JP2016086370A - 振動素子の製造方法、振動素子、振動子、物理量センサー、電子機器および移動体 - Google Patents

振動素子の製造方法、振動素子、振動子、物理量センサー、電子機器および移動体 Download PDF

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Takatoshi Sugiyama
貴俊 杉山
啓一 山口
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啓一 山口
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Osamu Kawauchi
修 川内
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Abstract

【課題】電極の欠損を低減することができる振動素子の製造方法、振動素子、この振動素子を備えた振動子、物理量センサー、電子機器および移動体を提供すること。【解決手段】ジャイロ素子1の製造方法は、溝4の内面に、電極3となる導電膜を形成する工程と、導電膜の表面にレジスト膜を形成する工程と、レジスト膜の一部に露光光を照射する工程とを含み、溝4の内面は、電極3が形成される電極形成部と、露光光が照射した場合、露光光が反射して電極形成部に露光光が照射される光反射部と、を有し、露光光を照射する工程において、溝4の長手方向における第1側面と第2側面との間において、溝4の第1側面および第2側面のうちの光反射部を除く領域に露光光を照射し、溝4内の第1端面および第2端面のうち少なくとも一方側において、第1端面および第2端面のうちの少なくとも一方の端面と、第1側面と第2面側との交点を含む領域に露光光を照射する。【選択図】図1

Description

本発明は、振動素子の製造方法、振動素子、振動子、物理量センサー、電子機器および移動体に関するものである。
角速度を検出する角速度センサーは、例えば、車両における車体制御、カーナビゲーションシステムの自車位置検出、デジタルカメラやビデオカメラ等の振動制御補正(いわゆる手ぶれ補正)等に用いられる。かかる角速度センサーとしては、例えば、特許文献1に記載のジャイロセンサーが知られている。
特許文献1に記載のジャイロセンサーは、基部と、基部から延在する複数の振動腕とを有する振動片と、振動片の表面に形成された電極とを有する振動素子を備えている。また、特許文献1に記載の振動素子は、振動腕の表裏面にそれぞれ開放する有底の溝を有しており、この溝内に形成された電極は、溝の幅方向に分割されている。そして、分割された一方の電極は、検出信号電極として機能し、他方の電極は検出接地電極として機能し、これらの電極によって振動腕の振動に応じた電荷を検出することにより、ジャイロセンサーに加わった角速度を検出する。
このようなジャイロセンサーが備える振動素子の製造は、水晶体から振動片を形成し、形成された振動片の表面上に金属膜とレジスト膜とを順次形成した後、レジスト膜にレーザー光を照射して露光・現像することにより得られたレジストマスクを用いて、金属膜をエッチングすることで電極を形成する。
このような振動素子の製造において、水晶体から振動片を形成する際、例えばウェットエッチングにより振動腕に溝を形成すると、エッチング異方性によって、溝の内面は振動腕の主面に対して傾斜した傾斜面で構成される。
特開2013−231635号公報
従来の振動素子の製造方法では、このような溝内の傾斜面上に設けられたレジスト膜にレーザー光を照射すると、傾斜面上のレジスト膜で反射したレーザー光が、溝内のレジスト膜のうち残存すべき部分に照射されて、その照射された部分が露光されてしまう。そのため、レジスト膜の残存すべき部分に欠損部分が生じてしまい、最終的に得られた電極の一部が欠損してしまうという問題があった。その結果、電極の面積が小さくなることにより、振動素子の電気的特性に悪影響が生じてしまっていた。例えば、溝内の電極が検出電極(検出信号電極や検出接地電極)の場合には、検出電極の面積が小さくなることによって、振動片から出力される検出信号のゲインが小さくなってしまうことがあった。
本発明の目的は、電極の欠損を低減することができる振動素子の製造方法、かかる方法により得られる振動素子、この振動素子を備えた振動子、物理量センサー、電子機器および移動体を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本発明の振動素子の製造方法は、基部、および前記基部に接続され溝が形成されている振動腕とを有する振動片と、前記溝の内面に設けられた電極と、を有する振動素子を製造する方法であって、
前記溝の内面に、前記電極となる導電膜を形成する工程と、
前記導電膜の表面にレジスト膜を形成する工程と、
前記レジスト膜の一部に露光光を照射する工程と、を含み、
前記溝の内面は、前記振動腕の長手方向に沿って延在し、かつ、前記振動腕の主面に対して傾斜している第1側面と、
前記振動腕の長手方向に沿って延在し、かつ、前記振動腕の主面および前記第1側面に対して傾斜し、前記第1側面に接している第2側面と、
前記振動腕の前記先端側に位置し、前記第1側面の前記先端側の端部と前記第2側面の前記先端側の端部とに接している第1端面と、
前記振動腕の前記基部側に位置し、前記第1側面の前記基端側の端部と前記第2側面の前記基端側の端部と接している第2端面と、を有し、
前記溝の内面は、前記電極が形成される電極形成部と、前記露光光が照射した場合、前記露光光が反射して前記電極形成部に前記露光光が照射される光反射部と、を有し、
前記露光光を照射する工程において、前記溝の長手方向における前記第1側面と前記第2側面との間において、前記第1側面および前記第2側面のうちの前記光反射部を除く領域に前記露光光を照射し、
前記溝内の前記第1端面および前記第2端面のうち少なくとも一方側において、前記第1端面および前記第2端面のうちの少なくとも一方の端面と、前記第1側面と、前記第2側面との交点を含む領域に前記露光光を照射することを特徴とする。
これにより、溝の長手方向における第1側面と第2側面との間において、光反射部を除く領域に露光光を照射することで、その領域上のレジスト膜で反射した露光光は溝の外部に向かう。このため、当該反射した露光光が、電極形成部上のレジスト膜に照射されることを低減することができる。
また、溝の端面(第1端面および第2端面のうち少なくとも一方)側において、交点を含む領域に露光光を照射することで、その領域上のレジスト膜で反射した露光光は、当該交点を含む領域に照射されるか、溝の外部に向かう。このため、当該反射した露光光が、電極形成部上のレジスト膜に照射されることを低減することができる。
