JP2018109156A - 複合重合体の製造方法および硬化性組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】反応性ケイ素基を有し、硬化物の耐候性に優れる複合重合体を提供する。【解決手段】ポリオキシアルキレン鎖と、−SiXaR3−a(Rは炭素数1〜20の1価の有機基であって、加水分解性基以外の有機基を示し、Xは水酸基または加水分解性基を示す。aは1〜3の整数である。aが2以上の場合、Xは互いに同一でも異なっていてもよい、以下式(1)という。)で表される反応性ケイ素基とを有する重合体(A)、スルファニル基を有さない連鎖移動剤、および3質量%以下の有機溶媒の存在下で、上記式(1)で表される反応性ケイ素基を有しない(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(B)と、上記式(1)で表される反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(C)を、全体の数平均分子量が14,000〜30,000となるように重合させる、複合重合体の製造方法。【選択図】なし
Description
本発明は、反応性ケイ素基を有する複合重合体の製造方法およびこれを用いた硬化性組成物の製造方法に関する。
アルコキシシリル基等の反応性ケイ素基を有する硬化性オキシアルキレン重合体は、空気中の湿分により室温でも硬化可能であり、硬化後はゴム弾性を有する硬化物が得られ、様々な被着体に対する接着性にも優れているため、シーリング材、接着剤、被覆・密封用組成物の主剤等として広く用いられている。
このような硬化性オキシアルキレン重合体に、耐候性の向上を期待して反応性ケイ素基を有するアクリル重合体を混合しても、良好な相溶性が得られない場合がある。
そこで、相溶性の問題を解決する方法として、特許文献1、2には、反応性ケイ素基と不飽和基を有するオキシアルキレン重合体の存在下で、反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を重合する方法が記載されている。
具体的に、特許文献1、2の実施例には、反応性ケイ素基と不飽和基を有するオキシアルキレン重合体を有機溶媒で希釈した溶液中で、反応性ケイ素基とスルファニル基を有する連鎖移動剤を用いて、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体と、反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を重合する方法が記載されている。
そこで、相溶性の問題を解決する方法として、特許文献1、2には、反応性ケイ素基と不飽和基を有するオキシアルキレン重合体の存在下で、反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を重合する方法が記載されている。
具体的に、特許文献1、2の実施例には、反応性ケイ素基と不飽和基を有するオキシアルキレン重合体を有機溶媒で希釈した溶液中で、反応性ケイ素基とスルファニル基を有する連鎖移動剤を用いて、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体と、反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を重合する方法が記載されている。
近年、住宅等の外壁を構成するサイディングンボードや塗料の長寿命化が進み、サイディングンボードの目地に充填されるシーリング材にも、より高度な耐候性が求められている。
本発明は、反応性ケイ素基を有し、硬化物の耐候性に優れる複合重合体の製造方法およびこれを用いた硬化性組成物の製造方法を提供する。
本発明は、反応性ケイ素基を有し、硬化物の耐候性に優れる複合重合体の製造方法およびこれを用いた硬化性組成物の製造方法を提供する。
本発明は以下の態様を有する。
[1]ポリオキシアルキレン鎖と下式(1)で表される反応性ケイ素基とを有する重合体(A)およびスルファニル基を有さない連鎖移動剤の存在下で、下式(1)で表される反応性ケイ素基を有しない(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(B)と、下式(1)で表される反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(C)を、全体の数平均分子量が14,000〜30,000となるように重合させる、複合重合体の製造方法であって、
該重合体(A)、該単量体(B)および該単量体(C)の合計量に対して3質量%以下の有機溶媒の存在下で重合させる、複合重合体の製造方法。
−SiXaR3−a・・・(1)
[式中、Rは炭素数1〜20の1価の有機基であって、加水分解性基以外の有機基を示し、Xは水酸基または加水分解性基を示す。aは1〜3の整数である。aが1の場合、Rは互いに同一でも異なっていてもよい。aが2以上の場合、Xは互いに同一でも異なっていてもよい。]
[2]上記複合重合体のGPCによる分子量分布曲線から、上記重合体(A)のGPCによる分子量分布曲線を引いた差分の分子量分布曲線における数平均分子量が13,000以上60,000以下となるように上記重合を行う、[1]の製造方法。
[3]上記重合に供した、上記単量体(C)に含まれる上記反応性ケイ素基のモル数の総量の、上記単量体(B)と上記単量体(C)の合計量を上記差分の分子量分布曲線における数平均分子量で除した値に対する比が、0.8以上となるように、上記重合を行う、[2]の製造方法。
[4]上記単量体(B)が、アルキル基の炭素数が1〜10である(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体と、アルキル基の炭素数が10を超える(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体とを含む、[1]〜[3]のいずれかの製造方法。
[5]上記スルファニル基を有さない連鎖移動剤が、α−メチルスチレンダイマーである、[1]〜[4]のいずれかの製造方法。
[6]上記重合体(A)は、数平均分子量が8,000〜50,000である、[1]〜[5]のいずれかの製造方法。
[7]上記重合体(A)の分子量分布が1.8以下である、[1]〜[6]のいずれかの製造方法。
[8]上記複合重合体の25℃における粘度が30〜300Pa・sである、[1]〜[7]のいずれかの製造方法。
[9]上記[1]〜[8]のいずれかの方法で複合重合体を製造し、得られた複合重合体に添加剤を混合して硬化性組成物を得る、硬化性組成物の製造方法。
[10]上記添加剤が可塑剤を含む、[9]の製造方法。
[1]ポリオキシアルキレン鎖と下式(1)で表される反応性ケイ素基とを有する重合体(A)およびスルファニル基を有さない連鎖移動剤の存在下で、下式(1)で表される反応性ケイ素基を有しない(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(B)と、下式(1)で表される反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(C)を、全体の数平均分子量が14,000〜30,000となるように重合させる、複合重合体の製造方法であって、
該重合体(A)、該単量体(B)および該単量体(C)の合計量に対して3質量%以下の有機溶媒の存在下で重合させる、複合重合体の製造方法。
−SiXaR3−a・・・(1)
[式中、Rは炭素数1〜20の1価の有機基であって、加水分解性基以外の有機基を示し、Xは水酸基または加水分解性基を示す。aは1〜3の整数である。aが1の場合、Rは互いに同一でも異なっていてもよい。aが2以上の場合、Xは互いに同一でも異なっていてもよい。]
[2]上記複合重合体のGPCによる分子量分布曲線から、上記重合体(A)のGPCによる分子量分布曲線を引いた差分の分子量分布曲線における数平均分子量が13,000以上60,000以下となるように上記重合を行う、[1]の製造方法。
[3]上記重合に供した、上記単量体(C)に含まれる上記反応性ケイ素基のモル数の総量の、上記単量体(B)と上記単量体(C)の合計量を上記差分の分子量分布曲線における数平均分子量で除した値に対する比が、0.8以上となるように、上記重合を行う、[2]の製造方法。
[4]上記単量体(B)が、アルキル基の炭素数が1〜10である(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体と、アルキル基の炭素数が10を超える(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体とを含む、[1]〜[3]のいずれかの製造方法。
[5]上記スルファニル基を有さない連鎖移動剤が、α−メチルスチレンダイマーである、[1]〜[4]のいずれかの製造方法。
[6]上記重合体(A)は、数平均分子量が8,000〜50,000である、[1]〜[5]のいずれかの製造方法。
[7]上記重合体(A)の分子量分布が1.8以下である、[1]〜[6]のいずれかの製造方法。
[8]上記複合重合体の25℃における粘度が30〜300Pa・sである、[1]〜[7]のいずれかの製造方法。
[9]上記[1]〜[8]のいずれかの方法で複合重合体を製造し、得られた複合重合体に添加剤を混合して硬化性組成物を得る、硬化性組成物の製造方法。
[10]上記添加剤が可塑剤を含む、[9]の製造方法。
本発明によれば、反応性ケイ素基を有し、硬化物の耐候性に優れる複合重合体が得られる。
本発明によれば、硬化物の耐候性に優れる硬化性組成物が得られる。
本発明によれば、硬化物の耐候性に優れる硬化性組成物が得られる。
以下の表現や用語の定義は、特に断りのない限り、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「(メタ)アクリル酸アルキルエステル」とは、アクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステルの一方または両方を意味する。
「質量平均分子量」(以下「Mw」とも記す。)および「数平均分子量」(以下「Mn」とも記す。)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定したポリスチレン換算分子量である。分子量分布(以下、「Mw/Mn」とも記す。)は、上記方法で測定したMw、Mnより算出した値であり、質量平均分子量(Mw)の数平均分子量(Mn)に対する比(Mw/Mn)である。
「粘度」は、E型粘度計(東機産業社製、製品名:RE80型)を用い、ローターNo.4の条件で測定した値である。
「(メタ)アクリル酸アルキルエステル」とは、アクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステルの一方または両方を意味する。
「質量平均分子量」(以下「Mw」とも記す。)および「数平均分子量」(以下「Mn」とも記す。)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定したポリスチレン換算分子量である。分子量分布(以下、「Mw/Mn」とも記す。)は、上記方法で測定したMw、Mnより算出した値であり、質量平均分子量(Mw)の数平均分子量(Mn)に対する比(Mw/Mn)である。
「粘度」は、E型粘度計(東機産業社製、製品名:RE80型)を用い、ローターNo.4の条件で測定した値である。
本発明の複合重合体の製造方法は、下記重合体(A)と、下記連鎖移動剤の存在下で、下記単量体(B)と下記単量体(C)の重合を行って複合重合体を得る方法である。
重合体(A)は、ポリオキシアルキレン鎖と下式(1)で表される反応性ケイ素基とを有する。本発明において、重合に用いられる重合体(A)は1種でもよく、2種以上でもよい。
−SiXaR3−a・・・(1)
[式中、Rは炭素数1〜20の1価の有機基であって、加水分解性基以外の有機基を示し、Xは水酸基または加水分解性基を示す。aは1〜3の整数である。aが1の場合、Rは互いに同一でも異なっていてもよい。aが2以上の場合、Xは互いに同一でも異なっていてもよい。]
重合体(A)は、ポリオキシアルキレン鎖と下式(1)で表される反応性ケイ素基とを有する。本発明において、重合に用いられる重合体(A)は1種でもよく、2種以上でもよい。
−SiXaR3−a・・・(1)
[式中、Rは炭素数1〜20の1価の有機基であって、加水分解性基以外の有機基を示し、Xは水酸基または加水分解性基を示す。aは1〜3の整数である。aが1の場合、Rは互いに同一でも異なっていてもよい。aが2以上の場合、Xは互いに同一でも異なっていてもよい。]
式(1)において、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の有機基(加水分解性基を除く。)を示す。Rは、炭素数8以下の炭化水素基が好ましく、炭素数8以下の直鎖、分岐または環状の飽和炭化水素基がより好ましい。具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基等が挙げられる。メチル基、フェニル基が好ましく、メチル基がより好ましい。1分子中に2個以上のRが存在する場合は、Rは互いに同一であっても異なっていてもよい。
式(1)において、Xは水酸基または加水分解性基を示す。1分子中に2個以上のXが存在する場合は、Xは互いに同一であっても異なっていてもよい。
加水分解性基とは、ケイ素原子に直結し、加水分解反応および/または縮合反応によってシロキサン結合を生じ得る置換基をいう。該加水分解性基としては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルケニルオキシ基が挙げられる。加水分解性基が炭素原子を有する場合、その炭素数は6以下が好ましく、4以下がより好ましい。Xとして、炭素数4以下のアルコキシ基または炭素数4以下のアルケニルオキシ基が好ましく、メトキシ基またはエトキシ基がより好ましい。
式(1)において、Xは水酸基または加水分解性基を示す。1分子中に2個以上のXが存在する場合は、Xは互いに同一であっても異なっていてもよい。
