水素原子又はアルキル基を表し、各R’’は互いに同一でも異なっていてもよい。)を有する基が好ましい。R’又はR’’で表されるアルキル基としては、前記と同じものが挙げられ、アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセン−1−イル基、フェナントレン−1−イル基等が挙げられる。
−NR’を有する基の具体例としては、―CH−NH基、−C−NH基、−CH−NH−CH基等が挙げられる。
−N=CR’’を有する基の具体例としては、−CH−N=CH−CH基、−CH−N=C(CH基、−C−N=CH−CH基等が挙げられる。
ケイ素原子を有する炭化水素としては、例えば、ポリシロキサン、ポリビニルシラン、ポリアクリルシラン等のポリマーを含む基等が挙げられる。
前記置換されていてもよい炭化水素基及び置換されていてもよい炭化水素のポリマーからなる基の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、メタクリロキシ基等が挙げられる。ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基としては、Rにおけるものと同じものを例示することができる。
前記式(1)中、nは、1又は2を表し、好ましくは1である。nが2のとき、各Rは同一でも異なっていてもよい。
前記式(1)において、Xは、水酸基又は加水分解性基を表す。式(1)の(4−n)が2以上のとき、各Xは同一でも異なっていてもよい。加水分解性基とは、例えば、無触媒、過剰の水の共存下、25℃〜100℃で加熱することにより、加水分解されてシラノール基を生成することができる基や、シロキサン縮合物を形成することができる基を意味し、具体的には、アルコキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン基、イソシアネート基等が挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜4のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアシルオキシ基が好ましい。
炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基等が挙げられ、炭素数1〜6のアシルオキシ基としては、例えば、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。ハロゲンとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。イソシアネート基としては、例えば、アルキル基に結合したイソシアネート基、シクロアルキル基に結合したイソシアネート基、アリール基に結合したイソシアネート基、シクロアルキル基が置換したアルキル基に結合したイソシアネート基、アリール基が置換したアルキル基に結合したイソシアネート基等が挙げられる。
有機ケイ素化合物の縮合物(a)の原料として用いられる有機ケイ素化合物の具体例としては、メチルトリクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ノナフルオロブチルエチルジメトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、ジメチルジアミノシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(3−メチル−3−オキセタンメトキシ)プロピルトリメトキシシラン、オキサシクロヘキシルトリメトキシシラン、メチルトリ(メタ)アクリロキシシラン、メチル[2−(メタ)アクリロキシエトキシ]シラン、メチル−トリグリシジロキシシラン、メチルトリス(3−メチル−3−オキセタンメトキシ)シラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、炭化水素のポリマーからなる基を有する有機ケイ素化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、フマル酸等のカルボン酸及び無水マレイン酸等の酸無水物;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ化合物;ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノエチルビニルエーテル等のアミノ化合物;(メタ)アクリルアミド、イタコン酸ジアミド、α−エチルアクリルアミド、クロトンアミド、フマル酸ジアミド、マレイン酸ジアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のアミド化合物;アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等から選ばれるビニル系化合物を共重合したビニル系ポリマーを前記式(1)のRとして有するものが挙げられる。
なお、硬化性組成物に含まれる有機ケイ素化合物の縮合物(a)は、原料である前記有機ケイ素化合物が縮合したものを意味する。
有機ケイ素化合物の縮合物(a)の配合割合は、有機無機複合層全体の固形分に対して、好ましくは2〜40質量%、より好ましくは5〜30質量%である。
