JP5570007B2 - 有機無機複合体 - Google Patents
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Description
[1]
a)式(I)
RnSiX4−n・・・(I)
(式中、RはSiに炭素原子が直接結合する有機基を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表す。nは1又は2を表し、nが2のとき各Rは同一でも異なっていてもよく、(4−n)が2以上のとき各Xは同一でも異なっていてもよい。)で表される有機ケイ素化合物の縮合物、
b)金属キレート化合物、金属有機酸塩化合物、2以上の水酸基若しくは加水分解性基を有する金属化合物、それらの加水分解物、及びそれらの縮合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の350nm以下の波長の光に感応する光感応性化合物及び/又はそれから誘導される化合物、
c)紫外線硬化性化合物の硬化物、及び
d)金属酸化物粒子
を含有する有機無機複合体であって、該有機無機複合体表面の10点平均粗さが0.1μm〜5μmであることを特徴とする有機無機複合体や、
[2]
有機無機複合体表面の炭素含有量が、裏面側の炭素含有量の80%以下であることを特徴とする、[1]に記載の有機無機複合体や、
[3]
b)の化合物における金属が、Ti、Al、Zr又はSnであることを特徴とする[1]又は[2]に記載の有機無機複合体や、
[4]
c)の紫外線硬化性化合物が、(メタ)アクリレート系紫外線硬化性化合物であることを特徴とする[1]〜[3]に記載の有機無機複合体や、
[5]
d)の金属酸化物粒子が多孔質粉末であることを特徴とする、[1]〜[4]のいずれかに記載の有機無機複合体や、
[6]
d)の金属酸化物粒子の一次粒子径が0.05μm〜0.2μmであることを特徴とする、[1]〜[4]のいずれかに記載の有機無機複合体に関する。
[7]
a)式(I)
RnSiX4−n・・・(I)
(式中、RはSiに炭素原子が直接結合する有機基を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表す。nは1又は2を表し、nが2のとき各Rは同一でも異なっていてもよく、(4−n)が2以上のとき各Xは同一でも異なっていてもよい。)で表される有機ケイ素化合物及び/又はその縮合物、
b)金属キレート化合物、金属有機酸塩化合物、2以上の水酸基若しくは加水分解性基を有する金属化合物、それらの加水分解物、及びそれらの縮合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の350nm以下の波長の光に感応する光感応性化合物、
c)紫外線硬化性化合物、及び
d)粒径0.05μm〜5μmの金属酸化物粒子
を含有することを特徴とする、有機無機複合体形成用組成物や、
[8]
b)の化合物における金属が、Ti、Al、Zr又はSnであることを特徴とする[7]に記載の有機無機複合体形成用組成物や、
[9]
有機ケイ素化合物及び/又はその縮合物、光感応性化合物、紫外線硬化性化合物及び金属酸化物粒子の全質量に対して、紫外線硬化性化合物が2〜98質量%であることを特徴とする[7]又は[8]に記載の有機無機複合体形成用組成物や、
[10]
d)の金属酸化物粒子が多孔質粉末であることを特徴とする、[7]〜[9]のいずれかに記載の有機無機複合体形成用組成物や、
[11]
d)の金属酸化物粒子の一次粒子径が0.05μm〜0.2μmであることを特徴とする、[7]〜[9]のいずれかに記載の有機無機複合体形成用組成物に関する。
[12]
有機無機複合体が、アンチグレア膜又はアンチニュートンリング膜であることを特徴とする、[1]〜[6]のいずれかに記載の有機無機複合体や、
[13]
有機無機複合体形成用組成物が、アンチグレア膜又はアンチニュートンリング膜用組成物であることを特徴とする、[7]〜[11]のいずれかに記載の有機無機複合体形成用組成物に関する。
本発明の有機無機複合体は、
a)式(I)
RnSiX4−n・・・(I)
(式中、RはSiに炭素原子が直接結合する有機基を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表す。nは1又は2を表し、nが2のとき各Rは同一でも異なっていてもよく、(4−n)が2以上のとき各Xは同一でも異なっていてもよい。)で表される有機ケイ素化合物(以下、単に、有機ケイ素化合物ということがある。)の縮合物を主成分とし、
b)金属キレート化合物、金属有機酸塩化合物、2以上の水酸基若しくは加水分解性基を有する金属化合物、それらの加水分解物、及びそれらの縮合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の350nm以下の波長の光に感応する光感応性化合物、及び/又はそれから誘導される化合物、
c)紫外線硬化性化合物の硬化物、及び
d)金属酸化物粒子
