JP2018116409A - 緊急車両通行支援装置、緊急車両通行支援プログラム、及び緊急車両通行支援システム - Google Patents

緊急車両通行支援装置、緊急車両通行支援プログラム、及び緊急車両通行支援システム Download PDF

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Abstract

【課題】交通流を乱すことなく緊急車両に進路を譲ることが可能な緊急車両通行支援装置等の提供。【解決手段】自動運転ECUは、自動運転機能によって自車両A1を緊急車両EVの予定走行経路から待避させる緊急車両通行支援装置として機能する。自動運転ECUは、緊急車両EVが自車両A1に接近している場合に、緊急車両EVの予定走行経路から待避するよう自動運転機能によって自車両A1を停車させる。加えて自動運転ECUは、自車両A1と同じ車線の所定距離以内を走行する後続車両A2について、自動走行モードか手動運転モードかを判別する。そして、後続車両A2が手動運転モードである場合、後続車両A2が自動運転モードである場合よりも、自車両A1を緩やかに減速させる待避行動の計画が作成される。【選択図】図13

Description

この明細書による開示は、自動運転機能によって自車両を緊急車両の予定走行経路から待避させることにより、緊急車両の通行を支援する緊急車両の通行支援技術に関する。
従来、例えば特許文献1に開示の緊急車両通行支援システムは、複数の一般車両と緊急車両とが同じ道路、且つ、同じ方向に走行している場合に、各一般車両に搭載された車両制御手段の制御により、これらの一般車両を道路の路肩近傍に順次停車させる。このように、緊急車両の前方を走行する複数の一般車両が自動運転によって路肩近傍に待避することで、緊急車両は、一般車両に通行を妨げられることなく、一般車両の近傍を通過可能になる。
特開2014−154128号公報
さて、特許文献1に開示の緊急車両通行支援システムは、路肩近傍への移動を運転者に代わって実施可能な車両制御手段等の自動運転システムを各一般車両が搭載していることを前提としている。しかし、実際の道路では、自動運転システムによって自動走行している車両だけでなく、運転者による手動走行状態にある車両も混在している。
ここで、車両を手動走行させている運転者は、例えば緊急車両から発せられるサイレン音等により、緊急車両の接近を認識する。一方で、自動運転システムは、例えば車車間通信等により、緊急車両の接近を判断できる。故に、手動運転中の運転者が緊急車両の接近を認識するタイミングは、自動運転システムが緊急車両の接近を判断するタイミングよりも、遅くなる傾向にある。そのため、手動運転状態の車両の前方で自動運転システムが待避のための急な減速を開始してしまうと、手動運転状態の車両は、減速された前走車に急接近してしまう。その結果、交通流を乱してしまう事態の発生が想定され得た。
本開示は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、自動走行状態の車両と手動運転状態の車両とが混在している走行環境においても、交通流を乱すことなく緊急車両に進路を譲ることが可能な緊急車両の通行支援技術を提供することにある。
上記目的を達成するため、開示された第一の態様は、自動運転機能によって自車両(A1)を緊急車両(EV)の予定走行経路から待避させることにより、緊急車両の通行を支援する緊急車両通行支援装置であって、緊急車両の自車両への接近を判断する接近判断部(23)と、緊急車両が自車両に接近している場合に、緊急車両の予定走行経路から待避するよう自動運転機能によって自車両を停車させる待避行動計画を作成する計画作成部(27)と、自車両の周囲を走行する他車両のうちで、少なくとも自車両と同じ車線の所定距離以内を走行し、且つ、後続の先頭に位置する後続車両(A2)について、自動走行状態か手動運転状態かを判別する走行状態判別部(25)と、を備え、計画作成部は、後続車両が手動運転状態である場合に、後続車両が自動走行状態である場合よりも、自車両を緩やかに減速させる待避行動計画を作成する緊急車両通行支援装置とされる。
また開示された第二の態様は、自動運転機能によって自車両(A1)を緊急車両(EV)の予定走行経路から待避させることにより、緊急車両の通行を支援する緊急車両通行支援装置(10)と、自車両の周囲を走行している他車両を監視する周辺監視装置(30)と、を含む緊急車両通行支援システムであって、緊急車両通行支援装置は、緊急車両の自車両への接近を判断する接近判断部(23)、緊急車両が自車両に接近している場合に、緊急車両の予定走行経路から待避するよう自動運転機能によって自車両を停車させる待避行動計画を作成する計画作成部(27)、他車両のうちで、少なくとも自車両と同じ車線の所定距離以内を走行し且つ後続の先頭に位置する後続車両(A2)について、自動走行状態か手動運転状態かを判別する走行状態判別部(25)、を有し、計画作成部は、後続車両が手動運転状態である場合に、後続車両が自動走行状態である場合よりも、自車両を緩やかに減速させる待避行動計画を作成する緊急車両通行支援システムとされる。
さらに開示された第三の態様は、自動運転機能によって自車両(A1)を緊急車両(EV)の予定走行経路から待避させることにより、緊急車両の通行を支援する制御を処理部(11,12)に実行させる緊急車両通行支援プログラムであって、緊急車両の自車両への接近を判断し(S102〜S104)、緊急車両が自車両に接近している場合に、緊急車両の予定走行経路から待避するよう自動運転機能によって自車両を停車させる待避行動計画を作成し(S143)、自車両の周囲を走行する他車両のうちで、少なくとも自車両と同じ車線の所定距離以内を走行し且つ後続の先頭に位置する後続車両(A2)について、自動走行状態か手動運転状態かを判別し(S134)、後続車両が手動運転状態である場合に、後続車両が自動走行状態である場合よりも、自車両を緩やかに減速させる待避行動計画を作成する(S148)緊急車両通行支援プログラムとされる。
これらの態様によれば、緊急車両の予定走行経路から待避するために自車両を停車させる待避行動計画では、後続車両が手動運転状態である場合に、後続車両が自動走行状態である場合よりも、緩やかな減速が予定される。故に、自動走行状態の車両と手動運転状態の車両とが混在している走行環境においても、自車両は、交通流を乱すことなく、緊急車両に進路を譲ることが可能になる。
尚、上記括弧内の参照番号は、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、技術的範囲を何ら制限するものではない。
自車両に搭載された自動運転システムの全体像を示すブロック図である。 自動運転ECUの構成の一例を示す図である。 緊急車両の待避支援を実現するメイン処理の詳細を示すフローチャートである。 待避判断処理の詳細を示すフローチャートである。 待避行動選択処理の詳細を、図6及び図7と共に示すフローチャートである。 待避行動選択処理の詳細を、図5及び図7と共に示すフローチャートである。 待避行動選択処理の詳細を、図5及び図6と共に示すフローチャートである。 パターン1の待避行動を実現するフローチャートである。 パターン2の待避行動を実現するフローチャートである。 パターン3の待避行動を実現するフローチャートである。 パターン4の待避行動を実現するフローチャートである。 待避シーンAの詳細を示す図である。 待避シーンBの詳細を示す図である。 待避シーンCの詳細を示す図である。 待避シーンDの詳細を示す図である。 待避シーンEの詳細を示す図である。 待避シーンFの詳細を示す図である。 待避シーンGの詳細を示す図である。 待避シーンHの詳細を示す図である。 待避シーンIの詳細を示す図である。 待避シーンJの詳細を示す図である。 待避回避シーンKの詳細を示す図である。 待避回避シーンLの詳細を示す図である。 待避回避シーンMの詳細を示す図である。 待避回避シーンNの詳細を示す図である。
本開示の一実施形態による自動運転ECU10は、図1に示すように、車両(以下、「自車両A1」)に搭載されている。自車両A1は、運転者に代わって運転操作を実施可能な自動運転機能を備えている。自動運転機能は、自動運転ECU10を主体とする自動運転システム100によって実現される。自動運転システム100及び自動運転ECU10は、自動運転機能によって緊急車両EVの予定走行経路から自車両A1を待避させることにより、緊急車両EVの通行を支援する緊急車両通行支援システム及び緊急車両通行支援装置として機能する。
詳記すると、自動運転システム100は、緊急用務中(緊急走行中)である緊急車両EVの予定走行経路の情報を、通信によって取得可能である。緊急車両EVには、例えば消防用自動車、救急用自動車、及び警察車両等が少なくとも含まれる。緊急車両EVは、緊急用務の際に、路車間通信、車車間通信、及び移動体通信等の少なくとも一つを用いて、走行を予定している予定走行経路の情報を、交通管理センタのサーバ及び他の一般車両等へ向けて送信可能である。自動運転システム100は、緊急車両EVから配信された予定走行経路の情報を無線通信によって取得し、緊急車両EVの予定走行経路、より詳細には予定走行経路の設定された車線が確保されるように、自車両A1を路肩近傍等に待避させる。尚、以下の説明における「緊急車両EV」は、特に説明が無い場合には、緊急用務中の緊急車両EVを示す。
以上の緊急車両EVの通行支援を可能にするため、自車両A1には、周辺監視装置30、車車間通信装置40、車載ネットワーク50、及び車両制御装置60が自動運転ECU10と共に搭載されている。以下、自車両A1の待避行動を実現している各車載構成の詳細を説明する。
周辺監視装置30は、自車両A1の周囲の有体物を検出する装置である。周辺監視装置30は、例えば歩行者、人間以外の動物、自転車、オートバイ、及び他車両のような移動物体、さらに路上の落下物、交通信号、ガードレール、縁石、道路標識、道路標示、区画線、及び樹木のような静止物体を検出可能である。周辺監視装置30は、カメラ31、ミリ波レーダ32、超音波センサ33、及びライダ34等の外界センサに加えて、マイクロホン35を有している。各外界センサは、検出した移動物体及び静止物体の相対位置及び相対速度等を示す検出物情報を、自動運転ECU10へ向けて逐次出力する。