〔紫外線硬化性化合物(b)〕
紫外線硬化性化合物(b)は、光重合開始剤の存在下で紫外線の照射により重合反応を起こす官能基を有する化合物又は樹脂であり、例えば、(メタ)アクリレート化合物、エポキシ樹脂、前記アクリレート化合物を除くビニル化合物等を重合反応させたものが例示される。紫外線硬化性化合物(b)中の重合反応を起こす官能基の数は、1個以上であれば特に限定されない。
(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、ポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリアミド(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、ポリスチリル(メタ)アクリレート、ポリカーボネートジアクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシロキサンポリマー等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはポリエステル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、エポキシポリ(メタ)アクリレートであり、より好ましくはポリウレタン(メタ)アクリレートである。
(メタ)アクリレート系化合物の分子量は、特に制限はないが、通常は重量平均分子量として500〜50,000であり、好ましくは1,000〜10,000である。
ポリエステル(メタ)アクリレートは、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる、両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基をアクリル酸でエステル化することにより得られる。又は、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基をアクリル酸でエステル化することにより得られる。
ポリウレタン(メタ)アクリレートは、ポリオールとジイソシアネートとを反応させて得られるイソシアネート化合物と、水酸基を有するアクリレートモノマーとを反応することにより得られる。ポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートジオール等が挙げられる。
ポリウレタン(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、荒川化学工業(株)製の商品名:ビームセット102、502H、505A−6、510、550B、551B、575、575CB、EM−90、EM92等;サンノプコ(株)製の商品名:フォトマー6008、6210等;新中村化学工業(株)製の商品名:NKオリゴU−2PPA、U−4HA、U−6HA、H−15HA、UA−32PA、U−324A、U−4H、U−6H等;東亜合成(株)製の商品名:アロニックスM−1100、M−1200、M−1210、M−1310、M−1600、M−1960等;共栄社化学(株)製の商品名:AH−600、AT606、UA−306H等;日本化薬(株)製の商品名:カヤラッドUX−2201、UX−2301、UX−3204、UX−3301、UX−4101、UX−6101、UX−7101等;日本合成化学工業(株)製の商品名:紫光UV−1700B、UV−3000B、UV−6100B、UV−6300B、UV−7000、UV−7600B、UV−2010B等;根上工業(株)製の商品名:アートレジンUN−1255、UN−5200、HDP−4T、HMP−2、UN−901T、UN−3320HA、UN−3320HB、UN−3320HC、UN−3320HS、H−61、HDP−M20等;ダイセルユーシービー(株)製の商品名:Ebecryl6700、204、205、220、254、1259、1290K、1748、2002、2220、4833、4842、4866、5129、6602、8301等が挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレートは、例えば、低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂等のオキシラン環とアクリル酸とのエステル化反応により得ることができる。
エポキシ樹脂としては、例えば、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート等が挙げられる。
アクリレート系化合物を除くビニル化合物としては、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、酢酸ビニル、スチレン、不飽和ポリエステル等が挙げられる。
紫外線硬化性化合物(b)が硬化してなる有機高分子化合物の配合割合は、有機無機複合体全体の固形分に対して、好ましくは60〜98質量%、より好ましくは70〜95質量%である。
〔光重合開始剤(c)〕
光重合開始剤(c)としては、例えば、(i)光照射によりカチオン種を発生させる化合物、(ii)光照射により活性ラジカル種を発生させる化合物等が挙げられる。
