JP2018118365A - 制御装置およびロボットシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】ネジ締め工程におけるネジ締めトルクの設定を容易、迅速かつ適確に行うことができる制御装置およびロボットシステムを提供すること。【解決手段】ネジを締めるネジ締め工程を有する作業を行うことが可能なロボットの駆動を制御する制御装置であって、前記ネジ締め工程で用いられる前記ネジを含む物の特性のうちの少なくとも1つの入力を受け付ける受付部と、前記受付部が受け付けた前記特性に基づいて、前記ロボットが前記ネジを締めるときのネジ締めトルクに関する値を求め、前記ネジ締めトルクに関する値を表示部に表示させる表示制御部と、少なくとも前記ロボットの駆動を制御する制御部と、を備えることを特徴とする制御装置。【選択図】図1

Description

本発明は、制御装置およびロボットシステムに関するものである。
基台と、複数のアーム(リンク)を有するロボットアームとを備えるロボットが知られている。ロボットアームの隣り合う2つのアームのうちの一方のアームは、関節部を介して、他方のアームに回動可能に連結され、最も基端側(最も上流側)のアームは、関節部を介して、基台に回動可能に連結されている。関節部はモーターにより駆動され、その関節部の駆動により、アームが回動する。また、最も先端側(最も下流側)のアームには、着脱可能にエンドエフェクターが装着される。そして、このようなロボットを用いて、ネジを締めるネジ締め工程を有する作業が行われている。
特許文献1には、ネジ締め機構を有するアーム本体と、アーム本体に加わる力を検出するトルク検出部と、ネジ締め機構によるネジ締め作業(ネジ締め工程)において、トルク検出部での検出結果に基づいてアーム本体の制御を行うモーター制御部とを備えるロボット装置が開示されている。
特開2014−180719号公報
しかしながら、特許文献1には、ネジ締め工程においてどのような制御を行うかは記載されているが、ネジ締め工程におけるネジ締めトルク、ネジ締め速度等をどのようにして設定してプログラムに反映させるのかは記載されていない。このため、ネジ締め工程におけるネジ締めトルク、ネジ締め速度等を設定してプログラムに反映させるのに労力および時間がかかる。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
本発明の制御装置は、ネジを締めるネジ締め工程を有する作業を行うことが可能なロボットの駆動を制御する制御装置であって、
前記ネジ締め工程で用いられる前記ネジを含む物の特性のうちの少なくとも1つの入力を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた前記特性に基づいて、前記ロボットが前記ネジを締めるときのネジ締めトルクに関する値を求め、前記ネジ締めトルクに関する値を表示部に表示させる表示制御部と、
少なくとも前記ロボットの駆動を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
これにより、ネジ締め工程におけるネジ締めトルクの設定を容易、迅速かつ適確に行うことができる。
本発明の制御装置では、前記特性は、強度区分を含むことが好ましい。
これにより、ネジ締め工程におけるネジ締めトルクの設定をより適確に行うことができる。
本発明の制御装置では、前記ロボットは、前記ネジを締めることにより第1対象物を第2対象物に固定し、
前記特性は、前記ネジの材質、前記第1対象物の材質および前記第2対象物の材質を含むことが好ましい。
これにより、ネジ締め工程におけるネジ締めトルクの設定をより適確に行うことができる。
本発明の制御装置では、前記特性は、前記ネジの呼び径を含むことが好ましい。
これにより、ネジ締め工程におけるネジ締めトルクの設定をより適確に行うことができる。
本発明の制御装置では、前記特性は、前記ネジが並目と細目とのいずれの種類であるかを含むことが好ましい。
これにより、ネジ締め工程におけるネジ締めトルクの設定をより適確に行うことができる。
本発明の制御装置では、前記ネジ締め工程では、ドライバーにより前記ネジを回転させて締め、
前記受付部は、前記ドライバーの回転数の入力を受け付け、
前記表示制御部は、前記受付部が受け付けた前記特性および前記ドライバーの回転数に基づいて、前記ロボットが前記ネジを締めるときのネジ締め速度に関する値を求め、前記ネジ締め速度に関する値を前記表示部に表示させることが好ましい。
これにより、ネジ締め工程におけるネジ締め速度の設定を容易、迅速かつ適確に行うことができる。
本発明の制御装置では、前記受付部は、前記ネジ締め速度の入力を受け付け、
前記制御部は、前記ネジ締め工程において、前記受付部が受け付けた前記ネジ締め速度に基づいて、前記ロボットの駆動を制御することが好ましい。
これにより、適確にネジを締めることができる。
本発明の制御装置では、前記ロボットは、前記ドライバーを有し、
前記ドライバーは、電動ドライバーであり、
前記受付部は、前記ネジ締めトルクの入力を受付け、
前記制御部は、前記ネジ締め工程において、前記受付部が受け付けた前記ネジ締めトルクに基づいて、前記電動ドライバーの駆動を制御することが好ましい。
これにより、適確にネジを締めることができる。
本発明の制御装置では、前記ロボットは、力を検出する力検出部を有し、
前記制御部は、前記ネジ締め工程において、前記力検出部の出力に基づいて力制御を行い、前記ロボットの駆動を制御することが好ましい。
これにより、例えば、目標力を適切に設定し、力制御としてインピーダンス制御(倣い制御)を行うことにより、カムアウトを抑制することができ、適確にネジを締めることができ、また、ネジやネジ締めにおける対象物の損傷を抑制することができる。
また、インピーダンス制御を行うことにより、ネジとネジ穴とがずれていても、ネジをネジ穴に挿入することが容易になる。
本発明の制御装置では、前記制御部は、前記力制御において、前記ネジの進行方向と直交する方向の目標力を0とすることが好ましい。
これにより、ネジの進行方向と直交する方向の目標力を0に設定し、力制御としてインピーダンス制御(倣い制御)を行うことにより、カムアウトを抑制することができ、適確にネジを締めることができる。
また、インピーダンス制御を行うことにより、ネジとネジ穴とがずれていても、ネジをネジ穴に挿入することが容易になる。
本発明の制御装置では、前記制御部は、前記力制御を行っている期間の少なくとも一部で、位置制御を行うことが好ましい。
これにより、力制御のみでネジ締めを行う場合と比較して、ネジをネジ穴に倣わせながらより短時間でネジ締めを行うことが可能になる。
本発明のロボットシステムは、本発明の制御装置と、
前記制御装置により制御されるロボットと、を備えることを特徴とする。
これにより、ネジ締め工程におけるネジ締めトルクの設定を容易、迅速かつ適確に行うことができる。
本発明のロボットシステムの第1実施形態おけるロボットを示す斜視図である。 図1に示すロボットシステムのブロック図である。 図1に示すロボットシステムのロボットのブロック図である。 作業等を説明するための図である。 図1に示すロボットシステムの表示装置に表示されるウィンドウを示す図である。 図1に示すロボットシステムの表示装置に表示されるウィンドウを示す図である。 図1に示すロボットシステムの制御装置において推奨ネジ締めトルクや推奨ネジ締め速度を求める際に使用するテーブルを示す図である。 図1に示すロボットシステムの制御装置において推奨ネジ締めトルクや推奨ネジ締め速度を求める際に使用するテーブルを示す図である。 図1に示すロボットシステムの制御装置において推奨ネジ締めトルクや推奨ネジ締め速度を求める際に使用するテーブルを示す図である。 図1に示すロボットシステムの制御装置において推奨ネジ締めトルクや推奨ネジ締め速度を求める際に使用するテーブルを示す図である。 図1に示すロボットシステムの制御装置において推奨ネジ締めトルクや推奨ネジ締め速度を求める際に使用するテーブルを示す図である。 図1に示すロボットシステムの制御装置の制御動作を示すフローチャートである。 図1に示すロボットシステムの制御装置の制御動作を示すフローチャートである。 本発明のロボットシステムの第2実施形態おいて、表示装置に表示されるウィンドウを示す図である。 本発明のロボットシステムの第2実施形態おいて、表示装置に表示されるウィンドウを示す図である。 本発明のロボットシステムの第2実施形態おける制御装置の制御動作を示すフローチャートである。 本発明のロボットシステムの第2実施形態おける制御装置の制御動作を示すフローチャートである。