を含有する。本発明の有機無機複合体には、有機ケイ素化合物の縮合物に光感応性化合物及び/又はその誘導体が非結合状態で分散されてなるものや、有機ケイ素化合物の縮合物に光感応性化合物及び/又はその誘導体が結合してなるもの(例えば、Si−O−M結合を有するもの(Mは光感応性化合物中の金属原子を表す。))や、その混合状態からなるものが包含される。
0601に示すように、断面曲線から基準長さだけ抜き取った部分において、平均線に平行、かつ、断面曲線を横切らない直線から縦倍率の方向に測定した最高から5番目までの山頂の標高の平均値と最深から5番目までの谷底の標高の平均値との差をμmで表したものをいう。10点の測定値の平均値を10点平均表面粗さとした。10点平均粗さの測定には、例えば、走査型プローブ顕微鏡や光干渉を用いた三次元非接触表面形状計測システムを用いることができる。具体的には走査型プローブ顕微鏡はセイコーインスツルメンツ社製「SPI3800N(SPA400)」、光干渉を用いた三次元非接触表面形状計測システムは菱化システム社製を使用できる。いずれの方法でも、測定値は変わらない。
本発明の有機ケイ素化合物の式(I)中、R及びXは各々次のとおりである。
Rは、Siに炭素原子が直接結合する有機基を表す。かかる有機基としては、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい炭化水素のポリマーからなる基等を挙げることができ、置換されていてもよい炭素数1〜30の炭化水素基でもよく、置換されていてもよい炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、炭素数10より長鎖のアルキル基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数2〜10の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基又は置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基が好ましく、芳香環を有していてもよい。
なお、本発明の有機無機複合体における主成分となる有機ケイ素化合物の縮合物は、後述する本発明の有機無機複合体の製造方法及び有機無機複合体形成用組成物における有機ケイ素化合物及び/又はその縮合物がさらに縮合したものを意味する。
本発明の光感応性化合物とは、そのメカニズムの如何によらず、表面側から照射される350nm以下の波長の光の作用によって、表面側の炭素成分を除去することができる化合物であり、好ましくは、膜表面から深さ方向0.5μmまでの間における炭素含有量の最小値が、膜裏面側における炭素含有量の80%以下、より好ましくは2〜60%、さらに好ましくは2〜40%とすることができる化合物であり、特に好ましくは、炭素成分を、その除去量が表面側から漸次減少するように所定深さまで除去することが可能な化合物、すなわち、表面から所定深さまで炭素含有量が漸次増加する膜を形成することができる化合物をいう。具体的には、例えば、350nm以下の波長の光を吸収して励起する化合物を挙げることができる。
ここで、350nm以下の波長の光とは、350nm以下のいずれかの波長の光を成分とする光源を用いてなる光、好ましくは、350nm以下のいずれかの波長の光を主成分とする光源を用いてなる光、すなわち、最も成分量の多い波長が350nm以下の光源を用いてなる光を意味する。
本発明の紫外線硬化性化合物とは、光重合開始剤の存在下で紫外線の照射により重合反応を起こす官能基を有する化合物あるいは樹脂のことであり、(メタ)アクリレート系化合物、エポキシ樹脂、アクリレート系化合物を除くビニル化合物などがある。官能基の数は、1個以上であれば特に限定はない。
キサンジオールジ(メタ)アクリレート 、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシロキサンポリマー等が挙げられるが、好ましくはポリエステル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、エポキシポリ(メタ)アクリレートであり、より好ましくは、ポリウレタン(メタ)アクリレートである。
分子量は、有機無機複合体形成用組成物に溶解する限り限度はないが、通常は質量平均分子量として500〜50,000、好ましくは1,000〜10,000である。
また、紫外線照射により重合反応を起こして生成した重合物が硬化物である。
ポリエステル(メタ)アクリレートは、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる、両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基をアクリル酸でエステル化することにより得られる。または、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基をアクリル酸でエステル化することにより得られる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、ポリオールとジイソシアネートとを反応させて得られるイソシアネート化合物と、水酸基を有するアクリレートモノマーとの反応生成物であり、ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートジオールが挙げられる。
