JP2018111741A - 農業フィルム用塗布型防曇剤組成物 - Google Patents

農業フィルム用塗布型防曇剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】合成樹脂フィルムの表面に塗布して防曇層を形成することにより、得られた農業フィルムの防曇性を長期間維持することができる農業フィルム用塗布型防曇剤組成物を提供すること。【解決手段】下記(A)〜(D)成分を含有することを特徴とする農業フィルム用塗布型防曇剤組成物。(A)アクリル系樹脂とポリプロピレン樹脂とのエマルジョン(B)無機コロイドゾル(C)界面活性剤(D)分散媒【選択図】図2

Description

本発明は、農業フィルム用塗布型防曇剤組成物に関する。
近年、農作物はハウス栽培やトンネル栽培、すなわち農業フィルム下で栽培する方法が盛んに行われている。上記の栽培に用いられる農業フィルムは、合成フィルムが用いられ、例えば、ポリ塩化ビニルフィルムやポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリオレフィン系樹脂を主体としたポリオレフィン系樹脂フィルム、二軸延伸したポリエチレンテレフタレート系樹脂を主体としたポリエチレンテレフタレート樹脂系フィルムなどが用いられ、中でもポリオレフィン系樹脂フィルムは、密度がポリ塩化ビニル樹脂より小さいために軽く、焼却しても有毒ガスの発生が少なく、さらにインフレーション成型法により幅継ぎの為の接着加工を必要としない広幅フィルムが安価に提供できることなどから、ポリ塩化ビニルフィルムを代替する形で近年盛んに利用されている。
上記の栽培に用いられる農業フィルムは、例えばハウス栽培する場合、ハウス内側の防曇性が低いと、土壌中または農作物などから蒸散する水蒸気によりフィルム表面が曇ったり、水滴が付着したりして、日光量の不足による栽培性低下、あるいは水滴落下による病害発生など種々の問題が生じる為、高い防曇性を有し、さらにその性能を長期間持続するという性能が要求されている。
農業フィルムに防曇性を付与する従来技術としては、合成樹脂組成物中に界面活性剤などの防曇剤を練り込んで親水性を持たせる方法、あるいは合成樹脂の表面に塗布型防曇剤をコーティングしてフィルム表面を親水性にする方法がある。前者の方法として、ポリグリセリンエステル系界面活性剤、ソルビタンエステル系界面活性剤、ポリエチレングリコール系界面活性剤などを合成樹脂組成物中に練込む方法などが挙げられるが防曇性を長期間持続することは難しかった。
後者の塗布型防曇剤を用いる従来技術としては、特定のアクリル樹脂の水系エマルジョンおよび無機質コロイドゾルを有効成分として特定量を含有する防曇剤組成物(特許文献1)、特定のアクリル樹脂の水系エマルジョン、無機質コロイドゾルおよび界面活性剤を特定量含有する防曇剤組成物の調整法(特許文献2)、(A)ポリエステル系及びポリカーボネート系のアニオン性ポリウレタンエマルションの中から選ばれた少なくとも1種と、(B)特定の平均粒径のコロイド状シリカ粒子及びコロイド状アルミナ粒子の中から選ばれた少なくとも1種とを、特定割合で含有して成る防曇性塗膜形成用組成物(特許文献3)、合成樹脂被覆材基体層の片面に、合成樹脂バインダーと鎖状コロイダルシリカを含む防曇性塗膜層を設けたことを特徴とする保存安定性のよい防曇性農業用被覆材(特許文献4)、特定の反応性重合基を有する乳化剤を使用して製造される(メタ)アクリル酸系共重合体と親水性物質を含有することを特徴とする防曇塗料組成物(特許文献5)、少なくとも(A)(メタ)アクリル酸アルキルエステルと(メタ)アクリル酸とを単量体として含む単量体混合物を、反応性ノニオン系乳化剤の存在下で乳化重合して得られる(メタ)アクリル系共重合体を含む造膜性樹脂組成物、(B)無機コロイドゾル、(C)炭素原子数が1〜10の脂肪族アルコール、(D)水の各成分を含有し、最低造膜温度が−25℃以上20℃以下である防曇剤組成物(特許文献6)、コロイダルシリカの一次粒子が環状に結合したネックレス状コロイダルシリカ、コロイダルシリカの一次粒子が鎖状に結合した鎖状コロイダルシリカ、及びバインダー樹脂を特定比率で含有することを特徴とする防曇性組成物(特許文献7)などが開示されている。しかし上記従来技術では、合成樹脂組成物の表面から塗布膜が脱離して防曇性を長期持続することが難しく、より良い方法が求められている。