以下、本発明の制御装置およびロボットシステムを添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明のロボットシステムの第1実施形態おけるロボットを示す斜視図である。図2は、図1に示すロボットシステムのブロック図である。図3は、図1に示すロボットシステムのロボットのブロック図である。図4は、作業等を説明するための図である。図5は、図1に示すロボットシステムの表示装置に表示されるウィンドウを示す図である。図6は、図1に示すロボットシステムの表示装置に表示されるウィンドウを示す図である。図7〜図11は、それぞれ、図1に示すロボットシステムの制御装置において推奨ネジ締めトルクや推奨ネジ締め速度を求める際に使用するテーブルを示す図である。この図7〜図11に示す表は、JISで規定されている。図12は、図1に示すロボットシステムの制御装置の制御動作を示すフローチャートである。図13は、図1に示すロボットシステムの制御装置の制御動作を示すフローチャートである。
なお、以下では、説明の便宜上、図1中の上側を「上」、下側を「下」と言う。また、図1中の基台210側を「基端」、その反対側(エンドエフェクターとしての電動ドライバー43側)を「先端」と言う。また、図1中の上下方向を「鉛直方向」とし、左右方向を「水平方向」とする。本明細書において、「水平」とは、完全に水平な場合のみならず、水平に対して±5°以内で傾斜している場合も含む。同様に、本明細書において、「鉛直」とは、完全に鉛直な場合のみならず、鉛直に対して±5°以内で傾斜している場合も含む。また、本明細書において、「平行」とは、2つの線(軸を含む)または面が、互いに完全な平行である場合のみならず、±5°以内で傾斜している場合も含む。また、本明細書において、「直交」とは、2つの線(軸を含む)または面が、互いに完全な直交である場合のみならず、±5°以内で傾斜している場合も含む。
また、図4では、説明の便宜上、互いに直交する3軸として、x軸、y軸およびz軸を図示している。また、以下では、x軸に平行な方向を「x軸方向」とも言い、y軸に平行な方向を「y軸方向」とも言い、z軸に平行な方向を「z軸方向」とも言う。また、以下では、図示された各矢印の先端側を「+(プラス)」、基端側を「−(マイナス)」と言い、+x軸方向に平行な方向を「+x軸方向」とも言い、−x軸方向に平行な方向を「−x軸方向」とも言い、+y軸方向に平行な方向を「+y軸方向」とも言い、−y軸方向に平行な方向を「−y軸方向」とも言い、+z軸方向に平行な方向を「+z軸方向」とも言い、−z軸方向に平行な方向を「−z軸方向」とも言う。
図1および図2に示すロボットシステム100は、例えば、電子部品および電子機器等のワークの保持、搬送、組立ておよび検査等の作業で用いられる装置である。ロボットシステム100は、セル7と、制御装置1と、ロボット2と、表示装置41(表示部)と、入力装置42(入力部)と、ドライバー(エンドエフェクター)の1例である電動ドライバー43と、撮像機能を有する撮像装置44、45(撮像部)とを備えている。
このように、ロボットシステム100は、少なくとも制御装置1と、制御装置1により制御されるロボット2とを備えている。
また、ロボット2および制御装置1は、それぞれ、セル7内に設けられている。なお、制御装置1は、セル7の外部に配置されていてもよい。
また、本実施形態では、制御装置1は、ロボット2と別体で構成されている。この場合は、例えば、ロボット2と制御装置1とをケーブル(配線)で接続し、有線方式で通信を行うようにしてもよく、また、前記ケーブルを省略し、無線方式で通信を行うようにしてもよい。すなわち、ロボット2と制御装置1とは、有線通信で接続されていてもよく、また、無線通信で接続されていてもよい。
なお、制御装置1は、前記ロボット2と別体の構成に限定されず、ロボット2にその一部または全部が内蔵されていてもよい。この場合は、例えば、制御装置1は、ロボット2の基台210内に内蔵することが可能である。
<セル>
セル7は、ロボット2を囲む(収納する)部材であり、移設を容易に行えるようになっている。このセル7内において、主に、ロボット2が組立等の作業を行う。
セル7は、セル7全体を例えば床等の設置スペースに設置させる4つの足部74と、4つの足部74に支持されている枠体部71と、枠体部71の下方に設けられた作業台72と、枠体部71の上方に設けられた天井部73と、枠体部71の下端に設けられた底板75(下板)と、枠体部71の上端に設けられた天板76(上板)とを有している。また、セル7を鉛直方向から見たときのセル7の外形形状は、特に限定されないが、本実施形態では、正方形(四角形)である。なお、前記外形形状は、例えば、長方形等でもよい。
枠体部71は、鉛直方向(図1中上下方向)に延在している4つの支柱711を有している。そして、4つの支柱711の下端に底板75が設けられ、4つの支柱711の上端に天板76が設けられている。
作業台72は、本実施形態では、板状をなしており、枠体部71の下方に設けられた枠77に固定されている。ロボット2は、この作業台72において、各作業を行うことができる。
作業台72上には、テーブル79が載置されている。そして、テーブル79上には、第2対象物の1例であるワーク82が載置されている。ワーク82は、正面または背面から見て、6角形(多角形)をなしている。このワーク82の上部821(上面)と、側部822(側面)と、上部821と側部822との間に配置された傾斜部823(傾斜面)には、それぞれ、ネジ9(図4参照)が螺合可能な複数の雌ネジ(図示せず)が形成されている。
また、天井部73と作業台72との上下方向の間において、2つの支柱711に架け渡された横棒78が設けられており、他の第2対象物の1例であるワーク83は、その横棒78に取り付けられている。ワーク83は、板状をなしており、そのワーク83には、ネジ9(図4参照)が螺合可能な複数の雌ネジ(図示せず)が形成されている。
また、作業台72上には、ネジ9の供給部の1例であるネジ振動フィーダー46が載置されている。ネジ振動フィーダー46により、ネジ9の頭部が上方を向くように、各ネジ9の姿勢を揃え、整列させることが可能である。
天井部73および天板76は、それぞれ、ロボット2を支持することが可能な部材である。天井部73は、本実施形態では、枠状をなしている。ロボット2の基台210は、直接または所定の部材を介して天井部73または天板76に固定(支持)されている。なお、天井部73と天板76とのそれぞれを広義の天井部とする。また、底板75上には、制御装置1が載置されている。
なお、作業台72よりも上側の隣り合う支柱711同士の間、すなわち、枠体部71の4つの側面には、それぞれ、例えば作業者や粉塵等の異物が枠体部71内に侵入しないようにするために安全板(図示せず)等が設置されていてもよい。
また、セル7は、足部74を有していなくてもよい。その場合には、底板75が、直接、設置スペースに設置されていてもよい。
<ロボット>
ロボットの種類は、特に限定されないが、本実施形態では、垂直多関節ロボットの1例であるロボット2を用いている。「垂直多関節ロボット」とは、軸数(アーム数)が3つ以上であり、かつ、3つの軸のうちの2つの軸が互いに交差(直交)しているロボットのことをいう。
図1に示すように、ロボット2は、いわゆる6軸垂直多関節ロボット(自由度6)である。ロボット2は、天井部73または天板76に取り付けられている基台210と、基台210に接続されたロボットアーム20と、ロボットアーム20の先端に着脱可能に取り付けられた力検出部290と、力検出部290の先端に着脱可能に取り付けられた取付部270と、取付部270に着脱可能に取り付けられた電動ドライバー43(エンドエフェクター)とを備えている。なお、ロボットアーム20、力検出部290、取付部270および電動ドライバー43等により、ロボット2の可動部が構成される。
