JP2018108768A - 車両制御装置および車両制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動運転制御における方向指示につき、運転者の意思を使い勝手よく介入させること。【解決手段】実施形態に係る車両制御装置は、運転制御部と、検出部と、取得部とを備える。運転制御部は、複数の運転制御を並行して実行することによって、少なくとも運転者から所定の方向指示動作を受け付け可能である自動運転で車両を走行させる。検出部は、自動運転中の方向指示動作を検出する。取得部は、車両の周囲状況を取得する。また、運転制御部は、検出部によって方向指示動作が検出される場合に、かかる方向指示動作に予め対応付けられた挙動を、取得部によって取得された周囲状況に応じつつ車両がとるように運転制御を実行する。【選択図】図2

Description

開示の実施形態は、車両制御装置および車両制御方法に関する。
従来、加減速制御や操舵制御といった複数の運転制御を並行して実行することで、ACC(Adaptive Cruise Control)のような自動追従機能や、LKA(Lane Keeping Assist)のような車線逸脱防止支援機能を組み合わせつつ、車両の自動運転制御を行う車両制御装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
また、近年では、運転者の方向指示動作に伴う車両の自動車線変更を支援する技術も提案されている。かかる技術における自動車線変更支援機能は、たとえば運転者がウィンカーを作動させてから所定時間(たとえば2秒)以上経過後に動作し、車載レーダや車載カメラを用いて近傍に他車両がいないことが確認できてから数秒以内に自動の操舵制御によって車両を隣接レーンへ車線変更させる。したがって、先行車の追い越しなどを経て元のレーンに戻る場合には、運転者は、再度ウィンカーを作動させる必要がある。
特開2008−222230号公報
しかしながら、上述した従来技術には、自動運転制御における方向指示につき、運転者の意思を使い勝手よく介入させるうえで更なる改善の余地がある。
具体的には、上述した従来技術を用いた場合、車両を隣接レーンへ車線変更させるごとに運転者はウィンカーを作動させる必要があるため、先行車の追い越しなどでは上述のように2度ウィンカーを作動させねばならず、ユーザビリティに優れなかった。
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、自動運転制御における方向指示につき、運転者の意思を使い勝手よく介入させることができる車両制御装置および車両制御方法を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係る車両制御装置は、運転制御部と、検出部と、取得部とを備える。前記運転制御部は、複数の運転制御を並行して実行することによって、少なくとも運転者から所定の方向指示動作を受け付け可能である自動運転で車両を走行させる。前記検出部は、前記自動運転中の前記方向指示動作を検出する。前記取得部は、前記車両の周囲状況を取得する。また、前記運転制御部は、前記検出部によって前記方向指示動作が検出される場合に、該方向指示動作に予め対応付けられた挙動を、前記取得部によって取得された前記周囲状況に応じつつ前記車両がとるように前記運転制御を実行する。
実施形態の一態様によれば、自動運転制御における方向指示につき、運転者の意思を使い勝手よく介入させることができる。
図1Aは、第1の実施形態に係る車両制御方法の概要説明図(その1)である。 図1Bは、第1の実施形態に係る車両制御方法の概要説明図(その2)である。 図1Cは、第2の実施形態に係る車両制御方法の概要説明図(その1)である。 図1Dは、第2の実施形態に係る車両制御方法の概要説明図(その2)である。 図1Eは、第3の実施形態に係る車両制御方法の概要説明図(その1)である。 図1Fは、第3の実施形態に係る車両制御方法の概要説明図(その2)である。 図2は、第1の実施形態に係る車載システムのブロック図である。 図3Aは、第1の実施形態に係る方向指示動作の説明図(その1)である。 図3Bは、第1の実施形態に係る方向指示動作の説明図(その2)である。 図3Cは、第1の実施形態に係る方向指示動作の説明図(その3)である。 図3Dは、第2の実施形態に係る方向指示動作の説明図である。 図4Aは、第1の実施形態に係る運転制御部による運転制御処理の一例を示す図(その1)である。 図4Bは、第1の実施形態に係る運転制御部による運転制御処理の一例を示す図(その2)である。 図5は、第1の実施形態に係る車両制御装置が実行する、運転者による追い越し指示動作を自動運転制御に介入させる場合の処理手順を示すフローチャートである。 図6Aは、第2の実施形態に係る運転制御部による運転制御処理の一例を示す図(その1)である。 図6Bは、第2の実施形態に係る運転制御部による運転制御処理の一例を示す図(その2)である。 図6Cは、第2の実施形態に係る運転制御部による運転制御処理の一例を示す図(その3)である。 図6Dは、第2の実施形態に係る運転制御部による運転制御処理の一例を示す図(その4)である。 図6Eは、第2の実施形態に係る運転制御部による運転制御処理の一例を示す図(その5)である。 図6Fは、第2の実施形態に係る運転制御部による運転制御処理の一例を示す図(その6)である。 図7は、第2の実施形態に係る車両制御装置が実行する、運転者による合流指示動作を自動運転制御に介入させる場合の処理手順を示すフローチャートである。 図8は、第3の実施形態に係る運転制御部による運転制御処理の一例を示す図である。 図9は、第3の実施形態に係る車両制御装置が実行する、運転者による回避指示動作を自動運転制御に介入させる場合の処理手順を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する車両制御装置および車両制御方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