このようなことから、残存すべき電極形成部上のレジスト膜に欠損部分が生じることを低減することができ、よって、得られた電極の欠損を低減することができる。このため、振動素子の電気的特性に悪影響が生じることを低減することができる。
[適用例2]
本発明の振動素子の製造方法では、前記第2側面は、前記光反射部を有し、
前記露光光を照射する工程において、前記溝の長手方向における前記第1側面と前記第2側面との間では、前記第1側面に前記露光光を照射することが好ましい。
これにより、溝の長手方向における第1側面と第2側面との間において、反射した露光光は溝の外部に向かうため、当該反射した露光光が、電極形成部上のレジスト膜に照射されることをより低減することができる。
[適用例3]
本発明の振動素子の製造方法では、前記溝の内面は、前記第1側面の前記第2側面とは反対側に、前記溝の長手方向に沿って延在し、前記第1側面に接している第3側面を有し、
前記第3側面は、前記電極形成部を有することが好ましい。
これにより、溝の長手方向における第1側面と第2側面との間において、光反射部を含まない領域に露光光を照射することで、第3側面の電極形成部に当該反射した露光光が照射されることをより低減することができる。
[適用例4]
本発明の振動素子の製造方法では、前記第2側面は、前記電極形成部を有することが好ましい。
これにより、溝の端面側において、交点を含む領域に露光光を照射することで、反射した露光光は、交点を含む領域に照射されるか、溝の外部に向かうため、第2側面の電極形成部に当該反射した露光光が照射されることをより低減することができる。
[適用例5]
本発明の振動素子の製造方法では、前記露光光を照射する工程では、前記振動腕の主面と交差する角度で前記露光光を照射することが好ましい。
これにより、溝を構成する複数の面を同時に(同一工程内にて)露光することができるので、レジスト膜に露光光を照射する工程を迅速に行うことができ、よって、電極をより効率よく形成することができる。
[適用例6]
本発明の振動素子の製造方法では、前記露光光を照射する工程では、前記第1側面で反射した前記露光光が前記溝の外部に向かう角度で前記露光光を照射することが好ましい。
これにより、溝の内面で反射した露光光が、電極形成部上のレジスト膜に照射されることをより低減することができる。
[適用例7]
本発明の振動素子の製造方法では、前記露光光を照射する工程では、前記第1側面上に設けられ、前記溝の長手方向に沿っている第1部分と、前記第1端面および前記第2端面のうち少なくとも一方の端面上に設けられた第2部分と、前記第1部分と前記第2部分とを接続し、前記振動片の前記交点上に設けられた第3部分と、を有する非電極形成部を形成することにより前記溝内に設けられた前記電極を分割し、
前記第1部分と前記第2部分とは、それぞれの前記溝の長手方向に沿った中心軸がずれていることが好ましい。
これにより、端面上に設けられた第2部分上のレジスト膜で反射した露光光が電極形成部に照射されることをより低減できる。
[適用例8]
本発明の振動素子の製造方法では、前記振動片は、Zカット水晶板で構成されていることが好ましい。
これにより、振動素子の振動特性(特に周波数温度特性)を優れたものとすることができる。また、エッチングにより高い寸法精度で振動片を形成することができる。
[適用例9]
本発明の振動素子は、本発明の振動素子の製造方法によって製造されることを特徴とする。
これにより、電極に欠損が生じることが低減された信頼性の高い振動素子を得ることができる。
[適用例10]
本発明の振動子は、本発明の振動素子と、
パッケージと、を備えていることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い振動子を得ることができる。
[適用例11]
本発明の物理量センサーは、本発明の振動素子と、
回路と、を備えていることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い物理量センサーを得ることができる。
[適用例12]
本発明の電子機器は、本発明の振動素子を備えていることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器を得ることができる。
[適用例13]
本発明の移動体は、本発明の振動素子を備えていることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い移動体を得ることができる。
本発明の振動素子の製造方法により製造されたジャイロ素子(振動素子)を示す平面図である。 図1に示すジャイロ素子の平面図(透過図)である。 図1に示すジャイロ素子の断面図であり、(a)が図1中のA−A線断面図、(b)図1中のB−B線断面図である。 図1に示す振動片が有する検出振動腕の部分拡大図であり、(a)が平面図、(b)が同図(a)中のC−C線断面図、(c)が同図(a)中のD−D線断面図である。 図1に示すジャイロ素子の製造方法を説明するための図である。 図1に示すジャイロ素子の製造方法を説明するための図である。 図1に示すジャイロ素子の製造方法のうちの露光工程を説明するための図であり、(a)が平面図、(b)が同図(a)中のE−E断面図、(c)が同図(a)中のF−F線断面図である。 図1に示すジャイロ素子を備える振動子の好適な実施形態を示す図であり、(a)が断面図(同図(b)のG−G線断面図)、(b)が平面図である。 図1に示すジャイロ素子を備える物理量センサーの好適な実施形態を示す図であり、(a)が断面図(同図(b)のH−H線断面図)、(b)が平面図である。 図1に示すジャイロ素子を備える電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図である。 図1に示すジャイロ素子を備える電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。 図1に示すジャイロ素子を備える電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。 図1に示すジャイロ素子を備える移動体を適用した自動車の構成を示す斜視図である。
以下、本発明の振動素子の製造方法、振動素子、振動子、物理量センサー、電子機器および移動体の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
1.ジャイロ素子(振動素子)