加水分解性基とは、ケイ素原子に直結し、加水分解反応および/または縮合反応によってシロキサン結合を生じ得る置換基をいう。該加水分解性基としては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルケニルオキシ基が挙げられる。加水分解性基が炭素原子を有する場合、その炭素数は6以下が好ましく、4以下がより好ましい。Xとして、炭素数4以下のアルコキシ基または炭素数4以下のアルケニルオキシ基が好ましく、メトキシ基またはエトキシ基がより好ましい。
重合体(A)はポリオキシアルキレン鎖を有する。ポリオキシアルキレン鎖は、アルキレンオキシド単位の連鎖である。アルキレンオキシドについては後述する。
重合体(A)がポリオキシアルキレン鎖を有すると、重合体(A)の温度依存性が小さい、硬化物において良好な柔軟性が得られやすい、価格面で優れる等の利点がある。
重合体(A)において、反応性ケイ素基はポリオキシアルキレン鎖の末端に存在することが好ましい。ポリオキシアルキレン鎖と反応性ケイ素基との間に2価の有機基が存在していてもよい。以下、重合体(A)の末端に存在する基(末端基ともいう)とは、ポリオキシアルキレン鎖の末端に直接または2価の有機基を介して結合している基を意味する。
反応性ケイ素基が重合体(A)の末端にあると、硬化物において良好な伸び物性、良好な内部硬化性、良好な表面硬化性が得られやすい。
重合体(A)の1分子当たりの反応性ケイ素基の数の平均値は0.5〜3.0が好ましく、0.7〜2.7がより好ましく、0.8〜2.5がさらに好ましい。反応性ケイ素基の数の平均値が上記範囲の下限値以上であると、硬化物において良好な硬化性が得られやすく、上限値以下であると、良好な伸び物性が得られやすい。
重合体(A)がポリオキシアルキレン鎖を有すると、重合体(A)の温度依存性が小さい、硬化物において良好な柔軟性が得られやすい、価格面で優れる等の利点がある。
重合体(A)において、反応性ケイ素基はポリオキシアルキレン鎖の末端に存在することが好ましい。ポリオキシアルキレン鎖と反応性ケイ素基との間に2価の有機基が存在していてもよい。以下、重合体(A)の末端に存在する基(末端基ともいう)とは、ポリオキシアルキレン鎖の末端に直接または2価の有機基を介して結合している基を意味する。
反応性ケイ素基が重合体(A)の末端にあると、硬化物において良好な伸び物性、良好な内部硬化性、良好な表面硬化性が得られやすい。
重合体(A)の1分子当たりの反応性ケイ素基の数の平均値は0.5〜3.0が好ましく、0.7〜2.7がより好ましく、0.8〜2.5がさらに好ましい。反応性ケイ素基の数の平均値が上記範囲の下限値以上であると、硬化物において良好な硬化性が得られやすく、上限値以下であると、良好な伸び物性が得られやすい。
重合体(A)の好ましい態様は、ポリオキシアルキレン鎖を有し、ポリオキシアルキレン鎖の末端基に水酸基を有する前駆重合体(A’)を得て、上記式(1)で表される反応性ケイ素基を有する基を導入して得られた重合体である。上記ポリオキシアルキレン鎖は直鎖状でもよく、分岐状でもよい。以下、前駆重合体(A’)の末端に存在する基(末端基ともいう)とは、ポリオキシアルキレン鎖の末端に直接または2価の有機基を介して結合している基を意味する。
前駆重合体(A’)は末端基に不活性な1価の有機基を有してもよい。不活性な1価の有機基は反応性ケイ素が導入されない。不活性な1価の有機基としては、炭素数1〜18の直鎖または分岐の1価の脂肪族炭化水素基が挙げられ、炭素数2〜12のアルキル基が好ましく、n−ブチル基がより好ましい。
重合体(A)は上記前駆重合体(A’)の末端基に、反応性ケイ素基を導入可能な官能基(水酸基を除く)を導入し、該官能基を反応性ケイ素基を有する基に変換して得られた重合体であってもよい。
反応性ケイ素基を導入可能な官能基は、水酸基以外の活性水素含有基または反応性ケイ素基を導入可能な不飽和基を有する基から選択される1種以上である。水酸基以外の活性水素含有基とは、カルボキシル基、第一級アミド基、第二級アミド基、ヒドラジド基およびメルカプト基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基のことである。反応性ケイ素基を導入可能な不飽和基とは、不飽和性の二重結合を末端に含む1価の基である。不飽和基の具体例としては、アリル基(−CH2−CH=CH2)、イソプロペニル基、1−ブテニル基、メタリル基などの炭素数6以下のアルケニル基が好ましく、アリル基、メタリル基がより好ましい。
本明細書において、前駆重合体(A’)の1分子当たりの水酸基の数の平均値を、前駆重合体(A’)の平均官能基数という。前駆重合体(A’)が2種以上の混合物である場合は、混合後における平均値を、前駆重合体(A’)の平均官能基数とする。
前駆重合体(A’)は末端基に不活性な1価の有機基を有してもよい。不活性な1価の有機基は反応性ケイ素が導入されない。不活性な1価の有機基としては、炭素数1〜18の直鎖または分岐の1価の脂肪族炭化水素基が挙げられ、炭素数2〜12のアルキル基が好ましく、n−ブチル基がより好ましい。
重合体(A)は上記前駆重合体(A’)の末端基に、反応性ケイ素基を導入可能な官能基(水酸基を除く)を導入し、該官能基を反応性ケイ素基を有する基に変換して得られた重合体であってもよい。
反応性ケイ素基を導入可能な官能基は、水酸基以外の活性水素含有基または反応性ケイ素基を導入可能な不飽和基を有する基から選択される1種以上である。水酸基以外の活性水素含有基とは、カルボキシル基、第一級アミド基、第二級アミド基、ヒドラジド基およびメルカプト基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基のことである。反応性ケイ素基を導入可能な不飽和基とは、不飽和性の二重結合を末端に含む1価の基である。不飽和基の具体例としては、アリル基(−CH2−CH=CH2)、イソプロペニル基、1−ブテニル基、メタリル基などの炭素数6以下のアルケニル基が好ましく、アリル基、メタリル基がより好ましい。
本明細書において、前駆重合体(A’)の1分子当たりの水酸基の数の平均値を、前駆重合体(A’)の平均官能基数という。前駆重合体(A’)が2種以上の混合物である場合は、混合後における平均値を、前駆重合体(A’)の平均官能基数とする。
前駆重合体(A’)は、アルキレンオキシド開環重合触媒の存在下で、水酸基を2個有する開始剤および水酸基を3個有する開始剤の一方または両方に、アルキレンオキシドを開環付加させて得られる重合体が好ましい。
水酸基を2個有する開始剤の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられ、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールが好ましい。
水酸基を3個有する開始剤の具体例としてはグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等が挙げられ、グリセリンが好ましい。
また、これらの水酸基を2個または3個有する化合物にアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られる、水酸基1個当たりの分子量が80〜10,000の、ポリオキシアルキレンジオールまたはポリオキシアルキレントリオールを、開始剤として用いてもよい。開始剤は1種単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。
前駆重合体(A’)または開始剤の合成に用いられるアルキレンオキシドは、炭素数が2〜20であることが好ましい。具体例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が挙げられ、プロピレンオキシドが好ましい。アルキレンオキシドは1種を使用してもよく2種以上を併用してもよい。ポリオキシアルキレン鎖が2種以上のアルキレンオキシド単位からなる場合、該単位の並び方は、ブロックでもよくランダムでもよい。
水酸基を2個有する開始剤の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられ、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールが好ましい。
水酸基を3個有する開始剤の具体例としてはグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等が挙げられ、グリセリンが好ましい。
また、これらの水酸基を2個または3個有する化合物にアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られる、水酸基1個当たりの分子量が80〜10,000の、ポリオキシアルキレンジオールまたはポリオキシアルキレントリオールを、開始剤として用いてもよい。開始剤は1種単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。
前駆重合体(A’)または開始剤の合成に用いられるアルキレンオキシドは、炭素数が2〜20であることが好ましい。具体例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が挙げられ、プロピレンオキシドが好ましい。アルキレンオキシドは1種を使用してもよく2種以上を併用してもよい。ポリオキシアルキレン鎖が2種以上のアルキレンオキシド単位からなる場合、該単位の並び方は、ブロックでもよくランダムでもよい。
アルキレンオキシド開環重合触媒としては、アルカリ金属触媒、複合金属シアン化物錯体触媒、金属ポルフィリン錯体触媒等が挙げられる。前駆重合体(A’)の分子量分布が狭くなりやすい点で複合金属シアン化物錯体触媒が好ましい。
複合金属シアン化物錯体触媒は、有機配位子を有する複合金属シアン化物錯体が好ましい。
有機配位子は、エーテル化合物またはアルコールが好ましい。該エーテル化合物とは、炭素数が1〜30であって、炭素−炭素結合の間にエーテル性の酸素原子を含む化合物である。炭素数が2〜20であるものが好ましく、炭素数が3〜12であるものがより好ましい。エーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられ、エチレングリコールジメチルエーテルが好ましい。
該アルコールは炭素数1〜18の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基を有するものであって、該脂肪族炭化水素基は、炭素―炭素結合間にエーテル性の酸素原子を有していてもよい化合物である。アルコールの具体例としては、t−ブチルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、t−ペンチルアルコール、iso−ペンチルアルコール、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル等が挙げられ、t−ブチルアルコールが好ましい。
前駆重合体(A’)が高分子量となり、分子量分布が狭くなりやすいため、有機配位子としてt−ブチルアルコールが配位した複合金属シアン化物錯体触媒が好ましい。前駆重合体(A’)が高分子量となり、分子量分布が狭くなりやすい点で、複合金属シアン化物錯体としては、亜鉛ヘキサシアノコバルテートが好ましい。前駆重合体(A’)が高分子量となり、分子量分布が狭くなりやすいため、t−ブチルアルコールが配位した亜鉛ヘキサシアノコバルテートがより好ましい。
複合金属シアン化物錯体触媒は、有機配位子を有する複合金属シアン化物錯体が好ましい。
有機配位子は、エーテル化合物またはアルコールが好ましい。該エーテル化合物とは、炭素数が1〜30であって、炭素−炭素結合の間にエーテル性の酸素原子を含む化合物である。炭素数が2〜20であるものが好ましく、炭素数が3〜12であるものがより好ましい。エーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられ、エチレングリコールジメチルエーテルが好ましい。
該アルコールは炭素数1〜18の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基を有するものであって、該脂肪族炭化水素基は、炭素―炭素結合間にエーテル性の酸素原子を有していてもよい化合物である。アルコールの具体例としては、t−ブチルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、t−ペンチルアルコール、iso−ペンチルアルコール、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル等が挙げられ、t−ブチルアルコールが好ましい。
前駆重合体(A’)が高分子量となり、分子量分布が狭くなりやすいため、有機配位子としてt−ブチルアルコールが配位した複合金属シアン化物錯体触媒が好ましい。前駆重合体(A’)が高分子量となり、分子量分布が狭くなりやすい点で、複合金属シアン化物錯体としては、亜鉛ヘキサシアノコバルテートが好ましい。前駆重合体(A’)が高分子量となり、分子量分布が狭くなりやすいため、t−ブチルアルコールが配位した亜鉛ヘキサシアノコバルテートがより好ましい。
重合体(A)は、前駆重合体(A’)の末端基にある水酸基に、ナトリウムまたはナトリウム含有化合物を反応させた後、不飽和基を有するハロゲン化合物を反応させて反応性ケイ素基を導入可能な不飽和基を導入し、該不飽和基にシリル化剤を反応させて得られる重合体が好ましい。該シリル化剤は、不飽和基と反応する基および反応性ケイ素基の両方を有する化合物である。
前駆重合体(A’)の水酸基に、ナトリウムまたはナトリウム含有化合物を用いて不飽和基を導入する方法としては、例えば、前駆重合体(A’)と、ナトリウムまたはナトリウム含有化合物とを反応させて、水酸基を−ONa基に変換し、これと不飽和基を有するハロゲン化合物とを反応させる方法が挙げられる。
前駆重合体(A’)の水酸基に、ナトリウムまたはナトリウム含有化合物を用いて不飽和基を導入する方法としては、例えば、前駆重合体(A’)と、ナトリウムまたはナトリウム含有化合物とを反応させて、水酸基を−ONa基に変換し、これと不飽和基を有するハロゲン化合物とを反応させる方法が挙げられる。
このようにして末端基に導入された、反応性ケイ素基を導入可能な不飽和基にシリル化剤を反応させて重合体(A)を得る方法としては、該不飽和基に、下式(2)で表されるハイドロシラン化合物を触媒の存在下で反応させる方法が挙げられる。ただし、式(2)中のX、R、aは上式(1)と同じである。
