JP2018105784A - 振動素子の製造方法 - Google Patents

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史生 市川
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Abstract

【課題】生産性を高め、不要信号が低減された複数の振動素子を得ることできる振動素子の製造方法を提供すること。【解決手段】基部と、駆動用電極が設けられた駆動腕と、検出用電極が設けられた検出腕と、を備える振動片が複数形成されたウェハーを用意する用意工程と、前記振動片の各々において、前記検出腕の前記駆動振動の方向に交差する方向の振動により生じる出力値を検出する検出工程と、前記振動片の各々に対して、前記駆動腕の前記交差する方向の振動が小さくなるように前記駆動腕の一部を除去する除去領域を決定する決定工程と、前記振動片の各々に対して前記駆動用電極の少なくとも一部を除去する電極除去工程と、レジスト膜形成工程と、前記振動片の各々に対して、前記除去領域をエッチングにより除去する除去工程と、前記振動片の各々に対して、電極形成工程と、を含むことを特徴とする振動素子の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、振動素子の製造方法に関するものである。
近年、シリコンMEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を用いた物理量センサーが開発されている。物理量センサーのなかでも角速度を検出するジャイロセンサーは、例えば、ゲーム機のモーションセンシング機能などの用途で急速に広がりつつある。
このようなジャイロセンサーの一例として、例えば特許文献1には、基部と、基部からY’軸方向に伸びる駆動脚および検出脚と、を有する振動子(振動素子)が開示されている。この振動子では、駆動脚がX’軸およびY’軸を含む面内方向に駆動振動している状態でY’軸回りに回転が加わると、コリオリ力が発生して、検出脚が面外方向に検出振動する。この検出振動を検知することにより、回転の角速度を検出することができる。
また、特許文献1に記載の振動子では、ノイズやドリフトの原因となる駆動脚の外形加工のばらつきに伴って生じる面外方向の振動を低減するように、レーザーにより駆動脚の一部を除去している。
特開2007−279022号公報
しかし、特許文献1に記載の振動子の製造方法では、複数の振動片を製造する際、振動子に1つずつレーザー照射していくため、生産性が大幅に低下してしまう。また、かかる振動子の製造方法では、加工精度(特に深さ方向の精度)が低く、不要信号を十分に低減できない場合がある。
本発明の目的は、生産性を高め、不要信号が低減された複数の振動素子を得ることができる振動素子の製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の振動素子の製造方法は、互いに表裏関係にある2つの主面を有し、基部と、前記基部から延出し、駆動用電極が設けられた駆動腕と、前記基部から延出し、検出用電極が設けられた検出腕と、を備える振動片が複数形成されたウェハーを用意する用意工程と、
前記振動片の各々において、前記駆動用電極と前記検出用電極とに検査用回路を接続して、前記駆動腕を駆動振動させ、前記検出腕の前記駆動振動の方向に交差する方向の振動により生じる出力値を検出する検出工程と、
前記振動片の各々に対して、前記出力値に基づいて、前記駆動腕の前記交差する方向の振動が小さくなるように前記駆動腕の一部を除去する除去領域を決定する決定工程と、
前記振動片の各々に対して、前記除去領域上に設けられた前記駆動用電極を含むように、前記駆動用電極の少なくとも一部を除去する電極除去工程と、
前記駆動腕の前記除去領域を含む領域上にレジストを塗布してレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、
前記振動片の各々に対して、前記レジスト膜の前記除去領域に対応する部分に露光処理を行い、前記部分を除去して開口部を形成した後、前記開口部を有する前記レジスト膜をマスクとして前記除去領域をエッチングにより除去する除去工程と、
前記振動片の各々に対して、前記駆動腕に駆動用電極を形成する電極形成工程と、を含むことを特徴とする。
このような本発明の振動素子の製造方法によれば、各々の振動片に対して、駆動腕の駆動振動の方向(面内方向)に交差する方向(面外方向)の振動が小さくなるように駆動腕の一部を除去する除去領域(除去予定領域)を決定し、その除去領域を除去しているため、駆動振動の方向に交差する方向の振動に基づく不要信号が低減された振動素子を複数得ることができる。また、複数の振動素子の検出精度のばらつきを低減することができる。また、本発明の振動素子の製造方法では、エッチングを用いているため、駆動腕の一部の除去を複数の振動素子について一括して行うことができる。そのため、生産性を高めることができる。また、駆動腕の一部の除去をエッチングで行っているため、加工精度(特に深さ方向の精度)を高めることができる。
本発明の振動素子の製造方法では、前記除去領域は、前記駆動腕の延出方向に沿って延びていることが好ましい。
これにより、延出方向における長さを調整することで、各振動片について面外方向の振動が小さくなるような除去領域を比較的簡単に決定することができる。
本発明の振動素子の製造方法では、前記除去領域は、前記ウェハーの2つの前記主面に対して設けることが好ましい。
これにより、駆動腕の2つの主面側の一部をそれぞれ除去することができるので、不要信号がより低減された振動素子を得ることができる。
本発明の振動素子の製造方法では、前記電極除去工程においては、前記用意工程で用意した前記駆動用電極を全て除去することが好ましい。
これにより、電極除去を例えばエッチング等により一括して除去することができるため、電極除去を迅速に行うことができる。
本発明の振動素子の製造方法では、前記露光処理では、マスクレス露光を行うことが好ましい。
これにより、フォトマスクを作成する手間を省くことができ、また、レジスト膜の除去領域に対応した部分をより高精度に露光することができる。
ここで、「マスクレス露光」とは、フォトマスクを用いることなく行う露光のことであり、除去領域のデータに基づいて生成された露光パターンデータを基に光学素子を制御することにより露光光をレジスト膜に照射する露光方法のことを言う。
本発明の振動素子の製造方法では、前記エッチングは、ウェットエッチングであることが好ましい。
これにより、複数の駆動腕の除去領域をより効率よく一括して除去することができる。
本発明の振動素子の製造方法では、前記決定工程においては、前記出力値に基づいて前記除去領域に関するデータを演算することが好ましい。
これにより、各振動片について、面外方向の振動が小さくなるような除去領域をより高精度に決定することができる。
本発明の振動素子の製造方法では、各々の前記振動片は、前記基部から延出し、調整用電極が設けられた調整腕を有することが好ましい。
これにより、不要信号がさらに低減された複数の振動素子を得ることができる。
なお、本発明の振動素子の製造方法によれば、調整腕を有さずとも、不要信号が低減された複数の振動素子を得ることができる。
本発明の振動素子の製造方法では、前記駆動腕は、前記主面に開口する凹部を有することが好ましい。
これにより、除去領域の除去において、除去領域の幅の制御が容易となる。そのため、より高精度に除去領域の除去を行うことができる。
本発明の振動素子の製造方法では、前記駆動腕は、2つの前記主面の双方に開口した貫通孔を有することが好ましい。
これにより、除去領域の除去において、除去領域の幅の制御が容易となる。そのため、より高精度に除去領域の除去を行うことができる。
本発明の振動素子の製造方法では、前記用意工程において、前記振動片は、前記駆動腕としての第1駆動腕および第2駆動腕と、前記基部から前記第1駆動腕および前記第2駆動腕とは反対方向に延出している前記検出腕としての第1検出腕および第2検出腕とを有し、前記第1駆動腕および前記第2駆動腕には、それぞれ、前記駆動用電極が設けられており、前記第1検出腕および前記第2検出腕には、それぞれ、前記検出用電極が設けられていることが好ましい。
これにより、いわゆるH型のジャイロ素子を実現することができる。このような構成の振動片においても、第1駆動腕および第2駆動腕について除去領域を除去しているため、面外方向の振動に基づく不要信号を効果的に低減することができる。