(i)光照射によりカチオン種を発生させる化合物としては、例えば、下記式(2)に示す構造を有するオニウム塩が好ましく挙げられる。
[R W]+e[MLe+f−e (2)
(式(2)中、カチオンはオニウムイオンであり、Wは、S、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O、I、Br、Cl又はN≡N−であり、R、R、R及びRは同一又は異なる有機基であり、a、b、c、及びdは、それぞれ0〜3の整数であって、(a+b+c+d)はWの価数に等しい。Mは、ハロゲン化物錯体[MLe+f]の中心原子を構成する金属又はメタロイドであり、例えば、B、P、As、Sb、Fe、Sn、Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、Mn、Co等である。Lは、例えば、F、Cl、Br等のハロゲン原子であり、eは、ハロゲン化物錯体イオンの正味の電荷であり、fは、Mの原子価である。)
このオニウム塩は、光を受けることによりルイス酸を放出する化合物である。
前記式(2)中における陰イオン(MLe+f)の具体例としては、テトラフルオロボレート(BF )、ヘキサフルオロホスフェート(PF )、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF )、ヘキサフルオロアルセネート(AsF )、ヘキサクロロアンチモネート(SbCl )等が挙げられる。
また、光重合開始剤(c)としては、式〔ML(OH)〕に示す陰イオンを有するオニウム塩を用いることもできる。さらに、過塩素酸イオン(ClO )、トリフルオロメタンスルフォン酸イオン(CFSO )、フルオロスルフォン酸イオン(FSO )、トルエンスルフォン酸イオン、トリニトロベンゼンスルフォン酸陰イオン、トリニトロトルエンスルフォン酸陰イオン等の他の陰イオンを有するオニウム塩であってもよい。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(ii)光照射により活性ラジカル種を発生させる化合物としては、例えば、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1,4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)等が挙げられる。
本発明において用いられる光重合開始剤(c)の配合量は、有機高分子化合物の原料である紫外線硬化性化合物(b)の固形分に対して、0.01〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましい。
また、硬化性組成物には、必要に応じて増感剤を添加することができる。増感剤としては、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が使用できる。
〔金属化合物(d)〕
金属化合物(d)は、例えば、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素、ゲルマニウム、インジウム、スズ、タンタル、亜鉛、タングステン及び鉛から選ばれる1種以上の金属元素を含有する金属化合物である。これらの中でも、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、スズが好ましく、チタンがより好ましい。これらは単独で又は2種以上用いることができる。
金属化合物(d)としては、例えば、金属キレート化合物、有機酸金属塩、2以上の水酸基若しくは加水分解性基を有する金属化合物、それらの加水分解物、それらの縮合物から選ばれる1種以上の化合物等が挙げられる。これらの中でも、加水分解物及び縮合物から選ばれる1種以上が好ましく、金属キレート化合物の加水分解物及び縮合物から選ばれる1種以上がより好ましい。
有機無機複合層中の金属化合物(d)は、原料である化合物の状態のまま存在するものや、前記化合物がさらに縮合されたものの他、上述した有機ケイ素化合物等と化学結合したものも包含する。
金属キレート化合物としては、水酸基若しくは加水分解性基を有する金属キレート化合物が好ましく、2以上の水酸基若しくは加水分解性基を有する金属キレート化合物がより好ましい。金属キレート化合物としては、例えば、β−ケトカルボニル化合物、β−ケトエステル化合物、及びα−ヒドロキシエステル化合物が好ましく、具体的には、アセト酢酸メチル、アセト酢酸n−プロピル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸n−ブチル、アセト酢酸sec−ブチル、アセト酢酸t−ブチル等のβ−ケトエステル類;アセチルアセトン、へキサン−2,4−ジオン、ヘプタン−2,4−ジオン、ヘプタン−3,5−ジオン、オクタン−2,4−ジオン、ノナン−2,4−ジオン、5−メチル−へキサン−2,4−ジオン等のβ−ジケトン類;グリコール酸、乳酸等のヒドロキシカルボン酸等が配位した化合物等が挙げられる。
有機酸金属塩は、金属イオンと有機酸とから得られる塩からなる化合物である。有機酸金属塩を構成する有機酸としては、例えば、酢酸、シュウ酸、酒石酸、安息香酸等のカルボン酸類;スルフォン酸、スルフィン酸、チオフェノール等の含硫黄有機酸;フェノール化合物;エノール化合物;オキシム化合物;イミド化合物;芳香族スルフォンアミド等の酸性を呈する有機化合物が挙げられる。