また、以下では、本実施形態に係る車両制御方法の概要について図1A〜図1Fを用いて説明した後に、本実施形態に係る車両制御方法を適用した車両制御装置10およびそれを備える車載システム1について、図2〜図9を用いて説明することとする。
なお、以下では、本実施形態につき、第1、第2および第3の実施形態についてそれぞれ説明する。第1の実施形態は、運転者のなす所定の方向指示動作が、先行車の追い越し指示に対応する場合である。第2の実施形態は、運転者のなす所定の方向指示動作が、高速道路の本線などへの合流指示に対応する場合である。第3の実施形態は、運転者のなす所定の方向指示動作が、前方に駐停車車両が存在する場合の回避指示に対応する場合である。
また、以下では、操舵制御や加減速制御といった複数の運転制御を並行して実行することによって自動運転制御を行うことが可能な車両制御装置10について説明するが、本実施形態では、「自動運転」と言った場合、少なくとも操舵制御および加減速制御が、車両制御装置10により実行されるものとする。ただし、かかる自動運転に対し、運転者からの所定の方向指示動作は、受け付け可能であるものとする。
したがって、以下の説明は、厳密には「半自動運転」に関するが、説明の便宜上、「自動運転」と記載する。また、「加減速制御」は、主制御系統のうちの加速および制動の少なくともいずれか一方の運転制御であるものとする。
まず、本実施形態に係る車両制御方法の概要について図1A〜図1Fを用いて説明する。はじめに、第1の実施形態の概要についてから説明する。図1Aおよび図1Bは、第1の実施形態に係る車両制御方法の概要説明図(その1)および(その2)である。なお、図1Aは、第1の実施形態の比較例に係る車両制御方法の概要説明図となっている。
図1Aに示すように、たとえば車両Cは、高速道路などの第1レーンL1を、ACCを設定中の状態で自動追従走行しているが、先行車LCが遅いため、車両Cの運転者は、先行車LCの追い越しを所望しているものとする。
かかる場合、図1Aに示すように、比較例に係る車両制御方法では、運転者は、追い越しのためにまず、第1レーンL1から第2レーンL2への車線変更に対応する「第1方向指示動作」を行う必要があった。このため、比較例に係る車載システムでは、まず第1方向指示動作が検出され(ステップS1’−1)、これに基づいて第1レーンL1から第2レーンL2への車両Cの車線変更が自動運転により行われていた(図中の矢印101参照)。
また、比較例に係る車両制御方法では、運転者は、つづいて第2レーンL2から第1レーンL1への車線変更のため、「第2方向指示動作」を行う必要があった。比較例に係る車載システムでは、かかる第2方向指示動作が検出され(ステップS1’−2)、これに基づいて第2レーンL2から第1レーンL1への車線変更が自動運転により行われていた(図中の矢印102参照)。
したがって、運転者は、少なくともACCを作動させた自動運転にも関わらず、先行車LCの追い越しのために2度方向指示動作を行わねばならず、ユーザビリティに優れなかった。
そこで、第1の実施形態に係る車両制御方法では、少なくともACC設定中につき運転者が追い越しを行いたい場合、かかる意思をユーザビリティ高く、言い換えれば使い勝手よく自動運転制御に介入させるため、所定の方向指示動作によって車載システム1へ指示することとした。すなわち、自動運転制御において、運転者の使いやすさ及び使い勝手を向上させることができる。
具体的には、第1の実施形態に係る車両制御方法では、運転者が追い越し指示に対応する所定の方向指示動作を行い、かかる方向指示動作が検出された場合は、車載システム1側では、かかる方向指示動作のみにより、先行車LCの追い越しという挙動を自動的に実行することとした。
したがって、図1Bに示すように、車載システム1は、追い越し指示に対応する所定の方向指示動作を検出したならば(ステップS1)、これに基づいて加速しつつ、車両Cを第1レーンL1から第2レーンL2へ、つづけて第2レーンL2から第1レーンL1へ、連続的に車線変更させて先行車LCを追い越しさせる(ステップS2)。
これにより、図中の矢印103に示すように、車両Cに、自動の連続的な車線変更で先行車LCを追い越しさせることができる。すなわち、第1の実施形態に係る車両制御方法によれば、自動運転制御における方向指示につき、運転者の意思をユーザビリティ高く介入させることができる。第1の実施形態の詳細については、図2〜図5を用いて後述する。
次に、第2の実施形態の概要について説明する。図1Cおよび図1Dは、第2の実施形態に係る車両制御方法の概要説明図(その1)および(その2)である。なお、図1Cは、第2の実施形態の比較例に係る車両制御方法の概要説明図となっている。
図1Cに示すように、たとえば車両Cは、高速道路などの加速レーンALに差しかかり、車両Cの運転者は、本線への合流を所望しているものとする。
かかる場合、図1Cに示すように、比較例に係る車両制御方法では、運転者は、合流のために方向指示動作を行うが、たとえば通過車両PSが切れ目なく本線を通過していれば、合流が困難であることも多い。すなわち、比較例に係る車載システムでは、方向指示動作が検出されるものの(ステップS11’−1)、通過車両PSにより合流が困難であれば、加速レーンALの距離も次第に短くなり、合流の困難さを悪化させていた。
そこで、第2の実施形態に係る車両制御方法では、運転者が合流を行いたい場合、かかる意思をユーザビリティ高く自動運転制御に介入させるため、所定の方向指示動作によって車載システム1へ指示することとした。
具体的には、第2の実施形態に係る車両制御方法では、運転者が合流指示に対応する所定の方向指示動作を行い、かかる方向指示動作が検出された場合は、車載システム1側では、かかる方向指示動作のみにより、車両Cの合流という挙動を自動的に実行することとした。
したがって、図1Dに示すように、車載システム1は、合流指示に対応する所定の方向指示動作を検出したならば(ステップS11)、これに基づき、通過車両PSの状況に応じて加減速制御および操舵制御しつつ、車両Cを本線へ進入させて合流させる(ステップS12)。なお、かかる際の加減速制御には、加速レーンALの確保のための停車などが含まれる。