本発明の振動素子の製造方法では、前記用意工程において、前記振動片は、前記駆動腕および前記検出腕の少なくとも一方として機能する第1振動腕と、前記駆動腕および前記検出腕の少なくとも一方として機能する第2振動腕と、を有し、前記第1振動腕および前記第2振動腕の少なくとも一方には、前記駆動用電極が設けられており、前記第1振動腕および前記第2振動腕の少なくとも他方には、前記検出用電極が設けられていることが好ましい。
これにより、いわゆる音叉型のジャイロ素子を実現することができる。このような構成の振動片においても、振動腕について除去領域を除去しているため、面外方向の振動に基づく不要信号を効果的に低減することができる。
本発明の第1実施形態に係る振動素子を示す平面図である。 図1に示す振動素子における振動片の斜視図である。 図1中のA−A線断面図である。 図1中のB−B線断面図である。 図1中のC−C線断面図である。 図1に示す振動素子における駆動腕の斜視図である。 図1に示す振動素子の製造方法を説明するフローチャートである。 図7に示す用意工程を説明する平面図である。 図7に示す用意工程を説明する平面図である。 図7に示す検出工程を説明する平面図である。 図7に示す検出工程を説明する断面図である。 図7に示す検出工程で検出した機械漏れと傾斜角度θとの関係を示すグラフである。 図7に示す決定工程で決定する除去領域を示す平面図である。 図7に示す決定工程で決定する除去領域を示す断面図である。 図7に示す決定工程で決定する除去領域の機械漏れと深さdとの関係を示すグラフである。 図7に示す決定工程で決定する除去領域の機械漏れと長さLとの関係を示すグラフである。 図7に示す電極除去工程を説明する図である。 図7に示すレジスト膜形成工程を説明する断面図である。 図7に示す除去工程を説明する断面図である。 図7に示す除去工程を説明する断面図である。 図7に示す除去工程を説明する断面図である。 本発明の第2実施形態に係る振動素子の駆動腕を示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係る振動素子の駆動腕を示す断面図である。 本発明の第4実施形態に係る振動素子を示す平面図である。 図24中のD−D線断面図である。 振動素子を備えた振動デバイスの一例を示す断面図である。 振動素子を備えたモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図である。 振動素子を備えた携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。 振動素子を備えたディジタルカメラの構成を示す斜視図である。 振動素子を備えた移動体の一例を示す斜視図である。
以下、本発明の振動素子の製造方法を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る振動素子を示す平面図である。図2は、図1に示す振動素子における振動片の斜視図である。図3は、図1中のA−A線断面図である。図4は、図1中のB−B線断面図である。図5は、図1中のC−C線断面図である。図6は、図1に示す振動素子における駆動腕の斜視図である。なお、以下では、説明の便宜上、各図において、互いに直交する3つの軸として、x軸、y軸およびz軸を図示しており、各軸を示す矢印の先端側を「+」、基端側を「−」とする。また、x軸に平行な方向を「x軸方向」、y軸に平行な方向を「y軸方向(第1方向)」、z軸に平行な方向を「z軸方向」という。また、+z軸方向側を「上」、−z軸方向側を「下」とも言う。
図1に示す振動素子1は、後述する振動素子1の製造方法により製造されたものであり、角速度を検知することのできる角速度検出素子(ジャイロ素子)である。この振動素子1は、振動片2(図2参照)と、振動片2に形成された電極パターン5と、を有している。
[振動片]
図2に示す振動片2の構成材料としては、例えば、水晶、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電単結晶や圧電セラミックス等の圧電材料が挙げられる。これらの中でも、水晶を用いることがより好ましい。これにより、他の材料と比較して優れた周波数温度特性を有する振動素子1が得られる。なお、以下では、振動片2を水晶で構成した場合について説明する。
振動片2は、水晶基板の結晶軸であるY軸(機械軸)およびX軸(電気軸)で規定されるXY平面に広がりを有し、Z軸(光軸)方向に厚みを有する板状をなしている。すなわち、振動片2は、Zカット水晶板で構成されている。また、図1〜図6に図示しているx軸、y軸およびz軸は、水晶基板の結晶軸であるX軸、Y軸およびZ軸に対応している。なお、Z軸は、振動片2の厚さ方向と必ずしも一致している必要はなく、常温近傍における周波数の温度による変化を小さくする観点から、厚さ方向に対して若干傾けてもよい。具体的には、Zカット水晶板とは、Z軸に直交した面をX軸およびY軸の少なくとも一方を中心に0度〜10度の範囲で回転させた面が、主面となるようなカット角の水晶板を含む。
この振動片2は、基部21と、基部21から延出している1対の駆動腕221、222(駆動振動腕)、1対の検出腕231、232(検出振動腕)および1対の調整腕241、242(調製振動腕)と、支持部25と、基部21と支持部25とを連結する4つの連結部261、262、263、264とを有し、これらが一体的に形成されている。
(駆動腕)
駆動腕221、222は、x軸方向に沿って並んで配置され、それぞれ、基部21から−y軸方向(第1方向)に延出している。
駆動腕221には、z軸方向に貫通する複数の貫通孔2211が形成されている。そのため、図4に示すように、各貫通孔2211は、互いに表裏関係にある第1主面201(主面)および第2主面202(主面)のそれぞれに開口している。また、図2に示すように、複数の貫通孔2211は、y軸方向に並んで互いに離間して配置されている。同様に、駆動腕222には、複数の貫通孔2221が形成されている。
図3に示すように、駆動腕221の断面形状は、ほぼ平行四辺形状をなす。そのため、本実施形態では、駆動腕221の第1主面201を延長した仮想面と+x軸側の側面を延長した仮想面とのなす角度θ1は、鋭角(90°未満)であり、駆動腕221の第1主面201と−x軸側の側面とのなす角度θ2は、鈍角(90°以上)である。また、駆動腕221の第2主面202と−x軸側の側面とのなす角度θ3は、鋭角(90°未満)であり、駆動腕221の第2主面202と+x軸側の側面とのなす角度θ4は、鈍角(90°以上)である。また、駆動腕222の断面形状も、同様に、ほぼ平行四辺形状をなす。
また、駆動腕221の第1主面201には、段差部270が設けられている。段差部270は、xy平面に沿った第1面271および第2面272と、第1面271と第2面272とを繋ぎ、yz平面に沿った第3面273(段差面)とを有する。
第1面271は、駆動腕221の−x軸側に位置し、第2面272は、駆動腕221の+x軸側に位置する。また、第1面271の位置は、第2面272の位置よりも+z軸側に位置している。そのため、駆動腕221の−x軸側の部分の高さ(z軸方向に沿った長さ)は、駆動腕221の+x軸側の部分の高さよりも高くなっている。
また、第3面273は、駆動腕221の第1主面201の幅方向(x軸方向)における中央部に設けられている。
同様に、駆動腕222の第1主面201には、段差部280が設けられている。段差部280は、段差部270と同様の構成である。すなわち、段差部280は、第1面281、第2面282と、第3面273(段差面)とを有する。
また、図2に示すように、本実施形態では、駆動腕221、222の先端部の幅(x軸方向の長さ)が広くなっているが、これに限定されず、例えば、駆動腕221、222の各幅は、一定であっても、基部側から先端部側に向かって徐々に幅が広がっていたり、基部側から先端部側に向かって徐々に幅が狭くなっていたりしてもよい。また、駆動腕221、222の各々は、幅が異なる3つ以上の領域を有していてもよい。
(検出腕)
図2に示すように、検出腕231、232は、x軸方向に沿って並んで配置され、それぞれ、基部21から+y軸方向に延出している。
検出腕231には、z軸方向に貫通する複数の貫通孔2311が形成されている。そのため、図5に示すように、貫通孔2311は、第1主面201および第2主面202のそれぞれに開口していてる。また、図2に示すように、複数の貫通孔2311は、y軸方向に並んで離間して配置されている。各貫通孔2311は、平面視でy軸方向に沿って延びている長手形状をなす。同様に、検出腕232には、複数の貫通孔2321が形成されている。
また、本実施形態では、図5に示すように、検出腕231、232の断面形状は、それぞれ、ほぼ平行四辺形状をなす。