特開昭62−246984号公報 特開昭63−150369号公報 特開平6−122851号公報 特開平7−327522号公報 特開2006−16578号公報 特開2008−50492号公報 特開2015−168692号公報
本発明の目的は、合成樹脂フィルムの表面に塗布して防曇層を形成することにより、得られた農業フィルムの防曇性を長期間維持することができる農業フィルム用塗布型防曇剤組成物を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決する為に鋭意研究を重ねた結果、アクリル系樹脂とポリプロピレン樹脂とのエマルジョン、コロイダルシリカ、ポリオキシエチレンアルキルエーテルおよび水を含む塗布型防曇剤組成物が、上記課題を解決することを見出した。本発明者は、これらの知見に基づきさらに研究を重ね、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の構成を有している。
[1]下記(A)〜(D)成分を含有することを特徴とする農業フィルム用塗布型防曇剤組成物。
(A)アクリル系樹脂とポリプロピレン樹脂とのエマルジョン
(B)無機コロイドゾル
(C)界面活性剤
(D)分散媒
[2]上記[1]に記載の農業フィルム用塗布型防曇剤組成物を、合成樹脂フィルム表面の少なくとも片面に塗布してなることを特徴とする防曇性農業フィルム。
本発明の農業フィルム用塗布型防曇剤組成物を合成樹脂フィルムの表面に塗布して得た農業用フィルムは、初期防曇性および持続的防曇性(長期間の防曇性)に優れるという効果を発揮する。
防曇性を評価する為の評価箱および恒温水槽。1:評価箱、2:評価箱の窓部、3:恒温水槽である。 防曇性を評価する為の評価箱を設置した恒温水槽。1:評価箱、3:恒温水槽、4:評価箱の窓部に張り付けたフィルムである。
本発明の農業フィルム用塗布型防曇剤組成物には、少なくとも(A)アクリル系樹脂とポリプロピレン樹脂とのエマルジョン、(B)無機コロイドゾル、(C)界面活性剤および(D)分散媒を含む組成物である。
本発明では(A)アクリル系樹脂とポリプロピレン樹脂とのエマルジョン(以下、「A成分」ともいう)が用いられる。
上記アクリル系樹脂としては、アクリル酸系モノマーの重合物あるいは共重合物、アクリル酸系モノマーとアクリル酸系モノマーと重合が可能なその他のモノマー(以下、「その他のモノマー」ともいう)との共重合物などが挙げられる。
上記アクリル酸系モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、エチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパン酸、アクリル酸誘導体の水酸基含有ビニル単量体、メタクリル酸誘導体の水酸基含有ビニル単量体、アクリロニトリル類、アクリルアマイド類、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリル酸のグリシジルエステル類、メタクリル酸のグリシジルエステル類などが挙げられ、これらは、1種または2種以上を併用してもよい。
上記その他のモノマーとしては、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドンおよびその誘導体、N−ビニルアセトアミド、エチレン−酢酸ビニルなどが挙げられ、これらは、1種または2種以上を併用してもよい。
上記ポリプロピレン樹脂としては、プロピレンの重合物、プロピレンとエチレンのランダムあるいはブロックコポリマー、プロピレンと1−ブテンのランダムあるいはブロックコポリマーなどプロピレンの重合物を分解して得られるプロピレンワックスなどが挙げられ、これらは、1種または2種以上を併用してもよい。
A成分はアクリル系樹脂とポリプロピレン樹脂とのエマルジョンである。ここでA成分はエマルジョンの状態であれば特に制限はないが、下記のような方法で製造されるエマルジョンの状態のA成分を例示することができる。
例えば、上記アクリル酸系モノマー1種または2種以上、あるいはアクリル酸系モノマー1種または2種以上とその他のモノマー1種または2種以上とを分散媒中、重合開始剤、乳化剤の存在下で乳化重合して得られたアクリル系樹脂エマルジョンに、ポリプロピレン樹脂および乳化剤を添加して乳化機により混合乳化してA成分が得られる。
また例えば、アクリル系樹脂とポリプロピレン樹脂とを分散媒中、乳化剤の存在下で乳化機により混合乳化してA成分が得られる。