HSiXaR3−a・・・(2)
HSiXaR3−a・・・(2)
重合体(A)におけるシリル化率は45〜100モル%が好ましく、50〜90モル%がより好ましく、63〜84モル%がさらに好ましい。
ここで、重合体(A)におけるシリル化率とは、重合体(A)の反応性ケイ素基の数と、不飽和基を有する末端基の数と、水酸基以外の活性水素含有基を有する末端基との合計に対する、重合体(A)の反応性ケイ素基の割合(単位:モル%)のことである。
重合体(A)が2種以上の混合物である場合は、混合物を構成する各成分のシリル化率の加重平均、または該混合物を下記に記載の方法で測定して算出された値を、重合体(A)のシリル化率とする。
ここで、重合体(A)におけるシリル化率とは、重合体(A)の反応性ケイ素基の数と、不飽和基を有する末端基の数と、水酸基以外の活性水素含有基を有する末端基との合計に対する、重合体(A)の反応性ケイ素基の割合(単位:モル%)のことである。
重合体(A)が2種以上の混合物である場合は、混合物を構成する各成分のシリル化率の加重平均、または該混合物を下記に記載の方法で測定して算出された値を、重合体(A)のシリル化率とする。
本明細書におけるシリル化率の値は、NMR分析によっても測定できる。
前駆重合体(A’)に塩化アリルを用いてアリル基を導入した場合、アリル基とシリル化剤の反応においては、およそ10モル%のアリル基は、副反応により異性化し、反応性ケイ素基が導入されない不飽和基となるため、シリル化されず、100モル%のシリル化は困難である。しかしながら、シリル化率がおよそ90モル%までのシリル化においては、定量的に反応が進行するため、その反応率もほぼ100モル%とみなすことができる。よって、前駆重合体(A’)に塩化アリルを用いてアリル基を導入した重合体とシリル化剤との反応により得ようとする重合体(A)のシリル化率が90モル%未満である場合には、重合体(A)におけるシリル化率の値として、前駆重合体(A’)の仕込量に対するシリル化剤の仕込量から計算される値を用いてもよい。反応性ケイ素基が導入されない不飽和基とは、末端に炭素―炭素二重結合を持たない不飽和基であり、2,3−プロペニル基(−CH=CH2−CH3)等が挙げられる。
前駆重合体(A’)に塩化アリルを用いてアリル基を導入した場合、アリル基とシリル化剤の反応においては、およそ10モル%のアリル基は、副反応により異性化し、反応性ケイ素基が導入されない不飽和基となるため、シリル化されず、100モル%のシリル化は困難である。しかしながら、シリル化率がおよそ90モル%までのシリル化においては、定量的に反応が進行するため、その反応率もほぼ100モル%とみなすことができる。よって、前駆重合体(A’)に塩化アリルを用いてアリル基を導入した重合体とシリル化剤との反応により得ようとする重合体(A)のシリル化率が90モル%未満である場合には、重合体(A)におけるシリル化率の値として、前駆重合体(A’)の仕込量に対するシリル化剤の仕込量から計算される値を用いてもよい。反応性ケイ素基が導入されない不飽和基とは、末端に炭素―炭素二重結合を持たない不飽和基であり、2,3−プロペニル基(−CH=CH2−CH3)等が挙げられる。
重合体(A)のMnは8,000〜50,000が好ましく、13,000〜45,000がより好ましく、15,000〜35,000がさらに好ましい。重合体(A)のMnが上記範囲の下限値以上であると、得られた硬化物において良好な伸び物性および良好な柔軟性が得られやすく、上限値以下であると硬化性組成物の粘度が低くなりやすく、良好な作業性が得られやすい。
重合体(A)のMw/Mnは1.8以下が好ましく、1.01〜1.8がより好ましく、1.02〜1.7がさらに好ましく1.03〜1.6が特に好ましい。重合体(A)のMw/Mnが上記範囲の下限値以上であると、硬化物において良好な伸び物性および良好な柔軟性が得られやすい。上限値以下であると硬化性組成物の粘度が低くなりやすく、良好な作業性が得られやすい。Mw/Mnの値が小さくて分子量分布の狭い重合体(A)は、例えば、後述する複合金属シアン化物錯体を用いることにより好適に製造できる。
重合体(A)の25℃における粘度は、3〜50Pa・sが好ましく、5〜40Pa・sがより好ましく、7〜30Pa・sがさらに好ましい。重合体(A)の粘度が上記範囲の下限値以上であると、硬化性組成物を得る際に各種添加剤を配合しやすく、上限値以下であると硬化性組成物としたときに、良好な作業性が得られやすい。
重合体(A)のMw/Mnは1.8以下が好ましく、1.01〜1.8がより好ましく、1.02〜1.7がさらに好ましく1.03〜1.6が特に好ましい。重合体(A)のMw/Mnが上記範囲の下限値以上であると、硬化物において良好な伸び物性および良好な柔軟性が得られやすい。上限値以下であると硬化性組成物の粘度が低くなりやすく、良好な作業性が得られやすい。Mw/Mnの値が小さくて分子量分布の狭い重合体(A)は、例えば、後述する複合金属シアン化物錯体を用いることにより好適に製造できる。
重合体(A)の25℃における粘度は、3〜50Pa・sが好ましく、5〜40Pa・sがより好ましく、7〜30Pa・sがさらに好ましい。重合体(A)の粘度が上記範囲の下限値以上であると、硬化性組成物を得る際に各種添加剤を配合しやすく、上限値以下であると硬化性組成物としたときに、良好な作業性が得られやすい。
重合体(A)は、官能基数が2〜3である前駆重合体(A’)(以下、前駆重合体(A1’)という。)の水酸基の全部に反応性ケイ素基を導入可能な官能基が導入され、該反応性ケイ素基を導入可能な官能基の一部または全部が反応性ケイ素基を有する基に変換されてなる重合体(A)(以下、重合体(A1)という。)を含むことが好ましい。前駆重合体(A1’)の官能基数が3以下であると、硬化物において良好な柔軟性が得られやすい。
前駆重合体(A1’)のMnは10,000〜60,000が好ましく、14,000〜56,000がより好ましく、15,000〜51,000がさらに好ましい。該分子量が上記範囲の下限値以上であると、硬化物において良好な伸び物性および良好な柔軟性が得られやすい。上記範囲の上限以下であると、硬化性組成物の粘度が低くなりやすく、良好な作業性が得られやすい。
前駆重合体(A1’)のMw/Mnは1.01〜1.5が好ましく、1.03〜1.4がより好ましく、1.05〜1.3がさらに好ましい。該Mw/Mnが上記の範囲内であると、硬化物において良好な柔軟性が得られやすく、硬化性組成物の粘度が低くなりやすい。前駆重合体(A1’)のMw/Mnは触媒の種類や重合条件(温度、攪拌条件、圧力等)により制御できる。
重合体(A1)のシリル化率は45〜100モル%が好ましく、50〜90モル%がより好ましく、60〜84モル%がさらに好ましい。該シリル化率が上記範囲の下限値以上であると硬化物において良好な強度および良好な耐久性が得られやすく、上限値以下であると硬化物において良好な柔軟性が得られやすい。
重合体(A)の合計量に対して、重合体(A1)は70〜100質量%が好ましく、80〜99質量%がより好ましく、85〜95質量%がさらに好ましい。重合体(A1)の割合が上記範囲の下限値以上であると硬化性組成物において良好な硬化性が得られやすく、硬化物において良好な伸び物性が得られやすい。
前駆重合体(A1’)のMnは10,000〜60,000が好ましく、14,000〜56,000がより好ましく、15,000〜51,000がさらに好ましい。該分子量が上記範囲の下限値以上であると、硬化物において良好な伸び物性および良好な柔軟性が得られやすい。上記範囲の上限以下であると、硬化性組成物の粘度が低くなりやすく、良好な作業性が得られやすい。
前駆重合体(A1’)のMw/Mnは1.01〜1.5が好ましく、1.03〜1.4がより好ましく、1.05〜1.3がさらに好ましい。該Mw/Mnが上記の範囲内であると、硬化物において良好な柔軟性が得られやすく、硬化性組成物の粘度が低くなりやすい。前駆重合体(A1’)のMw/Mnは触媒の種類や重合条件(温度、攪拌条件、圧力等)により制御できる。
重合体(A1)のシリル化率は45〜100モル%が好ましく、50〜90モル%がより好ましく、60〜84モル%がさらに好ましい。該シリル化率が上記範囲の下限値以上であると硬化物において良好な強度および良好な耐久性が得られやすく、上限値以下であると硬化物において良好な柔軟性が得られやすい。
重合体(A)の合計量に対して、重合体(A1)は70〜100質量%が好ましく、80〜99質量%がより好ましく、85〜95質量%がさらに好ましい。重合体(A1)の割合が上記範囲の下限値以上であると硬化性組成物において良好な硬化性が得られやすく、硬化物において良好な伸び物性が得られやすい。
重合体(A)は、直鎖状であって末端基に不活性な1価の有機基と水酸基をそれぞれ1個有する前駆重合体(A’)(以下、前駆重合体(A2’)という。)における、該水酸基の全部に反応性ケイ素基を導入可能な官能基が導入され、該反応性ケイ素基を導入可能な官能基の一部または全部が反応性ケイ素基を有する基に変換されてなる重合体(A)(以下、重合体(A2)という。)を含んでもよい。不活性な1価の有機基とは、重合体(A)におけるものと同様のものが挙げられ、好ましい態様も同様である。
前駆重合体(A2’)のMnは3,000〜20,000が好ましく、4,000〜15,000がより好ましく、5,000〜12,000がさらに好ましい。該Mnが上記範囲の下限値以上であると、前駆重合体(A2’)から得られる重合体(A2)の硬化物が表面に移行 (ブリードアウト)しにくい。上記範囲の上限以下であると、硬化性組成物の粘度が低くなりやすく、良好な作業性が得られやすい。
前駆重合体(A2’)のMw/Mnは1.01〜1.3が好ましく、1.03〜1.25がより好ましく、1.05〜1.2がさらに好ましい。該Mw/Mnが上記の範囲の下限値以上であると、硬化物のブリードアウトが抑制されやすい。上記範囲の上限値以下であると、硬化性組成物の粘度が低くなりやすく、良好な作業性が得られやすい。
重合体(A2)のシリル化率は60〜100モル%が好ましく、65〜95モル%がより好ましく、70〜90モル%がさらに好ましい。該シリル化率が上記範囲の下限値以上であると硬化物としたときのブリードアウトが抑制されやすく、施工部周辺の汚染が抑制されやすく、硬化物において良好な接着性が得られやすい。
前駆重合体(A2’)のMnは3,000〜20,000が好ましく、4,000〜15,000がより好ましく、5,000〜12,000がさらに好ましい。該Mnが上記範囲の下限値以上であると、前駆重合体(A2’)から得られる重合体(A2)の硬化物が表面に移行 (ブリードアウト)しにくい。上記範囲の上限以下であると、硬化性組成物の粘度が低くなりやすく、良好な作業性が得られやすい。
前駆重合体(A2’)のMw/Mnは1.01〜1.3が好ましく、1.03〜1.25がより好ましく、1.05〜1.2がさらに好ましい。該Mw/Mnが上記の範囲の下限値以上であると、硬化物のブリードアウトが抑制されやすい。上記範囲の上限値以下であると、硬化性組成物の粘度が低くなりやすく、良好な作業性が得られやすい。
重合体(A2)のシリル化率は60〜100モル%が好ましく、65〜95モル%がより好ましく、70〜90モル%がさらに好ましい。該シリル化率が上記範囲の下限値以上であると硬化物としたときのブリードアウトが抑制されやすく、施工部周辺の汚染が抑制されやすく、硬化物において良好な接着性が得られやすい。
重合体(A)において重合体(A2)は必須ではないが、これを含有させることにより硬化性組成物の粘度が低くなりやすく、良好な作業性が得られやすい。重合体(A2)を用いる場合、重合体(A)の合計量に対して重合体(A2)はゼロ超〜30質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましく、5〜15質量%がさらに好ましい。上記範囲内であると、硬化性組成物において良好な作業性が得られやすく、硬化物において良好な接着性が得られやすい。
重合体(A)は、重合体(A1)および重合体(A2)を含むことができる。重合体(A1)と重合体(A2)を含む場合、重合体(A1)と重合体(A2)の合計の重合体(A)に対する割合は、70〜100質量%が好ましく、81〜99.5質量%がより好ましく、90〜99質量%がさらに好ましい。上記範囲内であると、硬化性組成物において良好な作業性が得られやすく、硬化物において良好な接着性が得られやすい。
また、重合体(A1)の質量の重合体(A2)の質量に対する比は、70/30〜99/1が好ましく、75/25〜97/3がより好ましく、80/20〜95/5がさらに好ましい。上記範囲内であると、硬化性組成物において良好な作業性が得られやすく、硬化物において良好な接着性が得られやすい。
重合体(A)は、重合体(A1)および重合体(A2)を含むことができる。重合体(A1)と重合体(A2)を含む場合、重合体(A1)と重合体(A2)の合計の重合体(A)に対する割合は、70〜100質量%が好ましく、81〜99.5質量%がより好ましく、90〜99質量%がさらに好ましい。上記範囲内であると、硬化性組成物において良好な作業性が得られやすく、硬化物において良好な接着性が得られやすい。
また、重合体(A1)の質量の重合体(A2)の質量に対する比は、70/30〜99/1が好ましく、75/25〜97/3がより好ましく、80/20〜95/5がさらに好ましい。上記範囲内であると、硬化性組成物において良好な作業性が得られやすく、硬化物において良好な接着性が得られやすい。
単量体(B)は(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体であり、上式(1)で表される反応性ケイ素基を有しない。
単量体(B)は下式(3)で表されるものが好ましい。
CH2=CR2COOR3 ・・・(3)
[式中、R2は水素原子またはメチル基、R3はアルキル基を示す。]
R3としてのアルキル基は、アラルキル基、シクロアルキル基等のように、アルキル基の水素原子の少なくとも一つが環状炭化水素基等の炭化水素基で置換された置換アルキル基も含むものとする。該アルキル基の炭素数は特に制限されない。
本発明において、重合に用いられる単量体(B)は1種でもよく、2種以上でもよい。
単量体(B)は下式(3)で表されるものが好ましい。