なお、図2に示すように、本実施形態では、検出腕231、232の先端部の幅(x軸方向の長さ)が広くなっているが、これに限定されず、例えば、検出腕231、232の各幅が一定であっても、基部側から先端部側に向かって徐々に幅が広がっていたり、基部側から先端部側に向かって徐々に幅が狭くなっていたりしてもよい。また、検出腕231、232の各々は、幅が異なる3つ以上の領域を有していてもよい。
(調製腕)
図2に示すように、調整腕241、242は、前述した1対の検出腕231、232を挟むようにしてx軸方向に沿って並んで配置され、それぞれ、基部21から+y軸方向に延出している。
また、本実施形態では、図5に示すように、調整腕241、242の断面形状は、それぞれ、ほぼ平行四辺形状をなす。
なお、図示では、調整腕241、242の先端部の幅(x軸方向の長さ)が広くなっているが、これに限定されず、例えば、調整腕241、242の各幅は、一定であっても、基部側から先端部側に向かって徐々に幅が広がっていたり、基部側から先端部側に向かって徐々に幅が狭くなっていたりしてもよい。また、調整腕241、242の各々は、幅が異なる3つ以上の領域を有していてもよい。さらに、調整腕241、242の各々は、z軸方向に貫通する1つ以上の貫通孔が形成されていてもよい。
(支持部)
図2に示す支持部25は、連結部261、262、263、264を介して基部21を支持する機能を有している。この支持部25は、基部21に対して−y軸方向側に配置されていてx軸方向に沿って延びている長尺状をなす第1部分、当該第1部分の両端部から+y軸方向に沿って延びている2つの第2部分と、を有している。
(連結部)
連結部261、262は、それぞれ、途中で屈曲した部分を有する長尺状をなしている。そして、連結部261、262は、支持部25の2つの第2部分と、基部21のx軸方向側の両端部とを連結している。
また、連結部263、264は、それぞれ、途中で屈曲した部分を有する長尺状をなしている。そして、連結部263、264は、支持部25の第1部分と、基部21の−y軸側と連結している。なお、図示では、連結部261、262、263、264は、それぞれ、幅が一定であるが、これに限定されず、例えば、途中で幅が異なる部分を有していてもよい。
[電極パターン]
図1に示すように、前述した振動片2の表面に設けられている電極パターン5は、駆動信号電極51(駆動用電極)および駆動接地電極52(駆動用電極)と、第1検出信号電極53(検出用電極)、第2検出信号電極54(検出用電極)および検出接地電極55(検出用電極)と、を有している。
駆動信号電極51は、駆動腕221、222の駆動振動を励起させるための駆動信号が入力される電極である。図3に示すように、駆動信号電極51は、駆動腕221の上面および下面と、駆動腕222の両側面とにそれぞれ形成されている。また、図4に示すように、駆動信号電極51は、駆動腕221の貫通孔2211の内壁面に形成されている。一方、図3に示す駆動接地電極52は、駆動信号電極51に対してグランドとなる電位を有する。駆動接地電極52は、駆動腕221の両側面と、駆動腕222の上面および下面とにそれぞれ形成されている。また、図4に示すように、駆動接地電極52は、駆動腕222の貫通孔2221の内壁面に形成されている。
第1検出信号電極53は、検出腕231、232の検出振動が励起されたときに、その検出振動によって発生する電荷を検出信号として出力するための電極である。図5に示すように、第1検出信号電極53は、検出腕231の貫通孔2311の内壁面の+x軸方向側上部と、検出腕231の−x軸方向側側面上部と、検出腕232の貫通孔2321の内壁面の−x軸方向側上部と、検出腕232の+x軸方向側側面上部とにそれぞれ形成されている。同様に、第2検出信号電極54は、検出腕231、232の検出振動が励起されたときに、その検出振動によって発生する電荷を検出信号として出力するための電極である。この第2検出信号電極54は、検出腕231の貫通孔2311の内壁面の+x軸方向側下部と、検出腕231の−x軸方向側側面下部と、検出腕232の貫通孔2321の内壁面の−x軸方向側下部と、検出腕232の+x軸方向側側面下部とにそれぞれ形成されている。
検出接地電極55は、第1検出信号電極53と第2検出信号電極54とに対してグランドとなる電位を有する。図5に示すように、検出接地電極55は、調整腕241の両側面と、調整腕242の両側面とにそれぞれ形成されている。また、検出接地電極55は、検出腕231の貫通孔2311の内壁面の−x軸方向側上部および−x軸方向側下部と、検出腕231の+x軸方向側側面上部および+x軸方向側側面下部と、検出腕232の貫通孔2321の内壁面の+x軸方向側上部および+x軸方向側下部と、検出腕232の−x軸方向側側面上部および−x軸方向側側面下部とにそれぞれ形成されている。
また、図1に示すように、駆動信号電極51は、基部21および連結部264に形成された配線511を介して、支持部25に形成された端子512に電気的に接続されている。また、駆動接地電極52は、基部21および連結部263に形成された配線521を介して、支持部25に形成された端子522に電気的に接続されている。なお、配線511、521および端子512、522は、振動片2の第2主面202に設けられている。また、第1検出信号電極53は、基部21および連結部262に形成された配線531を介して、支持部25に形成された端子532に電気的に接続されている。また、第2検出信号電極54は、基部21および連結部261に形成された配線541を介して、支持部25に形成された端子542に電気的に接続されている。なお、端子532、542は、振動片2の第2主面202に設けられている。また、検出接地電極55は、基部21および連結部263、264に形成された配線551を介して、支持部25に形成された2つの端子552に電気的に接続されている。なお、端子552は、振動片2の第2主面202に設けられている。
以上のような電極パターン5の構成としては、導電性を有していれば特に限定されないが、例えば、Cr(クロム)、W(タングステン)などのメタライズ層(下地層)に、Ni(ニッケル)、Au(金)、Ag(銀)、Cu(銅)などの各被膜を積層した金属被膜で構成することができる。
以上、振動素子1の構成について説明した。以上説明した構成の振動素子1は、以下のようにして角速度を検出する。
振動素子1に角速度が加わらない状態において、駆動信号電極51に駆動信号を入力することで駆動信号電極51と駆動接地電極52との間に電界が生じると、駆動腕221、222は、図1中矢印αで示すようにx軸方向に互いに反対方向となるように屈曲振動(駆動振動)を行う。また、調整腕241、242は、駆動腕221、222の駆動振動に伴って、x軸方向に互いに反対方向となるように屈曲振動する。
この駆動振動を行っている状態で、y軸方向に沿った中心軸a1まわりの角速度ωが振動素子1に加わると、駆動腕221、222にコリオリ力が作用し、このコリオリ力により、駆動腕221、222がz軸方向に互いに反対方向となるように屈曲振動する。これに伴い、検出腕231、232は、図1中矢印βで示すようにz軸方向に互いに反対方向となるように屈曲振動(検出振動)する。この検出振動により検出腕231、232に発生した電荷を、第1検出信号電極53からの検出信号として取り出し、この検出信号に基づいて角速度が求められる。
以上説明したような振動素子1は、基部21と、駆動腕221、222と、検出腕231、232と、調整腕241、242と、を備える振動片2を有している。また、図6に示すように、駆動腕221、222の第1主面201には、段差部270、280が設けられている。そのため、駆動腕221、222の第1主面201の+x軸側の位置と−x軸側の位置とは、異なっている。また、段差部270の第3面273(段差面)は、駆動腕221の第1主面201の幅方向(x軸方向)における中央部に設けられている。同様に、段差部280の第3面283(段差面)は、駆動腕222の第1主面201の幅方向(x軸方向)における中央部に設けられている。
ここで、駆動腕221、222の断面形状は、駆動腕221、222の外形加工の精度等によって理想的な形状(例えば、矩形状)にならずに、例えば図3に示すようなほぼ平行四辺形状(線対称でない形状)になることがある。そのため、駆動腕221、222のxy平面に沿った方向に振動する成分にyz平面に沿った方向(面外方向)に振動する成分が加わってしまうことがある。その結果、検出信号の検出精度が低下してしまうことがある。しかし、振動素子1によれば、上述した段差部270、280を有する振動片2を備えているため、外形加工の精度等の影響による面外方向の振動成分の増大を低減することができ、よって、検出精度の低下を低減することができる。