図1は、本発明の振動素子の製造方法により製造されたジャイロ素子(振動素子)を示す平面図である。図2は、図1に示すジャイロ素子の平面図(透過図)である。図3は、図1に示すジャイロ素子の断面図であり、(a)が図1中のA−A線断面図、(b)図1中のB−B線断面図である。図4は、図1に示す振動片が有する検出振動腕の部分拡大図であり、(a)が平面図、(b)が同図(a)中のC−C線断面図、(c)が同図(a)中のD−D線断面図である。
なお、以下では、説明の便宜上、各図において、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸およびZ軸を図示しており、X軸に平行な方向を「X軸方向(第1方向)」、Y軸に平行な方向を「Y軸方向(第2方向)」、Z軸に平行な方向を「Z軸方向(第3方向)」という。また、+Z軸側を「上」、−Z側を「下」ともいう。
図1および図2に示すジャイロ素子1は、本発明の振動素子の製造方法によって製造される振動素子の一例である。ジャイロ素子1は、いわゆる「H型」と呼ばれるジャイロ素子であり、Y軸まわりの角速度ωyを検出することができる。
ジャイロ素子1は、振動片2と、振動片2に配置された電極3と、を有する。
<振動片>
振動片2は、Zカット水晶基板で構成されており、水晶の結晶軸であるY軸(機械軸)およびX軸(電気軸)で規定されるXY平面に広がりを有し、Z軸(光軸)方向に厚みを有する板状をなしている。なお、振動片2の構成材料としては、水晶に限定されず、例えば、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウムなどの圧電材料を用いることもできる。ただし、振動片2は、Zカット水晶基板で構成されていることが好ましい。これにより、振動片2の振動特性(特に周波数温度特性)を優れたものとすることができる。また、エッチングにより高い寸法精度で振動片2を形成することができる。なお、水晶のZ軸は、振動片2の厚さ方向と一致しているのが好ましいが、常温近傍における周波数温度変化を小さくする観点から、厚さ方向に対して若干(例えば、15°未満程度)傾けてもよい。
振動片2は、基部21と、基部21から−Y軸方向に並んで延出する一対の駆動振動腕(振動腕)22、23と、基部21から+Y軸方向に並んで延出する一対の検出振動腕(振動腕)24、25と、検出振動腕24、25の両側に位置し、基部21から+Y軸方向に並んで延出する一対の調整振動腕26、27と、基部21を支持する支持部28と、基部21と支持部28とを連結する連結部29と、を有している。このような振動片2は、例えばフォトリソグラフィー技術を用いたウェットエッチングにより形成されている。
―基部―
基部21は、平面視で(振動片2の厚さ方向から見て)ほぼ中央部に位置し、XY平面に広がりを有し、Z軸方向に厚さを有するほぼ板状をなしている。
―振動腕―
駆動振動腕22、23、検出振動腕24、25および調整振動腕26、27は、それぞれ、Y軸方向に延出する長尺状をなし、その各々の先端部には、幅広のハンマーヘッド(錘部)が設けられている。
また、本実施形態では、駆動振動腕22、23の幅(短手方向の長さ)は、検出振動腕24、25の幅(短手方向の長さ)よりも小さくなっている。
また、図1、図2および図3に示すように、駆動振動腕22、23の両主面(上面および下面)には、それぞれ、Y軸方向に沿って延在する溝5が形成されており、駆動振動腕22、23は、ほぼH状の横断面形状を有している。同様に、検出振動腕24、25の両主面(上面および下面)には、それぞれ、Y軸方向に沿って延在する溝4が形成されており、検出振動腕24、25は、ほぼH状の横断面形状を有している。
次に、溝4、5について詳述するが、各主面に形成された溝4、5は、ほぼ同様の構成であるため、以下では、検出振動腕24の一方の主面(上面)に形成された溝4について代表的に説明し、他の溝4および溝5については、その説明を省略する。
図4に示すように、溝4の内面は、検出振動腕24の一方の主面(上面)に対して傾斜した側面(第4側面)41、側面(第2側面)42、側面(第1側面)43、側面(第3側面)44、端面(第1端面)45および端面(第2端面)46で構成されている。
側面41、42、43、44は、それぞれ検出振動腕24の長手方向であるY軸方向に沿って延在している。側面41、42、43、44は、この順に−X軸側から+X軸方向に並んでいる。
端面45は、検出振動腕24の先端側に位置しており、側面41、42、43、44の各先端側の端部に接している。また、端面46は、検出振動腕24の基端側に位置しており、側面41、42、43、44の各基端側の端部に接している。
このような検出振動腕24の両主面に対して傾斜した側面41、42、43、44および端面45、46が形成されるのは、振動片2がZカット水晶板で構成されていることに起因する。水晶は、異方性を有しているため、ウェットエッチングにより水晶基板から振動片2を形成したとき、溝4は、図4に示すように、水晶の結晶面が現れた形状となる。
具体的には、側面43とYZ平面とのなす角度θ1は、65〜75°程度であり、側面42とYZ平面とのなす角度θ2は、55〜65°程度である。なお、側面41とYZ平面とのなす角度θ4は、20〜25°程度である。また、側面44は、X軸を法線とする平面(YZ平面)で構成されている。すなわち、側面44は、検出振動腕24の主面に対してほぼ直交した面で構成されている。
このような検出振動腕24の溝4の幅W1は、特に限定されないが、30〜180μm程度であるのが好ましい。また、溝4の深さ(もっとも深い部分の深さ)D1は、特に限定されないが、20〜120μm程度であるのが好ましい。
―支持部―
図1および図2に示すように、支持部28は、ほぼ「コ」字状をなしており、平面視にて、一対の駆動振動腕22、23を囲むように配置されている。支持部28は、一対の駆動振動腕22、23の−X側に位置する部分281および+X側に位置する部分282と、これらを接続し、一対の駆動振動腕22、23の−Y側に位置する部分283とを有している。
―連結部―
連結部29は、駆動振動腕22の−X軸側に位置し、支持部28の部分283と基部21とを連結している梁部291と、駆動振動腕23の+X軸側に位置し、支持部28の部分283と基部21とを連結している梁部292と、調整振動腕26の−X軸側に位置し、支持部28の部分281と基部21とを連結している梁部293と、調整振動腕27の+X軸側に位置し、支持部28の部分282と基部21とを連結している梁部294とを有している。
以上、振動片2の構成について説明した。なお、振動片2の構成としては、前述した構成に限定されず、例えば、駆動振動腕22、23から溝5を省略してもよいし、駆動振動腕22、23、検出振動腕24、25および調整振動腕26、27からハンマーヘッドを省略してもよい。
<電極>