本発明の光重合開始剤は、(a)光照射によりカチオン種を発生させる化合物及び(b)光照射により活性ラジカル種を発生させる化合物等を挙げることができる。
光照射によりカチオン種を発生させる化合物としては、例えば、下記式(II)に示す構造を有するオニウム塩を好適例として挙げることができる。
このオニウム塩は、光を受けることによりルイス酸を放出する化合物である。
[R1 aR2 bR3 cR4 dW]+e[MLe+f]−e (II)
(式(II)中、カチオンはオニウムイオンであり、Wは、S、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O、I、Br、Cl、又はN≡N−であり、R1、R2、R3及びR4は同一又は異なる有機基であり、a、b、c、及びdは、それぞれ0〜3の整数であって、(a+b+c+d)はWの価数に等しい。Mは、ハロゲン化物錯体[MLe+f]の中心原子を構成する金属又はメタロイドであり、例えば、B、P、As、Sb、Fe、Sn、Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、Mn、Co等である。Lは、例えば、F、Cl、Br等のハロゲン原子であり、eは、ハロゲン化物錯体イオンの正味の電荷であり、fは、Mの原子価である。)
また、式〔MLf(OH)−〕に示す陰イオンを有するオニウム塩を用いることもできる。さらに、過塩素酸イオン(ClO4 −)、トリフルオロメタンスルフォン酸イオン(CF3SO3 −)、フルオロスルフォン酸イオン(FSO3 −)、トルエンスルフォン酸イオン、トリニトロベンゼンスルフォン酸陰イオン、トリニトロトルエンスルフォン酸陰イオン等の他の陰イオンを有するオニウム塩でもよい。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の金属酸化物粒子としては、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化コバルトの粒子等が挙げられる。粒子の形状としては、球状、多孔質粉末、鱗片状、繊維状等が挙げられるが、多孔質粉末状であることがより好ましい。多孔質であることにより凝集粒径が1μm以上でもコート液中にある間は均一に分散することができる。多孔質の粒子としては、富士シリシア化学社製のサイリシア等が挙げられる。アドマテックス社製の、アドマファインSQ表面処理シリーズ等のシランカップリング処理された粒子も使用できる。粒子の大きさは、アンチグレア性及びアンチニュートンリング性が得られる限り特に制限されるものではないが、凝集粒子径が1μm〜5μmであることが好ましく、2μm〜3μmであることがより好ましい。添加量は、組成物の固形分として、2wt%〜10wt%であることが好ましく、3wt%〜5wt%であることがより好ましい。
また、本発明の金属酸化物粒子としては、1次粒子径が0.05〜0.2μmであるコロイド状金属酸化物粒子も使用できる。ここでの1次粒子とは電子顕微鏡で観察できる粒子のことである。この粒子として、コロイダルシリカなどが良く知られており、日産化学工業社製IPA−ST−ZLなどが挙げられる。添加量は、10wt%〜40wt%であることが好ましく、15wt%〜30wt%であることがより好ましい。本粒子はコロイド状の分散液であるので、コート液に単に混合することで均一な分散液が簡便にでき、また、沈降などによる不均一になる問題も少ない。また、本粒子は粒子径が可視光以下の大きさなので、塗膜中に均一に分散されるとアンチグレア性やアンチニュートンリング性は得られないが、本塗料組成においては、この効果が認められ、特異的な現象である。比較例に示したが、UV硬化樹脂だけに混合しても、クリアーな塗膜しか得られなかった。
本発明の有機無機複合体が形成可能な基体としては、金属、セラミックス、ガラス、プラスチック等が挙げられる。これらのうちでは、プラスチックが好適に挙げられ、具体的には、タッチパネル用のプラスチック基板等が挙げられる。従来、薄膜のプラスチック基体への形成は困難であり、ガラス等の無機基体に限定されていたが、本発明の薄膜は、形成の難しいプラスチック基体であっても、容易に皮膜形成でき、プラスチック製光学部品に対しても適している。かかるプラスチックとしては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、液晶ポリマー樹脂、ポリエーテルスルフォンが挙げられる。
本発明の有機無機複合体の製造方法としては、光感応性化合物、紫外線硬化性化合物、金属酸化物粒子、及び、光重合開始剤の存在下、有機ケイ素化合物及び/又はその縮合物に、350nm以下の波長を含む光を照射する方法を挙げることができ、後述する有機無機複合体形成用組成物を用いることができる。