なお、本実施形態では、図6に示すように、駆動腕221の先端部の幅が広くなっている部分を除く端部2216(一端部)から基部21との境界部2215(他端部)までの間の領域にわたって段差部270が設けられているが、段差部270は、当該領域の一部にのみ設けられていてもよい。また、同様に、駆動腕222の端部2226(一端部)から基部21との境界部2225(他端部)までの間の領域にわたって段差部280が設けられているが、段差部280は、当該領域の一部にのみ設けられていてもよい。
2.振動素子の製造方法
次に、本発明の振動素子の製造方法について、前述した振動素子1を製造する場合を例に説明する。
図7は、図1に示す振動素子の製造方法を説明するフローチャートである。図8および図9は、それぞれ、図7に示す用意工程を説明する平面図である。図10は、図7に示す検出工程を説明する平面図である。図11は、図7に示す検出工程を説明する断面図である。図12は、図7に示す検出工程で検出した機械漏れと傾斜角度θとの関係を示すグラフである。図13は、図7に示す決定工程で決定する除去領域を示す平面図である。図14は、図7に示す決定工程で決定する除去領域を示す断面図である。図15は、図7に示す決定工程で決定する除去領域の機械漏れと深さdとの関係を示すグラフである。図16は、図7に示す決定工程で決定する除去領域の機械漏れと長さLとの関係を示すグラフである。図17は、図7に示す電極除去工程を説明する図である。図18は、図7に示すレジスト膜形成工程を説明する断面図である。図19、図20および図21は、それぞれ、図7に示す除去工程を説明する断面図である。なお、図8〜図11、図13、図14、図17〜図21では、水晶の3つの結晶軸であるX軸、Y軸およびZ軸を図示している。また、図8、図13および図14では、説明の便宜上、電極パターン5aの図示は省略している。
図7に示すように、振動素子1の製造方法は、[1]用意工程(ステップS11)と、[2]検出工程(ステップS12)と、[3]決定工程(ステップS13)と、[4]電極除去工程(ステップS14)と、[5]レジスト膜形成工程(ステップS15)と、[6]除去工程(ステップS16)と、[7]電極形成工程(ステップS17)と、を有する。以下、各工程を順次説明する。
[1]用意工程(ステップS11)
まず、電極パターン5aが形成された振動片2aを複数備えるウェハー20(基板)を用意する(図8および図9参照)。ウェハー20上において、各振動片2aは、行列状(3行×5列)に、規則的に配置されている。なお、振動片2aの配置は、図示の例に限定されない。
図8に示すように、ウェハー20は、複数の振動片2aと、これらの振動片2aを囲む枠体部430と、各振動片2aと枠体部430とを連結する複数の連結部440と、を有している。各振動片2aは、基部21と、1対の駆動腕221a、222a(駆動振動腕)および1対の検出腕231、232(検出振動腕)と、一対の調整腕241、242と、支持部25と、4つの連結部261、262、263、264とを有している。また、図9に示すように、各電極パターン5aは、駆動信号電極51a(駆動用電極)および駆動接地電極52a(駆動用電極)と、第1検出信号電極53a(検出用電極)、第2検出信号電極54a(検出用電極)および検出接地電極55a(検出用電極)と、配線511a、521a、531a、541a、551aと、端子512a、522a、532a、542aと、を有している。
振動片2aは、例えば、平面視で水晶のX軸に沿った方向の1対の辺とY軸に沿った方向の1対の辺とを有する矩形をなすZカット水晶板(ウェハー)をエッチングすることにより得られる。また、電極パターン5aは、例えば、蒸着やスパッタリング等によって、Cr(クロム)などを含む被膜を形成した後、その上にAu(金)などを含む被膜を形成し、これら金属被膜に対してフォトリソグラフィー、エッチングを行うことにより得られる。
また、用意工程(ステップS11)では、図9に示すように、ウェハー20の平面視で振動片2aの外側に位置する配線515、525、535、545および端子516、526、536、546を形成する。
配線515、525、535、545および端子516、526、536、546は、電極パターン5aに接続されている。配線515は、その一端が電気的に端子516に接続され、その他端が端子512aに接続され、これにより駆動信号電極51aに電気的に接続されている。配線525は、その一端が端子526に電気的に接続され、その他端が端子522aに接続され、これにより駆動接地電極52aに電気的に接続されている。配線535は、その一端が電気的に端子536に接続され、その他端が端子532aに接続され、これにより第1検出信号電極53aに電気的に接続されている。配線545は、その一端が端子546に電気的に接続され、その他端が端子542aに接続され、これにより第2検出信号電極54aに電気的に接続されている。
なお、配線515、525、535、545および端子516、526、536、546は、電極パターン5aと同様の方法により形成することができる。
また、電極パターン5a、配線515、525、535、545および端子516、526、536、546は、上述の構成に限定されず、例えば、Auなどを含む被膜を省略して、Crなどを含むメタライズ層のみで構成することも可能である。これにより、電極パターン5a等の構成を簡素化することができ、電極パターン5a等をより容易に形成することができる。
[2]検出工程(ステップS12)
次に、図10に示すように、端子516、526、536、546に検査用回路80を接続して、駆動腕221a、222aを駆動振動させ、検出腕231、232の駆動腕221a、222aの駆動振動の方向(X軸方向)と交差する方向(Z軸方向)の振動により生じる信号(出力値)を検出する。
検査用回路80は、図示はしないが、各振動片2aが有する駆動腕221a、222aを駆動振動させるための駆動回路と、各振動片2aが有する検出腕231、232の振動により生じる信号(出力値)を検出する検出回路と、を有する。
本実施形態では、振動片2aに対して角速度が加わらない状態における検出腕231、232の振動により生じる信号(出力値)を検出する。すなわち、駆動腕221a、222aの外形加工の精度等による検出腕231、232の機械漏れを検出する。機械漏れとは、駆動信号電極51aおよび駆動接地電極52aに印加される駆動電流に対する第1検出信号電極53aおよび第2検出信号電極54aから出力される電流の割合(ppm)のことである。
図12に示すように、機械漏れ(ppm)は、傾斜角度θ(°)の大きさに応じて生じる。
ここで、傾斜角度θ(°)は、ZY平面に沿った仮想面と駆動腕221a、222aの−X軸側の側面とのなす角度である(図11参照)。また、図12に示す線分S1は、第1検出信号電極53aから出力された機械漏れを示している。また、図12に示す線分S2は、第2検出信号電極54aから検出された機械漏れを示している。
図12に示すように、例えば、傾斜角度θが0(°)であると、機械漏れは0(ppm)であるが、傾斜角度θが0.3(°)であると、機械漏れは約50000(ppm)となる。このように、傾斜角度θ(°)の大きさに応じて機械漏れ(ppm)が生じる。なお、この傾斜(傾斜角度)は、上述したように、振動片2aの外形加工の精度等によって生じる。
したがって、検出工程(ステップS12)において、検査用回路80によって、振動により生じる信号(出力値)、すなわち機械漏れを検出し、駆動腕221a、222aの傾斜角度θ(°)を求めておく。
[3]決定工程(ステップS13)
次に、上述の検出工程(ステップS12)において取得した各振動片2aの機械漏れに基づいて、機械漏れが小さくなるように各駆動腕221a、222aの一部を除去する除去領域S(図13および図14参照)を決定する。
本実施形態では、図13に示すように、駆動腕221a、222aの第1主面201側で、駆動腕221a、222aが延出している方向に沿った駆動腕221a、222aの各中心線aより+X軸側に除去領域Sを設ける。そして、除去領域Sの深さdおよび長さLを決定する。
図13に示すように、長さLは、駆動腕221a、222aのY軸方向に沿った長さである。図14に示すように、深さdは、駆動腕221a、222aのZ軸方向に沿った長さである。なお、除去領域Sを解り易く示すために、図13および図14では除去領域Sに網掛けを付している。