上記A成分中に含まれる分散媒としては、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどの一価アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類;ベンジルアルコールなどの環式アルコール類;セロソルブアセテート類;ケトン類などが挙げられる。
上記重合開始剤としては、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過酸化ジ‐tert‐ブチル、過酸化アセトン、メチルエチルケトンペルオキシド、ヘキサメチレントリペルオキシドジアミン、クメンヒドロペルオキシドなどの有機過酸化物;アゾニトリル、アゾエステル、アゾアミド、アゾアミジン、アゾイミダゾリンなどのアゾ化合物などが挙げられる。
上記乳化機とは、公知の乳化機を用いることができ、例えば、高圧式ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、超高速ホモジナイザーなどが挙げられる。
上記の乳化重合する際に用いられる乳化剤およびアクリル系樹脂エマルジョンとポリプロピレン樹脂を混合乳化する際に用いられる乳化剤としては、例えば、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩などの陰イオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類などの非イオン性界面活性剤などが挙げられる。
本発明では、市販されているA成分を用いることができ、例えば、NKポリマーMK−100WP502、NKポリマーMK−100WP503(商品名;いずれも新中村化学工業社製)などが挙げられる。
本発明で用いられる(B)無機コロイドゾル(以下、「B成分」ともいう)は、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、水酸化鉄、水酸化錫、硫酸バリウムなどの無機物を水、メタノール、イソプロピルアルコールなどの分散媒に分散したゾルのことである。無機物の平均粒子径は、防曇性の点から約5〜100nmが好ましい。B成分は、塗布液の安定性、コスト、塗膜の防曇性などを考慮した場合、好ましくは、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナである。これら無機コロイドゾルは、1種または2種以上を併用してもよい。
無機コロイドゾルに含まれる無機物の形状としては、例えば、鎖状、球状、ネックレス状などの形状が挙げられ、いずれの形状の無機コロイドゾルであっても用いることが可能である。
本発明で用いられる(C)界面活性剤としては、イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤が挙げられる。
上記イオン系界面活性剤としては、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤が挙げられ、カチオン系界面活性剤としては、ラウリルアミンアセテート;エタノールアミン類;トリエタノールアミンモノステアレートギ酸塩、ステアラミドエチルジエチルアミン酢酸塩などのアミン塩;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライドなどの第4級アンモニウム塩などが挙げられる。また、アニオン系界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウムなどの脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウムなどのアルキル硫酸エステル類;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩;ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンサルフェート塩;アルキルナフタレンスルホン酸塩;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;ジアルキルスルホコハク酸塩;ジアルキルホスフェート塩などが挙げられる。