なお、350nm以下の波長の光の照射とは、350nm以下のいずれかの波長の光を成分とする光源を用いる照射、好ましくは、350nm以下のいずれかの波長の光を主成分とする光源を用いる照射、すなわち、最も成分量の多い波長が350nm以下の光源を用いる照射をいう。
本発明の有機無機複合体形成用組成物は、
a)式(I)
RnSiX4−n・・・(I)
(式中、RはSiに炭素原子が直接結合する有機基を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表す。nは1又は2を表し、nが2のとき各Rは同一でも異なっていてもよく、(4−n)が2以上のとき各Xは同一でも異なっていてもよい。)で表される有機ケイ素化合物及び/又はその縮合物、
b)金属キレート化合物、金属有機酸塩化合物、2以上の水酸基若しくは加水分解性基を有する金属化合物、それらの加水分解物、及びそれらの縮合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の光感応性化合物、
c)紫外線硬化性化合物、及び
d)粒径0.05μm〜5μmの金属酸化物粒子
を含有する組成物であれば特に制限されるものではなく、さらに、水及び/又は溶媒を含有することが好ましい。式(I)で表される有機ケイ素化合物及び光感応性化合物としては、上述したものと同様である。紫外線硬化性化合物及び金属酸化物粒子も上述したものと同様であるが、金属酸化物粒子としては、粒径が0.05μm〜5μmのものが好ましい。
この充填材としては、例えば有機顔料、無機顔料などの非水溶性の顔料または顔料以外の粒子状、繊維状もしくは鱗片状の金属および合金ならびにこれらの酸化物、水酸化物、炭化物、窒化物、硫化物などが挙げられる。この充填材の具体例としては、粒子状、繊維状もしくは鱗片状の鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、銀、亜鉛、フェライト、カーボンブラック、ステンレス鋼、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化コバルト、合成ムライト、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、クレー、ケイソウ土、消石灰、石膏、タルク、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、雲母、亜鉛緑、クロム緑、コバルト緑、ビリジアン、ギネー緑、コバルトクロム緑、シェーレ緑、緑土、マンガン緑、ピグメントグリーン、群青、紺青、岩群青、コバルト青、セルリアンブルー、ホウ酸銅、モリブデン青、硫化銅、コバルト紫、マルス紫、マンガン紫、ピグメントバイオレット、亜酸化鉛、鉛酸カルシウム、ジンクエロー、硫化鉛、クロム黄、黄土、カドミウム黄、ストロンチウム黄、チタン黄、リサージ、ピグメントエロー、亜酸化銅、カドミウム赤、セレン赤、クロムバーミリオン、ベンガラ、亜鉛白、アンチモン白、塩基性硫酸鉛、チタン白、リトポン、ケイ酸鉛、酸化ジルコン、タングステン白、鉛亜鉛華、バンチソン白、フタル酸鉛、マンガン白、硫酸鉛、黒鉛、ボーンブラック、ダイヤモンドブラック、サーマトミック黒、植物性黒、チタン酸カリウムウィスカー、二硫化モリブデンなどを挙げることができる。
本発明の有機無機複合体形成用組成物の調製方法としては、必要に応じて水及び/又は溶媒を加え、有機ケイ素化合物、光感応性化合物、紫外線硬化性化合物及び金属酸化物粒子を混合する。
これら4成分は、同時に混合することもでき、また、有機ケイ素化合物と光感応性化合物の混合方法については、有機ケイ素化合物と光感応性化合物を混合した後に、水を加えて(部分)加水分解する方法や、有機ケイ素化合物及び光感応性化合物を別々に(部分)加水分解したものを混合する方法を挙げることができる。水や溶媒を加える必要は必ずしもないが、水を加えて(部分)加水分解物としておくことが好ましい。所定量の水の量としては、光感応性化合物の種類にもよるが、例えば、光感応性化合物が2以上の水酸基若しくは加水分解性基を有する金属化合物の場合、金属化合物1モルに対して、0.5モル以上の水を用いることが好ましく、0.5〜2モルの水を用いることがより好ましい。また、光感応性化合物が金属キレート化合物又は金属有機酸塩化合物の場合、金属キレート化合物又は金属有機酸塩化合物1モルに対して、5〜100モルの水を用いることが好ましく、5〜20モルの水を用いることがより好ましい。
金属酸化物粒子の添加は、上記工程の最後に行うことができる。具体的には例えば、上記工程で調製された溶液に、直接粒子を添加しても、アルコール等の有機溶媒に分散させた後に添加してもよい。添加後、攪拌することで本発明の有機無機複合体形成用組成物とすることができる。
1.光感応性化合物の合成
ジイソプロポキシビスアセチルアセトナートチタン(日本曹達製、T−50、酸化チタン換算固形分量:16.5重量%)303.03gをエタノール/酢酸エチル(=50/50:重量%)の混合溶媒584.21gに溶解した後、攪拌しながらイオン交換水112.76g(10倍モル/酸化チタンのモル)を加えた。この溶液を40℃に加温しながら2時間攪拌し加水分解させた。次に溶液をろ過し、黄色透明な酸化チタン換算濃度5重量%の酸化チタンナノ分散液[A−1]を得た。酸化チタンの平均粒径は4.1nmで単分散性であった。