まず、決定工程(ステップS13)では、深さdを決定する。例えば、検出工程(ステップS12)において求めた傾斜角度θが0.3(°)である場合、機械漏れと深さdとは、図15に示す関係をなす。図15は、駆動腕221a(または駆動腕222a)の境界部2215(または境界部2225)と端部2216(または端部2226)との間の+X軸側の領域S0を「除去領域」とした場合の機械漏れと深さdとの関係を示している(図13参照)。この図15に示す機械漏れと深さdとの関係を基に、機械漏れが0(ppm)に近づくように深さdを決定する。図15に示すように、傾斜角度θが0.3(°)である場合には、深さdを約1(μm)とすることで、機械漏れを0(ppm)とすることができる。
なお、図示はしないが、傾斜角度θが0.3(°)よりも大きい場合には、機械漏れが0(ppm)となる深さdは、約1(μm)よりも大きくなる。一方、傾斜角度θが0.3(°)よりも小さい場合には、機械漏れが0(ppm)となる深さdは、約1(μm)よりも小さくなる。
ここで、本実施形態では、後の除去工程(ステップS16)で、エッチングにより駆動腕221a、222aの除去領域Sを除去する。この際、複数の振動片2aについて一括して駆動腕221a、222aの除去領域Sに対応する部分を除去する。そのため、深さdは、複数の振動片2aでぼぼ等しいことが好ましい。したがって、上述の検出工程(ステップS12)において取得した機械漏れの値が最も大きい値をとる振動片2aの深さdに他の振動片2aの深さdを合わせることが好ましい。本実施形態では、例えば深さdを2(μm)と決定する。
次いで、長さLを決定する。例えば、傾斜角度θが0.3(°)で、深さdが2(μm)である場合、機械漏れと長さLとは、図16に示す関係をなす。この図16に示す機械漏れと長さLとの関係を基に、機械漏れが0(ppm)に近づくように長さLを決定する。これにより、傾斜角度θが0.3(°)で、深さdが2(μm)である場合には、長さLを約230(μm)とすることで、機械漏れを0(ppm)とすることができる。このような長さLの決定を各振動片2aについて行う。
このようにして、各振動片2aについて、機械漏れが0(ppm)またはそれに近似するように除去領域Sを決定する。言い換えると、各振動片2aについて、角速度が加わらない状態における駆動振動の方向と交差する方向(Z軸方向)の振動を小さくするように除去領域Sを決定する。
[4]電極除去工程(ステップS14)
次に、図17に示すように、電極パターン5a、配線515、525、535、545および端子516、526、536、546を各振動片2aから除去する。この除去は、後の除去工程(ステップS16)において、駆動腕221a、222aの除去領域Sをエッチングするために行っている。したがって、本実施形態では、電極パターン5a、配線515、525、535、545および端子516、526、536、546を全て除去しているが、各振動片2aについて、少なくとも駆動腕221a、222aの除去領域S上に設けられた駆動信号電極51aまたは駆動接地電極52aを除去すればよい。
[5]レジスト膜形成工程(ステップS15)
次に、図18に示すように、各振動片2aの表面に、レジストを塗布してレジスト膜45を形成する。本実施形態では、ポジ型のレジスト膜45を形成する。なお、ネガ型であってもよい。レジスト膜45の形成方法としては、例えば、プラズマCVD等の気相成膜法を用いることができる。
なお、本実施形態では、各振動片2aの表面全域にわたって、レジスト膜45を設けたが、後の除去工程(ステップS16)において除去する駆動腕221a、222aの形状や除去方法等によっては、各振動片2aの表面全域にわたってレジスト膜45を形成しなくてもよく、少なくとも第1主面201上にレジスト膜45を形成すればよい。
[6]除去工程(ステップS16)
次に、図19に示すように、各振動片2aに対して、レジスト膜45のうちの除去領域Sに対応した露光対象部分450(部分)に露光光LLを照射して露光する露光処理を行う。次いで、図19に示すように、レジスト膜45を現像して、露光対象部分450を除去することにより、図20に示すように開口部451(開口)を形成する。次いで、図20に示すように、開口部451を有するレジスト膜45をマスクとして駆動腕221a、222aの除去領域Sをエッチングにより除去する。これにより、図21に示すように、段差部270を有する駆動腕221および段差部280を有する駆動腕222が形成され、振動片2が形成される。そして、図示はしないが、振動片2を形成した後、レジスト膜45を除去する。
上述の露光処理では、マスクレス露光を行うことが好ましい。ここで、「マスクレス露光」とは、フォトマスクを用いることなく行う露光のことであり、図示はしないが、除去領域Sのデータに基づいて生成された露光パターンデータを基に光学素子を制御することにより露光光LLをレジスト膜45に照射する露光のことを意味する。このようなマスクレス露光によれば、フォトマスクを作成する手間を省くことができ、また、レジスト膜45の除去領域Sに対応した露光対象部分450(部分)をより高精度に露光することができる。
マスクレス露光の具体的な方法として、図示はしないが、例えば、露光パターンデータを基に光学素子としてのデジタルマイクロミラーデバイス(Digital Micromirror Device)等の空間光変調器等を制御し、露光パターンデータに応じてレジスト膜45が露光されるように露光光LLを照射する方法が挙げられる。また、露光パターンデータを基に光学素子としてのSi−MEMSミラーやポリゴンミラー等を制御して露光光LLを走査することによりレジスト膜45を露光する方法が挙げられる。
また、上述したエッチングは、ウェットエッチングであることが好ましい。これにより、複数の振動片2aが有する駆動腕221a、222aの一部である除去領域Sを一括して除去することができ、また、寸法精度も良い。
[7]電極形成工程(ステップS17)
次に、例えば蒸着やスパッタリング等によって上述した電極パターン5を構成する金属材料を各振動片2に対して成膜し、フォトリソグラフィー、エッチングを行うことにより、各振動片2に対して電極パターン5を形成する。そして、連結部440を切断して個片化することにより、図1に示すような複数の振動素子1を得ることができる。
なお、[4]電極除去工程(ステップS14)において、電極パターン5aの一部のみを除去している場合には、その除去した部分に金属材料を補充することで、[7]電極形成工程(ステップS17)において、電極パターン5を形成してもよい。例えば、[4]電極除去工程(ステップS14)において、駆動信号電極51aおよび駆動接地電極52aの一部を除去している場合には、[7]電極形成工程(ステップS17)において、その除去した部分に金属膜を成膜する。これにより、一部が除去された駆動信号電極51aおよび駆動接地電極52aと補充された金属膜とで形成された駆動信号電極51および駆動接地電極52aを得ることができる。
以上説明したような本発明の振動素子の製造方法の一例としての振動素子1の製造方法は、用意工程(ステップS11)と、検出工程(ステップS12)と、決定工程(ステップS13)と、電極除去工程(ステップS14)と、レジスト膜形成工程(ステップS15)と、除去工程(ステップS16)と、電極形成工程(ステップS17)と、を含む。
用意工程(ステップS11)では、互いに表裏関係にある2つの主面として第1主面201および第2主面202を有し、基部21と、基部21から延出し、「駆動用電極」としての駆動信号電極51aおよび駆動接地電極52aが設けられた駆動腕221a、222aと、基部21から延出し、「検出用電極」としての第1検出信号電極53a、第2検出信号電極54aおよび検出接地電極55aが設けられた検出腕231、232と、を備える振動片2aが複数形成されたウェハー20を用意する。検出工程(ステップS12)では、振動片2aの各々において、駆動信号電極51aおよび駆動接地電極52aと第1検出信号電極53aおよび第2検出信号電極54aとに検査用回路80を接続して、駆動腕221a、222aを駆動振動させ、検出腕231、232の駆動振動の方向に交差する方向(Z軸方向)の振動により生じる出力値(機械漏れ)を検出する。決定工程(ステップS13)では、振動片2aの各々に対して、出力値(機械漏れ)に基づいて、駆動腕221a、222aの交差する方向(Z軸方向)の振動が小さくなるように駆動腕221a、222aの一部を除去する除去領域Sを決定する。電極除去工程(ステップS14)では、振動片2aの各々に対して、駆動腕221a、222aの除去領域S上に設けられた駆動信号電極51aおよび駆動接地電極52aを含むように、駆動信号電極51aおよび駆動接地電極52aの少なくとも一部を除去する。レジスト膜形成工程(ステップS15)では、除去領域Sを含む領域上にレジストを塗布してレジスト膜45を形成する。除去工程(ステップS16)では、振動片2aの各々に対して、レジスト膜45の除去領域Sに対応する部分に露光処理を行い、除去領域Sに対応する部分を除去して開口部451を形成した後、開口部451を有するレジスト膜45をマスクとして除去領域Sをエッチングにより除去する。電極形成工程(ステップS17)では、振動片2の各々に対して、駆動腕221、222に「駆動用電極」としての駆動信号電極51および駆動接地電極52を形成する。