2以上の水酸基若しくは加水分解性基を有する金属化合物は、前記金属キレート化合物及び有機酸金属塩を除くものであり、例えば、金属の水酸化物、金属アルコラート等が挙げられる。なお、2以上の水酸基若しくは加水分解性基を有するとは、水酸基及び加水分解性基の合計が2以上であることを意味する。
金属化合物(d)が加水分解性基を有する場合、加水分解性基としては、例えば、アルコキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン基、イソシアネート基等が挙げられ、これらの中でも、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアシルオキシ基が好ましい。
金属キレート化合物の加水分解物及び縮合物から選ばれる1種以上としては、金属キレート化合物1モルに対して、5〜100モルの水を用いて加水分解したものが好ましく、5〜20モルの水を用いて加水分解したものがより好ましい。
有機酸金属塩の加水分解物及び縮合物から選ばれる1種以上としては、金属有機酸塩化合物1モルに対して、5〜100モルの水を用いて加水分解したものが好ましく、5〜20モルの水を用いて加水分解したものがより好ましい。
2以上の水酸基若しくは加水分解性基を有する金属化合物の加水分解物及び縮合物から選ばれる1種以上としては、2以上の水酸基若しくは加水分解性基を有する金属化合物1モルに対して、0.5モル以上の水を用いて加水分解したものが好ましく、0.5〜2モルの水を用いて加水分解したものがより好ましい。
金属化合物(d)の配合量は、その種類にもよるが、有機ケイ素化合物中のSiに対して、金属化合物(d)中の金属原子が、好ましくは0.01〜0.5モル当量、より好ましくは0.05〜0.2モル当量となる量である。
硬化性組成物は、上述した(a)〜(d)成分以外に、本発明の効果を阻害しない範囲において、後述する青色着色材料を含んでいてもよい。
同様に、本発明の効果を阻害しない範囲において、機能性付与を目的とする防眩剤、防汚剤、帯電防止剤等の添加剤、塗布性向上を目的としてレベリング剤等の添加剤、並びにブロッキング防止を目的として易滑剤等の添加剤等の成分を含んでいてもよい。
〔硬化性組成物の製造方法〕
硬化性組成物は、有機ケイ素化合物の縮合物(a)、紫外線硬化性化合物(b)、光重合開始剤(c)、及び金属化合物(d)を、水、有機溶媒等と混合することにより硬化性組成物溶液として調製することができる。具体的な態様としては、国際公開第2013/118201号で開示される有機無機複合薄膜形成用溶液の調製方法に準ずる。以下、本発明に用いる硬化性組成物溶液の製造方法の代表的な態様を説明する。
硬化性組成物溶液を調製するにあたっては、例えば、まず金属化合物(d)を溶媒に混合し、所定量の水を加えて(部分)加水分解を行い、続いて、有機ケイ素化合物を添加して(部分)加水分解させた溶液を準備し、他方で、紫外線硬化性化合物(b)を溶媒に溶解して光重合開始剤(c)を添加した溶液を準備する。その後、両溶液を混合する方法により硬化性組成物溶液を製造することができる。
所定量の水の量としては、金属化合物(d)の種類にもよるが、例えば、金属化合物(d)が2以上の水酸基若しくは加水分解性基を有する場合、金属化合物(d)1モルに対して、0.5モル以上の水を用いることが好ましい。また、金属化合物(d)が金属キレート化合物又は有機酸金属塩の場合、金属キレート化合物又は有機酸金属塩1モルに対して、5〜100モルの水を用いることが好ましい。
硬化性組成物溶液は、前記各成分に加え、更に有機溶媒を含有することが好ましい。
有機溶媒としては、特に制限されるものではなく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;メタノール、エタノール等のアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の多価アルコール誘導体類等が挙げられる。これらの有機溶媒は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、硬化性組成物に青色着色材料を含有させる場合、上記で得られた硬化性組成物に青色着色材料を所定量添加して、公知の攪拌機等で混合する方法、超音波により分散を促す方法等により、青色着色材料を含有する硬化性組成物を好適に製造することができる。
硬化性組成物溶液中の固形分濃度としては、通常1〜75質量%である。
<ハードコートフィルム>
本発明の光学積層体は、ハードコートフィルムとして好適に用いることができる。
ここで、ハードコートとは、JIS5600−5−4:1999で規定される鉛筆硬度試験で「2H」以上の硬度を示す性能のことをいう。
本発明の光学積層体をハードコートフィルムとして用いる場合、硬度を高める観点から、前記硬化性組成物に、本発明の効果を阻害しない範囲内で、シリカ、アルミナ等の無機充填剤等を添加してもよい。
<防汚層>
本発明の光学積層体は、更に前記有機無機複合層の面上に防汚層を有することが好ましい。防汚層は表面エネルギーを下げ、親水性あるいは親油性の汚れを付きにくくするものである。
防汚層は、有機無機複合層の面上に防汚剤を蒸着する方法により形成することが好ましい。