これにより、図中の矢印104に示すように、車両Cに、自動の加減速制御および操舵制御で車両Cを本線に進入させ、合流させることができる。すなわち、第2の実施形態に係る車両制御方法によれば、自動運転制御における方向指示につき、運転者の意思をユーザビリティ高く介入させることができる。第2の実施形態の詳細については、図6A〜図7を用いて後述する。
次に、第3の実施形態の概要について説明する。図1Eおよび図1Fは、第3の実施形態に係る車両制御方法の概要説明図(その1)および(その2)である。なお、図1Eは、第3の実施形態の比較例に係る車両制御方法の概要説明図となっている。
図1Eに示すように、たとえば車両Cは、一般道路において第1レーンL1を自動運転で走行しているが、前方に駐停車車両PCが存在するため、車両Cの運転者は、駐停車車両PCの追い越しを所望しているものとする。
かかる場合、図1Eに示すように、比較例に係る車両制御方法では、運転者は、回避のために、第1の実施形態の場合と同様に、「第1方向指示動作」および「第2方向指示動作」を行う必要があった。このため、比較例に係る車載システムでは、まず第1方向指示動作が検出され(ステップS1’−1)、これに基づく車線変更が自動運転で実行されるとともに(図中の矢印105参照)、つづいて第2方向指示動作が検出され(ステップS1’−2)、これに基づく車線変更が自動運転で実行されていた(図中の矢印106参照)。
したがって、運転者は、少なくとも駐停車車両PCの回避のために2度方向指示動作を行わねばならず、ユーザビリティに優れなかった。
そこで、第3の実施形態に係る車両制御方法では、運転者が駐停車車両PCの回避を行いたい場合、かかる意思をユーザビリティ高く自動運転制御に介入させるため、所定の方向指示動作によって車載システム1へ指示することとした。
具体的には、第3の実施形態に係る車両制御方法では、運転者が回避指示に対応する所定の方向指示動作を行い、かかる方向指示動作が検出された場合は、車載システム1側では、かかる方向指示動作のみにより、駐停車車両PCの回避という挙動を自動的に実行することとした。
したがって、図1Fに示すように、車載システム1は、回避指示に対応する所定の方向指示動作を検出したならば(ステップS21)、駐停車車両PCの状況に応じて減速および操舵制御しつつ、車両Cを第1レーンL1から第2レーンL2へ、つづけて第2レーンL2から第1レーンL1へ、連続的に車線変更させて車両Cに駐停車車両PCを回避させる(ステップS22)。
これにより、図中の矢印107に示すように、車両Cに、自動の連続的な車線変更で駐停車車両PCを回避させることができる。すなわち、第3の実施形態に係る車両制御方法によれば、自動運転制御における方向指示につき、運転者の意思をユーザビリティ高く介入させることができる。第3の実施形態の詳細については、図8および図9を用いて後述する。
以下、上述した各実施形態に係る車両制御方法を適用した車両制御装置10およびそれを備える車載システム1について、さらに具体的に説明する。
(第1の実施形態)
図2は、第1の実施形態に係る車載システム1のブロック図である。なお、図2では、本実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを機能ブロックで表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
換言すれば、図2に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、各機能ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
なお、図2は、後述する第2および第3の実施形態と共通である。このため、第2および第3の実施形態の詳細な説明の際には、かかるブロック図の説明は省略する。
図2に示すように、車載システム1は、車両制御装置10を備える。車両制御装置10は、車両Cに搭載されたウィンカースイッチ21、カメラ22、レーダ23、車速センサ24、舵角センサ25、スロットル26、ステアリング27、ブレーキ28、ウィンカー29およびナビ装置30のそれぞれと通信可能に接続されている。また、車両制御装置10には、車室内に搭載されたスピーカ31が、音声出力可能に接続されている。
また、車両制御装置10は、制御部11と、記憶部12とを備える。制御部11は、検出部11aと、周囲状況取得部11bと、運転制御部11cとを備える。
記憶部12は、ハードディスクドライブや不揮発性メモリ、レジスタといった記憶デバイスであって、判定情報12aを記憶する。判定情報12aは、運転者による指示動作と、それに対応する運転制御が対応付けられた内容を含む情報である。
たとえば第1の実施形態では、所定の方向指示動作の態様(ACC設定中での車線変更指示)が、先行車LCの追い越しという挙動を指示する追い越し指示に予め対応付けられている。同様に、第2の実施形態では、所定の方向指示動作の態様が、本線への合流という挙動を指示する合流指示に予め対応付けられている。同様に、第3の実施形態では、所定の方向指示動作の態様が、駐停車車両PCの回避という挙動を指示する回避指示に予め対応付けられている。
制御部11は、車両制御装置10全体を制御する。検出部11aは、運転者によるウィンカースイッチ21を介した所定の方向指示動作を検出する。また、検出部11aは、検出結果を運転制御部11cへ出力する。なお、ウィンカースイッチ21は、ウィンカーレバーを含むものであって、かかるウィンカーレバーであれば、所定の方向指示動作は、中立位置(オフ位置)から押し上げまたは押し下げられる操作として検出されることとなる。以下では、ウィンカースイッチ21はウィンカーレバーであるものとして説明を進める。
ここで、図3A〜図3Cを用いて、第1の実施形態に係る方向指示動作についてより具体的に説明しておく。図3A〜図3Cは、第1の実施形態に係る方向指示動作の説明図(その1)〜(その3)である。また、あわせて図3Dを用いて、後述する第2の実施形態に係る方向指示動作についてもここで説明しておく。図3Dは、第2の実施形態に係る方向指示動作の説明図である。