CH2=CR2COOR3 ・・・(3)
[式中、R2は水素原子またはメチル基、R3はアルキル基を示す。]
R3としてのアルキル基は、アラルキル基、シクロアルキル基等のように、アルキル基の水素原子の少なくとも一つが環状炭化水素基等の炭化水素基で置換された置換アルキル基も含むものとする。該アルキル基の炭素数は特に制限されない。
本発明において、重合に用いられる単量体(B)は1種でもよく、2種以上でもよい。
単量体(B)として、式(3)のR3が炭素数1〜10のアルキル基である単量体(B)(以下、単量体(B1)という。)の1種以上と、式(3)のR3が炭素数10を超えるアルキル基である単量体(B)(以下、単量体(B2)という。)の1種以上を混合して用いることが好ましい。
単量体(B1)としては、式(3)のR3が炭素数1〜8のアルキル基であるものがより好ましく、炭素数が1〜6のアルキル基であるものがさらに好ましい。
単量体(B1)の例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソデシル等が挙げられる。(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルが好ましく、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルがより好ましい。
単量体(B2)において、式(3)のR3が炭素数10超30以下のアルキル基がより好ましく、炭素数12〜22のアルキル基がさらに好ましく、炭素数14〜20のアルキル基が特に好ましい。
単量体(B2)の例としては、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸エイコサニル、(メタ)アクリル酸ドコサニル、(メタ)アクリル酸ヘキサコサニル等が挙げられる。(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシルが好ましく、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシルがより好ましい。
単量体(B1)と単量体(B2)とを併用する場合、単量体(B1)として(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチルおよび(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルからなる群より選ばれる少なくとも1種、単量体(B2)として(メタ)アクリル酸ドデシルおよび(メタ)アクリル酸オクタデシルのいずれか一方または両方が用いられていることが好ましく、単量体(B1)として(メタ)アクリル酸メチルおよび(メタ)アクリル酸ブチルのいずれか一方または両方と、単量体(B2)として(メタ)アクリル酸ドデシルおよび(メタ)アクリル酸オクタデシルのいずれか一方または両方が用いられることがより好ましい。
単量体(B1)として上記の単量体を用いることにより、複合重合体のガラス転移温度を調整しやすい。単量体(B2)として上記の単量体を用いることにより、重合体(A)との良好な相溶性が得られやすい。
単量体(B1)の質量の単量体(B2)の質量に対する比は、95/5〜40/60が好ましく、90/10〜50/50がより好ましい。単量体(B1)と単量体(B2)の比率が上記範囲内であると、複合重合体のガラス転移温度を良好な範囲に調整しやすく、重合体(A)との良好な相溶性が得られやすい。
単量体(B1)と単量体(B2)の合計は、複合重合体を構成する重合体(A)を除く全単量体の質量の合計を100重量部とした場合、30〜100質量部が好ましく、40〜99.8質量部がより好ましい。単量体(B1)と単量体(B2)の合計が上記範囲内であると、複合重合体のガラス転移温度を良好な範囲に調整しやすく、重合体(A)との良好な相溶性が得られやすい。
単量体(B1)としては、式(3)のR3が炭素数1〜8のアルキル基であるものがより好ましく、炭素数が1〜6のアルキル基であるものがさらに好ましい。
単量体(B1)の例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソデシル等が挙げられる。(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルが好ましく、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルがより好ましい。
単量体(B2)において、式(3)のR3が炭素数10超30以下のアルキル基がより好ましく、炭素数12〜22のアルキル基がさらに好ましく、炭素数14〜20のアルキル基が特に好ましい。
単量体(B2)の例としては、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸エイコサニル、(メタ)アクリル酸ドコサニル、(メタ)アクリル酸ヘキサコサニル等が挙げられる。(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシルが好ましく、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシルがより好ましい。
単量体(B1)と単量体(B2)とを併用する場合、単量体(B1)として(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチルおよび(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルからなる群より選ばれる少なくとも1種、単量体(B2)として(メタ)アクリル酸ドデシルおよび(メタ)アクリル酸オクタデシルのいずれか一方または両方が用いられていることが好ましく、単量体(B1)として(メタ)アクリル酸メチルおよび(メタ)アクリル酸ブチルのいずれか一方または両方と、単量体(B2)として(メタ)アクリル酸ドデシルおよび(メタ)アクリル酸オクタデシルのいずれか一方または両方が用いられることがより好ましい。
単量体(B1)として上記の単量体を用いることにより、複合重合体のガラス転移温度を調整しやすい。単量体(B2)として上記の単量体を用いることにより、重合体(A)との良好な相溶性が得られやすい。
単量体(B1)の質量の単量体(B2)の質量に対する比は、95/5〜40/60が好ましく、90/10〜50/50がより好ましい。単量体(B1)と単量体(B2)の比率が上記範囲内であると、複合重合体のガラス転移温度を良好な範囲に調整しやすく、重合体(A)との良好な相溶性が得られやすい。
単量体(B1)と単量体(B2)の合計は、複合重合体を構成する重合体(A)を除く全単量体の質量の合計を100重量部とした場合、30〜100質量部が好ましく、40〜99.8質量部がより好ましい。単量体(B1)と単量体(B2)の合計が上記範囲内であると、複合重合体のガラス転移温度を良好な範囲に調整しやすく、重合体(A)との良好な相溶性が得られやすい。
単量体(C)は上式(1)で表される反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体である。単量体(C)は該反応性ケイ素基を1分子中に2個以上有してもよい。単量体(C)は下式(4)で表されるものが好ましい。
CH2=CR4COO−R5−SiXaR3−a ・・・・(4)
[式中、R4は水素原子またはメチル基、R5は2価の有機基を示す。R、X、aは式(1)と同じである。]
R5としては、エーテル性酸素原子を含まない炭素数1〜12のアルキレン基が好ましく、エーテル性酸素原子を含まない炭素数2〜6のアルキレン基がより好ましい。
単量体(C)の例としては、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシオクチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシオクチルトリメトキシシラン等が挙げられる。3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシランが好ましい。
単量体(C)中の反応性ケイ素基は、好ましい態様も含めて式(1)で表わされる反応性ケイ素基と同様である。重合に用いられる単量体(C)と重合体(A)の反応性ケイ素基は互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
CH2=CR4COO−R5−SiXaR3−a ・・・・(4)
[式中、R4は水素原子またはメチル基、R5は2価の有機基を示す。R、X、aは式(1)と同じである。]
R5としては、エーテル性酸素原子を含まない炭素数1〜12のアルキレン基が好ましく、エーテル性酸素原子を含まない炭素数2〜6のアルキレン基がより好ましい。
単量体(C)の例としては、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシオクチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシオクチルトリメトキシシラン等が挙げられる。3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシランが好ましい。
単量体(C)中の反応性ケイ素基は、好ましい態様も含めて式(1)で表わされる反応性ケイ素基と同様である。重合に用いられる単量体(C)と重合体(A)の反応性ケイ素基は互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
単量体(B)と単量体(C)の合計の使用量は、重合体(A)、単量体(B)および単量体(C)の合計量に対して、10〜80質量%が好ましく、15〜70質量%がより好ましく、20〜60質量%がさらに好ましい。該合計の使用量が上記範囲の下限値以上であると耐候性および耐熱性に優れる硬化物が得られやすく、上限値以下であると伸び物性に優れる硬化物が得られやすい。
単量体(B)の質量の単量体(C)の質量に対する比は、99.7/0.3〜96/4が好ましく、99.5/0.5〜97.0/3.0がより好ましい。単量体(C)の比率が上記範囲内であれば、耐候性に優れた硬化物が得られやすく、伸び物性が良好で、柔軟性の高い硬化物が得られやすい。
単量体(B)の質量の単量体(C)の質量に対する比は、99.7/0.3〜96/4が好ましく、99.5/0.5〜97.0/3.0がより好ましい。単量体(C)の比率が上記範囲内であれば、耐候性に優れた硬化物が得られやすく、伸び物性が良好で、柔軟性の高い硬化物が得られやすい。
単量体(B)、(C)以外に、単量体(B)および(C)と共重合可能な不飽和基を有するその他の単量体を、本発明の効果を損なわない範囲で用いてもよい。
その他の単量体は下式(5)で表される化合物が好ましい。
CH2=CR6COOR7 ・・・(5)
[式中、R6は水素原子またはメチル基、R7は、アルキル基を除く1価の有機基または水素原子を示す。]
R7におけるアルキル基を除く1価の有機基とは、上式(3)のR3として定義されるアルキル基を除く、1価の有機基を意味する。このような1価の有機基としては、炭化水素基以外の置換基(ハロゲン原子、水酸基、イソシアネート基、フェノキシ基、フルフリル基、反応性ケイ素基等)を有するアルキル基、グリシジル基、ポリアルキレングリコールを含む1価の基等が挙げられる。
式(5)で表される化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;イソシアネートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネートアルキル(メタ)アクリレート;2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のフェノキシアルキル(メタ)アクリレート;フルフリル(メタ)アクリレートやテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の(水添)フルフリル基を有する(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート;メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のポリアルキレンオキシドモノオールの(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
その他の単量体は下式(5)で表される化合物が好ましい。
CH2=CR6COOR7 ・・・(5)
[式中、R6は水素原子またはメチル基、R7は、アルキル基を除く1価の有機基または水素原子を示す。]
R7におけるアルキル基を除く1価の有機基とは、上式(3)のR3として定義されるアルキル基を除く、1価の有機基を意味する。このような1価の有機基としては、炭化水素基以外の置換基(ハロゲン原子、水酸基、イソシアネート基、フェノキシ基、フルフリル基、反応性ケイ素基等)を有するアルキル基、グリシジル基、ポリアルキレングリコールを含む1価の基等が挙げられる。
式(5)で表される化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;イソシアネートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネートアルキル(メタ)アクリレート;2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のフェノキシアルキル(メタ)アクリレート;フルフリル(メタ)アクリレートやテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の(水添)フルフリル基を有する(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート;メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のポリアルキレンオキシドモノオールの(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
その他の単量体として、上式(5)で表されるもの以外にも以下に例示する化合物を用いることができる。