防汚剤としては、前記有機無機複合層に防汚性能を付与できる物質であれば特に限定されず、例えば、防汚剤として公知のケイ素系化合物、フッ素系化合物等が挙げられる。これらの中でも、フッ素系化合物が好ましく、加水分解性シリル基を有するフッ素含有ケイ素化合物がより好ましい。加水分解性シリル基を有するフッ素含有ケイ素化合物は、無機層と反応性を有するため、無機層を有する有機無機複合層との組み合わせにおいて、特に防汚層の形成を効率的に行うことができると共に、高い防汚性が得られる。
加水分解性シリル基を有するフッ素含有ケイ素化合物としては、例えば、パーフルオロポリエーテル基、パーフルオロアルキレン基、パーフルオロアルキル基等が、加水分解性シリル基のケイ素原子に、連結基を介して又は直接結合する含フッ素有機基として存在する化合物が挙げられる。なお、パーフルオロポリエーテル基とは、パーフルオロアルキレン基とエーテル性酸素原子とが交互に結合した構造を有する2価の基をいう。
このようなフッ素含有ケイ素化合物としては、例えば、信越化学工業(株)製「KP−801」、「KY−130」、「KY−178」、「X−71−195」、ダイキン工業(株)製「オプツールDSX」、「オプツールDSX−E」、「オプツールUF503」等が商業的に入手可能であり、生産性及び防汚性の観点から、「X−71−195」、「オプツールDSX−E」、「オプツールUF503」が好ましい。
防汚層の厚みは、特に限定されないが、防汚性及び光学特性の観点から、好ましくは1〜100nm、より好ましくは1〜50nmである。
防汚層を形成する方法としては、塗布法、蒸着法等が挙げられる。塗布法としては、所望の厚みに均一に塗布できる方法であればよく、従来公知の方法の中から適宜選択すればよい。例えば、グラビアコート法、ナイフコート法、ディップコート法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、スピンコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ダイコート法、キャスティング法、バーコート法、エクストルージョンコート法等が挙げられる。また、蒸着法としては、抵抗加熱法、電子ビーム法等が挙げられる。
<その他の機能層>
本発明の光学積層体は、基材と有機無機複合層との間、又は基材の有機無機複合層とは反対側に、低屈折率層、防眩層、帯電防止層、粘着剤層及び高屈折率層から選択される1つ以上を有していてもよい。これにより、所望の機能を有する光学フィルムとすることができる。
<青色着色材料>
本発明の光学積層体は、該積層体を構成するいずれかの層が青色着色材料を含有するものである。すなわち、青色着色材料は、本発明の光学積層体を構成する基材、有機無機複合層、及び必要に応じて設けられるその他の機能層のいずれかに含まれていればよい。
また、有機無機複合層に青色着色材料を含有させる場合、青色着色材料は、硬化性組成物の無機層の形成を阻害しないものが好ましい。
なお、本発明における青色着色材料とは、単一の材料であってもよく、複数の材料を混合して青色を形成するものであってもよい。
本発明に用いる青色着色材料は、紫外可視吸収スペクトルにおける吸収ピークが、560〜690nmの範囲にあるものが好ましく、570〜650nmの範囲にあるものがより好ましく、580〜595nmの範囲にあるものがさらに好ましい。
青色着色材料が複数の材料を混合したものである場合、混合して得られた青色着色材料の紫外可視吸収スペクトルにおける吸収ピークが、前記範囲を満たすことが好ましい。
青色着色材料としては、例えば、従来公知の青色顔料、青色染料等を用いることができる。
青色顔料としては、例えば、銅フタロシアニンブルー(C.I.Pigment Blue 15)、無金属フタロシアニンブルー、(C.I.Pigment Blue 16)、チタニルフタロシアニンブルー、鉄フタロシアニンブルー、ニッケルフタロシアニンブルー、アルミフタロシアニンブルー、錫フタロシアニンブルー、アルカリブルー(C.I.Pigment Blue 1,2,3,10,14,18,19,24,56,57,61)、スルホン化CuPc(C.I.Pigment Blue 17)、紺青(C.I.PigmentBlue 27)、群青(C.I.Pigment Blue 29)、コバルトブルー(C.I.Pigment Blue28)、スカイブルー(C.I.Pigment Blue35)、Co(Al,Cr)(C.I.Pigment Blue 36)、ジスアゾ(C.I.Pigment Blue 25,26)、インダントロン(C.I.Pigment Blue 60)、インジゴ(C.I.Pigment Blue 63,66)、コバルトフタロシアニン(C.I.Pigment Blue 75)等が挙げられる。
青色顔料、好ましくはコバルトブルーの粒子径は、優れた全光線透過率とヘイズとbとを両立させる観点から、好ましくは0.001〜2μm、より好ましくは0.002〜1μmである。
青色染料としては、例えば、アゾ染料、金属錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染料、シアニン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロシアニン染料、金属フタロシアニン染料等が挙げられる。