カメラ31は、自車両A1の前方領域、後方領域、前後左右の各側方領域を撮影する複数の撮像素子を有している。カメラ31は、各撮像素子によって撮像された画像を解析する処理により、各領域の画像に写る移動物体及び静止物体を抽出することで、検出物情報を取得する。加えてカメラ31は、各画像から緊急車両EVを抽出し、緊急車両EVの存在を示す緊急車両情報として、自動運転ECU10に提供する。
ミリ波レーダ32は、自車両A1の進行方向及び背後方向等へ向けてミリ波を照射し、各照射方向の移動物体及び静止物体等で反射されたミリ波を受信することにより、検出物情報を取得する。超音波センサ33は、自車両A1の周辺領域へ向けて超音波を発信し、周辺領域に存在する移動物体及び静止物体等で反射された超音波を受信することにより、検出物情報を取得する。ライダ34は、自車両A1の周囲の各領域へ向けてレーザ光を照射し、各照射方向の移動物体及び静止物体等で反射されたレーザ光を受信することにより、検出物情報を取得する。
マイクロホン35は、自車両A1の周囲の環境音を集音する集音器である。自車両A1の周辺を緊急車両EVが走行している場合、マイクロホン35によって集音された環境音には、緊急車両EVによって鳴らされている特定のサイレン音が含まれている。マイクロホン35は、環境音、又は環境音からサイレン音が抽出されている旨の情報の少なくとも一方を、集音情報として自動運転ECU10へ向けて逐次出力する。
車車間通信装置40は、緊急車両EV及び他の一般車両に搭載された車車間通信装置と、直接的又は間接的に情報を送受信できる。車車間通信装置40は、アンテナ41、無線機42、及びGNSS受信機43を有している。アンテナ41及び無線機42は、無線通信を通じて、緊急車両EVの現在位置情報及び予定走行経路情報等を含む緊急車両情報と、他の一般車両の現在位置情報及び自動運転機能の作動状態を示す情報を含む他車両情報等とを取得する。
GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機43は、複数の人工衛星からの測位信号を受信し、受信した測位信号に基づいて自車両A1の現在位置を計測する。車車間通信装置40は、自車両A1の現在位置情報、緊急車両情報、及び他車両情報等と、自車両A1及び緊急車両EVの各現在位置に関連する地図情報とを、自動運転ECU10へ向けて逐次出力する。尚、以下の説明では、緊急用務中の緊急車両EVを除く他の一般車両を「他車両」と記載する。緊急用務中ではない通常走行中の緊急車両EVも「他車両」に含まれる。
車載ネットワーク50の通信バスには、自車両A1に搭載された種々の車載センサが直接的又は間接的に電気接続されている。車載ネットワーク50には、各車載センサによって検出された自車両情報が出力される。自車両情報には、例えば車速情報等が含まれている。自車両情報は、自動運転ECU10及び車車間通信装置40等に逐次提供される。
車両制御装置60は、自車両A1の挙動を制御する制御装置である。車両制御装置60は、プロセッサ、RAM、及び記憶媒体等を有するコンピュータと、複数のアクチュエータとを含む構成である。車両制御装置60は、自動運転ECU10から出力される走行制御情報に基づいて各アクチュエータを統合的に制御する。以上により、車両制御装置60は、自動運転ECU10によって作成された走行計画に従って自車両A1を自動走行させる。
車両制御装置60は、自車両A1の挙動を制御するアクチュエータとして、スロットルアクチュエータ61、ブレーキアクチュエータ62、及びステアリングアクチュエータ63を有している。加えて車両制御装置60には、ハザードランプ64、ホーン65等の他の機器が設けられている。スロットルアクチュエータ61は、自車両A1の加速を制御可能である。ブレーキアクチュエータ62は、自車両A1の制動を制御可能である。ステアリングアクチュエータ63は、自車両A1の操舵を制御可能である。ハザードランプ64は、例えば後述するように、緊急車両EVの予定走行経路から待避する待避行動中において、運転者の操作によらないで作動状態とされる。
自動運転ECU10は、車両制御装置60との連携によって自車両A1の加減速制御及び操舵制御を行うことにより、自車両A1の自動走行を実現する。図2に示すように、自動運転ECU10は、メインプロセッサ11、グラフィックプロセッサ12、RAM13、記憶媒体14、及び入出力インターフェース15を有するコンピュータを主体に構成されている。記憶媒体14には、自動運転に関連する複数のプログラムが、各プロセッサ11,12によって実行可能な状態で格納されている。
複数のプログラムには、緊急車両EVの予定走行経路から自車両A1を待避させる緊急車両通行支援プログラムが含まれている。緊急車両通行支援プログラムの実行により、自動運転ECU10には、図1に示す車間情報取得部21、通信制御部22、接近判断部23、通信機能判別部24、走行モード判別部25、認知判断部26、及び待避行動作成部27等の機能ブロックが構築される。
車間情報取得部21は、周辺監視装置30及び車車間通信装置40から、自車両A1の周囲を走行する他車両情報を取得する。他車両情報には、各他車両の現在位置情報、車速情報、及び相対速度情報等が含まれている。加えて車間情報取得部21は、車載ネットワーク50から車速情報等の自車両情報を取得する。車間情報取得部21は、取得した各情報に基づき、自車両A1と各他車両との間の車間距離、自車両A1に対する各他車両の相対速度及び車間時間等を、車間情報として算出する。
加えて車間情報取得部21は、特に後続車両A2が存在する場合に、後続車両A2の車間情報に基づき、後続車両A2の自車両A1への急接近を監視し、追突の可能性の有無を判断する。車間情報取得部21は、追突可能性についての判断結果を含む後続車両A2の監視情報と、各他車両についての車間情報とを、通信機能判別部24に逐次提供する。尚、後続車両A2は、自車両A1と同一の道路及び同一の車線を走行する車両であって、自車両A1の後方に存在する車両のうちで最も先頭に位置する一台である。
通信制御部22は、車車間通信装置40による車車間通信を制御する。通信制御部22は、車車間通信装置40から逐次出力される現在位置情報、緊急車両情報、及び他車両情報を逐次取得する。通信制御部22は、自車両A1の現在位置及び予定走行経路等の情報を、車車間通信装置40から緊急車両EV及び他車両等へ向けて送信させる。加えて、自車両A1が待避行動を実施する場合、通信制御部22は、待避行動作成部27によって作成される待避行動計画を、少なくとも後続車両A2へ向けて送信させる。自車両A1の待避行動の予定を認知した後続車両A2は、認知した旨の応答を自車両A1へ向けて送信できる。通信制御部22は、車車間通信による後続車両A2からの応答を取得すると、後続車両A2からの応答があった旨の情報を、認知判断部26に提供する。
接近判断部23は、カメラ31及び車車間通信装置40から提供される緊急車両情報、及びマイクロホン35から出力される集音情報等を取得する。接近判断部23は、取得した各情報に基づき、緊急車両EVの自車両A1への接近を判断する。接近判断部23は、自車両A1の予定走行経路と、緊急車両EVの予定走行経路とを比較し、自車両A1の予定走行経路と緊急車両EVの予定走行経路とが重なるか否かを判定する。
加えて接近判断部23は、緊急車両EVが自車両A1に接近している方向を判別する。具体的に、接近判断部23は、緊急車両EVについて、自車両A1と同一の道路を走行し、且つ、自車両A1に後方から接近しているか否かを判断する。また接近判断部23は、緊急車両EVについて、自車両A1と同一の道路を走行し、且つ、自車両A1に前方から接近しているか否かを判断する。さらに接近判断部23は、緊急車両EVについて、自車両A1の走行する道路と交差する交差道路を走行し、且つ、自車両A1の進行方向にある交差点CP(図24参照)に接近しているか否かを判断する。
尚、上記の緊急車両EVの認知は、自車両A1と緊急車両EVとの直接的な車車間通信によっても可能であり、又は緊急車両EVの接近を認知した他車両と自車両A1との間接的な車車間通信によっても可能である。
通信機能判別部24は、自車両A1の周囲を走行する他車両について、車車間通信の機能を搭載した搭載車両Aoであるか、車車間通信の機能を搭載していない非搭載車両Axであるかを判断する。通信機能判別部24は、少なくとも後続車両A2及び後側方車両A3について、搭載車両Ao及び非搭載車両Axのいずれであるかを判断する。尚、後側方車両A3は、自車両A1の走行する車線に隣接した隣接車線を走行する車両であって、自車両A1の後側方の所定距離以内を走行し、且つ、所定距離以内に存在する車両のうちで最も先頭に位置する一台である。
具体的に、通信機能判別部24は、車車間通信装置40によって取得される他車両情報と、周辺監視装置30によって取得される検出物情報(特に車間情報)とを比較することにより、搭載車両Aoと非搭載車両Axとを区別する。通信機能判別部24は、他車両情報及び検出物情報の両方にて存在が確認される他車両を、搭載車両Aoと判別する。一方で、通信機能判別部24は、検出物情報には存在しているものの、他車両情報には存在していない他車両を、非搭載車両Axと判別する。
走行モード判別部25は、車車間通信によって取得する他車両情報に基づき、自車両A1の周囲を走行する各他車両について、自動運転モード(自動走行状態)か手動運転モード(手動運転状態)かを判別する。自動運転モードは、各車両に搭載された自動運転機能が走行を制御している運転モード(運転状態)である。手動運転モードは、各車両の運転者が車両を走行させている運転状態である。走行モード判別部25は、後続車両A2及び後側方車両A3が存在している場合、少なくとも後続車両A2及び後側方車両A3について運転モードを判別する。
尚、自動運転機能が作動している場合、運転者の操作が受け付けられる状態であっても、運転モードは、自動運転モードと判別される。また、非搭載車両Axは、全て手動運転モードとみなされる。以下の説明では、自動運転起動が停止状態にある手動運転モードの車両、及び自動運転機能を搭載していない車両は、共に手動運転状態の車両と記載する。また、自動運転モードで走行中の車両は、「自動走行車両APC」と記載する。
認知判断部26は、待避行動作成部27にて予定される自車両A1の待避行動の実施が後続車両A2によって認知されたか否かを判断する。認知判断部26は、後続車両A2から送信される応答に基づき、自車両A1の待避行動の実施を後続車両A2が認知したと判断する。加えて認知判断部26は、後続車両A2の監視情報に基づき、待避行動に伴う自車両A1の減速に応じて後続車両A2が車間時間を確保するような減速を開始した場合にも、後続車両A2が自車両A1の待避行動の実施を認知したと判断する。