図1、図2および図3に示すように、電極3は、駆動信号電極311および駆動信号端子312と、駆動接地電極321および駆動接地端子322と、第1検出信号電極331および第1検出信号端子332と、第2検出信号電極341および第2検出信号端子342と、検出接地電極351および検出接地端子352と、を有している。
なお、図1、図2および図3では、説明の便宜上、駆動信号電極311および駆動信号端子312と、駆動接地電極321および駆動接地端子322と、第1検出信号電極331および第1検出信号端子332と、第2検出信号電極341および第2検出信号端子342と、検出接地電極351および検出接地端子352とを、それぞれ、異なるハッチングで図示している。
―駆動信号電極および駆動信号端子―
駆動信号電極311は、駆動振動腕22の上面および下面と、駆動振動腕23の両側面と、に形成されている。駆動信号電極311は、駆動振動腕22、23の駆動振動を励起させるための電極である。
駆動信号端子312は、支持部28の部分283に形成されている。また、駆動信号端子312は、梁部292に形成された駆動信号配線を介して駆動振動腕22、23に形成された駆動信号電極311に電気的に接続されている。
―駆動接地電極および駆動接地端子―
駆動接地電極321は、駆動振動腕23の上面および下面、駆動振動腕22の両側面と、に形成されている。駆動接地電極321は、駆動信号電極311に対してグランドとなる電位を有する。
駆動接地端子322は、支持部28の部分283に形成されている。また、駆動接地端子322は、梁部291に形成された駆動接地配線を介して駆動振動腕22、23に形成された駆動接地電極321と電気的に接続されている。
このように駆動信号電極311および駆動信号端子312と、駆動接地電極321および駆動接地端子322とを形成することで、駆動信号端子312と駆動接地端子322との間に駆動信号(電圧)を印加することで、駆動振動腕22、23に形成された駆動信号電極311と駆動接地電極321との間に電界を生じさせ、駆動振動腕22、23を駆動振動させることができる。
―第1検出信号電極および第1検出信号端子―
第1検出信号電極331は、検出振動腕24の上面、下面および両側面と、検出振動腕25の上面、下面および両側面と、調整振動腕26の上面および下面とに形成されている。第1検出信号電極331は、検出振動腕24、25の検出振動が励起されたときに、該振動によって発生する電荷を検出するための電極である。
第1検出信号端子332は、支持部28の部分281に形成されている。また、第1検出信号端子332は、梁部293に形成された第1検出信号配線を介して検出振動腕24、25および調整振動腕26に形成された第1検出信号電極331と電気的に接続されている。
―第2検出信号電極および第2検出信号端子―
第2検出信号電極341は、検出振動腕24の上面、下面および両側面と、検出振動腕25の上面、下面および両側面と、調整振動腕27の上面および下面とに形成されている。第2検出信号電極341は、検出振動腕24、25の検出振動が励起されたときに、該振動によって発生する電荷を検出するための電極である。
第2検出信号端子342は、支持部28の部分282に形成されている。また、第2検出信号端子342は、梁部294に形成された第2検出信号配線を介して検出振動腕24、25および調整振動腕27に形成された第2検出信号電極341と電気的に接続されている。
―検出接地電極および検出接地端子―
検出接地電極351は、調整振動腕26の上面および下面と、調整振動腕27の上面および下面とに設けられている。検出接地電極351は、第1検出信号電極331および第2検出信号電極341に対してグランドとなる電位を有する。
検出接地端子352は、支持部28の部分281と部分282とにそれぞれ1個設けられている。これら検出接地端子352は、基部21および梁部291、292に形成された検出接地配線を介して調整振動腕26、27に形成された検出接地電極351と電気的に接続されている。
このように第1検出信号電極331および第1検出信号端子332と、第2検出信号電極341および第2検出信号端子342と、検出接地電極351および検出接地端子352とを配置することで、検出振動腕24、25の検出振動により第1検出信号電極331と第2検出信号電極341に発生した電荷を、第1検出信号電極331と検出接地電極351との間の信号、および、第2検出信号電極341と検出接地電極351との間からの信号として取り出すことができる。
次に、検出振動腕24の各溝4の内面に形成された電極3について詳述する。なお、各溝4の内面に形成された電極3は、ほぼ同様の構成であるため、以下では、検出振動腕24の一方の主面(上面)側の溝4に形成された電極3について代表的に説明し、他の溝4については、その説明を省略する。
図4に示すように、溝4内には、第1検出信号電極331と第2検出信号電極341とが形成されている。第1検出信号電極331は、側面41、42および端面45、46に形成されており、第2検出信号電極341は、側面43、44および端面45、46に形成されている。また、平面視にて、第1検出信号電極331と第2検出信号電極341との間には、電極3が設けられていない部分である非電極形成部36が存在している。別の言い方をすれば、溝4内の電極3は、非電極形成部36によって2つに分割されており、分割された一方が、第1検出信号電極331であり、他方が第2検出信号電極341である。なお、本明細書では、非電極形成部36に対し、溝4の内面のうち電極3が設けられている部分を「電極形成部30」とする。
溝4内の非電極形成部36は、Y軸方向(検出振動腕24の長手方向)に沿った長尺状をなし、途中の2箇所で湾曲または屈曲している。具体的には、図4(a)に示すように、非電極形成部36は、Y軸方向に沿った第1部分361と、2つの第2部分362と、2つの第3部分363とを有している。
第1部分361は、側面43上に位置し、Y軸方向に沿っている。
2つの第2部分362のうちの一方は、端面45上に位置しており、他方は、端面46上に位置している。これら第2部分362は、それぞれ、溝4の長手方向に沿った中心軸Xが、第1部分361の溝4の長手方向に沿った中心軸Xに対してずれている。また、これら第2部分362の幅は、それぞれ、第1部分361の幅とほぼ同等である。
2つの第3部分363のうちの一方は、側面42、43および端面45の交点P1およびその周囲(交点P1を含む領域)上に位置し、第1部分361の先端側の端部と、端面45上に位置する第2部分362とを接続している。また、2つの第3部分363のうちの他方は、側面42、43および端面46の交点P2およびその周囲(交点P2を含む領域)上に位置し、第1部分361の基端側の端部と、端面46上に位置する第2部分362とを接続している。