これらの中でも、優れた全光線透過率とヘイズとbとを両立させる観点から、青色顔料が好ましく、コバルトブルーがより好ましい。
青色着色材料の含有量は、bを−0.8〜0.8にすることが可能な量であれば特に制限はなく、青色着色材料、有機無機複合層の種類や厚み等に応じて適宜決定することができるが、通常は、有機無機複合層100質量部当たり、0.001〜2質量部である。
例えば、青色着色材料としてコバルトブルーを用いる場合、有機無機複合層100質量部当たり、好ましくは0.001〜2質量部であり、より好ましくは0.005〜1質量部である。
<b
本発明の光学積層体は、JIS Z8781−4に規定されるbが、−0.8〜0.8である。bは、好ましくは−0.8〜0.8、より好ましくは−0.75〜0.75である。b値を前記範囲とすることにより、色味(黄色味)の発生を抑制することができる。
は、実施例に記載の方法により測定することができる。
また、本発明の光学積層体は、色味に優れたフィルムとする観点から、JIS Z8781−4に規定されるaが、好ましくは−2〜2、より好ましくは−1〜1である。
は、JIS Z8730に準拠する方法により測定することができ、具体的には実施例に記載の方法により測定することができる。
同様の観点から、CIE標準表色系に規定される輝度Yが、好ましくは85以上、より好ましくは88以上である。Yは、実施例に記載の方法により測定することができる。
<全光線透過率>
本発明の光学積層体の全光線透過率は、透明性の高いフィルムとする観点から、好ましくは85%以上、より好ましくは87%以上、更に好ましくは90%以上である。
全光線透過率は、実施例に記載の方法により測定することができる。
[光学積層体の製造方法]
本発明の光学積層体は、例えば、前記基材上に前記硬化性組成物溶液を塗布して塗布層を形成し、乾燥工程を行った後、硬化させることにより形成できる。
硬化性組成物を塗布する方法は、所望の厚みに均一に塗布できる方法であればよく、従来公知の方法の中から適宜選択すればよい。例えば、グラビアコート法、ナイフコート法、ディップコート法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、スピンコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ダイコート法、キャスティング法、バーコート法、エクストルージョンコート法等が挙げられる。
硬化性組成物溶液を塗布して形成した膜の乾燥処理としては、例えば、40〜200℃で、0.5〜120分程度行うことが好ましく、60〜120℃で、1〜60分程度行うことがより好ましい。
次に、乾燥後の硬化性組成物からなる膜に、光を照射することにより光硬化させる。光硬化は、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーランプ等の公知の装置を用いて行うことができる。照射する光としては、150〜350nmの範囲のいずれかの波長の光を含む光が好ましく、250〜310nmの範囲のいずれかの波長の光を含む光がより好ましい。
また、照射する光の照射光量としては、例えば、0.05〜100J/cmであり、0.10〜20J/cmが好ましく、0.15〜10J/cmがより好ましい。
上記の方法で得られた光学積層体は、無機層の表面に存在する有機成分を除去し、更に無機質化を図る観点から、プラズマ処理又はUVオゾン処理を施してもよい。
[画像表示装置]
本発明の画像表示装置は、本発明の光学積層体を備えるものである。本発明の光学積層体は、例えば、陰極線管表示装置(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、タッチパネル、電子ペーパー、携帯電話等のディスプレイに好適であり、特に高精細化ディスプレイに好適に使用することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、本発明は、実施例に記載の形態に限定されるものではない。
実施例及び比較例の光学積層体の評価は以下のようにして行った。
<透過色相Y、a、b
測定装置:(株)島津製作所製、商品名(型番):紫外可視分光光度計UV−2550
測定条件:JIS Z8730に従い、透過色相Y、a、bを測定した。
<全光線透過率、ヘイズ>
測定装置:日本電色工業(株)製、商品名(型番):ヘイズメーターNDH2000
測定条件:全光線透過率、ヘイズはそれぞれJIS K 7361、JIS K 7136に従い測定した。
<耐スチールウール擦り性>
スチールウール#0000で荷重をかけながら10往復擦り試験を行い、目視により耐スチールウール擦り性を判断した。
<静的接触角>
測定装置:協和界面科学(株)製、商品名(型番):DM 500
測定条件:純水及びn−ヘキサデカンの接触角を測定した。部材の防汚層表面に1.5μLの純水を滴下し、着滴1秒後に、θ/2法に従って、滴下した液滴の左右端点と頂点を結ぶ直線の、固体表面に対する角度から接触角を算出した。5回測定した平均値を、接触角の値とした。
<滑落角>
測定装置:協和界面科学(株)製、商品名(型番):DM 500