このような振動素子1の製造方法によれば、各々の振動片2aに対して、駆動腕221a、222aの駆動振動の方向(X軸方向)に交差する方向(Z軸方向)の振動が小さくなるように駆動腕221a、222aの一部を除去する除去領域S(除去予定領域)を決定し、駆動腕221a、222aの除去領域Sを除去しているため、Z軸方向の振動に基づく不要信号が低減された振動片2を複数得ることができる。また、得られた複数の振動片2の検出精度のばらつきを低減することができる。また、振動素子1の製造方法では、エッチングを用いているため、不要信号を低減するために行う駆動腕221a、222aの一部の除去を複数の振動片2aについて一括して行うことができる。そのため、生産性を高めることができる。また、駆動腕221a、222aの一部の除去をエッチングで行っているため、加工精度(特に深さ方向の精度)を高めることができる。
特に、決定工程(ステップS13)においては、出力値(機械漏れ)に基づいて除去領域Sに関するデータを演算することが好ましい。すなわち、上述したように、予め設定されたデータ等(図12、図15および図16に示すグラフ等)に用いて、出力値(機械もれ)に基づいて駆動腕221a、222aの傾斜角度θを求め、除去領域Sの深さdおよび長さLを導出する。なお、本実施形態では、幅(X軸方向の長さ)については一定としている。これにより、各振動片2aについて、Z軸方向(面外方向)の振動が小さくなるような除去領域Sをより高精度に決定することができる。
なお、上述したようにして除去領域Sに関するデータを演算せずとも、予め、出力値(機械漏れ)の数値に応じた除去領域Sの深さdおよび長さLの選別表(テーブル)等を用意しておき、検出した出力値(機械漏れ)に応じた除去領域Sを選定(判定)してもよい。
また、除去領域Sは、駆動腕221a、222aの延出方向に沿って延びている。これにより、例えば本実施形態のように、幅を一定にして、延出方向における長さLを調整することで、各振動片2aについてZ軸方向(面外方向)の振動が小さくなるような除去領域Sを比較的簡単に決定することができる。
また、長さLを決定する際には、駆動腕221a、222aの端部2216、2226を基点とすることが好ましい。駆動腕221a、222aの端部2216、2226付近は、境界部2215、2225付近よりも振動の影響が小さい。そのため、端部2216、2226付近を基点とすることで、出力値(機械漏れ)を小さくする微調整を行い易くなる。
また、駆動腕221a、222aは、2つの主面としての第1主面201および第2主面202の双方に開口した貫通孔2211、2221を有する。これにより、除去領域Sの除去において、貫通孔2211、2221の両開口を位置決めの基準として除去領域Sを決定することができ、除去領域Sの幅の制御が容易となる。そのため、より高精度に除去領域Sの除去を行うことができる。
また、上述した電極除去工程(ステップS14)においては、用意工程(ステップS11)で用意した駆動信号電極51aおよび駆動接地電極52aを全て除去することが好ましい。特に、本実施形態では、電極パターン5aを全て除去している。これにより、電極パターン5aの除去を例えばエッチング等により一括して行うことができる。そのため、電極パターン5aの除去を迅速に行うことができる。
また、用意工程(ステップS11)において、振動片2aは、「駆動腕」としての駆動腕221a(第1駆動腕)および駆動腕222a(第2駆動腕)と、基部21から駆動腕221aおよび駆動腕222aとは反対方向に延出している「検出腕」としての検出腕231(第1検出腕)および検出腕232(第2検出腕)とを有し、駆動腕221aおよび駆動腕222aには、それぞれ、「駆動用電極」としての駆動信号電極51aおよび駆動接地電極52aが設けられており、検出腕231および検出腕232には、それぞれ、「検出用電極」としての第1検出信号電極53a、第2検出信号電極54aおよび検出接地電極55aが設けられている。これにより、いわゆるH型のジャイロ素子を実現することができる。このような構成の振動片2aにおいて、駆動腕221a、222aについて除去領域Sを除去していることで、面外方向の振動に基づく不要信号を効果的に低減することができる。
また、各々の振動片2aは、基部21から延出し、調整用電極が設けられた調整腕241、242を有する。調整腕241、242に設けられた第1検出信号電極53a、第2検出信号電極54aおよび検出接地電極55aが、上述の調整用電極に相当する。そのため、不要信号がさらに低減された複数の振動素子1を得ることができる。なお、上述した振動素子1の製造方法によれば、調整腕241、242を有さずとも、不要信号が低減された複数の振動素子1を得ることができる。
<第2実施形態>
図22は、本発明の第2実施形態に係る振動素子の駆動腕を示す断面図である。なお、以下の説明では、第2実施形態に関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図22において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
図22に示すように、本実施形態の振動素子1Aでは、駆動腕221A、222Aの第1主面201および第2主面202の双方に段差部270、280が設けられている。これにより、外形加工の精度等の影響による面外方向の振動成分の増大をより低減することができる。そのため、検出精度の低下をより低減することができる。
また、振動素子1Aの製造では、上述した決定工程(ステップS13)において、除去領域Sは、ウェハー20の2つの主面としての第1主面201および第2主面202に対して設ける。これにより、図22に示すように駆動腕221A、222Aの第1主面201および第2主面202の双方に段差部270、280を設けることができる。そのため、不要信号がより低減された振動素子を得ることができる。
<第3実施形態>
図23は、本発明の第3実施形態に係る振動素子の駆動腕を示す断面図である。なお、以下の説明では、第3実施形態に関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図23において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
本実施形態は、貫通孔2211、2221(図2参照)の代わりに凹部2213、2214、2223、2224(図23参照)を有する構成であること以外は、前述した第1実施形態と同様である。
図23に示すように、本実施形態の振動素子1Bでは、駆動腕221Bは、第1主面201に開口する凹部2213および第2主面202に開口する凹部2214を有する。同様に、駆動腕222Bは、第1主面201に開口する凹部2223および第2主面202に開口する凹部2224を有する。
このように、駆動腕221Bは、「主面」としての第1主面201に開口する凹部2213を有する。同様に、駆動腕222Bは、「主面」としての第1主面201に開口する凹部2223を有する。また、駆動腕221Bは、「主面」としての第2主面202に開口する凹部2214を有する。同様に、駆動腕222Bは、「主面」としての第2主面202に開口する凹部2224を有する。したがって、振動素子1Bの製造では、駆動腕221B、222Bに対応する駆動腕を有する振動片を用意する。これにより、当該駆動腕に設けられた凹部2213、2214、2223、2224を位置決めの基準として除去領域Sを決定することができる。そのため、除去領域Sの除去において、除去領域Sの幅の制御が容易となる。その結果、より高精度に除去領域Sの除去を行うことができる。
<第4実施形態>
図24は、本発明の第4実施形態に係る振動素子を示す平面図である。図25は、図24中のD−D線断面図である。なお、以下の説明では、第4実施形態に関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図24および図25において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
図24に示すように、本実施形態における振動素子1Cは、振動片2Cと、電極パターン5Cとを備える。