ロボット2が有するロボットアーム20は、第1アーム21(アーム)と、第2アーム22(アーム)と、第3アーム23(アーム)と、第4アーム24(アーム)と、第5アーム25(アーム)と、第6アーム26(アーム)とを備えている。これらアーム21〜26は、基端側から先端側に向かってこの順序で連結されている。また、力検出部290は、例えば電動ドライバー43に加わる力(モーメントを含む)を検出する力覚センサー(例えば、6軸力覚センサー)等で構成されている。
電動ドライバー43は、ビット431と、筒状をなすカバー432と、ビット431を回転させる駆動力を発生するモーター(図示せず)とを備えている。ビット431の先端部は、カバー432の内部に配置されている。ビット431の先端部をネジ9の頭部の溝に挿入した状態で、モーターを駆動し、ビット431を回転させると、ネジ9が回転する。また、電動ドライバー43は、カバー432の内部を減圧可能に構成されている。カバー432の内部を減圧することにより、カバー432に雄ネジであるネジ9を吸着し、保持(把持)することが可能である。
なお、電動ドライバー43としては、特に限定されず、締め付けるネジ9の種類等に応じて適宜選択することができ、例えば、+型ドライバー、−型ドライバー等が挙げられる。
また、図3に示すように、ロボット2は、一方のアームを他方のアーム(または基台210)に対して回動(駆動)させる駆動部280を備えている。駆動部280は、駆動力を発生させるモーター(図示せず)とモーターの駆動力を減速する減速機(図示せず)とを備えている。駆動部280が有するモーターとしては、例えば、ACサーボモーター、DCサーボモーター等のサーボモーターを用いることができる。減速機としては、例えば、遊星ギア型の減速機、波動歯車装置等を用いることができる。また、各駆動部280には、モーターまたは減速機の回転軸の回転角度を検出する位置センサー281(角度センサー)が設けられている。本実施形態では、ロボット2は、6つのアーム21〜26と同じ数である6つの駆動部280および6つの位置センサー281を備えている。また、各駆動部280は、それぞれ、制御装置1が有する対応するモータードライバー(図示せず)に電気的に接続(以下、単に「接続」とも言う)されており、モータードライバーを介して制御装置1のロボット制御部11により制御される。
<制御装置>
制御装置1は、ネジ9を締めるネジ締め工程を有する作業を行うことが可能なロボット2の駆動を制御する制御装置である。この制御装置1は、ネジ締め工程で用いられるネジ9を含む物(ネジ9の他は、例えば、ワーク81、雌ネジ820等)の特性のうちの少なくとも1つの入力を受け付ける受付部15と、受付部15が受け付けた特性に基づいて、ロボット2がネジ9を締めるときのネジ締めトルクに関する値の1例である推奨ネジ締めトルクを求め、その推奨ネジ締めトルク(ネジ締めトルクに関する値)を表示装置41(表示部)に表示させる表示制御部13と、少なくともロボット2の駆動を制御する制御部の1例であるロボット制御部11およびドライバー制御部12とを備えている。
これにより、ネジ締め工程におけるネジ締めトルクの設定を容易、迅速かつ適確に行うことができる。以下、具体的に説明する。
制御装置1は、ロボット制御部11と、ドライバー制御部12と、表示制御部13(ガイダンス)と、記憶部14と、受付部15とを備えており、ロボット2(電動ドライバー43を含む)、撮像装置44、45および表示装置41の駆動をそれぞれ制御する。ロボット制御部11およびドライバー制御部12により、制御部が構成される。
また、制御装置1は、ロボット制御部11と、ドライバー制御部12と、表示制御部13と、記憶部14と、受付部15との間で、それぞれ、通信可能に構成されている。すなわち、ロボット制御部11と、ドライバー制御部12と、表示制御部13と、記憶部14と、受付部15とは、互いに、有線または無線通信で接続(以下、単に「接続」とも言う)されている。
また、制御装置1には、ロボット2と、表示装置41と、入力装置42と、電動ドライバー43と、撮像装置44、45とが、それぞれ、有線または無線通信で接続されている。
すなわち、制御装置1のロボット制御部11には、ロボット2と、撮像装置44、45とが、それぞれ、有線または無線通信で接続されている。また、制御装置1のドライバー制御部12には、電動ドライバー43が有線または無線通信で接続されている。また、制御装置1の表示制御部13には、表示装置41が有線または無線通信で接続されている。また、制御装置1の受付部15には、入力装置42が有線または無線通信で接続されている。
(ロボット制御部)
ロボット制御部11は、ロボット2の駆動、詳細には、ロボット2のうちの電動ドライバー43以外の部分、すなわち、ロボットアーム20等の駆動を制御する。ロボット制御部11は、プログラム(OS等)がインストールされたコンピューターである。このロボット制御部11は、例えば、プロセッサとしてのCPUと、RAMと、プログラムが記憶されたROMとを有する。また、ロボット制御部11の機能は、例えば、CPUにより各種プログラムを実行することにより実現することができる。
(ドライバー制御部)
ドライバー制御部12は、電動ドライバー43の駆動を制御する。ドライバー制御部12は、プログラム(OS等)がインストールされたコンピューターである。このドライバー制御部12は、例えば、プロセッサとしてのCPUと、RAMと、プログラムが記憶されたROMとを有する。また、ドライバー制御部12の機能は、例えば、CPUにより各種プログラムを実行することにより実現することができる。
(表示制御部)
表示制御部13は、表示装置41に各種の画像(ウィンドウ等の各種の画面等を含む)や文字等を表示させる機能を有している。すなわち、表示制御部13は、表示装置41の駆動を制御する。この表示制御部13の機能は、例えばGPU等により実現することができる。
(記憶部)
記憶部14は、各種の情報(データやプログラム等を含む)を記憶する機能を有する。この記憶部14は、図7〜図11に示すテーブル、制御プログラム等を記憶する。記憶部14の機能は、ROM等やいわゆる外部記憶装置(図示せず)によって実現することができる。
(受付部)
受付部15は、入力装置42からの入力を受け付ける機能を有している。この受付部15の機能は、例えばインターフェース回路によって実現することができる。なお、例えばタッチパネルを用いる場合には、受付部15は、ユーザーの指のタッチパネルへの接触等を検知する入力検知部としての機能を有する。
<表示装置>
表示装置41は、例えば,液晶ディスプレイ、ELディスプレイ等で構成されたモニター(図示せず)を備えており、例えば、各種の画像(ウィンドウ等の各種の画面等を含む)や文字等を表示する機能を有する。
<入力装置>
入力装置42は、例えば、マウスやキーボード等で構成されている。したがって、ユーザーは、入力装置42を操作することで、制御装置1に対して各種の処理等の指示を行うことができる。
具体的には、ユーザーは、表示装置41に表示される各種画面(ウィンドウ等)に対して入力装置42のマウスでクリックする操作や、入力装置42のキーボードで文字や数字等を入力する操作により、制御装置1に対する指示を行うことができる。以下、このユーザーによる入力装置42を用いた指示(入力装置42による入力)を「操作指示」とも言う。この操作指示は、入力装置42により、表示装置41に表示された内容から所望の内容を選択する選択操作や、入力装置42により、文字や数字等を入力する入力指示等を含む。また、入力には、選択も含まれる。
なお、本実施形態では、表示装置41および入力装置42の代わりに、表示装置41および入力装置42(表示部および入力部)を兼ね備えた表示入力装置(図示せず)を設けてもよい。表示入力装置としては、例えばタッチパネル(静電式タッチパネルや感圧式タッチパネル)等を用いることができる。また、入力装置42は、音(音声を含む)を認識する構成であってもよい。
<撮像装置>
本実施形態では、複数の撮像装置として、撮像装置44、45を備えている。また、撮像装置44、45は、それぞれ、例えば、複数の画素を有するCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサで構成された撮像素子と、レンズ(光学系)とを備えている。
撮像装置44(モバイルカメラ)は、ロボット2が有するロボットアーム20に固定されている。本実施形態では、撮像装置44は、ロボットアーム20の先端部、本実施形態では、取付部270に取り付けられている。この撮像装置44は、ロボットアーム20の先端側を撮像可能な姿勢で取り付けられている。