有機ケイ素化合物として、ビニルトリメトキシシラン179.91g[B−1](信越化学工業株式会社製、KBM−1003)と3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン301.55g[B−2](信越化学工業株式会社製、KBM−503)を(ビニルトリメトキシシラン/3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン=50/50:モル比)混合させた液[C−1]を使用した。
次に、元素比(Ti/Si=1/9)となるように[A−1]431.05gと[C−1]481.47gを混合し、さらに、イオン交換水を87.48g(2倍モル/有機ケイ素化合物のモル)を加え、70℃に加温し3時間攪拌した液[D−1]を作製した。
紫外線硬化性化合物として、ウレタンアクリレートオリゴマー(日本合成化学工業製、紫光UV7600B)を40重量%となるように、エタノール/酢酸エチル(=50/50:重量%)の混合溶媒に溶解させた。この溶液に光重合開始剤として、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(チバ・スペシャリティケミカル製、Irgacure127)をウレタンアクリレートオリゴマーの固形分に対して4部加え、溶液[E−1]を作製した。
固形分の割合が70重量%/30重量%=[D−1]/[E−1]となるように上記[D−1]液732.57gと[E−1]液267.43gを混合させ、塗膜形成用溶液[F−1]を作製した。
金属酸化物として、富士シリシア化学製SYLYSIA310P(平均粒径2.7μm凝集シリカ粉末)を、[F−1]の固形分に対して4重量%の割合で添加し分散させ[G−1]を作製した。
紫外線硬化性化合物として、ウレタンアクリレートオリゴマー(日本合成化学工業製、紫光UV7600B)を40重量%となるように、エタノール/酢酸エチル/2−ブタノール(=60/20/20:重量%)の混合溶媒に溶解させた。この溶液に光重合開始剤として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、Darocure1173)をウレタンアクリレートオリゴマーの固形分に対して4重量%となるように溶解させ、溶液[E−2]を作製した。これに、金属酸化物として富士シリシア化学製SYLYSIA310P(平均粒径2.7μm凝集シリカ粉末)を、[E−2]の固形分に対して4重量%の割合で添加し分散させ[G−2]を作製した。
元素比(Ti/Si=1/9)となるように[A−1]453.09gと[C−1]454.95gを混合し、さらに、イオン交換水を91.96g(2倍モル/有機ケイ素化合物のモル)を加え、70℃に加温し3時間攪拌した液[D−1]を作製した。これに金属酸化物として、富士シリシア化学製SYLYSIA310P(平均粒径2.7μm凝集シリカ粉末)を、[D−1]の固形分に対して4重量%の割合で添加し分散させ[G−3]を作製した。
A−1.塗膜形成
塗膜形成用組成物[G−1〜3]をガラス基板にディップ製膜し、温風循環型乾燥器にて150℃、5分間加熱した。続いて、集光型高圧水銀灯(365nm、313nm、254nmの波長の光を主成分とするUV光、アイグラフィックス社製、1灯型、120W/cm、ランプ高9.8cm、コンベア速度5m/分)により、積算照射量2000mJ/cm2の紫外線を照射して薄膜を得た。
JIS K5600−5−4の鉛筆法に準拠して鉛筆硬度試験を行った。
JIS K5600−5−6のクロスカット法に準拠して密着性試験を行った。剥離が見られないものを○、剥離が見られるものを×とした。
塗膜表面に反射した蛍光灯の輪郭が鮮明に見えるものを×、塗膜のアンチグレア効果により蛍光灯の輪郭がぼやけて見えるものを○とした。
恒温恒湿槽(ナガノ科学機械製作所製LH−30)を温度60℃、湿度95%RHに設定し、槽内にて塗膜を1000時間静置させた。○:外観異常なし、×:剥離発生
1.光感応性化合物の合成
ジイソプロポキシビスアセチルアセトナートチタン(日本曹達製、T−50、酸化チタン換算固形分量:16.5重量%)303.03gをエタノール/酢酸エチル/2−ブタノール(=60/20/20:重量%)の混合溶媒584.21gに溶解した後、攪拌しながらイオン交換水112.76g(10倍モル/酸化チタンのモル)を加えた。この溶液を40℃に加温しながら2時間攪拌し加水分解させた。次に溶液をろ過し、黄色透明な酸化チタン換算濃度5重量%の酸化チタンナノ分散液[A−1]を得た。酸化チタンの平均粒径は4.1nmで単分散性であった。