図3Aに示すように、第1の実施形態では、自動運転制御において運転者が追い越し指示に対応する方向指示を行いたい場合の方向指示動作にウィンカースイッチ21を用いることとした。
すなわち、手動の運転制御で通常、方向指示動作に用いられるウィンカースイッチ21を自動運転制御への介入に際しても用いることにより、運転者に直感的に操作させることができる。
また、第1の実施形態では、たとえばACC設定中でのウィンカースイッチ21による1度の方向指示動作が、先行車LCの追い越し指示に対応付けられている。すなわち、図3Aに示すように、ACC設定中において、運転者により、ウィンカースイッチ21が、中立位置から右方向指示の向きへ押し上げられれば、車載システム1は、右側の隣接レーンからの追い越し指示としてこれを検出する。
また、同様に、ACC設定中において、運転者により、ウィンカースイッチ21が、中立位置から左方向指示の向きへ押し下げられれば、車載システム1は、左側の隣接レーンからの追い越し指示としてこれを検出する。
言い換えれば、図3Aに示す例は、車両Cが手動運転中において同じ追い越しという挙動をとる場合にウィンカースイッチ21が操作されるよりも回数が少ない動作である。かかる例によれば、1度の方向指示動作で、連続的に追い越し完了までを実行させることができるので、自動運転制御における方向指示につき、運転者の意思をユーザビリティ高く介入させることができる。
なお、たとえば右側の隣接レーンからの追い越し指示に対応する別の例として、図3Bに示すように、運転者により、ウィンカースイッチ21が、素早く右方向から左方向指示へ切り替えられるように操作されてもよい。言い換えれば、図3Bに示す例は、車両Cが手動運転中において同じ追い越しという挙動をとる場合にウィンカースイッチ21が操作されるよりも操作時間が短い動作である。
右側の隣接レーンからの追い越しの場合、順に右方向指示、左方向指示が必要となるので、かかる図3Bの例によっても運転者に直感的に追い越し指示に対応する操作と想起させやすく、また、かかる指示操作として覚えさせやすくすることができる。すなわち、自動運転制御における方向指示につき、運転者の意思をユーザビリティ高く介入させることができる。
また、たとえば右側の隣接レーンからの追い越し指示に対応するさらに別の例として、図3Cに示すように、運転者により、素早く右方向指示が2回行われるようにしてもよい。
図3Cに示す例も、言い換えれば、車両Cが手動運転中において同じ追い越しという挙動をとる場合にウィンカースイッチ21が操作されるよりも操作時間が短い動作である。かかる場合も、少なくとも右側の隣接レーンからの追い越しを運転者に想起させやすくできるので、自動運転制御における方向指示につき、運転者の意思をユーザビリティ高く介入させることができる。なお、図3A〜図3Cに示した所定の方向指示動作は、後述する第3の実施形態における、駐停車車両PCの回避指示に対応する所定の方向指示動作としても適用することができる。
また、後述する第2の実施形態では、図3Dに示すように、たとえばウィンカースイッチ21が右方向指示から上限位置で保持される方向指示動作が、右側へ本線が存在する場合の合流指示に対応付けられている。すなわち、ウィンカースイッチ21が、中立位置から右方向指示の向きへ押し上げられて保持されれば、車載システム1は、右側の本線への合流指示としてこれを検出する。なお、本線が左側へ存在する場合の合流指示は無論、ウィンカースイッチ21は逆向きへ押し下げられて保持されることとなる。
このように、ウィンカースイッチ21を言わば「長押し」させる操作とすることで、運転者に対し、通過車両PSの状況によっては言わば「待ち」の生じうる合流の指示であると直感的に想起させやすく、また、かかる指示操作として覚えさせやすくすることができる。すなわち、自動運転制御における方向指示につき、運転者の意思をユーザビリティ高く介入させることができる。
なお、図3A〜図3Dでは、ウィンカースイッチ21が、ステアリング27の紙面左側の位置に配置されている場合を例示しているが、ウィンカースイッチ21のステアリング27に対する配置位置を限定するものではない。
たとえば、ウィンカースイッチ21は、ステアリング27の紙面右側の位置に配置されていてもよく、この場合、左方向指示ではウィンカースイッチ21が「押し上げ」られ、右方向指示ではウィンカースイッチ21が「押し下げ」られることとなる。
図2の説明に戻り、次に周囲状況取得部11bについて説明する。周囲状況取得部11bは、カメラ22から撮像情報を取得して、運転制御部11cへ出力する。カメラ22は、たとえばフロントカメラ、バックカメラ、サイドカメラなど、複数個が搭載される。各カメラ22は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を備え、かかる撮像素子によって撮像した車両Cの周囲の撮像情報を運転制御部11cへ出力する。
なお、各カメラ22のレンズには魚眼レンズなどの広角レンズが採用され、各カメラ22は180度以上の画角を有しており、これらを利用することで、車両Cの全周囲を撮影することも可能である。
また、周囲状況取得部11bは、レーダ23から車両Cの周囲の物体検出情報を取得して、運転制御部11cへ出力する。レーダ23は、たとえばミリ波レーダや超音波センサ、赤外線センサなどであり、車両Cの周囲に存在する物体を検出する。かかる物体には、他の走行車両や歩行者などの移動物や、道路標識などの静止物がある。
また、周囲状況取得部11bは、車速センサ24から車両Cの車速情報を取得して、運転制御部11cへ出力する。車速センサ24は、車両Cの車速情報を検出するデバイスである。
また、周囲状況取得部11bは、舵角センサ25から車両Cの舵角情報を取得して、運転制御部11cへ出力する。舵角センサ25は、車両Cの舵角情報を検出するデバイスである。
また、周囲状況取得部11bは、ナビ装置30から車両Cの現在位置情報を取得して、運転制御部11cへ出力する。ナビ装置30は、いわゆるカーナビゲーション装置であって、たとえばGPS(Global Positioning System)衛星からの電波により車両Cの現在位置を取得するとともに、取得した現在位置とかかる現在位置に対応するたとえば地図情報とを、現在位置情報として周囲状況取得部11bへ出力する。