撮像装置45(固定カメラ)は、ロボット2の周辺に配置され、固定さている。本実施形態では、撮像装置45は、セル7内のネジ振動フィーダー46の上方に配置されており、天井部73に取り付けられている。この撮像装置45は、鉛直方向下方を撮像可能な姿勢で取り付けられており、撮像装置45でネジ振動フィーダー46の周辺を撮像可能になっている。
<ロボットシステムにおける制御の基本>
制御装置1は、作業において、各位置センサー281、力検出部290、撮像装置44、45の出力、すなわち、各位置センサー281の検出結果、力検出部290の検出結果、撮像装置44、45で撮像して得られた画像データ等に基づいて、ロボット2の駆動(動作)を位置制御、力制御等で制御する。
位置制御とは、ロボット2の電動ドライバー43の位置や姿勢に関する情報に基づいて、電動ドライバー43を目標の位置に目標の姿勢になるように移動させるロボット2の動作の制御である。前記電動ドライバー43に代えて、ロボットアーム20の先端部等でもよい。また、電動ドライバー43の位置や姿勢に関する情報は、各位置センサー281の検出結果や、撮像装置44、45で撮像して得られた画像データに基づいて、求めることが可能である。
また、力制御とは、力検出部290の検出結果に基づいて、電動ドライバー43の位置や姿勢を変更したり、また、電動ドライバー43を押したり、引っ張ったりするロボット2の動作の制御である。力制御には、例えば、インピーダンス制御と、フォーストリガー制御とが含まれている。
フォーストリガー制御では、力検出部290により検出を行い、その力検出部290により所定の力を検出するまでロボットアーム20を移動(姿勢の変更も含む)、すなわち、動作させる。
インピーダンス制御は、倣い制御を含む。まず、簡単に説明すると、インピーダンス制御では、ロボットアーム20の先端部に加わる力を可能な限り所定の力に維持、すなわち、力検出部290により検出される所定方向の力を可能な限り目標値(0も含む)に維持するようにロボットアーム20(ロボット2)の動作を制御する。これにより、例えば、ロボットアーム20に対してインピーダンス制御を行うと、ロボットアーム20は、電動ドライバー43が対象物に対し、前記所定方向について倣う動作を行う。
また、より詳しく説明すると、ロボット2のインピーダンス制御のモデルは、例えば、下記(A)式に示す運動方程式で表すことができる。
f(t)=mx’’+cx’+kx ・・・(A)
前記(A)式において、mは、質量(慣性)、cは、粘性係数、kは、弾性(剛性)係数、f(t)は、力、xは、目標位置からの変位(位置)である。また、xの1次微分、すなわち、x’は、速度に対応し、xの2次微分、すなわち、x’’は、加速度に対応する。なお、以下では、m、cおよびkをそれぞれ単に、「パラメーター」とも言う。
インピーダンス制御では、前記(A)式の特性をロボットアーム20の先端部に持たせるための制御系を構成する。すなわち、前記(A)式で表される仮想質量、仮想粘性係数、仮想弾性係数を、あたかもロボットアーム20の先端部が持っているかのように制御を行う。
また、前記(A)式におけるパラメーターm、cおよびkは、それぞれ、特に限定されず、諸条件に基づいて適宜設定される。すなわち、パラメーターm、cおよびkは、それぞれ、ロボット2が行う作業に応じて都合のよい値に設定される。
このロボットシステム100は、例えば、制御装置1の制御の下、所定の対象物等に対して作業を行う。本実施形態では、ネジ9を締める(ネジ締めを行う)ネジ締め工程を有する作業(以下、単に「ネジ締め作業」とも言う)を行う。
以下、ネジ締め作業について説明する。
ネジ締め作業では、ロボット2は、電動ドライバー43でネジ9を締めることにより、第1対象物の1例であるワーク81を第2対象物の1例であるワーク82に固定する(図4参照)。また、ロボット2は、電動ドライバー43でネジ9を締めることにより、第1対象物の1例であるワーク81を第2対象物の1例であるワーク83に固定する(図1参照)。
ここで、図4に示すように、ネジ9は、雄ネジである。また、ワーク81には、ネジ9を挿入することが可能な複数の孔810が形成されている。
また、ワーク82の上部821には、ネジ9が螺合可能な複数の雌ネジ820が形成されている。また、側部822および傾斜部823(図1参照)についても同様に、ネジ9が螺合可能な複数の雌ネジ(図示せず)が形成されている。
また、ワーク83(図1参照)には、ネジ9が螺合可能な複数の雌ネジ(図示せず)が形成されている。
ネジ締め作業では、以下の4つパターンでネジ締めを行うことが可能である。
1つ目のパターンでは、図4に示すように、ワーク81をワーク82の上部821に配置し、ネジ9を上方からワーク81の孔810に挿入し、ネジ9を締め、ワーク81を上部821に固定する。
2つ目のパターンでは、ワーク81をワーク82の側部822(図1参照)に配置し、ネジ9を側方からワーク81の孔810に挿入し、ネジ9を締め、ワーク81を側部822に固定する。
3つ目のパターンでは、ワーク81をワーク82の傾斜部823(図1参照)に配置し、ネジ9を斜め上方からワーク81の孔810に挿入し、ネジ9を締め、ワーク81を傾斜部823に固定する。
4つ目のパターンでは、ワーク81をワーク83(図1参照)に配置し、ネジ9を下方からワーク81の孔810に挿入し、ネジ9を締め、ワーク81をワーク83に固定する。
次に、図1、図4等を参照しつつ、ネジ締め作業の際のロボット2の動作や制御について説明する。なお、ここでは、前記4つのパターンのうちの1つ目のパターンを代表的に説明する。
ネジ締め作業では、まず、ロボット2のロボットアーム20を動作させ、ネジ振動フィーダー46(図1参照)からネジ9を取る。この場合、撮像装置45(図1参照)によりネジ振動フィーダー46およびその近傍を撮像し、電動ドライバー43のビット431を回転させつつ、得られた画像データに基づいて、電動ドライバー43のカバー432をネジ9の頭部の位置に移動させる。そして、カバー432の内部を減圧し、カバー432にネジ9を吸着し、保持する。電動ドライバー43のビット431を回転させつつ、カバー432の内部を減圧することにより、ビット431の先端部がネジ9の頭部の溝に挿入される。
次に、図4に示すように、ロボットアーム20を動作させ、ネジ9をワーク81の孔810の上方でかつ孔810の近傍に移動させる。このロボットアーム20の動作は、位置制御で制御される。この場合、このロボットアーム20の動作を教示しておいてもよく、また、撮像装置44(図1参照)により撮像を行い、得られた画像データに基づいて、ロボットアーム20を動作させてもよい。
次に、力検出部290をリセットする。この際は、電動ドライバー43は、停止している。これにより、力検出部290による力の検出を適確に行うことができる。
次に、ロボットアーム20および電動ドライバー43を動作させ、ネジ9を上方からワーク81の孔810に挿入し、ネジ9を締め、ワーク81をワーク82の上部821に固定する(ネジ締め工程)。なお、電動ドライバー43のビット431の回転により、ネジ9が回転し、ワーク82の雌ネジ820に螺合する。すなわち、ネジ9が締められる。
このネジ締め工程におけるロボットアーム20の動作において、z軸方向、すなわち、ネジ9の進行方向についての動作は、位置制御で制御される。また、その位置制御は、後述する設定ネジ締め速度等に基づいて行われ、例えば、ネジ9が目標位置に移動、すなわち、ネジ9の移動量が目標移動距離に到達すると、ロボットアーム20のz軸方向への移動を停止させる。この場合、例えば、ネジ9が目標移動距離に到達する前にネジ締め完了信号(トルクアップ)が入力されたらロボットアーム20のz軸方向への移動を停止するようにしてもよい。なお、前記目標位置や目標移動距離は、ネジ9の長さ等(例えば、ネジ締め開始位置からネジ穴までの距離と、ネジ9の長さと、マージン)に基づいて設定される。
また、ネジ締め工程におけるロボットアーム20の動作において、x軸方向、y軸方向およびz軸方向の動作、すなわち、ネジ9の進行方向およびネジ9の進行方向と直交する方向についての動作は、インピーダンス制御(力制御)で制御される。そのインピーダンス制御では、x軸方向、y軸方向およびz軸方向の目標力をそれぞれ「0」とする。