また、検出振動腕24に溝4を形成し、この溝4内に第1検出信号電極331および第2検出信号電極341を設けることにより、第1検出信号電極331と第2検出信号電極341とのX軸方向の間隔をより狭くすることができる。このため、第1検出信号電極331および第2検出信号電極341との間の電界効率が向上する。
以上のような電極3の構成としては、導電性を有していれば特に限定されないが、例えば、電極3は、Cr(クロム)、W(タングステン)などのメタライズ層(下地層)に、Ni(ニッケル)、Au(金)、Ag(銀)、Cu(銅)などの各被膜を積層した金属被膜で構成することができる。
以上、ジャイロ素子1の構成について説明した。
次に、図1を参照しつつ、ジャイロ素子1の動作について説明する。
ジャイロ素子1に角速度が加わらない状態において、駆動信号端子312と駆動接地端子322との間に駆動信号(交番電圧)を印加することで駆動信号電極311と駆動接地電極321との間に電界が生じると、駆動振動腕22、23は、図1中矢印A方向に示す方向に屈曲振動を行う。この駆動振動を行っている状態で、ジャイロ素子1にY軸周りの角速度ωyが加わると、検出振動腕24、25に、矢印B方向の検出振動が励起される。そして、この検出振動によって第1検出信号電極331と第2検出信号電極341に発生した電荷を、第1検出信号電極331と検出接地電極351との間の信号、および、第2検出信号電極341と検出接地電極351との間からの信号として第1検出信号端子332、第2検出信号端子342および検出接地端子352から取り出し、これらの信号に基づいて角速度ωyが求められる。
2、振動素子の製造方法
次に、ジャイロ素子1の製造方法(本発明の振動素子の製造方法)について説明する。
図5、図6は、それぞれ、図1に示すジャイロ素子の製造方法を説明するための図である。図7は、図1に示すジャイロ素子の製造方法のうちの露光工程を説明するための図であり、(a)が平面図、(b)が同図(a)中のE−E線断面図、(c)が同図(a)中のF−F線断面図である。なお、図5、図6および図7では、代表して振動片2のうちの検出振動腕24を図示している。
ジャイロ素子1の製造方法は、[1]振動片形成工程と、[2]導電膜形成工程(金属膜形成工程)と、[3]レジスト膜形成工程と、[4]露光工程と、[5]現像工程と、[6]除去工程と、を含む。以下、各工程を順次説明する。
[1]振動片形成工程
まず、Zカット水晶基板から振動片2を形成する。
振動片2は、例えば、既知のフォトリソグラフィー技法およびエッチング技法を用いて、Zカット水晶基板を加工することにより形成することができる。
[2]金属膜形成工程
次に、図5(a)に示すように、振動片2の表面に金属膜(導電膜)Mを形成する。
金属膜Mの形成方法としては、例えば、蒸着やスパッタリング等を用いることができる。なお、金属膜Mは、後の工程を経て電極3となるものである。
[3]レジスト膜形成工程
次に、図5(b)に示すように、金属膜Mの上面にポジ型のレジスト膜Rを形成する。
レジスト膜Rの形成方法としては、例えば、プラズマCVD等の気相成膜法を用いることができる。なお、本実施形態ではポジ型のレジスト膜Rを用いたが、ネガ型のレジスト膜であってもよい。
[4]露光工程
次に、図5(c)に示すように、レジスト膜Rのうちの非電極形成部36上の箇所にレーザー光(露光光)Lを照射する。
図7(b)および同図(c)に示すように、レーザー光Lは、振動片2の主面(検出振動腕24の主面)およびその法線方向の双方に対して傾斜する方向から斜め照射する。さらに、レーザー光Lは、検出振動腕24の溝4の側面43で反射したレーザー光Lが溝4の内面に照射しない方向から照射する。このように斜め照射することにより、振動片2の外形を構成する複数の面に設けられたレジスト膜Rを同時に(同一工程内にて)露光することができ、効率がよい。
本工程において、溝4内では、以下のようにしてレジスト膜Rにレーザー光Lを照射する。なお、以下では、検出振動腕24、25の各主面に形成された溝4は、ほぼ同様の構成であるため、以下では、検出振動腕24の一方の主面(上面)に形成された溝4について代表的に説明し、他の溝4に関しては、その説明を省略する。
図7(a)に示すように、溝4内では、非電極形成部36上のレジスト膜R(以下では、「レジスト膜36R」という)にレーザー光Lを照射する。これにより、後の工程にて、溝4内のレジスト膜Rを、第1検出信号電極331上の箇所と第2検出信号電極341上の箇所とに分割することができる。
具体的には、溝4の長手方向における側面42と側面43との間では、側面43に位置する第1部分361上のレジスト膜R(以下では、「レジスト膜361R」という)にレーザー光Lを照射する。また、溝4内の先端側の端部では、端面45に位置する第2部分362上のレジスト膜R(以下では、「レジスト膜362R」という)と、交点P1を含む領域に位置する第3部分363上のレジスト膜R(以下、「レジスト膜363R」という)とにレーザー光Lを照射する。なお、図7では図示を省略しているが、溝4内の基端側の端部でも、端面46上に位置する第2部分362上のレジスト膜Rと交点P2を含む領域に位置する第3部分363上のレジスト膜Rとにレーザー光Lを照射する。
このようにレーザー光Lを照射することにより、レジスト膜36Rで反射したレーザー光Lが溝4内の電極形成部30上のレジスト膜R(以下では、「レジスト膜30R」という)に照射されることを低減、さらには防止することができる。
具体的には、図7(b)に示すように、レジスト膜361Rで反射したレーザー光Lは、溝4の上方(外部)に向う。前述したように、レーザー光Lは、側面43で反射したレーザー光Lが溝4の内面に照射しない方向から斜め照射されるので、電極形成部30上のレジスト膜30Rに、レジスト膜361Rで反射したレーザー光Lが照射されるのを防ぐことができる。これに対して、図7(b)中破線で示すように、側面42上のレジスト膜Rにレーザー光Lを照射した場合、ここで反射したレーザー光Lは、レジスト膜Rのうち残存すべき部分である側面44上のレジスト膜Rに照射されてしまう。このように、側面42は、レーザー光Lが照射した場合、レーザー光Lが反射して電極形成部30上のレジスト膜30Rにレーザー光Lが照射される部分である「光反射部」を構成している。このような光反射部を除く部分にレーザー光Lを照射すれば、後の工程にて、電極形成部30上のレジスト膜Rの欠損を防ぐことができる。