N,N−ジメチルアクリルアミド等のN−置換またはN,N−置換(メタ)アクリルアミド;ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、メタリルグリシジルエーテル等の不飽和グリシジルエーテル;クロトン酸グリシジル、桂皮酸グリシジル、ビニル安息香酸グリシジル等の不飽和モノカルボン酸のグリシジルエステル;不飽和ジカルボン酸のモノアルキルモノグリシジルエステルもしくはジグリシジルエステル;スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン等のスチレン化合物;アクリロニトリル、2,4−ジシアノ−1−ブテンなどのシアノ基含有単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル化合物;ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジエン化合物;オレフィン;ハロゲン化オレフィン;不飽和エステル;ビニルエーテル等。
その他の単量体の使用量は、重合に用いる単量体の合計量に対して2.0質量%以下が好ましく、1.5質量%以下がより好ましく、1.0質量%以下がさらに好ましい。ゼロでもよい。
N,N−ジメチルアクリルアミド等のN−置換またはN,N−置換(メタ)アクリルアミド;ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、メタリルグリシジルエーテル等の不飽和グリシジルエーテル;クロトン酸グリシジル、桂皮酸グリシジル、ビニル安息香酸グリシジル等の不飽和モノカルボン酸のグリシジルエステル;不飽和ジカルボン酸のモノアルキルモノグリシジルエステルもしくはジグリシジルエステル;スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン等のスチレン化合物;アクリロニトリル、2,4−ジシアノ−1−ブテンなどのシアノ基含有単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル化合物;ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジエン化合物;オレフィン;ハロゲン化オレフィン;不飽和エステル;ビニルエーテル等。
その他の単量体の使用量は、重合に用いる単量体の合計量に対して2.0質量%以下が好ましく、1.5質量%以下がより好ましく、1.0質量%以下がさらに好ましい。ゼロでもよい。
本発明の製造方法では、スルファニル基を有さない連鎖移動剤を用いる。連鎖移動剤は分子量の調整に寄与する。
スルファニル基を有さない連鎖移動剤としては、α−メチルスチレンダイマー、四塩化炭素、四臭化炭素およびナフトキノンからなる群より選択される少なくとも一種が挙げられる。硬化物において優れた耐候性および優れた伸び物性が得られやすいため、α−メチルスチレンダイマーが好ましい。
スルファニル基を有さない連鎖移動剤の使用量は、重合に用いる単量体の合計量に対して0.01〜1.5質量%が好ましく、0.03〜1.0質量%がより好ましく、0.05〜0.8質量%がさらに好ましい。該使用量が上記範囲の下限値以上であると得られる共重合体の分子量が低く、硬化性組成物の粘度が低くなりやすく、優れた作業性が得られやすい。上限値以下であると得られる共重合体の分子量が大きく、硬化物において優れた耐候性および優れた伸び物性が得られやすい。
スルファニル基を有さない連鎖移動剤としては、α−メチルスチレンダイマー、四塩化炭素、四臭化炭素およびナフトキノンからなる群より選択される少なくとも一種が挙げられる。硬化物において優れた耐候性および優れた伸び物性が得られやすいため、α−メチルスチレンダイマーが好ましい。
スルファニル基を有さない連鎖移動剤の使用量は、重合に用いる単量体の合計量に対して0.01〜1.5質量%が好ましく、0.03〜1.0質量%がより好ましく、0.05〜0.8質量%がさらに好ましい。該使用量が上記範囲の下限値以上であると得られる共重合体の分子量が低く、硬化性組成物の粘度が低くなりやすく、優れた作業性が得られやすい。上限値以下であると得られる共重合体の分子量が大きく、硬化物において優れた耐候性および優れた伸び物性が得られやすい。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、スルファニル基を有する連鎖移動剤を用いてもよい。スルファニル基を有する連鎖移動剤の例としては、n−ブチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ステアリルメルカプタン等のアルキルメルカプタン;2−メルカプトエタノール等の水酸基とスルファニル基を有する化合物;チオグリコール酸メチル、チオグリコール酸エチル、チオグリコール酸ブチル、チオグリコール酸2−エチルヘキシル等のチオグリコール酸エステル等が挙げられる。
スルファニル基を有する連鎖移動剤の使用量は、重合に用いる単量体の合計量に対して0.1質量%以下が好ましく、ゼロがより好ましい。
スルファニル基を有する連鎖移動剤の使用量は、重合に用いる単量体の合計量に対して0.1質量%以下が好ましく、ゼロがより好ましい。
本発明の製造方法は、重合体(A)と連鎖移動剤の存在下で、単量体(B)と単量体(C)と、必要に応じてその他の単量体とを重合させて複合重合体を得る。
例えば、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等により重合が可能であり、ラジカル重合が好ましい。
重合時には、単量体同士が重合して共重合体が生成するとともに、重合体(A)と単量体の反応物も予期せず生じると推測される。該反応物は、重合体(A)と上記共重合体との相溶性を向上させ、良好な分散性の実現に寄与するものと考えられる。本発明における複合重合体とは、重合後の組成物を意味しており、重合体(A)と、生成した共重合体と、重合体(A)と単量体の反応物が含まれると推測される。ここで、「単量体」とは、単量体(B)、単量体(C)およびその他の単量体の総称として用いている。
例えば、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等により重合が可能であり、ラジカル重合が好ましい。
重合時には、単量体同士が重合して共重合体が生成するとともに、重合体(A)と単量体の反応物も予期せず生じると推測される。該反応物は、重合体(A)と上記共重合体との相溶性を向上させ、良好な分散性の実現に寄与するものと考えられる。本発明における複合重合体とは、重合後の組成物を意味しており、重合体(A)と、生成した共重合体と、重合体(A)と単量体の反応物が含まれると推測される。ここで、「単量体」とは、単量体(B)、単量体(C)およびその他の単量体の総称として用いている。
本発明の製造方法において、重合の際に有機溶媒は使用しないか、または使用する場合は重合体(A)、単量体(B)と単量体(C)の合計量に対して3質量%以下とする。該有機溶媒とは、分子内にエチレン性不飽和基を有さず、25℃において液状であり、かつ、大気圧における沸点が250℃以下の有機化合物を意味する。例えばトルエン、キシレンのような芳香族炭化水素化合物;ヘキサン、メチルヘキサンのような脂環族炭化水素化合物;酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル化合物;プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコールのような脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン等から選ばれる1種以上である。
該有機溶媒の使用量は、2質量%以下が好ましく、ゼロがより好ましい。
このように有機溶媒の使用量を大幅に低減することにより、硬化物の耐候性を向上させることができる。その理由としては、有機溶媒が連鎖移動剤としても作用することを考慮に入れると、有機溶媒を実質的に使用しないことによって低分子量体が生成しにくくなり、このことが耐候性の向上に寄与するためと考えられる。一方、該有機溶媒の使用量が上記上限値を超えると、硬化物の耐候性が悪くなりやすい。
該有機溶媒の使用量は、2質量%以下が好ましく、ゼロがより好ましい。
このように有機溶媒の使用量を大幅に低減することにより、硬化物の耐候性を向上させることができる。その理由としては、有機溶媒が連鎖移動剤としても作用することを考慮に入れると、有機溶媒を実質的に使用しないことによって低分子量体が生成しにくくなり、このことが耐候性の向上に寄与するためと考えられる。一方、該有機溶媒の使用量が上記上限値を超えると、硬化物の耐候性が悪くなりやすい。
ラジカル重合を行う場合は、ラジカル発生源としてラジカル重合開始剤を添加することが好ましい。
ラジカル重合開始剤の例としては、パーオキシド重合開始剤、アゾ重合開始剤、またはレドックス重合開始剤や金属化合物触媒等が挙げられる。ラジカル重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキド、アセチルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等が挙げられる。また、ラジカル重合反応の条件は、重合温度としては、20〜200℃であってよく、50〜150℃が好ましい。また、重合時間は数〜数十時間が好ましい。
ラジカル重合開始剤の例としては、パーオキシド重合開始剤、アゾ重合開始剤、またはレドックス重合開始剤や金属化合物触媒等が挙げられる。ラジカル重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキド、アセチルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等が挙げられる。また、ラジカル重合反応の条件は、重合温度としては、20〜200℃であってよく、50〜150℃が好ましい。また、重合時間は数〜数十時間が好ましい。
本発明では、複合重合体(重合直後の組成物全体)のGPCによるMnが14,000〜30,000となるように重合を行う。
該複合重合体のMnは、重合反応に使用する重合体(A)と単量体(B)の質量比、および連鎖移動剤の使用量の一方または両方を調整することによって制御できる。単量体(B)の質量の重合体(A)の質量に対する比は、20/80〜80/20であるのが好ましく、25/75〜65/35であるのがより好ましい。単量体(B)に対する重合体(A)の使用量を多くすると、複合重合体のMnは小さくなる傾向がある。これは、単量体(B)と重合体(A)の反応物が生じやすく、単量体同士が反応して生成する共重合体の分子量が増大しにくいためと考えられる。
また連鎖移動剤の使用量を低減すると、単量体同士が反応して生成する共重合体の分子量が増大し、複合重合体のMnが大きくなる傾向がある。
複合重合体のMnが上記範囲の下限値よりも小さいと硬化物の伸び物性と柔軟性が得られにくく、上限値よりも大きいと硬化性組成物の粘度が高くなりやすく、作業性が悪くなりやすい。複合重合体のMnは15,000〜28,000が好ましく、16,000〜27,000がより好ましい。
該複合重合体のMnは、重合反応に使用する重合体(A)と単量体(B)の質量比、および連鎖移動剤の使用量の一方または両方を調整することによって制御できる。単量体(B)の質量の重合体(A)の質量に対する比は、20/80〜80/20であるのが好ましく、25/75〜65/35であるのがより好ましい。単量体(B)に対する重合体(A)の使用量を多くすると、複合重合体のMnは小さくなる傾向がある。これは、単量体(B)と重合体(A)の反応物が生じやすく、単量体同士が反応して生成する共重合体の分子量が増大しにくいためと考えられる。
また連鎖移動剤の使用量を低減すると、単量体同士が反応して生成する共重合体の分子量が増大し、複合重合体のMnが大きくなる傾向がある。
複合重合体のMnが上記範囲の下限値よりも小さいと硬化物の伸び物性と柔軟性が得られにくく、上限値よりも大きいと硬化性組成物の粘度が高くなりやすく、作業性が悪くなりやすい。複合重合体のMnは15,000〜28,000が好ましく、16,000〜27,000がより好ましい。
本発明において、複合重合体のGPCによる分子量分布曲線(例えば図1)から、重合に使用した重合体(A)のGPCによる分子量分布曲線(例えば図2)を引いた差分の分子量分布曲線における数平均分子量(m)(以下、「差分の数平均分子量(m)」とも記す。)は、重合によって単量体同士が反応して生成した共重合体の分子量の目安となる値である。
差分の数平均分子量(m)が13,000以上60,000以下となるように重合を行うことが好ましい。差分の数平均分子量(m)は18,000〜55,000がより好ましく、20,000〜50,000がさらに好ましい。差分の数平均分子量(m)が上記範囲の下限値以上であると、硬化物において良好な耐候性および良好な伸び物性が得られやすい。上限値以下であると硬化性組成物としたときの粘度が低くなりやすく、良好な作業性が得られやすい。
差分の数平均分子量(m)は、重合反応に使用する重合体(A)と単量体(B)の質量比、および連鎖移動剤の使用量の一方または両方を調整することによって制御できる。単量体(B)の質量の重合体(A)の質量に対する比は、20/80〜80/20であるのが好ましく、25/75〜65/35であるのがより好ましい。単量体(B)に対する重合体(A)の使用量を多くすると、差分の数平均分子量(m)は小さくなる傾向がある。これは、単量体(B)と重合体(A)の反応物が生じやすく、単量体同士が反応して生成する共重合体の分子量が増大しにくいためと考えられる。
また連鎖移動剤の使用量を低減すると、単量体同士が反応して生成する共重合体の分子量が増大する傾向がある。
差分の数平均分子量(m)が13,000以上60,000以下となるように重合を行うことが好ましい。差分の数平均分子量(m)は18,000〜55,000がより好ましく、20,000〜50,000がさらに好ましい。差分の数平均分子量(m)が上記範囲の下限値以上であると、硬化物において良好な耐候性および良好な伸び物性が得られやすい。上限値以下であると硬化性組成物としたときの粘度が低くなりやすく、良好な作業性が得られやすい。