このようなインピーダンス制御を行うことにより、電動ドライバー43のビット431をネジ9の頭部の溝に倣わすことができ、カムアウトを抑制することができ、また、電動ドライバー43がネジ9、ワーク81、82を損傷させてしまうことを抑制することができる。カムアウトとは、電動ドライバー43でネジ9を締める際、ビット431の先端部がネジ9の頭部の溝から浮き上がったり、ずれたり、外れたりする現象を言う。
具体的には、まず、z軸方向の目標力を「0」とすることにより、電動ドライバー43がネジ9、ワーク81、82を損傷させてしまうことを抑制することができる。また、x軸方向およびy軸方向の目標力をそれぞれ「0」とすることにより、カムアウトが生じそうになると、力検出部290により検出された力が「0」に近づく方向、すなわち、カムアウトの方向と逆方向に電動ドライバー43が移動する。このようにしてカムアウトを抑制することができる。
また、インピーダンス制御を行いつつ位置制御を行ってネジ締めを行うことにより、インピーダンス制御のみでネジ締めを行う場合と比較して、ネジ9を孔810や雌ネジ820に倣わせながらより短時間でネジ締めを行うことが可能になる。
また、ネジ締め工程では、電動ドライバー43のビット431は、後述する設定ネジ締めトルクから求まる回転数で回転する。そして、電動ドライバー43のトルクが設定ネジ締めトルクに到達した後、所定時間経過すると、電動ドライバー43の駆動を停止する。
以上により、ネジ締めが完了し、ネジ9により、ワーク81がワーク82に固定される。
なお、ネジ締め工程では、撮像装置44(図1参照)により撮像を行い、得られた画像データに基づいて、ロボットアーム20を動作させてもよい。
このようなロボットシステム100では、以下のようにして、ネジ締め工程におけるネジ締めトルクおよびネジ締め速度を設定する。
まず、ネジ締めトルクおよびネジ締め速度を設定する際に用いられるウィンドウ(ネジ締めトルク設定用画面)について説明する。
図5に示すように、ネジ締めトルクを設定する際は、表示装置41に、ネジ締めトルク設定用のウィンドウ(ネジ締めトルク設定用画面)5が表示される。
このウィンドウ5には、リストボックス51、52、53、54、55、56と、表示用のテキストボックス57と、入力用のテキストボックス58と、「次へ」と表示されたボタン59(アイコン)とが、それぞれ、表示される。
リストボックス51は、ネジ9の呼び径を入力する機能を有している。また、リストボックス52は、ネジ9の種類、すなわち、ネジ9が並目と細目とのいずれであるかを入力する機能を有している。また、リストボックス53は、ネジ9の材質を入力する機能を有している。リストボックス54は、ネジ9の強度区分を入力する機能を有している。また、リストボックス55は、被締め付け物の材質を入力する機能を有している。被締め付け物は、本実施形態では、ワーク81である。また、リストボックス56は、雌ネジ820(ワーク82)の材質を入力する機能を有している。このネジ9の呼び径、ネジ9の種類(ネジ9が並目と細目とのいずれであるか)、ネジ9の材質、ネジ9の強度区分、被締め付け物であるワーク81の材質、雌ネジ820の材質は、ネジ締め工程で用いられるネジ9を含む物の特性の1例である。また、材質には表面処理が含まれる。例えば、鋼製の母材に黒色酸化被膜を設けた場合は、その黒色酸化被膜も材質である。
なお、リストボックス51〜56に加えて、または、リストボックス51〜56のうちの少なくとも一部に代えて、他のリストボックス、例えば、ネジ9のピッチを入力する機能を有するリストボックス(図示せず)、締め付け係数(Q)を入力する機能を有するリストボックス(図示せず)等を設けてもよい。締め付け係数は、例えば、締め付け方法(例えば、電動ドライバー、トルクレンチ、インパクトレンチ、スパナ等)、ネジ9および雌ネジ820の表面状態(例えば、表面処理の有無、表面処理の方法や材質等)、潤滑状態(例えば、潤滑剤の有無、潤滑剤の種類等)等の要件で定まる。
また、テキストボックス57は、推奨ネジ締めトルクを表示する機能を有している。推奨ネジ締めトルクとは、推奨するネジ締めトルクを言う。また、ネジ締めトルクとは、締め付けトルクとも呼ばれており、ネジ9を回して締める(締め付ける)ときにネジ9を回転方向に回す力(トルク)を言う。この推奨ネジ締めトルクについては、後に詳述する。
また、テキストボックス58は、設定ネジ締めトルクを入力する機能を有している。設定ネジ締めトルクとは、設定するネジ締めトルクを言う。
また、図6に示すように、ネジ締め速度を設定する際は、表示装置41に、ネジ締め速度設定用のウィンドウ(ネジ締め速度設定用画面)6が表示される。
このウィンドウ6には、表示用のテキストボックス61と、入力用のテキストボックス62と、「次へ」と表示されたボタン63(アイコン)とが、それぞれ、表示される。
テキストボックス61は、推奨ネジ締め速度を表示する機能を有している。推奨ネジ締め速度とは、推奨するネジ締め速度を言う。また、ネジ締め速度とは、ネジ9を回して締める(締め付ける)ときにネジ9をその軸方向に移動させる速度(移動速度)を言う。このネジ締め速度は、ネジ9のリードとネジ9の回転数との積で求められる。また、ネジ9のリードとは、ネジ9が1回転するときにネジ9がその軸方向に移動する距離である。なお、1条ネジの場合は、リードとピッチとが等しく、n条ネジ(nは、2以上の整数)の場合は、リードは、ピッチのn倍となる。
また、テキストボックス62は、設定ネジ締め速度を入力する機能を有している。設定ネジ締め速度とは、設定するネジ締め速度を言う。
次に、推奨ネジ締めトルクを求める方法(算出方法)について説明する。但し、その方法は、1例であり、他の方法を用いてもよい。
推奨ネジ締めトルクTは、下記(1)式を用いて算出する。
T=0.35・K・(1+1/Q)・σy・As・d ・・・(1)
但し、上記(1)式において、K、Q、σy、As、dは、それぞれ、下記の通りである。また、上記(1)式は、JISで規定されている式に基づいた式である。
K:トルク係数
Q:締め付け係数(本実施形態では、例えば、「2」に設定する)
σy:ネジ9の降伏点
As:ネジ9の有効断面積
d:ネジ9の呼び径
また、トルク係数Kは、下記(2)式を用いて算出する。
K=1/d・[P/(2・π)+0.577・μth・d2+0.5・μb・Db] ・・・(2)
但し、上記(2)式において、d、P、μth、d2、μb、Db、それぞれ、下記の通りである。また、上記(2)式は、JISで規定されている式に基づいた式である。
d:ネジ9の呼び径
P:ネジ9のピッチ
μth:ネジ9のネジ面の雌ネジ820に対する摩擦係数
d2:ネジ9の有効径の基準寸法
μb:ネジ9の座面のワーク81(被締め付け物)に対する摩擦係数
Db:ネジ9の座面の摩擦に対する直径
前記(1)式および(2)式は、予め記憶部14に記憶されており、必要時に読み出される。
次に、ネジ締め工程で用いるネジ締めトルクおよびネジ締め速度を設定する際の手順および制御装置1の制御動作について、図5、図6、図12および図13を参照しつつ説明する。
まず、ネジ締めトルクを設定するが、このネジ締めトルクの設定では、ユーザーは、表示装置41に表示されたウィンドウ5(図5参照)において、リストボックス51、52、53、54、55、56に、それぞれ、対応する情報を入力する操作指示を行う。ここで、本発明で、「入力」は、「選択」を含む。
具体的には、リストボックス51に、ネジ9の呼び径(例えば、「M1」)を入力する。また、リストボックス52に、ネジ9の種類、すなわち、ネジ9が並目と細目とのいずれであるか(例えば、「並目」)を入力する。また、リストボックス53に、ネジ9の材質(例えば、「鋼」)を入力する。また、リストボックス54に、ネジ9の強度区分(例えば、「3.6」)を入力する。また、リストボックス55に、被締め付け物であるワーク81の材質(例えば、「ステンレス鋼」)を入力する。また、リストボックス56に、雌ネジ820の材質(例えば、「ステンレス鋼」)を入力する。この場合、リストボックス51〜リストボックス56において、それぞれ、ドロップダウンリストが表示され、ユーザーは、そのドロップダウンリストから対応するものを選択する操作指示を行う。