なお、周囲状況取得部11bは、これら車両Cの周囲に関する各種情報(周囲状況)を随時取得して、運転制御部11cへ出力することができる。
運転制御部11cについては、図4Aおよび図4Bを併用して、説明を進める。図4Aおよび図4Bは、第1の実施形態に係る運転制御部11cによる運転制御処理の一例を示す図(その1)および(その2)である。
運転制御部11cは、既に図1Bに示したように、追い越し指示に対応する所定の方向指示動作を検出したならば、これに基づいて加速しつつ、車両Cを連続的に車線変更させて先行車LCを追い越しさせるように運転制御を実行する。
なお、このとき、運転制御部11cは、周囲状況取得部11bによって取得された周囲状況に応じた舵角および車速で、車両Cを連続的に車線変更させて先行車LCを追い越しさせるように運転制御を実行する。
具体的には、上述した周囲状況に応じて、スロットル26、ステアリング27およびブレーキ28の各制御量を算出し、これら制御量によってスロットル26、ステアリング27およびブレーキ28を制御することによって、操舵および加減速の運転制御を実行する。
なお、追い越し時にも、たとえば先行車LCが急加速する場合などの周囲状況の変化が考えられるので、たとえば加速の制御量が上限閾値を超えれば、減速して元のレーンに戻るなど、減速制御するケースも起こり得ると考えられる。
また、運転制御部11cは、追い越しに際して、車線変更時に対応する方向のウィンカー29を点滅させる。
また、追い越しにおいて元のレーンへ戻るとき、図4Aに示すように、たとえばスピーカ31から「左側レーンに戻ります」といった内容のアナウンスを音声出力してもよい。
また、運転制御部11cは、周囲状況に応じて、図4Bに示すようにたとえば先行車LCが連なっていれば、その連なりの先頭車両の前で車線変更して元のレーンへ戻るように、運転制御を実行する。連なりの先頭車両は、その先頭車両のさらに先行車LCとの車間距離を周囲状況に基づいて測距することで判定することができる。
言い換えれば、運転制御部11cは、追い越しにより車両Cが通過した先行車LCの前方が、周囲状況に基づいて所定の車間距離以上空いていると判定される場合に、車両Cが元のレーンに戻るように運転制御を実行する。
これにより、自動運転制御において、車間距離を確保した安全な先行車LCの追い越しという挙動を車両Cにとらせることができる。
次に、第1の実施形態に係る車両制御装置10が実行する、運転者による追い越し指示動作を自動運転制御に介入させる場合の処理手順について、図5を用いて説明する。図5は、第1の実施形態に係る車両制御装置10が実行する、運転者による追い越し指示動作を自動運転制御に介入させる場合の処理手順を示すフローチャートである。
図5に示すように、まず制御部11が、自動運転中であるか否かを判定する(ステップS101)。ここで、自動運転中であると判定される場合(ステップS101,Yes)、ACC設定中であるか否かが判定される(ステップS102)。
ここで、ACC設定中であると判定される場合(ステップS102,Yes)、先行車速度がたとえば(ACC設定速度−10km/h)以下であるか否かが判定される(ステップS103)。これは、先行車LCが車両Cに対し大幅に遅いか否かを示すものである。
ここで、ステップS103の判定条件を満たす場合(ステップS103,Yes)、運転者からの追い越し指示に対応する所定の方向指示動作があるか否かが判定される(ステップS104)。これは、検出部11aにより、かかる方向指示動作が検出されているか否かに対応する。
ここで、かかる方向指示動作が検出されている場合(ステップS104,Yes)、具体的には、ウィンカースイッチ21に対し、図3A〜図3Cに示した方向指示動作がなされている場合、運転制御部11cが、車両Cを隣接レーンへ車線変更して先行車LCの側方を通過させ(ステップS105)、車両Cにさらに隣接レーンを走行させる(ステップS106)。
そして、運転制御部11cは、周囲状況取得部11bによって取得された周囲状況、たとえば先行車LCの前方の車間距離などに応じて、安全に元のレーンへ戻ることが可能か否かを判定する(ステップS107)。
ここで、ステップS107の判定条件を満たす場合(ステップS107,Yes)、運転制御部11cは、車両Cを元のレーンへ車線変更させて(ステップS108)、処理を終了する。
なお、ステップS107の判定条件を満たさない場合(ステップS107,No)、ステップS106からの処理を繰り返す。
また、ステップS101〜S104それぞれの判定条件を満たさない場合(ステップS101,No/ステップS102,No/ステップS103,No/ステップS104,No)、処理を終了する。
上述してきたように、第1の実施形態に係る車両制御装置10は、運転制御部11cと、検出部11aと、周囲状況取得部11b(「取得部」の一例に相当)とを備える。運転制御部11cは、複数の運転制御を並行して実行することによって、少なくとも運転者から所定の方向指示動作を受け付け可能である自動運転で車両Cを走行させる。また、検出部11aは、自動運転中の方向指示動作を検出する。
また、周囲状況取得部11bは、車両Cの周囲状況を取得する。また、運転制御部11cは、検出部11aによって方向指示動作が検出される場合に、かかる方向指示動作に予め対応付けられた挙動を、周囲状況取得部11bによって取得された周囲状況に応じつつ車両がとるように運転制御を実行する。
したがって、第1の実施形態に係る車両制御装置10によれば、自動運転制御における方向指示につき、運転者の意思をユーザビリティ高く介入させることができる。
また、第1の実施形態に係る所定の方向指示動作は、ウィンカースイッチ21を介するものであって、車両Cが手動運転中において上記挙動をとる場合にウィンカースイッチ21が操作されるよりも回数が少ないまたは操作時間が短い動作である。