測定条件:純水及びn−ヘキサデカンの滑落角を測定した。部材を水平に配置し、該部材の防汚層表面に10μLの純水、及び3μLのn−ヘキサデカンをそれぞれ滴下し、部材を徐々に傾斜させて、液滴が滑り始める傾斜角度(滑落角)を測定した。5回測定した平均値を、滑落角の値とした。
[硬化性組成物の製造]
製造例1
有機ケイ素化合物の縮合物(a)、紫外線硬化性化合物(b)、光重合開始剤(c)、及び金属化合物(d)を含有する硬化性組成物(日本曹達(株)製、商品名:NH−1000G、固形分53質量%)1.51gと、コバルトブルー(CIKナノテック(株)製、商品名:CBDANB12wt%)の希釈溶液(固形分0.1質量%)0.080gと、メチルイソブチルケトン(以下、「MIBK」ともいう)0.70gとを、室温(25℃)下で混合して、硬化性組成物溶液を得た。
[光学積層体の製造]
実施例1
基材(東洋紡(株)製、商品名:A4300、厚さ100μm)上にバーコーターを用いて、製造例1で得られた硬化性組成物溶液を、塗布速度6m/minにて塗布し、塗膜を形成した。その塗膜を70℃で60秒間乾燥し、溶剤を除去した。
次いで、その塗膜にフュージョンUVシステムズ・ジャパン(株)製の紫外線照射装置(光源Hバルブ)を用いて、積算光量が200mJ/cmになるように照射を行い、塗膜を硬化させて、硬化後の膜厚が6μmの有機無機複合層を有する光学積層体を得た。
上記で得られた光学積層体の有機無機複合層面に、スピンコート法により、防汚性材料としてパーフルオロポリエーテル部位を有するシラン化合物(信越化学工業(株)製、商品名:X−71−195、固形分20質量%)の希釈溶液(固形分0.1質量%)を塗布し、厚み15nmの防汚層を全面に製膜して、防汚層を有する光学積層体1を得た。得られた積層体について、前記評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例2
製造例1におけるコバルトブルー(CIKナノテック(株)製、商品名:CBDANB12wt%)の希釈溶液(固形分0.1質量%)0.080gの代わりに、コバルトブルー(CIKナノテック(株)製、商品名:CBDANB12wt%)の希釈溶液(固形分1質量%)0.080gを用いて得られた硬化性組成物溶液を使用した以外は、実施例1と同様にして、硬化後の膜厚が6μmである有機無機複合層を有する光学積層体2を得た。
実施例3
製造例1におけるコバルトブルー(CIKナノテック(株)製、商品名:CBDANB12wt%)の希釈溶液(固形分0.1質量%)0.080gの代わりに、コバルトブルー(CIKナノテック(株)製、商品名:CBDANB12wt%)の希釈溶液(固形分0.1質量%)0.033g、MIBK0.70gの代わりにMIBK0.75gを用いて得られた硬化性組成物溶液を使用した以外は、実施例1と同様にして、硬化後の膜厚が6μmである有機無機複合層を有する光学積層体3を得た。
実施例4
製造例1におけるコバルトブルー(CIKナノテック(株)製、商品名:CBDANB12wt%)の希釈溶液(固形分0.1質量%)0.080gの代わりに、コバルトブルー(CIKナノテック(株)製、商品名:CBDANB12wt%)の希釈溶液(固形分0.1質量%)0.067g、MIBK0.70gの代わりにMIBK0.73gを用いて得られた硬化性組成物溶液を使用した以外は、実施例1と同様にして、硬化後の膜厚が6μmである有機無機複合層を有する光学積層体4を得た。
実施例5
製造例1におけるコバルトブルー(CIKナノテック(株)製、商品名:CBDANB12wt%)の希釈溶液(固形分0.1質量%)0.080gの代わりに、コバルトブルー(CIKナノテック(株)製、商品名:CBDMIBK15wt%)の希釈溶液(固形分0.1質量%)0.080gを用いて得られた硬化性組成物溶液を使用した以外は、実施例1と同様にして、硬化後の膜厚が6μmである有機無機複合層を有する光学積層体5を得た。
実施例6
実施例5においてコバルトブルー(CIKナノテック(株)製、商品名:CBDMIBK15wt%)の希釈溶液(固形分0.1質量%)0.080gの代わりに、コバルトブルー(CIKナノテック(株)製、商品名:CBDMIBK15wt%)の希釈溶液(固形分1質量%)0.080gを用いて得られた硬化性組成物溶液を使用した以外は、実施例5と同様にして、硬化後の膜厚が6μmである有機無機複合層を有する光学積層体6を得た。
実施例7
実施例5においてコバルトブルー(CIKナノテック(株)製、商品名:CBDMIBK15wt%)の希釈溶液(固形分0.1質量%)0.080gの代わりに、コバルトブルー(CIKナノテック(株)製、商品名:CBDMIBK15wt%)の希釈溶液(固形分0.1質量%)0.027g、MIBK0.70gの代わりにMIBK0.76gを用いて得られた硬化性組成物溶液を使用した以外は、実施例5と同様にして、硬化後の膜厚が6μmである有機無機複合層を有する光学積層体7を得た。
実施例8
実施例5においてコバルトブルー(CIKナノテック(株)製、商品名:CBDMIBK15wt%)の希釈溶液(固形分0.1質量%)0.080gの代わりに、コバルトブルー(CIKナノテック(株)製、商品名:CBDMIBK15wt%)の希釈溶液(固形分0.1質量%)0.053gと、MIBK0.70gの代わりにMIBK0.75gを用いて得られた硬化性組成物溶液を使用した以外は、実施例5と同様にして、硬化後の膜厚が6μmである有機無機複合層を有する光学積層体8を得た。