待避行動作成部27は、周辺監視装置30から取得する検出物情報に基づき、自車両A1の自動走行させる走行計画を作成する。走行計画により、自車両A1の予定走行経路が設定される。待避行動作成部27は、予定走行経路に沿った自車両A1の走行を指令する走行制御情報を、車両制御装置60へ向けて逐次出力する。
待避行動作成部27は、自車両A1の予定走行経路と、緊急車両EVの予定走行経路とを比較することにより、待避行動の要否を判断する。待避行動作成部27は、緊急車両EVの接近によって待避行動が必要と判断した場合、走行計画の一つとして、待避行動計画を作成する。待避行動計画に基づく車両制御装置60の制御により、自車両A1は、緊急車両EVの予定走行経路から待避するよう減速し、例えば交差点の手前等で路肩近傍に停止する。待避行動作成部27は、パターンの異なる複数の待避行動計画を作成可能である。
以上説明したように、自動運転ECU10は、緊急車両EVの接近方向及び他車両の状況等に基づき、現状に最適な待避行動計画を選択し、車両制御装置60と協働で待避行動を実行する。こうした待避行動を実現する各処理の詳細を、図3〜図11に基づき、図1を参照しつつ説明する。待避行動に係るメイン処理は、運転者等の操作によって自動運転機能が起動されたことに基づき、自動運転ECU10によって開始される。
S101では、自車両A1の運転モードを自動走行モードに設定し、S102に進む。S102〜S104では、複数の方法を組み合わせて緊急車両EVの接近を判断する。具体的にS102では、緊急車両EVとの車車間通信、又は緊急車両EVを検出した他車両との車車間通信により、緊急車両EVを認知しているか否かを判別する。車車間通信によって緊急車両EVを認知している場合、S102からS106に進む。一方で、緊急車両EVを認知していない場合、S102からS103に進む。
S103では、マイクロホン35からの集音情報に基づき、サイレン音によって緊急車両EVを認知しているか否かを判別する。サイレン音によって緊急車両EVを認知している場合、S103からS106に進む。一方で、サイレン音によっても緊急車両EVを認知できない場合、S103からS104に進む。
S104では、カメラ31の画像の解析により、緊急車両EVを認知できているか否かを判別する。S104にて、カメラ31の画像から緊急車両EVを認知できている場合、S106に進む。一方で、カメラ31の画像から緊急車両EVを認知できない場合、S104からS105に進む。
S105では、自動運転が解除された否かを判定する。S105にて、自動運転モードが継続中であると判断した場合には、S102に戻る。一方で、自動運転機能の停止によって手動運転モードへの切り替えが実施されていた場合、メイン処理を終了する。
緊急車両EVが認知された場合のS106では、待避判断処理(図4参照)の実施により、待避行動の要否を判定して、S107に進む。S106にて待避行動が不要と判断した場合、S107からS102に戻る。一方で、S106にて待避行動が必要と判断した場合、S107からS108に進む。
S108では、待避行動選択処理(図5〜図7参照)の実施により、実施する待避行動のパターンを選択して、S109に進む。S109では、自動運転が解除された否かを判定し、自動運転モードが継続している場合には、S102に戻る。一方で、自動運転機能の停止によって手動運転モードへの切り替えが実施された場合、メイン処理を終了する。
次に、S107にて実施される待避判断処理の詳細を、図4に基づいて説明する。
S111では、自車両A1の予定走行経路と緊急車両EVの予定走行経路とを比較し、互いの予定走行経路が重なるか否かを判定する。S111にて、予定走行経路が重ならないと判定した場合、S120にて待避不要と判定し、メイン処理のS107(図3参照)に戻る。この場合、後述の待避回避シーンN(図25参照)に例示するように、自車両A1は、待避行動を行わずに自動走行を継続できる。一方で、S111にて、相互の予定走行経路が重なると判定した場合、S112に進む。
S112では、緊急車両EVについて、自車両A1と同一の道路を走行し、且つ、自車両A1に後方から接近しているか否かを判断する。S112にて、緊急車両EVの接近する方向が自車両A1の後方ではないと判断した場合、S115に進む。一方で、緊急車両EVが自車両A1の後方から接近していると判断した場合、S112からS113に進む。
S113では、自車両A1と緊急車両EVとの間の車間時間と、自車両A1が待避行動に要する時間とを比較する。S113にて、車間時間が待避行動に必要な時間(待避車間時間)よりも長いと判断した場合、S120にて待避不要と判定し、メイン処理のS107(図3参照)に戻る。この場合、後述の待避回避シーンK(図22参照)に例示するように、自車両A1は、待避行動を行わずに自動走行を継続できる。
一方、S113にて、緊急車両EVとの車間時間が待避行動に要する時間以下であると判断した場合、S114に進む。S114では、待避が必要と判断したうえで、緊急車両EVに追いつかれると予想した位置を、待避を完了しなければならない目標停止位置TSPに設定し、メイン処理のS107(図3参照)に戻る。
S115では、緊急車両EVについて、自車両A1と同一の道路を走行し、且つ、自車両A1の前方から接近しているか否かを判断する。S115にて、緊急車両EVの接近する方向が自車両A1の前方ではないと判断した場合、S119に進む。一方で、緊急車両EVが自車両A1に前方から接近していると判断した場合、S115からS116に進む。
S116では、地図情報に基づき、自車両A1と緊急車両EVとの間に交差点CPが存在するか否かを判定する。S116にて、交差点CPが存在しないと判定した場合、S120にて待避不要と判定し、メイン処理のS107(図3参照)に戻る。一方で、S116にて、交差点CPが存在すると判定した場合、S117に進む。
S117では、自車両A1よりも緊急車両EVの方が交差点CP(図23参照)に近いか否かを判定する。或いはS117では、緊急車両EVが自車両A1よりも先に交差点CPに到達すると予測できるか否を判定してもよい。S117にて、自車両A1の方が交差点CPに近いと判定した場合、又は自車両A1が先に交差点CPに進入又は到達すると予測した場合、S120にて待避不要と判定し、メイン処理のS107(図3参照)に戻る。この場合、後述の待避回避シーンL(図23参照)に例示するように、自車両A1は、待避行動を行わずに自動走行の継続によって交差点CPを通過する。
一方、S117にて、緊急車両EVの方が交差点CPに近いと判定した場合、又は緊急車両EVが先に交差点CPに進入又は到達すると予測した場合、S118に進む。S118では、待避が必要と判断したうえで、交差点CPの停止線を、待避を完了しなければならない目標停止位置TSPに設定し、メイン処理のS107(図3参照)に戻る。
S119では、緊急車両EVについて、自車両A1の走行する道路と交差する交差道路を走行し、且つ、自車両A1の進行方向にある交差点CP(図24参照)に接近しているか否かを判断する。S119にて、緊急車両EVが交差点CPに接近していないと判断した場合、S120にて待避不要と判定し、メイン処理のS107に(図3参照)戻る。
一方で、S119にて、緊急車両EVが交差点CPに接近していると判断した場合、S117に進む。S117にて、例えば自車両A1が緊急車両EVよりも先に交差点CPに進入又は到達すると予測した場合、S120にて待避不要と判定し、メイン処理のS107(図3参照)に戻る。この場合、後述の待避回避シーンM(図24参照)に例示するように、自車両A1は、待避行動を行わずに自動走行の継続によって交差点CPを通過する。対して、緊急車両EVが自車両A1よりも先に交差点CPに進入又は到達すると予測した場合、S118にて、交差点CPの停止線を目標停止位置TSPとして設定し、メイン処理のS107(図3参照)に戻る。
次に、S109にて実施される待避行動選択処理の詳細を、図5〜図7に基づいて説明する。
S131では、自車両A1が走行する車線に後続車両A2が存在するか否かを判定する。S131にて、後続車両A2が存在しないと判定した場合、S137に進む。S137では、後続車両A2が存在しない場合の待避行動として、パターン1の待避行動(図8参照)を選択し、メイン処理のS109(図3参照)に戻る。この場合、自車両A1は、後述の待避シーンA(図12参照)に例示するような待避行動を実行する。
一方、後続車両A2が存在していると判定した場合、S131からS132に進む。S132では、自車両A1と同一車線を走行する後続車両A2について、車車間通信の機能を搭載した搭載車両Aoであるか否かを判定する。S132にて、後続車両A2が非搭載車両Axであると判定した場合、S133に進む。一方で、S132にて、後続車両A2が搭載車両Aoであると判定した場合、S134に進む。
S133では、自車両A1が走行する車線に隣接する隣接車線について、自車両A1の後方(後側方)の所定距離以内に後側方車両A3が存在するか否かを判定する。S133にて、後側方車両A3が存在しないと判定した場合、S137にてパターン1の待避行動(図8参照)を選択し、メイン処理のS109(図3参照)に戻る。一方で、S133にて、後側方車両A3が存在していると判定した場合、S138に進む。
S134では、後続車両A2が自動走行モードであるか否かを判別する。S134にて、後続車両A2が自動運転モードであると判別した場合、S141に進む。一方で、後続車両A2が手動運転中であると判別した場合、S135に進む。
S135では、S133と同様に、後側方車両A3が存在するか否かを判定する。S135にて、後側方車両A3が存在しないと判定した場合、S136に進む。S136では、後側方車両A3が存在しない隣接車線への車線変更を実行し、S137に進む。S137にて、パターン1の待避行動(図8参照)を選択し、メイン処理のS109(図3参照)に戻る。この場合、自車両A1は、後述の待避シーンI(図20参照)に例示するような待避行動を実行する。一方で、後側方車両A3が存在していると判定した場合、S135からS139に進む。