上記非イオン系界面活性としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェノール、ポリオキシエチレンノニルフェノールなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類;ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノオレート、ポリオキシエチレングリコールモノステアレートなどのポリオキシエチレンアシルエステル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物などのポリアルキレングリコール類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、アルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのリン酸エステル類;ポリオキシエチレン変性シリコーン、ポリオキシプロピレン変性シリコーン、ポリオキシエチレンポリプロピレン変性シリコーンなどのポリエーテル変性シリコーン類;ポリオキシエチレンアセチレンエーテル類;シュガーエステル類;セルロースエーテル類などが挙げられる。
上記、イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤の中でも、フィルム基材への濡れ性の効果を考慮した場合、好ましくは、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエーテル変性シリコーン類、ポリオキシエチレンアセチレンエーテルである。
本発明で用いられる(D)分散媒(以下「D成分」ともいう)は、本発明の農業フィルム用塗布型防曇剤組成物に含まれるA成分、B成分およびC成分を分散するものであれば特に制限はないが、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどの一価アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類;ベンジルアルコールなどの環式アルコール類;セロソルブアセテート類;ケトン類などが挙げられる。これらの分散媒は、1種または2種以上を併用して用いてもよい。中でも、環境面を考慮した場合、好ましくは、水である。
本発明の農業フィルム用塗布型防曇剤組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲で通常塗布型防曇剤に用いられる任意の添加剤が含まれても良く、例えば、消泡剤、可塑剤、造膜助剤、増粘剤、顔料、顔料分散剤、耐候性改良剤、熱安定剤などが挙げられる。
などが挙げられる。
本発明の農業フィルム用塗布型防曇剤組成物中に含まれるA〜D成分の量としては、A成分(A成分に含まれる固形分量として)は、好ましくは1〜20質量部、より好ましくは5〜15質量%であり、B成分(B成分に含まれる固形分量として)は、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは5〜15質量%であり、C成分は、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.5〜5質量%であり、D成分は、好ましくは50〜90質量%、より好ましくは70〜80質量%である。上記範囲内であると、長期の持続防曇性を発揮する塗膜を形成できるため好ましい。
なお、上記A成分またはB成分に含まれる固形分量とは、A成分またはB成分を105℃で2時間乾燥して測定した固形分量を意味する。
本発明の農業フィルム用塗布型防曇剤組成物は、A〜D成分を均一に混合して得ることができる。混合する方法に特に制限はなく、公知の撹拌機、混合機などを用いることができる。混合条件としては、A〜D成分を均一に混合することができれば特に制限はないが、例えば、加温することなく常温のまま、あるいは30〜60℃に加温し、1〜60分間混合する方法が挙げられる。
本発明の農業フィルム用塗布型防曇剤組成物を、合成樹脂フィルム表面の少なくとも片面に塗布してなる防曇性農業フィルムも本発明の形態の1つである。
上記合成樹脂フィルムに用いられる合成樹脂に特に制限はないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体などのポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリ塩化ビニルなどが挙げられ、これらは1種または2種以上を併用してもよい。