なお、図8に示す「材料の組成区分」および「鋼種区分」は、「材質」の項目で入力する。また、図8に示す「耐力」は、「降伏点」とほぼ同義であり、降伏点が明確でない材料については、耐力が用いられる。例えば、ネジ9の材質がステンレス鋼の場合、(1)式のネジ9の降伏点は、ネジ9の耐力と置き換えることも可能である。
次に、ユーザーは、「次へ」と表示されたボタン59に対する操作指示を行う。
受付部15がユーザーによるボタン59に対する操作指示を受け付けると(ステップS101)、表示制御部13は、前記(1)式および(2)式を用いて、推奨ネジ締めトルクを算出する。
そして、表示制御部13は、表示装置41に対し、推奨ネジ締めトルクを表示させる指示を行う(ステップS102)。これにより、表示装置41は、テキストボックス57に、推奨ネジ締めトルクを表示する。これによって、ユーザーは、推奨ネジ締めトルクを把握することができる。
ここで、リストボックス51〜56に入力された情報がどのように反映されて、前記(1)式および(2)式から推奨ネジ締めトルクを算出することができるかについて説明する。
なお、前述したように、記憶部14には、図7〜図11に示すテーブル等が記憶されている。また、記憶部14には、ネジ9の材質および雌ネジ820の材質と、ネジ9のネジ面の雌ネジ820に対する摩擦係数(μth)との関係を示すテーブル(図示せず)が記憶されている。また、記憶部14には、ネジ9の材質およびワーク81の材質と、ネジ9の座面のワーク81(被締め付け物)に対する摩擦係数(μb)との関係を示すテーブル(図示せず)が記憶されている。また、記憶部14には、ネジ9の呼び径と、ネジ9の座面の摩擦に対する直径(Db)との関係を示すテーブル(図示せず)が記憶されている。
まず、リストボックス51に入力されるネジ9の呼び径については、図9〜図11に示すテーブルに記載されている。
ネジ9の呼び径は、M1、M2、M3等である。そして、ネジ9の呼び径は、例えば、ネジ9の呼び径「M1」を例に挙げると、「M」の後の数字である「1」であり、その単位は「mm」である。具体的には、1[mm]である。
また、リストボックス52に入力されるネジ9が並目と細目とのいずれであるかの情報は、図9〜図11に記載されている。
また、リストボックス54に入力されるネジ9の強度区分については、図7および図8に示すテーブルに記載されている。
そして、(1)式における締め付け係数(Q)は、本実施形態では、例えば、固定値として「2」に設定されている。
また、(1)式におけるネジ9の降伏点(σy)は、ネジ9の強度区分と、図7または図8に示すテーブルとに基づいて求めることができる。
また、(1)式におけるネジ9の有効断面積(As)は、ネジ9の呼び径と、ネジ9が並目と細目とのいずれであるかの情報と、図9に示すテーブルとに基づいて求めることができる。
また、(1)式におけるネジ9の呼び径(d)は、「M」の後の数字[mm]である。ネジの呼び径の単位が「mm」の場合、トルクの単位は「N・mm」である。
なお、ネジの呼び径の単位を「cm」に変換し、トルクの単位を「N・cm」として推奨ネジ締めトルクTを求めてもよい。
また、(1)式におけるトルク係数(K)を求めるためのd、P、μth、d2、μb、Dbは、下記の通りである。
まず、(2)式におけるネジ9の呼び径(d)は、「M」の後の数字[mm]である。
また、(2)式におけるネジ9のピッチ(P)は、ネジの呼び径と、ネジ9が並目と細目とのいずれであるかの情報と、図10に示すテーブルとに基づいて求めることができる。
また、(2)式におけるネジ9のネジ面の雌ネジ820に対する摩擦係数(μth)は、ネジ9の材質と、雌ネジ820の材質と、記憶部14に記憶されているネジ9の材質および雌ネジ820の材質と摩擦係数(μth)との関係を示すテーブル(図示せず)とに基づいて求めることができる。
また、(2)式におけるネジ9の有効径の基準寸法(d2)は、ネジの呼び径と、ネジ9が並目と細目とのいずれであるかの情報と、図11に示すテーブルとに基づいて求めることができる。
また、(2)式におけるネジ9の座面のワーク81(被締め付け物)に対する摩擦係数(μb)は、ネジ9の材質と、ワーク81の材質と、記憶部14に記憶されているネジ9の材質およびワーク81の材質と摩擦係数(μb)との関係を示すテーブル(図示せず)とに基づいて求めることができる。
また、(2)式におけるネジ9の座面の摩擦に対する直径(Db)は、ネジ9の呼び径と、ネジ9の座面の摩擦に対する直径(Db)との関係を示すテーブル(図示せず)とに基づいて求めることができる。
以上のようにして、推奨ネジ締めトルクを算出することができる。
次に、ユーザーは、テキストボックス58に、設定ネジ締めトルクとして、推奨ネジ締めトルクを入力する操作指示を行う。この操作指示では、テキストボックス58に数値を入力した後、ボタン59に対する操作指示を行う。なお、テキストボックス58に、初期値として、推奨ネジ締めトルクが表示されていてもよい。
受付部15は、ユーザーによる操作指示を受け付ける(ステップS103)。受付部15が前記操作指示を受け付けると、表示制御部13を介して、入力された値がドライバー制御部12に送信され、ドライバー制御部12は、前記入力された値をネジ締めトルクとして設定する。ネジ締めトルクが設定されると、その設定値に基づいて、電動ドライバー43の回転数が設定される。
なお、ユーザーは、設定ネジ締めトルクとして、推奨ネジ締めトルク以外の値を入力してもよい。具体例としては、ユーザーは、推奨ネジ締めトルクを入力してもネジ締めが適正に行われない場合は、推奨ネジ締めトルク以外の値を入力して対応することが可能である。また、ユーザーは、設計の時点でネジ締めトルクが決まっている場合は、その決まっている値を入力することが可能である。
次に、ユーザーは、「次へ」と表示されたボタン59に対する操作指示を行う。
受付部15がユーザーによるボタン59に対する操作指示を受け付けると、表示制御部13は、表示装置41に対し、ウィンドウ5に換えてウィンドウ6を表示させる指示を行う。これにより、表示装置41は、ウィンドウ6を表示する(図6参照)。
また、表示制御部13は、設定ネジ締めトルクに基づいて、電動ドライバー43の回転数を求め、その電動ドライバー43の回転数およびネジ9のリードに基づいて、推奨ネジ締め速度を算出する。なお、ネジ9のリードは、ネジ9が並目と細目とのいずれであるかの情報と、ネジ9の呼び径の情報に基づくネジ9のピッチとに基づいて算出する。
そして、表示制御部13は、表示装置41に対し、推奨ネジ締め速度を表示させる指示を行う(ステップS201)。これにより、表示装置41は、テキストボックス61に、推奨ネジ締め速度を表示する。これによって、ユーザーは、推奨ネジ締め速度を把握することができる。
次に、ユーザーは、テキストボックス62に、設定ネジ締め速度として、推奨ネジ締め速度を入力する操作指示を行う。この操作指示では、テキストボックス62に数値を入力した後、ボタン63に対する操作指示を行う。なお、テキストボックス62に、初期値として、推奨ネジ締め速度が表示されていてもよい。
受付部15は、ユーザーによる操作指示を受け付ける(ステップS202)。受付部15が前記操作指示を受け付けると、表示制御部13を介して、入力された値がロボット制御部11に送信され、ロボット制御部11は、前記入力された値をネジ締め速度として設定する。
なお、ユーザーは、設定ネジ締め速度として、推奨ネジ締め速度以外の値を入力してもよい。具体例としては、ユーザーは、推奨ネジ締め速度を入力してもネジ締めが適正に行われない場合は、推奨ネジ締め速度以外の値を入力して対応することが可能である。
以上のようにして、すべてのパラメーター(項目)の入力が完了すると、ネジ締め工程を含む作業を実行する際に用いるプログラムが生成される。
以上説明したように、ロボットシステム100によれば、ネジ締め工程におけるネジ締めトルクの設定を容易、迅速かつ適確に行うことができる。
また、以上説明したように、ネジ9を含む物の特性は、強度区分を含む。これにより、ネジ締め工程におけるネジ締めトルクの設定をより適確に行うことができる。
また、ロボット2は、ネジ9を締めることにより第1対象物の1例であるワーク81を第2対象物の1例であるワーク82に固定する。また、ネジ9を含む物の特性は、ネジ9の材質、ワーク81(第1対象物の)の材質およびワーク82(第2対象物)の材質を含む。これにより、ネジ締め工程におけるネジ締めトルクの設定をより適確に行うことができる。