図6に示すS138及びS139では、後側方車両A3について自動走行モードであるか否かを判別する。S138及びS139にて、後側方車両A3が自動運転モードであると判別した場合、S140に進む。一方で、S138にて、後側方車両A3が手動運転状態であると判別した場合、S144に進む。同様に、S139にて、後側方車両A3が手動運転状態であると判別した場合、S146に進む。
S140では、自動走行中の後側方車両A3がいる隣接車線への車線変更を実行し、S143に進む。S140の車線変更により、自動運転モードにて走行中の後側方車両A3は、自車両A1の後続車両A2になる。S143では、後続車両A2が自動運転モードである場合の待避行動として、パターン2の待避行動(図9参照)を選択し、メイン処理のS109(図3参照)に戻る。この場合、自車両A1は、後述の待避シーンG(図18参照)に例示するような待避行動を実行する。
S141では、自動走行中の後続車両A2から自車両A1までの車間時間と、自動走行中の後側方車両A3から自車両A1までの車間時間とを取得し、これら二つの車間時間を比較する。そして、自動走行中である後続車両A2及び後側方車両A3のうちで、自車両A1からの車間時間を長く確保可能な一方を選択する。S141にて、二つの車間時間のうちで、後側方車両A3の方が長い車間時間を確保できると判定した場合、S142に進む。
S142では、車間時間をより長く確保できる隣接車線への車線変更を実行し、S143に進む。S142の車線変更により、自動運転モードで走行中の後側方車両A3が、自車両A1の後続車両A2になる。S143では、パターン2の待避行動(図9参照)を選択し、メイン処理のS109(図3参照)に戻る。この場合、自車両A1は、後述の待避シーンJ(図21参照)に例示するような待避行動を実行する。
一方、S141にて、現在の後続車両A2の方が長い車間時間を確保できると判定した場合、S143に進み、パターン2の待避行動(図9参照)を選択して、メイン処理のS109(図3参照)に戻る。この場合、自車両A1は、後述の待避シーンH(図19参照)に例示するような待避行動を実行する。
図7に示すS144では、手動運転状態の後側方車両A3について、搭載車両Aoか非搭載車両Axかを判別する。S144にて、後側方車両A3が搭載車両Aoであると判別した場合、S145に進む。S145では、搭載車両Aoの走行する隣接車線への車線変更を実行し、S148に進む。S145の車線変更により、搭載車両Aoである側方車両A3が自車両A1の後続車両A2になる。S148では、後続車両A2が手動運転状態の搭載車両Aoである場合の待避行動として、パターン3の待避行動(図10参照)を選択し、メイン処理のS109(図3参照)に戻る。この場合、自車両A1は、後述の待避シーンC(図14参照)に例示するような待避行動を実行する。パターン3の待避行動では、パターン2の待避行動よりも、自車両A1を緩やかに減速させる計画が作成される。
S146では、後続車両A2から自車両A1までの車間時間と、後側方車両A3から自車両A1までの車間時間とを取得し、これら二つの車間時間を比較する。そして、手動運転状態の搭載車両Aoである後続車両A2及び後側方車両A3のうちで、自車両A1からの車間時間を長く確保可能な一方を選択する。S146にて、二つの車間時間のうちで、後側方車両A3の方が長い車間時間を確保できると判定した場合、S147に進む。
S147では、車間時間をより長く確保できる隣接車線への車線変更を実行し、S148に進む。S147の車線変更により、後側方車両A3が自車両A1の後続車両A2になる。S148では、パターン3の待避行動(図9参照)を選択し、メイン処理のS109(図3参照)に戻る。この場合、自車両A1は、後述の待避シーンJ(図21参照)に例示するような待避行動を実行する。
一方、S146にて、現在の後続車両A2の方が長い車間時間を確保できると判定した場合、S148に進み、パターン3の待避行動(図9参照)を選択して、メイン処理のS109(図3参照)に戻る。この場合、自車両A1は、後述の待避シーンJ(図21参照)に例示するような待避行動を実行する。
S144にて、後側方車両A3が非搭載車両Axであると判別した場合、S149に進む。S149では、後続車両A2から自車両A1までの車間時間と、後側方車両A3から自車両A1までの車間時間とを取得し、これら二つの車間時間を比較する。そして、手動運転状態の非搭載車両Axである後続車両A2及び後側方車両A3のうちで、自車両A1からの車間時間を長く確保可能な一方を選択する。S149にて、二つの車間時間のうちで、後側方車両A3の方が長い車間時間を確保できると判定した場合、S150に進む。
S150では、車間時間をより長く確保できる隣接車線への車線変更を実行し、S151に進む。S150の車線変更により、後側方車両A3が自車両A1の後続車両A2になる。S150では、後続車両A2が手動運転モード且つ非搭載車両Axである場合の待避行動として、パターン4の待避行動(図11参照)を選択し、メイン処理のS109(図3参照)に戻る。この場合も、自車両A1は、後述の待避シーンJ(図21参照)に例示するような待避行動を実行する。
一方、S149にて、現在の後続車両A2の方が長い車間時間を確保できると判定した場合、S150に進む。S150では、パターン4の待避行動(図11参照)を選択し、メイン処理のS109(図3参照)に戻る。この場合、自車両A1は、後述の待避シーンB(図13参照)に例示するような待避行動を実行する。
次に、待避行動選択処理のS137、S143、S148、及びS151にて作成される待避行動計画に基づいて実施される各待避行動の詳細を、図8〜図11に基づいて、順に説明する。
図8に示すパターン1の待避行動のS201では、車速情報に基づき、下記の(式1)を用いて、自車両A1が停車までに必要とする制動距離を算出する。そして、S114又はS118(図4参照)にて設定した目標停止位置で停止するための減速開始位置DSPを設定し、S202に進む。尚、規定減速度PDは、自車両A1を減速させる方向の加速度のため、マイナスの値となる。規定減速度PDは、例えば−0.2G程度に予め規定されている。
(式1) 制動距離=−(速度)^2/(2×規定減速度PD)
S202では、GNSS受信機43にて計測された位置情報に基づき、自車両A1が減速開始位置DSPに到達したか否かを判定する。S202にて、減速開始位置DSPに到達していないと判定した場合、S204に進む。一方で、S202にて、減速開始位置DSPに到達したと判定した場合、S203に進む。S203では、規定減速度PDでの減速を開始し、S204に進む。
S204では、自車両A1が走行する車線への他車両の車線変更等により、同一車線後方の所定距離以内に他車両が入ってきたか否かを判定する。S204にて、後続車両A2が発生したと判定した場合、再び待避行動選択処理(図5参照)を実施する。一方で、後続車両A2の発生が無い場合、S205に進む。
S205では、緊急車両EVを継続して認知しているか否かを確認する。S205にて、緊急車両EVが認知できなくなったと判定した場合、S207に進む。S207では、待避行動を解除し、メイン処理(図4参照)に戻る。以上により、自車両A1は、通常の自動走行モードでの自動走行に戻る。
一方、S205にて、緊急車両EVの認知が継続していると判定した場合、S206に進む。S206では、緊急車両EVが自車両A1を追い抜いたか、又は緊急車両EVが自車両A1より先に交差点CPを通過したか、について判定を行う。緊急車両EVに追い抜かれた場合、又は緊急車両EVが先に交差点CPを通過した場合、S206からS207に進み、待避行動を解除する。一方で、緊急車両EVの追い抜き及び交差点CPの先行通過等が生じていない場合、S206からS202に戻る。
図9に示すパターン2の待避行動のS211では、S201(図8参照)と同様に、上記の式1を用いて、制動距離の算出と減速開始位置DSPの設定とを行い、S212に進む。S212では、S114又はS118(図4参照)にて設定した目標停止位置TSPに到達するまでの到達時間を計算する。そして、待避行動のために減速を何秒後に開始するか等の情報を、待避行動の実施予告として、後続車両A2を含む周囲の他車両に通知し、S213に進む。以上の車車間通信により、後続車両A2等は、減速開始のタイミングを取得できる。
S213では、自車両A1が減速開始位置DSPに到達したか否かを判定する。S213にて、減速開始位置DSPに到達していないと判定した場合、S216に進む。一方で、S213にて、減速開始位置DSPに到達したと判定した場合、S214に進む。S214では、規定減速度PDでの減速を開始し、S215に進む。S215では、緊急車両EVに進路を譲るために減速していることを、車車間通信を用いて他車両にさらに通知し、S216に進む。
S216では、自車両A1の後方の所定距離以内に他車両が入ってきたか否かを判定する。S216にて、同一車線に後続車両A2が発生したと判定した場合、再び待避行動選択処理(図5参照)を実施する。一方で、後続車両A2の発生が無い場合、S217に進む。
S217では、緊急車両EVを継続して認知しているか否かを確認する。S217にて、緊急車両EVが認知できなくなったと判定した場合、S219に進む。S219では、待避行動を解除し、メイン処理(図4参照)に戻る。以上により、自車両A1は、通常の自動走行モードでの自動走行に戻る。
一方、S217にて、緊急車両EVの認知が継続していると判定した場合、S218に進む。S218にて、緊急車両EVに追い抜かれた、又は緊急車両EVが先に交差点CPを通過したと判定した場合、S219に進み、待避行動を解除する。一方で、緊急車両EVの追い抜き及び交差点CPの先行通過等が生じていない場合、S218からS213に戻る。
図10に示すパターン3の待避行動のS231では、車速情報に基づき、下記の(式2)を用いて、目標停止位置TSPに自車両A1を停止させるための目標減速度TDを算出する。そして、算出した目標減速度TDでの減速を現在位置から直ちに開始し、S232に進む。
(式2) 目標減速度TD=−(速度)^2/(2×目標停止位置TSPまでの距離)
S232では、緊急車両EVに進路を譲るために減速していることを、車車間通信を用いて他車両に通知し、S233に進む。S233では、自車両A1と同一車線を走行する後続車両A2について、車線変更等によって他の車線に移動したか否かを判定する。S233にて、後続車両A2が車線変更を行ったと判定した場合、再び待避行動選択処理(図5参照)を実施する。この場合、自車両A1は、後述の待避シーンD(図15参照)に例示するような待避行動を実行する。