合成樹脂フィルムには、上記合成樹脂の他に通常合成樹脂フィルムに用いられる他の添加剤を配合することができる。他の添加物としては、例えば、酸化防止剤、耐候剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、滑剤、アンチブロッキング剤、防霧剤、保温剤、顔料などが挙げられる。
合成樹脂フィルムは、上記合成樹脂あるいは合成樹脂にその他の添加物を配合した合成樹脂組成物をフィルム状に成形したものであれば特に制限はなく、例えば、インフレーション成形法、Tダイ成形法などの方法でフィルム状に成形したものなどが挙げられる。また、合成樹脂フィルムは、単層でも多層であってもよい。
合成樹脂フィルムの厚さとしては、農業フィルムに適した厚さであれば特に制限はないが、フィルム強度、重量などを考慮した場合、好ましくは50〜200μm、より好ましくは80〜150μmである。
合成樹脂フィルムの表面は、農業フィルム用塗布型防曇剤組成物の塗布性および接着性を向上させるために、予めプラズマ放電処理、コロナ放電処理などの前処理を施すことが好ましい。
本発明の防曇性農業フィルムは、合成樹脂フィルム表面の少なくとも片面に農業フィルム用塗布型防曇剤組成物を塗布し、前記農業フィルム用塗布型防曇剤組成物中のD成分を除去して合成樹脂フィルム表面の少なくとも片面に防曇層を形成する。
上記塗布する方法としては、特に限定されず公知の方法を用いることができ、例えば、ブレードコート法、ロールコート法、ディップコート法、バーコート法、スプレーコート法、ロッドコート法、ナイフコート法、ハケ塗りなどの塗布方法が挙げられる。
合成樹脂フィルムへの農業フィルム用塗布型防曇剤組成物の塗布量としては、合成樹脂フィルム表面に塗布した後に乾燥した防曇層の量に換算して、好ましくは約0.1〜2mg/m、より好ましくは約0.3〜1mg/mである。上記範囲内であると、持続防曇性に優れた塗布膜が得られるため好ましい。
前記D成分を除去する方法としては、乾燥する方法が挙げられる。乾燥方法に特に制限はないが、例えば、自然乾燥法、あるいは熱風乾燥法、赤外線乾燥法、遠赤外線乾燥法などの強制乾燥法が挙げられ、強制乾燥法の場合、乾燥温度は好ましくは50〜120℃、より好ましくは60〜90℃の温度範囲である。
本発明の防曇性農業フィルムは、防曇性を長期間維持するという効果を奏する。
また、本発明の防曇性農業フィルムは、農業用ハウスに展張する場合、防曇層がハウスの内側の面になるよう展張することにより、防曇性農業フィルムのハウス内側表面に付着した水分が、防曇層の作用により水滴を生じることなく、水膜状となり防曇性農業フィルムの傾斜に沿って流れ落ちるため、栽培農作物へ落下するのを抑制することができる。
さらに本発明の防曇性農業フィルムは、防曇層が合成樹脂フィルムの両面に形成された場合、上記ハウス内側の表面の効果に加えて、ハウス外側の表面に付着した水分(雨など)が水膜状となり防曇性農業用フィルムの傾斜に沿って流れる為、ハウス外側に付着した汚れなどを流れやすくすることができる。
以下に本発明を実施例で説明するが、これは本発明を単に説明するだけのものであって、本発明を限定するものではない。
≪農業フィルム用塗布型防曇剤組成物の作製≫
(1)原材料
[A成分:アクリル系樹脂とポリプロピレン樹脂とのエマルジョン]
A1:NKポリマーMK−100WP−502(商品名;新中村化学工業社製)
A2:NKポリマーMK−100WP−503(商品名;新中村化学工業社製)
[B成分:無機コロイドゾル]
B:コロイダルシリカ(商品名:DA−12;青島扶桑化学社製)
[C成分:界面活性剤]
C:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(商品名:RIKEMAL BH−6;理研ビタミン社製)
[D成分:分散媒]
D:イオン交換水
[アクリル系樹脂]
アクリル系樹脂エマルジョン1(商品名:サイビノールEC−2020;サイデン化学社製)
アクリル系樹脂エマルジョン2(商品名:サイビノールEK−61;サイデン化学社製)
アクリル系樹脂エマルジョン3(商品名:NKポリマーMK−100PN;新中村化学工業社製、A1に用いるアクリル系樹脂)
[ポリプロピレン樹脂]
ポリプロピレン樹脂エマルジョン(商品名:ME52335.S;丸芳マイケルマン社製)
(2)配合
上記原材料を用いて作製した農業フィルム用塗布型防曇剤組成物(実施例品1〜4、比較例品1、2)の配合を表1に示した。
Figure 2018111741