また、ネジ9を含む物の特性は、ネジ9の呼び径を含む。これにより、ネジ締め工程におけるネジ締めトルクの設定をより適確に行うことができる。
また、ネジ9を含む物の特性は、ネジ9が並目と細目とのいずれの種類であるかを含む。これにより、ネジ締め工程におけるネジ締めトルクの設定をより適確に行うことができる。
また、ネジ締め工程では、ドライバーの1例である電動ドライバー43によりネジ9を回転させて締める。また、受付部15は、電動ドライバー43(ドライバー)の回転数の入力を受け付ける。そして、表示制御部13は、受付部15が受け付けた特性および電動ドライバー43(ドライバー)の回転数に基づいて、ロボット2がネジ9を締めるときのネジ締め速度に関する値の1例である推奨ネジ締め速度を求め、その推奨ネジ締め速度(ネジ締め速度に関する値)を表示部の1例である表示装置41に表示させる。これにより、ネジ締め工程におけるネジ締め速度の設定を容易、迅速かつ適確に行うことができる。
また、受付部15は、ネジ締め速度の入力を受け付ける。そして、制御部の1例であるロボット制御部11は、ネジ締め工程において、受付部15が受け付けたネジ締め速度に基づいて、ロボット2の駆動を制御する。これにより、適確にネジ9を締めることができる。
また、ロボット2は、ドライバーの1例である電動ドライバー43を有している。すなわち、本実施形態では、電動ドライバー43をドライバーとして用いる。また、受付部15は、ネジ締めトルクの入力を受付ける。そして、制御部の1例であるドライバー制御部12は、ネジ締め工程において、受付部15が受け付けたネジ締めトルクに基づいて、電動ドライバー43の駆動を制御する。これにより、適確にネジ9を締めることができる。
また、ロボット2は、力を検出する力検出部290を有している。そして、制御部の1例であるロボット制御部11は、ネジ締め工程において、力検出部290の出力に基づいて力制御を行い、ロボット2の駆動を制御する。これにより、例えば、目標力を適切に設定し、力制御としてインピーダンス制御(倣い制御)を行うことにより、カムアウトを抑制することができ、適確にネジ9を締めることができ、また、ネジ9やワーク81、82の損傷を抑制することができる。また、インピーダンス制御を行うことにより、ネジ9と孔810(雌ネジ820)とがずれていても、ネジ9を孔810(雌ネジ820)に挿入することが容易になる。
また、制御部の1例であるロボット制御部11は、力制御において、ネジ9の進行方向と直交する方向の目標力を0とする。これにより、ネジ9の進行方向と直交する方向の目標力を0に設定し、力制御としてインピーダンス制御(倣い制御)を行うことにより、カムアウトを抑制することができ、適確にネジ9を締めることができる。また、インピーダンス制御を行うことにより、ネジ9と孔810(雌ネジ820)とがずれていても、ネジ9を孔810(雌ネジ820)に挿入することが容易になる。
また、制御部の1例であるロボット制御部11は、力制御を行っている期間の少なくとも一部で、位置制御を行う。これにより、力制御のみでネジ締めを行う場合と比較して、ネジ9を孔810や雌ネジ820に倣わせながらより短時間でネジ締めを行うことが可能になる。
<第2実施形態>
図14は、本発明のロボットシステムの第2実施形態おいて、表示装置に表示されるウィンドウを示す図である。図15は、本発明のロボットシステムの第2実施形態おいて、表示装置に表示されるウィンドウを示す図である。図16は、本発明のロボットシステムの第2実施形態おける制御装置の制御動作を示すフローチャートである。図17は、本発明のロボットシステムの第2実施形態おける制御装置の制御動作を示すフローチャートである。
以下、第2実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態は、ねじ締めトルクを自動的には電動ドライバー43に設定できない場合の形態であり、入力装置42とドライバー制御部12とが電気的に接続されており、入力装置42からドライバー制御部12に直接、ねじ締めトルクを入力する。
まず、ネジ締めトルクおよびネジ締め速度を設定する際に用いられるウィンドウ(ネジ締めトルク設定用画面)について説明する。
図14に示すように、本実施形態のロボットシステム100では、ネジ締めトルクを設定する際は、表示装置41に、ネジ締めトルク設定用のウィンドウ(ネジ締めトルク設定用画面)5Aが表示される。
このウィンドウ5Aには、リストボックス51、52、53、54、55、56と、表示用のテキストボックス57と、「次へ」と表示されたボタン59(アイコン)とが、それぞれ、表示される。すなわち、ウィンドウ5Aの表示内容は、第1実施形態と比べると、テキストボックス58が省略されていること以外は第1実施形態と同様である。
また、図15に示すように、ネジ締め速度を設定する際は、表示装置41に、ネジ締め速度設定用のウィンドウ(ネジ締め速度設定用画面)6Aが表示される。
このウィンドウ6Aには、表示用のテキストボックス61と、入力用のテキストボックス62、64と、「次へ」と表示されたボタン63(アイコン)とが、それぞれ、表示される。すなわち、ウィンドウ6Aの表示内容は、第1実施形態と比べると、テキストボックス64が追加されていること以外は第1実施形態と同様である。
テキストボックス64は、ドライバー回転数を入力する機能を有している。ドライバー回転数とは、ネジ締めの際の電動ドライバー43の回転数を言う。
次に、ネジ締め工程で用いるネジ締めトルクおよびネジ締め速度を設定する際の手順および制御装置1の制御動作について、図14、図15、図16および図17を参照しつつ説明する。
まず、ネジ締めトルクを設定するが、このネジ締めトルクの設定では、ユーザーは、表示装置41に表示されたウィンドウ5A(図14参照)において、リストボックス51、52、53、54、55、56に、それぞれ、対応する情報を入力する操作指示を行う。
次に、ユーザーは、「次へ」と表示されたボタン59に対する操作指示を行う。
受付部15がユーザーによるボタン59に対する操作指示を受け付けると(ステップS301)、表示制御部13は、前記(1)式および(2)式を用いて、推奨ネジ締めトルクを算出する。
そして、表示制御部13は、表示装置41に対し、推奨ネジ締めトルクを表示させる指示を行う(ステップS302)。これにより、表示装置41は、テキストボックス57に、推奨ネジ締めトルクを表示する。これによって、ユーザーは、推奨ネジ締めトルクを把握することができる。
次に、ユーザーは、ドライバー制御部12に対し、入力装置42を用いて、設定ネジ締めトルクとして、推奨ネジ締めトルクを入力する操作指示を行う。ドライバー制御部12は、入力された値をネジ締めトルクとして設定する。ネジ締めトルクが設定されると、その設定値に基づいて、電動ドライバー43の回転数が求められ、表示装置41に表示される(図示せず)。
なお、ユーザーは、設定ネジ締めトルクとして、推奨ネジ締めトルク以外の値を入力してもよい。具体例としては、ユーザーは、推奨ネジ締めトルクを入力してもネジ締めが適正に行われない場合は、推奨ネジ締めトルク以外の値を入力して対応することが可能である。また、ユーザーは、設計の時点でネジ締めトルクが決まっている場合は、その決まっている値を入力することが可能である。
次に、ユーザーは、「次へ」と表示されたボタン59に対する操作指示を行う。
受付部15がユーザーによるボタン59に対する操作指示を受け付けると、表示制御部13は、表示装置41に対し、ウィンドウ5Aに換えてウィンドウ6Aを表示させる指示を行う。これにより、表示装置41は、ウィンドウ6Aを表示する(図15参照)。
次に、ユーザーは、テキストボックス64に、ドライバー回転数、すなわち、電動ドライバー43の回転数を入力する操作指示を行う。この操作指示では、テキストボックス64に数値を入力する。この場合、ユーザーは、例えば、表示装置41に表示された電動ドライバー43の回転数(図示せず)、すなわち、ネジ締めトルクの設定値に基づいて求められた電動ドライバー43の回転数を入力する。