一方、後続車両A2の車線変更が確認できない場合、S233からS234に進む。S234では、S232にて送信した通知に対し、車車間通信による応答が後続車両A2からあったか否かを判定する。S234にて、後続車両A2からの応答があったと判定した場合、パターン2の待避行動(図9参照)へ移行する。この場合、自車両A1は、後述の待避シーンE(図16参照)に例示するような待避行動を実行する。
S234にて、後続車両A2からの応答が無いと判定した場合、S235に進む。S235では、自車両A1の減速に追従して後続車両A2が減速したか否かを判定する。S235にて、後続車両A2が減速したと判定した場合、パターン2の待避行動(図9参照)へ移行する。一方で、S235にて、後続車両A2の減速が確認できない場合、S236に進む。
S236では、後続車両A2と自車両A1との車間時間等に基づき、後続車両A2の自車両A1への急接近を監視し、後続車両A2の追突の可能性を判断する。S236にて、追突の可能性が実質的に無いと判断できる場合、S238に進む。一方で、追突の可能性があると判断した場合、S236からS237に進む。S237では、S231にて開始した減速を一時的に解除し、再び待避行動選択処理(図5参照)を実施する。この場合、自車両A1は、後述の待避シーンF(図17参照)に例示するような待避行動を実行する。S237による減速の中断により、自車両A1から後続車両A2までの車間時間の減少が緩和される。
S238では、自車両A1と後続車両A2との間に車線変更によって他車両が入ってきたか否かを判定する。S238にて、新たに後続車両A2となる別の他車両が発生し、後続車両A2が変更されたと判定した場合、再び待避行動選択処理(図5参照)を実施する。一方で、後続車両A2の変更がない場合、S239に進む。
S239では、S205(図8参照)等と同様に、緊急車両EVを継続して認知しているか否かを確認する。S239にて、緊急車両EVが認知できなくなったと判定した場合、S241に進む。S241では、待避行動を解除し、メイン処理(図4参照)に戻る。以上により、自車両A1は、通常の自動走行モードでの自動走行に戻る。
一方、S239にて、緊急車両EVの認知が継続していると判定した場合、S240に進む。S240にて、緊急車両EVに追い抜かれた、又は緊急車両EVが先に交差点CPを通過したと判定した場合、S241にて、待避行動を解除する。一方で、緊急車両EVの追い抜き及び交差点CPの先行通過等が生じていない場合、S240からS233に戻る。
図11に示すパターン4の待避行動のS251では、S231(図10参照)と同様に、上記の(式2)を用いて、目標停止位置TSPにて停止するための目標減速度TDを算出し、算出した目標減速度TDでの減速を現在位置から直ちに開始し、S252に進む。S252では、緊急車両EVに進路を譲るために減速していることを、ハザードランプ64の作動によって非搭載車両Axである後続車両A2等に通知し、S253に進む。S252では、S232(図10参照)と同様に、車車間通信を用いた他車両への通知も実施される。
S253では、後続車両A2が他の車線に移動したか否かを判定する。S253にて、後続車両A2が車線変更を行ったと判定した場合、再び待避行動選択処理(図5参照)を実施する。この場合、自車両A1は、後述の待避シーンD(図15参照)に例示するような待避行動を実行する。
一方で、S253にて、後続車両A2の車線変更が確認できない場合には、S254に進む。S254では、後続車両A2が減速したか否かを判定する。S254にて、後続車両A2が減速したと判定した場合、パターン1の待避行動(図8参照)へ移行する。一方で、S254にて、後続車両A2の減速が確認できない場合、S255に進む。
S255では、後続車両A2の自車両A1への追突の可能性を判定する。S255にて、追突の可能性が実質的に無いと判断できる場合、S257に進む。一方で、追突の可能性があると判断した場合、S255からS256に進む。S256では、S251にて開始した減速を一時的に解除し、再び待避行動選択処理(図5参照)を実施する。この場合、自車両A1は、後述の待避シーンF(図17参照)に例示するような待避行動を実行する。
S257では、別の後続車両A2が発生したか否かを判定する。S257にて、新たに後続車両A2となる別の他車両が発生し、後続車両A2が変更されたと判定した場合、再び待避行動選択処理(図5参照)を実施する。一方で、後続車両A2の変更が生じていない場合、S258に進む。
S258では、緊急車両EVを継続して認知しているか否かを確認し、判定結果に基づき、S260又はS259に進む。緊急車両EVが認知できなくなった場合のS260では、待避行動を解除し、メイン処理(図4参照)に戻る。以上により、自車両A1は、通常の自動走行モードでの自動走行に戻る。一方、緊急車両EVの認知が継続している場合のS259では、S240(図4参照)と実質同一の判定に基づき、待避行動の継続又は解除が選択される。
次に、後続車両A2の有無及び後続車両A2の状況等に応じた待避シーン及び待避回避シーンの例を、図12〜図25に基づき、図1を参照しつつ、以下順に説明する。尚、各シーンにおける自車両A1は、全て自動走行車両APCである。
<待避シーンA 通常の待避行動>
図12に示す待避シーンAは、パターン1の待避行動が選択される場合の一例である。待避シーンAでは、後続車両A2が存在していない。故に、自動運転ECU10は、緊急車両EVの接近を認知すると、自車両A1の現在の速度及び規定減速度PDに基づき、目標停止位置TSPで停止するための減速開始位置DSPを計算する。制動距離は、上記の(式1)に基づいて算出可能である。減速開始位置DSPは、目標停止位置TSPから概ね制動距離分だけ自車両A1側に設定される。
自動走行車両APCである自車両A1は、減速開始位置DSPに到達するまで実質的に定速走行を継続し、減速開始位置DSPに到達したタイミングで規定減速度PDでの減速を開始する。尚、減速開始位置DSPから自動走行車両APCまでの区間において自車両A1に作用する減速度は、常に一定である必要はない。減速度は、減速開始時及び車両停止時等にて乗員へのショックを緩和するように適宜調整されてよい。
<待避シーンB 後続車両A2が手動走行中>
図13に示す待避シーンBは、パターン4の待避行動が選択される場合の一例である。待避シーンBでは、手動運転状態の後続車両A2が存在している。後続車両A2が存在するシーンでは、この後続車両A2が緊急車両EVの接近に気付いていない場合に、自車両A1の急減速に伴い、後続車両A2の自車両A1への急接近が生じ得る。そこで、後続車両A2が手動走行中である場合、自動運転ECU10は、緊急車両EVの接近を認知すると、現在位置から目標停止位置TSPまでの距離を取得し、目標減速度TDを算出する。目標減速度TDは、現在位置から減速を開始したと場合、自車両A1を目標停止位置TSPに停止させるために必要な減速度である。自動運転ECU10は、緊急車両EVを認知した現在位置から、目標減速度TDでの減速を直ちに開始する。以上のように、後続車両A2が手動運転状態である場合の待避行動計画では、規定減速度PD(図12参照)で減速するよりも、自車両A1に生じる減速度を小さくできるため、自車両A1は、緩やかに減速するようになる。その結果、後続車両A2と自車両A1との間の相対速度変化が小さくなり、後続車両A2に急接近される可能性を低く抑えることができる。
<待避シーンC 搭載車両Aoの前方に車線変更する場合>
図14に示す待避シーンCは、パターン3の待避行動が選択される場合の一例である。待避シーンCでは、自車両A1の後続車両A2が車車間通信の機能を搭載していない非搭載車両Axであり、自車両A1の後側方車両A3が車車間通信の機能を搭載している搭載車両Aoとなっている。尚、後続車両A2及び後側方車両A3は、共に手動運転状態である。
自動運転ECU10は、緊急車両EVの接近を認知すると、待避行動を行う上で好条件となる隣接車線に車線変更し、搭載車両Aoの前方に移動する。そして自動運転ECU10は、現在位置から目標停止位置TSPまでの距離に基づいて目標減速度TDを算出し、算出した目標減速度TD(図13参照)での減速を直ちに開始する。こうして自車両A1は、路肩近傍又は交差点CPの手前に設定された目標停止位置TSPに停止する。
以上のように、自車両A1の車線変更によって後続車両A2となった搭載車両Aoにおいて、運転者は、待避行動に伴う自車両A1の減速を、車車間通信を通じて早期に認知できる。故に、搭載車両Aoが自車両A1に急接近する事態は、非搭載車両Axが自車両A1に急接近する事態よりも発生し難くなる。したがって、搭載車両Aoの走行する隣接車線に車線変更することで、後続車両A2に急接近される可能性を低く抑えることができる。
<待避シーンD 後続車両A2が存在しなくなった場合>
図15に示す待避シーンDは、パターン3又はパターン4の待避行動が一旦選択された後で、パターン2又はパターン1の待避行動に遷移する場合の一例である。待避シーンDでは、手動運転状態の後続車両A2が存在している。自動運転ECU10は、緊急車両EVの接近を認知すると、待避シーンBと同様に、目標減速度TDを算出し、緊急車両EVを認知した現在位置から目標減速度TDでの減速を直ちに開始する。
待避シーンDでは、後続車両A2が、車線変更等により、自車両A1の後方の所定距離以内から居なくなる。自動運転ECU10は、減速を一旦解除し、パターン2又はパターン1の待避行動に移行して、目標停止位置TSP及び規定減速度PDに基づき、減速開始位置DSPを新たに設定する。自動運転ECU10は、減速開始位置DSPまで自車両A1を定速走行させたうえで、減速開始位置DSPから規定減速度PDでの減速を再開させる。このように、必要以上の減速を実施しないことで、自動走行の価値向上を図りつつ、交通流への影響を抑えることができる。
<待避シーンE 後続車両A2の応答に基づき減速解除>
図16に示す待避シーンEは、パターン3の待避行動が一旦選択された後で、パターン2の待避行動に遷移する場合の一例である。待避シーンEでは、手動運転状態の搭載車両Aoである後続車両A2が存在している。自動運転ECU10は、緊急車両EVの接近を認知すると、待避シーンDと同様に、目標減速度TDを算出し、緊急車両EVを認知した現在位置から目標減速度TDでの減速を直ちに開始する。加えて自動運転ECU10は、待避行動により減速中である旨を車車間通信によって搭載車両Aoである後続車両A2に通知する。