また、第1の実施形態に係る運転制御部11cは、自動運転に自動追従機能が含まれ、かつ、周囲状況に基づいて車両Cの先行車LCの速度が自動追従機能の設定速度よりも低い所定速度以下であると判定される場合に、検出部11aにより方向指示動作が検出されたならば、上記挙動が先行車LCの追い越しであると判定し、車両Cが上記挙動をとるように運転制御を実行する。
したがって、第1の実施形態に係る車両制御装置10によれば、自動運転制御における追い越し指示に対応する方向指示につき、運転者の意思をユーザビリティ高く介入させることができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態の詳細について、図6A〜図6Fを用いて説明する。図6A〜図6Fは、第2の実施形態に係る運転制御部11cによる運転制御処理の一例を示す図(その1)〜(その6)である。
第2の実施形態に係る運転制御部11cは、既に図1Dに示したように、合流指示に対応する所定の方向指示動作を検出したならば、これに基づき、通過車両PSの状況に応じて加減速制御および操舵制御しつつ、車両Cを本線へ進入させて合流させる。
なお、ここでは、第1レーンL1の左側に加速レーンALが接続された合流地点に通過車両PSがある場合を考える。具体的には、第2の実施形態では、合流指示に対応する所定の方向指示動作として、図3Dに示した方向指示動作を用いることができる。
すなわち、第2の実施形態では、図6Aに示すように、合流地点を前に、運転者が右方向指示を保持する所定の方向指示動作を行う(ステップS31)。
そして、かかる方向指示動作の検出により合流指示がなされたと判定されたならば、第2の実施形態に係る運転制御部11cは、周囲状況取得部11bによって取得された周囲状況に基づいて加速レーンALを測距し、自車両の加速能力および通過車両PSの状況からこのままの合流は不可であると判定されるならば、加速レーンALを確保し、車両Cを停車させる(ステップS32)。そして、運転制御部11cは、通過車両PSの速度を計測する(ステップS33)。かかる計測は、自車に対する通過車両PSの相対速度から演算されてもよい。
そして、図6Bに示すように、運転制御部11cは、合流可能に通過車両PSが途切れた時点で、計測した通過車両PSの速度まで加速する(ステップS34)。かかる加速には、確保していた加速レーンALが用いられる。
そして、図6Cに示すように、運転制御部11cは、運転者のウィンカースイッチ21に対する右方向指示の解除で、車両Cにそのレーン(ここでは、第1レーンL1)を走行させる(ステップS35)。
なお、図6Dに示すように、運転制御部11cは、方向指示の保持の解除まで、すなわちウィンカースイッチ21の「長押し」が継続中状態である間、連続的に車両Cを車線変更させる運転制御を実行することができる(ステップS36)。図6Dには、車両Cが第1レーンL1を経て第2レーンL2まで車線変更した時点で方向指示の保持が解除された場合を示している。かかる解除の後、車両Cは第2レーンL2を走行することとなる。
かかる図6Dに示す例は、たとえば本線から分岐する分岐レーンBLへの進路変更にも適用することができる。具体的には、図6Eに示すように、第1レーンL1から左側に分岐レーンBLが延び、第2レーンL2を車両Cが走行している場合を考える。
かかる場合、ウィンカースイッチ21が、左方向指示で「長押し」される継続中状態である間、運転制御部11cは、車両Cを第2レーンL2から第1レーンL1、第1レーンL1から分岐レーンBLへと、連続的に車線変更または進路変更させることができる。
図6Dおよび図6Eの例に示したように、所定の方向指示動作を、ウィンカースイッチ21を「長押し」させる操作とすることによって、運転者に対し、連続的な車線変更または進路変更の指示であると直感的に想起させやすく、また、かかる指示操作として覚えさせやすくすることができる。すなわち、自動運転制御における車線変更または進路変更につき、運転者の意思をユーザビリティ高く介入させることができる。
このような連続的な車線変更または進路変更の場面でも、運転制御部11cは、合流などの場合と同様に、周囲状況取得部11bによって取得された周囲状況に応じた車両Cの加減速制御を実行する。
具体的には、図6Fに示すように、運転制御部11cは、連続的な車線変更または進路変更を受け付けたが、周囲状況取得部11bによって取得された周囲状況から隣接車ACが存在すると判定される場合に、たとえば隣接車ACに先行させた後、進路変更できるように、車両Cの加減速制御を実行する(ステップS37)。
これにより、運転者を含む車両Cの搭乗者の安全性を確保することができる。言い換えれば、自動運転における信頼性を担保しつつ、連続的な車線変更または進路変更を行うことができる。
次に、第2の実施形態に係る車両制御装置10が実行する、運転者による合流指示動作を自動運転制御に介入させる場合の処理手順について、図7を用いて説明する。図7は、第3の実施形態に係る車両制御装置10が実行する、運転者による合流指示動作を自動運転制御に介入させる場合の処理手順を示すフローチャートである。
図7に示すように、まず制御部11が、自動運転中であるか否かを判定する(ステップS201)。ここで、自動運転中であると判定される場合(ステップS201,Yes)、運転制御部11cが、停車可能な合流地点であるか否かを判定する(ステップS202)。かかる判定には、周囲状況取得部11bによって取得された周囲状況に含まれる現在位置情報などが用いられる。
ここで、停車可能な合流地点であると判定される場合(ステップS202,Yes)、運転者からの合流指示に対応する所定の方向指示動作があるか否かが判定される(ステップS203)。これは、検出部11aにより、かかる方向指示動作が検出されているか否かに対応する。
ここで、かかる方向指示動作が検出されている場合(ステップS203,Yes)、具体的には、ウィンカースイッチ21に対し、図3Dに示した方向指示動作がなされている場合、運転制御部11cが、周囲状況に基づき、通過車両PSなく、安全に合流可能であるか否かを判定する(ステップS204)。
ここで、通過車両PSなく、安全に合流可能であると判定される場合(ステップS204,Yes)、運転制御部11cは、車両Cが車線変更し、本線へ進入するように(ステップS205)、運転制御を実行して、処理を終了する。