有機ケイ素化合物として、ビニルトリメトキシシラン264.76g[B−1](信越化学工業株式会社製、KBM−1003)と3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン190.19g[B−2](信越化学工業株式会社製、KBM−503)を(ビニルトリメトキシシラン/3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン=70/30:モル比)混合させた液[C−2]を使用した。
次に、元素比(Ti/Si=1/9)となるように[A−1]453.09gと[C−2]454.95gを混合し、さらに、イオン交換水を91.96g(2倍モル/有機ケイ素化合物のモル)を加え、70℃に加温し3時間攪拌した液[D−2]を作製した。
紫外線硬化性化合物として、ウレタンアクリレートオリゴマー(日本合成化学工業製、紫光UV7630B)を40重量%となるように、エタノール/酢酸エチル/2−ブタノール(=60/20/20:重量%)の混合溶媒に溶解させた。この溶液に光重合開始剤として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、Darocure1173)をウレタンアクリレートオリゴマーの固形分に対して4重量%となるように溶解させ、溶液[E−3]を作製した。
固形分の割合が10重量%/90重量%=[D−2]/[E−3]となるように上記[D−2]液と[E−3]液を混合させ、塗膜形成用溶液[F−2]を作製した。
金属酸化物として、富士シリシア化学製SYLYSIA310P(平均粒径2.7μm凝集シリカ粉末)を、[F−2]の固形分に対して4重量%の割合で添加し分散させ[G−4]を作製した。
金属酸化物として、富士シリシア化学製SYLYSIA310P(平均粒径2.7μm凝集シリカ粉末)を、[F−2]の固形分に対して1重量%の割合で添加し分散させ[G−5]を作製した。
B−1.塗膜形成
塗膜形成用組成物[G−4]を厚さ188μmのPETフィルム(東洋紡製コスモシャインA4300)にバーコータにて製膜し、温風循環型乾燥器にて60℃、3分間加熱した。続いて、集光型高圧水銀灯(365nm、313nm、254nmの波長の光を主成分とするUV光、アイグラフィックス社製、1灯型、120W/cm、ランプ高9.8cm、コンベア速度5m/分)により、積算照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して薄膜を得た。
JIS K5600−5−6のクロスカット法に準拠して密着性試験を行った。剥離が見られないものを○、剥離が見られるものを×とした。
製膜したPETフィルムを、塗工面がガラス基板と向き合うように貼り合わせ、身塗工面側からPETフィルムを指で押し、密着させた。この部分を3波長型蛍光灯の下で観察し、ニュートンリングが発生したものを×、ニュートンリングが見えないものを○とした。
金属酸化物として、富士シリシア化学製SYLYSIA310P(平均粒径2.7μm凝集シリカ粉末)を[F−2]の固形分に対して2重量%の割合で添加した以外は実施例2と同様にしてコーティング剤[G−6]を得た。
金属酸化物として、富士シリシア化学製SYLYSIA310P(平均粒径2.7μm凝集シリカ粉末)を[F−2]の固形分に対して5重量%の割合で添加した以外は実施例2と同様にしてコーティング剤[G−7]を得た。
金属酸化物として、富士シリシア化学製SYLYSIA310P(平均粒径2.7μm凝集シリカ粉末)を[F−2]の固形分に対して1重量%の割合で添加した以外は実施例2と同様にしてコーティング剤[G−8]を得た。
C−1.塗膜形成
塗膜形成用組成物[G−4]を厚さ188μmのPETフィルム(東洋紡製コスモシャインA4300)にバーコータにて製膜し、温風循環型乾燥器にて60℃、3分間加熱した。続いて、集光型高圧水銀灯(365nm、313nm、254nmの波長の光を主成分とするUV光、アイグラフィックス社製、1灯型、120W/cm、ランプ高9.8cm、コンベア速度5m/分)により、積算照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して薄膜を得た。
セイコーインスツルメンツ社製走査型プローブ顕微鏡「SPI3800N(SPA400)」を用いて、得られた塗膜の表面形状を観察した。
塗膜の形成:塗膜形成用組成物[G−3]を厚さ1.1mmのソーダライムガラス基板にディップコートを用いて製膜した。この時、ディップ引上速度は10〜100cm/minの間で設定した。この塗膜を温風循環型乾燥器にて150℃、3分間加熱した。続いて、集光型高圧水銀灯(365nm、313nm、254nmの波長の光を主成分とするUV光、アイグラフィックス社製、1灯型、120W/cm、ランプ高9.8cm、コンベア速度5m/分)により、積算照射量2000mJ/cm2の紫外線を照射して薄膜を得た。
10点平均粗さの測定:セイコーインスツルメンツ社製走査型プローブ顕微鏡「SPI3800N(SPA400)」を用いて、得られた塗膜の表面形状を観察した。
1.光感応性化合物の合成