差分の数平均分子量(m)は、重合反応に使用する重合体(A)と単量体(B)の質量比、および連鎖移動剤の使用量の一方または両方を調整することによって制御できる。単量体(B)の質量の重合体(A)の質量に対する比は、20/80〜80/20であるのが好ましく、25/75〜65/35であるのがより好ましい。単量体(B)に対する重合体(A)の使用量を多くすると、差分の数平均分子量(m)は小さくなる傾向がある。これは、単量体(B)と重合体(A)の反応物が生じやすく、単量体同士が反応して生成する共重合体の分子量が増大しにくいためと考えられる。
また連鎖移動剤の使用量を低減すると、単量体同士が反応して生成する共重合体の分子量が増大する傾向がある。
重合で生成する共重合体の数平均分子量が差分の数平均分子量(m)であるとき、重合に使用した単量体(C)に含まれる反応性ケイ素基の総モル数をx、単量体(B)と単量体(C)の合計量を差分の数平均分子量(m)で除した値をyとすると、yは生成した共重合体のモル数に相当し、xのyに対する比(x/y)は、重合で生成した共重合体の1分子当たりの反応性ケイ素基の数の目安となる値である。xは、重合に使用した単量体(C)の合計量を単量体(C)の式量で除した値と、単量体(C)の1分子中に含まれる反応性ケイ素基の数との積として算出される。
該x/yの値が0.8以上となるように重合を行うことが好ましい。該x/yの値が0.8以上であると、硬化物において良好な耐候性が得られやすい。好ましくは1以上である。硬化物の柔軟性および伸び物性の観点から4以下が好ましく、3以下がより好ましい。
該x/yの値が0.8以上となるように重合を行うことが好ましい。該x/yの値が0.8以上であると、硬化物において良好な耐候性が得られやすい。好ましくは1以上である。硬化物の柔軟性および伸び物性の観点から4以下が好ましく、3以下がより好ましい。
本発明で得られる複合重合体の25℃における粘度は25〜300Pa・sが好ましく、30〜250Pa・sがより好ましく、40〜120Pa・sがさらに好ましい。該粘度が上記範囲の下限値以上であると硬化性組成物を得る際に各種添加剤を配合しやすく、上限値以下であると硬化性組成物において良好な作業性が得られやすい。
本発明で得られる複合重合体は、シーリング材等の硬化性組成物の主剤として好適である。本発明の方法で得られた複合重合体に、硬化性組成物において公知の添加剤を混合して硬化性組成物を得ることができる。
硬化性組成物に用いられる添加剤としては、硬化触媒、助触媒、充填材、可塑剤、チキソ性付与剤、安定剤、接着性付与剤、モジュラス調整剤等が挙げられる。
上記添加剤としては、特開2015−183185号公報、特開2001−11139号公報などに記載されているものを任意に用いることができる。
硬化性組成物に用いられる添加剤としては、硬化触媒、助触媒、充填材、可塑剤、チキソ性付与剤、安定剤、接着性付与剤、モジュラス調整剤等が挙げられる。
上記添加剤としては、特開2015−183185号公報、特開2001−11139号公報などに記載されているものを任意に用いることができる。
硬化性組成物は、硬化性組成物の全量に対して、複合重合体を20〜85質量%含有することが好ましく、25〜70質量%含有することがより好ましい。上記範囲の下限値以上であれば、硬化物の耐候性、伸び物性、強度が良好となりやすく、上限値以下であれば、硬化性組成物が低粘度となりやすく、良好な作業性が得られやすく、硬化物の柔軟性が良好となりやすい。
硬化性組成物は、複合重合体を含む主剤と、硬化触媒を含む硬化剤組成物を別々に調製しておき、使用時にこれらを混合する2成分型の硬化性組成物でもよい。
または複合重合体および必要に応じた配合成分の全部を予め配合して密封保存し、使用時には空気中の湿気により硬化させる1成分型の硬化性組成物でもよい。
硬化性組成物は、複合重合体を含む主剤と、硬化触媒を含む硬化剤組成物を別々に調製しておき、使用時にこれらを混合する2成分型の硬化性組成物でもよい。
または複合重合体および必要に応じた配合成分の全部を予め配合して密封保存し、使用時には空気中の湿気により硬化させる1成分型の硬化性組成物でもよい。
[可塑剤]
硬化性組成物は、少なくとも可塑剤を含有することが好ましい。可塑剤を含有することにより、硬化性組成物の粘度やスランプ性および硬化性組成物を硬化して得られる硬化物の引張り強度、伸び等の機械特性が調整される。
可塑剤としては、特開2015−183185号公報、特開2012‐102154号公報に記載の化合物を任意に用いることができる。可塑剤としては、フタル酸エステル、アジピン酸エステル等の比較的低分子の可塑剤;パラフィン炭化水素やイソパラフィン炭化水素などの炭化水素化合物;およびMnが1,000以上の高分子可塑剤が好ましい。
硬化性組成物は、少なくとも可塑剤を含有することが好ましい。可塑剤を含有することにより、硬化性組成物の粘度やスランプ性および硬化性組成物を硬化して得られる硬化物の引張り強度、伸び等の機械特性が調整される。
可塑剤としては、特開2015−183185号公報、特開2012‐102154号公報に記載の化合物を任意に用いることができる。可塑剤としては、フタル酸エステル、アジピン酸エステル等の比較的低分子の可塑剤;パラフィン炭化水素やイソパラフィン炭化水素などの炭化水素化合物;およびMnが1,000以上の高分子可塑剤が好ましい。
フタル酸エステルとしては、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジイソノニル等が挙げられ、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)が好ましい。
硬化物の表面のべたつきを改善する観点から、パラフィン炭化水素の炭素数は、6以上が好ましく、8〜18がより好ましい。
硬化物の表面のべたつきを改善する観点から、イソパラフィン炭化水素の炭素数は6〜24が好ましく、8〜18がより好ましい。市販品のパラフィン炭化水素としては、例えば、JX日鉱日石エネルギー社製N−11(製品名)などが好ましく、イソパラフィン炭化水素としては、出光興産社製IPソルベント‐2028(製品名)、エクソンモービル社製アイソパーシリーズ(アイソパーH、アイソパーM等、いずれも製品名)などが好ましい。
硬化物の表面のべたつきを改善する観点から、パラフィン炭化水素の炭素数は、6以上が好ましく、8〜18がより好ましい。
硬化物の表面のべたつきを改善する観点から、イソパラフィン炭化水素の炭素数は6〜24が好ましく、8〜18がより好ましい。市販品のパラフィン炭化水素としては、例えば、JX日鉱日石エネルギー社製N−11(製品名)などが好ましく、イソパラフィン炭化水素としては、出光興産社製IPソルベント‐2028(製品名)、エクソンモービル社製アイソパーシリーズ(アイソパーH、アイソパーM等、いずれも製品名)などが好ましい。
Mnが1,000以上の高分子可塑剤として、ポリオキシプロピレンポリオールなどのポリオキシアルキレンポリオール、無溶剤型アクリルポリマーが挙げられる。該ポリオキシアルキレンポリオールの水酸基1個当たりのMnは500〜20,000が好ましく、1,000〜12,000がより好ましい。分子量が低すぎると熱や降雨により可塑剤が経時的に流出し、初期の物性を長期にわたり維持しにくくなる。また、分子量が高すぎると粘度が高くなり、作業性が悪くなりやすい。無溶剤型アクリルポリマーとしては、Mnは1,000〜10,000が好ましい。市販の無溶剤型アクリルポリマーを用いることができる。かかる市販品としては、例えば東亜合成株式会社製の、ARUFON UPシリーズ(例えばUP−1000、US−1110等、いずれも製品名)が挙げられる。
可塑剤は、1種類を用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。高分子可塑剤のみを用いてもよく、高分子可塑剤と低分子の可塑剤とを併用してもよい。
可塑剤は、1種類を用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。高分子可塑剤のみを用いてもよく、高分子可塑剤と低分子の可塑剤とを併用してもよい。
硬化性組成物において、可塑剤の合計の含有量は、複合重合体100質量部に対して20〜150部が好ましく、40〜100部がより好ましい。上記範囲の下限値以上であれば可塑剤としての効果を発現しやすく、上限値以下であれば、硬化物の機械強度を保ちやすい。
硬化性組成物において、可塑剤以外の添加剤の合計の含有量は、複合重合体100質量部に対して0.1〜600部が好ましく、1〜400部がより好ましい。
硬化性組成物において、可塑剤以外の添加剤の合計の含有量は、複合重合体100質量部に対して0.1〜600部が好ましく、1〜400部がより好ましい。
本発明によれば、後述の実施例に示されるように、スルファニル基を有していない連鎖移動剤を用いると、スルファニル基を有する連鎖移動剤を用いた場合に比べて、硬化物の耐候性が向上する。その理由は明らかではないが、硬化物中に存在するスルファニル基由来の硫黄原子と炭素原子の間の結合が、長期間の雨風に曝されて分解することによってラジカルが発生し、さらに分解が進みやすくなるためと考えられる。
以下に実施例を用いて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<測定方法>
[数平均分子量および重量平均分子量]
以下の例における数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)は、分子量既知の標準ポリスチレン試料を用いて作成した検量線を用い、以下の条件にてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定することによって得られた、ポリスチレン換算分子量である。分子量分布(Mw/Mn)は、上記MnおよびMwの値からMw/Mnとして算出した。
(GPCの測定条件)
使用機種:HLC−8220GPC(東ソー社製)、
データ処理装置:SC−8020(東ソー社製)、
使用カラム:TSG gel SuperMultiporeHZ 4000(東ソー社製)の2本と、TSG gel SuperMultiporeHZ 2500(東ソー社製)の2本を連結して使用した。カラム温度:40℃、検出器:RI、溶媒:テトロヒドロフラン、流速:0.35ml/分、試料濃度:0.5質量%、注入量:20μl、検量線作成用標準サンプル:ポリスチレン([Easical]PS−2[Polystyrene Standards]、Polymer Laboratories社製)。
[粘度]
試料を1mL採取し、E型粘度計(東機産業社製、製品名:RE80型)を用い、ローターNo.4の条件で粘度を測定した。校正用標準液としては、JS14000(日本グリース社製)を使用した。特に記載のない場合、測定温度は25℃とした。
<測定方法>
[数平均分子量および重量平均分子量]
以下の例における数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)は、分子量既知の標準ポリスチレン試料を用いて作成した検量線を用い、以下の条件にてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定することによって得られた、ポリスチレン換算分子量である。分子量分布(Mw/Mn)は、上記MnおよびMwの値からMw/Mnとして算出した。
(GPCの測定条件)
使用機種:HLC−8220GPC(東ソー社製)、
データ処理装置:SC−8020(東ソー社製)、
使用カラム:TSG gel SuperMultiporeHZ 4000(東ソー社製)の2本と、TSG gel SuperMultiporeHZ 2500(東ソー社製)の2本を連結して使用した。カラム温度:40℃、検出器:RI、溶媒:テトロヒドロフラン、流速:0.35ml/分、試料濃度:0.5質量%、注入量:20μl、検量線作成用標準サンプル:ポリスチレン([Easical]PS−2[Polystyrene Standards]、Polymer Laboratories社製)。
[粘度]
試料を1mL採取し、E型粘度計(東機産業社製、製品名:RE80型)を用い、ローターNo.4の条件で粘度を測定した。校正用標準液としては、JS14000(日本グリース社製)を使用した。特に記載のない場合、測定温度は25℃とした。
<重合体(A)の製造>
[触媒製造例:配位子がt−ブチルアルコールである複合金属シアン化物錯体触媒の製造]
塩化亜鉛水溶液にカリウムヘキサシアノコバルテート水溶液を40℃で30分間かけて滴下した。滴下後、t−ブチルアルコール(以下、TBAという)の80mLおよび水の80mLを添加し、60℃で1時間撹拌し、生成した錯体を濾別した。得られた錯体にTBAの40mLおよび水の80mLを添加して30分攪拌した後、濾別した。さらに、TBAの100mLを添加し30分撹拌して濾別した。50℃で重量が一定になるまで減圧乾燥した後、粉砕し、配位子がTBAである複合金属シアン化物錯体触媒(以下、TBA−DMCという。)を得た。
[触媒製造例:配位子がt−ブチルアルコールである複合金属シアン化物錯体触媒の製造]
塩化亜鉛水溶液にカリウムヘキサシアノコバルテート水溶液を40℃で30分間かけて滴下した。滴下後、t−ブチルアルコール(以下、TBAという)の80mLおよび水の80mLを添加し、60℃で1時間撹拌し、生成した錯体を濾別した。得られた錯体にTBAの40mLおよび水の80mLを添加して30分攪拌した後、濾別した。さらに、TBAの100mLを添加し30分撹拌して濾別した。50℃で重量が一定になるまで減圧乾燥した後、粉砕し、配位子がTBAである複合金属シアン化物錯体触媒(以下、TBA−DMCという。)を得た。
[製造例1:重合体(A1−1)の製造]
プロピレングリコールにプロピレンオキシドを開環付加重合させて得られたポリオキシプロピレンジオール(水酸基1個当たりの分子量1,000)を開始剤として用いた。
TBA−DMCの0.03gの存在下、開始剤の64.1gに、プロピレンオキシドの525gを、120℃にて反応系の圧力が下がらなくなるまで反応させた。これにより、ポリオキシプロピレン鎖を有し、かつ末端基に水酸基を1分子あたり2個有する前駆重合体を得た。該前駆重合体の粘度は20Pa・s、Mnは21,800、Mwは25,500、Mw/Mnは1.08であった。