比較例1
有機ケイ素化合物の縮合物(a)、紫外線硬化性化合物(b)、光重合開始剤(c)、及び金属化合物(d)を含有する硬化性組成物(日本曹達(株)製、商品名:NH−1000G、固形分53質量%)1.51gと、MIBK0.78gとを、室温下で混合して得た硬化性組成物を用いて、実施例1と同様の方法により、硬化後の膜厚が6μmである有機無機複合層を有する光学積層体9を得た。
比較例2
製造例1におけるコバルトブルー(CIKナノテック(株)製、商品名:CBDANB12wt%)の希釈溶液(固形分0.1質量%)0.080gの代わりに、コバルトブルー(CIKナノテック(株)製、商品名:CBDANB12wt%)の希釈溶液(固形分0.1質量%)0.0080g、MIBK0.70gの代わりにMIBK0.77gを用いて得られた硬化性組成物溶液を使用した以外は、実施例1と同様にして、硬化後の膜厚が6μmである有機無機複合層を有する光学積層体10を得た。
比較例3
実施例5においてコバルトブルー(CIKナノテック(株)製、商品名:CBDMIBK15wt%)の希釈溶液(固形分0.1質量%)0.080gの代わりに、コバルトブルー(CIKナノテック(株)製、商品名:CBDMIBK15wt%)の希釈溶液(固形分0.1質量%)0.0080g、MIBK0.70gの代わりにMIBK0.77gを用いた以外は、実施例5と同様にして、硬化後の膜厚が6μmである有機無機複合層を有する光学積層体11を得た。
比較例4
有機ケイ素化合物の縮合物(a)、紫外線硬化性化合物(b)、光重合開始剤(c)、及び金属化合物(d)を含有する硬化性組成物(日本曹達(株)製、商品名:NH−1000G、固形分53質量%)0.75gと、MIBK1.47gとを、室温下で混合して得た硬化性組成物を用いて、実施例1と同様の方法により、硬化後の膜厚が2μmである有機無機複合層を有する光学積層体12を得た。
実施例1〜実施例8の光学フィルムは、b、全光線透過率、ヘイズ及びハードコート性に優れていた。
本発明の光学積層体は、b及び全光線透過率に優れるため、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、タッチパネル、電子ペーパー、携帯電話等のディスプレイ、特に高精細化ディスプレイ等に好適に使用することができる。

Claims (11)

  1. 少なくとも基材と、有機無機複合層とを有する光学積層体であって、該有機無機複合層が、有機ケイ素化合物の縮合物(a)、紫外線硬化性化合物(b)、光重合開始剤(c)、及び金属化合物(d)を含有する硬化性組成物を硬化することにより形成されてなる層であり、該積層体を構成するいずれかの層が青色着色材料を含有し、JIS Z8781−4に規定されるbが、−0.8〜0.8である光学積層体。
  2. 前記青色着色材料が、コバルトブルーである、請求項1に記載の光学積層体。
  3. 前記青色着色材料が、前記有機無機複合層に含まれる、請求項1又は2に記載の光学積層体。
  4. 前記青色着色材料の含有量が、前記有機無機複合層100質量部に対して、0.005〜2質量部である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学積層体。
  5. 前記有機無機複合層の厚みが、2.5〜30μmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学積層体。
  6. 更に前記有機無機複合層の面上に防汚層を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学積層体。
  7. 前記防汚層が、前記有機無機複合層の面上に防汚剤を蒸着してなる、請求項6に記載の光学積層体。
  8. 前記防汚剤が、パーフルオロポリエーテル部位を有するシラン化合物である、請求項7に記載の光学積層体。
  9. 前記基材が、樹脂フィルムである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学積層体。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学積層体を備えた画像表示装置。
  11. 有機ケイ素化合物の縮合物(a)、紫外線硬化性化合物(b)、光重合開始剤(c)、金属化合物(d)、及び青色着色材料を含有する硬化性組成物であって、JIS Z8781−4に規定されるbが、−0.8〜0.8である硬化性組成物。
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WO2020202995A1 (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 住友化学株式会社 積層体及びその製造方法
WO2022191329A1 (ja) * 2021-03-12 2022-09-15 株式会社カネカ ハードコートフィルムおよびその製造方法、ならびにディスプレイ
WO2022270471A1 (ja) * 2021-06-21 2022-12-29 株式会社カネカ ハードコートフィルムおよびその製造方法、ならびにディスプレイ

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