自車両A1からの通知を受信した後続車両A2は、例えば運転者の応答操作に基づき、待避行動の実施を認知した旨を、車車間通信によって自車両A1に通知する。自車両A1の自動運転ECU10は、後続車両A2からの応答を受信すると、減速を一旦解除し、パターン2の待避行動に移行して、目標停止位置TSP及び規定減速度PDに基づき、減速開始位置DSPを新たに設定する。そして自動運転ECU10は、減速開始位置DSPまで自車両A1を定速走行させたうえで、減速開始位置DSPから規定減速度PDでの減速を再開させる。
<待避シーンF 後続車両A2の急接近に基づき減速解除>
図17に示す待避シーンFは、パターン3又はパターン4の待避行動が一旦選択された後で、待避行動選択処理が再び実施される場合の一例である。待避シーンFでは、手動運転状態の後続車両A2が存在している。自動運転ECU10は、緊急車両EVの接近を認知すると、目標減速度TDを算出し、目標減速度TDでの減速を直ちに開始する。このとき、自車両A1は、ハザードランプ64等の作動により、待避行動の為の減速中である旨を周囲の他車両に通知する。
自車両A1が目標減速度TDでの減速を開始した後、後続車両A2が減速しない場合、又は後続車両A2の減速度が自車両A1の減速度よりも顕著に小さい場合、後続車両A2は、自車両A1に急接近する。自動運転ECU10は、所定時間内に後続車両A2の追突が発生すると推定した場合、自車両A1の減速を一時的に解除する。以上により、自車両A1から後続車両A2までの車間時間の急激な減少は、緩和される。その結果、待避行動のための自車両A1の減速実施を後続車両A2に気づかせる時間を稼ぐことが可能になる。
自車両A1の定速走行は、例えば後続車両A2までの車間時間が確保されるまで継続される。そして自動運転ECU10は、車間時間が確保されたタイミングにて、目標減速度TDを再び算出し、算出した目標減速度TDでの減速を再開し、後続車両A2との車間時間を確保しつつ、自車両A1を目標停止位置TSPに停止させる。
<待避シーンG 自動走行車両APCの前方に車線変更する場合>
図18に示す待避シーンGは、パターン2の待避行動が選択される場合の一例である。待避シーンGでは、自車両A1の後続車両A2が手動走行中の車両であり、自車両A1の後側方車両A3が自動走行車両APCとなっている。自動運転ECU10は、緊急車両EVの接近を認知すると、待避行動を行う上で好条件となる隣接車線に車線変更し、自動走行車両APCの前方に移動する。そして自動運転ECU10は、自車両A1の車速と目標停止位置TSPとに基づき、減速開始位置DSP(図12参照)を設定する。自動運転ECU10は、自動走行によって減速開始位置DSPまで定速走行を継続させ、自車両A1が減速開始位置DSPに到達したタイミングで、規定減速度PD(図12参照)での減速を開始させる。以上により、自車両A1は、路肩近傍又は交差点CPの手前に設定された目標停止位置TSPに停止する。
以上のように、自車両A1の車線変更によって後続車両A2となった自動走行車両APCは、待避行動に伴う自車両A1の減速を早期に認知して、前走車(自車両A1)との車間時間を適切に確保できる。故に、自動走行車両APCの走行する隣接車線への車線変更は、後続車両A2の急接近の防止に有効となる。
<待避シーンH 後続車両A2が自動走行車両APC>
図19に示す待避シーンHは、パターン2の待避行動が選択される場合の一例である。待避シーンHでは、自車両A1の同一車線後方の所定距離以内に後続車両A2が存在しており、この後続車両A2は、自動走行車両APCである。自動運転ECU10は、緊急車両EVの接近を認知すると、自車両A1の車速と目標停止位置TSPとに基づき、減速開始位置DSPを設定する。自動運転ECU10は、自動走行によって減速開始位置DSPまで定速走行を継続させ、自車両A1が減速開始位置DSPに到達したタイミングで、規定減速度PDでの減速を開始させる。以上により、自車両A1は、路肩近傍又は交差点CPの手前等に設定された目標停止位置TSPに停止する。
以上のように、自動走行車両APCである後続車両A2は、緊急車両EVを認知している可能性が高い。加えて、自動走行車両APCは、車車間通信による自車両A1からの待避行動の通知も受信可能である。故に、規定減速度PDにて減速しても、後続車両A2は、自車両A1に急接近することなく、自車両A1と協調して待避行動を取ることができる。
<待避シーンI 隣接車線に他車両が存在しない場合>
図20に示す待避シーンIは、パターン1の待避行動が選択される場合の一例である。待避シーンIでは、自車両A1の走行する車線に後続車両A2が存在する一方で、隣接車線にて自車両A1の後方所定距離以内には、他車両が存在していない。自動運転ECU10は、緊急車両EVの接近を認知すると、待避行動を行う上で好条件となる隣接車線に車線変更し、後続車両A2の存在しない状態で待避行動を実施する。具体的に、自動運転ECU10は、隣接車線への車線変更と減速開始位置DSP(図12参照)の設定とを実施し、減速開始位置DSPに到達したタイミングで規定減速度PD(図12参照)での自車両A1の減速を開始させる。以上により、自車両A1は、後続車両A2の存在しない走行環境下で、路肩近傍又は交差点CPの手前に設定された目標停止位置TSPに停止する。
<待避シーンJ 車間時間が確保できる車線へ移動>
図21に示す待避シーンJは、パターン3の待避行動が選択される場合の一例である。待避シーンJでは、自車両A1と同一車線に自車両A1が存在している。加えて、自車両A1の走行する車線の両側の隣接車線にも、それぞれ後側方車両A3が存在している。後続車両A2及び二台の後側方車両A3は、共に搭載車両Aoである。
自動運転ECU10は、緊急車両EVの接近を認知すると、待避行動を行う上で好条件となる隣接車線に車線変更を選択する。待避シーンJのように、後続車両A2及び各後側方車両A3の車両条件が互いに同一である場合、自動運転ECU10は、三つの車線のうちで、自車両A1から後方先頭の他車両までの車間時間が最も短くなる車線に自車両A1を車線変更させる。
そして自動運転ECU10は、待避行動に好条件となる隣接車線への車線変更により、車間時間の確保される搭載車両Aoの前方に移動して、目標減速度TD(図13参照)による減速を直ちに開始させる。以上により、自車両A1は、移動先の車線に設定された目標停止位置TSPの手前で停止し、緊急車両EVを先行させることができる。
上記の車両条件は、待避行動に関連する条件であって、例えば、車車間通信機能を搭載しているか否か、及び自動走行車両APC(図19等参照)か否か等である。換言すれば、車両条件は、他車両と連携して待避行動を遂行する機能の有無である。自動運転ECU10は、隣接車線の後方所定距離以内を走行する後側方車両A3と、自車両A1の同一車線後方を走行する後続車両A2との各車両条件を比較する。そして自動運転ECU10は、車両条件が互いに同一であった場合、現在の車線よりも車間時間の確保される車線を探索し、車間時間の確保できる車線への車線変更を行うことができる。
<待避回避シーンK 追い付かれない場合の待避行動の不実施>
図22に示す待避回避シーンKは、待避行動の実行が回避される場合の一例である。待避回避シーンKでは、緊急車両EVが、自車両A1の走行する同一道路の後方から接近している。しかし、自車両A1は、緊急車両EVに進路を譲る状況になる前に、緊急車両EVから遠ざかっていく予定である。具体的には、自車両A1が交差点CPを直進方向に通過する一方で、緊急車両EVが交差点CPを右折又は左折するケースである。
こうしたケースでは、自動運転ECU10は、待避行動を完了するまでの時間に相当する待避車間時間にて、緊急車両EVに近づかれない否かを判定し、緊急車両EVに近づかれないと判定した場合に、待避行動の実行を見送る。以上のように、待避行動を実施しなくてもよいことが予測される場合、待避行動を取らないことで不要な減速を生じさせる機会を減らすことが可能になる。
<待避回避シーンL 自車両A1が先に交差点CPを通過(直進方向)>
図23に示す待避回避シーンLは、待避行動の実行が回避される場合の別の一例である。待避回避シーンLでは、緊急車両EVが、自車両A1の走行する同一道路の前方から接近している。自車両A1と緊急車両EVとの間には、交差点CPが存在している。自動運転ECU10は、自車両A1及び緊急車両EVのうちで、交差点CPを先に通過すると予測される一方を判定する。
具体的に、自動運転ECU10は、自車両A1の車速(40km/h)及び交差点CPまでの距離(20m)と、緊急車両EVの車速(50km/h)及び交差点CPまでの距離(50m)とを取得する。これらの情報に基づき、自車両A1が次に走行する交差点CPに、緊急車両EVよりも自車両A1の方が先に進入すると判定した場合、自動運転ECU10は、待避行動の実行を見送る。以上のように、待避行動を実施しなくてもよいことが予測される場合、待避行動を取らないことで不要な減速を生じさせる機会を減らすことが可能になる。尚、上記の括弧内に記載した各車速及び各距離は、一例である。
<待避回避シーンM 自車両A1が先に交差点CPを通過(交差方向)>
図24に示す待避回避シーンMは、待避行動の実行が回避される場合のさらに別の一例である。待避回避シーンMでは、緊急車両EVが、自車両A1の走行する道路と交差する道路から接近している。自車両A1と緊急車両EVとの間には、交差点CPが存在している。自動運転ECU10は、待避回避シーンL(図23参照)と同様に、自車両A1及び緊急車両EVのうちで、交差点CPを先に通過すると予測される一方を判定する。
具体的に、自動運転ECU10は、自車両A1の車速(40km/h)及び交差点CPまでの距離(20m)と、緊急車両EVの車速(20km/h)及び交差点CPまでの距離(20m)とを取得する。これらの情報に基づき、緊急車両EVよりも自車両A1の方が先に交差点CPに進入すると判定した場合、自動運転ECU10は、待避行動の実行を見送る。以上の待避行動の回避により、不要な減速を生じさせる機会を減らすことが可能になる。尚、自車両A1よりも緊急車両EVが先に交差点CPに進入する場合、自車両A1は、交差点CPの手前で停止する待避行動を実施する。
<待避回避シーンN 予定走行経路が重ならない場合>