該前駆重合体に、水酸基量に対して1.05倍モルのナトリウムメトキシドを含むメタノール溶液を添加し、反応させてアルコラート化した。ついで、加熱減圧によりメタノールを留去した後、前駆重合体の水酸基量に対して過剰量の塩化アリルを添加して反応させた。これにより、ポリオキシプロピレン鎖を有し、かつ末端基の全部にアリル基を有する重合体を得た。
次に、塩化白金酸六水和物の存在下、得られた重合体のアリル基量に対して0.77倍モルのジメトキシメチルシランを添加し、70℃にて5時間反応させた。これにより、ポリオキシプロピレン鎖を有し、かつ末端基に反応性ケイ素基を有する重合体(A1−1)を得た。重合体(A1−1)のシリル化率は80モル%である。
プロピレングリコールにプロピレンオキシドを開環付加重合させて得られたポリオキシプロピレンジオール(水酸基1個当たりの分子量1,000)を開始剤として用いた。
TBA−DMCの0.03gの存在下、開始剤の64.1gに、プロピレンオキシドの525gを、120℃にて反応系の圧力が下がらなくなるまで反応させた。これにより、ポリオキシプロピレン鎖を有し、かつ末端基に水酸基を1分子あたり2個有する前駆重合体を得た。該前駆重合体の粘度は20Pa・s、Mnは21,800、Mwは25,500、Mw/Mnは1.08であった。
該前駆重合体に、水酸基量に対して1.05倍モルのナトリウムメトキシドを含むメタノール溶液を添加し、反応させてアルコラート化した。ついで、加熱減圧によりメタノールを留去した後、前駆重合体の水酸基量に対して過剰量の塩化アリルを添加して反応させた。これにより、ポリオキシプロピレン鎖を有し、かつ末端基の全部にアリル基を有する重合体を得た。
次に、塩化白金酸六水和物の存在下、得られた重合体のアリル基量に対して0.77倍モルのジメトキシメチルシランを添加し、70℃にて5時間反応させた。これにより、ポリオキシプロピレン鎖を有し、かつ末端基に反応性ケイ素基を有する重合体(A1−1)を得た。重合体(A1−1)のシリル化率は80モル%である。
[製造例2:重合体(A2−1)の製造]
t−ブチルアルコールにプロピレンオキシドを開環付加重合させて得られたポリオキシプロピレンモノオール(水酸基1個当たりの分子量2,000)を開始剤として用いた。
TBA−DMCの0.05gの存在下、開始剤の384gに、プロピレンオキシドの594gを、120℃にて反応系の圧力が下がらなくなるまで反応させた。これにより、ポリオキシプロピレン鎖を有し、かつ末端基に水酸基を1分子あたり1個有する前駆重合体を得た。前駆重合体の粘度は1.2Pa・s、Mnは6,900、Mwは8,100、Mw/Mnは1.10であった。
該前駆重合体に、水酸基量に対して1.05倍モルのナトリウムメトキシドを含むメタノール溶液を添加し、反応させてアルコラート化した。ついで、加熱減圧によりメタノールを留去した後に、前駆重合体の水酸基量に対して過剰量の塩化アリルを添加して反応させた。これにより、ポリオキシプロピレン鎖を有し、かつ末端基にアリル基を1分子あたり1個有する重合体を得た。
次に、塩化白金酸六水和物の存在下、得られた重合体のアリル基量に対して0.85倍モルのジメトキシメチルシランを添加し、70℃にて5時間反応させた。これにより、ポリオキシプロピレン鎖を有し、かつポリオキシプロピレン鎖の片末端に反応性ケイ素基を有する重合体(A2−1)を得た。重合体(A2−1)のシリル化率は80モル%である。
[製造例3:重合体(A3−1)の製造]
グリセリンにプロピレンオキシドを開環付加重合させて得られたポリオキシプロピレントリオール(水酸基1個当たりの分子量330)を開始剤として用いた。
TBA−DMCの0.08gの存在下、開始剤の64.1gに、プロピレンオキシドの1522gを、120℃にて反応系の圧力が下がらなくなるまで反応させた。これにより、ポリオキシプロピレン鎖からなる主鎖を有し、かつ主鎖末端に水酸基を1分子あたり3個有する前駆重合体を得た。前駆重合体の粘度は24Pa・s、Mnは30,000、Mwは35,100、Mw/Mnは1.17であった。
該前駆重合体に、水酸基量に対して1.05倍モルのナトリウムメトキシドを含むメタノール溶液を添加し、反応させてアルコラート化した。ついで、加熱減圧によりメタノールを留去した後に、前駆重合体の水酸基量に対して過剰量の塩化アリルを添加して反応させた。これにより、ポリオキシプロピレン鎖を有し、かつ主鎖末端にアリル基を有する重合体を得た。
次に、塩化白金酸六水和物の存在下、得られた重合体のアリル基量に対して0.85倍モルのジメトキシメチルシランを添加し、70℃にて5時間反応させた。これにより、ポリオキシプロピレン鎖を有し、かつ主鎖の末端に反応性ケイ素基を有する重合体(A3−1)を得た。重合体(A3−1)のシリル化率は80%であった。
t−ブチルアルコールにプロピレンオキシドを開環付加重合させて得られたポリオキシプロピレンモノオール(水酸基1個当たりの分子量2,000)を開始剤として用いた。
TBA−DMCの0.05gの存在下、開始剤の384gに、プロピレンオキシドの594gを、120℃にて反応系の圧力が下がらなくなるまで反応させた。これにより、ポリオキシプロピレン鎖を有し、かつ末端基に水酸基を1分子あたり1個有する前駆重合体を得た。前駆重合体の粘度は1.2Pa・s、Mnは6,900、Mwは8,100、Mw/Mnは1.10であった。
該前駆重合体に、水酸基量に対して1.05倍モルのナトリウムメトキシドを含むメタノール溶液を添加し、反応させてアルコラート化した。ついで、加熱減圧によりメタノールを留去した後に、前駆重合体の水酸基量に対して過剰量の塩化アリルを添加して反応させた。これにより、ポリオキシプロピレン鎖を有し、かつ末端基にアリル基を1分子あたり1個有する重合体を得た。
次に、塩化白金酸六水和物の存在下、得られた重合体のアリル基量に対して0.85倍モルのジメトキシメチルシランを添加し、70℃にて5時間反応させた。これにより、ポリオキシプロピレン鎖を有し、かつポリオキシプロピレン鎖の片末端に反応性ケイ素基を有する重合体(A2−1)を得た。重合体(A2−1)のシリル化率は80モル%である。
[製造例3:重合体(A3−1)の製造]
グリセリンにプロピレンオキシドを開環付加重合させて得られたポリオキシプロピレントリオール(水酸基1個当たりの分子量330)を開始剤として用いた。
TBA−DMCの0.08gの存在下、開始剤の64.1gに、プロピレンオキシドの1522gを、120℃にて反応系の圧力が下がらなくなるまで反応させた。これにより、ポリオキシプロピレン鎖からなる主鎖を有し、かつ主鎖末端に水酸基を1分子あたり3個有する前駆重合体を得た。前駆重合体の粘度は24Pa・s、Mnは30,000、Mwは35,100、Mw/Mnは1.17であった。
該前駆重合体に、水酸基量に対して1.05倍モルのナトリウムメトキシドを含むメタノール溶液を添加し、反応させてアルコラート化した。ついで、加熱減圧によりメタノールを留去した後に、前駆重合体の水酸基量に対して過剰量の塩化アリルを添加して反応させた。これにより、ポリオキシプロピレン鎖を有し、かつ主鎖末端にアリル基を有する重合体を得た。
次に、塩化白金酸六水和物の存在下、得られた重合体のアリル基量に対して0.85倍モルのジメトキシメチルシランを添加し、70℃にて5時間反応させた。これにより、ポリオキシプロピレン鎖を有し、かつ主鎖の末端に反応性ケイ素基を有する重合体(A3−1)を得た。重合体(A3−1)のシリル化率は80%であった。
<複合重合体の製造>
以下の実施例1〜5および比較例1では、重合体(A)として、製造例1で得られた重合体(A1−1)の450gおよび製造例2で得られた重合体(A2−1)の50gを用いた。
重合体(A1−1)/重合体(A2−1)の質量比が90/10である混合物の、GPCによる分子量分布曲線を図1に示す。該混合物の1分子当たりの反応性ケイ素基の数(平均値)は1.4、シリル化率(平均値)は80モル%、Mnは17,900、Mw/Mnは1.5、粘度は17Pa・sである。
以下の実施例1〜5および比較例1では、重合体(A)として、製造例1で得られた重合体(A1−1)の450gおよび製造例2で得られた重合体(A2−1)の50gを用いた。
重合体(A1−1)/重合体(A2−1)の質量比が90/10である混合物の、GPCによる分子量分布曲線を図1に示す。該混合物の1分子当たりの反応性ケイ素基の数(平均値)は1.4、シリル化率(平均値)は80モル%、Mnは17,900、Mw/Mnは1.5、粘度は17Pa・sである。
[実施例1]
表1に示す、単量体(B)、単量体(C)、連鎖移動剤および2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(和光純薬株式会社製、製品名:V59、以下同様。)の7.5gを混合し、単量体混合溶液を調製した。単量体(C)として用いた3−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシシランの分子量は232.4g/molである。
攪拌機付きの反応器にて、重合体(A1−1)の450gおよび重合体(A2−1)の50gを約105℃に昇温した。反応容器の内温を約105℃に保ち、窒素雰囲気下で攪拌しながら、上記単量体混合溶液を2時間かけて滴下して、反応性ケイ素基を有する重合体中で単量体を重合して複合重合体を合成した。得られた複合重合体のGPCによる分子量分布曲線を図2に示す。
得られた複合重合体(重合直後の組成物全体)のMn、複合重合体のMw、複合重合体の粘度、差分の数平均分子量(m)、重合で生成した共重合体の1分子当たりの反応性ケイ素基の数の目安(x/y)を表1に示す(以下、同様に示す。)。
表1に示す、単量体(B)、単量体(C)、連鎖移動剤および2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(和光純薬株式会社製、製品名:V59、以下同様。)の7.5gを混合し、単量体混合溶液を調製した。単量体(C)として用いた3−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシシランの分子量は232.4g/molである。
攪拌機付きの反応器にて、重合体(A1−1)の450gおよび重合体(A2−1)の50gを約105℃に昇温した。反応容器の内温を約105℃に保ち、窒素雰囲気下で攪拌しながら、上記単量体混合溶液を2時間かけて滴下して、反応性ケイ素基を有する重合体中で単量体を重合して複合重合体を合成した。得られた複合重合体のGPCによる分子量分布曲線を図2に示す。
得られた複合重合体(重合直後の組成物全体)のMn、複合重合体のMw、複合重合体の粘度、差分の数平均分子量(m)、重合で生成した共重合体の1分子当たりの反応性ケイ素基の数の目安(x/y)を表1に示す(以下、同様に示す。)。
[実施例2〜4]
表1に示す、単量体(B)、単量体(C)、連鎖移動剤、およびV59の2.5gを混合し、単量体混合溶液を調製した他は、実施例1と同様にして、反応性ケイ素基を有する重合体中で単量体を重合して複合重合体を合成した。
[実施例5]
表1に示す、単量体(B)、単量体(C)、連鎖移動剤および重合開始剤として2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(和光純薬株式会社製、製品名:V65、以下同様。)の7.3gを混合し、単量体混合溶液を調製した。攪拌機付きの反応器にて、製造例1で得られた重合体(A1−1)の450gおよび製造例2で得られた反応性ケイ素基を有する重合体(A2−1)の50gを約80℃に昇温した。反応容器の内温を約70℃に保ち、窒素雰囲気下で攪拌しながら、上記単量体混合溶液を2時間かけて滴下して、反応性ケイ素基を有する重合体中で単量体を重合して複合重合体を合成した。
[実施例6]
表1に示す、単量体(B)、単量体(C)、連鎖移動剤および重合開始剤としてV65の9.6gを混合し、単量体混合溶液を調製した。攪拌機付きの反応器にて、製造例1で得られた重合体(A1−1)の315gおよび製造例3で得られた反応性ケイ素基を有する重合体(A3−1)の185gを約70℃に昇温した。反応容器の内温を約70℃に保ち、窒素雰囲気下で攪拌しながら、上記単量体混合溶液を2時間かけて滴下して、反応性ケイ素基を有する重合体中で単量体を重合して複合重合体を合成した。
表1に示す、単量体(B)、単量体(C)、連鎖移動剤、およびV59の2.5gを混合し、単量体混合溶液を調製した他は、実施例1と同様にして、反応性ケイ素基を有する重合体中で単量体を重合して複合重合体を合成した。
[実施例5]
表1に示す、単量体(B)、単量体(C)、連鎖移動剤および重合開始剤として2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(和光純薬株式会社製、製品名:V65、以下同様。)の7.3gを混合し、単量体混合溶液を調製した。攪拌機付きの反応器にて、製造例1で得られた重合体(A1−1)の450gおよび製造例2で得られた反応性ケイ素基を有する重合体(A2−1)の50gを約80℃に昇温した。反応容器の内温を約70℃に保ち、窒素雰囲気下で攪拌しながら、上記単量体混合溶液を2時間かけて滴下して、反応性ケイ素基を有する重合体中で単量体を重合して複合重合体を合成した。
[実施例6]
表1に示す、単量体(B)、単量体(C)、連鎖移動剤および重合開始剤としてV65の9.6gを混合し、単量体混合溶液を調製した。攪拌機付きの反応器にて、製造例1で得られた重合体(A1−1)の315gおよび製造例3で得られた反応性ケイ素基を有する重合体(A3−1)の185gを約70℃に昇温した。反応容器の内温を約70℃に保ち、窒素雰囲気下で攪拌しながら、上記単量体混合溶液を2時間かけて滴下して、反応性ケイ素基を有する重合体中で単量体を重合して複合重合体を合成した。
[比較例1]
本例は、スルファニル基を有する連鎖移動剤を使用した比較例である。実施例2〜4と同様にして、複合重合体を合成した。
本例は、スルファニル基を有する連鎖移動剤を使用した比較例である。実施例2〜4と同様にして、複合重合体を合成した。
[比較例2:混合物の製造]
本例では、有機溶媒中で反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリレート共重合体を合成し、これと反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体を混合した。