受付部15は、ユーザーによる操作指示を受け付ける(ステップS401)。受付部15が前記操作指示を受け付けると、表示制御部13は、入力された電動ドライバー43の回転数およびネジ9のリードに基づいて、推奨ネジ締め速度を算出する。なお、ネジ9のリードは、ネジ9が並目と細目とのいずれであるかの情報と、ネジ9の呼び径の情報に基づくネジ9のピッチとに基づいて算出する。そして、表示制御部13は、表示装置41に対し、推奨ネジ締め速度を表示させる指示を行う(ステップS402)。これにより、表示装置41は、テキストボックス61に、推奨ネジ締め速度を表示する。これによって、ユーザーは、推奨ネジ締め速度を把握することができる。
次に、ユーザーは、テキストボックス62に、設定ネジ締め速度として、推奨ネジ締め速度を入力する操作指示を行う。この操作指示では、テキストボックス62に数値を入力した後、ボタン63に対する操作指示を行う。なお、テキストボックス62に、初期値として、推奨ネジ締め速度が表示されていてもよい。
受付部15は、ユーザーによる操作指示を受け付ける(ステップS403)。受付部15が前記操作指示を受け付けると、表示制御部13を介して、入力された値がロボット制御部11に送信され、ロボット制御部11は、前記入力された値をネジ締め速度として設定する。
なお、ユーザーは、設定ネジ締め速度として、推奨ネジ締め速度以外の値を入力してもよい。具体例としては、ユーザーは、推奨ネジ締め速度を入力してもネジ締めが適正に行われない場合は、推奨ネジ締め速度以外の値を入力して対応することが可能である。
以上のようにして、すべてのパラメーター(項目)の入力が完了すると、ネジ締め工程を含む作業を実行する際に用いるプログラムが生成される。
以上のような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
以上、本発明の制御装置およびロボットシステムを図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、前記実施形態では、ロボットの基台の固定箇所は、セルの天井部であるが、本発明では、これに限定されず、この他、例えば、セルの壁部、作業台、床部等が挙げられる。
また、前記実施形態では、ロボットは、セル内に設置されているが、本発明では、これに限定されず、例えば、セルが省略されていてもよい。この場合、ロボットの基台の固定箇所としては、例えば、設置スペースにおける天井、壁、作業台、床、地上等が挙げられる。
また、前記実施形態では、ロボットアームの回動軸の数は、6つであるが、本発明では、これに限定されず、ロボットアームの回動軸の数は、例えば、2つ、3つ、4つ、5つまたは7つ以上でもよい。すなわち、前記実施形態では、アーム(リンク)の数は、6つであるが、本発明では、これに限定されず、アームの数は、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、または、7つ以上でもよい。この場合、例えば、前記実施形態のロボットにおいて、第2アームと第3アームとの間にアームを追加することにより、アームの数が7つのロボットを実現することができる。
また、前記実施形態では、ロボットアームの数は、1つであるが、本発明では、これに限定されず、ロボットアームの数は、例えば、2つ以上でもよい。すなわち、ロボットは、例えば、双腕ロボット等の複数腕ロボットであってもよい。
また、本発明では、ロボット(ロボット本体)は、他の種類(形式)のロボットであってもよい。具体例としては、例えば、水平多関節ロボット、脚部を有する脚式歩行(走行)ロボット等が挙げられる。「水平多関節ロボット」とは、水平方向にアーム(スプラインシャフトを除く)が動作するロボットのことをいう。
また、対象物に対して作業を行うエンドエフェクターとしては、電動ドライバーに限定されず、他の構成のものであってもよい。具体例としては、例えば、ドライバー等が挙げられる。この場合は、ロボットアームがハンドでドライバーを把持し、そのドライバーを回転させる。
1…制御装置、2…ロボット、5…ウィンドウ、5A…ウィンドウ、6…ウィンドウ、6A…ウィンドウ、7…セル、9…ネジ、11…ロボット制御部、12…ドライバー制御部、13…表示制御部、14…記憶部、15…受付部、20…ロボットアーム、21…第1アーム、22…第2アーム、23…第3アーム、24…第4アーム、25…第5アーム、26…第6アーム、41…表示装置、42…入力装置、43…電動ドライバー、44…撮像装置、45…撮像装置、46…ネジ振動フィーダー、51…リストボックス、52…リストボックス、53…リストボックス、54…リストボックス、55…リストボックス、56…リストボックス、57…テキストボックス、58…テキストボックス、59…ボタン、61…テキストボックス、62…テキストボックス、63…ボタン、64…テキストボックス、71…枠体部、72…作業台、73…天井部、74…足部、75…底板、76…天板、77…枠、78…横棒、79…テーブル、81…ワーク、82…ワーク、83…ワーク、100…ロボットシステム、210…基台、270…取付部、280…駆動部、281…位置センサー、290…力検出部、431…ビット、432…カバー、711…支柱、810…孔、820…雌ネジ、821…上部、822…側部、823…傾斜部、S101…ステップ、S102…ステップ、S103…ステップ、S201…ステップ、S202…ステップ、S301…ステップ、S302…ステップ、S401…ステップ、S402…ステップ、S403…ステップ

Claims (12)

  1. ネジを締めるネジ締め工程を有する作業を行うことが可能なロボットの駆動を制御する制御装置であって、
    前記ネジ締め工程で用いられる前記ネジを含む物の特性のうちの少なくとも1つの入力を受け付ける受付部と、
    前記受付部が受け付けた前記特性に基づいて、前記ロボットが前記ネジを締めるときのネジ締めトルクに関する値を求め、前記ネジ締めトルクに関する値を表示部に表示させる表示制御部と、
    少なくとも前記ロボットの駆動を制御する制御部と、を備えることを特徴とする制御装置。
  2. 前記特性は、強度区分を含む請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記ロボットは、前記ネジを締めることにより第1対象物を第2対象物に固定し、
    前記特性は、前記ネジの材質、前記第1対象物の材質および前記第2対象物の材質を含む請求項1または2に記載の制御装置。
  4. 前記特性は、前記ネジの呼び径を含む請求項1ないし3のいずれか1項に記載の制御装置。
  5. 前記特性は、前記ネジが並目と細目とのいずれの種類であるかを含む請求項1ないし4のいずれか1項に記載の制御装置。
  6. 前記ネジ締め工程では、ドライバーにより前記ネジを回転させて締め、
    前記受付部は、前記ドライバーの回転数の入力を受け付け、
    前記表示制御部は、前記受付部が受け付けた前記特性および前記ドライバーの回転数に基づいて、前記ロボットが前記ネジを締めるときのネジ締め速度に関する値を求め、前記ネジ締め速度に関する値を前記表示部に表示させる請求項1ないし5のいずれか1項に記載の制御装置。
  7. 前記受付部は、前記ネジ締め速度の入力を受け付け、
    前記制御部は、前記ネジ締め工程において、前記受付部が受け付けた前記ネジ締め速度に基づいて、前記ロボットの駆動を制御する請求項6に記載の制御装置。
  8. 前記ロボットは、前記ドライバーを有し、
    前記ドライバーは、電動ドライバーであり、
    前記受付部は、前記ネジ締めトルクの入力を受付け、
    前記制御部は、前記ネジ締め工程において、前記受付部が受け付けた前記ネジ締めトルクに基づいて、前記電動ドライバーの駆動を制御する請求項6または7に記載の制御装置。
  9. 前記ロボットは、力を検出する力検出部を有し、
    前記制御部は、前記ネジ締め工程において、前記力検出部の出力に基づいて力制御を行い、前記ロボットの駆動を制御する請求項1ないし8のいずれか1項に記載の制御装置。
  10. 前記制御部は、前記力制御において、前記ネジの進行方向と直交する方向の目標力を0とする請求項9に記載の制御装置。
  11. 前記制御部は、前記力制御を行っている期間の少なくとも一部で、位置制御を行う請求項9または10に記載の制御装置。
  12. 請求項1ないし11のいずれか1項に記載の制御装置と、
    前記制御装置により制御されるロボットと、を備えることを特徴とするロボットシステム。
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