図25に示す待避回避シーンNは、待避行動の実行が回避される場合のさらに別の一例である。待避回避シーンNでは、一台以上の緊急車両EVの各予定走行経路と、自車両A1の走行予定経路とが、自動運転ECU10によって緊急車両EVに接近を認知されたタイミングで比較される。そして、緊急車両EVの各予定走行経路と、自車両A1の走行予定経路とが重ならない場合に、自動運転ECU10は、待避行動の実行を見送る。以上の待避行動の実施回避によっても、不要な減速を生じさせる機会を減らすことが可能になる。
ここまで説明した本実施形態にて作成される待避行動計画では、後続車両A2が手動運転状態である場合に、後続車両A2が自動運転モードにて走行している場合よりも、緩やかな減速が予定される。故に、自動走行車両APCと手動運転状態の車両とが混在している走行環境においても、自車両A1は、交通流を乱すことなく、緊急車両EVに進路を譲ることが可能になる。
加えて本実施形態では、後続車両A2が車車間通信を搭載した搭載車両Aoか否かに基づき、待避行動のパターンが変更される。以上のように、後続車両A2が搭載車両Aoであれば、後続車両A2の運転者は、車車間通信を通じて自動運転可能な車両と同等の情報を取得できる。故に、搭載車両Aoか否かに応じて待避行動を変更すれば、待避行動の実施に伴う交通流への影響をさらに小さく抑えることが可能になる。
また本実施形態では、後続車両A2が搭載車両Aoである場合、自車両A1の減速の実施は、車車間通信を通じて後続車両A2の運転者に早期に認知され得る。故に、後続車両A2の運転者は、余裕を持って前走車(自車両A1)の減速に備えることができ、前走車両の減速に追従して、過不足の無い減速を実施し得る。以上によれば、交通流の乱れを小さく抑えることが可能になる。
さらに本実施形態では、後続車両A2が手動運転状態である場合には、特定の減速開始位置DSPを設定することなく、現在位置から直ちに減速が開始され得る。こうした待避行動計画であれば、自車両A1の減速度は、減速開始位置DSPが設定される場合よりも小さくなる。故に、手動運転状態の後続車両A2が自車両A1に急接近する虞は、いっそう低くなる。
加えて本実施形態では、後続車両A2が非搭載車両Axである一方で、隣接車線を走行する後側方車両A3が搭載車両Aoである場合に、自車両A1は、隣接車線への車線変更を行ったうえで、減速を開始する。上述したように、搭載車両Aoの運転者の方が、非搭載車両Axの運転者よりも、自車両A1の減速を早期に認知し得る。故に、搭載車両Aoの前方へ車線変更すれば、待避行動に伴う交通流の乱れを抑制しつつ、緊急車両に進路を譲ることが可能になる。
また本実施形態では、後続車両A2が搭載車両Aoの場合でも、手動運転状態であれば、自車両A1は、現在位置から直ちに減速を開始する。こうした待避行動であれば、減速開始位置DSPを設定する場合よりも減速度を小さくし得る。故に、後続車両A2が自車両A1に急速に接近する事態は、いっそう生じ難くなる。
さらに本実施形態では、車線変更等によって手動運転状態の後続車両A2が存在しなくなった場合に、一旦開始された減速が解除される。このように、後続車両A2の消失によれば、後続車両A2が自車両A1に急接近するリスクも消失する。故に、既に開始されていた減速を不必要な減速として解除し、新たに設定した減速開始位置DSPまで自動走行すれば、待避行動に伴う交通流への影響は、いっそう抑制される。
加えて本実施形態では、後続車両A2の運転者が自車両A1の待避行動の実施を認知した場合に、後続車両A2の自車両A1への急接近の虞が無くなったとみなして、一旦開始された減速は、解除される。このように、不必要な減速を解除して減速開始位置DSPまで自動走行すれ制御によれば、待避行動に伴う交通流への影響は、いっそう抑制される。
また本実施形態では、待避行動のための減速が開始された後、後続車両A2が自車両A1に急接近している場合には、自車両A1の減速が一時的に解除される。以上のような減速制御の中断によれば、自車両A1の待避行動の実施を後続車両A2の運転者に気づかせる時間を稼ぐことが可能になる。
さらに本実施形態では、後続車両A2が手動運転状態である一方、隣接車線を走行する後側方車両A3が自動走行車両APCである場合に、自車両A1は、隣接車線への車線変更を行ったうえで減速を開始する。以上によれば、自車両A1と後続車両A2とが協調し、交通流の乱れを抑制しつつ緊急車両EVに進路を譲ることが可能になる。
加えて本実施形態では、後続車両A2が自動走行車両APCである場合に、減速開始位置DSPが設定され、自車両A1の減速は、減速開始位置DSPに到達したタイミングで開始される。以上のように、後続車両A2が自動走行車両APCである場合、減速開始位置DSPまで減速の開始を遅らせれば、交通流への影響を小さく抑えることが可能になる。加えて、減速の開始を遅らせても、自車両A1及び後続車両A2のシステムが協調することで、自車両A1及び後続車両A2は、目標停止位置TSPに並んで停止して、緊急車両EVに円滑に進路を譲ることができる。
また本実施形態では、隣接車線の後方の所定距離以内に他車両が存在しない場合、自車両A1は、隣接車線への車線変更を実施したうえで、減速を開始する。以上の制御によれば、自車両A1は、後続車両A2に配慮することなく、交通流への影響の少ない待避行動を実施できる。
さらに本実施形態では、後続車両A2の車両条件と後側方車両A3の車両条件が実質的に同一の場合に、自車両A1は、車間時間を確保可能な車線に車線変更する。こうした制御によって車間時間が確保されれば、自車両A1は、交通流の乱れを抑えつつ、目標停止位置TSPへ向けた減速を行うことができる。
加えて本実施形態では、緊急車両EVが自車両A1に後方から接近していても、緊急車両EVが自車両A1に追い付かないのであれば、待避行動は、実施されない。また、自車両A1が次に走行する交差点CPに、緊急車両EVよりも自車両A1が先に進入又は到達する場合も、待避行動は、実施されない。さらに、自車両A1及び緊急車両EVの各予定走行経路が重ならない場合も、待避行動は、実施されない。以上のように、待避行動の実施が適切に見送られれば、不要な待避行動の実施に起因した交通流の乱れの発生が回避される。
尚、本実施形態において、自動運転ECU10が「緊急車両通行支援装置」に相当し、メインプロセッサ11及びグラフィックプロセッサ12が「処理部」に相当し、自動運転システム100が「緊急車両通行支援システム」に相当する。また、車間情報取得部21が「後方監視部」に相当し、通信制御部22が「通知部」に相当し、走行モード判別部25が「走行状態判別部」に相当し、待避行動作成部27が「計画作成部」に相当する。
(他の実施形態)
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
上記実施形態では、待避行動が実行される待避シーン及び待避行動が見送られる待避回避シーンのそれぞれを複数例示したが、待避シーン及び待避回避シーンは、上記実施形態で例示したシーンに限定されない。
上記実施形態では、互いに異なる四つの待避行動のパターンから一つが選択されていた。しかし、自動運転ECUに設定される待避行動のパターンの数、換言すれば、待避行動計画のバリエーションの数は、四つに限定されない。例えば、搭載車両Aoか否かでパターン分けされることなく、後続車両A2が手動運転状態の場合には、同一の待避行動計画に基づく待避行動が実行されてよい。
また、各パターンの減速態様も、適宜変更されてよい。例えば、後続車両A2がいなくなった場合に、減速を完全に解除することなく、減速を緩める等の制御が実施されてもよい。また、後続車両A2が急接近した場合、減速の解除に留まらず、後続車両A2との車間距離を一時的に維持できるように、自車両A1の車速が調整されてもよい。
さらに、各パターンの待避行動で用いられる規定減速度PD及び目標減速度TDは、減速の開始から終了までの期間において、乗員の不快感を惹起しないように、又は、周囲の他車両に接近しないように、適宜調整されてよい。但し、減速の開始から終了までの期間における目標減速度TDの平均値及び中央値は、規定減速度PDの平均値及び中央値よりも絶対値の小さい値となることが望ましい。
上記実施形態では、後続車両A2が手動運転状態の車両である場合、緊急車両EVを認知すると、直ちに減速が開始されていた。こうした減速開始のタイミングは、適宜調整されてよい。上記実施形態のように、減速は、目標減速度TDの設定後に可及的速やかに開始されてもよく、又は緊急車両EVの認知から所定の遅れ時間の経過後に開始されてもよい。
上記実施形態では、自車両A1と緊急車両EVの位置関係又は予定走行経路等から、待避行動の要否が判断されていた。しかし、緊急車両EVの通行を確実に優先するために、緊急車両EVの接近が確認された場合には、設定した目標停止位置TSPへ自車両A1を停車させる待避行動が常に実施されてもよい。
上記実施形態における自動運転機能は、自動緊急ブレーキのように他車両が顕著に接近した場合にのみ作動する機能ではなく、他車両との間に十分な距離が確保されている状態で作動する機能である。自動運転機能は、制動制御機能に加えて、自車両A1を路肩近傍に寄せるような操舵機能を備えるものとする。こうした自動運転機能は、自動緊急ブレーキが作動するよりも遥かに早いタイミングで、周囲の他車両の状態に応じて自車両A1の待避行動計画を柔軟に変更できる。その結果、交通流への影響を小さく抑えつつ、緊急車両EVに進路を譲ることが可能になる。
上記実施形態の緊急車両通行支援装置の機能は、自動運転ECUによって果たされていた。しかし、緊急車両通行支援装置の機能を発揮する構成は、車両に搭載された種々の演算装置、又は車両と通信可能に設けられた種々の演算装置であってよい。さらに、複数の演算装置が協働で緊急車両通行支援装置の機能を発揮してもよい。また、各演算装置に設けられたフラッシュメモリ及びハードディスク等の種々の非遷移的実体的記憶媒体が、緊急車両通行支援プログラムを記憶する記憶媒体として採用可能である。
10 自動運転ECU(緊急車両通行支援装置)、11 メインプロセッサ(処理部)、12 グラフィックプロセッサ(処理部)、21 車間情報取得部(後方監視部)、22 通信制御部(通知部)、23 接近判断部、24 通信機能判別部、25 走行モード判別部(走行状態判別部)、26 認知判断部、27 待避行動作成部(計画作成部)、30 周辺監視装置、100 自動運転システム(緊急車両通行支援システム)、A1 自車両、A2 後続車両、A3 後側方車両、Ao 搭載車両、Ax 非搭載車両、CP 交差点、DSP 減速開始位置、EV 緊急車両、PD 規定減速度、TD 目標減速度、TSP 目標停止位置