また、第3部分363上のレジスト膜363Rで反射したレーザー光Lは、溝4の上方(外部)に向うか、レジスト膜363R内に照射される。ここで、振動片2の外形を加工する精度によって、交点P1のような面同士の接続部分は、その表面形状が乱雑になることがあり、このような表面形状の接続部分に照射されたレーザー光Lは乱反射する場合がある。このような場合でも、レジスト膜363Rにレーザー光Lを照射することで、乱反射したレーザー光Lは、溝4の外部か、レジスト膜Rのうちの除去すべき部分であるレジスト膜363R内で乱反射する。このため、レジスト膜363Rで反射したレーザー光Lがレジスト膜30Rに照射されるのを防ぐことができる。
また、図7(c)に示すように、第2部分362上のレジスト膜362Rで反射したレーザー光Lは、溝4の上方(外部)に向うか、除去すべき部分である第3部分363上のレジスト膜363Rに照射される。このため、レジスト膜362Rで反射したレーザー光Lがレジスト膜30Rに照射されるのを防ぐことができる。
このようにレジスト膜36Rにレーザー光Lを照射すれば、反射したレーザー光Lがレジスト膜30Rに照射することを低減、さらには防止することができるため、レジスト膜30Rに欠損部分が生じることを低減、さらには防止することができる。その結果、最終的に得られる電極3の欠損を低減することができる。このため、電極3の面積が小さくなることによる振動素子の電気的特性に悪影響が生じることを低減することができる。特に、検出振動腕24に形成された溝4内のレジスト膜36Rに上記のようにレーザー光Lを照射することで、最終的に得られた第1検出信号電極331および第2検出信号電極341の各面積が小さくなることにより、振動片2から出力される検出信号のゲインが小さくなることを抑制することができる。
また、上記のようなレーザー光Lの照射において、レジスト膜361Rとレジスト膜363Rとのなす角度(第1部分361と第3部分363とのなす角度)θが、60°以上120°以下になるようレーザー光Lを照射するのが好ましく、80°以上100°以下になるようレーザー光Lを照射するのがより好ましく、ほぼ90°になるようレーザー光Lを照射するのがさらに好ましい。これにより、レジスト膜362R、363Rで反射したレーザー光Lが電極形成部30上のレジスト膜30Rに照射されることをより低減することができる。また、最終的に得られる溝4内の電極3の面積を増やすことができる。
以上説明したように、溝4の内面を構成する各面が振動片2の主面に対して傾斜していても、溝4の内面を構成する各面の主面に対する傾斜角度とレーザー光の照射角度等を考慮し、前述したようにレジスト膜36Rにレーザー光を照射することで、溝4内の残存すべきレジスト膜30Rに欠損部分が生じることを低減することができる。
[5]現像工程
次に、現像液を供給して、前記[4]露光工程にて露光されたレジスト膜Rを現像する。これにより、図6(a)に示すように、レジスト膜Rのうちの露光された部分が除去されることで、レジスト膜RからレジストマスクRMを得ることができる。
[6]除去工程
次に、図6(b)に示すように、例えばウェットエッチングによって金属膜MのうちレジストマスクRMから露出している部分を除去する。そして、図6(c)に示すように、レジストマスクRMを除去する。
以上のような工程を経て、ジャイロ素子1が得られる。
このような本実施形態のジャイロ素子1の製造方法によれば、[4]露光工程において、溝4内の残存すべきレジスト膜30Rに欠損部分が生じることが低減されているので、振動片2の電極3が欠損することを低減することができ、それに起因する振動特性の低下や、断線を防ぐことができる。
なお、本実施形態のジャイロ素子(振動素子)1の製造方法では、検出振動腕24、25に形成された溝4内の電極3を分割したが、駆動振動腕22、23に形成された溝5内の電極3を分割してもよい。溝5内の電極3を分割することで、溝5内の電極3間における熱弾性効果によるエネルギーの損失、いわゆる熱弾性損失を低減することができる。
また、前述した説明では、溝4内の先端側の端面(第1端面)45および基端側の端面(第2端面)46の双方にレーザー光Lを照射したが、いずれか一方の端面にのみレーザー光Lを照射してもよい。
2.振動子
次に、ジャイロ素子1を備えた振動子10について説明する。
図8は、図1に示すジャイロ素子を備える振動子の好適な実施形態を示す図であり、(a)が断面図(同図(b)のG−G線断面図)、(b)が平面図である。なお、図8(b)では、説明の便宜上、リッドの図示を省略している。
図8(a)および同図(b)に示すように、振動子10は、ジャイロ素子1と、ジャイロ素子1を収容するパッケージ9と、を有している。
パッケージ9は、凹部911を有する箱状のベース91と、凹部911の開口を塞いでベース91に接合された板状のリッド92とを有している。そして、凹部911がリッド92によって塞がれることにより形成された収容空間Sにジャイロ素子1が収納されている。収容空間Sは、減圧(真空)状態となっていてもよいし、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスが封入されていてもよい。
ベース91の構成材料としては、特に限定されないが、酸化アルミニウム等の各種セラミックスや、各種ガラス材料を用いることができる。また、リッド92の構成材料としては、特に限定されないが、ベース91の構成材料と線膨張係数が近似する部材であると良い。例えば、ベース91の構成材料を前述のようなセラミックスとした場合には、コバール等の合金とするのが好ましい。なお、ベース91とリッド92の接合方法は、特に限定されず、例えば、接着材やろう材を介して接合することができる。
凹部911の底面には、6つの接続端子915が形成されている。これら6つの接続端子915は、それぞれ、ベース91に形成された図示しない貫通電極等によって、ベース91の下面(パッケージ9の外周面)に引き出されている。接続端子915の構成としては、導電性を有していれば特に限定されないが、例えば、Cr(クロム)、W(タングステン)などのメタライズ層(下地層)に、Ni(ニッケル)、Au(金)、Ag(銀)、Cu(銅)などの各被膜を積層した金属被膜で構成することができる。
6つの接続端子915は、それぞれ、導電性接着材11を介して、ジャイロ素子1の駆動信号端子312、駆動接地端子322、第1検出信号端子332、第2検出信号端子342および2つの検出接地端子352に電気的に接続されている。導電性接着材11としては、導電性および接着性を有していれば特に限定されず、例えば、シリコーン系、エポキシ系、アクリル系、ポリイミド系、ビスマレイミド系等の接着材に銀粒子等の導電性フィラーを分散させたものを用いることができる。
以上説明したような振動子10は、ジャイロ素子1を備えているので、優れた信頼性を有する。
3.物理量センサー
次に、ジャイロ素子1を備えた物理量センサー100について説明する。