振動片2Cは、基部21Cと、基部21Cから延び、互いに略平行な一対の振動腕12、13を有する。また、図25に示すように、振動腕12、13の断面形状は、それぞれ、ほぼ平行四辺形状をなす。振動腕12の第1主面102には、段差部270と同様の構成の段差部290が設けられている。すなわち、段差部290は、第1面291、第2面292と、第3面293(段差面)とを有する。
電極パターン5Cは、駆動信号電極51C(駆動用電極)および駆動接地電極52C(駆動用電極)と、第1検出信号電極53C(検出用電極)、第2検出信号電極54C(検出用電極)および検出接地電極55C(検出用電極)と、を有している。
図25に示すように、駆動信号電極51Cは、振動腕12の上面および下面にそれぞれ形成されている。一方、駆動接地電極52Cは、振動腕12の両側面にそれぞれ形成されている。
第1検出信号電極53Cは、振動腕13の+x軸方向側上部に形成されている。第2検出信号電極54Cは、振動腕13の+x軸方向側下部に形成されている。検出接地電極55Cは、振動腕13の−x軸方向側上部および−x軸方向側下部のそれぞれに形成されている。
このような構成の振動素子1Cの製造では、用意工程(ステップS11)において、振動片2Cの製造に用いられる振動片は、駆動腕および検出腕の少なくとも一方として機能する第1振動腕(本実施形態では振動腕12に対応する振動腕)と、駆動腕および検出腕の少なくとも一方として機能する第2振動腕(本実施形態では振動腕13に対応する振動腕)と、を有し、第1振動腕および第2振動腕の少なくとも一方(本実施形態では振動腕12に対応する振動腕)には、駆動用電極(本実施形態では駆動信号電極51Cおよび駆動接地電極52Cに対応する電極)が設けられており、第1振動腕および第2振動腕の少なくとも他方(本実施形態では振動腕13に対応する振動腕)には、検出用電極(本実施形態では第1検出信号電極53C、第2検出信号電極54Cおよび検出接地電極55Cに対応する電極)が設けられている。これにより、いわゆる音叉型のジャイロ素子を実現することができる。このような構成の振動片2Cを製造するための振動片においても、振動腕の除去領域Sを除去しているため、面外方向の振動に基づく不要信号を効果的に低減することができる。
2.振動デバイス
次に、振動素子1(振動素子1A、1B、1C)を備える振動デバイスについて説明する。
図26は、振動素子を備えた振動デバイスの一例を示す断面図である。なお、図26では、振動素子1に設けられている電極の図示を省略している。また、前述した実施形態との共通部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。
図26に示すように、振動デバイス10は、振動素子1と、振動素子1を収容するパッケージ8と、ICチップ9とを有している。
パッケージ8は、凹部811を有する箱状のベース81と、凹部811の開口を塞いでベース81に接合された板状のリッド82とを有している。そして、凹部811がリッド82によって塞がれることにより形成された収容空間に振動片2が収納されている。収容空間は、減圧(真空)状態となっていてもよいし、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスが封入されていてもよい。
凹部811は、ベース81の上面に開放する第1凹部811aと、第1凹部811aの底面の中央部に開放する第2凹部811bと、第2凹部811bの底面の中央部に開放する第3凹部811cと、を有している。
ベース81の構成材料としては、特に限定されないが、酸化アルミニウム等の各種セラミックスや、各種ガラス材料を用いることができる。また、リッド82の構成材料としては、特に限定されないが、ベース81の構成材料と線膨張係数が近似する部材であると良い。例えば、ベース81の構成材料を前述のようなセラミックスとした場合には、コバール等の合金とするのが好ましい。なお、ベース81とリッド82の接合方法は、特に限定されず、例えば、接着材やろう材を介して接合することができる。
凹部811の底面には、図示しない複数の接続端子が形成されている。これら接続端子は、導電性を有していれば特に限定されないが、例えば、Cr(クロム)、W(タングステン)などのメタライズ層(下地層)に、Ni(ニッケル)、Au(金)、Ag(銀)、Cu(銅)などの各被膜を積層した金属被膜で構成することができる。
複数の接続端子は、前述した駆動信号電極51、駆動接地電極52、第1検出信号電極53、第2検出信号電極54および検出接地電極55用の各端子512、522、532、542、552に対応している。端子512、522は、これらに対応する接続端子に導電性接着剤や金属バンプ等の導電性の接合部材を介してそれぞれ接続されている。これにより、振動素子1が凹部811の底面に固定されている。導電性接着剤としては、導電性および接着性を有していれば特に限定されず、例えば、シリコーン系、エポキシ系、アクリル系、ポリイミド系、ビスマレイミド系等の接着材に銀粒子等の導電性フィラーを分散させたものを用いることができる。
また、端子532、542、552が、ボンディングワイヤーのような導電性ワイヤーを介して、これらに対応する接続端子にそれぞれ接続されている。
また、第1凹部811aの底部と第2凹部811bの底部には、複数の接続端子にそれぞれ接続された複数の接続配線(図示せず)が形成されている。
ICチップ9は、第3凹部811cの底面にろう材や接着剤や金属バンプ等の接合部材によって固定されている。ICチップ9は、導電性ワイヤーによって各接続配線と電気的に接続されている。これにより、振動素子1がICチップ9に電気的に接続されている。ICチップ9は、振動素子1を駆動振動させるための駆動回路と、角速度が加わったときに振動素子1に生じる検出振動を検出する検出回路と、を有する。なお、ICチップ9と各接続配線との間の電気的な接続は、導電性ワイヤーに限らず、はんだや導電性接着剤や金属バンプ等の導電性の接合部材を介していてもよい。
なお、本実施形態では、ICチップ9がパッケージ8の内部に設けられているが、ICチップ9は、パッケージ8の外部に設けられていてもよい。また、本実施形態では、凹部811が第1凹部811a、第2凹部811b、第3凹部811cの3つを有しているが、これに限らず、凹部811は1つまたは2つの凹部で構成されていても、4つ以上の凹部で構成されていてもよい。
3.電子機器
次に、振動素子1(振動素子1A、1B、1C)を備えた電子機器について説明する。
図27は、振動素子を備えたモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図である。この図において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部2000を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100には、振動素子1が内蔵されている。
図28は、振動素子を備えた携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部2000が配置されている。このような携帯電話機1200には、振動デバイス10が内蔵されている。
図29は、振動素子を備えたディジタルカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
ディジタルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部2000が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部2000は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部2000に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。このようなディジタルカメラ1300には、振動素子1が内蔵されている。
なお、振動素子1を備える電子機器は、図27のパーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター)、図28の携帯電話機、図29のディジタルカメラの他にも、例えば、スマートフォン、タブレット端末、時計、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、ルーターやスイッチなどのストレージエリアネットワーク機器、ローカルエリアネットワーク機器、移動体端末基地局用機器、リアルタイムクロック装置、テレビ、ビデオカメラ、ビデオレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター、ヘッドマウントディスプレイ、モーショントレース、モーショントラッキング、モーションコントローラー、PDR(歩行者位置方位計測)等に適用することができる。