表1に示す単量体(B)、単量体(C)および重合開始剤としてV65の7.3gを混合し、単量体混合溶液を調製した。
攪拌機付きの反応器にて、有機溶媒としてヘキサンの125gを仕込み約80℃に昇温した。反応容器の内温を約80℃に保ち、窒素雰囲気下で攪拌しながら、上記のように調製した単量体混合液を2時間かけて滴下して重合させた。次いで、130℃、減圧下において2時間脱溶媒を行い、反応性ケイ素基としてジメトキシシリル基を有する(メタ)アクリレート共重合体を合成した。該共重合体のMnは30,170であった。
得られた(メタ)アクリレート共重合体に、重合体(A1−1)の224.2g、重合体(A2−1)の24.9gを撹拌しながら加え、混合物を得た。
得られた混合物のMw、Mn、粘度、(メタ)アクリレート共重合体のMn、(メタ)アクリレート共重合体の1分子当たりの反応性ケイ素基の数を表1に示す。
重合に使用した単量体(C)中の反応性ケイ素基のモル数をx’、単量体(B)と単量体(C)の合計量を(メタ)アクリレート共重合体のMnで除した値をy’として、x’/y’の値を(メタ)アクリレート共重合体の1分子当たりの反応性ケイ素基の数の目安として算出した。結果を表1に示す。
本例では、有機溶媒中で反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリレート共重合体を合成し、これと反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体を混合した。
表1に示す単量体(B)、単量体(C)および重合開始剤としてV65の7.3gを混合し、単量体混合溶液を調製した。
攪拌機付きの反応器にて、有機溶媒としてヘキサンの125gを仕込み約80℃に昇温した。反応容器の内温を約80℃に保ち、窒素雰囲気下で攪拌しながら、上記のように調製した単量体混合液を2時間かけて滴下して重合させた。次いで、130℃、減圧下において2時間脱溶媒を行い、反応性ケイ素基としてジメトキシシリル基を有する(メタ)アクリレート共重合体を合成した。該共重合体のMnは30,170であった。
得られた(メタ)アクリレート共重合体に、重合体(A1−1)の224.2g、重合体(A2−1)の24.9gを撹拌しながら加え、混合物を得た。
得られた混合物のMw、Mn、粘度、(メタ)アクリレート共重合体のMn、(メタ)アクリレート共重合体の1分子当たりの反応性ケイ素基の数を表1に示す。
重合に使用した単量体(C)中の反応性ケイ素基のモル数をx’、単量体(B)と単量体(C)の合計量を(メタ)アクリレート共重合体のMnで除した値をy’として、x’/y’の値を(メタ)アクリレート共重合体の1分子当たりの反応性ケイ素基の数の目安として算出した。結果を表1に示す。
<評価方法>
[液外観]
各例で得られた複合重合体または混合物である液の外観を、液温23℃で観察した。結果を表1に示す。
[液外観]
各例で得られた複合重合体または混合物である液の外観を、液温23℃で観察した。結果を表1に示す。
[硬化性組成物の評価]
各例で得られた複合重合体または混合物の90部に対して、膠質炭酸カルシウム(白艶化CCR、白石工業社製)の75部、重質炭酸カルシウム(ホワイトンSB、白石カルシウム工業社製)の75部、アクリル可塑剤(ARUFON UP−1110、東亜合成株式会社製)の60部、揺変剤(ディスパロン#6500、楠本化成社製)の3部、接着性付与剤(KBM−403およびKBM−603、信越化学社製)の各1部、酸化防止剤(IRGANOX−1135、BASF社製)の1部、紫外線吸収剤(Tinuvin−326、BASF社製)の1部、光安定化剤(Tinuvin−765、BASF社製)の1部、硬化触媒(ネオスタンU−100、日東化成社製)の2部を遊星式攪拌機で均一混合し硬化性組成物を調製した。
各例で得られた硬化性組成物を用いて、以下のように硬化物の引張特性および耐候性を評価した。評価結果を表1に示す。
各例で得られた複合重合体または混合物の90部に対して、膠質炭酸カルシウム(白艶化CCR、白石工業社製)の75部、重質炭酸カルシウム(ホワイトンSB、白石カルシウム工業社製)の75部、アクリル可塑剤(ARUFON UP−1110、東亜合成株式会社製)の60部、揺変剤(ディスパロン#6500、楠本化成社製)の3部、接着性付与剤(KBM−403およびKBM−603、信越化学社製)の各1部、酸化防止剤(IRGANOX−1135、BASF社製)の1部、紫外線吸収剤(Tinuvin−326、BASF社製)の1部、光安定化剤(Tinuvin−765、BASF社製)の1部、硬化触媒(ネオスタンU−100、日東化成社製)の2部を遊星式攪拌機で均一混合し硬化性組成物を調製した。
各例で得られた硬化性組成物を用いて、以下のように硬化物の引張特性および耐候性を評価した。評価結果を表1に示す。
[引張特性の評価]
プライマーとしてセメダイン社製のMP−2000(製品名)を用いて表面処理された表面陽極酸化アルミニウムを被着体として使用し、JIS A 1439に準拠して試験体を作製して引張特性試験を行った。
具体的には、作成した試験体を温度23℃、湿度40%で1週間養生し、更に温度50℃、湿度65%で1週間養生を行って上記試験体の硬化物を作成した。得られた硬化物について、テンシロン試験機にて引張特性として、50%伸張した時の応力(M50、単位:N/mm2)、最大点引張応力(単位:N/mm2)および最大点伸び(単位:%)を測定した。
M50の値は小さいほど硬化物の柔軟性が高い。最大点引張応力の値は大きいほど硬化物の引張強度が高い。最大点伸びの値は大きいほど硬化物の伸びが良い。硬化物の引張特性は、M50が大きく、最大点伸びが大きいほど良好であることを示す。
プライマーとしてセメダイン社製のMP−2000(製品名)を用いて表面処理された表面陽極酸化アルミニウムを被着体として使用し、JIS A 1439に準拠して試験体を作製して引張特性試験を行った。
具体的には、作成した試験体を温度23℃、湿度40%で1週間養生し、更に温度50℃、湿度65%で1週間養生を行って上記試験体の硬化物を作成した。得られた硬化物について、テンシロン試験機にて引張特性として、50%伸張した時の応力(M50、単位:N/mm2)、最大点引張応力(単位:N/mm2)および最大点伸び(単位:%)を測定した。
M50の値は小さいほど硬化物の柔軟性が高い。最大点引張応力の値は大きいほど硬化物の引張強度が高い。最大点伸びの値は大きいほど硬化物の伸びが良い。硬化物の引張特性は、M50が大きく、最大点伸びが大きいほど良好であることを示す。
[耐候性試験]
硬化性組成物を厚さ0.2mmとなるように1mm厚のアルミニウム板状に塗布し、23℃、湿度40%の条件下で3日間、50℃、湿度65%の条件下で3日間養生して、試験片を作成した。該試験片において、ダイプラウィンテス社製メタルウェザーメーターにて、光強度80mW/cm2の条件下、18分間光照射を行った後、シャワリングを2分間行うことを1サイクルとして、このサイクルを繰り返した暴露試験を行った。300時間連続して試験を行った後、試験片の表面におけるクラックの発生を目視で確認して以下のように評価した。△および○は、耐候性が良好であることを示す。
○:試験片にクラックが発生していない。
△:試験片の一部にクラックが発生していることが確認できる。
×:試験片の全体にクラックが発生している。
硬化性組成物を厚さ0.2mmとなるように1mm厚のアルミニウム板状に塗布し、23℃、湿度40%の条件下で3日間、50℃、湿度65%の条件下で3日間養生して、試験片を作成した。該試験片において、ダイプラウィンテス社製メタルウェザーメーターにて、光強度80mW/cm2の条件下、18分間光照射を行った後、シャワリングを2分間行うことを1サイクルとして、このサイクルを繰り返した暴露試験を行った。300時間連続して試験を行った後、試験片の表面におけるクラックの発生を目視で確認して以下のように評価した。△および○は、耐候性が良好であることを示す。
○:試験片にクラックが発生していない。
△:試験片の一部にクラックが発生していることが確認できる。
×:試験片の全体にクラックが発生している。
表1に示されるように、重合体(A)およびスルファニル基を有さない連鎖移動剤の存在下で、有機溶媒を使用せず、単量体(B)および単量体(C)を重合させた実施例1〜6で得られた複合重合体は、液外観が透明で相溶性に優れ、硬化物の耐候性が優れていた。実施例1〜4においては、硬化物の引張特性も良好であった。
一方、スルファニル基を有する連鎖移動剤を用いて、重合体(A)中で単量体(B)および単量体(C)を重合させた比較例1の複合重合体は、液外観が透明で相溶性は良好であったが、比較例1よりも差分の数平均分子量(m)が高く、x/yの値が大きい実施例2または、差分の数平均分子量(m)が同程度で、x/yの値が小さい実施例3と比べても耐候性が劣っていた。
また、単量体(B)と単量体(C)の共重合体を合成して重合体(A)と混合した比較例2は、相溶性が劣り液外観が白濁したため、硬化物の評価は行わなかった。
一方、スルファニル基を有する連鎖移動剤を用いて、重合体(A)中で単量体(B)および単量体(C)を重合させた比較例1の複合重合体は、液外観が透明で相溶性は良好であったが、比較例1よりも差分の数平均分子量(m)が高く、x/yの値が大きい実施例2または、差分の数平均分子量(m)が同程度で、x/yの値が小さい実施例3と比べても耐候性が劣っていた。
また、単量体(B)と単量体(C)の共重合体を合成して重合体(A)と混合した比較例2は、相溶性が劣り液外観が白濁したため、硬化物の評価は行わなかった。
Claims (10)
- ポリオキシアルキレン鎖と下式(1)で表される反応性ケイ素基とを有する重合体(A)およびスルファニル基を有さない連鎖移動剤の存在下で、
下式(1)で表される反応性ケイ素基を有しない(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(B)と、下式(1)で表される反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(C)を、全体の数平均分子量が14,000〜30,000となるように重合させる、複合重合体の製造方法であって、
該重合体(A)、該単量体(B)および該単量体(C)の合計量に対して3質量%以下の有機溶媒の存在下で重合させる、複合重合体の製造方法。
−SiXaR3−a・・・(1)
[式中、Rは炭素数1〜20の1価の有機基であって、加水分解性基以外の有機基を示し、Xは水酸基または加水分解性基を示す。aは1〜3の整数である。aが1の場合、Rは互いに同一でも異なっていてもよい。aが2以上の場合、Xは互いに同一でも異なっていてもよい。] - 前記複合重合体のGPCによる分子量分布曲線から、前記重合体(A)のGPCによる分子量分布曲線を引いた差分の分子量分布曲線における数平均分子量が13,000以上60,000以下となるように前記重合を行う、請求項1に記載の製造方法。
- 前記重合に供した、前記単量体(C)に含まれる前記反応性ケイ素基のモル数の総量の、前記単量体(B)と前記単量体(C)の合計量を前記差分の分子量分布曲線における数平均分子量で除した値に対する比が、0.8以上となるように、前記重合を行う、請求項2に記載の製造方法。
- 前記単量体(B)が、アルキル基の炭素数が1〜10である(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体と、アルキル基の炭素数が10を超える(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体とを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記スルファニル基を有さない連鎖移動剤が、α−メチルスチレンダイマーである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記重合体(A)は、数平均分子量が8,000〜50,000である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記重合体(A)の分子量分布が1.8以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記複合重合体の25℃における粘度が30〜300Pa・sである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法で複合重合体を製造し、得られた複合重合体に添加剤を混合して硬化性組成物を得る、硬化性組成物の製造方法。
- 前記添加剤が可塑剤を含む、請求項9に記載の製造方法。
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JP2016254755 | 2016-12-28 | ||
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JP2017240555A Pending JP2018109156A (ja) | 2016-12-28 | 2017-12-15 | 複合重合体の製造方法および硬化性組成物の製造方法 |
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Cited By (1)
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JP2020037655A (ja) * | 2018-09-05 | 2020-03-12 | Agc株式会社 | 硬化性組成物及びその硬化物 |
-
2017
- 2017-12-15 JP JP2017240555A patent/JP2018109156A/ja active Pending
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JP2020037655A (ja) * | 2018-09-05 | 2020-03-12 | Agc株式会社 | 硬化性組成物及びその硬化物 |
JP7056478B2 (ja) | 2018-09-05 | 2022-04-19 | Agc株式会社 | 硬化性組成物及びその硬化物 |
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