図9は、図1に示すジャイロ素子を備える物理量センサーの好適な実施形態を示す図であり、(a)が断面図(同図(b)のH−H線断面図)、(b)が平面図である。なお、図9(b)では、説明の便宜上、リッドの図示を省略している。
図9に示すように、物理量センサー100は、ジャイロ素子1と、ジャイロ素子1を収容するパッケージ9と、ICチップ(回路)8と、を有している。
図9に示すように、パッケージ9は、凹部911を有する箱状のベース91と、凹部911の開口を塞いでベース91に接合された板状のリッド92とを有している。そして、凹部911がリッド92によって塞がれることにより形成された収容空間Sにジャイロ素子1およびICチップ8が収納されている。収容空間Sは、減圧(真空)状態となっていてもよいし、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスが封入されていてもよい。
図9に示すように、ICチップ8は、凹部911の底面に例えば銀ペースト等によって固定されている。ICチップ8は、その上面に複数の端子812が形成されている。これら端子812は、導電性ワイヤーによって凹部911の底面に形成された各端子815に電気的に接続されている。ICチップ8は、ジャイロ素子1を駆動振動させるための駆動回路と、角速度が加わったときにジャイロ素子1に生じる検出振動を検出する検出回路と、を有する。
また、ICチップ8の上面には、6つの接続端子811が設けられている。これら接続端子811は、それぞれ、導電性接着材12を介して、ジャイロ素子1の駆動信号端子312、駆動接地端子322、第1検出信号端子332、第2検出信号端子342および2つの検出接地端子352に電気的に接続されている。これにより、ジャイロ素子1とICチップ8とは電気的に接続された状態となっている。
なお、本実施形態では、ICチップ8がパッケージ9の内部に設けられているが、ICチップ8は、パッケージ9の外部に設けられていてもよい。
以上説明したような物理量センサー100は、ジャイロ素子1を備えているので、優れた信頼性を有する。
4.電子機器
次に、ジャイロ素子(振動素子)1を備えた電子機器(本発明の電子機器)を説明する。
図10は、図1に示すジャイロ素子を備える電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図である。この図において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部1108を備える表示ユニット1106と、により構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100には、角速度検知手段(ジャイロセンサー)として機能するジャイロ素子1が内蔵されている。
図11は、図1に示すジャイロ素子を備える電子機器を適用した携帯電話機(スマートフォン、PHS等も含む)の構成を示す斜視図である。この図において、携帯電話機1200は、アンテナ(図示せず)、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部1208が配置されている。このような携帯電話機1200には、角速度検知手段(ジャイロセンサー)として機能するジャイロ素子1が内蔵されている。
図12は、図1に示すジャイロ素子を備える電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
ディジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部1310が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部は、被写体を電子画像として表示するファインダとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。また、このディジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニター1430が、データ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1308に格納された撮像信号が、テレビモニター1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。このようなディジタルスチルカメラ1300には、例えば、手振れ補正に用いるための角速度検知手段(ジャイロセンサー)として機能するジャイロ素子1が内蔵されている。
このような電子機器は、ジャイロ素子1を備えているので、優れた信頼性を有する。
なお、本発明の振動素子を備える電子機器は、図10のパーソナルコンピューター、図11の携帯電話機、図12のディジタルスチルカメラの他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレーター等に適用することができる。
5.移動体
次に、ジャイロ素子(振動素子)1を備えた移動体(本発明の移動体)を説明する。
図13は、図1に示すジャイロ素子を備える移動体を適用した自動車を示す斜視図である。自動車1500には角速度検知手段(ジャイロセンサー)として機能するジャイロ素子1が内蔵されており、例えば、ジャイロ素子1によって車体1501の姿勢を検出することができる。ジャイロ素子1の検出信号は、車体姿勢制御装置1502に供給され、車体姿勢制御装置1502は、その信号に基づいて車体1501の姿勢を検出し、検出結果に応じてサスペンションの硬軟を制御したり、個々の車輪1503のブレーキを制御したりすることができる。
その他、このような姿勢制御は、二足歩行ロボットやラジコンヘリコプターで利用することができる。以上のように、各種移動体の姿勢制御の実現にあたって、ジャイロ素子1が組み込まれる。
以上説明したような移動体は、ジャイロ素子1を備えているので、優れた信頼性を有する。
以上、本発明の振動素子の製造方法、振動素子、振動子、物理量センサー、電子機器および移動体を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、本発明は、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、前述した実施形態では、本発明の振動素子の一例として、図1に示す構成の振動素子について説明したが、振動素子の構成はこれに限定されない。例えば、調整振動腕は、必要に応じて設けられればよく、省略されていてもよい。また、駆動振動腕、検出振動腕および調整振動腕の数は、それぞれ、1つまたは3つ以上であってもよい。また、駆動振動腕は、検出振動腕を兼ねていてもよい。また、振動片の形態は、上述したようないわゆるH型音叉の形態に限定されず、例えば、二脚音叉、三脚音叉、くし歯型、直交型、角柱型等の形態であってもよい。