3.移動体
次いで、振動素子1(振動素子1A、1B、1C)を備えた移動体について説明する。
図30は、振動素子を備えた移動体の一例を示す斜視図である。この図において、自動車1500は、車体1501と、4つの車輪1503とを有しており、車体1501に設けられた図示しない動力源(エンジン)によって車輪1503を回転させるように構成されている。
このような自動車1500には、振動素子1が内蔵されている。振動素子1によれば、車体1501の姿勢や移動方向を検出することができる。振動素子1の検出信号は、車体姿勢制御装置1502に供給され、車体姿勢制御装置1502は、その信号に基づいて車体1501の姿勢を検出し、検出結果に応じてサスペンションの硬軟を制御したり、個々の車輪1503のブレーキを制御したりすることができる。
なお、振動素子1を備える移動体は、自動車に限定されず、例えば、オートバイ、鉄道等の他の車両、航空機、船舶、宇宙船、二足歩行ロボットやラジコンヘリコプター等にも適用可能である。
以上、本発明の振動素子の製造方法を図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
1…振動素子、1A…振動素子、1B…振動素子、1C…振動素子、2…振動片、2C…振動片、2a…振動片、5…電極パターン、5C…電極パターン、5a…電極パターン、8…パッケージ、9…ICチップ、10…振動デバイス、12…振動腕、13…振動腕、20…ウェハー、21…基部、21C…基部、25…支持部、45…レジスト膜、51…駆動信号電極、51C…駆動信号電極、51a…駆動信号電極、52…駆動接地電極、52C…駆動接地電極、52a…駆動接地電極、53…第1検出信号電極、53C…第1検出信号電極、53a…第1検出信号電極、54…第2検出信号電極、54C…第2検出信号電極、54a…第2検出信号電極、55…検出接地電極、55C…検出接地電極、55a…検出接地電極、80…検査用回路、81…ベース、82…リッド、102…第1主面、201…第1主面、202…第2主面、221…駆動腕、221A…駆動腕、221B…駆動腕、221a…駆動腕、222…駆動腕、222A…駆動腕、222B…駆動腕、222a…駆動腕、231…検出腕、232…検出腕、241…調整腕、242…調整腕、261…連結部、262…連結部、263…連結部、264…連結部、270…段差部、271…第1面、272…第2面、273…第3面、280…段差部、281…第1面、282…第2面、283…第3面、290…段差部、291…第1面、292…第2面、293…第3面、430…枠体部、440…連結部、450…露光対象部分、451…開口部、511…配線、521…配線、531…配線、541…配線、551…配線、511a…配線、521a…配線、531a…配線、541a…配線、551a…配線、512…端子、512a…端子、515…配線、516…端子、522…端子、522a…端子、525…配線、526…端子、532…端子、532a…端子、535…配線、536…端子、542…端子、542a…端子、545…配線、546…端子、552…端子、811…凹部、811a…第1凹部、811b…第2凹部、811c…第3凹部、1100…パーソナルコンピューター、1102…キーボード、1104…本体部、1106…表示ユニット、1200…携帯電話機、1202…操作ボタン、1204…受話口、1206…送話口、1300…ディジタルカメラ、1302…ケース、1304…受光ユニット、1306…シャッターボタン、1308…メモリー、1312…ビデオ信号出力端子、1314…入出力端子、1430…テレビモニター、1440…パーソナルコンピューター、1500…自動車、1501…車体、1502…車体姿勢制御装置、1503…車輪、2000…表示部、2211…貫通孔、2213…凹部、2214…凹部、2215…境界部、2216…端部、2221…貫通孔、2223…凹部、2224…凹部、2225…境界部、2226…端部、2311…貫通孔、2321…貫通孔、LL…露光光、S…除去領域、S0…領域、S1…線分、S11…ステップ、S12…ステップ、S13…ステップ、S14…ステップ、S15…ステップ、S16…ステップ、S17…ステップ、S2…線分、a…中心線、a1…中心軸、α…矢印、β…矢印、θ…傾斜角度、θ1…角度、θ2…角度、θ3…角度、θ4…角度、ω…角速度、L…長さ、d…深さ

Claims (12)

  1. 互いに表裏関係にある2つの主面を有し、基部と、前記基部から延出し、駆動用電極が設けられた駆動腕と、前記基部から延出し、検出用電極が設けられた検出腕と、を備える振動片が複数形成されたウェハーを用意する用意工程と、
    前記振動片の各々において、前記駆動用電極と前記検出用電極とに検査用回路を接続して、前記駆動腕を駆動振動させ、前記検出腕の前記駆動振動の方向に交差する方向の振動により生じる出力値を検出する検出工程と、
    前記振動片の各々に対して、前記出力値に基づいて、前記駆動腕の前記交差する方向の振動が小さくなるように前記駆動腕の一部を除去する除去領域を決定する決定工程と、
    前記振動片の各々に対して、前記除去領域上に設けられた前記駆動用電極を含むように、前記駆動用電極の少なくとも一部を除去する電極除去工程と、
    前記駆動腕の前記除去領域を含む領域上にレジストを塗布してレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、
    前記振動片の各々に対して、前記レジスト膜の前記除去領域に対応する部分に露光処理を行い、前記部分を除去して開口部を形成した後、前記開口部を有する前記レジスト膜をマスクとして前記除去領域をエッチングにより除去する除去工程と、
    前記振動片の各々に対して、前記駆動腕に駆動用電極を形成する電極形成工程と、を含むことを特徴とする振動素子の製造方法。
  2. 前記除去領域は、前記駆動腕の延出方向に沿って延びている請求項1に記載の振動素子の製造方法。
  3. 前記除去領域は、前記ウェハーの2つの前記主面に対して設ける請求項1または2に記載の振動素子の製造方法。
  4. 前記電極除去工程においては、前記用意工程で用意した前記駆動用電極を全て除去する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の振動素子の製造方法。
  5. 前記露光処理では、マスクレス露光を行う請求項1ないし4のいずれか1項に記載の振動素子の製造方法。
  6. 前記エッチングは、ウェットエッチングである請求項1ないし5のいずれか1項に記載の振動素子の製造方法。
  7. 前記決定工程においては、前記出力値に基づいて前記除去領域に関するデータを演算する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の振動素子の製造方法。
  8. 各々の前記振動片は、前記基部から延出し、調整用電極が設けられた調整腕を有する請求項1ないし7のいずれか1項に記載の振動素子の製造方法。
  9. 前記駆動腕は、前記主面に開口する凹部を有する請求項1ないし8のいずれか1項に記載の振動素子の製造方法。
  10. 前記駆動腕は、2つの前記主面の双方に開口した貫通孔を有する請求項1ないし8のいずれか1項に記載の振動素子の製造方法。
  11. 前記用意工程において、前記振動片は、前記駆動腕としての第1駆動腕および第2駆動腕と、前記基部から前記第1駆動腕および前記第2駆動腕とは反対方向に延出している前記検出腕としての第1検出腕および第2検出腕とを有し、前記第1駆動腕および前記第2駆動腕には、それぞれ、前記駆動用電極が設けられており、前記第1検出腕および前記第2検出腕には、それぞれ、前記検出用電極が設けられている請求項1ないし10のいずれか1項に記載の振動素子の製造方法。
  12. 前記用意工程において、前記振動片は、前記駆動腕および前記検出腕の少なくとも一方として機能する第1振動腕と、前記駆動腕および前記検出腕の少なくとも一方として機能する第2振動腕と、を有し、前記第1振動腕および前記第2振動腕の少なくとも一方には、前記駆動用電極が設けられており、前記第1振動腕および前記第2振動腕の少なくとも他方には、前記検出用電極が設けられている請求項1ないし10のいずれか1項に記載の振動素子の製造方法。
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