(3)農業フィルム用塗布型防曇剤組成物の作製方法
表1に記載の等倍量の原材料をビーカーに仕込み、マグネティックスターラー(型式:SR−356;ADVANTEC社製、通常型撹拌子使用)で30分間撹拌混合して農業フィルム用塗布型防曇剤組成物(実施例品1〜4、比較例品1、2)を作製した。
≪防曇性農業フィルムの作製≫
上記で得られた農業フィルム用塗布型防曇剤組成物(実施例品1〜4、比較例品1、2)のいずれかを、バーコーター#7を用いて合成樹脂フィルム(商品名:とびきり;東罐興産社製、防曇処理せず、コロナ処理を施した市販農業ハウス用LLDPEフィルム)の片面に塗布した後に、80℃のギヤーオーブン(型式:GPHH−201;ESPEC社製)中で1分間乾燥して防曇層を片面に形成した防曇性農業フィルム(試作品1〜6)を得た。
≪農業フィルム用塗布型防曇剤組成物の防曇層を片面に形成した防曇性農業フィルムの評価≫
(1)初期防曇性の評価
15°の傾斜がついた評価箱(図1の1)の上面に設けられた窓部(図1の2)に、得られた防曇性農業フィルム(11×11cm)(図2の4)を防曇層が内側になるように張って覆い、該フィルムを張った評価箱を40℃の水を1/2容量程度張った恒温水槽(図1の3)上に設置し、評価箱を設置した恒温水槽(図2)を雰囲気温度が約25℃の恒温槽の庫内に入れて初期防曇性を評価した。
初期防曇性として、防曇性農業フィルムの状態を目視にて観察し、フィルム表面が均一に濡れるまでの時間を測定した。測定した時間を下記評価基準で記号化した。結果を表2に示す。
なお、フィルム表面が均一に濡れるまでの時間が15分未満であると初期防曇性に優れているといえる。
[記号化]
◎:15分未満
〇:15分以上、30分未満
△:30分以上、45分未満
×:45分以上
(2)持続的防曇性の評価
15°の傾斜がついた評価箱(図1の1)の上面に設けられた窓部(図1の2)に、得られた防曇性農業フィルム(11×11cm)(図2の4)を防曇層が内側になるように張って覆い、該評価箱を40℃の水を1/2容量程度張った恒温水槽(図1の3)上に設置し、評価箱を設置した恒温水槽(図2)を雰囲気温度が約25℃の恒温槽の庫内に入れて、持続的防曇性を評価した。
持続的防曇性として、防曇性農業フィルムの1日後、5日後、10日後、20日後、30日後の状態を目視にて観察し下記評価基準で評価した。但し、評価結果が「×」となった時点で評価を終了した。
さらに、30日以降は、下記操作を繰り返し行い、3日後(通算33日後)、6日後(通算36日後)、10日後(通算40日後)の状態を目視にて観察し下記評価基準で評価した。
(1)フィルムを張った評価箱のみを雰囲気温度が−15℃の恒温層の庫内に移して14時間保管。
(2)前記フィルムを張った評価箱を40℃の水を1/2容量程度張った恒温水槽(図1の3)上に設置し、評価箱を設置した恒温水槽(図2)を雰囲気温度が約25℃の恒温槽の庫内で10時間保管。
結果を表2に示す。
なお、水滴の付着が防曇性農業フィルムに見られない、あるいは水滴の付着が防曇性農業フィルムの面積の15%未満であると防曇性に優れていると判断でき、30日以上その効果が維持されると持続的防曇性に優れていると判断できる。

[記号化]
◎:水滴の付着が、防曇性農業フィルムに見られない。
〇+:水滴の付着が、防曇性農業フィルムの面積の15%未満。
○:水滴の付着が、防曇性農業フィルムの面積の15%以上30%未満。
△:水滴の付着が、防曇性農業フィルムの面積の30%以上50%未満
×:水滴の付着が、防曇性農業フィルムの面積の50%以上。
Figure 2018111741
結果より、塗布型防曇剤として実施例品を用いた農業用フィルムは、初期防曇性および持続的防曇性(長期間の防曇性)を有していた。一方、塗布型防曇剤として比較例品を用いた農業用フィルムは、初期防曇性を有するものの、持続的防曇性(長期間の防曇性)を有していなかった。

Claims (2)

  1. 下記(A)〜(D)成分を含有することを特徴とする農業フィルム用塗布型防曇剤組成物。
    (A)アクリル系樹脂とポリプロピレン樹脂とのエマルジョン
    (B)無機コロイドゾル
    (C)界面活性剤
    (D)分散媒
  2. 請求項1に記載の農業フィルム用塗布型防曇剤組成物を、合成樹脂フィルム表面の少なくとも片面に塗布してなることを特徴とする防曇性農業フィルム。
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