1……ジャイロ素子(振動素子)
2……振動片
21……基部
22、23……駆動振動腕
24、25……検出振動腕
26、27……調整振動腕
28……支持部
281、282、283……部分
29……連結部
291、292、293、294……梁部
3……電極
30……電極形成部
311……駆動信号電極
312……駆動信号端子
321……駆動接地電極
322……駆動接地端子
331……第1検出信号電極
332……第1検出信号端子
341……第2検出信号電極
342……第2検出信号端子
351……検出接地電極
352……検出接地端子
36……非電極形成部
361……第1部分
362……第2部分
363……第3部分
4……溝
41……側面(第4側面)
42……側面(第2側面)
43……側面(第1側面)
44……側面(第3側面)
45……端面(第1端面)
46……端面(第2端面)
5……溝
100……物理量センサー
10……振動子
11……導電性接着材
12……導電性接着材
8……ICチップ
811……端子
812……端子
815……接続端子
9……パッケージ
91……ベース
92……リッド
911……凹部
915……接続端子
1100……パーソナルコンピューター
1102……キーボード
1104……本体部
1106……表示ユニット
1200……携帯電話機
1108……表示部
1202……操作ボタン
1204……受話口
1206……送話口
1208……表示部
1300……ディジタルスチルカメラ
1302……ケース
1304……受光ユニット
1306……シャッターボタン
1308……メモリー
1310……表示部
1312……ビデオ信号出力端子
1314……入出力端子
1430……テレビモニター
1440……パーソナルコンピューター
1500……自動車
1501……車体
1502……車体姿勢制御装置
1503……車輪
A、B……矢印
P1、P2……交点
L……レーザー光
M……金属膜
R、30R、36R、361R、362R、363R……レジスト膜
RM……レジストマスク
θ、θ1、θ2、θ4……角度
ωy……角速度
、X……中心軸
S……収容空間
W1……幅
D1……深さ

Claims (13)

  1. 基部、および前記基部に接続され溝が形成されている振動腕を有する振動片と、前記溝の内面に設けられた電極と、を有する振動素子を製造する方法であって、
    前記溝の内面に、前記電極となる導電膜を形成する工程と、
    前記導電膜の表面にレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜の一部に露光光を照射する工程と、を含み、
    前記溝の内面は、前記振動腕の長手方向に沿って延在し、かつ、前記振動腕の主面に対して傾斜している第1側面と、
    前記振動腕の長手方向に沿って延在し、かつ、前記振動腕の主面および前記第1側面に対して傾斜し、前記第1側面に接している第2側面と、
    前記振動腕の前記先端側に位置し、前記第1側面の前記先端側の端部と前記第2側面の前記先端側の端部とに接している第1端面と、
    前記振動腕の前記基部側に位置し、前記第1側面の前記基端側の端部と前記第2側面の前記基端側の端部と接している第2端面と、を有し、
    前記溝の内面は、前記電極が形成される電極形成部と、前記露光光が照射した場合、前記露光光が反射して前記電極形成部に前記露光光が照射される光反射部と、を有し、
    前記露光光を照射する工程において、前記溝の長手方向における前記第1側面と前記第2側面との間において、前記第1側面および前記第2側面のうちの前記光反射部を除く領域に前記露光光を照射し、
    前記溝内の前記第1端面および前記第2端面のうち少なくとも一方側において、前記第1端面および前記第2端面のうちの少なくとも一方の端面と、前記第1側面と、前記第2側面との交点を含む領域に前記露光光を照射することを特徴とする振動素子の製造方法。
  2. 前記第2側面は、前記光反射部を有し、
    前記露光光を照射する工程において、前記溝の長手方向における前記第1側面と前記第2側面との間では、前記第1側面に前記露光光を照射する請求項1に記載の振動素子の製造方法。
  3. 前記溝の内面は、前記第1側面の前記第2側面とは反対側に、前記溝の長手方向に沿って延在し、前記第1側面に接している第3側面を有し、
    前記第3側面は、前記電極形成部を有する請求項1または2に記載の振動素子の製造方法。
  4. 前記第2側面は、前記電極形成部を有する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の振動素子の製造方法。
  5. 前記露光光を照射する工程では、前記振動腕の主面と交差する角度で前記露光光を照射する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の振動素子の製造方法。
  6. 前記露光光を照射する工程では、前記第1側面で反射した前記露光光が前記溝の外部に向かう角度で前記露光光を照射する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の振動素子の製造方法。
  7. 前記露光光を照射する工程では、前記第1側面上に設けられ、前記溝の長手方向に沿っている第1部分と、前記第1端面および前記第2端面のうち少なくとも一方の端面上に設けられた第2部分と、前記第1部分と前記第2部分とを接続し、前記振動片の前記交点上に設けられた第3部分と、を有する非電極形成部を形成することにより前記溝内に設けられた前記電極を分割し、
    前記第1部分と前記第2部分とは、それぞれの前記溝の長手方向に沿った中心軸がずれている請求項1ないし6のいずれか1項に記載の振動素子の製造方法。
  8. 前記振動片は、Zカット水晶板で構成されている請求項1ないし7のいずれか1項に記載の振動素子の製造方法。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の振動素子の製造方法によって製造されることを特徴とする振動素子。
  10. 請求項9に記載の振動素子と、
    パッケージと、を備えていることを特徴とする振動子。
  11. 請求項9に記載の振動素子と、
    回路と、を備えていることを特徴とする物理量センサー。
  12. 請求項9に記載の振動素子を備えていることを特徴とする電子機器。
  13. 請求項9に記載の振動素子を備えていることを特徴とする移動体。
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