一方、ステップS204の判定条件を満たさない場合(ステップS204,No)、運転制御部11cは、車両Cを、加速レーンALの距離を確保して停車させる(ステップS206)。そして、運転制御部11cは、通過車両PSの速度を計測する(ステップS207)。
そして、運転制御部11cは、つづいて、計測した速度で安全に合流可能であるか否かを判定する(ステップS208)。ここで、計測した速度で安全に合流可能であると判定される場合(ステップS208,Yes)、運転制御部11cは、車両Cが、計測した速度まで加速しつつ車線変更し、本線へ進入するように(ステップS209)、運転制御を実行して、処理を終了する。
一方、ステップS208の判定条件を満たさない場合(ステップS208,No)、
ステップS207からの処理を繰り返す。
また、ステップS201〜S203それぞれの判定条件を満たさない場合(ステップS201,No/ステップS202,No/ステップS203,No)、処理を終了する。
上述してきたように、第2の実施形態に係る所定の方向指示動作は、ウィンカースイッチ21を介するものであって、運転者によりウィンカースイッチ21が中立位置(オフ位置)から操作されたまま(すなわち、押し上げまたは押し下げられたまま)保持される動作である。
また、第2の実施形態に係る運転制御部11cは、周囲状況に基づいて現在位置が停車可能な合流地点であると判定される場合に、検出部11aにより上記方向指示動作が検出されたならば、上記方向指示動作に予め対応付けられた挙動が本線に対する合流であると判定し、車両Cが上記挙動をとるように運転制御を実行する。
したがって、第2の実施形態に係る車両制御装置10によれば、自動運転制御における合流指示に対応する方向指示につき、運転者の意思をユーザビリティ高く介入させることができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態の詳細について、図8を用いて説明する。図8は、第3の実施形態に係る運転制御部11cによる運転制御処理の一例を示す図である。
第3の実施形態に係る運転制御部11cは、既に図1Fに示したように、回避指示に対応する所定の方向指示動作を検出したならば、駐停車車両PCの状況に応じて減速および操舵制御しつつ、車両Cを連続的に車線変更させて駐停車車両PCを回避させるように運転制御を実行する。
具体的には、第3の実施形態では、第1の実施形態の場合と同様に、図3A〜図3Cに示した各方向指示動作を、回避指示に対応する所定の方向指示動作として用いることができる。これにより、自動運転制御における駐停車車両PCの回避指示に対応する方向指示につき、運転者の意思をユーザビリティ高く介入させることができる。
また、図8に示すように、第3の実施形態に係る運転制御部11cは、周囲状況取得部11bによって取得された周囲状況に含まれる駐停車車両PCの状況に基づき、たとえば車両Cが駐停車車両PCの側方を通過する際の距離dを調整しつつ、車両Cに駐停車車両PCを回避させる。距離dは、車両Cが駐停車車両PCの側方を通過する際に対向する車体側面同士の離間距離である。
たとえば、車両C側が駐停車車両PCを認識した時点から駐停車車両PCの速度が0km/hであり、かつ、駐停車車両PCの周囲や内部に人の存在が認められないならば、人の乗降のために突然ドアが開いたりする可能性は低いと考えられるので、距離dをより小さくして車両Cに駐停車車両PCの側方を通過させてもよい。このとき、第2レーンL2側に存在する物体などの状況も加味して、たとえば車両Cに第1レーンL1および第2レーンL2の間を走行させてもよい。
一方、たとえば、車両C側が駐停車車両PCを認識した時点から後に駐停車車両PCの速度が0km/hへ至ったのであれば、停車直後であり、たとえば運転者の降車のために突然ドアが開くことが考えられるので、距離dをより大きくして車両Cに駐停車車両PCの側方を通過させてもよい。また、このとき、より低速で車両Cに駐停車車両PCの側方を通過させてもよい。これにより、実際に駐停車車両PCのドアが開いたり、人が降車したりした場合の危険性を低下させ、安全性を確保しながら、車両Cに駐停車車両PCを回避させることができる。
また、図示していないが、第1の実施形態の場合と同様に、第3の実施形態でも、運転制御部11cは、回避により車両Cが通過した駐停車車両PCの前方が、周囲状況に基づいて所定の車間距離以上空いていると判定される場合に、車両Cが元のレーンに戻るように運転制御を実行する。
これにより、自動運転制御において、車間距離を確保した安全な駐停車車両PCの回避という挙動を車両Cにとらせることができる。
次に、第3の実施形態に係る車両制御装置10が実行する、運転者による回避指示動作を自動運転制御に介入させる場合の処理手順について、図9を用いて説明する。図9は、第3の実施形態に係る車両制御装置10が実行する、運転者による回避指示動作を自動運転制御に介入させる場合の処理手順を示すフローチャートである。
図9に示すように、まず制御部11が、自動運転中であるか否かを判定する(ステップS301)。ここで、自動運転中であると判定される場合(ステップS301,Yes)、前方に駐停車車両PCがあるか否かが判定される(ステップS302)。
ここで、前方に駐停車車両PCがあると判定される場合(ステップS302,Yes)、運転者からの回避指示に対応する所定の方向指示動作があるか否かが判定される(ステップS303)。これは、検出部11aにより、かかる方向指示動作が検出されているか否かに対応する。
ここで、かかる方向指示動作が検出されている場合(ステップS303,Yes)、具体的には、ウィンカースイッチ21に対し、図3A〜図3Cに示した方向指示動作がなされている場合、運転制御部11cが、車両Cを隣接レーンへ車線変更して駐停車車両PCの側方を通過させ(ステップS304)、車両Cにさらに隣接レーンを走行させる(ステップS305)。隣接レーンと元のレーンとの間でもよい。