Claims (19)

  1. 自動運転機能によって自車両(A1)を緊急車両(EV)の予定走行経路から待避させることにより、前記緊急車両の通行を支援する緊急車両通行支援装置であって、
    前記緊急車両の前記自車両への接近を判断する接近判断部(23)と、
    前記緊急車両が前記自車両に接近している場合に、前記緊急車両の予定走行経路から待避するよう前記自動運転機能によって前記自車両を停車させる待避行動計画を作成する計画作成部(27)と、
    前記自車両の周囲を走行する他車両のうちで、少なくとも前記自車両と同じ車線の所定距離以内を走行し、且つ、後続の先頭に位置する後続車両(A2)について、自動走行状態か手動運転状態かを判別する走行状態判別部(25)と、を備え、
    前記計画作成部は、前記後続車両が手動運転状態である場合に、前記後続車両が自動走行状態である場合よりも、前記自車両を緩やかに減速させる前記待避行動計画を作成する緊急車両通行支援装置。
  2. 前記後続車両が車車間通信の機能を搭載した搭載車両(Ao)か否かを判別する通信機能判別部(24)、をさらに備え、
    前記計画作成部は、手動運転状態にある前記後続車両が前記搭載車両であるか否かに基づき、待避行動を変更する請求項1に記載の緊急車両通行支援装置。
  3. 前記後続車両が前記搭載車両である場合に、前記待避行動計画に基づく待避の実施を前記後続車両へ向けて通知する通知部(22)、をさらに備える請求項2に記載の緊急車両通行支援装置。
  4. 前記計画作成部は、前記後続車両が手動運転状態であって車車間通信の機能を搭載しない非搭載車両(Ax)である場合に、待避を完了しなければならない目標停止位置(TSP)及び現在位置から前記目標停止位置に停止するために必要な目標減速度(TD)を算出し、当該目標減速度での減速を前記自動運転機能に開始させる請求項2又は3に記載の緊急車両通行支援装置。
  5. 前記走行状態判別部は、前記自車両の走行する車線に隣接した隣接車線を走行する前記他車両のうちで、前記自車両の後側方の所定距離以内を走行し、且つ、後側方の先頭に位置する後側方車両(A3)について、自動走行状態か手動運転状態かを判別し、
    前記通信機能判別部は、前記後側方車両が前記搭載車両か否かを判別し、
    前記計画作成部は、前記後側方車両が手動運転状態にある前記搭載車両である場合に、この後側方車両が走行する前記隣接車線への車線変更を実施した後で、前記目標減速度での減速により前記自車両を前記目標停止位置に停止させる前記待避行動計画を作成する請求項4に記載の緊急車両通行支援装置。
  6. 前記計画作成部は、前記後続車両が手動運転状態の前記搭載車両である場合に、待避を完了しなければならない目標停止位置(TSP)及び現在位置から前記目標停止位置に停止するために必要な目標減速度(TD)を算出し、当該目標減速度での減速を前記自動運転機能に開始させる請求項2又は3に記載の緊急車両通行支援装置。
  7. 前記計画作成部は、前記目標減速度での減速が開始された後で前記後続車両が存在しなくなった場合に、前記目標減速度での減速を解除し、前記目標停止位置と予め規定された規定減速度(PD)とに基づいて減速を再開する減速開始位置(DSP)を算出する請求項4〜6のいずれか一項に記載の緊急車両通行支援装置。
  8. 前記自車両の待避行動の実施が前記後続車両によって認知されたか否かを判断する認知判断部(26)、をさらに備え、
    前記計画作成部は、前記自車両における待避行動の実施が前記後続車両に認知されたと判断された場合に、前記目標減速度での減速を解除し、前記目標停止位置と予め規定された規定減速度(PD)とに基づいて減速を再開する減速開始位置(DSP)を算出する請求項4〜7のいずれか一項に記載の緊急車両通行支援装置。
  9. 前記後続車両の前記自車両への急接近を監視する後方監視部(21)、をさらに備え、
    前記計画作成部は、前記後続車両が前記自車両に急接近している場合に、減速を一時的に解除したうえで、現在位置から前記目標停止位置に停止するために必要な前記目標減速度を再び算出し、当該目標減速度による減速を開始させる請求項4〜8のいずれか一項に記載の緊急車両通行支援装置。
  10. 前記走行状態判別部は、前記自車両の走行する車線に隣接した隣接車線を走行する前記他車両のうちで、前記自車両の後側方の所定距離以内を走行し、且つ、後側方の先頭に位置する後側方車両(A3)について、自動走行状態か手動運転状態かを判別し、
    前記計画作成部は、前記後側方車両が自動走行状態にある場合に、この後側方車両が走行する前記隣接車線への車線変更を実施した後で、前記目標停止位置と予め規定された規定減速度(PD)とに基づいて算出した減速開始位置(DSP)から当該規定減速度での減速を開始させる前記待避行動計画を作成する請求項4又は6に記載の緊急車両通行支援装置。
  11. 前記計画作成部は、前記後続車両が自動走行状態である場合に、待避を完了しなければならない目標停止位置(TSP)と予め規定された規定減速度(PD)とに基づいて算出した減速開始位置から当該規定減速度での減速を開始させる前記待避行動計画を作成する請求項1〜3のいずれか一項に記載の緊急車両通行支援装置。
  12. 前記計画作成部は、前記自車両の走行する車線に隣接した隣接車線において、前記自車両の後側方の所定距離以内に前記他車両が存在しない場合に、前記隣接車線への車線変更を実施し、前記目標停止位置と予め規定された規定減速度(PD)とに基づいて算出した減速開始位置(DSP)から当該規定減速度での減速を開始させる前記待避行動計画を作成する請求項4,6,11のいずれか一項に記載の緊急車両通行支援装置。
  13. 前記走行状態判別部は、前記自車両の走行する車線に隣接した隣接車線を走行する前記他車両のうちで、前記自車両の後側方の所定距離以内を走行し、且つ、後側方の先頭に位置する後側方車両(A3)について、自動走行状態か手動運転状態かを判別し、
    前記計画作成部は、前記後続車両及び前記後側方車両について待避行動に係る車両条件が互いに同一である場合に、前記後続車両よりも前記後側方車両に対して前記自車両からの車間時間が確保されることを条件に、前記隣接車線への車線変更を実施させる前記待避行動計画を作成する請求項4,6,11のいずれか一項に記載の緊急車両通行支援装置。
  14. 前記接近判断部は、前記緊急車両について、前記自車両と同一の道路を走行し、且つ、前記自車両に後方から接近しているか否かを判断し、
    前記計画作成部は、前記緊急車両が前記自車両に後方から接近している場合、待避行動の完了までに必要とされる車間時間を待避車間時間として算出し、前記待避車間時間のうちに前記自車両が前記緊急車両に追い付かれない場合には、待避行動を実施させない請求項1〜13のいずれか一項に記載の緊急車両通行支援装置。
  15. 前記接近判断部は、前記緊急車両について、前記自車両と同一の道路を走行し、且つ、前記自車両の前方から接近しているか否かを判断し、
    前記計画作成部は、前記緊急車両が前記自車両に前方から接近している場合、前記自車両が次に走行する交差点に前記緊急車両よりも前記自車両が先に進入することを条件に、待避行動を実施させない請求項1〜14のいずれか一項に記載の緊急車両通行支援装置。
  16. 前記接近判断部は、前記緊急車両について、前記自車両の走行する道路と交差する交差道路を走行し、且つ、前記自車両の進行方向にある交差点(CP)に接近しているか否かを判断し、
    前記計画作成部は、前記緊急車両が前記交差点に接近している場合に、前記緊急車両よりも前記自車両が前記交差点に先に進入することを条件に、待避行動を実施させない請求項1〜15のいずれか一項に記載の緊急車両通行支援装置。
  17. 前記接近判断部は、前記緊急車両の予定走行経路を取得し、
    前記計画作成部は、前記緊急車両が前記自車両に接近していても、前記自車両の予定走行経路と前記緊急車両の予定走行経路とが重ならないと場合には、待避行動を実施させない請求項1〜16のいずれか一項に記載の緊急車両通行支援装置。
  18. 自動運転機能によって自車両(A1)を緊急車両(EV)の予定走行経路から待避させることにより、前記緊急車両の通行を支援する緊急車両通行支援装置(10)と、
    前記自車両の周囲を走行している他車両を監視する周辺監視装置(30)と、を含む緊急車両通行支援システムであって、
    前記緊急車両通行支援装置は、
    前記緊急車両の前記自車両への接近を判断する接近判断部(23)、
    前記緊急車両が前記自車両に接近している場合に、前記緊急車両の予定走行経路から待避するよう前記自動運転機能によって前記自車両を停車させる待避行動計画を作成する計画作成部(27)、
    前記他車両のうちで、少なくとも前記自車両と同じ車線の所定距離以内を走行し且つ後続の先頭に位置する後続車両(A2)について、自動走行状態か手動運転状態かを判別する走行状態判別部(25)、を有し、
    前記計画作成部は、前記後続車両が手動運転状態である場合に、前記後続車両が自動走行状態である場合よりも、前記自車両を緩やかに減速させる前記待避行動計画を作成する緊急車両通行支援システム。
  19. 自動運転機能によって自車両(A1)を緊急車両(EV)の予定走行経路から待避させることにより、前記緊急車両の通行を支援する制御を処理部(11,12)に実行させる緊急車両通行支援プログラムであって、
    前記緊急車両の前記自車両への接近を判断し(S102〜S104)、
    前記緊急車両が前記自車両に接近している場合に、前記緊急車両の予定走行経路から待避するよう前記自動運転機能によって前記自車両を停車させる待避行動計画を作成し(S143)、
    前記自車両の周囲を走行する他車両のうちで、少なくとも前記自車両と同じ車線の所定距離以内を走行し且つ後続の先頭に位置する後続車両(A2)について、自動走行状態か手動運転状態かを判別し(S134)、
    前記後続車両が手動運転状態である場合に、前記後続車両が自動走行状態である場合よりも、前記自車両を緩やかに減速させる前記待避行動計画を作成する(S148)、緊急車両通行支援プログラム。
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