ジイソプロポキシビスアセチルアセトナートチタン(日本曹達製、T−50、酸化チタン換算固形分量:16.5重量%)303.03gをエタノール584.21gに溶解した後、攪拌しながらイオン交換水112.76g(10倍モル/酸化チタンのモル)を加えた。この溶液を40℃に加温しながら2時間攪拌し加水分解させた。次に溶液をろ過し、黄色透明な酸化チタン換算濃度5重量%の酸化チタンナノ分散液[A−2]を得た。酸化チタンの平均粒径は4.1nmで単分散性であった。
有機ケイ素化合物として、ビニルトリメトキシシラン264.76g[B−1](信越化学工業株式会社製、KBM−1003)と3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン190.19g[B−2](信越化学工業株式会社製、KBM−503)を(ビニルトリメトキシシラン/3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン=70/30:モル比)混合させた液[C−2]を使用した。
次に、元素比(Ti/Si=1/9)となるように[A−2]453.09gと[C−2]454.95gを混合し、さらに、イオン交換水を91.96g(2倍モル/有機ケイ素化合物のモル)を加え、24時間攪拌した液[D−3]を作製した。
紫外線硬化性化合物として、ウレタンアクリレートオリゴマー(日本合成化学工業製、紫光UV7600B)を40重量%となるように、メチルイソブチルケトンに溶解させた。この溶液に光重合開始剤として、チバ・スペシャリティケミカル製Irgacure907をウレタンアクリレートオリゴマーの固形分に対して4部加え、溶液[E−1]を作製した。
固形分の割合が10重量%/90重量%=[D−3]/[E−1]となるように上記[D−3]液と[E−1]液を混合させ、塗膜形成用溶液[F−3]を作製した。
金属酸化物として、日産化学工業製SiO2分散ゾルIPA−ST−ZL(平均粒径0.07μm−0.1μm)を、[F−3]の固形分に対して20重量%の割合で添加し分散させ[G−9]を作製した。
紫外線硬化性化合物として、ウレタンアクリレートオリゴマー(日本合成化学工業製、紫光UV7600B)を40重量%となるように、メチルイソブチルケトンに溶解させた。この溶液に光重合開始剤として、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、Darocure907をウレタンアクリレートオリゴマーの固形分に対して4部加え、溶液[E−1]を作製した。これに、金属酸化物として、日産化学工業製SiO2分散ゾルIPA−ST−ZL(平均粒径0.07μm−0.1μm)を、[F−3]の固形分に対して30重量%の割合で添加し分散させ[G−10]を作製した。
D−1.塗膜形成
塗膜形成用組成物[G−9]を厚さ188μmのPETフィルム(東洋紡製コスモシャインA4300)にバーコーターにて成膜し、温風循環型乾燥器にて100℃、3分間加熱した。続いて、集光型高圧水銀灯(365nm、313nm、254nmの波長の光を主成分とするUV光、アイグラフィックス社製、120W/cm、ランプ高9.8cm、コンベア速度5m/分)により、積算照射量350mJ/cm2の紫外線を照射して薄膜を得た。
D−2.鉛筆硬度
JIS K5600−5−4の鉛筆法に準拠して鉛筆硬度試験を行った。
D−3.耐擦傷性
スチールウール♯0000(商品名:ボンスター 日本スチールウール製)を用い、荷重200gをかけ、塗膜表面を20回擦過した後の傷を評価した。
D−4.ヘイズ率
塗膜のヘイズ率を、ヘイズメーター(日本電色工業製)を用いて測定した。
D−5.平面粗さ
光干渉方式を用いた三次元非接触表面形状計測システム(菱化システム製)を用いて塗膜表面を観察し、算出された10点平均粗さRZJISを使用した。
Claims (8)
- a)式(I)
RnSiX4−n・・・(I)
(式中、RはSiに炭素原子が直接結合する、置換されていてもよい炭化水素基又は置換されていてもよい炭化水素のポリマーからなる基を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表す。nは1又は2を表し、nが2のとき各Rは同一でも異なっていてもよく、(4−n)が2以上のとき各Xは同一でも異なっていてもよい。)で表される有機ケイ素化合物の縮合物、
b)金属キレート化合物、金属有機酸塩化合物、2以上の水酸基若しくは加水分解性基を有する金属化合物、それらの加水分解物、及びそれらの縮合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であって、該金属がTi、Al、Zr又はSnである、膜表面側から照射される350nm以下の波長の光の作用によって、表面側の炭素成分を除去することができる化合物及び/又はそれらの縮合物、
c)紫外線硬化性化合物の硬化物、及び
d)粒子径が1μm〜5μmである凝集粒子であって、その添加量が2wt%〜10wt%であるか、又は粒子径が0.05μm〜0.2μmである一次粒子であって、その添加量が10wt%〜40wt%である、ケイ素、チタン、アルミニウム、クロム、マンガン、鉄、ジルコニウム又はコバルトの酸化物粒子
を含有する有機無機複合薄膜であって、