そして、運転制御部11cは、周囲状況取得部11bによって取得された周囲状況、たとえば駐停車車両PCの前方の車間距離などに応じて、安全に元のレーンへ戻ることが可能か否かを判定する(ステップS306)。
ここで、ステップS306の判定条件を満たす場合(ステップS306,Yes)、運転制御部11cは、車両Cを元のレーンへ車線変更させて(ステップS307)、処理を終了する。
なお、ステップS306の判定条件を満たさない場合(ステップS306,No)、ステップS305からの処理を繰り返す。
また、ステップS301〜S303それぞれの判定条件を満たさない場合(ステップS301,No/ステップS302,No/ステップS303,No)、処理を終了する。
上述してきたように、第3の実施形態に係る所定の方向指示動作は、ウィンカースイッチ21を介するものであって、かかる方向指示動作に予め対応付けられた挙動を、車両Cが手動運転中においてとる場合にウィンカースイッチ21が操作されるよりも回数が少ないまたは操作時間が短い動作である。
また、第3の実施形態に係る運転制御部11cは、周囲状況に基づいて車両Cの前方に駐停車車両PCがあると判定される場合に、検出部11aにより上記方向指示動作が検出されたならば、上記挙動が駐停車車両PCの回避であると判定し、車両Cが上記挙動をとるように運転制御を実行する。
したがって、第3の実施形態に係る車両制御装置10によれば、自動運転制御における駐停車車両PCの回避指示に対応する方向指示につき、運転者の意思をユーザビリティ高く介入させることができる。
なお、上述した実施形態では、方向指示動作がウィンカースイッチ21を介するものとして説明を行ったが、方向指示動作の態様を限定するものではない。たとえば、ボタン状の方向指示ボタンにより方向指示動作を受け付け可能としたうえで、かかる方向指示ボタンを1度だけ押したり、素早く2回押したり、押し続けたりする操作を、図3A〜図3Dに示した各例に対応付けることとしてもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 車載システム
10 車両制御装置
11a 検出部
11b 周囲状況取得部
11c 運転制御部
21 ウィンカースイッチ
C 車両
LC 先行車
PC 駐停車車両

Claims (9)

  1. 複数の運転制御を並行して実行することによって、少なくとも運転者から所定の方向指示動作を受け付け可能である自動運転で車両を走行させる運転制御部と、
    前記自動運転中の前記方向指示動作を検出する検出部と、
    前記車両の周囲状況を取得する取得部と
    を備え、
    前記運転制御部は、
    前記検出部によって前記方向指示動作が検出される場合に、該方向指示動作に予め対応付けられた挙動を、前記取得部によって取得された前記周囲状況に応じつつ前記車両がとるように前記運転制御を実行すること
    を特徴とする車両制御装置。
  2. 前記方向指示動作は、
    ウィンカースイッチを介するものであって、前記車両が手動運転中において前記挙動をとる場合に前記ウィンカースイッチが操作されるよりも回数が少ないまたは操作時間が短い動作であること
    を特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
  3. 前記方向指示動作は、
    ウィンカースイッチを介するものであって、前記運転者により前記ウィンカースイッチが操作されたまま保持される動作であること
    を特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
  4. 前記運転制御部は、
    前記自動運転に自動追従機能が含まれ、かつ、前記周囲状況に基づいて前記車両の先行車の速度が前記自動追従機能の設定速度よりも低い所定速度以下であると判定される場合に、前記検出部により前記方向指示動作が検出されたならば、前記挙動が前記先行車の追い越しであると判定し、前記車両が前記挙動をとるように前記運転制御を実行すること
    を特徴とする請求項2に記載の車両制御装置。
  5. 前記運転制御部は、
    前記周囲状況に基づいて前記車両の前方に駐停車車両があると判定される場合に、前記検出部により前記方向指示動作が検出されたならば、前記挙動が前記駐停車車両の回避であると判定し、前記車両が前記挙動をとるように前記運転制御を実行すること
    を特徴とする請求項2に記載の車両制御装置。
  6. 前記運転制御部は、
    前記周囲状況に基づいて現在位置が停車可能な合流地点であると判定される場合に、前記検出部により前記方向指示動作が検出されたならば、前記挙動が本線に対する合流であると判定し、前記車両が前記挙動をとるように前記運転制御を実行すること
    を特徴とする請求項3に記載の車両制御装置。
  7. 前記運転制御部は、
    前記追い越しにより前記車両が通過した前記先行車の前方が、前記周囲状況に基づいて所定の車間距離以上空いていると判定される場合に、前記車両が元の車線に戻るように前記運転制御を実行すること
    を特徴とする請求項4に記載の車両制御装置。
  8. 前記運転制御部は、
    前記周囲状況に含まれる前記駐停車車両の状況に基づき、前記車両が前記駐停車車両の側方を通過する際に対向する車体側面同士の離間距離を調整しつつ、前記車両に前記駐停車車両を回避させること
    を特徴とする請求項5に記載の車両制御装置。
  9. 複数の運転制御を並行して実行することによって、少なくとも運転者から所定の方向指示動作を受け付け可能である自動運転で車両を走行させる運転制御工程と、
    前記自動運転中の前記方向指示動作を検出する検出工程と、
    前記車両の周囲状況を取得する取得工程と
    を含み、
    前記運転制御工程は、
    前記検出工程によって前記方向指示動作が検出される場合に、該方向指示動作に予め対応付けられた挙動を、前記取得工程によって取得された前記周囲状況に応じつつ前記車両がとるように前記運転制御を実行すること
    を特徴とする車両制御方法。
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