該有機無機複合薄膜表面の10点平均粗さが0.5μm〜2μmであることを特徴とする有機無機複合薄膜
(但し、紫外線硬化性化合物及び/又は式(I’)
R n SiX 4−n ・・・(I’)
(式中、Rは、式中のSiに炭素原子が直接結合するような有機基を表し、Xは、水酸基又は加水分解性基を表す。nは1又は2を表し、nが2のとき、Rは同一であっても異なっていてもよく、(4−n)が2以上のとき、Xは同一であっても異なっていてもよい。)で表される有機ケイ素化合物の縮合物の硬化物、及び
金属キレート化合物、金属有機酸塩化合物又は2以上の水酸基若しくは加水分解性基を有する金属化合物の加水分解物、及びそれらの縮合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の350nm以下の波長の光に感応して表面側の炭素成分を除去することができる光感応性化合物を含有し、
電子顕微鏡で観察される1次粒子径が50〜150nmの金属酸化物粒子をハードコート層形成用組成物の固形分の合計重量に対して1〜15重量%含有し、膜厚が1〜20μmであるハードコート層を有し、ヘイズ率が2%以下であるハードコートフィルムを除く)。 - c)の紫外線硬化性化合物が、(メタ)アクリレート系紫外線硬化性化合物であることを特徴とする請求項1に記載の有機無機複合薄膜。
- d)の金属酸化物粒子が多孔質粉末であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の有機無機複合薄膜。
- a)式(I)
RnSiX4−n・・・(I)
(式中、RはSiに炭素原子が直接結合する、置換されていてもよい炭化水素基又は置換されていてもよい炭化水素のポリマーからなる基を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表す。nは1又は2を表し、nが2のとき各Rは同一でも異なっていてもよく、(4−n)が2以上のとき各Xは同一でも異なっていてもよい。)で表される有機ケイ素化合物及び/又はその縮合物、
b)金属キレート化合物、金属有機酸塩化合物、2以上の水酸基若しくは加水分解性基を有する金属化合物、それらの加水分解物、及びそれらの縮合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であって、該金属がTi、Al、Zr又はSnである、膜表面側から照射される350nm以下の波長の光の作用によって、表面側の炭素成分を除去することができる化合物、
c)紫外線硬化性化合物、及び
d)粒子径が1μm〜5μmである凝集粒子であって、その添加量が2wt%〜10wt%であるか、又は粒子径が0.05μm〜0.2μmである一次粒子であって、その添加量が10wt%〜40wt%である、ケイ素、チタン、アルミニウム、クロム、マンガン、鉄、ジルコニウム又はコバルトの酸化物粒子
を含有することを特徴とする、有機無機複合薄膜形成用組成物
(但し、
(a)電子顕微鏡で観察される1次粒子径が50〜150nmの、有機溶剤を分散媒とした金属酸化物、
(b)紫外線硬化性化合物、
(c)式(I’)
R n SiX 4−n ・・・(I’)
(式中、Rは、式中のSiに炭素原子が直接結合するような有機基を表し、Xは、水酸基又は加水分解性基を表す。nは1又は2を表し、nが2のとき、Rは同一であっても異なっていてもよく、(4−n)が2以上のとき、Xは同一であっても異なっていてもよい。)で表される有機ケイ素化合物、
(d)金属キレート化合物、金属有機酸塩化合物又は2以上の水酸基若しくは加水分解性基を有する金属化合物の加水分解物、及びそれらの縮合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の350nm以下の波長の光に感応して表面側の炭素成分を除去することができる光感応性化合物、
(e)光重合開始剤、
(f)有機溶剤
を含有し、固形分の割合が、固形分の合計重量に対し、
(a)1〜15重量%
(b)+(c)85〜98重量%
(d)0.1〜20重量%
であるハードコート層形成用組成物を除く)。 - 有機ケイ素化合物及び/又はその縮合物、膜表面側から照射される350nm以下の波長の光の作用によって、表面側の炭素成分を除去することができる化合物、紫外線硬化性化合物及び酸化物粒子の全質量に対して、紫外線硬化性化合物が2〜98質量%であることを特徴とする請求項4に記載の有機無機複合薄膜形成用組成物。
- d)の金属酸化物粒子が多孔質粉末であることを特徴とする、請求項4又は5に記載の有機無機複合薄膜形成用組成物。
- 有機無機複合薄膜が、アンチグレア膜又はアンチニュートンリング膜であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の有機無機複合薄膜。
- 有機無機複合薄膜形成用組成物が、アンチグレア膜又はアンチニュートンリング膜用組成物であることを特徴とする、請求項4〜6のいずれかに記載の有機無機複合薄膜形成用組成物。
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